JP2003006818A - 反平行に結合した2枚の強磁性膜を用いた磁気抵抗再生ヘッド - Google Patents

反平行に結合した2枚の強磁性膜を用いた磁気抵抗再生ヘッド

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JP2003006818A
JP2003006818A JP2001192172A JP2001192172A JP2003006818A JP 2003006818 A JP2003006818 A JP 2003006818A JP 2001192172 A JP2001192172 A JP 2001192172A JP 2001192172 A JP2001192172 A JP 2001192172A JP 2003006818 A JP2003006818 A JP 2003006818A
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Masahiko Hataya
昌彦 幡谷
Hiroko Tsuchiya
裕子 土屋
Hiroyuki Hoshiya
裕之 星屋
Hiroshi Ide
井手  浩
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Hitachi Ltd
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来のハードバイアス構造では0.3マイクロ
メートル以下の狭トラックで再生出力の高い安定なスピ
ンバルブ型磁気ヘッドを提供できなかった。 【解決手段】反強磁性側の強磁性固定層の磁化量を非磁
性中間層側の磁化量に対し過剰に設定することで 高出
力、安定性の良い磁気ヘッドが得られ、狭ギャップでも
出力が高い高記録密度の磁気記録再生装置を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気センサ、磁気
記録再生装置および磁気抵抗効果素子に関し、特に、高
記録密度磁気記録再生装置と、その製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】J.Appl.Phys. 79(199
6)5277には電子の鏡面反射を用いた磁気抵抗素子
に関する記載がある。特開平7−169026には2層
の強磁性固定層を有する薄膜磁気ヘッドに関する記載が
ある。特開平7−236393には磁化容易軸の方向を
考慮した薄膜磁気ヘッドに関する記載がある。特開平1
1−185219には固定層として高抵抗磁性膜を用い
た薄膜磁気ヘッドに関する薄膜磁気ヘッドに関する記載
がある。特開平11−273034には反強磁性交換膜
の着磁方向を考慮した薄膜磁気ヘッドに関する記載があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】 従来の技術では、記
録密度の十分に高い磁気記録装置、特にその再生部に媒
体磁界に対して十分な感度を有する磁気抵抗効果型磁気
ヘッドを実現し、さらに十分に再生波形の対称性の良い
特性を得ることが出来ず、記憶装置として有利な特性を
実現することが困難であった。近年、強磁性金属層を、
非磁性中間層を介して積層した多層膜の磁気抵抗効果、
いわゆる巨大磁気抵抗が知られている。この場合、磁気
抵抗効果は、非磁性中間層で隔てられたそれぞれの強磁
性層の磁化のなす角度によって電気抵抗が変化する。こ
の巨大磁気抵抗効果を磁気抵抗効果素子として用いる場
合に、スピンバルブとよばれる構造が提唱されている。
即ち、反強磁性膜/強磁性層/非磁性中間層/軟磁性自
由層の構造を有し、反強磁性膜/強磁性層界面に発生す
る交換結合磁界によって反強磁性膜と密着した強磁性層
の磁化を実質的に固定し、他方の軟磁性自由層が外部磁
界によって磁化回転することで電気抵抗が変化し、これ
に感知電流を流すことで再生出力を得ることができる。
上記固定の効果を固定バイアス、この効果を生じる膜を
固定バイアス膜と呼ぶことにする。また、上記磁化が実
質的に固定される強磁性層を固定層、もしくは強磁性固
定層と呼ぶことにする。同様に外部磁場によって磁化回
転する軟磁性膜を自由層もしくは軟磁性自由層と呼ぶこ
とにする。固定層は、感知すべき磁界に対して、実質的
に平行に磁化が固定されていることが望ましい。それに
より、上下に対称で最も振幅の大きな再生波形が得られ
る。固定バイアス膜として反強磁性膜の代わりに硬磁性
膜、すなわち比較的大きな磁界が加わらない限り磁化が
変化しない材料で代換することもできる。最近、スペキ
ュラー効果やあるいはSynthetic ferri
magnet構造と呼ばれるような強磁性固定層を多層
構造にする構造も提唱されているが、非磁性中間層に直
接接合する界面の強磁性層の磁化が実質的に固定されて
いる点ではすべて同様である。特に上記Synthet
ic ferrimagnet構造では強磁性固定層を
2層構造とするが、ここでは上記固定バイアス膜に接し
て積層される強磁性固定層を第一の強磁性固定層と呼
び、上記第一の強磁性固定層上に反平行結合層を介して
積層され、上記軟磁性自由層側に隣接する強磁性固定層
を第二の強磁性固定層と呼ぶことにする。上記第一の強
磁性固定層および上記第二の強磁性固定層には上記反平
行結合層から交換結合磁界が印加されており、その方向
は上記反平行結合層を介して反対側の強磁性固定層の磁
化の方向とおよそ180°の方向を向いている。
【0004】磁気抵抗効果型磁気ヘッドには上記軟磁性
自由層の磁化を制御するための磁区制御構造を有する。
上記軟磁性自由層を単磁区状態にし、感知すべき磁界に
対してヒステリシスのない出力を持たせる機能を有す
る。一般的な磁区制御構造であるハードバイアスと呼ば
れる構成は以下の構成を有する。感知領域の幅、すなわ
ちトラック幅に形成した磁気抵抗効果膜の両端部に硬磁
性膜を所定の厚さで配置する。硬磁性膜の磁化は着磁工
程によってトラック幅方向に残留磁化を有するように設
定され、上記残留磁化によって硬磁性膜のトラック幅方
向の端部に磁荷が発生し、トラック幅方向に静磁界が発
生する。上記ハードバイアス構造において硬磁性膜がト
ラック幅方向に発生させる静磁界を縦バイアス磁界と呼
ぶことにする。また、硬磁性膜のかわりに反強磁性膜な
どを用いて残留磁化を発生させた構造でも同様である。
上記軟磁性自由層の端部に発生する磁荷が上記軟磁性自
由層内に作る反磁界を、上記縦バイアス磁界が打ち消
し、静磁エネルギーを下げることで上記軟磁性自由層を
単磁区化するのである。一方、上記縦バイアス磁界は上
記固定層のトラック端部にも印加されており、その強さ
は構造にもよるが、例えば2000エルステッドに及
び、上記固定バイアス膜による交換結合磁界(300〜
1000エルステッド)に比べて無視できない値であ
る。従って上記固定層のトラック端部の磁化の方向は、
上記縦バイアス磁界の印加により感知すべき磁界と略平
行な方向から上記縦バイアス磁界方向へ回転せしめら
れ、この磁化の回転は上記固定層内の強磁性交換相互作
用を通して、固定層のトラック中央部へ向かって伝播
し、結局上記固定層のトラック端部付近の領域の磁化が
最適な方向から回転せしめられる問題が発生していた。
トラック幅が比較的広い磁気抵抗素子では、上記縦バイ
アス磁界の方向へ回転せしめられる上記固定層磁化の領
域が、上記固定層全体に対し僅かであり、上記固定層の
膜面全体で平均すると、上記固定層の磁化は感知すべき
磁界と略平行な方向にほぼ固定されていると見なすこと
ができた。
【0005】しかしながら磁気抵抗効果素子のトラック
幅が狭くなったとき、具体的には0.3乃至は0.2マイ
クロメ−トル以下になった時に、上記固定層の膜面全体
に対して、上記固定層の磁化の回転領域の割合が大きく
なり、もはや上記固定層は感知すべき磁界と略平行な方
向に固定されていると見なせなくなる。さらに、上記固
定層が上記軟磁性自由層に作る静磁界の方向とは反対方
向に静磁界が発生するように感知電流を流すため、この
感知電流によって上記固定層にはその磁化方向とは反対
方向の磁界が印加され、これが上記固定層の磁化の回転
を助長してしまう。さらに、感知電流によるスピンバル
ブ磁気抵抗素子の温度上昇によって上記固定バイアスが
低下せしめられ、上記固定層の磁化の回転を促進させて
しまう。このように上記固定層の磁化が回転すると、上
記軟磁性自由層と上記固定層とのなす角度が変化し、感
知すべき磁界に対する上記軟磁性自由層の磁化回転過程
が非対称となり、再生出力の低下ならびに再生波形対称
性の劣化等が引き起こされるのである。このような再生
出力特性の劣化を防止するには縦バイアス磁界を低減、
すなわち硬磁性膜の残留磁化量を極力低くせしめること
が重要だが、このような磁化量の低減には上記軟磁性自
由層の単磁区化の効果を低下せしめて素子の変動が発生
する恐れが高くなる。従来、このような良好な再生出力
特性と安定性の競合は安定性の得られる最低限の磁化量
を採用することで対応されたわけであるが、トラック幅
が狭小になると安定性の得られるときの再生出力特性が
良好でなくなるという現象が生じるのである。あるい
は、上記のような良好な再生出力特性と安定性の両立を
達成するために、硬磁性膜などの磁荷を磁気抵抗効果積
層膜のトラック幅の端部の正確な位置に最低限の量を配
置する必要がある。しかしながら、従来型の磁区制御構
造とそのプロセス技術では、近年の狭小なトラック幅の
磁気ヘッドに対してこれを実現することができず、狭小
なトラック幅で安定な再生出力と良好な波形対称性を実
現する固定層の磁化の安定した構造を実現できなかっ
た。そこで本発明の目的は高密度記録に対応した長期信
頼性の高い磁気記録装置もしくは磁気センサーを用いた
磁気ヘッドを提供することにあり、より具体的には強磁
性固定層を2層構造にする構造を採用し、上記第一の強
磁性固定層と上記第二の強磁性固定層の磁化量および上
記縦バイアス磁界を適切な設定に調整することにより、
上記第二の強磁性固定層の磁化の方向が前記縦バイアス
磁界等で回転せしめられることを防ぎ、本来の感知すべ
き磁界と略平行な方向へ向かせることで安定で高感度の
スピンバルブ型磁気抵抗効果素子を用いた再生出力の高
いスピンバルブ型磁気ヘッドを提供し、さらにこれを用
いた磁気記録再生装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は固定層が2層か
らなる磁気抵抗素子を用いて、その両固定層の磁化量を
調整することで、上記非磁性中間層に接する上記第二の
強磁性固定層の磁化の方向をコントロールして感知すべ
き磁界と略平行した方向へ固定せしめ、トラック幅が狭
小なる磁気ヘッドにおいても再生信号振幅が大きく、且
つ良好な波形対称性を実現するものである。そのため
に、上記第一の強磁性固定層の磁化量を上記第二の強磁
性固定層の磁化量より過剰にし、それらの磁化量の差を
調整する。すなわち、上記第一の強磁性固定層および第
二の強磁性固定層の飽和磁束密度をそれぞれBs、B
とし、第一の強磁性固定層および第二の強磁性固定
層の膜厚をそれぞれt、tとしたときBs=Bs
且つt>tと設定することで実現できる。またB
>Bs且つt=tとしても良い。またBs
>Bs且つt>tとしても良い。またBs<B
且つt>t且つBs・t>Bs・t、ま
たはBs>Bs且つt<t且つBs・t
Bs・tとしても良い。要するに第一の強磁性層の
磁化量が第二の強磁性層の磁化量よりも大きければ良
い。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の巨大磁気抵抗効果積層膜
を構成する薄膜は高周波マグネトロンスパッタリング装
置により以下のように作製した。アルゴン1から6ミリ
トールの雰囲気中にて、厚さ1ミリのセラミックス基板
に以下の材料を順次積層して作製した。スパッタリング
ターゲットとしてタンタル、ニッケル−20at%鉄合
金、銅、コバルト、MnPt、ルテニウム、アルミナ、
NiMnの各ターゲットを用いた。Coターゲット上に
は、FeおよびNiの1センチ角のチップを適宜配置し
て組成を調整した。積層膜は、各ターゲットを配置した
カソードに各々高周波電力を印加して装置内にプラズマ
を発生させておき、各カソードごとに配置されたシャッ
ターを一つずつ開閉して順次各層を形成した。膜形成時
には永久磁石を用いて基板に平行におよそ80エルステ
ッドの磁界を印加して、一軸異方性をもたせた。 形成
した膜を、真空中、磁場中で270℃、3時間の熱処理
を行ってMnPt反強磁性膜を相変態させ、室温での磁
気抵抗を測定して評価した。また、熱処理後に室温で硬
磁性膜の着磁処理を行った。基体上の素子の形成はフォ
トレジスト工程によってパターニングした。その後、基
体はスライダー加工し、磁気記録装置に搭載した。以下
に本発明の具体的な実施例を、図を追って説明する。図
1は本発明の巨大磁気抵抗効果型磁気ヘッドの構成例で
ある。図1は磁気媒体に対向する対向面から眺めた模式
図になっている。基体50上に下部磁気シールド35、
下部ギャップ膜71を形成し、その上に、巨大磁気抵抗
効果積層膜10が形成されてなり、さらに上部ギャップ
膜72、上部磁気シールド36を形成して、再生信号を
検出する再生ギャップ43を形成してなる。磁区制御膜
40は、巨大磁気抵抗効果積層膜10のトラック幅方向
の両端部に接触して配置し、トラック幅方向に縦バイア
ス磁界を発生させ軟磁性自由層13を単磁区化する。軟
磁性自由層13を安定に単磁区化するためには磁区制御
膜40の残留磁化量を軟磁性自由層13の磁化量の数倍
以上に設定する。磁区制御膜40の上に電極41を巨大
磁気抵抗効果積層膜10のトラック幅方向の両端部に接
触して配置し、感知電流の印可と電気抵抗の変化の検出
を行う。磁区制御膜40および電極41の形成方法およ
びその形状は、ここではいわゆるリフトオフ法によって
作製した構造で記述してあるが他にさまざまな方法が利
用できる。巨大磁気抵抗効果積層膜10は、図1では以
下の構成例のような構造を有する。下地膜14、反強磁
性膜11、強磁性固定層15、非磁性中間層12、軟磁
性自由層13、保護膜37を連続して形成してなる。こ
の構成例では強磁性固定層15は第一の強磁性膜151
と第二の強磁性膜152、および反平行結合膜154の
積層体からなる。反平行結合膜154は第一の強磁性膜
151と第二の強磁性膜152の磁化を互いに反平行に
配列させる交換結合を印加して、強磁性固定層の実質的
な磁化の量を第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜1
52の磁化量の差分に制御する効果がある。本発明では
第一の強磁性膜151の磁化量を第二の強磁性膜152
の磁化量よりも過剰に設定することで第二の強磁性膜1
52の磁化の方向を感知すべき磁界と略平行した方向に
コントロールする。ここで軟磁性自由層13を2層以上
の積層体から形成しても何ら本発明の趣旨に反するもの
ではない。特に、非磁性中間層12に近い側をCo合
金、反対側をNiFe合金から形成すると、軟磁気特性
と高い抵抗変化率を両立できて良い結果が得られる。図
2では、比較のため従来技術の構造の磁気ヘッドについ
て述べる。図2は、強磁性固定層が単層からなるハード
バイアス構造の磁気ヘッドの磁気抵抗素子の概念図であ
る。対向面に平行な断面図で示した。図2は磁気媒体に
対向する対向面から眺めた模式図になっている。基体5
0上に下部磁気シールド35、下部ギャップ膜71を形
成し、その上に、巨大磁気抵抗効果積層膜10が形成さ
れてなり、さらに上部ギャップ膜72、上部磁気シール
ド36を形成して、再生信号を検出する再生ギャップ4
3を形成してなる。ハードバイアス膜40は、巨大磁気
抵抗効果積層膜10のトラック幅方向の両端部に接触し
て配置し、トラック幅方向に縦バイアス磁界を発生させ
軟磁性自由層を単磁区化する。ハードバイアス膜40の
上に電極41を巨大磁気抵抗効果積層膜10のトラック
幅方向の両端部に接触して配置し、感知電流の印可と電
気抵抗の変化の検出を行う。ハードバイアス膜40およ
び電極41の形成方法およびその形状は、ここではいわ
ゆるリフトオフ法によって作製した構造で記述してある
が他にさまざまな方法が利用できる。巨大磁気抵抗効果
積層膜10は、図2では以下の構成例のような構造を有
する。下地膜14、反強磁性膜11、強磁性固定層1
5、非磁性中間層12、軟磁性自由層13、保護膜37
を連続して形成してなる。また、上記第一の強磁性固定
層、上記第二の強磁性固定層および磁区制御膜の適性な
磁化量を評価するため、LLG(ランダウ−リフシッツ
−ギルバート)法による磁化過程シミュレーションを行
って、ヘッドの再生出力と固定層磁化状態について比較
検討した。以下ではLLG(ランダウ−リフシッツ−ギ
ルバート)法による磁化過程シミュレーションの結果を
用いて、以上で説明した本発明の効果を従来構造と比較
して詳細に説明する。図3は固定層が単層からなる従来
のハードバイアス構造の固定層の磁化状態を計算した結
果を示した図である。以下図3から図9および図13で
は磁区制御膜の残留磁化量を軟磁性自由層の飽和磁化量
のおよそ5倍に設定してある。図3からトラック端部付
近の磁化は、主に磁区制御膜からの縦バイアス磁界の印
加によって縦バイアス方向へ回転せしめられていること
がわかる。さらにこの縦バイアス方向へ回転せしめられ
ている磁化の領域の固定層の膜面全体に対する割合は、
トラック幅が狭くなるほど大きくなることがわかる。図
4は固定層が単層からなる従来のハードバイアス構造の
トラック幅と固定層の磁化の膜面内における平均角度の
関係の計算結果を示した図である。図5は固定層が単層
からなる従来のハードバイアス構造の固定層の平均磁化
角度とヘッドの再生出力との関係を計算した結果を示し
た図である。図5ではトラック幅を0.18マイクロメ
ートルに設定してある。図4および図5では固定層の平
均磁化角度を、固定層の磁化の方向と縦バイアス方向と
なす角を素子高さの反平行方向にとって定義する。図4
からトラック幅が狭くなると固定層の平均磁化方向が感
知すべき磁界と略平行した方向(90度)から大きくず
れていくことがわかる。これは、トラック幅がおよそ
0.4μm以下であると、縦バイアス方向へ回転せしめら
れた固定層の磁化の領域がトラック幅に対し無視しえな
いことを示している。図5から固定層の平均磁化方向が
感知すべき磁界と略平行した方向から大きくずれると出
力が顕著に低下することがわかる。これは固定層の磁化
方向が感知すべき磁界と略平行した方向から大きくずれ
ているために、感知すべき磁界が印加されて軟磁性自由
層が回転しても磁気抵抗が飽和する状況が生じるためで
ある。このような固定層磁化の縦バイアス方向への回転
を抑え十分な再生出力を得るには、縦バイアス磁界を弱
めること、すなわち磁区制御膜の残留磁化量を低下せし
める必要がある。しかし、磁区制御膜の残留磁化量を軟
磁性自由層の飽和磁化量の5倍未満に設定すると、軟磁
性自由層の単磁区化が十分に行われず磁気ヘッドの再生
出力が不安定になるという現象が起きる。このように狭
トラック化が進んだ場合、強磁性固定層が単層からなる
従来のハードバイアス構造では十分な再生出力が安定に
得られないのである。
【0008】図6は第二の強磁性固定層の磁化量が第一
の強磁性固定層の磁化量に比べて大きいという従来の磁
気抵抗ヘッドの、第一の強磁性固定層と第二の強磁性固
定層の磁化量の差と第二の強磁性固定層の平均磁化角度
の関係を計算した結果を示す。以下図6から図9および
図13ではトラック幅を0.18マイクロメートルと設
定し、強磁性固定層の磁化量を強磁性固定層の飽和磁束
密度とその膜厚の積で定義する。飽和磁束密度はバルク
材料の測定値を用いるか、あるいは基板上に該強磁性材
料の薄膜を形成してこの膜の飽和磁束密度を測定した値
を用いる。第二の強磁性固定層の磁化量が第一の強磁性
固定層の磁化量に比べて大きくなるにつれ、第二の強磁
性固定層の磁化の方向が、感知すべき磁界に平行な方向
から離れていくことがわかる。図6にある関係は以下の
ように説明される。まず第二の強磁性固定層の磁化量が
第一の強磁性固定層の磁化量よりも過剰なため、磁区制
御膜からの縦バイアス磁界の印加に対し、第一の強磁性
固定層よりも第二の強磁性固定層の方がより大きく縦バ
イアス方向へ回転せしめられる。一方、反平行結合膜か
ら印加される交換結合磁界の縦バイアスと反平行成分は
第二の強磁性固定層よりも第一の強磁性固定層の方が大
きく、この交換結合磁界による縦バイアス磁界の打ち消
しは、第二の強磁性固定層では極めて小さくなる。従っ
て第二の強磁性固定層の方向が縦バイアス方向へ回転せ
しめられるのである。図7は第二の強磁性固定層の磁化
量が第一の強磁性固定層の磁化量に比べて大きいという
従来の磁気抵抗ヘッドの、第一の強磁性固定層と第二の
強磁性固定層の磁化量の差とヘッドの再生出力の関係を
計算した結果を示した図である。図7から第二の強磁性
固定層の磁化量が第一の強磁性固定層の磁化量に比べて
大きくなるにつれ、ヘッドの再生出力が低下することが
わかる。従って、第二の強磁性固定層の磁化量が第一の
強磁性固定層の磁化量に比べて大きい従来の磁気抵抗ヘ
ッドでは、狭小なトラック時に十分な再生出力を得るの
は困難である。
【0009】図8に第一の強磁性固定層の磁化量が第二
の強磁性固定層の磁化量に比べ過剰な本発明の磁気抵抗
ヘッドの、第一の強磁性固定層と第二の強磁性固定層の
磁化量の差と第一の強磁性固定層の平均磁化角度の関係
を計算した結果を示す。図8から第一の強磁性固定層の
磁化量が第二の強磁性固定層の磁化量に比べて大きくな
るにつれ、第一の強磁性固定層が縦バイアス方向へ大き
く回転せしめられることがわかる。図9に第一の強磁性
固定層の磁化量が第二の強磁性固定層の磁化量に比べ過
剰な本発明の磁気抵抗ヘッドの、第一の強磁性固定層と
第二の強磁性固定層の磁化量の差と第二の強磁性固定層
の平均磁化角度の関係を計算した結果を示す。図9から
第一の強磁性固定層の磁化量が第二の強磁性固定層の磁
化量に比べて大きくなるにつれ、第二の強磁性固定層の
磁化方向が感知すべき磁界と略平行した方向に近づき、
磁化量の差がおよそ1.4ナノメートル・テスラの場合に
第二の強磁性固定層の磁化方向が感知すべき磁界と略平
行の方向に向き、磁化量の差がこの値より大きくなると
今度は縦バイアス磁界と反平行の方向へ回転せしめられ
ることがわかる。以下、図10から図12を用いて図8
および図9に示された結果について説明する。図10は
第一の強磁性固定層の磁化量が第二の強磁性固定層の磁
化量に比べ過剰な本発明の磁気抵抗ヘッドの、第一の強
磁性固定層の磁化と第二の強磁性固定層の磁化の状態の
概略を示した図である。図10において、第一の強磁性
固定層の磁化および磁化量をそれぞれM1および(Bs・
t)、第二の強磁性固定層の磁化および磁化量をそれ
ぞれMおよび(Bs・t)と定義し、(Bs・t)およ
び(Bs・t)がトラック幅と為す角度をそれぞれθ1
よびθと定義する。図11は第一の強磁性固定層の磁
化量が第二の強磁性固定層の磁化量に比べ過剰な本発明
の磁気抵抗ヘッドの、第一の強磁性固定層に印加される
磁界の概略を示した図である。図11において、縦バイ
アス磁界をHPM、反強磁性膜からの交換結合磁界をH
AF、第一の強磁性固定層に印加される反平行結合膜か
らの交換結合磁界をHEX1と定義する。図12は第一
の強磁性固定層の磁化量が第二の強磁性固定層の磁化量
に比べ過剰な本発明の磁気抵抗ヘッドの、第二の強磁性
固定層に印加される磁界の概略を示した図である。図1
2に示されるHEX2は第二の強磁性固定層に印加され
る磁界を表している。HPMはトラック端部ではおよそ
2000エルステッド程度であり、一方H は300
〜1000エルステッド程度である。異方性磁界および
電流バイアス磁界はこれらに対して小さく無視すること
ができる。HEX1およびHEX2の方向と大きさは、
それぞれ(Bs・t)および(Bs・t)の方向と大きさ
に依存し、およそ数千エルステッド程度の大きさであ
る。縦バイアス磁界の印加により(Bs・t)および(B
s・t)は縦バイアス方向へ回転せしめられ、本発明で
提案される(Bs・t)>(Bs・t)の場合は図10に
示されたような状況になる。ここで|θ1|<|θ2|の関係
が成り立っている。この場合|HEX2|>|HEX |が
成り立ち、図11および図12に示されるように、H
EX2のトラック幅成分はHEX1のトラック幅成分比
べて大きくなり、その方向は縦バイアスと反平行な方向
を向く。従って、図11および図12に示されるように
第一の強磁性固定層に印加される磁界の総和HAF+H
EX1+HPMは、第二の強磁性固定層に印加される磁
界の総和HEX2+HPMに比べ、より縦バイアス方向
へ向くことになる。更に(Bs・t)が(Bs・t)に比
べて大きくなるにつれ、HEX2がHEX1に比べて大
きくなる。その結果、第一の強磁性固定層の磁化はより
縦バイアス方向へ回転せしめられ、一方、第二の強磁性
固定層の磁化は縦バイアス方向と反平行な方向へ回転せ
しめられるのである。すなわち本発明のように上記第一
の強磁性固定層の磁化量が上記第二の強磁性固定層の磁
化量に比べ過剰の場合には、上記第一の強磁性固定層に
比べて上記第二の強磁性固定層の方が、このような縦バ
イアス磁界の打ち消し効果は大きく、上記第一の強磁性
固定層と上記第二の強磁性固定層の磁化量の差を適切に
調節することにより、強い縦バイアス磁場が印加された
場合においても、上記第二の強磁性固定層の磁化方向を
感知すべき磁界と略平行した方向へ固定せしめることが
出来るのである。この時、上記第一の強磁性固定層の磁
化は依然として縦バイアス方向へ回転せしめられている
が、磁気抵抗効果は上記第二の強磁性固定層および上記
軟磁性自由層の磁化状態に依存しているので特に問題に
ならない。
【0010】図13は、本発明の磁気抵抗ヘッドであっ
て、(Bs・t)>(Bs・t)の場合に、第一の強磁性
固定層と第二の強磁性固定層の間の磁化量の差と再生出
力の関係を計算した結果を示したものである。図9と図
13から第二の強磁性固定層の磁化角度が90°に近づ
くにつれ再生出力は上がり、90°を超えると再生出力
は低下することがわかる。再生出力は図13に示されて
いる最大値のおよそ90%を確保することを考えると、
図8、図9および図13の結果から60°<θ <85
°、80°<θ<100°、θ<θとなるように
強磁性固定層の磁化量を設定するのが望ましい。
【0011】図14は本発明の磁気ヘッドの巨大磁気抵
抗効果積層膜の第一の積層構成例である。本構成は図1
の巨大磁気抵抗効果積層膜10の具体例に相当する。基
体50上に下地膜14としてTa 3nm、NiFe 3
nm、反強磁性膜11としてMnPt 12nm、第一
の強磁性膜151としてCoFe 3nm、反平行結合
膜154としてRu 0.8nm、第二の強磁性膜15
2としてCoFe 2nm、非磁性導電層12としてC
u 2.1nm、第一の自由層軟磁性膜131としてC
oFe 0.5nm、第二の自由層軟磁性膜132とし
てNiFe 4nmおよび保護膜37としてTa 3nm
を連続して形成してなる。この構成例では巨大磁気抵抗
効果積層膜10において強磁性固定層15は反平行結合
膜154、第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜15
2からなる。反平行結合膜154であるRu層は第一の
強磁性膜151と第二の強磁性膜152の磁化を互いに
反平行に配列させる交換結合を印加して、強磁性固定層
の実質的な磁化の量を第一の強磁性膜151と第二の強
磁性膜152の磁化量の差分に制御する効果がある。ま
た第一の強磁性膜151の磁化量を第二の強磁性膜15
2の磁化量よりも過剰に設定する。ここで軟磁性自由層
13は第一の自由層軟磁性膜であるNiFeおよび第二
の自由層軟磁性膜であるCoFeの積層体からなる。図
15は本発明の磁気ヘッドの巨大磁気抵抗効果積層膜1
0の第二の積層構成例である。本構成は図1の構造例の
具体例に相当する。基体50上に下地膜14としてTa
3nm、NiFe 3nm、反強磁性膜11としてMn
Pt 12nm、第一の強磁性膜151としてCoFe
3nm、反平行結合膜154としてRu 0.8nm、極
薄酸化膜155、第二の強磁性膜152としてCoFe
2nm、非磁性導電層12としてCu 2.1nm、第
一の自由層軟磁性膜131としてCoFe 0.5nm、
第二の自由層軟磁性膜132としてNiFe 4nmお
よび保護膜37としてTa 3nmを連続して形成して
なる。この構成例では巨大磁気抵抗効果積層膜10にお
いて強磁性固定層15は反平行結合膜154、極薄酸化
膜155、第一の強磁性膜151と第二の強磁性膜15
2からなる。反平行結合膜154であるRu層は第一の
強磁性膜151と第二の強磁性膜152の磁化を互いに
反平行に配列させる交換結合を印加して、強磁性固定層
の実質的な磁化の量を第一の強磁性膜151と第二の強
磁性膜152の磁化量の差分に制御する効果がある。極
薄酸化膜155は電子を鏡面反射させ、分流による磁気
抵抗膜の磁気抵抗比の低下を防止し、さらに磁気抵抗膜
の磁気抵抗比を高める効果がある。また第一の強磁性膜
151の磁化量を第二の強磁性膜152の磁化量よりも
過剰に設定する。ここで軟磁性自由層13は第一の自由
層軟磁性膜であるNiFeおよび第二の自由層軟磁性膜
であるCoFeの積層体からなる。
【0012】図16は本発明の磁気抵抗効果素子による
磁気センサーを搭載した磁気ヘッドの構成例の概念図で
ある。基体50上に磁気抵抗効果積層膜10、磁区制御
膜40、電極41、下部磁気シールド35、下部磁気コ
ア84、コイル42、上部コア83を形成してなり、対
向面63を形成してなる。本図では下部磁気コアが上部
磁気シールドを兼ねた構造になっているが、個別に上部
磁気シールドと下部コアとを形成した構造としても本発
明の主旨を損なうものではない。下部磁気コア84、コ
イル42、上部磁気コア83は記録ヘッドを構成し、電
磁誘導効果によって発生する磁界を対抗面63の記録ギ
ャップから発生して磁気ディスク上の記録媒体に記録す
る。
【0013】図17は本発明の磁気抵抗効果素子による
磁気センサーを搭載した磁気ヘッドの別の構成例の概念
図である。基体50上に磁気抵抗効果積層膜10、磁区
制御膜40、下部電極86、上部電極85、コイル4
2、上部コア83を形成してなり、対向面63を形成し
てなり、磁気抵抗効果積層膜10の膜厚方向に感知電流
を流す。本図では下部電極および上部電極がそれぞれ下
部磁気シールドおよび上部磁気シールドを兼ねた構造に
なっているが、個別に下部電極と下部磁気シールドなら
びに上部電極と上部磁気シールドとを形成した構造とし
ても本発明の主旨を損なうものではない。
【0014】下部磁気コア84、コイル42、上部磁気
コア83は記録ヘッドを構成し、電磁誘導効果によって
発生する磁界を対抗面63の記録ギャップから発生して
磁気ディスク上の記録媒体に記録する。図18は本発明
の磁気記録再生装置の構成例である。磁気的に情報を記
録する記録媒体91を保持するディスク95をスピンド
ルモーター93にて回転させ、アクチュエーター92に
よってヘッドスライダー90をディスク95のトラック
上に誘導する。即ち磁気ディスク装置においてはヘッド
スライダー90上に形成した再生ヘッド、及び記録ヘッ
ドがこの機構に依ってディスク95上の所定の記録位置
に近接して相対運動し、信号を順次書き込み、及び読み
取るのである。アクチュエーター92はロータリーアク
チュエーターであることが望ましい。記録信号は信号処
理系94を通じて記録ヘッドにて媒体上に記録し、再生
ヘッドの出力を、信号処理系94を経て信号として得
る。さらに再生ヘッドを所望の記録トラック上へ移動せ
しめるに際して、本再生ヘッドからの高感度な出力を用
いてトラック上の位置を検出し、アクチュエーターを制
御して、ヘッドスライダーの位置決めを行うことができ
る。本図ではヘッドスライダー90、ディスク95を各
1個示したが、これらは複数であっても構わない。また
ディスク95は両面に記録媒体91を有して情報を記録
してもよい。情報の記録がディスク両面の場合ヘッドス
ライダー90はディスクの両面に配置する。
【0015】上述したような構成について、本発明の磁
気ヘッドおよびこれを搭載した磁気記録再生装置を試験
した結果、充分な出力と、良好なバイアス特性を示し、
また動作の信頼性も良好であった。
【0016】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば安
定した特性と、出力の高い磁気センサと、これを用いた
磁気ヘッドが得られ、特に高い記録密度において良好な
再生出力を有する磁気ヘッドおよび高密度磁気記録再生
装置を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は本発明の磁気ヘッドの構成例である。
【図2】図2は強磁性固定層が単層からなる従来のハー
ドバイアス構造の磁気ヘッドの構成例である。
【図3】図3は強磁性固定層が単層からなる従来のハー
ドバイアス構造の磁気ヘッドの強磁性固定層の磁化状態
を計算した結果を示した図である。
【図4】図4は強磁性固定層が単層からなる従来のハー
ドバイアス構造の磁気ヘッドのトラック幅と強磁性固定
層の平均磁化角度との関係を計算した結果を示した図で
ある。
【図5】図5は強磁性固定層が単層からなる従来のハー
ドバイアス構造の磁気ヘッドの強磁性固定層の平均磁化
角度とヘッドの再生出力との関係を計算した結果を示し
た図である。
【図6】図6は強磁性固定層が2層からなる従来のハー
ドバイアス構造の磁気ヘッドの第一の強磁性固定層と第
二の強磁性固定層の磁化量の差と第二の強磁性固定層の
平均磁化角度との関係を計算した結果を示した図であ
る。
【図7】図7は強磁性固定層が2層からなる従来のハー
ドバイアス構造の磁気ヘッドの第一の強磁性固定層と第
二の強磁性固定層の磁化量の差とヘッドの再生出力との
関係を計算した結果を示した図である。
【図8】図8は本発明の磁気ヘッドの第一の強磁性固定
層と第二の強磁性固定層の磁化量の差と第一の強磁性固
定層の平均磁化角度との関係を計算した結果を示した図
である。
【図9】図9は本発明の磁気ヘッドの第一の強磁性固定
層と第二の強磁性固定層の磁化量の差と第二の強磁性固
定層の平均磁化角度との関係を計算した結果を示した図
である。
【図10】図10は本発明の磁気ヘッドの第一の強磁性
固定層の磁化と第二の強磁性固定層の磁化の状態の概略
を示した図である。
【図11】図11は本発明の磁気ヘッドの第一の強磁性
固定層に印加される磁界の概略を示した図である。
【図12】図12は本発明の磁気ヘッドの第二の強磁性
固定層に印加される磁界の概略を示した図である。
【図13】図13は本発明の磁気ヘッドの第一の強磁性
固定層と第二の強磁性固定層の磁化量の差とヘッドの再
生出力との関係を計算した結果を示した図である。
【図14】図14は本発明の磁気ヘッドの巨大磁気抵抗
効果積層膜の第一の積層構成例である。
【図15】図15は本発明の磁気ヘッドの巨大磁気抵抗
効果積層膜の第二の積層構成例である。
【図16】図16は本発明の磁気抵抗効果素子による磁
気センサーを搭載した磁気ヘッドの構成例の概念図であ
る。
【図17】図17は本発明の磁気抵抗効果素子による磁
気センサーを搭載した磁気ヘッドの別の構成例の概念図
である。
【図18】図18は本発明の磁気記録再生装置の構成例
である。
【符号の説明】
10...巨大磁気抵抗効果積層膜、11...反強磁
性膜、12...非磁性中間層、13…軟磁性自由層、
131…第一の自由層軟磁性膜、132…第二の自由層
軟磁性膜、14...下地膜、15... 強磁性固定
層、151...第一の強磁性膜、152...第二の
強磁性膜、154...反平行結合層、155...極
薄酸化膜、35...下部磁気シールド、36...上
部磁気シールド、37...保護膜、40...磁区制
御膜、41...電極、42...コイル、43...
再生ギャップ、44...記録トラック、50...基
体、63...対向面、64...漏洩磁界、7
1... 下部ギャップ膜、72...上部ギャップ
膜、83...上部磁気コア、84...下部磁気コ
ア、85...上部電極、84...下部電極、9
0...ヘッドスライダー、91...記録媒体、9
2...アクチュエーター、93...スピンドル、9
4...信号処理系、95...磁気ディスク。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 41/18 H01L 43/08 Z H01L 43/08 G01R 33/06 R (72)発明者 星屋 裕之 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 井手 浩 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 2G017 AA01 AC09 AD55 AD56 AD63 AD65 5D034 BA03 BA04 BA06 BA12 CA04 CA08 5E049 AA01 AA04 AA07 AC00 AC05 CB02 DB12 GC04

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第一の強磁性固定層/反平行結合層/第二
    の強磁性固定層/非磁性中間層/軟磁性自由層のスピン
    バルブ積層構成を有し、上記第一の強磁性固定層が、反
    強磁性膜あるいは硬磁性層膜などのバイアス印加手段と
    積層した交換結合などの手段で感知すべき磁界に対して
    実質的にその磁化方向が固定されており、上記反平行結
    合層が、第一の強磁性固定層の磁化と第二の強磁性固定
    層の磁化を反強磁性的に結合させて実質的に反平行な磁
    化状態を実現させており、 外部の磁界に応じて上記軟磁性自由層の磁化が回転し、
    上記軟磁性自由層の磁化と、上記第二の強磁性固定層の
    磁化との相対角度が変わって巨大磁気抵抗、トンネル磁
    気抵抗などによる磁気抵抗効果を生じ、一対の電極を有
    することを特徴とするスピンバルブ型磁気センサーによ
    る磁気ヘッドで、上記軟磁性自由層の磁化を制御する縦
    バイアス印加手段を、上記スピンバルブ積層構成のトラ
    ック幅方向両端部に配置してなり、上記第一および第二
    の強磁性固定層の磁化の方向と上記縦バイアスの方向と
    なす角度をそれぞれ素子高さ方向およびこれの反平行方
    向にとってθ、θとしたときに、60°<θ<8
    5°、80°<θ<100°、θ<θであること
    を特徴とする磁気ヘッド。
  2. 【請求項2】上記第一の強磁性固定層の磁化量が上記第
    二の強磁性固定層の磁化量よりも大きいことを特徴とす
    る上記特許請求の範囲第一項の磁気ヘッド。
  3. 【請求項3】上記第一の強磁性固定層および上記第二の
    強磁性固定層がほぼ同一の飽和磁化を有する材料からな
    り、上記第一の強磁性固定層の厚さが上記第二の強磁性
    固定層の厚さよりも厚いことを特徴とする上記特許請求
    の範囲第二項の磁気ヘッド。
  4. 【請求項4】上記縦バイアス印加手段が、高保磁力を有
    する硬磁性膜からなり、上記スピンバルブ積層構成のト
    ラック幅方向両端部における上記硬磁性膜の残留磁化の
    量が上記軟磁性自由層の飽和磁化の量の2倍から8倍で
    あることを特徴とする上記特許請求の範囲第一項の磁気
    ヘッド。
  5. 【請求項5】上記スピンバルブ積層構成のトラック幅方
    向の長さが0.3マイクロメ−トル以下であることを特
    徴とする前記特許請求の範囲第一項の磁気ヘッド。
  6. 【請求項6】上記第一の強磁性固定層と上記第二の強磁
    性固定層の膜厚をそれぞれt、tとし、上記第一の
    強磁性固定層と上記第二の強磁性固定層の電気抵抗率を
    それぞれρ、ρとしたときにρ/ t<ρ/ t
    の関係を満足することを特徴とする前記特許請求の範
    囲第二項の磁気ヘッド。
  7. 【請求項7】上記第二の強磁性固定層と上記反平行結合
    層との間に電子を鏡面反射する極薄の酸化層を設けるこ
    とを特徴とする前記特許請求の範囲第一項の磁気ヘッ
    ド。
  8. 【請求項8】第一の強磁性と、第二の強磁性層と、前記
    第一の強磁性層と第二の強磁性層の間に設けられた第一
    の強磁性層の磁化と第二の強磁性層の磁化を反強磁性的
    に結合する反平行結合層と、前記第二の強磁性層に隣接
    して形成された非磁性中間層と、該非磁性中間層に隣接
    して形成された軟磁性層とを有し、前記第一の強磁性層
    の飽和磁束密度Bs1と膜厚Tの積が前記第二の強磁性
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015133377A (ja) * 2014-01-10 2015-07-23 Tdk株式会社 磁気検出素子および回転検出装置

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