JPH10228609A - 磁気抵抗センサ - Google Patents

磁気抵抗センサ

Info

Publication number
JPH10228609A
JPH10228609A JP3168397A JP3168397A JPH10228609A JP H10228609 A JPH10228609 A JP H10228609A JP 3168397 A JP3168397 A JP 3168397A JP 3168397 A JP3168397 A JP 3168397A JP H10228609 A JPH10228609 A JP H10228609A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
antiferromagnetic
layer
spin valve
ferromagnetic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP3168397A
Other languages
English (en)
Inventor
Susumu Soeya
進 添谷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Ltd filed Critical Hitachi Ltd
Priority to JP3168397A priority Critical patent/JPH10228609A/ja
Publication of JPH10228609A publication Critical patent/JPH10228609A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Magnetic Heads (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】スピンバルブ諸特性,バルクハウゼンノイズレ
ス,再生出力に優れ、狭トラック対応の高感度二重スピ
ンバルブセンサを提供する。 【解決手段】反強磁性膜11,強磁性膜12,非磁性膜
13,強磁性膜14,非磁性膜15,強磁性膜16,反
強磁性膜17を順次積層した二重スピンバルブセンサ層
で、反強磁性膜11を、面心立方格子の結晶構造を有し
かつ規則相を有する反強磁性膜とし、Mn3Rh,Mn3
(RhPt)あるいはMn3Pt 規則相合金膜である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は磁気抵抗センサに関
する。
【0002】
【従来の技術】磁気抵抗センサの抵抗変化が、非磁性層
を介する磁性層間での伝導電子のスピン依存性伝送、及
び、それに付随する層界面でのスピン依存性散乱に帰さ
れる磁気抵抗効果が知られている。この磁気抵抗効果
は、「巨大磁気抵抗効果」や「スピンバルブ効果」など
の名称で呼ばれている。
【0003】欧州特許EP−490608A2号は、スピンバルブ
効果を利用した磁気抵抗センサ(以後、スピンバルブセ
ンサと呼ぶ。)を記載している。以下、スピンバルブセ
ンサの原理を説明する。
【0004】スピンバルブセンサは、非磁性膜によって
分離された強磁性膜1と強磁性膜2を含む適切な物質上
に形成された積層構造を含んでいる。代表的なスピンバ
ルブセンサ層の積層構造は、反強磁性膜/強磁性膜1/
非磁性膜/強磁性膜2である。ここで、最上層が反強磁
性膜、最下層が強磁性膜2であり、以後の積層構造もこ
のように表現することにする。強磁性膜の一つ、たとえ
ば、強磁性膜1の磁化方向は外部印加磁場ゼロで、強磁
性膜2の磁化方向と垂直に固定されている。強磁性膜1
の磁化方向の固定は、反強磁性膜を隣接させ、反強磁性
膜と強磁性膜1の界面で発生する交換結合により、強磁
性膜1に一方向異方性を付与することによりなされる。
そのため、強磁性膜1は「固定層」と命名されており、
本明細書でも「固定層」なる表現を用いることにする。固
定層の代表的な磁化の固定方向は、浮上面と垂直方向で
ある。一方、強磁性膜2の磁化方向は外部磁場に応じて
自由に回転できる。そのため、強磁性膜2は「自由層」
と命名されており、「自由層」なる表現を用いることに
する。スピンバルブセンサでは、磁性媒体からの外部印
加磁場に応じて自由層の磁化方向が自由に回転し、必然
的に固定層の磁化方向と自由層の磁化方向との間の角度
が変化する。スピンバルブセンサは、これら固定層と自
由層の磁化方向の角度変化に応じて電気抵抗が変化する
ことを利用し、磁性媒体からの磁気的信号を電気的信号
に変換する磁気抵抗センサである。
【0005】また、スピンバルブセンサの抵抗変化率向
上を目的として、固定層を二つ設けた二重スピンバルブ
センサなる磁気抵抗センサが特開平6−223336 号に開示
されている。上述のシングルタイプのスピンバルブセン
サ層が、反強磁性膜/固定層/非磁性膜/自由層、また
は、自由層/非磁性膜/固定層/反強磁性膜で構成され
るのに対し、二重スピンバルブセンサ層は、反強磁性膜
/固定層/非磁性膜/自由層/非磁性膜/固定層/反強
磁性膜で構成される。
【0006】次に、固定層用反強磁性膜を説明する。
【0007】たとえば、特開昭54−10997 号公報には、
強磁性NiFe合金膜と反強磁性FeMn合金膜の交換
結合は、一方向異方性を生じ、NiFe合金膜の磁化曲
線を原点からシフトさせることが開示されている。ま
た、磁化曲線の原点からのシフト量を「結合磁界」と定義
しており、適宜「結合磁界」なる表現を用いることにす
る。
【0008】代表的な反強磁性膜は、米国特許4103315
号公報に、面心立方格子の結晶格子を有する不規則相の
FeMn合金膜が開示されている。
【0009】さらに、特開平6−76247号公報には、反強
磁性膜として、体心正方格子の結晶構造を有するMn合
金が開示されている。具体的には、NiMn(Mn量:
46−60at.%),MnPt(Mn量:33−60
at.%),MnRh(Mn量:50−65at.%)合
金が列挙されている。
【0010】さらに、特願平7−116894 号明細書には、
反強磁性膜として、体心立方格子の結晶構造を有するC
rMnMX 合金が列挙されている。添加元素Mは、C
o,Ni,Cu,Ag,Au、及び白金族が列挙されて
いる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】反強磁性膜を最上層に
配置した最も代表的な、反強磁性膜/固定層/非磁性膜
/自由層より構成されるスピンバルブセンサの固定層用
反強磁性膜の要求特性は、高耐食性,高結合磁界,高ブ
ロッキング温度,高比抵抗,薄膜化,結合磁界を得るた
めの熱処理温度が低いことである。ここで、ブロッキン
グ温度は、結合磁界の消失する温度で定義される。
【0012】しかし、本発明の目的である、反強磁性膜
/固定層/非磁性膜/自由層/非磁性膜/固定層/反強
磁性膜より構成される二重スピンバルブセンサの最下層
の反強磁性膜には、上記特性に加えて、膜表面平坦性,
最下層の反強磁性膜とその上方に形成されるスピンバル
ブ膜との格子の整合性がよいことが要求される。
【0013】従来技術のFeMn合金,NiMn合金
(Mn量:46−60at.%),PtMn合金(Mn量:3
3−60at.%),RhMn(Mn量:50−65a
t.%),CrMnMx 合金は、上記六つの特性のいずれ
かに多少の問題はあるものの、反強磁性膜を最上層に配
置した、反強磁性膜/固定層/非磁性膜/自由層とした
シングルタイプのスピンバルブセンサには適用可能であ
る。しかし、本発明の目的とする反強磁性膜/固定層/
非磁性膜/自由層/非磁性膜/固定層/反強磁性膜より
構成される二重スピンバルブセンサの最下層の反強磁性
膜への適用には問題がある。
【0014】FeMn合金を最下層の反強磁性膜として
配置するためには、FeMn合金膜を面心立方格子(f
cc構造)であるγ相とする必要があり、そのために
は、FeMn合金膜の下地膜としてfcc構造を有する
Cu等を配置しなければならない。Cu等を配置する
と、Cuへの電流リークにより、分流損が生じて抵抗変
化率を低下させてしまう。さらに、FeMn合金膜の上
方に固定層を配置した固定層/FeMn交換結合膜の結
合磁界は小さく、実用上の問題点を残している。また、
NiMn合金(Mn量:46−60at.%),PtMn
合金(Mn量:33−60at.%),RhMn(Mn
量:50−65at.%)は、いずれも体心正方格子
(bct)を有する規則相である。最上層の反強磁性膜
を除き、二重スピンバルブセンサを構成している、固定
層,非磁性膜,自由層は、いずれもfcc構造を有して
いる。これらfcc構造を有する、固定層,非磁性膜,
自由層は、bct構造を有する反強磁性膜上では、均一
にエピタキシャル成長することができないため、これら
の合金膜を用いた場合は、特性の優れたスピンバルブ膜
を形成できない。
【0015】また、CrMnMx合金膜は、膜表面の凹
凸が著しいため、その上方に固定層,非磁性膜,自由層
等を設けても、特性の優れたスピンバルブ膜を形成でき
ない。そこで、本発明の目的は、反強磁性膜/固定層/
非磁性膜/自由層/非磁性膜/固定層/反強磁性膜より
構成される二重スピンバルブセンサ層において、上記八
つの特性を満足できる固定層の下側に配置できる反強磁
性膜を提供し、これを用いた二重スピンバルブセンサを
提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記目的は、反強磁性膜
/固定層/非磁性膜/自由層/非磁性膜/固定層/反強
磁性膜より構成される二重スピンバルブセンサで、最下
層の反強磁性膜にfcc構造を有しかつ規則相を有する合
金膜を採用することにより、達成できる。
【0017】具体的な材料は、Mn3Rh規則相,Mn3
(RhPt)規則相、及びMn3Pt規則相をベースとし
た反強磁性合金膜である。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施例1の二重スピンバ
ルブセンサ層1について説明する。図1は、実施例1の
二重スピンバルブセンサ層1のセンサ浮上面から見た拡
大断面図である。二重スピンバルブセンサ層1は、fc
c構造かつ規則相を有する反強磁性膜11,強磁性膜1
2(固定層12),非磁性膜13,強磁性膜14(自由
層14),非磁性膜15,強磁性膜16(固定層1
6),反強磁性膜17を順次積層した層で構成される。
【0019】反強磁性膜11及び反強磁性膜17は、そ
れぞれ、固定層12及び固定層16に一方向異方性を付
与するための膜である。反強磁性膜17の材料は、CrMn
Mx膜とした。一方の本発明の最も特徴とする、反強磁性
膜11の材料は、バルク組成で存在する、fcc構造を
有するMn3Rh規則相合金膜,Mn3(RhPt)規則
相合金膜、あるいは、Mn3Pt 規則相合金膜であり、
これについては後で詳細に説明する。反強磁性膜11及
び反強磁性膜17の膜厚は5−30nmとした。固定層
12及び固定層16の材料は、Co膜とし、膜厚は1−
5nmとした。固定層12及び固定層16内の磁気モー
メントは、それぞれ、反強磁性膜11及び反強磁性膜1
7との交換結合により、一方向に揃え、センサ浮上面と
垂直方向に揃えた。固定層12及び固定層16への一方
向異方性の付与は、センサ浮上面と垂直方向に直流磁界
を印加しながら、230℃−300℃の数時間の熱処理
を行うことにより行った。
【0020】非磁性膜13及び非磁性膜15は、それぞ
れ、固定層12と自由層14、及び、自由層14と固定
層16とを磁気的に分離する膜であり、Cu膜とした。
非磁性膜13及び非磁性膜15の厚さは、1〜5nmと
した。
【0021】自由層14は、磁性媒体からの磁気的信号
に応じて自由に回転することができる膜であり、NiF
e膜とした。自由層14の膜厚は、2〜10nmとし
た。自由層14内の磁気モーメントは、外部印加磁場ゼ
ロのとき、固定層12及び固定層16内の磁気モーメン
トと垂直となるように形成した。
【0022】実施例1の二重スピンバルブセンサ層1で
は、磁性媒体からの磁気的信号に応じて自由層14の磁
気モーメントの方向が自由に回転し、必然的に固定層1
2及び固定層16内の磁気モーメントの方向と自由層1
4の磁気モーメントとの間の角度が変化する。本発明の
スピンバルブセンサ層1は、これら固定層12,16と
自由層14の磁化方向の角度変化に応じて電気抵抗が変
化することを利用し、磁性媒体からの磁気的信号を電気
的信号に変換する。
【0023】本発明の二重スピンバルブセンサ層1を磁
気抵抗センサとして用いる場合、磁区制御層,信号検出
電極が必要である。さらに、いわゆる「縦バイアス磁
界」、及び、「横バイアス磁界」を適当な大きさに調節
する必要がある。ここで、縦バイアス磁界とは、センサ
長手方向に印加される磁界であり、横バイアス磁界と
は、センサ浮上面と垂直方向に印加される磁界である。
【0024】そこで、本発明の実施例2を示す二重スピ
ンバルブセンサ2について説明する。図2は、実施例2
の二重スピンバルブセンサ2の浮上面から見た拡大断面
図である。二重スピンバルブセンサ2は、本発明の二重
スピンバルブセンサ層1をセンサ中央活性領域にのみ形
成し、中央活性領域両端部に、二重スピンバルブセンサ
層1と電気的連続性を保ちながら磁区制御層20と信号
検出電極30とを順次隣接接合して形成した。
【0025】信号検出電極30は、電気抵抗の小さいC
u,Au,Nb,Taなどを用いた。
【0026】磁区制御層20は、自由層14に縦バイア
ス磁界を印加する層であり、自由層14内の磁壁発生を
防止し、いわゆる「バルクハウゼンノイズ」を抑止する
膜である。磁区制御層20には、反強磁性膜−強磁性膜
の交換結合膜や硬磁性膜を用いた。縦バイアス磁界が大
きすぎる場合は、自由層14の磁気モーメントが回転し
にくくなり、感度が低下する。小さすぎる場合は、バル
クハウゼンノイズを抑止できない。そのため、縦バイア
ス磁界は、磁区制御層内の強磁性膜の(飽和磁束密度)
×(膜厚)を調節することにより、縦バイアス磁界を適
度な大きさにコントロールした。
【0027】一方の横バイアス磁界については、自由層
14は、固定層16及び12からの横バイアス磁界と、
通電時の右ねじの法則に即した横バイアス磁界と、固定
層16及び12と自由層14との間のinterlayer結合に
よる横バイアス磁界と、磁区制御層20からの縦バイア
ス磁界と、を受けている。本発明の二重スピンバルブセ
ンサ2では、センサ高さ,トラック幅,通電時の電流密
度の大きさ及び方向に応じて横バイアス磁界を次のよう
に調節している。すなわち、通電時、外部印加磁場ゼロ
の状態で、自由層14の磁化方向がほぼセンサ長手方向
に、固定層16及び12の磁化方向がセンサ浮上面とほ
ぼ垂直方向となるように、各層,各膜の膜厚,飽和磁束
密度の大きさを調節している。そのため、本発明の二重
スピンバルブセンサ2の再生時の波形上下対称性がよ
く、かつデュアル化しているため抵抗変化率が大きいの
で、高感度な磁気抵抗センサを提供できる。
【0028】次に、本発明の最大の特徴である反強磁性
膜11について説明する。図3に、本発明の反強磁性膜
11と固定層12との交換結合2層膜を示した。本図で
は、構造自体は公知であるが、反強磁性膜11の材料が
本発明の最大の特徴である。本発明の反強磁性膜11
は、fcc構造を有しかつ規則相を有する反強磁性合金
膜で構成される。反強磁性膜11の具体的な材料は、バ
ルク組成でいうと、Mn3Rh規則相,Mn3(RhP
t)規則相、あるいは、Mn3Pt規則相である。その
ため、本発明によると、これらの合金を膜にし、固定層
12に大きな交換結合をもたらすための反強磁性膜11
の膜組成は、Mn−Rh(Rh量:15−30at.
%),Mn−(RhPt)(Rh+Pt量:15−30
at.%),Mn−Pt(Pt量:15−30at.%)
であった。
【0029】次に、本発明の反強磁性膜11の利点につ
いて述べる。すでに述べたように、反強磁性膜11に要
求される特性は、高耐食性,高結合磁界,高ブロッキン
グ温度,高比抵抗,薄膜化,結合磁界を得るための熱処
理温度が低いこと、膜表面平坦性,二重スピンバルブセ
ンサ層1では、反強磁性膜11上に配置される固定層1
6/非磁性膜15/自由層14/非磁性膜13/固定層
12はすべてfcc構造を有するため、これらの膜との
結晶格子の整合性がよいことが要求される。
【0030】本発明によると、Mn−Rh膜,Mn−
(RhPt)膜,Mn−Pt膜は、それぞれ、Rh量,
(Rh+Pt)量,Pt量を15−30at.%含むため
耐食性に優れている。このため、反強磁性膜11は、上
記1を満足する。
【0031】図4に、本発明の特徴とする反強磁性膜1
1上に固定層12を形成した固定層12/反強磁性膜1
1の交換結合膜の磁化曲線を示す。図4に示すように、
交換結合膜の磁化曲線は一方向にシフトする。本発明の
固定層12/反強磁性膜11の交換結合膜は、結合磁界
ex約400 Oe以上を有していた。この大きな結合
磁界は、反強磁性膜11内の規則相の存在による。この
ため、反強磁性膜11は高結合磁界を満足する。
【0032】図5に、本発明の特徴とする固定層12/
反強磁性膜11の交換結合膜の結合磁界の温度依存性を
示す。結合磁界は温度が増加するにしたがって減少して
おり、高ブロッキング温度約240℃を示している。こ
のため、反強磁性膜11は、高ブロッキング温度を満足
する。
【0033】さらに、本発明の反強磁性膜11は、Mn
をベースとした合金膜のため、比抵抗は大きく、Mn−
Rh膜(Rh量:15−30at.%),Mn−(Rh
Pt)膜(Rh+Pt量:15−30at.%),Mn−
Pt膜(Pt量:15−30at.%)とも約150μΩ
cm以上を示した。このため、反強磁性膜11は、高比抵
抗を満足する。
【0034】さらに、本発明の反強磁性膜11は、fc
c構造を有しているため、Ta膜などの比抵抗が大きい
下地膜上に形成することにより、5nm程度までの薄膜
化が可能である。また、反強磁性膜11は、fcc構造
が安定なため、この反強磁性膜11のfcc構造を安定
とさせるための、fcc構造を有するCu膜等の結晶構
造を制御するための下地膜が不要である。そのため、比
抵抗の小さなCu下地膜への電流リークがなく、大きな
抵抗変化率を維持できるメリットがある。このため、反
強磁性膜11は、薄膜化を満足する。
【0035】さらに、本発明の反強磁性膜11である、
Mn−Rh膜(Rh量:15−30at.%),Mn−
(RhPt)膜(Rh+Pt量:15−30at.
%),Mn−Pt膜(Pt量:15−30at.%)の規
則相を析出させるためには熱処理が必要である。本発明
によると、いずれの膜も230−300℃の数時間の熱
処理を行うことにより規則相を得ることができた。二重
スピンバルブセンサ層1を構成する各膜,各層は、約3
00℃までの耐熱性を有するため、Mn−Rh膜(Rh
量:15−30at.%),Mn−(RhPt)膜(Rh
+Pt量:15−30at.%),Mn−Pt膜(Pt
量:15−30at.%)の規則相を得るための230
−300℃の熱処理を行っても、熱処理による二重スピ
ンバルブセンサ層1の諸特性の劣化はない。このため、
反強磁性膜11は、低熱処理温度を満足する。
【0036】さらに、本発明の反強磁性膜11は、fc
cの結晶構造を有している。反強磁性膜11上に形成さ
れる、固定層16/非磁性膜15/自由層14/非磁性
膜13/固定層12より構成される各層は、すべてfc
cの結晶構造を有するため、これらの層は、fccの結
晶構造を有する反強磁性膜11上で均一にエピタキシャ
ル成長することができる。そのため、反強磁性膜11表
面を平坦に形成でき、かつ、反強磁性膜11とその上方
の固定層16/非磁性膜15/自由層14/非磁性膜1
3/固定層12との結晶格子の整合性がよい。そのた
め、反強磁性膜11を、反強磁性膜17/固定層16/
非磁性膜15/自由層14/非磁性膜13/固定層12
の下側に設けたことによるスピンバルブ諸特性の劣化は
なく、高感度とできる。これらのため、反強磁性膜11
は膜表面平坦性及び結晶格子の整合性を満足する。
【0037】以上のように、本発明の反強磁性膜17/
固定層16/非磁性膜15/自由層14/非磁性膜13
/固定層12/反強磁性膜11、より構成される二重ス
ピンバルブセンサ層1で、本発明の反強磁性膜11は、
高耐食性,高結合磁界,高ブロッキング温度,高比抵
抗,薄膜化,結合磁界を得るための熱処理温度が低いこ
と、膜表面平坦性,結晶格子の整合性、をすべて満足で
きる。
【0038】したがって、交換結合諸特性,抵抗変化率
等のスピンバルブ諸特性,バルクハウゼンノイズレス,
再生特性,耐食性等の信頼性に優れた高感度二重スピン
バルブセンサを提供することができる。
【0039】さらに、本発明のfcc構造を有しかつ規
則相を有する反強磁性膜は、反強磁性膜17にも適用で
きる。
【0040】さらに、本発明の反強磁性膜11は、Mn
−Rh膜,Mn−(RhPt)膜,Mn−Pt膜に少量
のIr,Pd,Ru,Au等を添加した合金膜でもよ
い。
【0041】さらに、本発明の反強磁性膜11は、MR
ヘッド磁区制御用の反強磁性膜へ応用できる。
【0042】さらに、本発明の二重スピンバルブセンサ
2は、シールドを備えていないが、シールドを備えたス
ピンバルブセンサにも応用できる。
【0043】さらに、本発明の二重スピンバルブセンサ
2は、それらの上方、あるいは、下方にライトヘッドを
配置した記録再生分離ヘッドへ応用できる。
【0044】さらに、本発明の二重スピンバルブセンサ
2は、ヨークタイプの記録再生分離ヘッドへ応用でき
る。
【0045】
【発明の効果】本発明の反強磁性膜/固定層/非磁性膜
/自由層/非磁性膜/固定層/反強磁性膜、より構成さ
れる二重スピンバルブセンサ層では、下層の固定層12
/反強磁性膜11の交換結合膜の反強磁性膜11に要求
される、高耐食性,高結合磁界,高ブロッキング温度,
高比抵抗,薄膜化,結合磁界を得るための熱処理温度が
低いこと、膜表面平坦性,結晶格子の整合性、をすべて
満足でき、交換結合諸特性,スピンバルブ諸特性,耐食
性等の信頼性に優れた高感度二重スピンバルブセンサ層
を提供することができる。
【0046】さらに、本発明の二重スピンバルブセンサ
層をセンサ中央活性領域にのみ形成し、中央活性領域両
端部に、二重スピンバルブセンサ層と電気的連続性を保
ちながら磁区制御層と信号検出電極とを順次隣接接合し
て二重スピンバルブセンサを形成することにより、狭ト
ラック幅とでき、かつバルクハウゼンノイズレス,再生
出力諸特性に優れた高感度二重スピンバルブセンサを提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示す二重スピンバルブセン
サ層の断面図。
【図2】本発明の実施例2を示す二重スピンバルブセン
サの断面図。
【図3】本発明の反強磁性膜と固定層との交換結合2層
膜の断面図。
【図4】本発明の反強磁性膜と固定層との交換結合2層
膜の磁化曲線図。
【図5】本発明の反強磁性膜と固定層との交換結合2層
膜の結合磁界の温度依存性の特性図。
【符号の説明】
11,17…反強磁性膜、12,14,16…強磁性
膜、13,15…非磁性膜、20…磁区制御層、30…
信号検出電極。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一の反強磁性膜,第一の強磁性膜,第一
    の非磁性膜,第二の強磁性膜,第二の非磁性膜,第三の
    強磁性膜,第二の反強磁性膜を順次積層した二重スピン
    バルブセンサ層をセンサ中央活性領域にのみ形成し、前
    記中央活性領域両端部に前記二重スピンバルブセンサ層
    と電気的連続性を保ちながら隣接接合して形成した一対
    の磁区制御層と信号検出電極とを含む磁気抵抗センサに
    おいて、 前記第一の反強磁性膜が、面心立方格子の結晶構造を有
    しかつ規則相であることを特徴とする磁気抵抗センサ。
  2. 【請求項2】第一の反強磁性膜,第一の強磁性膜,第一
    の非磁性膜,第二の強磁性膜,第二の非磁性膜,第三の
    強磁性膜,第二の反強磁性膜を順次積層した二重スピン
    バルブセンサ層をセンサ中央活性領域にのみ形成し、前
    記中央活性領域両端部に前記二重スピンバルブセンサ層
    と電気的連続性を保ちながら隣接接合して形成した一対
    の磁区制御層と信号検出電極とを含む磁気抵抗センサに
    おいて、 前記第一の反強磁性膜が、Mn3Rh規則相合金膜,M
    3(RhPt)規則相合金膜、あるいは、Mn3Pt
    規則相合金膜であることを特徴とする磁気抵抗センサ。
JP3168397A 1997-02-17 1997-02-17 磁気抵抗センサ Pending JPH10228609A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3168397A JPH10228609A (ja) 1997-02-17 1997-02-17 磁気抵抗センサ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3168397A JPH10228609A (ja) 1997-02-17 1997-02-17 磁気抵抗センサ

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10228609A true JPH10228609A (ja) 1998-08-25

Family

ID=12337898

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP3168397A Pending JPH10228609A (ja) 1997-02-17 1997-02-17 磁気抵抗センサ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10228609A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6819533B2 (en) 2000-04-24 2004-11-16 Fujitsu Limited Magnetoresistive head in which an interlayer coupling field applied to a free magnetic layer is reduced

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6819533B2 (en) 2000-04-24 2004-11-16 Fujitsu Limited Magnetoresistive head in which an interlayer coupling field applied to a free magnetic layer is reduced

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7336451B2 (en) Magnetic sensing element containing half-metallic alloy
US7310208B2 (en) Magnetoresistive sensor containing self-pinned layer containing a plurality of magnetic sublayers with magnetostriction-enhancing layer made of a nonmagnetic material
US7551409B2 (en) Current-perpendicular-to-the-plane (CPP) magnetoresistive sensor with improved ferromagnetic free layer structure
JP3735443B2 (ja) 交換結合膜とそれを用いた磁気抵抗効果素子、磁気ヘッドおよび磁気記憶装置
JP2000222709A (ja) スピンバルブ磁気抵抗センサ及び薄膜磁気ヘッド
JP4912207B2 (ja) 反平行フリー層構造および低電流誘起ノイズの面直電流型(cpp)磁気抵抗センサ
KR100690492B1 (ko) 자기 저항 효과 소자, 자기 헤드, 및 자기 기억 장치
JP2000091667A (ja) スピンバルブ磁気抵抗センサ及び薄膜磁気ヘッド
JP2000251223A (ja) スピンバルブ磁気抵抗センサ及び薄膜磁気ヘッド
JP2007180470A (ja) 磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド、磁気記憶装置、および磁気メモリ装置
JP2006013430A (ja) 磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド、磁気記憶装置
JP2003016613A (ja) 磁気ヘッド
JP2007088415A (ja) 磁気抵抗効果素子、磁気ヘッド、磁気記憶装置、および磁気メモリ装置
GB2398920A (en) Spin valve magnetoresistive element
JPH10198927A (ja) 磁気抵抗効果膜およびその製造方法
US7957107B2 (en) Current-perpendicular-to-the-plane (CPP) magnetoresistive sensor with antiparallel-free layer structure and low current-induced noise
JPH10188235A (ja) 磁気抵抗効果膜及びその製造方法
JP2924819B2 (ja) 磁気抵抗効果膜及びその製造方法
JP2008091551A (ja) 磁気抵抗効果素子、磁気記憶装置、および磁気メモリ装置
JP2001358381A (ja) 磁気抵抗効果膜、磁気抵抗効果型ヘッド、および情報再生装置
JPH1131312A (ja) 二重スピンバルブセンサ
JP2000150235A (ja) スピンバルブ磁気抵抗センサ及び薄膜磁気ヘッド
JPH10228609A (ja) 磁気抵抗センサ
JP2000340857A (ja) 磁気抵抗効果膜及び磁気抵抗効果素子
JPH1021512A (ja) Fe系非磁性合金膜を下地膜に用いたスピンバルブセンサ