JP4177954B2 - 磁気トンネル接合積層型ヘッド及びその製法 - Google Patents

磁気トンネル接合積層型ヘッド及びその製法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、再生用センサに磁気トンネル接合効果に基づく磁気抵抗(MR, magneto-resistive)センサを用いた磁気トンネル接合型ヘッド及びその製法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年の磁気記録装置の高密度化にともない、再生用のセンサには、巨大磁気抵抗(GMR, giant magneto-resistive )効果を用いたスピンバルブ型磁気抵抗センサが実用化されており、さらに、将来の高密度を実現するために、磁気トンネル接合磁気抵抗(TMR, tunneling magneto-resistive)効果に基づく磁気抵抗センサの開発がさかんに行われている。
【0003】
磁気トンネル接合効果は、2枚の強磁性層が絶縁性の接合層を挟んで接合を形成する場合、この接合抵抗が2枚の強磁性層の磁化のなす角度に依存する現象であり、2枚の強磁性層の磁化が互いに平行の場合は接合抵抗が最小になり、互いに反平行の場合は接合抵抗が最大になり、平行と反平行の中間状態では接合抵抗はこれら最大値と最小値の中間となる現象である。このような現象を生じる絶縁性の接合層(絶縁トンネル障壁層)とこれを挟んだ2枚の強磁性層を有する層のことを以下、磁気トンネル接合積層とよぶ。
【0004】
磁気トンネル接合積層は基板上の下部電極上に形成され、複数の層を積み重ねた構成であり、上部電極と接する。下部電極あるいは上部電極の一方から電流を磁気トンネル接合積層を貫いて導入し、他方の電極へ戻す。両電極間の電圧信号を検出することで磁気情報を再生する。
【0005】
磁気トンネル接合積層を構成する第1の強磁性層は、接合層と反対側に反強磁性層を有し、反強磁性層からの交換結合バイアス磁界によって、所望の範囲で印加した磁界の存在下でその磁気モーメントが回転を防止されており、固定強磁性層とよばれる。また、第2の強磁性層は接合層と反対側に反強磁性層を有さず、その磁気モーメントは所望の範囲で印加した磁界の存在下で回転自由であり、自由強磁性層とよばれる。固定強磁性層の磁気モーメントはエアーベアリング表面にほぼ直交するように向けられる。また、自由強磁性層は単一磁区でその磁気モーメントは磁界が印加されない状態でエアーベアリング表面に平行にすることが、良好な再生信号の点から望ましい。
【0006】
従来例として、特開平10-162327に開示される構造をエアベアリング表面から見た構造図を図6にしめす。
【0007】
図6に示した磁気トンネル接合積層MR再生ヘッドは、ギャップ層G1基板上に形成した下部電極102と、ギャップ層G2の下の上部電極104との間に積層されて形成された磁気トンネル接合積層体300を有する。磁気トンネル接合積体300は、固定積層310、絶縁トンネル障壁層320、自由強磁性層330、及び保護層360を有する。
【0008】
下部電極102に接して形成される固定積層310は、下部電極102上にシード層312を有し、そのシード層上には反強磁性材料からなる層を有し、その反強磁性層316上に形成され、かつ交換結合された「固定」の強磁性層を有する。この「固定の」強磁性層は、その磁気モーメントが所望の範囲で印加した磁界の存在下で回転を防止されているので固定強磁性層319と称される。この固定強磁性層319の磁気モーメントはエアーベアリング表面にほぼ直交するようにむけられる。
【0009】
従来例では、自由強磁性層330を単一磁区化し、磁化をエアベアリング表面に平行にするために、エアベアリング表面から見て磁気トンネル接合積層の両脇に硬質磁性材料350を備え、自由強磁性層330との静磁気的結合によって自由強磁性層の磁気モーメントを所望の方位に制御する。硬質磁性材料にCoPtCrのような導電性材料を用いるので、磁気トンネル接合積層と硬質磁性材料が直接接触するとトンネル接合を横切らない電流分が発生し、この電流は抵抗変化に寄与しないためにセンサの感度を低下させる。したがって硬質磁性材料層と磁気トンネル接合積層が電気的に接触しないように、これらの間にAl2O3やSiO2絶縁層370を設けている。
【0010】
別の従来例として、特開平10-255231がある。この例は先の従来例同様、自由強磁性層を磁区制御するための硬質磁性材料層または反強磁性層を自由強磁性層の両脇に配置する。但し、固定強磁性層の大きさを自由強磁性層より小さく形成したものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
特開平10-162327に開示されるようなAbutted junction型の磁気トンネル接合型ヘッドの場合、磁気トンネル接合積層300の両脇に絶縁層370を間に介在して硬質磁性材料350を配置する。絶縁層が厚くなると硬質磁性材料層350と自由強磁性層330の距離が離れるために静磁気結合が弱くなり自由強磁性層330に対する磁区制御力が弱くなり、再生信号の劣悪化が生じる。他方、硬質磁性材料層350と自由強磁性層330の距離が近くなると、自由強磁性層330の磁区制御力は強くなるが、硬質磁性材料層と磁気トンネル接合積層の絶縁耐圧が下がるために、製造プロセス中あるいは使用時に絶縁破壊し所望の性能を示さなくなる可能性が高くなる。従って特開平10-162327に開示される構造では自由強磁性層の磁気モーメントの制御を硬質磁性材料層と磁気トンネル接合積層の絶縁を確保しながら実現するのは難しいという問題点がある。
【0012】
また、特開平10-255231に開示されるように固定強磁性層を自由強磁性層より小さく形成し、自由強磁性層の両脇に硬質磁性材料を配置する場合、硬質磁性材料層を電流が分流するという問題点を克服できるが、固定強磁性層を自由強磁性層より小さく形成するには、積層膜として一体として形成された固定強磁性層と自由強磁性層のうち固定強磁性層のみをエッチングして自由強磁性層をエッチングしないで作成するという高度に困難なプロセス技術が必要となり、実用化が困難である。
【0013】
本発明では、従来例で難しかった自由強磁性層の磁気モーメントの制御をより弊害なく実現する磁気トンネル接合積層型ヘッド及びその製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
第一の磁気トンネル接合積層構成は、反強磁性層と、該反強磁性層と接し印加磁界の存在下で磁気モーメントが回転できないように反強磁性層と交換結合によってバイアスされた固定強磁性層と、該固定強磁性層に接する絶縁トンネル障壁層と、該絶縁トンネル障壁層と接し、その磁気モーメントは印加磁界の存在下で回転自由な検出用自由強磁性層と、該自由強磁性層と接する非磁性導電層と、該非磁性導電層と接する磁区制御層を有する。該磁区制御層は、2つの強磁性層と該強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層を有する。固定強磁性層の磁気モーメントは、エアベアリング表面と直交する向きをなし、磁区制御層の強磁性層の磁気モーメントはエアベアリング表面と平行の向きをなす。磁区制御層を構成する強磁性材料には、コバルト、コバルトと鉄を主成分とする合金、またはコバルトと鉄とバナジウムを主成分とする合金、またはコバルトとニッケルと銅を主成分とする合金を用いる。
【0015】
また、第二の磁気トンネル接合積層構成は、磁区制御層と、該磁区制御層と接する非磁性導電層と、該非磁性導電層と接する第一の反強磁性層と、印加磁界の存在下で磁気モーメントが回転できないように該第一の反強磁性層と接し交換結合によってバイアスされた固定強磁性層と、該固定強磁性層に接する絶縁トンネル障壁層と、該絶縁トンネル障壁層と接し、その磁気モーメントは印加磁界の存在下で回転自由な検出用自由強磁性層とを有する。上記磁区制御層は2つの強磁性層と該強磁性層に挟まれ隣接する上記強磁性層の磁気モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層を有する。固定強磁性層の磁気モーメントは、エアベアリング表面と直交する向きをなし、磁区制御層の強磁性層の磁気モーメントはエアベアリング表面と平行の向きをなす。磁区制御層を構成する強磁性材料には、コバルト、コバルトと鉄を主成分とする合金、またはコバルトと鉄とバナジウムを主成分とする合金、またはコバルトとニッケルと銅を主成分とする合金を用いる。
【0016】
また、第三の磁気トンネル接合積層構成は、第一の反強磁性層と、該第一の反強磁性層と交換結合によってバイアスされた固定強磁性層と、該固定強磁性層に接する絶縁トンネル障壁層と、該絶縁トンネル障壁層と接する自由強磁性層と、該自由強磁性層と接する非磁性導電層と、該非磁性導電層と接する磁区制御層を有する。該磁区制御層は、2つの強磁性層と、該強磁性層に挟まれ該強磁性層の磁気モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層と、上記強磁性層と隣接する第二の反強磁性層を有する。固定強磁性層の磁気モーメントは、エアベアリング表面と直交する向きをなし、磁区制御層の強磁性層の磁気モーメントはエアベアリング表面と平行の向きをなす。磁区制御層の強磁性材料にはNiFe合金, Co, CoFe合金, NiFeCo合金等の軟磁性合金を用いる。第一の反強磁性層と第二の反強磁性層には異なるブロッキング温度を有する材料を用いる。第一の反強磁性層のブロッキング温度は第二の反強磁性層のブロッキング温度より高くする。このために、第一の反強磁性層にはPtMn, NiMn, PdMn, PdPtMn合金等の規則合金を用いる。第二の反強磁性層にはIrMn, FeMn, RhRuMn, CrMnPt合金等の不規則合金を用いる。また、磁区制御膜を構成要素である2つの強磁性層と該強磁性層に挟まれた反強磁性結合層の代わりに一つの強磁性層を用いることもできる。
【0017】
第一の磁気トンネル接合積層では、2つの自由強磁性層の磁区制御力が作用する。一つは、(1)磁区制御層を構成する強磁性層端部に生じる磁極が自由強磁性層端部と静磁気的相互作用をすることにより自由強磁性層にエアベアリング表面に平行にバイアス磁界を与えることで磁区制御する。今一つは、(2)非磁性導電層と接する磁区制御層の強磁性層がRKKY相互作用またはオレンジピール相互作用によって自由強磁性層にエアベアリング表面に平行にバイアス磁界を与え、自由強磁性層を磁区制御する。磁区制御層を構成する強磁性層にコバルト、コバルトと鉄を主成分とする合金、またはコバルトと鉄とバナジウムを主成分とする合金、またはコバルトとニッケルと銅を主成分とする合金膜を用いるのは、磁化の分散を小さくし自由強磁性層の自由な磁気回転を妨げないようにするためである。
【0018】
上述の強磁性層間に反強磁性結合層を挟んだ積層構成を磁区制御層に用いるのは、分散の小さな強磁性層は異方性磁界があまり大きくないために磁気モーメントが十分には安定しないためである。
【0019】
第二の磁気トンネル接合積層は、第一の構成と構成順序はことなるが、同様に磁区制御層に2つの強磁性層で反強磁性結合層を挟んだ構成をとっている。
【0020】
第三の磁気トンネル接合積層では、磁区制御層構成は、第二の反強磁性層を強磁性層に隣接して有している。これは第二の反強磁性層が強磁性層にバイアス磁界を与えることによって磁区制御層の磁気モーメントを安定化するためである。磁区制御層を構成する強磁性層にNiFe合金, Co, CoFe合金, NiFeCo合金等の軟磁性合金を用いるのは、磁化の分散が小さいために自由強磁性への悪影響を避けるためである。また、第一の反強磁性層のブロッキング温度は第二の反強磁性層のブロッキング温度より高くするのは、第一の反強磁性層が固定強磁性層に与えるバイアス磁界の向きと、第二の反強磁性層が磁区制御を構成する強磁性層に与えるバイアス磁界の向きが異なる(直交する)構成とするためである。第一の反強磁性層にはPtMn, NiMn, PdMn, PdPtMn合金等の規則合金を用い、第二の反強磁性層にはIrMn, FeMn, RhRuMn, CrMnPt合金等の不規則合金を用いるのは前者が高いブロッキング温度を与え後者が前者より低いブロッキング温度を与えるためである。
【0021】
本発明の磁気トンネル接合積層は、上下電極で挟まれた各層を同一の真空設備内で連続して成膜することができ、磁気トンネル接合積層の脇に絶縁層でサンドイッチした永久磁石を配置したAbutted junction型のヘッドに比べ、製造工程が簡略化される。
【0022】
【発明の実施の形態】
本発明は、外部磁界を検出するために広く適用できるものであるが、情報記録及び取り出しシステムのための再生ヘッドとして特に有用なものであり、そこでは、情報は磁性媒体上の磁区の配列として記録されることとなっている。磁性媒体としては、どのような種類のものでもよく、例えば、磁気テープ、磁気ドラム、一つまたは複数のハードディスク、あるいは一つまたは複数のフレキシブルディスク等がある。磁区は、通常、トラックに添って配置され、トラックの構成としては、円環状、渦巻き状、らせん状、もしくは不定長のものがある。
【0023】
本発明が適用される代表的な情報記録および再生装置の一例を図1に示す。計算機1は、ネットワーク、キーボード、スキャナー、もしくはこれらに相当するものとの間に1つもしくは複数のインターフェースをもつ入力装置2を介して入力情報を受け取る。計算機1は、一つもしくは複数の入力装置への接続に加え、一つもしくは複数の出力装置に出力することが可能である。この出力装置3としては、計算機とインターフェースを介して接続する、ネットワーク、プリンタ、表示装置、あるいはモデム等が考えられる。計算機1に関連する他の記録装置に加え、計算機は周辺機器である磁気記録装置4へ情報を書き込んだり、磁気記録装置から情報を読み込んだりする。磁気記録装置は次の内部装置を含んでいる。
【0024】
(1)制御装置5:情報信号を書込みヘッド7に出力し、読出し(再生)ヘッド8から情報を入力し、更に、ヘッドからのフィードバック信号を受け取るためのデータ入出力部6を含む。
【0025】
(2)位置制御部9:ヘッド位置制御信号を出力し、また、ヘッド位置検出信号を入力する。
【0026】
(3)モータ制御部10:磁性媒体のヘッドに対する相対的な運動に関する、速度、停止、開始等の操作を制御し、本実施例の場合、一つあるいは複数のディスク型の磁性媒体13をシャフト12によって回転させるモータ11に、回転制御信号を出力する。各々独立した書込みヘッド7と読出し(再生)ヘッド8とを有するトランスデューサーは、磁性媒体(ディスク)13とかすかに接触するか、わずかの間隙を保ってその上を浮上するように、連結アーム14とボイスコイルモータ(VCM)15を用いて、通常、ディスクの半径方向に動く。
【0027】
上記のように、図1に示した情報記録及び再生装置は、あくまでも代表的なものである。図1に示した装置の操作は自明であるため、ここでその詳細については説明しない。
【0028】
書き込みヘッド部及び読出し用のMR再生ヘッド部を有する複合型の磁気ヘッドの構造を図2の縦断面図を用いて説明する。ヘッドはエアーベアリング表面(ABS)を形成するためにラップ仕上げされ、ABSはエアベアリングにより磁性媒体13(図1)の表面から間隔を維持する。読み出しヘッドは、第一ギャップ層G1と第二ギャップ層G2間に挟まれたMRセンサ40を有し、その第一、第二ギャップ層G1,G2も第一シールド層S1と第二シールド層S2間に挟まれている。従来のディスクドライブでは、MRセンサ40はスピンバルブセンサである。
【0029】
書き込みヘッドはコイル層Cと絶縁層I2を有し、それら絶縁層I1とI3間に挟まれ、またその絶縁層I1,I3も第一磁極片P1と第二磁極片P2に挟まれている。第三ギャップG3はその第一磁極片P1と第二磁極片P2のABSに隣接した電極先端間に挟まれ、磁気ギャップを形成する。書き込みの際には、信号電流がコイル層Cを通して導かれ、かつ磁束がエアベアリング表面で漏洩する。
【0030】
この磁束は書き込み操作の間に磁性媒体上の周回トラックを磁化する。再生の際には、回転する磁性媒体の磁化された領域は磁束を再生ヘッドのMRセンサ40に注入し、MRセンサ40内部で抵抗変化をおこす。この抵抗変化はMRセンサ40を横切る電圧変化を検出することにより検出される。図2に示す記録と再生の複合ヘッド25は、再生の第二シールドS2が書き込みヘッドの第一磁極片P1として使用される「兼用した」ヘッドである。ピギーバックヘッド(図示せず)では、第二シールドと第一電極片P1が分離した層である。
【0031】
上記したMR再生ヘッドを有する通常の磁気ディスクドライブおよび図1、図2に関する記載は、本発明を理解するための説明を目的とするものである。
【0032】
(実施例1)
本発明は、図1中の読出しヘッド8の構造に関するものであり、図2の複合ヘッドのMRセンサ40の代わりに磁気トンネル接合効果に基づくMRセンサを用いた再生用の磁気トンネル接合型ヘッドに関するものである。
【0033】
図3に示した磁気トンネル接合積層MR再生ヘッドは、ギャップ層G1基板上に形成した下部電極102と、ギャップ層G2の下の上部電極104との間に積層されて形成された磁気トンネル接合積層体100を有する。下部電極102は第一シールドS1と兼用することもある。上部電極104は第二シールドS2と兼用することもある。
【0034】
磁気トンネル接合積層100は、固定積層110、絶縁トンネル障壁層120、自由強磁性層130、非磁性導電層140、磁区制御層150及び保護層160を有する。
【0035】
下部電極102に接して形成される固定積層110は、下部電極102上にシード層112を有し、そのシード層上には反強磁性材料からなる層を有し、その反強磁性層114上に形成され、かつ交換結合された「固定」の強磁性層を有する。この「固定の」強磁性層は、その磁気モーメントが所望の範囲で印加した磁界の存在下で回転を防止されているので固定強磁性層116と称される。この固定強磁性層116の磁気モーメントはエアーベアリング表面にほぼ直交するようにむけられ、つまり、図3の矢印の先端で示すように紙面に直交する。
【0036】
この積層構造は、例えばArガスを用いたスパッタリング法で行い、各層の成膜と成膜の間で大気にさらされないように同一の真空設備内で成膜する。絶縁トンネル障壁層の形成も同様に同じ真空設備内で行い、成膜開始から終了までは大気にはさらさない。
【0037】
シード層112には1〜7(nm)Ta単層膜または,下部電極側から見て 1〜7(nm)Ta/1〜5(nm)NiFe合金積層膜または, 1〜7(nm)Ta/1〜7(nm)NiFeCr合金積層膜,または 1〜7(nm)Ta/1〜7(nm)NiCr合金積層膜を用いることができる。これらの膜厚値は、上に形成される反強磁性層114の配向性を制御し固定強磁性層との交換結合磁界を十分な大きさに確保するために適正化されている。
【0038】
また、反強磁性層114としては、7〜20nmのPtMn合金層または10〜30 (nm)のNiMnまたはPdPtMn合金層または、5〜13(nm)のIrMn合金層を用いることができる。
【0039】
固定強磁性層を固定する力の熱安定性、膜の通電寿命の点及び膜厚が薄い方がよいという点からは7〜20(nm)のPtMn合金層を用いるのが望ましい。
【0040】
また、固定強磁性層116としては、1〜3(nm)Co膜または1〜3(nm)CoFe合金膜、あるいは積層構造膜として1〜5(nm) Co/0.6〜1.0(nm) Ru/ 1〜5(nm) Co積層膜または1〜5(nm) CoFe/0.6〜1.0(nm) Ru/ 1〜5(nm) CoFe積層膜を用いることができる。積層構造をもちいる場合、Ru膜は隣接する2つの強磁性層の磁気モーメントを互いに反対方向に向ける働きを持たせるためにこの膜厚を選択している。固定強磁性層端部の磁極は自由強磁性層130の磁化をエアベアリング表面平行方向から傾け再生信号の対称性を劣化させるために固定強磁性層116端部の磁極を極力小さくすることが望ましい。従って固定強磁性層は積層構造膜とし、膜厚を調整することによって2つの強磁性層の磁気モーメントをほぼ等しくするのが望ましい。強磁性層に同じ材料を用いる場合、両強磁性層の膜厚差は5nm以下にするのが望ましい。
【0041】
絶縁トンネル障壁層120はアルミニウム酸化した膜からなりその厚さは0.5〜2nmがよい。作成法はアルミニウムをスパッタリング法で行い、酸素雰囲気中または、酸素ラジカル中で酸化して作成する。
【0042】
自由強磁性層130は強磁性材料からなり、その磁気モーメントは所望の範囲で印加した磁界の存在下で回転自由である。自由強磁性層130には、絶縁トンネル障壁層140にCoまたはCoFeを接触させて0.5〜2(nm)CoFe /1〜7(nm)NiFe、0.5〜2(nm)Co /1〜7(nm)NiFe、1〜3nmCoFe、1〜3nm CoNiFeを用いることができる。
【0043】
ここで絶縁トンネル障壁層側にCoまたはCoFeを配置するのは磁気抵抗変化を大きくするためである。
【0044】
自由強磁性層130の磁気モーメントはエアベアリング表面に平行であることが望ましく、このために、自由強磁性層130上に非磁性導電層140を隣接させ、この非磁性導電層140に隣接して、磁区制御層150を設ける。非磁性導電層140は、自由強磁性層130と磁区制御層150の磁気的結合を適度に弱くし自由強磁性層130の磁気モーメントの自由回転を妨げないようにするためと、かつ電流をトンネル障壁層に流すために導電性とする。非磁性導電層140を構成する材料は、Cu,Au,Ag, またはこれらの合金膜を用いることができ、その膜厚は1.8nm〜3.5nmにするのがよい。膜厚の下限値は、磁区制御層と自由強磁性層の層間結合を自由強磁性層の自由な磁化回転を妨げない程度に弱くすることから決まり、上限値は磁区制御層が非磁性導電層を介してバイアス磁界をある程度与え、自由強磁性層を単磁区に磁区制御することから決まる。
【0045】
磁区制御層は、強磁性層152と、強磁性層152に隣接して反強磁性結合層154と、反強磁性結合層154に隣接して強磁性層156を有する。反強磁性結合層154は隣接する2つの強磁性層152と強磁性層156の磁気モーメントを反強磁性的に結合する働きを有し、図3の152及び156中の矢印に示すように、磁気モーメントは互いに反平行構成を有する。この構成は次の2つの磁気的相互作用によって自由強磁性層の磁区制御を行う。一つは、(1)強磁性層端部に生じる磁極が自由強磁性層端部と静磁気的相互作用をすることにより自由強磁性層にエアベアリング表面に平行にバイアス磁界を与え、自由強磁性層を単一磁区構造にする効果であり、今一つは、(2)非磁性導電層と接する磁区制御層側の強磁性層がRKKY相互作用またはオレンジピール相互作用によって自由強磁性層にエアベアリング表面に平行にバイアス磁界を与え、自由強磁性層を単一磁区構造にする効果である。
【0046】
(1)の効果は強磁性層152と強磁性層156の磁気モーメントの大きさに差を設ける、即ち膜厚差を変えることで自由強磁性層に与えるバイアス磁界を制御することができる。自由強磁性層に与えるバイアス磁界の向きは図3で、156の磁気モーメントが152の磁気モーメントより大きい場合右から左となり、156の磁気モーメントが152の磁気モーメントより小さい場合左から右となる。(2)の効果は非磁性導電層の膜厚を変えることにより自由強磁性層に与えるバイアス磁界を制御することができ、通常152の磁気モーメント矢印の向きに平行で、図3の自由強磁性層で右から左となる。従って、(1)と(2)の効果を相殺させないためには、2つの強磁性層のうち自由強磁性層側の強磁性層152の磁気モーメントをもう一方の強磁性層156の磁気モーメントより小さくするのが望ましい。両強磁性層に同一材料を用いる場合、自由強磁性層側の強磁性層152の膜厚をもう一方の強磁性層156の膜厚より小さくするのが望ましい。
【0047】
磁区制御層150は膜面内に磁極を生じず、自由強磁性層の自由な磁気回転を妨げないような材料であることが望ましく、かつ、所望の外部磁界の存在下でその磁気モーメントが回転しないことも必要である。磁気モーメントが回転しないためには異方性磁界(または保磁力)が大きいことが必須である。磁区制御層150に単層の強磁性層を用いて異方性磁界を大きくする場合、永久磁石材料を用いることが考えられるが、永久磁石材料は磁化の分散が大きく膜面内に磁極を生じるために自由強磁性層の保磁力を大きくし、その自由な磁化回転を妨げるために、磁区制御層として適さない。また逆に、自由強磁性層の磁化回転を妨げないように磁化の分散の小さな強磁性層を用いる場合、磁化分散の小さな強磁性層は保磁力が小さいために外部磁界で容易に回転するという問題点があり、これまた、磁区制御層として適さない。
【0048】
そこで、このような問題点を解決するために、本発明では磁区制御層に積層構成を用いる。積層構成は少なくとも2つの強磁性層と、これら強磁性層に挟まれ該強磁性層の磁気モーメントを反平行に結合させる反強磁性結合層を有し、強磁性層どおしが強固に反強磁性結合しており、所望の外部磁界存在下で一体の磁性体として挙動する。上記積層構成のトータルの磁気モーメントは、2つの磁気モーメントが反平行であるために見かけ上小さくなっている。このため、外部磁界存在下で上記積層構成を回転しようとするトルクは小さくなり、外部磁界に対して磁気回転し難くなる。即ち、上記積層構成を採用することにより実効的な異方性磁界(または、実効的保磁力)は大きくなる。上記積層構成の両強磁性層の磁気モーメント差を小さくすればするほど実効的異方性磁界(または実効的保磁力)は増大するが上記積層構成端部に生じる磁極量も相殺して小さくなるので必要に応じて調整する必要がある。上記積層構成に用いる強磁性材料には磁化分散の小さい、言い換えるとヒステリシス曲線の角形比が大きい材料が膜面内に磁極を生じない点から望ましい。また、異方性磁界(または保磁力)が大きいことも望ましい。具体的材料としては異方性磁界または保磁力は4000 A/m 以上で、ヒステリシス曲線の角型比が0.95以上有する材料が望ましい。具体的な材料としては、コバルト−鉄合金膜(保磁力が約4000 A/m)、コバルト−鉄−バナジウム合金膜(保磁力8000〜16000 A/m)、あるいはコバルト−ニッケル−銅合金膜(保磁力16000〜48000 A/m)を用いることができる。また、上記積層構成の両強磁性層間の反強磁性結合磁界が強ければ強い程、強い外部磁界に対してもフェリ積層体が一体となって挙動するため外部磁界に対して回転し難くなる。したがって反強磁性結合磁界は大きい方が望ましく、具体的には、少なくとも80 kA/m以上、望ましくは160 kA/m 以上が必要である。材料としては、Ru,Ir,Rhを用いることができ、厚さ1.0nm以下で反強磁性結合を生じ、望ましい膜厚は0.5から1.0nmである。また、反強磁性結合磁界は磁区制御層を構成する強磁性層の膜厚とも関連しており、これを十分大きくするためには両強磁性層の膜厚をともに6nm以下とするのが望ましい。
【0049】
上述の例は磁区制御層を2つの強磁性層と1つの反強磁性結合層で構成しているが、2つ以上の複数の強磁性層とこれらの間に挟まれた反強磁性結合層をもちいても同様の効果を実現することができる。
【0050】
図5は磁気ディスクドライブの磁気記録媒体に隣接した図3に示した磁気トンネル接合積層MR再生ヘッドの概略斜視図であり、再生ヘッドの操作を説明するための分離した磁気トンネル接合積層100の必要部を示している。記録媒体上のトラック幅Twを有するデータトラックが、矢印182に示された方向に磁界hを発生する記録データを有するように描かれている。固定強磁性層116は、エアベアリング表面(ABS)に直行するように、かつ、記録媒体からの磁界h方向にほぼ平行あるいは反平行に向けられた矢印で示される磁気モーメントを有する。記録データからの印加磁界hの存在下でも、固定強磁性層の磁気モーメントは隣接する反強磁性層114からの界面交換結合磁界により固定される。自由強磁性層130は、エアーベアリング表面での検出エッジと背面エッジ190と、背面エッジ192と、2個の平行な側面エッジ194、196を有した、概ね矩形状の形を有する。図に示すように、磁気トンネル接合積層100の他の層は、層130のエッジに隣接する複数のエッジを有する。自由強磁性層130は、印加磁界の存在しない状態で、エアベアリング表面に平行な方向に向けられた磁気モーメント132を有する。自由強磁性層に隣接して非磁性導電層140を有し、非磁性導電層140に隣接して磁区制御層150を有する。非磁性導電層140及び磁区制御層150は自由強磁性層と同様に矩形の形を有する。磁区制御層150は、非磁性導電層140に隣接する強磁性層152と、強磁性層152に隣接する反強磁性結合層154と、反強磁性結合層154に隣接する強磁性層156からなる。
【0051】
強磁性層152及び156の磁気モーメントはエアベアリング表面に平行で、互いに反平行を向き、大きさに差を有する。これらの磁気モーメントの大きさの差により側面に残る磁極が自由強磁性層130の側面194及び196と静磁気的結合し自由強磁性の磁気モーメントを、印加磁界の存在しない状態でエアベアリング表面に平行方向、則ち実線矢印の方向に制御する。
【0052】
また、非磁性導電層140を通して生じるRKKY相互作用及びオレンジピール相互作用は自由強磁性層に矢印132方向のバイアス磁界を与え自由強磁性層の磁気モーメントを矢印132方向に磁区制御する。
【0053】
検出電流Iが下部電極層102から、反強磁性層114、固定強磁性層116、トンネル強磁性層120、自由強磁性層130、磁区制御層150と直行して導かれ(一部省略した層もある)、上部電極層104を通して出ていく。絶縁トンネル障壁層120を流れるトンネル電流は、トンネル障壁層120に隣接する固定強磁性層116と自由強磁性層130の磁気モーメントとの相対角度の関数である。記録データからの磁界hは自由強磁性層130の磁気モーメントの方向を点線の矢印に示されるように方向132から離れるように回転させる。これにより、固定強磁性層116と自由強磁性層130の磁気モーメントの相対方向が変化し、磁気トンネル接合積層の抵抗変化を生じる。抵抗変化を磁気ディスクドライブの電子部品により検出され再生データとして処理される。
【0054】
(実施例2)
本実施例は先の実施例を変形した例であり、用いている原理は先の例に示されたものの範囲内である。
【0055】
図4に示した磁気トンネル接合型再生ヘッドは、ギャップ層G1基板上に形成した下部電極102と、ギャップ層G2の下の上部電極104との間に積層され形成された磁気トンネル接合積層体200を有する。下部電極102は第一シールドS1と兼用することもある。上部電極104は第二シールドS2と兼用することもある。
【0056】
磁気トンネル接合積層200は、磁区制御層250、非磁性導電層240、固定積層210、絶縁トンネル障壁層220及び自由強磁性層230を有する。
【0057】
下部電極102に接して形成される磁区制御層250は、下部電極102上にシード層212を有し、そのシード層上に強磁性層252を有し、その強磁性層252層上に反強磁性結合層254有を有し、その反強磁性結合層上に強磁性層256を有する。磁区制御層250上には、非磁性導電層240を有し、非磁性導電層240上には固定積層210を有する。固定積層210は、反強磁性層214と反強磁性層に直接接触する固定強磁性層216からなる。固定強磁性層216は、その磁気モーメントが所望の範囲で印加した磁界の存在下で回転を防止されているので固定強磁性層と称される。この固定強磁性層216の磁気モーメントはエアーベアリング表面にほぼ直交するようにむけられ、つまり、図4の矢印の先端で示すように紙面に直交する。固定強磁性層216上には絶縁トンネル障壁層220を有し、絶縁トンネル障壁層220上には自由強磁性層230を有する。自由強磁性層上には保護層260を有する。保護層は製造プロセス中に磁気トンネル接合積層200が損傷を受けるのを防止する。自由強磁性層230は強磁性材料からなり、反強磁性層に交換結合しておらず、その磁気モーメントは所望の範囲で印加した磁界の存在下で回転自由である。自由強磁性層の磁気モーメントは磁界が存在しない状態で、その磁気モーメントがエアベアリング表面(図2参照)に平行に向けられ(図4の230層中の矢印方向)、固定強磁性層216の磁気モーメントの方向とほぼ直交するようにするのが望ましい。
【0058】
この積層構造は、例えばArガスを用いたスパッタリング法で行い、各層の成膜と成膜の間に大気にさらさないように同一の真空設備内で成膜する。酸化物層の形成も同様に同じ真空設備内で行う。積層構造成膜開始から終了までは大気にはさらさない。
【0059】
シード層212には1〜7(nm)Ta単層膜を用いることができ、または同じ膜厚のZr膜、Hf膜を用いることもできる。シード膜は上に形成される磁区制御層250の配向性を制御し、磁区制御膜を構成する強磁性層間の反強磁性結合磁界を十分大きくすることと、さらに上に形成される反強磁性層214及び固定強磁性層216の結晶配向性を制御し固定強磁性層216の磁気的安定性を確保する。
【0060】
磁区制御層250は、強磁性層252と、強磁性層252に隣接する反強磁性結合層254と、反強磁性結合層254に隣接する強磁性層256を有する。実施例1と同様、反強磁性結合層254は隣接する2つの強磁性層252及び256の磁気モーメントを反平行に結合する働きを有する。磁区制御層250は、自由強磁性層230の磁気モーメントをエアベアリング表面に平行にする働きを有する。即ち、図4の252及び256中の矢印に示すように、磁気モーメントは互いに反平行構成を有し、強磁性層252と強磁性層256の磁気モーメントの大きさには差をもうけており、磁区制御層250トータルとしては端部に磁極を余すことになる。磁区制御層250の端部に生じる磁極は、自由強磁性層230にエアベアリング表面と平行方向にバイアス磁界を生じ、この磁界によって自由強磁性層は磁区制御される。自由強磁性層に与える磁区制御力は、互いに反平行の磁気モーメントの大きさに差を設けることにより得られ、例えば同一材料を用いた場合は両強磁性層252,256の膜厚差を変えることによって調整することができる。
【0061】
先の例と同様、非磁性導電層240を構成する材料は、Cu,Au,Agまたは、これらの合金膜を用いることができる。本構成では非磁性導電層と自由強磁性層が直接接触しないために、実施例1に示したようなRKKYまたはオレンジピール相互作用による磁区制御効果は生じない。強磁性層252と256には、先の例と同様に、各々単独膜の特性として異方性磁界または保磁力は4000 A/m以上で、ヒステリシス曲線の角型比が0.95以上有することが望ましい。具体的な材料としては、コバルト−鉄合金膜(保磁力が約4000 A/m)、コバルト−鉄−バナジウム合金膜(保磁力8000〜16000 A/m )またはコバルト−ニッケル−銅合金(保磁力16000〜48000 A/m)を用いることができる。また、両強磁性層の厚さはともに6nm以下が望ましい。
【0062】
また、反強磁性結合層254には、Ru,Ir,Rhを用いることができ、厚さ1.0nm以下で反強磁性結合を生じ、望ましい膜厚は0.5から1.0nmである。
【0063】
この例では磁区制御層を2つの強磁性層と1つの反強磁性結合層で構成しているが、2つ以上の複数の強磁性層とこれらの間に挟まれた反強磁性結合層をもちいても同様の効果を実現することができる。
【0064】
反強磁性層214としては、先の実施例と同様、7〜20nmのPtMn合金層または10〜30 (nm)のNiMn、PdMn、PdPtMn合金層または、5〜13(nm)のIrMn合金層を用いることができるが、固定強磁性層を固定する力の熱安定性、膜の通電寿命の点からは7〜20(nm)のPtMn合金層を用いるのが望ましい。
【0065】
固定強磁性層216としては、1〜3(nm)Co膜または1〜3(nm)CoFe合金膜、あるいは積層構造膜として1〜5(nm) Co/0.6〜1.0(nm) Ru/ 1〜5(nm) Co積層膜または1〜5(nm) CoFe/0.6〜1.0(nm) Ru/ 1〜5(nm) CoFe積層膜を用いることができる。
【0066】
固定強磁性層に積層構造をもちいる場合、Ru膜は隣接する2つの強磁性層の磁気モーメントを互いに反対方向に向ける働きを持たせるためにこの膜厚を選択している。固定強磁性層端部の磁極は自由強磁性層の磁気モーメントをABS平行方向から傾け再生信号の対称性劣化するために固定強磁性層端部の磁極は極力小さくすることが望ましい。従って固定強磁性層は積層構造膜とし、膜厚を調整することによって2つの強磁性層の磁気モーメントをほぼ等しくするのが望ましい。積層構造膜に用いる強磁性層には同じ材料を用いる場合、両強磁性層の膜厚差は5nm以下にするのが望ましい。
【0067】
絶縁トンネル障壁層140はアルミニウム酸化した膜からなりその厚さは0.5〜2nmとする。作成法はアルミニウムをスパッタリング法をもちいてデポし、同一成膜設備内の別のユニットで酸素雰囲気中または、酸素ラジカル中で酸化して作成する。
【0068】
自由強磁性層230は強磁性材料からなり、自由強磁性層には絶縁トンネル障壁層側から0.5〜2(nm)CoFe /1〜7(nm)NiFe、0.5〜2(nm)Co /1〜7(nm)NiFe/または、1〜3nmCoFeを用いることができる。ここで絶縁トンネル障壁層側にCoまたはCoFeを配置するのは磁気抵抗変化を大きくするためである。
【0069】
(実施例3)
図7に示した磁気トンネル接合積層MR再生ヘッドは、ギャップ層G1基板上に形成した下部電極102と、ギャップ層G2の下の上部電極104との間に積層された形成された磁気トンネル接合積層体500を有する。下部電極102は第一シールドS1と兼用することもある。上部電極104は第二シールドS2と兼用することもある。この場合ギャップ層G1, G2は不要である。図7はエアベアリング表面から見た図である。
【0070】
磁気トンネル接合積層500は、実施例1と同様、固定積層510、絶縁トンネル障壁層520、自由強磁性層530、非磁性導電層540及び磁区制御層550を有する。
【0071】
この磁気トンネル接合積層500は、先の実施例と同様Arガスを用いたスパッタリング法で行い、各層の成膜と成膜の間に大気にさらさないように同一の真空設備内で成膜する。
【0072】
図7(a)に実施例のひとつを示す。シード層512、 反強磁性層514、固定強磁性層516、絶縁トンネル障壁層520、自由強磁性層530及び非磁性導電層540には、実施例1と同じ構成を用いる。
【0073】
本実施例が実施例1と異なるのは、磁区制御層に、反強磁性層580が加わっている点と磁区制御層を構成する強磁性層として、固定強磁性層や自由強磁性層で用いている材料を用いることができる点である。
【0074】
実施例1では、(1)磁区制御層150が所望の外部磁界存在下でその磁気モーメントが回転しないようにするために2つの強磁性層152と156は異方性磁界をある程度大きくし、(2)自由強磁性層の磁化回転を妨げないようにするために、磁化分散の少ない材料を用いた。このために、コバルト−鉄合金膜(保磁力が約4000 A/m)、コバルト−鉄−バナジウム合金膜(保磁力8000〜16000 A/m)、あるいはコバルト−ニッケル−銅合金膜(保磁力16000〜48000 A/m)などの自由強磁性層や固定強磁性層とは異なる材料を用いる必要があった。ところが、本実施例では、新たに反強磁性層580を設け、磁区制御層を構成する強磁性層556にバイアス磁界を与えることによって磁区制御層の磁気モーメントを固定する。このため強磁性層に用いる材料は固定強磁性層516や自由強磁性層530と同じ材料を用いることができる。これによって磁区制御層面内に磁極を生じることがなく、自由強磁性層にあたえる悪影響を回避することができる。
【0075】
2つの反強磁性層514と580が隣接する強磁性層に与えるバイアス磁界の向きは異なる構成とする。514は固定強磁性層に対してエアベリング表面と直交方向に、580は磁区制御を構成する強磁性層556に対してエアベアリング表面と平行方向に、バイアス磁界を与える構成とする。この構成を実現するために、2つの反強磁性層514と580は異なるブロッキング温度を有することとする。望ましくは固定強磁性層に隣接する反強磁性層514のブロッキング温度を磁区制御層の反強磁性層580のブロッキング温度より高くする。514の反強磁性層には、PtMn、NiMn、PdMn, PdPtMn合金等規則合金型のブロッキング温度の高い材料層を用いることができ、PtMn及びNiMnの望ましい膜厚はそれぞれ7〜20nm、10〜30 (nm)である。これらの材料を用いた反強磁性層は300℃以上の高いブロッキング温度を有する。
【0076】
一方、580の反強磁性層には、IrMn, FeMn, RhMn, RuMn合金等不規則合金型の先の材料よりブロッキング温度の低い材料を用いる。後者の材料の望ましいブロッキング温度は200℃以下である。また、CrMnPt合金のように同じ材料でもその膜厚によってブロッキング温度が異なる場合、前者には高いブロッキング温度となる膜厚、後者には低いブロッキング温度を与える膜厚構成とすることによって、同じ材料を514と580に用いることもできる。
【0077】
2つの反強磁性層の与えるバイアス方向を異なる方向にするには、少なくとも2回の磁界中熱処理を行う。最初の熱処理は514のバイアス磁界を設定するための熱処理で、エアベアリング表面と直交方向に磁界を印加しながら合金が規則化し安定なバイアス磁界を隣接する強磁性層に与えるに十分な時間と温度の熱処理を行い、室温付近まで冷却する。2回目の熱処理は580のバイアス磁界を設定するための熱処理で、磁界をエアベアリング表面と平行で最初の熱処理時の磁界方向と直交する方向に印加しながら、最初の熱処理より低い温度で、580が安定なバイアス磁界を隣接する強磁性層に与えるような温度で、かつ最初の熱処理で514に設定したバイアス磁界を乱さない温度で行う。たとえば、514にPtMnを用い、580にIrMnを用いる場合、最初の熱処理を240℃以上で行い、2回目の熱処理を200℃以下で行う。
【0078】
本実施例の変形例を図7(b)に示す。この例は磁区制御層が単層の強磁性層552と反強磁性層580からなる。
【0079】
この場合は、(1)強磁性層端部に生じる磁極が自由強磁性層端部との静磁気的相互作用をすることにより自由強磁性層に与えるバイアス磁界と (2)非磁性導電層と接する磁区制御層側の強磁性層がRKKY相互作用またはオレンジピール相互作用によって自由強磁性層に与えるバイアス磁界の向きが反対となり互いに相殺する方向となるため、両者の効果に差をもうけるように膜厚構成を適宜選択する。
【0080】
(実施例4)
図8に示した磁気トンネル接合積層MR再生ヘッドは、ギャップ層G1基板上に形成した下部電極102と、ギャップ層G2の下の上部電極104との間に積層され形成された磁気トンネル接合積層体400を有する。下部電極102は第一シールドS1と兼用することもある。上部電極104は第二シールドS2と兼用することもある。
【0081】
この場合ギャップ層G1, G2は不要である。図8はエアベアリング表面から見た図である。
【0082】
磁気トンネル接合積層400は、実施例2と同様、磁区制御層450、非磁性導電層440、固定積層410、絶縁トンネル障壁層420、自由強磁性層430、保護層460を有する。シード層412、非磁性導電層440、固定積層410、絶縁トンネル障壁層420、自由強磁性層430及び保護層460には、実施例2と同じ構成を用いる。
【0083】
実施例2と異なるのは、磁区制御層に、反強磁性層480が加わっている点と磁区制御層を構成する強磁性層として、固定強磁性層や自由強磁性層で用いている材料を用いることができる点である。
【0084】
本実施例は2つの反強磁性層を有する点及びその機能が実施例3と同じである。414は固定強磁性層に対してエアベリング表面と直交方向に、480は磁区制御を構成する強磁性層456に対してエアベアリング表面と平行方向に、バイアス磁界を与える構成である。この構成を実現するために2つの反強磁性層414と480は異なるブロッキング温度を有する。望ましくは固定強磁性層に隣接する反強磁性層のブロッキング温度を磁区制御層のブロッキング温度より高くする。414の反強磁性層には、実施例3の514と同じ材料を用い、480の反強磁性層には実施例3の580と同じ材料を用いることができる。
【0085】
2つの反強磁性層の与えるバイアス方向を異なる方向にするには、少なくとも2回の磁界中熱処理で行う必要があり、実施例3と同じ方法で行う。
【0086】
(実施例5)
本発明による磁気トンネル接合型磁気ヘッドは、高密度に記録媒体上に記録されたデータを高感度に読み出すことができるために、高密度記録に適している垂直磁気記録用の再生ヘッドとして用いることによってその効果を一層発揮する。
【0087】
図9は、垂直磁気記録媒体と本発明による磁気トンネル接合積層型磁気ヘッドの構成を示す。ヘッドはエアーベアリング表面(ABS)を形成するためにラップ仕上げされ、ABSはエアベアリングにより磁性媒体70の表面から間隔を維持する。再生ヘッドは、磁気トンネル接合積層を有し、磁気トンネル接合積層は第一シールド層S1と第二シールド層S2間に挟まれている。磁気トンネル接合積層には実施例1〜実施例4で開示された磁気トンネル接合積層100、200、300、400が用いられる。書き込みヘッドはコイル層Cと絶縁層I1とI3を有し、それら絶縁層I1とI3間に挟まれ、またその絶縁層I1,I3も第一磁極片P1と主端磁極片P4に挟まれている。書き込みの際には、信号電流がコイル層Cを通して導かれ、記録磁束73がエアベアリング表面で発生する。記録媒体は記録磁化層70と軟磁性層72からなり、記録磁束73は記録磁化層70で媒体面に垂直となっており、媒体記録層の磁化71を媒体面に垂直に磁化する。記録磁化層70を通り抜けた磁束は軟磁性層72を通って磁極P1に戻る。磁極P1は磁極P4に比べて断面積が著しく大きくなっておりP1に磁束が戻る際に記録媒体磁化状態に影響がでない程度に磁束密度が小さくなるようにする。再生の際は、回転する記録磁化71は磁束74を再生ヘッドの磁気トンネル接合積層に注入し、磁気トンネル接合積層層に抵抗変化をおこす。この抵抗変化はトンネル接合積層体を横切る電圧変化を検出することにより検出される。
【0088】
図11(a)には垂直記録された磁化を再生したさいの検出される信号を示す。磁化遷移に伴って、出力が正の値から負の値または負の値から正の値に変化する波形であり、現状の信号処理では扱えない波形である。そこで、この信号を電気的処理あるいは、磁気ヘッドを構造的に工夫することによって(b)のような波形(a)を微分した形状に変換して情報信号として扱う。
【0089】
(実施例6)
以上の例では、磁気トンネル接合積層をABS面に露出させることを前提に記述しているが、必ずしもABS面に露出させる必要はなく、ABS面からリセスし、ABS面から磁気トンネル接合積層の間に磁束を誘導する軟磁性体からなるフラックスガイドを配置する事もできる。図10に一例を示す。磁気トンネル接合積層100, 500はABS面からリセスして配置しており、ABSと磁気トンネル接合積層の間にフラックスガイドFGDを配置する。フラックスガイドは磁気トンネル接合積層の一部から形成する。即ち、自由強磁性層130(530)と非磁性導電層140(150)と磁区制御層150(560)とからなっており、フラックスガイド部分には絶縁トンネル障壁層と固定強磁性層とこれと接する第一の反強磁性層は存在しない。フラックスガイド部分にも磁区制御層があることからフラックスガイドは磁区制御されておりバルクハウゼンノイズの発生源になることを回避している。また、自由強磁性層とは別に軟磁性層をフラックスガイドとして設けることもできる。後者の場合フラックスガイドの厚さを自由強磁性層より厚くすることによって磁束の吸い込み効率を上げることもできる。またフラックスガイドの磁束の吸い込み効率を上げるために図10の(c)に示すようにエアベアリング表面で幅が狭く、エアベアリング表面から離れるにつれて幅が広くなる構造とするのがのぞましい。
【0090】
フラックスガイドを用いる場合、センサ膜をABS表面からリセスすることができ、センサ膜の損傷というデメリットやセンサ膜をABS面に露出した場合の寸法微細化に伴う素子抵抗増大に起因するノイズの増大という問題を回避することができる。
【0091】
【発明の効果】
本発明によれば、磁気トンネル接合積層の脇に絶縁層でサンドイッチした永久磁石を配置した従来のAbutted junction型の磁気トンネル接合型ヘッドに比べ自由強磁性層の磁区制御力が強く、自由強磁性層の特性劣化を生じさせることが少ない磁気トンネル接合型ヘッドが提供できる。
【0092】
また、本発明は高密度記録磁化情報の再生に適しており、垂直磁気記録用の再生ヘッドに用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用される情報記録及び再生装置の一例の概略を示す図。
【図2】書き込みヘッドに隣接したMR再生ヘッドを有する複合ヘッドの縦断面図。
【図3】本発明の実施例1による磁気トンネル接合積層MR再生ヘッドの断面図。
【図4】本発明の実施例2による磁気トンネル接合積層MR再生ヘッドの断面図。
【図5】本発明の実施例1による磁気トンネル接合積層MR再生ヘッドの斜視図。
【図6】従来の磁気トンネル接合積層再生ヘッドの断面図。
【図7】本発明の実施例3による磁気トンネル接合積層MR再生ヘッドの断面図。
【図8】本発明の実施例4による磁気トンネル接合積層MR再生ヘッドの断面図。
【図9】本発明の実施例5に関し、垂直磁気記録ヘッドへ応用した場合の記録媒体との関係を表す図。
【図10】本発明の実施例6に関し、フラックスガイド型磁気トンネル接合積層の構造図。
【図11】垂直記録磁化情報を再生したときの信号波形を表す図。
【符号の説明】
100, 200, 300, 400, 500…磁気トンネル接合積層、102…下部電極、104…上部電極、110, 210, 310, 410, 510…固定積層、112, 212, 312, 412, 512…シード層、114, 214, 316, 414,514…反強磁性層、116, 216, 319, 416, 516…固定強磁性層、120, 220, 320, 420, 520…絶縁トンネル障壁層、130, 230, 330, 430, 530…自由強磁性、140, 240, 440, 540…非磁性導電層、150, 250, 350, 450, 550…磁区制御層、152, 252, 452, 552…強磁性層、 154, 254, 454, 554…反強磁性結合層、156, 256, 456, 556…強磁性層、160, 260, 360, 460, 560…保護層、G1…第一ギャップ層、G2…第二ギャップ層、G3…第三ギャップ層、S1…第一シールド層、S2…第二シールド層、P1…第一磁極片、P2…第二磁極片、IL1, IL2, IL3…絶縁層、C…コイル、70…垂直記録磁化層、71…記録磁化、72…軟磁性層、73…記録磁界、74…再生磁束、FGD…フラックスガイド。

Claims (27)

  1. 反強磁性層と、該反強磁性層に隣接しこの層の磁化により磁気的に固定された固定強磁性層と、該反強磁性層の磁化から磁気的に自由な自由強磁性層と、これらの強磁性層間に挟まれた絶縁層と、これらの層に電流を印加する一対の電極とを有し、
    上記自由強磁性層と上記電極の一方との間に、上記自由強磁性層を磁区制御する強磁性層の積層膜を形成し、上記強磁性層の積層膜は、2つの強磁性層と、これらの強磁性層間に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とを有し、
    上記2つの強磁性層のうち自由強磁性層側の強磁性層と上記自由強磁性層との間に隣接して形成される非磁性導電層を有し、上記非磁性導電層の膜厚は1.8nm〜3.5nmの範囲内であり、
    上記2つの強磁性層の磁気モーメントは反平行であり、上記2つの強磁性層のうち自由強磁性層側の強磁性層の磁気モーメントと上記自由強磁性層の磁気モーメントとは平行であり、上記自由強磁性層側の強磁性層の磁気モーメントは、上記電極の一方側の強磁性層の磁気モーメントより小さく、
    上記自由強磁性層は、上記2つの強磁性層のうち上記電極の一方側の強磁性層に生じる磁極による静磁気的相互作用、及び、上記2つの強磁性層のうち自由強磁性層側の強磁性層と前記自由強磁性層との間に働く RKKY 相互作用またはオレンジピール相互作用、により磁区制御される、ことを特徴とする磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  2. 上記非磁性導電層は、銅、金、銀のうちの1種または、少なくともこれらの1種以上を含む合金からなることを特徴とする請求項1に記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  3. 上記2つの強磁性層は同一材料からなり、上記自由強磁性層側の強磁性層の膜厚は、もう一方の強磁性層の膜厚より小さいことを特徴とする請求項1に記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  4. 上記2つの強磁性層が、コバルト、コバルトと鉄を主成分とする合金、コバルトと鉄とバナジウムを主成分とする合金、またはコバルトとニッケルと銅を主成分とする合金からなり、上記反強磁性結合層がルテニウム、ロジウム、イリジウムまたはこれらの合金からなることを特徴とする請求項1記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  5. 上記固定強磁性層が、複数の強磁性層と、これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからなることを特徴とする請求項1記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  6. 上記固定強磁性層が、複数の強磁性層と、これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからなり、複数の固定強磁性層の磁気モーメントが実質上等しく互いに相殺し、固定強磁性層トータルの磁気モーメントが実質上ゼロであることを特徴とする請求項1記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  7. 上記上下電極に挟まれた層がABS面に露出していることを特徴とする請求項1記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  8. 上記絶縁層と電極の一方との間に挟まれた上記自由強磁性層と磁区制御層を有する層がABS面に露出し、フラックスガイドとなっていることを特徴とする請求項1記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  9. 反強磁性層と、該反強磁性層に隣接しこの層の磁化により磁気的に固定された固定強磁性層と、該反強磁性層の磁化から磁気的に自由な自由強磁性層と、これらの強磁性層間に挟まれた絶縁層と、上記自由強磁性層を磁区制御する磁区制御層と、上記磁区制御層と上記自由強磁性層の間に隣接して設けられた非磁性導電層と、これらの層に電流を印加する一対の電極とを有し、
    上記非磁性導電層の膜厚は1.8nm〜3.5nmの範囲内であり、
    上記磁区制御層は、強磁性層の積層膜から形成され、上記強磁性層の積層膜は、2つの強磁性層と、これらの強磁性層間に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とを有し、上記2つの強磁性層の磁気モーメントは反平行であり、上記2つの強磁性層のうち自由強磁性層側の強磁性層の磁気モーメントと上記自由強磁性層の磁気モーメントとは平行であり、上記自由強磁性層側の強磁性層の磁気モーメントは、もう一方の強磁性層の磁気モーメントより小さく、
    上記自由強磁性層は、上記2つの強磁性層のうち上記もう一方の強磁性層に生じる磁極による静磁気的相互作用、及び、上記2つの強磁性層のうち自由強磁性層側の強磁性層と前記自由強磁性層との間に働く RKKY 相互作用またはオレンジピール相互作用、により磁区制御される、ことを特徴とする磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  10. 上記磁区制御層の自由強磁性層側の強磁性層が、上記非磁性導電層を介して上記自由強磁性層にバイアス磁界を与えることを特徴とする請求項9記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  11. 上記自由強磁性層及び磁区制御層と接する上記非磁性導電層が銅、金、銀のうちの1種または、少なくともこれらの1種以上を含む合金からなることを特徴とする請求項9記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  12. 上記2つの強磁性層が、コバルト、コバルトと鉄を主成分とする合金、コバルトと鉄とバナジウムを主成分とする合金、またはコバルトとニッケルと銅を主成分とする合金からなり、上記反強磁性結合層がルテニウム、ロジウム、イリジウムまたはこれらの合金からなることを特徴とする請求項11記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  13. 上記固定強磁性層が複数の強磁性層と、これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからなることを特徴とする請求項9記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  14. 上記固定強磁性層が複数の強磁性層と、これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからなり、複数の固定強磁性層の磁気モーメントが実質上等しく互いに相殺し、固定強磁性層トータルの磁気モーメントが実質上ゼロであることを特徴とする請求項9記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  15. 上記上下電極に挟まれた層がABS面に露出していることを特徴とする請求項9記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  16. 上記絶縁層と電極の一方との間に挟まれた上記自由強磁性層と磁区制御層を有する層がABS面に露出し、フラックスガイドとなっていることを特徴とする請求項9記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  17. 基板と、該基板上に形成された下部電極と、該下部電極上に形成された第1の反強磁性層と、該反強磁性層に隣接して形成された固定強磁性層と、該固定強磁性層に隣接して形成された絶縁トンネル障壁層と、該絶縁トンネル障壁層に隣接して形成された自由強磁性層と、該自由強磁性層に隣接して形成された非磁性導電層と、該非磁性導電層に隣接して形成された強磁性層の積層膜からなる磁区制御層と、該磁区制御層上に形成された上部電極とを有する磁気トンネル接合積層型ヘッドであって、
    上記非磁性導電層の膜厚は1.8nm〜3.5nmの範囲内であり、
    さらに、上記強磁性層の一つと接する第二の反強磁性層を有し、上記強磁性層の積層膜は、2つの強磁性層と、これらの強磁性層間に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とを有し、上記2つの強磁性層の磁気モーメントは反平行であり、上記2つの強磁性層のうち自由強磁性層側の強磁性層の磁気モーメントと上記自由強磁性層の磁気モーメントとは平行であり、上記自由強磁性層側の強磁性層の磁気モーメントは、上記上部電極側の強磁性層の磁気モーメントより小さく、
    上記自由強磁性層は、上記2つの強磁性層のうち上記上部電極側の強磁性層に生じる磁極による静磁気的相互作用、及び、上記2つの強磁性層のうち自由強磁性層側の強磁性層と前記自由強磁性層との間に働く RKKY 相互作用またはオレンジピール相互作用、により磁区制御される、ことを特徴とする磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  18. 上記磁区制御層が2つの強磁性層と、該強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからなり、上部電極側の強磁性層の膜厚が自由強磁性層側の膜厚と等しいかあるいは厚いことを特徴とする請求項17記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  19. 上記2つの強磁性層が、コバルト、コバルトと鉄を主成分とする合金、またはニッケルと鉄を主成分とする合金からなり、上記反強磁性結合層がルテニウム、ロジウム、イリジウムまたはこれらの合金からなることを特徴とする請求項17記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  20. 上記第一の反強磁性層がMnを含む規則合金系の反強磁性材料からなり、第二の反強磁性層がMnを含む不規則合金系の反強磁性材料からなることを特徴とする請求項17記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  21. 上記第一の反強磁性層がPtMn合金、NiMn合金、PdMn合金、PdPtMn合金、CrMnPt合金からなる群から選ばれる一つからなり、第二の反強磁性層がIrMn合金、FeMn合金、RhRuMn合金、RhMn合金、CrMnPt合金から選ばれる一つからなる請求項20記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド
  22. 上記磁区制御層の自由強磁性層側の強磁性層が上記非磁性導電層を介して上記自由強磁性層にバイアス磁界を与えることを特徴とする請求項17記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  23. 上記自由強磁性層及び磁区制御層と接する上記非磁性導電層が銅、金、銀のうちの1種または、少なくともこれらの1種以上を含む合金からなることを特徴とする請求項17記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  24. 上記固定強磁性層が複数の強磁性層と、これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからなることを特徴とする請求項17記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  25. 上記固定強磁性層が複数の強磁性層と、これらの強磁性層に挟まれ隣接する該強磁性層の磁気モーメントを反強磁性結合させる反強磁性結合層とからなり、複数の固定強磁性層の磁気モーメントが実質上等しく互いに相殺し、固定強磁性層トータルの磁気モーメントが実質上ゼロであることを特徴とする請求項17記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  26. 上記上下電極に挟まれた層がABS面に露出していることを特徴とする請求項17記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
  27. 上記絶縁層と電極の一方との間に挟まれた上記自由強磁性層と磁区制御層を有する層がABS面に露出し、フラックスガイドとなっていることを特徴とする請求項17記載の磁気トンネル接合積層型ヘッド。
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