JP2001307308A - 磁気抵抗効果型ヘッドおよび情報再生装置 - Google Patents

磁気抵抗効果型ヘッドおよび情報再生装置

Info

Publication number
JP2001307308A
JP2001307308A JP2000122456A JP2000122456A JP2001307308A JP 2001307308 A JP2001307308 A JP 2001307308A JP 2000122456 A JP2000122456 A JP 2000122456A JP 2000122456 A JP2000122456 A JP 2000122456A JP 2001307308 A JP2001307308 A JP 2001307308A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
layer
magnetic layer
magnetic
magnetization
fixed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000122456A
Other languages
English (en)
Inventor
Kenji Noma
賢二 野間
Hitoshi Kanai
均 金井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujitsu Ltd filed Critical Fujitsu Ltd
Priority to JP2000122456A priority Critical patent/JP2001307308A/ja
Priority to US09/729,391 priority patent/US6819533B2/en
Publication of JP2001307308A publication Critical patent/JP2001307308A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/33Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only
    • G11B5/39Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects
    • G11B5/3903Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects using magnetic thin film layers or their effects, the films being part of integrated structures
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y10/00Nanotechnology for information processing, storage or transmission, e.g. quantum computing or single electron logic
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/33Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only
    • G11B5/39Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects
    • G11B2005/3996Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects large or giant magnetoresistive effects [GMR], e.g. as generated in spin-valve [SV] devices
    • GPHYSICS
    • G11INFORMATION STORAGE
    • G11BINFORMATION STORAGE BASED ON RELATIVE MOVEMENT BETWEEN RECORD CARRIER AND TRANSDUCER
    • G11B5/00Recording by magnetisation or demagnetisation of a record carrier; Reproducing by magnetic means; Record carriers therefor
    • G11B5/127Structure or manufacture of heads, e.g. inductive
    • G11B5/33Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only
    • G11B5/39Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects
    • G11B5/3903Structure or manufacture of flux-sensitive heads, i.e. for reproduction only; Combination of such heads with means for recording or erasing only using magneto-resistive devices or effects using magnetic thin film layers or their effects, the films being part of integrated structures
    • G11B5/3967Composite structural arrangements of transducers, e.g. inductive write and magnetoresistive read

Abstract

(57)【要約】 【課題】 自由磁性層に付与される交換結合磁界Hin
小さく抑えられた磁気抵抗効果型ヘッドを提供する。 【解決手段】 第1の反強磁性層2と、その第1の反強
磁性層2上に形成された、方向の固定された磁化を有す
る固定磁性層3と、その固定磁性層3上に形成された第
1の非磁性層4と、その第1の非磁性層4上に形成され
た、外部磁界に応じて方向の変化する磁化を有する自由
磁性層5と、その自由磁性層5上形成された第2の非磁
性層6と、その第2の非磁性層6上に形成された、静的
な交換結合による、固定磁性層3の磁化方向とは逆向き
のバイアス磁界を自由磁性層5に付与する第2の反強磁
性層7とを有する磁気抵抗効果膜を備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外部磁界の強さに
応じた抵抗変化を利用してその外部磁界の強さを検知す
る磁気抵抗効果型ヘッド、および記録媒体に記録された
情報を再生する情報再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの普及に伴って、日
常的に多量の情報が取り扱われるようになっている。こ
のような情報は、通常、記録媒体に多数の物理的な印と
して記録され、その記録媒体上の印を読み取って電気的
な再生信号を生成する情報再生装置により再生される。
【0003】ハードディスク装置(HDD:Hard
Disk Drive)は、そのような情報再生装置の
1つであり、記憶容量が大きく情報へのアクセス速度が
速いという特徴を持つ。このHDDは、一般に、表面が
磁性材料からなる記録媒体である磁気ディスク、および
この磁気ディスクに記録された情報を再生する再生ヘッ
ドを備えている。磁気ディスクは、表面が微小領域(1
ビット領域)ごとに磁化されており、1ビットの情報が
この1ビット領域の磁化の方向の形で記録される。再生
ヘッドは、この磁気ディスクに近接して配置され、磁気
ディスクの1ビット領域の磁化から発生する信号磁界H
sigに応じた電気的な再生信号を出力することにより、
磁気ディスクに記録された情報を再生する。
【0004】この磁気ディスクの記録密度は年々向上し
続けており、その記録密度の向上に伴って1ビット領域
の面積が減少し、その1ビット領域から発生する信号磁
界H sigが弱くなる。このため、このように弱い信号磁
界Hsigに対しても大きな再生信号を出力する磁気ヘッ
ドが必要となっており、このように大きな再生信号を出
力する磁気ヘッドとして、巨大磁気抵抗(GMR)効果
を利用した磁気抵抗効果型ヘッドであるスピンバルブ磁
気抵抗効果型ヘッド(Spin Valve Magn
etoresistive Head)の実用化が本格
的に始まりつつある。以下では、このスピンバルブ磁気
抵抗効果型ヘッドをSVMRヘッドと称する。
【0005】SVMRヘッドは、外部磁界に応じて磁化
の方向が変化する自由磁性層と、この自由磁性層に隣接
して形成された導電性を有する非磁性層と、この非磁性
層に隣接して形成された、磁化の方向が所定の方向に固
定された固定磁性層と、この固定磁性層に隣接して形成
され、この固定磁性層の磁化の方向を固定する反強磁性
材料からなる反強磁性層とを含む多層膜であるスピンバ
ルブタイプの磁気抵抗効果膜を有する。この磁気抵抗効
果膜は、自由磁性層の磁化の方向と固定磁性層の磁化の
方向の相対的な角度変化に応じた抵抗変化を生じ、これ
らの磁化の方向が互いに同方向を向くと抵抗値が最小と
なり、互いに逆方向を向くと抵抗値が最大となる。この
磁気抵抗効果膜には一対の電極端子が配設されており、
動作時にこの一対の電極端子から磁気抵抗効果膜にセン
ス電流が流される。センス電流が流された状態で、この
SVMRヘッドを磁気ディスクに近接させて相対的に移
動させると、磁気ディスクからの信号磁界Hsigに応じ
て上記磁気抵抗効果膜の電気抵抗値が逐次変化し、この
電気抵抗値と上記センス電流値との積で表される出力電
圧を持った再生信号が出力される。
【0006】SVMRヘッドの再生信号の出力は、外部
磁界に応じて変化するシート抵抗の最大値と最小値との
差Δρ/tにほぼ比例する。以下では、この変化するシ
ート抵抗の最大値と最小値との差Δρ/tを、抵抗変化
Δρ/tと称する。一般に、スピンバルブタイプの磁気
抵抗効果膜は、大きな抵抗変化Δρ/tを有するもので
あるため、SVMRヘッドによって高出力の再生信号が
出力される。しかし、抵抗変化Δρ/tのさらなる増大
により、SVMRヘッドをさらに高出力化することが望
まれている。抵抗変化Δρ/tを増大させるためには、
上記自由磁性層および非磁性層の厚みを低減させればよ
いことが知られている。これらの層の厚みが大きい場合
には、磁気抵抗効果に寄与しない余分なシャント電流が
これらの層に流れてしまい抵抗変化Δρ/tが減少する
が、これらの層を薄層化することによりこのシャント電
流の量が抑制される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、磁気抵抗効果
膜では、主に固定磁性層の磁化から自由磁性層の磁化に
対して、磁化どうしの交換結合に起因する交換結合磁界
(Inter Layer Coupling Fie
ld)Hinが付与されており、自由磁性層や非磁性層の
薄層化を進めると、この交換結合磁界Hinが増大する。
例えば、Ta(50Å)/CoFe(自由磁性層:20
Å)/Cu(非磁性層:30Å)/CoFe(固定磁性
層:20Å)/PtMn(反強磁性層:200Å)/T
a(100Å)の構成を持つスピンバルブタイプの磁気
抵抗効果膜の抵抗変化Δρ/tは0.9Ω程度であるの
に対し、Cuからなる非磁性層の厚みを30Åから20
Åに低減することにより、抵抗変化Δρ/tは1.4Ω
まで向上する。しかし、この厚みの低減によって、交換
結合磁界Hinは、0.4kA/mから2.5kA/mま
で増大してしまう。
【0008】このように交換結合磁界Hinが増大する
と、ヘッドの状態において、自由磁性層の磁化の方向と
固定磁性層の磁化の方向とがなす角度について、理想的
な90度方向にならず、大きなずれが生ずる。この角度
が大きくずれた状態では、磁気抵抗効果膜の抵抗が信号
磁界Hsigの変化に対して線形応答せず、信号磁界Hsig
の正負に関してSVMRヘッドの再生波形の対称性が悪
化する。そして、この対称性の悪化により、出力電圧の
正負いずれかの側のダイナミックレンジが減少して、実
質的な再生出力が減少するといった問題が発生する。
【0009】本発明は、上記事情に鑑み、自由磁性層に
付与される交換結合磁界Hinが小さく抑えられた磁気抵
抗効果型ヘッド、およびそのような磁気抵抗効果型ヘッ
ドを備えた情報再生装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の磁気抵抗効果型ヘッドのうちの第1の磁気抵抗効果
型ヘッドは、方向の固定された磁化を有する固定磁性層
と、外部磁界に応じて方向の変化する磁化を有する自由
磁性層と、その固定磁性層およびその自由磁性層によっ
て層の厚み方向に挟まれた第1の非磁性層とを含む多層
膜であって、その固定磁性層の磁化の方向とその自由磁
性層の磁化の方向とのなす角度に応じた抵抗の大きさを
示す磁気抵抗効果膜を備え、その磁気抵抗効果膜の抵抗
の大きさを検知することにより上記外部磁界の強さを検
知する磁気抵抗効果型ヘッドであって、上記自由磁性層
の、その自由磁性層の上記第1の非磁性層側の面とは反
対側の面に隣接した第2の非磁性層と、上記第2の非磁
性層の、その第2の非磁性層の上記自由磁性層側の面と
は反対側の面に隣接した、静的な交換結合による、上記
固定磁性層の磁化方向とは逆向きのバイアス磁界を上記
自由磁性層に付与するバイアス付与層とを有するもので
あって、そのバイアス付与層が、規則系の反強磁性材料
および硬質磁性材料のうちの少なくともいずれかの材料
を含む材料からなるものであることを特徴とする。
【0011】従来の技術で述べたように、一般に、自由
磁性層には、固定磁性層から交換結合磁界が付与されて
いる。また、本発明にいう上記バイアス付与層からその
自由磁性層に付与されるバイアス磁界も交換結合磁界で
ある。以下で述べる、自由磁性層に付与される交換結合
磁界は、これらの固定磁性層およびバイアス付与層から
自由磁性層に加えられる交換結合磁界の和の磁界をい
う。
【0012】本発明の第1の磁気抵抗効果型ヘッドのよ
うに、自由磁性層にバイアス磁界を付与するバイアス付
与層が形成されていると、自由磁性層に付与される交換
結合磁界の大きさがそのバイアス磁界によって低減され
る。
【0013】また、バイアス付与層が、規則系の反強磁
性材料および硬質磁性材料のうちの少なくともいずれか
の材料を含む材料からなるものであると、後に実施形態
に示すように、上記自由磁性層に付与される交換結合磁
界の低減が安定して行われる。また、このバイアス付与
層は、上記磁性材料の少なくともいずれかの材料に加え
てフェリ磁性材料を含むものであってもよい。
【0014】上記本発明の第1の磁気抵抗効果型ヘッド
は、上記第1の非磁性層が、銅あるいは銅を含む合金か
らなる26Å以下の厚みを有するものであることが好ま
しい。
【0015】第1の非磁性層が、このような厚みを持つ
場合、上記自由磁性層に付与される交換結合磁界の低減
が、特に有効に行われる。
【0016】また、上記本発明の第1の磁気抵抗効果型
ヘッドは、上記第2の非磁性層が、銅あるいは銅を含む
合金からなる5Å以上20Å以下の厚みを有するもので
あることが好ましい。
【0017】この第1の磁気抵抗効果型ヘッドでは、後
に実施形態および実施例に示すように、抵抗変化Δρ/
tを大きく保ちながら、上記自由磁性層に付与される交
換結合磁界を適切な値に低減することができる。
【0018】上記目的を達成する本発明の磁気抵抗効果
型ヘッドのうちの第2の磁気抵抗効果型ヘッドは、方向
の固定された磁化を有する固定磁性層と、外部磁界に応
じて方向の変化する磁化を有する自由磁性層と、その固
定磁性層およびその自由磁性層によって層の厚み方向に
挟まれた第1の非磁性層とを含む多層膜であって、その
固定磁性層の磁化の方向とその自由磁性層の磁化の方向
とのなす角度に応じた抵抗の大きさを示す磁気抵抗効果
膜を備え、その磁気抵抗効果膜の抵抗の大きさを検知す
ることにより上記外部磁界の強さを検知する磁気抵抗効
果型ヘッドであって、上記自由磁性層の、その自由磁性
層の上記第1の非磁性層側とは反対側に配置された第2
の非磁性層と、上記第2の非磁性層の上記自由磁性層側
とは反対側に配置された、静的な交換結合による、上記
固定磁性層の磁化方向とは逆向きの800A/m以上の
強さのバイアス磁界を上記自由磁性層に付与するバイア
ス付与層とを有するものであることを特徴とする。
【0019】本発明の第2の磁気抵抗効果型ヘッドのよ
うに、自由磁性層に800A/m以上の強さのバイアス
磁界を付与するバイアス付与層が形成されていると、後
に実施形態に示すように、自由磁性層に付与される交換
結合磁界の大きさがそのバイアス磁界によって有効に低
減される。
【0020】また、上記本発明の第2の磁気抵抗効果型
ヘッドには、上記バイアス付与層が、規則系の反強磁性
材料、硬質磁性材料、およびフェリ磁性材料の材料群の
うちの少なくとも1つ以上の材料からなるものがある。
【0021】バイアス付与層が、このような材料からな
るものであると、後に実施形態に示すように、上記自由
磁性層に付与される交換結合磁界の低減が安定して行わ
れる。
【0022】上記目的を達成する本発明の磁気抵抗効果
型ヘッドのうちの第3の磁気抵抗効果型ヘッドは、方向
の固定された磁化を有する第1の固定磁性層と、上記第
1の固定磁性層上に形成された第1の非磁性層と、上記
第1の非磁性層上に形成された、軟磁性材料からなる第
1の軟磁性層および第2の軟磁性層、並びにこれらの軟
磁性層の間に挟まれるように形成されたこれらの軟磁性
層の磁化を互いに逆向きに結合する反平行結合中間層か
らなる、これらの軟磁性層の磁化の方向が、互いに逆向
きに結合された状態で外部磁界に応じて変化する自由磁
性層と、上記自由磁性層上に形成された第2の非磁性層
と、上記第2の非磁性層上に形成された、上記第1の固
定磁性層の磁化の方向と同じ方向に固定された磁化を有
する第2の固定磁性層とを含む多層膜であって、上記第
1の固定磁性層の磁化の方向と上記第1の軟磁性層の磁
化の方向とのなす角度に応じた抵抗の大きさを示す磁気
抵抗効果膜を備え、その磁気抵抗効果膜の抵抗の大きさ
を検知することにより上記外部磁界の強さを検知するこ
とを特徴とする。
【0023】本発明の第3の磁気抵抗効果型ヘッドは、
後に実施形態に示すように、上記第1の固定磁性層から
上記第1の軟磁性層に付与される磁界と、上記第2の固
定磁性層から上記第2の軟磁性層に付与される磁界と
が、実質的に互いに相殺されることにより、上記自由磁
性層へ付与される余分な磁界による影響が低減されてい
る。
【0024】上記目的を達成する本発明の情報再生装置
のうちの第1の情報再生装置は、磁化の方向により情報
が記録された磁気記録媒体に近接あるいは接触して配置
されてその磁気記録媒体各点の磁化の方向を検出する磁
気ヘッドを備え、その磁気ヘッドにより検出された上記
磁気記録媒体各点の磁化の方向に応じた情報を再生する
情報再生装置であって、上記磁気ヘッドが、方向の固定
された磁化を有する固定磁性層と、外部磁界に応じて方
向の変化する磁化を有する自由磁性層と、その固定磁性
層およびその自由磁性層によって層の厚み方向に挟まれ
た第1の非磁性層とを含む多層膜であって、その固定磁
性層の磁化の方向とその自由磁性層の磁化の方向とのな
す角度に応じた抵抗の大きさを示す磁気抵抗効果膜を備
え、その磁気抵抗効果膜の抵抗の大きさを検知すること
により上記外部磁界の強さを検知するものであり、上記
自由磁性層の、その自由磁性層の上記第1の非磁性層側
の面とは反対側の面に隣接した第2の非磁性層と、上記
第2の非磁性層の、その第2の非磁性層の上記自由磁性
層側の面とは反対側の面に隣接した、静的な交換結合に
よる、上記固定磁性層の磁化方向とは逆向きのバイアス
磁界を上記自由磁性層に付与するバイアス付与層とを有
するものであって、そのバイアス付与層が、規則系の反
強磁性材料および硬質磁性材料のうちの少なくともいず
れかの材料を含む材料からなるものであることを特徴と
する。
【0025】この第1の情報再生装置は、磁気ヘッドと
して上記本発明の第1の磁気抵抗効果型ヘッドを採用し
たものであって、自由磁性層に付与される交換結合磁界
が低減されているため、再生波形の対称性が高く、再生
出力が大きい。
【0026】上記目的を達成する本発明の情報再生装置
のうちの第2の情報再生装置は、磁化の方向により情報
が記録された磁気記録媒体に近接あるいは接触して配置
されてその磁気記録媒体各点の磁化の方向を検出する磁
気ヘッドを備え、その磁気ヘッドにより検出された上記
磁気記録媒体各点の磁化の方向に応じた情報を再生する
情報再生装置であって、上記磁気ヘッドが、方向の固定
された磁化を有する固定磁性層と、外部磁界に応じて方
向の変化する磁化を有する自由磁性層と、その固定磁性
層およびその自由磁性層によって層の厚み方向に挟まれ
た第1の非磁性層とを含む多層膜であって、その固定磁
性層の磁化の方向とその自由磁性層の磁化の方向とのな
す角度に応じた抵抗の大きさを示す磁気抵抗効果膜を備
え、その磁気抵抗効果膜の抵抗の大きさを検知すること
により上記外部磁界の強さを検知するものであり、上記
自由磁性層の、その自由磁性層の上記第1の非磁性層側
とは反対側に配置された第2の非磁性層と、上記第2の
非磁性層の上記自由磁性層側とは反対側に配置された、
静的な交換結合による、上記固定磁性層の磁化方向とは
逆向きの800A/m以上の強さのバイアス磁界を上記
自由磁性層に付与するバイアス付与層とを有するもので
あることを特徴とする。
【0027】この第2の情報再生装置は、磁気ヘッドと
して上記本発明の第2の磁気抵抗効果型ヘッドを採用し
たものであって、自由磁性層に付与される交換結合磁界
が低減されているため、再生波形の対称性が高く、再生
出力が大きい。
【0028】上記目的を達成する本発明の情報再生装置
のうちの第3の情報再生装置は、磁化の方向により情報
が記録された磁気記録媒体に近接あるいは接触して配置
されてその磁気記録媒体各点の磁化の方向を検出する磁
気ヘッドを備え、その磁気ヘッドにより検出された上記
磁気記録媒体各点の磁化の方向に応じた情報を再生する
情報再生装置であって、上記磁気ヘッドが、方向の固定
された磁化を有する第1の固定磁性層と、上記第1の固
定磁性層上に形成された第1の非磁性層と、上記第1の
非磁性層上に形成された、軟磁性材料からなる第1の軟
磁性層および第2の軟磁性層、並びにこれらの軟磁性層
の間に挟まれるように形成されたこれらの軟磁性層の磁
化を互いに逆向きに結合する反平行結合中間層からな
る、これらの軟磁性層の磁化の方向が、互いに逆向きに
結合された状態で外部磁界に応じて変化する自由磁性層
と、上記自由磁性層上に形成された第2の非磁性層と、
上記第2の非磁性層上に形成された、上記第1の固定磁
性層の磁化の方向と同じ方向に固定された磁化を有する
第2の固定磁性層とを含む多層膜であって、上記第1の
固定磁性層の磁化の方向と上記第1の軟磁性層の磁化の
方向とのなす角度に応じた抵抗の大きさを示す磁気抵抗
効果膜を備え、その磁気抵抗効果膜の抵抗の大きさを検
知することにより上記外部磁界の強さを検知することを
特徴とする。
【0029】この第3の情報再生装置は、磁気ヘッドと
して上記本発明の第3の磁気抵抗効果型ヘッドを採用し
たものであって、自由磁性層に付与される交換結合磁界
が実質的に低減されているため、再生波形の対称性が高
く、再生出力が大きい。
【0030】
【発明の実施形態】以下、本発明の実施形態について説
明する。
【0031】図1は、本実施形態のハードディスク装置
の概略構成図である。
【0032】同図に示すハードディスク装置(HDD)
100は、本発明の情報再生装置に相当するものであ
る。同図に示すHDD100のハウジング101には、
回転軸102、回転軸102に装着される磁気ディスク
103、磁気ディスク103の表面に近接して対向する
浮上ヘッドスライダ104、アーム軸105、浮上ヘッ
ドスライダ104を先端に固着してアーム軸105を中
心に磁気ディスク103上を水平移動するキャリッジア
ーム106、およびキャリッジアーム106の水平移動
を駆動するアクチュエータ107が収容されている。
【0033】このHDD100では、磁気ディスク10
3へ情報の記録、および磁気ディスク103に記録され
た情報の再生が行われる。これらの情報の記録および再
生にあたっては、まず、磁気回路で構成されたアクチュ
エータ107によってキャリッジアーム106が駆動さ
れ、浮上ヘッドスライダ104が、回転する磁気ディス
ク103上の所望のトラックに位置決めされる。浮上ヘ
ッドスライダ104の先端には、図1には図示しない本
実施形態の磁気ヘッドが設置されている。この磁気ヘッ
ドは、本発明の磁気抵抗効果型ヘッドに相当するもので
ある。この磁気ヘッドは、磁気ディスク103の回転に
よって、磁気ディスク103の各トラックに並ぶ各1ビ
ット領域に順次近接する。情報の記録時には、このよう
に磁気ディスク103に近接した磁気ヘッドに電気的な
記録信号が入力される。この磁気ヘッドは、入力された
記録信号に応じて上記各1ビット領域に磁界を印加し
て、その記録信号に担持された情報をそれらの各1ビッ
ト領域の磁化の方向の形で記録する。また、情報の再生
時には、その磁気ヘッドが、それらの各1ビット領域の
磁化の方向の形で記録された情報を、それらの磁化それ
ぞれから発生する磁界に応じて電気的な再生信号を生成
することにより取り出す。ハウジング101の内部空間
は、図示しないカバーによって閉鎖される。
【0034】次に、本実施形態の磁気ヘッドについて説
明する。
【0035】図2は、本実施形態の磁気ヘッドの要部断
面図である。
【0036】本実施形態の磁気ヘッド30は、磁気ディ
スク103に情報を記録する記録部と情報を再生する再
生部とからなる複合型の磁気ヘッドであり、同図には再
生部のみが示される。同図は、この磁気ヘッドの再生部
を、図1に示す磁気ディスク103に面する浮上面に平
行な面で切断した断面図である。
【0037】磁気ヘッド30は、非磁性の基板21、こ
の非磁性の基板21上に形成された下部シールド層2
2、この下部シールド層22上に形成された下部絶縁層
23、この下部絶縁層23上に形成された磁気抵抗効果
膜10、上記下部絶縁層23上に、この磁気抵抗効果膜
10を両側から挟むように形成された左右一対の磁区制
御層24、この左右一対の磁区制御層24上に形成され
た左右一対の電極25、この左右一対の電極25と上記
磁気抵抗効果膜10との上に形成された上部絶縁層2
6、およびこの上部絶縁層26上に形成された上部シー
ルド層27を有する。この上部シールド層27上には、
上記記録ヘッドが形成されている。
【0038】基板21は、例えば、アルミナ・チタンカ
ーバイド(Al23−TiC)からなる基板上にSi膜
あるいはSiO2膜が形成されたものである。
【0039】下部シールド層22および上部シールド層
27は、それぞれ、軟磁性材料からなって、上記磁気抵
抗効果膜10に不必要な外部磁界が印加されないようそ
の磁気抵抗効果膜10を磁気シールドするものである。
これらのシールド層は、例えば、いずれもFeNからな
る1.6μmの厚みを有する層である。
【0040】下部絶縁層23および上部絶縁層26は、
それぞれ、絶縁材料からなって、上記磁気抵抗効果膜1
0、上記磁区制御層24、および上記一対の電極25か
らの電流のリークを防ぐものである。これらの絶縁層
は、例えば、いずれもアルミナ(Al23)からなる3
0nmの厚みを有する層である。
【0041】磁区制御層24は、上記磁気抵抗効果膜1
0に静磁界および交換相互作用などによる磁界を与える
ものである。この磁区制御層24は、Co−Pt合金、
Co−Cr−Pt合金等の硬磁性を示す材料からなる。
ここでは、この磁区制御層24は、磁気抵抗効果膜10
と同じ高さまで積層されている。
【0042】電極25は、上記磁区制御層24を介して
上記磁気抵抗効果膜10にセンス電流を印加するもので
あり、この一対の電極25から再生信号が取り出され
る。この電極25は、Ta/(Ti−W)/Taとい
う、2つのTa層とこれらのTaの間に挟まれたTi−
W合金との多層膜などの導電性材料からなる。
【0043】磁気抵抗効果膜10は、この磁気ヘッド3
0の情報再生の機能を担う部分である。すなわち、磁気
抵抗効果膜10は、上記磁気ディスク103の各1ビッ
ト領域の磁化から発生する磁界に応じて抵抗が変化する
ものである。上述したように磁気抵抗効果膜10には上
記電極25によりセンス電流が印加されているため、上
記抵抗の変化により、上記各1ビット領域の磁化の方向
によって担持された情報が電気的な再生信号として取り
出される。
【0044】本発明の特色は、この磁気抵抗効果膜10
の構造にある。次に、この磁気抵抗効果膜10の例とし
て、第1、第2、第3の磁気抵抗効果膜をとりあげ、そ
れらの磁気抵抗効果膜の構造について説明する。
【0045】図3は、本実施形態の磁気ヘッドに採用さ
れた第1の磁気抵抗効果膜の断面図である。
【0046】同図に示す第1の磁気抵抗効果膜10_1
は、スピンバルブタイプの磁気抵抗効果膜の一例であ
り、図2に示す下部絶縁層23上に形成された下地層
1、この下地層1上に形成された第1の反強磁性層2、
この第1の反強磁性層2上に形成された固定磁性層3、
この固定磁性層3上に形成された第1の非磁性層4、こ
の第1の非磁性層4上に形成された自由磁性層5、この
自由磁性層5上に形成された第2の非磁性層6、この第
2の非磁性層6上に形成された第2の反強磁性層7、お
よびこの第2の反強磁性層7上に形成された保護層8に
よって構成されている。この第1の磁気抵抗効果膜10
_1は、同図右側および左側でトリミングされている。
ここで、第2の反強磁性層7は、本発明にいうバイアス
付与層に相当するものである。
【0047】また、この第1の磁気抵抗効果膜10_1
は、下地層1上に、ここで述べた積層順とは逆に、第2
の反強磁性層7、第2の非磁性層6、自由磁性層5、第
1の非磁性層4、固定磁性層3、第1の反強磁性層2、
保護層8の順に形成されたものであってもよい。
【0048】なお、同図は、図2とは、視点が異なって
いる。図2では、正面が浮上面と平行な面を表すのに対
して、図3では、第1の磁気抵抗効果膜10_1の右側
面が浮上面に相当する。なお、以下で各種の磁気抵抗効
果膜を示す図4〜図6においても、図3と同様に、磁気
抵抗効果膜の右側面が浮上面に相当する。
【0049】また、同図、および以下の図4〜図6で
は、磁気抵抗効果膜を構成する各層の固定された磁化お
よび磁気モーメントを矢印で示すが、自由磁性層の磁化
は図示しない。
【0050】この第1の磁気抵抗効果膜を構成する各層
について説明する前に、この第1の磁気抵抗効果膜の比
較の対象となる従来の磁気抵抗効果膜を図4に示す。
【0051】図4は、従来の磁気抵抗効果膜の断面図で
ある。
【0052】同図に示す従来の磁気抵抗効果膜10’
は、スピンバルブタイプの磁気抵抗効果膜の一例であ
り、図3に示す本実施形態の磁気ヘッド30に採用され
た第1の磁気抵抗効果膜10_1とは、第2の非磁性層
6および第2の反強磁性層7を持たず、自由磁性層5上
に保護層8が隣接して形成されている点において異な
る。
【0053】逆にいえば、本実施形態の磁気ヘッド30
に採用された上記第1の磁気抵抗効果膜10_1は、上
記第2の非磁性層6および上記第2の反強磁性層7を有
することに特徴的がある。
【0054】以下に、この第1の磁気抵抗効果膜10_
1を構成する各層の説明を行う。
【0055】下地層1は、上記第1の磁気抵抗効果膜1
0_1を構成する各層の下地となる層である。この下地
層1は、例えば、上記下部絶縁層23上に形成されたT
aからなる厚さ30Åの第1の下地層上と、この第1の
下地層上に形成されたNi−Fe−Cr合金からなる厚
さ30Åの第2の下地層とからなる。この第2の下地層
は、Taからなる第1の下地層上に形成されたことによ
り、fcc構造を有し、(111)方向に配向してい
る。
【0056】第1の反強磁性層2は、反強磁性材料から
なって、上記固定磁性層3に対し、交換結合に起因する
交換結合磁界を付与するものである。この第1の反強磁
性層は、例えば、Pd−Pt−Mn合金からなり150
Åの厚みを有する。ここで、この第1の反強磁性層2
は、上記固定磁性層3側の界面で、同図右向きの矢印に
よって表される同図右向きの、すなわち上記浮上面に垂
直な方向を向く磁気モーメントを有するものとする。こ
の磁気モーメントにより固定磁性層3に同図右向きの交
換結合磁界が付与される。
【0057】固定磁性層3は、軟磁性材料を含み、上記
第1の反強磁性層2から付与された交換結合磁界により
方向の固定された磁化を有する層である。この固定磁性
層3は、軟磁性を示す第1の軟磁性層3_1および第2
の軟磁性層3_3と、これらの軟磁性層に膜厚方向に挟
まれてなる、それらの軟磁性層の磁化を互いに逆向きに
結合する反平行結合中間層3_2とからなるいわゆる積
層フェリ膜となっている。
【0058】第1の軟磁性層3_1は、第1の反強磁性
層2と厚み方向に隣接するように形成された層であり、
第2の軟磁性層3_3は、第1の非磁性層4と厚み方向
に隣接するように形成された軟磁性を示す層である。こ
の第1の軟磁性層3_1は、例えば、Co−Fe−B合
金からなる厚さ20Åの層であり、第2の軟磁性層3_
3は、例えば、Co−Fe−B合金からなる厚さ25Å
の層である。また、反平行結合中間層3_2は、例え
ば、Ruからなる厚さ8Åの層である。
【0059】固定磁性層3を構成する第1の軟磁性層3
_1は、上記第1の反強磁性層2から付与された交換結
合磁界によって、同図右向きの矢印で示される方向に磁
化が固定される。一方、固定磁性層3を構成する第2の
軟磁性層3_3は、磁化が、上記ピン結合層3_2によ
って、上記第1の軟磁性層3_1の磁化とは逆方向、す
なわち同図左向きの矢印で表される方向に向くように固
定される。
【0060】一般に、このような積層フェリ膜からなる
固定磁性層3は、このように2つの軟磁性層が互いに逆
向きの磁化を有するため、固定磁性層3全体の磁化の大
きさが小さい。このように磁化の大きさが小さいと、磁
化が、外部からの磁界によって影響を受けにくく安定し
てピン止めされる。また、このように磁化の大きさが小
さいと、この磁化の反磁界も小さく抑えられるため、磁
気ディスク103からの信号磁界Hsigの乱れも減少す
る。
【0061】第1の非磁性層4は、非磁性の導電性材料
からなる層であり、上記固定磁性層3と自由磁性層5と
を隔てるスペーサとなっている。この第1の非磁性層4
は、例えば、Cuからなり20Åの厚みを有する層であ
る。この第1の非磁性層4は、また、例えば、Cuを含
む合金からなる層であってもよい。
【0062】自由磁性層5は、ピン止めされておらず外
部磁界に応じて自由に回転する磁化を有する軟磁性材料
からなる層である。この自由磁性層5は、例えば、Co
−Fe−B合金からなる厚さ10Åの層とNi−Fe合
金からなる厚さ40Åの層とからなる2層膜によって構
成される。この2層膜を構成する材料の1つであるCo
−Fe−B合金は、NiFeと比べてCuと相互拡散し
にくいものであるため、自由磁性層5を構成する層のう
ちの、第1の非磁性層4上に形成される層の材料として
好ましい。
【0063】この自由磁性層5の磁化は、磁気ディスク
103の各1ビット領域の磁化からの磁界に応じてこの
自由磁性層5の面内で回転する。第1の磁気抵抗効果膜
10_1のシート抵抗は、いわゆる巨大磁気抵抗効果に
より、この自由磁性層5の磁化と上記固定磁性層3の固
定された磁化とがなす角度に応じて大きく変化する。例
えば、この抵抗は、これらの磁化が互いに同方向を向く
場合に最小値をとり、これらの磁化が互いに逆方向を向
く場合に最大値をとる。この最大値と最小値との差が、
上記抵抗変化Δρ/tであり、この抵抗変化Δρ/tに
よって、上述したセンス電流を通じて再生信号が出力さ
れる。
【0064】この自由磁性層5には、上記固定磁性層3
の第2の軟磁性層3_3から同図左向きの矢印で表され
る同図左向きの交換結合磁界h1が付与されており、さ
らに、上記第2の反強磁性層7から、その交換結合磁界
h1とは逆方向を向く、同図右向きの矢印で表される交
換結合磁界h2が付与されている。この交換結合磁界h
2は、本発明にいうバイアス磁界に相当する磁界であ
る。
【0065】なお、自由磁性層5は、上記磁区制御層2
4によって磁界が与えられて単磁区化されている。この
ため、この自由磁性層5を含む磁気ヘッド30では、磁
壁の移動に伴って再生信号に生ずるバルクハウゼンノイ
ズの発生が抑制されている。但し、この磁区制御層24
から自由磁性層5に対して与えられる磁界は、主に、自
由磁性層5の端部に加えられるものであって、自由磁性
層5の面の中央部にはほとんど影響を与えない。これに
対して、上記交換結合磁界h1,h2は、自由磁性層5
全体に付与されるものであり、上述した自由磁性層5の
磁化の回転に影響を与える。
【0066】第2の非磁性層6は、上記第1の非磁性層
4と同様に非磁性の導電性材料からなる層であり、上記
自由磁性層5と第2の反強磁性層7とを隔てるスペーサ
となっている。この第2の非磁性層6は、例えば、Cu
からなる15Åの厚みを有する層である。この第2の非
磁性層6は、また、例えば、Cuを含む合金からなる層
であってもよい。
【0067】第2の反強磁性層7は、上記自由磁性層5
に上記交換結合磁界h2を付与する、規則系の反強磁性
材料からなる層である。この第2の反強磁性層7は、例
えば、上記第1の反強磁性層2と同様にPd−Pt−M
n合金からなる、60Åの厚みを有する。この第2の反
強磁性層7は、後に磁気抵抗効果膜の製造の説明で述べ
るように、上記第2の非磁性層6側の界面で、上記第1
の反強磁性層2の固定磁性層3側の界面における磁気モ
ーメントと同じ方向の、右向きの矢印によって表される
磁気モーメントを有する。
【0068】この磁気モーメントにより自由磁性層5に
交換結合磁界h2が付与される。この交換結合磁界h2
の方向は、上記第2の非磁性層6の材料および厚みが適
切に選ばれることによって、第2の反強磁性層7の上記
界面の磁気モーメントと同方向、すなわち、上記固定磁
性層3からの交換結合磁界h1とは逆方向である同図右
向きとなる。
【0069】保護層8は、耐蝕性が高く上記銅酸化物層
7を物理的および化学的に保護する層であり、例えば、
Taからなり100Åの厚みを有する。
【0070】なお、以上に述べた各層は、以上に例示し
た厚さを有し、例示した材料からなるものであることが
好ましいが、必ずしもその厚さに限定されるものではな
く、その材料に限定されるものではない。
【0071】上述したように、本実施形態の磁気ヘッド
30に採用された上記第1の磁気抵抗効果膜10_1
は、上記第2の非磁性層6および上記第2の反強磁性層
7を有する点に特徴がある。従来の磁気抵抗効果膜1
0’では、これらの第2の非磁性層6および第2の反強
磁性層7に相当する層が存在しないため、固定磁性層3
からの交換結合磁界h1のみが自由磁性層5に付与され
る。
【0072】これに対して、上記第1の磁気抵抗効果膜
10_1では、この第2の反強磁性層7が、第2の非磁
性層6を挟んで隔てられた自由磁性層5に対して、固定
磁性層3からの交換結合磁界h1とは逆向きの交換結合
磁界h2を付与するため、自由磁性層5に付与される、
交換結合磁界h1と交換結合磁界h2とからなる全体的
な交換結合磁界Hin(以下、この全体的な交換結合磁界
を全交換結合磁界Hinと称する)が低減され小さく抑え
られている。
【0073】この全交換結合磁界Hinによって、信号磁
界Hsigに対する磁気抵抗効果膜の抵抗の応答の様子が
変わる。全交換結合磁界Hinがゼロである場合には、信
号磁界Hsigに対する磁気抵抗効果膜の抵抗のグラフ
は、信号磁界Hsigの正負に対して対称となるが、全交
換結合磁界Hinが存在する場合には、そのグラフの対称
点は、信号磁界Hsig=Hinに移動する。逆に言えば、
この対称点の移動を測定することにより、全交換結合磁
界Hinの大きさが求められる。
【0074】この第1の磁気抵抗効果膜のように全交換
結合磁界Hinが小さく抑えられると、自由磁性層5の磁
化の方向と固定磁性層3の磁化の方向とがなす角度の全
交換結合磁界Hinに伴うずれも抑制される。この角度の
ずれが抑制されることにより、膜の抵抗の信号磁界H
sigの変化に対する線形応答性が向上する。そして、こ
のように線形応答性の向上した磁気抵抗効果膜が備えら
れた磁気ヘッド30は、再生波形の対称性が良好な高出
力の磁気ヘッドとなる。
【0075】また、このように再生波形の対称性が良好
な高出力の磁気ヘッド30が採用されたHDD100
は、磁気ディスク103上各点の磁化の方向を検出する
感度が高く、磁気記録媒体に高密度に記録された情報の
再生に適している。
【0076】なお、上記第1の磁気抵抗効果膜10_1
を構成する第2の反強磁性層7を構成する材料として
は、Pd−Pt−Mn合金等の規則系の反強磁性材料が
されているが、これは、以下に示すように、PdPtM
n、PtMn、NiMnなどの規則系の反強磁性材料の
方が、IrMn、FeMn、NiO等の不規則系の反強
磁性材料よりも、上記第2の反強磁性層7の材料として
好ましいためである。
【0077】この不規則系の反強磁性材料は、一般に、
表面および界面における磁気モーメントの異方性が消失
するブロッキング温度が低く、例えばNiOではブロッ
キング温度は200℃である。このようにブロッキング
温度が低いと、通常、上記磁気モーメントの異方性のエ
ネルギは小さい。仮に、上記第2の反強磁性層7がこの
不規則系の反強磁性材料からなるものであったとする
と、磁気ヘッドの動作時には、磁気抵抗効果膜の温度が
120℃〜140℃に上昇するため、このような高温下
では上記磁気モーメントの異方性は弱められる。通常、
磁気ヘッドの動作時には、この反強磁性材料の磁気モー
メントには、センス電流に起因する磁界、固定磁性層3
からの磁界、磁区制御層24からの磁界等が付与される
ため、このように異方性が弱められた磁気モーメントは
小さく、また不安定となる。また、この磁気モーメント
は、同じく異方性のエネルギの小ささから、静電(El
ectric Static Discharge)破
壊にも弱いと考えられる。このため、第2の反強磁性層
7が不規則系の反強磁性材料からなるものである場合に
は、上記交換結合磁界h2も弱められ、不安定となる。
【0078】これに対して、規則系の反強磁性材料は、
一般にブロッキング温度が高く、通常、表面および界面
における磁気モーメントの異方性のエネルギが大きい。
このため、上記第2の反強磁性層7が規則系の反強磁性
材料からなる場合には、交換結合磁界h2は強く、所定
の方向に安定しており、さらに静電破壊にも強い。
【0079】図5は、本実施形態の磁気ヘッドに採用さ
れた第2の磁気抵抗効果膜の断面図である。
【0080】同図に示す第2の磁気抵抗効果膜10_2
は、図3に示す第1の磁気抵抗効果膜10_1の3層構
造を有する固定磁性層が、単層の固定磁性層3に置き換
えられたものである。
【0081】この固定磁性層3は、上記第1の反強磁性
層2から付与された交換結合磁界により、方向の固定さ
れた磁化を有する軟磁性材料からなる層である。この固
定磁性層3は、例えば、Co−Fe−B合金からなる厚
さ20Åの層となっている。固定磁性層3の磁化は、上
記第1の反強磁性層2からの交換結合磁界により、同図
右向きに固定される。
【0082】自由磁性層5には、固定磁性層3の第2の
軟磁性層3_3の同図右向きの磁化によって交換結合磁
界h1が付与される。このため、図3に示す第1の磁気
抵抗効果膜10_1とは異なり、その交換結合磁界h1
は同図右向きとなる。
【0083】また、この第2の磁気抵抗効果膜10_2
においても、第2の反強磁性層7は、第2の非磁性層6
との界面に同図右向きの磁気モーメントを有する。この
第2の磁気抵抗効果膜10_2は、第2の非磁性層6の
材料および厚みが適切に選択されることによって、自由
磁性層5に、第2の反強磁性層7から、上記磁気モーメ
ントの方向とは逆方向の同図左向きの交換結合磁界h2
が付与される。このように上記2つの交換結合磁界h
1,h2は互いに逆方向を向くため、この第2の磁気抵
抗効果膜10_2においても、自由磁性層5に付与され
る全交換結合磁界Hinは低減される。
【0084】この第2の磁気抵抗効果膜10_2が備え
られた磁気ヘッド30も、上記第1の磁気抵抗効果膜1
0_1が備えられた場合と同様に、再生波形の対称性が
良好な高出力の磁気ヘッドとなる。また、この磁気ヘッ
ド30が採用されたHDD100も、感度が高く、磁気
記録媒体に高密度に記録された情報の再生に適してい
る。
【0085】なお、従来の磁気抵抗効果膜10’では、
自由磁性層5に付与される交換結合磁界Hinの増大が、
第1の非磁性層4の膜厚が26Å以下の場合に特に問題
となっている。このため、上記第1および第2の磁気抵
抗効果膜における交換結合磁界Hinの低減は、第1の非
磁性層4の膜厚が26Å以下の場合に特に有効である。
【0086】また、第2の非磁性層6の厚みは、5Å以
上20Å以下であることが好ましい。その厚みが20Å
以上では、交換結合磁界h2が弱すぎ、5Å以下では、
その交換結合磁界h2が逆に強すぎて自由磁性層5の磁
化に悪影響を及ぼすためである。
【0087】また、従来の磁気抵抗効果膜10’を備え
た磁気ヘッドでは、自由磁性層5に付与される交換結合
磁界Hinが1.6kA/mを超えたあたりで、再生出力
の低下が避けられなくなっている。このため、上記第
1、第2の磁気抵抗効果膜を備えた磁気ヘッド30は、
交換結合磁界Hinを有効に低減させるために、上記第2
の反強磁性層7が、自由磁性層5に対して、1.6kA
/mの半分の800A/m以上の大きさの交換結合磁界
h2を付与するものであることが好ましい。
【0088】図6は、本実施形態の磁気ヘッドに採用さ
れた第3の磁気抵抗効果膜の断面図である。
【0089】同図に示す第3の磁気抵抗効果膜10_3
は、いわゆるデュアル型のスピンバルブタイプの磁気抵
抗効果膜であり、図2に示す下部絶縁層23上に形成さ
れた下地層11、この下地層11上に形成された第1の
反強磁性層12、この第1の反強磁性層12上に形成さ
れた第1の固定磁性層13、この第1の固定磁性層13
上に形成された第1の非磁性層14、この第1の非磁性
層14上に形成された自由磁性層15、この自由磁性層
15上に形成された第2の非磁性層16、この第2の非
磁性層16上に形成された第2の固定磁性層17、この
第2の固定磁性層17上に形成された第2の反強磁性層
18、およびこの第2の反強磁性層18上に形成された
保護層19によって構成されている。この第3の磁気抵
抗効果膜10_3は、同図右側および左側でトリミング
されている。
【0090】ここで、この第3の磁気抵抗効果膜10_
3を構成する各層について、上記第1の磁気抵抗効果膜
10_1を構成する各層と比較しながら説明する。
【0091】下地層11は、上記下地層1と同じ働きを
するものであり、例えば、上記下部絶縁層23上に形成
されたTaからなる厚さ50Åの第1の下地層上と、こ
の第1の下地層上に形成されたNi−Fe合金からなる
厚さ20Åの第2の下地層とからなる。また、保護層1
9は、上記保護層8と同じ働きをするものであり、例え
ば、Taからなる100Åの厚さの層となっている。
【0092】第1の反強磁性層12および第2の反強磁
性層18それぞれは、上記第1の反強磁性層2と同じ働
きをするものである。これらの第1の反強磁性層12お
よび第2の反強磁性層18それぞれは、例えば、いずれ
もPt−Mn合金からなる厚さ200Åの層となってい
る。ここで、後に磁気抵抗効果膜の製造の説明で述べる
ように、第1の反強磁性層12は、上記第1の固定磁性
層13側の界面で、また、第2の反強磁性層18は、上
記第2の固定磁性層17側の界面で、いずれも、矢印に
よって表される同図右向きの、磁気モーメントを有す
る。これらの磁気モーメントにより第1の固定磁性層1
3および第2の固定磁性層18のいずれの層にも同図右
向きの交換結合磁界が付与される。
【0093】第1の固定磁性層13および第2の固定磁
性層17それぞれは、上記固定磁性層3と同じ働きをす
るものである。これらの第1の固定磁性層13および第
2の固定磁性層17それぞれは、例えば、いずれもCo
−Fe合金からなる厚さ20Åの層となっている。これ
らの第1の固定磁性層13の磁化および第2の固定磁性
層17の磁化それぞれは、第1の反強磁性層12および
第2の反強磁性層18それぞれからの交換結合磁界によ
り、同図右向きに固定される。
【0094】第1の非磁性層14および第2の非磁性層
16は、上記第1の非磁性層4と同じ働きをするもので
ある。この第1の非磁性層14は、例えば、Cuからな
る厚さ36Åの層となっており、第2の非磁性層16
は、例えば、Cuからなる厚さ20Åの層となってい
る。
【0095】自由磁性層15は、上記自由磁性層5と同
じ働きをするものである。但し、この自由磁性層15
は、上記第1の非磁性層14上に形成された、軟磁性材
料からなる第1の軟磁性層15_1と、上記第2の非磁
性層16に膜厚方向に隣接した、軟磁性材料からなる第
2の軟磁性層15_3と、これらの軟磁性層の間に挟ま
れるように形成された、これらの軟磁性層の磁化を互い
に逆向きに結合する反平行結合中間層15_2とからな
るいわゆる積層フェリ膜となっている。この第1の軟磁
性層15_1は、例えば、Co−Feからなる厚さ20
Åの層であり、また、第2の軟磁性層15_3は、例え
ば、Co−Feからなる厚さ25Åの層である。また、
この反平行結合中間層15_2は、例えば、Ruからな
る厚さ8Åの層となっている。
【0096】ここでは、第2の軟磁性層15_2の方
が、第1の軟磁性層15_1よりも厚い層となっている
ので、自由磁性層15は、これらの軟磁性層の磁化の方
向が互いに逆向きに結合された状態で、全体として第2
の軟磁性層15_2の磁化と同じ方向の磁化を有するこ
とになり、この全体としての磁化は、各軟磁性層の各磁
化がこのように結合した状態のままで外部磁界に応じて
回転する。
【0097】これらの第1の軟磁性層15_1および第
2の軟磁性層15_2それぞれには、第1の固定磁性層
13および第2の固定磁性層17それぞれから、いずれ
も同図右向きの矢印で表される互いに同じ方向を向く交
換結合磁界h1,h2それぞれが付与される。
【0098】従来のデュアル型の磁気抵抗効果膜のよう
に、仮に、自由磁性層15が軟磁性層単層からなるもの
であるとすると、これらの同方向を向く交換結合磁界h
1,h2が互いに加算されて、自由磁性層15に付与さ
れる全交換結合磁界Hinは大きなものとなる。これに対
して、この第3の磁気抵抗効果膜10_3のように、自
由磁性層15が積層フェリ膜となっている場合には、各
軟磁性層が互いに逆方向に向くので、上記の同方向を向
く交換結合磁界h1,h2それぞれが、逆方向を向く磁
界に付与されることにより、これらの交換結合磁界h
1,h2それぞれの影響は相殺されて、実質的に自由磁
性層15の全磁化に働く全交換結合磁界H inは低減され
る。上記交換結合磁界h1,h2それぞれの大きさは、
上記第1、第2の非磁性層や上記第1、第2の固定磁性
層をはじめとする、磁気抵抗効果膜各層の厚さおよび材
料で調整することができる。
【0099】この第3の磁気抵抗効果膜10_3が備え
られた磁気ヘッド30も、上記第1の磁気抵抗効果膜1
0_1が備えられた場合と同様に、再生波形の対称性が
良好な高出力の磁気ヘッドとなる。また、この磁気ヘッ
ド30が採用されたHDD100も、感度が高く、磁気
記録媒体に高密度に記録された情報の再生に適してい
る。
【0100】次に、本実施形態の磁気ヘッド30に採用
された第1、第2、第3の磁気抵抗効果膜を製造する方
法について説明する。
【0101】第1の磁気抵抗効果膜10_1は、まず、
Ar雰囲気中のDCマグネトロンスパッタリングによっ
て、非磁性の基板21/下部シールド層22/下部絶縁
層23からなる多層膜上に、下地層1を隣接させた形
で、この磁気抵抗効果膜10_1を構成する各層を順
に、これらの各層の、先に例示した材料を用いて先に例
示した厚さで連続的に積層する。続いて、積層した膜全
体に、反平行結合中間層3_2を含む固定磁性層3全体
の磁化が飽和するだけの大きさの磁界、例えば、図3の
右向きの大きな矢印で示す同図右向きの800kA/m
以上の外部磁界h0を印加した状態で、熱処理を施す。
この熱処理は、上記第1、第2の反強磁性層を構成する
Pd−Pt−Mn合金を規則化する温度、例えば250
℃で行われる。
【0102】このような図中右向きの外部磁界h0が印
加される間は、固定磁性層3の第1の軟磁性層3_1の
磁化や自由磁性層5の磁化が同じく右向きとなる。そし
て、上記熱処理により、固定磁性層3の第1の軟磁性層
3_1の磁化と交換結合する、第1の反強磁性層2の固
定磁性層3側の界面の磁気モーメントや、自由磁性層5
の磁化と交換結合する、上記第2の反強磁性層7の自由
磁性層5側の界面の磁気モーメントは、外部磁界h0と
同じ右向きの方向に規則化される。こうして、上述した
ように、これらの界面の磁気モーメントは、互いに同じ
方向を向くようになる。
【0103】以上に述べたプロセスにより、上記第1の
磁気抵抗効果膜10_1は、抵抗変化Δρ/tが1.4
Ωと大きく、全交換結合磁界Hinが−400A/mと小
さい膜になる。ここで、全交換結合磁界Hinは、上記固
定磁性層3からの交換結合磁界h1の方向を正としてお
り、以下においても同様とする。なお、全交換結合磁界
inが負であると、一般に、第1の非磁性層4の厚みを
低減することにより、交換結合磁界h1を増大させて全
交換結合磁界Hinの大きさを0に近づけるとともに抵抗
変化Δρ/tを増大させて、より好ましい磁気抵抗効果
膜の形成を容易に行うことができる。
【0104】第2の磁気抵抗効果膜10_2と第3の磁
気抵抗効果膜10_3についても、同様に、これらの磁
気抵抗効果膜を構成する各層を順に、これらの各層の、
先に例示した材料を用いて先に例示した厚さで連続的に
積層する。第2の磁気抵抗効果膜10_2は、このよう
に積層した膜を、例えば、300kA/m以上の磁界中
250℃で熱処理することによって形成される。また、
第3の磁気抵抗効果膜10_3は、このように積層した
膜を、例えば、800kA/m以上の磁界中同じく25
0℃で熱処理することによって形成される。これらの磁
気抵抗効果膜においても、各磁気抵抗効果膜中の第1の
反強磁性層の上記界面の磁気モーメントと第2の反強磁
性層の上記界面の磁気モーメントは、互いに同じ方向を
向く。
【0105】なお、本発明の磁気抵抗効果型ヘッドで採
用される磁気抵抗効果膜は、本実施形態で例示した磁気
抵抗効果膜に限られるものではない。本発明の磁気抵抗
効果型ヘッドは、本質的に、自由磁性層に固定磁性層か
ら付与される交換結合に対し逆方向の交換結合を発生さ
せる新たな層が追加されたものであり、このような新た
な層を含む構造の磁気ヘッドであればよい。例えば、自
由磁性層や、上記第の非磁性層や上記第2の反強磁性層
などの、磁気抵抗効果膜を構成する各層は多層構造を持
つものであってもよい。特に、上記第2の磁気抵抗効果
膜10_2の自由磁性層を、積層フェリ膜からなる自由
磁性層に置き換えたものは、上記第3の磁気抵抗効果膜
10_3と同様な機構で、有効に全交換結合磁界Hin
減少させると考えられる。
【0106】また、本実施形態では、第2の反強磁性層
によって交換結合磁界h2が発生させられたが、本発明
では、この第2の反強磁性層の代わりに、1方向に固定
された磁化を有する硬質磁性材料からなる層が採用され
てもよく、また、反強磁性材料からなる層や硬質磁性材
料からなる層を含む多層膜など、反強磁性材料や硬質磁
性材料のうち少なくともいずれかの材料を含む材料から
なる層が採用されてもよい。また、これらの磁性材料の
他にフェリ磁性材料を含む材料からなる層が採用されて
もよい。これらの代替材料からなる層によっても、自由
磁性層に交換結合磁界h2が付与されて、自由磁性層に
付与される全交換結合磁界Hinが小さく抑えられる。
【0107】
【実施例】以下に、本発明の実施例について説明する。
【0108】<第2の反強磁性層の厚み依存性>以下
に、実施形態で述べた第1の磁気抵抗効果膜10_1と
同タイプであるが、各層の厚みおよび一部の材料の異な
る磁気抵抗効果膜の、抵抗変化Δρ/tとその磁気抵抗
効果膜の自由磁性層5に付与される全交換結合磁界Hin
の、第2の反強磁性層7の厚さ依存性の測定結果につい
て説明する。
【0109】この測定では、Si/SiO2基板上に形
成された、Ta(50Å)/NiFe(18Å)/Pd
PtMn(150Å)/CoFeB(12.5Å)/R
u(7.5Å)/CoFeB(22.5Å)/Cu(2
6Å)/CoFeB(10Å)/NiFe(40Å)/
Cu(15Å)/PdPtMn(tPdPtMn2Å)/Ta
(30Å)の構成を持つ磁気抵抗効果膜の試料を使用し
た。ここで、第2の反強磁性層7は、厚みがtPdPtMn2
ÅであるPd−Pt−Mn合金からなる層であり、ここ
では、この層の厚みtPdPtMn2が、0Å、40Å、80
Å、100Åである4種類の試料を用意した。なお、厚
みtPdPtMn2の添字の2は、第2の反強磁性層7の厚み
であることを意味している。これらの試料は、実施形態
に説明する方法で形成した。
【0110】図7は、磁気抵抗効果膜の抵抗変化Δρ/
tおよび全交換結合磁界Hinの、第2の反強磁性層の厚
さ依存性を示すグラフである。
【0111】図7の横軸は、磁気抵抗効果膜の、Pd−
Pt−Mn合金からなる第2の反強磁性層7の厚さt
PdPtMn2を表し、図7の縦軸は、磁気抵抗効果膜の抵抗
変化Δρ/tと交換結合磁界Hinとを表す。
【0112】同図には、上記4種類の試料それぞれに対
する抵抗変化Δρ/tの測定結果それぞれが、同図中の
黒丸によって示され、上記4種類の試料それぞれに対す
る全交換結合磁界Hinとの測定結果それぞれが、同図中
の黒三角によって示され、黒丸どうしは、ガイドのため
に実線によってつなげられており、黒三角どうしは、ガ
イドのために点線によってつなげられている。
【0113】同図の黒丸で示されるように、第2の反強
磁性層7の厚さtPdPtMn2が0Å、すなわち第2の反強
磁性層7が存在しない場合に1.3Ωであった抵抗変化
Δρ/tの値は、第2の反強磁性層7が存在してその厚
さtPdPtMn2が100Å以下の範囲にあると、1.3Ω
よりは減少するものの、0.95Ω以上の高い値に保た
れた。
【0114】同図の黒三角で示されるように、第2の反
強磁性層7の厚さtPdPtMn2が0Åである場合には、1
kA/mであった全交換結合磁界Hinは、その第2の反
強磁性層7の厚さtPdPtMn2が40Åでは3kA/mま
で増大するものの、60Å以上では、厚さtPdPtMn2
0Åである場合の値1kA/mより小さくなり、70Å
以上では負に転じ、100Åでは−1kA/mとなっ
た。
【0115】この場合、固定磁性層3から自由磁性層5
に付与される交換結合磁界h1が1kA/mであり、第
2の反強磁性層7から自由磁性層5に付与される交換結
合磁界h2は、例えば第2の反強磁性層7の厚さt
PdPtMn2が100Åの場合に、交換結合磁界h1とは逆
の方向に2kA/mの大きな値となっている。
【0116】これらの測定結果からわかるように、この
第2の反強磁性層7の存在により、磁気抵抗効果膜の抵
抗変化Δρ/tの値を高く保ちながら、自由磁性層5に
付与される全交換結合磁界Hinを低減化することができ
る。
【0117】<第2の非磁性層の厚み依存性>以下に、
上記第1の磁気抵抗効果膜10_1と同タイプの磁気抵
抗効果膜の抵抗変化Δρ/tとその磁気抵抗効果膜の自
由磁性層5に付与される全交換結合磁界Hinの、第2の
非磁性層6の厚さ依存性の測定結果について説明する。
【0118】この測定では、Si/SiO2基板上に形
成された、Ta(50Å)/NiFe(18Å)/Pd
PtMn(150Å)/CoFeB(12.5Å)/R
u(7.5Å)/CoFeB(22.5Å)/Cu(2
4Å)/CoFeB(10Å)/NiFe(40Å)/
Cu(tCu2Å)/PdPtMn(80Å)/Ta(3
0Å)の構成を持つ磁気抵抗効果膜の試料を使用した。
ここで、第2の非磁性層6は、厚みがtCu2ÅであるC
uからなる層であり、ここでは、この層の厚みt
Cu2が、0Å、9Å、12Å、15Å、18Å、21Å
である6種類の試料を用意した。なお、厚みCu2の添字
の2は、第2の非磁性層6の厚みであることを意味して
いる。これらの試料は、実施形態に説明する方法で形成
した。
【0119】図8は、磁気抵抗効果膜の抵抗変化Δρ/
tおよび全交換結合磁界Hinの、第2の非磁性層の厚さ
依存性を示すグラフである。
【0120】図8の横軸および縦軸それぞれは、図7の
縦軸および横軸それぞれと同じものである。また、同図
では、上記6種類の試料それぞれに対して、図7と同じ
く、抵抗変化Δρ/tの測定結果それぞれが、同図中の
黒丸によって示され、全交換結合磁界Hinとの測定結果
それぞれが、同図中の黒三角によって示される。黒丸ど
うしは、ガイドのために実線によってつなげられてお
り、黒三角どうしは、ガイドのために点線によってつな
げられている。
【0121】同図の黒丸で示されるように、第2の非磁
性層6の厚さtCu2が0Å〜18Åでは、抵抗変化Δρ
/tの値は、1.1Ω〜1.2Ωと高い値に保たれた。
その厚さtCu2が21Åまで増大すると、抵抗変化Δρ
/tの値は減少するものの0.8Ω以上には保たれた。
【0122】同図の黒三角で示されるように、第2の非
磁性層6の厚さtCu2が0Åである場合、すなわち第2
の非磁性層6が存在しない場合には、第2の反強磁性層
7からの交換結合磁界h2が非常に大きいため、全交換
結合磁界Hinは、−5kA/m以下と、負の方向に大き
な値をとった。この第2の非磁性層6の厚さtCu2が増
大するにつれ、全交換結合磁界Hinは0kA/mに近づ
き、14Åで正に転じた。この厚さtCu2がさらに増大
すると、全交換結合磁界Hinは正の方向にさらに増大
し、20Åで、1.6kA/mを超えた。
【0123】この測定結果からわかるように、第2の非
磁性層6の厚みtCu2が大きすぎると、全交換結合磁界
inが、出力低下が問題となり始める1.6kA/mを
超えてしまう。このため、第2の非磁性層6の厚みt
Cu2は20Å以下であることが好ましい。また、この厚
みtCu2が小さすぎると、全交換結合磁界Hinが負の方
向に大きくなりすぎる。一般に、全交換結合磁界Hin
負であると、固定磁性層3の厚みを減少させることよっ
てその全交換結合磁界Hinを0kA/mに近づけること
は容易であるが、全交換結合磁界Hinが負の方向であっ
ても大きすぎる場合には0kA/mに近づけることが困
難となる。このため、第2の非磁性層6の厚みt
Cu2は、5Å以上であることが好ましい。
【0124】これらの測定結果からわかるように、この
第2の非磁性層の厚みの調整により、磁気抵抗効果膜の
抵抗変化Δρ/tの値を高く保ちながら、自由磁性層に
付与される全交換結合磁界Hinを適切な値に調整するこ
とができる。
【0125】<再生出力の全交換結合磁界Hin依存性>
以下に、磁気ヘッドの再生出力の、その磁気ヘッドに備
えられた磁気抵抗効果膜の自由磁性層に付与される全交
換結合磁界Hinの大きさに対する依存性のシミュレーシ
ョン結果について説明する。
【0126】このシミュレーションは、従来の、第2の
非磁性層や第2の反強磁性層を含まない磁気抵抗効果膜
を備えた磁気ヘッドを対象として行ったものであるが、
自由磁性層に付与される全交換結合磁界Hinを、固定磁
性層と第2の反強磁性層との両層から付与された交換結
合磁界とみなすことにより、本発明の磁気抵抗効果膜を
備えた磁気ヘッドに対しても適用できる。
【0127】このシミュレーションは、自由磁性層と固
定磁性層とをそれぞれ2次元のメッシュに分け、メッシ
ュの各領域に存在する磁気モーメントの動きを計算する
マイクロマグネティクスによって行った。このシミュレ
ーションでは、自由磁性層中の各磁気モーメントには、
外部磁界Hsig、磁区制御層からの磁界Hhard、固定磁
性層からの交換結合磁界Hin1、反磁界Hd1が付与さ
れ、固定磁性層中の各磁気モーメントには、外部磁界H
sig、磁区制御層からの磁界Hhard、自由磁性層からの
交換結合磁界Hin2、反磁界Hd2、第1の反強磁性層か
らの交換結合磁界Huaが付与されたものとして各磁気モ
ーメントが安定した平衡状態となった場合の、各磁気モ
ーメントの方向の配置を求めた。
【0128】ここで、自由磁性層と固定磁性層の広がり
方向の位置をxy座標で規定し、上記各磁気モーメント
が平衡状態となった場合の、位置(x,y)での自由磁
性層の磁気モーメントの角度をθf(x,y)と表し、
位置(x,y)での固定磁性層の磁気モーメントの角度
をθp(x,y)と表す。この場合、これらの角度θ
f(x,y)、θp(x,y)で規定される磁気モーメン
トを有する磁気抵抗効果膜の出力は、これらの角度の差
θf(x,y)−θp(x,y)の、全ての磁気モーメン
トの位置(x,y)における平均値<θf(x,y)−
θp(x,y)>の余弦であるcos<θf(x,y)−
θp(x,y)>に比例する。
【0129】この出力の比例係数は、自由磁性層に付与
される全交換結合磁界Hinが2.4kA/mとなる、T
a(40Å)/NiFe(17Å)/PdPtMn(1
50Å)/CoFeB(12Å)/Ru(7.5Å)/
CoFeB(25Å)/Cu(24Å)/CoFeB
(10Å)/NiFe(40Å)/Ta(40Å)の構
成を持つ磁気抵抗効果膜の測定値から求めた。
【0130】図9は、磁気ヘッドの再生出力の、全交換
結合磁界Hinの大きさに対する依存性を示すグラフであ
る。
【0131】図9の横軸は、磁気抵抗効果膜の自由磁性
層に付与される全交換結合磁界Hinを表し、図9の縦軸
は、その磁気抵抗効果膜を備えた磁気ヘッドの規格化出
力を表す。同図には、シミュレーション結果が黒丸によ
って示され、黒丸どうしは、ガイドのために実線によっ
てつなげられている。
【0132】同図の黒丸で示されるように、全交換結合
磁界Hinが3.2kA/mから0kA/mに減少するに
つれ、規格化出力は、1200μV/μmから2800
μV/μmまで単調に増大した。
【0133】このシミュレーション結果からわかるよう
に、全交換結合磁界Hinを低減させることにより、磁気
ヘッドの出力を増大させることができる。
【0134】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
自由磁性層に付与される交換結合磁界Hinが小さく抑え
られた磁気抵抗効果型ヘッド、およびそのような磁気抵
抗効果型ヘッドを備えた情報再生装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のハードディスク装置の概略構成図
である。
【図2】本実施形態の磁気ヘッドの要部断面図である。
【図3】本実施形態の磁気ヘッドに採用された第1の磁
気抵抗効果膜の断面図である。
【図4】従来の磁気抵抗効果膜の断面図である。
【図5】本実施形態の磁気ヘッドに採用された第2の磁
気抵抗効果膜の断面図である。
【図6】本実施形態の磁気ヘッドに採用された第3の磁
気抵抗効果膜の断面図である。
【図7】磁気抵抗効果膜の抵抗変化Δρ/tおよび全交
換結合磁界Hinの、第2の反強磁性層の厚さ依存性を示
すグラフである。
【図8】磁気抵抗効果膜の抵抗変化Δρ/tおよび全交
換結合磁界Hinの、第2の非磁性層の厚さ依存性を示す
グラフである。
【図9】磁気ヘッドの再生出力の、全交換結合磁界Hin
の大きさに対する依存性を示すグラフである。
【符号の説明】
1 下地層 2 第1の反強磁性層 3 固定磁性層 3_1 第1の軟磁性層 3_2 反平行結合中間層 3_3 第2の軟磁性層 4 第1の非磁性層 5 自由磁性層 6 第2の非磁性層 7 第2の反強磁性層 8 保護層 10 磁気抵抗効果膜 10’ 従来の磁気抵抗効果膜 10_1 第1の磁気抵抗効果膜 10_2 第2の磁気抵抗効果膜 10_3 第3の磁気抵抗効果膜 11 下地層 12 第1の反強磁性層 13 第1の固定磁性層 14 第1の非磁性層 15 自由磁性層 15_1 第1の軟磁性層 15_2 反平行結合中間層 15_3 第2の軟磁性層 16 第2の非磁性層 17 第2の固定磁性層 18 第2の反強磁性層 19 保護層 21 基板 22 下部シールド層 23 下部絶縁層 24 磁区制御層 25 電極 26 上部絶縁層 27 上部シールド層 30 磁気ヘッド 100 HDD 101 ハウジング 102 回転軸 103 磁気ディスク 104 浮上ヘッドスライダ 105 アーム軸 106 キャリッジアーム 107 アクチュエータ h1,h2 交換結合磁界
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D034 BA05 BA08 BA21 CA08 5E049 AA04 AA07 AA09 AA10 AC00 AC05 BA12 BA16

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 方向の固定された磁化を有する固定磁性
    層と、外部磁界に応じて方向の変化する磁化を有する自
    由磁性層と、該固定磁性層および該自由磁性層によって
    層の厚み方向に挟まれた第1の非磁性層とを含む多層膜
    であって、該固定磁性層の磁化の方向と該自由磁性層の
    磁化の方向とのなす角度に応じた抵抗の大きさを示す磁
    気抵抗効果膜を備え、該磁気抵抗効果膜の抵抗の大きさ
    を検知することにより前記外部磁界の強さを検知する磁
    気抵抗効果型ヘッドにおいて、 前記自由磁性層の、該自由磁性層の前記第1の非磁性層
    側の面とは反対側の面に隣接した第2の非磁性層と、 前記第2の非磁性層の、該第2の非磁性層の前記自由磁
    性層側の面とは反対側の面に隣接した、静的な交換結合
    による、前記固定磁性層の磁化方向とは逆向きのバイア
    ス磁界を前記自由磁性層に付与するバイアス付与層とを
    有するものであって、該バイアス付与層が、規則系の反
    強磁性材料および硬質磁性材料のうちの少なくともいず
    れかの材料を含む材料からなるものであることを特徴と
    する磁気抵抗効果型ヘッド。
  2. 【請求項2】 前記第1の非磁性層が、銅あるいは銅を
    含む合金からなる26Å以下の厚みを有するものである
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果型ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記第2の非磁性層が、銅あるいは銅を
    含む合金からなる5Å以上20Å以下の厚みを有するも
    のであることを特徴とする請求項1記載の磁気抵抗効果
    型ヘッド。
  4. 【請求項4】 方向の固定された磁化を有する固定磁性
    層と、外部磁界に応じて方向の変化する磁化を有する自
    由磁性層と、該固定磁性層および該自由磁性層によって
    層の厚み方向に挟まれた第1の非磁性層とを含む多層膜
    であって、該固定磁性層の磁化の方向と該自由磁性層の
    磁化の方向とのなす角度に応じた抵抗の大きさを示す磁
    気抵抗効果膜を備え、該磁気抵抗効果膜の抵抗の大きさ
    を検知することにより前記外部磁界の強さを検知する磁
    気抵抗効果型ヘッドにおいて、前記自由磁性層の、該自
    由磁性層の前記第1の非磁性層側とは反対側に配置され
    た第2の非磁性層と、 前記第2の非磁性層の前記自由磁性層側とは反対側に配
    置された、静的な交換結合による、前記固定磁性層の磁
    化方向とは逆向きの800A/m以上の強さのバイアス
    磁界を前記自由磁性層に付与するバイアス付与層とを有
    するものであることを特徴とする磁気抵抗効果型ヘッ
    ド。
  5. 【請求項5】 前記バイアス付与層が、規則系の反強磁
    性材料、硬質磁性材料、およびフェリ磁性材料の材料群
    のうちの少なくとも1つ以上の材料からなるものである
    ことを特徴とする請求項4記載の磁気抵抗効果型ヘッ
    ド。
  6. 【請求項6】 方向の固定された磁化を有する第1の固
    定磁性層と、 前記第1の固定磁性層上に形成された第1の非磁性層
    と、 軟磁性材料からなる第1の軟磁性層および第2の軟磁性
    層、並びにこれらの軟磁性層の間に挟まれるように形成
    されこれらの軟磁性層の磁化を互いに逆向きに結合する
    反平行結合中間層からなる、前記第1の非磁性層上に形
    成された、これらの軟磁性層の磁化の方向が互いに逆向
    きに結合された状態で外部磁界に応じて変化する自由磁
    性層と、 前記自由磁性層上に形成された第2の非磁性層と、 前記第2の非磁性層上に形成された、上記第1の固定磁
    性層の磁化の方向と同じ方向に固定された磁化を有する
    第2の固定磁性層とを含む多層膜からなる、前記第1の
    固定磁性層の磁化の方向と前記第1の軟磁性層の磁化の
    方向とのなす角度に応じた抵抗の大きさを示す磁気抵抗
    効果膜を備え、 該磁気抵抗効果膜の抵抗の大きさを検知することにより
    前記外部磁界の強さを検知することを特徴とする磁気抵
    抗効果型ヘッド。
  7. 【請求項7】 磁化の方向により情報が記録された磁気
    記録媒体に近接あるいは接触して配置されて該磁気記録
    媒体各点の磁化の方向を検出する磁気ヘッドを備え、該
    磁気ヘッドにより検出された前記磁気記録媒体各点の磁
    化の方向に応じた情報を再生する情報再生装置におい
    て、 前記磁気ヘッドが、 方向の固定された磁化を有する固定磁性層と、外部磁界
    に応じて方向の変化する磁化を有する自由磁性層と、該
    固定磁性層および該自由磁性層によって層の厚み方向に
    挟まれた第1の非磁性層とを含む多層膜であって、該固
    定磁性層の磁化の方向と該自由磁性層の磁化の方向との
    なす角度に応じた抵抗の大きさを示す磁気抵抗効果膜を
    備え、該磁気抵抗効果膜の抵抗の大きさを検知すること
    により前記外部磁界の強さを検知するものであって、 前記自由磁性層の、該自由磁性層の前記第1の非磁性層
    側の面とは反対側の面に隣接した第2の非磁性層と、 前記第2の非磁性層の、該第2の非磁性層の前記自由磁
    性層側の面とは反対側の面に隣接した、静的な交換結合
    による、前記固定磁性層の磁化方向とは逆向きのバイア
    ス磁界を前記自由磁性層に付与するバイアス付与層とを
    有するものであって、該バイアス付与層が、規則系の反
    強磁性材料および硬質磁性材料のうちの少なくともいず
    れかの材料を含む材料からなるものであることを特徴と
    する情報再生装置。
  8. 【請求項8】 磁化の方向により情報が記録された磁気
    記録媒体に近接あるいは接触して配置されて該磁気記録
    媒体各点の磁化の方向を検出する磁気ヘッドを備え、該
    磁気ヘッドにより検出された前記磁気記録媒体各点の磁
    化の方向に応じた情報を再生する情報再生装置におい
    て、 前記磁気ヘッドが、 方向の固定された磁化を有する固定磁性層と、外部磁界
    に応じて方向の変化する磁化を有する自由磁性層と、該
    固定磁性層および該自由磁性層によって層の厚み方向に
    挟まれた第1の非磁性層とを含む多層膜であって、該固
    定磁性層の磁化の方向と該自由磁性層の磁化の方向との
    なす角度に応じた抵抗の大きさを示す磁気抵抗効果膜を
    備え、該磁気抵抗効果膜の抵抗の大きさを検知すること
    により前記外部磁界の強さを検知するものであって、 前記自由磁性層の、該自由磁性層の前記第1の非磁性層
    側とは反対側に配置された第2の非磁性層と、 前記第2の非磁性層の前記自由磁性層側とは反対側に配
    置された、静的な交換結合による、前記固定磁性層の磁
    化方向とは逆向きの800A/m以上の強さのバイアス
    磁界を前記自由磁性層に付与するバイアス付与層とを有
    するものであることを特徴とする情報再生装置。
JP2000122456A 2000-04-24 2000-04-24 磁気抵抗効果型ヘッドおよび情報再生装置 Withdrawn JP2001307308A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000122456A JP2001307308A (ja) 2000-04-24 2000-04-24 磁気抵抗効果型ヘッドおよび情報再生装置
US09/729,391 US6819533B2 (en) 2000-04-24 2000-12-04 Magnetoresistive head in which an interlayer coupling field applied to a free magnetic layer is reduced

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000122456A JP2001307308A (ja) 2000-04-24 2000-04-24 磁気抵抗効果型ヘッドおよび情報再生装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2001307308A true JP2001307308A (ja) 2001-11-02

Family

ID=18632928

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000122456A Withdrawn JP2001307308A (ja) 2000-04-24 2000-04-24 磁気抵抗効果型ヘッドおよび情報再生装置

Country Status (2)

Country Link
US (1) US6819533B2 (ja)
JP (1) JP2001307308A (ja)

Families Citing this family (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3828777B2 (ja) * 2001-10-22 2006-10-04 株式会社日立グローバルストレージテクノロジーズ 磁気抵抗効果ヘッド
US6989971B2 (en) * 2002-04-05 2006-01-24 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands, B.V. Giant magnetoresistance (GMR) read head with reactive-ion-etch defined read width and fabrication process
US20040061987A1 (en) * 2002-09-27 2004-04-01 International Business Machines Corporation Self-stabilized giant magnetoresistive spin valve read sensor
US7123454B2 (en) * 2003-06-12 2006-10-17 Headway Technologies, Inc. Longitudinal bias structure having stability with minimal effect on output
US7134184B2 (en) * 2003-11-12 2006-11-14 Headway Technologies, Inc. Process of manufacturing a narrow track CCP head with bias cancellation
US7382587B2 (en) * 2004-04-30 2008-06-03 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Magnetic head having self-pinned SV structures for CPP GMR applications
US20070091675A1 (en) * 2005-10-20 2007-04-26 Seagate Technology Llc Double bias for a magnetic reader
US8252367B2 (en) * 2007-12-19 2012-08-28 Hitachi Global Storage Technologies Netherlands B.V. Methods and apparatus to fabricate soft magnetic film with preferred uniaxial anisotropy for perpendicular recording
US20140284733A1 (en) * 2013-03-22 2014-09-25 Daisuke Watanabe Magnetoresistive element
KR101872633B1 (ko) * 2017-01-09 2018-06-28 삼성전기주식회사 공통 모드 필터

Family Cites Families (17)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5287238A (en) * 1992-11-06 1994-02-15 International Business Machines Corporation Dual spin valve magnetoresistive sensor
JP2784457B2 (ja) * 1993-06-11 1998-08-06 インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレイション 磁気抵抗センサ装置
US5608593A (en) * 1995-03-09 1997-03-04 Quantum Peripherals Colorado, Inc. Shaped spin valve type magnetoresistive transducer and method for fabricating the same incorporating domain stabilization technique
JPH0992904A (ja) 1995-09-22 1997-04-04 Alps Electric Co Ltd 巨大磁気抵抗効果材料膜およびその製造方法とそれを用いた磁気ヘッド
US5909345A (en) * 1996-02-22 1999-06-01 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Magnetoresistive device and magnetoresistive head
JPH1021512A (ja) 1996-07-02 1998-01-23 Hitachi Ltd Fe系非磁性合金膜を下地膜に用いたスピンバルブセンサ
JP3181512B2 (ja) 1996-09-12 2001-07-03 アルプス電気株式会社 デュアルスピンバルブ型素子および薄膜磁気ヘッド
JP4038839B2 (ja) 1996-09-27 2008-01-30 富士通株式会社 磁気抵抗効果素子及びその製造方法
JPH10228609A (ja) 1997-02-17 1998-08-25 Hitachi Ltd 磁気抵抗センサ
US5748399A (en) 1997-05-13 1998-05-05 International Business Machines Corporation Resettable symmetric spin valve
JPH1131312A (ja) 1997-07-09 1999-02-02 Hitachi Ltd 二重スピンバルブセンサ
DE19934009B4 (de) * 1998-07-21 2006-11-23 Alps Electric Co., Ltd. Magnetowiderstands-Dünnschichtelement vom Drehventil-Typ
US6185078B1 (en) * 1998-08-21 2001-02-06 International Business Machines Corporation Spin valve read head with antiferromagnetic oxide film as longitudinal bias layer and portion of first read gap
US6268985B1 (en) * 1999-03-30 2001-07-31 International Business Machines Corporation Read head having spin valve sensor with improved capping layer
US6317297B1 (en) * 1999-10-06 2001-11-13 Read-Rite Corporation Current pinned dual spin valve with synthetic pinned layers
US6466419B1 (en) * 2000-03-31 2002-10-15 Seagate Technology Llc Current perpendicular to plane spin valve head
US6556392B1 (en) * 2000-04-27 2003-04-29 Seagate Technology Llc Spin valve head with exchange bias stabilized free layer

Also Published As

Publication number Publication date
US20010033465A1 (en) 2001-10-25
US6819533B2 (en) 2004-11-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7161771B2 (en) Dual spin valve sensor with a longitudinal bias stack
US6947264B2 (en) Self-pinned in-stack bias structure for magnetoresistive read heads
US8133363B2 (en) Dual magnetic tunnel junction sensor with a longitudinal bias stack
US6724585B2 (en) Magnetoresistive element and device utilizing magnetoresistance effect
JP4177954B2 (ja) 磁気トンネル接合積層型ヘッド及びその製法
US6600638B2 (en) Corrosion resistive GMR and MTJ sensors
US6657823B2 (en) Differential detection read sensor, thin film head for perpendicular magnetic recording and perpendicular magnetic recording apparatus
JP3291208B2 (ja) 磁気抵抗効果型センサおよびその製造方法とそのセンサを備えた磁気ヘッド
JP3657875B2 (ja) トンネル磁気抵抗効果素子
US7505235B2 (en) Method and apparatus for providing magnetostriction control in a freelayer of a magnetic memory device
JP2005203063A (ja) 磁気ヘッド及び磁気記録再生装置
JP2004039869A (ja) 磁気抵抗センサ、磁気ヘッド、ならびに磁気記録装置
JP2004296000A (ja) 磁気抵抗効果型ヘッド、及びその製造方法
KR19990062685A (ko) 자기 저항 효과 소자 및 그 제조 방법
JP2001307308A (ja) 磁気抵抗効果型ヘッドおよび情報再生装置
US20080007877A1 (en) Magneto-resistance effect element, magnetic head, magnetic recording/reproducing device and magnetic memory
JP2005302131A (ja) 磁気ヘッド及びそれを用いた磁気記録再生装置
JP2000057538A (ja) 磁気抵抗センサを用いた磁気ヘッドおよび磁気記録再生装置
JP2001358381A (ja) 磁気抵抗効果膜、磁気抵抗効果型ヘッド、および情報再生装置
JPH11273034A (ja) 磁気センサ、薄膜磁気ヘッド及び該薄膜磁気ヘッドの製造方法
US7199983B2 (en) Magnetoresistive device utilizing a magnetoresistance effect for reading magnetic information
JP2003229612A (ja) 磁気抵抗効果センサーおよび磁気ディスク装置
US7038891B2 (en) Method and apparatus for providing precise control of magnetic coupling field in NiMn top spin valve heads and amplitude enhancement
JP2001332780A (ja) 磁気抵抗効果膜、磁気抵抗効果型ヘッド、および情報再生装置
JPH0992904A (ja) 巨大磁気抵抗効果材料膜およびその製造方法とそれを用いた磁気ヘッド

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070703