JP2002232035A - 磁気抵抗効果素子、磁気再生ヘッド、磁気再生装置、磁気記憶装置、及び磁気抵抗効果膜の抵抗検知方法 - Google Patents
磁気抵抗効果素子、磁気再生ヘッド、磁気再生装置、磁気記憶装置、及び磁気抵抗効果膜の抵抗検知方法Info
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Abstract
ポイントを有する磁気抵抗効果素子等の提供。 【解決手段】 第一の強磁性層21と、第一の非磁性層
19と、第二の方向の磁化を備える第二の強磁性層1
3、17と、第ニの非磁性層9と、第三の強磁性層7
と、第二の強磁性層の層中に形成された、酸化物を主成
分として含む層15とを備える磁気抵抗効果膜28、及
び、磁気抵抗効果膜28に電気接続され、第三の強磁性
層5における電流磁界が第二の方向と逆になる方向に電
流を流す一対の電極31を備える。第三の強磁性層5か
ら第一の強磁性層21に印加される漏洩磁界の向きが、
第一の強磁性層21に印加される、第二の強磁性層1
3,17からの漏洩磁界、電流磁界、及び第一の強磁性
層21と第二の強磁性層13,17との層間結合による
層間結合磁界の和により得られる磁界の向きを打ち消す
方向とすることができる。
Description
用した磁気抵抗効果素子、磁気再生ヘッド、これを搭載
した磁気再生装置、磁気記憶装置、及び磁気抵抗効果膜
の抵抗検知方法に関する。
の高密度化に伴い、外部磁場がゼロの状態で互いの磁化
が略直交する2つの強磁性層とこれらの間に挿入された
非磁性層を備え、2つの強磁性層の相対的な磁化方向に
依存して電気抵抗が変化するスピンバルブ(SV)膜を備
えるSV-GMR(Spin-Valve Giant MagnetoResistive)ヘ
ッドが採用され始めた。今後、更なる高密度化のために
は、より高感度のSV-GMRヘッドが必要であり、高出力を
もたらす磁気抵抗効果変化率(MR変化率)のさらなる向
上や、SV-GMRの膜厚、特に、信号磁界に応じて磁化の向
きが変化する感磁層(磁化フリー層)の極薄化が重要で
ある。
磁化フリー層に隣接する高導電層を備えたスピンフィル
タースピンバルブ(SFSV:Spin-Filter Spin-Valve)膜
が提案され実用化されている。SFSVでは磁化フリー層の
薄膜化に伴う磁化感度向上により高出力再生ヘッドを実
現するものである。
の向上のためにスペキュラー(電子鏡面反射)効果を利
用し、かつ実用的なスピンバルブ膜構造を有する、NOL-
SPSV(Nano Oxide Layer - SPecular Spin-Valve)膜が
提案されている。この膜は、NOLと呼ばれる極薄の酸化
層を、磁化フリー層、もしくは、磁化フリー層と中間非
磁性層を介して積層された磁化固着層(磁化ピン層)中
に挿入しその界面で伝導電子を鏡面反射させることによ
って、スピンバルブ膜を擬似的な人工格子膜のようにし
て、MR変化率を稼ぐものである。この構造の発明によっ
て、スピンバルブ膜のMR変化率を飛躍的に向上させるこ
とが可能である。
SVを実際にセンサーや磁気ヘッドへ適用しようとしたと
きに、次に述べる問題点が生じることを本発明者らは発
見した。
は、高密度再生を狙うNOL-SPSV膜において必須だが、こ
の極薄磁化フリー層を用いる場合には、バイアスポイン
ト(ヘッド動作時の動作点)の調整が困難になる。その
ためには、磁化フリー層に加わる様々な磁界を小さくす
ることが重要である。その中でも、磁化ピン層の漏洩磁
界(Hpin)は磁化フリー層の磁化へ大きな影響を与え
る。
めに、SFSVでは、非磁性層を介して積層した2つの強磁
性層間をシンセティック結合(反強磁性的結合、以降Sy
-AFとする。)させたSy-AF構造を磁化ピン層に採用して
いる。
トローム程度のRu等の非磁性層を介して、これを挟む上
下の強磁性ピン層が反強磁性的結合をしている。従っ
て、磁化ピン層からの漏洩磁界は、上下のピン層磁気膜
厚(Ms×t(飽和磁化×膜厚))の差となり、磁化ピン層を
極端に薄くせずに磁化フリー層に加わる実質的なピン層
漏洩磁界を低くできる。Sy-AF構造の詳細については、
特許公報第2786601号に開示されている。
つつ、さらにCu層等の高導電層を用いることで磁化フ
リー層における電流磁界(Hcu)を小さくし、かつ、非
磁性スペーサ層を介した磁化フリー層及びピン層間の間
接層間結合磁界(Hin)を小さくしたうえで、Hpin+Hcu+H
in=0の関係が成り立つように電流方向を選択すること
で、Sy-AF構造を用いたSFSVでは良好なバイアスポイン
トを実現していた。
を実現しようとすると、Sy-AF構造の上記特性が出なく
なるという問題が明らかになった。その詳細な理由は明
らかでないが、例えば、NOL層中の酸素、窒素、弗素、
炭素等が熱処理によってSy-AF構造のRu層に拡散し、Ru
を介した上下磁化ピン層の反強磁性結合を弱めるといっ
た現象が原因と考えられる。すると、Sy-AF構造をNOL-S
PSVで採用できなくなり、磁化ピン層からの漏洩磁界を
低減することができなくなって、良好なバイアスポイン
トが実現できなくなると思われる。
ゼロにキャンセルするために、磁性キーパー層を用いる
という概念がある(特開平8−55312公報)。これ
は、スピンバルブ膜の上下どちらかの膜面に軟磁性キー
パー層を積層し、電流磁界によってこの軟磁性キーパー
層の磁化方向が磁化ピン層の磁界方向と逆向きになるよ
うにして、ピン層漏洩磁界をキャンセルするものであ
る。
法は、ピン層漏洩磁界を完全にゼロにし、かつHinをHcu
でキャンセルするという手法(Hin=Hcu, Hpin=0)によっ
てバイアスポイントを調整している。比較的低密度記録
では、磁化フリー層が厚いので磁化フリー層の外部磁化
感度が鈍い。また、磁化フリー層が厚いため、磁化フリ
ー層のSV膜中にしめる磁化フリー層の伝導コンダクタン
スの割合が大きく、従って、電流磁界が比較的小さくな
り、これを小さい層間結合磁界Hinによりキャンセルす
ることが可能となり、磁性キーパー層によるキャンセル
方法は有効となる。
の磁化フリー層の膜厚は薄くなると予想され、これに伴
いHcuは増大する為に磁性キーパー層によるキャンセル
方法では、限界がある。
題としていないことは、上記公開公報に記載された膜構
造を見ると容易にわかる。つまり、先述した、SFSVにお
いて磁化フリー層への電流磁界を低減するために、磁化
フリー層に高導電層を接触形成することにより、電流磁
界を低減することが高密度化ヘッドにおいては必須だ
が、特開平8−55312公報においては全くその記述
がないからである。
を流してバイアスポイントを実現するという手法は、NO
L-SPSVにおいては現実的でない。つまり、電流磁界Hcu
の方がHinよりも大きく、Hin=Hcuという設計は非常に困
難である。
方法では、NOL-SPSVのバイアスポイントを良好に調整す
ることが困難であった。
問題点を端緒として、良好なバイアスポイントを有する
磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果ヘッド、これを搭載す
る磁気再生装置、磁気記憶装置、及び磁気抵抗効果膜の
抵抗検知方法を提供することを課題とする。
に、本発明の一形態は、印加磁場がゼロの状態で第一の
方向の磁化を備え、所定の印加磁場のもとで磁化が回転
可能な第一の強磁性層と、第一の強磁性層に積層形成さ
れた第一の非磁性層と、第一の非磁性層に積層形成さ
れ、印加磁場がゼロの状態及び所定の印加磁場のもとで
第二の方向の磁化を保持する第二の強磁性層と、第ニの
強磁性層に積層形成された第ニの非磁性層と、第ニの非
磁性層に積層形成された第三の強磁性層と、第二の強磁
性層の層中、もしくは第二の強磁性層と第二の非磁性層
の間に形成された、酸化物、窒化物、炭化物、もしくは
弗化物を含有する層とを備える磁気抵抗効果膜、及び、
第三の強磁性層における電流磁界の方向が前記第二の方
向と逆となるように磁気抵抗効果膜に電流を流す一対の
電極を備えることを特徴とする磁気抵抗効果素子を提供
する。
ンバルアッセンブリ等に搭載される磁気再生ヘッドを構
成できる。また、この磁気再生ヘッドと磁気情報を記録
した磁気記録媒体を搭載した磁気再生装置は、従来以上
に高記録密度化への対応を実現することが可能である。
尚、磁気記録媒体を取り外し可能とした磁気再生装置に
ついても、本発明の磁気抵抗効果素子を用いることが可
能である。
スタあるいはダイオードとともに、あるいは単独でメモ
リセルを構成することができる。この磁気抵抗効果素子
を集積形成することで、不揮発性の半導体記憶装置を構
成することができる。
場がゼロの状態で第一の方向の磁化を備え、所定の印加
磁場のもとで前記磁化が回転可能な第一の強磁性層と、
第一の強磁性層に積層形成された第一の非磁性層と、第
一の非磁性層に積層形成され、印加磁場がゼロの状態及
び所定の印加磁場のもとで第二の方向の磁化を保持する
第二の強磁性層と、第ニの強磁性層に積層形成された第
ニの非磁性層と、第ニの非磁性層に積層形成された第三
の強磁性層と、第二の強磁性層の層中、もしくは第二の
強磁性層と第二の非磁性層の間に形成された、酸化物、
窒化物、炭化物、もしくは弗化物を含有する層とを備え
る磁気抵抗効果膜に、第三の強磁性層における電流磁界
が第二の方向と逆になる方向に電流を流して磁気抵抗効
果膜の抵抗値を読むことを特徴とする磁気抵抗効果膜の
抵抗検知方法に関する。
ッド、磁気再生装置、及び磁気抵抗効果膜の抵抗検知方
法において、次の構成を備えることが可能である。 1.第一の強磁性層が前記第二の非磁性層と接する面と
反対側の面に積層形成された、Cu、Au 、Agのいず
れかの元素を含む第三の非磁性層を有する。その含有量
は、50atomic%以上 含む非磁性層としてもよい。 2.第一の強磁性層の平均膜厚が3nm以下である。 3.第三の強磁性層の磁気膜厚が、飽和磁化1Tの材料
換算で1.8nmT以上4.5nmT以下である。 4.第三の強磁性層がCoFe合金を50atomic%以上含有
し、平均膜厚が1nm以上2.5nm以下である。 5.酸化物、窒化物、炭化物、もしくは弗化物を含有す
る層の平均膜厚が1nm以上2nm以下である。この層の酸化
物、窒化物、炭化物、もしくは弗化物の含有量は、50at
omic%以上とすることができる。 6.第三の強磁性層から第一の強磁性層に印加される漏
洩磁界の向きが、第一の強磁性層に印加される、第二の
強磁性層からの漏洩磁界、電流磁界、及び第一の強磁性
層と第二の強磁性層との層間結合による層間結合磁界の
和により得られる磁界の向きを打ち消す方向である。 7.第二の強磁性層及び第二の非磁性層との間に形成さ
れ、第二の強磁性層に接する反強磁性層とを備える。
の一形態に関る磁気抵抗効果素子について説明する。
加磁場がゼロの状態で第一の方向の磁化を備え、所定の
印加磁場によって前記磁化が回転可能な第一の強磁性層
と、第一の強磁性層に積層形成された第一の非磁性層
と、非磁性中間層に積層形成され、印加磁場がゼロの状
態及び前記所定の印加磁場において第二の方向の磁化を
保持する第二の強磁性層を備える。
加磁場が加わると磁化が回転する磁化フリー層である。
この磁化フリー層は、第一の非磁性層としてCu等を含む
スペーサ層を介して、第二の強磁性層と積層形成され
る。この第二の強磁性層は、印加磁場がゼロの状態及び
第一の強磁性層の磁化が回転する所定の印加磁場におい
てもその磁化方向を保持する磁化ピン層である。
(ピニング)には、磁化ピン層の材料として所定の印加
磁場においても磁化を維持する程度に高い保磁力を有す
る強磁性材料を用いる方法、反強磁性層と積層形成して
反強磁性層との磁気交換結合によって固着する方法、硬
質磁性層を磁化ピン層の近く、あるいは隣接配置してそ
の漏洩磁界により固着する方法等がある。
異なることが好ましく、さらには、互いに略直角をなす
ことも可能である。第一及び第二の方向が略直角を成す
素子がいわゆるスピンバルブ素子である。
ー層の磁化が信号磁界に応じて変化して第二の方向と等
しい状態で低抵抗を示し、磁化フリー層の磁化が第二の
方向と略反平行の状態で高抵抗を示す。
化ピン層の両強磁性層と非磁性スペーサ層との界面にお
いて、電子が強磁性層の磁化(スピン)の方向に依存し
て散乱を受けるためである(スピン依存界面散乱)。
素子の磁化ピン層の層中、もしくは、磁化ピン層の非磁
性スペーサ層と接する側と反対側の面に形成された、酸
化物、窒化物、炭化物、もしくは弗化物を含む層を備え
る。この層は、磁気抵抗効果素子中を移動してきた電子
を鏡面反射(スペキュラ)するもので、非磁性スペーサ
層から磁化ピン層中を通りこの層の鏡面に達した電子に
とって、非磁性スペーサ層と磁化ピン層及び磁化フリー
層との界面が擬似的に増えることになり、その散乱数を
増やすことができる。
は弗化物を含有する層の平均膜厚は、これを挟む磁性層
同士の磁気結合力等を好適な値とする観点から、0.5nm
から5nm程度が好ましい。以降、この層については、酸
化物を主成分として備える層を例にして、NOLと称す
る。
層にかかる外部磁場(バイアス)を補償するBCL(Bias
Compensation Layer)として、第三の強磁性層を新たに
備える。このBCLには、軟磁性材料等が好ましい。
洩磁界によって、磁化フリー層へ印加される、磁化ピン
層からの漏洩磁界、電流通電によって生じる電流磁界、
及び磁化ピン層と磁化フリー層との層間結合による層間
結合磁界の和を打ち消すことにより、この磁気抵抗効果
素子のバイアスポイントを調整するものである。つま
り、磁化フリー層の印加磁場ゼロにおける磁化方向を所
望の第一の方向とすることが可能となる。
Lにおける電流磁界の方向を磁化ピン層の磁化方向(第
二の方向)と逆方向とする様に電流を流すことが必要で
ある。
Lとの間の磁気的結合を防ぐために必要である。
アスポイントは、次に述べるような、発明者らの研究の
結果、本実施形態によって実現できることが明らかにな
った。以下に、その内容について詳述する。
化フリー層にかかる層間結合磁界Hi nをなるべく小さく
し、他の強磁性層からの漏洩磁界Hpと電流磁界Hcuを磁
化フリー層に印加する主な磁気バイアスと捉えてバイア
スポイントを調整する方法(Hp=Hcu+Hin、但し、磁化
ピン層と磁化フリー層が強磁性的磁化配列をなしている
場合にHinは正の値、反強磁性的磁化配列をなしている
場合にHinは負の値、と定義する)が、高密度再生に最
も現実的な方法であると思われる。
とHcuが逆向きとなるようにして、バイアスポイントを
調整するのである。そして、Hp の値は、BCLによるバイ
アス補償効果を利用して解決する。
る漏洩磁界HBCLの方向を、磁化ピン層から磁化フリー層
へ印加される漏洩磁界Hpinと逆方向にすることで、Hp
の増大を解決するものである。
念を下式に示す。
る。
である。また、Dは、1よりも小さい値であり、センス電
流値及び磁化ピン層のMs×tの値によって変化する。つ
まり、センス電流値が大きいほど、また、磁化ピン層の
Ms×tの値が大きいほどDは大きい値となり、1に近づ
く。
ス電流値を示し、分流値I1、I2、及びI3の総和を示す。
これらの電流値は、磁気抵抗効果膜のうち、一対の電極
により電流が流れる領域を上下方向に3分割した各領域
に流れる電流値を示し、真中の領域である磁化フリー層
を流れる電流値I2、磁化フリー層の上層から電極間にあ
る最上の導電層(図1ではキャップ層27)までの領域
を流れる電流値I1、及び磁化フリー層の下層から電極間
の最下の導電層(図1ではバッファ層3)までの領域を
流れる電流値I3である。尚、Isは、BCL7における電流
磁界が磁化ピン層の磁化方向と逆になる方向に電流を流
した場合を正の値としている。
いて、具体的な構造を例にして、以下に説明する。
バルブ膜の概略断面構造を示す。
1上に順次形成された、バッファ層3、シード層5、BC
L7、BCL7と反強磁性層11の磁気結合を防ぐデカップ
リング層9、反強磁性層11、磁化ピン層13、NOL1
5、磁化ピン層17、非磁性層19、磁化フリー層2
1、HCL23、NOL25、キャップ層27を備える磁気抵
抗効果膜28、一対のハードバイアス膜29、一対のリ
ード電極31を備える。各層の主成分を構成する材料
は、実施例1において詳述する。
方向の下側に位置するボトムタイプスピンバルブ膜で
は、BCLを磁化ピン層よりも下層に配置する。また、磁
化ピン層が磁化フリー層よりも積層方向の上層に位置す
るトップタイプスピンバルブ膜では、BCLを磁化ピン層
よりも上層に配置する。
ン層13と交換結合しており、この交換結合による磁気
バイアスによって、磁化ピン層13の磁化の向きは図1
の紙面裏から表の方向に固着されている。また、磁化ピ
ン層17は磁化ピン層13との強磁性交換結合によっ
て、磁化ピン層13と同一方向の磁化をもつ。
は、磁化ピン層13を構成する材料の酸化物を主成分と
して(50atomic%以上)含有し、このNOL15の磁気ピン
層17側の表面における鏡面反射効果が期待できる。
尚、NOL15の主成分は、酸化物のほかに、炭化物、窒
化物、弗化物等に適宜変更可能である。また、磁化ピン
層13を構成する材料と異なる材料の酸化物、炭化物、
窒化物、弗化物であってもよい。
スピンバルブ素子の非磁性スペーサ層であり、この層の
磁化ピン層17及び磁化フリー層21と接する両表面に
おいて、スピン依存散乱が生じる。
アバット接合構造により形成された一対のハードバイア
ス膜29からの漏洩磁界によって、図1の紙面内左右方
向に磁化バイアスが付与され、外部磁場がゼロの状態で
は、この方向の磁化を有する。また、この磁化バイアス
により、磁化フリー層21の層内は単磁区化が維持さ
れ、バルクハウゼンノイズの対策がなされている。
されると、その磁化が自由に回転可能なように調整され
ており、図1の紙面表から裏の向きの外部磁場が印加さ
れると、磁化フリー層21の磁化はこの向きに追従して
変化する。逆に、図1の紙面裏から表の向きの外部磁場
が印加されると、磁化フリー層21の磁化もこの向きに
追従して変化する。
て、磁化ピン層17との相対磁化方向が平行、あるいは
反平行の関係によって磁気抵抗効果膜28の電気抵抗は
変化する。つまり、互いの磁化方向が平行の時には、磁
気抵抗効果膜27の電気抵抗は低く、磁化方向が反平行
の時には、磁気抵抗効果膜27の電気抵抗は高くなる。
この電気抵抗の変化は、磁気抵抗効果膜の両端に接続さ
れた一対のリード電極31を介して、従来から知られる
抵抗変化を検知する検知回路にて検知される。
含有するHCL23が形成され、上述のように、その厚さ
の調整によってHcuの値を適宜調整可能である。
21側の電子鏡面反射効果を意図して挿入されている。
スポイントの保ち方については、上述の基本式の通りで
ある。
構造との関係について、図2を参照しつつ説明する。
の断面構造は、図1のそれと同様であり、各膜構成の説
明は省略する。但し、便宜上、図2では、図1の磁気抵
抗効果膜28を紙面縦方向にさらに拡大して示す。
とがバイアスポイント調整上重要となる。可変な因子と
しては、HpとHcuを利用する。Hcuについては、既に説明
した様に、磁化フリー層に隣接して形成する非磁性高導
電層(HCL: High Conductance Layer)の膜厚制御によ
って変えることができる。
cuは小さくなり、膜厚増加によるHc u低減の度合いは、
磁気抵抗効果膜28のシート抵抗が大きいほど効果が大
きくなる。
ルブ膜の各層をパラレルコンダクターモデルで近似する
ことによって、算出することができる。ただし、その際
は、各層の比抵抗の値はバルクの値を用いるのではな
く、実際に近い膜厚から正、あるいは負の方向へ1nm〜2
nmずらしたところでのコンダクタンスの変化量から算出
することが必要である。この手法によって、近似的には
電流のボルツマンの分布を考慮した比抵抗の値として用
いることができる。
とHBCLとから決定される。
の高さ(磁気抵抗効果膜28の信号流入面から奥に伸び
る高さ)と磁気膜厚(Ms×t)によって概略決定され
る。
化方向が完全に一方向に固着されることを前提している
のに対し、実際には、磁化ピン層13、17は完全に所
望の方向(図1では紙面裏から表の方向)に固着されて
いないことを考慮する必要がある。例えば、磁気抵抗効
果膜28を、ギャップ膜を介してシールド膜により挟持
するシールド型ヘッドでは、トラック幅方向(図1では
紙面内左右方向)端部において、シールド膜を備えると
いっても多少の曲がり(カーリング)は存在し、また、
磁化フリー層を単磁区とするためのハードバイアス膜2
9からのバイアス磁界によって磁化方向が前記所望方向
からずれてしまう為である。
リー層へ印加される漏洩磁界であり、BCLにおける電流
磁界Hcu BCLと磁化ピン層13,17からの漏洩磁界Hpin
BCLの和からなる。BCLは、磁気抵抗効果膜28中のなる
べく電流磁界がかかりやすく(電流中心位置から上下端
より)、かつ、BCLにおける電流磁界(Hcu BCL)の向き
が磁化フリー層にかかる電流磁界(Hcu)と逆向きとな
る位置に配置する。これにより、Hp=Hpin+HBCLを実現
することが可能となり、NOL-SPSVでの良好なバイアスポ
イントが実現できる。
いて新たに導入される因子である。
向は磁化ピン層の磁化方向と逆向きとする。これは、BC
Lに印加される電流磁界(Hcu BCL)と磁化ピン層からの
漏洩磁界(Hpin BCL)の向きを一致させることで、実現
可能である。従って、HBCLは、Hcu BCL+Hpin BCLにより
決まり、これらの磁界を適宜調整することによりHBCLを
決定できる。
向は、その電流による磁化フリー層における電流磁界
(Hcu)が磁化ピン層等の他の強磁性層から磁化フリー
層に印加される漏洩磁界(Hp)をキャンセルする方向と
する。
ピン層からの漏洩磁界により固着をしているが、上述の
ように、磁化ピン層の磁化方向が完全にMRハイト方向に
固着されていないことから、Hpin BCLは、Sy-AFを用いた
完全固着のピン層と比べて小さくなりがちである。ま
た、ハードバイアス膜29によるH pin BCL低減の影響
は、軟磁性層を用いたBCLの方が顕著に影響するので、
設計にあたっては、これらを考慮することが望ましい。 (実施例1)本実施例1では、第1の実施の形態に関る
ボトムタイプスピンバルブ膜の実施例1を説明する。
ンバルブ膜を作成した。尚、膜厚は、成膜速度と成膜時
間の制御により成膜した直後の値である。
m/PtMn 10nm/CoFe 0.5nm/NOL/CoFe2nm/Cu 2.3nm/CoFeNi
2nm/Cu 1nm/TaO 1nm このスピンバルブ膜の成膜は、上記各層の層材料をター
ゲット材料として用いて、真空中でのDCマグネトロンス
パッタ法により成膜した。スパッタチャンバー内の到達
真空度は1×10-7Torr以下で、Arガスを用いて1mTorr〜1
0mTorrのガス圧にて成膜した。尚、DCマグネトロンスパ
ッタ法の他に、IBD(Ion Beam Deposition)方法でも構わ
ない。そのときは、スパッタガスにXeガスを用いること
ができ、そのガス圧をDCマグネトロンスパッタよりも下
げることが可能となる。
つ説明する。
り、0~5nm程度の平均膜厚が望ましい。Taの代わりに、T
i、Zr、Hf、W、Cr、V、Mo、Re、Os等の金属やそれらの
合金を用いても構わない。これらの中でも特に、Ta、T
i、Zrを用いることができる。
FeCr等の面心立方構造(fcc) の(111)面の層表面に
対する平行配向を促す、非磁性材料からなるシード層5
である。ここでは、シャント低減のため、及び、磁性材
料のNiFeを非磁性にするために、Crを添加している。Cr
の添加量は、20%〜60%程度(atomic %)が望ましい。ま
た、クロムの変わりにNb、Hf、Ta、Ti、Mo、W等を添加
しても構わない。さらにまた、fcc(111)配向促進膜とし
て、非磁性のNiCr、Cu、Ru、Re、Os、Pt、非磁性NiCu等
を用いてもよい。シード層5が結晶配向促進機能を備え
る材料で構成すればバッファ層3を省略してもよい。
地シード層の効果によってfcc(111)配向しているため十
分な軟磁性を示しており、電流磁界Hcu BCLや、磁化ピン
層13、17からの漏洩磁界Hpin BCLによって、磁化方
向が磁化ピン層の磁化方向と反対に向くことが可能であ
る。
(Hcu BCL)や磁化ピン層13、17からの漏洩磁界(H
pin BCL)によって磁化方向が動かなくなってしまうの
で、好ましくない。但し、媒体磁界に敏感に反応しなけ
ればならない磁化フリー層21ほど、軟磁性は求められ
ない。
ピン層からの漏洩磁界(Hpin BCL)と比べて、1/10〜1/5
以下の小さい保磁力(Hc)であれば問題ない。この膜
は、バイアスポイント制御のために重要な役割を果たす
ので、この膜厚決定に注意が必要である。膜厚決定の指
針については後に詳述する。
ではCoFeを用いたが、NiFe、NiFeX(X=Cr、Nb、Hf、Ti、
Ta、W、Mo)のような結晶材料、CoZrNb、CoZrTaのような
アモルファス材料でも構わない。しかしながら、ボトム
タイプNOL-SPSVの場合にはBCL7は下地層としての役割
も持つので、その上に積層される結晶配向制御という意
味では、CoFeやNiFeのような結晶材料が望ましい。BCL
7がスピンバルブ膜中の上層に位置するトップタイプの
ときにはアモルファス材料でもよい。
と反強磁性層11であるPtMn層との磁気的な結合を切る
ための非磁性層(デカップリング層9)であり、電気的
なシャントはできるだけ小さいほうがよいため、シード
層5と同じNiFeCrを用いた。必ずしもシード層5と同じ
材料である必然はないが、ちょうど下地シード層で挙げ
たような材料がそのまま使える。
膜11とBCL7間で生じてしまうと問題である。なぜな
らば、図1に示すように、反強磁性膜11との交換結合
によって固着された磁化ピン層13、17の磁化方向
と、磁化ピン層13、17からの漏洩磁界(Hpin BCL)
と電流磁界(Hcu BCL)によって、BCL7にかかる磁化方
向(HBCL=Hpin BCL+Hcu BCL)を逆向きにする必要がある
のに対し、BCL7と反強磁性層11との間に磁気的なカ
ップリングが生じると、磁気ピン層13、17の磁化方
向とBCL7の磁化方向が同方向になる作用が働くからで
ある。
が生じた場合、BCL7に加わる電流磁界や、磁化ピン層
17からの漏洩磁界の1/10〜1/5以下の大きさにする必
要がある。そのために、必要なNiFeCrの膜厚は0.5nm〜5
nm程度が望ましく、さらに望ましくは1〜3nm程度が望ま
しい。厚ければ厚いほど十分に磁気的なカップリングを
切ることが可能になるが、その分、電気的なシャントも
増え、またトータル膜厚も増えるために高い狭ギャップ
(高密度)化との調整が必要となる。また、再生磁気ヘ
ッドに用いる場合には、磁気シールド間に磁気ギャップ
を介して厚いスピンバルブ膜を入れることが困難になる
ため、上記膜厚の範囲が好ましい。
あり、その上に積層される磁化ピン層(CoFe層)13の
磁化を固着するものである。電気的なシャントを低減す
るために、反強磁性層11は薄いほうが望ましいが、あ
まり薄すぎると一方向への磁化固着が困難になるため、
PtMnの場合は6nm〜20nm程度が望ましく、さらに望まし
くは、8nm〜15nm程度が望ましい。
しいが、PtMnのかわりにPdPtMnや、IrMn、RuMn、RuRhM
n、NiMn、NiO、α-Fe2O3等の一方向に磁化方向を固着す
る機能のある他の反強磁性層であっても構わない。
方向をもつ磁化ピン層であり、NOLを介した上下のCoFe
は、信号磁界が与えられた状態でも磁気的に十分な強さ
で強磁性結合している。PtMn層に接触するCoFe層は、NO
Lによる酸素がPtMnまでいかないように、かつPtMn層と
磁気的にカップリングするために必要な厚さを有するこ
とが好ましい。但し、NOL15による酸素の影響がPtMn
層に届かない範囲、かつPtMn層と時期的にカップリング
できれば薄ければ薄いほど望ましい。
NOL-SPSVでは厚くなりやすいため、これら磁化ピン層1
3,17の磁気膜厚もできるだけ小さいほうが望まし
い。例えば、飽和磁化を低減するためにCr、B、Cu等の
添加元素を加えることも望ましい。膜厚は、ここではCo
Fe0.5nmとなっているが、0.3nm〜1.5nm程度が望まし
い。ここでの磁性材料はCoFe合金のほか、Fe、Fe系合
金、Ni、Ni合金等でも構わない。例えば、CoFeCr、CoFe
B、CoFeCu等を用いることができる。
面を酸化して形成することも可能であり、酸化膜を成膜
することも可能である。
で酸素フローしたり、プラズマ酸化したり、UV酸化、酸
素イオンビームによる酸化などの方法がある。このと
き、磁化ピン層13の下の反強磁性層11まで酸化しな
いように留意する必要がある。
ットをスパッタにより成膜する方法や、金属ターゲット
を酸素雰囲気中でスパッタして、反応性スパッタによる
方法などがある。このNOL15の膜厚は、約0.1nm以上約
5nm以下が望ましい。特に望ましくは、約1nm以上約2nm
以下が望ましい。NOL15の上に成膜される磁化ピン層
17はMR変化率に大きく影響する強磁性層なので、低磁
気膜厚の磁化ピン層17にする場合にもあまり添加元素
を多くしないことが望ましい。
金でも構わない。低BsにするためにCoFe合金にB、Cuを
添加する場合は、微量の添加3〜10atomic%とすることが
できる。
磁性層19であり、約1.5nmから約3nmの膜厚が望まし
い。特に望ましくは、約2nmから約2.5nmが望ましい。非
磁性層19の膜厚および層表面の平坦性が悪くなると、
磁化フリー層21と磁化ピン層17の間の層間結合(in
ter-layer coupling)の磁界強度が増大するので、層表
面の平坦性は重要である。
1が強磁性的磁化配列をすることが多いが、反強磁性的
磁化配列結合の場合もある。どちらにしても、あまり大
きなHinの値にならないことが望ましい。Hinの値として
は、約−20Oe以上約+20Oe以下が望ましい(+のときが
磁化ピン層と磁化フリー層が強磁性的磁化配列、−のと
きが反強磁性的磁化配列)。さらに望ましくは、約−10O
eから約+10Oeが好ましい。
層が成膜される。磁化フリー層21の構成としては、非
磁性層19にCoFeが接しているCoFe/NiFe積層フリー
層、単層CoFeフリー層、単層CoFeNiフリー層等を用いる
ことが可能である。実施例1で用いた単層CoFeNi層はNi
の添加によって、磁歪の制御と、良好な軟磁性を実現し
ている。
用するには磁化フリー層21の膜厚は薄いほうが好まし
い。具体的には約1nm以上、約4nm以下が好ましく、より
好ましくは、約1.5nm以上、約3nm以下がよい。
層はHCL23であり、バイアスポイント調整の効果を備
える。つまり、Cu層によって、スピンバルブ膜中に流れ
る電流中心を磁化ピン層側から磁化フリー層に近づける
ことによって、フリー層に印加される電流磁界Hcuを低
減することが可能となる。
ャントによってMR変化率が低減するため好ましくない。
望ましい範囲としては、約0.3nm以上、約3nm以下、さら
に好ましくは約0.5nm以上、約2nm以下がよい。
ントに大きく関るものであり、磁化ピン層漏洩磁界Hpin
の大きさにあわせて変えるべきものである。HCL23の
膜厚については、BCL膜厚のとともに、後に詳述する。
効果を持つものであり、酸化物層であることが望まし
い。材料は、TaO以外でも、AlO、TiO、CrO、WO、VO、Zr
O、HfO、FeO、CoOなどのその他の金属酸化物でも構わな
い。また、酸化物層の上にさらにキャップ層として、金
属Ta層をさらに成膜しても構わない。
磁化フリー層21よりも下層に位置する、ボトムタイプ
スピンバルブについて説明したが、本発明はボトムタイ
プに限定されるものではなく、磁化ピン層が磁化フリー
層よりも上層に形成されるトップタイプでも構わない。
CoFe 1nm/Cu 2.2nm/CoFe 2nm/NOL 1.5nm/CoFe 0.5nm/Pt
Mn 10nm/NiFeCr 1nm/CoFe 1.5nm/Ta 3nm等がある。ここ
で、下層のTaOはバッファ層兼磁化フリー層用NOL、その
上層のCu層はHCL兼下地シード層、NiFe層及びCoFe層が
互いに強磁性結合して磁化フリー層を構成し、Cu層はス
ペーサ層、CoFe層、NOL、CoFe層が、CoFe層どうしが強
磁性結合した磁化ピン層、PtMn層が反強磁性層、NiFeCr
層が磁気結合切断層(デカップリング層)、CoFe層がBC
L、Ta層がキャップ層である。各層の材料、膜厚の変更
はボトムタイプと同様である。
る。
形成されたHCL23を設けることによって、電流磁界Hcu
を低減する。
層の採用によるMR変化率の減少分はNOL15,25によ
る鏡面電子反射効果によって、磁化フリー層21の実効
膜厚を上げることになるので、HCL23の膜厚は、電流
磁界の低減効果を最優先に決定する。そして、あとはHC
L23によるシャント分流による磁気抵抗変化率の減少
効果を補充するために決定する。
な膜厚として、ボトムタイプでのキャップ層27のシャ
ントが無視できる程度、例えば平均膜厚3nmのTaキャッ
プ層27を用いているであれば、HCL23としてCuを用
いて、約0.3nm以上、約2nm以下とすることができ、望ま
しくは約0.5nm以上、約25nm以下とすることができる。
膜厚の上限は、HCL23の膜厚を厚くすると、シャント
分流で抵抗変化率が低下してしまうためであり、膜厚の
下限は、スピンフィルターの効果を得るためである。
性層からの漏洩磁界Hpについては、磁化ピン層13、1
7にSy-AF構造を使わず、BCL7により補償するが、BCL
7の磁化が完全に磁化ピン層と逆向きに固着されるわけ
でないことに注意が必要である。
電流磁界Hcu BCLと磁化ピン層13からの漏洩磁界Hpin
BCLによって固着され、一般的に、これら二つの磁界に
よるBCL7の磁化方向の固着はSy-AFによる磁化固着より
もハイト方向に完全に向ききっていないことが多い。
さは、完全に磁化ピン層13、17と反対方向に固着さ
れた場合よりも小さくなる。つまり、Sy-AF構造におけ
るバイアス補償と同等の効果を持とうとすると、Sy-AF
構造の一方の磁性層よりもBCL7のほうが磁気膜厚を必
要とする。
界Hcu BCLの大きさが小さいほど顕著になり、逆にセンス
電流が十分大きければその差は小さくなる。また、磁化
ピン層13、17からの漏洩磁界によって、BCL7は磁
化ピン層13、17とは逆向きの磁化方向に固着される
ので、ピン層の磁気膜厚が厚ければ厚いほどSy-AF構造
との差が小さくなり、薄ければ逆となる。
3、17の磁気膜厚が十分厚く、センス電流が十分大き
い場合には、BCL7のハイト方向への磁化固着の不完全
差の分を考慮すれば、(1)、(2)式を容易に満たす
事ができる。
マグネティックシミュレーションを用いた解析を行った
ところ、Sy-AFと比べたときに、BCL7のピン磁化方向の
不完全さは約70%から約95%であった。つまり、BCL7はS
y-AF構造における一磁性層の1.1倍~1.4倍の磁気膜厚が
必要となる。
は、CoFe換算で約1.0nm以上、約3nm以下(NiFe換算で約
1.8nm以上、約5.4nm以下)になり、(2)式による実効
ピン漏洩磁界のために許容される△tpin (△tpin=(Ms×
t)pin−(Ms×t)BCL)、0.5nmT〜2nmTなので、BCL7によ
るハイト方向への実効ピン層磁気膜厚は0.9nmT〜4.9nmT
となる。
の通り、Sy-AF構造の一磁性層の約1.1から約1.4倍の膜
厚が必要なため、NiFe換算膜厚で約1nm以上、約6.9nm以
下、CoFe換算で約0.6nm以上、約3.8nm以下必要となる。
磁気膜厚が薄くできることを想定したが、実際にはNOL
15を含む場合には厚くなるので、望ましい範囲として
は、NiFe換算で約1.8nm以上、約4.5nm以下、CoFe換算で
約1nm以上、約2.5nm以下がよい。
るために行ったLLGマイクロマグネティックシミュレー
ション結果を図3に示す。
な対象性(アシンメトリ)が得られるときのΔtpinの値
である。また、ピン層完全固着(Pin fixed)は磁化ピ
ン層の磁化がハイト方向に完全に一方向に向いている理
想状態に対応し、Hua 800[Oe]と400[Oe]は磁化ピン層の
一方向異方性を示し、その値が小さくなるに従って、理
想状態よりもハード膜29からの漏洩磁界により傾きや
すい状態に対応する。
抵抗効果膜28のトラック幅は0.5mm、ハイトは0.3mmで
ある。
な強さであり、ハード膜の磁気膜厚(Ms×t)hardとフ
リー層の磁気膜厚(Ms×t)freeの比で求められる。実
際のヘッドでは、理想系とはバイアス値が異なるため、
横軸の絶対値にはあまり意味がなく、計算上、バルクハ
ウゼンノイズが生じない範囲での相対値である。尚、セ
ンス電流はパラメータとして変えている。
ントが最適値であって、信号波形の非対象性がゼロにな
るときのBCL7の膜厚であり、左側にNiFe換算の磁気膜
厚(nmT)で、右側に飽和磁化1.8TのCoFe換算の膜厚を示
している。
方性Huaによっても異なるが、BCL7を飽和磁化1.8TのCo
Feとした場合の膜厚は、約1nm以上、約2.5nm以下が好ま
しい範囲であることがわかる。
の膜厚が厚ければ厚いほど、BCL膜厚も厚い側に、Huaが
大きいほどBCL膜厚が薄い側に、センス電流が大きいほ
どBCL膜厚が薄い側に最適条件がずれていくことにな
る。
を含有する層を有し、良好なバイアスポイントを備える
磁気抵抗効果素子、磁気抵抗効果ヘッド、これを搭載す
る磁気再生装置、磁気記憶装置、及び磁気抵抗効果膜の
抵抗検知方法を提供することができる。
図である。
アスポイント調整について説明するための拡大断面図で
ある。
る。
Claims (12)
- 【請求項1】 印加磁場がゼロの状態で第一の方向の磁
化を備え、所定の印加磁場のもとで前記磁化が回転可能
な第一の強磁性層と、 前記第一の強磁性層に積層形成された第一の非磁性層
と、 前記第一の非磁性層に積層形成され、前記印加磁場がゼ
ロの状態及び前記所定の印加磁場のもとで第二の方向の
磁化を保持する第二の強磁性層と、 前記第ニの強磁性層に積層形成された第ニの非磁性層
と、 前記第ニの非磁性層に積層形成された第三の強磁性層
と、 前記第二の強磁性層の層中、もしくは前記第二の強磁性
層と前記第二の非磁性層の間に形成された、酸化物、窒
化物、炭化物、もしくは弗化物を含有する層とを備える
磁気抵抗効果膜、及び、 前記第三の強磁性層における電流磁界の方向が前記第二
の方向と逆となるように前記磁気抵抗効果膜に電流を流
す一対の電極を備えることを特徴とする磁気抵抗効果素
子。 - 【請求項2】 前記第三の強磁性層から前記第一の強磁
性層に印加される漏洩磁界の向きが、前記第一の強磁性
層に印加される、前記第二の強磁性層からの漏洩磁界、
電流磁界、及び前記第一の強磁性層と前記第二の強磁性
層との層間結合による層間結合磁界の和により得られる
磁界の向きを打ち消す方向であることを特徴とする請求
項1記載の磁気抵抗効果素子。 - 【請求項3】 前記第一の強磁性層の、前記第二の非磁
性層と接する面と反対側の面に積層形成された、Cu、A
u、Agのいずれかの元素を含有する第三の非磁性層を有
することを特徴とする請求項1または2記載の磁気抵抗
効果素子。 - 【請求項4】 前記第一の強磁性層の平均膜厚が3nm以
下であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一
項に記載の磁気抵抗効果素子。 - 【請求項5】 前記第三の強磁性層の磁気膜厚が、飽和
磁化1Tの材料換算で1.8nmT以上4.5nmT以下であること
を特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の磁
気抵抗効果素子。 - 【請求項6】 前記第三の強磁性層がCoFe合金を50at
omic%以上含有し、平均膜厚が1nm以上2.5nm以下である
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載
の磁気抵抗効果素子。 - 【請求項7】 前記酸化物、窒化物、炭化物、もしくは
弗化物を含有する層の平均膜厚が1nm以上2nm以下である
ことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載
の磁気抵抗効果素子。 - 【請求項8】 前記第二の強磁性層及び前記第二の非磁
性層との間に形成され前記第二の強磁性層に接する反強
磁性層とを備えることを特徴とする請求項1乃至7のい
ずれか一項に記載の磁気抵抗効果素子。 - 【請求項9】 請求項1乃至8のいずれか一項に記載の
磁気抵抗効果素子を備えることを特徴とする磁気再生ヘ
ッド。 - 【請求項10】 請求項9に記載の磁気再生ヘッドを搭
載することを特徴とする磁気再生装置。 - 【請求項11】 請求項1乃至8のいずれか一項に記載
の磁気抵抗効果素子を複数個備えることを特徴とする磁
気記憶装置。 - 【請求項12】 印加磁場がゼロの状態で第一の方向の
磁化を備え、所定の印加磁場のもとで前記磁化が回転可
能な第一の強磁性層と、前記第一の強磁性層に積層形成
された第一の非磁性層と、前記第一の非磁性層に積層形
成され、前記印加磁場がゼロの状態及び前記所定の印加
磁場のもとで第二の方向の磁化を保持する第二の強磁性
層と、前記第ニの強磁性層に積層形成された第ニの非磁
性層と、前記第ニの非磁性層に積層形成された第三の強
磁性層と、前記第二の強磁性層の層中、もしくは前記第
二の強磁性層と前記第二の非磁性層の間に形成された、
酸化物、窒化物、炭化物、もしくは弗化物を含有する層
とを備える磁気抵抗効果膜に、前記第三の強磁性層にお
ける電流磁界が前記第二の方向と逆になる方向に電流を
流して前記磁気抵抗効果膜の抵抗値を検知することを特
徴とする磁気抵抗効果膜の抵抗検知方法。
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- 2001-01-31 JP JP2001023395A patent/JP3970526B2/ja not_active Expired - Fee Related
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