JP5734772B2 - スピン蓄積素子、磁気ヘッド及び磁気記録装置 - Google Patents

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本発明は、スピン蓄積素子を用いた磁気再生ヘッド及びそれを備えた磁気記録装置に関する。
近年、磁気記録装置の記録密度は急速に向上しており、それに伴い磁気記録装置に用いられる磁気再生ヘッドには高出力・高分解能の磁気センサが必要とされている。現行の磁気記録装置にはTMR(Tunneling Magneto Resistance)素子が磁気センサとして用いられている。しかし、TMR素子は積層膜で構成されているためある程度の膜厚が必要であり、シールド間のギャップ長低減には限度がある。そのため、2Tb/in2以上の次世代機種の磁気センサは、従来技術では対応することが難しい。そこで従来技術に替わる磁気再生ヘッドとしてスピン蓄積効果(非特許文献1)を応用した磁気センサの採用が提案されている(特許文献1)。スピン蓄積効果とは、強磁性体から非磁性導電体に電流を流した際に、スピン拡散長λの範囲内で、非磁性導電体にスピン偏極した電子が蓄積される現象である。スピン拡散長λは、スピンの情報が消失する(スピンが反転する)距離を表しており、物質固有の値である。
ここで、非磁性導電体として非磁性金属細線を用い、この非磁性金属細線上に2つの強磁性体を積層した基本素子(スピン蓄積素子)構造に関して説明する。2つの強磁性体の内、片方の第一の強磁性体をスピン蓄積効果による出力電圧の検出部分とし、もう片方の第二の強磁性体はスピン注入源とし、非磁性導電体へと電流を流す。強磁性体は一般にフェルミ準位において異なるスピン密度(アップスピン電子とダウンスピン電子の数が異なる)をもつため、第二の磁性体から非磁性金属細線へと電流を流すことで、非磁性金属細線中では、スピン密度に差が誘起される。この蓄積されたスピン偏極した電子のため、非磁性金属細線はスピン拡散長の範囲内で、強磁性的な振る舞いをすることが知られている(非特許文献1)。この効果を用いると、第一の強磁性体と第二の強磁性体の磁化の向きに依存して、検出部分に電圧差ΔVが生じる。この電圧差のことをスピン蓄積素子の出力電圧ΔVと呼んでいる。なお、出力電圧の測定方法として、電圧検出部分には電流が流れない非局所電圧測定が一般的に用いられている(非特許文献1)。ΔVの増大のためには、スピン拡散長λを長くすること、2つの強磁性体間の距離d1を減少させること等が有効である(特許文献2)。
特開2004−342241号公報 特開2004−186274号公報
F. J. Jedema et al., "Spin injection and spin accumulation in all-metal mesoscopic spin valves", Phys. Rev. B, vol.67, (2003), pp.85319-85319(16) Klaas B. Klaassen et al., "Broad-Band Noise Spectroscopy of Giant Magnetoresistive Read Heads", IEEE Trans Magn, vol.41, NO.7, (2005), pp.2307-2317
磁気再生ヘッドに使用される磁気センサは高SN比化のためノイズの低減が要求されている。磁気センサで発生する主なノイズとして、ジョンソンノイズ、ショットノイズ、マグノイズがある。上記ノイズ中ではマグノイズが最も大きいこと、ジョンソンノイズ、ショットノイズは低抵抗化により低減できることから、ノイズ低減に関してマグノイズの低減が重要となっている。マグノイズは自由層の磁化が熱的に揺らぐことで発生するノイズで、次式で与えられることが知られている(非特許文献2)。
Figure 0005734772
ここで、ΔVは出力電圧、Hstiffは実効的な異方性磁界、αはダンピング定数、kBはボルツマン定数、Tは絶対温度、γはジャイロ磁気定数、μ0は真空の透磁率、Msは磁性体の飽和磁化、Vは磁性体の体積である。
この式からマグノイズは磁性体体積の平方根に逆比例するため、記録密度の向上に伴う自由層の体積低下により、マグノイズは増大する傾向にある。SN比を向上するため、マグノイズを低減しなくてはならない。
本発明のスピン蓄積素子は、検出部において自由層となる磁性導電体に反強磁性導電体を積層させる。自由層の磁性導電体は反強磁性導電体との交換結合により、磁性導電体単体のときよりも異方性磁界が増加するため、スピン蓄積素子のマグノイズは低下する。
すなわち、本発明によるスピン蓄積素子は、第一の非磁性導電体と、第一の非磁性導電体に第一の絶縁障壁層を介して第一の磁性導電体、第一の反強磁性導電体の順で、又は第一の反強磁性導電体、第一の磁性導電体の順で形成された第一の積層体と、第一の積層体から離れた第一の非磁性導電体の位置に、第二の絶縁障壁層を介して第二の磁性導電体、第二の反強磁性導電体の順で形成された第二の積層体と、第一の非磁性導電体と第一の磁性導電体との間の電圧を測定するための回路と、第二の絶縁障壁層を介して第一の非磁性導電体と前記第二の積層体の間に電流を流すための回路とを有する。
第一の反強磁性体の膜厚は3nm以下が望ましい。また、第一の磁性導電体の磁化方向は外部磁場が印加されるとその外部磁場の方向に変化する。
本発明によると、従来に比較して、高SN比のスピン蓄積素子が得られる。
これ以外の、課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の第一の実施形態のスピン蓄積素子の断面模式図。 本発明の第一の実施形態のスピン蓄積素子の断面模式図。 本発明の第二の実施形態のスピン蓄積素子の断面模式図。 本発明の第二の実施形態のスピン蓄積素子の断面模式図。 図1Aに示したスピン蓄積素子のノイズを示す図。 本発明の第二の実施形態のスピン蓄積素子の出力を示す図。 本発明による磁気センサを備える磁気記録再生ヘッドの概略図。 磁気記録装置の概略図。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1A及び図1Bに、本発明の第一の実施形態のスピン蓄積素子の断面模式図を示す。スピンを蓄積する第一の非磁性導電体3に出力電圧を検出する検出部1、偏極したスピンを注入する注入部2が形成されている。第二の磁性導電体21の磁化は、第二の反強磁性導電体22により磁気的に固定されている。ただし、第二の磁性導電体21の磁化の固定は、この方法に限らず、積層フェリ構造などによっても可能である。第一の非磁性導電体3にスピン蓄積して誘起される電圧は電圧検出器4で検出する。検出部1は、図1Aに示すように第一の絶縁障壁層13を介して自由層となる第一の磁性導電体11、第一の反強磁性導電体12の順で積層した構造、又は、図1Bに示すように第一の絶縁障壁層13を介して第一の反強磁性導電体12、第一の磁性導電体11の順で積層した構造をとる。磁性導電体と反強磁性導電体の積層膜は、磁性導電体と反強磁性導電体間の交換結合により、磁性導電体単体時よりも異方性磁界は大きくなる。その結果、マグノイズを表す式(1)において分母が大きくなることから出力電圧のマグノイズは低下する。
第一の非磁性導電体3は、Cu,Au,Ag,Pt,Al,Pd,Ru,Ir,Rh等から選択される非磁性導電性金属、又は、GaAs,Si,TiN,TiO,ReO3を主成分とする導電性の化合物を用いることができる。第一の磁性導電体11、第二の磁性導電体21は、Co,Ni,Feあるいは、これらの元素の少なくとも一種類を主成分として含有している合金あるいは化合物、あるいはMnを主成分として含有している合金あるいは化合物を用いることができる。さらに、ハーフメタルFe34に代表されるAB24(AはFe,Co,Znの少なくとも一つ、BはFe,Co,Ni,Mn,Znの一つ)なる構造を持つ酸化物、CrO2,CrAs,CrSbあるいはZnOに遷移金属であるFe,Co,Ni,Cr,Mnを少なくとも一成分以上添加した化合物、GaNにMnを添加した化合物、あるいはCo2MnGe,Co2MnSb,Co2Cr0.6Fe0.4Alなどに代表されるC2D×E×F型(CはCo,CuあるいはNiの少なくとも一種類、DとEはそれぞれMn,Fe,Crの1種、FはAl,Sb,Ge,Si,Ga,Snの少なくとも一成分を含有する材料)のホイスラー合金を、これら磁性層が含有していてもよい。第一の絶縁障壁層13、第二の絶縁障壁層23は、MgO,Al23,ZnO,AlN,SiO2,HfO2,Zr23,Cr23,TiO2,SrTiO3の少なくとも一種類を含む材料からなる単膜あるいは積層膜を用いることができる。第一の反強磁性導電体12、第二の反強磁性導電体22は、MnIr,MnPt,MnRh等を用いることができる。
図2A及び図2Bに、本発明の第二の実施形態のスピン蓄積素子の断面模式図を示す。第二の実施形態は第一の実施形態と注入部2が同じ構成であるが、検出部1が異なる構成をしている。第二の実施形態のスピン蓄積素子は、検出部1において、第一の非磁性導電体3と第一の絶縁障壁層13の間に、スピン軌道相互作用の大きい第二の非磁性導電体14を積層している。
検出部1に第二の非磁性導電体14が積層されていないスピン蓄積素子では、第一の非磁性導電体3に蓄積されたスピンは注入部2から対称に拡散していくため、検出部1に流入するスピンは注入されたスピンの半分程度であり、逆方向に拡散したスピンは出力電圧に寄与しない。だが、スピン流はスピン抵抗の小さい部分を流れる性質があることから、非磁性細線の片側に低スピン抵抗の層を形成すると、スピン抵抗の低い側へ拡散するスピンの量が大きくなり、対称に拡散しなくなる。そこで第二の実施形態では、検出部1にスピン抵抗が小さい層として第二の非磁性導電体14を形成している。第二の非磁性導電体14により、第一の非磁性導電体3で注入されたスピンはスピン抵抗の低い第二の非磁性導電体14側へ流れやすくなる。その結果、第二の非磁性導電体14が形成されていない場合より検出部1へ流れこむスピン流Isは数十%程度増大し、スピン蓄積素子の出力電圧は増加する。
スピン軌道相互作用が大きい材料はスピン抵抗が小さいため、第二の非磁性導電体14はスピン軌道相互作用の大きいPt,Au,Pd等に代表される金属、又はそれを主成分とする化合物が用いられる。ただし、第二の非磁性導電体14は必ずしも上記の材料に限られず、第一の非磁性導電体3よりもスピン軌道相互作用の大きい材料を用いればよい。
また、図2Bに示したスピン蓄積素子の検出部1は、第二の非磁性導電体14、第一の絶縁障壁層13、第一の反強磁性導電体12、第一の磁性導電体11の順で積層している。これはTAMR(Tunneling Anisotropy Magneto Resistance)の効果が高くなる構造になっている。TAMRとは、磁性導電体と絶縁障壁層の積層膜へ垂直に電流を流したとき、その積層膜の抵抗が外部磁場の方向と大きさによって変化する現象であり、上記の積層順で構成された積層膜では抵抗の変化率が高くなる。図1Bに示したスピン蓄積素子の検出部1の積層構造も、TAMRの効果が高くなる構造である。図2Bに示したスピン蓄積素子は、第二の非磁性導電体14によるスピン流増大の効果と、TAMRの効果を得ることができるため、第一の磁性導電体11と第一の絶縁障壁層13のみで構成されたスピン蓄積素子に比べて出力電圧は増加する。
図3に、図1Aに示した第一の実施形態のスピン蓄積素子において、第一の反強磁性導電体12としてMnIrを使用した場合の、出力電圧に含まれるノイズとMnIr膜厚の関係を示す。MnIrの膜厚増加に伴い、ノイズが低下する傾向にある。これは第一の磁性導電体11の異方性磁界がMnIrの膜厚が大きくなるほど高くなるためで、MnIrが存在しない(膜厚0nm)従来の場合より出力電圧に含まれるノイズを低くすることができる。しかし、MnIrが厚くなるとノイズは低下するが、第一の磁性導電体11の異方性磁界が高くなるため磁化方向が変化しにくくなり、5nm以上では磁化方向が固定されるため望ましくない。また、MnIr膜厚が3nmを超えると、外部磁束密度が5mTの場合、TAMRの効果が得られないため望ましくない。また、磁気記録装置の磁気センサは磁気シールド間のギャップ長を小さくするため積層膜は薄いほど望ましい。これらのことから、第一の反強磁性導電体12の膜厚は3nm以下が望ましい。また、本発明の効果は第一の反強磁性導電体12が第一の磁性導電体11と磁気的に結合することから得られるため、第一の反強磁性導電体12の膜厚は0.2nm以上であることが望ましい。
図4は、スピン蓄積素子の出力電圧ΔVと第一の磁性導電体11と第二の磁性導電体21の磁性体間距離dの関係を示す図である。図には、図2A及び図2Bに示した本発明の第二の実施形態のスピン蓄積素子の特性と、検出部1が第一の絶縁障壁層13と第一の磁性導電体11のみの積層によって構成された従来のスピン蓄積素子の特性を比較して示している。
出力電圧ΔVは磁性体間距離dが大きくなるほど低下するが、図2A及び図2Bに示した本発明の第二の実施形態のスピン蓄積素子の出力電圧ΔVは、磁性体間距離dが600nmのとき従来比で20%及び50%増加する結果が得られた。図2Aに示したスピン蓄積素子の出力電圧増加は、第二の非磁性導電体14による検出部1へ流入するスピン流の増大で説明することができる。また、図2Bに示したスピン蓄積素子の出力電圧増加は、第二の非磁性導電体14により流入するスピン流の増大と、TAMRの効果により説明できる。
図5に、本発明のスピン蓄積素子を磁気センサとして用いた磁気記録再生ヘッドの概略図を示す。磁気記録再生ヘッド300の磁気記録再生ヘッド素子部100に、磁気センサ30、記録部40、下部シールド50、上部シールド60が設置されている。磁気センサ30は下部シールド50、上部シールド60間に設置されており、検出部を磁気記録媒体400に対向した面へ設置し、磁気記録媒体400からの外部磁場を検出する。下部シールド50、上部シールド60は、磁気シールドとして機能すると共に磁気センサ30への電極としても機能する。記録部40の磁極から記録磁界を発生させて、磁気記録媒体400へ磁気情報を記録する。磁気記録再生ヘッド素子部100は、磁気記録ヘッドセラミック基板部200に、積層工程を実施することで形成される。
図6は、図5に示した磁気記録再生ヘッドを搭載したスライダが先端に設置されたアーム500と磁気記録媒体400を搭載した磁気記録装置を示した概略図である。磁気記録媒体400はスピンドルモータに接続された軸800に取り付けられており、スピンドルモータにより回転する。アーム500は可動機構600により、記録媒体400の半径方向にスライダを移動させ、所望の情報トラックへのアクセス、トラッキング動作を行う。磁気記録装置は、コネクタ700に接続されたケーブルを介して電気の供給、装置に対する記録再生命令、記録情報の入力、再生情報の出力等が行われる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
1 検出部
2 注入部
3 第一の非磁性導電体
4 電圧検出器
5 直流電流源
11 第一の磁性導電体
12 第一の反強磁性導電体
13 第一の絶縁障壁層
14 第二の非磁性導電体
21 第二の磁性導電体
22 第二の反強磁性導電体
23 第二の絶縁障壁層
30 磁気センサ
40 記録部
50 下部シールド
60 上部シールド
100 磁気記録再生ヘッド素子部
200 磁気記録再生ヘッドセラミック基板部
300 磁気記録再生ヘッド
400 磁気記録媒体
500 アーム
600 可動機構
700 コネクタ
800 軸

Claims (6)

  1. 第一の非磁性導電体と、
    前記第一の非磁性導電体に第一の絶縁障壁層を介して第一の磁性導電体、第一の反強磁性導電体の順で、又は第一の反強磁性導電体、第一の磁性導電体の順で形成された第一の積層体と、
    前記第一の積層体から離れた前記第一の非磁性導電体の位置に、第二の絶縁障壁層を介して第二の磁性導電体、第二の反強磁性導電体の順で形成された第二の積層体と、
    前記第一の非磁性導電体と前記第一の磁性導電体との間の電圧を測定するための回路と、
    前記第二の絶縁障壁層を介して前記第一の非磁性導電体と前記第二の積層体の間に電流を流すための回路とを有し、
    前記第一の非磁性導電体と前記第一の絶縁障壁層の間に第二の非磁性導電体が積層されており、前記第一の非磁性導電体と前記第二の絶縁障壁層の間には前記第二の非磁性導電体が積層されておらず、前記第二の非磁性導電体は前記第一の非磁性導電体よりもスピン軌道相互作用の大きい材料からなることを特徴とするスピン蓄積素子。
  2. 請求項1記載のスピン蓄積素子において、前記第一の反強磁性体の膜厚は3nm以下であることを特徴とするスピン蓄積素子。
  3. 請求項1記載のスピン蓄積素子において、前記第一の磁性導電体の磁化方向は外部磁場が印加されるとその外部磁場の方向に変化することを特徴とするスピン蓄積素子。
  4. 請求項記載のスピン蓄積素子において、第一の反強磁性導電体、第一の磁性導電体の順で積層していることを特徴とするスピン蓄積素子。
  5. 記録部と再生部を備える磁気ヘッドにおいて、
    前記再生部は一対の磁気シールドと、前記一対の磁気シールド間に配置された磁気センサを有し、
    前記磁気センサは、第一の非磁性導電体と、前記第一の非磁性導電体に第一の絶縁障壁層を介して第一の磁性導電体、第一の反強磁性導電体の順で、又は第一の反強磁性導電体、第一の磁性導電体の順で形成された第一の積層体と、前記第一の積層体から離れた前記第一の非磁性導電体の位置に、第二の絶縁障壁層を介して第二の磁性導電体、第二の反強磁性導電体の順で形成された第二の積層体と、前記第一の非磁性導電体と前記第一の磁性導電体との間の電圧を測定するための回路と、前記第二の絶縁障壁層を介して前記第一の非磁性導電体と前記第二の積層体の間に電流を流すための回路とを有し、前記第一の非磁性導電体と前記第一の絶縁障壁層の間に第二の非磁性導電体が積層されており、前記第一の非磁性導電体と前記第二の絶縁障壁層の間には前記第二の非磁性導電体が積層されておらず、前記第二の非磁性導電体は前記第一の非磁性導電体よりもスピン軌道相互作用の大きい材料からなり、前記第一の積層体が媒体対向面側に配置されていることを特徴とする磁気ヘッド。
  6. 磁気記録媒体と、前記磁気記録媒体を駆動する媒体駆動部と、前記磁気記録媒体に対して情報の記録及び再生を行う磁気ヘッドと、前記磁気ヘッドを前記磁気記録媒体の所望トラックに位置決めするヘッド駆動部とを有する磁気記録装置において、
    前記磁気ヘッドは、記録部と再生部を備え、前記再生部は一対の磁気シールドと、前記一対の磁気シールド間に配置された磁気センサを有し、
    前記磁気センサは、第一の非磁性導電体と、前記第一の非磁性導電体に第一の絶縁障壁層を介して第一の磁性導電体、第一の反強磁性導電体の順で、又は第一の反強磁性導電体、第一の磁性導電体の順で形成された第一の積層体と、前記第一の積層体から離れた前記第一の非磁性導電体の位置に、第二の絶縁障壁層を介して第二の磁性導電体、第二の反強磁性導電体の順で形成された第二の積層体と、前記第一の非磁性導電体と前記第一の磁性導電体との間の電圧を測定するための回路と、前記第二の絶縁障壁層を介して前記第一の非磁性導電体と前記第二の積層体の間に電流を流すための回路とを有し、前記第一の非磁性導電体と前記第一の絶縁障壁層の間に第二の非磁性導電体が積層されており、前記第一の非磁性導電体と前記第二の絶縁障壁層の間には前記第二の非磁性導電体が積層されておらず、前記第二の非磁性導電体は前記第一の非磁性導電体よりもスピン軌道相互作用の大きい材料からなり、前記第一の積層体が媒体対向面側に配置されていることを特徴とする磁気記録装置。
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