JP2003332649A - 磁気検出素子 - Google Patents

磁気検出素子

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JP2003332649A JP2002138566A JP2002138566A JP2003332649A JP 2003332649 A JP2003332649 A JP 2003332649A JP 2002138566 A JP2002138566 A JP 2002138566A JP 2002138566 A JP2002138566 A JP 2002138566A JP 2003332649 A JP2003332649 A JP 2003332649A
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Naoya Hasegawa
直也 長谷川
Eiji Umetsu
英治 梅津
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Alps Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 フリー磁性層の安定な磁化状態を保ち、サイ
ドリーディングの発生を抑制できるなどの再生特性の向
上を図ることが可能な磁気検出素子及びその製造方法を
提供することを目的としている。 【解決手段】 フリー磁性層15の両側にハードバイア
ス層18を形成するとともに、前記フリー磁性層15の
両側領域上の第3反強磁性層上に第2反強磁性層21を
形成する。これにより前記フリー磁性層15の両側領域
15aの磁化を、前記第3反強磁性層21との間で発生
する交換結合磁界と、ハードバイアス層18からの縦バ
イアス磁界との相乗効果によって、適切にトラック幅方
向に単磁区化し固定することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば固定磁性層
(ピン(Pinned)磁性層)の磁化の方向と外部磁界の影
響を受けるフリー(Free)磁性層の磁化の方向との関係
で電気抵抗が変化するいわゆる磁気検出素子に係り、特
に前記フリー磁性層の安定な磁化状態を保ち、サイドリ
ーディングの発生を抑制できるなど再生特性の向上を図
ることが可能な磁気検出素子に関する。
【0002】
【従来の技術】スピンバルブ膜に代表される磁気検出素
子は、例えば図36(磁気検出素子を記録媒体との対向
面側から見た部分断面図)に示すように、一般的にPt
Mn合金などの反強磁性層1、NiFe合金などの固定
磁性層2、Cuなどの非磁性材料層3、NiFe合金な
どのフリー磁性層4からなる多層膜5と、そのトラック
幅方向(図示X方向)の両側に形成されたハードバイア
ス層6、および電極層7とで構成される。これはハード
バイアス方式と呼ばれる磁気検出素子である。
【0003】図36に示す従来では、前記電極層7が前
記多層膜5の上面にまで延出形成され、前記ハードバイ
アス層6からの強い縦バイアス磁界が供給されることで
実質的に磁気抵抗効果に寄与しない不感領域を避けて、
前記電極層7からのセンス電流が感度領域に供給される
ようになっている。不感領域及び感度領域については後
で図10を参照しながら説明する。
【0004】しかし狭トラック化に伴い素子サイズを狭
小化しなければならないが、フォトリソグラフィ技術の
限界で前記多層膜5の素子サイズ自体を小さくすること
が困難になってきたこと、また素子サイズを小さくすれ
ばそれだけ、前記不感領域の全体に占める割合が大きく
なるため再生感度が低下すること、さらに、不感領域と
言えども、特にその感度領域との境界付近では前記フリ
ー磁性層4の磁化が外部磁界に反応してわずかながらで
も変動し、すなわち前記感度領域は磁気的に完全に死ん
だ状態にないため、不感領域での磁化の変動が感度領域
の磁化にまで伝播し、これによってサイドリーディング
が発生しやすくなっていたことなどの問題があった。
【0005】図37は、他の従来における磁気検出素子
を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
【0006】符号1は反強磁性層、符号2は固定磁性
層、符号3は非磁性材料層、符号4はフリー磁性層であ
る。
【0007】前記フリー磁性層4の上にはトラック幅方
向(図示X方向)に所定の間隔を開けて第2反強磁性層
8が形成されている。図37の磁気検出素子はエクスチ
ェンジバイアス方式と呼ばれるものである。
【0008】図37に示すように、前記第2反強磁性層
8の間隔はトラック幅Twとして規制されている。
【0009】この従来例では前記フリー磁性層4のトラ
ック幅方向(図示X方向)への幅寸法を前記トラック幅
Twよりもより十分に長く形成できるから、上記したハ
ードバイアス方式に比べて狭トラック化によっても前記
フリー磁性層4の磁化制御を適切に且つ容易に行うこと
ができると考えられた。
【0010】なお前記フリー磁性層4の両側領域4aの
磁化は、第2反強磁性層8間で発生する交換異方性磁界
によって図示X方向に固定され、前記フリー磁性層4の
中央部4bの磁化は外部磁界に対し変動する程度に弱く
単磁区化される。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図37
に示す磁気検出素子では以下のような問題点があった。
すなわち図37に示すようなエクスチェンジバイアス方
式を用いた磁気検出素子では、前記第2反強磁性層8と
フリー磁性層4間で発生する交換結合磁界を利用する
が、前記フリー磁性層4内部の磁化は、特に前記フリー
磁性層4の膜厚が一定の場合には、前記フリー磁性層4
内での交換相互作用のみに頼って単磁区化されていくた
め、前記第2反強磁性層8やフリー磁性層4の膜厚制御
や組成、あるいは前記第2反強磁性層8とフリー磁性層
4との界面状態を適正化しないと、適切な大きさの交換
結合磁界が生じない。また図37のように前記第2反強
磁性層8の内側先端部8aの膜厚が薄いときなどは、前
記フリー磁性層4と第2反強磁性層8間で発生する交換
結合磁界が極端に小さくなる。そしてその結果、前記フ
リー磁性層4の両側領域4aの磁化固定が弱まり、特に
中央部4bとの境界付近での前記フリー磁性層4の磁化
固定が非常に弱くなる。そのためオフトラック特性が悪
化したり、十分な線形性を保てないなど再生特性に悪影
響を及ぼすことが懸念された。
【0012】以上のようにハードバイアス方式の磁気検
出素子及びエクスチェンジバイアス方式の磁気検出素子
では、特に今後の狭トラック化においてフリー磁性層4
の磁化を適切に制御できないものと考えられた。
【0013】そこで本発明では上記従来の課題を解決す
るためのものであり、エクスチェンジバイアス方式とハ
ードバイアス方式の双方を利用することで、前記フリー
磁性層の安定な磁化状態を保ち、サイドリーディングの
発生を抑制できるなどの再生特性の向上を図ることが可
能な磁気検出素子及びその製造方法を提供することを目
的としている。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、下から第1反
強磁性層、固定磁性層、非磁性材料層及びフリー磁性層
の順に積層形成された多層膜を有する磁気検出素子にお
いて、前記フリー磁性層の上面側の両側領域に第2反強
磁性層が形成され、トラック幅方向における前記第2反
強磁性層間には非磁性層が設けられ、少なくとも前記フ
リー磁性層のトラック幅方向における両側端面の一部に
はハードバイアス層が対向して設けられていることを特
徴するものである。
【0015】本発明の磁気検出素子は、前記フリー磁性
層の上面側に第2反強磁性層が設けられ、しかも前記フ
リー磁性層のトラック幅方向における両側端面の一部に
ハードバイアス層が対向して設けられている。
【0016】これによって前記フリー磁性層の両側領域
の磁化を、前記第2反強磁性層との間で発生する交換結
合磁界と、ハードバイアス層からの縦バイアス磁界との
相乗効果によって、適切にトラック幅方向に単磁区化し
固定することができる。従って従来のように、前記フリ
ー磁性層の単磁区化を、ハードバイアス層からの縦バイ
アス磁界のみで、あるいは第2反強磁性層との間で発生
する交換結合磁界のみで行っていた場合に比べて、前記
フリー磁性層の両側領域の磁化の固定状態を安定して得
ることが可能になっている。
【0017】またフリー磁性層は、従来のハードバイア
ス方式の場合に比べてトラック幅Twよりも幅方向に長
く延ばされて形成されるので、今後の高記録密度化に伴
い狭トラック化を促進しても、ハードバイアス層を設け
たことによる不感領域の割合が大きくなり、再生感度が
低下するなどの問題も生じない。
【0018】以上のように本発明によれば従来に比べて
前記フリー磁性層の両側領域を適切にトラック幅方向に
磁化固定できるから、従来に比べて狭トラック化におい
ても、サイドリーディングの発生を抑制でき、またオフ
トラック特性の安定性など再生特性の向上を適切に図る
ことができる。
【0019】また本発明では、前記第2反強磁性層間に
非磁性層が設けられているが、これによって前記非磁性
層下の層を酸化から適切に保護できるとともに、前記第
2反強磁性層との間で発生する交換結合磁界を所定の大
きさに強めることができ、より適切に前記フリー磁性層
の両側領域の磁化を固定することができる。
【0020】また本発明では、前記フリー磁性層上には
第3反強磁性層が形成され、前記第2反強磁性層は前記
第3反強磁性層の両側領域上から前記ハードバイアス層
上にかけて形成されていることが好ましい。また前記第
3反強磁性層は20Å以上で50Å以下の膜厚で形成さ
れることが好ましい。
【0021】前記第3反強磁性層は、その両側領域上に
形成された第2反強磁性層と一体の反強磁性層として機
能する一方、前記第3反強磁性層の中央部では50Å以
下の薄い膜厚で形成されているから非反強磁性の性質と
なり、前記第3反強磁性層の両側領域とフリー磁性層間
にのみ適切な大きさの交換結合磁界が生じ、前記フリー
磁性層の両側領域を前記交換結合磁界とハードバイアス
層からの縦バイアス磁界により適切にトラック幅方向に
磁化固定することができる。
【0022】また本発明では、前記フリー磁性層の両側
領域上に形成された第2反強磁性層と第3反強磁性層の
間には非磁性元素が介在していてもよい。前記非磁性層
あるいは非磁性元素は、Ru、Re、Pd、Os、I
r、Pt、Au、Rh、Crのうち1種または2種以上
で構成されることが好ましい。
【0023】また本発明では、少なくとも前記フリー磁
性層及びハードバイアス層と、第2反強磁性層との間に
は強磁性層が形成されていてもよい。この発明では、前
記第2反強磁性層と強磁性層の両側領域間で適切な大き
さの交換結合磁界を生じさせ、前記強磁性層との交換相
互作用とハードバイアス層からの縦バイアス磁界により
前記フリー磁性層の両側領域を適切にトラック幅方向に
磁化固定することができる。
【0024】また本発明では、前記第2反強磁性層上に
は電極層が形成されていることが好ましい。
【0025】また本発明では、前記第2反強磁性層は前
記フリー磁性層の両側領域上に形成され、前記ハードバ
イアス層は、前記多層膜及び前記第2反強磁性層のトラ
ック幅方向における両側端面に対向して形成されていて
もよい。かかる形態でも、前記フリー磁性層の両側領域
を、前記第2反強磁性層との交換結合磁界とハードバイ
アス層からの縦バイアス磁界とで適切にトラック幅方向
に磁化固定することができる。
【0026】また本発明では、前記ハードバイアス層上
には電極層が形成され、前記電極層は前記第2反強磁性
層上にまで延出して形成されていることが、前記両側領
域の多層膜へのセンス電流の分流比を抑制し、サイドリ
ーディングをより効果的に抑制するとともに、再生出力
の向上を図ることができて好ましい。
【0027】また本発明では、下から前記フリー磁性
層、非磁性材料層、固定磁性層及び前記第1反強磁性層
の順に積層形成された多層膜を有する磁気検出素子にお
おいて、第2反強磁性層は、前記フリー磁性層下の両側
領域から、前記フリー磁性層のトラック幅方向における
両側端面よりもさらにトラック幅方向に延出して形成さ
れ、ハードバイアス層は、延出形成された前記第2反強
磁性層上から少なくとも前記フリー磁性層のトラック幅
方向における両側端面の一部に対向する位置まで設けら
れることを特徴とするものである。
【0028】かかる形態でも、前記フリー磁性層の両側
領域を、前記第2反強磁性層との交換結合磁界とハード
バイアス層からの縦バイアス磁界とで適切にトラック幅
方向に磁化固定することができる。
【0029】また前記フリー磁性層の両側領域と第2反
強磁性層間には強磁性層が設けられることが好ましい。
【0030】また前記ハードバイアス層上には電極層が
重ねて形成されていることが好ましい。
【0031】また前記電極層は前記第1反強磁性層の両
側領域上にまで延出して形成され、前記電極層間のトラ
ック幅方向における間隔は、前記第2反強磁性層のトラ
ック幅方向における間隔と同じかあるいはそれよりも狭
いことが、前記両側領域と重なる多層膜部分へのセンス
電流の分流比を抑えるとともに感度領域全体にセンス電
流を流すことができ、サイドリーディングをより効果的
に抑制するとともに再生出力を向上できて好ましい。
【0032】また前記電極層は、前記多層膜の膜厚方向
の上下に形成されていてもよい。また本発明における磁
気検出素子の製造方法は、以下の工程を有することを特
徴とするものである。 (a)下から第1反強磁性層と、固定磁性層と、非磁性
材料層と、フリー磁性層と、非磁性層とを有する多層膜
を形成する工程と、(b)前記多層膜のトラック幅方向
における両側領域を削り、前記多層膜の両側にハードバ
イアス層を形成する工程と、(c)前記フリー磁性層の
トラック幅方向における両側領域上の前記非磁性層を削
り、前記両側領域上からハードバイアス層上にかけて第
2反強磁性層及び電極層を重ねて形成する工程。
【0033】上記した製造方法によって、前記フリー磁
性層のトラック幅方向における両側端面にハードバイア
ス層を形成でき、且つ前記フリー磁性層のトラック幅方
向における両側領域上に第2反強磁性層を形成でき、前
記フリー磁性層の両側領域を、前記第2反強磁性層との
交換結合磁界とハードバイアス層からの縦バイアス磁界
とで適切にトラック幅方向に磁化固定することができ
る。
【0034】また前記フリー磁性層上に非磁性層を形成
することで前記フリー磁性層を適切に酸化から防止でき
るとともに、前記(c)工程で非磁性層の両側領域を削
ることで、前記フリー磁性層と第2反強磁性層間に適切
な大きさの交換結合磁界を生じさせることができる。
【0035】また本発明では、前記(a)工程で、前記
フリー磁性層上に第3反強磁性層及び非磁性層を形成し
て多層膜を構成し、前記(c)工程で第2反強磁性層を
形成する前に、少なくとも前記第3反強磁性層の両側領
域上に形成された非磁性層を削り、前記(c)工程で前
記第3反強磁性層の両側領域上から前記ハードバイアス
層上にかけて第2反強磁性層及び電極層を重ねて形成す
ることが好ましい。このとき前記第3反強磁性層を20
Å以上で50Å以下の膜厚で形成することが好ましい。
【0036】前記第3反強磁性層は50Å以下の薄い膜
厚で形成されており、前記第3反強磁性層の両側領域で
はその上に重ねて形成された第2反強磁性層と一体の反
強磁性層として機能するが、前記第3反強磁性層の中央
領域は、非反強磁性であり、前記第3反強磁性層の両側
領域とフリー磁性層の両側領域間でのみ交換結合磁界が
生じ、前記フリー磁性層の両側領域を適切にトラック幅
方向に磁化固定できると共に、前記フリー磁性層の中央
領域を外部磁界に対し磁化反転できる程度に弱く単磁区
化することができる。
【0037】また本発明では、前記(c)工程で第2反
強磁性層を形成する前に、前記第3反強磁性層上に形成
された非磁性層を削り、前記(c)工程で前記第3反強
磁性層上からハードバイアス層上にかけて第2反強磁性
層及び電極層を形成した後、前記第3反強磁性層の両側
領域上に前記第2反強磁性層及び電極層が残るように、
前記第2反強磁性層及び電極層のトラック幅方向におけ
る中央部を削ってもよい。
【0038】また本発明では、前記(c)工程で前記フ
リー磁性層の両側領域上から前記ハードバイアス層上に
かけて強磁性層、第2反強磁性層及び電極層を重ねて形
成してもよい。
【0039】この製造方法では、前記第2反強磁性層と
強磁性層の両側領域間で適切な大きさの交換結合磁界を
生じさせ、前記強磁性層との交換相互作用とハードバイ
アス層からの縦バイアス磁界により前記フリー磁性層の
両側領域を適切にトラック幅方向に磁化固定することが
できる。
【0040】また本発明では、前記(c)工程で前記フ
リー磁性層上からハードバイアス層上にかけて強磁性
層、第2反強磁性層及び電極層を形成した後、前記フリ
ー磁性層の両側領域上に前記第2反強磁性層及び電極層
が残るように、前記第2反強磁性層及び電極層のトラッ
ク幅方向における中央部を削ってもよい。
【0041】また本発明では、前記非磁性層を、Ru、
Re、Pd、Os、Ir、Pt、Au、Rh、Crのう
ち1種または2種以上の合金で形成することが好まし
い。また前記非磁性層を3Å以上で10Å以下の膜厚で
形成することが好ましい。
【0042】前記非磁性層はその下に形成された多層膜
を保護する役割を有しているがRuなどで形成された非
磁性層は、非常に薄い膜厚でも保護層として充分に機能
し、前記非磁性層を薄くできることで、この非磁性層を
削る工程で、低エネルギーのイオンミリングを使用で
き、従って前記イオンミリングの影響は前記非磁性層下
の多層膜にとって非常に小さく、より再生特性に優れた
磁気検出素子を製造することが可能になる。
【0043】または本発明の磁気検出素子の製造方法
は、以下の工程を有することを特徴とするものである。 (d)トラック幅方向に所定の間隔を開けた第2反強磁
性層を形成する工程と、(e)前記第2反強磁性層上に
強磁性層及び非磁性層を形成し、前記非磁性層を削った
後、前記強磁性層上からトラック幅方向の前記強磁性層
間にかけて下から、フリー磁性層と、非磁性材料層と、
固定磁性層と、第1反強磁性層とを有する多層膜を形成
する工程と、(f)前記多層膜及び強磁性層のトラック
幅方向における両側領域を削り、前記第2反強磁性層上
から多層膜の両側にハードバイアス層及び電極層を重ね
て形成する工程。
【0044】上記した製造方法によって、前記フリー磁
性層のトラック幅方向における両側端面にハードバイア
ス層を形成でき、且つ前記フリー磁性層のトラック幅方
向における両側領域下に第2反強磁性層を形成でき、前
記フリー磁性層の両側領域を、前記第2反強磁性層との
交換結合磁界とハードバイアス層からの縦バイアス磁界
とで適切にトラック幅方向に磁化固定することができ
る。
【0045】また本発明では、前記(f)工程で、前記
電極層を前記多層膜のトラック幅方向の両側領域上にま
で延出して形成し、このとき、前記電極層間のトラック
幅方向における間隔を、前記第2反強磁性層のトラック
幅方向における間隔と同じかあるいはそれよりも狭くす
ることが好ましい。これにより前記両側領域と重なる部
分の多層膜へのセンス電流の分流比を抑えるとともに感
度領域全体に適切にセンス電流を流すことができ、サイ
ドリーディングをより効果的に抑制できるとともに再生
出力の高い磁気検出素子を製造することができる。
【0046】
【発明の実施の形態】図1は、本発明の第1の実施の形
態の磁気検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分
断面図である。
【0047】図1に示す磁気検出素子は、例えばハード
ディスク装置などに搭載される磁気ヘッドのMRヘッド
の一部として形成される。
【0048】図1の磁気検出素子の多層膜10は、基板
11上に第1の反強磁性層12が積層され、さらに第1
固定磁性層13a、非磁性中間層13b、第2固定磁性
層13cからなるシンセティックフェリピンド型の固定
磁性層13、非磁性材料層14、フリー磁性層15、第
3反強磁性層16がスパッタ法や蒸着法などの薄膜形成
プロセスによって成膜されたものである。
【0049】前記基板11は、例えばNiFe合金など
の磁性材料で形成された下部シールド層とAl23など
の絶縁材料で形成された下部ギャップ層との積層体であ
る。
【0050】第1の反強磁性層12は、PtMn合金、
または、X―Mn(ただしXは、Pd,Ir,Rh,R
u,Os,Ni,Feのいずれか1種または2種以上の
元素である)合金で、あるいはPt―Mn―X′(ただ
しX′は、Pd,Ir,Rh,Ru,Au,Ag,O
s,Cr,Ni,Ar,Ne,Xe,Krのいずれか1
または2種以上の元素である)合金で形成される。
【0051】第1の反強磁性層12として、これらの合
金を使用し、これを熱処理することにより、大きな交換
結合磁界を発生する第1の反強磁性層12を得ることが
できる。特に、PtMn合金であれば、強磁性層との間
に、48kA/m以上、例えば64kA/mを越える交
換結合磁界を有し、前記交換結合磁界を失うブロッキン
グ温度が380℃と極めて高い優れた第1の反強磁性層
12を得ることができる。
【0052】これらの合金は、成膜直後の状態では、不
規則系の面心立方構造(fcc)であるが、熱処理によ
ってCuAuI型の規則型の面心正方構造(fct)に
構造変態する。
【0053】第1の反強磁性層12の膜厚は80〜30
0Å、例えば200Åである。ここで、第1の反強磁性
層12を形成するための、前記PtMn合金及び前記X
−Mnの式で示される合金において、PtあるいはXが
37〜63at%の範囲であることが好ましい。また、
Pt−Mn−X’の式で示される合金において、X’+
Ptが37〜63at%の範囲であることが好ましい。
さらに、前記Pt−Mn−X’の式で示される合金にお
いて、X’が0.2〜10at%の範囲であることが好
ましい。ただし、X’がPd,Ir,Rh,Ru,O
s,Ni,Feのいずれか1種または2種以上の元素で
ある場合には、X’は0.2〜40at%の範囲である
ことが好ましい。特に規定しない限り、〜で示す数値範
囲の上限と下限は以下、以上を意味する。
【0054】第1固定磁性層13a及び第2固定磁性層
13cは、強磁性材料により形成されるもので、例えば
NiFe合金、Co、CoNiFe合金、CoFe合
金、CoNi合金などにより形成されるものであり、特
にCoFe合金またはCoFeNi、CoFeCrなど
Coを含んだ磁性材料により形成されることが好まし
い。また、第1固定磁性層13a及び第2固定磁性層1
3cは同一の材料で形成されることが好ましい。また前
記第1固定磁性層13a及び第2固定磁性層13cは単
層の磁性材料層でなくてもよく複数の磁性層が積層され
て形成されたものでもよい。
【0055】また、非磁性中間層13bは、非磁性材料
により形成されるもので、Ru、Rh、Ir、Cr、R
e、Cuのうち1種またはこれらの2種以上の合金で形
成されている。特にRuによって形成されることが好ま
しい。
【0056】なおこの実施形態において、固定磁性層1
3は積層フェリ構造であるが、磁性材料の単層構造、あ
るいは多層構造で形成されていてもかまわない。また第
2固定磁性層13cと非磁性材料層14の間にCoなど
からなる拡散防止層が形成されていてもよい。この拡散
防止層は第2固定磁性層13cと非磁性材料層14の相
互拡散を防止する。
【0057】なおこの実施形態においては、第1の固定
磁性層13aの磁化は図示Y方向に固定され、第2の固
定磁性層13cの磁化は図示Y方向と逆方向に固定され
ている。
【0058】非磁性材料層14は、固定磁性層13とフ
リー磁性層15との磁気的な結合を防止し、またセンス
電流が主に流れる層であり、Cu,Cr,Au,Agな
ど導電性を有する非磁性材料により形成されることが好
ましい。特にCuによって形成されることが好ましい。
【0059】フリー磁性層15は、強磁性材料により形
成されるもので、例えばNiFe合金、Co、CoNi
Fe合金、CoFe合金、CoNi合金などにより形成
されるものである。
【0060】前記第3反強磁性層16は、PtMn合
金、または、X―Mn(ただしXは、Pd,Ir,R
h,Ru,Os,Ni,Feのいずれか1種または2種
以上の元素である)合金で、あるいはPt―Mn―X′
(ただしX′は、Pd,Ir,Rh,Ru,Au,A
g,Os,Cr,Ni,Ar,Ne,Xe,Krのいず
れか1または2種以上の元素である)合金で形成される
ことが好ましい。前記第3反強磁性層16の膜厚は第1
反強磁性層12に比べて薄く、20Å以上で50Å以下
であることが好ましい。
【0061】図1に示す実施形態では、前記多層膜10
のトラック幅方向(図示X方向)における両側端面10
a、10aがエッチングで削られ、前記両側端面10a
は、前記多層膜10のトラック幅方向(図示X方向)に
おける幅寸法が下方から上方に向けて徐々に小さくなる
傾斜面あるいは湾曲面として形成される。
【0062】図1に示すように、前記多層膜10の幅寸
法よりもトラック幅方向に延出形成された基板11上か
ら前記多層膜10の両側端面10a上にかけてバイアス
下地層17が形成され、前記バイアス下地層17上にハ
ードバイアス層18が形成される。前記バイアス下地層
17はCrあるいはWで形成される。また前記ハードバ
イアス層18はCoPt合金やCoPtCr合金などの
永久磁石膜で形成される。
【0063】前記ハードバイアス層18は、少なくとも
前記フリー磁性層15の両側端面10aの一部にトラッ
ク幅方向(図示X方向)で対向するように形成されてい
ればよい。
【0064】図1に示すように前記ハードバイアス層1
8上には分離層19が形成される。前記分離層19はC
rやTaなどで形成される。
【0065】図1に示す実施形態では、前記多層膜10
の中央領域上に非磁性層20が形成され、前記多層膜1
0の両側領域上から前記分離層19上にかけて第2反強
磁性層21が形成されている。
【0066】前記非磁性層20は、Ru、Re、Pd、
Os、Ir、Pt、Au、Rh、Crのうち1種または
2種以上の合金で形成されることが好ましい。また前記
第2反強磁性層21は、PtMn合金、または、X―M
n(ただしXは、Pd,Ir,Rh,Ru,Os,N
i,Feのいずれか1種または2種以上の元素である)
合金で、あるいはPt―Mn―X′(ただしX′は、P
d,Ir,Rh,Ru,Au,Ag,Os,Cr,N
i,Ar,Ne,Xe,Krのいずれか1または2種以
上の元素である)合金で形成されることが好ましい。
【0067】前記第2反強磁性層21のトラック幅方向
(図示X方向)における底辺の間隔でトラック幅Twが
規定される。前記トラック幅Twはハードディスクドラ
イブの製品スペック(トラック密度)にもよるが例えば
0.15μm〜0.2μm程度である。
【0068】図1に示す実施形態では前記第2反強磁性
層21上に電極層22が形成される。前記電極層22
は、例えばAu、W、Cr、Taなどで形成される。
【0069】また図1には図示されていないが、前記電
極層22上から非磁性層20上にかけて絶縁材料で形成
された上部ギャップ層が形成され、さらにその上に磁性
材料の上部シールド層が形成される。
【0070】図1に示す磁気検出素子の特徴的部分につ
いて説明する。図1に示す磁気検出素子では、前記フリ
ー磁性層15のトラック幅方向における幅寸法をトラッ
ク幅Twよりも延ばして形成し、その延ばされた前記フ
リー磁性層15の両側領域15a上に、第3反強磁性層
16と第2の反強磁性層21とを積層した構造とするこ
とで、前記第3反強磁性層16と第2反強磁性層21を
一体の反強磁性層として機能させ、前記フリー磁性層1
5の両側領域15aと前記第3反強磁性層16間に交換
結合磁界を発生させ、さらに前記フリー磁性層15のト
ラック幅方向(図示X方向)の両側にハードバイアス層
18を対向させ、このハードバイアス層18から前記フ
リー磁性層15の両側領域15aに縦バイアス磁界を供
給することで、前記両側領域15aでの単磁区化構造を
促進し、磁化の固定状態を安定して得ることが可能にな
っている。
【0071】すなわち図1に示す実施形態では、前記フ
リー磁性層15の両側領域15aの磁化を、前記第2反
強磁性層21と重ねられた部分の第3反強磁性層16と
の間で発生する交換結合磁界と、ハードバイアス層18
からの縦バイアス磁界との相乗効果によって、適切に図
示X方向に単磁区化し固定することができる。従って従
来のように、前記フリー磁性層15の単磁区化を、ハー
ドバイアス層18からの縦バイアス磁界のみで、あるい
は第2反強磁性層21との間で発生する交換結合磁界の
みで行っていた場合に比べて、前記フリー磁性層15の
両側領域15aの磁化の固定状態を安定して得ることが
可能になっている。
【0072】よって図1に示す実施形態では、従来に比
べて狭トラック化においても、サイドリーディングの発
生を抑制でき、またオフトラック特性の安定性など再生
特性の向上を適切に図ることができる。
【0073】また図1に示す実施形態では前記フリー磁
性層15のトラック幅方向(図示X方向)における幅寸
法を、トラック幅Twよりも充分に長く形成するので、
前記フリー磁性層15の両側にトラック幅方向に対向し
て形成されたハードバイアス層18からの縦バイアス磁
界の供給によって設定される不感領域(実質的に磁気抵
抗効果に寄与しない領域)を、トラック幅Tw領域(中
央領域)を除いたフリー磁性層15の両側領域15a領
域と同程度かあるいはそれよりも小さい領域に設定しや
すい。そのためトラック幅Tw領域を再生感度に優れた
感度領域として適切に機能させ、再生出力の大きい磁気
検出素子を製造することが可能になる。
【0074】なお前記フリー磁性層15のトラック幅方
向への幅寸法は0.2μm〜0.5μm程度であること
が好ましく、これよりも前記トラック幅Twを狭く形成
するため、前記フリー磁性層15のトラック幅方向(図
示X方向)における幅寸法を短く形成すると上記した不
感領域が全体の中で大きな割合を占めるため再生出力の
低下に繋がり好ましくない。なお図1に示す「トラック
幅Tw」とは、光学的顕微鏡によって測定された光学的
トラック幅(O-Tw)のことである。
【0075】次に、第2反強磁性層21の多層膜10上
にオーバーラップしている長さ(これをオーバーラップ
長という)T1と上記した「不感領域」との関係につい
て以下に説明する。
【0076】前記不感領域は、フルトラックプロファイ
ル法やマイクロトラックプロファイル法によって測定さ
れる。測定に使用される磁気検出素子は、多層膜10の
両側にハードバイアス層18は形成されているが前記第
2反強磁性層21は形成されていない形状である。
【0077】フルトラックプロファイル法は、図10に
示すように記録媒体上に磁気検出素子Rの素子幅よりも
幅広の記録トラック幅Wwの記録トラックで信号を記録
しておき、磁気検出素子Rを、記録トラック上でトラッ
ク幅方向(X方向)に走査させて、磁気検出素子Rの記
録トラック幅方向(X方向)の位置と再生出力との関係
を測定する。その測定結果は、図10の上側に示されて
いる。
【0078】この測定結果の再生波形を見ると、記録ト
ラックの中央付近では、再生出力が高くなり、記録トラ
ックの中央から離れるにつれて再生出力は低くなること
がわかる。
【0079】再生波形上の再生出力が最大値の50%と
なる点Pa及び点Pbにおける接線とX軸との交点を、
それぞれ点Pc、点Pdとする。点Pcと点Pdの間の
距離Aと点Paと点Pb間の距離(半値幅)Bの差(R
W)が磁気検出素子の実効再生トラック幅となる。ここ
で、半値幅B=実効記録トラック幅Wwとなる。
【0080】実効再生トラック幅は実際にトラック幅と
して機能する幅寸法である。従って前記実効再生トラッ
ク幅と光学的なトラック幅O−Twとがイコールの関係
にあれば最も好ましい。
【0081】図1に示すフリー磁性層15のトラック幅
方向(図示X方向)における幅寸法から上記した実効再
生トラック幅(Rw)を引いた領域が不感領域として設
定されるが、図1に示す実施形態では前記不感領域のフ
リー磁性層15の磁化を適切に磁化固定するために、前
記不感領域のトラック幅方向における幅寸法と前記第2
反強磁性層21のオーバーラップ長T1とを一致させる
か、あるいは前記オーバーラップ長T1を前記不感領域
のトラック幅方向における幅寸法より若干長めに形成す
ることが好ましい。これにより前記フリー磁性層15内
の不感領域を確実に磁化固定でき、すなわち磁気的に殺
すことができ、実効再生トラック幅Twの広がりも従来
より、より適切に抑えることができ、サイドリーディン
グの発生を抑制することが可能な磁気検出素子を製造す
ることができる。一例を挙げると、前記フリー磁性層の
トラック幅方向における幅寸法は0.4μmで、オーバ
ーラップ長T1が0.13μmである。
【0082】次に図1に示す磁気検出素子では、前記フ
リー磁性層15の上面全体に第3反強磁性層16が形成
されており、前記第3反強磁性層16の両側領域上に第
2反強磁性層21が形成されている。上記したように前
記第3反強磁性層16の膜厚は20Å以上で50Å以下
であり、第1反強磁性層12に比べて非常に薄い膜厚で
ある。その理由は、後述する製造方法にあるように、前
記第3反強磁性層16の膜厚が厚いと、固定磁性層13
と第1反強磁性層12との間で交換結合磁界を生じさせ
るための1回目の磁場中アニールによって、前記第3反
強磁性層16とフリー磁性層15間にも交換結合磁界が
生じてしまい、前記フリー磁性層15の全体が磁化固定
されやすくなるからである。
【0083】従って図1に示す実施形態では前記第3反
強磁性層16の膜厚は20Å以上で50Å以下の薄い膜
厚で形成されている。なお前記第3反強磁性層16の膜
厚が20Å以上ないと、前記第3反強磁性層16の両側
領域はその上に第2反強磁性層21が形成されても反強
磁性の性質が弱く、前記第3反強磁性層16の両側端部
とフリー磁性層15の両側領域15a間で大きな交換結
合磁界が発生せず、前記フリー磁性層15の両側領域1
5aをトラック幅方向に強固に固定できないからであ
る。
【0084】なお前記フリー磁性層15の両側領域15
a上における第3反強磁性層16と第2反強磁性層21
との膜厚を合わせた総合膜厚は、80Å〜300Åであ
ることが好ましい。この程度の厚い膜厚であると磁場中
アニールを施すことで、前記第3反強磁性層16の両側
領域と第2反強磁性層21とが一体の反強磁性層として
反強磁性を帯び、前記第3反強磁性層16の両側領域と
フリー磁性層15の両側領域15aとの間で適切な大き
さの交換結合磁界を生じさせ、前記フリー磁性層15の
両側領域15aを適切にトラック幅方向に磁化固定する
ことができる。
【0085】次にハードバイアス層18の形成位置であ
るが、図1に示す形態では、前記ハードバイアス層18
の内側先端部18aが、フリー磁性層15の両側にトラ
ック幅方向に完全に対向して形成されているが、少なく
とも前記内側先端部18aが、前記フリー磁性層15の
両側の一部にトラック幅方向に対向した状態であればよ
い。ただし図1のように、前記内側先端部18aが前記
フリー磁性層15の両側を完全に覆った方が、前記ハー
ドバイアス層18からの縦バイアス磁界が前記フリー磁
性層15の両側から確実に供給され、前記第3反強磁性
層16との間で発生する交換結合磁界によって前記フリ
ー磁性層15の両側領域15aを適切に磁化固定できて
好ましい。
【0086】また図1に示す実施形態では、前記ハード
バイアス層18の下にCrなどで形成された配向膜とし
てのバイアス下地層17が形成されている。前記バイア
ス下地層17は、少なくとも多層膜10よりもトラック
幅方向(図示X方向)に延出形成された基板11上に形
成されていることが必要である。前記バイアス下地層1
7を設けることで前記ハードバイアス層18の角形比や
保磁力を向上させることができることがわかっている。
【0087】前記バイアス下地層17は図1に示すよう
に多層膜10の両側端面10a上にまで形成されていて
もよい。ただし前記フリー磁性層15とハードバイアス
層18間にバイアス下地層17が介在していると、前記
フリー磁性層15とハードバイアス層18とが磁気的な
連続体とならないため、前記フリー磁性層15のトラッ
ク幅方向における両側領域15aの磁化は、反磁界の影
響で乱れて磁壁が生じるという磁化不連続現象、いわゆ
るバックリング現象が起こりやすいという問題がある。
図1に示す実施形態では、前記フリー磁性層15のトラ
ック幅方向における幅寸法がトラック幅Twより充分に
延ばされて形成されているので、上記したバックリング
現象はさほど問題とならないかもしれないが、より確実
にバックリング現象を抑え再生特性の向上を図るため
に、前記多層膜10の両側端面10a、特にフリー磁性
層15の両側端面に前記バイアス下地層17が形成され
ていなくてもよい。
【0088】また図1に示す実施形態では、前記ハード
バイアス層18と第2反強磁性層21との間に分離層1
9が形成されている。前記分離層19はCrやTaなど
で形成されるが、前記分離層19は前記ハードバイアス
層18を酸化等から防止する保護層としての役割と、前
記第2反強磁性層21とハードバイアス層18間の磁気
的作用を遮断するためのものである。
【0089】また図1に示す実施形態では、前記第2反
強磁性層21と電極層22とのトラック幅方向(図示X
方向)における内側端面21a、22aが下方から上方
に向う(図示Z方向)にしたがって、徐々にトラック幅
方向における前記第2反強磁性層21間及び電極層22
間の間隔が広がる傾斜面あるいは湾曲面として形成され
る。これは後述する製造方法に起因するものである。な
お前記電極層22は前記第2反強磁性層21の内側端面
21a上にまで延出して形成されていてもよい。
【0090】また図1に示す実施形態では、多層膜10
上であって、トラック幅方向(図示X方向)における前
記第2反強磁性層21間に非磁性層20が形成されてい
る。前記非磁性層20はRuなどの非磁性材料で形成さ
れるが、この非磁性層20は図1に示す磁気検出素子を
形成する際に、前記第3反強磁性層16を酸化から防止
する保護層として機能している。前記非磁性層20の膜
厚は薄く5Å以上10Å以下である。なおこの非磁性層
20は、前記第2反強磁性層21と第3反強磁性層16
間に介在していてもよいが、その膜厚は3Å以下と非常
に薄い。またこの程度にまで前記非磁性層20の膜厚を
薄くすることで前記第3反強磁性層16の両側領域に適
切に反強磁性を帯びさせることができ、前記第3反強磁
性層16とフリー磁性層15の両側領域15a間に所定
の大きさの交換結合磁界を生じさせることができる。
【0091】また前記フリー磁性層15の両側領域15
a上に形成された第2反強磁性層21と第3反強磁性層
16の間に前記非磁性層20が残っていなくても、SI
MS分析装置などで測定することで前記第2反強磁性層
21と第3反強磁性層16の間に非磁性元素が介在して
いる場合がある。このように非磁性元素が介在している
ことは本発明の製造方法を使用したことを意味する。
【0092】図2は本発明における第2実施形態の磁気
検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図で
ある。
【0093】図2に示す実施形態においても、図1に示
す実施形態と同様に、前記フリー磁性層15の両側領域
15aの磁化を、前記第2反強磁性層21と重ねられた
部分の第3反強磁性層16の両側領域との間で発生する
交換結合磁界と、ハードバイアス層18からの縦バイア
ス磁界との相乗効果によって、適切に図示X方向に単磁
区化し固定することができる。従って従来のように、前
記フリー磁性層15の単磁区化を、ハードバイアス層1
8からの縦バイアス磁界のみで、あるいは第2反強磁性
層21との間で発生する交換結合磁界のみで行っていた
場合に比べて、前記フリー磁性層15の両側領域15a
の磁化の固定状態を安定して得ることが可能になってい
る。
【0094】図2に示す実施形態は図1と異なり、多層
膜10上であって、トラック幅方向(図示X方向)にお
ける第2反強磁性層21間に非磁性層20は設けられて
いない。前記非磁性層20は設けられていてもよいが、
かかる場合、点線で示すように、前記非磁性層20は前
記第3反強磁性層16の上面全体に設けられ、前記第3
反強磁性層16と第2反強磁性層21間にも若干介在す
る。そして前記非磁性層20の膜厚は0Åよりも大きく
3Å以下である。前記非磁性層20の膜厚が3Å以下で
あることにより前記第3反強磁性層16の両側領域と第
2反強磁性層21とが一体の反強磁性層として反強磁性
を帯び、両側領域での前記第3反強磁性層16とフリー
磁性層15間に適切な大きさの交換結合磁界を生じさせ
ることができる。
【0095】また図1に示す実施形態では、前記第2反
強磁性層21は、多層膜10の中央領域上には全く形成
されていなかったが、図2に示す実施形態では前記第2
反強磁性層21は前記多層膜10の中央領域上に薄い膜
厚で形成されていてもよい。図2では、その領域を一点
鎖線で示している。この一点鎖線で示された第2反強磁
性層21bの膜厚は、その下に形成された第3反強磁性
層16の膜厚と合わせて50Å以下になるように設定さ
れる。多層膜10の中央領域上に50Åより厚い膜厚の
反強磁性層が存在すると、前記フリー磁性層15の中央
領域15bとの間で大きな交換結合磁界が発生してしま
い、前記フリー磁性層15の中央領域15bを外部磁界
に対し磁化反転できる程度に弱く単磁区化できず、再生
出力の低下に繋がる。
【0096】図2に示す磁気検出素子は、図1に示す磁
気検出素子と異なる製造方法によっって得られたもので
ある。図2に示す実施形態では、前記第2反強磁性層2
1及び電極層22の内側端面21a、22aは、下方か
ら上方に向う(図示Z方向)にしたがって、トラック幅
方向(図示X方向)における前記第2反強磁性層21間
及び電極層22間の間隔が徐々に広がる傾斜面あるいは
湾曲面として形成されているが、前記内側端面21a、
22aは基板11表面に対し垂直方向(図示Z方向)と
平行な方向に形成されていてもかまわない。
【0097】図3は本発明の第3実施形態の磁気検出素
子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図である。
【0098】図3に示す実施形態は、図1に示す実施形
態とよく似ているが、図3には前記フリー磁性層15上
に第3反強磁性層16は形成されていない。図3に示す
実施形態では、前記フリー磁性層15の中央領域15b
上に非磁性層20が形成され、この非磁性層20のトラ
ック幅方向(図示X方向)における両側端部から前記フ
リー磁性層15上及びハードバイアス層18上に形成さ
れた分離層19上にかけて強磁性層30が形成されてい
る。そして前記強磁性層30上に第2反強磁性層21及
び電極層22が形成されている。
【0099】図3に示す実施形態では、前記第2反強磁
性層21と前記強磁性層30との間で交換結合磁界が生
じる。そうすると前記強磁性層30はトラック幅方向に
磁化固定される。そして前記フリー磁性層15の両側領
域15aは、強磁性層30間での交換相互作用と、ハー
ドバイアス層18からの縦バイアス磁界との相乗効果に
よって、適切に図示X方向に単磁区化し固定される。従
って従来のように、前記フリー磁性層15の単磁区化
を、ハードバイアス層18からの縦バイアス磁界のみ
で、あるいは第2反強磁性層21との間で発生する交換
結合磁界のみで行っていた場合に比べて、前記フリー磁
性層15の両側領域15aの磁化の固定状態を安定して
得ることが可能になっている。
【0100】なお上記説明した以外の部分については図
1に示す実施形態と同様であるのでそちらを参照された
い。
【0101】図4は、本発明における第4実施形態の磁
気検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図
である。
【0102】図4に示す実施形態は、図2に示す実施形
態とよく似ているが、図4には前記フリー磁性層15上
に第3反強磁性層16は形成されていない。図4に示す
実施形態では、前記フリー磁性層15上から前記ハード
バイアス層18上の分離層19上にかけて強磁性層30
が形成され、多層膜10の中央領域上に所定の間隔(=
トラック幅Tw)を開けて、前記強磁性層30の上に第
2反強磁性層21及び電極層22が形成されている。
【0103】図4に示す実施形態では、両側領域及びハ
ードバイアス層18上における前記強磁性層30と第2
反強磁性層21間で交換結合磁界が生じる。そうすると
両側領域及びハードバイアス層18上の前記強磁性層3
0はトラック幅方向(図示X方向)に磁化固定される。
そして前記フリー磁性層15の両側領域15aは、強磁
性層30間での交換相互作用と、ハードバイアス層18
からの縦バイアス磁界との相乗効果によって、適切に図
示X方向に単磁区化し固定される。従って従来のよう
に、前記フリー磁性層15の単磁区化を、ハードバイア
ス層18からの縦バイアス磁界のみで、あるいは第2反
強磁性層21との間で発生する交換結合磁界のみで行っ
ていた場合に比べて、前記フリー磁性層15の両側領域
15aの磁化の固定状態を安定して得ることが可能にな
っている。
【0104】なお上記説明した以外の部分については図
2に示す実施形態と同様であるのでそちらを参照された
いが、図4に示す実施形態では前記強磁性層30は、多
層膜10の中央領域上にも形成されている。しかし前記
強磁性層30は前記多層膜10の中央領域上に形成され
ていなくてもよい。なお前記多層膜10の中央領域上に
前記強磁性層30が形成されていると、後述する製造方
法で説明するように、製造工程中に前記フリー磁性層1
5の中央領域15bがエッチングの影響を受けることは
なく、従って前記多層膜10の中央領域上にわずかで
も、すなわち両側領域やハードバイアス層18上に形成
された強磁性層30よりも薄い膜厚でも前記強磁性層3
0が形成されている方がよい。
【0105】また図4には前記フリー磁性層15上に非
磁性層20が形成されていないが、点線で示すように非
磁性層20が形成されていてもよい。前記非磁性層20
は、フリー磁性層15上全面に形成され、膜厚は3Å以
下である。
【0106】図5は本発明における第5実施形態の磁気
検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図で
ある。
【0107】図5に示す実施形態の多層膜10の構造
は、図1や図2と同じである。すなわち前記多層膜10
は、下から第1反強磁性層12、人工フェリ状態の固定
磁性層13、非磁性材料層14、フリー磁性層15及び
第3反強磁性層16の順で積層形成されている。
【0108】なお図3や図5と同様に、第3反強磁性層
16が形成されず、前記フリー磁性層15と第2反強磁
性層21との間に強磁性層30が形成された多層膜10
の構造であってもよい。
【0109】図5に示す実施形態は、前記多層膜10の
中央領域上に非磁性層20が形成され、前記多層膜10
の両側領域上に第2反強磁性層21が形成される。
【0110】図5に示す実施形態では、前記多層膜10
の両側端面10aと前記第2反強磁性層21の両側端面
21dとが連続面として形成され、図1ないし図4のよ
うに前記第2反強磁性層21が多層膜10よりもトラッ
ク幅方向(図示X方向)に延出して形成されていない。
【0111】そして図5に示す実施形態では、前記多層
膜10よりもトラック幅方向に延出形成された基板11
上から前記多層膜10及び第2反強磁性層21の両側端
面10a、21d上にかけてバイアス下地層17が形成
され、前記バイアス下地層17上にハードバイアス層1
8及び電極層22が形成されている。
【0112】図5に示す実施形態では、前記フリー磁性
層15の両側領域15aの磁化を、前記第2反強磁性層
21と重ねられた部分の第3反強磁性層16の両側領域
との間で発生する交換結合磁界と、ハードバイアス層1
8からの縦バイアス磁界との相乗効果によって、適切に
図示X方向に単磁区化し固定することができる。従って
従来のように、前記フリー磁性層15の単磁区化を、ハ
ードバイアス層18からの縦バイアス磁界のみで、ある
いは第2反強磁性層21との間で発生する交換結合磁界
のみで行っていた場合に比べて、前記フリー磁性層15
の両側領域15aの磁化の固定状態を安定して得ること
が可能になっている。
【0113】図5に示す実施形態では、前記電極層22
が前記ハードバイアス層18上のみに形成されている
が、後述する製造方法によって、前記電極層22の内側
先端部22bを前記第2反強磁性層21上にまで延ばし
て形成することができる。このとき前記ハードバイアス
層18上に形成された電極層22の内側先端部22cを
前記第2反強磁性層21上に形成された内側先端部22
bと電気的に接合させることが必要である。このように
電気的な接合が必要になる理由は、第2反強磁性層21
上に形成される電極層22の内側先端部22bと、ハー
ドバイアス層18上に形成される電極層22とが別々の
工程で形成されるからである。
【0114】なお前記電極層22の内側先端部22bを
前記第2反強磁性層21上にまで延出形成することで、
前記両側領域と重なる部分の多層膜10へのセンス電流
の分流比が少なくなり、よりサイドリーディングを効果
的に抑制できるとともに再生出力の向上を図ることが可
能である。
【0115】図6は本発明における第6実施形態の磁気
検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図で
ある。
【0116】符号31は下部シールド層であり、この下
部シールド層31の表面にトラック幅方向に間隔を開け
て一対の凹部31a,31aが形成されており、凹部3
1a,31aに挟まれた凸部31bの上面31b1上に
下部ギャップ層32及びシード層33が積層されてい
る。また、凹部31a,31a内には、絶縁層34,3
4が形成されており、凹部31a,31a内であって、
絶縁層34,34上に第2反強磁性層21,21が形成
されている。前記第2反強磁性層21,21上には、強
磁性層30,30及び非磁性層35、35が積層されて
いる。図6に示されるように、トラック幅方向における
第2反強磁性層21,21間の上面の間隔がトラック幅
Tw(光学的なトラック幅)となる。
【0117】さらに、非磁性層35、35上及びシード
層33上には、下から順に、フリー磁性層15、非磁性
材料層14、第2固定磁性層13c、非磁性中間層13
b、第1固定磁性層13aからなるシンセティックフェ
リピンド型の固定磁性層13、第1反強磁性層12及び
保護層38からなる多層膜40が積層されている。
【0118】図6に示す実施形態では、前記多層膜40
のトラック幅方向(図示X方向)における両側端面40
a、非磁性層35及び強磁性層30の両側端面35a、
30aがエッチングによって連続面として形成され、前
記両側端面40a、35a、30aは、前記多層膜40
のトラック幅方向における幅寸法が下方から上方に向う
にしたがって徐々に狭くなる傾斜面あるいは湾曲面とし
て形成される。
【0119】図6に示すように前記第2反強磁性層21
は、前記多層膜40の両側端面40aよりもトラック幅
方向(図示X方向)に長く延ばされて形成されており、
その延出形成された前記第2反強磁性層21上から前記
多層膜40、非磁性層35及び強磁性層30の両側端面
40a、35a、30a上にかけてバイアス下地層1
7、ハードバイアス層18及び電極層22が形成されて
いる。
【0120】図6に示す実施形態は図1ないし図5に示
す実施形態とは異なり、多層膜40の膜構造が、図1な
いし図5に示す多層膜10の逆積層構造となっている。
【0121】また図6において図1ないし図5と同じ符
号がつけられている層は図1ないし図5と同じ層を示し
ており、材質等については図1ないし図5で説明した通
りである。
【0122】なお図6に示す下部シールド層31は、N
iFeなどの磁性材料からなり、下部ギャップ層32や
絶縁層34、34はアルミナ(Al23)またはSiO
2などの絶縁性材料から形成されている。
【0123】前記シード層33は、結晶構造がbcc
(体心立方格子)構造の非磁性材料、例えばCrまたは
fcc(面心立方格子)構造のNiFeCr合金、また
は非晶質に近い構造のTaによって形成される。このシ
ード層33によって、その上に積層されるフリー磁性層
15の結晶配向を整え、フリー磁性層15の軟磁気特性
を向上させるとともに比抵抗を低下させることができ
る。
【0124】なお前記シード層33は図1ないし図5に
おいて、基板11と第1反強磁性層12間に設けられて
いてもよい。
【0125】図6に示す実施形態では、前記第2反強磁
性層21と前記強磁性層30との間で交換結合磁界が生
じる。そうすると前記強磁性層30はトラック幅方向
(図示X方向)に磁化固定される。そして前記フリー磁
性層15の両側領域15aは、強磁性層30間での交換
相互作用と、ハードバイアス層18からの縦バイアス磁
界との相乗効果によって、適切に図示X方向に単磁区化
し固定される。従って従来のように、前記フリー磁性層
15の単磁区化を、ハードバイアス層18からの縦バイ
アス磁界のみで、あるいは第2反強磁性層21との間で
発生する交換結合磁界のみで行っていた場合に比べて、
前記フリー磁性層15の両側領域15aの磁化の固定状
態を安定して得ることが可能になっている。
【0126】なお図6に示す実施形態では、強磁性層3
0、30と第2反強磁性層21、21の間に交換異方性
磁界が発生して、強磁性層30、30の磁化方向がトラ
ック幅方向(図示X方向)に固定されると、前記フリー
磁性層15の両側領域15aは、強磁性層30,30と
非磁性層35を介したRKKY相互作用または非磁性層
35に存在するピンホールを介した直接的交換相互作用
によって磁気的に結合して、フリー磁性層15が単磁区
化される。図1に示される磁気検出素子では、非磁性層
35の膜厚は6Å〜11Åであり、フリー磁性層15の
磁化方向はトラック幅方向(図示X方向)と反平行方向
を向いている。
【0127】ただし非磁性層35の膜厚を0.5Å〜6
Åにすることにより、フリー磁性層15の磁化方向を強
磁性層30の磁化方向と平行な方向に向かせることがで
きる。
【0128】また、第2反強磁性層21、21と下部シ
ールド層31の間に絶縁層34が設けられると、センス
電流の下部シールド層への分流損失を低減できる。
【0129】また図6に示す実施形態では、前記電極層
22の内側先端部22bが、前記多層膜40の両側端面
40aに接して形成され、前記多層膜40の上面にまで
オーバーラップして形成されていないが、図6の点線で
示すように、前記電極層22の内側先端部22bが、前
記多層膜40の上面にまでオーバーラップして形成され
ていてもよい。ただしこのとき、前記電極層22の内側
先端部22bの底辺間の間隔T2が、前記第2反強磁性
層21間の間隔(=トラック幅Tw)と同じかあるいは
それよりも狭いことが好ましい。これにより適切に前記
両側領域と重なる部分の多層膜40へのセンス電流の分
流比を抑制できるとともに、トラック幅Tw領域全体に
センス電流を適切に流すことができ、サイドリーディン
グをより効果的に抑制できるとともに再生出力の大きい
磁気検出素子を製造することが可能である。
【0130】図7は本発明における第7実施形態の磁気
検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図で
ある。
【0131】図7に示す実施形態は、図6とよく似た構
造であるが、図6では、強磁性層とフリー磁性層15間
に非磁性層35が存在していたが、図7には前記非磁性
層35が無い。そして図7では前記強磁性層30とフリ
ー磁性層15とが一体の強磁性層となっている。
【0132】図7に示す実施形態では、前記第2反強磁
性層21と前記フリー磁性層15の両側領域15a(前
記フリー磁性層15と一体となっているので区別できな
いが実際は、強磁性層30)との間で交換結合磁界が生
じる。そして前記フリー磁性層15の両側領域15a
は、前記交換結合磁界と、ハードバイアス層18からの
縦バイアス磁界との相乗効果によって、適切に図示X方
向に単磁区化し固定される。従って従来のように、前記
フリー磁性層15の単磁区化を、ハードバイアス層18
からの縦バイアス磁界のみで、あるいは第2反強磁性層
21との間で発生する交換結合磁界のみで行っていた場
合に比べて、前記フリー磁性層15の両側領域15aの
磁化の固定状態を安定して得ることが可能になってい
る。
【0133】図8は本発明における第8実施形態の磁気
検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図で
ある。
【0134】図8に示す実施形態は図6とよく似ている
が、特に第2反強磁性層21の形成位置が両者で異なっ
ている。
【0135】図8に示す実施形態では、下部シールド層
31、下部ギャップ層32が順次積層形成され、図8に
示すように前記下部ギャップ層32上には、一対の第2
反強磁性層21が互いに、トラック幅Twの間隔をあけ
て対向して形成されている。
【0136】図8に示すように第2反強磁性層21上に
は、強磁性層30及び非磁性層35が積層されている。
また前記非磁性層35上から第2反強磁性層21の内側
端面21a上、さらに下部ギャップ層32上にかけて、
下から順に、フリー磁性層15、非磁性材料層14、第
2固定磁性層13c、非磁性中間層13b、第1固定磁
性層13aからなるシンセティックフェリピンド型の固
定磁性層13、第1反強磁性層12、保護層38からな
る多層膜40が積層されている。
【0137】図8に示すように、トラック幅方向(図示
X方向)における前記多層膜40の両側端面40a、お
よび強磁性層30及び非磁性層35の両側端面30a、
35aはエッチングで削られた連続面であり、前記第2
反強磁性層21は前記多層膜40のトラック幅方向にお
ける幅寸法よりもさらにトラック幅方向に長く延ばされ
て形成されている。そしてこの延出形成された第2反強
磁性層21上から前記多層膜の内側端面上にかけてバイ
アス下地層17、ハードバイアス層18が形成され、前
記ハードバイアス層18上に電極層22が形成されてい
る。前記電極層22の内側先端部22bは前記多層膜4
0上にまでオーバーラップして形成されているが、前記
電極層22の内側先端部22bの底辺間の間隔T2は前
記トラック幅Twと同じかあるいは狭く形成されてい
る。
【0138】図8に示す実施形態では、前記第2反強磁
性層21と前記強磁性層30との間で交換結合磁界が生
じる。そうすると前記強磁性層30はトラック幅方向
(図示X方向)に磁化固定される。そして前記フリー磁
性層15の両側領域15aは、強磁性層30間での交換
相互作用と、ハードバイアス層18からの縦バイアス磁
界との相乗効果によって、適切に図示X方向に単磁区化
し固定される。従って従来のように、前記フリー磁性層
15の単磁区化を、ハードバイアス層18からの縦バイ
アス磁界のみで、あるいは第2反強磁性層21との間で
発生する交換結合磁界のみで行っていた場合に比べて、
前記フリー磁性層15の両側領域15aの磁化の固定状
態を安定して得ることが可能になっている。
【0139】図9は本発明における第9実施形態の磁気
検出素子を記録媒体との対向面側から見た部分断面図で
ある。
【0140】図1ないし図8に示す磁気検出素子は全て
電極層22が多層膜10、40のトラック幅方向(図示
X方向)の両側に形成され、前記電極層22からのセン
ス電流が前記多層膜10、40内の各層を膜面と平行な
方向に流れるCIP(Current In the
Plane)型と呼ばれる磁気検出素子であるが、図9
はこれら実施形態とは違って前記センス電流が前記多層
膜10の各層を膜面と垂直な方向(図示Z方向)に流れ
るCPP(Current Perpendicula
r to the Plane)型と呼ばれる磁気検出
素子である。
【0141】図9に示す実施形態での多層膜10の構
造、ハードバイアス層18や第2反強磁性層21の形成
位置は、図1と変わるところがない。図9では前記多層
膜10の下に下部電極層52が形成され、この下部電極
層52は例えばシールド機能を兼用した下部シールド層
である。前記下部電極層52は多層膜10のトラック幅
方向(図示X方向)における幅寸法よりもさらにトラッ
ク幅方向に長く延ばされて形成され、その延出形成され
た下部電極層52上から前記多層膜10の両側端面10
a上にかけてバイアス下地層17及びハードバイアス層
18が形成される。
【0142】図9に示す第2反強磁性層21の上に形成
された符号50の層は絶縁層であり、例えばAl23
SiO2などで形成される。図9に示す実施形態では、
前記第2反強磁性層21のトラック幅方向の内側端面2
1a上に前記絶縁層50が形成されていないが、形成さ
れていた方がセンス電流の分流ロスをより的確に低減で
きて好ましい。図9に示す実施形態では、前記絶縁層5
0上から前記多層膜10の中央領域上に形成された非磁
性層20上にかけて上部電極層51が形成される。前記
上部電極層51は例えばシールド機能を兼ね備えた上部
シールド層である。
【0143】図9に示す実施形態でも図1と同様に、前
記フリー磁性層15の両側領域15aの磁化を、前記第
2反強磁性層21と重ねられた部分の第3反強磁性層1
6の両側領域との間で発生する交換結合磁界と、ハード
バイアス層18からの縦バイアス磁界との相乗効果によ
って、適切に図示X方向に単磁区化し固定することがで
きる。従って従来のように、前記フリー磁性層15の単
磁区化を、ハードバイアス層18からの縦バイアス磁界
のみで、あるいは第2反強磁性層21との間で発生する
交換結合磁界のみで行っていた場合に比べて、前記フリ
ー磁性層15の両側領域15aの磁化の固定状態を安定
して得ることが可能になっている。
【0144】なお図9のように磁気検出素子をCPP型
の構造にする(すなわち多層膜10の膜厚方向の上下に
電極層、あるいは電極層と兼用のシールド層を形成す
る)ことは図2ないし図8に示す各実施形態においても
可能である。
【0145】図1に示す磁気検出素子の製造方法につい
て以下に説明する。図11に示す工程では、基板11上
に第1反強磁性層12を積層する。さらに第1の固定磁
性層13a、非磁性中間層13b、第2の固定磁性層1
3cからなるシンセティックフェリピンド型の固定磁性
層13が積層され、固定磁性層13の上層に非磁性材料
層14、フリー磁性層15、第3反強磁性層16、およ
び非磁性層20を、スパッタ法や蒸着法などの薄膜形成
プロセスによって、同一真空成膜装置中で連続成膜す
る。前記スパッタ法には、DCマグネトロンスパッタ
法、RFスパッタ法、イオンビームスパッタ法、ロング
スロースパッタ法、あるいはコリメーションスパッタ法
のいずれか1種以上が使える。
【0146】第1反強磁性層12は、PtMn合金、ま
たは、X―Mn(ただしXは、Pd,Ir,Rh,R
u,Os,Ni,Feのいずれか1種または2種以上の
元素である)合金で、あるいはPt―Mn―X′(ただ
しX′は、Pd,Ir,Rh,Ru,Au,Ag,O
s,Cr,Ni,Ar,Ne,Xe,Krのいずれか1
種または2種以上の元素である)合金で形成する。
【0147】この合金は、成膜直後の状態では、不規則
系の面心立方構造(fcc)であるが、熱処理によって
CuAuI型の規則型の面心正方構造(fct)に構造
変態する。
【0148】第1反強磁性層12の膜厚は80〜300
Åであることが好ましい。次に、1回目の磁場中アニー
ルを行う。トラック幅Tw(図示X方向)と直交する方
向である第1の磁界(図示Y方向)を印加しつつ、第1
の熱処理温度で熱処理し、第1の反強磁性層12と第1
の固定磁性層13aとの間に交換結合磁界を発生させ
て、第1の固定磁性層13aの磁化を図示Y方向に固定
する。第2の固定磁性層13cの磁化は、前記第1の固
定磁性層13aとの間で働くRKKY相互作用による交
換結合によって図示Y方向とは逆方向に固定される。な
お例えば前記第1の熱処理温度を290℃とし、磁界の
大きさを800(kA/m)とする。
【0149】図11に示す工程では、前記フリー磁性層
15上に第3反強磁性層16を形成し、さらに非磁性層
20を連続して積層形成している。この工程では前記第
3反強磁性層16の膜厚を20Å以上で50Å以下で形
成することが好ましく、より好ましくは30Å以上で4
0Å以下で形成する。
【0150】図11に示す工程では、前記フリー磁性層
15上の全面に第3反強磁性層16を形成し、しかも前
記第3反強磁性層16を50Å以下の薄い膜厚で形成す
ることに第1の特徴点がある。
【0151】上記のように非磁性層20までを成膜した
後、固定磁性層13と第1反強磁性層12間に交換結合
磁界を生じさせるための1回目の磁場中熱処理を施す
が、前記第3反強磁性層16を50Å以下の薄い膜厚で
形成することにより、前記第3反強磁性層16は非反強
磁性の性質を帯びており、上記の磁場中熱処理を施して
も、前記第3反強磁性層16は規則化変態しにくく、前
記第3反強磁性層16とフリー磁性層15間で交換結合
磁界が発生せずあるいは発生してもその値は小さく、前
記フリー磁性層15の磁化が、固定磁性層13と同じよ
うに強固に固定されることがない。
【0152】また図11に示す工程では、前記非磁性層
20に、大気暴露によっても酸化されにくい緻密な層を
使用しており、例えば前記非磁性層20をRu、Re、
Pd、Os、Ir、Pt、Au、Rh、Crのいずれか
1種または2種以上からなる貴金属等で形成している。
【0153】Ruなどの貴金属からなる非磁性層20は
大気暴露によって酸化されにくい緻密な層であり、前記
非磁性層20の膜厚が薄くても前記第3反強磁性層16
が大気暴露によって酸化されるのを適切に防止できる。
【0154】図11に示す工程では前記非磁性層20を
成膜段階で3Å以上で10Å以下で形成している点に第
2の特徴点があり、このように薄い膜厚で前記非磁性層
20を形成したことによって、後の工程で前記非磁性層
20の両側領域上をイオンミリングで削る工程時に低エ
ネルギーのイオンミリングを使用できミリング制御を適
切に向上させることができる。ここで低エネルギーのイ
オンミリングとは、ビーム電圧(加速電圧)が1000
V未満のイオンビームを用いたイオンミリングであると
定義される。例えば、100V〜500Vのビーム電圧
が用いられる。本実施の形態では、200Vの低ビーム
電圧のアルゴン(Ar)イオンビームを用いている。
【0155】図12に示す工程では、前記非磁性層20
の上面にレジスト層60を形成する。前記レジスト層6
0は例えばリフトオフ用のレジストであり、前記レジス
ト層60の下面のトラック幅方向(図示X方向)の幅寸
法はT3である。
【0156】そして前記レジスト層60に覆われていな
い第1反強磁性層12までの各層をイオンミリングなど
のエッチングで削り込む。図12に示すように、第1反
強磁性層12から非磁性層20までの各層のトラック幅
方向における両側端面10aは連続面として形成され、
前記両側端面10aは下方から上方に向けて第1反強磁
性層12から非磁性層20までの各層からなる多層膜1
0のトラック幅方向(図示X方向)における幅寸法が徐
々に小さくなる傾斜面あるいは湾曲面として形成され
る。
【0157】図12に示す工程では、前記多層膜10の
両側端面10aから前記多層膜10よりもトラック幅方
向(図示X方向)に延出形成された基板11上にかけて
Crなどで形成されたバイアス下地層17、CoPt合
金などで形成されたハードバイアス層18及びTaなど
で形成された分離層19を連続して例えばスパッタ成膜
する。このとき、前記バイアス下地層17と同じ材質の
下地材料層17a、ハードバイアス層18と同じ材質の
バイアス材料層18b及び分離層19と同じ材質の非磁
性材料層19bが前記レジスト層60上に付着する。そ
して前記レジスト層60を有機溶剤などで除去する。
【0158】図13に示す工程では、前記非磁性層20
の図面中央にトラック幅方向(図示X方向)における下
面の幅寸法T4が図11に示す幅寸法T3よりも小さい
レジスト層61を形成する。なおこの幅寸法T4を図1
0で説明したフルトラックプロファイル法で予め測定し
た実効再生トラック幅と一致させるか若干狭くする。
【0159】そして前記レジスト層61に覆われていな
い非磁性層20の両側領域20a及び分離層19の上面
19aの一部をイオンミリングで削る。前記非磁性層2
0の両側領域20aは、3Å以下の薄い膜厚なら残され
ていてもよい。
【0160】上記したように、非磁性層20はRuなど
で形成され、成膜段階において3Å〜10Å程度の薄い
膜厚で形成され、これによって前記非磁性層20の両側
領域20aをイオンミリングで削る工程で、低エネルギ
ーのイオンミリングを使用できると説明したが、この低
エネルギーのイオンミリングを使用できることで、非磁
性層20の両側領域20aを非常に薄い膜厚で残すこと
が可能になり、またたとえ前記非磁性層20の両側領域
20aをすべてイオンミリングで除去したとしても、そ
れによって露出した第3反強磁性層16の両側領域上は
イオンミリングのダメージを受け難く、前記第3反強磁
性層16の両側領域は後述する第2反強磁性層21と一
体の反強磁性層としての性質を適切に保つことが可能で
ある。また前記非磁性層20の両側領域20aをすべて
除去しても、製造終了後、前記第2反強磁性層21と第
3反強磁性層16の両側領域間に、Ru、Re、Pd、
Os、Ir、Pt、Au、Rh、Crのうち1種または
2種以上で構成される非磁性元素が介在しているのをS
IMS分析装置などで測定することができる。前記非磁
性元素は前記反強磁性層の構成元素と混じり合っても、
前記反強磁性層としての性質を劣化させず、また前記第
2反強磁性層21と第3反強磁性層16の界面にRuな
どの非磁性元素が存在することは本発明の製造方法を使
用したことを意味する。
【0161】次に図13に示す工程では、第3反強磁性
層16の両側領域上から前記分離層19上にかけて、あ
るいは前記第3反強磁性層16の両側領域上に非磁性層
20の両側領域20aが一部残された場合には、前記非
磁性層20の両側領域20a上から前記分離層19上に
かけて第2反強磁性層21を形成し、さらに前記第2反
強磁性層21上に電極層22を成膜する。前記第2反強
磁性層21及び電極層22を成膜する際のスパッタ角度
を、前記レジスト層61の下方に形成された切欠部61
a内に、前記第2反強磁性層21及び電極層22が成膜
されるように、基板11表面の垂直方向に対し斜めに傾
けた角度とする。
【0162】上記したように、第3反強磁性層16の両
側領域上に非磁性層20の両側領域20aが残されてい
てもそれは3Å以下の非常に薄い膜厚なので、前記非磁
性層20の両側領域20aを介して第2反強磁性層21
と第3反強磁性層16の両側領域との間で反強磁性的な
相互作用を生じさせることができ、前記第2反強磁性層
21と前記第3反強磁性層16の両側領域を一体の反強
磁性層のように機能させることができるのである。
【0163】前記電極層22まで成膜した後、レジスト
層61を除去した後に2回目の磁場中アニールを施す。
前記第2の磁場中熱処理では、第2の印加磁界をトラッ
ク幅方向(図示X方向)に向け、また第1反強磁性層1
2の交換異方性磁界よりも小さく、しかも熱処理温度
を、前記第1反強磁性層12のブロッキング温度よりも
低くする。また印加磁界の大きさを、フリー磁性層15
の保磁力より大きく、第2固定磁性層13cと第1固定
磁性層13aの間のスピンフロップ磁界より小さくする
ことが好ましい。
【0164】これによって前記第1反強磁性層12の交
換異方性磁界の方向をハイト方向(図示Y方向)に向け
たまま、前記第2反強磁性層21と重ねられた第3反強
磁性層16の両側領域での交換異方性磁界をトラック幅
方向(図示X方向)に向けることができる。この2回目
の磁場中アニールによるトラック幅方向(図示X方向)
への交換結合磁界と、ハードバイアス層18からの縦バ
イアス磁界によって前記フリー磁性層15の両側領域1
5aの磁化はトラック幅方向(図示X方向)に適切に且
つ強固に固定されると共に、前記フリー磁性層15の中
央領域15bの磁化を外部磁界に対し磁化反転できる程
度に弱く単磁区化することができる。
【0165】図13に示すように、前記第2反強磁性層
21及び電極層22を成膜したとき、この第2反強磁性
層21と同じ材質の反強磁性材料層21c及び電極層2
2と同じ材質の電極材料層22dは前記レジスト層61
上にも付着する。上記した2回目の磁場中アニールの前
に前記レジスト層61を除去する。これによって図1に
示す磁気検出素子が完成する。
【0166】図14ないし図16に示す工程は、図2に
示す磁気検出素子の製造方法を示す工程図である。
【0167】まず図11、図12と同じ工程を施す。な
お図11工程後、上記した1回目の磁場中アニールを施
す。次に図13のようにレジスト層61を形成しない
で、図14のように、前記第3反強磁性層16上に形成
された非磁性層20及び分離層19の一部をイオンミリ
ングで削る。このとき前記非磁性層20を図14のよう
にすべて削り取ってしまってもよいが、点線で示すよう
に一部残してもよい。前記非磁性層20は図11工程で
説明したようにRuなどの酸化され難い材質で形成され
しかも膜厚が成膜当初3Å〜10Å程度の非常に薄い膜
厚で形成される。このため図14工程で低エネルギーの
イオンミリングで前記非磁性層20を削ることができ、
前記非磁性層20をすべて削り取ってもその下に形成さ
れた第3反強磁性層16に対するイオンミリングの影響
を極力小さくできる。また前記非磁性層20を一部残し
てもよいが、かかる場合、前記非磁性層20の膜厚を3
Å以下にする。
【0168】次に図15に示す工程では、前記第3反強
磁性層16上から前記分離層19上にかけて、あるいは
前記第3反強磁性層16上に一部、非磁性層20が残さ
れた場合には前記非磁性層20上から前記分離層19上
にかけて第2反強磁性層21をスパッタなどで成膜し、
さらに前記第2反強磁性層21上に電極層22をスパッ
タなどで成膜する。
【0169】次に図16に示す工程では、前記電極層2
2の上にレジスト層62を形成した後、露光現像によっ
て前記レジスト層62の図面中央に穴部62aを形成す
る。なお前記穴部62aを形成する際、この穴部62a
の形成位置が、多層膜10のトラック幅方向(図示X方
向)における中央領域の位置と膜厚方向で一致するよう
にアライメントする。また前記穴部62aのトラック幅
方向(図示X方向)における幅寸法T5はトラック幅T
wを規制するための幅寸法となるから、前記穴部62a
の形成のとき、この穴部62aの幅寸法T5を得たいト
ラック幅Tw程度にまで小さく形成する。
【0170】そして前記穴部62aから露出した電極層
22をエッチングして除去し、さらにその下に現れた第
2反強磁性層21をエッチングで除去していく。前記穴
部62aから現れる第2反強磁性層21をすべて除去し
た場合、その除去された穴部からは第3反強磁性層16
の表面が現れるか、あるいは図15工程で前記第3反強
磁性層16上に残された非磁性層20表面が現れる。な
お前記非磁性層20は、第2反強磁性層21の中央をエ
ッチングで除去するときに削り取ってもよいし、残して
もよい。
【0171】また図16に示すように、前記レジスト層
62の穴部62aから現れた第2反強磁性層21bを一
点鎖線で示すように一部残してもよい。この残された第
2反強磁性層21bの膜厚は、その下に形成された第3
反強磁性層16の膜厚と合わせて50Å以下となるよう
に設定することが好ましい。このように多層膜10の中
央領域上に残される反強磁性層の膜厚を薄くしないと、
多層膜10の中央領域でも強い交換結合磁界が発生し、
前記フリー磁性層15の中央領域15bの磁化を外部磁
界に対し磁化反転できる程度に弱く単磁区化できないか
らである。そして図16に示すレジスト層62を除去す
る。
【0172】そして、2回目の磁場中アニールを施し
て、第2反強磁性層21と重ねて形成された第3反強磁
性層16の両側領域とフリー磁性層15の両側領域15
a間に交換結合磁界を生じさせ、この交換結合磁界と、
ハードバイアス層18からの縦バイアス磁界によって前
記フリー磁性層15の両側領域15aの磁化を適切に且
つ強固に固定することができる。なお2回目の磁場中ア
ニールの条件は図13の工程のときに説明した通りであ
る。これによって図2に示す磁気検出素子が完成する。
【0173】図17工程は図16工程に代わるものであ
り、図17工程では、前記第2反強磁性層21をスパッ
タなどで成膜した後、前記第2反強磁性層21の上に穴
部22eを有する電極層22を形成する。なお前記穴部
22bを形成する際に、穴部22eの形成位置を多層膜
10のトラック幅方向(図示X方向)における中央領域
の位置と膜厚方向で一致するようにアライメントする。
【0174】前記穴部22eの形成は、例えば前記穴部
22eが形成される位置の前記第2反強磁性層21上
に、レジスト層(図示しない)を立て前記レジスト層に
覆われていない前記第2反強磁性層21の両側領域上に
電極層22を形成し、前記レジスト層を除去するか、あ
るいは図16工程のように、第2反強磁性層21上全面
に電極層22を形成した後、穴部62aを有するレジス
ト層62を形成し、前記電極層22に穴部22eをエッ
チングで形成した後、前記レジスト層62を除去する。
【0175】図17に示す電極層22を形成した後、こ
の電極層22をマスク層として、前記電極層22の穴部
22bから露出する第2反強磁性層21の中央をエッチ
ングで削り取る。このとき図17のように前記第2反強
磁性層21bを一部残してもよい。そのときの前記第2
反強磁性層21bの膜厚は、その下に形成された第3反
強磁性層16の膜厚と合わせて50Å以下になるように
調整する。
【0176】図17に示す工程で重要なことは、電極層
22をマスク層とするので、前記電極層22に形成され
た穴部22eから露出する第2反強磁性層21をエッチ
ングで除去するとき、前記電極層22のエッチングレー
トが前記第2反強磁性層21のエッチングレートより遅
くなければならない。例えばイオンミリングのエッチン
グガスにはAr等を用い、RIEのエッチングガスには
CF4とArガスとの混合ガスやC38とArガスとの
混合ガスなどを使用するが、これらエッチングガスに対
する電極層22のエッチングレートを第2反強磁性層2
1のエッチングレートに比べて遅くなるように、前記電
極層22及び第2反強磁性層21の材質を選択する。例
えば第2反強磁性層21としてPtMn合金を使用し、
電極層22としてTaを使用し、エッチングガスとして
Arガスを使用したイオンミリングの場合、前記電極層
22のエッチングレートを前記第2反強磁性層21のエ
ッチングレートに比べて遅くできる。なお係る場合、前
記電極層22をAu/Taの2層構造とすることもでき
る。
【0177】次に図3に示す磁気検出素子の製造方法に
ついて以下に説明する。図18ないし図20に示す工程
は、図3に示す磁気検出素子の製造方法を示す一工程図
である。
【0178】図18に示す工程では、基板11上に第1
反強磁性層12を積層する。さらに第1の固定磁性層1
3a、非磁性中間層13b、第2の固定磁性層13cか
らなるシンセティックフェリピンド型の固定磁性層13
が積層され、固定磁性層13の上層に非磁性材料層1
4、フリー磁性層15および非磁性層20を、スパッタ
法や蒸着法などの薄膜形成プロセスによって、同一真空
成膜装置中で連続成膜する。
【0179】第1反強磁性層12は、PtMn合金、ま
たは、X―Mn(ただしXは、Pd,Ir,Rh,R
u,Os,Ni,Feのいずれか1種または2種以上の
元素である)合金で、あるいはPt―Mn―X′(ただ
しX′は、Pd,Ir,Rh,Ru,Au,Ag,O
s,Cr,Ni,Ar,Ne,Xe,Krのいずれか1
種または2種以上の元素である)合金で形成する。
【0180】この合金は、成膜直後の状態では、不規則
系の面心立方構造(fcc)であるが、熱処理によって
CuAuI型の規則型の面心正方構造(fct)に構造
変態する。
【0181】第1反強磁性層12の膜厚は80〜300
Åであることが好ましい。次に、1回目の熱処理工程を
行う。トラック幅Tw(図示X方向)と直交する方向で
ある第1の磁界(図示Y方向)を印加しつつ、第1の熱
処理温度で熱処理し、第1の反強磁性層12と第1の固
定磁性層13aとの間に交換結合磁界を発生させて、第
1の固定磁性層13aの磁化を図示Y方向に固定する。
第2の固定磁性層13cの磁化は、前記第1の固定磁性
層13aとの間で働くRKKY相互作用による交換結合
によって図示Y方向とは逆方向に固定される。なお例え
ば前記第1の熱処理温度を290℃とし、磁界の大きさ
を800(kA/m)とする。
【0182】図18に示す工程では、前記フリー磁性層
15上に非磁性層20を積層形成している。この図18
に示す工程では、前記非磁性層20に、大気暴露によっ
ても酸化されにくい緻密な層を使用しており、例えば前
記非磁性層20をRu、Re、Pd、Os、Ir、P
t、Au、Rh、Crのいずれか1種または2種以上か
らなる貴金属等で形成している。
【0183】Ruなどの貴金属からなる非磁性層20は
大気暴露によって酸化されにくい緻密な層であり、前記
非磁性層20の膜厚が薄くても前記フリー磁性層15が
大気暴露によって酸化されるのを適切に防止できる。
【0184】図18に示す工程では前記非磁性層20を
成膜段階で3Å以上で10Å以下で形成している点に特
徴点があり、このように薄い膜厚で前記非磁性層20を
形成したことによって、後の工程で前記非磁性層20の
両側領域上をイオンミリングで削る工程時に低エネルギ
ーのイオンミリングを使用できミリング制御を適切に向
上させることができる。
【0185】図19に示す工程では、前記非磁性層20
の上面にレジスト層65を形成する。前記レジスト層6
5は例えばリフトオフ用のレジストであり、前記レジス
ト層65の下面のトラック幅方向(図示X方向)の幅寸
法はT6である。
【0186】そして前記レジスト層65に覆われていな
い第1反強磁性層12までの各層をエッチングで削り込
む。図19に示すように、第1反強磁性層12から非磁
性層20までの各層のトラック幅方向(図示X方向)に
おける両側端面10aは連続面として形成され、前記両
側端面10aは下方から上方(図示Z方向)に向けて第
1反強磁性層12から非磁性層20までの各層からなる
多層膜10のトラック幅方向における幅寸法が徐々に小
さくなる傾斜面あるいは湾曲面として形成される。
【0187】図19に示す工程では、前記多層膜10の
両側端面10aから前記多層膜10よりもトラック幅方
向(図示X方向)に延出形成された基板11上にかけて
Crなどで形成されたバイアス下地層17、CoPt合
金などで形成されたハードバイアス層18及びTaなど
で形成された分離層19を連続して例えばスパッタ成膜
する。このとき、前記バイアス下地層17と同じ材質の
下地材料層17a、ハードバイアス層18と同じ材質の
バイアス材料層18b及び分離層19と同じ材質の非磁
性材料層19aが前記レジスト層65上に付着する。そ
して前記レジスト層65を除去する。
【0188】図20に示す工程では、前記非磁性層20
の図面中央にトラック幅方向(図示X方向)における下
面の幅寸法T7が図19に示す幅寸法T6よりも小さい
レジスト層66を形成する。このレジスト層66の幅寸
法T7は第2反強磁性層21がないときの実効トラック
幅とほぼ一致するか若干狭く設定される。実効トラック
幅は予め、図10で説明したフルトラックプロファイル
法で測定しておく。
【0189】そして前記レジスト層66に覆われていな
い非磁性層20の両側領域20a及び分離層19の上面
19aの一部をイオンミリングで削る。前記非磁性層2
0の両側領域20aは、3Å以下の薄い膜厚なら残され
ていてもよい。
【0190】上記したように、非磁性層20はRuなど
で形成され、成膜段階において3Å〜10Å程度の薄い
膜厚で形成され、これによって前記非磁性層20の両側
領域20aをイオンミリングで削る工程で、低エネルギ
ーのイオンミリングを使用できると説明したが、この低
エネルギーのイオンミリングを使用できることで、非磁
性層20の両側領域20aを非常に薄い膜厚で残すこと
が可能になり、またたとえ前記非磁性層20の両側領域
20aをすべてイオンミリングで除去したとしても、そ
れによって露出したフリー磁性層15の両側領域15a
上はイオンミリングのダメージを受け難く、前記フリー
磁性層15の両側領域15aは後述する強磁性層30と
間で適切な交換相互作用を生じる。
【0191】次に図20に示す工程では、フリー磁性層
15の両側領域15a上から前記分離層19上にかけ
て、あるいは前記フリー磁性層15の両側領域15a上
に非磁性層20が一部残された場合には、前記非磁性層
20上から前記分離層19上にかけて強磁性層30を形
成し、その上に第2反強磁性層21を形成し、さらに前
記第2反強磁性層21上に電極層22を成膜する。前記
強磁性層30、第2反強磁性層21及び電極層22を成
膜する際のスパッタ角度を、前記レジスト層66の下方
に形成された切欠部66a内に、前記強磁性層30、第
2反強磁性層21及び電極層22が成膜されるように、
基板11表面の垂直方向(図示Z方向)に対し斜めに傾
けた角度とする。
【0192】上記したように、前記フリー磁性層15の
両側領域15a上に非磁性層の両側領域20aが残され
ていてもそれは3Å以下の非常に薄い膜厚なので、前記
非磁性層20の両側領域20aを介してフリー磁性層1
5と強磁性層30の両側領域との間で強磁性的な交換相
互作用を生じさせることができる。
【0193】前記電極層22まで成膜し、レジスト層6
6を除去した後、2回目の磁場中アニールを施す。前記
第2の磁場中熱処理では、第2の印加磁界をトラック幅
方向に向け、また第1反強磁性層12の交換異方性磁界
よりも小さく、しかも熱処理温度を、前記第1反強磁性
層12のブロッキング温度よりも低くする。また2回目
の印加磁界の大きさを、フリー磁性層15及び強磁性層
30の保磁力より大きく、第2固定磁性層13cと第1
固定磁性層13aの間のスピンフロップ磁界より小さく
することが好ましい。
【0194】これによって前記第1反強磁性層12の交
換異方性磁界の方向をハイト方向(図示Y方向)に向け
たまま、前記第2反強磁性層21と強磁性層30間で発
生する交換異方性磁界をトラック幅方向(図示X方向)
に向けることができる。この2回目の磁場中アニールに
よるトラック幅方向へ固定された強磁性層30との交換
相互作用と、ハードバイアス層18からの縦バイアス磁
界によって前記フリー磁性層15の両側領域15aの磁
化はトラック幅方向に適切に且つ強固に固定されると共
に、前記フリー磁性層15の中央領域15bの磁化を外
部磁界に対し磁化反転できる程度に弱く単磁区化するこ
とができる。
【0195】図20に示すように、前記強磁性層30、
第2反強磁性層21及び電極層22を成膜したとき、こ
の強磁性層30と同じ材質の強磁性材料層30b、前記
第2反強磁性層21と同じ材質の反強磁性材料層21c
及び電極層22と同じ材質の電極材料層22cは前記レ
ジスト層66上にも付着する。上記した2回目の磁場中
アニール前に前記レジスト層66を除去する。これによ
って図3に示す磁気検出素子が完成する。
【0196】図21ないし図23に示す工程は、図4に
示す磁気検出素子の製造方法を示す工程図である。
【0197】まず図18、図19と同じ工程を施す。次
に図20のようにレジスト層66を形成しないで、図2
1のように、前記フリー磁性層15上に形成された非磁
性層20及び分離層19の一部をイオンミリングで削
る。このとき前記非磁性層20を図21のようにすべて
削り取ってしまってもよいが、点線で示すように一部残
してもよい。前記非磁性層20は図18工程で説明した
ようにRuなどの酸化され難い材質で形成されしかも膜
厚が成膜当初3Å〜10Å程度の非常に薄い膜厚で形成
される。このため図21工程で低エネルギーのイオンミ
リングで前記非磁性層20を削ることができ、前記非磁
性層20をすべて削り取ってもその下に形成されたフリ
ー磁性層15へのイオンミリングの影響を極力小さくで
きる。また図21に示す点線のように前記非磁性層20
を一部残してもよいが、かかる場合、前記非磁性層20
の膜厚を3Å以下にする。
【0198】次に図22に示す工程では、前記フリー磁
性層15上から前記分離層19上にかけて、あるいは前
記フリー磁性層15上に一部、非磁性層20が残された
場合には前記非磁性層20上から前記分離層19上にか
けて強磁性層30、第2反強磁性層21、さらに電極層
22をスパッタなどで成膜する。
【0199】次に図22に示す工程では、前記電極層2
2の上にレジスト層67を形成した後、露光現像によっ
て前記レジスト層67の図面中央に穴部67aを形成す
る。なおこの穴部67aを露光現像で形成する際、前記
穴部67aの形成位置を、多層膜10のトラック幅方向
(図示X方向)における中央領域の位置と一致するよう
にアライメントする。また前記穴部67aのトラック幅
方向(図示X方向)における幅寸法T8はトラック幅T
wを規制するための幅寸法となるから、前記穴部67a
の形成のとき、この穴部67aの幅寸法T8を得たいト
ラック幅Tw程度にまで小さく形成する。
【0200】そして前記穴部67aから露出した電極層
22をエッチングして除去し、さらにその下に現れた第
2反強磁性層21をエッチングで除去していく。前記穴
部67aから現れる第2反強磁性層21をすべて除去し
た場合、その除去された穴部からは強磁性層30の表面
が現れる。なお前記強磁性層30は、第2反強磁性層2
1の中央をエッチングで除去した後、さらに削り取って
もよいし、一部残してもよい。
【0201】また図22に示すように、前記レジスト層
67の穴部67aから現れた第2反強磁性層21bを一
点鎖線で示すように一部残してもよい。この残された第
2反強磁性層21bの膜厚は50Å以下となるように設
定することが好ましい。このように多層膜10の中央領
域上に残される第2反強磁性層21bの膜厚を薄くしな
いと、多層膜10の中央領域でも、前記第2反強磁性層
21bと強磁性層30間、あるいは前記第2反強磁性層
21bとフリー磁性層15間で強い交換結合磁界が発生
し、前記フリー磁性層15の中央領域15bの磁化を外
部磁界に対し磁化反転できる程度に弱く単磁区化できな
いからである。
【0202】そして、2回目の磁場中アニールを施し
て、前記第2反強磁性層21と前記強磁性層30の両側
領域間で交換結合磁界を生じさせ、前記強磁性層30の
磁化をトラック幅方向(図示X方向)に固定し、前記強
磁性層30とフリー磁性層15間で生じる交換相互作用
と、ハードバイアス層18からの縦バイアス磁界によっ
て前記フリー磁性層15の両側領域15aの磁化を適切
に且つ強固に固定することができる。なお第2磁場中ア
ニールの条件は図13の工程のときに説明した通りであ
る。
【0203】また図22に示す前記レジスト層67の除
去は前記2回目の磁場中アニールを施す前に行う。これ
によって図4に示す磁気検出素子が完成する。
【0204】図23工程は図22工程に代わるものであ
り、図23工程では、前記第2反強磁性層21をスパッ
タなどで成膜した後、前記第2反強磁性層21の上に穴
部22bを有する電極層22を形成する。なお前記穴部
22eの形成の際、前記穴部22eの形成位置を多層膜
10のトラック幅方向(図示X方向)における中央領域
の位置と一致させるようにアライメントする。
【0205】前記穴部22eの形成について図17で詳
しく説明したのでそちらを参照された。
【0206】図23に示す電極層22を形成した後、こ
の電極層22をマスク層として、前記電極層22の穴部
22bから露出する第2反強磁性層21の中央領域をエ
ッチングで削り取る。このとき図23のように前記中央
領域の第2反強磁性層21bを一部残してもよい。その
ときの前記第2反強磁性層21bの膜厚は、50Å以下
になるように調整する。あるいは前記中央領域の第2反
強磁性層21bを全て削り取ったことで現れる強磁性層
30を一部削ってもよいし、全て除去してもよい。
【0207】なお電極層22と第2反強磁性層21との
エッチングレートの関係については、図17で詳しく説
明したのでそちらを参照されたい。
【0208】図24ないし図26に示す工程は、図5に
示す磁気検出素子の製造方法を示す一工程図である。
【0209】図24に示す工程では、基板11上に、第
1反強磁性層12を積層する。さらに第1の固定磁性層
13a、非磁性中間層13b、第2の固定磁性層13c
からなるシンセティックフェリピンド型の固定磁性層1
3が積層され、固定磁性層13の上層に非磁性材料層1
4、フリー磁性層15、第3反強磁性層16及び非磁性
層20を、スパッタ法や蒸着法などの薄膜形成プロセス
によって、同一真空成膜装置中で連続成膜する。
【0210】図24に示す工程では、前記第3反強磁性
層16のトラック幅方向(図示X方向)における中央領
域上に非磁性層20を残し、そのトラック幅方向の両側
であって前記第3反強磁性層16上の非磁性層20を除
去した後、第2反強磁性層21を例えばスパッタで成膜
する。
【0211】図24に示す状態の磁気検出素子は、既に
説明した工程を使用して製造することが可能である。ま
ず図11と同じ工程を施した後、図12工程を飛ばし
て、図13工程でのレジスト層61を形成し、前記レジ
スト層61に覆われていない非磁性層20の両側領域を
除去し、あるいは3Å以下の薄い膜厚で一部残し、さら
に第2反強磁性層21をスパッタ成膜するのである。
【0212】図25に示す工程では、前記中央領域上に
残された非磁性層20上からトラック幅方向(図示X方
向)に前記第2反強磁性層21上の一部に重なるレジス
ト層68を形成する。そして前記レジスト層68に覆わ
れていない第1反強磁性層12から第3反強磁性層16
までの多層膜10の両側をエッチングで削り、前記多層
膜に下方から上方に向けて前記多層膜10のトラック幅
方向(図示X方向)における幅寸法が徐々に狭くなる傾
斜面あるいは湾曲面の両側端面10a(点線部分)を形
成する。
【0213】そして図26に示す工程では、前記多層膜
10よりもトラック幅方向(図示X方向)に延出形成さ
れた基板11上から前記多層膜10の両側端面10a上
にかけてバイアス下地層17を形成し、さらに前記バイ
アス下地層17上にハードバイアス層18を形成し、前
記ハードバイアス層18上に電極層22を形成する。
【0214】このバイアス下地層17から電極層22ま
での成膜のとき、前記レジスト層68上にも前記バイア
ス下地層17と同じ材質の下地材料層17a、ハードバ
イアス層18と同じ材質のバイアス材料層18b及び電
極層22と同じ材質の電極材料層22dが付着する。そ
して前記レジスト層68を除去すると図5と同じ形状の
磁気検出素子が完成する。
【0215】図27及び図28に示す工程図は、図5に
示すように第2反強磁性層21上に電極層22の内側先
端部22bを重ねて形成する場合の製造工程である。
【0216】図27に示す工程では、基板11上に、第
1反強磁性層12を積層する。さらに第1の固定磁性層
13a、非磁性中間層13b、第2の固定磁性層13c
からなるシンセティックフェリピンド型の固定磁性層1
3が積層され、固定磁性層13の上層に非磁性材料層1
4、フリー磁性層15、第3反強磁性層16及び非磁性
層20を、スパッタ法や蒸着法などの薄膜形成プロセス
によって、同一真空成膜装置中で連続成膜する。
【0217】図27に示す工程では、前記第3反強磁性
層16のトラック幅方向(図示X方向)における中央領
域上に非磁性層20を残し、そのトラック幅方向の両側
であって前記第3反強磁性層16上の非磁性層20を除
去した後、第2反強磁性層21を例えばスパッタで成膜
する。さらに前記第2反強磁性層21上に電極層22を
スパッタで成膜する。
【0218】図27に示す状態の磁気検出素子は、既に
説明した工程を使用して製造することが可能である。ま
ず図11と同じ工程を施した後、図12工程を飛ばし
て、図13工程でのレジスト層61を形成し、前記前記
レジスト層61に覆われていない非磁性層20の両側領
域を除去し、あるいは3Å以下の薄い膜厚で一部残し、
さらに第2反強磁性層21及び電極層22をスパッタ成
膜するのである。
【0219】図28に示す工程では、前記非磁性層20
上からトラック幅方向(図示X方向)に前記第2反強磁
性層21上の一部に重なるレジスト層69を形成する。
そして前記レジスト層69に覆われていない第1反強磁
性層12から第3反強磁性層16までの多層膜10の両
側領域をエッチングで削り、前記多層膜10に下方から
上方(図示Z方向)に向けて前記多層膜10のトラック
幅方向(図示X方向)における幅寸法が徐々に狭くなる
傾斜面あるいは湾曲面の両側端面10a(点線部分)を
形成する。
【0220】そして図28に示す工程では、前記多層膜
10よりもトラック幅方向(図示X方向)に延出形成さ
れた基板11上から前記多層膜10の両側端面10a上
にかけてバイアス下地層17を形成し、さらに前記バイ
アス下地層17上にハードバイアス層18を形成し、前
記ハードバイアス層18上に電極層22を形成する。
【0221】このバイアス下地層17から電極層22ま
での成膜のとき、前記レジスト層69上にも前記バイア
ス下地層17と同じ材質の下地材料層17a、ハードバ
イアス層18と同じ材質のバイアス材料層18b及び電
極層22と同じ材質の電極材料層22dが付着する。そ
して前記レジスト層69を除去すると、第2反強磁性層
21上にも電極層22の内側先端部22bが形成された
図5の磁気検出素子が完成する。
【0222】なお図25工程あるいは図27工程前まで
の形成過程は、上記した図11および図13に基づく工
程以外であってもかまわない。すなわち図14工程で多
層膜の両側にハードバイアス層18等を形成しない状態
で、図15工程、図16工程、あるいは図17工程を施
した後、図25、図26工程、図28を施してもよい
し、図18工程の後、図19工程を飛ばして図20工程
と同様の工程を施し、その後、図25、図26工程、図
28工程を施してもよいし、または図21工程で多層膜
の両側にハードバイアス層18等を形成しない状態で、
図22工程あるいは図23工程を施した後、図25、図
26工程、図28工程を施してもよい。
【0223】したがって図24工程あるいは図27工程
での製造工程中の磁気検出素子の形態は図24あるいは
図27と同じである必要はなく、例えば、多層膜10上
に前記非磁性層20が残されていない形状や、第3反強
磁性層16が形成されず、前記フリー磁性層15上に強
磁性層30が形成された形状など、様々な形状を選択で
きる。
【0224】図29ないし図34は図6に示す磁気検出
素子の製造方法を示す一工程図である。
【0225】図29に示される工程では、図示しない基
板上に下部シールド層31、下部ギャップ層32、シー
ド層33をベタ膜状に成膜し、さらにシード層33上に
リフトオフ用のレジスト層70を形成している。前記レ
ジスト層70の下面のトラック幅方向(図示X方向)に
おける幅寸法はT9であり、この幅寸法T9がトラック
幅Twを規制する幅寸法となるから、前記幅寸法T9は
得たいトラック幅Tw程度まで小さく形成する必要があ
る。
【0226】次に、前記レジスト層70に覆われていな
いシード層33及び下部ギャップ層32をイオンミリン
グによって除去し、さらに下部シールド層31の一部を
除去して前記下部シールド層31に凹部31aを形成す
る。
【0227】次に、図30工程では、レジスト層70を
シード層33上に残したまま、下部シールド層31に形
成された凹部31a内に絶縁層34、第2反強磁性層2
1、強磁性層30、及び非磁性層35をスパッタ法によ
って連続成膜する。スパッタ法には、イオンビームスパ
ッタ法、ロングスロースパッタ法、あるいはコリメーシ
ョンスパッタ法のいずれか1種以上が使える。なおこの
とき、前記レジスト層70上にも絶縁層34と同じ材質
の絶縁材料層34a、第2反強磁性層21と同じ材質の
反強磁性材料層21e、強磁性層30と同じ材質の強磁
性材料層30b、および非磁性層35と同じ材質の非磁
性材料層35bが付着する。
【0228】前記非磁性層35の成膜後に、レジスト層
70を除去し、その後1回目の磁場中アニールを行う。
トラック幅方向(図示X方向)に第1の磁界を印加しつ
つ、第1の熱処理温度で熱処理し、第2反強磁性層21
と強磁性層30との間に交換結合磁界を発生させて、強
磁性層30の磁化を図示X方向に固定する。なお例えば
第1の熱処理温度を270℃とし、磁界の大きさを80
0k(A/m)とする。
【0229】次に図31工程において、シード層33の
表面及び非磁性層35表面の酸化された部分を、イオン
ミリングで削って除去する。
【0230】図31に示すイオンミリング工程では、低
エネルギーのイオンミリングを使用できる。その理由
は、非磁性層35が3Å〜10Å程度の非常に薄い膜厚
で形成されているからである。
【0231】低エネルギーのイオンミリングとは、ビー
ム電圧(加速電圧)が1000V未満のイオンビームを
用いたイオンミリングであると定義される。例えば、1
00V〜500Vのビーム電圧が用いられる。本実施の
形態では、200Vの低ビーム電圧のアルゴン(Ar)
イオンビームを用いている。
【0232】なお、シード層33は例えばTaによって
形成されているが、この場合Taの表面に3Åから8Å
のごく薄いRuなどの非磁性貴金属層をTaと連続であ
らかじめ成膜しておくと、Taの酸化を防げ、上記のイ
オンミリング工程で非磁性貴金属層を適切に除去でき
る。
【0233】前記非磁性層35表面及びシード層33表
面を削った後、図32の工程では、フリー磁性層15、
非磁性材料層14、第2固定磁性層13c、非磁性中間
層13b、第1固定磁性層13aからなるシンセティッ
クフェリピンド型の固定磁性層13、及び第1反強磁性
層12、保護層38を真空中で連続成膜する。
【0234】図32の状態では、フリー磁性層15は両
側領域で、強磁性層30と非磁性層35を介したRKK
Y相互作用によって磁気的に結合して、フリー磁性層1
5が単磁区化される。図31工程において、非磁性層3
5の膜厚が6Å〜11Åにされると、フリー磁性層15
の磁化方向はトラック幅方向(図示X方向)と反平行方
向を向く。また、図31工程において、非磁性層35の
膜厚が0.5Å〜6Åにされると、前記フリー磁性層1
5の磁化方向はトラック幅方向(図示X方向)と平行方
向を向く。
【0235】前記保護層38の成膜後、2回目の磁場中
アニールを行う。このときの磁場方向は、トラック幅方
向に垂直なハイト方向(図示Y方向)である。なおこの
2回目の磁場中アニールは、印加磁界を、第2反強磁性
層21と強磁性層30間の交換異方性磁界よりも小さ
く、しかも熱処理温度を、第2反強磁性層21のブロッ
キング温度よりも低くする。
【0236】特に、2回目の磁場中アニール時の磁界の
大きさは、第1固定磁性層13a及び第2固定磁性層1
3cが単磁区となる磁界、及び第1固定磁性層13a及
び第2固定磁性層13cの反磁界より大きく、第1固定
磁性層13a及び第2固定磁性層13cの間の反平行結
合が崩れるスピンフロップ磁界より小さいことが好まし
い。
【0237】これによって第2反強磁性層21と強磁性
層30間の交換異方性磁界の方向をトラック幅方向(図
示X方向)に向けたまま、第1反強磁性層12と第1固
定磁性層13a間の交換異方性磁界をハイト方向(図示
Y方向)と180°異なる方向に向けることができる。
なお2回目の熱処理温度は例えば270℃であり、磁界
の大きさは8〜30(kA/m)、例えば24k(A/
m)である。
【0238】2回目の磁場中アニール後、第1固定磁性
層13aの磁化が図示Y方向と180°異なる方向を向
き、第2固定磁性層13cの磁化は、第1固定磁性層1
3aとの間で働くRKKY相互作用による交換結合によ
って図示Y方向に固定される。
【0239】次に、図33工程では、保護層38上にリ
フトオフ用のレジスト層71を形成する。前記レジスト
層71の底辺のトラック幅方向(図示X方向)への幅寸
法はT10であり、この幅寸法T10は、第2反強磁性
層21間のトラック幅方向における間隔(=トラック幅
Tw)と同程度かあるいはそれよりも若干小さい。
【0240】そして前記レジスト層71に覆われていな
いフリー磁性層15から保護層38までの多層膜40の
トラック幅方向(図示X方向)における両側端面40
a、および強磁性層30及び非磁性層35の両側端面3
0a、35aをイオンミリングによって削る。これによ
って多層膜40のトラック幅方向における両側には前記
第2反強磁性層21表面が現れる。なお上記のイオンミ
リング工程で、前記第2反強磁性層21の表面が若干削
られてもよい。あるいは強磁性層30が上記のイオンミ
リングで削られずそのまま全て残されたり、若干削られ
るだけで一部残されてもよいし、また前記非磁性層35
が上記のイオンミリングで削られずそのまま全て残され
たり、若干削られるだけで一部残されていてもかまわな
い。上記イオンミリング工程では少なくともフリー磁性
層15の両側までが確実に削られることが必要である。
そうでないと、前記フリー磁性層15の両側にハードバ
イアス層18を適切に対向させることができず、前記フ
リー磁性層15の磁化制御を適切に行えないからであ
る。
【0241】そして図34に示す工程では、前記多層膜
40の両側端面40aよりもトラック幅方向(図示X方
向)に延出した第2反強磁性層21上から前記多層膜4
0の両側端面40a上にかけてバイアス下地層17、ハ
ードバイアス層18及び電極層22を連続してスパッタ
成膜する。このとき、前記レジスト層71上にもバイア
ス下地層17と同じ材質の下地材料層17a、ハードバ
イアス層18と同じ材質のバイアス材料層18b及び電
極層22と同じ材質の電極材料層22dが付着する。前
記レジスト層71を除去すると図6と同じ形状の磁気検
出素子が完成する。
【0242】また図6に示す実施形態のように前記電極
層22の内側先端部22bを前記多層膜40の上面にオ
ーバーラップさせるには、図34工程でハードバイアス
層18まで形成した後、レジスト層71を除去し、図3
5に示すように、新たにリフトオフ用のレジスト層72
を前記多層膜40上に形成する。このとき前記レジスト
層72のトラック幅方向へおける幅寸法T11を、前記
多層膜40のトラック幅方向における上面の幅寸法より
も小さく、且つトラック幅Twと同じかあるいはそれよ
りも低い幅寸法とする。
【0243】そして前記基板11表面に対し垂直方向
(図示Z方向)からやや斜めの角度で、前記電極層22
を前記ハードバイアス層18上にスパッタ成膜し、この
とき、前記レジスト層72の下方に形成された切欠部7
2a内の多層膜40上面に電極層22の内側先端部22
bをスパッタ成膜する。そして前記レジスト層72を除
去する。これにより前記多層膜40上にまでオーバーラ
ップする電極層22を形成でき、しかも前記電極層22
のトラック幅方向への間隔をトラック幅Twと同じかあ
るいはそれよりも狭くすることができる。
【0244】図7に示す磁気検出素子の製造方法は、図
31工程で、非磁性層35をすべてイオンミリングで除
去し、その後、図32ないし図35工程を施せばよい。
【0245】図8に示す磁気検出素子の製造方法は、下
部ギャップ層32上にレジスト層(図示しない)などを
利用して第2反強磁性層21、強磁性層30及び非磁性
層35をスパッタ成膜した後、前記レジスト層を除去
し、図32ないし図35工程を施せばよい。
【0246】図9に示す磁気検出素子は、図11工程
で、基板11の代わりに下部電極層52を形成し、図1
2工程を施した後、図13工程で、電極層22の代わり
に絶縁層50を形成し、図13工程のレジスト層61を
除去した後、前記絶縁層50上から非磁性層20上にか
けて上部電極層51を形成すればよい。
【0247】なお本発明における磁気検出素子は、ハー
ドディスク装置に搭載される薄膜磁気ヘッドにのみ使用
可能なものではなく、テープ用磁気ヘッドや磁気センサ
などにも使用可能なものである。
【0248】
【発明の効果】以上詳細に説明した本発明によれば、フ
リー磁性層の非磁性材料層と接する面と反対面側に第2
反強磁性層が設けられ、しかも前記フリー磁性層のトラ
ック幅方向における両側端面の一部にハードバイアス層
が対向して設けられている。
【0249】これによって前記フリー磁性層の両側領域
の磁化を、前記第2反強磁性層との間で発生する交換結
合磁界と、ハードバイアス層からの縦バイアス磁界との
相乗効果によって、適切にトラック幅方向に単磁区化し
固定することができる。従って従来のように、前記フリ
ー磁性層の単磁区化を、ハードバイアス層からの縦バイ
アス磁界のみで、あるいは第2反強磁性層との間で発生
する交換結合磁界のみで行っていた場合に比べて、前記
フリー磁性層の両側領域の磁化の固定状態を安定して得
ることが可能になっている。
【0250】よって本発明によれば従来に比べて前記フ
リー磁性層の両側領域を適切にトラック幅方向に磁化固
定できるから、従来に比べて狭トラック化においても、
サイドリーディングの発生を抑制でき、またオフトラッ
ク特性の安定性など再生特性の向上を適切に図ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の磁気検出素子を記
録媒体との対向面側から見た断面図、
【図2】本発明の第2の実施の形態の磁気検出素子を記
録媒体との対向面側から見た断面図、
【図3】本発明の第3の実施の形態の磁気検出素子を記
録媒体との対向面側から見た断面図、
【図4】本発明の第4の実施の形態の磁気検出素子を記
録媒体との対向面側から見た断面図、
【図5】本発明の第5の実施の形態の磁気検出素子を記
録媒体との対向面側から見た断面図、
【図6】本発明の第6の実施の形態の磁気検出素子を記
録媒体との対向面側から見た断面図、
【図7】本発明の第7の実施の形態の磁気検出素子を記
録媒体との対向面側から見た断面図、
【図8】本発明の第8の実施の形態の磁気検出素子を記
録媒体との対向面側から見た断面図、
【図9】本発明の第9の実施の形態の磁気検出素子を記
録媒体との対向面側から見た断面図、
【図10】フルトラックプロファイル法の説明図、
【図11】図1に示す磁気検出素子の製造方法を示す一
工程図、
【図12】図11の次に行なわれる一工程図、
【図13】図12の次に行なわれる一工程図、
【図14】図2に示す磁気検出素子の製造方法を示す一
工程図、
【図15】図14の次に行なわれる一工程図、
【図16】図15の次に行なわれる一工程図、
【図17】別の製造方法を示す図16に代わる一工程
図、
【図18】図3に示す磁気検出素子の製造方法を示す一
工程図、
【図19】図18の次に行なわれる一工程図、
【図20】図19の次に行なわれる一工程図、
【図21】図4に示す磁気検出素子の製造方法を示す一
工程図、
【図22】図21の次に行なわれる一工程図、
【図23】別の製造方法を示す図22に代わる一工程
図、
【図24】図5に示す磁気検出素子の製造方法を示す一
工程図、
【図25】図24の次に行なわれる一工程図、
【図26】図25の次に行なわれる一工程図、
【図27】別の製造方法を示す図24に代わる一工程
図、
【図28】図27の次に行なわれる一工程図、
【図29】図6に示す磁気検出素子の製造方法を示す一
工程図、
【図30】図29の次に行なわれる一工程図、
【図31】図30の次に行なわれる一工程図、
【図32】図31の次に行なわれる一工程図、
【図33】図32の次に行なわれる一工程図、
【図34】図33の次に行なわれる一工程図、
【図35】別の製造方法を示す図34に代わる一工程
図、
【図36】従来の磁気検出素子を記録媒体との対向面側
から見た部分断面図、
【図37】従来の磁気検出素子を記録媒体との対向面側
から見た部分断面図、
【符号の説明】
10、40 多層膜 11 基板 12 第1反強磁性層 13 固定磁性層 14 非磁性材料層 15 フリー磁性層 16 第3反強磁性層 17 バイアス下地層 18 ハードバイアス層 19 分離層 20、35 非磁性層 21 第2反強磁性層 22 電極層 30 強磁性層 50 絶縁層 51 上部電極層 52 下部電極層 60、61、62、65、66、67、68、69、7
0、71、72 レジスト層

Claims (24)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下から第1反強磁性層、固定磁性層、非
    磁性材料層及びフリー磁性層の順に積層形成された多層
    膜を有する磁気検出素子において、 前記フリー磁性層の上面側の両側領域に第2反強磁性層
    が形成され、トラック幅方向における前記第2反強磁性
    層間には非磁性層が設けられ、 少なくとも前記フリー磁性層のトラック幅方向における
    両側端面の一部にはハードバイアス層が対向して設けら
    れていることを特徴する磁気検出素子。
  2. 【請求項2】 前記フリー磁性層上には第3反強磁性層
    が形成され、前記第2反強磁性層は前記第3反強磁性層
    の両側領域上から前記ハードバイアス層上にかけて形成
    されている請求項1記載の磁気検出素子。
  3. 【請求項3】 前記第3反強磁性層は20Å以上で50
    Å以下の膜厚で形成される請求項2記載の磁気検出素
    子。
  4. 【請求項4】 前記フリー磁性層の両側領域上に形成さ
    れた第2反強磁性層と第3反強磁性層の間には非磁性元
    素が介在している請求項2または3に記載の磁気検出素
    子。
  5. 【請求項5】 前記非磁性層あるいは非磁性元素は、R
    u、Re、Pd、Os、Ir、Pt、Au、Rh、Cr
    のうち1種または2種以上で構成される請求項1または
    4に記載の磁気検出素子。
  6. 【請求項6】 少なくとも前記フリー磁性層及びハード
    バイアス層と、第2反強磁性層との間には強磁性層が形
    成されている請求項1記載の磁気検出素子。
  7. 【請求項7】 前記第2反強磁性層上には電極層が形成
    されている請求項1ないし6のいずれかに記載の磁気検
    出素子。
  8. 【請求項8】 前記第2反強磁性層は前記フリー磁性層
    の両側領域上に形成され、前記ハードバイアス層は、前
    記多層膜及び前記第2反強磁性層のトラック幅方向にお
    ける両側端面に対向して形成される請求項1記載の磁気
    検出素子。
  9. 【請求項9】 前記ハードバイアス層上には電極層が形
    成され、前記電極層は前記第2反強磁性層上にまで延出
    して形成される請求項8記載の磁気検出素子。
  10. 【請求項10】 下からフリー磁性層、非磁性材料層、
    固定磁性層及び第1反強磁性層の順に積層形成された多
    層膜を有する磁気検出素子において、 第2反強磁性層は、前記フリー磁性層下の両側領域か
    ら、前記フリー磁性層のトラック幅方向における両側端
    面よりもさらにトラック幅方向に延出して形成され、 ハードバイアス層は、延出形成された前記第2反強磁性
    層上から少なくとも前記フリー磁性層のトラック幅方向
    における両側端面の一部に対向する位置まで設けられる
    ことを特徴とする磁気検出素子。
  11. 【請求項11】 前記フリー磁性層の両側領域と第2反
    強磁性層間には強磁性層が設けられる請求項10記載の
    磁気検出素子。
  12. 【請求項12】 前記ハードバイアス層上には電極層が
    重ねて形成されている請求項10または11に記載の磁
    気検出素子。
  13. 【請求項13】 前記電極層は前記第1反強磁性層の両
    側領域上にまで延出して形成され、前記電極層間のトラ
    ック幅方向における間隔は、前記第2反強磁性層のトラ
    ック幅方向における間隔と同じかあるいはそれよりも狭
    い請求項13記載の磁気検出素子。
  14. 【請求項14】 前記電極層は、前記多層膜の膜厚方向
    の上下に形成される請求項7、9、12または13に記
    載の磁気検出素子。
  15. 【請求項15】 以下の工程を有することを特徴とする
    磁気検出素子の製造方法。 (a)下から第1反強磁性層と、固定磁性層と、非磁性
    材料層と、フリー磁性層と、非磁性層とを有する多層膜
    を形成する工程と、 (b)前記多層膜のトラック幅方向における両側領域を
    削り、前記多層膜の両側にハードバイアス層を形成する
    工程と、 (c)前記フリー磁性層のトラック幅方向における両側
    領域上の前記非磁性層を削り、前記両側領域上からハー
    ドバイアス層上にかけて第2反強磁性層及び電極層を重
    ねて形成する工程。
  16. 【請求項16】 前記(a)工程で、前記フリー磁性層
    上に第3反強磁性層及び非磁性層を形成して多層膜を構
    成し、前記(c)工程で第2反強磁性層を形成する前
    に、少なくとも前記第3反強磁性層の両側領域上に形成
    された非磁性層を削り、前記(c)工程で前記第3反強
    磁性層の両側領域上から前記ハードバイアス層上にかけ
    て第2反強磁性層及び電極層を重ねて形成する請求項1
    5記載の磁気検出素子の製造方法。
  17. 【請求項17】 前記第3反強磁性層を20Å以上で5
    0Å以下の膜厚で形成する請求項16記載の磁気検出素
    子の製造方法。
  18. 【請求項18】 前記(c)工程で第2反強磁性層を形
    成する前に、前記第3反強磁性層上に形成された非磁性
    層を削り、前記(c)工程で前記第3反強磁性層上から
    ハードバイアス層上にかけて第2反強磁性層及び電極層
    を形成した後、前記第3反強磁性層の両側領域上に前記
    第2反強磁性層及び電極層が残るように、前記第2反強
    磁性層及び電極層のトラック幅方向における中央部を削
    る請求項16または17に記載の磁気検出素子の製造方
    法。
  19. 【請求項19】 前記(c)工程で前記フリー磁性層の
    両側領域上から前記ハードバイアス層上にかけて強磁性
    層、第2反強磁性層及び電極層を重ねて形成する請求項
    15記載の磁気検出素子の製造方法。
  20. 【請求項20】 前記(c)工程で前記フリー磁性層上
    からハードバイアス層上にかけて強磁性層、第2反強磁
    性層及び電極層を形成した後、前記フリー磁性層の両側
    領域上に前記第2反強磁性層及び電極層が残るように、
    前記第2反強磁性層及び電極層のトラック幅方向におけ
    る中央部を削る請求項19記載の磁気検出素子の製造方
    法。
  21. 【請求項21】 前記非磁性層を、Ru、Re、Pd、
    Os、Ir、Pt、Au、Rh、Crのうち1種または
    2種以上の合金で形成する請求項15ないし20のいず
    れかに記載の磁気検出素子の製造方法。
  22. 【請求項22】 前記非磁性層を3Å以上で10Å以下
    の膜厚で形成する請求項21記載の磁気検出素子の製造
    方法。
  23. 【請求項23】 以下の工程を有することを特徴とする
    磁気検出素子の製造方法。 (d)トラック幅方向に所定の間隔を開けた第2反強磁
    性層を形成する工程と、 (e)前記第2反強磁性層上に強磁性層及び非磁性層を
    形成し、前記非磁性層を削った後、前記強磁性層上から
    トラック幅方向の前記強磁性層間にかけて下から、フリ
    ー磁性層と、非磁性材料層と、固定磁性層と、第1反強
    磁性層とを有する多層膜を形成する工程と、 (f)前記多層膜及び強磁性層のトラック幅方向におけ
    る両側領域を削り、前記第2反強磁性層上から多層膜の
    両側にハードバイアス層及び電極層を重ねて形成する工
    程。
  24. 【請求項24】 前記(f)工程で、前記電極層を前記
    多層膜のトラック幅方向の両側領域上にまで延出して形
    成し、このとき、前記電極層間のトラック幅方向におけ
    る間隔を、前記第2反強磁性層のトラック幅方向におけ
    る間隔と同じかあるいはそれよりも狭くする請求項23
    記載の磁気検出素子の製造方法。
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