JP2010087355A - トンネル磁気抵抗効果膜の製造方法及びトンネル磁気抵抗効果膜 - Google Patents

トンネル磁気抵抗効果膜の製造方法及びトンネル磁気抵抗効果膜 Download PDF

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和晋 須永
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Abstract

【課題】トンネルバリア層の厚さを薄くした場合であっても、所要のMR比が得られるトンネル磁気抵抗効果膜の製造方法、トンネル磁気抵抗効果膜、及びこれを用いた磁気ヘッド及び磁気記憶装置を提供する。
【解決手段】トンネルバリア層と、該トンネルバリア層を挟む配置に設けられた磁化固定層と磁化自由層とを備えるトンネル磁気抵抗効果膜の製造方法において、前記トンネルバリア層を形成する工程として、ダイレクトスパッタリング法によりMgO層を形成する工程と、該MgO層を形成した後、大気開放することなく真空中においてMgO層を加熱する熱処理工程と、該熱処理工程後、前記MgO層上に、Mg層を2Å以下の膜厚に形成する工程とを備える。
【選択図】図5

Description

トンネル磁気抵抗効果膜の製造方法、トンネル磁気抵抗効果膜及びこのトンネル磁気抵抗効果膜を備える磁気ヘッド、磁気記憶装置に関し、より詳細には、トンネルバリア層の膜厚を薄くした場合であっても、所要のMR比が得られるトンネル磁気抵抗効果膜の製造方法及びトンネル磁気抵抗効果膜に関する。
トンネルバリア層に岩塩型MgOを使用した磁気抵抗効果素子は、非常に大きな磁気抵抗変化(MR比)を有することが知られている(非特許文献1〜3、特許文献1〜3)。このため、高記録密度が求められる磁気記録装置においては、トンネルバリア層にMgOを使用した磁気ヘッドが使用されている。
ところで、記録密度の増大とともに磁気抵抗効果素子のサイズが微小化する。しかしながら、磁気抵抗効果素子を小さくしていくとトンネルバリア層の抵抗値が大きくなり、磁気抵抗効果素子の高速応答特性が劣化する。したがって、磁気抵抗効果素子を微小化する際には、トンネルバリア層の膜厚を薄くしてトンネルバリア層の低抵抗化を図る必要がある。例として、連続媒体を用いた垂直磁気記録方式において、650 Gbit/in2の記録密度を実現するには、接合抵抗RA(素子抵抗と素子面積との積)を0.4Ωμm2以下にする必要がある。
S.Yuasa et al., Nat.Mater.3(2004)868 S.S.P.Parkin et al.,Nat.Mater.3(2004)862 D.D.Djayaprawira et al.,Appl.Phys.Lett.86(2005)092502 特開2006−80116号公報 特開2006−210391号公報 特開2007−95750号公報
しかしながら、RA値を0.4Ωμm2以下といったきわめて小さな値にするためにトンネルバリア層の厚さを薄くしていくと、磁気抵抗効果膜のMR比が30%未満といった小さな値となってしまう。トンネル磁気抵抗効果膜としては、トンネルバリア層の膜厚を薄くして低抵抗化を図る場合であっても、所要のMR比が得られる必要がある。
本発明は、トンネルバリア層の厚さを薄くした場合であっても、所要のMR比が得られるトンネル磁気抵抗効果膜の製造方法、トンネル磁気抵抗効果膜、及びこのトンネル磁気抵抗効果膜を用いた磁気ヘッド及び磁気記憶装置を提供することを目的とする。
実施形態の一態様によれば、トンネルバリア層と、該トンネルバリア層を挟む配置に設けられた磁化固定層と磁化自由層とを備えるトンネル磁気抵抗効果膜の製造方法として、前記トンネルバリア層を形成する工程として、ダイレクトスパッタリング法によりMgO層を形成する工程と、該MgO層を形成した後、大気開放することなく真空中においてMgO層を加熱する熱処理工程と、該熱処理工程後、前記MgO層上に、Mg層を2Å以下の膜厚に形成する工程とを備えるトンネル磁気抵抗効果膜の製造方法が提供される。
また、トンネルバリア層と、該トンネルバリア層を挟む配置に設けられた磁化固定層と磁化自由層とを備えるトンネル磁気抵抗効果膜において、前記トンネルバリア層は、MgO層と、該MgO層上に2Å以下の膜厚に形成されたMg層とからなるトンネル磁気抵抗効果膜が提供される。
また、前記トンネル磁気抵抗効果膜を備えた再生ヘッドが形成された磁気ヘッドを備えるヘッドスライダーを搭載した磁気記憶装置が提供される。
本発明に係るトンネル磁気抵抗効果膜の製造方法は、トンネルバリア層の膜厚を薄くすることによってトンネルバリア層を低抵抗化することができ、また、所要のMR比特性を備えたトンネルバリア層を形成することができる。このトンネルバリア層を備えた磁気抵抗効果膜は磁気ヘッドの再生ヘッドとして好適に用いられ、また高密度記録が可能な磁気記憶装置への適用が可能となる。
(トンネル磁気抵抗効果膜の製造方法)
トンネル磁気抵抗効果膜は、トンネルバリア層と、トンネルバリア層を挟む配置に設けられた磁化固定層と磁化自由層とを備える。本発明に係るトンネル磁気抵抗効果膜の製造方法においては、トンネルバリア層を形成する方法が特徴的である。以下では、トンネルバリア層を備える磁気抵抗効果膜の構造とあわせてトンネル磁気抵抗効果膜の製造方法について説明する。
図1はトンネル磁気抵抗効果膜の構造を断面図として示している。図1に示すトンネル磁気抵抗効果膜10は、下部シールド層21、反強磁性下地層22、反強磁性層23、磁化固定層26、トンネルバリア層27、磁化自由層28、キャップ層29、上部シールド層30からなる。なお、下部シールド層21は下部電極を兼ね、上部シールド層30は上部電極を兼ねる。
下部シールド層21には、たとえばNiFeを使用する。反強磁性下地層22には、たとえばTaとRuを積層して形成する。反強磁性層23にはIrMnが使用される。反強磁性下地層22は、反強磁性層23に使用するIrMnを(111)方向に結晶配向させるために設けている。反強磁性層23には、IrMnの他に、PtMn、PdPtMn等の反強磁性材も使用される。
磁化固定層26は、強磁性材たとえばCoFeB、もしくはCoFeB/CoFeの積層構造に形成される。磁化固定層26は反強磁性層23との交換結合によって磁化方向が固定される。
下部シールド層を除くこれら各層は、スパッタリング法によって形成される。下部シールド層は、スパッタリング法により形成されるめっきベース上に、めっき法により形成される。
トンネルバリア層27は、MgOとMgとをこの順にスパッタリングして形成する。本実施形態においては、MgO層は、MgOをターゲットとして使用するダイレクトスパッタリング法によって形成する。
MgO層をダイレクトスパッタリング法によって形成する場合は、Ar、He、Ne、Kr、Xe、N2ガスのいずれか、またはこれらの混合ガスを用いてスパッタリングする。
MgO層をダイレクトスパッタリング法によって形成した後、超高真空を維持したまま大気開放することなくMgO層を加熱する熱処理を施す。MgO層を熱処理する方法としては、たとえば、MgO層を成膜した基板を350℃まで昇温し、その温度にて5分間保持した後、室温まで冷却する方法によればよい。
MgO層を成膜した後に熱処理する目的は、ダイレクトスパッタリングによって成膜したMgO層の格子欠陥や格子不整合を緩和させることにある。MgO層を加熱する際の加熱温度は、加熱効果が作用するように200℃程度以上の加熱温度とし、磁気抵抗効果膜を構成する磁化固定層等の磁気特性に影響を与えないように400℃程度以下の加熱温度とするのがよい。
Mgのスパッタリングは、Mgターゲットを用い、たとえばArを希ガス種としてスパッタリングする。
このMgのスパッタリングによって形成するMg層は2Å未満、例として膜厚1.5Åの1原子層厚に満たない厚さに設定する。Mg層の厚さを1原子層厚よりも薄く設定しているのは、Mg層を成膜する目的が、MgO層の格子欠陥や格子不整合を補完することを狙いとしていること、Mg層を厚く形成することによってトンネルバリア層の全厚が厚くなり、トンネルバリア層の低抵抗化が阻害されることを避けるためである。
MgO層/Mg層は、全体として絶縁層として形成される。MgO層はアモルファスの下地層上にダイレクトスパッタリングすることにより、岩塩型(001)方向に結晶配向する。
図1において、磁化自由層28は、たとえばCoFe、CoFeB、Ta、NiFeの4層構造として形成する。磁化自由層28をNiFeの単層構造やCoFe/NiFeの2層構造とすることも可能である。キャップ層29は、保護層であり、たとえばTaとRuの2層構造とする。上部シールド層30は、下部シールド層21と同様にNiFeによって形成する。上部シールド層を除くこれらの各層もスパッタリング法によって形成する。上部シールド層は、スパッタリング法により形成されるめっきベース上に、めっき法により形成される。
図2に示すトンネル磁気抵抗効果膜11は、下層側から、下部シールド層21、反強磁性下地層22、反強磁性層23、第1の磁化固定層24、反強磁性結合層25、第2の磁化固定層26、トンネルバリア層27、磁化自由層28、キャップ層29、上部シールド層30からなる。
図2に示すトンネル磁気抵抗効果膜11は、磁化固定層を、第1の磁化固定層24、反強磁性結合層25、第2の磁化固定層26によって形成した点が、上述したトンネル磁気抵抗効果膜10と相異する。図2に示す磁化固定層は、反強磁性結合層25を介して磁化固定層を積層する構造とすることによって磁化固定層の磁化方向をより安定させた構造としている。
第1の磁化固定層24としては、IrMnからなる反強磁性層23と強い交換結合作用を有するCoFeを使用し、反強磁性結合層25にRu、第2の磁化固定層26としてCoFeBを使用する。他の各層については、上述した実施形態と同様である。
図2に示すトンネル磁気抵抗効果膜11においても、トンネルバリア層27については、前述したトンネルバリア層27と同様の方法によって形成する。
図3に示すトンネル磁気抵抗効果膜12は、下層側から、下部シールド層21、磁化自由層28、トンネルバリア層27、第2の磁化固定層26、反強磁性結合層25、第1の磁化固定層24、反強磁性層23、キャップ層29、上部シールド層30からなる。
図3に示すトンネル磁気抵抗効果膜12は、下層側に磁化自由層28とトンネルバリア層27を配置し、トンネルバリア層27の上層に第2の磁化固定層26等からなる磁化固定層を配置している。これら各層の配置は、図2に示したトンネル磁気抵抗効果膜11と逆の配置である。
図3に示すトンネル磁気抵抗効果膜12においても、トンネルバリア層27は、前述した方法によって形成する。
図1、2、3に示したトンネル磁気抵抗効果膜10、11、12は、トンネル磁気抵抗効果膜の典型的な膜構成例として示したものであり、トンネル磁気抵抗効果膜は、上述した以外に、種々の層構成とすることができる。また、トンネル磁気抵抗効果膜を構成する磁性材、反強磁性材等は適宜材料を選択することができる。
(トンネルバリア層の形成方法)
以下では、トンネル磁気抵抗効果膜に用いるトンネルバリア層を形成する方法について、さらに詳細に説明する。
図4は、トンネルバリア層を形成するフロー図を示す。
トンネルバリア層を形成する際には、前述したように、まず、MgOをターゲットに使用して、MgOをダイレクトスパッタリング法により成膜する(ステップ40)。MgOの膜厚は5Å程度とする。
次に、1×10-5Pa以下の高真空下で熱処理を施す(ステップ42)。熱処理方法としては、チェンバー内の温度を徐々に昇温させ、基板が設定温度(たとえば350℃)となるまで加熱する。基板が設定温度に達したら、その温度で5分間程度保持する。基板を加熱する方法としては、基板ステージ加熱、赤外線加熱、ランプヒータ加熱を利用することができる。次いで、室温まで冷却する。基板を冷却するには、たとえば水冷ステージ上に基板を置いて冷却すればよい。
基板を室温まで冷却した後、MgO層に積層してMg層を形成する。Mg層は、Mgをターゲットに用いるスパッタリング法によって形成することができる(ステップ44)。Mg層は、Mgの1原子層厚以下の厚さ(膜厚2Å以下)に成膜する。成膜レートを0.1Å/sec程度に設定してスパッタリングすることにより、狙いの厚さにMg層を成膜することができる。
トンネルバリア層は、岩塩型(001)方向に結晶配向したMgO層の上に1原子層厚以下の極薄のMg層を積層した構造を基本構造とする。MgO層はCoFeB等のアモルファス状態の下地層上に成膜することにより、岩塩型(001)方向に結晶配向することが知られている。
図5は、このようなMgO層とMg層とからなるトンネルバリア層を備える磁気抵抗効果膜を作成し、磁気抵抗効果膜のMR比と、面積抵抗RA(素子抵抗と素子面積との積)を測定した結果を示す。
測定に使用したサンプルは、シリコン基板上に、反強磁性下地層としてTa(3nm)/Ru(2nm)、反強磁性層としてIrMn(7nm)、第1の磁化固定層としてCoFe(1.8nm)、反強磁性結合層としてRu(0.9nm)、第2の磁化固定層としてCoFeB(1.8nm)/CoFe(0.5nm)、トンネルバリア層としてMgO/Mg、磁化自由層としてCoFe(0.3nm)/CoFeB(1.5nm)/Ta(0.25nm)/NiFe(3.5nm)、キャップ層としてTa(5nm)/Ru(7nm)をそれぞれスパッタリング法により成膜して形成したものである。
図5に示す実施サンプルは、トンネルバリア層をMgO/Mgとし、MgO層の厚さを5.5Åと固定し、Mg層の厚さを0.5、1.0、1.5、2.0Åと変えたもの(MgO 5.5/Heat/MgtÅ)である。
図5には、比較例として、トンネルバリア層を、Mg/MgOの積層膜(Mgを下層としたもの)として形成し、Mg膜とMgO層を成膜した後に、真空中において加熱したサンプル(Mgt/MgO 5/Heat)についての測定結果をあわせて示した。このサンプルでは、MgO層の厚さは5.0Åとした。MgO層を成膜した後の熱処理条件は前述した熱処理条件と同一である。
また、比較例として、トンネルバリア層をMgO/Mgとし、MgO層を成膜した後、熱処理を施さずにMg層を形成したサンプル(MgO 5.5/MgtÅ(w/oHeat))についての測定結果を示した。このサンプルについてはMgO層の厚さを5.5Åと固定した。
図5に示す測定結果は、トンネルバリア層がMgO/Mgからなる実施例のサンプルの場合は、いずれのMg厚においても、RAは0.4Ωμm2以下であり、Mg厚の増加とともに若干低下する。このRA値は、面記録密度650 Gbit/in2の仕様を満たしている。また、MR比についても、他の比較例サンプルと比較して良好な値が得られている。
これに対し、トンネルバリア層がMgO/Mgからなる熱処理が施されていない比較例のサンプルの場合は、実施例サンプルに比べてRA値は低く表れているものの、MR比については、実施例サンプルに比較して大きく低下している。
また、トンネルバリア層がMg/MgOの積層膜からなる比較例のサンプルの場合は、MgOの厚さが実施例サンプルよりも薄いにもかかわらず、Mg厚の増加とともにRAは増加し、実施例サンプルよりもRA値が大きくなる。また、MR比についても実施例サンプルのMR比を大きく下回っている。
なお、MR比は、いずれのサンプルについても、Mg厚1.0Åで極大を示した。このうち、実施例サンプルにおいては、最大30%以上のMR比を示した。この値は低抵抗化が期待できるCPP-GMRのMR比よりも大きい。
図5に示す測定結果は、実施例サンプルが比較例サンプルと比較して、RA値及びMR比について優れた特性を有することを示している。すなわち、本発明に係るトンネル磁気抵抗効果膜によれば、RA値を低減させることができ、所要のMR比を得ることが期待できる。
(MgO層とMg層の作用)
図6に、トンネルバリア層を構成するMgO層とMg層との作用についてのモデル図を示す。図6(a)は、MgO層をスパッタリングによって形成した状態を示す。MgO層をスパッタリングして成膜した状態においては、格子歪、格子欠陥、格子不整合が生じている。
図6(b)は、熱処理によって真空中において加熱した状態である。加熱によって、Mgイオン、酸素イオンが移動する。図6(c)は、室温まで冷却した状態である。加熱して室温まで冷却することによって格子歪が緩和され、格子が整合した状態に移行すると考えられる。
図6(d)は、Mg層をスパッタリングした状態を示す。Mg層は原子層厚よりも薄く形成するから、Mgは、MgO層中に生じているピンホールや格子欠陥等の穴を埋めるように島状に成長すると考えられる。これによって、MgO層はピンホールや格子欠陥がない状態になる。
トンネルバリア層を低抵抗化するためにはMgO層を薄く形成する必要がある。しかしながらMgO層を薄く形成すると、ピンホールや格子欠陥が生じやすくなる。上述した熱処理とMg層を成膜する方法は、MgO層の欠陥を緩和し、MgO層を厚く成膜した場合と同様の格子欠陥の少ない膜構成とすることができ、これによって低抵抗でかつMR比の大きなトンネルバリア層として形成できるものと考えられる。
(磁気ヘッド)
図7は、上述したトンネルバリア層を備える磁気抵抗効果膜の適用例として、磁気ヘッドを構成した例を示す。
この磁気ヘッドは、再生ヘッド50と記録ヘッド60とを備える。再生ヘッド50は、下部シールド層51及び上部シールド層52と、下部シールド層51及び上部シールド層52に挟まれて配置されている磁気抵抗効果膜層53とを備える。下部シールド層51、上部シールド層52及び磁気抵抗効果膜層53が上述したトンネル磁気抵抗効果膜10、11、12に相当する。
記録ヘッド60は、主磁極61と、主磁極61の上層と下層に設けられた上部リターンヨーク62及び下部リターンヨーク63と、主磁極61の下層に設けられた磁性膜64とコイル65とを備える。磁性膜64はハイト端側において上部リターンヨーク62と連結する。コイル65は、主磁極61及び磁性膜64を巻回するように形成される。
(磁気記憶装置)
図8は上述した磁気ヘッドを備えた磁気記憶装置の例を示す。
磁気記憶装置70は、矩形の箱状に形成されたケーシング71内に、スピンドルモータによって回転駆動される複数の磁気記録媒体72を備える。磁気記録媒体72の側方には、媒体面に平行に揺動可能に支持されたアクチュエータアーム73が配されている。アクチュエータアーム73の先端には、アクチュエータアーム73の延長方向にサスペンション74が取り付けられ、サスペンション74の先端に、磁気記録媒体72の媒体面に向けてヘッドスライダ75が取り付けられている。
ヘッドスライダ75には、前述したトンネルバリア層を備えた磁気抵抗効果膜を備える磁気ヘッドが形成されている。
磁気ヘッドはサスペンション74に形成された配線、及びアクチュエータアーム73に付設されたフレキシブルケーブル76を介して、磁気記録媒体に信号を記録し、磁気記録媒体に記録された信号を再生する制御回路に接続される。
磁気ヘッドにより磁気記録媒体72に情報を記録し、情報を再生する処理は、アクチュエータ77により、アクチュエータアーム73を所定位置に揺動させる操作(シーク動作)とともになされる。
トンネル磁気抵抗効果膜の層構成例を示す説明図である。 トンネル磁気抵抗効果膜の他の層構成例を示す説明図である。 トンネル磁気抵抗効果膜のさらに他の層構成例を示す説明図である。 トンネルバリア層の製造方法を示すフロー図である。 MgO/Mg積層膜についての、Mg厚に対するMR比とRAの測定結果を示すグラフである。 MgO層とMg層の作用を示すモデル図である。 磁気ヘッドの構成を示す断面図である。 磁気記録装置の内部構成を示す平面図である。
符号の説明
10、11、12 トンネル磁気抵抗効果膜
21 下部シールド層
24 磁化固定層
26 第2の磁化固定層
27 トンネルバリア層
28 磁化自由層
30 上部シールド層
50 再生ヘッド
60 記録ヘッド
70 磁気記憶装置
75 ヘッドスライダ

Claims (7)

  1. トンネルバリア層と、該トンネルバリア層を挟む配置に設けられた磁化固定層と磁化自由層とを備えるトンネル磁気抵抗効果膜の製造方法において、
    前記トンネルバリア層を形成する工程として、
    ダイレクトスパッタリング法によりMgO層を形成する工程と、
    該MgO層を形成した後、大気開放することなく真空中においてMgO層を加熱する熱処理工程と、
    該熱処理工程後、前記MgO層上に、Mg層を2Å以下の膜厚に形成する工程と、を備えることを特徴とするトンネル磁気抵抗効果膜の製造方法。
  2. 前記熱処理工程においては、前記MgO層を200〜400℃に加熱し、次いで、室温まで冷却することを特徴とする請求項1記載のトンネル磁気抵抗効果膜の製造方法。
  3. トンネルバリア層と、該トンネルバリア層を挟む配置に設けられた磁化固定層と磁化自由層とを備えるトンネル磁気抵抗効果膜において、
    前記トンネルバリア層は、MgO層と、該MgO層上に2Å以下の膜厚に形成されたMg層とからなることを特徴とするトンネル磁気抵抗効果膜。
  4. 前記トンネルバリア層は、面積抵抗RAが0.4Ωμm2以下に形成されていることを特徴とする請求項3記載の磁気抵抗効果膜。
  5. 前記MgO層は、岩塩型(001)型に結晶配向していることを特徴とする請求項3または4記載の磁気抵抗効果膜。
  6. 磁気記録媒体に記録された情報を読み込むための磁気ヘッドを備えたヘッドスライダと、
    前記ヘッドスライダを媒体上で支持するサスペンションと、
    前記サスペンションを支持するアクチュエータアームと、
    前記磁気ヘッドに電気的に接続され、前記磁気記録媒体に情報を記録・再生する制御回路とを備え、
    前記磁気ヘッドは、記録ヘッドと、トンネル磁気抵抗効果膜を備えた再生ヘッドとを備え、
    前記トンネル磁気抵抗効果膜は、トンネルバリア層と、該トンネルバリア層を挟む配置に設けられた磁化固定層と磁化自由層とを備え、
    前記トンネルバリア層は、MgO層と、該MgO層上に2Å以下の膜厚に形成されたMg層とからなることを特徴とする磁気記憶装置。
  7. 前記トンネルバリア層は、面積抵抗RAが0.4Ωμm2以下に形成されていることを特徴とする請求項6記載の磁気記憶装置。
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