JP3970526B2 - 磁気抵抗効果素子、磁気再生ヘッド、磁気再生装置、磁気記憶装置、及び磁気抵抗効果膜の抵抗検知方法 - Google Patents

磁気抵抗効果素子、磁気再生ヘッド、磁気再生装置、磁気記憶装置、及び磁気抵抗効果膜の抵抗検知方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気抵抗効果を利用した磁気抵抗効果素子、磁気再生ヘッド、これを搭載した磁気再生装置、磁気記憶装置、及び磁気抵抗効果膜の抵抗検知方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ハードディスクドライブ(HDD)の高密度化に伴い、外部磁場がゼロの状態で互いの磁化が略直交する2つの強磁性層とこれらの間に挿入された非磁性層を備え、2つの強磁性層の相対的な磁化方向に依存して電気抵抗が変化するスピンバルブ(SV)膜を備えるSV-GMR(Spin-Valve Giant MagnetoResistive)ヘッドが採用され始めた。今後、更なる高密度化のためには、より高感度のSV-GMRヘッドが必要であり、高出力をもたらす磁気抵抗効果変化率(MR変化率)のさらなる向上や、SV-GMRの膜厚、特に、信号磁界に応じて磁化の向きが変化する感磁層(磁化フリー層)の極薄化が重要である。
【0003】
磁化フリー層を数nmまで極薄化し、この磁化フリー層に隣接する高導電層を備えたスピンフィルタースピンバルブ(SFSV:Spin-Filter Spin-Valve)膜が提案され実用化されている。SFSVでは磁化フリー層の薄膜化に伴う磁化感度向上により高出力再生ヘッドを実現するものである。
【0004】
さらに、SFSVに続く技術として、MR変化率の向上のためにスペキュラー(電子鏡面反射)効果を利用し、かつ実用的なスピンバルブ膜構造を有する、NOL-SPSV(Nano Oxide Layer - SPecular Spin-Valve)膜が提案されている。この膜は、NOLと呼ばれる極薄の酸化層を、磁化フリー層、もしくは、磁化フリー層と中間非磁性層を介して積層された磁化固着層(磁化ピン層)中に挿入しその界面で伝導電子を鏡面反射させることによって、スピンバルブ膜を擬似的な人工格子膜のようにして、MR変化率を稼ぐものである。この構造の発明によって、スピンバルブ膜のMR変化率を飛躍的に向上させることが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、NOL-SPSVを実際にセンサーや磁気ヘッドへ適用しようとしたときに、次に述べる問題点が生じることを本発明者らは発見した。
【0006】
まず、極薄の磁化フリー層を用いることは、高密度再生を狙うNOL-SPSV膜において必須だが、この極薄磁化フリー層を用いる場合には、バイアスポイント(ヘッド動作時の動作点)の調整が困難になる。そのためには、磁化フリー層に加わる様々な磁界を小さくすることが重要である。その中でも、磁化ピン層の漏洩磁界(Hpin)は磁化フリー層の磁化へ大きな影響を与える。
【0007】
この磁化ピン層の漏洩磁界を小さくするために、SFSVでは、非磁性層を介して積層した2つの強磁性層間をシンセティック結合(反強磁性的結合、以降Sy-AFとする。)させたSy-AF構造を磁化ピン層に採用している。
【0008】
このSy-AF構造では、平均膜厚が9オングストローム程度のRu等の非磁性層を介して、これを挟む上下の強磁性ピン層が反強磁性的結合をしている。従って、磁化ピン層からの漏洩磁界は、上下のピン層磁気膜厚(Ms×t(飽和磁化×膜厚))の差となり、磁化ピン層を極端に薄くせずに磁化フリー層に加わる実質的なピン層漏洩磁界を低くできる。Sy-AF構造の詳細については、特許公報第2786601号に開示されている。
【0009】
このように磁化ピン層の漏洩磁界を低減しつつ、さらにCu層等の高導電層を用いることで磁化フリー層における電流磁界(Hcu)を小さくし、かつ、非磁性スペーサ層を介した磁化フリー層及びピン層間の間接層間結合磁界(Hin)を小さくしたうえで、Hpin+Hcu+Hin=0の関係が成り立つように電流方向を選択することで、Sy-AF構造を用いたSFSVでは良好なバイアスポイントを実現していた。
【0010】
ところが、NOL-SPSV膜においてSy-AF構造を実現しようとすると、Sy-AF構造の上記特性が出なくなるという問題が明らかになった。その詳細な理由は明らかでないが、例えば、NOL層中の酸素、窒素、弗素、炭素等が熱処理によってSy-AF構造のRu層に拡散し、Ruを介した上下磁化ピン層の反強磁性結合を弱めるといった現象が原因と考えられる。すると、Sy-AF構造をNOL-SPSVで採用できなくなり、磁化ピン層からの漏洩磁界を低減することができなくなって、良好なバイアスポイントが実現できなくなると思われる。
【0011】
一方、磁化ピン層からの漏洩磁界を完全にゼロにキャンセルするために、磁性キーパー層を用いるという概念がある(特開平8−55312公報)。これは、スピンバルブ膜の上下どちらかの膜面に軟磁性キーパー層を積層し、電流磁界によってこの軟磁性キーパー層の磁化方向が磁化ピン層の磁界方向と逆向きになるようにして、ピン層漏洩磁界をキャンセルするものである。
【0012】
この磁性キーパー層を用いたキャンセル方法は、ピン層漏洩磁界を完全にゼロにし、かつHinをHcuでキャンセルするという手法(Hin=Hcu, Hpin=0)によってバイアスポイントを調整している。比較的低密度記録では、磁化フリー層が厚いので磁化フリー層の外部磁化感度が鈍い。また、磁化フリー層が厚いため、磁化フリー層のSV膜中にしめる磁化フリー層の伝導コンダクタンスの割合が大きく、従って、電流磁界が比較的小さくなり、これを小さい層間結合磁界Hinによりキャンセルすることが可能となり、磁性キーパー層によるキャンセル方法は有効となる。
【0013】
しかしながら、高記録密度を狙うNOL-SPSVの磁化フリー層の膜厚は薄くなると予想され、これに伴いHcuは増大する為に磁性キーパー層によるキャンセル方法では、限界がある。
【0014】
尚、電流磁界が大きすぎることを大きな問題としていないことは、上記公開公報に記載された膜構造を見ると容易にわかる。つまり、先述した、SFSVにおいて磁化フリー層への電流磁界を低減するために、磁化フリー層に高導電層を接触形成することにより、電流磁界を低減することが高密度化ヘッドにおいては必須だが、特開平8−55312公報においては全くその記述がないからである。
【0015】
さらに、Hinをキャンセルする方向に電流を流してバイアスポイントを実現するという手法は、NOL-SPSVにおいては現実的でない。つまり、電流磁界Hcuの方がHinよりも大きく、Hin=Hcuという設計は非常に困難である。
【0016】
このように、従来のバイアスポイント調整方法では、NOL-SPSVのバイアスポイントを良好に調整することが困難であった。
【0017】
本発明は、以上述べた従来の技術における問題点を端緒として、良好なバイアスポイントを有する磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果ヘッド、これを搭載する磁気再生装置、磁気記憶装置、及び磁気抵抗効果膜の抵抗検知方法を提供することを課題とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の一形態は、印加磁場がゼロの状態で第一の方向の磁化を備え、所定の印加磁場のもとで前記磁化が回転可能な第一の強磁性層と、前記第一の強磁性層に積層形成された第一の非磁性層と、前記第一の非磁性層に積層形成され、前記印加磁場がゼロの状態及び前記所定の印加磁場のもとで第二の方向の磁化を保持する第二の強磁性層と、前記第二の強磁性層及び前記第二の非磁性層との間に形成され前記第二の強磁性層に接する反強磁性層と、前記反強磁性層に積層形成された第二の非磁性層と、前記第二の非磁性層に積層形成され、その磁化固着方向が前記第二の方向とは逆向きとなり、かつ軟磁性材料からなる第三の強磁性層と、前記第二の強磁性層の層中、もしくは前記第二の強磁性層と前記第二の非磁性層の間に形成された、酸化物、窒化物、炭化物、もしくは弗化物を含有する層とを備える磁気抵抗効果膜、及び、前記第三の強磁性層における電流磁界の方向が前記第二の方向と逆となるように前記磁気抵抗効果膜に電流を流す一対の電極を備えることを特徴とする磁気抵抗効果素子を提供する。
【0019】
また、上記磁気抵抗効果素子は、ヘッドジンバルアッセンブリ等に搭載される磁気再生ヘッドを構成できる。また、この磁気再生ヘッドと磁気情報を記録した磁気記録媒体を搭載した磁気再生装置は、従来以上に高記録密度化への対応を実現することが可能である。尚、磁気記録媒体を取り外し可能とした磁気再生装置についても、本発明の磁気抵抗効果素子を用いることが可能である。
【0020】
また、上記磁気抵抗効果素子は、トランジスタあるいはダイオードとともに、あるいは単独でメモリセルを構成することができる。この磁気抵抗効果素子を集積形成することで、不揮発性の半導体記憶装置を構成することができる。
【0021】
さらにまた、本発明の他の形態は、印加磁場がゼロの状態で第一の方向の磁化を備え、所定の印加磁場のもとで前記磁化が回転可能な第一の強磁性層と、前記第一の強磁性層に積層形成された第一の非磁性層と、前記第一の非磁性層に積層形成され、前記印加磁場がゼロの状態及び前記所定の印加磁場のもとで第二の方向の磁化を保持する第二の強磁性層と、前記第二の強磁性層及び前記第二の非磁性層との間に形成され前記第二の強磁性層に接する反強磁性層と、前記反強磁性層に積層形成された第二の非磁性層と、前記第二の非磁性層に積層形成され、その磁化固着方向が前記第二の方向とは逆向きとなり、かつ軟磁性材料からなる第三の強磁性層と、前記第二の強磁性層の層中、もしくは前記第二の強磁性層と前記第二の非磁性層の間に形成された、酸化物、窒化物、炭化物、もしくは弗化物を含有する層とを備える磁気抵抗効果膜に、前記第三の強磁性層における電流磁界が前記第二の方向と逆になる方向に電流を流して前記磁気抵抗効果膜の抵抗値を検知することを特徴とする磁気抵抗効果膜の抵抗検知方法に関する。
【0022】
以上述べた磁気抵抗効果素子、磁気再生ヘッド、磁気再生装置、及び磁気抵抗効果膜の抵抗検知方法において、次の構成を備えることが可能である。
1.第一の強磁性層が前記第二の非磁性層と接する面と反対側の面に積層形成された、Cu、Au 、Agのいずれかの元素を含む第三の非磁性層を有する。その含有量は、50atomic%以上 含む非磁性層としてもよい。
2.第一の強磁性層の平均膜厚が3nm以下である。
3.第三の強磁性層の磁気膜厚が、飽和磁化1Tの材料換算で1.8nmT以上4.5nmT以下である。
4.第三の強磁性層がCoFe合金を50atomic%以上含有し、平均膜厚が1nm以上2.5nm以下である。
5.酸化物、窒化物、炭化物、もしくは弗化物を含有する層の平均膜厚が1nm以上2nm以下である。この層の酸化物、窒化物、炭化物、もしくは弗化物の含有量は、50atomic%以上とすることができる。
6.第三の強磁性層から第一の強磁性層に印加される漏洩磁界の向きが、第一の強磁性層に印加される、第二の強磁性層からの漏洩磁界、電流磁界、及び第一の強磁性層と第二の強磁性層との層間結合による層間結合磁界の和により得られる磁界の向きを打ち消す方向である。
7.第二の強磁性層及び第二の非磁性層との間に形成され、第二の強磁性層に接する反強磁性層とを備える。
【0023】
【発明の実施の形態】
(第1の実施形態)
次に、本発明の一形態に関る磁気抵抗効果素子について説明する。
【0024】
まず、この形態の磁器抵抗効果素子は、印加磁場がゼロの状態で第一の方向の磁化を備え、所定の印加磁場によって前記磁化が回転可能な第一の強磁性層と、第一の強磁性層に積層形成された第一の非磁性層と、非磁性中間層に積層形成され、印加磁場がゼロの状態及び前記所定の印加磁場において第二の方向の磁化を保持する第二の強磁性層を備える。
【0025】
この、第一の強磁性層は、信号磁界等の印加磁場が加わると磁化が回転する磁化フリー層である。この磁化フリー層は、第一の非磁性層としてCu等を含むスペーサ層を介して、第二の強磁性層と積層形成される。この第二の強磁性層は、印加磁場がゼロの状態及び第一の強磁性層の磁化が回転する所定の印加磁場においてもその磁化方向を保持する磁化ピン層である。
【0026】
この磁化ピン層の第二の方向への磁化固着(ピニング)には、磁化ピン層の材料として所定の印加磁場においても磁化を維持する程度に高い保磁力を有する強磁性材料を用いる方法、反強磁性層と積層形成して反強磁性層との磁気交換結合によって固着する方法、硬質磁性層を磁化ピン層の近く、あるいは隣接配置してその漏洩磁界により固着する方法等がある。
【0027】
第一及び第二の方向は、同一でもよいが、異なることが好ましく、さらには、互いに略直角をなすことも可能である。第一及び第二の方向が略直角を成す素子がいわゆるスピンバルブ素子である。
【0028】
磁気抵抗効果素子の電気抵抗は、磁化フリー層の磁化が信号磁界に応じて変化して第二の方向と等しい状態で低抵抗を示し、磁化フリー層の磁化が第二の方向と略反平行の状態で高抵抗を示す。
【0029】
このような抵抗変化は、磁化フリー層、磁化ピン層の両強磁性層と非磁性スペーサ層との界面において、電子が強磁性層の磁化(スピン)の方向に依存して散乱を受けるためである(スピン依存界面散乱)。
【0030】
本実施形態では、このような磁気抵抗効果素子の磁化ピン層の層中、もしくは、磁化ピン層の非磁性スペーサ層と接する側と反対側の面に形成された、酸化物、窒化物、炭化物、もしくは弗化物を含む層を備える。この層は、磁気抵抗効果素子中を移動してきた電子を鏡面反射(スペキュラ)するもので、非磁性スペーサ層から磁化ピン層中を通りこの層の鏡面に達した電子にとって、非磁性スペーサ層と磁化ピン層及び磁化フリー層との界面が擬似的に増えることになり、その散乱数を増やすことができる。
【0031】
尚、この酸化物、窒化物、炭化物、もしくは弗化物を含有する層の平均膜厚は、これを挟む磁性層同士の磁気結合力等を好適な値とする観点から、0.5nmから5nm程度が好ましい。以降、この層については、酸化物を主成分として備える層を例にして、NOLと称する。
【0032】
本実施形態のNOL−SPSVでは、磁化フリー層にかかる外部磁場(バイアス)を補償するBCL(Bias Compensation Layer)として、第三の強磁性層を新たに備える。このBCLには、軟磁性材料等が好ましい。
【0033】
このBCLから磁化フリー層へ印加される漏洩磁界によって、磁化フリー層へ印加される、磁化ピン層からの漏洩磁界、電流通電によって生じる電流磁界、及び磁化ピン層と磁化フリー層との層間結合による層間結合磁界の和を打ち消すことにより、この磁気抵抗効果素子のバイアスポイントを調整するものである。つまり、磁化フリー層の印加磁場ゼロにおける磁化方向を所望の第一の方向とすることが可能となる。
【0034】
尚、このバイアスポイントの調整には、BCLにおける電流磁界の方向を磁化ピン層の磁化方向(第二の方向)と逆方向とする様に電流を流すことが必要である。
【0035】
また、第二の非磁性層は、磁化ピン層とBCLとの間の磁気的結合を防ぐために必要である。
【0036】
このような、NOL-SPSVにおける良好なバイアスポイントは、次に述べるような、発明者らの研究の結果、本実施形態によって実現できることが明らかになった。以下に、その内容について詳述する。
【0037】
まず、磁化ピン層との層間結合によって磁化フリー層にかかる層間結合磁界Hinをなるべく小さくし、他の強磁性層からの漏洩磁界Hpと電流磁界Hcuを磁化フリー層に印加する主な磁気バイアスと捉えてバイアスポイントを調整する方法(Hp=Hcu+Hin、但し、磁化ピン層と磁化フリー層が強磁性的磁化配列をなしている場合にHinは正の値、反強磁性的磁化配列をなしている場合にHinは負の値、と定義する)が、高密度再生に最も現実的な方法であると思われる。
【0038】
つまり、磁フリー層への静磁界となるHpとHcuが逆向きとなるようにして、バイアスポイントを調整するのである。そして、Hp の値は、BCLによるバイアス補償効果を利用して解決する。
【0039】
つまり、BCLから磁化フリー層へ印加される漏洩磁界HBCLの方向を、磁化ピン層から磁化フリー層へ印加される漏洩磁界Hpinと逆方向にすることで、Hp の増大を解決するものである。
【0040】
本発明におけるバイアスポイント調整の概念を下式に示す。
【0041】
Hp = Hin + Hcu (1)
Hp = Hpin ― HBCL (2)
但し、Hinの符号は、Hcuと同方向のときを正と定義する。
【0042】
Hpin2(Ms×t)pin/h (3)
Hcu=2πc×Is/h (4)
c=|(I1-I3)/(I1+I2+I3)| (5)
HBCL=D×π2(Ms×t)BCL/h (6)
以上の式(1)〜(6)において、hはMRハイト[μm]である。また、Dは、1よりも小さい値であり、センス電流値及び磁化ピン層のMs×tの値によって変化する。つまり、センス電流値が大きいほど、また、磁化ピン層のMs×tの値が大きいほどDは大きい値となり、1に近づく。
【0043】
また、Isは、磁気抵抗効果膜に流れるセンス電流値を示し、分流値I1、I2、及びI3の総和を示す。これらの電流値は、磁気抵抗効果膜のうち、一対の電極により電流が流れる領域を上下方向に3分割した各領域に流れる電流値を示し、真中の領域である磁化フリー層を流れる電流値I2、磁化フリー層の上層から電極間にある最上の導電層(図1ではキャップ層27)までの領域を流れる電流値I1、及び磁化フリー層の下層から電極間の最下の導電層(図1ではバッファ層3)までの領域を流れる電流値I3である。尚、Isは、BCL7における電流磁界が磁化ピン層の磁化方向と逆になる方向に電流を流した場合を正の値としている。
【0044】
BCLを用いたバイアスポイントの調整について、具体的な構造を例にして、以下に説明する。
【0045】
図1に、本実施形態のボトムタイプスピンバルブ膜の概略断面構造を示す。
【0046】
本実施の形態の磁気抵抗効果素子は、基板1上に順次形成された、バッファ層3、シード層5、BCL7、BCL7と反強磁性層11の磁気結合を防ぐデカップリング層9、反強磁性層11、磁化ピン層13、NOL15、磁化ピン層17、非磁性層19、磁化フリー層21、HCL23、NOL25、キャップ層27を備える磁気抵抗効果膜28、一対のハードバイアス膜29、一対のリード電極31を備える。各層の主成分を構成する材料は、実施例1において詳述する。
【0047】
尚、磁化ピン層が磁化フリー層よりも積層方向の下側に位置するボトムタイプスピンバルブ膜では、BCLを磁化ピン層よりも下層に配置する。また、磁化ピン層が磁化フリー層よりも積層方向の上層に位置するトップタイプスピンバルブ膜では、BCLを磁化ピン層よりも上層に配置する。
【0048】
図1において、反強磁性層11は、磁化ピン層13と交換結合しており、この交換結合による磁気バイアスによって、磁化ピン層13の磁化の向きは図1の紙面裏から表の方向に固着されている。また、磁化ピン層17は磁化ピン層13との強磁性交換結合によって、磁化ピン層13と同一方向の磁化をもつ。
【0049】
磁化ピン層13、17の間にあるNOL15は、磁化ピン層13を構成する材料の酸化物を主成分として(50atomic%以上)含有し、このNOL15の磁ピン層17側の表面における鏡面反射効果が期待できる。尚、NOL15の主成分は、酸化物のほかに、炭化物、窒化物、弗化物等に適宜変更可能である。また、磁化ピン層13を構成する材料と異なる材料の酸化物、炭化物、窒化物、弗化物であってもよい。
【0050】
磁化ピン層17に接する非磁性層19は、スピンバルブ素子の非磁性スペーサ層であり、この層の磁化ピン層17及び磁化フリー層21と接する両表面において、スピン依存散乱が生じる。
【0051】
磁化フリー層21は、その両側にいわゆるアバット接合構造により形成された一対のハードバイアス膜29からの漏洩磁界によって、図1の紙面内左右方向に磁化バイアスが付与され、外部磁場がゼロの状態では、この方向の磁化を有する。また、この磁化バイアスにより、磁化フリー層21の層内は単磁区化が維持され、バルクハウゼンノイズの対策がなされている。
【0052】
この磁化フリー層21は、外部磁場が印加されると、その磁化が自由に回転可能なように調整されており、図1の紙面表から裏の向きの外部磁場が印加されると、磁化フリー層21の磁化はこの向きに追従して変化する。逆に、図1の紙面裏から表の向きの外部磁場が印加されると、磁化フリー層21の磁化もこの向きに追従して変化する。
【0053】
この磁化フリー層21の磁化回転によって、磁化ピン層17との相対磁化方向が平行、あるいは反平行の関係によって磁気抵抗効果膜28の電気抵抗は変化する。つまり、互いの磁化方向が平行の時には、磁気抵抗効果膜27の電気抵抗は低く、磁化方向が反平行の時には、磁気抵抗効果膜27の電気抵抗は高くなる。この電気抵抗の変化は、磁気抵抗効果膜の両端に接続された一対のリード電極31を介して、従来から知られる抵抗変化を検知する検知回路にて検知される。
【0054】
磁化フリー層21上には、高導電性材料を含有するHCL23が形成され、上述のように、その厚さの調整によってHcuの値を適宜調整可能である。
【0055】
尚、HCL23上のNOL25は、磁化フリー層21側の電子鏡面反射効果を意図して挿入されている。
【0056】
この磁気抵抗効果膜28における、バイアスポイントの保ち方については、上述の基本式の通りである。
【0057】
上記(1)式、及び(2)式とこの素子の構造との関係について、図2を参照しつつ説明する。
【0058】
図2の断面斜視図に示す磁気抵抗効果素子の断面構造は、図1のそれと同様であり、各膜構成の説明は省略する。但し、便宜上、図2では、図1の磁気抵抗効果膜28を紙面縦方向にさらに拡大して示す。
【0059】
(1)式を十分に満たすように調整することがバイアスポイント調整上重要となる。可変な因子としては、HpとHcuを利用する。Hcuについては、既に説明した様に、磁化フリー層に隣接して形成する非磁性高導電層(HCL: High Conductance Layer)の膜厚制御によって変えることができる。
【0060】
つまり、HCLの膜厚が厚いほど、電流磁界Hcuは小さくなり、膜厚増加によるHcu低減の度合いは、磁気抵抗効果膜28のシート抵抗が大きいほど効果が大きくなる。
【0061】
簡易的には、その効果の度合いはスピンバルブ膜の各層をパラレルコンダクターモデルで近似することによって、算出することができる。ただし、その際は、各層の比抵抗の値はバルクの値を用いるのではなく、実際に近い膜厚から正、あるいは負の方向へ1nm〜2nmずらしたところでのコンダクタンスの変化量から算出することが必要である。この手法によって、近似的には電流のボルツマンの分布を考慮した比抵抗の値として用いることができる。
【0062】
次に、Hpは、(2)式にあるように、HpinとHBCLとから決定される。
【0063】
そのうち、Hpinは、磁化ピン層13、17の高さ(磁気抵抗効果膜28の信号流入面から奥に伸びる高さ)と磁気膜厚(Ms×t)によって概略決定される。
【0064】
但し、簡易には磁化ピン層13、17の磁化方向が完全に一方向に固着されることを前提しているのに対し、実際には、磁化ピン層13、17は完全に所望の方向(図1では紙面裏から表の方向)に固着されていないことを考慮する必要がある。例えば、磁気抵抗効果膜28を、ギャップ膜を介してシールド膜により挟持するシールド型ヘッドでは、トラック幅方向(図1では紙面内左右方向)端部において、シールド膜を備えるといっても多少の曲がり(カーリング)は存在し、また、磁化フリー層を単磁区とするためのハードバイアス膜29からのバイアス磁界によって磁化方向が前記所望方向からずれてしまう為である。
【0065】
図2において、HBCLは、BCLにより磁化フリー層へ印加される漏洩磁界であり、BCLにおける電流磁界Hcu BCLと磁化ピン層13,17からの漏洩磁界Hpin BCLの和からなる。BCLは、磁気抵抗効果膜28中のなるべく電流磁界がかかりやすく(電流中心位置から上下端より)、かつ、BCLにおける電流磁界(Hcu BCL)の向きが磁化フリー層にかかる電流磁界(Hcu)と逆向きとなる位置に配置する。これにより、Hp=Hpin+HBCLを実現することが可能となり、NOL-SPSVでの良好なバイアスポイントが実現できる。
【0066】
一方、(2)式におけるHBCLは本発明において新たに導入される因子である。
【0067】
BCLは強磁性層からなり、その磁化固着方向は磁化ピン層の磁化方向と逆向きとする。これは、BCLに印加される電流磁界(Hcu BCL)と磁化ピン層からの漏洩磁界(Hpin BCL)の向きを一致させることで、実現可能である。従って、HBCLは、Hcu BCL+Hpin BCLにより決まり、これらの磁界を適宜調整することによりHBCLを決定できる。
【0068】
尚、電極31から通電するセンス電流の方向は、その電流による磁化フリー層における電流磁界(Hcu)が磁化ピン層等の他の強磁性層から磁化フリー層に印加される漏洩磁界(Hp)をキャンセルする方向とする。
【0069】
このようにBCLの磁化は、電流磁界と磁化ピン層からの漏洩磁界により固着をしているが、上述のように、磁化ピン層の磁化方向が完全にMRハイト方向に固着されていないことから、Hpin BCLは、Sy-AFを用いた完全固着のピン層と比べて小さくなりがちである。また、ハードバイアス膜29によるH pin BCL低減の影響は、軟磁性層を用いたBCLの方が顕著に影響するので、設計にあたっては、これらを考慮することが望ましい。
(実施例1)
本実施例1では、第1の実施の形態に関るボトムタイプスピンバルブ膜の実施例1を説明する。
【0070】
まず、基板1上に、次の各層からなるスピンバルブ膜を作成した。尚、膜厚は、成膜速度と成膜時間の制御により成膜した直後の値である。
【0071】
Ta 3nm/NiFeCr 2nm/CoFe 1.5nm/NiFeCr 1nm/PtMn 10nm/CoFe 0.5nm/NOL/CoFe 2nm/Cu 2.3nm/CoFeNi 2nm/Cu 1nm/TaO 1nm
このスピンバルブ膜の成膜は、上記各層の層材料をターゲット材料として用いて、真空中でのDCマグネトロンスパッタ法により成膜した。スパッタチャンバー内の到達真空度は1×10-7Torr以下で、Arガスを用いて1mTorr〜10mTorrのガス圧にて成膜した。尚、DCマグネトロンスパッタ法の他に、IBD(Ion Beam Deposition)方法でも構わない。そのときは、スパッタガスにXeガスを用いることができ、そのガス圧をDCマグネトロンスパッタよりも下げることが可能となる。
【0072】
次に、各層の構成について図1を参照しつつ説明する。
【0073】
基板1側から、Ta層はバッファ層3であり、0~5nm程度の平均膜厚が望ましい。Taの代わりに、Ti、Zr、Hf、W、Cr、V、Mo、Re、Os等の金属やそれらの合金を用いても構わない。これらの中でも特に、Ta、Ti、Zrを用いることができる。
【0074】
その上のNiFeCr層は、この上層のCoFe、NiFeCr等の面心立方構造(fcc) の(111)面の層表面に対する平行配向を促す、非磁性材料からなるシード層5である。ここでは、シャント低減のため、及び、磁性材料のNiFeを非磁性にするために、Crを添加している。Crの添加量は、20%〜60%程度(atomic %)が望ましい。また、クロムの変わりにNb、Hf、Ta、Ti、Mo、W等を添加しても構わない。さらにまた、fcc(111)配向促進膜として、非磁性のNiCr、Cu、Ru、Re、Os、Pt、非磁性NiCu等を用いてもよい。シード層5が結晶配向促進機能を備える材料で構成すればバッファ層3を省略してもよい。
【0075】
NiFeCr層の上のCoFe層は、BCL7であり下地シード層の効果によってfcc(111)配向しているため十分な軟磁性を示しており、電流磁界Hcu BCLや、磁化ピン層13、17からの漏洩磁界Hpin BCLによって、磁化方向が磁化ピン層の磁化方向と反対に向くことが可能である。
【0076】
BCL7の軟磁性が十分でないと、電流磁界(Hcu BCL)や磁化ピン層13、17からの漏洩磁界(Hpin BCL)によって磁化方向が動かなくなってしまうので、好ましくない。但し、媒体磁界に敏感に反応しなければならない磁化フリー層21ほど、軟磁性は求められない。
【0077】
一つの基準として、電流磁界(Hcu BCL)やピン層からの漏洩磁界(Hpin BCL)と比べて、1/10〜1/5以下の小さい保磁力(Hc)であれば問題ない。この膜は、バイアスポイント制御のために重要な役割を果たすので、この膜厚決定に注意が必要である。膜厚決定の指針については後に詳述する。
【0078】
BCL7のスパッタターゲット材料は、ここではCoFeを用いたが、NiFe、NiFeX(X=Cr、Nb、Hf、Ti、Ta、W、Mo)のような結晶材料、CoZrNb、CoZrTaのようなアモルファス材料でも構わない。しかしながら、ボトムタイプNOL-SPSVの場合にはBCL7は下地層としての役割も持つので、その上に積層される結晶配向制御という意味では、CoFeやNiFeのような結晶材料が望ましい。BCL7がスピンバルブ膜中の上層に位置するトップタイプのときにはアモルファス材料でもよい。
【0079】
CoFe層上のNiFeCr層は、磁性をもつBCL7と反強磁性層11であるPtMn層との磁気的な結合を切るための非磁性層(デカップリング層9)であり、電気的なシャントはできるだけ小さいほうがよいため、シード層5と同じNiFeCrを用いた。必ずしもシード層5と同じ材料である必然はないが、ちょうど下地シード層で挙げたような材料がそのまま使える。
【0080】
ここで、磁気的なカップリングが反強磁性膜11とBCL7間で生じてしまうと問題である。なぜならば、図1に示すように、反強磁性膜11との交換結合によって固着された磁化ピン層13、17の磁化方向と、磁化ピン層13、17からの漏洩磁界(Hpin BCL)と電流磁界(Hcu BCL)によって、BCL7にかかる磁化方向(HBCL=Hpin BCL+Hcu BCL)を逆向きにする必要があるのに対し、BCL7と反強磁性層11との間に磁気的なカップリングが生じると、磁気ピン層13、17の磁化方向とBCL7の磁化方向が同方向になる作用が働くからである。
【0081】
BCL7と反強磁性層11とのカップリングが生じた場合、BCL7に加わる電流磁界や、磁化ピン層17からの漏洩磁界の1/10〜1/5以下の大きさにする必要がある。そのために、必要なNiFeCrの膜厚は0.5nm〜5nm程度が望ましく、さらに望ましくは1〜3nm程度が望ましい。厚ければ厚いほど十分に磁気的なカップリングを切ることが可能になるが、その分、電気的なシャントも増え、またトータル膜厚も増えるために高い狭ギャップ(高密度)化との調整が必要となる。また、再生磁気ヘッドに用いる場合には、磁気シールド間に磁気ギャップを介して厚いスピンバルブ膜を入れることが困難になるため、上記膜厚の範囲が好ましい。
【0082】
NiFeCr層の上のPtMn層が反強磁性層11であり、その上に積層される磁化ピン層(CoFe層)13の磁化を固着するものである。電気的なシャントを低減するために、反強磁性層11は薄いほうが望ましいが、あまり薄すぎると一方向への磁化固着が困難になるため、PtMnの場合は6nm〜20nm程度が望ましく、さらに望ましくは、8nm〜15nm程度が望ましい。
【0083】
また、反強磁性層11としてはPtMnが望ましいが、PtMnのかわりにPdPtMnや、IrMn、RuMn、RuRhMn、NiMn、NiO、α-Fe2O3等の一方向に磁化方向を固着する機能のある他の反強磁性層であっても構わない。
【0084】
PtMn層の上のCoFe/NOL/CoFeが一体の磁化方向をもつ磁化ピン層であり、NOLを介した上下のCoFeは、信号磁界が与えられた状態でも磁気的に十分な強さで強磁性結合している。PtMn層に接触するCoFe層は、NOLによる酸素がPtMnまでいかないように、かつPtMn層と磁気的にカップリングするために必要な厚さを有することが好ましい。但し、NOL15による酸素の影響がPtMn層に届かない範囲、かつPtMn層と時期的にカップリングできれば薄ければ薄いほど望ましい。
【0085】
また、磁化ピン層13、17の磁気膜厚がNOL-SPSVでは厚くなりやすいため、これら磁化ピン層13,17の磁気膜厚もできるだけ小さいほうが望ましい。例えば、飽和磁化を低減するためにCr、B、Cu等の添加元素を加えることも望ましい。膜厚は、ここではCoFe0.5nmとなっているが、0.3nm〜1.5nm程度が望ましい。ここでの磁性材料はCoFe合金のほか、Fe、Fe系合金、Ni、Ni合金等でも構わない。例えば、CoFeCr、CoFeB、CoFeCu等を用いることができる。
【0086】
NOL15は、磁化ピン層13を成膜した表面を酸化して形成することも可能であり、酸化膜を成膜することも可能である。
【0087】
金属表面を酸化する方法には、超高真空中で酸素フローしたり、プラズマ酸化したり、UV酸化、酸素イオンビームによる酸化などの方法がある。このとき、磁化ピン層13の下の反強磁性層11まで酸化しないように留意する必要がある。
【0088】
酸化膜を成膜する方法には、酸化物ターゲットをスパッタにより成膜する方法や、金属ターゲットを酸素雰囲気中でスパッタして、反応性スパッタによる方法などがある。このNOL15の膜厚は、約0.1nm以上約5nm以下が望ましい。特に望ましくは、約1nm以上約2nm以下が望ましい。NOL15の上に成膜される磁化ピン層17はMR変化率に大きく影響する強磁性層なので、低磁気膜厚の磁化ピン層17にする場合にもあまり添加元素を多くしないことが望ましい。
【0089】
望ましくは、CoやCoFe合金がよく、NiFe合金でも構わない。低BsにするためにCoFe合金にB、Cuを添加する場合は、微量の添加3〜10atomic%とすることができる。
【0090】
磁化ピン層17の上に成膜されるCu層は非磁性層19であり、約1.5nmから約3nmの膜厚が望ましい。特に望ましくは、約2nmから約2.5nmが望ましい。非磁性層19の膜厚および層表面の平坦性が悪くなると、磁化フリー層21と磁化ピン層17の間の層間結合(inter-layer coupling)の磁界強度が増大するので、層表面の平坦性は重要である。
【0091】
通常は、磁化ピン層17と磁化フリー層21が強磁性的磁化配列をすることが多いが、反強磁性的磁化配列結合の場合もある。どちらにしても、あまり大きなHinの値にならないことが望ましい。Hinの値としては、約−20Oe以上約+20Oe以下が望ましい(+のときが磁化ピン層と磁化フリー層が強磁性的磁化配列、−のときが反強磁性的磁化配列)。さらに望ましくは、約−10Oeから約+10Oeが好ましい。
【0092】
Cu層の上は磁化フリー層21をなすCoFeNi層が成膜される。磁化フリー層21の構成としては、非磁性層19にCoFeが接しているCoFe/NiFe積層フリー層、単層CoFeフリー層、単層CoFeNiフリー層等を用いることが可能である。実施例1で用いた単層CoFeNi層はNiの添加によって、磁歪の制御と、良好な軟磁性を実現している。
【0093】
尚、NOL25による鏡面電子反射効果を利用するには磁化フリー層21の膜厚は薄いほうが好ましい。具体的には約1nm以上、約4nm以下が好ましく、より好ましくは、約1.5nm以上、約3nm以下がよい。
【0094】
磁化フリー層21の上に積層されているCu層はHCL23であり、バイアスポイント調整の効果を備える。つまり、Cu層によって、スピンバルブ膜中に流れる電流中心を磁化ピン層側から磁化フリー層に近づけることによって、フリー層に印加される電流磁界Hcuを低減することが可能となる。
【0095】
ただし、あまりHCL23を厚くすると、シャントによってMR変化率が低減するため好ましくない。望ましい範囲としては、約0.3nm以上、約3nm以下、さらに好ましくは約0.5nm以上、約2nm以下がよい。
【0096】
尚、このHCL23の膜厚は、バイアスポイントに大きく関るものであり、磁化ピン層漏洩磁界Hpinの大きさにあわせて変えるべきものである。HCL23の膜厚については、BCL膜厚のとともに、後に詳述する。
【0097】
Cu層上のTaOキャップ層27は、鏡面反射効果を持つものであり、酸化物層であることが望ましい。材料は、TaO以外でも、AlO、TiO、CrO、WO、VO、ZrO、HfO、FeO、CoOなどのその他の金属酸化物でも構わない。また、酸化物層の上にさらにキャップ層として、金属Ta層をさらに成膜しても構わない。
【0098】
尚、本実施例では磁化ピン層13,17が磁化フリー層21よりも下層に位置する、ボトムタイプスピンバルブについて説明したが、本発明はボトムタイプに限定されるものではなく、磁化ピン層が磁化フリー層よりも上層に形成されるトップタイプでも構わない。
【0099】
トップタイプには、TaO/Cu 1nm/NiFe 1nm/CoFe 1nm/Cu 2.2nm/CoFe 2nm/NOL 1.5nm/CoFe 0.5nm/PtMn 10nm/NiFeCr 1nm/CoFe 1.5nm/Ta 3nm等がある。ここで、下層のTaOはバッファ層兼磁化フリー層用NOL、その上層のCu層はHCL兼下地シード層、NiFe層及びCoFe層が互いに強磁性結合して磁化フリー層を構成し、Cu層はスペーサ層、CoFe層、NOL、CoFe層が、CoFe層どうしが強磁性結合した磁化ピン層、PtMn層が反強磁性層、NiFeCr層が磁気結合切断層(デカップリング層)、CoFe層がBCL、Ta層がキャップ層である。各層の材料、膜厚の変更はボトムタイプと同様である。
【0100】
次に、HCL23の膜厚について、説明する。
【0101】
電流磁界Hcuは磁化フリー層21に接して形成されたHCL23を設けることによって、電流磁界Hcuを低減する。
【0102】
このとき、NOL-SPSVでは、極薄磁化フリー層の採用によるMR変化率の減少分はNOL15,25による鏡面電子反射効果によって、磁化フリー層21の実効膜厚を上げることになるので、HCL23の膜厚は、電流磁界の低減効果を最優先に決定する。そして、あとはHCL23によるシャント分流による磁気抵抗変化率の減少効果を補充するために決定する。
【0103】
具体的には、HCL23の膜厚は最低限必要な膜厚として、ボトムタイプでのキャップ層27のシャントが無視できる程度、例えば平均膜厚3nmのTaキャップ層27を用いているであれば、HCL23としてCuを用いて、約0.3nm以上、約2nm以下とすることができ、望ましくは約0.5nm以上、約25nm以下とすることができる。膜厚の上限は、HCL23の膜厚を厚くすると、シャント分流で抵抗変化率が低下してしまうためであり、膜厚の下限は、スピンフィルターの効果を得るためである。
【0104】
一方、磁化フリー層21に加わる他の強磁性層からの漏洩磁界Hpについては、磁化ピン層13、17にSy-AF構造を使わず、BCL7により補償するが、BCL7の磁化が完全に磁化ピン層と逆向きに固着されるわけでないことに注意が必要である。
【0105】
つまり、上述の通り、BCL7の磁化方向は電流磁界Hcu BCLと磁化ピン層13からの漏洩磁界Hpin BCLによって固着され、一般的に、これら二つの磁界によるBCL7の磁化方向の固着はSy-AFによる磁化固着よりもハイト方向に完全に向ききっていないことが多い。
【0106】
よって、上記(2)式におけるHBCLの大きさは、完全に磁化ピン層13、17と反対方向に固着された場合よりも小さくなる。つまり、Sy-AF構造におけるバイアス補償と同等の効果を持とうとすると、Sy-AF構造の一方の磁性層よりもBCL7のほうが磁気膜厚を必要とする。
【0107】
Sy-AF構造とBCL7との差は、センス電流磁界Hcu BCLの大きさが小さいほど顕著になり、逆にセンス電流が十分大きければその差は小さくなる。また、磁化ピン層13、17からの漏洩磁界によって、BCL7は磁化ピン層13、17とは逆向きの磁化方向に固着されるので、ピン層の磁気膜厚が厚ければ厚いほどSy-AF構造との差が小さくなり、薄ければ逆となる。
【0108】
尚、完全な理想状態として、磁化ピン層13、17の磁気膜厚が十分厚く、センス電流が十分大きい場合には、BCL7のハイト方向への磁化固着の不完全差の分を考慮すれば、(1)、(2)式を容易に満たす事ができる。
【0109】
LLG(Landau Lifshits Girbard)マイクロマグネティックシミュレーションを用いた解析を行ったところ、Sy-AFと比べたときに、BCL7のピン磁化方向の不完全さは約70%から約95%であった。つまり、BCL7はSy-AF構造における一磁性層の1.1倍~1.4倍の磁気膜厚が必要となる。
【0110】
反強磁性層側磁化ピン層13の磁気膜厚は、CoFe換算で約1.0nm以上、約3nm以下(NiFe換算で約1.8nm以上、約5.4nm以下)になり、(2)式による実効ピン漏洩磁界のために許容される△tpin (△tpin=(Ms×t)pin−(Ms×t)BCL)、0.5nmT〜2nmTなので、BCL7によるハイト方向への実効ピン層磁気膜厚は0.9nmT〜4.9nmTとなる。
【0111】
加えて、BCL7に実際に必要な膜厚は上述の通り、Sy-AF構造の一磁性層の約1.1から約1.4倍の膜厚が必要なため、NiFe換算膜厚で約1nm以上、約6.9nm以下、CoFe換算で約0.6nm以上、約3.8nm以下必要となる。
【0112】
ここでは、反強磁性層側磁化ピン層13の磁気膜厚が薄くできることを想定したが、実際にはNOL15を含む場合には厚くなるので、望ましい範囲としては、NiFe換算で約1.8nm以上、約4.5nm以下、CoFe換算で約1nm以上、約2.5nm以下がよい。
【0113】
実施例1の膜構成でBCL膜厚の最適値を求めるために行ったLLGマイクロマグネティックシミュレーション結果を図3に示す。
【0114】
△tpin of zero asymmetry[nmT]は、良好な対象性(アシンメトリ)が得られるときのΔtpinの値である。また、ピン層完全固着(Pin fixed)は磁化ピン層の磁化がハイト方向に完全に一方向に向いている理想状態に対応し、Hua 800[Oe]と400[Oe]は磁化ピン層の一方向異方性を示し、その値が小さくなるに従って、理想状態よりもハード膜29からの漏洩磁界により傾きやすい状態に対応する。
【0115】
ハード膜/リード電極間距離で決まる磁気抵抗効果膜28のトラック幅は0.5mm、ハイトは0.3mmである。
【0116】
図3において、横軸はハード膜厚の相対的な強さであり、ハード膜の磁気膜厚(Ms×t)hardとフリー層の磁気膜厚(Ms×t)freeの比で求められる。実際のヘッドでは、理想系とはバイアス値が異なるため、横軸の絶対値にはあまり意味がなく、計算上、バルクハウゼンノイズが生じない範囲での相対値である。尚、センス電流はパラメータとして変えている。
【0117】
また、図2において、縦軸はバイアスポイントが最適値であって、信号波形の非対象性がゼロになるときのBCL7の膜厚であり、左側にNiFe換算の磁気膜厚(nmT)で、右側に飽和磁化1.8TのCoFe換算の膜厚を示している。
【0118】
その結果、磁化ピン層13、17の一軸異方性Huaによっても異なるが、BCL7を飽和磁化1.8TのCoFeとした場合の膜厚は、約1nm以上、約2.5nm以下が好ましい範囲であることがわかる。
【0119】
これらの範囲は、非磁性高導電層HCL23の膜厚が厚ければ厚いほど、BCL膜厚も厚い側に、Huaが大きいほどBCL膜厚が薄い側に、センス電流が大きいほどBCL膜厚が薄い側に最適条件がずれていくことになる。
【0120】
【発明の効果】
酸化物、窒化物、炭化物、あいは弗化物を含有する層を有し、良好なバイアスポイントを備える磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果ヘッド、これを搭載する磁気再生装置、磁気記憶装置、及び磁気抵抗効果膜の抵抗検知方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第一の実施形態に係る磁気抵抗効果素子の断面図である。
【図2】第一の実施形態に係る磁気抵抗効果素子のバイアスポイント調整について説明するための拡大断面図である。
【図3】第一の実施例における、計算結果を示す図である。
【符号の説明】
7…BCL
9・・・デカップリング層
11…反強磁性層
13…磁化ピン層
15…NOL
17…磁化ピン層
19…非磁性スペーサ層
21…磁化フリー層
23…HCL
25…NOL
29…バードバイアス膜
31…リード電極

Claims (11)

  1. 印加磁場がゼロの状態で第一の方向の磁化を備え、所定の印加磁場のもとで前記磁化が回転可能な第一の強磁性層と、
    前記第一の強磁性層に積層形成された第一の非磁性層と、
    前記第一の非磁性層に積層形成され、前記印加磁場がゼロの状態及び前記所定の印加磁場のもとで第二の方向の磁化を保持する第二の強磁性層と、
    前記第二の強磁性層及び前記第二の非磁性層との間に形成され前記第二の強磁性層に接する反強磁性層と、
    前記反強磁性層に積層形成された第二の非磁性層と、
    前記第二の非磁性層に積層形成され、その磁化固着方向が前記第二の方向とは逆向きとなり、かつ軟磁性材料からなる第三の強磁性層と、
    前記第二の強磁性層の層中、もしくは前記第二の強磁性層と前記第二の非磁性層の間に形成された、酸化物、窒化物、炭化物、もしくは弗化物を含有する層とを備える磁気抵抗効果膜、及び、
    前記第三の強磁性層における電流磁界の方向が前記第二の方向と逆となるように前記磁気抵抗効果膜に電流を流す一対の電極を備えることを特徴とする磁気抵抗効果素子。
  2. 前記第三の強磁性層から前記第一の強磁性層に印加される漏洩磁界の向きが、前記第一の強磁性層に印加される、前記第二の強磁性層からの漏洩磁界、電流磁界、及び前記第一の強磁性層と前記第二の強磁性層との層間結合による層間結合磁界の和により得られる磁界の向きを打ち消す方向であることを特徴とする請求
    項1記載の磁気抵抗効果素子。
  3. 前記第一の強磁性層の、前記第一の非磁性層と接する面と反対側の面に積層形成された、Cu、Au、Agのいずれかの元素を含有する第三の非磁性層を有することを特徴とする請求項1または2記載の磁気抵抗効果素子。
  4. 前記第一の強磁性層の平均膜厚が3nm以下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  5. 前記第三の強磁性層の磁気膜厚が、飽和磁化1Tの材料換算で1.8nmT以上4.5nmT以下であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  6. 前記第三の強磁性層がCoFe合金を50atomic%以上含有し、平均膜厚が1nm以上2.5nm以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  7. 前記酸化物、窒化物、炭化物、もしくは弗化物を含有する層の平均膜厚が1nm以上2nm以下であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子を備えることを特徴とする磁気再生ヘッド。
  9. 請求項8に記載の磁気再生ヘッドを搭載することを特徴とする磁気再生装置。
  10. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子を複数個備えることを特徴とする磁気記憶装置。
  11. 印加磁場がゼロの状態で第一の方向の磁化を備え、所定の印加磁場のもとで前記磁化が回転可能な第一の強磁性層と、前記第一の強磁性層に積層形成された第一の非磁性層と、前記第一の非磁性層に積層形成され、前記印加磁場がゼロの状態及び前記所定の印加磁場のもとで第二の方向の磁化を保持する第二の強磁性層と、前記第二の強磁性層及び前記第二の非磁性層との間に形成され前記第二の強磁性層に接する反強磁性層と、前記反強磁性層に積層形成された第二の非磁性層と、前記第二の非磁性層に積層形成され、その磁化固着方向が前記第二の方向とは逆向きとなり、かつ軟磁性材料からなる第三の強磁性層と、前記第二の強磁性層の層中、もしくは前記第二の強磁性層と前記第二の非磁性層の間に形成された、酸化物、窒化物、炭化物、もしくは弗化物を含有する層とを備える磁気抵抗効果膜に、前記第三の強磁性層における電流磁界が前記第二の方向と逆になる方向に電流を流して前記磁気抵抗効果膜の抵抗値を検知することを特徴とする磁気抵抗効果膜の抵抗検知方法。
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