JP2002025013A - 磁気トンネル接合積層型ヘッド及びその製法 - Google Patents

磁気トンネル接合積層型ヘッド及びその製法

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JP2002025013A JP2000203059A JP2000203059A JP2002025013A JP 2002025013 A JP2002025013 A JP 2002025013A JP 2000203059 A JP2000203059 A JP 2000203059A JP 2000203059 A JP2000203059 A JP 2000203059A JP 2002025013 A JP2002025013 A JP 2002025013A
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    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3254Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the spacer being semiconducting or insulating, e.g. for spin tunnel junction [STJ]
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Abstract

(57)【要約】 【課題】Abutted junction型の磁区制御を磁気トンネル
結合積層センサに用いた場合、永久磁石層とトンネル接
合との絶縁を確保すると磁区制御力が低下し、磁区制御
力を強くすると絶縁性が劣化する。 【解決手段】反強磁性層と、該反強磁性層に隣接しこの
層の磁化により磁気的に固定された固定強磁性層と、該
反強磁性層の磁化から磁気的に自由な自由強磁性層と、
これらの強磁性層間に挟まれた絶縁層と、上記自由強磁
性層を磁区制御する磁区制御層と、これらの層に電流を
印加する一対の電極とを有する磁気トンネル接合積層型
ヘッドの上記磁区制御層は、上記自由強磁性層と上記電
極の一方との間に形成された磁気トンネル接合積層型ヘ
ッドとする。 【効果】自由強磁性層の良好な磁区制御力を有する磁気
トンネル接合積層センサが提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再生用センサに磁
気トンネル接合効果に基づく磁気抵抗(MR, magneto-res
istive)センサを用いた磁気トンネル接合型ヘッド及び
その製法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の磁気記録装置の高密度化にともな
い、再生用のセンサには、巨大磁気抵抗(GMR, giant ma
gneto-resistive )効果を用いたスピンバルブ型磁気抵
抗センサが実用化されており、さらに、将来の高密度を
実現するために、磁気トンネル接合磁気抵抗(TMR, tunn
eling magneto-resistive)効果に基づく磁気抵抗センサ
の開発がさかんに行われている。
【0003】磁気トンネル接合効果は、2枚の強磁性層
が絶縁性の接合層を挟んで接合を形成する場合、この接
合抵抗が2枚の強磁性層の磁化のなす角度に依存する現
象であり、2枚の強磁性層の磁化が互いに平行の場合は
接合抵抗が最小になり、互いに反平行の場合は接合抵抗
が最大になり、平行と反平行の中間状態では接合抵抗は
これら最大値と最小値の中間となる現象である。このよ
うな現象を生じる絶縁性の接合層(絶縁トンネル障壁
層)とこれを挟んだ2枚の強磁性層を有する層のことを
以下、磁気トンネル接合積層とよぶ。
【0004】磁気トンネル接合積層は基板上の下部電極
上に形成され、複数の層を積み重ねた構成であり、上部
電極と接する。下部電極あるいは上部電極の一方から電
流を磁気トンネル接合積層を貫いて導入し、他方の電極
へ戻す。両電極間の電圧信号を検出することで磁気情報
を再生する。
【0005】磁気トンネル接合積層を構成する第1の強
磁性層は、接合層と反対側に反強磁性層を有し、反強磁
性層からの交換結合バイアス磁界によって、所望の範囲
で印加した磁界の存在下でその磁気モーメントが回転を
防止されており、固定強磁性層とよばれる。また、第2
の強磁性層は接合層と反対側に反強磁性層を有さず、そ
の磁気モーメントは所望の範囲で印加した磁界の存在下
で回転自由であり、自由強磁性層とよばれる。固定強磁
性層の磁気モーメントはエアーベアリング表面にほぼ直
交するように向けられる。また、自由強磁性層は単一磁
区でその磁気モーメントは磁界が印加されない状態でエ
アーベアリング表面に平行にすることが、良好な再生信
号の点から望ましい。
【0006】従来例として、特開平10-162327に開示さ
れる構造をエアベアリング表面から見た構造図を図6に
しめす。
【0007】図6に示した磁気トンネル接合積層MR再
生ヘッドは、ギャップ層G1基板上に形成した下部電極
102と、ギャップ層G2の下の上部電極104との間に積層
されて形成された磁気トンネル接合積層体300を有す
る。磁気トンネル接合積体300は、固定積層310、絶縁ト
ンネル障壁層320、自由強磁性層330、及び保護層360を
有する。
【0008】下部電極102に接して形成される固定積層3
10は、下部電極102上にシード層312を有し、そのシード
層上には反強磁性材料からなる層を有し、その反強磁性
層316上に形成され、かつ交換結合された「固定」の強
磁性層を有する。この「固定の」強磁性層は、その磁気
モーメントが所望の範囲で印加した磁界の存在下で回転
を防止されているので固定強磁性層319と称される。こ
の固定強磁性層319の磁気モーメントはエアーベアリン
グ表面にほぼ直交するようにむけられる。
【0009】従来例では、自由強磁性層330を単一磁区
化し、磁化をエアベアリング表面に平行にするために、
エアベアリング表面から見て磁気トンネル接合積層の両
脇に硬質磁性材料350を備え、自由強磁性層330との静磁
気的結合によって自由強磁性層の磁気モーメントを所望
の方位に制御する。硬質磁性材料にCoPtCrのような導電
性材料を用いるので、磁気トンネル接合積層と硬質磁性
材料が直接接触するとトンネル接合を横切らない電流分
が発生し、この電流は抵抗変化に寄与しないためにセン
サの感度を低下させる。したがって硬質磁性材料層と磁
気トンネル接合積層が電気的に接触しないように、これ
らの間にAl2O3やSiO2絶縁層370を設けている。
【0010】別の従来例として、特開平10-255231があ
る。この例は先の従来例同様、自由強磁性層を磁区制御
するための硬質磁性材料層または反強磁性層を自由強磁
性層の両脇に配置する。但し、固定強磁性層の大きさを
自由強磁性層より小さく形成したものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】特開平10-162327に開
示されるようなAbutted junction型の磁気トンネル接合
型ヘッドの場合、磁気トンネル接合積層300の両脇に絶
縁層370を間に介在して硬質磁性材料350を配置する。絶
縁層が厚くなると硬質磁性材料層350と自由強磁性層330
の距離が離れるために静磁気結合が弱くなり自由強磁性
層330に対する磁区制御力が弱くなり、再生信号の劣悪
化が生じる。他方、硬質磁性材料層350と自由強磁性層3
30の距離が近くなると、自由強磁性層330の磁区制御力
は強くなるが、硬質磁性材料層と磁気トンネル接合積層
の絶縁耐圧が下がるために、製造プロセス中あるいは使
用時に絶縁破壊し所望の性能を示さなくなる可能性が高
くなる。従って特開平10-162327に開示される構造では
自由強磁性層の磁気モーメントの制御を硬質磁性材料層
と磁気トンネル接合積層の絶縁を確保しながら実現する
のは難しいという問題点がある。
【0012】また、特開平10-255231に開示されるよう
に固定強磁性層を自由強磁性層より小さく形成し、自由
強磁性層の両脇に硬質磁性材料を配置する場合、硬質磁
性材料層を電流が分流するという問題点を克服できる
が、固定強磁性層を自由強磁性層より小さく形成するに
は、積層膜として一体として形成された固定強磁性層と
自由強磁性層のうち固定強磁性層のみをエッチングして
自由強磁性層をエッチングしないで作成するという高度
に困難なプロセス技術が必要となり、実用化が困難であ
る。
【0013】本発明では、従来例で難しかった自由強磁
性層の磁気モーメントの制御をより弊害なく実現する磁
気トンネル接合積層型ヘッド及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】第一の磁気トンネル接合
積層構成は、反強磁性層と、該反強磁性層と接し印加磁
界の存在下で磁気モーメントが回転できないように反強
磁性層と交換結合によってバイアスされた固定強磁性層
と、該固定強磁性層に接する絶縁トンネル障壁層と、該
絶縁トンネル障壁層と接し、その磁気モーメントは印加
磁界の存在下で回転自由な検出用自由強磁性層と、該自
由強磁性層と接する非磁性導電層と、該非磁性導電層と
接する磁区制御層を有する。該磁区制御層は、2つの強
磁性層と該強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気
モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層を有す
る。固定強磁性層の磁気モーメントは、エアベアリング
表面と直交する向きをなし、磁区制御層の強磁性層の磁
気モーメントはエアベアリング表面と平行の向きをな
す。磁区制御層を構成する強磁性材料には、コバルト、
コバルトと鉄を主成分とする合金、またはコバルトと鉄
とバナジウムを主成分とする合金、またはコバルトとニ
ッケルと銅を主成分とする合金を用いる。
【0015】また、第二の磁気トンネル接合積層構成
は、磁区制御層と、該磁区制御層と接する非磁性導電層
と、該非磁性導電層と接する第一の反強磁性層と、印加
磁界の存在下で磁気モーメントが回転できないように該
第一の反強磁性層と接し交換結合によってバイアスされ
た固定強磁性層と、該固定強磁性層に接する絶縁トンネ
ル障壁層と、該絶縁トンネル障壁層と接し、その磁気モ
ーメントは印加磁界の存在下で回転自由な検出用自由強
磁性層とを有する。上記磁区制御層は2つの強磁性層と
該強磁性層に挟まれ隣接する上記強磁性層の磁気モーメ
ントを反強磁性結合させる反強磁性結合層を有する。固
定強磁性層の磁気モーメントは、エアベアリング表面と
直交する向きをなし、磁区制御層の強磁性層の磁気モー
メントはエアベアリング表面と平行の向きをなす。磁区
制御層を構成する強磁性材料には、コバルト、コバルト
と鉄を主成分とする合金、またはコバルトと鉄とバナジ
ウムを主成分とする合金、またはコバルトとニッケルと
銅を主成分とする合金を用いる。
【0016】また、第三の磁気トンネル接合積層構成
は、第一の反強磁性層と、該第一の反強磁性層と交換結
合によってバイアスされた固定強磁性層と、該固定強磁
性層に接する絶縁トンネル障壁層と、該絶縁トンネル障
壁層と接する自由強磁性層と、該自由強磁性層と接する
非磁性導電層と、該非磁性導電層と接する磁区制御層を
有する。該磁区制御層は、2つの強磁性層と、該強磁性
層に挟まれ該強磁性層の磁気モーメントを反強磁性結合
させる反強磁性結合層と、上記強磁性層と隣接する第二
の反強磁性層を有する。固定強磁性層の磁気モーメント
は、エアベアリング表面と直交する向きをなし、磁区制
御層の強磁性層の磁気モーメントはエアベアリング表面
と平行の向きをなす。磁区制御層の強磁性材料にはNiFe
合金, Co,CoFe合金, NiFeCo合金等の軟磁性合金を用い
る。第一の反強磁性層と第二の反強磁性層には異なるブ
ロッキング温度を有する材料を用いる。第一の反強磁性
層のブロッキング温度は第二の反強磁性層のブロッキン
グ温度より高くする。このために、第一の反強磁性層に
はPtMn, NiMn, PdMn, PdPtMn合金等の規則合金を用い
る。第二の反強磁性層にはIrMn, FeMn, RhRuMn, CrMnPt
合金等の不規則合金を用いる。また、磁区制御膜を構成
要素である2つの強磁性層と該強磁性層に挟まれた反強
磁性結合層の代わりに一つの強磁性層を用いることもで
きる。
【0017】また、第四の磁気トンネル接合積層構成
は、磁区制御層と該磁区制御層と接する非磁性導電層と
該非磁性導電層と接する第一の反強磁性層と、該第一の
反強磁性層と交換結合によってバイアスされた固定強磁
性層と、該固定強磁性層に接する絶縁トンネル障壁層
と、該絶縁トンネル障壁層と接する自由強磁性層とを有
する。上記磁区制御層は、強磁性層と、強磁性層と隣接
する第二の反強磁性層を有する。固定強磁性層の磁気モ
ーメントは、エアベアリング表面と直交する向きをな
し、磁区制御層の強磁性層の磁気モーメントはエアベア
リング表面と平行の向きをなす。第一の反強磁性層と第
二の反強磁性層には異なるブロッキング温度を有する材
料を用いる。第一の反強磁性層のブロッキング温度は第
二の反強磁性層のブロッキング温度より高くする。この
ために、第一の反強磁性層にはPtMn, NiMn, PdMn, PdPt
Mn合金等の規則合金を用いる。第二の反強磁性層にはIr
Mn, FeMn, RhRuMn, CrMnPt合金等の不規則合金を用い
る。
【0018】第一の磁気トンネル接合積層では、2つの
自由強磁性層の磁区制御力が作用する。一つは、(1)磁
区制御層を構成する強磁性層端部に生じる磁極が自由強
磁性層端部と静磁気的相互作用をすることにより自由強
磁性層にエアベアリング表面に平行にバイアス磁界を与
えることで磁区制御する。今一つは、(2)非磁性導電層
と接する磁区制御層の強磁性層がRKKY相互作用またはオ
レンジピール相互作用によって自由強磁性層にエアベア
リング表面に平行にバイアス磁界を与え、自由強磁性層
を磁区制御する。磁区制御層を構成する強磁性層にコバ
ルト、コバルトと鉄を主成分とする合金、またはコバル
トと鉄とバナジウムを主成分とする合金、またはコバル
トとニッケルと銅を主成分とする合金膜を用いるのは、
磁化の分散を小さくし自由強磁性層の自由な磁気回転を
妨げないようにするためである。上述の強磁性層間に反
強磁性結合層を挟んだ積層構成を磁区制御層に用いるの
は、分散の小さな強磁性層は異方性磁界があまり大きく
ないために磁気モーメントが十分には安定しないため
に、上記積層構成とすることによって異方性磁界を増大
し外部磁界に対して安定化するためである。
【0019】第二の磁気トンネル接合積層は、第一の構
成と構成順序はことなるが、同様に磁区制御層に2つの
強磁性層で反強磁性結合層を挟んだ構成をとっている。
これは第一の場合と同じで、自由強磁性層に悪影響を与
えずに、磁区制御層の磁気モーメントを安定化し、安定
した磁区制御力を得るためである。
【0020】第三の磁気トンネル接合積層では、磁区制
御層構成は、第二の反強磁性層を強磁性層に隣接して有
している。これは第二の反強磁性層が強磁性層にバイア
ス磁界を与えることによって磁区制御層の磁気モーメン
トを安定化し、安定した磁区制御力を与えている。磁区
制御層を構成する強磁性層にNiFe合金, Co, CoFe合金,
NiFeCo合金等の軟磁性合金を用いるのは、磁化の分散が
小さいために自由強磁性への悪影響を避けるためであ
る。また、第一の反強磁性層のブロッキング温度は第二
の反強磁性層のブロッキング温度より高くするのは、第
一の反強磁性層が固定強磁性層に与えるバイアス磁界の
向きと、第二の反強磁性層が磁区制御を構成する強磁性
層に与えるバイアス磁界の向きが異なる(直交する)構
成とするためである。第一の反強磁性層にはPtMn, NiM
n, PdMn, PdPtMn合金等の規則合金を用い、第二の反強
磁性層にはIrMn, FeMn, RhRuMn, CrMnPt合金等の不規則
合金を用いるのは前者が高いブロッキング温度を与え後
者が前者より低いブロッキング温度を与えるためであ
る。
【0021】第四の磁気トンネル接合積層は第三の構成
と構成順序はことなるが、同様に磁区制御層に第二の反
強磁性層を有している。これは第三の場合とおなじで、
第二の反強磁性層が磁区制御を構成する強磁性層にバイ
アス磁界を与えることによって磁区制御層の磁気モーメ
ントを安定化し、安定した磁区制御力を与えている。第
一の反強磁性層と第二の反強磁性層材料を上記のように
する理由は第三の磁気トンネル接合積層の場合と同じで
ある。
【0022】本発明の磁気トンネル接合積層は、上下電
極で挟まれた各層を同一の真空設備内で連続して成膜す
ることができ、磁気トンネル接合積層の脇に絶縁層でサ
ンドイッチした永久磁石を配置したAbutted junction型
のヘッドに比べ、製造工程が簡略化される。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明は、外部磁界を検出するた
めに広く適用できるものであるが、情報記録及び取り出
しシステムのための再生ヘッドとして特に有用なもので
あり、そこでは、情報は磁性媒体上の磁区の配列として
記録されることとなっている。磁性媒体としては、どの
ような種類のものでもよく、例えば、磁気テープ、磁気
ドラム、一つまたは複数のハードディスク、あるいは一
つまたは複数のフレキシブルディスク等がある。磁区
は、通常、トラックに添って配置され、トラックの構成
としては、円環状、渦巻き状、らせん状、もしくは不定
長のものがある。
【0024】本発明が適用される代表的な情報記録およ
び再生装置の一例を図1に示す。計算機1は、ネットワ
ーク、キーボード、スキャナー、もしくはこれらに相当
するものとの間に1つもしくは複数のインターフェース
をもつ入力装置2を介して入力情報を受け取る。計算機
1は、一つもしくは複数の入力装置への接続に加え、一
つもしくは複数の出力装置に出力することが可能であ
る。この出力装置3としては、計算機とインターフェー
スを介して接続する、ネットワーク、プリンタ、表示装
置、あるいはモデム等が考えられる。計算機1に関連す
る他の記録装置に加え、計算機は周辺機器である磁気記
録装置4へ情報を書き込んだり、磁気記録装置から情報
を読み込んだりする。磁気記録装置は次の内部装置を含
んでいる。
【0025】(1)制御装置5:情報信号を書込みヘッ
ド7に出力し、読出し(再生)ヘッド8から情報を入力
し、更に、ヘッドからのフィードバック信号を受け取る
ためのデータ入出力部6を含む。
【0026】(2)位置制御部9:ヘッド位置制御信号
を出力し、また、ヘッド位置検出信号を入力する。
【0027】(3)モータ制御部10:磁性媒体のヘッ
ドに対する相対的な運動に関する、速度、停止、開始等
の操作を制御し、本実施例の場合、一つあるいは複数の
ディスク型の磁性媒体13をシャフト12によって回転させ
るモータ11に、回転制御信号を出力する。各々独立し
た書込みヘッド7と読出し(再生)ヘッド8とを有するト
ランスデューサーは、磁性媒体(ディスク)13とかすか
に接触するか、わずかの間隙を保ってその上を浮上する
ように、連結アーム14とボイスコイルモータ(VCM)15を
用いて、通常、ディスクの半径方向に動く。
【0028】上記のように、図1に示した情報記録及び
再生装置は、あくまでも代表的なものである。図1に示
した装置の操作は自明であるため、ここでその詳細につ
いては説明しない。
【0029】書き込みヘッド部及び読出し用のMR再生ヘ
ッド部を有する複合型の磁気ヘッドの構造を図2の縦断
面図を用いて説明する。ヘッドはエアーベアリング表面
(ABS)を形成するためにラップ仕上げされ、ABS
はエアベアリングにより磁性媒体13(図1)の表面から
間隔を維持する。読み出しヘッドは、第一ギャップ層G
1と第二ギャップ層G2間に挟まれたMRセンサ40を有
し、その第一、第二ギャップ層G1,G2も第一シール
ド層S1と第二シールド層S2間に挟まれている。従来
のディスクドライブでは、MRセンサ40はスピンバルブ
センサである。書き込みヘッドはコイル層Cと絶縁層I
2を有し、それら絶縁層I1とI3間に挟まれ、またそ
の絶縁層I1,I3も第一磁極片P1と第二磁極片P2
に挟まれている。第三ギャップG3はその第一磁極片P
1と第二磁極片P2のABSに隣接した電極先端間に挟
まれ、磁気ギャップを形成する。書き込みの際には、信
号電流がコイル層Cを通して導かれ、かつ磁束がエアベ
アリング表面で漏洩する。この磁束は書き込み操作の間
に磁性媒体上の周回トラックを磁化する。再生の際に
は、回転する磁性媒体の磁化された領域は磁束を再生ヘ
ッドのMRセンサ40に注入し、MRセンサ40内部で抵抗変
化をおこす。この抵抗変化はMRセンサ40を横切る電圧
変化を検出することにより検出される。図2に示す記録
と再生の複合ヘッド25は、再生の第二シールドS2が書
き込みヘッドの第一磁極片P1として使用される「兼用
した」ヘッドである。ピギーバックヘッド(図示せず)
では、第二シールドと第一電極片P1が分離した層であ
る。
【0030】上記したMR再生ヘッドを有する通常の磁
気ディスクドライブおよび図1、図2に関する記載は、
本発明を理解するための説明を目的とするものである。
【0031】(実施例1)本発明は、図1中の読出しヘ
ッド8の構造に関するものであり、図2の複合ヘッドの
MRセンサ40の代わりに磁気トンネル接合効果に基づく
MRセンサを用いた再生用の磁気トンネル接合型ヘッド
に関するものである。
【0032】図3に示した磁気トンネル接合積層MR再
生ヘッドは、ギャップ層G1基板上に形成した下部電極
102と、ギャップ層G2の下の上部電極104との間に積層
されて形成された磁気トンネル接合積層体100を有す
る。下部電極102は第一シールドS1と兼用することもあ
る。上部電極104は第二シールドS2と兼用することもあ
る。
【0033】磁気トンネル接合積層100は、固定積層11
0、絶縁トンネル障壁層120、自由強磁性層130、非磁性
導電層140、磁区制御層150及び保護層160を有する。
【0034】下部電極102に接して形成される固定積層1
10は、下部電極102上にシード層112を有し、そのシード
層上には反強磁性材料からなる層を有し、その反強磁性
層114上に形成され、かつ交換結合された「固定」の強
磁性層を有する。この「固定の」強磁性層は、その磁気
モーメントが所望の範囲で印加した磁界の存在下で回転
を防止されているので固定強磁性層116と称される。こ
の固定強磁性層116の磁気モーメントはエアーベアリン
グ表面にほぼ直交するようにむけられ、つまり、図3の
矢印の先端で示すように紙面に直交する。
【0035】この積層構造は、例えばArガスを用いたス
パッタリング法で行い、各層の成膜と成膜の間で大気に
さらされないように同一の真空設備内で成膜する。絶縁
トンネル障壁層の形成も同様に同じ真空設備内で行い、
成膜開始から終了までは大気にはさらさない。
【0036】シード層112には1〜7(nm)Ta単層膜または,
下部電極側から見て 1〜7(nm)Ta/1〜5(nm)NiFe合金積層
膜または, 1〜7(nm)Ta/1〜7(nm)NiFeCr合金積層膜,ま
たは 1〜7(nm)Ta/1〜7(nm)NiCr合金積層膜を用いるこ
とができる。これらの膜厚値は、上に形成される反強磁
性層114の配向性を制御し固定強磁性層との交換結合磁
界を十分な大きさに確保するために適正化されている。
【0037】また、反強磁性層114としては、7〜20nm
のPtMn合金層または10〜30 (nm)のNiMnまたはPdPtMn合
金層または、5〜13(nm)のIrMn合金層を用いることがで
きる。固定強磁性層を固定する力の熱安定性、膜の通電
寿命の点及び膜厚が薄い方がよいという点からは7〜20
(nm)のPtMn合金層を用いるのが望ましい。
【0038】また、固定強磁性層116としては、1〜3(n
m)Co膜または1〜3(nm)CoFe合金膜、あるいは積層構造膜
として1〜5(nm) Co/0.6〜1.0(nm) Ru/ 1〜5(nm) Co積層
膜または1〜5(nm) CoFe/0.6〜1.0(nm) Ru/ 1〜5(nm) Co
Fe積層膜を用いることができる。積層構造をもちいる場
合、Ru膜は隣接する2つの強磁性層の磁気モーメントを
互いに反対方向に向ける働きを持たせるためにこの膜厚
を選択している。固定強磁性層端部の磁極は自由強磁性
層130の磁化をエアベアリング表面平行方向から傾け再
生信号の対称性を劣化させるために固定強磁性層116端
部の磁極を極力小さくすることが望ましい。従って固定
強磁性層は積層構造膜とし、膜厚を調整することによっ
て2つの強磁性層の磁気モーメントをほぼ等しくするの
が望ましい。強磁性層に同じ材料を用いる場合、両強磁
性層の膜厚差は5nm以下にするのが望ましい。
【0039】絶縁トンネル障壁層120はアルミニウム酸
化した膜からなりその厚さは0.5〜2nmがよい。作成法は
アルミニウムをスパッタリング法で行い、酸素雰囲気中
または、酸素ラジカル中で酸化して作成する。
【0040】自由強磁性層130は強磁性材料からなり、
その磁気モーメントは所望の範囲で印加した磁界の存在
下で回転自由である。自由強磁性層130には、絶縁トン
ネル障壁層140にCoまたはCoFeを接触させて0.5〜2(nm)
CoFe /1〜7(nm)NiFe、0.5〜2(nm)Co /1〜7(nm)NiF
e、1〜3nmCoFe、1〜3nm CoNiFeを用いることができる。
ここで絶縁トンネル障壁層側にCoまたはCoFeを配置する
のは磁気抵抗変化を大きくするためである。
【0041】自由強磁性層130の磁気モーメントはエア
ベアリング表面に平行であることが望ましく、このため
に、自由強磁性層130上に非磁性導電層140を隣接させ、
この非磁性導電層140に隣接して、磁区制御層150を設け
る。非磁性導電層140は、自由強磁性層130と磁区制御層
150の磁気的結合を適度に弱くし自由強磁性層130の磁気
モーメントの自由回転を妨げないようにするためと、か
つ電流をトンネル障壁層に流すために導電性とする。非
磁性導電層140を構成する材料は、Cu,Au,Ag, または
これらの合金膜を用いることができ、その膜厚は1.8nm
〜3.5nmにするのがよい。膜厚の下限値は、磁区制御層
と自由強磁性層の層間結合を自由強磁性層の自由な磁化
回転を妨げない程度に弱くすることから決まり、上限値
は磁区制御層が非磁性導電層を介してバイアス磁界をあ
る程度与え、自由強磁性層を単磁区に磁区制御すること
から決まる。
【0042】磁区制御層は、強磁性層152と、強磁性層1
52に隣接して反強磁性結合層154と、反強磁性結合層154
に隣接して強磁性層156を有する。反強磁性結合層154は
隣接する2つの強磁性層152と強磁性層156の磁気モーメ
ントを反強磁性的に結合する働きを有し、図3の152及
び156中の矢印に示すように、磁気モーメントは互いに
反平行構成を有する。この構成は次の2つの磁気的相互
作用によって自由強磁性層の磁区制御を行う。一つは、
(1)強磁性層端部に生じる磁極が自由強磁性層端部と静
磁気的相互作用をすることにより自由強磁性層にエアベ
アリング表面に平行にバイアス磁界を与え、自由強磁性
層を単一磁区構造にする効果であり、今一つは、(2)非
磁性導電層と接する磁区制御層側の強磁性層がRKKY相互
作用またはオレンジピール相互作用によって自由強磁性
層にエアベアリング表面に平行にバイアス磁界を与え、
自由強磁性層を単一磁区構造にする効果である。
【0043】(1)の効果は強磁性層152と強磁性層156の
磁気モーメントの大きさに差を設ける、即ち膜厚差を変
えることで自由強磁性層に与えるバイアス磁界を制御す
ることができる。自由強磁性層に与えるバイアス磁界の
向きは図3で、156の磁気モーメントが152の磁気モーメ
ントより大きい場合右から左となり、156の磁気モーメ
ントが152の磁気モーメントより小さい場合左から右と
なる。(2)の効果は非磁性導電層の膜厚を変えることに
より自由強磁性層に与えるバイアス磁界を制御すること
ができ、通常152の磁気モーメント矢印の向きに平行
で、図3の自由強磁性層で右から左となる。従って、
(1)と(2)の効果を相殺させないためには、2つの強磁
性層のうち自由強磁性層側の強磁性層152の磁気モーメ
ントをもう一方の強磁性層156の磁気モーメントより小
さくするのが望ましい。両強磁性層に同一材料を用いる
場合、自由強磁性層側の強磁性層152の膜厚をもう一方
の強磁性層156の膜厚より小さくするのが望ましい。
【0044】磁区制御層150は膜面内に磁極を生じず、
自由強磁性層の自由な磁気回転を妨げないような材料で
あることが望ましく、かつ、所望の外部磁界の存在下で
その磁気モーメントが回転しないことも必要である。磁
気モーメントが回転しないためには異方性磁界(または
保磁力)が大きいことが必須である。磁区制御層150に
単層の強磁性層を用いて異方性磁界を大きくする場合、
永久磁石材料を用いることが考えられるが、永久磁石材
料は磁化の分散が大きく膜面内に磁極を生じるために自
由強磁性層の保磁力を大きくし、その自由な磁化回転を
妨げるために、磁区制御層として適さない。また逆に、
自由強磁性層の磁化回転を妨げないように磁化の分散の
小さな強磁性層を用いる場合、磁化分散の小さな強磁性
層は保磁力が小さいために外部磁界で容易に回転すると
いう問題点があり、これまた、磁区制御層として適さな
い。
【0045】そこで、このような問題点を解決するため
に、本発明では磁区制御層に積層構成を用いる。積層構
成は少なくとも2つの強磁性層と、これら強磁性層に挟
まれ該強磁性層の磁気モーメントを反平行に結合させる
反強磁性結合層を有し、強磁性層どおしが強固に反強磁
性結合しており、所望の外部磁界存在下で一体の磁性体
として挙動する。上記積層構成のトータルの磁気モーメ
ントは、2つの磁気モーメントが反平行であるために見
かけ上小さくなっている。このため、外部磁界存在下で
上記積層構成を回転しようとするトルクは小さくなり、
外部磁界に対して磁気回転し難くなる。即ち、上記積層
構成を採用することにより実効的な異方性磁界(また
は、実効的保磁力)は大きくなる。上記積層構成の両強
磁性層の磁気モーメント差を小さくすればするほど実効
的異方性磁界(または実効的保磁力)は増大するが上記
積層構成端部に生じる磁極量も相殺して小さくなるので
必要に応じて調整する必要がある。上記積層構成に用い
る強磁性材料には磁化分散の小さい、言い換えるとヒス
テリシス曲線の角形比が大きい材料が膜面内に磁極を生
じない点から望ましい。また、異方性磁界(または保磁
力)が大きいことも望ましい。具体的材料としては異方
性磁界または保磁力は4000 A/m 以上で、ヒステリシス
曲線の角型比が0.95以上有する材料が望ましい。具体的
な材料としては、コバルト−鉄合金膜(保磁力が約4000
A/m)、コバルト−鉄−バナジウム合金膜(保磁力8000〜
16000 A/m)、あるいはコバルト−ニッケル−銅合金膜
(保磁力16000〜48000 A/m)を用いることができる。ま
た、上記積層構成の両強磁性層間の反強磁性結合磁界が
強ければ強い程、強い外部磁界に対してもフェリ積層体
が一体となって挙動するため外部磁界に対して回転し難
くなる。したがって反強磁性結合磁界は大きい方が望ま
しく、具体的には、少なくとも80 kA/m以上、望ましく
は160 kA/m 以上が必要である。材料としては、Ru,I
r,Rhを用いることができ、厚さ1.0nm以下で反強磁性結
合を生じ、望ましい膜厚は0.5から1.0nmである。また、
反強磁性結合磁界は磁区制御層を構成する強磁性層の膜
厚とも関連しており、これを十分大きくするためには両
強磁性層の膜厚をともに6nm以下とするのが望ましい。
【0046】上述の例は磁区制御層を2つの強磁性層と
1つの反強磁性結合層で構成しているが、2つ以上の複
数の強磁性層とこれらの間に挟まれた反強磁性結合層を
もちいても同様の効果を実現することができる。
【0047】図5は磁気ディスクドライブの磁気記録媒
体に隣接した図3に示した磁気トンネル接合積層MR再生
ヘッドの概略斜視図であり、再生ヘッドの操作を説明す
るための分離した磁気トンネル接合積層100の必要部を
示している。記録媒体上のトラック幅Twを有するデータ
トラックが、矢印182に示された方向に磁界hを発生する
記録データを有するように描かれている。固定強磁性層
116は、エアベアリング表面(ABS)に直行するように、か
つ、記録媒体からの磁界h方向にほぼ平行あるいは反平
行に向けられた矢印で示される磁気モーメントを有す
る。記録データからの印加磁界hの存在下でも、固定強
磁性層の磁気モーメントは隣接する反強磁性層114から
の界面交換結合磁界により固定される。自由強磁性層13
0は、エアーベアリング表面での検出エッジと背面エッ
ジ190と、背面エッジ192と、2個の平行な側面エッジ19
4、196を有した、概ね矩形状の形を有する。図に示すよ
うに、磁気トンネル接合積層100の他の層は、層130のエ
ッジに隣接する複数のエッジを有する。自由強磁性層13
0は、印加磁界の存在しない状態で、エアベアリング表
面に平行な方向に向けられた磁気モーメント132を有す
る。自由強磁性層に隣接して非磁性導電層140を有し、
非磁性導電層140に隣接して磁区制御層150を有する。非
磁性導電層140及び磁区制御層150は自由強磁性層と同様
に矩形の形を有する。磁区制御層150は、非磁性導電層1
40に隣接する強磁性層152と、強磁性層152に隣接する反
強磁性結合層154と、反強磁性結合層154に隣接する強磁
性層156からなる。
【0048】強磁性層152及び156の磁気モーメントはエ
アベアリング表面に平行で、互いに反平行を向き、大き
さに差を有する。これらの磁気モーメントの大きさの差
により側面に残る磁極が自由強磁性層130の側面194及び
196と静磁気的結合し自由強磁性の磁気モーメントを、
印加磁界の存在しない状態でエアベアリング表面に平行
方向、則ち実線矢印の方向に制御する。
【0049】また、非磁性導電層140を通して生じるR
KKY相互作用及びオレンジピール相互作用は自由強磁
性層に矢印132方向のバイアス磁界を与え自由強磁性
層の磁気モーメントを矢印132方向に磁区制御する。
【0050】検出電流Iが下部電極層102から、反強磁性
層114、固定強磁性層116、トンネル強磁性層120、自由
強磁性層130、磁区制御層150と直行して導かれ(一部省
略した層もある)、上部電極層104を通して出ていく。
絶縁トンネル障壁層120を流れるトンネル電流は、トン
ネル障壁層120に隣接する固定強磁性層116と自由強磁性
層130の磁気モーメントとの相対角度の関数である。記
録データからの磁界hは自由強磁性層130の磁気モーメン
トの方向を点線の矢印に示されるように方向132から離
れるように回転させる。これにより、固定強磁性層116
と自由強磁性層130の磁気モーメントの相対方向が変化
し、磁気トンネル接合積層の抵抗変化を生じる。抵抗変
化を磁気ディスクドライブの電子部品により検出され再
生データとして処理される。
【0051】(実施例2)本実施例は先の実施例を変形
した例であり、用いている原理は先の例に示されたもの
の範囲内である。
【0052】図4に示した磁気トンネル接合型再生ヘッ
ドは、ギャップ層G1基板上に形成した下部電極102
と、ギャップ層G2の下の上部電極104との間に積層さ
れ形成された磁気トンネル接合積層体200を有する。下
部電極102は第一シールドS1と兼用することもある。上
部電極104は第二シールドS2と兼用することもある。
【0053】磁気トンネル接合積層200は、磁区制御層2
50、非磁性導電層240、固定積層210、絶縁トンネル障壁
層220及び自由強磁性層230を有する。
【0054】下部電極102に接して形成される磁区制御
層250は、下部電極102上にシード層212を有し、そのシ
ード層上に強磁性層252を有し、その強磁性層252層上に
反強磁性結合層254有を有し、その反強磁性結合層上に
強磁性層256を有する。磁区制御層250上には、非磁性導
電層240を有し、非磁性導電層240上には固定積層210を
有する。固定積層210は、反強磁性層214と反強磁性層に
直接接触する固定強磁性層216からなる。固定強磁性層2
16は、その磁気モーメントが所望の範囲で印加した磁界
の存在下で回転を防止されているので固定強磁性層と称
される。この固定強磁性層216の磁気モーメントはエア
ーベアリング表面にほぼ直交するようにむけられ、つま
り、図4の矢印の先端で示すように紙面に直交する。固
定強磁性層216上には絶縁トンネル障壁層220を有し、絶
縁トンネル障壁層220上には自由強磁性層230を有する。
自由強磁性層上には保護層260を有する。保護層は製造フ
゜ロセス中に磁気トンネル接合積層200が損傷を受けるのを
防止する。自由強磁性層230は強磁性材料からなり、反
強磁性層に交換結合しておらず、その磁気モーメントは
所望の範囲で印加した磁界の存在下で回転自由である。
自由強磁性層の磁気モーメントは磁界が存在しない状態
で、その磁気モーメントがエアベアリング表面(図2参
照)に平行に向けられ(図4の230層中の矢印方向)、
固定強磁性層216の磁気モーメントの方向とほぼ直交す
るようにするのが望ましい。
【0055】この積層構造は、例えばArガスを用いたス
パッタリング法で行い、各層の成膜と成膜の間に大気に
さらさないように同一の真空設備内で成膜する。酸化物
層の形成も同様に同じ真空設備内で行う。積層構造成膜
開始から終了までは大気にはさらさない。
【0056】シード層212には1〜7(nm)Ta単層膜を用い
ることができ、または同じ膜厚のZr膜、Hf膜を用いるこ
ともできる。シード膜は上に形成される磁区制御層250
の配向性を制御し、磁区制御膜を構成する強磁性層間の
反強磁性結合磁界を十分大きくすることと、さらに上に
形成される反強磁性層214及び固定強磁性層216の結晶配
向性を制御し固定強磁性層216の磁気的安定性を確保す
る。
【0057】磁区制御層250は、強磁性層252と、強磁性
層252に隣接する反強磁性結合層254と、反強磁性結合層
254に隣接する強磁性層256を有する。実施例1と同様、
反強磁性結合層254は隣接する2つの強磁性層252及び25
6の磁気モーメントを反平行に結合する働きを有する。
磁区制御層250は、自由強磁性層230の磁気モーメントを
エアベアリング表面に平行にする働きを有する。即ち、
図4の252及び256中の矢印に示すように、磁気モーメン
トは互いに反平行構成を有し、強磁性層252と強磁性層2
56の磁気モーメントの大きさには差をもうけており、磁
区制御層250トータルとしては端部に磁極を余すことに
なる。磁区制御層250の端部に生じる磁極は、自由強磁
性層230にエアベアリング表面と平行方向にバイアス磁
界を生じ、この磁界によって自由強磁性層は磁区制御さ
れる。自由強磁性層に与える磁区制御力は、互いに反平
行の磁気モーメントの大きさに差を設けることにより得
られ、例えば同一材料を用いた場合は両強磁性層252,25
6の膜厚差を変えることによって調整することができ
る。
【0058】先の例と同様、非磁性導電層240を構成す
る材料は、Cu,Au,Agまたは、これらの合金膜を用いる
ことができる。本構成では非磁性導電層と自由強磁性層
が直接接触しないために、実施例1に示したようなRKKY
またはオレンジピール相互作用による磁区制御効果は生
じない。強磁性層252と256には、先の例と同様に、各々
単独膜の特性として異方性磁界または保磁力は4000 A/m
以上で、ヒステリシス曲線の角型比が0.95以上有するこ
とが望ましい。具体的な材料としては、コバルト−鉄合
金膜(保磁力が約4000 A/m)、コバルト−鉄−バナジウム
合金膜(保磁力8000〜16000 A/m )またはコバルト−ニ
ッケル−銅合金(保磁力16000〜48000 A/m)を用いるこ
とができる。また、両強磁性層の厚さはともに6nm以下
が望ましい。
【0059】また、反強磁性結合層254には、Ru,Ir,R
hを用いることができ、厚さ1.0nm以下で反強磁性結合を
生じ、望ましい膜厚は0.5から1.0nmである。
【0060】この例では磁区制御層を2つの強磁性層と
1つの反強磁性結合層で構成しているが、2つ以上の複
数の強磁性層とこれらの間に挟まれた反強磁性結合層を
もちいても同様の効果を実現することができる。
【0061】反強磁性層214としては、先の実施例と同
様、7〜20nmのPtMn合金層または10〜30 (nm)のNiMn、P
dMn、PdPtMn合金層または、5〜13(nm)のIrMn合金層を用
いることができるが、固定強磁性層を固定する力の熱安
定性、膜の通電寿命の点からは7〜20(nm)のPtMn合金層
を用いるのが望ましい。
【0062】固定強磁性層216としては、1〜3(nm)Co膜
または1〜3(nm)CoFe合金膜、あるいは積層構造膜として
1〜5(nm) Co/0.6〜1.0(nm) Ru/ 1〜5(nm) Co積層膜また
は1〜5(nm) CoFe/0.6〜1.0(nm) Ru/ 1〜5(nm) CoFe積層
膜を用いることができる。固定強磁性層に積層構造をも
ちいる場合、Ru膜は隣接する2つの強磁性層の磁気モー
メントを互いに反対方向に向ける働きを持たせるために
この膜厚を選択している。固定強磁性層端部の磁極は自
由強磁性層の磁気モーメントをABS平行方向から傾け再
生信号の対称性劣化するために固定強磁性層端部の磁極
は極力小さくすることが望ましい。従って固定強磁性層
は積層構造膜とし、膜厚を調整することによって2つの
強磁性層の磁気モーメントをほぼ等しくするのが望まし
い。積層構造膜に用いる強磁性層には同じ材料を用いる
場合、両強磁性層の膜厚差は5nm以下にするのが望まし
い。
【0063】絶縁トンネル障壁層140はアルミニウム酸
化した膜からなりその厚さは0.5〜2nmとする。作成法は
アルミニウムをスパッタリング法をもちいてデポし、同
一成膜設備内の別のユニットで酸素雰囲気中または、酸
素ラジカル中で酸化して作成する。
【0064】自由強磁性層230は強磁性材料からなり、
自由強磁性層には絶縁トンネル障壁層側から0.5〜2(n
m)CoFe /1〜7(nm)NiFe、0.5〜2(nm)Co /1〜7(nm)NiF
e/または、1〜3nmCoFeを用いることができる。ここで絶
縁トンネル障壁層側にCoまたはCoFeを配置するのは磁気
抵抗変化を大きくするためである。
【0065】(実施例3)図7に示した磁気トンネル接
合積層MR再生ヘッドは、ギャップ層G1基板上に形成
した下部電極102と、ギャップ層G2の下の上部電極104
との間に積層された形成された磁気トンネル接合積層体
500を有する。下部電極102は第一シールドS1と兼用する
こともある。上部電極104は第二シールドS2と兼用する
こともある。この場合ギャップ層G1, G2は不要である。
図7はエアベアリング表面から見た図である。
【0066】磁気トンネル接合積層500は、実施例1と
同様、固定積層510、絶縁トンネル障壁層520、自由強磁
性層530、非磁性導電層540及び磁区制御層550を有す
る。
【0067】この磁気トンネル接合積層500は、先の実
施例と同様Arガスを用いたスパッタリング法で行い、各
層の成膜と成膜の間に大気にさらさないように同一の真
空設備内で成膜する。
【0068】図7(a)に実施例のひとつを示す。シード
層512、 反強磁性層514、固定強磁性層516、絶縁トンネ
ル障壁層520、自由強磁性層530及び非磁性導電層540に
は、実施例1と同じ構成を用いる。
【0069】本実施例が実施例1と異なるのは、磁区制
御層に、反強磁性層580が加わっている点と磁区制御層
を構成する強磁性層として、固定強磁性層や自由強磁性
層で用いている材料を用いることができる点である。
【0070】実施例1では、(1)磁区制御層150が所望の
外部磁界存在下でその磁気モーメントが回転しないよう
にするために2つの強磁性層152と156は異方性磁界をあ
る程度大きくし、(2)自由強磁性層の磁化回転を妨げな
いようにするために、磁化分散の少ない材料を用いた。
このために、コバルト−鉄合金膜(保磁力が約4000 A/
m)、コバルト−鉄−バナジウム合金膜(保磁力8000〜16
000 A/m)、あるいはコバルト−ニッケル−銅合金膜
(保磁力16000〜48000 A/m)などの自由強磁性層や固定
強磁性層とは異なる材料を用いる必要があった。ところ
が、本実施例では、新たに反強磁性層580を設け、磁区
制御層を構成する強磁性層556にバイアス磁界を与える
ことによって磁区制御層の磁気モーメントを固定する。
このため強磁性層に用いる材料は固定強磁性層516や自
由強磁性層530と同じ材料を用いることができる。これ
によって磁区制御層面内に磁極を生じることがなく、自
由強磁性層にあたえる悪影響を回避することができる。
【0071】2つの反強磁性層514と580が隣接する強磁
性層に与えるバイアス磁界の向きは異なる構成とする。
514は固定強磁性層に対してエアベリング表面と直交方
向に、580は磁区制御を構成する強磁性層556に対してエ
アベアリング表面と平行方向に、バイアス磁界を与える
構成とする。この構成を実現するために、2つの反強磁
性層514と580は異なるブロッキング温度を有することと
する。望ましくは固定強磁性層に隣接する反強磁性層51
4のブロッキング温度を磁区制御層の反強磁性層580のブ
ロッキング温度より高くする。514の反強磁性層には、P
tMn、NiMn、PdMn, PdPtMn合金等規則合金型のブロッキ
ング温度の高い材料層を用いることができ、PtMn及びNi
Mnの望ましい膜厚はそれぞれ7〜20nm、10〜30 (nm)で
ある。これらの材料を用いた反強磁性層は300℃以上の
高いブロッキング温度を有する。一方、580の反強磁性
層には、IrMn, FeMn, RhMn, RuMn合金等不規則合金型の
先の材料よりブロッキング温度の低い材料を用いる。後
者の材料の望ましいブロッキング温度は200℃以下であ
る。また、CrMnPt合金のように同じ材料でもその膜厚に
よってブロッキング温度が異なる場合、前者には高いブ
ロッキング温度となる膜厚、後者には低いブロッキング
温度を与える膜厚構成とすることによって、同じ材料を
514と580に用いることもできる。
【0072】2つの反強磁性層の与えるバイアス方向を
異なる方向にするには、少なくとも2回の磁界中熱処理
を行う。最初の熱処理は514のバイアス磁界を設定する
ための熱処理で、エアベアリング表面と直交方向に磁界
を印加しながら合金が規則化し安定なバイアス磁界を隣
接する強磁性層に与えるに十分な時間と温度の熱処理を
行い、室温付近まで冷却する。2回目の熱処理は580のバ
イアス磁界を設定するための熱処理で、磁界をエアベア
リング表面と平行で最初の熱処理時の磁界方向と直交す
る方向に印加しながら、最初の熱処理より低い温度で、
580が安定なバイアス磁界を隣接する強磁性層に与える
ような温度で、かつ最初の熱処理で514に設定したバイ
アス磁界を乱さない温度で行う。たとえば、514にPtMn
を用い、580にIrMnを用いる場合、最初の熱処理を240℃
以上で行い、2回目の熱処理を200℃以下で行う。
【0073】本実施例の変形例を図7(b)に示す。この
例は磁区制御層が単層の強磁性層552と反強磁性層580か
らなる。
【0074】この場合は、(1)強磁性層端部に生じる磁
極が自由強磁性層端部との静磁気的相互作用をすること
により自由強磁性層に与えるバイアス磁界と (2)非磁
性導電層と接する磁区制御層側の強磁性層がRKKY相互作
用またはオレンジピール相互作用によって自由強磁性層
に与えるバイアス磁界の向きが反対となり互いに相殺す
る方向となるため、両者の効果に差をもうけるように膜
厚構成を適宜選択する。
【0075】(実施例4)図8に示した磁気トンネル接
合積層MR再生ヘッドは、ギャップ層G1基板上に形成
した下部電極102と、ギャップ層G2の下の上部電極104
との間に積層され形成された磁気トンネル接合積層体40
0を有する。下部電極102は第一シールドS1と兼用するこ
ともある。上部電極104は第二シールドS2と兼用するこ
ともある。この場合ギャップ層G1, G2は不要である。図
8はエアベアリング表面から見た図である。
【0076】磁気トンネル接合積層400は、実施例2と
同様、磁区制御層450、非磁性導電層440、固定積層41
0、絶縁トンネル障壁層420、自由強磁性層430、保護層4
60を有する。シード層412、非磁性導電層440、固定積層
410、絶縁トンネル障壁層420、自由強磁性層430及び保
護層460には、実施例2と同じ構成を用いる。
【0077】実施例2と異なるのは、磁区制御層に、反
強磁性層480が加わっている点と磁区制御層を構成する
強磁性層として、固定強磁性層や自由強磁性層で用いて
いる材料を用いることができる点である。
【0078】本実施例は2つの反強磁性層を有する点及
びその機能が実施例3と同じである。414は固定強磁性
層に対してエアベリング表面と直交方向に、480は磁区
制御を構成する強磁性層456に対してエアベアリング表
面と平行方向に、バイアス磁界を与える構成である。こ
の構成を実現するために2つの反強磁性層414と480は異
なるブロッキング温度を有する。望ましくは固定強磁性
層に隣接する反強磁性層のブロッキング温度を磁区制御
層のブロッキング温度より高くする。414の反強磁性層
には、実施例3の514と同じ材料を用い、480の反強磁性
層には実施例3の580と同じ材料を用いることができ
る。
【0079】2つの反強磁性層の与えるバイアス方向を
異なる方向にするには、少なくとも2回の磁界中熱処理
で行う必要があり、実施例3と同じ方法で行う。
【0080】(実施例5)本発明による磁気トンネル接
合型磁気ヘッドは、高密度に記録媒体上に記録されたデ
ータを高感度に読み出すことができるために、高密度記
録に適している垂直磁気記録用の再生ヘッドとして用い
ることによってその効果を一層発揮する。
【0081】図9は、垂直磁気記録媒体と本発明による
磁気トンネル接合積層型磁気ヘッドの構成を示す。ヘッ
ドはエアーベアリング表面(ABS)を形成するために
ラップ仕上げされ、ABSはエアベアリングにより磁性
媒体70の表面から間隔を維持する。再生ヘッドは、磁
気トンネル接合積層を有し、磁気トンネル接合積層は第
一シールド層S1と第二シールド層S2間に挟まれてい
る。磁気トンネル接合積層には実施例1〜実施例4で開
示された磁気トンネル接合積層100、200、300、400が用
いられる。書き込みヘッドはコイル層Cと絶縁層I1と
I3を有し、それら絶縁層I1とI3間に挟まれ、また
その絶縁層I1,I3も第一磁極片P1と主端磁極片P4
に挟まれている。書き込みの際には、信号電流がコイル
層Cを通して導かれ、記録磁束73がエアベアリング表面
で発生する。記録媒体は記録磁化層70と軟磁性層72から
なり、記録磁束73は記録磁化層70で媒体面に垂直となっ
ており、媒体記録層の磁化71を媒体面に垂直に磁化す
る。記録磁化層70を通り抜けた磁束は軟磁性層72を通
って磁極P1に戻る。磁極P1は磁極P4に比べて断面積が著
しく大きくなっておりP1に磁束が戻る際に記録媒体磁化
状態に影響がでない程度に磁束密度が小さくなるように
する。再生の際は、回転する記録磁化71は磁束74を再生
ヘッドの磁気トンネル接合積層に注入し、磁気トンネル
接合積層層に抵抗変化をおこす。この抵抗変化はトンネ
ル接合積層体を横切る電圧変化を検出することにより検
出される。
【0082】図11(a)には垂直記録された磁化を再生し
たさいの検出される信号を示す。磁化遷移に伴って、出
力が正の値から負の値または負の値から正の値に変化す
る波形であり、現状の信号処理では扱えない波形であ
る。そこで、この信号を電気的処理あるいは、磁気ヘッ
ドを構造的に工夫することによって(b)のような波形(a)
を微分した形状に変換して情報信号として扱う。
【0083】(実施例6)以上の例では、磁気トンネル
接合積層をABS面に露出させることを前提に記述してい
るが、必ずしもABS面に露出させる必要はなく、AB
S面からリセスし、ABS面から磁気トンネル接合積層
の間に磁束を誘導する軟磁性体からなるフラックスガイ
ドを配置する事もできる。図10に一例を示す。磁気トン
ネル接合積層100, 500はABS面からリセスして配置して
おり、ABSと磁気トンネル接合積層の間にフラックスガ
イドFGDを配置する。フラックスガイドは磁気トンネル
接合積層の一部から形成する。即ち、自由強磁性層130
(530)と非磁性導電層140(150)と磁区制御層150(560)と
からなっており、フラックスガイド部分には絶縁トンネ
ル障壁層と固定強磁性層とこれと接する第一の反強磁性
層は存在しない。フラックスガイド部分にも磁区制御層
があることからフラックスガイドは磁区制御されており
バルクハウゼンノイズの発生源になることを回避してい
る。また、自由強磁性層とは別に軟磁性層をフラックス
ガイドとして設けることもできる。後者の場合フラック
スガイドの厚さを自由強磁性層より厚くすることによっ
て磁束の吸い込み効率を上げることもできる。またフラ
ックスガイドの磁束の吸い込み効率を上げるために図10
の(c)に示すようにエアベアリング表面で幅が狭く、
エアベアリング表面から離れるにつれて幅が広くなる構
造とするのがのぞましい。
【0084】フラックスガイドを用いる場合、センサ膜
をABS表面からリセスすることができ、センサ膜の損
傷というデメリットやセンサ膜をABS面に露出した場
合の寸法微細化に伴う素子抵抗増大に起因するノイズの
増大という問題を回避することができる。
【0085】
【発明の効果】本発明によれば、磁気トンネル接合積層
の脇に絶縁層でサンドイッチした永久磁石を配置した従
来のAbutted junction型の磁気トンネル接合型ヘッドに
比べ自由強磁性層の磁区制御力が強く、プロセス中での
素子破壊が生じにくく、かつ、自由強磁性層の特性劣化
を生じさせることが少ない磁気トンネル接合型ヘッドが
提供できる。
【0086】また、本発明は高密度記録磁化情報の再生
に適しており、垂直磁気記録用の再生ヘッドに用いるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される情報記録及び再生装置の一
例の概略を示す図。
【図2】書き込みヘッドに隣接したMR再生ヘッドを有
する複合ヘッドの縦断面図。
【図3】本発明の実施例1による磁気トンネル接合積層
MR再生ヘッドの断面図。
【図4】本発明の実施例2による磁気トンネル接合積層
MR再生ヘッドの断面図。
【図5】本発明の実施例1による磁気トンネル接合積層
MR再生ヘッドの斜視図。
【図6】従来の磁気トンネル接合積層再生ヘッドの断面
図。
【図7】本発明の実施例3による磁気トンネル接合積層
MR再生ヘッドの断面図。
【図8】本発明の実施例4による磁気トンネル接合積層
MR再生ヘッドの断面図。
【図9】本発明の実施例5に関し、垂直磁気記録ヘッド
へ応用した場合の記録媒体との関係を表す図。
【図10】本発明の実施例6に関し、フラックスガイド
型磁気トンネル接合積層の構造図。
【図11】垂直記録磁化情報を再生したときの信号波形
を表す図。
【符号の説明】
100, 200, 300, 400, 500…磁気トンネル接合積層、102
…下部電極、104…上部電極、110, 210, 310, 410, 510
…固定積層、112, 212, 312, 412, 512…シード層、11
4, 214, 316, 414,514…反強磁性層、116, 216, 319, 4
16, 516…固定強磁性層、120, 220, 320, 420, 520…絶
縁トンネル障壁層、130, 230, 330, 430, 530…自由強
磁性、140, 240, 440, 540…非磁性導電層、150, 250,
350, 450, 550…磁区制御層、152, 252, 452, 552…強
磁性層、 154, 254, 454, 554…反強磁性結合層、156,
256, 456, 556…強磁性層、160, 260, 360, 460, 560…
保護層、G1…第一ギャップ層、G2…第二ギャップ層、G3
…第三ギャップ層、S1…第一シールド層、S2…第二シー
ルド層、P1…第一磁極片、P2…第二磁極片、IL1, IL2,
IL3…絶縁層、C…コイル、70…垂直記録磁化層、71…
記録磁化、72…軟磁性層、73…記録磁界、74…再生磁
束、FGD…フラックスガイド。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成12年10月2日(2000.10.
2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】磁気トンネル接合積層型ヘッド及びその
製法
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、再生用センサに磁
気トンネル接合効果に基づく磁気抵抗(MR, magneto-res
istive)センサを用いた磁気トンネル接合型ヘッド及び
その製法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の磁気記録装置の高密度化にともな
い、再生用のセンサには、巨大磁気抵抗(GMR, giant ma
gneto-resistive )効果を用いたスピンバルブ型磁気抵
抗センサが実用化されており、さらに、将来の高密度を
実現するために、磁気トンネル接合磁気抵抗(TMR, tunn
eling magneto-resistive)効果に基づく磁気抵抗センサ
の開発がさかんに行われている。
【0003】磁気トンネル接合効果は、2枚の強磁性層
が絶縁性の接合層を挟んで接合を形成する場合、この接
合抵抗が2枚の強磁性層の磁化のなす角度に依存する現
象であり、2枚の強磁性層の磁化が互いに平行の場合は
接合抵抗が最小になり、互いに反平行の場合は接合抵抗
が最大になり、平行と反平行の中間状態では接合抵抗は
これら最大値と最小値の中間となる現象である。このよ
うな現象を生じる絶縁性の接合層(絶縁トンネル障壁
層)とこれを挟んだ2枚の強磁性層を有する層のことを
以下、磁気トンネル接合積層とよぶ。
【0004】磁気トンネル接合積層は基板上の下部電極
上に形成され、複数の層を積み重ねた構成であり、上部
電極と接する。下部電極あるいは上部電極の一方から電
流を磁気トンネル接合積層を貫いて導入し、他方の電極
へ戻す。両電極間の電圧信号を検出することで磁気情報
を再生する。
【0005】磁気トンネル接合積層を構成する第1の強
磁性層は、接合層と反対側に反強磁性層を有し、反強磁
性層からの交換結合バイアス磁界によって、所望の範囲
で印加した磁界の存在下でその磁気モーメントが回転を
防止されており、固定強磁性層とよばれる。また、第2
の強磁性層は接合層と反対側に反強磁性層を有さず、そ
の磁気モーメントは所望の範囲で印加した磁界の存在下
で回転自由であり、自由強磁性層とよばれる。固定強磁
性層の磁気モーメントはエアーベアリング表面にほぼ直
交するように向けられる。また、自由強磁性層は単一磁
区でその磁気モーメントは磁界が印加されない状態でエ
アーベアリング表面に平行にすることが、良好な再生信
号の点から望ましい。
【0006】従来例として、特開平10-162327に開示さ
れる構造をエアベアリング表面から見た構造図を図6に
しめす。
【0007】図6に示した磁気トンネル接合積層MR再
生ヘッドは、ギャップ層G1基板上に形成した下部電極
102と、ギャップ層G2の下の上部電極104との間に積層
されて形成された磁気トンネル接合積層体300を有す
る。磁気トンネル接合積体300は、固定積層310、絶縁ト
ンネル障壁層320、自由強磁性層330、及び保護層360を
有する。
【0008】下部電極102に接して形成される固定積層3
10は、下部電極102上にシード層312を有し、そのシード
層上には反強磁性材料からなる層を有し、その反強磁性
層316上に形成され、かつ交換結合された「固定」の強
磁性層を有する。この「固定の」強磁性層は、その磁気
モーメントが所望の範囲で印加した磁界の存在下で回転
を防止されているので固定強磁性層319と称される。こ
の固定強磁性層319の磁気モーメントはエアーベアリン
グ表面にほぼ直交するようにむけられる。
【0009】従来例では、自由強磁性層330を単一磁区
化し、磁化をエアベアリング表面に平行にするために、
エアベアリング表面から見て磁気トンネル接合積層の両
脇に硬質磁性材料350を備え、自由強磁性層330との静磁
気的結合によって自由強磁性層の磁気モーメントを所望
の方位に制御する。硬質磁性材料にCoPtCrのような導電
性材料を用いるので、磁気トンネル接合積層と硬質磁性
材料が直接接触するとトンネル接合を横切らない電流分
が発生し、この電流は抵抗変化に寄与しないためにセン
サの感度を低下させる。したがって硬質磁性材料層と磁
気トンネル接合積層が電気的に接触しないように、これ
らの間にAl2O3やSiO2絶縁層370を設けている。
【0010】別の従来例として、特開平10-255231があ
る。この例は先の従来例同様、自由強磁性層を磁区制御
するための硬質磁性材料層または反強磁性層を自由強磁
性層の両脇に配置する。但し、固定強磁性層の大きさを
自由強磁性層より小さく形成したものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】特開平10-162327に開
示されるようなAbutted junction型の磁気トンネル接合
型ヘッドの場合、磁気トンネル接合積層300の両脇に絶
縁層370を間に介在して硬質磁性材料350を配置する。絶
縁層が厚くなると硬質磁性材料層350と自由強磁性層330
の距離が離れるために静磁気結合が弱くなり自由強磁性
層330に対する磁区制御力が弱くなり、再生信号の劣悪
化が生じる。他方、硬質磁性材料層350と自由強磁性層3
30の距離が近くなると、自由強磁性層330の磁区制御力
は強くなるが、硬質磁性材料層と磁気トンネル接合積層
の絶縁耐圧が下がるために、製造プロセス中あるいは使
用時に絶縁破壊し所望の性能を示さなくなる可能性が高
くなる。従って特開平10-162327に開示される構造では
自由強磁性層の磁気モーメントの制御を硬質磁性材料層
と磁気トンネル接合積層の絶縁を確保しながら実現する
のは難しいという問題点がある。
【0012】また、特開平10-255231に開示されるよう
に固定強磁性層を自由強磁性層より小さく形成し、自由
強磁性層の両脇に硬質磁性材料を配置する場合、硬質磁
性材料層を電流が分流するという問題点を克服できる
が、固定強磁性層を自由強磁性層より小さく形成するに
は、積層膜として一体として形成された固定強磁性層と
自由強磁性層のうち固定強磁性層のみをエッチングして
自由強磁性層をエッチングしないで作成するという高度
に困難なプロセス技術が必要となり、実用化が困
【0013】難である。
【0013】本発明では、従来例で難しかった自由強磁
性層の磁気モーメントの制御をより弊害なく実現する磁
気トンネル接合積層型ヘッド及びその製造方法を提供す
ることにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】第一の磁気トンネル接合
積層構成は、反強磁性層と、該反強磁性層と接し印加磁
界の存在下で磁気モーメントが回転できないように反強
磁性層と交換結合によってバイアスされた固定強磁性層
と、該固定強磁性層に接する絶縁トンネル障壁層と、該
絶縁トンネル障壁層と接し、その磁気モーメントは印加
磁界の存在下で回転自由な検出用自由強磁性層と、該自
由強磁性層と接する非磁性導電層と、該非磁性導電層と
接する磁区制御層を有する。該磁区制御層は、2つの強
磁性層と該強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気
モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層を有す
る。固定強磁性層の磁気モーメントは、エアベアリング
表面と直交する向きをなし、磁区制御層の強磁性層の磁
気モーメントはエアベアリング表面と平行の向きをな
す。磁区制御層を構成する強磁性材料には、コバルト、
コバルトと鉄を主成分とする合金、またはコバルトと鉄
とバナジウムを主成分とする合金、またはコバルトとニ
ッケルと銅を主成分とする合金を用いる。
【0015】また、第二の磁気トンネル接合積層構成
は、磁区制御層と、該磁区制御層と接する非磁性導電層
と、該非磁性導電層と接する第一の反強磁性層と、印加
磁界の存在下で磁気モーメントが回転できないように該
第一の反強磁性層と接し交換結合によってバイアスされ
た固定強磁性層と、該固定強磁性層に接する絶縁トンネ
ル障壁層と、該絶縁トンネル障壁層と接し、その磁気モ
ーメントは印加磁界の存在下で回転自由な検出用自由強
磁性層とを有する。上記磁区制御層は2つの強磁性層と
該強磁性層に挟まれ隣接する上記強磁性層の磁気モーメ
ントを反強磁性結合させる反強磁性結合層を有する。固
定強磁性層の磁気モーメントは、エアベアリング表面と
直交する向きをなし、磁区制御層の強磁性層の磁気モー
メントはエアベアリング表面と平行の向きをなす。磁区
制御層を構成する強磁性材料には、コバルト、コバルト
と鉄を主成分とする合金、またはコバルトと鉄とバナジ
ウムを主成分とする合金、またはコバルトとニッケルと
銅を主成分とする合金を用いる。
【0016】また、第三の磁気トンネル接合積層構成
は、第一の反強磁性層と、該第一の反強磁性層と交換結
合によってバイアスされた固定強磁性層と、該固定強磁
性層に接する絶縁トンネル障壁層と、該絶縁トンネル障
壁層と接する自由強磁性層と、該自由強磁性層と接する
非磁性導電層と、該非磁性導電層と接する磁区制御層を
有する。該磁区制御層は、2つの強磁性層と、該強磁性
層に挟まれ該強磁性層の磁気モーメントを反強磁性結合
させる反強磁性結合層と、上記強磁性層と隣接する第二
の反強磁性層を有する。固定強磁性層の磁気モーメント
は、エアベアリング表面と直交する向きをなし、磁区制
御層の強磁性層の磁気モーメントはエアベアリング表面
と平行の向きをなす。磁区制御層の強磁性材料にはNiFe
合金, Co,CoFe合金, NiFeCo合金等の軟磁性合金を用い
る。第一の反強磁性層と第二の反強磁性層には異なるブ
ロッキング温度を有する材料を用いる。第一の反強磁性
層のブロッキング温度は第二の反強磁性層のブロッキン
グ温度より高くする。このために、第一の反強磁性層に
はPtMn, NiMn, PdMn, PdPtMn合金等の規則合金を用い
る。第二の反強磁性層にはIrMn, FeMn, RhRuMn, CrMnPt
合金等の不規則合金を用いる。また、磁区制御膜を構成
要素である2つの強磁性層と該強磁性層に挟まれた反強
磁性結合層の代わりに一つの強磁性層を用いることもで
きる。
【0017】第一の磁気トンネル接合積層では、2つの
自由強磁性層の磁区制御力が作用する。一つは、(1)磁
区制御層を構成する強磁性層端部に生じる磁極が自由強
磁性層端部と静磁気的相互作用をすることにより自由強
磁性層にエアベアリング表面に平行にバイアス磁界を与
えることで磁区制御する。今一つは、(2)非磁性導電層
と接する磁区制御層の強磁性層がRKKY相互作用またはオ
レンジピール相互作用によって自由強磁性層にエアベア
リング表面に平行にバイアス磁界を与え、自由強磁性層
を磁区制御する。磁区制御層を構成する強磁性層にコバ
ルト、コバルトと鉄を主成分とする合金、またはコバル
トと鉄とバナジウムを主成分とする合金、またはコバル
トとニッケルと銅を主成分とする合金膜を用いるのは、
磁化の分散を小さくし自由強磁性層の自由な磁気回転を
妨げないようにするためである。
【0018】上述の強磁性層間に反強磁性結合層を挟ん
だ積層構成を磁区制御層に用いるのは、分散の小さな強
磁性層は異方性磁界があまり大きくないために磁気モー
メントが十分には安定しないためである。
【0019】第二の磁気トンネル接合積層は、第一の構
成と構成順序はことなるが、同様に磁区制御層に2つの
強磁性層で反強磁性結合層を挟んだ構成をとっている。
【0020】第三の磁気トンネル接合積層では、磁区制
御層構成は、第二の反強磁性層を強磁性層に隣接して有
している。これは第二の反強磁性層が強磁性層にバイア
ス磁界を与えることによって磁区制御層の磁気モーメン
トを安定化するためである。磁区制御層を構成する強磁
性層にNiFe合金, Co, CoFe合金, NiFeCo合金等の軟磁性
合金を用いるのは、磁化の分散が小さいために自由強磁
性への悪影響を避けるためである。また、第一の反強磁
性層のブロッキング温度は第二の反強磁性層のブロッキ
ング温度より高くするのは、第一の反強磁性層が固定強
磁性層に与えるバイアス磁界の向きと、第二の反強磁性
層が磁区制御を構成する強磁性層に与えるバイアス磁界
の向きが異なる(直交する)構成とするためである。第
一の反強磁性層にはPtMn, NiMn, PdMn, PdPtMn合金等の
規則合金を用い、第二の反強磁性層にはIrMn, FeMn, Rh
RuMn, CrMnPt合金等の不規則合金を用いるのは前者が高
いブロッキング温度を与え後者が前者より低いブロッキ
ング温度を与えるためである。
【0021】本発明の磁気トンネル接合積層は、上下電
極で挟まれた各層を同一の真空設備内で連続して成膜す
ることができ、磁気トンネル接合積層の脇に絶縁層でサ
ンドイッチした永久磁石を配置したAbutted junction型
のヘッドに比べ、製造工程が簡略化される。
【0022】
【発明の実施の形態】本発明は、外部磁界を検出するた
めに広く適用できるものであるが、情報記録及び取り出
しシステムのための再生ヘッドとして特に有用なもので
あり、そこでは、情報は磁性媒体上の磁区の配列として
記録されることとなっている。磁性媒体としては、どの
ような種類のものでもよく、例えば、磁気テープ、磁気
ドラム、一つまたは複数のハードディスク、あるいは一
つまたは複数のフレキシブルディスク等がある。磁区
は、通常、トラックに添って配置され、トラックの構成
としては、円環状、渦巻き状、らせん状、もしくは不定
長のものがある。
【0023】本発明が適用される代表的な情報記録およ
び再生装置の一例を図1に示す。計算機1は、ネットワ
ーク、キーボード、スキャナー、もしくはこれらに相当
するものとの間に1つもしくは複数のインターフェース
をもつ入力装置2を介して入力情報を受け取る。計算機
1は、一つもしくは複数の入力装置への接続に加え、一
つもしくは複数の出力装置に出力することが可能であ
る。この出力装置3としては、計算機とインターフェー
スを介して接続する、ネットワーク、プリンタ、表示装
置、あるいはモデム等が考えられる。計算機1に関連す
る他の記録装置に加え、計算機は周辺機器である磁気記
録装置4へ情報を書き込んだり、磁気記録装置から情報
を読み込んだりする。磁気記録装置は次の内部装置を含
んでいる。
【0024】(1)制御装置5:情報信号を書込みヘッ
ド7に出力し、読出し(再生)ヘッド8から情報を入力
し、更に、ヘッドからのフィードバック信号を受け取る
ためのデータ入出力部6を含む。
【0025】(2)位置制御部9:ヘッド位置制御信号
を出力し、また、ヘッド位置検出信号を入力する。
【0026】(3)モータ制御部10:磁性媒体のヘッ
ドに対する相対的な運動に関する、速度、停止、開始等
の操作を制御し、本実施例の場合、一つあるいは複数の
ディスク型の磁性媒体13をシャフト12によって回転させ
るモータ11に、回転制御信号を出力する。各々独立し
た書込みヘッド7と読出し(再生)ヘッド8とを有するト
ランスデューサーは、磁性媒体(ディスク)13とかすか
に接触するか、わずかの間隙を保ってその上を浮上する
ように、連結アーム14とボイスコイルモータ(VCM)15を
用いて、通常、ディスクの半径方向に動く。
【0027】上記のように、図1に示した情報記録及び
再生装置は、あくまでも代表的なものである。図1に示
した装置の操作は自明であるため、ここでその詳細につ
いては説明しない。
【0028】書き込みヘッド部及び読出し用のMR再生ヘ
ッド部を有する複合型の磁気ヘッドの構造を図2の縦断
面図を用いて説明する。ヘッドはエアーベアリング表面
(ABS)を形成するためにラップ仕上げされ、ABS
はエアベアリングにより磁性媒体13(図1)の表面から
間隔を維持する。読み出しヘッドは、第一ギャップ層G
1と第二ギャップ層G2間に挟まれたMRセンサ40を有
し、その第一、第二ギャップ層G1,G2も第一シール
ド層S1と第二シールド層S2間に挟まれている。従来
のディスクドライブでは、MRセンサ40はスピンバルブ
センサである。
【0029】書き込みヘッドはコイル層Cと絶縁層I2
を有し、それら絶縁層I1とI3間に挟まれ、またその
絶縁層I1,I3も第一磁極片P1と第二磁極片P2に
挟まれている。第三ギャップG3はその第一磁極片P1
と第二磁極片P2のABSに隣接した電極先端間に挟ま
れ、磁気ギャップを形成する。書き込みの際には、信号
電流がコイル層Cを通して導かれ、かつ磁束がエアベア
リング表面で漏洩する。
【0030】この磁束は書き込み操作の間に磁性媒体上
の周回トラックを磁化する。再生の際には、回転する磁
性媒体の磁化された領域は磁束を再生ヘッドのMRセンサ
40に注入し、MRセンサ40内部で抵抗変化をおこす。こ
の抵抗変化はMRセンサ40を横切る電圧変化を検出する
ことにより検出される。図2に示す記録と再生の複合ヘ
ッド25は、再生の第二シールドS2が書き込みヘッドの
第一磁極片P1として使用される「兼用した」ヘッドで
ある。ピギーバックヘッド(図示せず)では、第二シー
ルドと第一電極片P1が分離した層である。
【0031】上記したMR再生ヘッドを有する通常の磁
気ディスクドライブおよび図1、図2に関する記載は、
本発明を理解するための説明を目的とするものである。
【0032】(実施例1)本発明は、図1中の読出しヘ
ッド8の構造に関するものであり、図2の複合ヘッドの
MRセンサ40の代わりに磁気トンネル接合効果に基づく
MRセンサを用いた再生用の磁気トンネル接合型ヘッド
に関するものである。
【0033】図3に示した磁気トンネル接合積層MR再
生ヘッドは、ギャップ層G1基板上に形成した下部電極
102と、ギャップ層G2の下の上部電極104との間に積層
されて形成された磁気トンネル接合積層体100を有す
る。下部電極102は第一シールドS1と兼用することもあ
る。上部電極104は第二シールドS2と兼用することもあ
る。
【0034】磁気トンネル接合積層100は、固定積層11
0、絶縁トンネル障壁層120、自由強磁性層130、非磁性
導電層140、磁区制御層150及び保護層160を有する。
【0035】下部電極102に接して形成される固定積層1
10は、下部電極102上にシード層112を有し、そのシード
層上には反強磁性材料からなる層を有し、その反強磁性
層114上に形成され、かつ交換結合された「固定」の強
磁性層を有する。この「固定の」強磁性層は、その磁気
モーメントが所望の範囲で印加した磁界の存在下で回転
を防止されているので固定強磁性層116と称される。こ
の固定強磁性層116の磁気モーメントはエアーベアリン
グ表面にほぼ直交するようにむけられ、つまり、図3の
矢印の先端で示すように紙面に直交する。
【0036】この積層構造は、例えばArガスを用いたス
パッタリング法で行い、各層の成膜と成膜の間で大気に
さらされないように同一の真空設備内で成膜する。絶縁
トンネル障壁層の形成も同様に同じ真空設備内で行い、
成膜開始から終了までは大気にはさらさない。
【0037】シード層112には1〜7(nm)Ta単層膜または,
下部電極側から見て 1〜7(nm)Ta/1〜5(nm)NiFe合金積層
膜または, 1〜7(nm)Ta/1〜7(nm)NiFeCr合金積層膜,ま
たは 1〜7(nm)Ta/1〜7(nm)NiCr合金積層膜を用いるこ
とができる。これらの膜厚値は、上に形成される反強磁
性層114の配向性を制御し固定強磁性層との交換結合磁
界を十分な大きさに確保するために適正化されている。
【0038】また、反強磁性層114としては、7〜20nm
のPtMn合金層または10〜30 (nm)のNiMnまたはPdPtMn合
金層または、5〜13(nm)のIrMn合金層を用いることがで
きる。
【0039】固定強磁性層を固定する力の熱安定性、膜
の通電寿命の点及び膜厚が薄い方がよいという点からは
7〜20(nm)のPtMn合金層を用いるのが望ましい。
【0040】また、固定強磁性層116としては、1〜3(n
m)Co膜または1〜3(nm)CoFe合金膜、あるいは積層構造膜
として1〜5(nm) Co/0.6〜1.0(nm) Ru/ 1〜5(nm) Co積層
膜または1〜5(nm) CoFe/0.6〜1.0(nm) Ru/ 1〜5(nm) Co
Fe積層膜を用いることができる。積層構造をもちいる場
合、Ru膜は隣接する2つの強磁性層の磁気モーメントを
互いに反対方向に向ける働きを持たせるためにこの膜厚
を選択している。固定強磁性層端部の磁極は自由強磁性
層130の磁化をエアベアリング表面平行方向から傾け再
生信号の対称性を劣化させるために固定強磁性層116端
部の磁極を極力小さくすることが望ましい。従って固定
強磁性層は積層構造膜とし、膜厚を調整することによっ
て2つの強磁性層の磁気モーメントをほぼ等しくするの
が望ましい。強磁性層に同じ材料を用いる場合、両強磁
性層の膜厚差は5nm以下にするのが望ましい。
【0041】絶縁トンネル障壁層120はアルミニウム酸
化した膜からなりその厚さは0.5〜2nmがよい。作成法は
アルミニウムをスパッタリング法で行い、酸素雰囲気中
または、酸素ラジカル中で酸化して作成する。
【0042】自由強磁性層130は強磁性材料からなり、
その磁気モーメントは所望の範囲で印加した磁界の存在
下で回転自由である。自由強磁性層130には、絶縁トン
ネル障壁層140にCoまたはCoFeを接触させて0.5〜2(nm)
CoFe /1〜7(nm)NiFe、0.5〜2(nm)Co /1〜7(nm)NiF
e、1〜3nmCoFe、1〜3nm CoNiFeを用いることができる。
【0043】ここで絶縁トンネル障壁層側にCoまたはCo
Feを配置するのは磁気抵抗変化を大きくするためであ
る。
【0044】自由強磁性層130の磁気モーメントはエア
ベアリング表面に平行であることが望ましく、このため
に、自由強磁性層130上に非磁性導電層140を隣接させ、
この非磁性導電層140に隣接して、磁区制御層150を設け
る。非磁性導電層140は、自由強磁性層130と磁区制御層
150の磁気的結合を適度に弱くし自由強磁性層130の磁気
モーメントの自由回転を妨げないようにするためと、か
つ電流をトンネル障壁層に流すために導電性とする。非
磁性導電層140を構成する材料は、Cu,Au,Ag, または
これらの合金膜を用いることができ、その膜厚は1.8nm
〜3.5nmにするのがよい。膜厚の下限値は、磁区制御層
と自由強磁性層の層間結合を自由強磁性層の自由な磁化
回転を妨げない程度に弱くすることから決まり、上限値
は磁区制御層が非磁性導電層を介してバイアス磁界をあ
る程度与え、自由強磁性層を単磁区に磁区制御すること
から決まる。
【0045】磁区制御層は、強磁性層152と、強磁性層1
52に隣接して反強磁性結合層154と、反強磁性結合層154
に隣接して強磁性層156を有する。反強磁性結合層154は
隣接する2つの強磁性層152と強磁性層156の磁気モーメ
ントを反強磁性的に結合する働きを有し、図3の152及
び156中の矢印に示すように、磁気モーメントは互いに
反平行構成を有する。この構成は次の2つの磁気的相互
作用によって自由強磁性層の磁区制御を行う。一つは、
(1)強磁性層端部に生じる磁極が自由強磁性層端部と静
磁気的相互作用をすることにより自由強磁性層にエアベ
アリング表面に平行にバイアス磁界を与え、自由強磁性
層を単一磁区構造にする効果であり、今一つは、(2)非
磁性導電層と接する磁区制御層側の強磁性層がRKKY相互
作用またはオレンジピール相互作用によって自由強磁性
層にエアベアリング表面に平行にバイアス磁界を与え、
自由強磁性層を単一磁区構造にする効果である。
【0046】(1)の効果は強磁性層152と強磁性層156の
磁気モーメントの大きさに差を設ける、即ち膜厚差を変
えることで自由強磁性層に与えるバイアス磁界を制御す
ることができる。自由強磁性層に与えるバイアス磁界の
向きは図3で、156の磁気モーメントが152の磁気モーメ
ントより大きい場合右から左となり、156の磁気モーメ
ントが152の磁気モーメントより小さい場合左から右と
なる。(2)の効果は非磁性導電層の膜厚を変えることに
より自由強磁性層に与えるバイアス磁界を制御すること
ができ、通常152の磁気モーメント矢印の向きに平行
で、図3の自由強磁性層で右から左となる。従って、
(1)と(2)の効果を相殺させないためには、2つの強磁
性層のうち自由強磁性層側の強磁性層152の磁気モーメ
ントをもう一方の強磁性層156の磁気モーメントより小
さくするのが望ましい。両強磁性層に同一材料を用いる
場合、自由強磁性層側の強磁性層152の膜厚をもう一方
の強磁性層156の膜厚より小さくするのが望ましい。
【0047】磁区制御層150は膜面内に磁極を生じず、
自由強磁性層の自由な磁気回転を妨げないような材料で
あることが望ましく、かつ、所望の外部磁界の存在下で
その磁気モーメントが回転しないことも必要である。磁
気モーメントが回転しないためには異方性磁界(または
保磁力)が大きいことが必須である。磁区制御層150に
単層の強磁性層を用いて異方性磁界を大きくする場合、
永久磁石材料を用いることが考えられるが、永久磁石材
料は磁化の分散が大きく膜面内に磁極を生じるために自
由強磁性層の保磁力を大きくし、その自由な磁化回転を
妨げるために、磁区制御層として適さない。また逆に、
自由強磁性層の磁化回転を妨げないように磁化の分散の
小さな強磁性層を用いる場合、磁化分散の小さな強磁性
層は保磁力が小さいために外部磁界で容易に回転すると
いう問題点があり、これまた、磁区制御層として適さな
い。
【0048】そこで、このような問題点を解決するため
に、本発明では磁区制御層に積層構成を用いる。積層構
成は少なくとも2つの強磁性層と、これら強磁性層に挟
まれ該強磁性層の磁気モーメントを反平行に結合させる
反強磁性結合層を有し、強磁性層どおしが強固に反強磁
性結合しており、所望の外部磁界存在下で一体の磁性体
として挙動する。上記積層構成のトータルの磁気モーメ
ントは、2つの磁気モーメントが反平行であるために見
かけ上小さくなっている。このため、外部磁界存在下で
上記積層構成を回転しようとするトルクは小さくなり、
外部磁界に対して磁気回転し難くなる。即ち、上記積層
構成を採用することにより実効的な異方性磁界(また
は、実効的保磁力)は大きくなる。上記積層構成の両強
磁性層の磁気モーメント差を小さくすればするほど実効
的異方性磁界(または実効的保磁力)は増大するが上記
積層構成端部に生じる磁極量も相殺して小さくなるので
必要に応じて調整する必要がある。上記積層構成に用い
る強磁性材料には磁化分散の小さい、言い換えるとヒス
テリシス曲線の角形比が大きい材料が膜面内に磁極を生
じない点から望ましい。また、異方性磁界(または保磁
力)が大きいことも望ましい。具体的材料としては異方
性磁界または保磁力は4000 A/m 以上で、ヒステリシス
曲線の角型比が0.95以上有する材料が望ましい。具体的
な材料としては、コバルト−鉄合金膜(保磁力が約4000
A/m)、コバルト−鉄−バナジウム合金膜(保磁力8000〜
16000 A/m)、あるいはコバルト−ニッケル−銅合金膜
(保磁力16000〜48000 A/m)を用いることができる。ま
た、上記積層構成の両強磁性層間の反強磁性結合磁界が
強ければ強い程、強い外部磁界に対してもフェリ積層体
が一体となって挙動するため外部磁界に対して回転し難
くなる。したがって反強磁性結合磁界は大きい方が望ま
しく、具体的には、少なくとも80 kA/m以上、望ましく
は160 kA/m 以上が必要である。材料としては、Ru,I
r,Rhを用いることができ、厚さ1.0nm以下で反強磁性結
合を生じ、望ましい膜厚は0.5から1.0nmである。また、
反強磁性結合磁界は磁区制御層を構成する強磁性層の膜
厚とも関連しており、これを十分大きくするためには両
強磁性層の膜厚をともに6nm以下とするのが望ましい。
【0049】上述の例は磁区制御層を2つの強磁性層と
1つの反強磁性結合層で構成しているが、2つ以上の複
数の強磁性層とこれらの間に挟まれた反強磁性結合層を
もちいても同様の効果を実現することができる。
【0050】図5は磁気ディスクドライブの磁気記録媒
体に隣接した図3に示した磁気トンネル接合積層MR再生
ヘッドの概略斜視図であり、再生ヘッドの操作を説明す
るための分離した磁気トンネル接合積層100の必要部を
示している。記録媒体上のトラック幅Twを有するデータ
トラックが、矢印182に示された方向に磁界hを発生する
記録データを有するように描かれている。固定強磁性層
116は、エアベアリング表面(ABS)に直行するように、か
つ、記録媒体からの磁界h方向にほぼ平行あるいは反平
行に向けられた矢印で示される磁気モーメントを有す
る。記録データからの印加磁界hの存在下でも、固定強
磁性層の磁気モーメントは隣接する反強磁性層114から
の界面交換結合磁界により固定される。自由強磁性層13
0は、エアーベアリング表面での検出エッジと背面エッ
ジ190と、背面エッジ192と、2個の平行な側面エッジ19
4、196を有した、概ね矩形状の形を有する。図に示すよ
うに、磁気トンネル接合積層100の他の層は、層130のエ
ッジに隣接する複数のエッジを有する。自由強磁性層13
0は、印加磁界の存在しない状態で、エアベアリング表
面に平行な方向に向けられた磁気モーメント132を有す
る。自由強磁性層に隣接して非磁性導電層140を有し、
非磁性導電層140に隣接して磁区制御層150を有する。非
磁性導電層140及び磁区制御層150は自由強磁性層と同様
に矩形の形を有する。磁区制御層150は、非磁性導電層1
40に隣接する強磁性層152と、強磁性層152に隣接する反
強磁性結合層154と、反強磁性結合層154に隣接する強磁
性層156からなる。
【0051】強磁性層152及び156の磁気モーメントはエ
アベアリング表面に平行で、互いに反平行を向き、大き
さに差を有する。これらの磁気モーメントの大きさの差
により側面に残る磁極が自由強磁性層130の側面194及び
196と静磁気的結合し自由強磁性の磁気モーメントを、
印加磁界の存在しない状態でエアベアリング表面に平行
方向、則ち実線矢印の方向に制御する。
【0052】また、非磁性導電層140を通して生じるR
KKY相互作用及びオレンジピール相互作用は自由強磁
性層に矢印132方向のバイアス磁界を与え自由強磁性
層の磁気モーメントを矢印132方向に磁区制御する。
【0053】検出電流Iが下部電極層102から、反強磁性
層114、固定強磁性層116、トンネル強磁性層120、自由
強磁性層130、磁区制御層150と直行して導かれ(一部省
略した層もある)、上部電極層104を通して出ていく。
絶縁トンネル障壁層120を流れるトンネル電流は、トン
ネル障壁層120に隣接する固定強磁性層116と自由強磁性
層130の磁気モーメントとの相対角度の関数である。記
録データからの磁界hは自由強磁性層130の磁気モーメン
トの方向を点線の矢印に示されるように方向132から離
れるように回転させる。これにより、固定強磁性層116
と自由強磁性層130の磁気モーメントの相対方向が変化
し、磁気トンネル接合積層の抵抗変化を生じる。抵抗変
化を磁気ディスクドライブの電子部品により検出され再
生データとして処理される。
【0054】(実施例2)本実施例は先の実施例を変形
した例であり、用いている原理は先の例に示されたもの
の範囲内である。
【0055】図4に示した磁気トンネル接合型再生ヘッ
ドは、ギャップ層G1基板上に形成した下部電極102
と、ギャップ層G2の下の上部電極104との間に積層さ
れ形成された磁気トンネル接合積層体200を有する。下
部電極102は第一シールドS1と兼用することもある。上
部電極104は第二シールドS2と兼用することもある。
【0056】磁気トンネル接合積層200は、磁区制御層2
50、非磁性導電層240、固定積層210、絶縁トンネル障壁
層220及び自由強磁性層230を有する。
【0057】下部電極102に接して形成される磁区制御
層250は、下部電極102上にシード層212を有し、そのシ
ード層上に強磁性層252を有し、その強磁性層252層上に
反強磁性結合層254有を有し、その反強磁性結合層上に
強磁性層256を有する。磁区制御層250上には、非磁性導
電層240を有し、非磁性導電層240上には固定積層210を
有する。固定積層210は、反強磁性層214と反強磁性層に
直接接触する固定強磁性層216からなる。固定強磁性層2
16は、その磁気モーメントが所望の範囲で印加した磁界
の存在下で回転を防止されているので固定強磁性層と称
される。この固定強磁性層216の磁気モーメントはエア
ーベアリング表面にほぼ直交するようにむけられ、つま
り、図4の矢印の先端で示すように紙面に直交する。固
定強磁性層216上には絶縁トンネル障壁層220を有し、絶
縁トンネル障壁層220上には自由強磁性層230を有する。
自由強磁性層上には保護層260を有する。保護層は製造フ
゜ロセス中に磁気トンネル接合積層200が損傷を受けるのを
防止する。自由強磁性層230は強磁性材料からなり、反
強磁性層に交換結合しておらず、その磁気モーメントは
所望の範囲で印加した磁界の存在下で回転自由である。
自由強磁性層の磁気モーメントは磁界が存在しない状態
で、その磁気モーメントがエアベアリング表面(図2参
照)に平行に向けられ(図4の230層中の矢印方向)、
固定強磁性層216の磁気モーメントの方向とほぼ直交す
るようにするのが望ましい。
【0058】この積層構造は、例えばArガスを用いたス
パッタリング法で行い、各層の成膜と成膜の間に大気に
さらさないように同一の真空設備内で成膜する。酸化物
層の形成も同様に同じ真空設備内で行う。積層構造成膜
開始から終了までは大気にはさらさない。
【0059】シード層212には1〜7(nm)Ta単層膜を用い
ることができ、または同じ膜厚のZr膜、Hf膜を用いるこ
ともできる。シード膜は上に形成される磁区制御層250
の配向性を制御し、磁区制御膜を構成する強磁性層間の
反強磁性結合磁界を十分大きくすることと、さらに上に
形成される反強磁性層214及び固定強磁性層216の結晶配
向性を制御し固定強磁性層216の磁気的安定性を確保す
る。
【0060】磁区制御層250は、強磁性層252と、強磁性
層252に隣接する反強磁性結合層254と、反強磁性結合層
254に隣接する強磁性層256を有する。実施例1と同様、
反強磁性結合層254は隣接する2つの強磁性層252及び25
6の磁気モーメントを反平行に結合する働きを有する。
磁区制御層250は、自由強磁性層230の磁気モーメントを
エアベアリング表面に平行にする働きを有する。即ち、
図4の252及び256中の矢印に示すように、磁気モーメン
トは互いに反平行構成を有し、強磁性層252と強磁性層2
56の磁気モーメントの大きさには差をもうけており、磁
区制御層250トータルとしては端部に磁極を余すことに
なる。磁区制御層250の端部に生じる磁極は、自由強磁
性層230にエアベアリング表面と平行方向にバイアス磁
界を生じ、この磁界によって自由強磁性層は磁区制御さ
れる。自由強磁性層に与える磁区制御力は、互いに反平
行の磁気モーメントの大きさに差を設けることにより得
られ、例えば同一材料を用いた場合は両強磁性層252,25
6の膜厚差を変えることによって調整することができ
る。
【0061】先の例と同様、非磁性導電層240を構成す
る材料は、Cu,Au,Agまたは、これらの合金膜を用いる
ことができる。本構成では非磁性導電層と自由強磁性層
が直接接触しないために、実施例1に示したようなRKKY
またはオレンジピール相互作用による磁区制御効果は生
じない。強磁性層252と256には、先の例と同様に、各々
単独膜の特性として異方性磁界または保磁力は4000 A/m
以上で、ヒステリシス曲線の角型比が0.95以上有するこ
とが望ましい。具体的な材料としては、コバルト−鉄合
金膜(保磁力が約4000 A/m)、コバルト−鉄−バナジウム
合金膜(保磁力8000〜16000 A/m )またはコバルト−ニ
ッケル−銅合金(保磁力16000〜48000 A/m)を用いるこ
とができる。また、両強磁性層の厚さはともに6nm以下
が望ましい。
【0062】また、反強磁性結合層254には、Ru,Ir,R
hを用いることができ、厚さ1.0nm以下で反強磁性結合を
生じ、望ましい膜厚は0.5から1.0nmである。
【0063】この例では磁区制御層を2つの強磁性層と
1つの反強磁性結合層で構成しているが、2つ以上の複
数の強磁性層とこれらの間に挟まれた反強磁性結合層を
もちいても同様の効果を実現することができる。
【0064】反強磁性層214としては、先の実施例と同
様、7〜20nmのPtMn合金層または10〜30 (nm)のNiMn、P
dMn、PdPtMn合金層または、5〜13(nm)のIrMn合金層を用
いることができるが、固定強磁性層を固定する力の熱安
定性、膜の通電寿命の点からは7〜20(nm)のPtMn合金層
を用いるのが望ましい。
【0065】固定強磁性層216としては、1〜3(nm)Co膜
または1〜3(nm)CoFe合金膜、あるいは積層構造膜として
1〜5(nm) Co/0.6〜1.0(nm) Ru/ 1〜5(nm) Co積層膜また
は1〜5(nm) CoFe/0.6〜1.0(nm) Ru/ 1〜5(nm) CoFe積層
膜を用いることができる。
【0066】固定強磁性層に積層構造をもちいる場合、
Ru膜は隣接する2つの強磁性層の磁気モーメントを互い
に反対方向に向ける働きを持たせるためにこの膜厚を選
択している。固定強磁性層端部の磁極は自由強磁性層の
磁気モーメントをABS平行方向から傾け再生信号の対称
性劣化するために固定強磁性層端部の磁極は極力小さく
することが望ましい。従って固定強磁性層は積層構造膜
とし、膜厚を調整することによって2つの強磁性層の磁
気モーメントをほぼ等しくするのが望ましい。積層構造
膜に用いる強磁性層には同じ材料を用いる場合、両強磁
性層の膜厚差は5nm以下にするのが望ましい。
【0067】絶縁トンネル障壁層140はアルミニウム酸
化した膜からなりその厚さは0.5〜2nmとする。作成法は
アルミニウムをスパッタリング法をもちいてデポし、同
一成膜設備内の別のユニットで酸素雰囲気中または、酸
素ラジカル中で酸化して作成する。
【0068】自由強磁性層230は強磁性材料からなり、
自由強磁性層には絶縁トンネル障壁層側から0.5〜2(n
m)CoFe /1〜7(nm)NiFe、0.5〜2(nm)Co /1〜7(nm)NiF
e/または、1〜3nmCoFeを用いることができる。ここで絶
縁トンネル障壁層側にCoまたはCoFeを配置するのは磁気
抵抗変化を大きくするためである。
【0069】(実施例3)図7に示した磁気トンネル接
合積層MR再生ヘッドは、ギャップ層G1基板上に形成
した下部電極102と、ギャップ層G2の下の上部電極104
との間に積層された形成された磁気トンネル接合積層体
500を有する。下部電極102は第一シールドS1と兼用する
こともある。上部電極104は第二シールドS2と兼用する
こともある。この場合ギャップ層G1, G2は不要である。
図7はエアベアリング表面から見た図である。
【0070】磁気トンネル接合積層500は、実施例1と
同様、固定積層510、絶縁トンネル障壁層520、自由強磁
性層530、非磁性導電層540及び磁区制御層550を有す
る。
【0071】この磁気トンネル接合積層500は、先の実
施例と同様Arガスを用いたスパッタリング法で行い、各
層の成膜と成膜の間に大気にさらさないように同一の真
空設備内で成膜する。
【0072】図7(a)に実施例のひとつを示す。シード
層512、 反強磁性層514、固定強磁性層516、絶縁トンネ
ル障壁層520、自由強磁性層530及び非磁性導電層540に
は、実施例1と同じ構成を用いる。
【0073】本実施例が実施例1と異なるのは、磁区制
御層に、反強磁性層580が加わっている点と磁区制御層
を構成する強磁性層として、固定強磁性層や自由強磁性
層で用いている材料を用いることができる点である。
【0074】実施例1では、(1)磁区制御層150が所望の
外部磁界存在下でその磁気モーメントが回転しないよう
にするために2つの強磁性層152と156は異方性磁界をあ
る程度大きくし、(2)自由強磁性層の磁化回転を妨げな
いようにするために、磁化分散の少ない材料を用いた。
このために、コバルト−鉄合金膜(保磁力が約4000 A/
m)、コバルト−鉄−バナジウム合金膜(保磁力8000〜16
000 A/m)、あるいはコバルト−ニッケル−銅合金膜
(保磁力16000〜48000 A/m)などの自由強磁性層や固定
強磁性層とは異なる材料を用いる必要があった。ところ
が、本実施例では、新たに反強磁性層580を設け、磁区
制御層を構成する強磁性層556にバイアス磁界を与える
ことによって磁区制御層の磁気モーメントを固定する。
このため強磁性層に用いる材料は固定強磁性層516や自
由強磁性層530と同じ材料を用いることができる。これ
によって磁区制御層面内に磁極を生じることがなく、自
由強磁性層にあたえる悪影響を回避することができる。
【0075】2つの反強磁性層514と580が隣接する強磁
性層に与えるバイアス磁界の向きは異なる構成とする。
514は固定強磁性層に対してエアベリング表面と直交方
向に、580は磁区制御を構成する強磁性層556に対してエ
アベアリング表面と平行方向に、バイアス磁界を与える
構成とする。この構成を実現するために、2つの反強磁
性層514と580は異なるブロッキング温度を有することと
する。望ましくは固定強磁性層に隣接する反強磁性層51
4のブロッキング温度を磁区制御層の反強磁性層580のブ
ロッキング温度より高くする。514の反強磁性層には、P
tMn、NiMn、PdMn, PdPtMn合金等規則合金型のブロッキ
ング温度の高い材料層を用いることができ、PtMn及びNi
Mnの望ましい膜厚はそれぞれ7〜20nm、10〜30 (nm)で
ある。これらの材料を用いた反強磁性層は300℃以上の
高いブロッキング温度を有する。
【0076】一方、580の反強磁性層には、IrMn, FeMn,
RhMn, RuMn合金等不規則合金型の先の材料よりブロッ
キング温度の低い材料を用いる。後者の材料の望ましい
ブロッキング温度は200℃以下である。また、CrMnPt合
金のように同じ材料でもその膜厚によってブロッキング
温度が異なる場合、前者には高いブロッキング温度とな
る膜厚、後者には低いブロッキング温度を与える膜厚構
成とすることによって、同じ材料を514と580に用いるこ
ともできる。
【0077】2つの反強磁性層の与えるバイアス方向を
異なる方向にするには、少なくとも2回の磁界中熱処理
を行う。最初の熱処理は514のバイアス磁界を設定する
ための熱処理で、エアベアリング表面と直交方向に磁界
を印加しながら合金が規則化し安定なバイアス磁界を隣
接する強磁性層に与えるに十分な時間と温度の熱処理を
行い、室温付近まで冷却する。2回目の熱処理は580のバ
イアス磁界を設定するための熱処理で、磁界をエアベア
リング表面と平行で最初の熱処理時の磁界方向と直交す
る方向に印加しながら、最初の熱処理より低い温度で、
580が安定なバイアス磁界を隣接する強磁性層に与える
ような温度で、かつ最初の熱処理で514に設定したバイ
アス磁界を乱さない温度で行う。たとえば、514にPtMn
を用い、580にIrMnを用いる場合、最初の熱処理を240℃
以上で行い、2回目の熱処理を200℃以下で行う。
【0078】本実施例の変形例を図7(b)に示す。この
例は磁区制御層が単層の強磁性層552と反強磁性層580か
らなる。
【0079】この場合は、(1)強磁性層端部に生じる磁
極が自由強磁性層端部との静磁気的相互作用をすること
により自由強磁性層に与えるバイアス磁界と (2)非磁
性導電層と接する磁区制御層側の強磁性層がRKKY相互作
用またはオレンジピール相互作用によって自由強磁性層
に与えるバイアス磁界の向きが反対となり互いに相殺す
る方向となるため、両者の効果に差をもうけるように膜
厚構成を適宜選択する。
【0080】(実施例4)図8に示した磁気トンネル接
合積層MR再生ヘッドは、ギャップ層G1基板上に形成
した下部電極102と、ギャップ層G2の下の上部電極104
との間に積層され形成された磁気トンネル接合積層体40
0を有する。下部電極102は第一シールドS1と兼用するこ
ともある。上部電極104は第二シールドS2と兼用するこ
ともある。
【0081】この場合ギャップ層G1, G2は不要である。
図8はエアベアリング表面から見た図である。
【0082】磁気トンネル接合積層400は、実施例2と
同様、磁区制御層450、非磁性導電層440、固定積層41
0、絶縁トンネル障壁層420、自由強磁性層430、保護層4
60を有する。シード層412、非磁性導電層440、固定積層
410、絶縁トンネル障壁層420、自由強磁性層430及び保
護層460には、実施例2と同じ構成を用いる。
【0083】実施例2と異なるのは、磁区制御層に、反
強磁性層480が加わっている点と磁区制御層を構成する
強磁性層として、固定強磁性層や自由強磁性層で用いて
いる材料を用いることができる点である。
【0084】本実施例は2つの反強磁性層を有する点及
びその機能が実施例3と同じである。414は固定強磁性
層に対してエアベリング表面と直交方向に、480は磁区
制御を構成する強磁性層456に対してエアベアリング表
面と平行方向に、バイアス磁界を与える構成である。こ
の構成を実現するために2つの反強磁性層414と480は異
なるブロッキング温度を有する。望ましくは固定強磁性
層に隣接する反強磁性層のブロッキング温度を磁区制御
層のブロッキング温度より高くする。414の反強磁性層
には、実施例3の514と同じ材料を用い、480の反強磁性
層には実施例3の580と同じ材料を用いることができ
る。
【0085】2つの反強磁性層の与えるバイアス方向を
異なる方向にするには、少なくとも2回の磁界中熱処理
で行う必要があり、実施例3と同じ方法で行う。
【0086】(実施例5)本発明による磁気トンネル接
合型磁気ヘッドは、高密度に記録媒体上に記録されたデ
ータを高感度に読み出すことができるために、高密度記
録に適している垂直磁気記録用の再生ヘッドとして用い
ることによってその効果を一層発揮する。
【0087】図9は、垂直磁気記録媒体と本発明による
磁気トンネル接合積層型磁気ヘッドの構成を示す。ヘッ
ドはエアーベアリング表面(ABS)を形成するために
ラップ仕上げされ、ABSはエアベアリングにより磁性
媒体70の表面から間隔を維持する。再生ヘッドは、磁
気トンネル接合積層を有し、磁気トンネル接合積層は第
一シールド層S1と第二シールド層S2間に挟まれてい
る。磁気トンネル接合積層には実施例1〜実施例4で開
示された磁気トンネル接合積層100、200、300、400が用
いられる。書き込みヘッドはコイル層Cと絶縁層I1と
I3を有し、それら絶縁層I1とI3間に挟まれ、また
その絶縁層I1,I3も第一磁極片P1と主端磁極片P4
に挟まれている。書き込みの際には、信号電流がコイル
層Cを通して導かれ、記録磁束73がエアベアリング表面
で発生する。記録媒体は記録磁化層70と軟磁性層72から
なり、記録磁束73は記録磁化層70で媒体面に垂直となっ
ており、媒体記録層の磁化71を媒体面に垂直に磁化す
る。記録磁化層70を通り抜けた磁束は軟磁性層72を通
って磁極P1に戻る。磁極P1は磁極P4に比べて断面積が著
しく大きくなっておりP1に磁束が戻る際に記録媒体磁化
状態に影響がでない程度に磁束密度が小さくなるように
する。再生の際は、回転する記録磁化71は磁束74を再生
ヘッドの磁気トンネル接合積層に注入し、磁気トンネル
接合積層層に抵抗変化をおこす。この抵抗変化はトンネ
ル接合積層体を横切る電圧変化を検出することにより検
出される。
【0088】図11(a)には垂直記録された磁化を再生し
たさいの検出される信号を示す。磁化遷移に伴って、出
力が正の値から負の値または負の値から正の値に変化す
る波形であり、現状の信号処理では扱えない波形であ
る。そこで、この信号を電気的処理あるいは、磁気ヘッ
ドを構造的に工夫することによって(b)のような波形(a)
を微分した形状に変換して情報信号として扱う。
【0089】(実施例6)以上の例では、磁気トンネル
接合積層をABS面に露出させることを前提に記述してい
るが、必ずしもABS面に露出させる必要はなく、AB
S面からリセスし、ABS面から磁気トンネル接合積層
の間に磁束を誘導する軟磁性体からなるフラックスガイ
ドを配置する事もできる。図10に一例を示す。磁気トン
ネル接合積層100, 500はABS面からリセスして配置して
おり、ABSと磁気トンネル接合積層の間にフラックスガ
イドFGDを配置する。フラックスガイドは磁気トンネル
接合積層の一部から形成する。即ち、自由強磁性層130
(530)と非磁性導電層140(150)と磁区制御層150(560)と
からなっており、フラックスガイド部分には絶縁トンネ
ル障壁層と固定強磁性層とこれと接する第一の反強磁性
層は存在しない。フラックスガイド部分にも磁区制御層
があることからフラックスガイドは磁区制御されており
バルクハウゼンノイズの発生源になることを回避してい
る。また、自由強磁性層とは別に軟磁性層をフラックス
ガイドとして設けることもできる。後者の場合フラック
スガイドの厚さを自由強磁性層より厚くすることによっ
て磁束の吸い込み効率を上げることもできる。またフラ
ックスガイドの磁束の吸い込み効率を上げるために図10
の(c)に示すようにエアベアリング表面で幅が狭く、
エアベアリング表面から離れるにつれて幅が広くなる構
造とするのがのぞましい。
【0090】フラックスガイドを用いる場合、センサ膜
をABS表面からリセスすることができ、センサ膜の損
傷というデメリットやセンサ膜をABS面に露出した場
合の寸法微細化に伴う素子抵抗増大に起因するノイズの
増大という問題を回避することができる。
【0091】
【発明の効果】本発明によれば、磁気トンネル接合積層
の脇に絶縁層でサンドイッチした永久磁石を配置した従
来のAbutted junction型の磁気トンネル接合型ヘッドに
比べ自由強磁性層の磁区制御力が強く、自由強磁性層の
特性劣化を生じさせることが少ない磁気トンネル接合型
ヘッドが提供できる。
【0092】また、本発明は高密度記録磁化情報の再生
に適しており、垂直磁気記録用の再生ヘッドに用いるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される情報記録及び再生装置の一
例の概略を示す図。
【図2】書き込みヘッドに隣接したMR再生ヘッドを有
する複合ヘッドの縦断面図。
【図3】本発明の実施例1による磁気トンネル接合積層
MR再生ヘッドの断面図。
【図4】本発明の実施例2による磁気トンネル接合積層
MR再生ヘッドの断面図。
【図5】本発明の実施例1による磁気トンネル接合積層
MR再生ヘッドの斜視図。
【図6】従来の磁気トンネル接合積層再生ヘッドの断面
図。
【図7】本発明の実施例3による磁気トンネル接合積層
MR再生ヘッドの断面図。
【図8】本発明の実施例4による磁気トンネル接合積層
MR再生ヘッドの断面図。
【図9】本発明の実施例5に関し、垂直磁気記録ヘッド
へ応用した場合の記録媒体との関係を表す図。
【図10】本発明の実施例6に関し、フラックスガイド
型磁気トンネル接合積層の構造図。
【図11】垂直記録磁化情報を再生したときの信号波形
を表す図。
【符号の説明】 100, 200, 300, 400, 500…磁気トンネル接合積層、102
…下部電極、104…上部電極、110, 210, 310, 410, 510
…固定積層、112, 212, 312, 412, 512…シード層、11
4, 214, 316, 414,514…反強磁性層、116, 216, 319, 4
16, 516…固定強磁性層、120, 220, 320, 420, 520…絶
縁トンネル障壁層、130, 230, 330, 430, 530…自由強
磁性、140, 240, 440, 540…非磁性導電層、150, 250,
350, 450, 550…磁区制御層、152, 252, 452, 552…強
磁性層、 154, 254, 454, 554…反強磁性結合層、156,
256, 456, 556…強磁性層、160, 260, 360, 460, 560…
保護層、G1…第一ギャップ層、G2…第二ギャップ層、G3
…第三ギャップ層、S1…第一シールド層、S2…第二シー
ルド層、P1…第一磁極片、P2…第二磁極片、IL1, IL2,
IL3…絶縁層、C…コイル、70…垂直記録磁化層、71…
記録磁化、72…軟磁性層、73…記録磁界、74…再生磁
束、FGD…フラックスガイド。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01L 43/08 H01L 43/12 43/12 G01R 33/06 R

Claims (53)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】反強磁性層と、該反強磁性層に隣接しこの
    層の磁化により磁気的に固定された固定強磁性層と、該
    反強磁性層の磁化から磁気的に自由な自由強磁性層と、
    これらの強磁性層間に挟まれた絶縁層と、これらの層に
    電流を印加する一対の電極とを有し、上記自由強磁性層
    と上記電極の一方との間に、上記自由強磁性層を磁区制
    御する磁区制御層を形成したことを特徴とする磁気トン
    ネル接合積層型ヘッド。
  2. 【請求項2】上記磁区制御層は、複数の強磁性層と、こ
    れらの強磁性層間に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モ
    ーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とを有す
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気トンネル接合積
    層型ヘッド。
  3. 【請求項3】上記磁区制御層が2つの強磁性層を有し、
    電極側の強磁性層の膜厚が自由層側の膜厚と略等しいか
    あるいは厚いことを特徴とする請求項2記載の磁気トン
    ネル接合積層型ヘッド。
  4. 【請求項4】上記磁区制御層を構成する複数の強磁性層
    が、コバルト、コバルトと鉄を主成分とする合金、コバ
    ルトと鉄とバナジウムを主成分とする合金、またはコバ
    ルトとニッケルと銅を主成分とする合金からなり、上記
    反強磁性結合層がルテニウム、ロジウム、イリジウムま
    たはこれらの合金からなることを特徴とする請求項2記
    載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  5. 【請求項5】上記固定強磁性層が、複数の強磁性層と、
    これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モ
    ーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからな
    ることを特徴とする請求項1記載の磁気トンネル接合積
    層型ヘッド。
  6. 【請求項6】上記固定強磁性層が、複数の強磁性層と、
    これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モ
    ーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからな
    り、複数の固定強磁性層の磁気モーメントが実質上等し
    く互いに相殺し、固定強磁性層トータルの磁気モーメン
    トが実質上セ゛ロであることを特徴とする請求項1記載の
    磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  7. 【請求項7】上記上下電極に挟まれた層がABS面に露
    出していることを特徴とする請求項1記載の磁気トンネ
    ル接合積層型ヘッド。
  8. 【請求項8】上記絶縁層と電極の一方との間に挟まれた
    上記自由強磁性層と磁区制御層を有する層がABS面に
    露出し、フラックスガイドとなっていることを特徴とす
    る請求項1記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  9. 【請求項9】反強磁性層と、該反強磁性層に隣接しこの
    層の磁化により磁気的に固定された固定強磁性層と、該
    反強磁性層の磁化から磁気的に自由な自由強磁性層と、
    これらの強磁性層間に挟まれた絶縁層と、上記自由強磁
    性層を磁区制御する磁区制御層と、上記磁区制御層と上
    記自由強磁性層の間に隣接して設けられた非磁性導電層
    と、これらの層に電流を印加する一対の電極とを有する
    ことを特徴とする磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  10. 【請求項10】上記磁区制御層の自由強磁性層側の強磁
    性層が、上記非磁性導電層を介して上記自由強磁性層に
    バイアス磁界を与えることを特徴とする請求項9記載の
    磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  11. 【請求項11】上記自由強磁性層及び磁区制御層と接す
    る上記非磁性導電層が銅、金、銀のうちの1種または、
    少なくともこれらの1種以上を含む合金からなり、その
    膜厚が1.8〜3.5nmであることを特徴とする請求項9記載
    の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  12. 【請求項12】上記磁区制御層は、複数の強磁性層と、
    これらの強磁性層間に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気
    モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とを有
    することを特徴とする請求項9記載の磁気トンネル接合
    積層型ヘッド。
  13. 【請求項13】上記磁区制御層を構成する複数の強磁性
    層が、コバルト、コバルトと鉄を主成分とする合金、コ
    バルトと鉄とバナジウムを主成分とする合金、またはコ
    バルトとニッケルと銅を主成分とする合金からなり、上
    記反強磁性結合層がルテニウム、ロジウム、イリジウム
    またはこれらの合金からなることを特徴とする請求項1
    2記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  14. 【請求項14】上記固定強磁性層が複数の強磁性層と、
    これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モ
    ーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからな
    ることを特徴とする請求項9記載の磁気トンネル接合積
    層型ヘッド。
  15. 【請求項15】上記固定強磁性層が複数の強磁性層と、
    これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モ
    ーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからな
    り、複数の固定強磁性層の磁気モーメントが実質上等し
    く互いに相殺し、固定強磁性層トータルの磁気モーメン
    トが実質上セ゛ロであることを特徴とする請求項9記載の
    磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  16. 【請求項16】上記上下電極に挟まれた層がABS面に
    露出していることを特徴とする請求項9記載の磁気トン
    ネル接合積層型ヘッド。
  17. 【請求項17】上記絶縁層と電極の一方との間に挟まれ
    た上記自由強磁性層と磁区制御層を有する層がABS面
    に露出し、フラックスガイドとなっていることを特徴と
    する請求項9記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  18. 【請求項18】基板と、該基板上に形成された下部電極
    と、該下部電極上に形成された反強磁性層と、該反強磁
    性層に隣接して形成された固定強磁性層と、該固定強磁
    性層に隣接して形成された絶縁トンネル障壁層と、該絶
    縁トンネル障壁層に隣接して形成された自由強磁性層
    と、該自由強磁性層に隣接して形成された非磁性導電層
    と、該非磁性導電層に隣接して形成された磁区制御層
    と、該磁区制御層上に形成された上部電極とを有するこ
    とを特徴とする磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  19. 【請求項19】上記磁区制御層は、複数の強磁性層と、
    これらの強磁性層間に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気
    モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とを有
    することを特徴とする請求項18記載の磁気トンネル接
    合積層型ヘッド。
  20. 【請求項20】上記磁区制御層が2つの強磁性層を有
    し、上部電極側の強磁性層の膜厚が自由層側の膜厚と等
    しいかあるいは厚いことを特徴とする請求項19記載の
    磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  21. 【請求項21】上記磁区制御層を構成する複数の強磁性
    層が、コバルト、コバルトと鉄を主成分とする合金、コ
    バルトと鉄とバナジウムを主成分とする合金、またはコ
    バルトとニッケルと銅を主成分とする合金からなり、上
    記反強磁性結合層がルテニウム、ロジウム、イリジウム
    またはこれらの合金からなることを特徴とする請求項1
    9記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  22. 【請求項22】上記磁区制御層の自由強磁性層側の強磁
    性層が上記非磁性導電層を介して上記自由強磁性層にバ
    イアス磁界を与えることを特徴とする請求項18記載の
    磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  23. 【請求項23】上記自由強磁性層及び磁区制御層と接す
    る上記非磁性導電層が銅、金、銀のうちの1種または、
    少なくともこれらの1種以上を含む合金からなり、その
    膜厚が1.8〜3.5nmであることを特徴とする請求項18記
    載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  24. 【請求項24】上記固定強磁性層が複数の強磁性層と、
    これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モ
    ーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからな
    ることを特徴とする請求項18記載の磁気トンネル接合
    積層型ヘッド。
  25. 【請求項25】上記固定強磁性層が複数の強磁性層と、
    これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モ
    ーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからな
    り、複数の固定強磁性層の磁気モーメントが実質上等し
    く互いに相殺し、固定強磁性層トータルの磁気モーメン
    トが実質上セ゛ロであることを特徴とする請求項18記載
    の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  26. 【請求項26】上記上下電極に挟まれた層がABS面に
    露出していることを特徴とする請求項18記載の磁気ト
    ンネル接合積層型ヘッド。
  27. 【請求項27】上記絶縁層と電極の一方との間に挟まれ
    た上記自由強磁性層と磁区制御層を有する層がABS面
    に露出し、フラックスガイドとなっていることを特徴と
    する請求項18記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  28. 【請求項28】基板と、該基板上に形成された下部電極
    と、該下部電極上に形成された磁区制御層と、該磁区制
    御層に隣接して形成された非磁性導電層と、該非磁性導
    電層に隣接して形成された反強磁性層と、該反強磁性層
    と隣接して形成された固定強磁性層と、該固定強磁性層
    に隣接して形成された絶縁トンネル障壁層と、該絶縁ト
    ンネル障壁層に隣接して形成された自由強磁性層と、該
    自由強磁性層上に形成された上部電極とを有することを
    特徴とする磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  29. 【請求項29】上記磁区制御層は、複数の強磁性層と、
    これらの強磁性層間に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気
    モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とを有
    することを特徴とする請求項28記載の磁気トンネル接
    合積層型ヘッド。
  30. 【請求項30】上記磁区制御層を構成する複数の強磁性
    層が、コバルト、コバルトと鉄を主成分とする合金、コ
    バルトと鉄とバナジウムを主成分とする合金、またはコ
    バルトとニッケルと銅を主成分とする合金からなり、上
    記反強磁性結合層がルテニウム、ロジウム、イリジウム
    またはこれらの合金からなることを特徴とする請求項2
    9記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  31. 【請求項31】上記固定強磁性層が複数の強磁性層と、
    これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モ
    ーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからな
    ることを特徴とする請求項28記載の磁気トンネル接合
    積層型ヘッド。
  32. 【請求項32】上記固定強磁性層が複数の強磁性層と、
    これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モ
    ーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからな
    り、複数の固定強磁性層の磁気モーメントが実質上等し
    く互いに相殺し、固定強磁性層トータルの磁気モーメン
    トが実質上セ゛ロであることを特徴とする請求項28記載
    の磁気トンネル接合型ヘッド。
  33. 【請求項33】上記上下電極に挟まれた層がABS面に
    露出していることを特徴とする請求項28記載の磁気ト
    ンネル接合積層型ヘッド。
  34. 【請求項34】基板と、該基板上に形成された下部電極
    と、該下部電極上に形成された第1の反強磁性層と、該
    反強磁性層に隣接して形成された固定強磁性層と、該固
    定強磁性層に隣接して形成された絶縁トンネル障壁層
    と、該絶縁トンネル障壁層に隣接して形成された自由強
    磁性層と、該自由強磁性層に隣接して形成された非磁性
    導電層と、該非磁性導電層に隣接して形成された磁区制
    御層と、該磁区制御層上に形成された上部電極とを有す
    る磁気トンネル接合積層型ヘッドの上記磁区制御層が、
    複数の強磁性層と、該強磁性層に挟まれ隣接する該強磁
    性層の磁気モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結
    合層と、該強磁性層の一つと接する第二の反強磁性層と
    を有することを特徴とする磁気トンネル接合積層型ヘッ
    ド。
  35. 【請求項35】上記磁区制御層が2つの強磁性層と、該
    強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モーメント
    を反強磁性結合させる反強磁性結合層とからなり、上部
    電極側の強磁性層の膜厚が自由強磁性層側の膜厚と等し
    いかあるいは厚いことを特徴とする請求項34記載の磁
    気トンネル接合積層型ヘッド。
  36. 【請求項36】上記磁区制御層を構成する複数の強磁性
    層が、コバルト、コバルトと鉄を主成分とする合金、ま
    たはニッケルと鉄を主成分とする合金からなり、上記反
    強磁性結合層がルテニウム、ロジウム、イリジウムまた
    はこれらの合金からなることを特徴とする請求項34記
    載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  37. 【請求項37】上記第一の反強磁性層がMnを含む規則合
    金系の反強磁性材料からなり、第二の反強磁性層がMnを
    含む不規則合金系の反強磁性材料からなることを特徴と
    する請求項34記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド
  38. 【請求項38】上記第一の反強磁性層がPtMn合金、NiMn
    合金、PdMn合金、PdPtMn合金、CrMnPt合金からなる群か
    ら選ばれる一つからなり、第二の反強磁性層がIrMn合
    金、FeMn合金、RhRuMn合金、RhMn合金、CrMnPt合金から
    選ばれる一つからなる請求項37記載の磁気トンネル接
    合積層型ヘッド
  39. 【請求項39】上記磁区制御層の自由強磁性層側の強磁
    性層が上記非磁性導電層を介して上記自由強磁性層にバ
    イアス磁界を与えることを特徴とする請求項34記載の
    磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  40. 【請求項40】上記自由強磁性層及び磁区制御層と接す
    る上記非磁性導電層が銅、金、銀のうちの1種または、
    少なくともこれらの1種以上を含む合金からなり、その
    膜厚が1.8〜3.5nmであることを特徴とする請求項34記
    載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  41. 【請求項41】上記固定強磁性層が複数の強磁性層と、
    これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モ
    ーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからな
    ることを特徴とする請求項34記載の磁気トンネル接合
    積層型ヘッド。
  42. 【請求項42】上記固定強磁性層が複数の強磁性層と、
    これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モ
    ーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからな
    り、複数の固定強磁性層の磁気モーメントが実質上等し
    く互いに相殺し、固定強磁性層トータルの磁気モーメン
    トが実質上セ゛ロであることを特徴とする請求項34記載
    の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  43. 【請求項43】上記上下電極に挟まれた層がABS面に
    露出していることを特徴とする請求項34記載の磁気ト
    ンネル接合積層型ヘッド。
  44. 【請求項44】上記絶縁層と電極の一方との間に挟まれ
    た上記自由強磁性層と磁区制御層を有する層がABS面
    に露出し、フラックスガイドとなっていることを特徴と
    する請求項34記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  45. 【請求項45】基板と、該基板上に形成された下部電極
    と、該下部電極上に形成された磁区制御層と、該磁区制
    御層に隣接して形成された非磁性導電層と、該非磁性導
    電層に隣接して形成された第一の反強磁性層と、該第一
    の反強磁性層と隣接して形成された固定強磁性層と、該
    固定強磁性層に隣接して形成された絶縁トンネル障壁層
    と、該絶縁トンネル障壁層に隣接して形成された自由強
    磁性層と、該自由強磁性層上に形成された上部電極とを
    有する磁気トンネル接合積層型ヘッドの上記磁区制御層
    が、一つの強磁性層と、該強磁性層に接する第二の反強
    磁性層とを有することを特徴とする磁気トンネル接合積
    層型ヘッド。
  46. 【請求項46】上記磁区制御層を構成する複数の強磁性
    層が、コバルト、コバルトと鉄を主成分とする合金、ま
    たはニッケルと鉄を主成分とする合金からなり、上記反
    強磁性結合層がルテニウム、ロジウム、イリジウムまた
    はこれらの合金からなることを特徴とする請求項45記
    載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  47. 【請求項47】上記第一の反強磁性層がMnを含む規則合
    金系の反強磁性材料からなり、第二の反強磁性層がMnを
    含む不規則合金系の反強磁性材料からなることを特徴と
    する請求項45記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド
  48. 【請求項48】上記第一の反強磁性層がPtMn合金、NiMn
    合金、PdMn合金、PdPtMn合金、CrMnPt合金からなる群か
    ら選ばれる一つからなり、第二の反強磁性層がIrMn合
    金、FeMn合金、RhRuMn合金、RhMn合金、CrMnPt合金から
    選ばれる一つからなる請求項47記載の磁気トンネル接
    合積層型ヘッド。
  49. 【請求項49】上記固定強磁性層が複数の強磁性層と、
    これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モ
    ーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからな
    ることを特徴とする請求項45記載の磁気トンネル接合
    積層型ヘッド。
  50. 【請求項50】上記固定強磁性層が複数の強磁性層と、
    これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モ
    ーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからな
    り、複数の固定強磁性層の磁気モーメントが実質上等し
    く互いに相殺し、固定強磁性層トータルの磁気モーメン
    トが実質上セ゛ロであることを特徴とする請求項45記載
    の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  51. 【請求項51】上記上下電極に挟まれた層がABS面に
    露出していることを特徴とする請求項45記載の磁気ト
    ンネル接合積層型ヘッド。
  52. 【請求項52】上記絶縁層と電極の一方との間に挟まれ
    た上記自由強磁性層と磁区制御層を有する層がABS面
    に露出し、フラックスガイドとなっていることを特徴と
    する請求項45記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  53. 【請求項53】反強磁性材料からなる反強磁性層、該反
    強磁性層に隣接しこの層の磁化により磁気的に固定され
    る固定強磁性層、絶縁トンネル障壁層、該反強磁性層の
    磁化から磁気的に自由な自由強磁性層、非磁性導電層及
    び上記自由強磁性層を磁区制御する磁区制御層を有する
    上下電極で挟まれた積層を構成する各層を、同一の真空
    設備内で連続して成膜することを特徴とする磁気トンネ
    ル接合積層型ヘッドの製造方法。
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