JP4774157B2 - マルチビーム光源装置及び光走査装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真方式の複写機やプリンタ等の感光体に光を照射して書込みを行なう複数の光ビームを同時に出射するマルチビーム光源装置及び光走査装置に関し、特に複数のレーザ光源の光軸合わせの容易化に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方式を使用した複写機やプリンタ等の光書込み系では記録速度を早くするために、例えば、特開平8−68956号公報や特開平9−197310号公報,特開平11−23988号公報,特開平11−153762号公報に示されたように、複数のレーザ光源から出射するレーザビームにより感光体表面を同時に走査して情報を書き込むマルチビーム走査装置やマルチビーム光源装置が開示されている。例えば、特開平11−23988号公報,特開平11−153762号公報に示されたマルチビーム光源装置は、複数の半導体レーザ光源を主走査方向に配列することにより、複数のビームを1つのビームスプリッタで合成することができ、構成が簡単でかつ経時的なずれを少なくして安定性を高めるようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
このマルチビーム光源装置において、複数のレーザ光源を組み付けてビームスプリッタで合成したビームスポット間隔の位置合わせを行うためには、その前段階の光源部の光軸のアライメント調整精度やプリズムのビームスプリッタ面と反射面の角度精度に依存するしかなく、大量の製品を量産するときにビームスポット間隔の調整(副走査方向の走査線間隔の設定)が容易でなかった。
【0004】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、複数のレーザ光源から出射するビームスポット間隔の調整を単純作業で容易に行うことができ、かつ確実な位置合わせを行なって組み立て効率を向上させるとともに長期間安定して副走査方向の走査線間隔を維持し高品位な画像を安定して記録することができるマルチビーム光源装置及び光走査装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明に係るマルチビーム光源装置は、複数の第1光源素子と該第1光源素子からの光ビームを略平行光束にする複数の第1カップリングレンズとを主走査方向に配列し、第1の支持部材で一体的に支持する第1の光源部と、複数の第2光源素子と該第2光源素子からの光ビームを略平行光束にする複数の第2カップリングレンズとを主走査方向に配列し、第2の支持部材で一体的に支持する第2の光源部と、前記第1の光源部と前記第2の光源部から射出される光ビームを近接させるビーム合成手段と、前記第1の光源部と前記第2の光源部を、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材とが各々光ビームの射出軸を中心として回転可能に、保持するベース部材と、副走査方向に対する前記第1の光源部から射出する光ビームの方向と、副走査方向に対する前記第2の光源部から射出する光ビームの方向のうち少なくとも一方を変更する角度調整手段とを備えるマルチビーム光源装置であって、前記角度調整手段は、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材の少なくとも一方に配設され、副走査方向に対する前記第1の支持部材の回動角度と副走査方向に対する前記第2の支持部材の回動角度のうち少なくとも一方を可変して前記第1の光源部と前記第2の光源部から射出する光ビームの相対角度を変更可能とすることを特徴とする。
【0045】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
【0046】
本発明のマルチビーム光源装置は、光源ユニットとベース部材とアパーチャ板とビーム合成プリズムを有する。光源ユニットは第1の光源部と第2の光源部を有する。第1の光源部と第2の光源部はそれぞれ複数、例えば2個の半導体レーザ素子と半導体レーザ素子からの光ビームを略平行光束にする2個のカップリングレンズとを有する。第1の光源部と第2の光源部はそれぞれ射出軸を中心とした点対称の2個所の位置決め部と、この2個所の位置決め部を結ぶ線分を斜辺とした直角三角形の直交位置にある位置決め部の3点を基準にベース部材の裏面から接触させ、射出軸を中心とした点対称の2個所の位置決め部を結ぶ線分を中心にして回動できるようにベース部材に取り付け、このベース部材の表面に各半導体レーザ素子に対応したアパーチャが設けられたアパーチャ板と第2の光源部の半導体レーザ素子のビームを第1の光源部の半導体レーザ素子のビームに近接させて射出するビーム合成プリズムを設ける。
【0047】
ベース部材の第1の光源部と第2の光源部の射出軸を中心とした点対称の2個所の位置決め部以外の位置決め部が突き当たる位置には、射出軸方向に対して前後に移動できるボールと、円錐状に形成してボールの位置を可変する位置調節ねじを有する角度調整機構を設ける。この角度調整機構の位置調節ねじをそれぞれ上下方向に移動して第1の光源部の位置決め部に接触しているボールと第2の光源部の位置決め部に接触しているボールの位置を可変し、第1の光源部と第2の光源部のベース部材に対する取付角度を射出軸を中心とした点対称の2個所の位置決め部を結ぶ線分を中心に可変し、第1の光源部から射出するビームと第2の光源部から射出するビームの射出角度を合わせる。
【0048】
図1は、本発明の一実施例の構成を示す分解斜視図である。図に示すように、4ビームの光源装置は、光源ユニット1とベース部材2とアパーチャ板3とビーム合成プリズム4及びとホルダ部材5を有する。
【0049】
光源ユニット1は、第1の光源部6と第2の光源部7及び基板8を有する。第1の光源部6は、支持部材9と2個の半導体レーザ素子10,11を有する。支持部材9は、例えばアルミダイキャストで製作され、裏面に半導体レーザ素子10,11を嵌合する取付孔が主走査方向に一定間隔、例えば約8mm隔てて設けられ、この取付孔に半導体レーザ素子10,11を圧入して、第1の光源部6の射出軸(以下、第1の射出軸という)に対称に一列に配置している。
【0050】
また、支持部材9は、表面に2個のカップリングレンズ12,13が半導体レーザ素子10,11と対に設けられている。各カップリングレンズ12,13は半導体レーザ素子10,11の発散光束が平行光束となるように出射方向であるX方向の位置を合わせ、半導体レーザ素子10,11からのビームが所定のビーム射出方向となるようにY方向とZ方向の位置を合わせて支持部材9の取付部にUV硬化接着剤を充填して固定されている。
【0051】
第2の光源部7も支持部材14と2個の半導体レーザ素子15,16を有し、支持部材14の裏面に半導体レーザ素子15,16が第2の光源部7の射出軸(以下、第2の射出軸という)に対称に一列に配置して取り付けられ、表面にカップリングレンズ17,18が取り付けられている。基板8には半導体レーザ素子10,11と半導体レーザ素子15,16の駆動回路を有する。
【0052】
第1の光源部6と第2の光源部7は、それぞれ第1の射出軸と第2の射出軸と中心を一致させた支持部材9,14の円筒部9a,14aをベース部材2の裏側より取付孔21,22に係合させ、支持部材9の第1の射出軸を中心とした点対称の2個所の位置決め部9b,9cと位置決め部9b,9cを結ぶ線分を斜辺とした直角三角形の直交位置にある位置決め部9dの3点と、支持部材14の第1の射出軸を中心とした点対称の2個所の位置決め部14b,14cと位置決め部14b,14cを結ぶ線分を斜辺とした直角三角形の直交位置にある位置決め部14dの3点とを基準にベース部材2に接触させ、ベース部材2の表側より支持部材9の位置決め部9b,9cと支持部材14の位置決め部14b,14cをねじ止めして支持部材9,14をベース部材2に取り付ける。
【0053】
この第1の光源部6と第2の光源部7を取り付けたベース部材2の表面には、各半導体レーザ素子10,11,15,16に対応したアパーチャを有するアパーチャ板3と半導体レーザ素子15,16のビームを半導体レーザ素子10,11のビームに近接させて射出するビーム合成プリズム4を配置し、アパーチャ板3とビーム合成プリズム4及びベース部材2をホルダ部材5で保持し、ホルダ部材5の支柱5aに半導体レーザ素子10,11,15,16の駆動回路を有する基板8を固定し、半導体レーザ素子10,11,15,16のリードを駆動回路にハンダづけして接続して4ビームの光源装置を形成する。
【0054】
この光源装置を走査光学手段を収納する光学ハウジングに取り付けるとき、ホルダ部材5の円筒部5bの中心を走査光学手段の光軸に合わせて光学ハウジングに取り付け、走査光学手段に複数のビームを入射させる。また、ホルダ部材5はレバー5cを調節ネジ5dで上下させることによって円筒部5bを中心として回転できるように光学ハウジングに保持される。これにより走査光学系の配置誤差等によって走査線の傾きが生じたときに、走査線に合わせてビーム配列を傾けることができる。
【0055】
この光源装置の第2の光源部7から射出したビーム31は、図2の副走査方向の断面図に示すように、ビーム合成プリズム4の下側の斜面41で反射されビームスブリッタ面42で再度反射されて第1の光源部6から射出したビーム30と近接される。このときビーム30,31はビーム合成プリズム4の角度誤差等により、図2に示すように射出角にずれが生じる。
【0056】
このようにビーム30,31の射出角にずれが生じると、図3(a)に示すように、第1の光源部6の半導体レーザ素子10,11から射出したビーム30のスポット列32の中心位置33に対して第2の光源部7の半導体レーザ素子15,16から射出したビーム31のスポット列34の中心位置35が副走査方向にずれてしまい、正確に走査線ピッチが出せなくなる。
【0057】
これを防止するために、図2の断面図に示すように、第1の光源部6の支持部材9の3点の位置決め部9b,9c,9dのうち固定用のねじ孔が設けられていない位置決め部9dと、第2の光源部7の支持部材14の3点の位置決め部14b,14c,14dのうち固定用のねじ孔が設けられていない位置決め部14dが突き当たるベース部材2の位置に前後に移動できるボール23と、円錐状に形成してボール23の位置を可変する位置調節ねじ24を設け、位置調節ねじ24をそれぞれ上下方向に移動して第1の光源部6の位置決め部9dに接触しているボール23と第2の光源部7の位置決め部14dに接触しているボール23の位置を可変する。
【0058】
この第1の光源部6の位置決め部9dの接触位置と第2の光源部7の位置決め部14dの接触位置を可変することにより、第1の光源部6の支持部材9は位置決め部9b,9cを結ぶ線分を中心に矢印A方向に角度を可変し、第2の光源部7の支持部材14は位置決め部14b,14cを結ぶ線分を中心に失印B方向に角度を可変する。
【0059】
このように第1の光源部6の支持部材9と第2の光源部7の支持部材14のベース部材2に対する角度を可変することにより、第1の光源部6から射出したビーム30と第2の光源部7から射出したビーム31の射出角度を簡単に合わせることができ、図3(b)に示すように、第1の光源部6のビーム30のスポット列32の中心位置33と第2の光源部7のビーム31のスポット列34の中心位置35を一致させることができる。
【0060】
この状態で各支持部材9,14の円筒部9a,14aを中心に回転させることにより、ビーム30のスポット列32とビーム31のスポット列34も回転て所定の副走査ピッチになるように調節できる。ここではスポット列32は隣接する主走査ラインを走査し、スポット列34は3ライン離れた主走査ラインを走査するようにしており、中心位置33,35を合わせることにより4ライン各々にビームスポットを配置することができる。
【0061】
ここで、ボール23と位置調節ねじ24からなる角度補正機構を第1の光源部6の位置決め部9dの接触位置と第2の光源部7の位置決め部14dの接触位置の両方に設け、第1の光源部6の支持部材9と第2の光源部7の支持部材14のべース部材2に対する角度の両方を可変する場合について示したが、いずれか一方に設けて角度を可変するようにしても良い。
【0062】
また、図4に示すように、ビーム30のスポット列32とビーム31のスポット列34を各々2ライン離れた主走査ラインを走査するようにしている場合は、ビーム30のスポット列32の中心位置33とビーム31のスポット列34の中心位置35が副走査方向に1ライン分だけ離れるように角度補正をすることにより、4ライン各々にビームスポットを配置することができる。
【0063】
上記実施例に係る4ビームの光源装置を搭載した光走査装置の構成を図5に示す。
【0064】
第1の光源部6の半導体レーザ素子10,11は、射出するビームが主走査方向には各々角度αだけ傾けてポリゴンミラー42近傍で交差するように配置され、第2の光源部7の半導体レーザ素子15,16も出射するビームが主走査方向には各々角度αだけ傾けてポリゴンミラー42近傍で交差するように配置され、ビーム合成プリズム4により射出軸を略一致させて同時に走査される。
【0065】
各ビームはシリンダレンズ41を介してポリゴンミラー42で反射し、2枚構成のfθレンズ43とミラー44及びトロイダルレンズ45により感光体ドラム46の表面に結像され走査される。この走査をするときに、走査開始側に設けたミラー47によりセンサー基板48に各ビームを導き、画像書き出しのタイミングをとる同期検知信号を得る。
【0066】
このセンサー基板48に各ビームを導くときに、半導体レーザ10,11から射出するビームが一定角度傾くようにしてあるから、図6に示すように、センサー基板48に入射する半導体レーザ素子10,11のビームスポット32a,32bは一定間隔L1だけ離れ、同様に半導体レーザ素子15,16のビームスポット34a,34bも一定間隔L1だけ離れてセンサー基板48に入射する。
【0067】
そこで、センサー基板48には2個の受光素子、例えばフォトダイオード48a,48bを一定間隔L1より小さな聞隔Lをおいて配置し、ビームスポット32bを消灯した状態でフォトダイオード48aを通過させて、フォトダイオード48aでビームスポット34bを検出し、ビームスポット34bを消灯した状態でフォトダイオード48bを通過させて、フォトダイオード48bでビームスポット32bを検出する。
【0068】
同様に、ビームスポット32aを消灯した状態でフォトダイオード48aを通過させて、フォトダイオード48aでビームスポット34aを検出し、ビームスポット34aを消灯した状態でフォトダイオード48bを通過させて、フォトダイオード48bでビームスポット32aを検出する。そして感光体ドラム46を4ライン毎に走査する。このように副走査方向に正確に位置合わせしたビームスポット32,34で走査するから、良質な画像を安定して書き込むことができる。
【0069】
上記実施例は4ビームの光源装置について説明したが、図7に示すように、第1の光源部6に1個の半導体レーザ素子10を設け、第2の光源部7に2個の半導体レーザ素子15,16を設け、図8(a)に示すように、第1の光源部6からのビームスポット32で1ラインを走査し、第2の光源部7からのビームスポット34で1ライン離れた2ライン分を走査する3ビームの光源装置の場合にも同様に適用することにより、図8(b)に示すように、第1の光源部6からのビームスポット32を第2の光源部7からのビームスポット34の中央位置に合わせることができる。
【0070】
また、4ビームの光源装置や3ビーム光源装置以外の複数ビームであっても同様に適用することができる。
【0071】
次に、図9は本発明の他の実施例に係るマルチビーム光源装置の構成を示す。
【0072】
図9に示す実施形態は、主として第1光源部100と、第2光源部170と、ビーム合成手段としてのプリズム131とからなる。第1光源部100は、例えばアルミダイキャスト製の支持部材110と、2個の半導体レーザ101、102と、2個のカップリングレンズ104、105を有してなる。支持部材110には、前面側中央に円形のテーブル形の突出部111が一体に形成され、さらに、突出部111の中央に分銅形の突出部112が一体に形成されている。支持部材110にはまた、これを前後方向に貫いて二つの円形の孔113、114が形成されている。二つの孔113、114は、後で詳細に説明する光ビームの主走査方向であるY方向に並んで形成されている。この二つの孔113、114は、上記円形の突出部111の範囲内に形成されるとともに、上記突出部112の左右両側部に上記孔113、114の約半分がかかることにより突出部112の左右両側に半円筒形の窪み115、116が形成され、これによって突出部112は上記のように分銅形に形成されている。
【0073】
上記二つの半導体レーザ101、102は、支持部材110の裏側からそれぞれ上記孔113、114に圧入され、支持部材110によって支持されている。また、上記二つのカップリングレンズ104、105は、それぞれ上記突出部112の左右の半円筒状窪み115、116に、例えばUV(紫外線)硬化接着剤等を用いて接着固定されている。上記カップリングレンズ104、105は、各半導体レーザ101、102と対をなしていて、各半導体レーザ101、102から射出される発散光ビームが所望の光束状態となるように光軸方向すなわち図9においてX方向の位置を合わせ、また、所定のビーム射出方向となるようにY方向の位置、およびX方向にもY方向にも直交するZ方向の位置を合わせ、上記窪み115、116との隙間に充壌された接着剤で固定されている。このようにして第1光源部100が構成されている。
【0074】
第2光源部170についても第1光源部100と賂同様に構成されている。第2光源部170は、例えばアルミダイキャスト製の支持部材120と、2個の半導体レーザ106、107と、2個のカップリングレンズ108、109を有してなる。支持部材120には、上寄りの位置に円形の窓孔121が形成され、この窓孔121の下前面側に分銅形の突出部122が一体に形成されている。支持部材120にはまた、これを前後方向に貫いて二つの円形の孔123、124が形成されている。二つの孔123、124は、Y方向に並んで形成されている。この二つの孔123、124は、上記突出部122の左右両側部に上記孔123、124の約半分がかかることにより、突出部122の左右両側に半円筒形の窪み125ポ126が形成され、これによって突出部122は上記のように分銅形に形成されている。
【0075】
上記二つの半導体レーザ106、107は、支持部材120の裏側からそれぞれ上記孔123、124に圧入され、支持部材120によって支持されている。また、上記二つのカップリングレンズ108、109は、それぞれ上記突出部122の左右の半円筒状窪み125、126に、UV硬化接着剤等を用いて接着固定されている。上記カップリングレンズ108、109は、各半導体レーザ106、107と対をなしていて、各半導体レーザ106、107から射出される発散光ビームが所望の光束状態となるように図9においてX方向の位置を合わせ、また、所定のビーム射出方向となるようにY方向およびZ方向の位置を合わせ、上記窪み125、126との隙間に充填された接着剤で固定されている。このようにして第2光源部170が構成されている。
【0076】
第1光源部100の支持部材110を第1支持部材、第2光源部170の支持部材170を第2支持部材とすると、第1支持部材110は第2支持部材120に支持されている。より具体的にはト第2支持部材120の窓孔121に、第1支持部材110の円形テーブル状突出部111の外周を嵌め合わせることによって、第1支持部材110が第2支持部材120に支持されている。また、第1支持部材110は、第2支持部材120の窓孔121の周壁に沿って回転可能であって、これにより第1支持部材110は第2支持部材120に対し第1光源部100からの射出ビームの光軸に略一致する方向を回転軸として回転させることができるようになっている。
【0077】
図9、図10において、符号131はビーム合成手段としてのブリズムである。プリズム131は第1光源部100からの入射面と第2光源部170からの入射面を有している。第2光源部170からの入射面には1/2波長板(λ/2板)134が設けられている。第2光源部170から射出された光ビームは、1/2波長板134を透過することによって偏光方向が90度回転され、プリズム131内の反射面133で反射された後、偏光ビームスプリッタ面132で反射される。一方、第1光源部100からの光ビームは偏光ビームスプリッタ面132を透過し、この第1光源部100からの光ビームと偏光ビームスプリッタ面132で反射される第2光源部170からの光ビームとが、副走査方向に近接してプリズム131から射出されるようになっている。このようにして、第1、第2光源部100、170からの光ビームを容易に、かつ光量ロスを少なくして合成することができる。
【0078】
以上説明した図9、図10に示す実施形態によれば、第1光源部100を第2光源部170に支持しているため、2つの光源部100、170を副走査方向に近接させ配置することが可能となる。
【0079】
既に説明したように、第1光源部100は、第2光源部170に対し、射出ビームの光軸に略一致する方向を回転軸として回転可能な構成となっている。例えば、複数の半導体レーザとカップリングレンズが、それぞれの射出光をポリゴンミラー反射面で交差させるように主走査方向に角度を持って支持部材に支持されている場合、第1光源部100を、射出ビームの光軸に略一致する方向を回転軸として第2光源部170に対して回転させることにより、それぞれの射出ビームは副走査方向に角度を持ち、像面上でのビームスポット位置は副走査方向に変化する。
【0080】
例えば、図11(a)に示すように、第1光源部100の回転軸Oが、主走査方向に配列された2つの半導体レーザ相互の中心にある場合においては、上記回転軸Oを中心に第1光源部100を回転させると、像面上での二つのビームスポット位置は、図11(b)に符号「A」で示すように、副走査方向で互いに上下逆に移動し、副走査方向のビームスポット間隔が変化することになる。同様にして、第2光源部170についても、これを射出ビームの光軸に略一致する方向を回転軸として回転させることにより、像面上での二つのビームスポット位置は、図11(b)に符号「B」示すように、副走査方向で互いに上下逆向きに移動し、像面上での副走査方向ビームスボット間隔が変化する。この結果、それぞれの光源部のビームスポット間隔は、所定の値になるように調整可能である。
【0081】
図9に示す例では、第1光源部100の支持部材110が第2光源部170の支持部材120に支持される構成になっていたが、第1光源部100と第2光源部170との支持関係が逆の関係、例えば、第2光源部170の支持部材120が第1光源部100の支持部材110に支持される構成になっていてもよい。こうすることによって図9に示す例と同様の作用効果を得ることができる。
【0082】
次に、図9に示す実施例の各種変形例について説明する。
【0083】
図12に示す実施の形態は、第1光源部100を二つの半導体レーザとこれに対応する二つのカップリングレンズとで構成し、第2光源部170を一つの半導体レーザとこれに対応する一つのカップリングレンズとで構成したものである。図12には、(b)に第1光源部100の半導体レーザ101が記載されているだけで、他の半導体レーザは記載されていない。図12(a)には、第1光源部100の二つのカップリングレンズ104、105が記載され、第2光源部170の一つのカップリングレンズ108が記載されている。
【0084】
第1光源部100に対して、第2光源部170は主走査方向にずらして配置され、第1光源部100の二つのカップリングレンズ104、105の配列方向中央に、第2光源部170の一つのカップリングレンズ108が位置している。そして、上記二つのカップリングレンズ104、105と上記一つのカップリングレンズ108は副走査方向に接近し、上記二つのカップリングレンズ104、105間に上記一つのカップリングレンズ108の一部が入り込んでいる。もちろん、各カップリングレンズには半導体レーザが対応して配置されている。
【0085】
図12(a)に示したように、第1光源部100と第2光源部170とを主走査方向にずらして配置することにより、各カップリングレンズの外径をd、第1光源部100のカップリングレンズ104、105と第2光源部170のカップリングレンズ108との距離をLとしたとき、条件式(1):d>Lを満足するように構成したため、2つの光源部を副走査方向により近接させて配置することが可能になり、マルチビーム光源装置の小型化を図ることができる。
【0086】
図12に示す実施の形態では、光源装置が3ビームになっていたが、図13に示すように、4ビーム等の多ビームにおいても、同様にして、主走査方向にそれぞれの光源部をずらして配置することにより、上記条件式(1)を満足でき、2つの光源部を副走査方向により近接させ配置することが可能となる。図13において、第1光源部100は、第1支持部材110Bと、この支持部材110Bに固着された二つの半導体レーザと、支持部材110Bの前面側の突出部112Bに接着によって固着されたカップリングレンズ104、105とを有してなる。一方、第2光源部170は、第2支持部材120Bと、この第2支持部材120Bの前面側の突出部122Bに接着によって固着された二つのカップリングレンズ108、109と、これらのカップリングレンズ108、109に対応して第2支持部材120Bに固着された二つの半導体レーザとを有してなる。ただし、第2光源部170の、二つの半導体レーザのうち、一方の半導体レーザ106のみが、図13(a)に示されている。
【0087】
第1光源部100の二つのカップリングレンズ104、105は上記突出部112Bの下面側に接着され、第2光源部170の二つのカップリングレンズ108、109は上記突出部122Bの上面側に接着されている。第1支持部材110Bは第2支持部材120Bの窓孔121Bに嵌められることによって第2支持部材120Bに支持されている。また、第1支持部材110Bは上記窓孔121Bの周壁に沿って回転可能に、従って、第1光源部100が射出ビームの光軸に賂一致する方向を回転軸として回転可能に嵌められている。
【0088】
第1光源部100の二つのカップリングレンズ104、105は主走査方向に配列され、第2光源部170の二つのカップリングレンズ108、109も主走査方向に配列されている。そして、上記二つのカップリングレンズ104、105と上記二つのカップリングレンズ108、109は、互いに主走査方向の位置がずらされ、光軸方向から見て二つのカップリングレンズ104、105の間にカップリングレンズ109が位置し、二つのカップリングレンズ108、109の間にカップリングレンズ104が位置している。さらに、二つのカップリングレンズ104、105と二つのカップリングレンズ108、109は副走査方向に互いに近接させられ、光軸方向から見てこれらレンズの一部が互いに前後に重なり合っている。ただし、各カップリングレンズの中心部は互いに重ならないようにして、各半導体レーザからの光ビームが各カップリングレンズから射出するのに支障をきたさないように考慮されている。
【0089】
図13に示す実施の形態のように、第1、第2光源部100、170がそれぞれ2個の半導体レーザを有するものにおいても、第1、第2光源部100、170を互いに主走査方向にずらすことにより、第1、第2光源部100、170を副走査方向に近接させることができる。従って、各カップリングレンズの外径をd、第1光源部100のカップリングレンズ104、105と第2光源部170のカップリングレンズ108、109との副走査方向の距離をしとしたとき、前記条件式(1)を満足させることができ、マルチビーム光源装置の小型化を図ることができる。
【0090】
上記実施例においては、第1光源部の第1支持部材と第2光源部の第2支持部材の一方は他方に支持されているため、部品点数が低減され、部品加工のばらつきによる被走査面上でのビームスポット位置の変動を小さくすることができる。このため、第2光源部からの光ビームで形成されるビームスポット位置の絶対的な変動は小さく、第2光源部を基準としビームスポット間隔を調整することにより、走査光学系内の偏光器(例えばポリゴンミラー)に精度よく光ビームを到達させることが可能となる。このため、副走査方向の偏光器の厚さを薄くすることが可能となる。
【0091】
第1光源部と第2光源部の半導体レーザおよびこれに対応するカップリングレンズの数は、図示の例のものに限られるものではなく、任意の数に選定可能である。また、半導体レーザおよびカップリングレンズの数は、第1光源部と第2光源部とで同じであってもよいし異なっていてもよい。
【0092】
次に、図14は本発明のさらに別の実施例に係るマルチビーム光源ユニットの実施形態として4本のレーザビームを用いた光源装置を示す。
【0093】
図14は本発明に係るマルチビーム光源ユニットの第1の実施形態として4本のレーザビームを用いた例を示す分解斜視図(A)と断面図(B)である。また図15は、図14に示す実施形態のユニットを光走査装置に適用した場合の光学的レイアウトの概略を示す平面図、図16は同概略分解斜視図である。
【0094】
図14に示すマルチビーム光源ユニット200は、主に、第1の支持部材であるLDベース212、第2の支持部材であるLDベース222、第3の支持部材であるフランジ231、複数の光ビームを合成するためのビーム合成プリズム241、LDベース212、222に搭載した2つずつの光源部とから構成してある。
【0095】
光源部は、LDベース212、222にそれぞれ2個の半導体レーザ211a、211b、221a、221bを圧入し、これら半導体レーザ211a、211b、221a、221bからの射出光を各々カップリングするためのカッブリングレンズ214a、214b、224a、224bを、LDベース212、222に設けた保持部215、225に接着剤(例えば、紫外線硬化型)により接着固定して構成してある。
【0096】
保持部215を設けたLDベース212の突部216は角柱状の形状を有し、主走査方向と垂直な方向に平行に伸ぴる2側面が位置決め部213、213を形成している。一方、保持部225を設けたLDベース222の突部226は少なくとも一部分の形状が円形であり、その外周面が位置決め部223となっている。
【0097】
フランジ231には、LDベース212、222の突部216、226と対応する位置に、それぞれ対応する形状の挿入孔235a、235bが設けてある。すなわち、挿入孔235aは略角孔状であり、挿入孔235bは丸孔状であって、突起216、226と嵌合できるようになっている。
【0098】
挿入孔235aは、突部216の位置決め部213、213に対応する2つの内周面が突部216の位置決め部213と摺接して光ビームの光軸周りでのLDベース212の回転を不能にする。また位置決め部213、213と対応しない2面と突部216の位置決め部213、213以外の2面は、若干の隙間を伴って嵌まりあい、LDベース212を副走査方向に沿ってフランジ231に対して傾けるように動作させることを可能とする。なお、以下の説明では、このようなLDベース212の傾動を「β回転」と呼び、それによる角度調整を「β調整」と呼ぶ。
【0099】
挿入孔235bと突起226は、上述のようにそれぞれ丸孔、円柱形であるので、LDベース212はフランジ231に対して光ビームの光軸周りで回転可能に受け入れられる。なお、以下の説明では、このような略光軸回りの回転を「γ回転」と呼び、それによる角度調整を「γ調整」と呼ぶ。
【0100】
カップリングレンズ214a、214bにて、以降の光学系に適合したコリメート率及び射出光軸方向にカッブリングされた光ビームと、カップリングレンズ24a、24bによってカップリングされた光ビームは、フランジ31に取り付けるビーム合成プリズム41により互いに近接させて合成しユニット外へと射出する。
【0101】
フランジ31は、ホルダ43に挿入孔35bと同軸に設けた中空筒状で位置決め用の突起部42を光学ハウジング51に設けた挿入孔52に回転可能に保持することによって、回転調整用ねじ57により賂光軸周りで回転させ得るようになっている。この光源ユニットの回転により、後述する被走査面での走査線問ピッチの調整(ビームピッチ調整)を行う。フランジ31はまた、回転調整用ねじ57と当接させる突起部33を備えているが、この突起部33は、フランジ31またはホルダ43のいずれに設けても構わない。
【0102】
カップリングレンズ14a、14b、24a、24bによりカップリングさせた4本のレーザビームは、シリンドリカルレンズ53の作用でポリゴンミラー54に主走査方向に長い線像として緒像される。またその際、4本のレーザビームをポリゴンミラー54の偏向面付近で互いに交差させることで、4本のレーザビームの反射点ずれ(いわゆるサグ)の影響を低減させ、被走査面における光学性能を維持するようにしている。なお通常は、カップリングレンズ14a、14b、24a、24bを出た光ビームを成形するための開口(アパーチヤ)を備えるが図示は省略してある。また図中55a、55bは走査結像レンズ、58a、58bは防慶ガラス、59は被走査面となる感光体、60はポリゴンスキャナである。
【0103】
次に、上述した本発明の第1の実施形態を用いた光走査装置の第1の実施例を説明する。この光走査装置を構成する光学素子の主要諸元及び配置を図17に示す。図17中の(注1)は、波面収差補正のため、非球面係数が付加されることを、(注2)は、走査結像性能補正のため、非球面係数が付加されることを、(注3)は同図記載の光学素子の他にポリゴンスキャナの騒音を防止する防音ガラス及び外部から光学ハウジング内への埃の侵入を防ぐための防塵ガラスが付加されていることを示す。そして本例において、シリンドリカルレンズの光軸と走査結像光学系の光軸のなす角度は、61.55°、またシリンドリカルレンズの光軸は半導体レーザ211a、211bからの光束に対し均等に1.55°の角度を有する。
【0104】
上記実施例のように、光源装置200を射出した複数の光ビームが略主走査断面に平行な同一の平面内にある場合には、被走査面にて所望の走査線間のピッチ(ビームピッチ)を得るためには、半導体レーザとカップリングレンズの副走査方向の相対位置をずらすことが行われる。書込密度1200dpi(ビームピッチ:21.2μm)を想定した本例の場合、4本の走査線の副走査方向の配列(順番)が上から半導体レーザ211a、221a、221b、211bからの光ビームと対応とするために、棺対位置のずらし量をLDベース212側で6.6μm、LDベース222側で2.2μmに設定した。このように両者の相対位置をずらすことにより、シリンドリカルレンズ(従って走査結像レンズ255a、255b)に対する各2本の光ビームの副走査方向の入射角度の偏差を発生させることができ、その結果として所望のビームピッチを得ることが可能となる。しかし一般には、光軸調整時にこの相対位置ずれを高精度に設定することは困難である。
【0105】
その補正は、LDベース212及び222をそれぞれフランジ231に対し略光軸回りに回転(γ回転)させてビームピッチの調整(γ調整)を行うことで可能である。例えば、LDベース222の半導体レーザ221a、221bから射出される光ビームは、ポリゴンミラー254付近で互いに交差している(すなわち、主走査断面内である角度をなす)ため、LDベース222をγ回転することによってこれら2本の光ビームの副走査方向の射出角度偏差を発生させることができ、その結果として所望のビームピッチ(21.2μm)に調整することが可能となる。
【0106】
本実施例の光学レイアウトでは、光軸・コリメート調整時の副走査方向の光軸ずれが互いに0.4mラジアン発生した場合、感光体259上での走査線間ピッチは約32μm変動する。それを補正するために必要な光学ハウジング251に対する光源装置200のγ回転量は約0.45度であり、他の光学性能、例えばビームスポット径や主走査倍率誤差に影響を及ぼす恐れはない。一方、ビーム合成プリズム241を用いて複数の光ビームを互いに近接させて合成するビーム合成方式の場合には、ビーム合成プリズム241の加工誤差、特に反射面(本実施例ではLDベース212側の面)の加工誤差が、感光体259上での副走査方向の走査線位置、すなわちビームピッチに頭著な影響を及ぼす。
【0107】
例えば、ビーム合成プリズム241の加工誤差により、ビーム合成プリズム241を直進する2本の光ビーム(本実施例ではLDベース222側)とビーム合成プリズム241内で2回反射して射出する2本の光ビーム(LDベース212側)の射出光軸間の副走査断面内での相対的な光軸偏差が10分だけ発生した場合には、感光体259上にてLDベース222側の光ビームとLDベース212側の光ビームとの距離が、約260μmとなり、実質的に走査線間ピッチの調整は不可能となる。
【0108】
そのためLDベース212を副走査断面内にて回転(β回転)させて傾きを調整(β調整)することにより、両LDベース212、222から射出する光ビームの副走査方向の相対的な角度を調整している。
【0109】
β調整の方法としては、図18(A)に示すように可能である。この例は、フランジ231に螺合された調節ねじ271(図18(B)に示すようにテーパ部分273を有する)をフランジ231に対して押し込みあるいは引き抜くことによって鋼球272を光軸方向に沿って移動(図中で右/左側への移動)させることにより、LDベース212を副走査断面内にて傾動させている。
【0110】
調整の手順は、下記の通りとなる。まず、フランジ231との嵌合部となる位置決め部213が主走査方向に平行な幅を持つ形状であるLDベース212側の2本の光ビーム間のビームピッチ(3走査線分:63.5μm)を調整するには、LDベース222側のようにγ回転を行うことができないので、光源部全体をそれ以降の光学系に対して相対的にγ回転させ、それによってビームピッチの調整を行えばよい。次に、LDベース223側の2本の光ビーム間のビームビッチ(1走査線分:21.2μm)を、LDベース212のγ回転で調整する。最終工程としてLDベース213のβ調整を行えば、4本の光ビームの間隔をすべて1走査線分(21.2μm)に調整できる。
【0111】
なお、上記実施形態、実施例においては半導体レーザとカップリングレンズの組、すなわち一つのLDベースから射出する光ビームの数を2本とした場合のみ説明してきたが、本発明はこの数に限定されることはなく、もちろん一つのLDベースから3本以上の光ビームを射出する場合も含む。また各構成要素の図中における上下、左右、前後の関係は単なる一例として示すもので、本発明がこれらの関係位置に各構成要素を配したものに限定されることはない。
【0112】
次に、図19は本発明のさらに別の実施例に係るマルチビーム光走査装置の基本的な構成を示す。図19(a)は、この実施例のマルチビーム光走査装置の基本的な構成を示す図であり、図19(b)は、この実施例のマルチビーム光走査装置の実際の構成を示す図である。
【0113】
図19(a)において、2つの光源である半導体レーザ311a、311bから射出された全ての光ビームは、偏向器であるポリゴンミラー312の反射面で光路が偏向されて、レンズ系313及び314によって主走査方向において被走査面315に結像する。D1は、半導体レーザ311aから射出した光ビームが被走査面315において、ある像高に到達する際のポリゴンミラー312の反射面の角度を表しており、D2は半導体レーザ311bから射出した光ビームが被走査面315において、同じ像高に到達する際のポリゴンミラー312の反射面の角度を表している。各々の光ビームはポリゴンミラー312に入射するときに、ある角度△αだけ分離されている。従って、この角度差だけ同じ像高に到達するための反射面に時間的な遅れ(D1からD2への回転移動時間差)が生じる。
【0114】
図19(a)の場合は、2つの光ビームLa及びLbはかなり異なった光路を通っているので、このような時問的な遅れが生じる。光ビームが各光学素子の異なる位置を通過してくると、当然異なる光学作用を受けるから、被走査面上315で主走査方向(Y)の同じ像高に達する2つの光ビームの収差等の光学特性は違ったものとなり、特に走査線ピッチの像高間変動に対する影響は非常に大きい。
【0115】
そこで、図19(b)に示す実際の構成のように、ポリゴンミラー312の反射面近傍で、半導体レーザ311aの光ビームLaと半導体レーザ311bの光ビームLbを交差させるように角度△αを設定する。この設定により2つの光ビームが被走査面上315の主走査方向(Y)の同一像高に達するときに、2つの光ビームがレンズ系313及び314の主走査方向のほぼ同じ光路を通るようになり、走査線の曲がりを効果的に低減することができる。また、ポリゴンミラー312より像面側の各部品ばらつきによる各光ビーム間の主走査方向の書込位置変動は、全ての光ビームでほぼ同量となり、各ビーム間での主走査方向の書込位置ずれは抑えられる。
【0116】
更に、同じ像高へ結像する全ての光ビームを、走査光学系の主走査方向のほぼ同じ位置を通過させることにより、走査光学系を構成するレンズの収差の影響を小さく抑え、且つ、主走査方向の結像位置は各ビームとも精度良く合致でき、同期検知後の全ての光ビームに共通に遅延時間を設定しても、書込始めの像高での主走査方向の位置ずれを抑えることが可能となる。更にまた、図19(b)の構成にすることにより、ポリゴンミラー12の内接円半径を最小にすることができる。
【0117】
次に、図19に示す構成のマルチビーム光走査装置に用いられる光源ユニットの一例について図20を参照して説明する。
【0118】
図20において、2つの光源である半導体レーザ321a、321bはアルミダイキャスト製の支持部材322に支持される。すなわち、支持部材322の主走査方向(Y)に所定間隔で並列し、かつ光軸方向(X)に貫通して形成された嵌合穴322Aに各々圧入されて支持される。また、カップリングレンズ323a、323bは、各々に対応する半導体レーザ321a、321bの発散光束が所望の光束状態となるように光軸方向(X)の位置を合わせ、また所定のビーム射出方向となるように主走査方向(Y)の位置、及び副走査方向(Z)の位置を合わせて、半導体レーザ321a、321bに対応して支持部材322に形成されたU字状の支持部322a、322bにUV硬化接着剤を充填し固定されている。この場合、一対の半導体レーザ321a、321bとカップリングレンズ323a、323bとは支持部材322の中心322cを対称点にして主走査方向にほぼ対称に配列されている。
【0119】
同様に、2つの光源である半導体レーザ324a、324bはアルミダイキャスト製の支持部材325に支持される。すなわち、支持部材325の主走査方向(Y)に所定問隔で並列し、かつ光軸方向(X)に貫通して形成された嵌合穴325Aに各々圧入され支持される。また、カップリングレンズ326a、326bは、各々に対応する半導体レーザ324a、324bの発散光束が所望の光束状態となるように光軸方向(X)の位置を合わせ、また所定のビーム射出方向となるように主走査方向(Y)の位置、及び副走査方向(Z)の位置を合わせて、半導体レーザ324a、324bに対応して支持部材25に形成されたU字状の支持部325a、325bにUV硬化接着剤を充壊し固定されている。この場合、一対の半導体レーザ324a、324bとカップリングレンズ326a、326bとは支持部材325の中心325cを対称点にして主走査方向にほぼ対称に配列されている。
【0120】
半導体レーザ321a、321b及びカップリングレンズ323a、323b、並びにこれら主走査方向に対称に配列されている支持部材322により、第1の光源手段327を構成する。また、半導体レーザ324a、324b及びカップリングレンズ326a、326b、並びにこれらを主走査方向に対称に配列している支持部材325により、第2の光源手段328を構成する。そして、これら第1の光源手段327及び第2の光源手段328は、副走査方向(Z)に所定の間隔をもって配置されている。
【0121】
ビーム合成プリズム329は、第1の光源手段327及び第2の光源手段328から射出する光ビームを入射するように対面して配置されている。ビーム合成プリズム329において第2の光源手段328に対面する入射面には、1/2波長板(λ/2板)330が設けられている。この1/2波長板330を透過した光ビームは、偏光方向が90度回転される。1/2波長板330に対応するビーム合成プリズム329内には、反射面329aが副走査方向(Z)に対してほぼ45度の傾斜で形成されている。一方、第1の光源手段327に対面するビーム合成プリズム329内には、ビームスプリッタ面329bが副走査方向(Z)に対してほぼ45度の傾斜で形成されている。このビームスプリッタ面329bは、Y方向又はZ方向に並行な偏光特性を持ち、同じ偏光方向の光ビームは透過し、90度異なる偏光方向の光ビームは反射する。
【0122】
この場合において、すべての半導体レーザ321a、321b、324a及び324bは、ビームスプリッタ面329bと同じ偏光方向の光ビームを射出するように調整されている。
【0123】
このため、第1の光源手段327の半導体レーザ321a、321bから射出してカップリングレンズ323a、323bでそれぞれ収束された2つの並行な光ビームは、光軸方向(X)に直進してビーム合成プリズム329に入射し、さらにビームスブリッタ面329bを透過してビーム合成プリズム329から射出する。
【0124】
一方、第2の光源手段328の半導体レーザ324a、324bから射出してカップリングレンズ326a、326bでそれぞれ収束された2つの並行な光ビームは、1/2波長板330を透過して偏光方向が90度回転された後、ビーム合成プリズム329に入射する。そして、反射面329aによって反射されて光路が光軸方向(X)から副走査方向(Z)に90度変更され、さらにビームスプリッタ面329bによって反射されて再び光路が光軸方向(X)に変更されてビーム合成プリズム329から射出する。したがって、第1の光源手段327からの2つの光ビームと第2の光源手段328からの2つの光ビームとがそれぞれビーム合成プリズム329のほぼ同じ位置から射出される。 すなわち、1/2波長板330はビーム合成プリズム329と共同して、第2の光源手段328から射出される光ビームの光路を変更する光路変更手段を構成する。また、ビーム合成プリズム229は、第1の光源手段227から射出される光ビーム及び光路変更手段によって光路が変更された光ビームを合成して光路を合わせるビーム合成手段を構成する。なお、光路変更手段としては1/2波長板330に限らず、負のパワーをもつレンズでもよい。
【0125】
次に、光路変更手段として、負のパワーをもつレンズを用いた場合について説明する。
【0126】
図21において、331は負のパワーを持つレンズであり、他の構成は図19及び図20に示したものと同じであり同一の符号で示している。なお、図21(a)は主走査方向の面から見た図であり、図21(b)は副走査方向の面から見た図である。
【0127】
この場合、第1の光源手段における半導体レーザ321a、321bの光ビームLa、Lbを実線で示し、第2の光源手段における半導体レーザ324a、324bの光ビームLa’、Lb’を破線で示す。図に示すように、破線で示す第2の光源手段の光ビームLa’、Lb’のみ、カップリングレンズ(図示せず)とビーム合成プリズム329の間に配置されている負のパワーを持つレンズ331により光路が変更されている。この緒果、第2の光源手段の光ビームLa’、Lb’(破線)の主走査方向のなす角度θ1は、第1の光源手段の光ビームLa、Lb(実線)の主走査方向のなす角度θ2より小さくすることが可能となる。この角度θ1は、第1の光源手段、第2の光源手段の各々の半導体レーザから射出された光ビームの被走査面における位置関係が、同期信号の検知部の分解能よりも主走査方向に広く分離するように、光路変更手段として用いるレンズ331のパワ一を設定することにより、被走査面上で全ての光ビームの同期信号を個別に取ることが可能となる。
【0128】
また、この時、各々の光ビームをポリゴンミラー(回転多面鏡)の反射面で交差させる場合、第1の光源手段と第2の光源手段で、半導体レーザから射出される光ビームの主走査方向の角度は図21中のφ1、φ2に示すように個別に設定する必要がある。
【0129】
更に、第2の光源手段の半導体レーザ324a、324bから射出された光ビームは、光路変更手段によって光束状態が変化する。例えば、図22(a)に示すように、半導体レーザ324a、324bから射出されカップリングレンズ326a、326b透過後に光路変更手段である負のパワーを持つレンズ331を透過した光ビームは、図22(b)に示す第1の光源手段の半導体レーザ324a、324bから射出されカップリングレンズ323a、323bを透過した光ビームとは光束状態が異なる。このため、カップリングレンズ326a、326bと光路変更手段であるレンズ331の合成で、光束状態を第1の光源手段と略等しくするようにカップリングレンズ326a、326bを配置する必要がある。なお、図22(a)、(b)において、332はアパーチャである。
【0130】
次に、光路変更手段の他の例として、球面のミラーを2枚用いた場合について説明する。図23(a)、(b)において、333、334は凹部の鏡面をもつミラ一である。他の構成については図21の場合と同じであり同一の符号で示している。なお、図23(a)は主走査方向面から見た図であり、図23(b)は副走査方向面から見た図である。図に示すように、光路変更手段として2枚の球面のミラー333、334をカップリングレンズ(図示せず)とビーム合成プリズム329との間に配置する。この結果、図21の場合と同様に、光ビームの主走査方向のなす角度を変化させることが可能となり、この角度θは、第1の光源手段、第2の光源手段における各々の半導体レーザから射出された光ビームの被走査面における位置関係が、同期信号の検知部の分解能よりも主走査方向に広く分離するように、光路変更手段として用いるミラー333、334のパワーを設定することにより、被走査面上で全ての光ビームの同期信号を個別に取ることが可能となる。
【0131】
ミラー333、334の持つパワーは正、負どちらでも良いが、負のパワーを持つことが望ましい。また、第1の光源手段の光ビームと第2の光源手段の光ビームにおける光束状態は略等しくしておく必要がある。更に、ミラー333、334を平行平板形状とし光ビームを析り返すことにより第1の光源手段のみ光路長をのばし、それぞれの光ビームの主走査方向におけるなす角度を小さくすることもできる。
【0132】
次に、図19に示す構成のマルチビーム光走査装置に用いられる光源ユニットの他の例について図24を参照して説明する。
【0133】
図24において、335及び336は、アルミダイキャスト製の支持部材であり、他の構成は図20のものと同じであり同一の符号で示している。すなわち、図24において、図21の場合に用いられた2つの光源である半導体レーザ321a、321bは、アルミダイキャスト製の支持部材335に支持される。
【0134】
図24において、2つの光源である半導体レーザ321a、321bは、支持部材335に形成された嵌合穴335Aに各々圧入されて支持される。また、カップリングレンズ323a、323bは、各々に対応する半導体レーザ321a、321bの発散光東が所望の光束状態となるように光軸方向(X)の位置を合わせ、また所定のビーム射出方向となるように主走査方向(Y)の位置、及び副走査方向(Z)の位置を合わせて、半導体レーザ321a、321bに対応して支持部材335に形成されたU字状の支持部335a、335bにUV硬化接着剤を充填し固定されている。この場合も、一対の半導体レーザ321a、321bとカップリングレンズ323a、323bとは主走査方向にほぼ対称に配列されている。
【0135】
同様に、2つの光源である半導体レーザ(図示せず)は支持部材336に形成された嵌合穴336Aに各々圧入され支持される。また、カップリングレンズ326a、326bは、各々に対応する半導体レーザの発散光束が所望の光束状態となるように光軸方向(X)の位置を合わせ、また所定のビーム射出方向となるように主走査方向(Y)の位置、及び副走査方向(Z)の位置を合わせて、半導体レーザに対応して支持部材336に形成されたU字状の支持部336a、336bにUV硬化接着剤を充填し固定されている。この場合、一対の半導体レーザとカップリングレンズ326a、326bとは主走査方向にほぼ対称に配列されている。
【0136】
半導体レーザ321a、321b及びカップリングレンズ323a、323bこれらを主走査方向に対称に配列して支持している支持部材335により、並びに、第1の光源手段337を構成する。また、図示しない2つの半導体レーザ及びカップリングレンズ326a、326b、並びにこれらを主走査方向に対称に配列して支持している支持部材336により、第2の光源手段338を構成する。
【0137】
さらに、第1の光源手段337の支持部材335においては、半導体レーザ321a、321b及びカップリングレンズ323a、323bを支持する部分が円筒型の突起部335cを形成している。一方、第2の光源手段338の支持部材336には、光軸方向(X)に貫通した穴336cが形成されている。そして、支持部材335の突起部335cは、支持部材336の穴336cに回動可能な状態で嵌合する構造になっている。
【0138】
すなわち、第2の光源手段338は、第1の光源手段337からの光ビームと第2の光源手段338自身からの光ビームとが副走査方向に所定の間隔をもって射出するように、第1の光源手段337における支持部材335の突起部335cを支持部材336の穴336cに嵌合させて支持している。したがって、第1の光源手段337からの光ビームと第2の光源手段338からの光ビームとが、副走査方向に確実に一定の間隔をもって射出する。また、支持部材336には、横方向すなわち主走査方向(Y)に突き出た突起部336dが形成されている。このため、支持部材336は、第1の光源手段337における支持部材335の突起部335cを軸として、l突起部336dを作用点として回勤することができる。したがって、第1の光源手段337からの主走査方向(Y)に並行な2つの光ビームと、第2の光源手段338からの主走査方向に並行な2つの光ビームとを、副走査方向(Z)にも並行になるように調整することができる。
【0139】
図24の構成においても、図20の構成と同様に、第1の光源手段337の半導体レーザ321a、321bから射出してカップリングレンズ323a、323bでそれぞれ収束された2つの並行な光ビームは、光軸方向(X)に直進してビーム合成プリズム329に入射し、さらにビームスプリッタ面329bを透過してビーム合成プリズム329から射出する。
【0140】
一方、第2の光源手段338における2つの半導体レーザから射出してカッブリングレンズ326a、326bでそれぞれ収束された2つの並行な光ビームは、1/2波長板330を透過して偏光方向が90度回転された後、ビーム合成プリズム329に入射する。そして、反射面329aによって反射されて光路が光軸方向(X)から副走査方向(Z)に90度変更され、さらにビームスブリッタ面329bによって反射されて再び光路が光軸方向(X)に変更されてビーム合成プリズム329から射出する。したがって、第1の光源手段327からの2つの光ビームと第2の光源手段328からの2つの光ビームとがそれぞれビーム合成プリズム329のほぼ同じ位置から射出される。
【0141】
次に、図19に示す構成のマルチビーム光走査装置に用いられる光源ユニットのさらに別の例について図25を参照して説明する。
【0142】
図20または図24に示す実施例において、第1の光源手段及び第2の光源手段からの全ての光ビームをポリゴンミラー(回転多面鏡)の反射面近傍で主走査方向に交差させる場合に、対を構成する2つの半導体レーザの光軸を主走査方向において角度をもたせる。図25は第1の光源手段における光軸設定の構成を示す図である。第2の光源手段についても同様であるので、図25で代表して光軸設定の構成を説明する。図に示すように、半導体レーザ321a、321bから射出される光ビームは主走査方向になす角度φを持って配置されており、各々の半導体レーザ321a、321bはそれぞれ対になるカップリングレンズ323a、323bの略光軸上に配置されている。
【0143】
具体的には、図26の断面図に示すように、支持部材339の嵌合穴339a内に圧入された半導体レーザ321a、321b及び対応するカップリングレンズ323a、323bは、走査方向になす角度ゆを持った構造になっている。つまり、支持部材339の主走査方向に所定の間隔で並列して配置された嵌合穴339aを予め主走査方向へ角度φだけ傾斜させておき、この嵌合穴内に各半導体レーザ321a,321bを嵌合する。従って、嵌合穴339aの主走査方向の角度を、第1の光源手段と第2の光源手段とで異ならせることにより、第1の光源手段、第2の光源手段で、半導体レーザから出射される光ビームの主走査方向の角度を異ならせることができる。
【0144】
次に、図19に示す構成のマルチビーム光走査装置に用いられる光源ユニットのさらに別の例について図27を参照して説明する。
【0145】
図20に示した実施例においては、第1の光源手段及び第2の光源手段におけるカップリングレンズ及び半導体レーザを支持する支持部材は共通であることが望ましい。しかし、全ての光ビームをポリゴンミラー(回転多面鏡)の反射面近傍で主走査方向に交差させる場合、第1の光源手段、第2の光源手段で、半導体レーザから射出される光ビームの主走査方向の角度は異ならせる必要がある。
【0146】
そこで、第1の光源手段と第2の光源手段のカップリングレンズと半導体レーザを支持する支持部材を共通にし、図27(a)に示す第1の光源手段の場合、図27(b)に示す第2の光源手段の場合に示すように、半導体レーザをカップリングレンズの光軸から所望の角度φが得られるように、第1の光源手段、第2の光源手段でそれぞれ主走査方向にシフトする量を決め、半導体レーザをシフトする。
【0147】
この結果、第1の光源手段、第2の光源手段とも所望の主走査方向の光ビーム間のなす角度を得ることが可能となるcこの時、半導体レーザを圧入する支持部材の嵌合穴の主走査方向の角度は任意でよい。但し、カップリングレンズの主走査方向のシフト量が大きいと、光束がカップリングレンズの周辺部を通るため波面収差の影響が大きくなり、結像性能に悪影響を与える。このため、例えば図28に示すように、第1の光源手段の主走査方向の光ビームLa、Lb(実線)間のなす角φ1と、第2の光源手段の主走査方向の光ビームLa’、Lb’(破線)間のなす角φ2の間に、嵌合穴の主走査方向の角度φ3を決めることが望ましい。
【0148】
一方、図24に示した構成においては、カップリングレンズと半導体レーザを支持する支持部材の共通化は難しいが、半導体レーザをカップリングレンズの光軸から主走査方向にシフトすることで、第1の光源手段、第2の光源手段とも所望の主走査方向における光ビーム間のなす角度を得ることは可能である。
【0149】
上述した各実施例においては、汎用の半導体レーザを4個用いた光源ユニットについて説明したが、光源ユニットを何個の半導体レーザで構成しようとも、基本的な構成は変わることはなく、上記各実施の形態に記載されている方法により、各々の光ビームの同期信号を個別に検出することが可能である。また、半導体レーザを4個用いた光源ユニットにおいても、シフト量やカップリングレンズの光軸の傾け量などは、上記各実施例に記載された範囲において、特定の数値に限定されるものではない。
【0150】
次に、図29、図30には汎用の半導体レーザを合計4個用いた本発明における4ビーム光源ユニットを、図29は光ビームの射出側から、図30は反対側からみた斜視図を示す。
【0151】
半導体レーザ401、402はアルミダイキヤスト製の支持部材403の裏側に主走査方向に約8mm間隔で並設して形成されたかん合穴403−1、403−2に各々圧入して支持される。また、コリメートレンズ404、405は各々円周の一部をD型にカットした形状をなし、半導体レーザの発散光束が平行光束となるようにX位置を、また所定のビーム射出方向となるようにY、Z位置を合わせて調節され、上記カット面404−1、405−1と各々対向して形成した接着面403一3、403−4との隙問にUV硬化接着剤を充填し固定される。
【0152】
各かん合穴は第1射出軸aに対称に主走査平面(XY平面)内で各半導体レーザの光軸が約3度の交差角をもって交差するよう傾けて形成され、その光軸に沿うようにコリメートレンズの接着面も傾けて形成される。当然、上記コリメートレンズの配置調節も各々の光軸にX軸を合わせるよう上記座標軸を傾けてなされる。
【0153】
支持部材は機能別に3つの部分から構成される。1つは上記半導体レーザやコリメートレンズの支持部が形成される支持部で、上記第1射出軸aと直交する面内で位置決めを行なう第1射出軸aと軸心を一致させた円筒部403−5が設けられている。2つめは同面内でベース部材406に設けられた取付面406−1、406−2に当接して固定する締結部403−6、403−7、円筒状の締結部にはネジ穴が貫通して形成される。3つめは支持部と締結部とを結合するトーションバー部403−8、403−9で射出軸方向には支持部の厚さのまま、射出軸に直交する方向の部材幅を約1mmまで薄くして一体形成され、第1の光源部を構成する。各々の締結部に結合するトーションバーの方向は半導体レーザの配列方向(主走査面)と平行に軸方向が一致するように設けられ、その断面積、長さは同一としている。
【0154】
尚、トーションバー部形状は射出軸方向に薄くしても、長方形以外でもよく、副走査断面での面積がこの部分で最も小さくなるように形成しさえすれば、ここにねじれを集約することができる。また、トーションバーの軸方向dは射出軸に直交する面内で角度|α|<90度、つまり副走査方向の成分をもてば、半導体レーザの配列方向から傾けて配備しても構わない。
【0155】
締結部についてもベース部材側を貫通穴とし支持部材側に設けても、逆に支持部材側を貫通穴としベース部材側にネジ穴を設けてネジ430で固定しても同様である。
【0156】
第2の光源部も同様に、支持部材413に第2射出軸bに対称に半導体レーザ411、412が圧入支持され、コリメートレンズ414、415を接着固定して構成する。
【0157】
第1、第2の光源部はアルミダイキヤスト製のベース部材406に設けられた貫通穴406−5、406−6に各々の円筒部403−5、413−5を係合し、取付面406−1、406−2、406一3、406−4に締結部403−6、403−7、413−6、413−7を突き当てて光ビームの射出側からネジ430を締め付け各当接面を密着させて固定される。
【0158】
この際、各支持部材の締結部における当接面と同一面に設けられた突き当て面403−10、413−10が、第1の光源部については玉407で、第2の光源部についてはベース部材に半球状に形成された接点406−7で受けられ、ネジの締め付けによってトーションバーがねじられた状態で、各支持部材は2つの取付面と、その対称軸上に副走査方向に所定距離離して形成された1つの受け点で支持される。
【0159】
従って、各支持部の姿勢は受け点の部位(締結部における当接面からの突出高さ)によって決定され、第1、第2の射出軸方向が規定される。実施例では玉407は円錐状部を形成した調節ネジ408によって突き出し量が変えることができ、第2射出軸bに対する第1射出軸aの方向を副走査方向に調節することができる。
【0160】
板ばね409はコの字上に成形され上記突き当て面403−10、413−10においてトーションバーのダンピングを抑え突き当て面が確実に押し付くように支持部材とベース部材を抱え込んで取り付けられる。
【0161】
実施例では上記したように支持部材403、413とベース部材406とは同じ材質としており、熱膨張によって締結点間の延ぴる量を同一とすることで変形しないよう考慮している。
【0162】
また、トーションバーを支持部材と一体成形するため、加工性を優先してアルミダイキャストやガラス繊維入り樹脂等、比較的弾性の低い材質で構成しているが、弾性の高い圧延鋼等、別部材で形成し結合してもよい。
【0163】
ベース部材に貫通穴406−5、406−6を橋渡しするように設けられた橋板部406−8には各半導体レーザに対応して射出径を規定するアパチャー(矩形スリット)が設けられた板421、および半導体レーザ422、412のビームを半導体レーザ401、402の光軸に近接させ射出するビーム合成プリズム415が、各々貫通穴との配置を合わせて接合され支持される。ビーム合成プリズムは副走査断面が頂角が45度の平行四辺形のプリズム部と三角形のプリズム部からなり副走査方向にD(実施例では12mm)離れた平行な光ビームを入射した際、重なって射出されるよう反射面間距離が設定されている。
【0164】
ベース部材の貫通穴406−5、406−6は第1、第2の射出軸a、bが副走査方向には上記D、主走査方向には走査光学手段の光軸に対称に約1mmずつ離れるように形成され、各光源部からの2本の光ビームの交差位置を射出軸の延長上から外し上記光軸上となるよう光ビームの方向を設定し、この交差位置がポリゴンミラーの反射面近傍となるように調整し設定している。 上述のように構成したベース部材は樹脂成形によるホルダ部材423にねじ424で保持され、走査光学手段を収納する光学ハウジング(図示しない)に円筒部423−1の中心軸が走査光学手段の光軸に一致するように取付けられる。実施例では光学ハウジングへの取付けをブラケット425を介して行っており、ブラケットに設けられたかん合穴425−1に円筒部423−1を貫通して、円筒部先端の突起423−2に係止部材427をはめ込みブラケット壁面との間にスプリング426を圧縮して挟むことで、走査光学手段の光軸と垂直な取付面425−2にホルダ部材を当接させ、マルチビーム光源ユニットを構成している。
【0165】
また、スプリングの一端を係止部材427にもう一方をブラケット425に固定することで、そのねじり力によりホルダ部材に配備されたレバー423−3がブラケットに配備された調節ネジ425に押し付くようにし、光源ユニットの交換時などに走査光学手段の主走査平面に対する傾きを補正することができる。
【0166】
各半導体レーザの駆動回路が形成される基板414はベース部材に設けられた穴に圧入された支柱428、429にねじ固定され、各半導体レーザのリードをスルーホールを通してハンダ付けされ回路接続がなされる。
【0167】
次に、図31は本発明の一実施例に係るマルチビーム光源装置の構成を示す分解斜視図、図32はその組立状態を示す断面図、図33はその第1,第2の光源部の配置状態を示す説明図である。なお、図32においては、紙面を節約するため、必ずしも同一平面上にない部分も同一平面として示してある。
【0168】
このマルチビーム光源装置500は汎用の半導体レーザを4個用いた4ビーム光源装置である。図31乃至図33において、第1,第2の半導体レーザ511,512は、例えばアルミダイキャストの第1の保持部材513の一面に所定の間隔で形成された透孔513a,513b(図32にはその一方のみを示している)にそれぞれ圧入により固定される。第1の保持部材513の他側には高さの低い円筒状の嵌合部513cが一体に形成されている。
【0169】
この嵌合部513cには、上記の透孔513a,513bの延長部が嵌合部513cの中心軸に対して対称の位置に開口しており、これらの透孔513a,513bの延長部には、第1,第2の半導体レーザ511,512とそれぞれ対となる第1,第2のカップリングレンズ514,515が接着により取付角度を調整して圃定され、第1,第2の半導体レーザ511,512から射出される発散光を所定方向の平行光束に変換し、これらによって第1の光源部510が構成される。
【0170】
同様にして、第2の光源部520は、第3,第4の半導体レーザ521,522、これらを圧入する透孔523a,523b、嵌合部523cを有する第2の保持部材523及び第3,第4のカップリングレンズ524,525を有している。
【0171】
これらの第1の光源部510及び第2の光源部520は、それぞれの嵌合部513c,523cをベース部材530に設けた挿入孔530a,530b(図32)に回動可能に嵌合させた状態で弾性部材である4個のコイルばね531を介して4本の締結ねじ532によりベース部材530に装着される。ベース部材530には嵌合部513c,523cの中心軸線に平行な透孔530aを有する半円筒状の突出部530bが一体的に設けられ、この透孔530aに対応する第2の保持部材523には調整部523fが突設されている。
【0172】
突出部530bには透孔530aの中心を通るように、テーパ部533aを有する調整ねじ533が螺着してあり、このテーパ部533aと第2の保持部材523の調整部523fとの間の透孔530a内に鋼球534が転動並びに摺動自在に装着されている。そして、調整ねじ33を螺入することにより、テーパ部533aが鋼球534及び調整部523fを介して第2の保持部材523の上部を押圧し、コイルばね531の加圧力に抗して第2の光源部520の光軸方向を調整可能とし、これらにより第2の光源部520の姿勢調整手段を構成している。
【0173】
ベース部材530の前面にはプリズムホルダ40が固設され、その内部にビーム合成プリズム541が固設されている。ビーム合成プリズム541は、第2の光源部520から射出される第2の射出ビーム520aをほぼ直角方向に図32で下方に反射させる反射面541aと、第2の射出ビーム520aを再度ほぼ直角方向に図32で左方に反射させるとともに第1の光源部510から射出される第1の射出ビーム510aをそのまま透過して直進させる偏光ビームスプリッタ面541bとを有している。
【0174】
そして、第2の光源部520と反射面541aとの問には1/2波長板542が挿入されており、第2の光源部520からの射出ビーム520a,520bは1/2波長板542により偏光方向を90度回転して反射面541aで反射した後、さらに偏光ビームスプリッタ面541bで元のビーム光とほぼ平行に射出されて第1の光源部510からの射出ビーム510a,510bに合成される。
【0175】
マルチビーム光源装置500から射出された図32に示す4本の射出ビーム510a、510b、520a、520bは、図34に示すように、シリンダレンズ502を通って偏向手段としてのポリゴンミラー503の反射面付近で交差して偏向走査された後、2枚のfθレンズ504a,504bを通過し、折り返しミラー505で反射し、長尺レンズ506により画像形成装置の感光体507上に結像する。結像したビームスポットは副走査方向に所定のピッチで隣接した4本のラインが同時に等速走査され、感光体507上に静電潜像を形成し、図示しない周知の画像形成ブロセスを経て画像を形成する。
【0176】
被走査面におけるビームスポットの副走査方向の間隔(以下「ビームピッチ」という)は、例えば書込密度1200dpiでは21.2μmというように所定の値に調整される。
【0177】
図35は、各射出ビーム510a、510b、520a、520bの被走査面でのビームスポットBS10a,BS10b,BS20a,BS20bの配置の一例を示すものであり、中間点C10,C20はそれぞれビームスポットBS10a、BS10bの中間点、BS20a,BS20bの中間点を表している。
【0178】
ここで、第1の光源部510から射出される2本の射出ビーム510a,510bのビームピッチ3pは、マルチビーム光源装置1の組み付け時に第1の保持部材513を嵌合部13cの中心軸の回りに回動させることによって調整され、図35の場合には、21.2μmx3≒63.5μmに定められている。第2の光源部520においても同様の操作により、2本の射出ビームBS20aとBS20bのビームピッチpが21.2μmに調整され、4個のビームスポットBS10a、BS20a、BS20b、BS10bの間隔がそれぞれ21.2μmになる。
【0179】
一方、第1の光源部510からの射出ビーム510a,510bと第2の光源部520からの射出ビーム520a,520bとをビーム合成ブリズム541により合成する場合、両射出ビーム510a、510b、520a、520bの副走査方向の相対的な光軸偏差θ(図32)を適当に設定することにより、図35に示した中間点C10とC20の間の距離Dを調整し、その距離Dを0に近づけることが可能になる。
【0180】
そのためには、ベース部材530に設けた調整ねじ533を螺入または螺出することにより、そのテーパ部533aが鋼球534を介して第2の保持部材523の調整部523fを押圧または解放し、コイルばね531の加圧力に抗して、あるいはその加圧力によって第2の光源部520の第1の光源部510に対する相対的な姿勢を変化させる姿勢調整手段を設け、中間点Cl0と中間点C20の距離Dをほぼ0とすればよい。
【0181】
したがって、実際の組立工程においては、まず、コイルばね531を介して締結ねじ532により第1、第2の光源部510,520をべ一ス部材530に仮締結した状態で、第1、第2の保持部材513,523をそれぞれ嵌合部513c,523cの回りに回動させ、第1の光源部510のビームスポットBS10aとBS10bとのビームピッチが3pになるように、また、ビームスポットBS20aとBS20bとのビームピッチがpになるように、それぞれの回動量を調整した後、第1,第2の保持部材513,523をベース部材530に本締結する。
【0182】
次に、調整ねじ533を螺入または螺出し、鋼球534を介して第2の保持部材523の調整部523fを押圧又は解放し、コイルばね531の加圧力に抗して、あるいはその加圧力により、第2の保持部材523を傾動させて第2の光源部520の光軸方向を変化させることによって、第2の光源部520からのビームスポットBS20aとBS20bの中間点C20を、第1の光源部510からのビームスポットBSl0aとBS10bの中間点Cl0に近接させる。
【0183】
なお、上記の構成においては、姿勢海整手段を第2の光源部520に設けたが、これを第1の光源部に設けてもよく、調整の自由度を一層拡大するため、第1,第2の光源部510,520の双方に設けることも可能である。
【0184】
また、第1〜第4の半導体レーザ511、512、521、522をそれぞれ第1,第2の保持部材513,523に圧入により固定する代りに押さえ部材により固定してもよく、第1〜第4のカップリングレンズ514、515、524、525をそれぞれ第1,第2の保持部材513、523に直接接着する代りにレンズセルを介して接着するか螺着してもよく、上記の半導体レーザとカップリングレンズを異なる保持部材に固定することも可能である。さらに、第1,第2の保持部材513、523とべース部材530の締結は、締結ねじに限るものではなく、接着やリベット結合でも差し支えない。
【0185】
上記の構成で用いたコイルばね531は第1,第2の光源部510,520とベース部材530とを弾性的に一体とするものであるため、その加圧力を可変とし、ビームピッチ調整時における第1,第2の保持部材513,523の回動調整時には加圧力(初期荷重)を弱く、回動調整終了後の締結完了時には加圧力(本締結荷重)を強くすることが、調整工程の容易化及び作業性向上のために望ましい。
【0186】
このような加圧力可変手段を得るためには、コイルばね531に負荷される加圧力(付勢力)Fとコイルばね31のたわみ量(変形量)xとの比F/xを弾性係数Kとしたとき、たわみ量xの増加に従って弾性係数Kが図36の(a)に示すように増加するように、コイルばね531の形状を設定すればよい。そのためには、1本のコイルばねにおいて長さ方向に沿って内径を変化させるか、単位長さ当たりの巻数を変化させる等して同図の(b)に示すように加圧力Fがたわみ量xの二次関数となるようにする。
【0187】
あるいは、弾性係数Kの異なる複数のコイルばねを直列に連設することによってもたわみ量xの増加に伴って加圧力Fを段階的に増加させることができる。図37の(a)は、弾性係数K1,K2(K1<K2)を有する2本のコイルばねを直列に配設した場合の弾壌疑数Kとたわみ量xの関係を示すものであり、初期荷重P0を発生させるためには、同図の(b)に示すように、たわみ量xを0<x<x1とし、本締結荷重P1を発生させるためにはたわみ量xがx1<x<x2となるように、2本のコイルばねの弾性係数K1及びK2を設定すればよい。
【0188】
以上の実施形態においては、単数の発光部を有する1ビーム半導体レーザ2個を一体的に設けてそれぞれ第1,第2の光源部を構成していた。
【0189】
それに対し、例えば同一のパッケージ内に複数の発光部を有する半導体レーザアレイを複数個組み合わせてマルチビーム光源装置を構成したこの発明の他の実施形態を図38乃至図40に示す。
【0190】
図38は、4ビームの第1の半導体レーザアレイ551と同じく4ビームの第2の半導体レーザアレイ561とを2個組み合わせてビーム合成プリズム541により合成した8ビーム光源装置を示す光路図、図39は、その被走査面上でのビームスポットの配置例を示す説明図、図40はビームスポットの他の配置例を示す説明図である。
【0191】
図38において、第1の半導体レーザアレイ551から射出されてビーム合成プリズム541に入射した4本の射出ビーム551a,551b,551c,551dは偏光ビームスプリッタ面541bを透過して直進する。一方、第2の半導体レーザアレイ561から射出され1/2波長板542を通ってビーム合成プリズム541に入射した4本の射出ビーム561a,561b,561c,561dは反射面541aで上方へ反射し、偏光ビームスプリッタ面541bで再反射して上記の射出ビーム551a〜551dと合成される。
【0192】
合成された8本の射出ビーム551a〜551d,561a〜561dは、図34に示した光走査装置により感光体507上の被走査面にビームスポットBS51a,BS51b,BS51c,BS51d及びBS61a,BS61b,BS61c,BS61dとして結像する。図39,図40は各ビームスポットの異なる配置例を示すものであり、図39は一連のビームスポットBS51a〜BS51dに隣接して一連のビームスポットBS61a〜BS61dを配置した隣接走査の例、図40はビームスポットBS51a〜BS51dとBS61a〜BS61dを交互に配置した飛越走査の例をそれぞれ示している。
【0193】
次に、図41は汎用の半導体レーザを合計2個用いた本発明の実施形態における2ビーム光源装置を示す図である。なお、以下の説明において、主走査方向とは光ビームが走査する方向で、副走査方向とはそれと直交する方向、すなわち感光体ドラムの回転方向をさす。
【0194】
同図において、光源保持部603には嵌合穴603−1,603−2が主走査方向に所定間隔で並列して形成され、これらの嵌合穴603−1、603−2に半導体レーザ601,602が各々圧入され、支持される。また、光源保持部603は、取付部604の保持孔に圧入されて支持され、両者で光源支持部材600を構成している。なお、この以下の実施形態では、ねじによって締結して取り付けているので、以下、「締結部」と称する。
【0195】
このように構成すると、半導体レーザ601,602が保持されている光源保持部603は、締結部604とは独立した部材であるため、締結時の応力による変形は締結部604のみで生じ、光源保持部603の変形は少なくなる。このため、半導体レーザ601,602とそのレーザ出射面に配置されるカップリングレンズとの位置関係は安定し、副走査方向のビームスポット間隔精度の劣化は最小限に抑えられる。
【0196】
更に、図42に示すように、カップリングレンズ605,606を半導体レーザ601,602の保持部607に一体的に支持させる。具体的には、例えば、カップリングレンズ605、606は各々の半導体レーザ601、602の発散光束が所望の光束状態となるようにX位置を、また所定のビーム射出方向となるようにY、Z位置を合わせて、半導体レーザ601,602と対に形成したU字状の支持部607−1、607−2の隙間にUV硬化接着剤などを充填し固定される。この支持部607−1,607−2はカップリング支持部607の図42において両側に対称に設けられ、これにより半導体レーザ601,602とカップリングレンズ605,606の位置関係は、より精度良く保たれ、安定した副走査方向のビームスポット間隔を得ることが可能となる。
【0197】
図43は汎用の半導体レーザを4個使用し、半導体レーザ保持部にカップリングレンズ保持部を設けた本発明の別の実施形態に係る4ビーム光走査装置の光源部分を示す斜視図である。なお、以下の説明において、添え字a、bはそれぞれ第1および第2の光源部側の構成要素であることを示し、両者を概括的に指す場合には、添え字は省略する。
【0198】
図43において半導体レーザ601a、602aは、光源保持部603aの裏側で主走査方向に所定間隔で並列に形成された図示しない嵌合穴に各々圧入され、固定される。嵌合穴の状態は図41に示したものと同様である。また、カップリングレンズ605a、606aは各々の半導体レーザ601a、602aの発散光束が所望の光東状態となるようにX位置を、また所定のビーム射出方向となるようにY、Z位置を合わせて、半導体レーザ601a、602aと対に形成したU字状の支持部607−1、607−2の隙間にUV硬化接着剤を充填して固定され、第1の光源部630aを構成する。この構成は図41に示した実施形態と同様である。半導体レーザ601a、602aとカップリングレンズ605a、606aとは対称中心L(図42)に対してほぼ対称に配置される。第2の光源部630bについても同様に構成されているので、同等な各部には同一の参照符号を付し、重複する説明は書賂する。なお、半導体レーザ601b、602bとカップリングレンズ605b、606bも支持部607の中心に対してほぼ対称に配置される。
【0199】
第1の光源部630aと第2の光源部630bはそれぞれ、ベース部材610に2本のねじ619で固定される。ベース部材610にはさらにビーム合成プリズム611が固定され、第1の光源部630aからの入射面には1/2波長板612が設けられており、1/2波長板612を透過後、偏光方向が90度回転した第1の光源部630aからの光ビームBMaは、ビーム合成プリズム611内の反射面611−1(図44)で反射した後、偏光ビームスプリッタ面611−2(図44)でさらに反射し、偏光ビームスプリッタ面611−2を透過してくる第2の光源部630bからの光ビームBMbに対して副走査方向に近接させて出射される。
【0200】
図44は図43に示した4ビーム走査装置の光源部の副走査方向断面図である。
【0201】
前述のように、第1の光源部630aから出射した光ビームBMaは、ビーム合成プリズム611の下側の斜面611−1で反射され、ビームスプリッタ面611−2で再度反射され、第2の光源部630bから出射した光ビームBMbと近接した位置にくるようにする。この時、各ビームBMa、BMbはプリズム611の角度誤差等により図示するように角度がずれ、図45に示すように各ビームスポット列BSa、BSbの中心位置C1、C2が副走査方向にずれてしまう。そこで、各光源部630a、630bの位置決め部3点のうち600a−1、600b−1で示すベース部材610側の突き当て部を玉620a、620bで受け、軸部が円錐状に形成されたねじ621a、621bを上下方向に移動させて玉620a、620bの図において左右の位置を変え、光源支持部材600の矢印方向の角度調整ができるようにしている。これにより、各光ビームの射出角度を合わせ、図45に示すように各ビームスポット列BSa、BSbの中心位置C1、C2を一致させることができる。
【0202】
なお、図44に示した例ではこの角度補正機構を第1、第2の両光源部630a、630bのそれぞれに配置しているが、いずれか一方でも構わない。また、像面上でのビームスポット列BSa、BSbの配列は図46に示すような形態でもよい。この場合、各光源部630a、630bからの光ビームスポット列BSa、BSbの中心位置C1、C2を1ライン分離して調整する必要がある。
【0203】
このように本実施形態では、各光源部630a、630bの位置決め部3点のうちベース部材610側の突き当て部600a−1、600b−1を玉620a、620bで受け、円錐状に形成したねじ621a、621bを上下方向に移動させることで玉620a、620bの左右位置を変え、光源支持部材600a、600bを矢印方向に角度を可変可能な構成としている。このように構成すると、光源支持部材600a、600bをベース部材610に固定する時、光源支持部材600は、当接面になじむように姿勢変化する。また、締結に伴う応力により、光源支持部材600a、600bは、歪みを生じて変形し、ビームスポットの位置が変化する。この結果、図45に示すように、像面上の各ビームスポット列BSa、BSbの中心は副走査方向にずれ、副走査方向のビームスポット間隔楕度は劣化する。
【0204】
この実施形態のように光源支持部材600a、600bをベース部材610にねじ619で締結した後に、上述した副走査方向のビームスポット間隔が所望の間隔となるように調整する際、光源支持部材600a、600bは、ベース部材610に当接する各々3点のうち2点が、ねじ619で締結されている状態で、玉620a、620bの左右位置を変化させ、光源支持部材600a、600bの姿勢を変化させるため、締結部604a、604bは弾性部材等で形成し、副走査断面内で当接面の傾きの変化に対応できるようにしてあるが、玉620a、620bの位置が左右に変化することによって発生する応力によって光源支持部材600a、600bは歪みを生じて変形し、ビームスポット位置が変化する。
【0205】
しかし、本実施形態では、半導体レーザ601a,600b、602a,600bを保持する光源保持部603a、603bは、締結部604a、604bとは独立した部材であるため、変形は締結部604a、604b側でのみ生じ、光源保持部603a、603bの変形は低減される。このため、半導体レーザ601a,601b、602a,602bとカップリングレンズ605a,605b、606a,606bの位置関係は安定し、副走査方向のビームスポット間隔精度の劣化は抑えられる。
【0206】
また、図41に示した実施形態においても、締結時の光源支持部材600の姿勢変化は生じるため、そのばらつきが大きい場合、本実施形態のような姿勢調整手段が必要となる。 一方、従来では、光源保持部603は、放熱性や加工性を加味して比較的線膨張係数の高いアルミダイキヤストが一般的に用いられている。しかし、光源支持部材600の線膨張係数が高いと、温度変動時に、光源支持部材600の伸縮による締結力の変化が生じ、それに伴う応力により歪みを生じ変形が生じ、ビームスポット位置が変化していた。また、例えば、前述の2ビーム、または4ビームの光源装置においては、温度変動時に副走査方向のビームスポット間隔の変動が大きくなり、初期調整時の副走査方向のビームスポット間隔を維持できないという問題があった。
【0207】
そこで、光源支持部材600の線膨張係数は低い方が望ましいが、例えば、鉄、ステンレスなどの材質を用いた場合、ダイキャスト化は難しく、量産を考えた場合、加工面での裸題が大きい。また、鉄のような材質を使用するために焼結などの方法も考えられるが、半導体レーザ601,602の圧入部、カップリングレンズ605,606の保持部等、高精度での加工を要求する箇所については二次加工が必要となるなど、加工面と合わせコスト面からも現実的ではない。
【0208】
上記実施例によれば、光源保持部603と締結部604は別部材であることから、光源支持部材600の変形、つまり光源(半導体レーザ601,602)とカップリングレンズ605,606の位置関係は比較的安定させることが可能となっている。しかし、高密度化に対応し、さらに安定した副走査方向のビームスポット間隔を得るためには、例えば、光源保持部材はアルミダイキャスト、亜鉛ダイキャストなど、線膨張係数は高いが加工性、コスト面で有利である材質を用い、締結部604を線膨張係数の低い鉄、ステンレス等の材質で形成する。この結果、締結手段により固定する際の締結力の熱膨張に伴う変動を抑えることができ、光源保持部材600の姿勢変動、変形は著しく低減され、高品位な画像再現性が確保できる光走査装置を実現することが可能となる。
【0209】
更に、前記締結部604の部材の線膨張係数を図47の実験結果に示すように15.0×10−6(1/℃)以下とすることにより、温度変動(変動幅45℃時)による光源支持部材600の変形による副走査方向のビームスポット間隔変動を5μm以下に抑えることができる。画像上、副走査方向のビームスポット間隔の変動は、略5μm以内に抑えることにより人の目の分解能で判別がつかないとされており、締結部604の材質の線膨張係数を15.0×10−6(1/℃)以下とすることにより、高密度な光走査装置においても安定したビームスポット間隔を維持することができ、高品位な画像再現性が確保できる光走査装置の実現することが可能となる。
【0210】
また、一般的に線膨張係数が小さい材質は、剛性も高い(ヤング率の大きい)材質が多く、光源支持部材600の変形をより少なくするための良好な材質の選択も可能となる。
【0211】
さらに、光源支持部材600の締結部604とそれを支持する被取付部材(ベース部材)610は、ねじ619締結されているため、両者で線膨張係数が異なると、締結点間の伸びの違いにより変形が生じる。すなわち、例えば光源支持部材600の締結部604を線膨張係数の低い材質から構成し、光源支持部材600の変形を低減させても、被取付部材に線膨張係数の高い材質を使用すると、光源支持部材600も変形してしまうことになる。
【0212】
そこで、締結部604の部材と、それを支持する部材(被取付部材)の線膨張係数を略一致させることにより、温度変化時の、線膨張係数差による変形は減らすことができる。これによって高密度な光走査装置においても安定したビームスポット間隔を維持することが可能となり、高品位な画像再現性が確保できる光走査装置を実現できる。なお、実験結果からは、前記線膨張係数差は、20×10−6(1/℃)以下であることが望ましい。
【0213】
図48はさらに別の実施形態に係る光源装置の概略構成を示す斜視図である。この実施形態は図41および図42に示した実施形態では1つの光源保持部603に第1および第2の2つの半導体レーザ601,602を搭載し、1つの締結部604に光源保持部603を装着しているが、この実施形態では、光源保持部603と締結部604をそれぞれ別体に設け、そのそれぞれに半導体レーザ601,602を搭載した例である。このように構成すると、図43に示した実施形態のようにベース部材の前面にビーム合成手段を設けることができないので、図48に示すように偏光ビームスプリッタ650を独立させて設け、前記半導体レーザ601,602からの光ビームを合成するようにしている。図中651は、1/2波長板で、偏光ビームスプリッタ650における反射、透過の光量調整に用いる。
【0214】
その他、前述の実施形態と同等な各部には同一の参照符号を付して重複する説明は省略する。なお、第1の光源部630a、第2の光源部630bの発光部はそれぞれ1ビームでも複数ビームでも良く、半導体レーザの搭載数は、ビーム数に応じて適宜設定される。
【0215】
なお、図41乃至図48に示した実施形態における説明では、半導体レーザ601,602は光源保持部603の嵌合穴に圧入されているが、別部材を噛ませてねじ締結しても良い。また、光源保持部603は締結部604に圧入されているが、接着等での支持でも良い。さらに、光源には半導体レーザを用いているが、複数の発光源がアレイ状に配列された半導体レーザアレイを使用しても同様の効果が得られる。
【0216】
図49には本発明の一実施例におけるマルチビーム光源装置の構成図、図50にはその主走査断面を示す。
【0217】
半導体レーザ701、702は各々ベース部材705の裏に突出した円筒部705−1、705−2に設けた嵌合穴に外径を圧入し保持される。カップリングレンズ703、704は対応する半導体レーザからの光ビームa、bが平行光束で、かつ所定の射出方向となるよう配置調整されU状の接着部705−3、705−4との隙間にUV硬化型接着剤を充填して固定される。尚、実施例では各射出方向を射出軸Cに対称に所定角度約3°主走査方向にずらし、射出方向に合わせ半導体レーザおよびカップリングレンズが一直線上に配列するよう保持部を形成している。
【0218】
ベース部材705は装置ハウジングに取り付けるホルダ部材708へ位置決めして締結する締結707−1を有するフランジ部材707に支持されるが、まず、円筒部705−5の外径に中間部材706を圧入し、フランジ部材の内径707−2に中間部材の外径を圧入して構成する。中間部材706は、図56に示すように、この実施例では外周面、つまりフランジ部材との当接面を分割した形状としており円周方向での寸法変化は切り欠き部で吸収できる構成としている。切り欠き部は内周面、または双方に設けても構わない。
【0219】
ところで、フランジ部材と中間部材の圧入部の径をd1、ベース部材と中間部材の圧入部の径をd2、フランジ部材、ベース部材、中間部材の線膨張係数を各々γ1、γ2、γ3とすると、自由な状態では、フランジ部材の内径d1は温度変化tによって d1・γ1・t 拡大する。同様にベース部材は d2・γ2・t 拡大する。つまり、d1・γ1−d2・γ2=(d1−d2)・γ3 とすることで射出軸を中心とした放射(径)方向での寸法変化をキャンセルすることができる。
【0220】
例えばベース部材をアルミ、フランジ部材をホルダ部材708との同一材であるガラス繊維強化ポリカーボネイト樹脂とすると、γ1=3×10^-5 、γ2=2.4×10^-5 /℃ であり、d1=20、d2=18 mm とすれば、γ3=8.4×10^-5 /℃となり中間部材をポリアセタール樹脂等を用いることで適応できる。
【0221】
また、ベース部材をアルミ、フランジ部材を剛性の高いステンレスとすると、γ1=1.5×10^-5 /℃ であり、d1=28、d2=15 mm とすれば、γ3=0.4×10^-5 /℃となり中間部材をアルミナ系セラミック等を用いることで適応できる。
【0222】
尚、実施例のようにうまくキャンセルするように中間部材の厚さと材質を選ぶことが望ましいが、少なくとも線膨張係数がフランジ部材>ベース部材の時は、中間部材の線膨張係数をいずれの部材よりも高くし、フランジ部材<ベース部材の時は、いずれの部材よりも低くすることにより歪みを抑制する効果がある。
【0223】
また、中間部材に二トリルゴム、クロロプレンゴム等の弾性材を用いれば、フランジ部材とベース部材の径寸法の変化の差を材質自身の弾性によって吸収することができる。
【0224】
フランジ部材707はホルダ部材708にネジ713を貫通穴708−1を介して締結部のネジ穴707−1に螺合することで支持され、結像光学系や偏向器が収容されるハウジングの側壁710に設けられた係合穴710−1にハウジングの外側より射出軸Cと同軸に形成された円筒部708−2を挿入して位置決めされ、装着される。
【0225】
尚、ホルダ部材側をネジ穴、締結部側を貫通穴として締結部材側よりネジを締め付けてもよい。
【0226】
スプリング711は内側より挿入され、その一端711−1をストッパ部材712の穴712−1に、もう一方の端712−2を突起710−2に引っかけ、ストッパ部材の係止爪712−2に円筒部の突起708を係合することで、ホルダ部材は壁面710に密着されると同時に円筒部中心を回転軸とした右回りの回転力を発生し、この回転力を係止するように設けた調節ネジ709により角度調節がおこなえる。
【0227】
図54は被走査面における各ビームスポットBS1、BS2を示すが、上記回転によりビームスポット列も回転しビームピッチPを記録密度に応じた走査線間隔に合わせることができる。
【0228】
図51は上記光源装置を搭載した光走査装置の概要を示す。
【0229】
半導体レーザ751、752より射出した複数の光ビームはカップリングレンズ753、754にて各々平行光束とされ、副走査方向に曲率を有するシリンダレンズ755を介して偏向器であるポリゴンミラー756で同時に走査される。各々の光ビームは結像光学系の軸心を通る射出軸Cに対称にポリゴンミラー面で主走査方向に交差するように射出方向が設定され、結像光学系を構成する第1レンズ757、第2レンズ758によって被走査面である感光体760に所定のビームピッチPをもって結像される。759は光ビームを感光体方向に折り返すミラーである。図51の光走査装置において、各半導体レーザは隣接するラインのデータによって変調され、同時に画像記録をおこなう。
【0230】
図52は、図49に示したマルチビーム光源装置の別の実施例における構成図を示す。図53はその副走査断面図を示す。
【0231】
この実施例では2つの発光源がモノリシックに形成された半導体レーザアレイ801、802を用い、各々別々のベース部材805、815に保持している。なお、図52ではベース部材815側は組立てられた構成で示しており、同じ構成であるので、ベース部材805側のみを用いて説明する。
【0232】
半導体レーザアレイ801は発光源の配列を副走査方向に合わせてベース部材の裏に突出した円筒部801−1に設けた嵌合穴に外径を圧入し保持される。カップリングレンズ803は半導体レーザからの光ビームが平行光束で、かつ所定の射出方向となるよう配置調整されU状の接着部805−3との隙間にUV硬化型接着剤を充填して固定される。尚、実施例では射出軸C上に半導体レーザおよびカップリングレンズが配列するよう保持部を形成している。
【0233】
ベース部材805は装置ハウジングに取り付けるホルダ部材808へ位置決めして締結する締結807−1を有するフランジ部材807に支持されるが、まず、円筒部805−5の外径に中間部材806を圧入し、フランジ部材の内径807−22に中間部材の外径を圧入して構成する。中間部材の形状は上記実施例と同様である。
【0234】
フランジ部材807はホルダ部材808にネジ813を穴808−1を介して締結部807−1に螺合することで支持され、同様に構成したもう一方のフランジ部材817も射出方向を合わせて支持される。
【0235】
814はビーム合成プリズムで偏向ビームスプリッタ面814−2を有する三角部と半導体レーザアレイ802からの光ビームを射出軸Cに近接させる平行四辺形部から構成される。半導体レーザアレイ802からの光ビームはλ/2板818を介して偏光面が90°回転され、ビーム合成プリズムに入射する。光ビームは反射面814−1で反射し、さらに偏向ビームスプリッタ面814−2で反射して射出される。
【0236】
一方、半導体レーザアレイ801からの光ビームはそのまま透過する。ビーム合成プリズム814はホルダ部材808に内包され支持される。ホルダ部材808は図49に示した実施例と同様に、結像光学系や偏向器が収容されるハウジングの側壁810に設けられた係合穴810−1にハウジングの外側より射出軸Cと同軸に形成された円筒部808−2を係合して位置決めされ、装着される。
【0237】
スプリング811は内側より挿入され、その一端811−1をストッパ部材812の穴812−1に、もう一方811−2を突起810−2に引っかけ、ストッパ部材の係止爪812−2に円筒部の突起808を係合することで、ホルダ部材は壁面810に密着されると同時に円筒部中心を回転軸とした右回りの回転力を発生し、この回転力を係止するように設けた調節ネジ809より角度調節がおこなえる。調節ネジ809はハウジングに外壁に配備される。
【0238】
図55は被走査面における半導体レーザアレイ801の各ビームスポットBS1a、BS1b、半導体レーザアレイ802の各ビームスポットBS2a、BS2bを示すが、上記回転調整によって各々のビームスポット列を記録密度に応じた走査線の間隔Pだけずらした配置に合わせることができる。
【0239】
このとき、ビームスポット間隔が2Pとなるように結像光学系の副走査方向での倍率β、発光点間隔dを設定することにより、4ラインを同時に画像記録することができる。
【0240】
尚、上述の実施例では単一のベース部材に保持する半導体レーザ個数を1乃至2、半導体レーザアレイの発光源数を2としたが、それ以外の数であっても構わない。また、中間部材を一部品として圧入し支持しているが、フランジ部材とベース部材との隙間に直接充填して硬化、成形してもよく、形状も円筒に限らない。
【0241】
図57は上記光走査装置を搭載した画像形成装置の例を示す。デジタル複写機においては上部に画像読み取り装置が搭載されるが、ここでは省略する。
【0242】
感光体ドラム901の周囲には感光体を高圧に帯電する帯電チャージャ902、光走査装置900により記録された静電潜像に帯電したトナーを付着して顕像化する現像ローラ903、現像ローラにトナーを供給するトナーカートリッジ904、ドラムに残ったトナーを掻き取り備蓄するクリーニングケース905が配備される。感光体ドラム901へはポリゴンミラーの1面毎に4ライン同時に潜像記録が行われる。
【0243】
用紙は給紙トレイ906から給紙コロ907により供給され、レジストローラ対908により印字開始のタイミングに合わせて送り出され、用紙が感光体ドラムを通過する際に転写チヤージヤ906によってトナー像が転写され、定着ローラ909で定着して排紙ローラ912により排紙トレイ910に排出される。
【0244】
本発明のマルチビーム光源装置によれば、複数の光源手段を組み合わせて光ビームを合成し複数ラインを同時に記録できる画像形成装置が実現できるので、記録密度を向上でき高品位な画像形成ができる。
【0245】
【発明の効果】
請求項1に記載のマルチビーム光源装置は、第1の光源部と第2の光源部の少なくとも一方を射出軸を中心にしてベース部材に回動自在に保持し、第1の光源部と第2の光源部の少なくとも一方のベース部材に対する取付角度を可変して、第1の光源部と第2の光源部から射出するビームの相対角度を調整するようにしたから、第1の光源部と第2の光源部間の配置精度やビーム合成プリズムの角度誤差等によるビーム合成後の射出軸のずれを容易に調整することができ、部品精度を緩和して生産性のよいマルチビーム光源装置を提供することができる。
【0246】
また、請求項2に記載のマルチビーム光源装置は、第1の光源部と第2の光源部のいずれか一方又は両方を射出軸を中心とした点対称の2個所でベース部材に保持することにより、第1の光源部と第2の光源部を容易に回動してベース部材に対する取付角度を簡単に可変することができる。
【0247】
さらに、請求項3に記載のマルチビーム光源装置は、角度調整手段は第1の光源部と第2の光源部を、射出軸を中心とした点対称の2個所を結ぶ線分を中心にして回動することにより、第1の光源部と第2の光源部のベース部材に対する取付角度を簡単に可変して、第1の光源部と第2の光源部から射出するビームの相対角度を容易に調整することができる。
【0248】
請求項4に記載のマルチビーム光源装置によれば、角度調整手段は第1の光源部と第2の光源部の射出軸方向の前後方向に移動自在にベース部材に設けられ、第1の光源部と第2の光源部のベース部材に対する取付面と接触する位置可変部材と、位置可変部材の移動方向と直交する方向に移動して位置可変部材の位置を可変する位置調節手段とを有することにより、第1の光源部と第2の光源部のベース部材に対する取付角度を簡単な操作で可変することができる。
【0249】
請求項5に記載のマルチビーム光源装置は、位置可変部材をボールで構成し、位置調節手段を円錐面を有する位置調節ねじで構成することにより、角度調整手段を簡単に構成できるとともに第1の光源部と第2の光源部のベース部材に対する取付角度を簡単な操作で可変することができる。
【0250】
請求項6に記載の光走査装置によれば、上記のマルチビーム光源装置を電子写真方式の複写機やプリンタの光走査装置に使用することにより、副走査方向に正確に位置合わせした複数のビームスポットで走査することができ、良質な画像を安定して書き込むことができる。
【0251】
請求項7および請求項8に記載のマルチビーム光源装置によれば、第1光源部の第1支持部材と第2光源部の第2支持部材の一方は他方に支持されているため、各光源部の副走査方向の間隔を小さくすることができ、光源ユニットを小型化することができる。また、光源ユニットの小型化に伴い、ビーム合成手段の大きさも小さくなること、一方の光源部は他方の光源部に支持されているため、従来それぞれの光源部を支持していた部材が不要となり、部品点数が低減されたこと、それに伴い組み立ての工程が減ることなど、低コスト化の達成を小型化と併せて実現できるマルチビーム光源装置を得ることができる。さらに、光源部の部品点数の低減により、部品の加工ばらつきに基づくビームスポット位置の変動を小さくすることができ、良好なビームスポット間隔を実現できる。
【0252】
請求項9に記載のマルチビーム光源装置によれば、第1光源部から射出される光ビームおよび第2光源部から射出される光ビームは、全て所定のビームスポット間隔に調整可能であるため、光源ユニットの部品精度や、カップリングレンズの調整精度、ビーム合成手段の合成精度を緩和でき、生産性のよいマルチビーム光源装置を提供することが可能となる。
【0253】
請求項10に記載のマルチビーム光走査装置によれば、第1及び第2の光源手段から射出した光ビームを被走査面に結像する場合に、第2の光源手段から射出される光ビームの光路を光路変更手段によって変更し、第1の光源手段から射出される光ビーム及び光路変更手段によって光路が変更された光ビームをビーム合成手段によって合成して光路を合わせて、偏向器の偏向反射面近傍で主走査方向に交差させることにより、各々の走査線の同期信号を個別に得ることができ、確実で安定した画像再現性が確保できる。
【0254】
請求項11に記載のマルチビーム光走査装置によれば、第1及び第2の光源手段から射出した光ビームを被走査面に結像する場合に、第2の光源手段から射出される光ビームの光路を光路変更手段によって変更し、第1の光源手段から射出される光ビーム及び光路変更手段によって光路が変更された光ビームをビーム合成手段によって合成して光路を合わせて、偏向器の偏向反射面近傍で主走査方向に交差させることにより、各々の走査線の同期信号を個別に得ることができ、確実で安定した画像再現性が確保できる。
【0255】
請求項12に記載のマルチビーム光走査装置によれば、第2の光源手段から射出される複数の光ビームの主走査方向における角度を、レンズ、ミラー、パワーを持った偏光板等の光路変更手段により、光ビーム間のなす角を変化させて、第1の光源手段、第2の光源手段を主走査方向にシフトすることなく、第1の光源手段及び第2の光源手段の各々の半導体レーザから射出された光ビームの被走査面上における位置関係を、同期信号検知部の分解能よりも主走査方向に広く分離するように決めることが可能となる。
【0256】
請求項13に記載のマルチビーム光走査装置によれば、各光ビーム間のなす角を最小に設定することができ、ポリゴンミラ一(回転多面鏡)反射面において、光線を偏向させるときに生じる「光学的なサグ」の影響を小さくでき、結像性能に及ぼす影響を小さく抑えることができる。
【0257】
請求項14に記載のマルチビーム光走査装置によれば、各光ビームは主走査方向についてカップリングレンズの光軸近傍を通過するため、カップリングレンズの周辺部を通過する場合に比ベ、波面収差の発生を低減でき、良好な結像性能を得ることができる。また、カップリングレンズ接着後の経時変化、温度変化等によりカップリングレンズの位置が変化した場合においても、光ビームがカップリングレンズの光軸近傍にあれば、カップリングレンズヘの入射角の変勤は小さくでき、結像性能に及ぼす影響を小さく抑えることができる。
【0258】
請求項15に記載のマルチビーム光走査装置によれば、各光源の主走査方向の配列間隔を2つの光源手段で異ならせることなく、すなわち第1の光源手段と第2の光源手段を共通化しつつ、被走査面上を走査する複数の走査線の同期信号を個別に取ることができ、出力を検出する検知部は共通であるにも関わらず、実時間での光出力のフイードバックが可能となる。
【0259】
請求項16に記載のマルチビーム光走査装置によれば、各光源の主走査方向の配列間隔を2つの光源手段で異ならせることなく、被走査面上を走査する複数の走査線の同期信号を個別に取ることができ、出力を検出する検知部は共通であるにも関わらず、実時間での光出力のフィードバックが可能となる。
【0260】
請求項17に記載のマルチビーム光走査装置によれば、締結部を突き当てる各々の取付面と締結部との当接面が各部材の加工誤差等で一致しない場合においても、各面が密着するまでねじを確実に締め付けることができ、その際加えられた歪みはトーションバーによって吸収され、各面の密着状態が環境変動によって変化することがないので、光源保持部の姿勢が保たれ射出軸の方向を安定的に維持でき、ピッチむらのない高品位な画像形成が行える。
【0261】
請求項18に記載のマルチビーム光走査装置によれば、トーションバーがねじられた際に複数ビームの配列を保ったまま一括して各々の光軸方向が可変でき、走査光学系に対する光軸方向の調整を行ってもビームスポットの配列精度を損なうことがないので、ピッチむらのない高品位な画像形成が行える。
【0262】
請求項19に記載のマルチビーム光走査装置によれば、ビームスポット列の副走査ピッチを確実かつ精度よく調整できるので、ピッチむらのない高品位な画像形成が行える。
【0263】
請求項20に記載のマルチビーム光源装置によれば、各保持部材をベース部材に装着した後に姿勢調整手段によって保持部材を傾動し得るようにしたので、異なる保持部材に保持された光源部からのビームスポットの副走査方向の間隔を容易に調整することができる。
【0264】
請求項21に記載のマルチビーム光源装置によれば、保持部材をベース部材に光軸を中心に回動可能に装着したので、同一の保持部材に保持された複数の光源部からのビームスポットの副走査方向の問隔を容易に調整することができる。
【0265】
請求項22に記載のマルチビーム光源装置によれば、保持部材をベース部材に加圧して装着する弾性部材の加圧力を複数段階に変化させる加圧力可変手段を有するようにしたので、必要に応じて保持部材とベース部材との圧接力を変化させることが可能になる。
【0266】
請求項23に記載のマルチビーム光源装置によれば、上記弾性部材の加圧力とたわみ量の比を、たわみ量の増加に伴って増加するようにしたので、保持部材の調整時(初期荷重)には弱く、調整完了時(終期荷重)には強く設定することにより調整が容易になると同時に、調整後は保持部材をベース部材に強固に圧接させることができ、振動や衝撃に対する信頼性を倍増させることが可能になる。
【0267】
請求項24に記載のマルチビーム光源装置によれば、弾性係数の異なる複数の弾性部材を直列に連接したので、各弾性部材は単純な通常のコイルばね等でよく、
設計が容易で生産コストも低減する。
【0268】
請求項25に記載の画像形成装置によれば、安定したマルチビーム光源装置から射出される複数のビーム光を用いて記録速度の向上した良好な出力画像を得ることが可能である。
【0269】
請求項26記載の発明によれば、光源保持部と取付(締結)部を別部材で構成したので、光源支持部材の締結、副走査断面内での設置の傾きを変えて調整する姿勢調整時等による光源支持部材の変形を光源保持部で抑制することができ、生産時のビームスポット間隔の調整(副走査走査線間隔の設定)を、単純作業で容易に行うことができる。また、位置合わせも確実に行え、高品位な画像再現性の確保が可能な光走査装置を提供できる。
【0270】
請求項27記載の発明によれば、カップリングレンズと光源とが同一の光源保持部に保持されるので、両者の相対的な位置が変わることはなく、両者間の調整が不要となり、安定したビームスポット間隔を維持することができる。
【0271】
請求項28記載の発明によれば、光源支持部材を複数備え、当核複数の光源支持部材を単一の被取付部材に固定するとともに、光源支持部材の少なくとも1つに、他の光源支持部材との副走査断面内での当接面の傾きを調整する調整手段を設けたので、この調整手段を使用して光源支持部材の変形、ねじれ等によって生じたずれを簡単に修正でき、より安定したビームスポット間隔を維持することが可能となる。
【0272】
請求項29記載の発明によれば、光源保持部の材質より取付(締結)部の材質の線膨張係数が小さくなるようにしたので、固定(締結)手段によって固定する際の固定(締結)力の熟膨張に伴う変勤を抑えることができる。これにより、光源保持部の姿勢変動を低減し、高品位な画像再現性が確保できる。
【0273】
請求項30記載の発明によれば、取付(締結)部の材質の線膨張係数を15.0×10−61/℃)以下としたので、温度変動による変形を減らすことができ、高密度な光走査装置においても安定したビームスポット問隔を維持することが可能となる。これにより、高品位な画像再現性が確保できる。
【0274】
請求項31記載の発明によれば、取付(締結)部の部材と、それを支持する部材の線膨張係数を略一致させることにより、温度変化時の、線膨張係数差による締結点問の伸びの違いによる変形を減らすことができ、安定したビームスポット間隔を維持することが可能となる。これにより、高品位な画像再現性が確保できる。
【0275】
請求項32に記載のマルチビーム光源装置によれば、光源と光源からの光ビームをカップリングするカップリングレンズとを保持する保持部を各々有する光源保持部材と、支持基体への締結部を有する締結部材とは、別材質からなるとともに少なくとも光源装置の射出軸を中心とした放射方向に、中間部材を介在させ、直接当接する部位をもたないことにより、光源保持部材および締結部材を各々の機能に適合した材質で構成できるうえ、環境温度が変化してもお互いの干渉によって歪みを生じることがないので、光ビームの相対的な射出方向を保つことができ、高品位な画像形成がおこなえる。
【0276】
請求項33に記載のマルチビーム光源装置によれば、上記中間部材は上記光源保持部材または締結部材との当接面の少なくとも一方を円周方向に分割してなることにより、円周方向にかかる応力をキャンセルでき放射方向のみに均等に当接圧がかかるようにすることができるので、環境温度が変化しても光源保持部材の姿勢を安定的に保つことができ、高品位な画像形成がおこなえる。
【0277】
請求項34に記載のマルチビーム光源装置によれば、各部材の線膨張係数が、光源保持部材>締結部材のときには中間部材の線膨張係数が締結部材よりも低いことにより、締結部材に環境安定性がよく線膨張係数が低い材質を用いても寸法変化の差をキャンセルする効果があるうえ、光源保持部材の姿勢を確実に維持することができるので、光ビームの相対的な射出方向を保つことができ高品位な画像形成がおこなえる。
【0278】
請求項35に記載のマルチビーム光源装置によれば、各部材の線膨張係数が、光源保持部材<締結部材のときには中間部材の線膨張係数が締結部材よりも高いことにより、締結部材に生産性がよい樹脂等の線膨張係数が高い材質を用いても寸法変化の差をキャンセルする効果があるうえ、光源保持部材の姿勢を確実に維持することができるので、光ビームの相対的な射出方向を保つことができ高品位な画像形成がおこなえる。
【0279】
請求項36に記載のマルチビーム光源装置によれば、上記中間部材は弾性材で形成されてなることにより、締結部材によって光源保持部材の姿勢を確実に維持することができるうえ、各々の線膨張係数が異なっていても寸法変化の差をキャンセルする効果があるので、光ビームの相対的な射出方向を保つことができ、高品位な画像形成がおこなえる。
【0280】
請求項37に記載の画像形成装置によれば、マルチビーム光源装置における光源保持部材と、支持基体への締結部を有する締結部材とは、別材質からなるとともに少なくとも光源装置の射出軸を中心とした放射方向に、中間部材を介在させ、直接当接する部位をもたないことにより、光源保持部材および締結部材を各々の機能に適合した材質で構成できるうえ、環境温度が変化してもお互いの干渉によって歪みを生じることがないので、光ビームの相対的な射出方向を保つことができ、高品位な画像形成がおこなえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例に係るマルチビーム光源装置の構成を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示した実施例の断面図である。
【図3】図1に示した実施例で射出したビームスポットの配置図である。
【図4】図1に示した実施例で射出したビームスポットの他の配置図である。
【図5】図1に示した実施例を使用した光走査装置の構成図である。
【図6】図5に示した光走査装置の画像書き出しのタイミングを定めるセンサー基板の受光素子とビームスポットの配置図である。
【図7】図1に示した実施例の一変形例としてのマルチビーム光源装置の構成を示す分解斜視図である。
【図8】図7に示した実施例で射出したビームスポットの配置図である。
【図9】本発明の一実施例に係るマルチビーム光源装置の構成を示す分解斜視図である。
【図10】図9に示した実施例に用いられるビーム合成手段としてのブリズムを示す側面図である。
【図11】(a)は図9に示した実施例中の第1光源部を示す正面図、(b)は図9に示した実施例によるビームスポット調整の様子を示す模式図である。
【図12】図9に示した実施例の一変形例としてのマルチビーム光源装置の構成を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。
【図13】図9に示した実施例のさらに別の変形例としてのマルチビーム光源装置の構成を示すもので、(a)は正面図、(b)は側面断面図である。
【図14】本発明の他の実施例に係るマルチビーム光源ユニットの分解斜視図(A)及び断面図(B)である。
【図15】図14に示した実施例のマルチビーム光源ユニットを光走査装置に適用した場合の光学的レイアウトの概略を示す平面図である。
【図16】図14に示した実施例のマルチビーム光源ユニットをの概略分解斜視図である。
【図17】図14に示した実施例を構成する光学素子の主要諸元及び配置を示す図である。
【図18】図14に示した実施例でのβ調整を示す断面図(A)と調節用のねじを示す側面図(B)である。
【図19】(a)は本発明の一実施例に係るマルチビーム光走査装置の基本的な構成を示す図、(b)はその実際の構成を示す図。
【図20】図19に示したマルチビーム光走査装置の光源ユニットを含む部分の構成を示す図。
【図21】(a)及び(b)は図19に示したマルチビーム光走査装置の一変形例を示す図。
【図22】(a)及び(b)は図21における2つの光源手段での光ビームの相違を示す図。
【図23】(a)及び(b)は図19に示したマルチビーム光走査装置の光源ユニットの別の例を示す図。
【図24】図19に示したマルチビーム光走査装置の光源ユニットのさらに別の例を示す図。
【図25】図19に示したマルチビーム光走査装置の光源ユニットのさらに別の例を示す図。
【図26】図25に示したマルチビーム光走査装置の光源ユニットの具体的な構造を示す断面図。
【図27】(a)及び(b)は図19に示したマルチビーム光走査装置の光源ユニットのさらに別の例を示す図。
【図28】図27に示したマルチビーム光走査装置の光源ユニットにおける2つの光ビームの角度設定の説明図。
【図29】(a)及び(b)は本発明の一実施例に係るマルチビーム光源装置の構成を示す分解斜視図及び断面図である。
【図30】図29に示したマルチビーム光源装置の反対側からみた分解斜視図である。
【図31】本発明の一実施例に係るマルチビーム光源装置の構成を示す分解斜視図である。
【図32】図31に示したマルチビーム光源装置の構成を示す断面図である。
【図33】図31に示したマルチビーム光源装置に用いられる第1、第2の光源部の配置状態を示す説明図である。
【図34】図31に示したマルチビーム光源装置を備えた画像形成装置の走査光学系を示す構成図である。
【図35】図34に示した走査光学系により被走査面上に結像したビームスポットの配置例を示す説明図である。
【図36】図31に示したマルチビーム光源装置に用いられるコイルばねのばね特性の一例を示す説明図である。
【図37】図31に示したマルチビーム光源装置に用いられるコイルばねのばね特性の他の例を示す説明図である。
【図38】図31に示したマルチビーム光源装置の他の例における光ビームの光路図である。
【図39】図38に示したマルチビーム光源装置により被走査面上に結像したビームスポットの配置例を示す説明図である。
【図40】図38に示したマルチビーム光源装置により被走査面上に結像したビームスポットの他の配置例を示す説明図である。
【図41】汎用の半導体レーザを合計2個用いた本発明の一実施例に係る2ビーム光源装置を示す図である。
【図42】図41に示した光源装置の変形例を示す斜視図である。
【図43】汎用の半導体レーザを合計4個用い、半導体レーザ保持部にカップリングレンズ保持部を設けた本発明の一実施例に係る4ビーム光源装置の斜視図である。
【図44】図43に示した4ビーム光源装置の副走査方向断面図である。
【図45】各ビームスポット列の中心位置が副走査方向にずれる例を示す図である。
【図46】像面上でのビームスポットの配列を示す図である。
【図47】締結部の部材の線膨張係数とビームスポット間隔変動との関係を示す図である。
【図48】本発明の一実施例に係るマルチビーム光源装置を示す図である。
【図49】本発明の一実施例に係るマルチビーム光源装置の構成を示す分解斜視図である。
【図50】図49に示したマルチビーム光源装置の主走査方向の断面図である。
【図51】図49に示したマルチビーム光源装置を搭載した光走査装置の概要を示す図である。
【図52】図49に示したマルチビーム光源装置の別の実施例の構成を示す分解斜視図である。
【図53】図52に示したマルチビーム光源装置の副走査方向の断面図である。
【図54】図49に示したマルチビーム光源装置により被走査面上に結像したビームスポットの配置例を示す説明図である。
【図55】図52に示したマルチビーム光源装置により被走査面上に結像したビームスポットの配置例を示す説明図である。
【図56】図49に示したマルチビーム光源装置の中間部材を示す図である。
【図57】上記光走査装置を搭載した画像形成装置の例を示す図である。
【符号の説明】
1 光源ユニット
2 ベース部材
3 アパーチャ板
4 ビーム合成プリズム
5 ホルダ部材
6 第1の光源部
7 第2の光源部
8 基板
9 支持部材
10,11 半導体レーザ素子
12,13 カップリングレンズ
14 支持部材
15,16 半導体レーザ素子
17,18 カップリングレンズ
23 ボール
24 位置調節ねじ

Claims (37)

  1. 複数の第1光源素子と該第1光源素子からの光ビームを略平行光束にする複数の第1カップリングレンズとを主走査方向に配列し、第1の支持部材で一体的に支持する第1の光源部と、
    複数の第2光源素子と該第2光源素子からの光ビームを略平行光束にする複数の第2カップリングレンズとを主走査方向に配列し、第2の支持部材で一体的に支持する第2の光源部と、
    前記第1の光源部と前記第2の光源部から射出される光ビームを近接させるビーム合成手段と、
    前記第1の光源部と前記第2の光源部を、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材とが各々光ビームの射出軸を中心として回転可能に、保持するベース部材と、
    副走査方向に対する前記第1の光源部から射出する光ビームの方向と、副走査方向に対する前記第2の光源部から射出する光ビームの方向のうち少なくとも一方を変更する角度調整手段と、
    を備えるマルチビーム光源装置であって、
    前記角度調整手段は、前記第1の支持部材と前記第2の支持部材の少なくとも一方に配設され、副走査方向に対する前記第1の支持部材の回動角度と副走査方向に対する前記第2の支持部材の回動角度のうち少なくとも一方を可変して前記第1の光源部と前記第2の光源部から射出する光ビームの相対角度を変更可能とすることを特徴とするマルチビーム光源装置。
  2. 前記べ−ス部材は、前記第1の光源部と前記第2の光源部とをそれぞれ射出軸を中心とした点対称の2箇所で保持することを特徴とする請求項1記載のマルチビーム光源装置。
  3. 前記角度調整手段は前記第1の光源部と前記第2の光源部を前記ベース部材に保持する2箇所を結ぶ線分を中心にして前記第1の光源部と前記第2の光源部の少なくとも一方を回動する請求項2記載のマルチビーム光源装置。
  4. 前記角度調整手段は前記第1の光源部と前記第2の光源部の射出軸方向の前後方向に移動自在に前記ベース部材に設けられ、前記第1の光源部と前記第2の光源部の前記ベース部材に対する取付面と接触する位置可変部材と、前記位置可変部材の移動方向と直交する方向に移動して前記位置可変部材の位置を可変する位置調整手段とを有する請求項3記載のマルチビーム光源装置。
  5. 前記位置可変部材がボールからなり、前記位置調整手段が円錐面を有する位置調整ねじである請求項4記載のマルチビーム光源装置。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のマルチビーム光源装置を有することを特徴とする光走査装置。
  7. 前記第1の支持部材と前記第2の支持部材の一方は他方に支持されることを特徴とする請求項1記載のマルチビーム光源装置。
  8. 前記第1カップリングレンズと前記第2カップリングレンズの各々の外径をd、前記第1カップリングレンズと前記第2カップリングレンズとの距離をLとしたとき、条件式d>Lを満足することを特徴とする請求項7記載のマルチビーム光源装置。
  9. 前記第1の支持部材と前記第2の支持部材の一方は他方に対し光ビームの光軸に略一致する方向を回転軸として回転可能に支持されていることを特徴とする請求項7または8記載のマルチビーム光源装置。
  10. 請求項2記載のマルチビーム光源装置において、
    前記角度調整手段は前記第2の光源手段から射出される光ビームの光路を変更する光路変更手段を有し、前記ベース部材は被取付部材に該ベース部材を締結する締結部を有することを特徴とするマルチビーム光源装置。
  11. 前記第2の支持部材は、前記第1の光源手段からの光ビームと前記第2の光源手段からの光ビームとが副走査方向に所定の間隔をもって射出するように前記第1の支持部材を支持することを特徴とする請求項10記載のマルチビーム光源装置。
  12. 前記光路変更手段は、前記第2の光源手段から射出される複数の光ビーム間の主走査方向における角度を変化させることを特徴とする請求項11記載のマルチビーム光源装置。
  13. 前記光路変更手段は、前記ビーム合成手段の入射面に配置され、前記第2の光源手段から射出される複数の光ビーム問の主走査方向における角度を変化させる正若しくは負のパワーを持つ光学手段であることを特徴とする請求項11記載のマルチビーム光源装置。
  14. 前記第1及び第2の光源手段のそれぞれにおける前記複数のカップリングレンズの光軸は、主走査方向において互いに所定の角度をもって配置され、各光源は対応するカップリングレンズの略光軸上に配置されていることを特徴とする講求項11記載のマルチビーム光源装置。
  15. 前記第1の支持部材と前記第2の支持部材とは同形状であり、各光源は対応するカップリングレンズの光軸から主走査方向に偏って配置されていることを特徴とする請求項10記載のマルチビーム光源装置。
  16. 前記第1及び第2の光源手段における各光源は対応するカップリングレンズの光軸から主走査方向に偏って配置されていることを特徴とする請求項11記載のマルチビーム光源装置。
  17. 請求項10記載のマルチビーム光源装置において、
    前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材と前記締結部とはトーションバー部で連結されてなり、該トーションバー部のねじり力によって前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材の一部を前記被取付部材に設けられた当接部に突き当てて前記射出軸の方向を規定するよう配置されることを特徴とするマルチビーム光源装置。
  18. 前記複数の光源素子と前記複数のカップリングレンズとは上記射出軸を含む同一平面上に各々の光軸が配置するよう構成してあり、かつ、前記トーションバー部はその軸方向が前記射出軸に直交するよう配置されることを特徴とする請求項17記載のマルチビーム光源装置。
  19. 前記締結部は前記トーションバー部をその軸方向が前記射出軸に直交する面内で回動可能に構成してあることを特徴とする請求項17記載のマルチビーム光源装置。
  20. 請求項10記載のマルチビーム光源装置において、
    前記ベース部材は前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材を弾性部材により加圧して装着することを特徴とするマルチビーム光源装置。
  21. 前記前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材は、その各光源部が対称位置となる中心軸の回りに回動可能に前記ベース部材に装着されていることを特徴とする請求項20記載のマルチビーム光源装置。
  22. 前記弾性部材は、その加圧力を複数段階に変化させる加圧力可変手段を有することを特徴とする請求項20又は21記載のマルチビーム光源装置。
  23. 前記弾性部材は、負荷される加庄力とたわみ量の比が、そのたわみ量の増加に伴って増加するようにしたことを特徴とする請求項20乃至22のいずれか一項に記載のマルチビーム光源装置。
  24. 前記弾性部材は、弾性係数の異なる複数の弾性部材を直列に連設してなることを特徴とする請求項23記載のマルチビーム光源装置。
  25. 請求項20乃至24のいずれか一項に記載のマルチビーム光源装置と、該マルチビーム光源装置から射出される複数のビーム光を周期的に偏向させ、前記感光体面上を副走査方向に所定の位置差をもって同時に主走査する走査光学系とを具備する光走査装置。
  26. 請求項10記載のマルチビーム光源装置において、
    前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材と一体的に形成され、被取付部材に当接する当接面を有する取付部からなる光源支持部材を有し、
    前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材と前記取付部は別部材で構成されていることを特徴とするマルチビーム光源装置。
  27. 前記光源支持部材に当該カップリングレンズの保持部を一体的に形成したことを特徴とする請求項26記載のマルチビーム光源装置。
  28. 前記光源支持部材に前記角度調整手段を設けたことを特徴とする請求項26または27記載のマルチビーム光源装置。
  29. 前記第1の支持部材及び前記第2の支持部材の材質より前記取付部の材質の線膨張係数が小さいことを特徴とする請求項26記載のマルチビーム光源装置。
  30. 前記取付部の材質の線膨張係数は、15.0×10−6(1/℃)以下であることを特徴とする請求項29記載のマルチビーム光源装置。
  31. 前記取付部の材質と前記被取付部材の材質の線膨張係数が、略一致していることを特徴とする請求項29記載のマルチビーム光源装置。
  32. 請求項26記載のマルチビーム光源装置において、
    前記光源支持部材と前記取付部との間に、射出軸を中心とした放射方向に、中間部材を介在させたことを特徴とするマルチビーム光源装置。
  33. 前記中間部材は前記光源支持部材との当接面を光源装置の射出軸を中心とした円周方向に分割してなることを特徴とする請求項32記載のマルチビーム光源装置。
  34. 前記光源支持部材と前記締結部の各線膨張係数が、光源支持部材>締結部のときには前記中間部材の線膨張係数を前記締結部の線膨張係数よりも低く設定することを特徴とする請求項32記載のマルチビーム光源装置。
  35. 前記光源支持部材と前記締結部の各線膨張係数が、光源支持部材<締結部のときには前記中間部材の線膨張係数を前記締結部の線膨張係数よりも高く設定することを特徴とする請求項32記載のマルチビーム光源装置。
  36. 前記中間部材は弾性材で形成されて構成されることを特徴とする請求項32記載のマルチビーム光源装置。
  37. 請求項32乃至36のいずれかに記載のマルチビーム光源装置を有することを特徴とする画像形成装置。
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