JP2007531180A - 低磁歪を有する磁気抵抗ヘッドを安定化させる積層フリー層 - Google Patents
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Abstract
磁気抵読み取りヘッドは、スペーサにより少なくとも一つのピン層から離間させた少なくとも一つのフリー層を有するスピンバルブを含む。フリー層は、CoFe内の薄いCoFeOx積層と随意選択的なCu層を含む。酸素の量は、ガス全体の10%未満である。ピン層は単層か又は副層間にスペーサを有する合成多層構造であり、前述の低磁歪材料を用いることができる。その結果、低磁歪を得て読み取り品質を改善し、かつ/又はピン層のピンニング磁界を増加する。他パラメータが悪影響を受けることはない。
Description
本発明は、磁気抵抗効果(MR)ヘッドの読み取り素子分野に関する。より詳しくは、本発明は低磁歪材料を有するフリー層付きMR読み取り素子からなるスピンバルブに関する。
従来のハードディスクドライブ等の磁気記録技術では、一つのヘッドに読み取り素子と書き込み素子が備わっている。読み取り素子と書き込み素子は別個の機能を有しており、相互間に相互作用を一切伴うことなく互いに独立して動作する。
図1(a),(b)は、従来の磁気記録方式を示す。複数ビット3とトラック幅5を有する記録媒体1は、記録媒体の平面に平行な磁化を有する。その結果、ビット3間の境界に磁束が発生する。これは、一般に「長手磁気記録」と呼ばれる。
情報は誘導書き込み素子9により記録媒体1へ書き込まれ、データは読み取り素子11により記録媒体1から読み取られる。書き込み電流17が誘導書き込み素子9へ供給され、読み取り電流が読み取り素子11へ供給される。
読み取り素子11は、センサ磁化方向が一つの方向から他方向へ変化する際の抵抗変化を検出することで動作するセンサである。シールド13が媒体から入来する不要な磁界を低減し、読み取り素子11が目下読み取り中のビット3のうちの一つに隣接ビットの不要磁束が干渉しないようにする。
前述の従来方式では、記録媒体1の面積密度は過去数年間に相当増加してきており、続く数年間に相当増加すると予想される。それに応じて、ビット密度とトラック密度は増加すると思われる。その結果、従来の読み取り素子はより高効率でかつ高速度にて増大した密度を有するこのデータを読み取ることができねばならない。
これらの要件が故に、図1(b)に示す如く別の従来の磁気記録方式が開発されてきた。この従来方式では、記録媒体1の磁化方向19は記録媒体の平面と直角をなす。これは、「垂直磁気記録」としても公知である。この設計は、よりコンパクトで安定した記録データをもたらす。
図2(a)〜(c)は、「スピンバルブ」として公知の上記磁気記録方式用の各種従来の読み取り素子を示す。図2(a)に示すボトム型スピンバルブでは、フリー層21は記録媒体1から記録データを読み取るセンサとして動作する。スペーサ23が、フリー層21とピン層25の間に配置してある。ピン層25の他側には、反強磁性(AFM)層27が存在する。
図2(b)に示すトップ型スピンバルブでは、層配置は逆転している。図2(a)〜(b)に示した従来のスピンバルブの動作はほぼ同様であるが、以下にさらに詳しく説明する。
ピン層25の磁化方向が固定されているのに対し、フリー層21の磁化方向は例えば(限定はしないが)記録媒体1等による外部磁界の影響に応じて変化させることができる。
外部磁界(磁束)を読み取り素子に印加すると、フリー層21の磁化は変化し、すなわち一定角度だけ回転する。磁束が正であるときはフリー層の磁化は上向きに回転させられ、磁束が負であるときはフリー層の磁化は下向きに回転させられる。さらに、印加する外部磁界がフリー層21の磁化方向をピン層25と同様に整列させるよう変化させた場合、そのときは層間抵抗は低く、電子はこれらの層21,25間をより簡単に移動することができる。
しかしながら、フリー層21がピン層25とは逆の磁化方向を有する場合は、層間抵抗は高いものとなる。この高抵抗が生ずるのは、電子が層21,25間を移動するのがより困難であるからである。
外部磁界と同様、AFM層27が交換結合をもたらし、ピン層25の磁化を固定されたままとする。AFM層27の特性は、その中の材料の性質に起因するものである。従来技術では、AFM層27は通常PtMn又はIrMnである。
抵抗は層21,25が平行であるときに変化し、高感度読み取り素子を有するには反平行ΔRを高くしなければならない。ヘッド寸法が低下すると、読み取り素子の感度は益々重要となり、特に媒体磁束の大きさが減るときは重要となる。かくして、従来のスピンバルブの層21,25間での高抵抗変化ΔRに対する要求が存在する。
図2(c)は、従来の複式型スピンバルブを示す。層21〜25は、図2(a)〜(b)について上記したものとほぼ同じである。しかしながら、追加の層29がフリー層21の他側に配設してあり、その上に第2のピン層31と第2のAFM層33が配置してある。複式型スピンバルブは、図2(a)〜(b)を参照して前記したのと同じ原理に従って動作する。しかしながら、第2のピン層31が供給する余分な信号が抵抗変化ΔRを増大させる。
図6は、図1(a)に示した従来の長手磁気記録方式の場合の前述の原理を図解して示すものである。センサが記録媒体を横切って移動すると、隣接ビットに対しシールドされたビット間の境界における記録媒体の磁束がフリー層に対し磁束を供給し、それが従来のスピンバルブの原理に従って機能する。
従来のスピンバルブの動作を、ここでより詳しく説明する。記録媒体1内では、磁束は隣接ビットの極性に基づいて生成される。二つの隣接ビットがそれらの境界で負極性を有する場合、磁束は負となる。他方で、ビットが共にその境界で正極性を有する場合、磁束は正となる。磁束の大きさが、フリー層とピン層の間の磁化角度を決定する。
ピン層が単層である前述の従来のスピンバルブに加え、図3は従来の合成スピンバルブを示す。フリー層21とスペーサ23とAFM層27は、上記したものとほぼ同じである。図3中、フリー層の一つの状態だけが図示してある。しかしながら、ピン層はさらにスペーサ39により第2の副層37から隔絶された第1の副層35を含む。
従来の合成スピンバルブでは、第1の副層35はピン層25に関する前述の原理に従って動作する。加えて、第2の副層37は第1の副層35に対し逆のスピン状態を有する。その結果、ピン層の全モーメントは第1の副層35と第2の副層37との間の反強磁性結合のお陰で減少する。合成スピンバルブは零に近い全磁束をもったピン層を有し、かくして単層ピン層構造よりも大きな安定性と高いピンニング磁界を得ることができる。
図4は、シールド構造を有する従来の合成スピンバルブを示す。上記した如く、所与のビットの読み取り期間中に隣接ビットからの不要磁束の検出を防止することは重要である。フリー層21の上面には保護層41が配設してあり、個別システム内での電気メッキによりトップシールド43の成膜前にスピンバルブが酸化しないよう保護している。同様に、AFM層27の下面にはボトムシールド45が配設してある。図4には図示していないバッファ層を、通常良好なスピンバルブ成長を目的にAFM層27の前に成膜する。シールドシステムの効果は、前記した如く図6に図示してある。
図5(a)〜(d)に示す如く、4種の従来のスピンバルブが存在する。スピンバルブの型は、スペーサ23の構造に基づき構造的に変化する。
図5(a)に示した従来のスピンバルブはスペーサ23を導体として使用しており、巨大磁気抵抗(GMR)型スピンバルブ用の図1(a)に示した従来のCIP方式に用いられる。「i」で表わされる磁化電流検出方向は、GMR素子の平面内にある。
従来のGMRスピンバルブでは、フリー層21とピン層25の磁化方向(すなわち、スピン状態)が平行であるときに抵抗は最小化され、磁化方向が反対であるときに最大化される。前記した如く、フリー層21は方向を変えることのできる磁化を有する。かくして、GMR構造はピン層磁化の不要な切り替えを最小化することでヘッド出力信号の擾乱を防止する。
GMRは、ピン層とフリー層のスピン分極の程度及びそれらの磁気モーメント間の角度に依存する。スピン分極は、フリー層とピン層それぞれのスピン状態(上向き又は下向き)間の差異に依存する。
ここで、GMR方式をさらに詳しく説明することにする。ビット遷移を示す磁束をフリー層21が受け取ると、フリー層磁化は磁束の方向に従って一方向又は他方向へ小角度だけ回転する。ピン層25とフリー層21の間の抵抗変化は、フリー層21とピン層25のモーメント間の角度に比例する。抵抗変化と読み取り素子の効率との間には、ある関係が存在する。
GMRスピンバルブは、各種要件を有する。例えば、限定はしないが、高出力信号の生成には大抵抗変化ΔRが必要である。さらに、小媒体磁界もまた検出できるよう、低保磁力が望ましい。高いピンニング磁界強度をもたせることで、AFM構造は良好に規定される。層間結合が低いときは、検出層がピン層により悪影響を受けることはない。さらに、フリー層上の歪を最小化するには低磁歪が望ましい。
しかしながら、前述の従来のCIP−GMRは様々な欠点を有する。それらのうちの一つは、フリー層に接続した電極は寸法を減らさねばならず、そのことが過熱を引き起こしてヘッドに害を及ぼすことになる点である。また、CIP−GMRから得られる読み出し信号はMRヘッド幅に比例する。その結果、高記録密度ではCIP−GMRに対する限界が存在する。
その結果、従来の磁気記録方式は検出電流がスピンバルブ平面に平行に流れるCPP−GMRヘッドを使用している。CPPモードでは、センサ幅が減るにつれて信号は増大する。CPP方式で動作する様々な従来技術が図5(b)〜(d)に示してあり、以下により詳しく説明する。
図5(b)は、CPP方式用の従来のトンネル磁気抵抗(TMR)スピンバルブを示す。TMRスピンバルブでは、スペーサ23は絶縁体すなわちトンネル障壁層として機能する。かくして、電子はフリー層からピン層或いはその逆へ絶縁スペーサ23を横断することができる。TMRスピンバルブは、約30〜50%台の増大したMRを有する。
図5(c)は、従来のCPP−GMRスピンバルブを示す。GMRの一般の概念はCIP−GMRに関して前記したものと同様であるが、電流は平面沿いにではなく平面に垂直に転送される。その結果、抵抗及び固有MRにおける差異はCIP−GMRよりも相当に大となる。
従来のCPP−GMRスピンバルブでは、大きな抵抗変化ΔRと高周波応答性を有する適度の素子抵抗とに対する必要性がある。小媒体磁界が検出できるよう、低保磁力もまた必要である。高いピンニング磁界もまたもたねばならない。CPP−GMRスピンバルブの追加の詳細を、以下により詳しく説明する。
図5(d)は、従来のバリスティック磁気抵抗(BMR)スピンバルブを示す。絶縁体として動作するスペーサ23内では、強磁性域47がピン層25をフリー層21に接続している。コンタクト領域は、数ナノメートル台である。その結果、このナノコンタクト内に作成される磁壁で散乱する電子により相当に高いMRがある。他の要因には、強磁性体のスピン分極とBMRスピンバルブとナノコンタクトする領域の構造とが含まれる。
しかしながら、従来のBMRスピンバルブは開発されて日が浅い。さらに、ナノコンタクト形状と寸法の制御性ならびに磁壁の安定性をさらに発展させねばならない点でBMRスピンバルブには従来技術の問題が存在する。加えて、BMR技術の反復性が依然として高い信頼性をもって示さねばならない。
図5(a)〜(d)の前述の従来のスピンバルブでは、スピンバルブのスペーサ23はTMRでは絶縁体、GMRでは導電体、BMRではナノ寸法の磁性コネクタを有する絶縁体である。従来のTMRスペーサは概ねアルミナ等の絶縁金属で出来ているが、従来のGMRスペーサは概ね銅等の導電性金属で出来ている。
図7(a),(b)は、CIP−GMRスピンバルブとCPP−GMRスピンバルブの間の構造的差異を示す。図7(a)に示す如く、GMRスピンバルブの側面にはハードバイアス998が存在し、GMRの上面には電極999が存在する。ギャップ997もまた、必要である。図7(b)に示す如く、CPP−GMRスピンバルブでは、検出電流が薄膜の膜厚方向にのみ流れることのできるスピンバルブの側面に絶縁体1000が成膜してある。さらに、CPP−GMRスピンバルブにはギャップは一切不要である。
その結果、電流はそこを流れるずっと大きな面積を有し、シールドはまた電極としても機能する。それ故、過熱問題は軽減される。
さらに、スピンバルブの層のスピン分極は材料の電子構造に本質的に関係するものであり、比較的高抵抗率の材料が抵抗変化ΔRの増分を導くことができる。従って、未だ満たされていない需要があり、それは、CPP−GMR構造内の働きについて必要な特性と膜厚を有する材料である。
従来のCPP−GMR構造の能力に関する追加の要因を、以下に提示する。エム・ツォイ(M.Tsoi)等著、「Phys. Review Letters」、80,4281(1998年)、ジェイ・シー・スロンチェフスキ(J.C.Slonczewski)著、「J. Magnetism and Magnetic Materials」、195,L261(1999年)、ジェイ・エイ・カチン(J.A.Katine)等著、「Phys. Review Letters」、84,3149(2000年)、およびエム・アール・プファール(M.R.Pufall)等著、「Applied Physics Letters」、83(2),323(2003年)を含む様々な従来の研究が、磁化スイッチングに対する電子スピン分極の影響を実証してきており、その内容は本願明細書に参照用に取り込むものとする。
従来の研究では、固有特性とスピン転移スイッチングとの間の相関が検討されてきた。また、磁化スイッチングの動的応答も研究されてきた。結論としては、高周波(例えば、GHz)における磁化の高速スイッチングに関与するヘッド(センサ)の能力は、記録情報(高データレート)の高速読み取りにとって重要である。
記録媒体ビット寸法が減るにつれ、より薄いフリー層もまた必要になる。従来の技術では、約150GB/in2の記録密度を有するセンサに対し3nm未満の膜厚を有するフリー層の必要性が目下存在する。今後も、フリー層の膜厚を減らす必要性が持続するものと考えられる。記録ヘッド読み取り素子技術において、益々小型化したビットを非常に高い周波数(すなわち、高いデータレート)で検出する必要性もまた存在する。
磁歪(λS)は、外部磁界の印加時に通常フリー層及び/又はピン層内で発生する強磁性材の寸法或いは形状の小さな変化である。磁歪は、異方性磁界の増大に通ずる。フリー層内の強磁性材は結晶性であるため、外部磁界は増大した歪を及ぼし、その結果格子は拡大する。
図8(a)〜(b)は、磁歪に起因する磁化構造の変化を示す。磁区構造は、減磁された状態を表わす。図8(a)に示す如く、外部磁界が存在しないときは、寸法や形状に変化は無い。しかしながら、図8(b)に示す如く、外部磁界を印加したときは強磁性材料の寸法及び/又は形状に変化が生ずる。
一般に、フリー層は磁気異方性を有し、容易軸は良好に規定される。しかしながら、フリー層が高磁歪を有すると、そのときは外部磁界が引き起こす増大した歪が原因で容易軸のばらつきが発生する。このばらつきが容易軸を変え、そのことが記録媒体からの読み取り処理中にノイズを生み出す。かくして、読み取り品質は低下する。
同様に、磁歪がピン層に影響を及ぼすことがある。上記原理に従い高磁歪が不安定性を招き、ピン層におけるピンニング磁界の低減を招くことがある。
磁気抵抗効果に基づく従来の磁気ヘッド及び磁気メモリは、フリー層が20Oe未満の保磁力、高いスピン分極、低い異方性と低い磁歪とを有する。加えて、安定性と耐外乱性とピン層交換結合性に関する特性を考慮しなければならない。
パーマロイNi80Fe20(Py)が、その軟磁性、低い磁歪と比較的大きなスピン分極が故にスピントロニクス・デバイスに幅広く用いられてきた。従来技術の磁気抵抗ヘッドは上記の従来のスピンバルブ構造を用いているため、フリー層は全部或いは少なくとも一部をPyにて作成される。
磁気抵抗変化率(MR)を増大させ得る高スピン分極材料に対する絶えなき要求のお陰で、フリー層にCoFeがPyよりも効果的であることが分かってきた。しかしながら、従来のCoFeフリー層は磁歪λSが大きいという欠点を有する。その結果、強磁性材料の構造は歪む。
CoFeだけを用いるスピンバルブは、NiFeしかもたないフリー層よりも良好なMRを有するNiFe/CoFeのフリー層で構成するよりも良好なMRを有する。従来のNiFeフリー層は、低スピン分極と低ΔRを含む様々な問題がある。
今日までの最良の従来のCoFeは、同様に高いMRを有するPyに比べその低保磁界Hcのお陰でCo90Fe10である。Co90Fe10自体は、他の鉄リッチのCoFe合金に比べ比較的低い磁歪を有するが、従来のスピンバルブ構造では、Cu等の非磁性スペーサ上へCo90Fe10を成膜するとCo90Fe10の格子定数を歪ませ、バルクの値と異なってしまう。さらに、CoFeの磁歪は依然として高すぎて従来の磁気抵抗ヘッドの要件に合致しない。
従って、従来の問題である出力の低下、ノイズの増大、及び/又はスピンニング磁界強度の低下を防ぐために、正の低磁歪λSを持たせる必要が存在する。
磁気抵抗は、印加外部磁界の関数である。図9は、従来の合成スピンバルブに関するこの関係を示す。Hpinは、AFM層とピン層の間の交換結合磁界である。それは、半値MR変化率を測定する磁界として規定される。
図10に示す如く、印加する小磁界(低磁界計測値)では、Hinterで表わされる層間結合磁界はピン層とフリー層の間の磁界となる。ヘッドとMRAM応用分野では小さな層間結合が必要とされ、それはフリー層が外部磁界と安定化器の基で動作するからである。
かくして、外部磁界の印加時にフリー層に対する歪の影響を低減する上で、(これらに限定はしないが)低保磁力や適度の抵抗や低磁歪を含む磁気抵抗ヘッドに関する従来の要件が存在する。
従来技術には、様々な問題と欠点が存在する。例えば、限定するものではないが、大きな磁歪に関連する従来技術のノイズ問題が上記に記載されている。前述の従来技術の結果として、信号対ノイズ比は減少する。
従って、フリー層の磁化が媒体磁束によってのみ応答されるような、高磁歪が引き起こす従来技術の問題を最小化する技術の必要性が存在する。
本発明の一つの目的は、少なくとも従来技術の前述の問題と欠点とを克服することにある。しかしながら、本発明では必ずしもこれらの問題や欠点を克服する必要はなく、また全ての問題や欠点を克服する必要もない。
少なくともこの目的と他の目的を達成するため、記録媒体の読み取り用でスピンバルブを有する磁気センサを提供する。磁気センサには、外部磁界に応答して磁化の調整が可能なフリー層と、固定磁化を有するピン層と、ピン層とフリー層の間に挟持したスペーサと、このスペーサとは反対側のピン層の表面に配置した反強磁性(AFM)層とが含まれる。AFM層はピン層磁化を固定し、フリー層とピン層の少なくとも一方が第1のCoFe層と第2のCoFe層の間に挟持した第1のCoFeOx層を備える。
本発明の上記及び他の目的ならびに利点は添付図面を参照してその好適な例示実施形態を詳しく説明することでより明らかになるものであり、幾つかの図面を通じ同様の参照符号は同様の又は対応する部分を指す。
ここで添付図面を参照し、本発明の好適な実施形態の説明を提示することにする。
本発明の例示的な非限定の実施形態では、正の低磁歪をもったフリー層を有する磁気抵抗ヘッドのための新規のスピンバルブを配設し、改善されたスピンバルブを得る。
より具体的には、Co90Fe10合金はNiFe積層体或いはNi置換体を用いることなくフリー層内に用いられる。さらに、限定はしないが抵抗や保磁力やMR変化率等の他の磁気特性を殆ど変えることのないまま、非常に小さな大きさの磁歪の調整用に膜厚が2オングストローム未満の薄層のCoFeOxを含む。
酸素濃度及び/又はCoFeOx積層の膜厚を調整することで、幅広い磁歪値が得られる。磁歪は、従来技術構造の負値から正値へ切り替えられる。
前述の方式はピン層においても使用でき、何故ならCoFeを有するピン層はフリー層と同じ磁歪ならびに安定性を有するからである。例えば、限定はしないが、ピン層内の従来技術の磁気問題はピンニング磁界(すなわち、AFM層との交換結合)の低減である。
本発明の別の例示的な非限定の実施形態では、(Co90Fe10/Cu)積層フリー層を備える薄膜Co90Fe10Ox層が5オングストローム未満のCu層膜厚を有する。この方式は、従来技術のCPPスピンバルブにとって適切である。増大した境界面の数が、平行と反平行の磁気構造間の増大した抵抗変化ΔRに貢献する。
図11は、本発明の例示的な非限定の実施形態を示す。非磁性スペーサ103によりピン層102から隔絶したフリー層101を有するスピンバルブが、配設してある。さらに、反強磁性(AFM)層104をピン層102の他側に配置し、バッファ105をAFM層104の下側に配置してある。バッファ層105は、その上に成膜された層に対し所望の成長条件をもたらす。
キャップ層107は好ましくは銅(Cu)で出来ていて、フリー層101の上に配置してある。さらに、ボトムリード106とトップリード108が電流検出フロー用に設けてある。
フリー層101は、キャップ層107下側の第1のCoFe層109と、第1のCoFe層109下側の少なくとも一つのCoFeOx積層110と、CoFeOx積層110下側の第2のCoFe層111とを含む。第1と第2のCoFe層109,111は好ましくはCo90Fe10で出来ており、CoFeOx積層110は好ましくは同様にCo90Fe10で出来ている。しかしながら、前述の割合は元来が近似的なものであり、CoとFeがほぼ同様か又は同じ割合を有する材料を前述の割合に代用し又は組み合わせて用いることができる。本発明では、CoFeOxを用いるときは常にxは1又は2に等しく、酸素分子の酸化を表わす。ここで、xに関する値1や2は、それぞれCoFeOx成膜期間中のアルゴンガスと共に含有する2%と4%を指す。
図11に示したこの例示的な非限定の実施形態内の電流は、CPP方式の如く膜厚の方向へ流れるが、この構成はCIP方式用にも用いることができる。CIP方式の使用に必要なヘッド全体に対するどんな改変も、従来技術で公知である。
図12は、本発明の別の例示的な非限定の実施形態を示す。図11について前記したのとほぼ同じ図12のこれらの部分の説明は、繰り返さない。
フリー層101内では、第1のCoFe層109と第2のCoFe層111上のCoFeOx層110とに加え、多層構造112が配設してある。この多層構造は、(限定はしないが)第1のCoFe層109の下側に配置した別のCoFeOx積層113とCoFeOx積層113の下側に配置した別のCoFe層114とが含まれる。前述の第1の実施形態と同様、CoとFeは約Co90Fe10の割合でもって配設してある。
図12には単一の多層112だけを示したが、追加の多層を用いることもできる。さらに、図11と図12の前述の実施形態のいずれもフリー層101だけでなくピン層102内にも使用できる。ピン層102に対するこの種の適用の結果、磁歪は減り、AFM層104とピン層102の間の交換結合は改善されることになろう。
本発明のさらに別の例示的な非限定の実施形態が、図13に示してある。トップリード108は、前記と同じである。しかしながら、キャップ層は備わっていない。その代わりに、フリー層101はスペーサ103上側の第2のCoFe層111や第2のCoFe層111上側のCoFeOx積層110だけでなく、トップリード層108下側の前述の第1のCoFe層109もまた含む。
加えて、第1の薄いCu積層115が第1のCoFe層109と第3のCoFe層116の間に配置してあり、第2の薄いCu積層117が第3のCoFe層116と第4のCoFe層118の間に配置してあり、層118はCoFeOx層110上側に配置してある。前述の実施形態と同様、これらの層内のCoFeの割合はほぼCo90Fe10である。
図14は、本発明のさらに別の例示的な非限定の実施形態を示す。図13について前記したものとほぼ同様の本発明部分は、ここでは繰り返さない。
フリー層101内には、多層構造121が配設してある。多層構造は、(限定はしないが)第3のCoFe層116の下側に位置する別のCoFeOx積層と、別のCoFeOx積層119の下側、すなわち第2の薄いCu層118の上側に位置する第5のCoFe層120とを含む。前述の第1の実施形態と同様、CoとFeはほぼCo90Fe10の割合で配設してある。
図14には単一の多層121だけを示したが、追加の多層を用いることもできる。さらに、図13と図14のいずれの前記実施形態も、フリー層101内だけでなくピン層102内にも使用できる。ピン層102に対するこの種の適用の結果、磁歪は減り、AFM層104とピン層102の間の交換結合は改善されよう。
前述の全ての実施形態において、すなわち配設した各種CoFeOx酸化層内では、酸化率はその中に供給したアルゴンガスに対し約10%未満である。さらに、全ての場合において積層CoFeOxの膜厚は約5Å未満であり、Co1−xFexから作成でき、ここで組成において20%の余裕をもってxは100,50,30,20,10%とされる。
様々な実施形態における本発明の能力を示す各種実験結果を、以下により詳しく説明する。
表1は、試料A〜Dの様々なスピンバルブ構造間の比較を示す。試料Aは、Co90Fe10フリー層を含む従来のスピンバルブ構造である。試料B,Dは、図11とほぼ同様の実施形態を表わし、試料Cは図12とほぼ同様の実施形態を表わす。試料B,C中、酸素量は全ガス圧の約2%である。
フリー層101はその膜厚と副層の膜厚の点で変更したが、スピンバルブの他の層は従来技術とほぼ同じである。層の膜厚は、オングストロームで示してある。
バッファとAFMとピン層は、全ての実施形態で同じである。酸素量は、これらの試料にあっては全ガス圧の約2%である。
表2は、固有特性で見た各種フリー層の性能を示す。試料Aの従来のフリー層は、望ましくない高い負の磁歪を有する。試料B〜Dの全ては、正の磁歪値を有する。しかしながら、試料Dは正の最低磁歪値を有する。フリー層内のCoFeOx層の挿入は磁歪の大きな影響を及ぼす。CoFe層109,111とCoFeOx積層110の膜厚を最適化することで、磁歪は最小化することができる。
積層の位置は、重要なパラメータである。見て分かるように、試料Dは6.3×10−7の磁歪を有し、その磁気特性は試料Aに殆ど等しい。試料BとDの間の唯一の差異は、フリー層内部のCoFeOxの位置である。かくして、試料B〜Dは他のパラメータに影響を及ぼすことなく優れた磁歪を得る。
図15はさらに、この関係を示す。試料B,D内の単一CoFeOx構造を有するフリー層構造は、これらのスピンバルブ構造が磁歪の低減に有効であるように見える。
前述に基づき、CoFeOx酸化層の追加はフリー層の結晶性成長を変えることが分かる。さらに、層の相対的膜厚と酸化層内の酸素比とが磁気特性を最適化する上で重要である。
図13と図14に示す本発明の例示的な非限定の実施形態では、フリー層はCoFe/Cuと共に積層してある。表3に示す如く、試料E内の従来技術の如く所定の積層フリー層(CoFe/Cu)について実験を行い、試料F〜Hでは本発明の各種実施形態の如く薄いCoFeOx層をその中に挿入した。
試料F,Hは単層構造を使用しているが、試料Gは多層構造を使用している。しかしながら、試料FはCoFeO1層を有し、試料Hはスペーサに最も近い側にCoFeO2を有する。かくして、試料FとHとの間の主要な差異は試料H内のより高い酸化率である。表1中の如く、CoFeは概ねCo90Fe10を指す。しかしながら、本発明はそれに限定はされない。
表4は、その構造を表3について図示し前記した試料E〜Hの性能を示す。この性能は、固有特性について記載してある。
たった一つのCoFeOxの挿入が、磁歪を約−1×10−5(基準試料E)から約5×10−7(試料F)へ低減する。かくして、磁歪は従来技術の試料Eについてより低くかつ正となる。他の磁気特性は、殆ど不変である。
試料Hは、低減されたHcと、さらに若干良好なMR変化率とHpinを示す。しかしながら、λSはCoFeOx付きCoFeの積層に強く依存し、試料Fよりも試料Hの方が相当に高い。図16は、表3,4に示した試料E〜Hに関するフリー層構造についての磁歪の依存性を図解するものである。
本発明の各種実施形態では、約5×10−6未満の磁歪がもたらされる。層の膜厚と構成に応じ、磁歪は約10−7未満とすることができる。
図17は、結合エネルギスペクトルで見たCoFe(従来技術の約3nm膜厚)だけのフリー層とCoFe及びCoFeOxフリー層の間の差異を示す。これらの薄膜構造は、以下表5内に示してある。図17の結果は、Cuの上に成膜されたCoFe成長に対するCu効果の途絶により説明することができる。具体的には、CoFeをCuスペーサ上に直接成膜すると、Cuが原因でCoFeの格子パラメータに偏差が存在する。この薄いCoFeOx層は、CuとCoFeとの間のこの依存関係を破壊或いは低減することができる。
図17に示す如く、試料1,2のXPSスペクトルはCoの結合エネルギに対応する782eVにおいて極めて異なる。CoFeの構造は、CoFeOx層を含ませたことで変化したように推測される。
本発明の前述の例示的な非限定の実施形態のいずれについても、追加の変形例もまた設けることができる。例えば、限定はしないが、ピン層102は従来技術について記載した如く、合成層或いは単層のいずれにもできる。
また、図11〜図14はボトム型スピンバルブを示すものであるが、本発明はそれに限定されず、それを追加の実施形態で置き換えることもできる。例えば、限定するものではないが、当業者には理解される如く、前述の構成はトップ型或いはボトム型のスピンバルブとすることもできる。
さらに、CPP−GMRやCIP−GMRスピンバルブ等のGMR応用分野にスピンバルブを用いるときに、スペーサ103は導電性とする。TMR応用分野では、スペーサ103は絶縁体とする。従来技術について前記した如く一本の結線を配設するときは、BMR型ヘッドを用いることができる。また、スペーサは導電性材料と非導電性材料の混合物を含むものでもよい。
加えて、絶縁体とセンサの上面及び/又は側面上の積層とハードバイアスの一方を有する安定化方式を提供することができる。
さらに、フリー層101とピン層102とそれらの様々な例示的な非限定の実施形態以外の層のあらゆる既知の組成は、(それらに限定はしないが)従来技術に関連して前記したものを含め使用することができる。例えば、限定はしないが、合成ピン層や単層ピン層を用いることができる。これらの他の層の組成は当業者には公知であるため、簡便さに配慮し、それは本発明の詳細な説明において繰り返さないことにする。
本発明は、様々な効果を有する。例えば、限定はしないが、センサの他の特性には殆ど影響を与えずに正の低磁歪が得られる。その結果、ノイズが低減された故に信号対ノイズ比は改善される。前述の構造をピン層にも適用したときに、ピンニング磁界の強度は相当に改善される。
本発明は、上記の特定の実施形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に規定する本発明の趣旨ならびに範囲から逸脱することなく本発明に対し多数の改変をなすことができることは、熟慮されたい。
本発明は、様々な産業上の利用可能性を有する。例えば、それはコンピュータ装置やマルチメディアシステムや携帯通信装置や関連周辺装置のハードディスクドライブ等の磁気記録媒体を有するデータ記憶装置に用いることができる。しかしながら、本発明はこれらの用途に限定はされず、当業者が検討することのできる他の任意の用途もまた用いることができる。
Claims (19)
- 記録媒体読み取り用スピンバルブを有する磁気センサであって、
外部磁界に応答して磁化方向の調整が可能なフリー層と、
固定磁化を有するピン層と、
前記ピン層と前記フリー層の間に挟持したスペーサと、
前記スペーサに対向させて前記ピン層表面に配置されて前記固定磁化を安定化させる反強磁性(AFM)層を備え、前記フリー層と前記ピン層の少なくとも一方が第1のCoFe層と第2のCoFe層の間に挟持した第1のCoFeOx層を備えることを特徴とする磁気センサ。 - 前記第1のCoFeOx層の前記xはその中の含有酸素量であり、CoFeOx層の酸化に使用する前記酸素とアルゴンの混合比について10%未満とした、請求項1記載の磁気センサ。
- 前記第1のCoFeOx層は約2オングストローム未満の膜厚を有する、請求項1記載の磁気センサ。
- 前記スペーサに積層する前記第1のCoFe層の膜厚を前記第2のCoFe層の膜厚に対し最適化し、前記磁気センサが約5×10−6未満の正磁歪を有するようにし、前記第1のCoFe層の前記膜厚を約20オングストロームとし、前記第2のCoFe層の前記膜厚を約9オングストロームとした、請求項1記載の磁気センサ。
- 前記フリー層の前記第1のCoFe層とトップリードとの間に挟持したキャップ層と、
前記AFM層とボトムリードとの間に挟持したバッファで、前記トップリードと前記ボトムリードとの間を検出電流が流れる前記バッファとをさらに備える、請求項1記載の磁気センサ。 - 前記キャップ層はCuで構成した、請求項5記載の磁気センサ。
- 少なくとも一つの多層で、
前記第1のCoFe層下側の第2のCoFeOx副層と、
前記第2のCoFeOx層と前記第1のCoFeOx層との間の第3のCoFe副層とを備える前記多層をさらに備える、請求項1記載の磁気センサ。 - 前記第1のCoFeOx層のうちの少なくとも一つの酸化率を約10パーセント未満とした、請求項1記載の磁気センサ。
- Coに対するFeの百分比は、前記第1のCoFeOx層と前記第1のCoFe層と前記第2のCoFe層のうちの少なくとも一つで100,50,30,20,10パーセントのうちの一つとした、請求項1記載の磁気センサ。
- 前記第1のCoFeOx層において酸素分圧を全ガス圧力の約2パーセントとする、請求項1記載の磁気センサ。
- 側面シールドと前記磁気センサを付勢する手段とを含む安定化器をさらに備える、請求項1記載の磁気センサ。
- 前記ピン層は合成層と単層のうちの一方とした、請求項1記載の磁気センサ。
- 前記スピンバルブはトップ型とボトム型と複式型の一つであり、前記ピン層は(a)単層と(b)その副層間にスペーサを備える多層のうちの一方とした、請求項1記載の磁気センサ。
- 前記スペーサは、
(a)トンネル磁気抵抗効果(TMR)スピンバルブに使用する絶縁体と、
(b)巨大磁気抵抗効果(GMR)スピンバルブに使用する導体と、
(c)磁性ナノ寸法で前記ピン層と前記フリー層の間を接続する、バリスティック磁気抵抗(BMR)スピンバルブに用いる絶縁体、
のうちの一つとした、請求項1記載の磁気センサ。 - 前記記録媒体は該記録媒体の平面に(a)垂直か(b)平行のうちの一方の磁化方向に前記磁束を生成する、請求項1記載の磁気センサ。
- 少なくとも一つの多層構造をさらに備え、該多層構造の各層がCoFeを含む中間層に隣接配置した第1のCu層を含む、請求項1記載の磁気センサ。
- 前記中間層は第3のCoFe層を備える、請求項16記載の磁気センサ。
- 前記xは1に等しく、総ガス量内の2%酸素に対応し、前記磁気センサのMR変化率は、前記スペーサに対向する前記第1のCoFe層の膜厚が約9オングストロームで、前記第1のCoFeOx層の膜厚が約2オングストロームで、前記第3のCoFe層の膜厚が約9オングストロームで、前記第1のCu層の膜厚が約2オングストロームであり、前記第2のCoFe層の膜厚が約10オングストロームであるときに、約11%を上回る、請求項17記載の磁気センサ。
- 前記中間層は第3のCoFe層と第4のCoFe層の間に挟持した第2のCoFeOx層を備える、請求項16記載の磁気センサ。
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20081202 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20090512 |