JP4082274B2 - 磁気センサ及びそれを備える磁気ヘッド - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気センサ、磁気ヘッド及び磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録再生装置の分野においては、年率100%近い記録密度向上が要求されている。この磁気記録再生装置に備えられる磁気記録再生ヘッドにおいても、記録、再生の両特性に関し、高性能化が要求されている。
【0003】
磁気再生ヘッドに関しては、(1)高感度化技術の向上、(2)トラック幅の狭小化技術の向上、(3)再生ギャップ間隔の狭小化技術の向上という3点の技術課題を満足させることが重要である。
【0004】
(1)については、1―10(Gb/in2)の記録密度では、異方性磁気抵抗効果(AMR)、10〜30(Gb/in2)の高記録密度になると、より高感度の得られる巨大磁気抵抗効果(GMR)、20〜70(Gb/in2)記録密度の候補としては、電子の反射率の高い(鏡面反射)絶縁性酸化物層等をGMR構造の界面に挟み、電子のスピンの多重反射効果により出力の増大をねらったスペキュラーGMRや、NOL−GMRと呼ばれるアドバンスGMR効果によって、この高記録密度に対応してきた。
【0005】
GMRを用いた磁気ヘッドについては、特開平4-358310号公報(文献1)で、スピンバルブと呼ばれる構造が開示されている。この磁気ヘッドは、反強磁性層によって磁化が特定の方向に固定された磁性体からなる固定層と、この固定層に積層した非磁性薄膜と、この非磁性薄膜を介して積層した磁性膜からなる自由層で構成されており、固定層と自由層の磁化の相対的な角度で電気抵抗が変化する磁気抵抗効果素子を備えている。
【0006】
さらに、特開2000-137906(文献2)、特開2001-168414(文献3)、および特開2001-230471(文献4)には酸化物層を自由層側か固定層側の少なくとも片方に挿入し、酸化物の鏡面反射を利用して電子の多重反射を生じ、抵抗変化率を向上させるCIP−GMRにおけるMR向上構造が記載されている。また特開2002-190630(文献5)では、自由層と中間層の間あるいは、中間層と固定層の間にハーフメタル層を介在させるCIP−GMR構造も示されている。
【0007】
現在、さらなる高感度化の進展により、より高感度な再生方式が必要とされている。70〜150(Gb/in2)では、MR比が非常に高いトンネル磁気抵抗効果(TMR)が、感度向上の面から有利である。そして、150(Gb/in2)を超える超高記録密度に対しては膜面に垂直な方向に検出電流を流す方式のGMR(CPP-GMR)等が素子インピーダンスが小さい利点を生かし主流になるものと考えられる。TMRは基本技術としては特開平3-154217(文献6)にて公開されているほか、特開平10-91925(文献7)等に公開されている。
【0008】
CIP-GMRの場合は、高線記録密度化に対応するためにシールド間距離を縮めたときの素子とシールド間との絶縁が問題となる。これに対し、CPP-GMRの場合、絶縁特性は重要な問題ではなく、静電圧電流による熱素子破壊や磁界による非線形化の影響も少ないと考えられる。CPP−GMRは多数報告されているが、代表的なものして特表平11-509956(文献7)や、特開平7-221363(文献8)に記述がある。
【0009】
【文献1】
特開平4-358310号公報
【文献2】
特開2000-137906号公報
【文献3】
特開2001-168414号公報
【文献4】
特開2001-230471号公報
【文献5】
特開2002-190630号公報
【文献6】
特開平3-154217
【文献7】
特表平11-509956号公報
【文献8】
特開平7-221363号公報
【文献9】
Electrical detection of spin precession in a metallic mesoscopic spin valve, F. J. Jedemaら、NATURE, VOL 416,pp713-716, 18 April 2002
【文献10】
Physical Review BのVOLUME59、NUMBER1のP93からP97
【文献11】
Physical Review B誌のVOLUME65の054401のP1からP17
【文献12】
APPLIED PHYSICS LETTERS、VOLUME76、NUMBER19(2000)のP2749からP2751に(S.Q.Liuら)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
将来の磁気再生素子の構造を考えた場合、電流を流す方向が膜厚方向であるCPP-GMR(Current-perpendicular to plane GMR)やTMR(トンネル磁気抵抗効果)等の高感度な磁気抵抗センサーが有力である。これら磁気抵抗センサーの基本的構造は、膜面に垂直なセンス電流を流す構造を利用した磁界センサーであることから、CPP方式にセンス電流を流す構造に移行すると考えられる。
【0011】
TMR素子は、絶縁体障壁を挟む一対の磁性体からなる素子で、これの膜厚方向にセンス電流を流す構造である。絶縁障壁層を介した電気伝導のため、抵抗が高く、再生ヘッドや磁界センサーにした場合には、さまざまなノイズが発生し、信号対雑音特性(S/N)が低下する。これの対策として、低抵抗化の研究が盛んである。現在最も一般に用いられているAlを用いた障壁層では、低抵抗化を目指した薄膜化に伴う出力の低下が否めず、低抵抗化が進まない。新しい材料の探索は進んではいるが、素子面積が小さくなると、素子抵抗が素子面積に比例して大きくなるという大きな課題を克服する解は得られていないのが現状である。
【0012】
これに対し、CPP-GMRでは、センサー部分はGMR構造であり、薄膜の膜厚方向の伝導である。CIP−GMRと比べて電流パスが短いため、従来のGMR膜を適用した場合の抵抗は、0.25μm2の面積の素子について0.4〜2.0mΩ程度で、ΔR/Rが高々20%なので、ΔRは0.3〜1.2mΩであるから、磁気再生素子に適用するのに必要な出力値である2Ω以上と比べて小さすぎるという特徴がある。
【0013】
さらに、従来のGMR膜では、CPP方向の抵抗変化率は数%程度である。素子を小さくすれば抵抗Rを高くし、ΔRを大きくできるが、現状0.1μm2程度の素子面積の作成が限界である。素子を小さくする技術としては、原子間力顕微鏡の技術を応用したリソグラフ法や、電子線描画法等が考えられるが、0.1×0.1μm2未満の素子を作製することは困難な技術の一つである。
【0014】
500Gb/in2以上の再生ヘッドを考えると、素子面積は小さくなることが考えられるため、ある程度小さい比抵抗を持った材料からなり、且つGMR出力が大きくなるような材料が求められている。このような材料として、ハーフメタルを磁性層に直接用いることが考えられているが、材料的な発展には時間を要するため時間的要求に応えられないことが危惧される。素子構造的に新しい構造を導入し、これらを解決するような手法が必要とされている。
【0015】
近年、スピンが偏極した電流の相互作用に関する研究やデバイス開発が、盛んになりつつある。
【0016】
例えば,ネーチャー誌(Electrical detection of spin precession in a metallic mesoscopic spin valve, F. J. Jedemaら、NATURE, VOL 416,pp713-716, 18 April 2002)(文献9)に掲載されているように、スピン分極率が偏極したスピン電流が100nm以上の長距離にわたって伝導し、磁気相互作用を生じる現象が実際に確認されている。
【0017】
彼らは、太さの異なるCo細線と、これと直交するAl細線を作成し,Co細線とAl細線の交叉した場所にアルミナの障壁層を設けた構造を作製した。このとき、太いCo線からAl線へ電流を流し、膜に磁界を印加したところ電流の流れていない他方のCo線とAl線との間に磁界依存する電位差が生じるというもので,細線の間隔が500nmを超えるにもかかわらず、磁気相互作用が確認されたというものである。
【0018】
これは、スピンアキュミュレーションといわれるスピン偏極電子がAl細線の界面部分に蓄積された効果で、蓄積されたスピン偏極電子が細線中の広い領域に分布することによって生じることが、例えばPhysical Review BのVOLUME59、NUMBER1のP93からP97にかけて(G.E.W.Bauerら)(文献10)や、Physical Review B誌のVOLUME65の054401のP1からP17にかけて(C.Heide)(文献11)に代表されるような形で理論的に理解されている。
【0019】
総じて、この素子では,外部磁場に対して保磁力の異なる2つの磁性体があれば,一方の磁性体の導電体に対する電位の変化が出力として生じる特徴があり、この電位は2つの磁性体の磁化が平行なときと反平行なときとで、それぞれ極性が異なるという特徴がある。上記の構造では,磁性体は単純なCoであり、これをAlで繋いだ構造である。この構造でも、室温で磁界変化に伴う出力が得られている。しかしながら、この構造では出力のΔV/Vはたかだか1%程度で小さい。
【0020】
そこで、本発明は、このような従来の技術に鑑みて提案されたものであり、磁気抵抗変化率が極めて高く、高分解能化に有効で出力の大きい磁気センサー、磁気ヘッドを提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上述の目的を達成するために、本発明に係る磁界センサ及び磁気ヘッドは、第1の磁性膜と、第1の中間層を介して該第1の磁性膜と交叉する導電体と、該第1の磁性膜から該導電体へと電流を流すよう接続された電流回路構造と、第2の中間層を介して該導電体上に交叉するように形成され、外部磁界の変化により電圧変化信号を発生する第2の磁性膜と、抵抗変化増幅膜と、該抵抗変化増幅膜に接続された電極とを備えることを主な特徴とする。上記抵抗変化増幅膜は、電圧によって抵抗が非線形に変化する材料を含有するものであり、電圧変化信号を電気抵抗変化に変換し且つ電気抵抗変化の信号強度を増幅するものである。
【0022】
高い出力の再生センサとするためには、(1)材料構成的な観点からの電位変化増大および、(2)素子構造でこれらの電位変化を増幅させることが有力と考えられる。
【0023】
(1)については、(A)磁性体の材料にスピン分極率の高い材料を適用すること。(B)導電体の材料について、AlやCuをはじめさらにこれよりもスピン電子の平均自由行程の長い材料あるいは、d電子伝導体としての機能を持つ材料を用いることが重要である。
【0024】
(2)については、例えば上述の構造から得られる電位変化ΔVを何らかの方法で大きな物理量の変化に変換するような構造が重要である。本発明者等は、このような方式として、材料に電場あるいは電圧を印加することで非線型に電気抵抗が変化する材料を用いて上記素子の出力を大きな抵抗変化信号に変換する機構が有効であることを見出した。
【0025】
先の、スピン電子を利用した磁界センサによる出力信号は、電圧の極性が磁性体の磁化の向きによって反転するバイポーラ的な出力であることから、この出力を上述したような電圧を抵抗変化に変化させる素子に入力することによって、大きな抵抗変化を信号として得ることが可能となる。
【0026】
このような手段により,従来よりも出力の大きな新規構造の磁気センサおよび磁気再生ヘッドを提供することが可能となる。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用するのに好ましい磁気ヘッドについて、詳細に説明する。
【0028】
本発明を適用した磁気ヘッドは、図1に示されるような線状の導電体101と、第一の磁性体102とが、この導電体上に形成した第一の中間層103において接しており、かつ、この導電体101の他の場所で第二の磁性体104が中間層105を介して導電体101と接している構造を持ち,さらに、該第二の磁性体104が、抵抗変化増幅膜106と接しており、該抵抗変化増幅膜106の両端には電極107が配置されている構造を備えるものである。
【0029】
該第一の磁性体102と導電体101には、電流を流す電流源が接続されており、109の方向から110の方向へと電流を流すようになっている。また、導電体の112方向へ伸びた端部は電気的に接地されている。
【0030】
また、常温において、電圧によって抵抗が非線形に変化する機能を持つ膜(以下、抵抗変化増幅膜と呼ぶ)106は、107の電極を介して出力信号を検知するための電流を例えば108の方向に流すような機構をもつ。
【0031】
107の電極は、回路的にはニ端子接続に記載されているが,4端子法を用いた測定,2端子法的な測定のどちらの回路構成も装置構成は可能である。また、抵抗変化増幅膜106膜の他主面側に電気的に接地される膜を直接、あるいは高抵抗膜を介して接触させることで最終的な出力を高めることが可能である。
【0032】
この導電体101はCu、Au、Ag、Pt、Al、Pd、Ru、Ir、Rhからなる非磁性導電性金属か、または、GaAs、Si、TiN、TiO、ReO3を主成分とする伝導性の化合物からなる。
【0033】
また、第一、第二の磁性膜102、104を構成する材料は、Co,Ni,Fe、Mnあるいは、これらの元素を少なくとも一種類を主成分として含有している合金あるいは化合物からなる材料によってなる。さらに、ハーフメタルFeに代表されるAB2なる構造を持つ酸化物で、AはFe,Co、Znの少なくとも一つ、BはFe,Co,Ni,Mn、Zn の一つからなるような酸化物、CrO、CrAs、CrSb、あるいはZnOに遷移金属であるFe,Co,Ni,Cr,Mnを少なくとも一成分以上添加した化合物、GaNにMnを添加した化合物、あるいはCo2MnGe、Co2MnSb,Co2Cr0.6Fe0.4Alなどに代表されるC21- F型のホイスラー合金で,CはCo、Cu,あるいはNiのすくなくとも一種類からなり、DとEはそれぞれMn、Fe,Crの1種であり、かつFはAl、Sb,Ge,Si,Ga,Snの少なくとも一成分を含有する材料を、これら磁性層が含有している場合も本発明に該当する。
【0034】
また、第一および第二の中間層103、105は、Al、AlN,SiO,HfO、Zr、Cr、MgO、TiO、SrTiOの少なくとも一種類を含む材料からなる単膜あるいは積層膜であることを特徴とする。
【0035】
ここで、本発明の構造の挙動と、効果発現のメカニズムについて説明する。本発明は、スピン電流の蓄積効果を利用した磁気抵抗素子と抵抗変化増幅膜によって構成される。
【0036】
スピン電流の蓄積効果を利用した磁気抵抗素子は、記録媒体から発せられる磁界変化信号に伴って電圧変化信号を出力する。
【0037】
抵抗変化増幅膜は、その抵抗が電圧及び電界によって非常に大きく変わる材料からなる。そして、この抵抗変化増幅膜は、磁気抵抗効果素子の電圧変化信号が印加されると、その電圧変化信号を抵抗変化に変換して出力するというメカニズムを有する。
【0038】
このような材料の一つとしてペロブスカイト構造を持つ酸化物の一部の材料が注目されている。従来,この材料系においてはCMRや超伝導の性質を示す材料が一般に良く知られているが、同一の材料で組成比率が異なる材料に付いては全く異なる特性が知られている。
【0039】
例えば,APPLIED PHYSICS LETTERS、VOLUME76、NUMBER19(2000)のP2749からP2751に(S.Q.Liuら)(文献12)記載されているように、Pr0.7Ca0.3MnOなる材料では、極性のことなるパルス電界を印加する事で室温での抵抗が1700%以上変化することが報告されている。
【0040】
また、特性の変化が生じにくい点、塗布などの比較的容易な作製技術で作製可能なことから産業上重要な機能であると考えられる。このような材料として、YBaCuO系の材料や、LaCaMnO,LaBaMnO系の材料も知られている。この現象は、材料中のフェルミ準位に電界誘起したキャリア電子がドープされ伝導性を高めることが重要な働きを担っていると考えられる。
【0041】
本発明では,このような非線型な抵抗変化を生じるような膜を抵抗変化増幅膜と呼ぶことにする。
【0042】
前者のスピン電流の蓄積効果を利用した磁気抵抗素子は図2に示すような基本的構成である。2本の線幅の異なるCo細線201、202が平行に位置し、これと交叉するCu細線203が、夫々のCo細線と204、205のエリアで接合しているもので、両者の接合は、例えば膜厚1.2nmのAl薄膜によって構成されている。
【0043】
この一方のCo細線201からCu細線203へと電流を流し、この素子全体に磁界Hを印加する。このとき、Co細線は太さの違いのために保磁力が異なり、図3の3-1に示すように、磁性体1(201)、磁性体2(202)はそれぞれ異なる磁化曲線の形状となる。
【0044】
205の接合部分でCo細線202とCu細線203との間に発生する電位差ΔVを測定すると、図3の3-2に示すように電位差Vは、保磁力差によって生じた磁化の反平行状態のときに極性を反転させる。この変化は、201と202のCo細線間の距離が500nm程度に離れていても,室温で確認することができる。この変化率の大きさΔV/Vは、室温で約1%程度である。
【0045】
従来の技術では、金属中を流れる電流のもつスピン情報はたかだか100nmでほぼゼロに減衰するというものである。
【0046】
しかしながら、本発明では、スピン情報が500nmを超える離れたところで磁気抵抗的な相互作用を生じている。これは、磁性体と非磁性体との界面を通じて電流を流すときに、界面付近を境にスピン偏極電流が滞留を生じて非磁性体内の広い範囲にわたって蓄積するスピンアキュミュレーションのためである。したがって,上記201と202のCo細線にはそれぞれ通常のスピンバルブ膜の固定層と自由層のような磁気的動作をさせることで、磁界センサーを構成することが可能である。
【0047】
即ち、2つの磁性体のうちの片側の磁性体の磁化を特定の方向に固定し、外部磁界によってもう一方の磁性体の磁化が反転し、両者の磁化方向が平行な場合と反平行な場合とが実現するような構成にすることで、磁化が固定された側の磁性膜はスピンバルブ構造における固定層として,また、もう一方の磁性膜は自由層としての働きをすることになる。
【0048】
実際、上記構造において磁化固定された側の磁性膜は、反強磁性体の一方向異方性による交換結合を用いて磁化を固定したり、膜厚や材質を自由層側磁性体よりも保磁力が大きくなるように調整することで実現することが可能である。
【0049】
図4に示すように、反強磁性材料は第一の磁性体401の上に4-1に示すように全面を覆うように配されるか、あるいは、4-2に示すように、接合面(例えば図2の204)だけを覆うように配された構造をとる。また、第一の磁性体401と反強磁性体膜402との間に1−5nm程度のNiFe系あるいはCo系の軟磁性金属膜403が挟まれる構造については特に有効であるが、ない場合でも有効である。この反強磁性膜402を構成する膜は、PtMn、CrMnPt、MnIr、NiO、PdPtMnなどは、数nmから数10nmの各組成に定められた臨界膜厚以上で、かつ、適正な条件下での磁界中熱処理によって一方向異方性が十分大きく発現し、接合部分の第一の磁性膜401の磁化を固定するのには有効である。
【0050】
また、磁性体にハーフメタルのようなスピン偏極率の高い材料を適用することで、スピン偏極電流の分極率を高め,磁気相互作用を更に強めることが可能である。ここで、ハーフメタルとは、その材料のフェルミ面における電子構造が、上下スピンのどちらか一方のスピンだけでほぼ100%構成されるような物質のことである。また、分極率Pとはこのスピンの偏りのことで、フェルミ面における上向きスピン電子数をn↑、下向きスピン電子数をn↓として下記数1で定義される。
【0051】
【数1】
Figure 0004082274
ハーフメタルに電子を流すと、ハーフメタルのフェルミ面における電子スピンの向きと同じスピン成分の電子は保存しハーフメタル中を伝導するが、逆向きのスピンをもつ電子は反発力が働くため伝導できないという特徴がある。
【0052】
図1あるいは図2に示す磁界センサー構造中の磁性層の少なくとも一方にハーフメタルからなる層201を入れた場合、ハーフメタル層201を透過する電子はスピン分極率が非常に高い状態となる。理想的なハーフメタルの場合、フェルミ面における電子状態はほぼ100%スピン分極しているので、これを透過する電流は100%近いスピン分極率となる。実際知られているハーフメタルの室温における分極率は、50%〜90%である。これは、逆向きのスピン成分をもつ電流に対して、ハーフメタルの抵抗がほぼ無限大のため、逆向きスピンの電子が散乱され、片側スピンのみが散乱長が長いまま伝導することに起因している。
【0053】
このような高いスピン分極電流が前述の磁性層から効果的に導電体に注入されれば導電体中に蓄積されるスピン電子の分極率は上昇し、磁気相互作用が強まるため、自由層側に発生する磁場依存の電位変化ΔVの大きさは非常に大きくなる。
【0054】
ハーフメタル膜は金属膜と比べて電気抵抗が高いことが多く、通常の素子で高記録密度化へ向けた適用を考えた場合、低抵抗化が困難になる場合が多い。しかし、本発明はセンサーとして出力を得る構造は、磁気抵抗構造とは異なる部分にあるため、ハーフメタルの適用設計が容易に行えるという材料選択的な優位点も考えられる。
【0055】
このようなハーフメタル磁性体材料は大別すると(A)磁性半導体、又は(B)一部の酸化物磁性体である。(A)磁性半導体は、CrAs、CrSbのように閃亜鉛型の結晶構造をもつ化合物や、同様の結晶構造を持つIII―V族化合物半導体にMnなどの磁性体をドープした希薄磁性半導体(InMnAs、GaMnAs)などで、MBEによる単結晶エピタキシャル成長により作製される。
【0056】
一般に、これら磁性半導体はハーフメタル的な特性を示す温度は100K〜4K以下の低温度域である。例外的に、CrSb(〜350K)やCrAs(Tc>1000K)のように高温でも特性を示すとされているものがある。CrAsは閃亜鉛型結晶構造をもつが、第一原理による計算では前述のようにTcが非常に高く、また、実験的にも膜厚1nm程度の膜について室温で強磁性でかつハーフメタリックな特性が確認されている。また、ZnOやGaNに遷移金属をドープした磁性半導体、その他の閃亜鉛型結晶構造をもつ磁性半導体については、室温で強磁性的挙動を示すものがあり、ハーフメタルとされる。
【0057】
一方、(B)の酸化物磁性体としてはFe3O4が特によく知られている。これ以外にもCrO2がハーフメタル材料の候補である。Fe3O4はハーフメタル特性が室温でも得られる点と、磁性体としても磁化が大きくかつ軟磁気特性を得られるので重要である。ただし、一般には単層膜を得るためには500℃をこえる高温処理あるいは基板温度上の製膜が必要なためにこれまで実用化にはいたっていなかった。
【0058】
このように酸化物ハーフメタル材料には、作製温度の問題が大きな課題となり、これまで一般に素子化あるいは実際の磁気ヘッドを作製するには至っていなかった。さらにFe3O4の場合、近い組成に安定相であるが磁化が低く、ハーフメタルではないFe2O3という相があり、混層化しやすいのと、FeとFe3O4とも混相になりやすい傾向にある。CrO2もCr2O3という絶縁体と混相化しやすいため、酸素雰囲気中の高温作製など特別な作成法が必要である。
【0059】
この問題に関して、Fe3O4の下地材料を選択することで、成長エネルギーを調整し、単層化することが可能である。このような材料として一部の貴金属であるPt、Rh, Cuや、化合物のTiNなどが有効である。RFスパッタリング法で基板上にこれらの膜を形成し、この上にFe3O4を形成する方法で作製可能である。
【0060】
この方法では、基板温度300℃で製膜した場合は、X線回折パターンの測定から単層のFe3O4であること、かつ、室温での飽和磁化がVSMを用いた測定から0.55〜0.6テスラと、バルクのFe3O4(飽和磁化:0.5〜0.6テスラ@室温)と同じ値となることが確認された。さらに、Fe3O4の特徴である120K付近での飽和磁化の温度依存性異常(フェルベ−点)も単膜の電気抵抗測定によって確認できている。これは、基板温度250℃以上ではほぼ同様である。したがって、この方法でFe3O4単層膜の形成ができていると考える。また、数nmの薄膜化も可能である。
【0061】
したがって、前記ハーフメタルは、前記ハーフメタルは、Feに代表されるAB2なる構造を持つ酸化物で、AはFe,Co、Znの少なくとも一つ、BはFe,Co,Ni,Mn、Zn の一つからなるような酸化物、CrO、CrAs、CrSb、あるいはZnOに遷移金属であるFe,Co,Ni,Cr,Mnを少なくとも一成分以上添加した化合物、GaNにMnを添加した化合物、あるいはCo2MnGe、Co2MnSb,Co2Cr0.6Fe0.4Alなどに代表されるC21- F型のホイスラー合金で,CはCo、Cu,あるいはNiのすくなくとも一種類からなり、DとEはそれぞれMn、Fe,Crの1種であり、かつFはAl、Sb,Ge,Si,Ga,Snの少なくとも一成分を含有することからなるホイスラー合金、の少なくとも1種である。
【0062】
図1の中間層103、105には、TMRで使用されている絶縁障壁層用の材料であるAl、AlN,SiO,HfO、Zr、Cr、MgO、TiO、SrTiOを用いた単層膜か、あるいはこれらの材料を少なくとも一種類含む膜によって構成された単層あるいは積層膜が適用されていることを特徴とする。これは、トンネル効果による電子伝達がスピン情報の損失が低い点と,電圧変化出力を得やすいためである。
【0063】
導電体101は、電極であり低抵抗でかつ、非磁性であることが必要であるという点からCu、Au、Ag、Pt、Al、Pd、Ru、Ir、Rhからなる非磁性導電性金属やGaAs、Siなどの導電性化合物が有効である。さらに、磁性電子であるd電子をフェルミ面にもつTiN、TiO、ReOを主成分とするd電子伝導性の化合物では、d電子からs電子へエネルギー遷移することにともなうスピン情報の散逸が防がれるため、特に有効と考えられる。
【0064】
次に、抵抗変化増幅膜106の働きと構造について説明する。図5は抵抗変化増幅膜の基本的な動作を示す素子図である。図は、基体503上に適当な下地層502を介して抵抗変化増幅膜を構成する材料からなる膜501が配置され、これに504、505、506の電極が備えられた構造である。電極504から膜中を通り電極506へ向けて一定電流507が流れるようになっており、同様に電極504と電極506には電圧変化を測定できるように配線されている。電極505に電圧が印加する機構508を設ける。
【0065】
このとき電極505に印加される電圧VGの極性によって電極504と電極506の間の電気抵抗RSDが、図6に示されるように変化する。例えば501を構成する材料がPr0.7Ca0.3MnOなる組成の場合、RSDの最小値に対する抵抗変化率は1700%を超える。このような性質を持つ材料は、YBaCuO系の材料や、LaCaMnO,LaBaMnO系のようにRBMnO(R:希土類元素、B:アルカリ元素)なる組成をもつペロブスカイト結晶構造の材料である。これらの材料は超伝導特性をもつ材料や強磁性体としてCMR(Corossal MR)特性の大きい材料として知られているが,組成によって特性が多様に変化することで知られており、本発明に用いた組成はこれらの材料とは組成の異なるものである。
【0066】
組成自体は、材料によって多様であるが、本発明に用いる組成の材料は、磁性的には常磁性の材料である。上述した抵抗変化は室温で十分大きい値であり,また、電圧パルスの印加実験でも繰り返しパルス印加による抵抗値の劣化等の変化が生じにくいことが確認されている。また、作製に関しては塗布などの比較的容易な作製技術で作製可能なものである。この現象は、材料中のフェルミ準位に電界誘起したキャリア電子がドープされ伝導性を高めることが重要な働きを担っており、素子状にした膜に電圧あるいは電界を印加する事で所望の抵抗変化をするものと考えられる。
【0067】
つまり、この膜の電極505に、上述のスピン電流の蓄積効果を利用した磁気抵抗素子による電圧変化信号を発する磁極を接触させ、回路的に抵抗増幅膜106に電界がかかるようにすれば、磁界変化によって大きく抵抗変化するようなセンサーおよび再生磁気ヘッドを作成することが可能である。
【0068】
自由層104の磁区制御に関しては図7に示すように一般のGMR再生ヘッドで適用されているハードバイアス方式を適用することを考えた場合、ハードバイアスに用いられる永久磁石702を該素子膜104のトラック幅方向の両端部に絶縁膜701、を介して配することで、永久磁石702からの漏洩磁束を用いて素子中の自由層104の端部に発生する微細な磁区を減少させ、一方向に整列した磁区構造を形成することが可能である。
【0069】
さらに、新しい磁区制御の方式として、図8に示すように自由層104あるいは、自由層103とこれと接する中間層106との他主面側に非磁性膜801を介して永久磁石802をつける。また、802の膜の構造として、このほかに、反強磁性膜と接した軟磁性膜からなる多層膜を形成することで、該永久磁石あるいは軟磁性膜802の端部から発生する漏洩磁束を用いて自由層104の磁区をそろえる方式(CFS(Closed Flux Structure)方式)が有効である。
【0070】
素子サイズが1μm×1μmを下回る範囲では、前記ハードバイアスの絶縁膜の絶縁性および磁区制御磁界の精度が著しく低下することが予想される。ギャップ間隔が50nmを下回る領域では、薄膜化が課題となるもののこの方式が将来方式として有望であり、本発明の膜構造に対しても十分有効である。
【0071】
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
【0072】
[実施例1]
SiO2基板やガラス基板などの通常用いられる基板(酸化マグネシウム基板、GaAs基板、AlTiC基板、SiC基板、Al2O3基板等を含む)上にRFスパッタリング法やDCスパッタリング法、分子線エピタキシー法(MBE)等の膜形成装置を用いて成膜した。例えばRFスパッタリング法の場合、3インチターゲットを用いた装置では、Ar雰囲気中で、約1〜0.05Paの圧力、50W〜150Wのパワーで所定の膜を膜成長させた。素子形成する基体は、上記基板を直接用いるか、または、これら基板上に絶縁膜や、適当な下地金属膜などを形成したものを用いたものである。
【0073】
素子形成する基体上に、高真空中でCu膜を膜厚50nm形成後、この上にAl膜を膜厚1nm形成した後に、酸素雰囲気中で自然酸化した。Al膜の酸化には、自然酸化ではなく、プラズマ酸化やオゾン酸化等の酸化プロセスを用いても同様である。酸化処理後、この上にCo膜を膜厚10nm形成した。場合によっては,この上にTa膜などを保護膜として形成した。この膜にレジストを塗布し、I線ステッパ−を用いたリソグラフィにより、図9に示すような電極形状101を描画した。
【0074】
描画は、細線の太さが細くなる場合には、I線ステッパでは限界があるため、電子ビーム描画法により形状を描画した。この膜を、Arイオンのミリング装置を用いミリング処理しパターン形成した。その後、接合部分103、104、105を描画し、接合部を形成する。これは、2段レジスト等を利用したリフトオフ用パターンで、周辺部にAlやSiOからなる絶縁膜901、701を形成後,リフトオフを行った。
【0075】
作製には、電子線描画や、ステッパ法、あるいは、プローブ描画法を用いた。また、イオンミリングあるいはドライエッチング後に発生するバリを取るための処理を行った。自由層のハードバイアス膜を作成する場合には、絶縁膜を形成後、永久磁石であるCoCrPtZrなどの膜を作製し、更に絶縁膜を形成した。その後,Co線102を形成するための描画を行い、表面清浄化処理した上にCoおよびNiFeなどの軟磁性膜、MnIrなどの反強磁性膜を形成した。
【0076】
この膜に抵抗変化増幅膜106を塗布、あるいは、成膜し、この自由層104の上に接合を形成するように描画処理を行い、パターンを形成し、さらにこのパターンの両端に電極を形成した。電極は、2端子の場合と、4端子の場合がある。
【0077】
[実施例2]
本報告の図1の構造について、実際に作製した素子の上方から見た図を図9に示す。Cuからなる幅0.1〜10nm程度の線状の導電体101と、Coからなる第一の磁性体102とが、この導電体上に形成したAl2O3によってなる第一の中間層103において接しており、かつ、この導電体101から10〜1000nm離れた位置にCoFeからなる第二の磁性体104が中間層105を介して導電体101と接している構造を持ち,さらに、該第二の磁性体104が、Pr0.7Ca0.3MnOからなる抵抗変化増幅膜106と接しており、該抵抗変化増幅膜106の両端にはAuによってなる電極107が配置されている構造を備えるものである。
【0078】
該第一の磁性体102と導電体101には電流を流す電流源が接続されており、109の方向から110の方向へと電流を流すようになっている。また、導電体の112方向へ伸びた端部は電気的に接地されている。
【0079】
また、抵抗変化増幅膜106は、107の電極を介して出力信号を検知するための電流を例えば108の方向に流すような機構をもつ。107の電極は、回路的にはニ端子接続に記載されているが,4端子法を用いた測定の回路構成とした。
【0080】
さらに、これらの素子の基体をなす下部層と、抵抗変化増幅機構をなす107、106の膜の表面側に、絶縁膜1001、1003を介して軟磁性膜による磁気シールド1002、1004が配される構造を図10に示した。
【0081】
また、抵抗変化増幅膜106膜の他主面側に電気的に接地される膜を直接、あるいは高抵抗膜を介して接触させることで最終的な出力を高めることが可能である。この方法として接地されたシールドに導電性膜を介してこの106の上面を接続する方法も有効である。この上部シールド1002の上に、記録用ヘッドが位置する構造で磁気ヘッドは形成される。
【0082】
素子104の面積が1nm×1nmのときに、磁界の方向によって、この磁気抵抗センサーの自由層部分104に発生する電位差Vは、実験的には電流108が1.0mAならば10mVであり、抵抗変化増幅膜106を駆動可能な電圧である。
【0083】
また、この電圧は、素子面積を縮小化する、電流を増大する、あるいは、磁性膜にスピン分極の高い材料を適用する等の材料の選択、低温にすること等により高くすることが可能である。この電位差は、正負に極性を変えることが特徴的であり,これを抵抗増幅膜106に印加する。このとき、電界、電圧が抵抗変化増幅膜に印加されるように、101の電極の、電流回路とは反対の端の電位を接地することが重要である。
【0084】
抵抗変化増幅膜は、印加される電圧の極性変化によって抵抗値を大きく変える。Pr0.7Ca0.3MnOの場合は、比抵抗が20μΩcmから約100000μΩcmまでに大きく変化する。したがって,この材料からなる膜に電流一定のセンス電流を流し、抵抗を測定すると磁気センサーによる磁界検知に伴い、抵抗が大きく変化するため、従来では非常に小さい変化率だったものを1000倍ほど増幅することが可能である。例えばこの抵抗変化増幅膜が縦2μm,長さ5μm、膜厚20nmとすると、抵抗は25Ω〜25000Ωに変化する。
【0085】
したがって,センス電流が1mAでは、単純計算では25mV〜250Vの信号変化が生じることになる。素子抵抗の値は、膜厚や素子サイズによって調整することは可能である。また、この抵抗変化増幅膜は磁気的には非磁性体〜常磁性体であり、接触している自由層への磁気的な悪影響を無視できる。磁気的な分解能は、磁性自由層のサイズで決定可能で、この抵抗変化増幅膜は自由層部分ほど大きさや形状の制限を受けないため、設計が容易となる。
【0086】
[実施例3]
本報告にある構造以外に,同様のメカニズムを用いてセンサー構造を形成することが可能である。
【0087】
図11には、同様の作用をする類似構造を示す。各構造体の材質等は前述の番号によって対応付けられている。矢印108の方向に電流を流しており、第二の磁性層104が絶縁層105を介して非磁性導電膜101中に接しており,反強磁性体によって固定された第一の磁性体が絶縁膜を介して非磁性導電膜101に接している接触部分1101を有し、接触部分1101に接しており電流を流しながら抵抗を測定する機能を備える抵抗変化増幅膜1102からなる構造である。
【0088】
また、図12に示されるように、磁気抵抗変化の出力発生機構(例えば図1に記載されているもの)と抵抗変化増幅膜との位置関係についても、抵抗変化増幅膜106を磁性層1201と絶縁障壁膜105が挟む形でも同様の出力を得ることが可能である。
【0089】
この磁性層1201は、固定層102を成すような反強磁性結合膜を備えたものでも良いし、自由層104のような磁区制御構造を備えたものでも同様の出力を得ることが可能である。
【0090】
[実施例4]
これらの磁性膜としてFe3O4を形成した場合は、スパッタ室雰囲気のH2O分率を低減し、低レート、低エネルギで膜形成する新規な作成法により、250℃以上の基板温度において膜厚50nm以下の膜において飽和磁化0.4テスラ以上をもつFe3O4膜を作製することができた。このFe3O4がハーフメタリックな特性を持つことが第一原理計算に基づく理論検証および過去の分光分析等から知られている材料である。
【0091】
形成したFe3O4膜の飽和磁化Bsは、下地膜がPt,Cu,Pd,Rh,Ru,Ir,Au,Ag、Ta、CoFe、Co、NiFeなどの導電性金属、合金膜でも、TiNなどの導電性化合物膜でも、これら下地膜の表面粗さRaを0.4nm以下にすることにより、0.4テスラ以上となりほぼ良好なFe3O4成長が確認された。また、これら貴金属の下に、Cr、Ta、NiFeCrなどの適当な下地膜を数nmから数十nm挿入することにより、この上に成長した貴金属膜の表面構造が平滑化し、Fe3O4膜の成長が促進される。
【0092】
Fe3O4以外の酸化物ハーフメタル材料であるCrO2、ZnO、GaNについても、上述のFe3O4の場合と同様に下地貴金属膜を形成して、その上に成長させたところ基板温度が250℃でも単層膜が形成されていることを確認した。ZnOは、V,Cr,Fe,Co,Niの強磁性金属を約25%ドープすると、強磁性ハーフメタルの状態になる。また、GaNについてもGaAs下地膜上にMBEを用いてMnを25%ドープして形成すると強磁性ハーフメタルになる。
【0093】
また、ホイスラー合金とよばれる化合物でCo2MnGe,Co2MnSbやCo2Cr0.6Al0.4Mnなどは組成に該当するターゲットをAr雰囲気中のRFスパッタリングにより基板に直接成長させる方法で作製可能である。基板温度は、300℃以上で、700℃以上の熱処理を加えることが望ましいが、室温基板上に形成し、270℃で長時間熱処理した場合にも規則化した構造を得ることが可能である。また、作製した膜の組成とターゲットの組成との関係がずれやすいため、作製した膜での組成確認をXPSあるいはICP分析により同定することが必要である。
【0094】
これらの膜を磁性層に用いることで、磁気抵抗素子としての出力ΔVは、数倍程度に増大しており、素子の設計の簡易化には有効である。
【0095】
[実施例5]
図13は、記録ヘッドまでを含めた、磁気再生ヘッド構造をあらわす模式図である。これまでに述べた再生ヘッド構造が、上下シールドである1002、1004の間に構成されており、媒体と対向するABS面には、基本構造となる磁性膜104や導電体101が出ている。
【0096】
この図において示されるように、素子厚さ方向に磁極1301と、これの磁化を誘起するコイル1302が示されている。磁極の材質は、従来タイプでは高飽和磁束密度をもつCoFe系材料が用いられている。近年、さらに高い飽和磁束密度を持つ材料により、記録を行う方式が進められているが、それらを使用して実現される垂直磁気記録や面内磁気記録に対して本発明の再生方式は有効に作用する。
【0097】
また、記録方式としてサイズを絞った光を媒体に照射して媒体温度を局所的に上昇させ、媒体の温度上昇に伴う磁化低減の作用を用いて、磁化反転させる機構がついた記録ヘッドにおいても、これらの読み取り方式は有効である。
【0098】
図14は本発明によるヘッドを用いた一実施例の磁気デイスク装置を示す図である。図示した磁気デイスク装置は,同心円状のトラックとよばれる記録領域にデータを記録するための,デイスク状に形成された磁気記録媒体としての磁気デイスク1401と,磁気トランスデユーサーからなり,上記データの読み取り,書き込みを実施するための本発明による磁気ヘッド1406と,該磁気ヘッド1406を支え磁気デイスク1401上の所定位置へ移動させるアクチュエーター手段1411と,磁気ヘッドが読み取り,書き込みするデータの送受信及びアクチェータ手段の移動などを制御する制御手段とを含み構成される。
【0099】
さらに,構成と動作について以下に説明する。少なくとも一枚の回転可能な磁気デイスク1401が回転軸1402によって支持され,駆動用モーター1403によって回転させられる。少なくとも一個のスライダー1406が,磁気デイスク1401上に設置され,該スライダー1409は,一個以上設けられており,読み取り,書き込みするための本発明による磁気ヘッド1410を支持している。
【0100】
磁気デイスク1401が回転すると同時に,スライダー1406がデイスク表面を移動することによって,目的とするデータが記録されている所定位置へアクセスされる。スライダ1406は,サスペンション1407によってアーム1408にとりつけられる。サスペンション1407はわずかな弾力性を有し,スライダー1406を磁気デイスク1401に密着させる。アーム1408はアクチュエーター1411に取り付けられる。
【0101】
アクチュエータ1411としてはボイスコイルモーター(以下,VCMと称す。)がある。VCMは固定された磁界中に置かれた移動可能なコイルからなり,コイルの移動方向および移動速度等は,制御手段1412からライン1404を介して与えられる電気信号によって制御される。したがって,本実施例によるアクチュエーター手段は,例えば,スライダ1406とサスペンション1407とアーム1408とアクチュエーター1411とライン1404を含み構成されるものである。
【0102】
磁気デイスクの動作中,磁気デイスク1401の回転によってスライダー1406とデイスク表面の間に空気流によるエアベアリングが生じ,それがスライダー1406を磁気デイスク1401の表面から浮上させる。したがって,磁気デイスク装置の動作中,本エアベアリングはサスペンション1407のわずかな弾性力とバランスをとり,スライダー1406は磁気デイスク表面にふれずに,かつ磁気デイスク1401と一定間隔を保って浮上するように維持される。
【0103】
通常,制御手段1412はロジック回路,メモリ,及びマイクロプロセッサなどから構成される。そして,制御手段1412は,各ラインを介して制御信号を送受信し,かつ磁気デイスク装置の種々の構成手段を制御する。例えば,モーター1403はライン1404を介し伝達されるモーター駆動信号によって制御される。
【0104】
アクチュエーター1411はライン1404を介したヘッド位置制御信号及びシーク制御信号等によって,その関連する磁気デイスク1401上の目的とするデータートラックへ選択されたスライダー1406を最適に移動,位置決めするように制御される。
【0105】
そして,制御信号は,磁気ヘッド1410が磁気デイスク1401のデータを読み取り変換した電気信号を,ライン1404を介して受信し解読する。また,磁気デイスク1401にデータとして書き込むための電気信号を,ライン1404を介して磁気ヘッド1410に送信する。すなわち,制御手段1412は,磁気ヘッド1410が読み取りまたは書き込みする情報の送受信を制御している。
【0106】
なお,上記の読み取り,書き込み信号は,磁気ヘッド1410から直接伝達される手段も可能である。また,制御信号として例えばアクセス制御信号およびクロック信号などがある。さらに,磁気デイスク装置は複数の磁気デイスクやアクチュエーター等を有し,該アクチュエーターが複数の磁気ヘッドを有してもよい。また、媒体は図にしめされるように円盤型の媒体が回転し、ヘッドがアクセスするタイプ以外に、固定した媒体上に多数のヘッドが同時並行にスキャンするような機構のものも同様に有効である。
【0107】
このような複数の機構を兼ね備えることによって、いわゆるデイスクアレイ装置を形成することが可能である。
【0108】
本発明の磁気抵抗効果素子を本磁気記録装置に搭載することにより、再生密度が500Gb/in2を超える領域の磁気記録再生が可能となる。
【0109】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明に係る磁気センサーおよび磁気ヘッドは、従来の磁気抵抗変化型磁気再生ヘッドよりも、素子抵抗の調整が容易で、かつ、磁気抵抗変化率が極めて高く、高分解能化にも有効で出力が大きいものが得られる。また、この磁気抵抗効果素子を備える磁気記録装置は面記録密度が500(Gb/in2)を越える磁気記録媒体と組み合わせて使用可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の磁気再生ヘッド素子構造。
【図2】本発明の磁気抵抗素子部分の基本構造。
【図3】本発明の磁気抵抗素子部分の磁気特性と電圧変化信号出力の磁界変化。
【図4】本発明の第一の磁性層の磁化固定方式。
【図5】本発明の磁気抵抗増幅機構の基本構造。
【図6】本発明の磁気抵抗増幅機構の電圧―抵抗変化。
【図7】ハードバイアス方式磁区制御構造を備えた本発明の第二の磁性層周辺の断面図。
【図8】CFS方式磁区制御構造を備えた本発明の第二の磁性層周辺の断面図。
【図9】本発明の実施例による素子構造。
【図10】上下磁気シールドを備えた再生ヘッド構造。
【図11】図1以外の本発明の構造例1。
【図12】図1以外の本発明の構造例2。
【図13】本発明を適用した磁気抵抗効果素子と記録ヘッドとの位置関係を示す模式図である。
【図14】本発明を適用した磁気記録装置の模式図である。
【符号の説明】
101 導電体、102 第一の磁性体、103 第一の中間層、104 第二の磁性体、105 中間層、106 抵抗変化増幅膜、107 電極。

Claims (14)

  1. 第1の磁性膜と、
    第1の中間層を介して該第1の磁性膜と交叉する導電体と
    該第1の磁性膜から該導電体へと電流を流すよう接続された電流回路構造と
    第2の中間層を介して該導電体上に交叉するように形成され、外部磁界の変化により電圧変化信号を発生する第2の磁性膜と、
    前記第2の磁性膜に接し、電圧によって抵抗が非線形に変化する材料を含有する抵抗変化増幅膜と、
    該抵抗変化増幅膜に接続され、前記第2の磁性膜を挟む電極とを備え
    前記導電体は、上記電流回路の電流方向とは略反対方向に伸びた形状を持ち、当該伸びた形状部分の一部に、前記第2の磁性膜が前記第2の中間層を介して接続されていることを特徴とする磁界センサ。
  2. 第1の磁性膜と、
    第1の中間層を介して該第1の磁性膜と交叉する導電体と、
    該第1の磁性膜から該導電体へと電流を流すよう接続された電流回路構造と、
    第2の中間層を介して該導電体上に交叉するように形成され、外部磁界の変化により電圧変化信号を発生する第2の磁性膜と、
    前記第2の磁性膜に接し、該電圧変化信号を電気抵抗変化に変換し、かつ電気抵抗変化に対応した電圧が該電圧変化信号を増幅したものとなる抵抗変化増幅膜と、
    該抵抗変化増幅膜に接続され、前記第2の磁性膜を挟む電極とを備え、
    前記導電体は、上記電流回路の電流方向とは略反対方向に伸びた形状を持ち、当該伸びた形状部分の一部に、前記第2の磁性膜が前記第2の中間層を介して接続されていることを特徴とする磁界センサ。
  3. 該電極は、該抵抗変化増幅膜に電流を流すことを特徴とする請求項1に記載の磁界センサ。
  4. 該電極は、該抵抗変化増幅膜に電流を流すことを特徴とする請求項2に記載の磁界センサ。
  5. 該抵抗変化増幅膜は、該第2の磁性膜の中間層と接していない面側に形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁界センサ。
  6. 該抵抗変化増幅膜は、該第2の磁性膜の中間層と接していない面側に形成されていることを特徴とする請求項2記載の磁界センサ。
  7. 該第1の磁性膜が、その全部あるいは少なくとも該第1の磁性膜と導電体が接している部分において、該第2の磁性膜よりも保磁力が大きい材料からなるか、又は、膜厚、形状が異なることで同一材料でも保磁力の大きい構造であることを特徴とする請求項1に記載の磁界センサ。
  8. 該第1の磁性膜が、その全部あるいは少なくとも該第1の磁性膜と導電体が接している部分において、該第2の磁性膜よりも保磁力が大きい材料からなるか、又は、膜厚、形状が異なることで同一材料でも保磁力の大きい構造であることを特徴とする請求項2に記載の磁界センサ。
  9. 該第1の磁性膜の磁化の向きは、反強磁性材料からなる膜により固定されていることを特徴とする請求項1に記載の磁界センサ。
  10. 該第1の磁性膜の磁化の向きは、反強磁性材料からなる膜により固定されていることを特徴とする請求項2に記載の磁界センサ。
  11. 該抵抗変化増幅膜は、室温において、RBMnO3(R:希土類元素、B:アルカリ元素)なる組成をもつペロブスカイト結晶構造の材料を含有することを特徴とする請求項1記載の磁界センサ。
  12. 該抵抗変化増幅膜は、室温において、RBMnO3(R:希土類元素、B:アルカリ元素)なる組成をもつペロブスカイト結晶構造の材料を含有することを特徴とする請求項2記載の磁界センサ。
  13. 再生素子を有する磁気ヘッドにおいて、
    前記再生素子は、第1の磁性膜と、第1の中間層を介して該第1の磁性膜と交叉する導電体と、該第1の磁性膜から該導電体へと電流を流すよう接続された電流回路構造と、第2の中間層を介して該導電体上に交叉するように形成され、外部磁界の変化により電圧変化信号を発生する第2の磁性膜と、前記第2の磁性膜に接し、該電圧変化信号を電気抵抗変化に変換し、かつ電気抵抗変化に対応した電圧が該電圧変化信号を増幅したものとなる抵抗変化増幅膜と、該抵抗変化増幅膜に接続され、前記第2の磁性膜を挟む電極とを備え、
    前記導電体は、上記電流回路の電流方向とは略反対方向に伸びた形状を持ち、当該伸びた形状部分の一部に、前記第2の磁性膜が前記第2の中間層を介して接続されていることを特徴とする磁界ヘッド。
  14. 再生素子を有する磁気ヘッドにおいて、
    前記再生素子は、第1の磁性膜と、第1の中間層を介して該第1の磁性膜と交叉する導電体と、該第1の磁性膜から該導電体へと電流を流すよう接続された電流回路構造と、第2の中間層を介して該導電体上に交叉するように形成され、外部磁界の変化により電圧変化信号を発生する第2の磁性膜と、前記第2の磁性膜に接し、該電圧変化信号を電気抵抗変化に変換し、かつ電気抵抗変化に対応した電圧が該電圧変化信号を増幅したものとなる抵抗変化増幅膜と、該抵抗変化増幅膜に接続され、前記第2の磁性膜を挟む電極とを備え、 前記導電体は、上記電流回路の電流方向とは略反対方向に伸びた形状を持ち、当該伸びた形状部分の一部に、前記第2の磁性膜が前記第2の中間層を介して接続されていることを特徴とする磁界ヘッド。
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