JP4575396B2 - 磁気ヘッド及び磁気記録再生装置 - Google Patents

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Description

本発明は、磁気抵抗効果素子を備える磁気ヘッド及び磁気記録装置に関する。
磁気記録再生装置市場では、年率40%超の記録密度向上が要求されており、この磁気記録再生装置に対応した磁気記録再生ヘッドにおいても、記録・再生の両特性に関し、高性能化が要求されている。このうち、磁気再生ヘッドに関しては、高感度化技術の向上、トラック幅の狭小化技術の向上、再生ギャップ間隔の狭小化技術の向上という3つの技術課題を満足させることが重要である。
近年、スピンが偏極した電流の相互作用に関する研究やデバイス開発が盛んである。例
えば、Electrical detection of spin precession in a metallic mesoscopic spin valv
e, F. J. Jedema et al., NATURE, VOL 416, pp713-716, 18 April 2002に掲載されてい
るように、スピン分極率が偏極したスピン電流が100nm以上の長距離にわたって伝導
し、磁気相互作用を生じる現象が実際に確認されている。彼らは、太さの異なるCo細線
と、これと直交するAl細線を作成し、Co細線とAl細線の交叉した場所にアルミナの
障壁層を設けた構造を作製した。このとき、太いCo線からAl線へ電流を流し、膜に磁
界を印加したところ電流の流れていない他方のCo線とAl線との間に磁界依存する電位
差が生じるというもので、細線の間隔が500nmを超えるにもかかわらず、磁気相互作
用が確認されたというものである。これは、スピン偏極電子がAl細線の界面部分に蓄積
された効果で、蓄積されたスピン偏極電子が細線中の広い領域に分布することによって生
じることが、例えばPhysical Review B, Vol.59, No.1, pp93-96や、Physical Review B,
Vol.65 054401, pp1-17に代表されるような形で理論的に理解されている。
総じて、この素子では、外部磁場に対して保磁力の異なる2つの磁性体があれば、一方の磁性体の導電体に対する電位の変化が出力として生じる特徴があり、この電位は2つの磁性体の磁化が平行なときと反平行なときとで、それぞれ極性が異なるという特徴がある。上記の構造では、磁性体は単純なCoであり、これをAlで繋いだ構造である。この構造でも、室温で磁界変化に伴う出力が得られている。
NATURE, VOL 416, pp713-716, 18 April 2002 Physical Review B, Vol.59, No.1, pp93-96 Physical Review B, Vol.65 054401, pp1-17
スピンが偏極した電流の相互作用を利用するデバイスを実際にヘッドに適用するにあたっては、本デバイスに係るノイズを低減させることが重要である。通常、磁気センサのノイズには、熱に起因するジョンソンノイズ、障壁を電子がトンネルするときに生じるショットノイズ、高周波で磁化反転の追随に伴って生じるマグノイズがある。ジョンソンノイズは素子抵抗と関係し、周波数依存性が小さく値的にも小さいため、基本的にホワイトノイズとしてどのデバイスにおいても共通である。本デバイスは基本的に電流パスに障壁層を備えるためTMRと同様、ショットノイズの影響があることが推察される。とくに、電流が直接流れる部分はノイズ発生源として作用すると考えられる。マグノイズに関しては、磁性体を使用すること及び微細化し体積が小さくなることが相関して生じるので、対策としては磁性体を使わないか、高密度化しても素子の体積を一定の体積以上に保持することが必要である。
本発明は、このような特性の実現に好適な素子構造を選択し、従来よりも出力の大きな磁気センサ及び磁気再生ヘッドを提供することを目的とする。
本発明では、自由層を構成する磁性体をスピン偏極電子が蓄積される非磁性導電層の媒体に面した端面に形成した。この素子構造により、再生ギャップ間隔を狭小化しても自由層を構成する磁性体の体積を一定以上に保持することができ、マグノイズを抑制することができる。
本発明の磁気ヘッドは、非磁性導電層と、非磁性導電層に第一の絶縁層を介して形成された固定層と、非磁性導電層の媒体側の面に第二の絶縁層を介して形成された自由層と、第一の絶縁層を介して非磁性導電層と固定層の間に電流を流すための回路と、非磁性導電層と自由層との間の電圧を測定するための回路とを有する。自由層が形成される媒体側の面は、媒体表面と略平行な面としてもよいし、媒体表面に対して傾斜した面としてもよい。
本発明によれば、従来よりも素子抵抗の調整が容易で、かつ、磁気抵抗変化率が極めて高く、高分解能化にも有効で出力が大きい磁気ヘッドが得られる。また、この磁気ヘッドを用いることにより面記録密度が1000Gb/in2を越える磁気記憶装置を実現することができる。
以下、本発明を適用した磁気ヘッドについて、詳細に説明する。
図1は、本発明の基本的な素子構造を示す概略図である。この素子は、線状の非磁性導電層101と、第一の磁性体である固定層102とが、非磁性導電層101上に形成された第一の絶縁層103において接しており、かつ、この非磁性導電層101の他の場所で第二の磁性体である自由層104が第二の絶縁層105を介して非磁性導電層101と接している構造を有する。固定層102と非磁性導電層101には電流を流す電流源106が接続され、固定層102と非磁性導電層101を通過する電流を流すようになっている。また、自由層104と非磁性導電層101の間の電位差を測定する回路107が接続されている。
本発明の素子の構造上の特徴は、第一の絶縁層103と第二の絶縁層105が非磁性導電層101を構成する膜の同一表面上の異なる位置に形成されているのではなく、図1に示されるように、第二の絶縁層105及びこの膜上に形成される自由層104が、非磁性導電層101を加工した断面位置に配置されていることにある。これによって、自由層104のサイズを膜厚方向だけでなく、素子高さ方向にも伸ばすことができ、自由層の実効体積を大きくして、熱磁化揺動に起因するマグノイズを低減することが可能になる。
本デバイスは、動作原理としてスピン蓄積現象を応用したものである。この原理を簡単に説明する。簡単な例として、図2(a)に示すように矢印方向に磁化した磁性体502と非磁性体501とが接している構造においては、電流を流さなければ、非磁性体501の中にはスピンの偏極のない自由電子が存在する。ところが、図2(b)に示すように界面を通じて電流を流すと、回路内には電子(チャージ電流)506が流れるが、これとは別に、磁気の情報を持ったスピン電子507が界面付近を境に滞留を生じて非磁性体501内の広い範囲にわたって蓄積する。これがスピン蓄積現象である。このスピン電子が広がる領域の大きさDは、材料のスピン拡散長と呼ばれる定数と相関し、非磁性体501の材料や純度、結晶構造によって決まる。例えば理想的な状態の銅やアルミニウムでは、約1μmにも達する。
ここで、図3(a)に示すように、回路内に電流を流した状態で、もう一つの磁性体504を非磁性体501に接触させる。このとき、チャージ電流506は非磁性体501から磁性体504には流れない。図示のように磁性体504の磁化方向が磁性体502の磁化方向と同じときは、非磁性体501内にたまったスピン電子507は磁性体504の中に入ることができる。この状態は電気的に導通状態であることを意味することから、両者は略等電位になる。一方、図3(b)に示すように、磁性体504の磁化方向が、磁性体502の磁化方向と逆向きのときは、非磁性体501内にたまったスピン電子507は磁性体504の界面で反射され、磁性体504の中に入ることができない。これは電気的な絶縁状態であることを意味し、両者の間には化学ポテンシャルの差に相当する電位差が生じる。この電位差を電気信号と考えれば、磁性層502と磁性層504に、それぞれ通常のスピンバルブ膜の固定層と自由層のような磁気的機能をもたせることで、磁気ヘッド的な構造を構成することが可能である。この現象は、スピン拡散長の大きい非磁性導電材料においては500nmを超える離れたところでもスピン情報が磁気抵抗的な相互作用を生じ、距離が短いと相互作用は大きくなり出力信号も指数関数的に増大する。
ここで、本発明のデバイスの挙動と、効果発現のメカニズムについて説明する。本発明の磁気ヘッドは、上述のように、スピン電流の蓄積効果を利用した磁気抵抗効果素子によって構成される。スピン電流の蓄積効果を利用した磁気抵抗効果素子は、記録媒体から発せられる磁界の変化を電圧変化信号に変換し、出力として得るメカニズムを有する。固定層102は、磁化を固定するために反強磁性体層と強磁性体層とが積層されており、反強磁性結合力で強磁性層の磁化を一方向に固定したものである。あるいは、膜厚や線幅などの形状を変える、又は磁性体の材料を異種にする等の方法で、形状磁気異方性や結晶磁気異方性を制御して高保磁力を付与したものである。また、自由層104は、単磁区状態を保持するために複数種の材料で多層化した構造にする、又は、非磁性膜を介して永久磁石的な膜を形成し、静磁気結合でバイアス磁界を印加する構造(クローズド・フラックス・ストラクチャ)などを設ける。また、自由層の周囲には、適宜、図4に示すような外部磁界の影響を防ぐための磁気シールド機能を有する軟磁性膜901,902が設けられる。このシールド膜は、適度な軟磁性をもち、クロストークなどの外界擾乱を防止する。図4の例では、磁気シールドは素子膜の膜厚方向上下に配置されているが、囲い込み型シールドなどと呼ばれるような素子周囲を囲う形状であれば、シールド効果がさらに有効になる。
センサ構造と記録媒体との位置関係を図5に示す。この図では磁気シールドなどは省略して示している。自由層104は、媒体表面に最も近い位置に配置され、記録情報204からの記録磁界の影響を受けて磁化方向が変化する。ここでは媒体の形状や記録方式について特に限定をしない。垂直記録、面内記録、デイスクリートトラック媒体、パターン記録のいずれにおいても適用することは可能である。ここで、トラック幅方向を201、素子高さ方向を202、膜厚方向を203とする。
図6は、図5の非磁性導電層101の細線幅の中心で素子高さ方向に切った断面についての構造例を示す図である。301は媒体表面である。図6は、主として第二の絶縁層105と自由層104の断面構造について示したものである。
図6(a)は、図1と同様で、非磁性導電層101の端部を斜めに削り、そこに第二の絶縁膜105と自由層104を形成したものである。図6(a)〜(d)にて示した構造例は、全て素子高さ方向に対して直交しない斜めの角度で非磁性導電層101に第二の絶縁膜を形成する面が形成されているが、図6(e)に示すように素子高さ方向に略直交する非磁性導電層101の面に第二の絶縁膜を形成してもよい。図6(b)及び図6(d)は、第二の絶縁膜105の形成される場所についての代表例である。また、図6(c)は、自由層104の形状について、媒体表面方向に長さを大きくした形状をとっている。いずれの構造例も、非磁性導電層101の媒体に向いた端面に第二の絶縁膜105を挟んで自由層104を形成した構造となっている。
図7は、図5の素子上方(203の方向)から見た素子の構造例を示す図である。磁気シールドは図示を省略している。図7も、主として第二の絶縁層105と自由層104の配置について示したものである。
図7(a)は、第二の絶縁層105が非磁性導電層101の線幅より大きく、かつ、自由層104の媒体対向面の高さ位置が、非磁性導電層101のそれとほぼ一致した構造を示している。図7(b)は、自由層104の媒体対向面の高さ位置が、非磁性導電層101のそれよりも媒体表面に突出している構造を示している。図7(d)は、第二の絶縁層105の面積の変形例を示し、第二の絶縁層105のトラック幅方向の幅が非磁性導電層101の線幅より小さい例を示している。図7(c)は、自由層104の非磁性導電層101との位置関係の変形例を示したものであり、自由層104が非磁性導電層101のトラック方向中心からずれた位置に配置された例を示している。図中、401はヘッドの媒体に対向する面を表し、自由層104の周囲は、絶縁保護膜などで覆われている。301は媒体表面を表す。固定層102の詳細な膜構造は示さず、単に磁性層として記載した。固定層102については、図8に示すように、反強磁性体801と磁性体802の積層構造、あるいはこれを積層したものを含むものとする。ただし、FePtのように保磁力の大きい材料の単層膜802を用い、反強磁性体803を略した構造でも第一の磁性層を構成することは可能である。
図9は、磁気シールドと素子の位置関係の例を示す模式図である。具体的な再生ヘッドは、図9に示したような断面形状を有する。これらは、図7(c)の素子構造を代表例としたもので、その膜厚方向の上下に磁気シールド機能を持つ軟磁性膜901,902を配置している。図9(a)は、軟磁性膜901及び902が自由層104の電位差測定回路107から独立した構造を示している。このとき、自由層104及び非磁性導電層101に電気的に接続する電極は、それぞれ概略紙面表裏方向に配置される。図では、このシールド軟磁性膜901,902は、自由層104の周辺にのみ配置しているが、固定層までを覆う形状としてもよい。また、図9(b)は、軟磁性膜901,902と自由層104及び非磁性導電層101をそれぞれ電気的に接続した構造を示している。図9(c)は図9(a)の変形例であり、紙面の表裏方向に延びる電極膜903,904が断面で見えている構造である。また、導電性膜周辺の空間は、絶縁保護膜等で適宜埋められている。
このデバイスのマグノイズを低減させるためには、磁性層の体積を一定以上にすることが重要である。マグノイズは磁性膜の磁化が熱により大きく揺らぐことと関係している。従って、マグノイズ低減のためには、静磁気エネルギーK(あるいはE)を構成する主要な要素である飽和磁化のエネルギーが、熱によって安定になっていることが重要である。飽和磁化のエネルギーであるM2とKV/kTの関係について計算し、規格化したMの変化を図12に示す。これによれば、KV/kT>20で凡そM2は90%以上発現し、温度変調に対してもM2はほぼ安定化する。このような条件を満たす膜体積Vが確保できるような素子構造が必須である。
図11は、自由層104の膜構造についての別の実施例を示す図である。これまでは、自由層104は単一磁性体として説明したが、図11に示すように、自由層104を複数の磁性層1101,1103が中間層1102を介して多層化された構造としても有効である。磁性層1101,1103は、磁性層材料として指定された材料であれば組み合わせは任意である。また、中間層1102は通常、Ruなどの積層フェリの結合を誘引する材料で構成される。一例では、磁性層1101をNiFe、中間層1102を0.85nm厚のRu、1103を磁性層CoFeとする。
図11(a)は、斜めに加工された非磁性導電層101の端部に自由層104を障壁層105とともに平行に膜成長させた例を示している。図11(b)は、斜めに加工された非磁性導電層101の端部に障壁層105を介して磁性層1103を形成し、その磁性層1103の端部を媒体表面と略平行になるように加工し、そこに磁性層を中間層1102を介して多層に形成して自由層104とした例である。この形態の自由層104は、互いの磁性層が反強磁性的に結合することで層間の静磁界結合を弱めるとともに、磁気エネルギーを考えるときの体積は全ての膜の合計となり、大きくとることができる。また、自由層としての挙動自体はおおむね先端部磁性層で決まるため、理想的な自由層を形成することが可能である。
一方、非磁性導電層101に要求される特性は、スピン拡散長が長いことである。これには、非常に抵抗が低いか、p電子あるいはd電子の伝導性の高い材料が有効であると考えられる。従って、Cu,Au,Ag,Pt,Al,Pd,Ru,C,Mg,Ir,Rhからなる非磁性導電性金属、又はGaAs,Si,TiN,TiO,ReO3を主成分とする伝導性の非磁性化合物が有効である。例えば、Cuを用いた場合はCuの残留抵抗を低減することによって、スピン拡散長が増大する。超高真空中スパッタリング法でSiO2基板上に形成したTa(膜厚3nm)/Cu(膜厚30nm)は、3〜4μΩcmの比抵抗のものではスピン拡散長が300〜500nmであるが、2μΩcmの低比抵抗のものでは700nmをこえる。抵抗が低いあるいは適正な材料を選択するとともに、上記のような抵抗を低減する処理方法を適用することが重要である。
また、固定層102、自由層104を構成する材料として、Co,Ni,Fe,Mnあるいは、これらの元素の少なくとも一種類を主成分として含有している合金あるいは化合物からなる材料がある。これは、通常はfcc構造をもち、軟磁気特性の良好なNi80Fe20やCo90Fe10及び、これらの組成が数%ずれた範囲のものや、添加元素としてCrやNi,Coが入ったものが考えられている。
さらに、磁性層としては、少なくとも自由層側の磁性層に、bcc構造をもつFeやCo50Fe50に代表される組成の合金膜、あるいはアモルファス構造を持つCoとFeの合金とBとを含む化合物(CoFeB)、CoとFeの合金とCを含む化合物(CoFeC)やCoとFeの合金とNを含む化合物(CoFeN)によってなる膜、及び、これらを100℃以上400℃未満の範囲で熱処理した膜の組み合わせを適用することができる。特に、これらの磁性材料による自由層はMgO中間層に接していることが重要である。MgO以外の障壁層材料からなる中間層に組み合わせる自由層の磁性材料は、上述したもの及びハーフメタル効果が大きいとされる磁性材料であるCoFeCrAlなどのホイスラー合金やFe34などのスピネル化合物が適用される。
また、絶縁層103,105を構成する材料には、Al23,AlN,SiO2,HfO2,Zr23,Cr23,MgO,TiO2,SrTiO3の少なくとも一種類を含む材料からなる単膜あるいは積層膜を用いることができる。特に、自由層を構成する部位には、上記に示したように、磁性層との組み合わせによって結晶性MgOや結晶性SrTiO3を使用するのが好ましい。
これらの材料は、TMR素子としてトンネル磁気抵抗効果を示すことで知られている。高真空スパッタリング装置で、Ta/Cu/Ta膜上にNiFe層を1nm、MnPt層を13nm形成し、磁性層に(CoFe)6040層を3nm、MgO層を1nm、磁性層に(CoFe)6040層を3nm形成し、270℃において外部磁界6kOeで磁界中熱処理すると、室温の磁気抵抗変化が120%の膜が作製できる。膜作成や素子作製の各種条件を最適化することにより、室温の磁気抵抗変化が200%をこえる膜を作製することが可能であることが報告されている。
これは、アモルファス膜上に成長したMgOが良好な(100)配向を示すことと、MgOを介したbcc系磁性材料のスピン電子伝導が極めて高いスピン分極率を反映した理想的なスピンデバイスを形成することにある。例えば、100%の磁気抵抗効果で磁性体が同一材料であった場合は、単純には58%のスピン分極率となる。
反強磁性材料を用いる場合、反強磁性層801を構成する膜には、PtMn,CrMnPt,MnIr,NiO,PdPtMnなどがある。これらは、数nmから数10nmの各組成に定められた臨界膜厚以上で、かつ、適正な条件下での磁界中熱処理によって一方向異方性が十分大きく発現し、接合部分の固定層102の磁化を固定するのに有効である。
自由層104の磁区制御に関して、一般のGMR再生ヘッドに適用されているハードバイアス方式を適用する場合、ハードバイアスに用いられる永久磁石を素子膜のトラック幅方向の両端部に絶縁膜を介して配することで、永久磁石からの漏洩磁束を用いて素子中の自由層の端部に発生する微細な磁区を減少させ、一方向に整列した磁区構造を形成することが可能である。他の磁区制御の方式として、自由層あるいは、自由層とこれと接する絶縁層との他主面側に非磁性膜を介して永久磁石をつける。また、膜の構造としてこのほかに、反強磁性膜と接した軟磁性膜からなる多層膜を形成することで、該永久磁石あるいは軟磁性膜の端部から発生する漏洩磁束を用いて自由層104の磁区をそろえる方式(CFS(Closed Flux Structure)方式)が有効である。素子サイズが1μm×1μmを下回る範囲では、前記ハードバイアスの絶縁膜の絶縁性及び磁区制御磁界の精度が著しく低下することが予想される。ギャップ間隔が50nmを下回る領域では、薄膜化が課題となるもののこの方式が将来方式として有望であり、本発明の膜構造に対しても十分有効である。
[実施例1]
SiO2基板やガラス基板などの通常用いられる基板(酸化マグネシウム基板、GaAs基板、AlTiC基板、SiC基板、Al23基板等を含む)上に真空中スパッタリング法、分子線エピタキシー法(MBE)等の膜形成装置を用いて素子の膜を成膜した。例えばRFスパッタリング法の場合、Ar雰囲気中で、約1〜0.05Paのガス圧力、50W〜1000Wのパワーで膜を形成した。素子形成する基体は、上記基板を直接用いるか、これら基板上に絶縁膜や適当な下地金属膜などを形成したものを用いた。
一例として、図7(b)に代表される、固定層102が障壁層103を介して非磁性導電層101に接しており、自由層104が非磁性導電層101と基板表面301の間に配置されるような形状の素子の作成方法を以下に示す。図10(a)に示すように、基体1000上に下部シールド1001及び絶縁膜1002を形成し、ホトレジストを塗布し、電子線描画などのリソグラフィ技術を用いてコンタクトホールのパターンを形成する。これは、後にコンタクトホール部分の絶縁膜1002を除去することが目的であり、それが可能なパターン構造であればよい。図示されたコンタクトホール1003の部分を、アルゴンイオンミリングあるいは反応性イオンエッチング(RIE)で削ることによって形成した。ここに、図10(b)に示すように、Cuなどの電極膜1004、固定層と絶縁膜を構成する積層膜1005及び非磁性膜1006を形成した。このとき電極膜1004は、コンタクトホール1003を埋める形になる。次に、図10(c)に示すように、レジストを塗布し、リソグラフィ技術によって、固定層部分の電極線取り合い1004を加工する。さらに、固定層の膜1005と非磁性層の膜1006からなるピラーを、加工する。
次に、図10(d)にあるように、真空中のラジカルイオンシャワーなどで表面を清浄化し、ここに、1006と同様の材料からなる非磁性膜1007をスパッタリング法などで形成する。この非磁性膜は、最表面に保護膜を有している多層膜であっても良い。これにレジストを塗布し、リソグラフィ手段によって図に示される細線形状を作製する。今回の場合、ナノピラー形成後に全面に絶縁膜を形成し、リフトオフ法によってピラー1006の頭出しを行っても良い。さらに、非磁性膜1007を形成する前に、レジストと電子線描画などのリソグラフィ手法で細線形状をもつポジテイブパターンを形成した上に、表面清浄及び非磁性膜1007を形成して、リフトオフしても良い。
次に、図10(e)に示すように、作製した非磁性細線1007のABS面近傍の部分でコンタクトホールと接触している部分を同様のリソグラフィと加工手法で削った。このとき、素子が形成されている基板を傾けて加工することにより、加工断面は斜めになる。ここに、絶縁膜と磁性膜とからなる自由層1008を形成し、先端部でトラック幅Twが正しくなるように加工する。これにより、自由層のピラー状パターン1008が形成される。形成方法にリフトオフパタンを用いても良い。次に、図10(f)に示すように、この状態で絶縁保護膜1009を形成し、自由層のピラー状パターン1008の一部に、コンタクトホールを形成する。この上に、さらに電極膜1010を形成し、取り回しのための細線を形成する。この上に絶縁膜1011を形成する。ここで、シールド形状のレジストパターンを形成し、上部シールド用の磁性膜1012を作製した。レジストパターンと膜の順番は逆でも同じように上部シールド1012は作製可能である。
膜の観点では、自由層1008の構造として単純な磁性膜のほかに下記のような構造が考えられる。高真空中でTa(膜厚3nm)、反強磁性膜(膜厚10nm)、CoFe膜(3nm)/Ru膜(0.85nm)/磁性膜CoFeB膜(膜厚3nm)、MgO膜(膜厚2nm)、Cu膜(膜厚10nm)、Ta膜(膜厚3nm)などの保護膜を順次形成したものが自由層の主たる構造である。()内の膜厚は一例である。この磁性膜の構造は、図10の磁性層1008が積層フェリ構造のものである。障壁層103のMgO膜は直接成長である。ここにZnOやSrTiOを用いる場合も同様である。アルミナの障壁層を適用する場合はAl膜を形成し、酸化処理を行う。このとき用いる酸化方法は、自然酸化、プラズマ酸化、ラジカル酸化及びオゾン酸化等の一般的酸化プロセスのいずれかである。この膜にレジストを塗布し、I線ステッパ−や電子ビームを用いたリソグラフィにより、100nm×100nmの磁性ピラー形状(固定層)102、103、101の一部として描画した。描画は、一辺の長さが数100nm以下に細くなる場合には、I線の波長分解能では限界があるため、ArFステッパ、KrFステッパあるいは電子ビーム描画法により形状を描画した。この膜を、Arイオンのミリング装置を用いミリング処理しパターン形成した。このピラー表面を真空中でクリーニング後、さらにCu膜と保護膜を形成した。膜面内の媒体対向面位置から作製したピラー方向に向かって塗布レジストで穴状のパターンをあけ、FIBを用いて膜を斜めに削る。その上にMgOなどの絶縁体膜を形成し、その上にCoFeB磁性層を形成し、保護膜を作製し、絶縁保護膜を形成した。その後、非磁性導電層101の細線作製と同時に、磁性層細線部を削り、その上に保護膜を形成し、自由層104を作成した。これによって細線の先端部分が障壁層をはさむ磁性層で形成できる。この上に、図9(a)のようにシールド901を重ねるか、あるいは図9(b)又は図9(c)に示すように、先端部にとりまわし配線構造を形成する。この作製には、電子線描画やステッパ法、あるいはプローブ描画法を用いる。自由層のハードバイアス膜を作成する場合には、絶縁膜を形成後、永久磁石であるCoCrPtZrなどの膜を作製し、更に絶縁膜を形成する。その後、Co線(固定層)102を形成するための描画を行い、表面清浄化処理した上にCo及びNiFeなどの軟磁性膜、MnIrなどの反強磁性膜を形成する。
別の製造法として、素子形成する基体上に、高真空中で下部シールド膜902(図9(b)参照)、絶縁膜を形成後、この上にCu膜からなる非磁性導電層101を形成した後に、電子ビーム描画法により第一の電極層101の形状を描画、ミリング法により形成し、細線周囲は絶縁保護膜で埋める処理をした。その後、第一の磁性層を形成する部分に窓が開くようにレジストを描画し、該部分の表面を削り、Cu膜101、障壁層103、磁性膜(固定層)102、反強磁性膜、保護膜酸化絶縁膜を追加形成し、リフトオフすることで固定層102を形成した。このあと、第二の磁性層を形成する部分をレジストで描画し、FIBで削り込む処理を行った。この穴あけ作業は、ミリング装置でステージとArイオンの角度を調整し、局所的にミリング処理をかけることでも実現可能である。こうして細線の端部で斜めになるような形状の導電性細線を形成することができ、ここに、In-situで表面清浄化後に絶縁層、磁性層を形成する。これを、リフトオフし、さらに第二の磁性層の先端部、媒体に対向する近傍を微細描画でヘッド先端を作製することが可能である。
他方、たとえば図6(a)〜(d)にあるように基板表面に対して斜めに削るのではなく、図6(e)のように媒体対向面から深さ方向に導電性細線を削り、界面を清浄化した後に、障壁層103及び自由層104を媒体対向面側から製膜することで膜形成し、最終的には媒体対向面の研磨によって露出面を形成する方法もある。この方法によると、自由層104の断面構造は図11(b)のようになる。このとき、深さ方向に削る手法として、ミリング、FIB、湿式エッチングいずれも含めるものとする。
図1の構造について、実際に作製する再生ヘッド構成の代表例を図14に示す。Cuからなる幅5〜30nm程度の線状の非磁性導電層101と、磁性体からなる固定層102とが、この導電体上に形成したAl23によってなる第一の中間層103において接しており、かつ、この非磁性導電層101から10〜1000nm離れた位置にCoFeBからなる自由層104が中間層105を介して非磁性導電層101と接している構造を持つ。該第一の磁性体103と非磁性導電層101には電流を流す電流源が接続されており、電流を流すようになっている。さらに、これらの素子の基体の膜厚方向の上下面に、絶縁膜を介して磁気シールド機能を有する軟磁性膜901,902が配される。この上部シールドとなる軟磁性膜901の上に、記録用ヘッドが位置する構造で磁気ヘッドは形成される。
非磁性導電層101の材質がCoで幅が30nm×膜厚30nmのときに、この磁気抵抗センサの自由層104とCu細線間に発生する電位差Vは、磁性ノイズを無視するならば実験的には電流が1.0mAで約2mVである。ただし、磁性膜の体積は、膜の素子高さ方向の長さが10nmで自由層104の形状が直方体であれば、9×10-243である。このとき、EV/kTは約5000と大きい。ただし、磁化の低いあるいは異方性の小さい材料の場合、約1500となる。ただし、膜厚や幅がさらに微細化すると、表1にあるように体積は小さくなり、EV/kTは20に近くなる。表1は、静磁気エネルギーとしてE=(2πMs2+K)=8.3×105J/m3であるNiFe材料、及びそれぞれE=2.9×106J/m3、E=2.2×106J/m3、E=1×106J/m3であるCoFe,Co,FePtに関して、温度300Kのときの体積とKuV/kTと磁性層体積との関係をまとめたものである。
Figure 0004575396
このとき、体積の減少とともに、図13に示すように磁化の作用エネルギーは急激に低下する。図13は、Kuが異なる材料を用いた場合、膜の体積に対するKu/kTの変化を示したものである。実現できるヘッド自由層の体積は、高密度化によって小さくなるが、通常はこれに対応して指数関数的に体積減少、及びKuV/kTの減少が起こる。この場合、わずかの熱揺らぎによって大きく出力が変動することになる。これがいわゆるマグノイズの作用である。
マグノイズを抑止するためには、図13中の点線で示す20よりも大きいEV/kTであることが必要、すなわち磁性層の体積Vを一定の値以上に確保することが必要である。これは、図12に示されているように、KuV/kTが20以下では磁化の揺らぎが大きくなることに基づいて、本来の磁気モーメントが減少する。原子の磁気モーメントは一定であるが、揺らぎが大きくなる影響がおおきいことを示している。すなわち、KuV/kTが20以下という条件は、磁化揺らぎに伴うノイズであるマグノイズが大きく影響する条件である。
ただし、分解能を高くする必要から、Gs(シールドギャップ間距離)と相関の高い膜厚には制限がある。1テラビット/平方インチ級程度のヘッドでは、細線の幅は25nm、膜厚も25nm以下にする必要がある。このとき、導電性細線と磁性層が積層した形状で、媒体対向面まで連続している形状のときは、磁性層膜厚が12.5nmだと仮定すると、体積とKuV/kTのグラフで20を超えるための条件から換算すると、素子高さ方向は約14nm以上の長さをもたせるだけでよい。ところが、5テラビット/平方インチでは、細線の幅は10nm未満、膜厚も10nm未満にする必要がある。このとき、もはや導電性膜と磁性層が積層したままの構造では、構造体を維持できない。したがって、導電膜に膜断面方向の部分で自由層が接触し、媒体対向面には自由層だけが露出する構造にすることで、素子高さ方向の距離を伸ばす構造を採用することができ、かつ、体積を最大限にすることが可能である。この場合、体積とKuV/kTのグラフで20を超えるための条件から換算すると、素子高さ方向は約25nm以上の長さをもたせるだけでよい。
図1の構造及び図15の構造について、磁性体にCoFeBを用いる場合を例とする。膜の作製は、基板温度が室温のArガスを用いた超高真空スパッタリング製膜法を用いた。CoFeとBの組成比は6:4〜8:2であって、CoとFeの組成比は、1:1〜3:1を用いた。このとき、室温で作製された膜の結晶構造はアモルファスといわれる状態となる。また、CoFeC,CoFeNなどのCoFe−X系化合物でも同様の組成比で、アモルファス的な結晶構造となる。この膜上にMgO膜を形成した。作製にはMgOターゲットを用い、上記と同様にArガスを用いた超高真空スパッタリング製膜法を適用した。MgO膜厚は0.6〜2.5nmで作製した。このアモルファス膜上に形成したMgO絶縁膜は、(100)配向する。この上にCoFeB膜を同様に形成し、その上に反強磁性膜等の膜を形成したものについて、1μm×1μmの素子面積の素子を作製し、磁気抵抗変化を測定すると、室温で100%程度のTMRを示す。更にこれを、300℃以上400℃以下の温度で熱処理することにより、室温で250%以上のTMRを示す膜が出来る。400℃以上では、他の合金膜が破壊を起こす。このとき、磁性層と障壁層は、結晶化しており、その様子は断面TEM写真から判断することが可能である。この特徴として、磁化状態が平行と反平行とで、電流対電圧特性が異なる特性が上げられる。この場合、反強磁性状態ではバリヤが有効で、バリヤ高さ0.2〜0.5eVとされる。これは、アルミナ酸化物のバリヤ高さ(0.8〜1.4eV)のおおよそ半分で低い。さらに、平行状態ではほぼ直線的なI−V特性で、略金属的な挙動を示す。このため、MgOとCoFeBとそれに類する系を、この素子に適用することは、先のノイズ低減の電極位置指定と加えて非常に効果的である。
MgO以外の指定の障壁層材料からなる中間層に組み合わせる自由層の磁性材料は、CoFeBではなく、上述した多くのハーフメタル効果が大きいとされる磁性材料が適用される。このとき、中間層を構成する材料として、Al23,AlN,SiO2,HfO2,Zr23,Cr23,MgO,TiO2,SrTiO3の少なくとも一種類を含む材料からなる単膜あるいは積層膜であることを特徴とする。特に、自由層を構成する部位には、上記に示したように、磁性層との組み合わせによって結晶性MgOや結晶性SrTiO3を使用することを特徴とする。例えば、SrTiO3のばあい、バリヤ高さは約0.05〜0.1eVである。
図15は本発明のヘッド構造である。再生ヘッド部分及び、媒体との位置関係は図4及び図5と同様である。図では、記録ヘッドとして垂直記録ヘッドの一種を搭載した場合を示した。再生ヘッドの上部磁気シールドとなる軟磁性膜901の上に、リターンヨーク兼記録シールド1501を設けて、その上に記録用磁極1502が配置されている。この記録ヘッドは材料として飽和磁束密度が大きく(2.0T以上)、適度に低効率の大きい材料が適する。本発明における、この記録ヘッド構造は、現状の任意の技術を搭載し、組み合わせとしてのヘッド構造を作ることが可能である。また、これによる再生密度の機能上の変化はない。
図16は、本発明によるヘッドを用いた磁気デイスク装置の概略図である。図示した磁気デイスク装置は、磁気記録媒体としての磁気デイスク1601、データの読み取り、書き込みを実施するための本発明による磁気ヘッド1610を搭載したスライダ1606、磁気ヘッド1610を磁気デイスク1601上の所定位置へ移動させるアクチュエータ1611、磁気ヘッドが読み取り、書き込みするデータの送受信及びアクチェータの移動などを制御する制御手段を有する。回転可能な磁気デイスク1601は回転軸1602によって支持され、駆動用モーター1603によって回転させられる。磁気デイスク1601が回転すると同時に、スライダ1606がデイスク表面を移動することによって、目的とするデータが記録されている所定位置へアクセスされる。制御手段1612は、各ラインを介して制御信号を送受信し、かつ磁気デイスク装置の種々の構成手段を制御する。
本発明の磁気抵抗効果素子を本磁気記憶装置に搭載することにより、再生密度が1000Gb/in2を超える領域の磁気記録再生が可能となる。
本発明の基本的な素子構造を示す概略図。 スピン蓄積効果の原理図。 スピン蓄積センシングの原理図。 本発明の再生ヘッドの構造を示す概略図。 本発明のセンサ主要部と媒体との位置関係を示す図。 本発明のセンサ主要部の構造を示す断面模式図。 第二の絶縁層と自由層の配置について示した平面模式図。 固定層の構造例を示す図。 磁気シールドと素子の位置関係の例を示す模式図。 本発明の再生ヘッド作製プロセスの一例を示す図。 自由層の膜構造を示す図。 磁気エネルギーとKV/kTの関係を示す図。 自由層体積とKV/kTの関係を示す図。 本発明のヘッドの再生の基本構造。 本発明による再生ヘッドと記録ヘッドとを備える複合ヘッドの構成例を示す図。 磁気記録再生装置の模式図。
符号の説明
101 非磁性導電層
102 固定層
103 第一の絶縁層
104 自由層
105 第二の絶縁層
106 電流源
107 電位差測定回路
301 媒体表面
501 非磁性体
502 磁性体
504 磁性体
506 チャージ電流
507 スピン電子
801 反強磁性体
802 磁性体
901 軟磁性膜
902 軟磁性膜

Claims (9)

  1. 非磁性導電層と、
    前記非磁性導電層に第一の絶縁層を介して形成された固定層と、
    前記非磁性導電層の媒体側の面に第二の絶縁層を介して形成された自由層と、
    前記第一の絶縁層を介して前記非磁性導電層と前記固定層の間に電流を流すための電極膜と、
    前記非磁性導電層と前記自由層との間の電圧を測定するための電極膜
    を有することを特徴とする磁気ヘッド。
  2. 請求項1記載の磁気ヘッドにおいて、少なくとも前記自由層を挟むように磁気シールドが形成されていることを特徴とする磁気ヘッド。
  3. 請求項2記載の磁気ヘッドにおいて、前記磁気シールドは導電性を有し、前記電流を流すための電極膜及び/又は電圧を測定するための電極膜の一部をなしていることを特徴とする磁気ヘッド。
  4. 請求項1記載の磁気ヘッドにおいて、前記媒体側の面は、媒体表面と略平行な面であることを特徴とする磁気ヘッド。
  5. 請求項1記載の磁気ヘッドにおいて、前記媒体側の面は、媒体表面に対して傾斜した面であることを特徴とする磁気ヘッド。
  6. 請求項1記載の磁気ヘッドにおいて、前記固定層は、前記第一の絶縁層と接している面の反対側の面に当該固定層の磁化を一方向に固定する作用を有する膜が形成されていることを特徴とする磁気ヘッド。
  7. 請求項1記載の磁気ヘッドにおいて、前記自由層は、非磁性中間層と磁性膜を交互に積層した多層膜であることを特徴とする磁気ヘッド。
  8. 請求項1記載の磁気ヘッドにおいて、前記自由層は、その飽和磁化と磁気異方性から計算される静磁エネルギーと体積との積が、ボルツマン乗数倍した絶対温度で表される室温の温度エネルギーの20倍以上であることを特徴とする磁気ヘッド。
  9. 磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を駆動する媒体駆動部と、前記磁気記録媒体に対して記録再生動作を行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体の所望位置に駆動する磁気ヘッド駆動部とを備え、
    前記磁気ヘッドは、非磁性導電層と、前記非磁性導電層に第一の絶縁層を介して形成された固定層と、前記非磁性導電層の媒体側の面に第二の絶縁層を介して形成された自由層と、前記第一の絶縁層を介して前記非磁性導電層と前記固定層の間に電流を流すための電極膜と、前記非磁性導電層と前記自由層との間の電圧を測定するための電極膜とを有することを特徴とする磁気記録再生装置。
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