JP4674498B2 - 磁気検出素子 - Google Patents

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本発明は膜面垂直方向にセンス電流を流すCPP(current perpendicular to the plane)型の磁気検出素子に係り、特に抵抗変化量と素子面積の積ΔRAを大きくすることのできる磁気検出素子に関する。
図10は従来における磁気検出素子(スピンバルブ型薄膜素子)を記録媒体との対向面と平行な方向から切断した部分断面図である。
図10に示す符号1はTaからなる下地層であり、下地層1の上にCrなどのbcc構造(体心立方構造)の金属からなるシード層2が形成されている。
シード層2の上には、反強磁性層3、固定磁性層4、非磁性材料層5、フリー磁性層6、保護層7が順次積層された多層膜Tが形成されている。
保護層7はTa、非磁性材料層5はCu、フリー磁性層6及び固定磁性層4はCoMnGeなどのホイスラー合金、反強磁性層3はPtMnによって形成されている。
多層膜T1の上下には電極層10,10が設けられており、多層膜の膜面垂直方向に直流のセンス電流が流される。
反強磁性層3と固定磁性層4との界面で交換結合磁界が発生し、前記固定磁性層4の磁化はハイト方向(図示Y方向)に固定される。
フリー磁性層6の両側にはCoPtなどの硬磁性材料からなるハードバイアス層8が形成され、ハードバイアス層8の上下及び端部は絶縁層9によって絶縁されている。ハードバイアス層8からの縦バイアス磁界によりフリー磁性層6の磁化は、トラック幅方向(図示X方向)に揃えられる。
図10に示される磁気検出素子に、外部磁界が印加されると、フリー磁性層の磁化方向が固定磁性層の磁化方向に対して相対的に変動して、多層膜の抵抗値が変化する。一定の電流値のセンス電流が流れている場合には、この抵抗値の変化を電圧変化として検出することにより、外部磁界を検知する。
ホイスラー合金からなるフリー磁性層を有する磁気検出素子は、特許文献1(特開2003−218428号公報)に記載されている。
特開2003−218428号公報
特許文献1には、フリー磁性層がCoMnGe合金などのホイスラー合金からなることが記載されている。また、CoMnGe合金層にNiFe層を重ねる構成も記載されている。
しかし、ホイスラー合金からなる層に単にNiFe層を重ねるだけでは、好ましいフリー磁性層を形成できないことがわかってきた。
本発明は上記従来の課題を解決するためのものであり、フリー磁性層の好ましい構成条件を示すことのできる磁気検出素子の発明を提供することを目的としている。
本発明は、磁化方向が一方向に固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成されたフリー磁性層が設けられた多層膜を有し、前記多層膜の各層の膜面と垂直方向に電流が流れる磁気検出素子において、
前記フリー磁性層はCo2MnGe合金層と(NiaFe100-ab Cu 100-b合金層(組成比率aはNiFe中のNiのat%であり、組成比率bは(Ni a Fe 100-a b 100-b 合金中のNiFeのat%である)の積層体を有しており、
前記フリー磁性層の下に前記非磁性材料層及び前記固定磁性層が設けられ、前記フリー磁性層の上にも前記非磁性材料層及び前記固定磁性層が設けられており、
前記フリー磁性層は、上部フリー磁性層及び下部フリー磁性層が直接あるいは他の磁性材料層又は非磁性材料層を介して積層されたものであり、
前記下部フリー磁性層並びにこの下部フリー磁性層より下側の非磁性材料層及び固定磁性層を有する多層膜下部は、伝導電子の流れの下流側に位置する多層膜下流部で、前記上部フリー磁性層並びにこの上部フリー磁性層より上側の非磁性材料層及び固定磁性層を有する多層膜上部は、前記伝導電子の流れの上流側に位置する多層膜上流部であり、
前記多層膜上流部の磁気抵抗変化量×素子面積ΔRAが前記多層膜下流部のΔRAよりも小さく、
前記上部フリー磁性層が、(Ni 90 Fe 10 b Cu 100-b合金層(ただしbは、90〜95の範囲内である)で形成され、前記下部フリー磁性層が、Co2MnGe合金層で形成されることを特徴とするものである
本発明では、Co2MnZ合金層に重ねる(NiaFe100−a)bX100−b合金層の組成比を上記のごとく設定することによって、前記フリー磁性層の特性を向上させることができる。
また、スピン伝達トルク(Spin Transfer Torqe;STT)由来のノイズを低減することができる。
スピン伝達トルクとはフリー磁性層、非磁性材料層、及び固定磁性層が積層された多層膜の膜面垂直方向に電流を流すときに、伝導電子のスピン角運動量がフリー磁性層及び固定磁性層を形成する磁性材料のスピン角運動量に伝播して、フリー磁性層のスピン角運動量を揺らがせるトルクである。フリー磁性層のスピン角運動量が揺らぐと再生出力にノイズが重畳し、磁気検出素子のS/N比が低下する。
フリー磁性層から固定磁性層に向かう方向に伝導電子が流れるときに発生するスピン伝達トルクは、固定磁性層からフリー磁性層に向かう方向に伝導電子が流れるときに発生するスピン伝達トルクよりも小さい。
本発明では、磁気検出素子の前記多層膜の前記多層膜上流部と前記多層膜下流部を非対称にして、前記多層膜上流部の磁気抵抗変化量×素子面積ΔRAを前記多層膜下流部のΔRAよりも小さくさせている。
これによって、デュアルスピンバルブ型磁気検出素子のフリー磁性層にかかるスピン伝達トルクを十分に相殺させることができる。本発明を用いると原理的にはフリー磁性層にかかるスピン伝達トルクをゼロにすることもできる。
また、前記(Ni 90 Fe 10 b Cu 100-b合金層の膜厚が10Å以上60Å以下であることが好ましい。(Ni 90 Fe 10 b Cu 100-b合金層の膜厚が60Åより大きくなると抵抗変化量ΔRと素子面積Aの積ΔRAが減少し、膜厚が10Åより小さいとフリー磁性層の磁歪が大きくなるので好ましくない。
また、前記固定磁性層がCoYZ合金層(YはMn、Fe、Crのうち1種または2種以上の元素であり、前記ZはAl、Ga、Si、Ge、Sn、In、Sb、Pb、Znのうち1種または2種以上の元素)を有していることが好ましい。
本発明では、CoMnZ合金層に重ねる(NiFe100−a100−b合金層の組成比率a、bを、80<a≦100、60<b≦100とすることによって、前記フリー磁性層の軟磁気特性などを向上させることができる。
図1は、本発明の第1実施形態の磁気検出素子(シングルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の全体構造を記録媒体との対向面側から見た断面図である。なお、図1ではX方向に延びる素子の中央部分のみを破断して示している。
このシングルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子は、ハードディスク装置に設けられた浮上式スライダのトレーリング側端部などに設けられて、ハードディスクなどの記録磁界を検出するものである。なお、ハードディスクなどの磁気記録媒体の移動方向はZ方向であり、磁気記録媒体からの洩れ磁界の方向はY方向である。
図1の最も下に形成されているのはTa,Hf,Nb,Zr,Ti,Mo,Wのうち1種または2種以上の元素などの非磁性材料で形成された下地層11である。この下地層11の上に、シード層12、反強磁性層13、固定磁性層14、非磁性材料層15、フリー磁性層16、保護層17からなる多層膜T1が積層されている。図1に示される磁気検出素子は、フリー磁性層16の下に反強磁性層13が設けられているいわゆるボトムスピンバルブ型のGMR型磁気検出素子である。
シード層12は、NiFeCrまたはCrによって形成される。シード層12をNiFeCrによって形成すると、シード層12は、面心立方(fcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{111}面として表される等価な結晶面が優先配向しているものになる。また、シード層12をCrによって形成すると、シード層12は、体心立方(bcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{110}面として表される等価な結晶面が優先配向しているものになる。
なお、下地層11は非晶質に近い構造を有するが、この下地層11は形成されなくともよい。
前記シード層12の上に形成された反強磁性層13は、元素X(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Osのうち1種または2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材料で形成されることが好ましい。
反強磁性層13は、面心立方(fcc)構造を有するもの、または、面心正方(fct)構造を有するものになる。
これら白金族元素を用いたX−Mn合金は、耐食性に優れ、またブロッキング温度も高く、さらに交換結合磁界(Hex)を大きくできるなど反強磁性材料として優れた特性を有している。例えば二元系で形成されたPtMn合金又はIrMn合金を使用することができる。
また本発明では、前記反強磁性層13は、元素Xと元素X′(ただし元素X′は、Ne,Ar,Kr,Xe,Be,B,C,N,Mg,Al,Si,P,Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Zr,Nb,Mo,Ag,Cd,Sn,Hf,Ta,W,Re,Au,Pb、及び希土類元素のうち1種または2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材料で形成されてもよい。
なお前記元素X′には、元素XとMnとで構成される空間格子の隙間に侵入し、または元素XとMnとで構成される結晶格子の格子点の一部と置換する元素を用いることが好ましい。ここで固溶体とは、広い範囲にわたって、均一に成分が混ざり合った固体のことを指している。
なお本発明では、好ましい前記元素X′の組成範囲は、at%(原子%)で0.2から10であり、より好ましくは、at%で、0.5から5である。また本発明では前記元素XはPtまたはIrであることが好ましい。
また本発明では、反強磁性層13の元素Xあるいは元素X+X′のat%を45(at%)以上で60(at%)以下に設定することが好ましい。より好ましくは49(at%)以上で56.5(at%)以下である。これによって成膜段階において、固定磁性層14との界面が非整合状態にされ、しかも前記反強磁性層13は熱処理によって適切な規則変態を起すものと推測される。
前記反強磁性層13の上に形成されている固定磁性層14は3層構造となっている。
固定磁性層14は、磁性層14a、非磁性中間層14b、磁性層14cからなる3層構造である。前記反強磁性層13との界面での交換結合磁界及び非磁性中間層14bを介した反強磁性的交換結合磁界(RKKY的相互作用)により前記磁性層14aと磁性層14cの磁化方向は互いに反平行状態にされる。これは、いわゆる人工フェリ磁性結合状態と呼ばれ、この構成により固定磁性層14の磁化を安定した状態にでき、また前記固定磁性層14と反強磁性層13との界面で発生する交換結合磁界を見かけ上大きくすることができる。
ただし前記固定磁性層14は磁性材料層の単層、あるいは磁性材料層の多層構造で形成されていてもよい。
なお前記磁性層14aは例えば15〜35Å程度で形成され、非磁性中間層14bは8Å〜10Å程度で形成され、磁性層14cは20〜50Å程度で形成される。
非磁性中間層14bは、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cuなどの非磁性導電材料で形成される。
なお、固定磁性層14の磁性層14cはCoYZ合金層(YはMn、Fe、Crのうち1種または2種以上の元素であり、ZはAl、Ga、Si、Ge、Sn、In、Sb、Pb、Znのうち1種または2種以上の元素)であることが好ましい。CoYZ合金層はハーフメタル的な性質を有しており、CPP−GMR型磁気検出素子の抵抗変化量ΔRと素子面積Aの積ΔRAを大きくするために有効な材料である。
前記固定磁性層14の上に形成された非磁性材料層15は、Cu、Au、またはAgで形成されている。
さらにフリー磁性層16が形成されている。フリー磁性層16の構成については後述する。
図1に示す実施形態では、フリー磁性層16の両側にハードバイアス層18,18が形成されている。前記ハードバイアス層18,18からの縦バイアス磁界によってフリー磁性層16の磁化はトラック幅方向(図示X方向)に揃えられる。ハードバイアス層18,18は、例えばCo−Pt(コバルト−白金)合金やCo−Cr−Pt(コバルト−クロム−白金)合金などで形成されている。
ハードバイアス層18,18の上下及び端部は、アルミナなどからなる絶縁層19,19によって絶縁されている。
多層膜T1の上下には、電極層20,20が設けられており、多層膜T1を構成する各層の膜面に対して垂直方向にセンス電流が流されるCPP(Current Perpendicular to the plane)−GMR型の磁気検出素子となっている。
電極層20,20はα−Ta、Au、Cr、Cu(銅)、Rh、Ir、RuやW(タングステン)などで形成されている。
本実施の形態の特徴部分について述べる。
フリー磁性層16はCoMnZ合金層16a(ZはAl、Sn、In、Sb、Ga、Si、Ge、Pb、Znのうち1種または2種以上の元素)と(NiFe100−a100−b合金層16b(XはCu、Au、Ag、Zn、Mn、Al、Cd、Zr、Hfのうち1種または2種以上の元素であり、a、bは組成比率を表し、80<a≦100、60<b≦100である)の積層体である。
なお、組成比率aはNiFe中のNiのat%であり、組成比率bは(NiFe100−a100−b合金中のNiFeのat%である。
本発明では、CoMnZ合金層16aに重ねる(NiFe100−a100−b合金層16bの組成比を上記のごとく設定することによって、(NiFe100−a100−b合金層16bの磁歪定数λsを負の値にし、フリー磁性層16の磁歪定数λs及び保磁力Hcを小さくして、フリー磁性層の軟磁気特性を向上させることができる。
特に、(NiFe100−a100−b合金層16bのa、bを、80<a≦100、90<b≦100とすることが好ましい。
またNiFe合金に元素Xを添加すると、(NiFe100−a100−b合金のスピン依存バルク散乱係数βが増加して磁気検出素子のΔRAを大きくすることができる。
また、NiFe合金に元素Xを添加すると、(NiFe100−a100−b合金層の磁気的膜厚(飽和磁化Msと膜厚の積Mst)が小さくなりフリー磁性層16の外部磁界による変動が大きくなる。すなわち、磁気検出素子の磁界検出感度が向上する。
また、(NiFe100−a100−b合金層16bの膜厚t2が10Å以上60Å以下であることが好ましい。(NiFe100−a100−b合金層16bの膜厚t2が60Åより大きくなると抵抗変化量ΔRと素子面積Aの積ΔRAが減少し、膜厚t2が10Åより小さいとフリー磁性層16全体の磁歪が大きくなるので好ましくない。
CoMnZ合金層16aの膜厚t1は40Å以上80Å以下であることが好ましい。CoMnZ合金層16aの膜厚が40Å以上であるとCoMnZ合金層16aの結晶性、規則性が向上するので好ましい。
また、本実施の形態のように、CoMnZ合金層16aが非磁性材料層15に接していると、(NiFe100−a100−b合金層16bが非磁性材料層15に接しているよりも磁気検出素子のΔRAを向上させることができる。
図1に示すスピンバルブ型薄膜素子では、下地層11から保護層17を積層後、熱処理を施し、これによって前記反強磁性層13と固定磁性層14との界面に交換結合磁界を発生させる。このとき磁場を図示Y方向と平行な方向に向けることで、前記固定磁性層14の磁化は図示Y方向と平行な方向に向けられ固定される。なお図1に示す実施形態では前記固定磁性層14は人工フェリ構造であるため、磁性層14aが例えば図示Y方向に磁化されると、磁性層14c及び磁性層23は図示Y方向と逆方向に磁化される。
また、上記熱処理によってフリー磁性層16のCoMnZ合金層16aが規則格子化する。
図1に示された磁気検出素子は、固定磁性層とフリー磁性層の磁化が直交関係にある。記録媒体からの洩れ磁界が磁気検出素子の図示Y方向に侵入し、フリー磁性層の磁化が感度良く変動し、この磁化方向の変動と、固定磁性層の固定磁化方向との関係で電気抵抗が変化し、この電気抵抗値の変化に基づく電圧変化または電流変化により、記録媒体からの洩れ磁界が検出される。
フリー磁性層16のCoMnZ合金層16aを形成するCoMnZ合金はホイスラー合金である。ホイスラー合金とはホイスラー型結晶構造を有する金属化合物の総称であり、組成によって強磁性を示す。CoMnZ合金は、スピン分極率が大きい金属であり、伝導電子のほとんどが、アップスピン電子またはダウンスピン電子のいずれか一方のみからなるハーフメタル的な性質を有している。
CPP−GMR型の磁気検出素子のフリー磁性層16がCoMnZ合金層16aを有すると、外部磁界が印加される前と後における、フリー磁性層16内部の伝導電子のスピン拡散長又は平均自由行程の変化量が大きくなる。すなわち、多層膜の抵抗値の変化量が大きくなり、外部磁界の検出感度が向上する。
しかし、フリー磁性層16をCoMnZ合金層16aの単層構造にすると、フリー磁性層16の磁歪定数λsや保磁力Hcが大きくなり磁界検出感度の安定性が低下する。
ここで、本実施の形態のように、CoMnZ合金層16aに(NiFe100−a100−b合金層16b(XはCu、Au、Ag、Zn、Mn、Al、Cd、Zr、Hfのうち1種または2種以上の元素であり、a、bは組成比率を表し、80<a≦100、60<b≦100である)を重ねると、フリー磁性層16の磁歪定数λsや保磁力Hcを小さくすることができる。これは、(NiFe100−a100−b合金中の元素Ni、元素Fe、元素Xの組成比率を上述した範囲に設定すると(NiFe100−a100−b合金の磁歪定数λsが負の値をとり、かつ保磁力Hcを小さくできるからである。
また、ホイスラー合金からなるCoMnZ合金層16aが、Cuからなる非磁性材料層15の上に積層されている。
Cuからなる非磁性材料層15は、面心立方(fcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{111}面として表される等価な結晶面が優先配向している。
面心立方(fcc)構造の{111}面は最稠密面であり、この最稠密面が非磁性材料層15の表面に露出しているので、非磁性材料層15の上に積層されるフリー磁性層(ホイスラー合金層)16の原子が非磁性材料層15の内部に拡散することを抑制できる。
また、ホイスラー合金からなるフリー磁性層16は成膜後に、各元素を結晶格子の定まった位置に配置させる規則格子化を行う必要がある。フリー磁性層16を非磁性材料層15の最稠密面の上に成膜するとホイスラー合金の原子が膜面平行方向に動きやすくなり、規則格子化に必要な原子の配置交換が容易になる。
また、ホイスラー合金の格子規則化を促進するために、成膜後に熱処理した場合にも、フリー磁性層16と非磁性材料層15の界面拡散を最小限に押さえることができる。
また、CoMnZ合金層16aをCuからなる非磁性材料層15の上に積層することにより、CoMnZ合金層16aは、体心立方(bcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{220}面として表される等価な結晶面が優先配向する。
体心立方(bcc)構造の{220}面は最稠密面であり、従って、フリー磁性層16と非磁性材料層15の界面付近における、フリー磁性層15の原子と非磁性材料層15の原子の相互拡散を抑制できる。また、ホイスラー合金の規則格子化に必要な原子の配置交換がさらに容易になる。
なお、CoMnZ合金層16aと(NiFe100−a100−b合金層16bの積層体の上にRuなどの非磁性中間層及び他の磁性層を積層することにより、フリー磁性層16を人工フェリ構造にしてもよい。
図2は本発明におけるデュアルスピンバルブ型磁気検出素子の構造を示す部分断面図である。
図2に示すように、下から下地層11、シード層12、反強磁性層13、固定磁性層31、非磁性材料層15、およびフリー磁性層16が連続して積層されている。さらにフリー磁性層16の上には、非磁性材料層15、固定磁性層32、反強磁性層13、および保護層17が連続して積層されて多層膜T2が形成されている。
また、フリー磁性層16の両側にはハードバイアス層18,18が積層されている。ハードバイアス層18,18は、アルミナなどからなる絶縁層19,19によって絶縁されている。
多層膜T2の上下には、電極層20,20が設けられており、多層膜T2を構成する各層の膜面に対して垂直方向にセンス電流が流されるCPP(Current Perpendicular to the plane)−GMR型の磁気検出素子となっている。
なお、図2において、図1と同じ符号が付けられた層は同じ材料で形成されている。
図2に示される磁気検出素子の固定磁性層31は、磁性層31a、非磁性中間層31b、磁性層31c、ホイスラー合金層31dの4層構造である。磁性層31a及び磁性層31cはCoFeなどの強磁性材料によって形成され、ホイスラー合金層31dは後述するホイスラー合金によって形成されている。ホイスラー合金層31dは強磁性を有しており、強磁性結合によって磁性層31cとホイスラー合金層31dは同一の方向に磁化が向く。
反強磁性層13との界面での交換結合磁界及び非磁性中間層31bを介した反強磁性的交換結合磁界(RKKY的相互作用)により磁性層31aの磁化方向と、磁性層31c及びホイスラー合金層31dの磁化方向は互いに反平行状態にされる。
CPP−GMR型の磁気検出素子の固定磁性層31のなかにホイスラー合金層31dを設け、固定磁性層32のなかにホイスラー合金層32aを設けると、外部磁界が印加される前と後における、多層膜T2内部の伝導電子のスピン拡散長または平均自由行程の変化量が大きくなる。すなわち、多層膜T2の抵抗値の変化量が大きくなり、外部磁界の検出感度が向上する。また、非磁性中間層31bの下や非磁性中間層32cの上にホイスラー合金層を積層してもよいが、磁気抵抗効果に寄与するのは、非磁性材料層15に接する層なので、非磁性中間層31bの上や非磁性中間層32cの下にホイスラー合金層を積層するほうが効果的である。
この固定磁性層31のひとつの層であるホイスラー合金層31dは、CoYZ合金層(YはMn、Fe、Crのうち1種または2種以上の元素であり、ZはAl、Ga、Si、Ge、Sn、In、Sb、Pb、Znのうち1種または2種以上の元素)であることが好ましい。CoYZ合金層はハーフメタル的な性質を有しており、CPP−GMR型磁気検出素子の抵抗変化量ΔRと素子面積Aの積ΔRAを大きくするために有効な材料である。
より好ましくは、ホイスラー合金層31dが、組成式がCoMnZで表される金属化合物によって形成されることである。ここで、ZはAl、Ga、Si、Ge、Sn、In、Sb、Pb、Zn、のうち1種または2種以上の元素である。
または、前記ホイスラー合金層31dを(Co0.67Fe0.33100−a合金(ZはAl、Ga、Si、Geのうち1種または2種以上の元素であり、aはat%で0<a≦30)を用いて形成することが好ましい。前記(Co0.67Fe0.33100−a合金層のat%を示すaは7≦a≦30の範囲であることが好ましく、より好ましくは22≦a≦28である。前記(Co0.67Fe0.33100−a合金の前記Zは例えばAlまたはGaのいずれか又は両方である。あるいは、前記(Co0.67Fe0.33100−a合金の前記Zは例えばAlである。
前記(Co0.67Fe0.33100−a合金はハーフメタル的な性質を有しているので磁気検出素子のΔRAを大きくすることができる。また、前記(Co0.67Fe0.33100−a合金はCoMnGe合金やCoMnGa合金に比べて磁歪が大きいので、固定磁性層31を構成する層の材料に用いると、固定磁性層31の一軸異方性を強くできる。
図2に示される磁気検出素子の固定磁性層32は、ホイスラー合金層32a、磁性層32b、非磁性中間層32c、磁性層32d、の4層構造である。磁性層32b及び磁性層32dはCoFeなどの強磁性材料によって形成され、ホイスラー合金層32aは、前述した固定磁性層31のホイスラー合金層31dを形成するホイスラー合金とおなじホイスラー合金によって形成されている。磁性層32bは強磁性を有しており、強磁性結合によってホイスラー合金層32aと磁性層32bは同一の方向に磁化が向く。
固定磁性層32の上にある反強磁性層13との界面での交換結合磁界及び非磁性中間層32cを介した反強磁性的交換結合磁界(RKKY的相互作用)により磁性層32dの磁化方向と、ホイスラー合金層32a及び磁性層32bの磁化方向は互いに反平行状態にされる。
なお、固定磁性層31、固定磁性層32を人工フェリ構造を有さない構造として形成してもよい。また、図2に示された固定磁性層31を図1の磁気検出素子の固定磁性層14の代わりに用いてもよい。
本実施の形態でも、フリー磁性層16はCoMnZ合金層16a(ZはAl、Sn、In、Sb、Ga、Si、Ge、Pb、Znのうち1種または2種以上の元素)と(NiFe100−a100−b合金層16b(XはCu、Au、Ag、Zn、Mn、Al、Cd、Zr、Hfのうち1種または2種以上の元素であり、a、bは組成比率を表し、80<a≦100、60<b≦100である)の積層体である。
なお、組成比率aはNiFe中のNiのat%であり、組成比率bは(NiFe100−a100−b合金中のNiFeのat%である。
本発明では、CoMnZ合金層16aに重ねる(NiFe100−a100−b合金層16bの組成比を上記のごとく設定することによって、フリー磁性層の磁歪定数λs及び保磁力Hcを小さくして、フリー磁性層の軟磁気特性を向上させることができる。
特に、(NiFe100−a100−b合金層16bのa、bを、80<a≦100、90<b≦100とすることが好ましい。
またNiFe合金に元素Xを添加すると、(NiFe100−a100−b合金のスピン依存バルク散乱係数βが増加して磁気検出素子のΔRAを大きくすることができる。
また、NiFe合金に元素Xを添加すると、(NiFe100−a100−b合金層の磁気的膜厚(飽和磁化Msと膜厚の積Mst)が小さくなりフリー磁性層16の外部磁界による変動が大きくなる。すなわち、磁気検出素子の磁界検出感度が向上する。
また、(NiFe100−a100−b合金層16bの膜厚t2が10Å以上60Å以下であることが好ましい。(NiFe100−a100−b合金層16bの膜厚t2が60Åより大きくなると抵抗変化量ΔRと素子面積Aの積ΔRAが減少し、膜厚t2が10Åより小さいとフリー磁性層16全体の磁歪が大きくなるので好ましくない。
CoMnZ合金層16aの膜厚は40Å以上80Å以下であることが好ましい。CoMnZ合金層16aの膜厚が40Å以上であるとCoMnZ合金層16aの結晶性、規則性が向上するので好ましい。
また、本実施の形態のように、CoMnZ合金層16aが非磁性材料層15に接していると、(NiFe100−a100−b合金層16bが非磁性材料層15に接しているよりも磁気検出素子のΔRAを向上させることができるので、(NiFe100−a100−b合金層16bの上にさらにCoMnZ合金層を積層した3層構造のフリー磁性層を形成してもよい。
図2に示された磁気検出素子は、固定磁性層とフリー磁性層の磁化が直交関係にある。記録媒体からの洩れ磁界が磁気検出素子の図示Y方向に侵入し、フリー磁性層の磁化が感度良く変動し、この磁化方向の変動と、固定磁性層の固定磁化方向との関係で電気抵抗が変化し、この電気抵抗値の変化に基づく電圧変化または電流変化により、記録媒体からの洩れ磁界が検出される。図2に示されたデュアルスピンバルブ型の磁気検出素子はフリー磁性層16の上下に非磁性材料層15を介して固定磁性層32と固定磁性層31が設けられているので、理論上は抵抗変化量ΔRと素子面積Aの積ΔRAを図1に示されたシングルスピンバルブ型の磁気検出素子の2倍にすることができる。本実施の形態の磁気検出素子であれば、磁気検出素子のΔRAを5mΩμm以上にすることが可能である。
フリー磁性層16のCoMnZ合金層16aを形成するCoMnZ合金はホイスラー合金である。ホイスラー合金とはホイスラー型結晶構造を有する金属化合物の総称であり、組成によって強磁性を示す。CoMnZ合金は、スピン分極率が大きい金属であり、伝導電子のほとんどが、アップスピン電子またはダウンスピン電子のいずれか一方のみからなるハーフメタル的な性質を有している。
CPP−GMR型の磁気検出素子のフリー磁性層16がCoMnZ合金層16aを有すると、外部磁界が印加される前と後における、フリー磁性層16内部の伝導電子のスピン拡散長又は平均自由行程の変化量が大きくなる。すなわち、多層膜の抵抗値の変化量が大きくなり、外部磁界の検出感度が向上する。
しかし、フリー磁性層16をCoMnZ合金層16aの単層構造にすると、フリー磁性層16の磁歪定数λsや保磁力Hcが大きくなり、フリー磁性層16の外部磁界による変動が小さくなる。つまり、フリー磁性層16の軟磁気特性が低下して磁気検出素子の磁界検出感度が低くなる。
ここで、本実施の形態のように、CoMnZ合金層16aに(NiFe100−a100−b合金層16b(XはCu、Au、Ag、Zn、Mn、Al、Cd、Zr、Hfのうち1種または2種以上の元素であり、a、bは組成比率を表し、80<a≦100、60<b≦100である)を重ねると、フリー磁性層16の磁歪定数λsや保磁力Hcを小さくすることができる。これは、(NiFe100−a100−b合金中の元素Ni、元素Fe、元素Xの組成比率を上述した範囲に設定すると(NiFe100−a100−b合金の磁歪定数λsが負の値をとり、かつ保磁力Hcを小さくできるからである。
また、CoMnZ合金層16aと(NiFe100−a100−b合金層16bのうち下側に位置している方を下部フリー磁性層とし上側に位置している方を上部フリー磁性層としたとき、下部フリー磁性層並びにこの下部フリー磁性層より下側の非磁性材料層15及び固定磁性層31を有する多層膜下部Bと上部フリー磁性層並びにこの上部フリー磁性層より上側の非磁性材料層15及び固定磁性層32を有する多層膜上部Aのうち、伝導電子の流れの上流に位置する方を多層膜上流部、伝導電子の流れの下流に位置する方を多層膜下流部としたとき、
多層膜上流部の磁気抵抗変化量×素子面積ΔRAが多層膜下流部のΔRAよりも小さくすることが好ましい。
これにより、スピン伝達トルク(Spin Transfer Torqe;STT)由来のノイズを低減することができる。
スピン伝達トルクとはフリー磁性層、非磁性材料層、及び固定磁性層が積層された多層膜の膜面垂直方向に電流を流すときに、伝導電子のスピン角運動量がフリー磁性層及び固定磁性層を形成する磁性材料のスピン角運動量に伝播して、フリー磁性層のスピン角運動量を揺らがせるトルクである。フリー磁性層のスピン角運動量が揺らぐと再生出力にノイズが重畳し、磁気検出素子のS/N比が低下する。
フリー磁性層から固定磁性層に向かう方向に伝導電子が流れるときに発生するスピン伝達トルクは、固定磁性層からフリー磁性層に向かう方向に伝導電子が流れるときに発生するスピン伝達トルクよりも小さい。
磁気検出素子の多層膜の多層膜上流部と多層膜下流部を非対称にして、多層膜上流部の磁気抵抗変化量×素子面積ΔRAを多層膜下流部のΔRAよりも小さくさせると、デュアルスピンバルブ型磁気検出素子のフリー磁性層にかかるスピン伝達トルクを十分に相殺させることができる。原理的にはフリー磁性層にかかるスピン伝達トルクをゼロにすることもできる。
図2に示される磁気検出素子では、CoMnZ合金層16aが下部フリー磁性層であり、(NiFe100−a100−b合金層16bが上部フリー磁性層である。
多層膜上部Aと多層膜下部Bとでは、CoMnZ合金層16aを含む多層膜下部の方がΔRAが大きくなる。従って、図2に示されるデュアルスピンバルブ型磁気検出素子の場合、伝導電子が上から下に流れるようにし、多層膜上部Aを多層膜上流部、多層膜下部Bを多層膜下流部とすると、多層膜上流部のΔRAが多層膜下流部のΔRAよりも小さくなる。
図3は本発明におけるトップスピンバルブ型磁気検出素子の構造を示す部分断面図である。
図3に示すように、下から下地層11、シード層12、フリー磁性層16、非磁性材料層15、固定磁性層32、反強磁性層13および保護層17が連続して積層されて多層膜T3が形成されている。
また、フリー磁性層41の両側にはハードバイアス層18,18が積層されている。ハードバイアス層18,18は、アルミナなどからなる絶縁層19,19によって絶縁されている。
多層膜T3の上下には、電極層20,20が設けられており、多層膜T3を構成する各層の膜面に対して垂直方向にセンス電流が流されるCPP(Current Perpendicular to the plane)−GMR型の磁気検出素子となっている。
なお、図3において、図1または図2と同じ符号が付けられた層は同じ材料で形成されている。
本実施の形態でも、フリー磁性層16はCoMnZ合金層16a(ZはAl、Sn、In、Sb、Ga、Si、Ge、Pb、Znのうち1種または2種以上の元素)と(NiFe100−a100−b合金層16b(XはCu、Au、Ag、Zn、Mn、Al、Cd、Zr、Hfのうち1種または2種以上の元素であり、a、bは組成比率を表し、80<a≦100、60<b≦100である)の積層体である。なお、組成比率aはNiFe中のNiのat%であり、組成比率bは(NiFe100−a100−b合金中のNiFeのat%である。
本発明では、CoMnZ合金層16aに重ねる(NiFe100−a100−b合金層16bの組成比を上記のごとく設定することによって、フリー磁性層の磁歪定数λs及び保磁力Hcを小さくして、フリー磁性層の軟磁気特性を向上させることができる。
特に、(NiFe100−a100−b合金層16bのa、bを、80<a≦100、90<b≦100とすることが好ましい。
またNiFe合金に元素Xを添加すると、(NiFe100−a100−b合金のスピン依存バルク散乱係数βが増加して磁気検出素子のΔRAを大きくすることができる。
また、NiFe合金に元素Xを添加すると、(NiFe100−a100−b合金層の磁気的膜厚(飽和磁化Msと膜厚の積Mst)が小さくなりフリー磁性層16の外部磁界による変動が大きくなる。すなわち、磁気検出素子の磁界検出感度が向上する。
また、(NiFe100−a100−b合金層16bの膜厚t2が10Å以上60Å以下であることが好ましい。(NiFe100−a100−b合金層16bの膜厚t2が60Åより大きくなると抵抗変化量ΔRと素子面積Aの積ΔRAが減少し、膜厚t2が10Åより小さいとフリー磁性層16全体の磁歪が大きくなるので好ましくない。
CoMnZ合金層16aの膜厚は40Å以上80Å以下であることが好ましい。CoMnZ合金層16aの膜厚が40Å以上であるとCoMnZ合金層16aの結晶性、規則性が向上するので好ましい。
本実施の形態のように、CoMnZ合金層16aに(NiFe100−a100−b合金層16b(XはCu、Au、Ag、Zn、Mn、Al、Cd、Zr、Hfのうち1種または2種以上の元素であり、a、bは組成比率を表し、80<a≦100、60<b≦100である)を重ねると、フリー磁性層16の磁歪定数λsや保磁力Hcを小さくすることができる。これは、(NiFe100−a100−b合金中の元素Ni、元素Fe、元素Xの組成比率を上述した範囲に設定すると(NiFe100−a100−b合金の磁歪定数λsが負の値をとり、かつ保磁力Hcを小さくできるからである。
なお、図1ないし図3では、固定磁性層14、31、32の磁化方向を反強磁性層13との界面での交換結合磁界によって固定していた。しかし、固定磁性層14、31、32に反強磁性層13が重ねられず、固定磁性層14、31、32自身の一軸異方性によって固定磁性層14、31、32の磁化方向が固定される自己ピン止め構造の固定磁性層であってもよい。
図4ないし図6は本発明の他の実施の形態を示す磁気検出素子の断面図である。図4ないし図6に記載の磁気検出素子はそれぞれ図1ないし図3に記載された磁気検出素子と類似しているが、フリー磁性層16を構成するCoMnZ合金層16aと(NiFe100−a100−b合金層16bの積層順序が異なっている。図4ないし図6のそれぞれにおいて、図1ないし図3と同じ符号が付けられた層は同じ材料で形成されている。
図1及び図2に記載された磁気検出素子のフリー磁性層16は、CoMnZ合金層16aの上に(NiFe100−a100−b合金層16bが積層されていた。ここで、図4及び図5に示されるように、(NiFe100−a100−b合金層16b(XはCu、Au、Ag、Zn、Mn、Al、Cd、Zr、Hfのうち1種または2種以上の元素であり、a、bは組成比率を表し、80<a≦100、60<b≦100である)の上に、CoMnZ合金層16aが積層されたものでもフリー磁性層16の磁歪定数λsや保磁力Hcを小さくすることができる。
同様に、図3に記載された磁気検出素子のフリー磁性層16のCoMnZ合金層16aと(NiFe100−a100−b合金層16bの積層順序を変えてもよい。すなわち、図6に示されるように、CoMnZ合金層16aの上に、(NiFe100−a100−b合金層16b(XはCu、Au、Ag、Zn、Mn、Al、Cd、Zr、Hfのうち1種または2種以上の元素であり、a、bは組成比率を表し、80<a≦100、60<b≦100である)が積層されたものでもフリー磁性層16の磁歪定数λsや保磁力Hcを小さくすることができる。
図1ないし図6に示された実施の形態の磁気検出素子では、フリー磁性層16をCoMnZ合金層16aと(NiFe100−a100−b合金層16bの2層構造とした。ただし、本発明のフリー磁性層16の構成はこれらの2層構造に限るものではない。
例えば、図7ないし図9に示されるように、フリー磁性層30をCoMnZ合金層30a、(NiFe100−a100−b合金層30b、CoMnZ合金層30aが順に積層された3層構造にしてもよい。
図7ないし図9に記載の磁気検出素子はそれぞれ図1ないし図3に記載された磁気検出素子と類似している。図7ないし図9に記載の磁気検出素子が図1ないし図3に記載された磁気検出素子と異なっているのはフリー磁性層30の構造である。すなわち、フリー磁性層30がCoMnZ合金層30aとCoMnZ合金層30aの間に、(NiFe100−a100−b合金層30b(XはCu、Au、Ag、Zn、Mn、Al、Cd、Zr、Hfのうち1種または2種以上の元素であり、a、bは組成比率を表し、80<a≦100、60<b≦100である)が挿入されている3層構造である。
特に、図8に示されたデュアルスピンバルブGMR型の磁気検出素子の場合、フリー磁性層30の上下でCoMnZ合金層30aがCuからなる非磁性材料層15と接触している。CoMnZ合金層30aと非磁性材料層15の界面における伝導電子のスピン依存散乱係数γが、(NiFe100−a100−b合金層と非磁性材料層が接触している場合よりも増加して、磁気検出素子の抵抗変化量ΔRと素子面積Aの積ΔRAを大きくすることができる。また、フリー磁性層30の内部に(NiFe100−a100−b合金層30bが形成されているのでフリー磁性層30の磁歪定数λsや保磁力Hcを小さくすることができる。なお、磁気検出素子の抵抗変化量ΔRと素子面積Aの積ΔRAを大きくするために、(NiFe100−a100−b合金層30bの膜厚は10Å以上30Å以下であることが好ましい。
フリー磁性層の構成を異ならせた17種のデュアルスピンバルブ型磁気検出素子を形成し、磁気検出素子の磁気抵抗変化量ΔRと素子面積Aの積ΔRA、フリー磁性層の保磁力Hc及び磁歪定数λsを調べた。
実験に用いたデュアルスピンバルブ型磁気検出素子の膜構成を以下に示す。なお、括弧内の数字は膜厚である。
基板/下地層Ta(30Å)/シード層NiFeCr(50Å)/反強磁性層PtMn(120Å)/固定磁性層(第1固定磁性層Co70Fe30/非磁性中間層Ru(8Å)/第2固定磁性層(50Å))/非磁性材料層Cu(43Å)/フリー磁性層(70Å〜90Å)/非磁性材料層Cu(43Å)/固定磁性層(第2固定磁性層(50Å)/非磁性中間層Ru(8Å)/第1固定磁性層Co70Fe30)/反強磁性層PtMn(120Å)/保護層Ta(30Å)
第2固定磁性層とフリー磁性層の構成と磁気検出素子の磁気抵抗変化量ΔRと素子面積Aの積ΔRA、フリー磁性層の保磁力Hc及び磁歪定数λsを表1に示す。
Figure 0004674498
CoMnGe合金の正確な組成比はCo49Mn26Ge25である。
比較例2のようにフリー磁性層がCoMnGe合金からなる単層構造であるとき、磁気検出素子のΔRAは9.4mΩμmと大きくなるが、フリー磁性層の保磁力Hcが1000A/mを超え、また磁歪定数λsも25ppmになり、磁気検出素子として安定性に欠け、実用的に使用することができない。
また、比較例3のように、フリー磁性層がNi80Fe20合金からなる単層構造のとき、フリー磁性層の保磁力Hc、磁歪定数λsいずれも低くなるが、磁気検出素子のΔRAは4.5mΩμmであり、実用レベルとなりうる5.0mΩμmに届いていない。
フリー磁性層がCoMnGe合金層とNi80Fe20合金層の積層体である比較例4の磁気検出素子のΔRAは5.5mΩμmであるが、フリー磁性層の磁歪定数λsが13.5ppmと高く問題が残る。
さらに、フリー磁性層がCoMnGe合金層とCo85Fe15合金層の積層体である比較例5の磁気検出素子は、保磁力が1600A/mを超えてしまい実用にならない。
一方、フリー磁性層がCoMnGe合金層とNi85Fe15合金層の積層体である実施例1の磁気検出素子は、磁歪定数λsが3.5ppmと非常に小さく、実用的な安定性を有する磁気検出素子である。
また、フリー磁性層がCoMnGe合金層とNi90Fe10合金層の積層体である実施例2の磁気検出素子は、磁歪定数λsが2.2ppmとさらに小さくなる。保磁力Hcは864A/mであり実用上問題は生じない。
フリー磁性層がCoMnGe合金層とNi95Fe合金層の積層体である実施例3の磁気検出素子及びフリー磁性層がCoMnGe合金層とNi層の積層体である実施例4の磁気検出素子は、それぞれ磁歪定数λsが0.9ppm及び0.3ppmとさらに小さくなる。保磁力Hcはそれぞれ875A/mおよび883A/mであり実用上問題は生じない。なお、前記Ni層とはNiのみからなる層である。
実施例1ないし実施例4の磁気検出素子もΔRAは5.5mΩμm以上である。
実施例5、6はフリー磁性層をCoMnGe合金層とNiFeCu合金層の積層体としている。実施例5のフリー磁性層も、実施例6のフリー磁性層も磁歪定数λsは1ppm以下であり、また、保磁力Hcも300A/m以下であり充分小さい。
NiFe合金にCuを添加したNiFeCu合金を用いた層はCuを添加しないNiFe合金に比べてスピン依存バルク散乱係数βが増加し、また、磁気的膜厚(飽和磁化Msと膜厚の積Mst)が小さくなる。この結果、実施例5、6の磁気検出素子のΔRAは実施例1ないし4の磁気検出素子のΔRAより大きくなっている。
フリー磁性層をCoMnGe合金層とNiFe合金層またはNiFeCu合金層の積層体にすると、フリー磁性層の磁歪定数λsが減少するのは、CoMnGe合金層の磁歪定数が正の値をとり、NiFe合金層及びNiFeCu合金層の磁歪定数が負の値をとるからである。
しかし、磁歪定数が正の値をとるCoMnGe層に、単に磁歪定数が負の値をとる合金層を積層するだけでは、低保磁力Hcかつ高ΔRAの磁気検出素子を形成することはできない。例えば、比較例5はCoMnGe層に負磁歪のCo85Fe15合金層を積層したフリー磁性層を有しているが、フリー磁性層の保磁力Hcは1640A/mであり実用範囲を超えている。
実施例1ないし4のように、NiFe合金のNiのat%を80at%より大きくするか、または、実施例5、6のようにNiFeCu合金のNiFe中のNiのat%を80at%より大きくすることによって、フリー磁性層の磁歪定数λsを小さくするだけでなく、保磁力Hcも900A/m以下と小さく、磁気検出素子のΔRAも5mΩμmである磁気検出素子を得ることができる。
さらに、(NiFe100−a100−b合金層(XはCu、Au、Ag、Zn、Mn、Al、Cd、Zr、Hfのうち1種または2種以上の元素である)の組成比率aを、85≦a≦100にすることがより好ましいことも分かる。
実施例1ないし6では、CoMnGe合金層の上にNiFe合金層、NiFeCu合金層やNi層を積層していた。ただし、CoMnGe合金層とNiFe合金層、Ni層の積層順序を入れ替えても、フリー磁性層の磁歪を低減させる効果は維持される。
実施例7のフリー磁性層はNi95Fe合金層の上にCoMnGe合金層が積層されたものであり、実施例8のフリー磁性層はNi層の上にCoMnGe合金層が積層されたものである。実施例7及び8の磁気検出素子は、それぞれ磁歪定数λsが0.8ppm及び0.1ppmであり、保磁力Hcはそれぞれ380A/mおよび450A/mである。
実施例7、8の磁気検出素子もΔRAは5.5mΩμm以上である。
実施例9、10は実施例3の磁気検出素子のNi95Fe10合金層の膜厚をそれぞれ30Å、50Åに変更したものである。
また、実施例11、12は実施例4の磁気検出素子のNi層の膜厚をそれぞれ30Å、50Åに変更したものである。
実施例9ないし12の結果から、Ni95Fe合金層、Ni層の膜厚が小さくなるとΔRAの値が大きくなる傾向にあることが分かる。ただし、実施例9ないし12のいずれの磁気検出素子も、ΔRAは5.0mΩμm以上であり、磁歪定数λsも充分に小さい。
実施例13ないし15は、フリー磁性層が、上下方向に対向する2つのCoMnGe合金層の間にNi層が挿入された3層構造で形成されたものである。
実施例13は、2つのCoMnGe合金層の間に20Åの膜厚のNi層を挿入したものであるが、磁歪定数λsが6.4ppmであり、実用上問題は生じない。また保持力Hcは980A/mであり実用上問題は生じない。さらにΔRAは7.0mΩμmと非常に大きな値となっている。
実施例14は2つのCoMnGe合金層の間に40Åの膜厚のNi層を挿入したものであり、実施例15は2つのCoMnGe合金層の間に60Åの膜厚のNi層を挿入したものである。
実施例14の磁歪定数λsは2.7ppmであり、実施例15の磁歪定数λsは−0.5ppmであり、ともに充分小さい値となっている。また、実施例14の保持力Hcは850A/mであり、実施例15の保持力Hcは880A/mであり、ともに実用上問題は生じない。さらに実施例14のΔRAは6.9mΩμmであり、実施例15のΔRAは6.6mΩμmであり、ともに非常に大きな値となっている。
また実施例13ないし15の結果から、2つのCoMnGe合金層の間に挿入されるNi層の膜厚が小さくなると、ΔRAの値が大きくなる傾向にあることが分かる。ただし、実施例13ないし15のいずれの磁気検出素子も、ΔRAは6.6mΩμm以上と大きな値であり、磁歪定数λsも実用上問題が生じないほど小さい。
本発明の第1実施形態の磁気検出素子(シングルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体との対向面側から見た断面図、 本発明の第2実施形態の磁気検出素子(デュアルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体との対向面側から見た断面図、 本発明の第3実施形態の磁気検出素子(シングルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体との対向面側から見た断面図、 本発明の第4実施形態の磁気検出素子(シングルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体との対向面側から見た断面図、 本発明の第5実施形態の磁気検出素子(デュアルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体との対向面側から見た断面図、 本発明の第6実施形態の磁気検出素子(シングルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体との対向面側から見た断面図、 本発明の第7実施形態の磁気検出素子(シングルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体との対向面側から見た断面図、 本発明の第8実施形態の磁気検出素子(デュアルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体との対向面側から見た断面図、 本発明の第9実施形態の磁気検出素子(シングルスピンバルブ型磁気抵抗効果素子)の構造を記録媒体との対向面側から見た断面図、 従来の磁気検出素子の断面図、
符号の説明
11 下地層
12 シード層
13 反強磁性層
14、31、32 固定磁性層
15 非磁性材料層
16 フリー磁性層
17 保護層
18 ハードバイアス層
19 絶縁層
20 電極層

Claims (3)

  1. 磁化方向が一方向に固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成されたフリー磁性層が設けられた多層膜を有し、前記多層膜の各層の膜面と垂直方向に電流が流れる磁気検出素子において、
    前記フリー磁性層はCo2MnGe合金層と(NiaFe100-ab Cu 100-b合金層(組成比率aはNiFe中のNiのat%であり、組成比率bは(Ni a Fe 100-a b 100-b 合金中のNiFeのat%である)の積層体を有しており、
    前記フリー磁性層の下に前記非磁性材料層及び前記固定磁性層が設けられ、前記フリー磁性層の上にも前記非磁性材料層及び前記固定磁性層が設けられており、
    前記フリー磁性層は、上部フリー磁性層及び下部フリー磁性層が直接あるいは他の磁性材料層又は非磁性材料層を介して積層されたものであり、
    前記下部フリー磁性層並びにこの下部フリー磁性層より下側の非磁性材料層及び固定磁性層を有する多層膜下部は、伝導電子の流れの下流側に位置する多層膜下流部で、前記上部フリー磁性層並びにこの上部フリー磁性層より上側の非磁性材料層及び固定磁性層を有する多層膜上部は、前記伝導電子の流れの上流側に位置する多層膜上流部であり、
    前記多層膜上流部の磁気抵抗変化量×素子面積ΔRAが前記多層膜下流部のΔRAよりも小さく、
    前記上部フリー磁性層が、(Ni 90 Fe 10 b Cu 100-b合金層(ただしbは、90〜95の範囲内である)で形成され、前記下部フリー磁性層が、Co2MnGe合金層で形成されることを特徴とする磁気検出素子。
  2. 前記(Ni 90 Fe 10 b Cu 100-b合金層の膜厚が10Å以上60Å以下である請求項記載の磁気検出素子。
  3. 前記固定磁性層がCo2YZ合金層(YはMn、Fe、Crのうち1種または2種以上の元素であり、前記ZはAl、Ga、Si、Ge、Sn、In、Sb、Pb、Znのうち1種または2種以上の元素)を有している請求項1または2に記載の磁気検出素子。
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