JP2010093157A - 磁気抵抗効果素子、磁気再生ヘッド、磁気抵抗デバイスおよび情報記憶装置 - Google Patents
磁気抵抗効果素子、磁気再生ヘッド、磁気抵抗デバイスおよび情報記憶装置 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】高いバリア品質と高いMR比を両立させることを可能とする磁気抵抗効果素子を提供する。
【解決手段】磁気抵抗効果素子1は、絶縁層17と非磁性層19との間に、自由磁性層18を備える磁気抵抗効果素子であって、絶縁層17は、岩塩型結晶構造を有する金属酸化物を用いて形成され、自由磁性層18は、構成元素の一つにホウ素を含む材料を用いて形成され、非磁性層19は、タンタルと比較して、自由磁性層18中のホウ素が相対的に拡散し易い材料を用いて形成される。
【選択図】図1
【解決手段】磁気抵抗効果素子1は、絶縁層17と非磁性層19との間に、自由磁性層18を備える磁気抵抗効果素子であって、絶縁層17は、岩塩型結晶構造を有する金属酸化物を用いて形成され、自由磁性層18は、構成元素の一つにホウ素を含む材料を用いて形成され、非磁性層19は、タンタルと比較して、自由磁性層18中のホウ素が相対的に拡散し易い材料を用いて形成される。
【選択図】図1
Description
本発明は、磁気抵抗効果素子、磁気再生ヘッド、磁気抵抗デバイスおよび情報記憶装置に関し、さらに詳細には、トンネル磁気抵抗効果素子およびそれを用いた磁気再生ヘッド、磁気抵抗デバイスおよび情報記憶装置に関する。
磁気ディスク装置に用いられる磁気ヘッドは、記録媒体に情報を記録する磁気記録ヘッドと、記録媒体に記録されている情報を読み取る磁気再生ヘッドとを備える。磁気再生ヘッドには、記録媒体に記録された磁化信号に応答して抵抗値が変化する磁気抵抗効果素子が用いられる。
この磁気抵抗効果素子は、磁化固定層(ピン層)と、媒体からの磁界によって磁化方向が変化する自由磁性層(フリー層)とを備え、媒体からの磁化信号によって自由磁性層の磁化方向が変化し、磁化固定層の磁化方向との相対角度が変化することによる抵抗変化を読み取ることによって記録信号を読み出す。このような作用をなす磁気抵抗効果素子は、一般にスピンバルブ素子と呼ばれている。
この磁気抵抗効果素子は、磁化固定層(ピン層)と、媒体からの磁界によって磁化方向が変化する自由磁性層(フリー層)とを備え、媒体からの磁化信号によって自由磁性層の磁化方向が変化し、磁化固定層の磁化方向との相対角度が変化することによる抵抗変化を読み取ることによって記録信号を読み出す。このような作用をなす磁気抵抗効果素子は、一般にスピンバルブ素子と呼ばれている。
ここで、スピンバルブ素子には、CIP(Current In Plane)型のGMR(Giant Magneto Resistance)素子、あるいはCPP(Currnt Perpendicular to Plane)型のTMR(Tunneling Magneto Resistance)素子等がある。磁気再生ヘッドの出力電圧は、CPP型の場合、スピンバルブ素子の磁気抵抗効果率(MR比)と印加電圧の積に比例する。したがって、高い出力電圧を得るには、MR比が大きいことが望ましい。
近年、MgOを絶縁層(トンネルバリア層)とするトンネル磁気抵抗効果素子において非常に大きなMR比が得られ(非特許文献1)、特にCoFeBを電極材料とするCoFeB/MgO/CoFeB構造を有するトンネル磁気抵抗効果素子では、従来のスパッタ法においても大きなMR比が得られる(非特許文献2)ことが示されて以来、デバイスへの応用上きわめて有用であることから、盛んに研究・開発が行われている。
このように、CoFeBを磁性層とするトンネル磁気抵抗効果素子において大きなMR比が得られるのは、熱処理(アニール処理)の際にCoFeBがMgO(001)をテンプレートとしてCoFe(001)に結晶化することが大きく影響していると考えられており、いかにCoFeBをCoFe(001)に結晶化させるかが重要なポイントとなっている。なお、(001)は結晶の面指数を表す(以下同様)。
このように、CoFeBを磁性層とするトンネル磁気抵抗効果素子において大きなMR比が得られるのは、熱処理(アニール処理)の際にCoFeBがMgO(001)をテンプレートとしてCoFe(001)に結晶化することが大きく影響していると考えられており、いかにCoFeBをCoFe(001)に結晶化させるかが重要なポイントとなっている。なお、(001)は結晶の面指数を表す(以下同様)。
ここで、CoFeBを磁性材料とするトンネル磁気抵抗効果素子においては、CoFeBがスパッタ直後に結晶構造を持たないアモルファス状態であること、且つ熱処理後にCoFe(001)に結晶化すること、を満たす条件として、B(ホウ素)濃度が20at.%であるCoFeBが一般的に用いられている。
その一方で、BはCoFe合金に対して非固溶であるため、熱処理によりCoFeBがCoFeへ結晶化した際は、20at.%ものBは、結晶化後のCoFe合金の中に安定して存在できない。よって、Bの一部はCoFe合金以外の層へ拡散していることが容易に予想され、実験的にもCoFeBに隣接する絶縁層(MgO層)へBが拡散していることが確かめられている(非特許文献3)。
S.Yuasa et al.,Nat.Mater.3(2004)868
D.D.Djayaprawira et al.,230% room−temperature magnetoresistance in CoFeB/MgO/CoFeB magnetic tunnel junctions,Appl.Phys.Lett.86(2005)092502
T.Takeuchi et al.,Jpn.J.Appl.Phys.,46,L623 (2007)
ここで、非特許文献3が示すようにMgOで形成される絶縁層中に拡散したBがバリア品質に悪影響を及ぼすことが懸念されるため、本願発明者はバリア特性について調査した。
その調査結果として、図8にCoFeBで形成される自由磁性層のB濃度をB:0at.%、11at.%、20at.%と変化させた場合の、絶縁層(MgO層)の膜厚に対する絶縁層(MgO層)中に含まれるピンホール密度の依存性を示す。ここでピンホールとは、絶縁層中に含まれる不純物や酸素欠損等により形成されるバリア欠陥を意味し、こうした欠陥はバリア特性に悪影響を及ぼす。特に、電圧に対するバリア耐性が劣化して低電圧で絶縁層が破壊されてしまうといった、バリア信頼性に著しい影響を及ぼす。なお、ピンホール密度とは、絶縁層の単位面積あたりに含まれるピンホールの数を表しており、したがってピンホール密度が低い方が、絶縁層として信頼性が高く、好ましい。
当該図8からは、B濃度が増加するにつれて絶縁層中のピンホール密度が増加していることがわかった。これは、MgOで形成される絶縁層へ拡散したBがピンホールとして働いていること、且つCoFeBで形成される自由磁性層中に含まれるB濃度が増えるにつれて、MgOで形成される絶縁層中へ拡散するB量が増加していることを意味している。
その調査結果として、図8にCoFeBで形成される自由磁性層のB濃度をB:0at.%、11at.%、20at.%と変化させた場合の、絶縁層(MgO層)の膜厚に対する絶縁層(MgO層)中に含まれるピンホール密度の依存性を示す。ここでピンホールとは、絶縁層中に含まれる不純物や酸素欠損等により形成されるバリア欠陥を意味し、こうした欠陥はバリア特性に悪影響を及ぼす。特に、電圧に対するバリア耐性が劣化して低電圧で絶縁層が破壊されてしまうといった、バリア信頼性に著しい影響を及ぼす。なお、ピンホール密度とは、絶縁層の単位面積あたりに含まれるピンホールの数を表しており、したがってピンホール密度が低い方が、絶縁層として信頼性が高く、好ましい。
当該図8からは、B濃度が増加するにつれて絶縁層中のピンホール密度が増加していることがわかった。これは、MgOで形成される絶縁層へ拡散したBがピンホールとして働いていること、且つCoFeBで形成される自由磁性層中に含まれるB濃度が増えるにつれて、MgOで形成される絶縁層中へ拡散するB量が増加していることを意味している。
絶縁層(MgO層)の膜厚に対する絶縁層(MgO層)中に含まれるピンホール密度が増加すると、当該絶縁層が破壊される破壊電圧が急激に低下するため、バリア信頼性が悪化し、ヘッド寿命が著しく低下する。したがって、図8の結果から、ヘッド寿命を低下させないためには、自由磁性層に含まれるBを排除することが有効と考えられるが、その反面、前述の通り、高いMR比を得るためには自由磁性層にはBが含まれている必要があるため、高いバリア品質と高いMR比を両立させることが困難であった。
本発明は、上記事情に鑑みてなされ、高いバリア品質と高いMR比を両立させることを可能とする磁気抵抗効果素子を提供することを目的とする。
本発明は、以下に記載するような解決手段により、前記課題を解決する。
この磁気抵抗効果素子は、絶縁層と非磁性層との間に、自由磁性層を備える磁気抵抗効果素子であって、前記絶縁層は、岩塩型結晶構造を有する金属酸化物を用いて形成され、前記自由磁性層は、構成元素の一つにホウ素を含む材料を用いて形成され、前記非磁性層は、タンタルと比較して、前記自由磁性層中のホウ素が相対的に拡散し易い材料を用いて形成されることを要件とする。
本発明によれば、絶縁層におけるピンホールの発生およびそれに起因するブレイクダウン電圧の低下を防止することが可能となると共に、高いMR比の実現による再生感度の向上が可能となる。
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態について詳しく説明する。図1は、本発明の第一の実施形態に係る磁気抵抗効果素子1の膜構成を示す概略図である。図2は、本発明の第二の実施形態に係る磁気抵抗効果素子1の膜構成を示す概略図である。図3は、非磁性層19材料に対するピンホール密度の絶縁層(MgO層)膜厚依存性を示すグラフである。図4は、非磁性層19材料に対する面積抵抗RAとMR比との関係を示すグラフである。図5、図6は、本発明の実施形態に係る磁気ヘッド10の例を示す概略図である。図7は、本発明の実施形態に係る情報記憶装置40の例を示す概略図である。また、図8は、自由磁性層18のB(ホウ素)濃度に対するピンホール密度の絶縁層(MgO層)膜厚依存性を示すグラフである。
先ず、本発明の第一の実施形態に係る磁気抵抗効果素子1の構成について、TMR素子を例に挙げて説明する。
TMR素子の膜構成としては、種々の構成を採用することができるが、一例として、図1に示すように、下部シールド層11、下地層12、反強磁性層13、磁化固定層14、反強磁性結合層15、リファレンス層16、絶縁層17、自由磁性層18、非磁性層19、上部シールド層20の順に積層して構成される。
なお、この構成のように、絶縁層17に対して上部シールド層20側に自由磁性層18を配置し、絶縁層17に対して下部シールド層11側に磁化固定層14を配置する構成を、「ボトムタイプ」と称する。
以下、下地層12から、反強磁性層13、磁化固定層14、反強磁性結合層15、リファレンス層16、絶縁層17、自由磁性層18、非磁性層19に至るまでの層を磁気抵抗効果膜4と称する。
TMR素子の膜構成としては、種々の構成を採用することができるが、一例として、図1に示すように、下部シールド層11、下地層12、反強磁性層13、磁化固定層14、反強磁性結合層15、リファレンス層16、絶縁層17、自由磁性層18、非磁性層19、上部シールド層20の順に積層して構成される。
なお、この構成のように、絶縁層17に対して上部シールド層20側に自由磁性層18を配置し、絶縁層17に対して下部シールド層11側に磁化固定層14を配置する構成を、「ボトムタイプ」と称する。
以下、下地層12から、反強磁性層13、磁化固定層14、反強磁性結合層15、リファレンス層16、絶縁層17、自由磁性層18、非磁性層19に至るまでの層を磁気抵抗効果膜4と称する。
下部シールド層11は、軟磁性材であるNiFeが用いられ、めっき法もしくはスパッタリング法によって成膜される。この下部シールド層11は、TMR素子の電極を兼用するものである。なお、以下に述べる各層の成膜方法は、特記しない限り、いずれもスパッタリング法によるものである。ただし、その方法に限定されるものではない。
下地層12は、Mn系反強磁性材からなる反強磁性層13の下地層となるもので、Ta/Ruの2層膜が用いられる。
反強磁性層13は、IrMnによって8nm程度の厚さに成膜される。なお、反強磁性層13は、交換結合作用により磁化固定層14の磁化方向を固定する作用を生じる。
磁化固定層14にはCoFe、およびリファレンス層16にはCoFeBといった強磁性材が用いられ、それぞれ4nm程度の厚さに成膜される。また、反強磁性結合層15にはRu(ルテニウム)が用いられる。
同図1に示すように、反強磁性結合層15を介して磁化固定層14とリファレンス層16とが積層される構成を備えることによって、磁化固定層14の磁化方向をより強く固定する作用効果を奏する。すなわち、磁気抵抗効果膜4では、磁化固定層14と自由磁性層18の磁化の方向の相対角度が変化することによって抵抗値が変化することを検知するため、磁化固定層14の磁化方向が完全に固定されていることは大きな効果を奏する。
なお、リファレンス層16の磁化方向は磁化固定層14の磁化方向と逆向きとなる。
同図1に示すように、反強磁性結合層15を介して磁化固定層14とリファレンス層16とが積層される構成を備えることによって、磁化固定層14の磁化方向をより強く固定する作用効果を奏する。すなわち、磁気抵抗効果膜4では、磁化固定層14と自由磁性層18の磁化の方向の相対角度が変化することによって抵抗値が変化することを検知するため、磁化固定層14の磁化方向が完全に固定されていることは大きな効果を奏する。
なお、リファレンス層16の磁化方向は磁化固定層14の磁化方向と逆向きとなる。
絶縁層17には、MgOが用いられる。絶縁層17は、トンネル効果によってセンス電流を通流させるものであり、1nm程度の極めて薄厚に形成される。 なお、絶縁層17は、岩塩型結晶構造を有する金属酸化物を用いて形成されることが好適である。ここで、岩塩型結晶構造を有する金属酸化物には、例えば、MgO(酸化マグネシウム)、またはMgOを基材としてMg(マグネシウム)、Zn(亜鉛)、ZnO(酸化亜鉛)が添加もしくは多層状に積層された材料がある。
前述の非特許文献1に示されるように、MgOを絶縁層(トンネルバリア層)とするトンネル磁気抵抗効果素子において非常に大きなMR比が得られているが、当該絶縁層が、岩塩型の結晶構造を有することが大きく影響しているものと考えられている。
すなわち、大きなMR比を得る観点からは、絶縁層17に、酸化マグネシウム以外に、酸化マグネシウムを基材としてマグネシウム、亜鉛、酸化亜鉛が添加もしくは多層状に積層された材料を用いても、当該材料が岩塩型の結晶構造を有することによって、同様の効果を達成し得るものと考えられる。
すなわち、大きなMR比を得る観点からは、絶縁層17に、酸化マグネシウム以外に、酸化マグネシウムを基材としてマグネシウム、亜鉛、酸化亜鉛が添加もしくは多層状に積層された材料を用いても、当該材料が岩塩型の結晶構造を有することによって、同様の効果を達成し得るものと考えられる。
自由磁性層18には、一例として、CoFeBが用いられる。なお、CoFeB/NiFeの2層膜のように構成してもよい。自由磁性層18は、記録媒体からの磁化信号によって磁化方向が変化し、そのときの磁化固定層14の磁化方向との相対角度が変化することによる抵抗変化を読み取ることによって記録信号を読み出す作用を生じる。
このように、自由磁性層18の構成元素の一つにB(ホウ素)を含む材料(例えば、CoFeB)を用いることによって、前述の非特許文献2に示されるように、リファレンス層16:CoFeB/絶縁層17:MgO/自由磁性層18:CoFeB、という膜構成の磁気抵抗効果素子1が形成されるため、大きなMR比が得られる効果が生じる。これは、熱処理(アニール処理)においてCoFeBがMgO(001)をテンプレートとしてCoFe(001)に結晶化することが大きく影響しているためと考えられる。
なお、自由磁性層18は、CoFeBを基材とする化合物によって形成しても、CoFeBと同様の効果が得られるものと考えられる。例えば、CoFeBを基材とする化合物には、CoFeNiB等が考えられる。このように、CoFeBを基材として、磁性材料を化合させた化合物が好適である。
非磁性層19は、保護層として設けられるもので、Cr(クロム)を用いて形成される(詳細は後述)。なお、本実施形態に係るボトムタイプにおいては、当該非磁性層19は「キャップ層」とも呼ばれる。
上部シールド層19には、下部シールド層11と同様にNiFe等の軟磁性材が用いられる。この上部シールド層19は、TMR素子の電極を兼用するものである。
ここで、本実施形態に特徴的な構成について説明する。
従来の磁気抵抗効果素子50(図9参照)においては、非磁性層19はTa(タンタル)、あるいはTa/Ruの2層膜を用いて形成されていた。
これに対し、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子1においては、非磁性層19を、従来のTaと比較して、自由磁性層18中のB(ホウ素)が相対的に拡散し易い材料を用いて形成される。より具体的には、Taよりも原子番号が小さく且つ体心立方格子型結晶構造(以下、「bcc構造」という)を有する金属材料であって、例えば、Cr(クロム)が挙げられる。
従来の磁気抵抗効果素子50(図9参照)においては、非磁性層19はTa(タンタル)、あるいはTa/Ruの2層膜を用いて形成されていた。
これに対し、本実施形態に係る磁気抵抗効果素子1においては、非磁性層19を、従来のTaと比較して、自由磁性層18中のB(ホウ素)が相対的に拡散し易い材料を用いて形成される。より具体的には、Taよりも原子番号が小さく且つ体心立方格子型結晶構造(以下、「bcc構造」という)を有する金属材料であって、例えば、Cr(クロム)が挙げられる。
従来の磁気抵抗効果素子50(図9参照)において、自由磁性層18に隣接する非磁性層19にTaが用いられていたのは、高いMR比を得るために熱処理(アニール処理)により自由磁性層形成材料であるCoFeBがbcc構造のCoFeに結晶化することを阻害しないように、同じbcc構造を有する材料を用いることが好ましいと考えられていたためである。
ここで、図3に、ボトムタイプであって、リファレンス層16:CoFeB/絶縁層17:MgO/自由磁性層18:CoFeB、という膜構成を有する磁気抵抗効果素子において、非磁性層19を形成する材料を変更した場合の、絶縁層(MgO層)17の膜厚に対する絶縁層(MgO層)中に含まれるピンホール密度を示す。
従来の磁気抵抗効果素子50の非磁性層19に用いられるTaと比較して、原子番号の小さいRu、Crはピンホール密度が減少する結果となった。これは、Ta等の原子番号の大きい材料は軽元素であるBを遮蔽する効果があると考えられ、非磁性層19側へ拡散しようとするBを遮蔽するため、相対的に絶縁層(MgO層)17中へ拡散するB量が増加したためと考えられる。
一方、Taに比べて原子番号の小さいRu、Crは、Bを遮蔽する効果がTaに比べて小さいため、非磁性層19側へもBが拡散し、相対的に絶縁層(MgO層)17中へ拡散するB量が減少しピンホール密度が減少したものと考えられる。
従来の磁気抵抗効果素子50の非磁性層19に用いられるTaと比較して、原子番号の小さいRu、Crはピンホール密度が減少する結果となった。これは、Ta等の原子番号の大きい材料は軽元素であるBを遮蔽する効果があると考えられ、非磁性層19側へ拡散しようとするBを遮蔽するため、相対的に絶縁層(MgO層)17中へ拡散するB量が増加したためと考えられる。
一方、Taに比べて原子番号の小さいRu、Crは、Bを遮蔽する効果がTaに比べて小さいため、非磁性層19側へもBが拡散し、相対的に絶縁層(MgO層)17中へ拡散するB量が減少しピンホール密度が減少したものと考えられる。
また、図4に、非磁性層19に用いられる材料を変更した場合の、磁気抵抗効果素子の面積抵抗RAとMR比の関係を示す。従来の磁気抵抗効果素子50の非磁性層19に用いられるTaと比較して、RuではMR比が低下した。これは、Ruは六方稠密構造であるため、Bcc構造のCoFeの結晶化を阻害したためと考えられる。
一方、Crは、Taと同程度の値であった。bcc構造を有するCrは、同じくbcc構造のTaと同様の効果が得られているものと思われる。
一方、Crは、Taと同程度の値であった。bcc構造を有するCrは、同じくbcc構造のTaと同様の効果が得られているものと思われる。
したがって、図3、図4の結果から、高いMR比と高いバリア品質を両立するためには、Taよりも原子番号が小さく、且つbcc構造を有する材料を非磁性層19に用いることで達成可能となる。当該条件を満たす材料の例としては、Crの他にV(バナジウム)、Nb(ニオブ)、Mo(モリブデン)が挙げられ、これらの材料もCrと同様の効果が得られるものと考えられる。
さらに、これらの金属材料を基材とする化合物であって結晶構造がbcc構造を有する材料も、Crと同様の効果が得られるものと考えられる。
以上のように、従来の磁気抵抗効果素子50においては、自由磁性層18中に含まれるB濃度が増えるにつれて絶縁層(MgO層)17中へ拡散するB量が増加し、ピンホール密度が増加してしまうことから、ヘッド寿命を低下させないためには自由磁性層18に含まれるBを排除することが必要となる一方で、高いMR比を得るためには、自由磁性層にはBが含まれていることが必要となるため、高いバリア品質と高いMR比を両立させることが困難であるという課題があったのに対し、本実施の形態に係る磁気抵抗素子1によれば、自由磁性層18に隣接する絶縁層17と反対側の非磁性層19を、従来用いていた材料であるTaから、Taよりも原子番号が小さく、且つbcc構造をもつ材料に変更することで、バリア品質と高いMR比を両立させることが可能となる。
続いて、本発明の第二の実施形態に係る磁気抵抗効果素子1について説明する。
図2に示すように、下部シールド層11、非磁性層19、自由磁性層18、絶縁層17、リファレンス層16、反強磁性結合層15、磁化固定層14、反強磁性層13、下地層12、上部シールド層20の順に積層して構成される。ここで、非磁性層19から、自由磁性層18、絶縁層17、リファレンス層16、反強磁性結合層15、磁化固定層14、反強磁性層13、下地層12に至るまでの層を磁気抵抗効果膜4と称する。
なお、この構成のように、絶縁層17に対して上部シールド層20側に磁化固定層14を配置し、絶縁層17に対して下部シールド層11側に自由磁性層18を配置する構成を、「トップタイプ」と称する。また、本実施形態に係るトップタイプにおいては、当該非磁性層19は「シード層」とも呼ばれる。
図2に示すように、下部シールド層11、非磁性層19、自由磁性層18、絶縁層17、リファレンス層16、反強磁性結合層15、磁化固定層14、反強磁性層13、下地層12、上部シールド層20の順に積層して構成される。ここで、非磁性層19から、自由磁性層18、絶縁層17、リファレンス層16、反強磁性結合層15、磁化固定層14、反強磁性層13、下地層12に至るまでの層を磁気抵抗効果膜4と称する。
なお、この構成のように、絶縁層17に対して上部シールド層20側に磁化固定層14を配置し、絶縁層17に対して下部シールド層11側に自由磁性層18を配置する構成を、「トップタイプ」と称する。また、本実施形態に係るトップタイプにおいては、当該非磁性層19は「シード層」とも呼ばれる。
本実施形態では、前記第一の実施形態に係る「ボトムタイプ」と比較して、絶縁層17を挟んで、自由磁性層18と、リファレンス層16との位置が上下方向(膜厚方向)で逆転しているが、自由磁性層18:CoFeB/絶縁層17:MgO/リファレンス層16:CoFeB、という膜構成は、前記第一の実施形態におけるリファレンス層16:CoFeB/絶縁層17:MgO/自由磁性層18:CoFeB、と同様の作用効果を生じる。すなわち、熱処理(アニール処理)においてCoFeBがMgO(001)をテンプレートとしてCoFe(001)に結晶化することによって、大きなMR比が得られる。
なお、各層の形成材料は前記第一の実施形態と同様であり、その作用効果についても、前記第一の実施形態と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、本実施の形態に係る磁気抵抗素子1は、自由磁性層18に隣接する絶縁層17と反対側の非磁性層19、すなわち、ボトムタイプの場合はキャップ層を、トップタイプの場合はシード層を、従来用いていた材料であるTaから、Taよりも原子番号が小さく、且つbcc構造をもつ材料に変更することで、バリア品質と高いMR比を両立させることが可能となる。すなわち、絶縁層におけるピンホールの発生およびそれに起因するブレイクダウン電圧の低下を防止することが可能となると共に、高いMR比の実現による再生感度の向上によって、さらなる高記録密度化を達成することが可能となる。
続いて、本発明に係る磁気抵抗デバイスの実施の形態について、上記磁気抵抗効果素子1を用いた磁気ヘッド10を例に挙げて説明する。
前述の構成を備える磁気抵抗効果素子1は、磁気ヘッドの磁気再生ヘッドに組み込むことによって高品質の磁気ヘッドとして提供される。ここで、図5に上記磁気抵抗効果素子1を搭載した磁気ヘッド10の構成例を示す。
当該図5に示すように、磁気ヘッド10は、一つの実施形態として、磁気再生ヘッド2と磁気記録ヘッド3とを備える複合型磁気ヘッドとして構成される。なお、本発明の適用を当該複合型磁気ヘッドに限定するものではなく、磁気再生ヘッド2のみを備える磁気ヘッド(磁気再生ヘッド)として構成しても、もちろん構わない。なお、当該図5は磁気ヘッド10のコア幅方向に垂直な方向の断面図として図示している。ちなみに、媒体対向面(浮上面)5は、各層の積層工程が完了した後に、研磨工程を経て所定位置に形成される。
本実施の形態に係る磁気ヘッド10の構成について、垂直記録方式を採用する磁気ヘッドを例にとり説明する。ただし、あくまでも一例示に過ぎず、当該構成に限定されるものではない。
先ず、磁気再生ヘッド2の構成例を説明する。ベースとなるウエハ基板(図示せず)上に、磁気再生ヘッド2の下部シールド層11が形成される。
下部シールド層11の上層には、磁気抵抗効果膜4が形成される。ここで、磁気抵抗効果膜4には、例えば、前述のTMR膜等の磁気抵抗効果膜が用いられるが、その膜構成としては、種々の構成を採用することができる。
図6に示すように、磁気抵抗効果膜4のコア幅方向の両側に、絶縁膜28を介してハードバイアス膜29が形成され、また、磁気抵抗効果膜4の後方には、Al2O3等を用いて絶縁膜31が形成される(図5参照)。なお、図6は、磁気再生ヘッド2を媒体対向面5側から視た図である。
同図6のように、磁気抵抗効果膜4、絶縁膜31、絶縁膜28、およびハードバイアス膜29上に、上部シールド層20が形成される。なお、上部シールド層20、下部シールド層11共に、NiFe等の磁性材料(軟磁性材)を用いて形成される。
先ず、磁気再生ヘッド2の構成例を説明する。ベースとなるウエハ基板(図示せず)上に、磁気再生ヘッド2の下部シールド層11が形成される。
下部シールド層11の上層には、磁気抵抗効果膜4が形成される。ここで、磁気抵抗効果膜4には、例えば、前述のTMR膜等の磁気抵抗効果膜が用いられるが、その膜構成としては、種々の構成を採用することができる。
図6に示すように、磁気抵抗効果膜4のコア幅方向の両側に、絶縁膜28を介してハードバイアス膜29が形成され、また、磁気抵抗効果膜4の後方には、Al2O3等を用いて絶縁膜31が形成される(図5参照)。なお、図6は、磁気再生ヘッド2を媒体対向面5側から視た図である。
同図6のように、磁気抵抗効果膜4、絶縁膜31、絶縁膜28、およびハードバイアス膜29上に、上部シールド層20が形成される。なお、上部シールド層20、下部シールド層11共に、NiFe等の磁性材料(軟磁性材)を用いて形成される。
このような構成を備え、磁気再生ヘッド2では、前述の通り、磁気記録媒体に記録された磁気情報(記録情報)の読み出し作用が生じる。
次に、磁気記録ヘッド3の構成例を説明する。前記上部シールド層20上に、Al2O3等を用いて絶縁膜32が形成される。
絶縁膜32上には、全面に第1リターンヨーク21が形成される。
第1リターンヨーク21上にAl2O3等を用いて絶縁膜33が形成され、絶縁膜33上には導電材料を用いて、平面螺旋状に第1コイル22が形成される。
第1コイル22の層間および上層には、Al2O3等を用いて絶縁膜34が形成される。
第1リターンヨーク21上にAl2O3等を用いて絶縁膜33が形成され、絶縁膜33上には導電材料を用いて、平面螺旋状に第1コイル22が形成される。
第1コイル22の層間および上層には、Al2O3等を用いて絶縁膜34が形成される。
絶縁膜34上に、CoFe等の強磁性材料を用いて主磁極23が形成される。主磁極23の作用として、主磁極23から第1リターンヨーク21および第2リターンヨーク27に向かう方向および逆の方向に磁界を発生させる。つまり、当該磁界が磁気記録媒体に対する記録用外部磁界として作用することとなる。
主磁極23の後端側には、バックギャップ25が形成されると共に、主磁極23上にAl2O3等を用いて絶縁膜35が形成され、さらに絶縁膜35上に、バックギャップ25を取り巻くように導電材料からなる第2コイル24が形成される。また、主磁極23の先端部の上方には、主磁極23と離間(トレーリングギャップと呼ばれる)させる形で、磁性材料からなるトレーリングシールド26が形成される。さらに、第2コイル24の層間および上層に絶縁膜36が形成されると共に、さらにその上層に、バックギャップ25およびトレーリングシールド26に連結する第2リターンヨーク27が形成される。
さらに、第2リターンヨーク27上に保護層(不図示)等の形成が行われて、磁気ヘッド10が所定の積層構造として完成される。
さらに、第2リターンヨーク27上に保護層(不図示)等の形成が行われて、磁気ヘッド10が所定の積層構造として完成される。
本実施の形態に係る磁気ヘッド10によれば、磁気抵抗効果素子1(磁気抵抗効果膜4)の絶縁層17の性能低下すなわち絶縁耐性の低下を防止しつつ、大きなMR比を達成でき、高い再生感度を実現することができるため、さらなる高記録密度化を実現することが可能となる。
続いて、本発明の実施の形態に係る情報記憶装置について説明する。
前述の本実施の形態に係る磁気抵抗効果素子1を備える磁気ヘッド10を用いて、磁気ディスク装置、MRAM等を構成することにより、記録密度の増加に対応した高い再生感度の実現、あるいは記憶特性の向上が可能な情報記憶装置が実現される。
前述の本実施の形態に係る磁気抵抗効果素子1を備える磁気ヘッド10を用いて、磁気ディスク装置、MRAM等を構成することにより、記録密度の増加に対応した高い再生感度の実現、あるいは記憶特性の向上が可能な情報記憶装置が実現される。
情報記憶装置の一例として、図7に示す磁気ディスク装置40は、前述の磁気ヘッド10が、磁気記録媒体(磁気ディスク)41との間で情報の記録・再生を行うヘッドスライダ42に組み込まれる。さらに、ヘッドスライダ42は、ヘッドサスペンション43のディスク面に対向する面に取り付けられ、該サスペンション43の端部を固定し、回動自在なアクチュエータアーム44と、該サスペンション43及び該アクチュエータアーム44上の絶縁された導電線を通じて、前記磁気ヘッド10に電気的に接続され、当該磁気ヘッド10からの信号を処理する信号処理基板(不図示)とを有する記憶装置として構成される。その作用として、磁気ディスク41が回転駆動されることにより、ヘッドスライダ42がディスク面から浮上し、磁気ディスク41との間で情報を記録し、情報を再生する操作がなされる。
本実施形態に係る磁気ディスク装置40によれば、絶縁層17の性能低下すなわち絶縁耐性の低下を防止しつつ、大きなMR比を達成でき、高い再生感度を実現することができる磁気抵抗効果素子1を備える磁気ヘッド10を用いることによって、非常に高い磁気抵抗効果が得られ、再生出力を高めることが可能となるため、高記録密度化を達成することが可能となる。
また、本発明に係る磁気抵抗デバイスの他の実施の形態として、磁気抵抗効果素子を利用したメモリ素子であるMRAMへの利用が考えられる。MRAMは、絶縁層を挟む配置に磁化固定層と自由磁性層を設けたもので、外部から作用させた磁界によって自由磁性層の磁化の向きが変化した状態をメモリとして記憶するものである。この場合も、本発明に係る磁気抵抗効果素子を利用することで、メモリ素子としての記憶特性を向上させることが可能となる。
以上、本発明によれば、ピンホール等の欠陥発生による絶縁層の性能低下を防止して、素子破壊を引き起こす原因となるブレイクダウン電圧低下等を防止することが可能であると共に、記録密度の増加に対応した高い再生感度の実現が可能な磁気抵抗効果素子が提供される。さらに、磁気抵抗効果素子の品質向上を図ることによって、それを用いた高品質の磁気抵抗デバイスの提供が可能となる。
1 磁気抵抗効果素子
2 磁気再生ヘッド
3 磁気記録ヘッド
4 磁気抵抗効果膜
5 媒体対向面(浮上面)
10 磁気ヘッド
11 下部シールド層
12 下地層
13 反強磁性層
14 磁化固定層
15 反強磁性結合層
16 リファレンス層
17 絶縁層
18 自由磁性層
19 非磁性層
20 上部シールド層
40 情報記憶装置(磁気ディスク装置)
2 磁気再生ヘッド
3 磁気記録ヘッド
4 磁気抵抗効果膜
5 媒体対向面(浮上面)
10 磁気ヘッド
11 下部シールド層
12 下地層
13 反強磁性層
14 磁化固定層
15 反強磁性結合層
16 リファレンス層
17 絶縁層
18 自由磁性層
19 非磁性層
20 上部シールド層
40 情報記憶装置(磁気ディスク装置)
Claims (9)
- 絶縁層と非磁性層との間に、自由磁性層を備える磁気抵抗効果素子であって、
前記絶縁層は、岩塩型結晶構造を有する金属酸化物を用いて形成され、
前記自由磁性層は、構成元素の一つにホウ素を含む材料を用いて形成され、
前記非磁性層は、タンタルと比較して、前記自由磁性層中のホウ素が相対的に拡散し易い材料を用いて形成されること
を特徴とする磁気抵抗効果素子。 - 前記ホウ素が相対的に拡散し易い材料は、タンタルよりも原子番号が小さく且つ体心立方格子型結晶構造を有する金属材料、もしくは該金属材料を基材とする化合物であって体心立方格子型結晶構造を有する材料であること
を特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果素子。 - 前記金属材料は、クロム、バナジウム、ニオブ、モリブデンであること
を特徴とする請求項2記載の磁気抵抗効果素子。 - 前記岩塩型結晶構造を有する金属酸化物は、酸化マグネシウム、または酸化マグネシウムを基材としてマグネシウム、亜鉛、酸化亜鉛が添加もしくは多層状に積層された材料であること
を特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の磁気抵抗効果素子。 - 前記構成元素の一つにホウ素を含む材料は、CoFeB、もしくはCoFeBを基材とする化合物であること
を特徴とする請求項1〜4のいずれか一項記載の磁気抵抗効果素子。 - 前記CoFeBを基材とする化合物は、CoFeNiBであること
を特徴とする請求項5記載の磁気抵抗効果素子。 - 請求項1〜6のいずれか一項記載の磁気抵抗効果素子を備える磁気再生ヘッド。
- 請求項1〜6のいずれか一項記載の磁気抵抗効果素子を備える磁気抵抗デバイス。
- 磁気抵抗効果素子を備えたヘッドスライダと、
前記ヘッドスライダを支持するサスペンションと、
前記サスペンションの端部を固定し、回動自在なアクチュエータアームと、
前記サスペンション及び前記アクチュエータアーム上の絶縁された導電線を通じて、前記磁気抵抗効果素子に電気的に接続され、媒体に記録された情報を読み取るための電気信号を検出する回路と、を備える情報記憶装置であって、
前記磁気抵抗効果素子は、絶縁層と非磁性層との間に、自由磁性層を備え、
前記絶縁層は、岩塩型結晶構造を有する金属酸化物を用いて形成され、
前記自由磁性層は、構成元素の一つにホウ素を含む材料を用いて形成され、
前記非磁性層は、タンタルと比較して、前記自由磁性層中のホウ素が相対的に拡散し易い材料を用いて形成されること
を特徴とする情報記憶装置。
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-
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- 2008-10-10 JP JP2008263553A patent/JP2010093157A/ja not_active Withdrawn
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