JP3242279B2 - 巨大磁気抵抗材料膜および磁気抵抗材料膜の磁化の調整方法 - Google Patents

巨大磁気抵抗材料膜および磁気抵抗材料膜の磁化の調整方法

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JP3242279B2
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    • H01F10/3268Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn
    • H01F10/3281Exchange coupling of magnetic film pairs via a very thin non-magnetic spacer, e.g. by exchange with conduction electrons of the spacer the exchange coupling being asymmetric, e.g. by use of additional pinning, by using antiferromagnetic or ferromagnetic coupling interface, i.e. so-called spin-valve [SV] structure, e.g. NiFe/Cu/NiFe/FeMn only by use of asymmetry of the magnetic film pair itself, i.e. so-called pseudospin valve [PSV] structure, e.g. NiFe/Cu/Co

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、磁気ヘッド、位置セン
サ、回転センサ等に用いられる磁気抵抗効果素子用の巨
大磁気抵抗材料膜および磁気抵抗材料膜の磁化の調整方
法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の用途に用いられている磁
気抵抗(MR)効果材料として、Ni-Fe合金薄膜
(パーマロイ薄膜)が知られているが、パーマロイ薄膜
の抵抗変化率は2〜3%が一般的である。従って、今
後、磁気記録における線記録密度およびトラック密度の
向上あるいは磁気センサにおける高分解能化に対応する
ためには、より抵抗変化率(MR比)の大きい磁気抵抗
効果材料が望まれている。
【0003】ところで近年、巨大磁気抵抗効果と呼ばれ
る現象が、Fe/Cr交互積層膜、あるいは、Co/C
u交互積層膜などの多層薄膜で発見されている。これら
の多層薄膜においては、FeやCoなどからなる各強磁
性金属層の磁化がCrやCuなどからなる非磁性金属層
を介して磁気的な相互作用を起こし、積層された上下の
強磁性金属層の磁化が、外部磁場のないときは反平行状
態を保つように結合している。即ち、これらの構造にお
いては、非磁性金属層を介して交互に積層された強磁性
金属層が、一層毎に磁化の向きを反対方向に向けて積層
されている。そして、これらの構造においては、適当な
外部磁界が印加されると、各強磁性金属層の磁化の向き
が同じ方向に揃うように変化する。
【0004】前記の構造において、各強磁性金属層の磁
化が反平行状態の場合と平行状態の場合では、Fe強磁
性金属層とCr非磁性金属層の界面、あるいは、Co強
磁性金属層とCu非磁性金属層の界面における伝導電子
の散乱のされ方が、伝導電子のスピンに依存して異なる
といわれている。従ってこの機構に基づくと、各強磁性
金属層の磁化の向きが反平行状態の時は電気抵抗が高
く、平行状態の時は電気抵抗が低くなり、抵抗変化率と
して従来のパーマロイ薄膜を上回る、いわゆる、巨大磁
気抵抗効果を発生する。このように、これらの多層薄膜
は、従来のNi-Feの単層薄膜とは根本的に異なるM
R発生機構を有している。
【0005】しかしながら、これらの多層膜において
は、各強磁性金属層の磁化の向きを反平行とするように
作用する強磁性金属層間の磁気的相互作用が強すぎるた
めに、各強磁性金属層の磁化の向きを平行に揃えるため
には、非常に大きな外部磁界を作用させなくてはならな
い問題がある。従って、強い磁界をかけないと大きな抵
抗変化が起こらないことになり、磁気ヘッドなどのよう
に磁気記録媒体からの微小な磁界を検出する装置に適用
した場合に満足な高い感度が得られないという問題があ
った。
【0006】この問題を解決するためには、強磁性金属
層間に働く磁気的な相互作用を過度に強くしないよう
に、CrやCuなどからなる非磁性金属層の厚さを調整
し、各強磁性金属層の磁化の向きの相対的な方向を磁気
的相互作用とは別の方法により制御することが有効と思
われる。従来、このような磁化の相対的な方向制御技術
として、FeMnなどの反強磁性層を設けることによ
り、一方の強磁性金属層の磁化の向きを固定し、この強
磁性金属層の磁化の向きが外部磁界に対して動き難いよ
うに構成し、他方の強磁性金属層の磁化の向きを自由に
動けるように構成することにより、微小な磁界による動
作を可能にした技術が提案されている。
【0007】図15は、特開平6ー60336号公報に
開示されているこの種の技術を応用した構造の磁気抵抗
センサの一例を示すものである。図15に示す磁気抵抗
センサAは、非磁性の基板1に、第1の磁性層2と非磁
性スペーサ3と第2の磁性層4と反強磁性層5を積層し
て構成されるものであり、第2の磁性層4の磁化の向き
Bが反強磁性層5による磁気的交換結合により固定され
るとともに、第1の磁性層2の磁化の向きCが、印加磁
界がない時に第2の磁性層4の磁化の向きBに対して直
角に向けられている。ただし、この第1の磁性層2の磁
化の向きCは固定されないので外部磁界により回転でき
るようになっている。
【0008】図15に示す構造に対して印加磁界hを付
加すると、印加磁界hの方向に応じて第1の磁性層2の
磁化の向きCが点線矢印の如く回転するので、第1の磁
性層2と第2の磁性層4との間で磁化に角度差が生じる
ことになるために、抵抗変化が起こり、これにより磁場
検出ができるようになる。
【0009】次に、一方の磁性層の磁化の向きを固定
し、他方の磁性層の磁化の向きを自由とした構成の磁気
抵抗センサの他の例として、図16に示すように、基板
6上にNiOの反強磁性層7と、Ni-Feの磁性層8
と、Cuの非磁性金属層9と、Ni-Feの磁性層10
と、Cuの非磁性金属層11と、Ni-Feの磁性層1
2と、FeMnの反強磁性層13を順次積層した構造の
磁気抵抗センサBが知られている。この例の構造におい
ては、反強磁性層7、13によりそれらに隣接する強磁
性金属層8、12の磁化がそれぞれ固定され、強磁性金
属層8、12の間に非磁性金属層9、11を介して挟ま
れた強磁性金属層10の磁化が外部磁界に応じて回転可
能に構成されている。
【0010】図15あるいは図16に示す構造の磁気抵
抗センサであると、微小な印加磁界の変化に対して磁気
抵抗センサAと磁気抵抗センサBの電気抵抗が直線的に
感度良く変化する。また、第1の磁性層2としてNi-
Feなどの軟磁性材料を用いると、その軟磁気特性を利
用でき、ヒステリシスが少ないなどの利点を有する。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図15
あるいは図16に示す構造の磁気抵抗センサはFeMn
の反強磁性層5で隣接する第2の磁性層4の磁化を固定
するか、上下のFeMnとNiOの反強磁性層7、13
でそれらの間の強磁性金属層8、12の磁化を固定し、
それらの間の磁性層10の磁化を自由にする構造である
ので、巨大磁気抵抗効果に寄与するNi-Fe(磁性
層)/Cu(非磁性金属層)の界面の数を多くできない
制約があり、MR比の大きさに制約を生じる問題があっ
た。また、反強磁性層5、7の構成材料として用いられ
るFeMnは、耐食性および耐環境性の面から見て不利
な問題がある。
【0012】次に、図15と図16に示す構造の磁気抵
抗センサの変形的な構造例として、図17に示すよう
に、ガラス基板15上に、Cuの非磁性層16とCoの
硬質磁性材料層17とCuの非磁性層18とNi-Fe
の軟質磁性材料膜19を複数回繰り返し積層した構造が
知られている。図17に示す構造の磁気抵抗センサは、
硬質磁性材料膜17と軟質磁性材料膜19の保磁力差を
利用し、非磁性層18の厚さを所定の厚さに調整するこ
とで、両磁性層17、19の磁化の向きを平行にあるい
は反平行にすることができ、これにより巨大磁気抵抗効
果を得ることができる。そしてこの構造の磁気抵抗セン
サは、積層数を自由に変更できるので、図15と図16
に示す構造の磁気抵抗センサよりも大きなMR比を得る
ことができる特徴がある。
【0013】ところが、図17に示す構造の磁気抵抗セ
ンサは、硬質磁性材料膜17の保磁力が大きい場合はM
R比は大きく出るが、一方で漏れ磁束が多くなり、この
影響によって軟質磁性材料膜19の保磁力も大きくな
り、その結果としてMRセンサとしての感度(単位磁界
あたりの抵抗変化率)が劣化してしまう問題があった。
そこでこの問題を解決するために本発明者らが研究を重
ねた結果、硬質磁性材料膜17の高い保磁力が軟質磁性
材料膜に影響するのは、硬質磁性材料膜19からの漏洩
磁界により軟質磁性材料膜19の異方性分散が大きくな
るためであるとの結論に至った。また、硬質磁性材料膜
17と軟質磁性材料膜19との間で静磁気的な結合が生
じ、軟質磁性材料膜19の磁化反転が硬質磁性材料膜1
7により抑制されるためであるとの結論に至った。
【0014】本発明は前記事情に鑑みてなされたもので
あり、図15あるいは図16に示す従来構造ではできな
かった磁性層の多層膜構造を実現できる積層構造にする
ことにより、高いMR比を得ることができると同時に、
図17に示す従来構造では避けられなかった硬質磁性材
料層の漏洩磁界の問題を解消してMRセンサとしての感
度低下を防止した巨大磁気抵抗材料膜および磁気抵抗材
料膜の磁化の調整方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は前
記課題を解決するために、磁性材料膜と非磁性材料膜を
複数積層した巨大磁気抵抗材料膜であって非磁性膜を介
してその両側に設けられる磁性材料膜のうち、一方の磁
性材料膜を硬質磁性材料膜から構成し、他方の磁性材料
膜を軟質磁性材料膜から構成するとともに、前記非磁性
膜と硬質磁性材料膜との間に高飽和磁束密度を有する第
3の強磁性材料膜を設けてなるものである。
【0016】請求項2記載の発明は前記課題を解決する
ために、基板上に、硬質磁性材料膜と第3の強磁性材料
膜と非磁性膜と軟質磁性材料膜とを積層したユニット積
層膜を、複数、非磁性膜あるいは非磁性膜と軟質磁性材
料膜を介して繰り返し積層してなるものである。
【0017】請求項3記載の発明においては、前記発明
における第3の強磁性材料膜としてCo、Co-Fe合
金、Co-Fe-Ni合金、Ni-Fe合金のうちから選
択されるいずれかからなるものを用いることが好まし
く、請求項4記載の発明においては、硬質磁性材料膜の
構成材料として、Co-Pt合金、Co-Cr合金のいず
れかを主成分とし、微量の添加元素を含む合金を用いる
ことが好ましく、請求項5記載の発明においては、軟質
磁性材料膜の構成材料として、Ni-Fe合金、Ni-F
e-Co合金、Co系アモルファス合金のいずれかから
なるものを用いることが好ましい。更に請求項6記載の
発明においては、前記の発明の硬質磁性材料膜の厚さに
対し、第3の強磁性材料膜の厚さを比率で0.5〜2の
範囲とすることが好ましい。
【0018】次に請求項7記載の発明は、請求項1〜6
のいずれかに記載の軟質磁性材料膜と非磁性膜との間
に、第4の強磁性材料膜を介在させたものである。更に
請求項8記載の発明は、請求項1〜7のいずれかに記載
の第3の強磁性材料膜と硬質磁性材料膜との間に、厚さ
30オングストローム以下の非磁性薄膜を介在させたも
のである。
【0019】また、前記第4の強磁性材料膜を有するも
の、あるいは、厚さ30オングストローム以下の非磁性
膜を有するものを、非磁性膜または非磁性膜と第3の強
磁性材料膜を介して繰り返し積層してなる構成とするこ
ともできる。
【0020】次に本発明方法は、磁性材料膜と非磁性膜
を複数積層し、非磁性膜を介してその両側に設けられる
磁性材料膜のうち、一方の磁性材料膜を硬質磁性材料膜
から構成し、他方の磁性材料膜を軟質磁性材料膜から構
成するとともに非磁性膜の厚さを調整して硬質磁性材料
膜と軟質磁性材料膜の磁化の向きを相対的に自由にする
一方、前記非磁性膜と硬質磁性材料膜との間に高飽和磁
束密度の第3の強磁性材料膜を設けて硬質磁性材料膜か
らの漏洩磁界を遮り、積層膜全体の保磁力を低くするも
のである。
【0021】
【作用】本発明においては、硬質磁性材料膜と非磁性膜
との間に第3の強磁性層が設けられているので、硬質磁
性材料膜からの漏洩磁界が低減される。よって第3の強
磁性材料膜と非磁性膜を介して設けられた軟質磁性材料
膜は、漏洩磁界の影響を受け難くなる。よって軟質磁性
材料膜の磁化反転が硬質磁性材料膜により抑制されるこ
とがなくなり、軟質磁性材料膜の磁化反転が容易になさ
れるようになる。
【0022】前記の構造において、より好ましいMR特
性を発揮させるためには、第3の強磁性材料膜として、
Co、Co-Fe合金、Co-Fe-Ni合金、Ni-Fe
合金のうちから選択されるいずれかからなるものを用い
ることが好ましい。また、同様な理由から、硬質磁性材
料膜の構成材料として、Co-Pt合金、Co-Cr合金
のいずれかを主成分とし、微量の添加元素を含む合金を
用いることが好ましい。更に同様な理由から、軟質磁性
材料膜の構成材料として、Ni-Fe合金、Ni-Fe-
Co合金、Co系アモルファス合金のいずれかからなる
ものを用いることが好ましい。
【0023】次に、硬質磁性材料膜に接触させて第3の
強磁性材料膜を設けると、第3の強磁性層も硬質磁性材
料膜からの影響により硬質磁性材料膜としての性質を若
干帯びてくるおそれがあるので、この問題を解決するた
めに、硬質磁性材料膜と第3の強磁性材料膜との間に3
0オングストローム以下の厚さの非磁性薄膜を更に設け
ることで、硬質磁性材料膜の影響を抑える。ここで非磁
性薄膜を厚さ30オングストローム以下とするのは、硬
質磁性材料膜と第3の強磁性材料膜との間に、両者の磁
化を平行に揃えようとする静磁気、あるいは間接交換相
互作用を生じさせるためである。
【0024】以下に本発明について更に詳細に説明す
る。図1は本発明に係る巨大磁気抵抗材料膜の第1の構
造例を示すもので、この例の巨大磁気抵抗効材料膜D
は、非磁性体の基板20上に、硬質磁性材料膜21と第
3の強磁性材料膜22と非磁性膜23と軟質磁性材料膜
24とが順次積層された構造にされている。
【0025】前記基板20は、ガラス、Si、Al
23、TiC、SiC、Al23とTiCとの燒結体、
Znフェライトなどに代表される非磁性材料から構成さ
れる。なお、基板20の上面には、基板上面の凹凸やう
ねりを除去する目的であるいはその上に積層される膜の
結晶整合性を良好にするなどの目的で被覆層やバッファ
層を適宜設けても良い。
【0026】前記硬質磁性材料膜21は、Co-Pt合
金、Co-Cr合金のいずれかを主成分とし、微量の添
加元素を含む合金からなり、数10オングストローム程
度の厚さに形成されている。前記第3の強磁性材料膜2
2は、Co、Co-Fe合金、Co-Fe-Ni合金、N
i-Fe合金のうちから選択されるいずれかからなり、
前記硬質磁性材料膜21の厚さの0.5〜2倍の範囲の
厚さ、具体的には10〜200オングストロームの厚さ
に形成されている。
【0027】前記非磁性膜23は、Cr、Au、Ag、
Cuなどに代表される非磁性体からなり、20〜40オ
ングストロームの厚さに形成されている。ここで非磁性
膜23の厚さが20オングストロームより薄いと、硬質
磁性材料膜21と軟質磁性材料膜24との間で磁気的結
合が起こりやすくなる。また、非磁性材料膜23が40
オングストロームより厚いと磁気抵抗効果を生じる要因
である非磁性材料膜と磁性材料膜の界面を通過する伝導
電子の効率が低下し、即ち、電流の分流効果により磁気
抵抗効果が低減されてしまうので好ましくない。
【0028】前記軟質磁性材料膜24は、Ni-Fe合
金、Ni-Fe-Co合金、Co系アモルファス合金のい
ずれかからなり、数10オングストローム程度の厚さに
形成されている。ここで用いられるCo系アモルファス
合金としてより具体的には、Co-(Zr,Hf)-(N
b,Ta)系などに代表される軟磁気特性に優れたもの
である。
【0029】図1に示す構造の巨大磁気抵抗材料膜Dに
あっては、非磁性膜23を前述の厚さに形成することで
その周囲の各磁性材料膜の磁化が各々独立して挙動でき
るようにされている。従って、軟質磁性材料膜24の磁
化と硬質磁性材料膜21の磁化が外部磁界に応じて各々
独立に挙動し、相互の磁化の向きが平行状態と反平行状
態との間で容易に変化するので、巨大磁気抵抗効果によ
り大きな抵抗変化率(MR比)が得られる。そして更に
前記の構造においては、硬質磁性材料膜21の上に第3
の強磁性材料膜22を設けているので、硬質磁性材料膜
21からの漏洩磁界を遮ることができ、これにより巨大
磁気抵抗材料膜Dの全体における漏洩磁界を少なくする
ことができる。従って、軟質磁性材料膜24の磁化が小
さな外部磁界に応じて硬質磁性材料膜21の磁化とは各
々独立に挙動し、微小磁界でも相互の磁化の向きが平行
状態と反平行状態との間で容易に変化する。
【0030】図2は本発明に係る巨大磁気抵抗材料膜の
第2の構造例を示すもので、この例の巨大磁気抵抗効材
料膜Eは、非磁性体の基板20上に、硬質磁性材料膜2
1と第3の強磁性材料膜22と非磁性膜23と第4の強
磁性材料膜25と軟質磁性材料膜24とが順次積層され
た構造にされている。この例の構造において、非磁性体
の基板20と硬質磁性材料膜21と第3の強磁性材料膜
22と非磁性膜23と軟質磁性材料膜24は、先の例で
用いられいているものと同等のものである。この例で
は、第4の強磁性材料膜25を設けた点に特徴を有する
が、この第4の強磁性材料膜25は、前記第3の強磁性
材料膜22よりも薄く形成されており、この第4の強磁
性材料膜25を設けることで抵抗変化率が先の構造のも
のより良好になる。即ち、軟質磁性材料には保磁力の小
さなNiFe合金を使用し、非磁性材料膜と界面にの
み、抵抗変化率の大きな(ただし、保磁力はやや大き
い)Coを用いることで、軟磁気特性(ソフト性)と大
きな抵抗変化率の両面で優れた特性を得ることができ
る。
【0031】図3は本発明に係る巨大磁気抵抗材料膜の
第3の構造例を示すもので、この例の巨大磁気抵抗効材
料膜Fは、非磁性体の基板20上に、硬質磁性材料膜2
1と第3の強磁性材料膜22と非磁性膜23と軟質磁性
材料膜24とからなる積層ユニットU1が形成され、こ
の積層ユニットU1が、複数、非磁性膜26と第3の強
磁性材料膜22を介して繰り返し積層されてなる構造に
されている。
【0032】図3に示す構造においても先に説明した構
造と同等の巨大磁気抵抗効果を得ることができる。その
上、この図3に示す構造であると、巨大磁気抵抗効果を
示す積層ユニットU1が複数積層されているので、先の
例の構造よりも大きな磁気抵抗効果を得ることができ
る。
【0033】なお、この例の構造において、積層ユニッ
トU1を非磁性膜26と第3の強磁性膜22を介して積
層するのは、上の積層ユニットU1の最下層に位置する
硬質磁性材料膜21が、その下の積層ユニットU1の最
上層の軟質磁性材料膜24に磁気的な悪影響を与えない
ようにするためである。従って積層ユニットU1の境界
部分に設ける非磁性層26の厚さは、20〜40オング
ストローム、第3の強磁性層22の厚さは前記硬質磁性
材料膜21の厚さの0.5〜2倍の範囲とすることが好
ましい。
【0034】図4は本発明に係る巨大磁気抵抗材料膜の
第4の構造例を示すもので、この例の巨大磁気抵抗効材
料膜Gは、非磁性体の基板20上に、硬質磁性材料膜2
1と非磁性膜29と第3の強磁性材料膜22と非磁性膜
23と軟質磁性材料膜24とが順次積層された構造にさ
れている。
【0035】この例の構造において、非磁性体の基板2
0と硬質磁性材料膜21と第3の強磁性材料膜22と非
磁性膜23と軟質磁性材料膜24は、先の例で用いられ
いているものと同等のものである。この例では、非磁性
膜29を設けた点に特徴を有するが、この非磁性膜29
は、先の非磁性層23よりも薄く形成されており、その
厚さを5〜20オングストローム程度とすることが好ま
しい。
【0036】この非磁性膜29を設けることで硬質磁性
材料膜21の影響が第3の強磁性材料膜22のみに与え
られ、より完全に軟質磁性材料膜24への影響をなくす
る効果がある。
【0037】図5は本発明に係る巨大磁気抵抗材料膜の
第5の構造例を示すもので、この例の構造は、図2に示
す構造の積層膜を積層ユニットU2としてこれを第4の
強磁性材料膜25と非磁性膜23と第3の強磁性材料膜
22を介して複数繰り返し積層した構造である。このよ
うに繰り返し積層構造とすることでMR比をより大きく
することができる効果がある。
【0038】図6は本発明に係る巨大磁気抵抗材料膜の
第5の構造例を示すもので、この例の構造は、図4に示
す構造の積層膜を積層ユニットU3としてこれを非磁性
膜23と第3の強磁性材料膜22と非磁性膜29を介し
て複数繰り返し積層した構造である。このように繰り返
し積層構造とすることでMR比をより大きくすることが
できる効果がある。
【0039】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。高周波マグネトロンスパッタ装置を用い
て、シリコンウエハ基板の(100)面上に、あるいは
ガラスからなる基板上に、厚さ50オングストロームの
Co-Pt膜(硬質磁性材料膜)と、厚さ25〜100
オングストロームのNi-Fe合金膜(第3の強磁性材
料膜)と、厚さ25オングストロームのCu膜(非磁性
膜)と、厚さ50オングストロームのNi-Fe合金膜
(軟質磁性材料膜)を順次積層し、図1に示すものと同
等の構造の第1の試料を得た。スパッタ条件は、Co-
Pt膜とNi-Fe合金膜については200W、Cu膜
については30Wであって、いずれも、Arガス圧力を
1mTorrとした。
【0040】また、比較のために、前記第1の試料から
Ni-Fe合金膜を省略した構造の第2の試料を作成し
た。更に、前記第1の試料に用いたNi-Fe合金膜の
代わりに、厚さ50オングストロームのCo膜を積層し
た第3の試料と、前記第1の試料のNi-Fe合金膜と
Cu膜との間に厚さ5オングストロームのCo膜を付加
した第4の試料を作成した。
【0041】次に、前記第1の試料の上に厚さ25オン
グストロームのCu層と厚さ50オングストロームのN
i-Fe合金膜を積層し、その上に更に前記第1の試料
の積層膜と同等の積層膜を前記Cu層とNi-Fe層を
介して2回繰り返し積層した構造の第5の試料と、3回
繰り返し積層した第6の試料を作成した。次に、前記第
1の試料のCo-Pt膜とNi-Fe膜との間に、厚さ1
0オングストロームのTa膜を付加した第7の試料と、
前記第3の試料のCo-Pt膜とCo膜との間に厚さ1
0オングストロームのTa膜を付加した第8の試料を作
成した。以上の試料を成膜後、5kOe以上の磁界によ
り着磁し、その後に各特性を測定して評価した。
【0042】図7に前記第1の試料の磁化曲線(MHカ
ーブ)を図8に同試料のMR曲線を示す。また、図9に
前記第2の試料の磁化曲線を示し、図10に前記第2の
試料のMR曲線を示す。更に、以下の表1に前記第1の
試料〜第8の試料のΔR/RとΔHと(ΔR/R)/Δ
Hの各々の特性の測定値を示す。なおここで、ΔHは、
巨大磁気抵抗材料膜において、図8に示すような磁気抵
抗効果曲線を測定した場合に、一方の曲線がほぼリニア
に立ち上がる部分の磁界の範囲を示す。
【0043】図7および図8に示す特性と、図9および
図10に示す特性の比較から明らかなように、第1の試
料は第2の試料に比べてCo-Pt合金膜(硬質磁性材
料膜)の漏洩磁界を抑えることができているために、図
8に示すΔHの値が図10に示すΔHの値よりも小さく
なっている。また、表1に示す数値を比較すると、第1
の試料のΔHは5 Oeであるのに対し、第2の試料の
ΔHは85 Oeを示し、大きな差異がある。従って第
1の試料における構造は、従来構造よりも遥かに小さな
磁界で磁気抵抗が変化するので、微小磁界を検出するた
めの磁気ヘッド用として好適である。また、図7に示す
ように磁化曲線中に段差が見られることから、第1の試
料は硬質磁性材料膜のCo-Pt合金膜と軟質磁性材料
膜のNi-Fe合金膜でそれぞれ磁化の向きが独立に挙
動していることが明らかになった。
【0044】
【表1】
【0045】更に、表1に示す結果から明らかなよう
に、比較例の試料である第2の試料のΔHが85 Oe
であるのに対し、本発明に係る第1、第3〜第8の試料
のΔHがいずれも低く、優れた値を示している。従って
本発明に係るいずれの構造を用いても従来例の構造より
も低い磁界で抵抗変化を起こすので、微小磁界で動作が
可能な磁気ヘッド、位置センサ、回転センサ等に適用で
きることが明らかである。また、第3の例と第4の例の
如くCo層を設けることで、ΔHの値を大きくすること
なくΔR/Rの値を大きくすることができた。また、第
5の例と第6の例の如く繰り返し積層構造とすることで
ΔHを小さく維持しながらΔR/Rの値を向上できるこ
とが明らかになった。
【0046】次に、前記第1の試料の構造において、第
3の強磁性材料膜として設けるNi-Fe合金膜の厚さ
とΔHの関係を調べた結果を図11に示す。図11に示
す結果から明らかなように、Ni-Fe合金からなる第
3の強磁性材料膜の厚さtが増加するほどΔHは減少す
る傾向を示すが、この厚さtの値が50オングストロー
ムまでは急激にΔHが減少し、それ以上の厚さではΔH
の減少は飽和傾向になる。
【0047】この実験結果から、第3の強磁性材料膜の
厚さを50オングストローム以上とすることが最も好ま
しいことがわかるが、前記表1に示す従来構造のΔHが
85Oeであることと、第3の強磁性材料膜の厚さが1
0〜50オングストロームの範囲におけるΔH量の減少
割合を考慮すると、第3の強磁性材料膜の厚さを、Co
-Ptの硬質磁性材料膜の厚さの0.5以上とすることが
好ましいと判断できる。
【0048】次に、先の場合と同様な条件においてNi
-Fe合金膜の厚さとΔMRの関係を図12に示す。こ
の図から大きなΔMRを得るためには第3の強磁性材料
膜が薄い方が有利であることが明らかである。従って図
11に示す結果も加味し、第3の強磁性材料膜は硬質磁
性材料膜の厚さの0.5〜2倍程度が好ましいことが明
らかになった。
【0049】次に、先の場合と同様な条件においてNi
-Fe合金膜の膜厚とΔMR/ΔHの値の関係を図13
に示す。この図からNi-Fe合金膜の厚さが50オン
グストロームの近傍でΔMR/ΔHの値がピークを示す
ことがわかる。
【0050】次に図14は巨大磁気抵抗材料膜について
図7に示すような磁化曲線(MHカーブ)を得た際に、
第4象限における曲線の段部の左端の変極点部分の磁場
の強さをHCSと定義し、MHカーブと横軸との交点部分
の磁界の強さをHCHと定義した場合に、これらHCS
値、およびHCHの値のNi-Fe合金膜に対する膜厚依
存性を測定した結果を示す。この図からも明らかなよう
に、Ni-Fe合金膜の膜厚が大きくなるにつれて、H
CSの値、およびHCHの値のいずれも減少する傾向が明ら
かである。従って先に説明したように、第3の強磁性材
料膜の厚さを、Co-Ptの硬質磁性材料膜の厚さの0.
5〜2倍の範囲とすることが好ましいと判断できる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、硬
質磁性材料膜と非磁性膜との間に第3の強磁性層を設け
ているので、硬質磁性材料膜の漏洩磁界を低減できる。
よって第3の強磁性材料膜と非磁性膜を介して設けられ
た軟質磁性材料膜は、漏洩磁界の影響を受け難くなるた
めに、軟質磁性材料膜の磁化反転が硬質磁性材料膜によ
り抑制され難くなり、軟質磁性材料膜の磁化反転が容易
になされるようになる。従って第3の強磁性材料膜を設
けていない従来構造よりも小さな磁界で抵抗変化を生じ
るようになる。このため本発明の構造は、微小磁界を検
出するための磁気ヘッド、磁気センサ、回転センサ用と
して有用な特徴がある。
【0052】前記の構造において、より好ましいMR特
性を発揮させるためには、第3の強磁性材料膜として、
Co、Co-Fe合金、Co-Fe-Ni合金、Ni-Fe
合金のうちから選択されるいずれかからなるものを用い
ることが好ましい。また、同様な理由から、硬質磁性材
料膜の構成材料として、Co-Pt合金、Co-Cr合金
のいずれかを主成分とし、微量の添加元素を含む合金を
用いることが好ましい。更に同様な理由から、軟質磁性
材料膜の構成材料として、Ni-Fe合金、Ni-Fe-
Co合金、Co系アモルファス合金のいずれかからなる
ものを用いることが好ましい。
【0053】また、硬質磁性材料膜の厚さに対し、第3
の強磁性材料膜の厚さを0.5〜2倍の厚さにすること
で低い磁界域でも感度良く抵抗が変化する優れた巨大磁
気抵抗材料膜を得ることができる。
【0054】次に、本発明においては、硬質磁性材料膜
に接触させて第3の強磁性材料膜を設けるが、第3の強
磁性層も硬質磁性材料膜からの影響により硬質磁性材料
膜としての性質を帯びてくるおそれがあるので、硬質磁
性材料膜と第3の強磁性材料膜との間に30オングスト
ローム以下の厚さの非磁性薄膜を更に設ける構造とす
る。この構造により、第3の強磁性材料膜への硬質磁性
材料膜の磁気的影響を抑えることができる。ここで非磁
性薄膜を厚さ30オングストローム以下とすることで、
硬質磁性材料膜と第3の強磁性材料膜との間に、両者の
磁化を平行に揃えようとする静磁気あるいは交換結合相
互作用を生じさせることができる。
【0055】次に、本発明において、軟質磁性材料膜と
非磁性膜との間に、第4の強磁性材料膜を介在させる構
造とすることができ、第3の強磁性材料膜と硬質磁性材
料膜との間に、厚さ30オングストローム以下の非磁性
薄膜を介在させた構造にすることもできる。これらの構
造により、抵抗変化率を向上でき、また、硬質磁性材料
層の漏洩磁界の影響をより確実に除去できる。
【0056】次に、前記の軟質磁性材料膜と非磁性膜と
第3の強磁性材料膜と硬質磁性材料膜を積層したものを
積層ユニットとして、あるいは、前記積層ユニットの軟
質磁性材料膜と非磁性膜との間に第4の強磁性材料膜を
設けた構造を積層ユニットとして、さらには、前記積層
ユニットの硬質磁性材料膜と第3の強磁性材料膜との間
に非磁性膜を設けた構造を積層ユニットとして、非磁性
層または非磁性層と第3の強磁性材料膜とを介して繰り
返し積層することで多層構造の巨大磁気抵抗材料膜を得
ることができる。そしてこのような多層構造の巨大磁気
抵抗材料膜は、巨大磁気抵抗を発生させる機構を奏する
部分が複数含まれているので、単層構造のものよりもよ
り大きな抵抗変化を得ることができ、微小磁界を検出す
る磁気ヘッド用、あるいは、微小磁界センサ用として優
れた巨大磁気抵抗材料膜を得ることができる。
【0057】次に、本発明の方法は、非磁性膜を介して
その両側に設けられる磁性材料膜のうち、一方の磁性材
料膜を硬質磁性材料膜から構成し、他方の磁性材料膜を
軟質磁性材料膜から構成するとともに非磁性材料膜の厚
さを調整するので、硬質磁性材料膜の磁化の向きに対す
る軟質磁性材料膜の磁化の向きを相対的に自由にするこ
とができる。また、前記非磁性膜と硬質磁性材料膜との
間に高飽和磁束密度の第3の強磁性材料膜を設けること
で硬質磁性材料膜からの漏洩磁界を遮ることができ、積
層膜全体の保磁力を低くすることができ、低い磁界でも
大きな抵抗変化を生じさせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る巨大磁気抵抗材料膜の第1の構造
例を示す断面図である。
【図2】本発明に係る巨大磁気抵抗材料膜の第2の構造
例を示す断面図である。
【図3】本発明に係る巨大磁気抵抗材料膜の第3の構造
例を示す断面図である。
【図4】本発明に係る巨大磁気抵抗材料膜の第4の構造
例を示す断面図である。
【図5】本発明に係る巨大磁気抵抗材料膜の第5の構造
例を示す断面図である。
【図6】本発明に係る巨大磁気抵抗材料膜の第6の構造
例を示す断面図である。
【図7】実施例で製造された第1の試料の磁化曲線を示
す図である。
【図8】同第1の試料のMR曲線を示す図である。
【図9】比較例として製造された第2の試料の磁化曲線
を示す図である。
【図10】同第2の試料のMR曲線を示す図である。
【図11】第3の強磁性材料膜の膜厚とΔHの関係を示
す図である。
【図12】第3の強磁性材料膜の膜厚とΔMRの関係を
示す図である。
【図13】第3の強磁性材料膜の膜厚とΔMR/ΔHの
関係を示す図である。
【図14】第3の強磁性材料膜の膜厚とHCSとHCHの関
係を示す図である。
【図15】従来の磁気抵抗効果素子用多層膜の第1の例
を示す分解図である。
【図16】従来の磁気抵抗効果素子用多層膜の第2の例
を示す断面図である。
【図17】従来の磁気抵抗効果素子用多層膜の第3の例
を示す断面図である。
【符号の説明】
20 基板 21 硬質磁性材料膜 22 第3の強磁性材料膜 23 非磁性膜 24 軟質磁性材料膜 25 第4の強磁性材料膜 26 非磁性膜 29 非磁性層 U1、U2、U3 積層ユニット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−78756(JP,A) 特開 平7−65329(JP,A) 特開 平6−97532(JP,A) 特開 平4−280483(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G11B 5/39 H01F 10/28 H01L 43/08 H01L 43/10

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性材料膜と非磁性膜を複数積層した巨
    大磁気抵抗材料膜であって非磁性膜を介してその両側に
    設けられる磁性材料膜のうち、一方の磁性材料膜を硬質
    磁性材料膜から構成し、他方の磁性材料膜を軟質磁性材
    料膜から構成するとともに、前記非磁性膜と硬質磁性材
    料膜との間に高飽和磁束密度を有する第3の強磁性材料
    膜を設けてなることを特徴とする巨大磁気抵抗材料膜。
  2. 【請求項2】 基板上に、硬質磁性材料膜と第3の強磁
    性材料膜と非磁性膜と軟質磁性材料膜とが積層されたユ
    ニット積層膜が、複数、非磁性膜あるいは非磁性膜と軟
    質磁性材料膜を介して繰り返し積層されてなることを特
    徴とする巨大磁気抵抗材料膜。
  3. 【請求項3】 前記第3の強磁性材料膜として、Co、
    Co-Fe合金、Co-Fe-Ni合金、Ni-Fe合金の
    うちから選択されるいずれかからなるものを用いたこと
    を特徴とする請求項1または2記載の巨大磁気抵抗材料
    膜。
  4. 【請求項4】 前記の硬質磁性材料膜の構成材料とし
    て、Co-Pt合金、Co-Cr合金のいずれかを主成分
    とし、微量の添加元素を含む合金を用いたことを特徴と
    する請求項1、2または3記載の巨大磁気抵抗材料膜。
  5. 【請求項5】 前記の軟質磁性材料膜の構成材料とし
    て、Ni-Fe合金、Ni-Fe-Co合金、Co系アモ
    ルファス合金のいずれかからなるものを用いたことを特
    徴とする請求項1、2、3または4記載の巨大磁気抵抗
    材料膜。
  6. 【請求項6】 硬質磁性材料膜の厚さに対し、第3の強
    磁性材料膜の厚さを比率で0.5〜2の範囲としたこと
    を特徴とする請求項1、2、3、4または5記載の巨大
    磁気抵抗材料膜。
  7. 【請求項7】 軟質磁性材料膜と非磁性膜との間に、第
    4の強磁性材料膜を介在させたことを特徴とする請求項
    1、2、3、4、5または6記載の巨大磁気抵抗材料
    膜。
  8. 【請求項8】 第3の強磁性材料膜と硬質磁性材料膜と
    の間に、厚さ30オングストローム以下の非磁性薄膜が
    介在されたことを特徴とする請求項1、2、3、4、
    5、6または7記載の巨大磁気抵抗材料膜。
  9. 【請求項9】 請求項7または8に記載の巨大磁気抵抗
    材料膜を、非磁性膜または非磁性膜と第3の強磁性材料
    膜を介して繰り返し積層してなることを特徴とする巨大
    磁気抵抗材料膜。
  10. 【請求項10】 磁性材料膜と非磁性膜を複数積層し、
    非磁性膜を介してその両側に設けられる磁性材料膜のう
    ち、一方の磁性膜を硬質磁性材料膜から構成し、他方の
    磁性膜を軟質磁性材料膜から構成するとともに非磁性膜
    の厚さを調節して硬質磁性材料膜と軟質磁性材料膜の磁
    化の向きを相対的に自由にする一方、前記非磁性膜と硬
    質磁性材料膜との間に高飽和磁束密度の第3の強磁性材
    料膜を設けて硬質磁性材料膜からの漏洩磁界を遮り、積
    層膜全体の保磁力を低くすることを特徴とする磁気抵抗
    材料膜の磁化の調整方法。
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