JP4483687B2 - 磁気検出素子及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、磁化方向が固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成され、外部磁界による磁化方向が変動するフリー磁性層、を有する磁気検出素子に係り、特に、磁気抵抗変化量ΔRと素子面積Aの積ΔRAを高く維持できるとともに磁歪を低減することが可能な磁気検出素子及びその製造方法に関する。
図11は従来における磁気検出素子(スピンバルブ型薄膜素子)を記録媒体との対向面と平行な方向から切断した部分断面図である。
図11に示す符号1はTaからなる下地層であり、下地層1の上にCrなどのbcc構造(体心立方構造)の金属からなるシード層2が形成されている。
シード層2の上には、反強磁性層3、固定磁性層4、非磁性材料層5、フリー磁性層6、保護層7が順次積層された多層膜Tが形成されている。
保護層7はTa、非磁性材料層5はCu、フリー磁性層6及び固定磁性層4はCoMnGeなどのホイスラー合金、反強磁性層3はPtMnによって形成されている。
多層膜T1の上下には電極層10,10が設けられており、多層膜の膜面垂直方向に直流のセンス電流が流される。
反強磁性層6と固定磁性層5との界面で交換結合磁界が発生し、前記固定磁性層5の磁化はハイト方向(図示Y方向)に固定される。
フリー磁性層6の両側にはCoPtなどの硬磁性材料からなるハードバイアス層8が形成され、ハードバイアス層8の上下及び端部は絶縁層9によって絶縁されている。ハードバイアス層8からの縦バイアス磁界によりフリー磁性層3の磁化は、トラック幅方向(図示X方向)に揃えられる。
図11に示される磁気検出素子に、外部磁界が印加されると、フリー磁性層の磁化方向が固定磁性層の磁化方向に対して相対的に変動して、多層膜の抵抗値が変化する。一定の電流値のセンス電流が流れている場合には、この抵抗値の変化を電圧変化として検出することにより、外部磁界を検知する。
ホイスラー合金からなるフリー磁性層を有する磁気検出素子は、特許文献1(特開2003−218428号公報)に記載されている。
特開2003−218428号公報
前記フリー磁性層をホイスラー合金を主体として形成することで、磁気抵抗変化量ΔRと素子面積Aの積ΔRAを高く出来ることがわかっている。前記ΔRAの向上は、今後の高記録密度化に向けたCPP型磁気検出素子の実用化にとって非常に重要な条件である。
しかしながら、ホイスラー合金を用いることで前記ΔRAは向上するものの、フリー磁性層の磁歪が大きくなるといった問題があった。フリー磁性層の磁歪が大きいと成膜ひずみや、他層との熱膨張係数差等によって応力の影響が大きくなる、また、ヘッド動作時にノイズの要因となる等、色々と問題があるため、高ΔRAを維持しつつ前記フリー磁性層の磁歪を小さくしなければならないといった課題が新たに発生した。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するためのものであり、ΔRAを高く維持できるとともに磁歪を低減することが可能な磁気検出素子及びその製造方法を提供することを目的としている。
本発明は、磁化方向が固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成され、外部磁界により磁化方向が変動するフリー磁性層、を有する磁気検出素子において、
前記フリー磁性層は、組成式がCogMnhiRhj(元素XはGe、Ga、In、Si、Pb、Zn、Sn、Al、Sbのうち1種または2種以上、g、h、i、jは原子%であり、g+h+i+j=100原子%)で表される金属化合物からなるCoMnXRh合金層を有しており、前記CoMnXRh合金層中の前記Rhの原子%濃度が4原子%以上10原子%以下であり、前記CoMnXRh合金層の下面から上面に向けて、Rh元素の組成比が変調していることを特徴とするものである。
本発明では、前記フリー磁性層の磁歪を、従来に比べて低減できる。
本発明では、前記CoMnXRh合金層中の前記Rhの原子%濃度が7原子%以上10原子%以下であることが好ましい。
た、前記CoMnXRh合金層の下面から上面に向けて、Rh元素の組成比が増加する領域と、減少する領域とが交互に現われていてもよい。
また本発明では、前記フリー磁性層は、CoMnXRh合金層の上下に、磁性材料の拡散抑制層が形成された積層構造であり、前記拡散防止層が前記非磁性材料層との界面に接して形成されていることが好ましく、具体的には、前記拡散抑制層はCoFe合金で形成されることが好ましい。これにより前記CoMnXRh合金層が前記非磁性材料層に拡散することを適切に抑制することが出来る。
また本発明では、反強磁性層と、この反強磁性層と接して形成され、前記反強磁性層との交換異方性磁界により磁化方向が固定される前記固定磁性層と、前記固定磁性層に前記非磁性材料層を介して形成された前記フリー磁性層とを有することが好ましい。
また本発明では、前記フリー磁性層の上下に積層された非磁性材料層と、一方の前記非磁性材料層の上および他方の前記非磁性材料層の下に位置する前記固定磁性層を有する構成であってもよい。かかる場合、一方の前記固定磁性層の上および他方の前記固定磁性層の下に位置して、交換異方性磁界によりそれぞれの前記固定磁性層の磁化方向を一定の方向に固定する反強磁性層を有することが好ましい。
また本発明は、特に、前記固定磁性層、非磁性材料層、及びフリー磁性層の膜面に対して垂直方向にセンス電流が流されるCPP型磁気検出素子の構造に効果的に適用できる。
磁化方向が固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成され、外部磁界により磁化方向が変動するフリー磁性層、を有する磁気検出素子の製造方法において、
前記フリー磁性層を、組成式がCogMnhXi(元素XはGe、Ga、In、Si、Pb、Zn、Sn、Al、Sbのうち1種または2種以上、g+h+i=100原子%)で表される金属化合物からなるCoMnX合金層と、Rhからなる中間層との積層して形成し、このとき前記中間層の膜厚を1.0Å以上3.0Å以下にし、
前記磁気検出素子を形成したのち、前記磁気検出素子に対し熱処理を施すことを特徴とするものである。
これにより前記CoMnX合金層やCoMnXRh合金層の結晶構造を規則化してL 21 型あるいはB 2 型の結晶構造にすることができる。
これにより、ΔRAを高い値に維持しつつ磁歪も低減できる磁気検出素子を容易に製造することが出来る。
本発明では、前記中間層の膜厚を2.0Å以上3.0Å以下にすることが好ましい。
本発明では、前記CoMnX合金層と、前記中間層とを交互に積層して形成することが好ましい。
このとき、前記CoMnX層と前記中間層とを一回ずつ積層した積層構成を一単位とし、この一単位に占める前記中間層の膜厚比率を、[元素中間層の膜厚/(CoMnX合金層の膜厚+中間層の膜厚)]と表したとき、前記中間層の膜厚比率を、0.04以上0.13以下とすることが好ましい。
前記中間層の膜厚比率を大きくすれば、前記フリー磁性層の磁歪を低減させることが出来るが、逆にΔRAの減少が大きくなるので、前記中間層の膜厚比率を上記範囲内で調整することが、磁歪の低減効果とΔRAの大きさを高く維持できて好ましい。
本発明では、個々のCoMnX合金層の膜厚を、10Å以上40Å以下とすることが好ましい。
本発明では、CoMnX合金を主体とする前記フリー磁性層のなかに、Rhが多く存在している領域が形成されている。RhがCoMnX合金の中に拡散してCoMnXRh合金を形成していてもよいし、Rhからなる中間層がCoMnX合金層と区別できる中間層として存在していてもよい。
前記CoMnXRh合金中の前記Rhの原子%濃度を4原子%以上10原子%以下にすることによりΔRAを高い値に維持しつつ、フリー磁性層の磁歪を低減できる。
また、Rhからなる前記中間層の膜厚を1.5Å以上3.0Å以下にすることにより、ΔRAを高い値に維持しつつ、フリー磁性層の磁歪を低減できる。
図1は本発明の実施形態のCPP型のデュアルスピンバルブ型薄膜素子の積層構造を示す模式図である。
このデュアルスピンバルブ型薄膜素子は、ハードディスク装置に設けられた浮上式スライダのトレーリング側端部などに設けられて、ハードディスクなどの記録磁界を検出するものである。なお、ハードディスクなどの磁気記録媒体の移動方向はZ方向であり、磁気記録媒体からの洩れ磁界の方向はY方向である。
図1の最も下に形成されているのはTa,Hf,Nb,Zr,Ti,Mo,Wのうち1種または2種以上の元素などの非磁性材料で形成された下地層1である。この下地層1の上に、シード層2が設けられる。前記シード層2は、NiFeCrまたはCrによって形成される。前記シード層2をNiFeCrによって形成すると、前記シード層2は、面心立方(fcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{111}面として表される等価な結晶面が優先配向しているものになる。また、前記シード層2をCrによって形成すると、前記シード層2は、体心立方(bcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{110}面として表される等価な結晶面が優先配向しているものになる。
なお、下地層1は非晶質に近い構造を有するが、この下地層1は形成されなくともよい。
前記シード層2の上に形成された反強磁性層3は、元素X(ただしXは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Osのうち1種または2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材料で形成されることが好ましい。
これら白金族元素を用いたX−Mn合金は、耐食性に優れ、またブロッキング温度も高く、さらに交換結合磁界(Hex)を大きくできるなど反強磁性材料として優れた特性を有している。
また本発明では、前記反強磁性層3は、元素Xと元素X′(ただし元素X′は、Ne,Ar,Kr,Xe,Be,B,C,N,Mg,Al,Si,P,Ti,V,Cr,Fe,Co,Ni,Cu,Zn,Ga,Ge,Zr,Nb,Mo,Ag,Cd,Sn,Hf,Ta,W,Re,Au,Pb、及び希土類元素のうち1種または2種以上の元素である)とMnとを含有する反強磁性材料で形成されてもよい。
前記反強磁性層3の元素Xあるいは元素X+X′の原子%を45(原子%)以上で60(原子%)以下に設定することが好ましい。より好ましくは49(原子%)以上で56.5(原子%)以下である。これによって成膜段階において、固定磁性層4との界面が非整合状態にされ、しかも前記反強磁性層3は熱処理によって適切な規則変態を起すものと推測される。
下側固定磁性層4は、第1固定磁性層4a、非磁性中間層4b、第2固定磁性層4cからなる多層膜構造で形成される。前記反強磁性層3との界面での交換結合磁界及び非磁性中間層4bを介した反強磁性的交換結合磁界(RKKY的相互作用)により前記第1固定磁性層4aと第2固定磁性層4cの磁化方向は互いに反平行状態にされる。これは、いわゆる積層フェリ構造と呼ばれ、この構成により下側固定磁性層4の磁化を安定した状態にでき、また前記下側固定磁性層4と反強磁性層3との界面で発生する交換結合磁界を見かけ上大きくすることができる。
ただし前記下側固定磁性層4は第2固定磁性層4cのみから構成され積層フェリ構造で形成されていなくてもよい。
なお前記第1固定磁性層4aは例えば15〜35Å程度で形成され、非磁性中間層4bは8Å〜10Å程度で形成され、第2固定磁性層14cは20〜60Å程度で形成される。
第1固定磁性層4aはCoFe、NiFe,CoFeNiなどの強磁性材料で形成されている。また非磁性中間層4bは、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cuなどの非磁性導電材料で形成される。
第2固定磁性層4cは、非磁性材料層5に接するCoMnX合金層4c1(XはGe、Ga、In、Si、Pb、Zn、Sn、Al、Sbのうち1種または2種以上)と非磁性中間層側磁性層4c2の2層構造として成膜される。また、前記非磁性中間層側磁性層4c2は、NiFe,CoFeNi、CoFeなどの強磁性材料で形成されている。特に、前記第1固定磁性層4aと、非磁性中間層側磁性層4c2は共に、CoFe合金で形成されることが好ましい。これにより前記非磁性中間層4c2と、前記第1固定磁性層4aとの間に生じるRKKY相互作用を大きくでき、前記第1固定磁性層4aとともに第2固定磁性層4cを強固に磁化固定することが出来る。
前記固定磁性層4の上に形成された非磁性材料層5は、Cu、Au、またはAgで形成されている。Cu、Au、またはAgで形成された非磁性材料層5は、面心立方(fcc)構造を有し、膜面と平行な方向に{111}面として表される等価な結晶面が優先配向している。
前記非磁性材料層5上にはフリー磁性層6が形成されている。前記フリー磁性層6上には、非磁性材料層7が形成され、材質は上記した前記非磁性材料層5に使用される材質から選択される。前記非磁性材料層7上には上側固定磁性層8が形成されている。前記上側固定磁性層8は、下から、第2固定磁性層8c、非磁性中間層8b及び第1固定磁性層8aの順で積層された積層フェリ構造である。前記第1固定磁性層8a、非磁性中間層8b及び第2固定磁性層8cの各材質は、上記した前記第1固定磁性層4a、非磁性中間層4b及び第2固定磁性層4cに使用される材質からそれぞれ選択される。また前記第2固定磁性層8cは、前記第2固定磁性層4cと同様に、非磁性材料層7に接するCoMnXRh合金層8c1と非磁性中間層側磁性層8c2の2層構造として成膜される。また、上側固定磁性層8は第2固定磁性層8cのみで構成されていてもよい。
前記上側固定磁性層8上には上側反強磁性層9が形成される。前記上側反強磁性層9の材質は、下側反強磁性層2に使用される材質から選択される。前記上側反強磁性層9上にはTa等の保護層10が形成される。
前記フリー磁性層6はトラック幅方向(図示X方向)と平行な方向に磁化されている。一方、固定磁性層4,8を構成する第1固定磁性層4a,8a及び第2固定磁性層4c,8cはハイト方向(図示Y方向)と平行な方向に磁化されている。前記固定磁性層4,8は積層フェリ構造であるため、第1固定磁性層4a,8aと第2固定磁性層4c,8cはそれぞれ反平行に磁化されている。
本実施の形態における特徴的部分は、フリー磁性層6がCoMnXRh合金層6bを有して構成されている点である。CoMnXRh合金層とは、組成式がCoMnRh(XはGe、Ga、In、Si、Pb、Zn、Sn、Al、Sbのうち1種または2種以上、g、h、i、jは原子%であり、g+h+i+j=100原子%)で表される金属化合物からなる層である。なお、g:h:i=2:1:1である。
フリー磁性層6がCoMnXRh合金層6bを有していることにより、フリー磁性層6の磁歪を低減することができる。
CoMnXRh合金層6bの下面から上面に向けて、元素Rhの組成比が増加する領域と、減少する領域とが交互に現われている。
前記CoMnXRh合金層中の前記Rhの原子%濃度が4原子%以上10原子%以下、より好ましくは7原子%以上10原子%以下であると、磁歪を著しく低減することができ、また、磁気検出素子のΔRAを高く維持することができる。ここで「CoMnXRh合金中のRhの原子%濃度」とは、例えば、SIMS分析装置等により多数箇所で、元素Rhの原子%濃度を求め、それを平均化したものである。
図1に示すように前記CoMnXRh合金層6bの上下には、磁性材料製の拡散抑制層6a、6cが設けられている。これにより、特に前記CoMnXRh合金層6bのX元素が、前記非磁性材料層5,7へ拡散するのを適切に防止できる。前記拡散抑制層6a,6cはCoFe合金で形成されていることが好ましい。前記拡散抑制層6a,6cは、前記CoMnXRh合金層6bに比べて十分に小さい膜厚で形成される。前記拡散抑制層6a,6cは、数Å程度の薄い膜厚で形成され、一方、前記CoMnXRh合金層6bは、30Å〜100Å程度の厚い膜厚で形成される。
ところで、前記CoMnXRh合金層6b中に占める元素Rhは、前記CoMnXRh合金層6bの下面から上面にわたって全体的に拡散していてもよい。組成分析には、SIMS分析装置や電解放射型透過電子顕微鏡(FE−TEM)を用いたナノビーム特性X線分析(Nano−beam EDX)等を用いる。
図3は、図1に示す非磁性材料層5から非磁性材料層7までの層構造を拡大した部分拡大模式図である。
図3に示す点線領域Aはいずれも、フリー磁性層6を構成するCoMnXRh合金層6b内において前記Rh元素の組成比が高くなっている箇所を示している。後述する製造方法で示すように、前記CoMnXRh合金層6bは、例えばCoMnX合金層と、元素Rhからなる層(元素Rh層)との積層構造で形成される。熱処理等の原因により、CoMnX合金と元素Rhとはそれぞれ拡散を起こすと考えられる。点線領域Aは、もともと前記元素Rh層が形成されていた領域であるが上記の拡散によりCoMnXRh合金層が形成される。前記点線領域Aでの元素Rhの組成比は他の部位での前記元素Rhの組成比に比べて大きくなっている。図4(図3のフリー磁性層6のCoMnXRh合金層6bの一部を拡大して示した模式図)に示すように、二つの点線領域A間の領域B,Cにおける元素Rhの組成比を考察してみると、領域Bでは点線領域A付近における元素Rhの組成比をピークとして領域C方向(図示上方向)に向けて、徐々に元素Rhの組成比は低下していき、前記領域Cとの仮想境界(このような境界が実際に存在するわけではない)で最も元素Rhの組成比が小さくなり、領域Cでは、前記仮想境界から、上方に向けて徐々に元素Rhの組成比が大きくなり、点線領域A付近まで至ったとき、前記元素Rhの組成比がピークとなる。このように領域Bは、上方に向けて徐々に元素Rhの組成比が減少する領域であり、一方、領域Cは上方に向けて徐々に元素Rhの組成比が増加する領域となっている。そして、領域B及び領域Cは膜厚方向に向けて交互に現われる。なお元素Rhは、最も組成比の低くなる仮想境界付近でも0原子%とはならず、前記元素RhがCoMnXRh合金層6bの下面6b1から上面6b2にかけて全体的に拡散していてもよいし、元素Rhのみからなる層が残存していてもよい。
図2は、CPP型のシングルスピンバルブ型薄膜素子の膜構成を示す模式図である。図1に示す符号と同じ符号がつけられている層は図1と同じ層を示している。
図2に示すCPP型のシングルスピンバルブ型薄膜素子の膜構成は、下から、下地層1、シード層2、反強磁性層3、固定磁性層4、非磁性材料層5、フリー磁性層6及び保護層10の順に積層された構成である。図2に示すCPP型のシングルスピンバルブ型薄膜素子においても、フリー磁性層6にはCoMnXRh合金層6bが設けられ、第2固定磁性層4cにはCoMnX合金層4c1(XはGe、Ga、In、Si、Pb、Zn、Sn、Al、Sbのうちいずれか1種または2種以上)が設けられている。またCPP型のシングルスピンバルブ型薄膜素子は、下からフリー磁性層6、非磁性材料層5、固定磁性層4及び反強磁性層3の順に積層されていてもよい。
図5は、図2に示すCPP型のシングルスピンバルブ型薄膜素子の構造を有する再生ヘッドを記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
符号20は、磁性材料製の下部シールド層20であり、前記下部シールド層20上に図2に示す膜構成と同じ構成の多層膜T1が形成されている。
前記多層膜T1は、下から、下地層1、シード層2、反強磁性層3、固定磁性層4、非磁性材料層5、フリー磁性層6及び保護層10の順で積層されている。図1に示す実施形態では、前記多層膜T1の両側には絶縁層27、ハードバイアス層28及び絶縁層29が積層されている。ハードバイアス層28からの縦バイアス磁界によってフリー磁性層6の磁化はトラック幅方向(図示X方向)に揃えられる。
前記絶縁層27と前記ハードバイアス層28間にバイアス下地層(図示しない)が形成されていてもよい。前記バイアス下地層は例えばCr、W、W−Ti合金、Fe−Cr合金などで形成される。
前記絶縁層27,29はAlやSiO等の絶縁材料で形成されたものであり、前記多層膜T1内を各層の界面と垂直方向に流れる電流が、前記多層膜T1のトラック幅方向の両側に分流するのを抑制すべく前記ハードバイアス層28の上下を絶縁するものである。
なお前記ハードバイアス層28,28は例えばCo−Pt(コバルト−白金)合金やCo−Cr−Pt(コバルト−クロム−白金)合金などで形成される。
絶縁層29及び保護層10上には、磁性材料からなる上部シールド層30が形成される。CPP型のスピンバルブ型薄膜素子では、下部シールド層20及び上部シールド層30が電極として機能し、前記多層膜T1を構成する各層の界面に対し垂直方向に電流を流す電流源となっている。
フリー磁性層6の磁化は、ハードバイアス層28,28からの縦バイアス磁界によってトラック幅方向(図示X方向)と平行な方向に揃えられる。そして記録媒体からの信号磁界(外部磁界)に対し、フリー磁性層6の磁化が感度良く変動する。一方、固定磁性層4の磁化は、ハイト方向(図示Y方向)と平行な方向に固定されている。
フリー磁性層6の磁化方向の変動と、固定磁性層4の固定磁化方向(特に第2磁性層4cの固定磁化方向)との関係で電気抵抗が変化し、この電気抵抗値の変化に基づく電圧変化または電流変化により、記録媒体からの洩れ磁界が検出される。前記フリー磁性層6は、CoMnXRh合金層6bとその上下に拡散抑制層6a,6cとを有して構成される。第2固定磁性層4cはCoMnX合金層4c1と非磁性中間層側磁性層4c2とを有している。
図6は図5とは別の構成のCPP型のシングルスピンバルブ型薄膜素子の構造を有する再生ヘッドを記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
図6では図5のように反強磁性層2が設けられていない。図6は、固定磁性層自体の一軸異方性によって固定磁性層4の磁化が固定される、いわゆる自己固定式の磁気検出素子である。
図6では、前記固定磁性層4の下側に、例えば、Pt,Au,Pd,Ag,Ir、Rh、Ru,Re,Mo,Wなどの単体元素、あるいはこれらの元素のうち2種以上からなる合金、または、R―Mn(ただし元素Rは、Pt,Pd,Ir,Rh,Ru,Os,Ni,Feのいずれか1種または2種以上の元素である)合金で形成された磁歪増強層22が5Å以上50Å以下程度の膜厚で形成される。
固定磁性層4の磁歪定数λsを大きくすることによって磁気弾性エネルギーを大きくし、これによって、固定磁性層4の一軸異方性を大きくするものである。固定磁性層4の一軸異方性が大きくなると、固定磁性層4の磁化は一定の方向に強固に固定され、磁気検出素子の出力が大きくなりかつ出力の安定性や対称性も向上する。
図6に示される磁気検出素子では、固定磁性層4を構成する第1固定磁性層4aの前記非磁性材料層5側と反対側の面には非磁性金属製の磁歪増強層22が前記第1固定磁性層4aに接して設けられている。これによって、第1固定磁性層4aの特に下面側の結晶構造に歪みを生じさせて第1固定磁性層4aの磁歪定数λsを大きくさせている。これによって前記固定磁性層4の一軸異方性は大きくなり、反強磁性層3が形成されなくても前記固定磁性層4をハイト方向(図示Y方向)と平行な方向に強固に固定できる。
前記フリー磁性層6は、CoMnXRh合金層6bとその上下に拡散抑制層6a,6cとを有して構成される。第2固定磁性層4cはCoMnX合金層4c1と非磁性中間層側磁性層4c2とを有している。
図5,図6では特にシングルスピンバルブ型薄膜素子について説明したが図1に示すデュアルスピンバルブ型薄膜素子も同様の層構造により形成される。
図7及び図8は図1に示すデュアルスピンバルブ型薄膜素子の膜構成を形成するための製造方法を示す一工程図であり、各図は製造工程中におけるデュアルスピンバルブ型薄膜素子の膜構成の部分拡大模式図である。
まず下地層1,シード層2,反強磁性層3,固定磁性層4,非磁性材料層5までをスパッタ法や蒸着法で成膜する。各層の材質については図1で説明したので図1の説明を参照されたい。
図7に示すように、前記非磁性材料層5上に拡散抑制層6aをスパッタ法や蒸着法等で成膜する。前記拡散抑制層6aを例えばCoFe合金で形成する。前記拡散抑制層6a上に薄い膜厚で元素Rh層40をスパッタ法や蒸着法等で形成し、さらに、前記元素Rh層40上に、CoMnX合金層41をスパッタ法や蒸着法等で形成する。CoMnX合金層41は、組成式がCoMn(元素XはGe、Ga、In、Si、Pb、Zn、Sn、Al、Sbのうち1種または2種以上、g+h+i=100原子%、g:h:i=2:1:1)で表される金属化合物からなる層である。前記CoMnX合金層41の膜厚は前記元素Rh層40よりも厚い。前記元素Rh層40とCoMnX合金層41とが一層づつ積層されたものを一単位(積層回数が1回)とし、前記積層回数をn回(n=1,2,・・・)行なう。そして最も上面側に形成された前記CoMnX合金層41上に前記元素Rh層40を形成した後、前記元素Rh層40上に拡散抑制層6cをスパッタ法や蒸着法等で成膜する。前記拡散抑制層6cを例えばCoFe合金で形成する。
次に前記拡散抑制層6c上に前記非磁性材料層7をスパッタ法や蒸着法により成膜し、さらに、固定磁性層8,前記反強磁性層9,保護層10をスパッタ法や蒸着法等成膜する。
下地層1から保護層10を積層後、熱処理(290℃、3.5時間)を施す。これによって前記反強磁性層2,9と固定磁性層4,8を構成する第1固定磁性層4a,8aとの界面に交換結合磁界を発生させ、前記第1固定磁性層4a、8aをハイト方向(図示Y方向)と平行な方向に磁化させる。また、第1固定磁性層4a、8aと第2固定磁性層4c,8c間にはRKKY相互作用が働き、前記第2固定磁性層4c,8cは、前記第1固定磁性層4a,8aの磁化方向と反平行に磁化される。
前記熱処理によって、前記フリー磁性層6内のCoMnXRh合金層6b内では、元素Rh層41とCoMnX合金層40とがそれぞれ拡散を起こす。図8に示す点線領域Aは、熱処理を施す前、元素Rh層41が形成されていた領域で、熱処理による拡散現象により、右図に示すように元素Rhの組成比は他の部位に比べて高くなりやすい。このように元素Rhは、図8の右図に示すようにフリー磁性層6内において、膜厚方向(図示Z方向)に向けて増減を繰り返す組成変調を起こしている可能性がある。図7に示すように、前記元素Rh層40は、前記拡散抑制層6a,6cとCoMnX合金層41との間にも設けたので、元素Rhの組成比が高い領域は前記点線領域Aのみならず前記拡散抑制層6a,6cとの界面領域Dにも存在しやすい(図8)。また元素Rhの一部は、拡散抑制層6a,6c内にも拡散するものと予測される。
上記した拡散現象を良好に起こさせるために、前記元素Rh層40の膜厚を、1.0Åよりも大きく3.0Å以下の範囲内とすることが好ましい。より好ましい前記元素Rh層40の膜厚は、2.0Åよりも大きく3.0Å以下である。また、前記元素Rh層40の膜厚を厚くすると、磁歪低減効果を期待できるが、逆にΔRAの低下が大きくなるため、前記元素Rh層40とCoMnX合金層41の膜厚比の調整も重要である。本発明では、前記元素Rh層40とCoMnX合金層41とを一回ずつ積層した積層構成を一単位とし、この一単位に占める前記元素Rh層40の膜厚比率を、[元素Rh層40の膜厚/(CoMnX合金層41の膜厚+元素Rh層40の膜厚)×100(%)]と表したとき、前記元素Rh層の膜厚比率を4%以上13%以下にすることが好ましい。
また、CoMnX合金層41の膜厚は10Åから40Åの範囲であることが好ましい。
上記した元素Rh層40,CoMnX合金層41とを上記した膜厚比で調整することで、合金化したCoMnXRh合金層6b内における元素Rhの平均組成比を、適切に4原子%以上10原子%以下又は7原子%以上10原子%以下の範囲内に調整できる。
図7,図8に示すCPP型のスピンバルブ型薄膜素子の製造方法では、元素Rh層40とCoMnX合金層41とを交互に積層して、フリー磁性層6を形成することで、ΔRAを大きく出来、且つフリー磁性層6の磁歪を低減できるCPP型のスピンバルブ型薄膜素子を特に既存の製造設備を変更することなく簡単な製造方法にて形成できる。
また本発明では、CoMnXRhの元素からなるターゲットを用いて、CoMnXRh合金層6bを形成してもよい。なお、前記フリー磁性層6は、CoMnXRh合金層6bのみで構成されていてもよく、第2固定磁性層4cは、CoMnX合金層4c1のみで、第2固定磁性層8cは、CoMnX合金層8c1のみで構成されていてもよい。
以下に示す膜構成のデュアルスピンバルブ型薄膜素子を製造した。
基本膜構成は、下地層1;Ta(30)/シード層2;NiFeCr(50)/下側反強磁性層3;IrMn(70)/下側固定磁性層4[第1磁性層4a;FeCo(30)/非磁性中間層4b;Ru(9.1)/非磁性中間層側磁性層4c2;FeCo(10)/CoMnX合金層4c1;CoMnGe(40)]/非磁性材料層5;Cu(50)/フリー磁性層6/非磁性材料層7;Cu(50)/上側固定磁性層8[CoMnX合金層8c1;CoMnGe(40)/非磁性中間層側磁性層8c2;FeCo(10)/非磁性中間層8b;Ru(9.1)/第1固定磁性層8a;FeCo(30)]/上側反強磁性層9;IrMn(70)/保護層10;Ta(200)であった。なお括弧内の数値は膜厚を示し単位はÅである。
実験では前記フリー磁性層6の積層構成(熱処理前)を
[CoMnGe(20)/Rh(x)]×3/CoMnGe(20)
とし、Rh層の膜厚x(Å)を変化させた種々の磁気検出素子を形成した熱処理にかけた。なお、上記フリー磁性層の積層構成の表記において()内の数値は膜厚(Å)を示している。また「×3」とは、[]内の膜構成を3回積層したことを意味する。なお全てのサンプルにおいて、CoMnGe合金中に占める元素Co、元素Mn、元素Geの組成比は2:1:1である。
その後、フリー磁性層中のRh層の膜厚x(Å)とフリー磁性層の磁歪定数λsとの関係及びフリー磁性層中のRh層の膜厚x(Å)と磁気検出素子のΔRAとの関係を調べた。結果を図9に示す。
図9に示すように、フリー磁性層中のRh層の膜厚を大きくしていくと、ΔRAが直線的に低下する傾向が見られるが、Rh層の膜厚が3Åのときでも、ΔRAは6mΩ・cmを超えている。
また、フリー磁性層中のRh層の膜厚xを大きくしていくと磁歪が低下し、特に元素Rhの膜厚が1Å以上のとき、磁歪定数λsの低下する割合が大きくなり、Rh層の膜厚が2Å以上3Å以下のとき、磁歪定数λsが最小値をとることがわかった。このように、本発明では、ΔRAの低下を抑制しつつ、磁歪低減の効果を期待できることがわかった。
なお、元素Rhの膜厚が1Å以上3Å以下のとき、熱処理後のフリー磁性層中の元素Rhの原子%濃度が4原子%以上10原子%以下になり、Rh層の膜厚が2Å以上3Å以下のとき、熱処理後のフリー磁性層中の元素Rhの原子%濃度が7原子%以上10原子%以下になる。
さらに、熱処理後のフリー磁性層中の元素Rhの原子%濃度とフリー磁性層の磁歪定数λsとの関係及びフリー磁性層中の元素Rhの原子%濃度と磁気検出素子のΔRAとの関係を調べた。結果を図10に示す。なお、フリー磁性層中の元素Rhの原子%濃度とは、フリー磁性層を構成する原子全体を100原子%としたときのフリー磁性層内部に含まれる元素Rhの原子%である。この元素Rhの原子%濃度の値はフリー磁性層に元素Rhが均一に拡散していても不均一に拡散していても同じ値になる。
図10に示すように、フリー磁性層中の元素Rhの原子%を大きくしていくと、ΔRAが直線的に低下する傾向が見られるが、元素Rhの原子%が10原子%のときでも、ΔRAは6mΩ・cmを超えている。
また、フリー磁性層中の元素Rhの原子%濃度を大きくしていくと磁歪が低下し、特に元素Rhの原子%濃度が4原子%以上のとき、磁歪の低下する割合が大きくなり、元素Rhの原子%濃度が7原子%以上10原子%以下のとき、磁歪定数λsが最小値をとることがわかった。このように、本発明では、ΔRAの低下を抑制しつつ、磁歪低減の効果を期待できることがわかった。
本発明の第1実施形態の磁気検出素子(デュアルスピンバルブ型薄膜素子)の構造を記録媒体との対向面側から見た模式図、 本発明の第2実施形態の磁気検出素子(シングルスピンバルブ型薄膜素子)の構造を記録媒体との対向面側から見た模式図、 図1に示す下側固定磁性層のCoMnX合金層から、上側固定磁性層の非磁性材料層側固定磁性層までの層構造を拡大した部分拡大模式図、 図3に示すCoMnXRh層の部分をさらに拡大した部分拡大した部分拡大模式図と、CoMnXRh層中に占める元素Rhの組成変調を説明するためのグラフ、 図2に示す磁気検出素子の構造を有する再生ヘッドを記録媒体との対向面側から見た部分断面図、 図5とは異なる層構造の磁気検出素子の構造を有する再生ヘッドを記録媒体との対向面側から見た部分断面図、 図1に示すデュアルスピンバルブ型薄膜素子の製造方法を説明するための一工程図(模式図)、 図7の次に行なわれる一工程図(模式図)、 フリー磁性層中のRh層の膜厚と磁歪定数λsとの関係を示すグラフ、 フリー磁性層の組成と磁歪定数λs及びΔRAとの関係を示すグラフ、 従来の磁気検出素子を示す断面図、
符号の説明
1 下地層
2 シード層
3、9 反強磁性層
4、8 固定磁性層
5、7 非磁性材料層
6 フリー磁性層
6a、6b 拡散抑制層
6b CoMnXRh合金層
10 保護層
40 元素Rh層
41 CoMnX合金層

Claims (13)

  1. 磁化方向が固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成され、外部磁界により磁化方向が変動するフリー磁性層、を有する磁気検出素子において、
    前記フリー磁性層は、組成式がCogMnhiRhj(元素XはGe、Ga、In、Si、Pb、Zn、Sn、Al、Sbのうち1種または2種以上、g、h、i、jは原子%であり、g+h+i+j=100原子%)で表される金属化合物からなるCoMnXRh合金層を有しており、前記CoMnXRh合金層中の前記Rhの原子%濃度が4原子%以上10原子%以下であり、前記CoMnXRh合金層の下面から上面に向けて、Rh元素の組成比が変調していることを特徴とする磁気検出素子。
  2. 前記CoMnXRh合金層中の前記Rhの原子%濃度が7原子%以上10原子%以下である請求項1記載の磁気検出素子。
  3. 前記CoMnXRh合金層の下面から上面に向けて、Rh元素の組成比が増加する領域と、減少する領域とが交互に現われる請求項1又は2に記載の磁気検出素子。
  4. 前記フリー磁性層は、CoMnXRh合金層の上下に、磁性材料の拡散抑制層が形成された積層構造であり、前記拡散防止層が前記非磁性材料層との界面に接して形成されている請求項1ないしのいずれかに記載の磁気検出素子。
  5. 前記拡散抑制層はCoFe合金で形成される請求項記載の磁気検出素子。
  6. 反強磁性層と、この反強磁性層と接して形成され、前記反強磁性層との交換異方性磁界により磁化方向が固定される前記固定磁性層と、前記固定磁性層に前記非磁性材料層を介して形成された前記フリー磁性層とを有する請求項1ないしのいずれかに記載の磁気検出素子。
  7. 前記フリー磁性層の上下に積層された非磁性材料層と、一方の前記非磁性材料層の上および他方の前記非磁性材料層の下に位置する前記固定磁性層を有する請求項1ないしのいずれかに記載の磁気検出素子。
  8. 一方の前記固定磁性層の上および他方の前記固定磁性層の下に位置して、交換異方性磁界によりそれぞれの前記固定磁性層の磁化方向を一定の方向に固定する反強磁性層を有する請求項記載の磁気検出素子。
  9. 前記固定磁性層、非磁性材料層、及びフリー磁性層の膜面に対して垂直方向にセンス電流が流される請求項1ないしのいずれかに記載の磁気検出素子。
  10. 磁化方向が固定される固定磁性層と、前記固定磁性層に非磁性材料層を介して形成され、外部磁界により磁化方向が変動するフリー磁性層、を有する磁気検出素子の製造方法において、
    前記フリー磁性層を、組成式がCogMnhXi(元素XはGe、Ga、In、Si、Pb、Zn、Sn、Al、Sbのうち1種または2種以上、g+h+i=100原子%)で表される金属化合物からなるCoMnX合金層と、Rhからなる中間層との積層して形成し、このとき前記中間層の膜厚を1.0Å以上3.0Å以下にし、
    前記磁気検出素子を形成したのち、前記磁気検出素子に対し熱処理を施すことを特徴とする磁気検出素子の製造方法。
  11. 前記中間層の膜厚を2.0Å以上3.0Å以下にする請求項10記載の磁気検出素子の製造方法。
  12. 前記CoMnX層と前記中間層とを一回ずつ積層した積層構成を一単位とし、この一単位に占める前記中間層の膜厚比率を、[元素中間層の膜厚/(CoMnX合金層の膜厚+中間層の膜厚)]と表したとき、前記中間層の膜厚比率を、0.04以上0.13以下とする請求項10または11記載の磁気検出素子の製造方法。
  13. 個々のCoMnX合金層の膜厚を、10Å以上40Å以下とする請求項10ないし12のいずれかに記載の磁気検出素子の製造方法。
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