JPH0992904A - 巨大磁気抵抗効果材料膜およびその製造方法とそれを用いた磁気ヘッド - Google Patents

巨大磁気抵抗効果材料膜およびその製造方法とそれを用いた磁気ヘッド

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JPH0992904A
JPH0992904A JP7244981A JP24498195A JPH0992904A JP H0992904 A JPH0992904 A JP H0992904A JP 7244981 A JP7244981 A JP 7244981A JP 24498195 A JP24498195 A JP 24498195A JP H0992904 A JPH0992904 A JP H0992904A
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JP
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layer
magnetic
ferromagnetic
giant magnetoresistive
material film
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JP7244981A
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Inventor
Fumito Koike
文人 小池
Naoya Hasegawa
直也 長谷川
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Publication date
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B82NANOTECHNOLOGY
    • B82YSPECIFIC USES OR APPLICATIONS OF NANOSTRUCTURES; MEASUREMENT OR ANALYSIS OF NANOSTRUCTURES; MANUFACTURE OR TREATMENT OF NANOSTRUCTURES
    • B82Y25/00Nanomagnetism, e.g. magnetoimpedance, anisotropic magnetoresistance, giant magnetoresistance or tunneling magnetoresistance
    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
    • H01F10/00Thin magnetic films, e.g. of one-domain structure
    • H01F10/32Spin-exchange-coupled multilayers, e.g. nanostructured superlattices
    • H01F10/324Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer
    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、FeMnのような耐食性および耐
環境性に問題を有する材料を用いることなく耐食性と耐
熱性に優れ、一方向異方性を利用して巨大磁気抵抗効果
を得る機構の巨大磁気抵抗効果材料膜とその製造方法お
よびそれを用いた磁気ヘッドの提供を目的とする。 【解決手段】 本発明は、少なくとも2層の強磁性層2
2、24が、非磁性層23を介して基板20上に積層さ
れ、前記強磁性層22、24のうち、少なくとも1層の
強磁性層の磁化反転がこの強磁性層と隣接して設けられ
た一方向異方性付与層21によりピン止めされ、他の強
磁性層の磁化が自由にされてなり、低磁界において磁気
抵抗変化を生じるされてなるものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気ヘッド、位置
センサ、回転センサ等に用いられる巨大磁気抵抗効果素
子用の磁気抵抗効果材料膜とその製造方法およびそれを
用いた磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の用途に用いられている磁
気抵抗(MR)効果材料として、Ni-Fe合金薄膜
(パーマロイ薄膜)が知られているが、パーマロイ薄膜
の抵抗変化率は2〜3%が一般的である。従って、今
後、磁気記録における線記録密度およびトラック密度の
向上あるいは磁気センサにおける高分解能化に対応する
ためには、より抵抗変化率(MR比)の大きい磁気抵抗
効果材料が望まれている。
【0003】ところで近年、巨大磁気抵抗効果と呼ばれ
る現象が、Fe/Cr交互積層膜、あるいは、Co/C
u交互積層膜などの多層薄膜で発見されている。これら
の多層薄膜においては、FeやCoなどからなる各強磁
性金属層の磁化がCrやCuなどからなる非磁性金属層
を介して磁気的な相互作用を起こし、積層された上下の
強磁性金属層の磁化が、反平行状態を保つように結合し
ている。即ち、これらの構造においては、外部磁場のな
い時、非磁性金属層を介して交互に積層された強磁性金
属層が、1層毎に磁化の向きを反対方向に向けて積層さ
れている。そして、これらの構造においては、適当な外
部磁界が印加されると、各強磁性金属層の磁化の向きが
同じ方向に揃うように変化する。
【0004】前記の構造において、各強磁性金属層の磁
化が反平行状態の場合と平行状態の場合では、Fe強磁
性金属層とCr非磁性金属層の界面、あるいは、Co強
磁性金属層とCu非磁性金属層の界面における伝導電子
の散乱のされ方が、伝導電子のスピンに依存して異なる
といわれている。従ってこの機構に基づくと、各強磁性
金属層の磁化の向きが反平行状態の時は電気抵抗が高
く、平行状態の時は電気抵抗が低くなり、抵抗変化率と
して従来のパーマロイ薄膜を上回る、いわゆる、巨大磁
気抵抗効果を発生する。このように、これらの多層薄膜
は、従来のNi-Feの単層薄膜とは根本的に異なるM
R発生機構を有している。
【0005】しかしながら、これらの多層膜において
は、各強磁性金属層の磁化の向きを反平行とするように
作用する強磁性金属層間の磁気的相互作用が強すぎるた
めに、各強磁性金属層の磁化の向きを平行に揃えるため
には、非常に大きな外部磁界を作用させなくてはならな
い問題がある。従って、強い磁界をかけないと大きな抵
抗変化が起こらないことになり、磁気ヘッドなどのよう
に磁気記録媒体からの微小な磁界を検出する装置に適用
した場合に満足な高い感度が得られないという問題があ
った。
【0006】この問題を解決するためには、強磁性金属
層間に働く磁気的な相互作用を過度に強くしないよう
に、CrやCuなどからなる非磁性金属層の厚さを調整
し、各強磁性金属層の磁化の向きの相対的な方向を磁気
的相互作用とは別の方法により制御することが有効と思
われる。従来、このような磁化の相対的な方向制御技術
として、FeMnなどの反強磁性層を設けることによ
り、一方の強磁性金属層の磁化の向きを固定し、この強
磁性金属層の磁化の向きが外部磁界に対して動き難いよ
うに構成し、他方の強磁性金属層の磁化の向きを自由に
動けるように構成することにより、微小な磁界による動
作を可能にした技術が提案されている。
【0007】図19は、特開平6ー60336号公報に
開示されているこの種の技術を応用した構造の磁気抵抗
センサの一例を示すものである。図19に示す磁気抵抗
センサAは、非磁性の基板1に、第1の磁性層2と非磁
性スペーサ3と第2の磁性層4と反強磁性層5を積層し
て構成されるものであり、第2の磁性層4の磁化の向き
Bが反強磁性層5による磁気的交換結合により固定され
るとともに、第1の磁性層2の磁化の向きC’が、印加
磁界がない時に第2の磁性層4の磁化の向きBに対して
直角に向けられている。ただし、この第1の磁性層2の
磁化の向きC’は固定されないので外部磁界により回転
できるようになっている。
【0008】図19に示す構造に対して印加磁界hを付
加すると、印加磁界hの方向に応じて第1の磁性層2の
磁化の向きC’が点線矢印の如く回転するので、第1の
磁性層2と第2の磁性層4との間で磁化に角度差が生じ
ることになるために、抵抗変化が起こり、これにより磁
場検出ができるようになっている。
【0009】次に、一方の磁性層の磁化の向きを固定
し、他方の磁性層の磁化の向きを自由とした構成の磁気
抵抗センサの他の例として、図20に示すように、基板
6上にNiOの反強磁性層7と、Ni-Feの磁性層8
と、Cuの非磁性金属層9と、Ni-Feの磁性層10
と、Cuの非磁性金属層11と、Ni-Feの磁性層1
2と、FeMnの反強磁性層13を順次積層した構造の
磁気抵抗センサBが知られている。この例の構造におい
ては、反強磁性層7、13によりそれらに隣接する強磁
性金属層8、12の磁化がそれぞれ固定され、強磁性金
属層8、12の間に非磁性金属層9、11を介して挟ま
れた強磁性金属層10の磁化が外部磁界に応じて回転可
能に構成されている。
【0010】図19あるいは図20に示す構造の磁気抵
抗センサであると、微小な印加磁界の変化に対して磁気
抵抗センサAと磁気抵抗センサBの電気抵抗が直線的に
感度良く変化する。また、第1の磁性層2としてNi-
Feなどの軟磁性材料を用いると、その軟磁気特性を利
用することができ、ヒステリシスが少ないなどの利点を
有する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図19
あるいは図20に示す構造の磁気抵抗センサにおいて反
強磁性層5、13の構成材料として用いられるFeMn
は、耐食性および耐環境性の面から見て不利な問題があ
る。また、反強磁性層7のNiOはFeMnと同様にや
や耐熱性に問題がある。
【0012】次に、図19と図20に示す構造の磁気抵
抗センサの変形的な構造例として、図21に示すよう
に、ガラス基板15上に、Cuの非磁性層16と、C
o、Co-Pt、Co-Cr-Ta等からなる硬質磁性材
料層17と、Cuの非磁性層18と、Ni-Feの軟質
磁性材料膜19を複数回繰り返し積層した構造の磁気抵
抗センサCが知られている。図21に示す構造の磁気抵
抗センサCは、硬質磁性材料膜17と軟質磁性材料膜1
9の保磁力差を利用し、非磁性層18の厚さを所定の厚
さに調整することで、両磁性層17、19の磁化の向き
を平行にあるいは反平行にすることができ、これにより
巨大磁気抵抗効果を得ることができる。そしてこの構造
の磁気抵抗センサCは、積層数を自由に変更できるの
で、積層数を多くすることにより、図19と図20に示
す構造の磁気抵抗センサよりも大きなMR比を得ること
ができる特徴がある。
【0013】ところが、図21に示す構造の磁気抵抗セ
ンサCにあっては、硬質磁性材料膜17の保磁力が大き
い場合はMR比を大きくすることはできるが、一方で漏
れ磁束が多くなり、この影響によって軟質磁性材料膜1
9の保磁力も大きくなり、その結果としてMRセンサと
しての感度(単位磁界あたりの抵抗変化率)が劣化して
しまう問題があった。この問題を解決するために本発明
者らが研究を重ねた結果、硬質磁性材料膜17の高い保
磁力が軟質磁性材料膜に影響するのは、硬質磁性材料膜
19からの漏洩磁界により軟質磁性材料膜19の異方性
分散が大きくなるためであるとの結論に至った。また、
硬質磁性材料膜17と軟質磁性材料膜19との間で静磁
気的な結合が生じ、軟質磁性材料膜19の磁化反転が硬
質磁性材料膜17により抑制されるためであるとの結論
に至った。従ってこの種の磁気抵抗センサCにあって
は、軟質磁性材料膜19に対する硬質磁性材料膜17の
保磁力の影響の調整あるいは角形比の制御が難しい問題
を有している。
【0014】そこで、このような問題を解決することが
できる巨大磁気抵抗効果材料膜として本出願人は先に、
特願平7ー78022号明細書(平成7年4月3日出
願)において、α-Fe23膜を用いた全く新規な巨大
磁気抵抗効果材料膜の特許出願を行っている。この特許
出願の巨大磁気抵抗効果材料膜は、2層以上の強磁性層
を非磁性層を介して基板上に積層し、一方の強磁性層に
隣接させてα-Fe23などの反強磁性体からなる保磁
力増大層を設け、一方の強磁性層の保磁力を保磁力増大
層の交換結合力により増大させてその磁化の向きをピン
止めし、他方の強磁性層の磁化の向きを自由にするとと
もに、対になる2層の強磁性層の間に保磁力差を生じさ
せることで巨大磁気抵抗効果を発現させることができる
構成であった。
【0015】前記特許出願に係る巨大磁気抵抗効果材料
膜で得られるR-Hカーブ(抵抗と保磁力の関係を示す
カーブ)の一例を図22に示す。このカーブを示す試料
では、Hcp=670 Oe、Hbp=50 Oe、ΔMR=
4.0%の値が得られている。ここで、Hcpは保磁力増
大層に隣接して交換結合を受け、磁化の向きがピン止め
された強磁性層の保磁力を示し、Hbpはピン止めされた
強磁性層の一方向性バイアス磁界を示す。
【0016】そして本発明者らは、このような優れた巨
大磁気抵抗効果を示す材料膜について更に研究を進めた
結果、反強磁性体の保磁力増大層が反強磁性を失う温度
(ブロッキング温度)に至らずとも、適切な条件で熱処
理すると、巨大磁気抵抗効果の発現機構が変化し、一方
の強磁性層の保磁力を増大させて磁化をピン止めする機
構ではなく、一方向異方性により一方の強磁性層の磁化
をピン止めすることにより巨大磁気抵抗効果を発揮する
ようになることを知見し、この知見に基づいて本発明に
到達した。
【0017】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
あり、FeMnのような耐食性および耐環境性に問題を
有する材料を用いることなく耐食性と耐熱性に優れ、一
方向異方性を利用して巨大磁気抵抗効果を得る機構の巨
大磁気抵抗効果材料膜とその製造方法およびそれを用い
た磁気ヘッドの提供を目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は前
記課題を解決するために、少なくとも2層の強磁性層
が、非磁性層を介して基板上に生成され、前記強磁性層
のうち、少なくとも1層が強磁性層と隣接して設けられ
た一方向異方性付与層により磁化反転がピン止めされ、
他の強磁性層の磁化が自由にされてなり、低磁界におい
て磁気抵抗変化を生じる構造としたものである。前記の
構造において、一方向異方性付与層を反強磁性体から、
あるいは、酸化物反強磁性体から、更に具体的にはα-
Fe23から構成することができる。
【0019】次に、前記強磁性層が、Ni-Fe合金、
Co、Ni-Fe-Co合金のいずれかからなることが好
ましい。更に、一方向異方性付与層に隣接した強磁性層
が、Coからなり、一方向異方性付与層に隣接しない強
磁性層が、Ni-Fe合金層から、あるいは非磁性層に
隣接したCo層とNi-Fe合金層との2層構造からな
ることが好ましい。
【0020】基板上にα-Fe23からなる一方向異方
性付与層を成膜し、この一方向異方性付与層上に、非磁
性層を挟む少なくとも2層以上の強磁性層であって、少
なくとも1層の強磁性層を一方向異方性層に隣接させた
状態の少なくとも2層以上の強磁性層を成膜するととも
に、成膜後に磁場中アニール処理を施すことで巨大磁気
抵抗効果材料膜を製造することができる。また、基板加
熱を行いつつ磁場中成膜により基板上にα-Fe23
どからなる一方向異方性付与層を成膜し、この一方向異
方性付与層上に、非磁性層を挟む少なくとも2層以上の
強磁性層であって、少なくとも1層の強磁性層を一方向
異方性層に隣接させた状態の少なくとも2層以上の強磁
性層を成膜することによって巨大磁気抵抗効果材料膜を
製造することもできる。
【0021】次に本発明の磁気ヘッドは、磁気ギャップ
を介して対向する下部コア層および上部コア層と、前記
コア層に磁界を与えるコイル層とが形成され、コア層の
外部側で磁気ギャップの近傍に巨大磁気抵抗効果素子が
設けられてなる磁気ヘッドであって、前記巨大磁気抵抗
効果素子が、先に記載のいずれかの構造の巨大磁気抵抗
効果材料膜からなるものである。
【0022】以下に本発明に係る巨大磁気抵抗効果の発
現機構について説明する。非磁性層を介して設けられた
強磁性層の一方が一方向異方性付与層により交換結合を
受けてその磁化が固定されるとともに、他方の強磁性層
の磁化が自由となるので、磁化が自由にされた強磁性層
の磁化の向きが外部磁界により変わることで巨大磁気抵
抗効果が発揮される。また、強磁性層は2層に限らず、
それ以上の多層構造にできるので、巨大磁気抵抗効果を
奏する積層膜が提供される。巨大磁気抵抗を奏する基と
なる交換結合を生じさせる一方向異方性付与層は、反強
磁性体あるいは酸化物反強磁性体から構成することがで
き、より具体的には、α-Fe23から構成することが
できる。
【0023】強磁性層は、Ni-Fe合金、Co、Ni-
Fe-Co合金のいずれかから構成することができ、そ
の中でも、一方向異方性付与層に隣接する強磁性層をC
oから、他の強磁性層をNi-Fe合金あるいはCo層
とNi-Fe合金層の2層構造から構成することでより
良好な磁気抵抗効果が得られる。次に、前記構造の巨大
磁気抵抗効果材料膜を磁気ヘッドに用いたものは、磁気
記録媒体からの微小な磁界に反応して抵抗変化を起こ
し、これにより検出感度良く磁気情報の読出を行い得る
ようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施例について説明する。図1は本発明に係る巨大磁気抵
抗効果材料膜の第1実施例を示すもので、この例の巨大
磁気抵抗効果材料膜Dは、非磁性体の基板20とその上
に順次積層された一方向異方性付与層21と強磁性層2
2と非磁性層23と強磁性層24と保護層25とを主体
として構成されている。
【0025】前記基板20は、ガラス、Si、Al
23、TiC、SiC、Al23とTiCとの燒結体、
フェライトなどに代表される非磁性材料から構成されて
いる。なお、基板20の上面には、基板上面の凹凸やう
ねりを除去する目的であるいはその上に積層される層の
結晶整合性を良好にするなどの目的で被覆層やバッファ
層が適宜設けられていても良い。
【0026】一方向異方性付与層21は、その上に形成
される強磁性層22に磁気的交換結合力を作用させて強
磁性層22の自発磁化の向きをピン止めするものであ
り、この一方向異方性付与層21は、反強磁性体、特に
酸化物反強磁性体から構成されることが好ましく、1つ
の具体例としては、α-Fe23から形成される。
【0027】前記強磁性層22、24は、いずれも強磁
性体の薄膜からなるが、具体的にはNi-Fe合金、N
i-Fe-Co合金、Ni-Co合金、Co等からなる。
これら2層の強磁性層22、24は前述した中で同種の
材料で構成しても良く、また、異種の材料で構成したも
のを用いても良い。
【0028】スピン依存散乱を大きく生じる非磁性層2
3と強磁性層22、24の組み合わせは、CuとCoで
あることが知られており、強磁性層22はCoもしくは
NiFeを用い、非磁性層23側を所定の厚さでCo層
とすることが望ましい。同様に、強磁性層24は軟磁気
特性に優れたNiFeを用いるが、非磁性層23側のC
u層との境界にはCo層を所定の厚さで設けることが抵
抗変化率を大きくするために好ましい。
【0029】前記非磁性層23は、Cu、Cr、Au、
Agなどに代表される非磁性体からなり、15〜40Å
の厚さに形成されている。ここで非磁性膜23の厚さが
15Åより薄いと、強磁性層22と強磁性層24との間
で磁気的結合が起こりやすくなる。また、非磁性材料膜
23が40Åより厚いと磁気抵抗効果を生じる要因であ
る非磁性層23と強磁性層22、24の界面を通過する
伝導電子の効率が低下し、即ち、電流の分流効果により
磁気抵抗効果が低減されてしまうので好ましくない。前
記保護層25は、強磁性層24の酸化防止や保護のため
に設ける層であり、Taなどからなるが、強磁性層24
を耐食性に富む材料で形成する場合は省略することもで
きる。また、この保護層25の上に更に絶縁性のオーバ
ーコート層等を設けることもできる。この場合に設ける
オーバーコート層は、Al23、石英などの絶縁材料か
ら構成することが好ましい。この絶縁材料からなるオー
バーコート層を設け、Taからなる保護層25を設けな
い場合は、Taの保護層25によるシャント効果(電流
の分流損)によりMR値が減少することを防止できる。
【0030】図1または図2に示す構造であるならば、
一方向異方性付与層21の存在により強磁性層22が磁
気的交換結合を受けてその磁化の向きがピン止めささ
れ、他の強磁性層24の磁化の方向が自由にされる結
果、巨大磁気抵抗効果が得られる。即ち、磁化が自由に
された強磁性層24に、磁気記録媒体からの漏れ磁界な
どのような外部磁界が作用すると、強磁性層24の磁化
の向きが容易に反転するので、反転に伴って抵抗変化が
生じ、この抵抗変化を測定することで磁気記録媒体の磁
気情報を読み取ることができる。
【0031】なお、図1と図2に示す構造では一方向異
方性付与層21をα-Fe23から構成したが、一方向
異方性付与層21の構成材料は強磁性層22に磁気的交
換結合力を作用させて磁化をピン止めするようなもので
あれば良いので、他の反強磁性体、酸化物反強磁性体か
ら構成しても良いのは勿論である。なおまた、一方向異
方性付与層21は必ず基板側に設ける必要はなく、保護
層25と強磁性層24の間に設けても良い。その場合
は、強磁性層24がその磁化をピン止めされた層とな
り、強磁性層22が磁化を自由にされた層となる。
【0032】次に、磁化をピン止めする層は1層に限る
ものではなく、図3に示す構造の如く2層の強磁性層を
ピン止めする構造にすることもできる。図3に示す巨大
磁気抵抗効果材料膜Fは、非磁性体の基板20と、その
上に順次積層された一方向異方性付与層21と強磁性層
22と非磁性層23と強磁性層24と非磁性層27と強
磁性層28と一方向異方性付与層29とを主体として構
成されている。
【0033】この例の構造にあっては、一方向異方性付
与層21が強磁性層22の磁化の向きをピン止めし、一
方向異方性付与層29が強磁性層28の磁化の向きをピ
ン止めするので、磁化の向きをピン止めした強磁性層2
2、28の間に非磁性層23と非磁性層27を介して挟
み込まれた強磁性層24の磁化の向きが自由にされ、こ
の強磁性層24の磁化の向きが外部磁界に応じて回転で
きるように構成されている。このような構造にあって
は、強磁性層/非磁性層/強磁性層からなるサンドイッ
チ構造が2重に存在するので、図1に示す構造のものよ
りも大きな抵抗変化率を得ることができる。
【0034】なお、図3に示す構造にあっては、一方向
異方性付与層21、29の両方をα-Fe23で形成し
たが、このうちどちらか一方を他の反強磁性材料から、
例えばFeMn、NiMn、PtMn、NiO、CoO
から構成することもでき、更には、どちらか一方を硬質
磁性材料から、例えば、CoCrTa、CoPtから構
成することもできる。ただし、成膜の種類を少なくした
方が後述する製造時のスパッタ装置構成を単純化できる
ために、通常は同一材料製の一方向異方性付与層とする
ことが好ましい。また、一方向異方性付与層21、29
にセンス電流が流れ込まないようにした方が2組の強磁
性層/非磁性層/強磁性層からなるサンドイッチ構造に
効率良く電流を流すことができ、巨大磁気抵抗効果をよ
り大きくすることができるために、α-Fe23からあ
るいはNiO等の酸化物反強磁性体を用いることが好ま
しい。
【0035】次に、図1に示す構造の巨大磁気抵抗効果
材料膜Dを得るには、ガラスなどの基板を高周波マグネ
トロンスパッタ装置あるいはイオンビームスパッタ装置
のチャンバ内に設置し、チャンバ内をArガスなどの不
活性ガス雰囲気としてから順次必要な層を成膜すること
により作成することができる。成膜に必要なターゲット
はα-Fe23ターゲット、Ni-Fe合金ターゲット、
Cuターゲット等である。なお、図2に示す構造の巨大
磁気抵抗効果材料膜Eを得るには、前記のターゲットに
加えて保護層25を形成するためのターゲットが必要と
される。
【0036】また、成膜の際にArガス圧を3mTorr以
下として成膜することができる。更に、α-Fe23
から一方向異方性膜21、29を形成する場合は、成膜
後に150℃以上で加熱後徐冷する磁場中アニール処理
を行うか、前記成膜の際に基板を加熱しつつ磁場中成膜
処理する必要がある。この加熱磁場中成膜処理、あるい
は、成膜後のアニール処理により、一方向異方性付与層
21、29に一方向異方性付与性を付与することがで
き、これにより強磁性層22、28の磁化のピン止めを
行うことができる。
【0037】一方、α-Fe23層を用いた図1の構造
と同種の積層構造の巨大磁気抵抗効果材料膜として本発
明の出願人は先に、特願平7−78022号において特
許出願を行っている。この特許出願の場合のα-Fe2
3層は、隣接する強磁性層の保磁力を向上させる保磁力
向上層であり、隣接する強磁性層の保磁力を大きくする
ことで他の強磁性層との間に保磁力差を生じさせ、この
強磁性層間の保磁力差により巨大磁気抵抗効果を生じさ
せる構造であった。そして、この構造の場合は、成膜後
にHcp>Hbpの関係となるので保磁力差により巨大磁気
抵抗効果が得られるが、本願発明においては、Hcp<H
bpとなるので、一方向性異方性に起因するピン止め力と
なり、巨大磁気抵抗効果が得られる。
【0038】このように保磁力差ではなく、一方向異方
性に起因する巨大磁気抵抗効果を本発明構造で得ること
ができる場合は、以下に説明する効果を得ることができ
る。図4は、円盤状の磁気記録媒体50に対して浮上し
て走行しながら記録磁界を読み取る磁気ヘッド51に対
して巨大磁気抵抗効果材料膜を適用した場合の構造の一
例を示すものである。磁気記録媒体50に対して走行す
るスライダ52の後部にCuなどの導体材料からなる一
対の電極膜53、53により挟まれた状態で巨大磁気抵
抗効果材料膜54が形成されている。
【0039】この巨大磁気抵抗効果材料膜54として、
前記の保磁力差による積層膜構造を採用すると、2段階
の着磁が必要になり、製造が難しくなる問題がある。即
ち、巨大磁気抵抗効果膜54において、磁気記録媒体5
0からの漏れ磁界を感度良く検出するためには、磁化の
向きが固定される強磁性層の自発磁化の向きを図4の矢
印55に示す如く磁気記録媒体上面に垂直な方向に設定
し、磁化の向きが自由にされる強磁性層の自発磁化の向
きを図4の矢印56で示すように磁気記録媒体表面に平
行になるように設定することが好ましい。また、この種
の巨大磁気抵抗効果膜54を成膜する場合には、バルク
ハウゼンノイズの低減のために磁化の向きを自由にした
強磁性層を単磁区化すること、並びに、両強磁性層での
磁化の向きを直交させてリニアリティを確保するため
に、ハードバイアスと呼ばれる手法を採用し、CoPt
などの硬質磁性層を巨大磁気抵抗効果膜54の一部に成
膜し、この硬質磁性層が発生させるバイアス磁界を巨大
磁気抵抗効果膜54に印加することが行われている。
【0040】従って、前記構造の磁気ヘッド51を得る
ためには、前述のハードバイアス手法のための硬質磁性
層(例えばCoPtの保磁力Hc≒1500 Oe)の
着磁を図4の矢印56の方向に1500 Oeの磁界で
行った後、磁化の向きを固定する強磁性層と、α-Fe2
3(保磁力Hc≒600 Oe)層を図4の矢印55の
方向に600 Oeの磁界で行わなくてはならない。こ
のように1500 Oeの磁界と600 Oeの磁界で2
段階の着磁を行わなくてはならない場合、ハードバイア
スのための硬質磁性層と巨大磁気抵抗効果膜54との保
磁力設計が微妙な関係になり、2段階の着磁は設計上の
不安定要素となる。これに反して本発明構造のような一
方向異方性を利用した巨大磁気抵抗効果膜であれば、ハ
ードバイアスのための硬質磁性層の着磁操作のみで良く
なる効果がある。即ち、硬質(ハード)磁性膜において
は図5(A)に示すようなM-Hループが一般的である
が、+側あるいは−側に大磁界をかけ(着磁)、外部磁
界を0に戻した時、残留磁化Mrあるいは−Mrが残
り、このMrがピン止め力となる。一方、一方向異方性
を受けたNiFe等の強磁性層のM-Hループは、図5
(B)のようなM-Hループとなり、着磁を施さなくと
も外部磁界0の状態で磁化Mが残り、−方向に磁界が印
加されても、一方向バイアス磁界Hbまでは反転を示さ
ない。この状態は、成膜時あるいは磁場中アニール時の
磁化方向で決まり、逆方向であると図5(C)のように
なる。このため、着磁の必要はなく、ハードバイアスの
ための硬質磁性層の着磁のみで良くなる。
【0041】更に、保磁力差を利用した巨大磁気抵抗効
果材料膜と比較し、本発明構造の利点を述べると、磁化
をピン止めする強磁性層の角形比が悪い場合において、
実使用低磁界動作の磁気抵抗効果の減少割合を少なくで
きる利点がある。まず、図6(A)に示すように、ヒス
テリシスループの幅が広い4角形状であり、強磁性層の
角形比(Mr/Ms)が優れている場合は、この種の巨
大磁気抵抗効果材料膜のΔMR特性は、図6(B)に示
すようなR-H曲線(メジャーループ)となり、この場
合の実使用上の低磁界におけるR-H曲線(磁化の向き
が自由にされた強磁性層の反転のみが現れる。マイナー
ループ)は、図6(C)に示すように立ち上がりおよび
立ち下がりのするどい波形となる。ここで、マイナール
ープの抵抗変化率をΔmrとすると、これらのような場
合は、ΔMR≒Δmrの関係となり、実使用低磁界動作
における磁気抵抗効果の減少割合は少ないことになる。
【0042】これに対し、磁化の向きをピン止めする強
磁性層の角形比が悪い場合は、図7(A)に示すように
ヒステリシスループが傾いたS型になるので、この種の
巨大磁気抵抗効果材料膜のΔMR特性は、図7(B)に
示すようなR-H曲線(メジャーループ)となり、この
場合の実使用上の低磁界におけるR-H曲線(マイナー
ループ)は、図7(C)に示すように立ち上がりおよび
立ち下がりのにぶい波形となって、ΔMR>Δmrの関
係となってしまう。即ち、実使用低磁界動作における磁
気抵抗効果の減少割合は大きくなる。
【0043】また、これらに対し、本発明の如く磁化を
ピン止めされる強磁性層が一方向異方性によりバイアス
されている場合のヒステリシスループは、角形比が多少
悪い場合であっても図8(A)に示すように、磁界0の
点から所定の方向にシフトされたものとなり、この種の
巨大磁気抵抗効果材料膜のΔMR特性は、図8(B)に
示すようなメジャーループとなり、この場合の実使用上
のマイナーループは図8(C)に示すように立ち上がり
および立ち下がりのするどい波形となり、このような場
合は、ΔMR≒Δmrの関係となり、実使用低磁界動作
における磁気抵抗効果の減少割合は少ないことになる。
従って本発明構造の場合、強磁性層の角形比が多少悪く
とも、保磁力差を利用する型の巨大磁気抵抗効果材料膜
に比べて実使用上の磁気抵抗効果の減少割合を少なくで
きる効果がある。
【0044】
【実施例】高周波マグネトロンスパッタ装置を用い、水
冷した基板あるいは250℃に加熱したガラス基板(松
波硝子株式会社製#0100)上に、α-Fe23ター
ゲット(φ4”)とNi-20wt%Feターゲット(φ
4”)とCuターゲット(φ4”)を用いて図1に示す
積層構造になるようにスパッタして巨大磁気抵抗効果材
料膜試料を作成した。この際、α-Fe23からなる一
方向異方性付与層21の層厚を50nm、Ni-Fe合
金からなる強磁性層22の層厚を6nm、Cuからなる
非磁性層23の層厚を2nm、Ni-Fe合金からなる
強磁性層24の層厚を9nm、Cuからなる保護層25
の層厚を4nmとした。また、スパッタの際のArガス
圧は、α-Fe23の一方向異方性付与層成膜時のみ0.
5mTorr、Ni-Fe合金の強磁性層22、2 4とCu
の非磁性層23の成膜時に3mTorrに設定した。更に、
基板には、基板面に平行な一方向に100 Oeの磁界
を印加した。
【0045】得られた巨大磁気抵抗効果材料膜試料のR
-Hカーブを室温で測定した結果を図9(A)、(B)
と図10(A)、(B)に示し、各R-Hカーブから求
めたΔMRとHcp(一方向異方性付与層に交換結合を受
ける強磁性層の保磁力)とHbp(一方向異方性付与層に
交換結合を受けない強磁性層の保磁力)の値を測定した
結果を以下の表1にまとめて示す。なお、図9と図10
に示す測定結果のうち、熱処理したものは、各温度に試
料を10分保持した後で印加磁界1kOeで真空中でア
ニールしたものである。
【0046】
【表1】
【0047】表1から、R-H特性は、アニール処理を
行った試料は勿論、行わない試料でも基板加熱による効
果によりHbp>Hcpとなり、一方向異方性型となった。
即ち、先に本発明者らが特許出願した特願平7−780
22号において用いられている構造においては、例えば
図22と表1に示すようにHcp=640 Oe、Hbp
22 Oeとなるので、保磁力差に起因する巨大磁気抵
抗効果発現機構となるのに対し、表1に示す本発明試料
では、例えば、Hcp=80 Oe、Hbp=120 Oeと
なるので、Hbp=120 Oeの強磁性層の一方向異方
性によるピン止め機構となる。また、基板加熱磁場中成
膜はα-Fe23を成膜する場合に行えば良く、Ni-F
eおよびCuの成膜中は特に必要ないが、通常多層膜
は、長い時間をおかずに連続成膜することが望ましいた
めに、基板を冷却する時間をとるよりは膜全体を加熱磁
場中成膜により形成することが好ましいと判断し、連続
加熱処理しながら成膜して作製した。
【0048】図9(A)に示す熱処理前のR-H特性
は、本発明者らが特願平7−78022号において特許
出願を行った保磁力差に起因する巨大磁気抵抗効果材料
膜のものであるが、この膜のΔMRは4.06%、Δm
rは3.31%であった。これに対し、図10(B)に
示す240℃熱処理後の巨大磁気抵抗効果材料膜のΔM
Rは3.67%、Δmrは3.50%であり、保磁力差に
起因する巨大磁気抵抗効果材料膜のものよりも実使用上
のΔmrの減少を少なくすることができた。従って本発
明構造の場合、磁化をピン止めされる強磁性層の角形比
が多少悪くとも、保磁力差を利用する型の巨大磁気抵抗
効果材料膜に比べて実使用上のΔmrの減少を少なくで
きる効果があることが立証された。
【0049】次に、図11は、240℃で熱処理した巨
大磁気抵抗効果材料膜のブロッキング温度を測定した結
果を示すものである。この図の結果は、M-Hカーブを
温度を上げながらVSM(振動試料型磁力計)で測定し
たものである。この結果からこの例の膜のブロッキング
温度は320℃であることが判明し、この例の試料は耐
熱性にも優れていることが判明した。なお、FeMnの
強磁性層を用いた積層膜のブロッキング温度は150
℃、NiOの強磁性層を用いた積層膜のブロッキング温
度は220℃になり、本発明構造が耐熱性に優れている
とみなすことができる。これは、α-Fe23自体のネ
ール温度(677℃)がFeMnやNiOに比べて高い
ことに起因しているものと思われる。
【0050】次に、図3に示す構造の巨大磁気抵抗効果
材料膜試料を作製した。先の例と同等の基板を250℃
に加熱し、先の例で用いたターゲットと同じターゲット
を用いて図3に示す構造、即ち、α-Fe23層(厚さ
50nm)とNi-Fe層(厚さ6nm)とCu層(厚
さ2nm)とNi-Fe層(厚さ9nm)とCu層(厚
さ2nm)とNi-Fe層(厚さ6nm)およびα-Fe
23層(厚さ50nm)からなる7層構造の積層膜を作
製した。この例の構造においては、上下のα-Fe23
層がそれらに隣接するNi-Fe層の磁化をピン止め
し、上下のNi-Fe層の間に設けられた中間のNi-F
e層の磁化が自由にされているので、中間のNi-Fe
層の磁化が外部磁化によって反転する構造になってい
る。従ってNi-Fe/Cu/Ni-Feのサンドイッチ
構造が2重に存在するので、図1に示す構造のものより
も大きな抵抗変化率を得ることができる。この試料のR
-Hカーブを測定した結果、ΔMRは7.3%となり、極
めて優れた値を得ることができた。
【0051】また、図12に示すようにアニール温度と
Δρ/ρの関係を見ると、α-Fe23層を用いた本発
明に係る試料は、250℃までの熱処理によってΔρ/
ρが劣化することがなく、特に磁場中で熱処理した場合
には抵抗変化率を改善することができることが判明して
いる。従って本発明に係る構成の試料は他の構造の試料
よりも高い熱処理を行ってもΔρ/ρの値の減少が少な
いので、耐熱性に優れていると判断できる。
【0052】次に図13〜図16は、本発明に係る巨大
磁気抵抗効果材料膜を備えた薄膜磁気ヘッドの一構造例
を示す。この例の磁気ヘッドHAは、ハードディスク装
置等に搭載される浮上式のもので、この磁気ヘッドHA
のスライダ31は、図13の(イ)で示す側がディスク
面の移動方向の上流側に向くリーディング側で、図13
の(ロ)で示す側がトレーリング側である。このスライ
ダ31のディスクに対向する面では、レール状のABS
面31a、31a、31bと、エアーグループ31cが
形成されている。そして、このスライダ31のトレーリ
ング側の端面31dに薄膜磁気ヘッド30が設けられて
いる。
【0053】この例で示す薄膜磁気ヘッド30は、図1
4〜図16に断面構造を示すような複合型磁気ヘッドで
あり、スライダ31のトレーリング側端面31d上に、
MRヘッド(読出ヘッド)h1と、インダクティブヘッ
ド(書込ヘッド)h2とが順に積層されて構成されてい
る。
【0054】MRヘッドh1は、磁気抵抗効果を利用し
てディスクなどの記録媒体からの漏れ磁束を検出し磁気
信号を読み取るものである。図16に示すようにMRヘ
ッドh1は、スライダ31のトレーリング側端部に形成
されたセンダスト(Fe-Al-Si)等の磁性合金から
なる下部シールド層33上に、アルミナ(Al23)な
どの非磁性材料により形成された下部ギャップ層34が
設けられている。そして、この下部ギャップ層34上
に、巨大磁気抵抗効果材料膜35が積層されている。こ
の巨大磁気抵抗効果材料膜35は、4層構造であり、下
から順に、α-Fe23の一方向異方性付与層36とN
i-Fe合金の強磁性層37とCuの非磁性層38とN
i-Fe合金の強磁性層39とから構成されている。
【0055】前記巨大磁気抵抗効果材料膜35の両側に
は、この膜にバイアス磁界を与えるハードバイアス層4
0と検出電流を与える電極層41が形成されている。更
にその上には、アルミナなどからなる上部ギャップ層4
3が形成され、その上に上部シールド層が形成されてお
り、この上部シールド層は、その上に設けられるインダ
クティブヘッドh2の下部コア層45と兼用にされてい
る。
【0056】インダクティブヘッドh2は、下部コア層
45の上に、ギャップ層44が形成され、その上に平面
的に螺旋状となるようにパターン化されたコイル層46
が形成され、コイル層46は絶縁材料層47に囲まれて
いる。絶縁材料層47の上に形成された上部コア層48
は、その先端部48aをABS面31bにて下部コア層
45に微小間隙をあけて対向し、その基端部48bを下
部コア層45と磁気的に接続させて設けられている。ま
た、上部コア層48の上にはアルミナなどからなる保護
層49が設けられている。
【0057】インダクティブヘッドh2では、コイル層
46に記録電流が与えられ、コイル層46からコア層に
磁界が誘起される。そして、磁気ギャップGの部分での
下部コア層45と上部コア層48の先端部からの漏れ磁
界によりハードディスクなどの記録媒体に磁気信号を記
録することができる。また、MRヘッドh1において
は、ハードディスクなどの記録媒体からの微小の漏れ磁
界の有無により強磁性層39の抵抗が変化するので、こ
の抵抗変化を読み取ることで記録媒体の記録内容を読み
取ることができる。更に、この構成の磁気ヘッドHAに
おいては、先に説明した構造の巨大磁気抵抗効果材料膜
35が設けられているので、従来の磁気ヘッドよりも高
いMR比を得ることができるので、読出性能が優れた特
徴がある。
【0058】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、非磁性層
を介して設けられた強磁性層の一方の磁化を一方向異方
性付与層の交換結合により固定するとともに、他方の強
磁性層の磁化を自由としているので、磁化が自由にされ
た強磁性層の磁化の向きが外部磁界により変わることで
巨大磁気抵抗効果を得ることができる。また、強磁性層
は2層に限らず、それ以上の多層構造にできるので、巨
大磁気抵抗効果を奏する積層膜を提供できる。
【0059】更に、巨大磁気抵抗を奏し得るための交換
結合を生じさせる一方向異方性付与層として、反強磁性
体あるいは酸化物反強磁性体から構成することができ、
より具体的にはα-Fe23から構成することで、優れ
た巨大磁気抵抗効果を得ること ができる。また、一方
向異方性付与層が酸化物反強磁性体から構成された場合
は、耐食性に優れた膜が得られ、α-Fe23からなる
場合は、それに加えて耐熱性にも優れる。
【0060】更にまた、磁化の向きを固定する強磁性層
の磁化の向きと、磁化の向きの回転を自由にした強磁性
層の磁化の向きとを直交させるようにする場合と、バル
クハウゼンノイズの除去とを目的として硬質磁性層を設
けるハードバイアスの手法を採用する場合に、保磁力差
を利用する型の巨大磁気抵抗効果材料膜とは異なり、2
段階の着磁ではなく、一方向異方性付与層に対する1段
階の着磁によって巨大磁気抵抗効果材料膜を利用できる
ので、製造工程を簡略化できる特徴がある。
【0061】また、保磁力差を利用する型の巨大磁気抵
抗効果材料膜の場合は、磁化の向きをピン止めする強磁
性層の角形比が悪い場合に実使用状態の抵抗変化率が劣
化するおそれがあるが、一方向異方性によるピン止め力
を利用した型の巨大磁気抵抗効果材料膜であれば、ピン
止めする強磁性層の角形比が多少悪い場合であっても実
使用状態の抵抗変化率の劣化割合を少なくすることがで
きる。
【0062】次に本発明の巨大磁気抵抗効果材料膜を製
造する場合、基板を加熱しながら成膜するか、または、
成膜後にアニール処理することで基板上にα-Fe23
からなる一方向異方性付与層を形成することができ、こ
の一方向異方性付与層上に、非磁性層を挟んで少なくと
も2層の強磁性層を形成することで優れた磁気抵抗効果
を奏するものを得ることができる。更に、α-Fe23
からなる一方向異方性付与層であれば、高い温度で加熱
しながら成膜するか、高い温度でアニールできるので、
その分耐熱性に優れた巨大磁気抵抗効果材料膜を得るこ
とができることになる。
【0063】次に、前記構造の巨大磁気抵抗効果材料膜
を磁気ヘッドに用いるならば、磁気記録媒体からの微小
な磁界に反応して抵抗変化を起こし、これにより検出感
度良く磁気情報の読出を行い得る磁気ヘッドを提供する
ことができる。また、前記構造の巨大磁気抵抗効果材料
膜を用いることで、耐食性、耐熱性に優れた磁気ヘッド
を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る巨大磁気抵抗効果材料膜の第1の
例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る巨大磁気抵抗効果材料膜の第2の
例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る巨大磁気抵抗効果材料膜の第3の
例を示す断面図である。
【図4】磁気ヘッドに形成された巨大磁気抵抗効果材料
膜と磁気記録媒体の位置関係を示す斜視図である。
【図5】図5(A)は硬質磁性層のM-Hループを示す
図、図5(B)は一方向異方性を受けた強磁性層のM-
Hループを示す図、図5(C)は同強磁性層製造時の磁
化の方向が異なる場合のM-Hループを示す図である。
【図6】図6(A)は角形比が良好な強磁性層のヒステ
リシスループを示す図、図6(B)は同強磁性層の磁気
抵抗変化のメジャーループを示す図、図6(C)は同強
磁性層の磁気抵抗変化のマイナーループを示す図であ
る。
【図7】図7(A)は一方向異方性バイアスを付加した
強磁性層のヒステリシスループを示す図、図7(B)は
同強磁性層の磁気抵抗変化のメジャーループを示す図、
図7(C)は同強磁性層の磁気抵抗変化のマイナールー
プを示す図である。
【図8】図8(A)はハードバイアスを付加した強磁性
層のヒステリシスループを示す図、図8(B)は同強磁
性層の磁気抵抗変化のメジャーループを示す図、図8
(C)は同強磁性層の磁気抵抗変化のマイナーループを
示す図である。
【図9】図9(A)は製造例で得られた試料の熱処理前
のR-Hカーブを示す図、図9(B)は製造例で得られ
た試料の140℃アニール後のR-Hカーブを示す図で
ある。
【図10】図10(A)は製造例で得られた試料の20
0℃アニール後のR-Hカーブを示す図、図10(B)
は製造例で得られた試料の240℃アニール後のR-H
カーブを示す図である。
【図11】実施例で得られた試料のブロッキング温度を
測定した結果を示す図である。
【図12】実施例で得られた試料と比較例試料の耐熱性
を比較して示す図である。
【図13】本発明に係る磁気ヘッドの斜視図である。
【図14】図13に示す磁気ヘッドの要部の断面図であ
る。
【図15】図13に示す磁気ヘッドの一部を断面とした
斜視図である。
【図16】図13に示す磁気ヘッドの要部の拡大断面図
である。
【図17】従来の磁気抵抗効果素子用多層膜の第1の例
を示す分解図である。
【図18】従来の磁気抵抗効果素子用多層膜の第2の例
を示す断面図である。
【図19】従来の磁気抵抗効果素子用多層膜の第3の例
を示す断面図である。
【図20】先に本発明者らが特許出願している保磁力差
を利用した巨大磁気抵抗効果材料膜の抵抗変化率を示す
図である。
【符号の説明】
D、E、35 巨大磁気抵抗効果材料膜 20 基板 21、36 一方向異方性付与層 22、37 強磁性層 23、38 非磁性層 24、39 強磁性層 25 保護層 HA 磁気ヘッド 30 薄膜磁気ヘッド 31 スライダ h1 MRヘッド h2 インダクティブヘッド 33 下部ギャップ層 34 上部ギャップ層 G 磁気ギャップ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも2層の強磁性層が、非磁性層
    を介して基板上に積層され、前記強磁性層のうち、少な
    くとも1層の強磁性層の磁化反転がこの強磁性層と隣接
    して設けられた一方向異方性付与層によりピン止めさ
    れ、他の強磁性層の磁化が自由にされてなり、低磁界に
    おいて磁気抵抗変化を生じる巨大磁気抵抗効果材料膜。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の巨大磁気抵抗効果材料膜
    において、一方向異方性付与層が、反強磁性体であるこ
    とを特徴とする巨大磁気抵抗効果材料膜。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の巨大磁気抵抗効果材料膜
    において、一方向異方性付与層が、酸化物反強磁性体で
    あることを特徴とする巨大磁気抵抗効果材料膜。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の巨大磁気抵抗効果材料膜
    において、一方向異方性付与層が、α-Fe23である
    ことを特徴とする巨大磁気抵抗効果材料膜。
  5. 【請求項5】 強磁性層が、Ni-Fe合金、Co、N
    i-Fe-Co合金のいずれかからなることを特徴とする
    請求項1〜4のいずれかに記載の巨大磁気抵抗効果材料
    膜。
  6. 【請求項6】 基板上にα-Fe23などからなる一方
    向異方性付与層を成膜し、この一方向異方性付与層上
    に、非磁性層を挟む少なくとも2層以上の強磁性層であ
    って、少なくとも1層の強磁性層を一方向異方性層に隣
    接させた状態の少なくとも2層以上の強磁性層を成膜す
    るとともに、成膜後に磁場中アニール処理を施すことを
    特徴とする巨大磁気抵抗効果材料膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 基板加熱を行いつつ磁場中成膜により基
    板上にα-Fe23などからなる一方向異方性付与層を
    成膜し、この一方向異方性付与層上に、非磁性層を挟む
    少なくとも2層以上の強磁性層であって、少なくとも1
    層の強磁性層を一方向異方性層に隣接させた状態の少な
    くとも2層以上の強磁性層を成膜することを特徴とする
    巨大磁気抵抗効果材料膜の製造方法。
  8. 【請求項8】 磁気ギャップを介して対向する下部コア
    層および上部コア層と、前記コア層に磁界を与えるコイ
    ル層とが形成され、コア層の外部側で磁気ギャップの近
    傍に巨大磁気抵抗効果素子が設けられてなる磁気ヘッド
    であって、前記巨大磁気抵抗効果素子が、請求項1〜5
    のいずれかに記載の巨大磁気抵抗効果材料膜からなるこ
    とを特徴とする磁気ヘッド。
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JP (1) JPH0992904A (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6115221A (en) * 1996-12-03 2000-09-05 Nec Corporation Magnetic head slider support mechanism and magnetic disk storage
US6597547B1 (en) 1997-09-29 2003-07-22 Matsushita Electric Industrial Co., Ltd. Magnetoresistive device with an α-Fe2O3 antiferromagnetic film and indirect exchange coupling film layers of differing thickness
US6819533B2 (en) 2000-04-24 2004-11-16 Fujitsu Limited Magnetoresistive head in which an interlayer coupling field applied to a free magnetic layer is reduced
JP4591806B2 (ja) * 2001-05-14 2010-12-01 富士電機デバイステクノロジー株式会社 垂直磁気記録媒体及びその製造方法
JP2012533189A (ja) * 2009-07-13 2012-12-20 シーゲイト テクノロジー エルエルシー 直交磁化配向方向を伴う基準層を有する磁気スタック

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