JP2006179566A - 磁気抵抗効果素子、該磁気抵抗効果素子を備えた薄膜磁気ヘッド、該薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ、該ヘッドジンバルアセンブリを備えた磁気ディスク装置、及び該磁気抵抗効果素子の製造方法 - Google Patents

磁気抵抗効果素子、該磁気抵抗効果素子を備えた薄膜磁気ヘッド、該薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ、該ヘッドジンバルアセンブリを備えた磁気ディスク装置、及び該磁気抵抗効果素子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 狭トラック幅においても十分なバイアス磁界を確保でき、自由層のトラック幅方向における隣接位置の両方に軟磁性層を配置しサイドシールド効果を持たせるインスタックバイアス方式の利点を生かし、固定層の磁化により直交した方向に、十分な大きさの静磁界バイアスを自由層に対して与えることができるMR素子の提供。
【解決手段】 固定層と、この固定層上に積層された非磁性中間層と、この非磁性中間層上に積層された自由層とを備えているMR素子であって、自由層上に形成された非磁性膜とこの非磁性膜上に形成されており自由層にバイアス磁界を印加するための強磁性膜とを備えた第1のバイアス層と、この第1のバイアス層上に形成され、この第1のバイアス層のパターン長よりも大きいパターン長を有しこの第1のバイアス層内の強磁性膜の磁化方向を固定するためのバイアスアシスト部を備えた第2のバイアス層とを備えているMR素子を提供する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、信号磁界等の外部磁界を検出して磁界強度に応じた抵抗変化を示す磁気抵抗(MR)効果素子、このMR効果素子を備えた薄膜磁気ヘッド、この薄膜磁気ヘッドを備えたヘッドジンバルアセンブリ(HGA)及びこのHGAを備えた磁気ディスク装置に関する。さらに本発明は、このようなMR効果素子の製造方法に関する。
ハードディスク装置(HDD)の大容量小型化に伴い、高感度かつ高出力の薄膜磁気ヘッドが要求されている。この要求に対応するため、巨大磁気抵抗(GMR)効果を利用した読み出し磁気ヘッド素子を有するGMRヘッドの特性改善が進んでいる。一方では、さらなる高記録密度化に対応すべく、GMR効果の2倍以上の抵抗変化率が期待できるトンネル磁気抵抗(TMR)効果が注目されている。現在、このTMR効果を利用した読み出し磁気ヘッド素子を有するTMRヘッドの開発も精力的に行われている。
TMRヘッドと一般的なGMRヘッドとでは、センス電流の流れる方向の違いからヘッド構造が互いに異なっている。一般的なGMRヘッドのように、MR積層体の積層面(膜面)に対して平行にセンス電流を流すヘッド構造をCIP(Current In Plane)構造と呼び、TMRヘッドのように、積層面に対して垂直方向にセンス電流を流すヘッド構造をCPP(Current Perpendicular to Plane)構造と呼んでいる。最近は、後者のCPP構造を有するGMRヘッドの開発も行われている。このCPP構造のGMRヘッドとしては、CIP構造のGMRヘッドの場合と同様のスピンバルブ磁性多層膜(スペキュラー型磁性多層膜、デュアルスピンバルブ型磁性多層膜を含む)を有するものも検討されている。
現在、CIP構造においては、高記録密度化に対応したリードギャップの狭小化によって磁気シールド層とMR積層体との間に絶縁不良が発生しやすくなっており、深刻な問題となっている。この点、CPP構造は、磁気シールド層そのものを電極として用いることができるので、本質的にこのような問題は生じない。このため、CPP構造は、高記録密度化においてCIP構造よりも有利となっている。
CPP構造を有するGMRヘッド及びTMRヘッドにおいては、磁化自由層に適切なバイアス磁界を印加して、磁化自由層を単磁区化させ、磁気ディスクからの信号磁界に対して線形応答させることが重要である。ここで、バイアス磁界が弱ければ磁化自由層は単磁区化されないので、バルクハウゼンノイズが発生して歩留まりが低下する。一方、バイアス磁界が強すぎると磁化自由層の磁化が動きにくくなるので、出力が低下し、やはり歩留まりが低下する。従って、単磁区化による線形応答性と高出力とを両立させるためには、如何に適切なバイアス磁界を与えるかが重要となる。
このバイアス磁界を印加する方式として一般的であるのが、図1(A)に示す
アボッテッドジャンクション(Abutted Junction(AJ))バイアス方式である。図1において、10は磁気シールドを兼ねている下部電極層、11は磁化固定層、12は非磁性層、13は磁化自由層、14は磁気シールドを兼ねている上部電極層、15は絶縁層、及び16は硬磁性層(又は軟磁性層と反強磁性層との積層体)をそれぞれ示している。磁化自由層13のトラック幅方向における隣接位置の両方に硬磁性層16が配置されており、トラック幅方向のバイアス磁界が磁化自由層13に印加される。このAJバイアス方式では、最も反磁界の影響を受けやすい磁化自由層13のトラック幅方向の両端部に最も強いバイアス磁界がかかるので、磁化自由層13を効率的に単磁区化できる。しかしながら、高記録密度化に伴う狭トラック幅化においては、磁化自由層13内の反磁界が増大するので、硬磁性層16によっては十分なバイアスを与えることが困難になってしまう。
これに対し、CPP構造において有効なバイアス印加方式として、インスタック(In−stack)バイアス方式が挙げられる(特許文献1)。図1(B)に代表的な構造を示す。同図において、10´は磁気シールドを兼ねている下部電極層、11´は磁化固定層、12´は非磁性層、13´は磁化自由層、14´はバイアス非磁性層、15´はバイアス強磁性層、16´はバイアス反強磁性層、17´は磁気シールドを兼ねている上部電極層、及び18´は絶縁層をそれぞれ示している。ここで、磁化固定層11´は、反強磁性層及び/又はシンセティックフェリピン層を含む。このインスタックバイアス方式では、磁化自由層13´上にバイアス非磁性層14´、バイアス強磁性層15´及びバイアス反強磁性層16´が順次積層されている。ここで、バイアス反強磁性層16´によってバイアス強磁性層15´の磁化方向をトラック幅方向に固定し、このバイアス強磁性層15´からの静磁界バイアスによって磁化自由層13´を単磁区化する。
インスタックバイアス方式においては、狭トラック化に伴って磁化自由層13´により強い静磁界バイアスが与えられるので、狭トラック幅化による磁化自由層13´内の反磁界の増大にも十分に対抗することができる。従って、高記録密度化において有利なバイアス方法となる。また、AJバイアス方式における硬磁性層のような構造を形成する必要がないので工程が簡略化できる。さらに、特許文献1に記載されているように、このインスタックバイアス構造において、絶縁層18´を軟磁性層に置き換えれば、この軟磁性層は、サイドトラックからのノイズ磁界を吸収するサイドシールドとして機能し、高記録密度化(高トラック密度化)により適応した構造となる。
このインスタックバイアス方式は、CIP構造にも適用できるが、バイアス部へのセンス電流の分流による出力低下が大きくなるので、高記録密度化への対応が困難となる。
特開2003−264324号公報
上述した従来のインスタックバイアス構造においては、反強磁性層と強磁性層との間の磁化固定用の交換結合が2つ存在し、それぞれの磁化固定方向を直交させる必要がある。従って、バイアス強磁性層15´の磁化を固定する際のアニール温度を、磁化固定層11´内における交換結合磁界が消失するブロッキング温度T未満にする必要がある。しかしながら、Tの値は一般に層内において分散しているので、バイアス部を再度アニールした際、どうしても磁化固定層11´内の磁化方向が直交方向から傾くか又は分散してしまう。
さらに、従来のインスタックバイアス構造においては、バイアス強磁性層15´及びバイアス反強磁性層16´は、磁化固定層11´、非磁性層12´及び磁化自由層13´が順次積層された積層体の層面上に形成される。ここで、この積層体の層面は、多数層が積み重なった結果として、結晶性が悪くなり表面粗さが大きい状態にある。従って、この上に形成されたバイアス強磁性層15´とバイアス反強磁性層16´との界面も結晶状態が悪くなり、両層間に所望の交換結合を得ることが困難となる。交換結合が弱いと、磁化自由層13´に対して磁化固定層11´の磁化方向と直交した方向に静磁界バイアスを与えることができず、又は磁気ディスクからの信号磁界によってバイアス強磁性層15´が動いてしまうので十分な静磁界バイアスを与えることができない。
従って、本発明の目的は、狭トラック幅化においても十分なバイアス磁界を確保することができ、磁化自由層のトラック幅方向における隣接位置の両方に軟磁性層を配置することによってサイドシールド効果が得られるといった従来のインスタックバイアス方式の利点を生かしつつ、磁化固定層の磁化により直交した方向に、十分な大きさの静磁界バイアスを磁化自由層に対して与えることができ、その結果、ノイズのない良好な線形応答を有するMR効果素子、このMR効果素子を備えた薄膜磁気ヘッド、この薄膜磁気ヘッドを備えたHGA及びこのHGAを備えた磁気ディスク装置を提供することにある。
さらに本発明の他の目的は、上記のようなMR効果素子の製造方法を提供することにある。
本発明について説明する前に、明細書において用いられる用語の定義を行う。薄膜磁気ヘッドのスライダ基板の素子形成面に形成された素子又は層構造等において、基準物よりも素子形成面側にあるものは「下部」とし、又は「下」にあるとし、素子形成面とは反対側にあるものは「上部」とし、又は「上」にあるとする。従って、例えば「第2の強磁性層上に積層された反強磁性層」は、第2の強磁性層の素子形成面とは反対側の層面上に積層された層となる。
また、素子形成面に形成された素子又は層構造等において、外部磁界を感受する層に対してバイアス磁界を印加すべき方向のパターンの長さ、例えば磁気ヘッドにおけるトラック幅方向のパターンの長さを「パターン長」とし、MR効果素子積層面内において前記方向に対して直交する方向のパターンの長さ、例えば磁気ヘッドにおけるABSに垂直な方向、いわゆるMRハイト方向のパターンの長さを「パターン幅」とする。
本発明によれば、磁化方向が固定されている磁化固定層と、この磁化固定層上に積層された非磁性中間層と、この非磁性中間層上に積層されており印加される磁界に応じて磁化方向が可変の磁化自由層とを備えている磁気抵抗効果素子であって、磁化自由層上に形成されたバイアス非磁性膜とこのバイアス非磁性膜上に形成されており磁化自由層にバイアス磁界を印加するための強磁性膜とを備えた第1のバイアス層と、この第1のバイアス層上に形成されており、この第1のバイアス層のパターン長よりも大きいパターン長を有していてこの第1のバイアス層内の強磁性膜の磁化方向を固定するためのバイアスアシスト部を備えた第2のバイアス層とを備えているMR効果素子が提供される。
第2のバイアス層内にあるバイアスアシスト部は、第1のバイアス層内の強磁性膜と直接又は間接交換相互作用によって結合し、この強磁性膜の磁化方向を固定する。次いで、磁化が固定されたこの強磁性膜は、磁化自由層に静磁界バイアス又は間接交換結合バイアスを与える。
ここで、第2のバイアス層内にあるバイアスアシスト部は、この第1のバイアス層のパターン長よりも大きいパターン長を有している。従って、このバイアスアシスト部は、第1のバイアス層よりも強いトラック幅方向の形状磁気異方性を有しており、このバイアスアシスト部の磁化はより強くトラック幅方向に向けられている。その結果、第1のバイアス層内の強磁性膜の磁化を、磁化固定層の磁化方向とより直交する方向に向けることができる。
上述したように、従来のインスタックバイアス構造においては、バイアス層内の強磁性膜に対して、磁化固定層の磁化方向と直交しておりトラック幅方向に十分な大きさを有する交換結合磁界を印加することが困難であった。しかしながら、本発明による第2のバイアス層によれば、このような交換結合磁界に代えて強い形状磁気異方性磁界を用いることができるので、上述したように第1のバイアス層内の強磁性膜の磁化を、磁化固定層の磁化とより直交させることができる。その結果、磁化自由層が単磁区化することによって、バルクハウゼンノイズ等のノイズが抑制されて、さらに良好な線形応答を実現することができる。
バイアスアシスト部が、第1のバイアス層のパターン幅と同程度又はそれ以上のパターン幅と、自身が有するこのパターン幅よりも大きいパターン長とを有することが好ましい。これにより、第2のバイアス層内にあるバイアスアシスト部は、より強力なトラック幅方向の形状磁気異方性を有するので、このバイアスアシスト部の磁化はより強くトラック幅方向に向けられる。従って、第1のバイアス層内の強磁性膜の磁化を、磁化固定層の磁化方向とより直交する方向により確実に向けることができる。
バイアスアシスト部は、1つの強磁性膜であってもよく、又は非磁性中間膜を挟んで互いに間接交換結合している少なくとも2つの強磁性膜を含んでいてもよい。バイアスアシスト部が後者である場合、このバイアスアシスト部の磁化は、より安定してトラック幅方向に固定されることになる。ここで、これらの2つの強磁性膜のうち上方に位置する強磁性膜が、硬磁性膜であることも好ましい。硬磁性膜においては、磁化方向が結晶磁気異方性によって特定の結晶方位に向けられる。従って、この向きをトラック幅方向に揃えることによって、下方に位置する強磁性膜の磁化が、この硬磁性膜との間接交換相互作用によってより確実に同方向に固定される。
また、バイアスアシスト部が、1つの硬磁性膜であることも好ましい。硬磁性膜の磁化方向をトラック幅方向に揃えることによって、形状磁気異方性によりトラック幅方向に向いているバイアスアシスト部である硬磁性膜の磁化が、さらに確実に同方向に固定される。
第2のバイアス層が、このバイアスアシスト部上に形成されていてこのバイアスアシスト部の磁化方向を固定するための反強磁性膜又は硬磁性膜をさらに備えていることが好ましい。本発明によれば、この反強磁性膜又は硬磁性膜によってトラック幅方向に向けられるバイアスアシスト部の磁化が、強い形状磁気異方性によりさらに確実に同方向に固定されることになる。
第2のバイアス層が、バイアスアシスト部と第1のバイアス層との間の間接交換結合を媒介する非磁性媒介膜を備えていることが好ましい。非磁性媒介膜の膜厚を調整することによって、間接交換結合の方向及び強度を調整することが可能となり、第1のバイアス層内の強磁性膜の磁化をより安定して確実に固定することができる。
バイアス非磁性膜が、Ta、Hf、Nb、Zr、Ti、Mo、W、V、Pd、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cu、Pt、Au、Ag、Al及びSiのうちの1つ若しくは2つ以上の元素からなる合金、又はこの1つ若しくは2つ以上の元素と、Ni、Fe及びCoのうちの1つ若しくは2つ以上の元素とを含む非磁性の合金で形成されていることが好ましい。
また、非磁性中間膜又は非磁性媒介膜が、Ru、Rh、Ir、Cr、Re及びCuのうちの1つ又は2つ以上からなる合金で形成されていることが好ましい。
少なくとも磁化自由層のパターン長方向の両側であって第2のバイアス層の下方に位置しているサイド軟磁性層が設けられていることが好ましい。さらに、磁化固定層、非磁性中間層、磁化自由層及び第1のバイアス層の層面に垂直な方向にセンス電流が流れるCPP構造の場合、このサイド軟磁性層の下方の位置、並びに少なくとも磁化固定層及び非磁性中間層のパターン長方向の両端部とサイド軟磁性層との間の位置にサイド絶縁膜が設けられていることがより好ましい。
このような位置に配置された軟磁性材料からなるサイド軟磁性層は、読み出し動作の際に隣接トラック上に位置し、隣接トラックからのノイズ磁界を吸収するサイドシールドとして機能する。従って、このようなサイド軟磁性層を設けることによって、高記録密度化(高トラック密度化)により適応した構造が得られる。
また、CPP構造の場合、上述したような位置に絶縁材料からなるサイド絶縁膜を設けることによって、少なくとも、センス電流が非磁性中間層を介さないで流れてしまう現象を回避し、効率良くMR出力を取り出すことができる。
本発明によれば、さらに、データの読み出し手段として、上述した磁気抵抗効果素子を少なくとも1つ備えている薄膜磁気ヘッドが提供される。
本発明によれば、さらにまた、上述した薄膜磁気ヘッドと、この薄膜磁気ヘッドを支持する支持機構とを備えているHGAが提供される。
本発明によれば、さらにまた、上述したHGAを少なくとも1つ備えているHDDが提供される。
本発明によれば、さらにまた、第1の反強磁性膜とこの第1の反強磁性膜によって磁化方向が固定されている第1の強磁性膜とを備えている磁化固定層と、非磁性中間層と、印加される磁界に応じて磁化方向が可変の磁化自由層と、この磁化自由層にバイアス磁界を印加するための第2の強磁性膜を備えた第1のバイアス層とを形成するための成膜を行った後、第1の強磁性膜の磁化方向を固定するために、所定の磁界を印加しながら第1のアニール処理を行い、次いで、磁化固定層と非磁性中間層と磁化自由層と第1のバイアス層とをパターニングによって形成し、さらに第1のバイアス層のパターン長よりも大きいパターン長を有しており第1のバイアス層の磁化方向を固定するためのバイアスアシスト部とこのバイアスアシスト部の磁化方向を固定するための第2の反強磁性膜とを備えた第2のバイアス層を成膜及びパターニングによって形成した後、このバイアスアシスト部の磁化方向を固定するために、所定の磁界よりも小さい磁界を所定の磁界とは直交する方向に印加しながら磁化固定層のブロッキング温度未満で第2のアニール処理を行うMR効果素子の製造方法が提供される。ここで、バイアスアシスト部が1つの強磁性膜又は非磁性中間膜を挟んで互いに間接交換結合している少なくとも2つの強磁性膜であっても良い。
第2のバイアス層内にあるバイアスアシスト部は、第1のバイアス層内の強磁性膜と間接交換相互作用によって結合し、この強磁性膜の磁化方向を固定する。次いで、磁化が固定されたこの強磁性膜は、磁化自由層に静磁界バイアス又は間接交換結合バイアスを与える。
ここで、第2のバイアス層内にあるバイアスアシスト部は、この第1のバイアス層のパターン長よりも大きいパターン長を有している。従って、このバイアスアシスト部は、第1のバイアス層よりも強いトラック幅方向の形状磁気異方性を有しており、このバイアスアシスト部の磁化はより強くトラック幅方向に向けられている。その結果、第2のアニール処理によって、バイアスアシスト部の磁化方向を確実にトラック幅方向に固定することが可能となる。
従来のインスタックバイアス構造を有するMR効果素子の製造方法においては、2度目のアニール処理によって、ブロッキング温度の分散により、どうしても磁化固定層の磁化が傾いたり分散したりするため、磁化自由層にバイアスを与える強磁性膜の磁化方向と磁化固定層の磁化方向とを十分に直交させることは非常に困難であった。しかしながら、本発明による製造方法によれば、第2のアニール処理において、強力な形状磁気異方性の補助を用いることができるので、第1のバイアス層内の強磁性膜の磁化を、磁化固定層の磁化とより直交する方向に向けることができる。その結果、磁化自由層の単磁区化によるノイズの抑制及び良好な線形応答を実現することができる。
第2の反強磁性膜を形成するための成膜を磁界中で行うことによって交換結合磁界を発生させた後、前記第2のアニール処理において印加する磁界を、磁化固定層の磁化方向に影響を与えない程度に小さい磁界又はゼロとすることが好ましい。FeMn、IrMn等からなる第2の反強磁性膜のように磁界中成膜によって交換結合磁界が発生する場合、第2のアニール処理において必要以上の磁界を印加する必要がなくなるので、再度のアニール処理によって磁化固定層の磁化が傾いたり分散したりすることをより確実に回避できる。さらに、この第2のアニール処理を行っている間、磁化固定層の磁化方向に影響を与えない程度に小さい磁界を作用させることで、磁気シールドや電磁コイル素子の磁極層の磁化を安定化させることができる。
第1の反強磁性膜とこの第1の反強磁性膜によって磁化方向が固定されている第1の強磁性膜とを備えている磁化固定層と、非磁性中間層と、印加される磁界に応じて磁化方向が可変の磁化自由層と、この磁化自由層にバイアス磁界を印加するための第2の強磁性膜を備えた第1のバイアス層とを形成するための成膜を行った後、第1の強磁性膜の磁化方向を固定するために、所定の磁界を印加しながら第1のアニール処理を行い、次いで、磁化固定層と非磁性中間層と磁化自由層と第1のバイアス層とをパターニングによって形成し、さらに第1のバイアス層のパターン長よりも大きいパターン長を有しており第1のバイアス層の磁化方向を固定するためのバイアスアシスト部とこのバイアスアシスト部の磁化方向を固定するための第2の反強磁性膜とを備えた第2のバイアス層を成膜及びパターニングによって形成した後、このバイアスアシスト部を着磁するために、第2のバイアス層内の交換結合磁界と形状磁気異方性磁界との合成磁界以上の磁界を第1のアニール処理における所定の磁界とは直交する方向に印加する着磁処理を行い、その後、磁化固定層のブロッキング温度未満で第2のアニール処理を行うMR効果素子の製造方法が提供される。ここで、バイアスアシスト部が1つの強磁性膜又は非磁性中間膜を挟んで互いに間接交換結合している少なくとも2つの強磁性膜であっても良い。
第2のバイアス層内のバイアスアシスト部を前もって着磁してから、第2のアニール処理を行っているので、第2のアニール処理において磁界を印加する必要がなくなる。従って、再度のアニール処理によって磁化固定層の磁化が傾いたり分散したりすることをより確実に回避できる。その結果、磁化固定層の磁化方向とバイアスアシスト部の磁化方向とを確実により十分な直交状態にすることが可能となる。
第2のバイアス層内のバイアスアシスト部を着磁処理した後、第2のアニール処理において、磁化固定層の磁化方向に影響を与えない程度に小さい磁界を印加することも好ましい。この第2のアニール処理を行っている間、磁化固定層の磁化方向に影響を与えない程度に小さい磁界を作用させることで、磁化固定層の磁化が傾いたり分散したりすることを回避しつつ、磁気シールドや電磁コイル素子の磁極層の磁化を安定化させることができる。
本発明によるMR効果素子、このMR効果素子を備えた薄膜磁気ヘッド、この薄膜磁気ヘッドを備えたHGA及びこのHGAを備えたHDDによれば、狭トラック幅化においても十分なバイアス磁界を確保することができ、磁化自由層のトラック幅方向における隣接位置の両方に軟磁性層を配置することによってサイドシールド効果が得られるといった従来のインスタックバイアス方式の利点を生かしつつ、磁化固定層の磁化により直交した方向に、十分な大きさの静磁界バイアスを磁化自由層に対して与えることができる。その結果、磁化自由層が単磁区化することによって、バルクハウゼンノイズ等のノイズが抑制されて、さらに良好な線形応答を実現することができる。
また、本発明のMR効果素子の製造方法によれば、磁化固定層の磁化により直交した方向に、十分な大きさの静磁界バイアスを磁化自由層に対して与えることができる。
以下に、本発明を実施するための形態について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。なお、各図面において、同一の要素は、同一の参照番号を用いて示されている。
図2は、本発明による磁気ディスク装置の一実施形態における要部の構成を概略的に示す斜視図であり、図3は、本発明によるHGAの一実施形態を示す斜視図であり、図4は、図3の実施形態におけるHGAの先端部に装着されている薄膜磁気ヘッド(スライダ)を示す斜視図である。
図2において、20はスピンドルモータ21の回転軸の回りを回転する複数の磁気ディスク、22は薄膜磁気ヘッド(スライダ)をトラック上に位置決めするためのアセンブリキャリッジ装置、23は薄膜磁気ヘッドの書き込み及び読み出し動作、並びに発熱動作を制御するための記録再生回路をそれぞれ示している。
アセンブリキャリッジ装置22には、複数の駆動アーム24が設けられている。これらの駆動アーム24は、ボイスコイルモータ(VCM)25によってピボットベアリング軸26を中心にして角揺動可能であり、この軸26に沿った方向にスタックされている。各駆動アーム24の先端部には、HGA27が取り付けられている。各HGA27には、スライダが、各磁気ディスク20の表面に対向するように設けられている。磁気ディスク20、駆動アーム24、HGA27及び薄膜磁気ヘッド(スライダ)は、単数であってもよい。
図3に示すように、HGAは、サスペンション30の先端部に、磁気ヘッド素子を有するスライダ31を固着し、さらにそのスライダ31の端子電極に配線部材35の一端を電気的に接続して構成される。
サスペンション30は、ロードビーム32と、このロードビーム32上に固着され支持された弾性を有するフレクシャ33と、ロードビーム32の基部に設けられたベースプレート34と、フレクシャ33上に設けられておりリード導体及びその両端に電気的に接続された接続パッドからなる配線部材35とから主として構成されている。
本発明のHGAにおけるサスペンションの構造は、以上述べた構造に限定されるものではないことは明らかである。なお、図示されていないが、サスペンション30の途中にヘッド駆動用ICチップを装着してもよい。
図4に示すように、本実施形態における薄膜磁気ヘッドは、互いに積層された記録用の電磁コイル素子及び再生用のMR効果素子40と、これらの素子に接続された4つの信号端子電極41とをその素子形成面42上に備えている。43はスライダの浮上面(ABS)である。なお、これらの端子電極の数及び位置は、図4の形態に限定されるものではない。図4において端子電極は4つであるが、例えば、電極を3つとした上でグランドをスライダ基板に接地した形態でもよい。
図5は、図4の実施形態における薄膜磁気ヘッドの構成を示す、図4のA−A線断面図である。なお、図5におけるコイル層の巻き数は図を簡略化するため、図4における巻き数より少なく表されている。コイル層は1層、2層以上又はヘリカルコイルでもよい。
図5において、50はスライダ基板であり、浮上面56を有し、書き込み又は読み出し動作時には回転する磁気ディスク表面上において流体力学的に所定の間隙をもって浮上している。このスライダ基板50の浮上面56を底面とした際の一つの側面(素子形成面)に、読み出し用のMR効果素子52と、書き込み用の電磁コイル素子54と、これらの素子を保護するオーバーコート層55とが形成されている。
MR効果素子52は、MR積層体520と、この積層体を挟む位置に配置される下部シールド層(下部電極層)52a及び上部シールド層(上部電極層)52bとを含む。MR積層体520は、CIP-GMR多層膜、CPP-GMR多層膜又はTMR多層膜を含み、非常に高い感度で磁気ディスクからの信号磁界を感知する。MR積層体520の構成については、別図を用いて後に詳述する。
このMR積層体520がCIP-GMR多層膜を含む場合、上下部シールド層52b及び52aとMR積層体520との間に絶縁用のシールドギャップ層がそれぞれ設けられる。MR積層体520がCPP-GMR多層膜又はTMR多層膜を含む場合、上下部シールド層52b及び52aはそれぞれ上下部電極層として兼用される。この上下部電極層52b及び52aは導電性を有する磁性層であり、MR積層体520に対して電流を印加するための電極になると同時に、雑音となる外部磁界を遮断するシールドの役割を有する。
電磁コイル素子54は、下部磁極層54a、上部磁極層54e及びコイル層54cを含む。下部磁極層54a及び上部磁極層54eは、コイル層54cから発生した磁束を、書き込みがなされる磁気ディスク表面にまで収束させながら導くための磁路である。なお、MR効果素子52の上部電極層(上部シールド層)52bと電磁コイル素子54の下部磁極層54aとが一体となって、1つの層で両層の機能を兼ねてもよい。
MR効果素子52及び電磁コイル素子54の磁気ディスク表面側の端は、ヘッド端面57に達している。ここで、ヘッド端面57には、保護膜としてDLC(Diamond Like Carbon)等のコーディングが施されている。なお、MR効果素子52及び電磁コイル素子54の端となっているヘッド端面57と磁気ディスク表面との書き込み/読み出し動作時における磁気的な実効距離がマグネティックスペーシングとなる。
次いで、同じく図5を用いて上記の構成を詳述する。スライダ基板50は、例えばアルティック(Al−TiC)等から形成されている。51は、スライダ基板50上に積層された例えばAl等からなる厚さ約0.05μm〜約10μmの絶縁層である。下部電極層52aは、絶縁層51上に積層されており、例えば厚さ約0.3μm〜約3μmのNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等から形成されている。
MR積層体520は、下部電極層52a上に形成されており、上述したように、例えばCIP-GMR多層膜、CPP-GMR多層膜又はTMR多層膜を含む。52cは、Al等からなる絶縁層である。上部電極層52bは、MR積層体520及び絶縁層52c上に積層されており、例えば厚さ約0.3μm〜約4μmのNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等から形成されている。なお、上下部電極層52b及び52aの間隔である再生ギャップ長は、約0.01μm〜約0.1μmである。
53は、上部電極層52b上に積層された例えばAl等からなる厚さ約0.1μm〜約2.0μmの絶縁層である。ただし、53は、場合によっては非磁性金属材料からなる層であってもよい。下部磁極層54aは、絶縁層53上に積層されており、例えば厚さ約0.3μm〜約3μmのNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等から形成されている。なお、上部電極層52bと下部磁極層54aとが一体となって、1つの層で両層の機能を兼ねる場合、絶縁層53は省略される。54bは、下部磁極層54a上に積層された例えばAl又はDLC等からなる厚さ約0.03μm〜約0.5μm(記録ギャップ長に相当)の磁気ギャップ層である。54dは、例えば熱硬化されたレジスト層等からなる厚さ約0.1μm〜約5μmのコイル絶縁層である。コイル層54cは、コイル絶縁層54dに挟まれる位置に積層されており、例えば厚さ約0.5μm〜約3μmのCu等から形成されている。上部磁極層54eは、下部磁極層54aと共に磁極及び磁気ヨークを構成しており、例えば厚さ約0.5μm〜約5μmのNiFe、NiFeCo、CoFe、FeN又はFeZrN等から形成されている。オーバーコート層55は、例えばAl等から形成されている。
下部磁極層54a及び上部磁極層54eの先端部は、磁気ギャップ層54bを隔てて対向するポール部58及び59を構成しており、これらポール部58及び59において書き込みが行われる。ヨーク部を構成する下部磁極層54a及び上部磁極層54eのポール部58及び59とは反対側にはバックギャップ部が設けられており、磁気回路を完成させるように互いに結合されている。コイル層54cは、このヨーク部の結合部のまわりを渦巻状に回るように形成されている。
図6(A)は、本発明によるMR効果素子52の一実施形態の構成を示す、図4のB−B線断面図であり、図6(B)は、MR効果素子52の一実施形態の構成を示す斜視図である。
図6(A)において、521は下部金属層、522は磁化固定層、523は非磁性中間層、524は磁化自由層、525はジャンクション部バイアス層、526はナロー(Narrow)部バイアス層、527は上部金属層をそれぞれ示している。ここで、ジャンクション部バイアス層525及びナロー部バイアス層526は、それぞれMR効果素子52の「第1のバイアス層」及び「第2のバイアス層」となっている。下部金属層521、磁化固定層522、非磁性中間層523、磁化自由層524及びジャンクション部バイアス層525は、トラック幅相当のパターン長を有する積層体であり、以後ジャンクション部とする。また、ナロー部バイアス層で構成されている積層体は、トラック幅よりも大きなパターン長を有しており、以後ナロー部とする。
下部金属層521は、下部電極層52a上に形成されており、MR積層体520を下部電極層52aに電気的に接続する。さらに、上部金属層527は、この上に上部電極層52bが形成されることによって、MR積層体520を上部電極層52bに電気的に接続する。従って本実施形態において、磁界検出の際には、電流は上下部電極層間においてMR積層体520内の各層面に対して垂直な方向に流れることになる。また、絶縁層53は、MR積層体520の周囲を取り囲むように形成されている。
磁化固定層522は、下部金属層521上に順次積層された、下地膜522aと、反強磁性膜522bと、第1の強磁性膜522cと、非磁性膜522dと、第2の強磁性膜522eとから構成されている。第1の強磁性膜522cと第2の強磁性膜522eとは、非磁性膜522dを介して間接交換相互作用によって結合しており、磁化の固定をより安定させるいわゆるシンセティックフェリピン構造となっている。第1の強磁性膜522cには、反強磁性膜522bとの交換結合により交換結合磁界が印加されており、この結果、磁化固定層522全体の磁化が安定的に固定される。
MR積層体520がTMR効果を利用する場合、非磁性中間層523上に積層された磁化自由層524は、磁化固定層522との間で絶縁体からなる非磁性中間層523をトンネルバリアとした強磁性トンネル結合を形成している。従って、磁化自由層524の磁化方向が信号磁界に応答して変化すると、磁化自由層524のアップ及びダウンスピンバンドの状態密度の変動によってトンネル電流が増減し、結果としてMR積層体520の電気抵抗値が変化する。この変化量を計測することによって、微弱な信号磁界を検出することができる。一方、MR積層体520がGMR効果を利用する場合、磁化自由層524は、導電体からなる非磁性中間層523との間で、自身の磁化方向によってアップスピン又はダウンスピンを有する電子のみが非弾性散乱される界面を形成する。従って、磁化自由層524の磁化方向が信号磁界に応答して変化すると、スピン偏極したセンス電流の界面での非弾性散乱確率が変化し、結果としてMR積層体520の電気抵抗値が変化する。この変化量を計測することによって、同様に微弱な信号磁界を検出することができる。
ジャンクション部バイアス層525は、磁化自由層524上に順次積層された、バイアス非磁性膜525aと、バイアス強磁性膜525bとから構成されている。さらに、ナロー部バイアス層526は、このジャンクション部バイアス層525上に順次積層された、ナロー部非磁性膜526aと、ナロー部強磁性膜526bと、ナロー部反強磁性膜526cとから構成されている。ここで、ナロー部強磁性膜526bは、ナロー部バイアス層526内の「バイアスアシスト部」であり、ジャンクション部バイアス層525内のバイアス強磁性膜525bの磁化方向を固定する役割を果たす。
両バイアス層の作用をより具体的に説明すると、ナロー部反強磁性膜526cは、交換相互作用によってナロー部強磁性膜526bの磁化をトラック幅方向である矢印60の方向に固定する。次いで、ナロー部強磁性膜526bは、間接交換相互作用を媒介する非磁性媒介膜としてのナロー部非磁性膜526aを介して、隣接するバイアス強磁性膜525bとの間で間接交換相互作用による結合を行い、バイアス強磁性膜525bの磁化を矢印61の方向に固定する。次いで、磁化が固定されたバイアス強磁性膜525bは、バイアス非磁性膜525aを介して隣接する磁化自由層524に、矢印62の方向の静磁界バイアス又は間接交換結合バイアスを与える。これにより、磁化自由層524の単磁区化及び線形応答が実現する。
ここで、図6(B)に示すように、ナロー部バイアス層526のパターン長Lは、ジャンクション部バイアス層525のパターン長Lよりも大きくなっている。また、ナロー部バイアス層526のパターン幅Wは、ジャンクション部バイアス層525のパターン幅Wと同一か又は「同程度」となっている。又は、パターン幅Wがパターン幅Wよりも若干大きくてもかまわない。ここで、「同程度」の範囲を説明する。一般に、製造工程におけるフォトレジストを用いた通常のパターニングによって、ジャンクション部バイアス層525及びナロー部バイアス層526の側面は、一体として形成されて若干内側に傾斜する。このように傾斜した場合、より上方に位置するナロー部バイアス層526のパターン幅Wが、ジャンクション部バイアス層525のパターン幅Wよりも製造上若干小さくなる。「同程度」とは、この程度に小さくなったパターン幅Wを含む範囲とする。なお、製造工程については、後に詳述する。
さらに、ナロー部バイアス層526のアスペクト比L/Wは、5以上、好ましくは10以上に設定されている。従って、ナロー部強磁性膜526bの磁化は、強い形状磁気異方性によって、より強力に矢印60の方向に向けられる。なお、このアスペクト比において特に上限はなく、ヘッド構造上の許容範囲においてより大きい方が好ましい。例えば100であってもかまわない。ただし、形状磁気異方性は、10を超えると飽和する傾向にある。
上述したように、従来のインスタックバイアス構造においては、2度のアニール処理におけるブロッキング温度分散の影響、及び結晶性及び表面粗さの悪さから、バイアス強磁性層に対して、磁化固定層の磁化方向と直交する方向に十分な大きさの交換結合磁界を印加することが困難であった。しかしながら、以上に述べたナロー部バイアス層526によれば、十分な大きさが得られない交換結合磁界に替わって、又は交換結合磁界を強力に補助する形で形状磁気異方性磁界を用いることができるので、バイアス強磁性層に対して、磁化固定層の磁化方向とより直交する十分な大きさのバイアスを与えることができる。
なお、図6(A)の絶縁層53の位置であって、磁化固定層522、非磁性中間層523、磁化自由層524及びジャンクション部バイアス層525のパターン長方向の両側に、隣接トラックからのノイズ磁界を吸収するためのサイド軟磁性層が設けられていてもよい。なお、この場合、このサイド軟磁性層とナロー部バイアス層526との間に、サイド非磁性膜が設けられる。このサイド非磁性膜によって、サイド軟磁性層とナロー部バイアス層526とを磁気的に分離することができるので、ナロー部バイアス層526のバイアス作用へのノイズ磁界の悪影響が回避される。
さらに、MR効果素子52がCPP構造である場合、このサイド軟磁性層の下方の位置、並びに少なくとも磁化固定層522及び非磁性中間層523のパターン長方向の両端部とサイド軟磁性層との間の位置にサイド絶縁膜が設けられる。このサイド絶縁膜を設けることによって、少なくとも、センス電流が非磁性中間層を介さないで流れてしまう現象を回避し、効率良くMR出力を取り出すことができる。
なお、サイド軟磁性層は、例えばNiFe等の軟磁性材料から構成される。また、サイド非磁性膜は、例えばAl等の非磁性絶縁材料、又はTa等の非磁性金属材料などから構成される。さらに、サイド絶縁膜は、例えばAl等の絶縁材料から構成される。
図7(A)〜(G)は、ナロー部バイアス層の種々の変更態様の構成を示す、図4のB−B線断面図である。
図7(A)によれば、ナロー部バイアス層70は、ジャンクション部バイアス層525のバイアス強磁性膜525b上に順次積層された、ナロー部強磁性膜70a及びナロー部反強磁性膜70bから構成される。これは、図6(A)のナロー部バイアス層526においてナロー部非磁性膜526aを省略した態様である。ナロー部反強磁性膜70bは、交換相互作用によってナロー部強磁性膜70aの磁化をトラック幅方向である矢印70cの方向に固定する。次いで、ナロー部強磁性膜70aは、接面しているバイアス強磁性膜525bとの間で交換相互作用による結合を行い、バイアス強磁性膜525bの磁化を矢印70dの方向に固定する。次いで、磁化が固定されたバイアス強磁性膜525bは、磁化自由層に静磁界バイアス又は間接交換結合バイアスを与える。これにより、磁化自由層の単磁区化及び線形応答が実現する。
図7(B)によれば、ナロー部バイアス層71は、ジャンクション部バイアス層525のバイアス強磁性膜525b上に順次積層された、第1のナロー部非磁性膜71a、第1のナロー部強磁性膜71b、第2のナロー部非磁性膜71c、第2のナロー部強磁性膜71d、及びナロー部反強磁性膜71eから構成される。第1のナロー部強磁性膜71b、第2のナロー部非磁性膜71c及び第2のナロー部強磁性膜71dは、磁化の固定をより安定させるいわゆるシンセティックフェリピン構造となっている。すなわち、本変更態様は、図6(A)のナロー部バイアス層526においてナロー部強磁性膜526bをシンセティックフェリピン構造に置き換えた態様である。第2のナロー部非磁性膜71cは、間接交換相互作用を媒介する非磁性中間膜としての役割を果たしている。ナロー部反強磁性膜71eは、第2のナロー部強磁性膜71dとの間で交換結合を行い、このシンセティックフェリピン構造の磁化方向71f及び71gを固定する。次いで、第1のナロー部強磁性膜71bは、第1のナロー部非磁性膜71aを介して隣接しているバイアス強磁性膜525bとの間で間接交換相互作用による結合を行い、バイアス強磁性膜525bの磁化を矢印71hの方向に固定する。次いで、磁化が固定されたバイアス強磁性膜525bは、磁化自由層に静磁界バイアス又は間接交換結合バイアスを与える。これにより、磁化自由層の単磁区化及び線形応答が実現する。
図7(C)によれば、ナロー部バイアス層72は、ジャンクション部バイアス層525のバイアス強磁性膜525b上に順次積層された、第1のナロー部強磁性膜72a、ナロー部非磁性膜72b、第2のナロー部強磁性膜72c、及びナロー部反強磁性膜72dから構成される。第1のナロー部強磁性膜72a、ナロー部非磁性膜72b及び第2のナロー部強磁性膜72cは、磁化の固定をより安定させるいわゆるシンセティックフェリピン構造となっている。すなわち、本変更態様は、図7(A)のナロー部バイアス層70においてナロー部強磁性膜70aをシンセティックフェリピン構造に置き換えた態様である。ナロー部非磁性膜72bは、間接交換相互作用を媒介する非磁性中間膜としての役割を果たしている。ナロー部反強磁性膜72dは、第2のナロー部強磁性膜72cとの間で交換結合を行い、このシンセティックフェリピン構造の磁化方向72e及び72fを固定する。次いで、第1のナロー部強磁性膜72aは、接面しているバイアス強磁性膜525bとの間で交換相互作用による結合を行い、バイアス強磁性膜525bの磁化を矢印72gの方向に固定する。次いで、磁化が固定されたバイアス強磁性膜525bは、磁化自由層に静磁界バイアス又は間接交換結合バイアスを与える。これにより、磁化自由層の単磁区化及び線形応答が実現する。
図7(D)によれば、ナロー部バイアス層73は、ジャンクション部バイアス層525のバイアス強磁性膜525b上に順次積層された、ナロー部非磁性膜73a及び硬磁性膜73bから構成される。これは、図6(A)のナロー部バイアス層526においてナロー部強磁性膜526b及びナロー部反強磁性膜526cを硬磁性膜に置き換えた態様である。ここで、硬磁性膜73bの磁化は矢印73cの方向に着磁されている。この硬磁性膜73bは、ナロー部非磁性膜73aを介してバイアス強磁性膜525bとの間で間接交換相互作用による結合を行い、バイアス強磁性膜525bの磁化を矢印73dの方向に固定する。次いで、磁化が固定されたバイアス強磁性膜525bは、磁化自由層に静磁界バイアス又は間接交換結合バイアスを与える。これにより、磁化自由層の単磁区化及び線形応答が実現する。
図7(E)によれば、ナロー部バイアス層74は、ジャンクション部バイアス層525のバイアス強磁性膜525b上に積層された硬磁性膜74aから構成される。これは、図7(A)のナロー部バイアス層74においてナロー部強磁性膜70a及びナロー部反強磁性膜70bを硬磁性膜に置き換えた態様である。ここで、硬磁性膜74aの磁化は矢印74bの方向に着磁されている。この硬磁性膜74aは、接面しているバイアス強磁性膜525bとの間で交換相互作用による結合を行い、バイアス強磁性膜525bの磁化を矢印74cの方向に固定する。次いで、磁化が固定されたバイアス強磁性膜525bは、磁化自由層に静磁界バイアス又は間接交換結合バイアスを与える。これにより、磁化自由層の単磁区化及び線形応答が実現する。
図7(F)によれば、ナロー部バイアス層75は、ジャンクション部バイアス層525のバイアス強磁性膜525b上に順次積層された、第1のナロー部非磁性膜75a、ナロー部強磁性膜75b、第2のナロー部非磁性膜75c及び硬磁性膜75dから構成される。本変更態様は、図7(B)のナロー部バイアス層71においてナロー部強磁性膜71d及びナロー部反強磁性膜71eを硬磁性膜に置き換えた態様である。ここで、硬磁性膜75dの磁化は矢印75eの方向に着磁されている。この硬磁性膜75dは、第2のナロー部非磁性膜75cを介して隣接しているナロー部強磁性膜75bとの間で間接交換相互作用による結合を行い、ナロー部強磁性膜75bの磁化を矢印75fの方向に固定する。次いで、磁化が固定されたナロー部強磁性膜75bは、第1のナロー部非磁性膜75aを介して隣接しているバイアス強磁性膜525bとの間で間接交換相互作用による結合を行い、バイアス強磁性膜525bの磁化を矢印75gの方向に固定する。次いで、磁化が固定されたバイアス強磁性膜525bは、磁化自由層に静磁界バイアス又は間接交換結合バイアスを与える。これにより、磁化自由層の単磁区化及び線形応答が実現する。
図7(G)によれば、ナロー部バイアス層76は、ジャンクション部バイアス層525のバイアス強磁性膜525b上に順次積層された、ナロー部強磁性膜76a、ナロー部非磁性膜76b及び硬磁性膜76cから構成される。本変更態様は、図7(C)のナロー部バイアス層72において第2のナロー部強磁性膜72c及びナロー部反強磁性膜72dを硬磁性膜に置き換えた態様である。ここで、硬磁性膜76cの磁化は矢印76dの方向に着磁されている。この硬磁性膜76cは、ナロー部非磁性膜76bを介して隣接しているナロー部強磁性膜76aとの間で間接交換相互作用による結合を行い、ナロー部強磁性膜76aの磁化を矢印76eの方向に固定する。次いで、磁化が固定されたナロー部強磁性膜76aは、接面しているバイアス強磁性膜525bとの間で交換相互作用による結合を行い、バイアス強磁性膜525bの磁化を矢印76fの方向に固定する。次いで、磁化が固定されたバイアス強磁性膜525bは、磁化自由層に静磁界バイアス又は間接交換結合バイアスを与える。これにより、磁化自由層の単磁区化及び線形応答が実現する。
以上、図7(A)〜(G)にナロー部バイアス層の変更態様を挙げたが、ナロー部バイアス層は、これらの態様に限定されるものではない。ナロー部バイアス層の磁化は、反強磁性膜又は硬磁性膜等によってトラック幅方向に向けられるが、この傾向は、ナロー部バイアス層がトラック幅方向に長い形状を有することに起因して発生する形状磁気異方性によって強力に補助されている。このような形状磁気異方性によって、ジャンクション部バイアス層の強磁性膜の磁化を安定的に固定する作用を及ぼす態様であれば、本発明の範囲内である。例えば、ナロー部バイアス層が、強磁性膜、又は順次積層された非磁性膜及び強磁性膜から構成されていてもよい。この場合、反強磁性膜及び硬磁性膜等の磁化を固定する手段は存在しないが、形状磁気異方性を十分に強く設定することによってナロー部バイアス層の磁化をトラック幅方向に安定させて、ジャンクション部バイアス層の強磁性膜の磁化を固定することができる。また、図7(F)及び(G)において、ナロー部強磁性膜と硬磁性膜との間に設けられている、第2のナロー部非磁性膜75c及びナロー部非磁性膜76bを、それぞれ省略してもよい。すなわち、ナロー部バイアス層において、「バイアスアシスト部」としてのナロー部強磁性膜の磁化を硬磁性膜との直接交換相互作用によって固定する態様もまた、本発明の範囲内である。
さらに、以上の種々の態様のナロー部バイアス層を用いて、磁化自由層に直接バイアスを与えてもよい。すなわち、ジャンクション部バイアス層を省略して、磁化自由層上に直接ナロー部バイアス層を形成してもよい。この場合、ナロー部バイアス層内の強磁性膜が、非磁性膜を介して隣接する磁化自由層と間接交換相互作用による結合を行うことになる。
図8(A)〜(G)は、図6の実施形態におけるMR効果素子を形成する工程を示す説明図であり、図4のA−A線断面又はB−B線断面、及び素子形成面42方向から見た平面図を示している。
図8(A)に示すように、まず、図示しないスライダ基板上に形成されたこれも図示しない絶縁層上に、例えばNiFe等からなる厚さ2μmの下部電極層52aをめっき等の方法で成膜し、さらにその上に、例えばTa、Hf、Nb、Zr、Ti、Mo又はW等からなる厚さ5nmの下部金属層521と、例えばNiFe又はNiCr等からなる厚さ5nmの下地膜522aと、例えばPtMn、NiMn、IrMn、又はRuRhMn等からなる厚さ5〜15nmの反強磁性膜522bと、例えばCoFe等からなる厚さ2nmの第1の強磁性膜522cと、例えばRu、Rh、Ir、Cr、Re又はCu等のうちの1つ又は2つ以上の合金からなる厚さ0.8nmの非磁性膜522dと、例えばCoFe等からなる厚さ3nmの第2の強磁性膜522eと、例えばAl等からなる金属膜を真空装置内に酸素を導入した雰囲気中で酸化させたAl酸化膜等からなる厚さ0.6nmの非磁性中間層523と、例えばCoFe等からなる厚さ1nmの高分極率膜524aと、例えばNiFe等からなる厚さ3nmの軟磁性膜524bと、例えばTa、Hf、Nb、Zr、Ti、Mo、W、V、Pd、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cu、Pt、Au、Ag、Al又はSi等のうちの1つ若しくは2つ以上の元素からなる合金、又はこの1つ若しくは2つ以上の元素と、Ni、Fe及びCoのうちの1つ若しくは2つ以上の元素とを含む非磁性の合金からなるバイアス非磁性膜525aと、例えば、CoFe等からなる厚さ5nmのバイアス強磁性膜525bとが順次、スパッタ法等によって成膜される。その後、第1の強磁性膜522cの磁化方向をトラック幅方向とは直交する方向に固定するための第1のアニール処理を行う。この第1のアニール処理については、後に詳述する。
次いで、図8(B)に示すように、その上に例えばリフトオフ用のフォトレジスト層を露光現像することによってフォトレジストパターン80が形成される。その後、このフォトレジストパターン80をマスクとするイオンミリング法等によって、図6(B)中の斜線で示された領域81が除去される。その後、この上に例えばAl等からなる絶縁膜がスパッタ法等によって成膜され、さらにフォトレジストパターン80を剥離するリフトオフ法によって、図8(C)に示すように、厚さ約30nmの絶縁層53´が形成されるとともに、磁化固定層522、非磁性中間層523、磁化自由層524及びジャンクション部バイアス層525、すなわちジャンクション部のトラック幅を規定するパターン部分が形成される。
次いで、図8(D)に示すように、その上に例えばRu、Rh、Ir、Cr、Re又はCu等からなる厚さ0.8nmのナロー部非磁性膜526aと、例えばCoFe等からなる厚さ5nmのナロー部強磁性膜526bと、例えばIrMn、PtMn、NiMn、又はRuRhMn等からなる厚さ15nmのナロー部反強磁性膜526cとが順次、スパッタ法等によって成膜される。
次いで、図8(E)に示すように、図8(B)と同様にして、リフトオフ用のフォトレジストパターンをマスクとするイオンミリングを行い、次いで、例えばAl等からなる絶縁膜をスパッタ法等によって成膜し、さらにリフトオフを行うことによって、図8(C)に示すように厚さ約50nmの絶縁層53´´が形成されるとともに、ナロー部バイアス層526が形成される。その後、ナロー部強磁性膜526bの磁化方向をトラック幅方向に固定するための第2のアニール処理を行う。なお、第2のアニール処理は、ナロー部バイアス層526の形成後であれば、いずれの工程において行われてもよい。例えば、後の電磁コイル素子の形成工程における他のアニール処理工程と兼用で行われてもよい。この第2のアニール処理についても、後に詳述する。
次いで、図8(F)(A−A線断面)及び(G)(B−B線断面)に示すように、その上に例えばTa、Hf、Nb、Zr、Ti、Mo又はW等からなる厚さ16nmの上部金属層527がスパッタ法等によって成膜され、さらに、この上に例えばNiFe等からなる厚さ2μmの上部電極層52bが、めっき等の方法で成膜される。以上により、MR効果素子52の形成が完了する。
なお、本実施形態における磁化固定層、非磁性中間層、磁化自由層、ジャンクション部バイアス層及びナロー部バイアス層等を構成する各膜の材料及び膜厚は、上述したものに限定されることなく、種々の材料及び膜厚が適用可能である。また各層の構成も上述したものに限定されない。例えば、磁化固定層においては、3つの膜からなるシンセティックフェリピン構造に代えて強磁性膜からなる単層構造又はその他の層数の多層構造を採用することもできる。さらに磁化自由層においても、高分極率膜及び軟磁性膜からなる2層構造の他に、軟磁性膜の単層構造又は3層以上の多層構造を採用することができる。
図9は、図6の実施形態におけるMR効果素子を形成する工程の一実施形態を概略的に示すフローチャートであり、磁化固定のためのアニール処理の説明図である。
同図によれば、最初に、ジャンクション部、すなわち磁化固定層522、非磁性中間層523、磁化自由層524及びジャンクション部バイアス層525を形成するための成膜を行う(S1)。これは、図8(A)の工程に相当する。その後、磁化固定層522内の反強磁性膜522bと第1の強磁性膜522cとの交換結合によって、第1の強磁性膜522cの磁化方向をトラック幅方向とは直交する方向に固定するための第1のアニール処理を行う(S2)。ここで、アニール温度は例えば270℃であり、トラック幅方向とは直交する方向に例えば630kA/mの磁界を印加しながらアニール処理を行う。次いで、リフトオフ法等を用いて磁化固定層522、非磁性中間層523、磁化自由層524及びジャンクション部バイアス層525、すなわちジャンクション部のトラック幅を規定するパターン部分を形成する(S3)。これは、図8(B)及び(C)の工程に相当する。次いで、ナロー部バイアス層526を形成するための成膜を行う(S4)。これは、図8(D)の工程に相当する。さらに、ナロー部バイアス層526を形成する(S5)。これは、図8(E)の工程に相当する。その後、ナロー部バイアス層526内のナロー部反強磁性膜526cとナロー部強磁性膜526bとの交換結合によって、ナロー部強磁性膜526bの磁化方向をトラック幅方向に固定するための第2のアニール処理を行う(S6)。ここで、アニール温度は、磁化固定層522のブロッキング温度未満に設定され、例えば230℃である。また、必要な印加磁界は、例えば、第1のアニール処理(S2)に比べて約1/8の大きさである79kA/mであり、弱磁界中でアニール処理を行うことができる。印加磁界の方向は、磁化固定層522の磁化とは直交するトラック幅方向である。
なお、ナロー部バイアス層526を形成するための成膜(S4)を行う際、FeMn、IrMn等の反強磁性材料を用いてナロー部反強磁性膜526cを成膜する場合は、磁界中成膜を行うことによって成膜中に交換結合磁界を発生させることができる。この場合は、第2のアニール処理(S6)において、磁化固定層の磁化方向に影響を与えない程度に小さい磁界を印加するか、又は磁界印加を省略することができる。この結果、磁化固定層の磁化方向の曲がり又は分散はほとんど発生しない。一方、弱磁界を印加するか又は磁界印加を省略しても、すでに交換結合磁界が発生しているので、ナロー部強磁性膜526bの磁化は確実に固定可能となる。アニール処理そのものは、磁化の安定化のために必要となるが、例えば、第2のアニール処理(S6)を、後の電磁コイル素子の形成工程におけるアニール処理で代用することも可能となる。
図10は、図6の実施形態におけるMR効果素子を形成する工程の他の実施形態を概略的に示すフローチャートであり、磁化固定のためのアニール処理の説明図である。
同図によれば、最初に、磁化固定層522、非磁性中間層523、磁化自由層524及びジャンクション部バイアス層525を形成するための成膜を行う(S1´)。これは、図8(A)の工程に相当する。その後、磁化固定層522内の反強磁性膜522bと第1の強磁性膜522cとの交換結合によって、第1の強磁性膜522cの磁化方向をトラック幅方向とは直交する方向に固定するための第1のアニール処理を行う(S2´)。ここで、アニール温度は例えば270℃であり、トラック幅方向とは直交する方向に例えば630kA/mの磁界を印加しながらアニール処理を行う。次いで、リフトオフ法等を用いて磁化固定層522、非磁性中間層523、磁化自由層524及びジャンクション部バイアス層525、すなわちジャンクション部のトラック幅を規定するパターン部分を形成する(S3´)。これは、図8(B)及び(C)の工程に相当する。次いで、ナロー部バイアス層526を形成するための成膜を行う(S4´)。これは、図8(D)の工程に相当する。さらに、ナロー部バイアス層526を形成する(S5´)。これは、図8(E)の工程に相当する。その後、ナロー部強磁性膜526bの磁化方向をトラック幅方向に揃えて着磁を行う(S6´)。この着磁は、例えば790kA/mの強磁界をトラック幅方向に印加し、ナロー部バイアス層526が有する強い形状磁気異方性を利用して行われる。その後、ナロー部反強磁性膜526cとの交換結合によって、ナロー部強磁性膜526bの磁化を固定するための第2のアニール処理を行う(S7´)。ここで、アニール温度は、磁化固定層522のブロッキング温度未満に設定され、例えば230℃である。さらに、印加磁界の大きさは、図9の第2のアニール処理における印加磁界よりもさらに小さい値に設定することが可能であり、磁界がゼロの状態でアニール処理を行うことも可能となる。磁界を印加する際の方向は、磁化固定層522の磁化とは直交するトラック幅方向である。
すなわち、図10に示す実施形態においては、事前にナロー部強磁性膜526bの着磁(S6´)を行っているので、第2のアニール処理(S7´)において、印加磁界をより小さく設定でき、又はゼロとすることも可能となる。これにより、磁化固定層522の磁化方向を傾けたり分散させたりすることなく、磁化固定層522の磁化方向とナロー部強磁性膜526bの磁化方向とを確実により十分な直交状態にすることができる。
なお、ナロー部バイアス層526を形成するための成膜(S4´)を行う際、FeMn、IrMn等の反強磁性材料を用いてナロー部反強磁性膜526cを成膜する場合は、磁界中成膜を行うことによって成膜中に交換結合磁界を発生させることができる。この場合は、第2のアニール処理(S7´)において、磁界印加を省略することができる。すなわち、磁界印加を行わなくとも、すでに交換結合磁界が発生しており、ナロー部強磁性膜526bもトラック幅方向に着磁しているので、ナロー部強磁性膜526bの磁化を固定することができる。なお、当然に所定の磁界印加を行ってもかまわない。すなわち、この第2のアニール処理において、例えば数十kA/m以下の磁界を作用させることで、磁気シールドや電磁コイル素子の磁極層の磁化を安定化させてもよい。また、アニール処理そのものは、ナロー部の磁化の安定化のために必要となるが、例えば、第2のアニール処理(S7´)を、後の電磁コイル素子の形成工程におけるアニール処理で代用することも可能となる。
さらに、以上に述べた実施形態及び変更態様は全て本発明を例示的に示すものであって限定的に示すものではなく、本発明は他の種々の変形態様及び変更態様で実施することができる。従って本発明の範囲は特許請求の範囲及びその均等範囲によってのみ規定されるものである。
MR効果素子において、バイアス磁界を印加する方式を説明するための断面図である。 本発明による磁気ディスク装置の一実施形態における要部の構成を概略的に示す斜視図である。 本発明によるHGAの一実施形態を示す斜視図である。 図3の実施形態におけるHGAの先端部に装着されている薄膜磁気ヘッドを示す斜視図である。 図4の実施形態における薄膜磁気ヘッドの構成を示す、図4のA−A線断面図である。 本発明によるMR効果素子の一実施形態の構成を示す、図4のB−B線断面図及び斜視図である。 ナロー部バイアス層の種々の変更態様の構成を示す、図4のB−B線断面図である。 図6の実施形態におけるMR効果素子を形成する工程を示す説明図である。 図6の実施形態におけるMR効果素子を形成する工程の一実施形態を概略的に示すフローチャートであり、磁化固定のためのアニール処理の説明図である。 図6の実施形態におけるMR効果素子を形成する工程の他の実施形態を概略的に示すフローチャートであり、磁化固定のためのアニール処理の説明図である。
符号の説明
10、10´ 下部磁極層
11、11´ 磁化固定層
12、12´ 非磁性層
13、13´ 磁化自由層
14、17´ 上部電極層
14´ バイアス非磁性層
15 絶縁層
15´ バイアス強磁性層
16 硬磁性層
16´ バイアス反強磁性層
18´ 絶縁層
20 磁気ディスク
21 スピンドルモータ
22 アセンブリキャリッジ装置
23 記録再生回路
24 駆動アーム
25 ボイスコイルモータ(VCM)
26 ピボットベアリング軸
27 HGA
30 サスペンション
31、50 スライダ基板
32 ロードビーム
33 フレクシャ
34 ベースプレート
35 配線部材
40 書き込み及び読み出し磁気ヘッド素子
41 信号端子電極
42 素子形成面
43、56 浮上面
51、52c、53、53´、53´´ 絶縁層
52 MR効果素子
520 MR積層体
521 下部金属層
522 磁化固定層
522a 下地膜
522b 反強磁性膜
522c 第1の強磁性膜
522d 非磁性膜
522e 第2の強磁性膜
523 非磁性中間層
524 磁化自由層
524a 高分極率膜
524b 軟磁性膜
525 ジャンクション部バイアス層
525a バイアス非磁性膜
525b バイアス強磁性膜
526、70、71、72、73、74、75、76 ナロー部バイアス層
526a、72b、73a、76b ナロー部非磁性膜
526b、70a、75b、76a ナロー部強磁性膜
526c、70b、71e、72d ナロー部反強磁性膜
527 下部金属層
52a 下部電極層
52b 上部電極層
54 電磁コイル素子
54a 下部磁極層
54b 磁気ギャップ層
54c コイル層
54d コイル絶縁層
54e 上部磁極層
55 オーバーコート層
57 ヘッド端面
58、59 ポール部
60、61、62、70c、70d、71f、71g、71h、72e、72f、72g、73c、73d、74b、74c、75e、75f、75g、76d、76e、76f 矢印
71a、75a 第1のナロー部非磁性膜
71b、72a 第1のナロー部強磁性膜
71c、75c 第2のナロー部非磁性膜
71d、72c 第2のナロー部強磁性膜
73b、74a、75d、76c 硬磁性膜
80 フォトレジストパターン
81 領域

Claims (24)

  1. 磁化方向が固定されている磁化固定層と、該磁化固定層上に積層された非磁性中間層と、該非磁性中間層上に積層されており印加される磁界に応じて磁化方向が可変の磁化自由層とを備えている磁気抵抗効果素子であって、
    前記磁化自由層上に形成されたバイアス非磁性膜と、該バイアス非磁性膜上に形成されており前記磁化自由層にバイアス磁界を印加するための強磁性膜とを備えた第1のバイアス層と、
    前記第1のバイアス層上に形成されており、該第1のバイアス層のパターン長よりも大きいパターン長を有しており該第1のバイアス層内の前記強磁性膜の磁化方向を固定するためのバイアスアシスト部を備えた第2のバイアス層と
    を備えていることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 前記バイアスアシスト部が、前記第1のバイアス層のパターン幅と同程度又はそれ以上のパターン幅と、自身が有する該パターン幅よりも大きいパターン長とを有することを特徴とする請求項1に記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記バイアスアシスト部が、1つの強磁性膜であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記バイアスアシスト部が、1つの硬磁性膜であることを特徴とする請求項3に記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 前記バイアスアシスト部が、非磁性中間膜を挟んで互いに間接交換結合している少なくとも2つの強磁性膜を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 前記2つの強磁性膜のうち上方に位置する強磁性膜が、硬磁性膜であることを特徴とする請求項5に記載の磁気抵抗効果素子。
  7. 前記非磁性中間膜が、Ru、Rh、Ir、Cr、Re及びCuのうちの1つ又は2つ以上からなる合金で形成されていることを特徴とする請求項5又は6に記載の磁気抵抗効果素子。
  8. 前記第2のバイアス層が、前記バイアスアシスト部上に形成されていて該バイアスアシスト部の磁化方向を固定するための反強磁性膜をさらに備えていることを特徴とする請求項1、2、3及び5のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  9. 前記第2のバイアス層が、前記バイアスアシスト部上に形成されていて該バイアスアシスト部の磁化方向を固定するための硬磁性膜をさらに備えていることを特徴とする請求項1、2、3及び5のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  10. 前記第2のバイアス層が、前記バイアスアシスト部と前記第1のバイアス層との間の間接交換結合を媒介する非磁性媒介膜を備えていることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  11. 前記非磁性媒介膜が、Ru、Rh、Ir、Cr、Re及びCuのうちの1つ又は2つ以上からなる合金で形成されていることを特徴とする請求項10に記載の磁気抵抗効果素子。
  12. 前記バイアスアシスト部の磁化が、前記磁化固定層の磁化とは直交する方向に固定されていることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  13. 前記バイアス非磁性膜が、Ta、Hf、Nb、Zr、Ti、Mo、W、V、Pd、Ru、Rh、Ir、Cr、Re、Cu、Pt、Au、Ag、Al及びSiのうちの1つ若しくは2つ以上の元素からなる合金、又は該1つ若しくは2つ以上の元素と、Ni、Fe及びCoのうちの1つ若しくは2つ以上の元素とを含む非磁性の合金で形成されていることを特徴とする請求項1から12のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  14. 少なくとも前記磁化自由層の前記パターン長方向の両側であって前記第2のバイアス層の下方に位置しているサイド軟磁性層が設けられていることを特徴とする請求項1から13のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子。
  15. 前記サイド軟磁性層の下方の位置、並びに少なくとも前記磁化固定層及び前記非磁性中間層のパターン長方向の両端部と前記サイド軟磁性層との間の位置にサイド絶縁膜が設けられていることを特徴とする請求項14に記載の磁気抵抗効果素子。
  16. データの読み出し手段として、請求項1から15のいずれか1項に記載の磁気抵抗効果素子を少なくとも1つ備えている薄膜磁気ヘッド。
  17. 請求項16に記載の薄膜磁気ヘッドと、該薄膜磁気ヘッドを支持する支持機構とを備えていることを特徴とするヘッドジンバルアセンブリ。
  18. 請求項17に記載のヘッドジンバルアセンブリを少なくとも1つ備えていることを特徴とする磁気ディスク装置。
  19. 第1の反強磁性膜と該第1の反強磁性膜によって磁化方向が固定されている第1の強磁性膜とを備えている磁化固定層と、非磁性中間層と、印加される磁界に応じて磁化方向が可変の磁化自由層と、該磁化自由層にバイアス磁界を印加するための第2の強磁性膜を備えた第1のバイアス層とを形成するための成膜を行った後、前記第1の強磁性膜の磁化方向を固定するために、所定の磁界を印加しながら第1のアニール処理を行い、次いで、前記磁化固定層と前記非磁性中間層と前記磁化自由層と前記第1のバイアス層とをパターニングによって形成し、さらに前記第1のバイアス層のパターン長よりも大きいパターン長を有しており前記第1のバイアス層の磁化方向を固定するためのバイアスアシスト部と該バイアスアシスト部の磁化方向を固定するための第2の反強磁性膜とを備えた第2のバイアス層を成膜及びパターニングによって形成した後、該バイアスアシスト部の磁化方向を固定するために、前記所定の磁界よりも小さい磁界を前記所定の磁界とは直交する方向に印加しながら前記磁化固定層のブロッキング温度未満で第2のアニール処理を行うことを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
  20. 前記第2の反強磁性膜を形成するための成膜を磁界中で行うことによって交換結合磁界を発生させた後、前記第2のアニール処理において印加する磁界を、前記磁化固定層の磁化方向に影響を与えない程度に小さい磁界又はゼロとすることを特徴とする請求項19に記載の製造方法。
  21. 第1の反強磁性膜と該第1の反強磁性膜によって磁化方向が固定されている第1の強磁性膜とを備えている磁化固定層と、非磁性中間層と、印加される磁界に応じて磁化方向が可変の磁化自由層と、該磁化自由層にバイアス磁界を印加するための第2の強磁性膜を備えた第1のバイアス層とを形成するための成膜を行った後、前記第1の強磁性膜の磁化方向を固定するために、所定の磁界を印加しながら第1のアニール処理を行い、次いで、前記磁化固定層と前記非磁性中間層と前記磁化自由層と前記第1のバイアス層とをパターニングによって形成し、さらに前記第1のバイアス層のパターン長よりも大きいパターン長を有しており前記第1のバイアス層の磁化方向を固定するためのバイアスアシスト部と該バイアスアシスト部の磁化方向を固定するための第2の反強磁性膜とを備えた第2のバイアス層を成膜及びパターニングによって形成した後、該バイアスアシスト部を着磁するために、前記第2のバイアス層内の交換結合磁界と形状磁気異方性磁界との合成磁界以上の磁界を前記所定の磁界とは直交する方向に印加する着磁処理を行い、その後、前記磁化固定層のブロッキング温度未満で第2のアニール処理を行うことを特徴とする磁気抵抗効果素子の製造方法。
  22. 前記第2のアニール処理において、前記磁化固定層の磁化方向に影響を与えない程度に小さい磁界を印加することを特徴とする請求項21に記載の製造方法。
  23. 前記バイアスアシスト部が、1つの強磁性膜又は非磁性中間膜を挟んで互いに間接交換結合している少なくとも2つの強磁性膜であることを特徴とする請求項19から22のいずれか1項に記載の製造方法。
  24. 前記バイアスアシスト部が、前記第1のバイアス層のパターン幅と同程度又はそれ以上のパターン幅と、自身の該パターン幅よりも大きいパターン長とを有することを特徴とする請求項19から23のいずれか1項に記載の製造方法。
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