JP3499359B2 - 多ビーム書込光学系 - Google Patents
多ビーム書込光学系Info
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Description
ンの光走査を行う多ビーム書込光学系に関するもので、
レーザービーム走査を利用するプリンタ、複写機、ファ
クシミリ、スキャナ等に適用することができ、また、レ
ーザービーム走査を利用する計測器やディスプレイ分野
に応用可能なものである。
ームを副走査対応方向に互いに微小角度をもたせて合成
し、偏向手段を介し、結像光学系により感光体面等の被
走査面上に複数の光スポットとして結像させ、一度に複
数ラインを走査する多ビーム書込光学系が知られてい
る。ここで、副走査対応方向とは、光源から被走査面に
至る光路を、光軸に沿って直線的に展開した仮想的な光
路上で副走査方向に平行的に対応する方向をいう。上記
仮想的な方向で、主走査方向に平行的に対応する方向を
主走査対応方向という。
の一回の走査で被走査面の複数走査線を一度に走査する
多ビーム書込光学系の第1の従来例として、特開平7−
209596号公報記載のものがある。この公報に記載
されている例では、複数光源として、発光点を副走査方
向に25μm隔てて配列した2つのレーザーダイオード
を用い、同光源から出射した2つの光ビームを、偏向器
である回転ポリゴンミラーの同一ポリゴン面で同時に反
射させた後、同偏向器から被走査面への出射側で、副走
査方向には装置光軸とほぼ平行に出射させ、副走査方向
にテレセントリックとしている。これにより、被走査面
上で副走査方向に約127μm離れた2つのビームを、
同一ポリゴン面の走査で、主走査方向に302.8mm
の長さにわたって同時に走査し、その際、副走査方向に
はテレセントリックに出射するので、一度に走査される
2つの走査線間の「走査線曲がりの差」(上記公報中で
は「差分曲がり」、もしくは「差分スキャンライン曲が
り」と称されている)が3〜5μm内の容認し得る値に
することができるとしている。
て、特開平5−127111号公報記載のものが知られ
ている。これは、ポリゴンミラー面の大きさを小さくす
るために、複数光ビームが交差する手前に、これらの光
ビームを偏向・走査させるポリゴン面からなる偏向手段
を配したもので、偏向手段からの光ビームを被走査面上
に収束させる走査レンズを備えてなるものである。
部品の形状誤差、材質のばらつき、部品の組付誤差、環
境条件の変動等により各光ビームの走査位置が主走査方
向にずれると、画像形成の忠実性が損なわれる。そこ
で、各光ビームの走査位置が主走査方向にずれないよう
に、複数の光ビームそれぞれの被走査面上での主走査方
向の書き込みタイミングを検出する同期検出用光センサ
ーを、被走査面書き込み領域の前や後に配置し、同期検
出用光センサーの検出出力に同期させて主走査方向の書
込を開始させることにより、画像形成の忠実性を損なわ
ないようにしている。
方向には2つの光ビームが重なっており、この2つの光
ビームは副走査方向には約127μmの間隔しか離れて
いないため、2つの光ビームの主走査方向のビーム位置
を個別に検出するための同期検出用光センサーを2つ配
置することは困難であることから、主走査方向には2つ
の光ビームは、これを分離して検出することができず、
2つの光ビームとも同時に被走査面上で書き込み始める
ことになる。従って、前記各種要因により、2つの光ビ
ームが主走査方向にずれた場合には、画像形成の忠実性
を損なうという問題がある。
検出し易い間隔だけ主走査方向に相互にずらことによ
り、複数の光ビームの主走査方向の位置をそれぞれ容易
に検出することができるようにしたものがある。特開昭
56−67277号公報記載のものがそれで、以下、こ
れを第3の従来例とする。この第3の従来例では、半導
体レーザーアレイを光源とし、半導体レーザーアレイの
発光源の配列軸を、偏向器である回転ポリゴンの回転軸
に対して平行させることなく、傾斜させて設定すること
で、被走査面上の主走査方向に2つの光ビームを約3.
75mmと広く隔てて走査するようにし、これによって
同期検出光センサーによる各光ビームの書き込みタイミ
ング検出を簡単かつ良好に行うことを可能にしている。
従来例と第3の従来例では複数の光ビームを主走査方向
にずらすものであるため、被走査面上で主走査方向の同
一の位置に達する各光ビームは、偏向器以降の光学素子
の主走査方向において異なる部位を通過することにな
る。
走査方向に一次元的に走査され、被走査面上の各主走査
位置に対応する光ビームは、光学素子の特定の位置だけ
を通るため、被走査面上の各主走査位置と、光学素子の
特定位置がほぼ1対1に対応する。このため光学素子の
特定位置に対して特定の座標や形状等の特性が付与され
ている。従って、上記第2の従来例と第3の従来例のよ
うに、被走査面上の同一主走査位置に達する複数の光ビ
ームのそれぞれが、偏向器以降の光学素子の主走査方向
の異なる位置を通過すると、それぞれの光ビームは光学
素子の異なる位置の異なる光学特性により光学作用を受
け、被走査面上での主走査位置は同一であっても、副走
査位置が変動し、一度に走査される複数走査線間の「走
査線曲がりの差」が大きく発生してしまう問題がある。
12、図13は特開平6−123844号公報に記載さ
れている書込光学系の例であり、光源としての半導体レ
ーザー1と、コリメータレンズ2と、シリンダーレンズ
3と、偏向器4としての回転ポリゴンとがこの順に配置
され、偏向器4以降の光学素子として結像ミラー5及び
シリンダーレンズ8が配置され、これにより感光体7上
に光走査を行い、書込を行うようになっている。この書
込光学系に、前記第2の従来例の複数光源を適用する
と、偏向器4の同一反射面で、同一時刻に反射された2
つの光ビームC1とC2は、感光体7上では同一時刻で
見れば主走査方向に間隔を有するため、個々の光ビーム
の同期検知が容易である。
同一位置(以下「像高」と呼ぶ)に達する2つの光ビー
ムC1とC2は、偏向器4の反射面への入射角が異なっ
ているために、異なる時刻で、かつ、反射面の異なる回
転角において、感光体7の同一像高に達することにな
る。このとき、2つの光ビームC1とC2は、図13
(a)に示すように、結像ミラー5とシリンダーレンズ
8の主走査方向において異なる位置を、かつ、異なる時
刻に通過する。このため、前述した理由により走査線間
の「走査線曲がりの差」が図13(b)に示すように発
生する。
それぞれ2つの山を有する走査線曲がりが現れている
が、さらに、光ビームC1とC2の間で傾き成分として
の「走査線曲がりの差」が発生する。その理由を次に説
明する。本例では結像ミラー5が感光体7上での光走査
方向(主走査方向)であるY軸方向に平行な回転軸の周
りに僅かに回転変位しているため、結像ミラー5で反射
された光ビームには曲がりが生じ、また、副走査方向に
おいて光ビームC1とC2の間で必要なピッチを出すた
め、結像ミラー5上での光ビームC1とC2の反射位置
は、副走査方向であるZ方向にずれている。
の曲がった走査線上で、主走査方(Y方向)にずれた2
つの点を図14(a)では「1」と「2」で示してい
る。この主走査方向にずれた2つの点「1」と「2」か
らの反射光が、感光体7上で同一像高に達するわけであ
るが、図14(b)に示すように、副走査方向(Z方
向)の光ビームC1とC2の差は像高に対して傾き成分
をもつ。すなわち、感光体7の右端と左端で走査線のピ
ッチ差が大きくなってしまう。本例では63.5μmの
幅ピッチ間隔に対し、「走査線曲がりの差」は約30μ
mにも達してしまう。
の多ビーム書込光学系によれば、各光ビームの個々の同
期検知を容易にするために、同一時刻においては被走査
面上で、適度な主走査方向のビーム間隔を有するように
すると、「走査線曲がりの差」が大きくなるという問題
がある。
公昭64−10805号公報記載の発明は、図15に示
すように構成されるもので、複数のレーザーダイオード
アレイを光源51として、その主走査方向の配列ピッチ
を100μm程度とし、副走査方向には上下に僅かにず
らしている。そして、光源51と偏向器56の反射面5
6aとの間に、主走査方向に平行な面内で、アフォーカ
ルでかつコリメート光学系52の出射瞳54と偏向器5
6の反射面56aとを共役にする光学系55を配置し、
これにより、偏向器56を構成するポリゴンミラーの径
が大きくなるのを防止しようとしている。図15におい
て符号55は、偏向器56と被走査面58との間に配置
された結像レンズ系を示す。この従来例によれば、被走
査面58上の主走査方向では、複数の光ビームが比較的
広い間隔で隔てられて走査されることになる。
るポリゴンミラーの径が大きくなるのを防止することを
目的とするものに過ぎないが、結果的には、被走査面5
8である感光体上の主走査方向で各光ビームが同じ位置
にくるときに、偏向器56で偏向された後の各光ビーム
が、主走査方向ではほぼ同じ光路を通るように、光学素
子を配置したことになる。従って、前述のような走査線
間の「走査線曲がりの差」は小さい。ところが、この第
4の従来例では、主走査方向に平行な面内で、アフォー
カルでかつコリメート光学系52の出射瞳54と偏向器
56の反射面56aとを共役にする光学系55を配置す
ることが特徴であるため、偏向器56以前に上記光学系
55を配置するためのスペースが必要となって書込光学
系全体が大きくなり、同時にコストアップが避けられな
いという難点がある。
るためになされたもので、複数の光ビームに、主走査方
向の間隔を適度にもたせながら、「走査線曲がりの差」
も画像形成の忠実性が保てる範囲に低減させることがで
きる多ビーム書込光学系を提供すること、さらにこれに
加えて、偏向器以前の光学系を配置するためのスペース
を小さくすることができる多ビーム書込光学系を提供す
ることを目的とする。
めに、請求項1記載の発明は、複数の光ビームを、副走
査方向では感光体上で必要な書き込みピッチ或いはその
整数倍に対応させ、主走査方向ではそれぞれの光ビーム
に対して精度良く同期がとれる距離だけずらして並べた
多ビーム書込光学系において、各光ビームが感光体上の
主走査方向で同じ位置にあるとき、偏向器で偏向された
後の各光ビームが、主走査方向ではほぼ同じ光路を通る
ように、光学素子を配置したことを特徴とする。
を、副走査方向では感光体上で必要な書き込みピッチ或
いはその整数倍に対応させ、主走査方向ではそれぞれの
光ビームに対して精度良く同期がとれる距離だけずらし
て並べられる多ビーム書込光学系において、上記複数の
光ビームを、主走査方向では偏向器の近傍で互いに交差
させたことを特徴とする。
にするために、主走査方向で、個々の光ビームを、その
同期を容易にとることができるだけ間隔をずらし、か
つ、各光ビームが被走査面上で主走査方向の同一位置に
達する時には、偏光器以降で各光ビームが書き込み光学
系の光学素子の主走査方向でほぼ同一位置を通るように
したものである。具体的な手段として、複数の光ビーム
が主走査方向において偏向器近傍で交差するようにし、
この各光ビームの交差角度により、被走査面上での主走
査方向のビーム間隔を設定するようにした。
ポリゴン面の後の特定の位置で複数の光ビームが交差す
るようにずらし、ポリゴン面で反射した後の光ビームが
同一被走査面に達するときには、各反射光の方向が同じ
になるようにしているので、本発明とは、解決しようと
する課題、構成及び作用効果が異なる。
ームは、半導体レーザーと、その出射光を略平行光化す
るために結合されたコリメート光学系からなる光源ユニ
ットを複数配置することで形成し、上記複数のコリメー
ト光学系の光軸を、主走査方向で偏向器近傍で交差させ
てもよい。また、請求項4記載の発明のように、複数の
光ビームは、半導体レーザーと、その出射光を略平行光
化するために結合されたコリメート光学系からなる光源
ユニットを複数配置することで形成し、上記複数の光源
ユニットからの光ビームが主走査方向では偏向器近傍で
交差するように、半導体レーザーをコリメート光学系の
光軸と略直交する方向にずらしてもよい。
互いに交差する位置と、複数の光ビームの発生位置との
間で、複数の光ビームが、少なくとも1/2波長板と偏
光ビームスプリッタからなる合成手段で合成されること
を特徴とする。合成手段は、請求項6記載の発明のよう
に、1/2波長板と偏光ビームスプリッタとミラーが一
体化されたものでもよい。
学系からなる光源ユニットを複数用いる場合、請求項7
記載の発明のように、半導体レーザーを、コリメート光
学系の光軸に対し、副走査方向に対応する方向に相対的
に移動させ、複数の光ビームの副走査方向に必要なピッ
チを得るようにするとよい。
にかかる多ビーム書込光学系の実施の形態について説明
する。図1(a)は、前記特開平6−123844号公
報記載の書込光学系をベースにしてこれに本発明の技術
思想を適用したもので、請求項2記載の発明に対応する
ものである。図1(a)において、回転ポリゴンミラー
からなる偏向器4には、光源としての半導体レーザー
と、その出射光を略平行光化するために結合されたコリ
メート光学系からなる光源ユニットから光ビームが入射
され、偏向器4の反射面が回転することにより光ビーム
が偏向されるようになっている。上記光源ユニットは複
数配置されていて、複数の光ビームが形成される。図1
に示す例では2つの光ビームが形成されるようになって
おり、偏向器4に入射する2つの光ビームC1とC2
は、偏向器4への主走査方向での入射角が異なってお
り、かつ、主走査方向において偏向器4の近傍で互いに
交差するように上記光源ユニットが配置されている。偏
向器4以降の光学素子として結像ミラー5及びシリンダ
ーレンズ8が配置され、これにより感光体7上に光走
査、書き込みを行うようになっている。
器4の同一反射面で同一時刻に反射された2つの光ビー
ムC1とC2は、感光体7上では同一時刻で見れば、主
走査方向に間隔Δlを有し、個々の光ビームの同期検知
が容易である。この間隔Δlは2mmとした。この時こ
の間隔Δlを生じさせるために必要な偏向器4近傍で交
差する2つの光ビームC1とC2の主走査方向の角度差
2Δαは、本例では結像ミラー5とシリンダーレンズ8
を合わせた主走査方向の焦点距離fにより、 Δl=2Δα×f で決められる。
ビームC1,C2を交差させているので、図1(a)で
見られるように、感光体7の同一像高へ達する2つの光
ビームC1とC2は、異なる時刻に、従って、偏向器4
の回転角でいえば異なる回転角で、結像ミラー5、シリ
ンダーレンズ8を通るにもかかわらず、主走査方向で見
れば図1(a)で見るようにほぼ同じ光路を通ってい
る。そのため、2つの光ビームC1とC2の「走査線曲
がりの差」は著しく低減される。図1(b)は、このと
き2つの光ビームC1とC2の感光体7面上の走査線を
示すもので、この図からもわかるように、2つの光ビー
ムC1とC2の「走査線曲がりの差」は著しく低減され
ている。本例では2つの光ビームC1とC2の副走査ピ
ッチ間隔を63.5μmとしたとき、「走査線曲がりの
差」を3〜4μmに収めることができた。
4の偏向面近傍のどの程度の範囲内で交差していれば所
期の効果を得ることができるかを検討する。図2に示す
ように、偏向器4の基準位置から光ビームC1とC2の
交差位置までの距離をNとし、偏向器4よりも感光体側
で交差する場合はNを正とし、偏向器4より光源側で交
差する場合はNを負とすると、Δl=2mm、2Δα=
0.6゜のとき、Nと「走査線曲がりの差」との関係を
測定したところ、 N 「走査線曲がりの差」 −71.0mm 13μm −51.0mm 9μm −7.5mm 3μm 0 mm 3μm +6.0mm 3μm +50.0mm 9μm であった。
れば許容できるので、本例では偏向器4近傍±60mm
以内で2つの光ビームC1とC2が交差していれば、所
期の効果が得られる。また、交差角2Δαがより小さく
なれば、当然2つの光ビームC1とC2の感光体7上で
の同一時刻での主走査方向の間隔Δlも小さくなり、2
つの光ビームC1とC2は光学素子の主走査方向の比較
的近い部位を通る傾向になるので、「走査線曲がりの
差」が許容できる範囲の上記光ビームC1とC2の交差
点と偏向器4との距離Nは、より大きくなる。
査方向に関しては上記のようにそれぞれの光ビームC1
とC2に対して精度よく同期がとれるだけずらされ、副
走査方向に関しては、被走査面をなす感光体上で必要な
書き込みピッチあるいはその整数倍に対応するようにず
らされる。
ムを用いていたが、3つ以上の光ビームを用いることも
できる。3つ以上の光ビームを用いる場合も、各光ビー
ムを主走査方向では偏向器の近傍で互いに交差させるこ
とになるが、その場合、各光ビームは必ずしも主走査方
向面内の一点で交差していなくてもよく、図3に示すよ
うに、許容できる範囲内で互いに異なる点で交差するも
のであってもよい。
の形態について、図4を参照しながら説明する。図4に
おいて、半導体レーザー1aと、その出射光を略平行光
化するために結合されたコリメート光学系2aからなる
光源ユニット10aが構成され、同様に、半導体レーザ
ー1bと、その出射光を略平行光化するために結合され
たコリメート光学系2bからなる光源ユニット10bが
構成されている。これら光源ユニット10a,10bの
コリメート光学系2a,2bの光軸が、主走査方向にお
いて角度2Δαの交差角で、P位置で交差している。こ
の各光軸の交差位置Pは、前述の実施の形態と同様に偏
向器4の近傍にある。また、その他の光学素子も前述の
実施の形態と同様に構成されている。
1a,1bの発光点とコリメート光学系2a,2bの光
軸がほぼ一致するので、各半導体レーザー1a,1bか
ら出射する光ビームC1,C2の波面を乱すことなく、
各光ビームC1,C2を交差させることができ、スポッ
ト形状の良好な多ビーム書込光学系が得られる。
の形態について、図5を参照しながら説明する。この例
では、半導体レーザー1aと、その出射光を略平行光化
するコリメート光学系2aを有し、同様に、半導体レー
ザー1bと、その出射光を略平行光化するコリメート光
学系2bを有している。この実施の形態では、各コリメ
ート光学系2a,2bの光軸は交差せず、互いにほぼ平
行である。そして、半導体レーザー1a,1bを主走査
方向に対応する方向Y1、Y2へそれぞれ微少距離移動
させることで、主走査方向で各半導体レーザー1a,1
bからの光ビームC1とC2がP位置で角度2Δαにて
交差させている。この各光軸の交差位置Pは、前述の実
施の形態と同様に偏向器4の近傍にある。また、その他
の光学素子も前述の実施の形態と同様に構成されてい
る。
C2の交差角2Δαが微少な場合、交差角2Δαは半導
体レーザー1a,1bの移動調整により設定できるの
で、機械加工精度で達成できない精度でも、半導体レー
ザー1a,1bの移動調整により達成できる。
の形態について、図6を参照しながら説明する。この実
施の形態は、図6に示すように、半導体レーザー1a
と、その出射光を略平行光化するコリメート光学系2a
を有し、同様に、半導体レーザー1bと、その出射光を
略平行光化するコリメート光学系2bを有している。半
導体レーザー1aから出射された光ビームC1は、コリ
メート光学系2a、アパーチャ9a、偏光ビームスプリ
ッタ12、1/4波長板14を通る。また、半導体レー
ザー1bから出射された光ビームC2は、コリメート光
学系2b、アパーチャ9b、1/2波長板11を通り、
偏光ビームスプリッタ12で反射され、1/4波長板1
4を通る。各コリメート光学系2a,2bの光軸が主走
査方向でP位置で角2Δαをなして交差している。この
各光軸の交差位置Pは、前述の実施の形態と同様に偏向
器4の近傍にある。
ムは、共に偏光方向が紙面と平行な面内にあるP偏光で
あり、一方の半導体レーザー1aからの光ビームC1は
偏光ビームスプリッタ12をP偏光のまま透過し、半導
体レーザー1bからの光ビームC2は1/2波長板11
によりP偏光からS偏光に変えられて、偏光ビームスプ
リッタ12で反射され、半導体レーザー1aと半導体レ
ーザー1bからの光ビームC1とC2は偏光ビームスプ
リッタ12で合成される。合成された光ビームC1とC
2は1/4波長板14を通過することで、それぞれ直線
偏光から円偏光に変換され、その後の光学系における反
射率、透過率がほぼ同じになるようにされる。
れている。図6(a)記載のものは、複数の光ビームを
少なくとも上記1/2波長板11と偏光ビームスプリッ
タ12とを有してなる合成手段で合成するという思想を
有するものに、請求項3記載の技術思想、すなわち、半
導体レーザーと、その出射光を略平行光化するために結
合されたコリメート光学系からなる光源ユニットを複数
配置することで、複数の光ビーム形成をするという思想
を適用したのと同等のものである。
各コリメート光学系2a,2bの光軸は互いにほぼ直交
し、半導体レーザー1a,1bをそれぞれ主走査方向に
対応する方向へY1、Y2だけ移動させて、光ビームC
1とC2が2Δαの角をなしてP位置で交差するように
したものである。すなわち、複数の光ビームを少なくと
も上記1/2波長板11と偏光ビームスプリッタ12と
を有してなる合成手段で合成するという思想を有するも
のに、請求項4記載の技術思想を適用したのと同等のも
のである。
と、交差角2Δαが微少な場合には、光源ユニットの寸
法による制約から、交差点Pと光源ユニット間の距離
は、光源ユニットの寸法で決まる制約長さ以下に縮める
ことはできない。これに対し、図6に示す実施の形態に
よれば、複数の光ビームの合成手段を有しているので、
合成手段に対して複数の光源ユニットをそれぞれ異なる
方向に配置することができ、よって、光源ユニットの寸
法に制約されることがなく、微少な交差角であっても、
光ビームの交差位置Pと光源ユニットとの間の距離を短
くすることができる。
記載の発明に対応するもので、複数の光ビームの合成手
段を、光学部材13の介在のもとに、1/2波長板11
と偏光ビームスプリッタ12とミラー13Aとを一体化
することにより形成してなるものである。図7、図8に
おいて(a)は主走査方向を、(b)は副走査方向を示
す。図7、図8において、上記光学部材13はガラス等
の透明体で形成されていて、一端側に偏光ビームスプリ
ッタ12を一体に有している。半導体レーザー1aと、
その出射光を略平行光化するコリメート光学系2aとか
らなる光源ユニットからの光ビームC1が上記偏光ビー
ムスプリッタ12を通過し、さらに1/4波長板14を
通過するようになっている。また、上記光学部材13は
他端側の入射面に1/2波長板11を一体に有すると共
に、この1/2波長板11を通過した光束を上記偏光ビ
ームスプリッタ12に向かって反射するミラー13Aを
有している。別の半導体レーザー1bと、その出射光を
略平行光化するコリメート光学系2bとからなる光源ユ
ニットからの光ビームC2は、上記1/2波長板11を
通り、ミラー13Aで反射され、さらに偏光ビームスプ
リッタ12で反射され、1/4波長板14を通過するよ
うになっている。
ムスプリッタとミラーが一体化されてなる合成手段を有
するものにおいて、請求項3記載の技術思想、すなわ
ち、半導体レーザー1a,1bと、その出射光を略平行
光化するために結合されたコリメート光学系2a,2b
からなる光源ユニットを複数配置することで複数の光ビ
ームC1,C2を形成するという思想を適用したものに
相当する。各コリメート光学系2a,2bの光軸が主走
査方向でPの位置で交差するようになっている。この交
差位置Pは、前述の実施の形態と同様に偏向器4の近傍
にある。
a,2bの光軸は互いにほぼ平行で、半導体レーザー1
a,1bが主走査方向に対応するY1、Y2方向へそれ
ぞれ微少量移動することで、2つの光ビームC1,C2
が点Pで交差する様にしたものである。すなわち、1/
2波長板と偏光ビームスプリッタとミラーが一体化され
てなる合成手段を有するものにおいて、請求項4記載の
技術思想を適用したものに相当する。上記交差位置P
は、偏向器4の近傍にある。
長板11と、偏光ビームスプリッタ12と、ミラー13
Aが光学部材13にて一体化されて複数の光ビームを合
成する合成手段を構成いるため、複数の光ビームの合成
状態が経時的に変化しにくく、安定した走査線を得るこ
とができる。なお、1/4波長板14も1/2波長板1
1と、偏光ビームスプリッタ12と、ミラー13A等と
共に一体化してもよい。
明にも対応している。すなわち、図7(b)、図8
(b)にそれぞれ示すように、光源部からの複数の光ビ
ームC1,C2に副走査方向の出射角差Δβをもたせる
ことにより感光体上で副走査方向に必要なピッチを得る
ために、各半導体レーザー1a,1bをコリメート光学
系2a,2bに対し相対的に副走査方向に対応する方向
Z1とZ2にそれぞれ微少量移動させることを可能にし
ている。こうすることによって、副走査方向に必要なピ
ッチを簡便に得ることができる。
ついて説明する。この図9と図10は主走査対応面を示
す。この実施の形態は請求項1記載の発明に対応する。
ここでは、基本的な構成として、光源は2つに限り、偏
向器の回転軸が反射面内にあるものとし、走査結像光学
系には単玉fθレンズを用いているものとして、また、
説明の簡単化のために反射面を透過型として表して説明
する。
2はそれぞれ半導体レーザーなどからなる光源を示して
いる。Dは偏向位置を示しており、D’は実際の偏向反
射面を透過型で示している。Fは単玉fθレンズを、P
は感光体面である被走査面を示している。fθレンズの
特性として、主走査断面内での2つの光ビーム相互の2
Δαの入射角度差が被走査面上でのΔl=2fΔα
(f:fθレンズの焦点距離)の長さに対応するから、
図9(a)の場合のように光源S1,S2からの光ビー
ムが発散しながら進んでも、図9(b)の場合のように
収束しながら進んでも、お互いの光ビームのなす角度が
2Δαであれば、被走査面P上での距離はΔlと原理的
には等しくなる。従って、図9(a)の場合、図9
(b)の場合又はこれらの中間の場合の何れの場合も考
えられ、例えば、fθレンズFの第1面上で2つの光ビ
ームが交差してもよいことになる。
に、2つの光ビームが空間的にどのような光路をたどる
かを示しており、時間経過に伴う変化についてはあまり
よくわからない。図10(a)(b)はこれを補うもの
で、図10の(a)、(b)はそれぞれ図9の(a)、
(b)に対応している。特に光源S1,S2から偏向反
射面Dに至る光路は、図9(a)(b)と同じである
が、偏向反射面Dは、光源S1に対してはD’1が対応
し、光源S2に対してはD’2が対応しており、この2
つの偏向反射面D’1、D’2の状態では、Δαの角度
差が生じるだけ時間が経過している。図10(a)の場
合は、D’1がD’2よりも時間的に前であり、図10
(b)の場合は、D’1がD’2よりも時間的に後であ
る。
間が経過したときに、走査面上の位置P1,P2は同じ
位置になるが、偏向位置Dから被走査面Pに至る光路
は、非常に異なったものとなる。図10(b)の場合
は、2つの光ビームは全く同じ光路を通っているが、図
10(a)の場合、2つの光ビームはかなり異なった光
路を通っている。光ビームが各光学素子の異なる位置を
通過してくると、当然異なる光学作用を受けるから、被
走査面上で主走査方向の同じ位置に達する2つの光ビー
ムの収差等の光学特性は違ったものとなり、特に走査線
ピッチの像高間変動に対する影響は非常に大きい。そこ
でこの実施の形態では、複数の光ビームが、副走査方向
では感光体上で必要な書き込みピッチ或いはその整数倍
に対応し、主走査方向ではそれぞれの光ビームに対して
精度良く同期がとれる距離だけずらして並べられる多ビ
ーム書込光学系において、各光ビームが感光体上の主走
査方向で同じ位置にあるとき、偏向器で偏向された後の
各光ビームが、主走査方向ではほぼ同じ光路を通るよう
に、光学素子を配置することとした。
に、ガルバノミラーのように回転軸が偏向反射面もしく
はその近傍にある場合を示したが、この原理は、ポリゴ
ンミラーのように回転軸が偏向反射面から離れている場
合にも適用することができる。同様に、走査結像光学系
は単玉fθレンズで構成されているものとして説明した
が、複数枚のレンズやミラー光学系、又はそれらが複合
された光学系であってもこれを適用することができる。
また、説明を簡単にするために、2つの光ビームを用い
たものとして説明したが、3つ以上の光ビームを用いて
も差し支えないことはもちろんである。
す例の場合に、被走査面上での主走査方向の分離距離Δ
lをそれぞれ2mm、1mm、0mmとしたときの、走
査線ピッチの像高間変動が起こることがあることを示し
ている。
施の形態によって得られる効果のほかに、被走査面上で
主走査方向の同じ位置に達する複数の光ビームは、偏向
器で偏向された後に各光学素子の主走査方向の同じ位置
を通過するため、走査線ピッチの像高間変動が起きにく
くなる。また、図9、図10に示す例によれば、前記特
公昭94−10805号公報記載の発明のように、アフ
ォーカルでかつコリメート光学系の出射瞳と偏向器の反
射面とを共役にする光学系を付加する必要がないため、
偏向器以前の光学系のスペースが大きくなるとか、コス
トが高くなる、というような問題点を解消することがで
きる。
体レーザー等でなる光源は、所望の書き込み信号によっ
て変調される。また、被走査面を有する感光体は、帯
電、露光、現像、転写、クリーニング、除電、という電
子写真プロセスが実行され、上記露光工程において、上
記変調信号に対応した光ビームによって感光体面に画像
情報等が書き込まれて潜像が形成されることになる。上
記変調装置や電子写真プロセスは周知であるから説明は
省略する。光源としては、半導体レーザーのほかにHe
−Neレーザー、その他適宜の光源を用いる構成も考え
られる。
各光ビームは、感光体上の主走査方向の同一位置に達す
るときに、光学素子の主走査方向のほぼ同じ光路を通る
ように光学素子を配置したため、「走査線曲がりの差」
を、画像形成の忠実性が保てる範囲に低減させることが
でき、また、そのためにコリメート光学系の出射瞳と偏
向器との間に特別の光学系を配置する必要がないから、
偏向器以前の光学系のスペースが大きくなるとか、コス
トが高くなる、というような問題点を解消することがで
きる。
で複数の光ビームが偏向器の近傍で互いに交差するよう
にしているので、偏向後の各光ビームは、感光体上の主
走査方向の同一位置に達するときに、光学素子の主走査
方向のほぼ同じ光路を通ることができ、「走査線曲がり
の差」を、画像形成の忠実性が保てる範囲に低減させな
がら、各光ビームの同期検知を容易に行うことができ
る。
ームを、半導体レーザーと、その出射光をほぼ平行光化
するために結合されたコリメート光学系からなる光源ユ
ニットを複数配置することで形成し、コリメート光学系
の光軸を主走査方向で偏向器近傍で交差させているの
で、半導体レーザーの発光点とコリメート光学系の光軸
をほぼ一致させることができ、光ビームの波面の乱れを
最小限に保って各ビームを交差させることができ、スポ
ット形状を良好にすることができる。
ユニットからの光ビームが主走査方向では偏向器近傍で
交差するように、半導体レーザーをコリメート光学系の
光軸とほぼ直交する方向にずらしたため、複数のコリメ
ート光学系の光軸は交差せず、互いにほぼ平行であり、
特定の角度をつける必要がないので、コリメート光学系
取付けのための機械加工が容易であると共に、光ビーム
の交差角が微少な場合でも、半導体レーザーの移動調整
により容易に上記交差角を設定することができる。
ームが合成手段によって合成されているので、光源ユニ
ットの寸法に制約されることなく、複数の光ビームの交
差角が微少であっても、光ビームの交差位置と光源ユニ
ットとの距離を短くすることができる。
合成する合成手段の構成要素が一体化されているので、
光ビームの合成状態が経時的に変化しにくく、安定した
走査を得ることができる。
ザーがコリメート光学系に対し、相対的に副走査方向に
対応する方向へ移動調整できるので、副走査方向に必要
なピッチを簡便に得ることができる。
態を示すもので(a)はその光学配置図、(b)は感光
体面上の走査線図である。
置図である。
示す光路図である。
の形態の要部を示す光学配置図である。
の実施の形態の要部を示す光学配置図である。
の実施の形態を示す光学配置図である。
の実施の形態を示す光学配置図である。
の実施の形態を示す光学配置図である。
の実施の形態を示す光学配置図である。
別の実施の形態を示す光学配置図である。
変動を示す線図である。
(a)はその光学配置図、(b)は感光体面上の走査線
図である。
線の曲がり及び傾きを示す線図である。
学配置図である
Claims (7)
- 【請求項1】 複数の光ビームを同時に走査して感光体
に書き込む書込光学系であり、その複数の光ビームは、
副走査方向では感光体上で必要な書き込みピッチ或いは
その整数倍に対応し、主走査方向ではそれぞれの光ビー
ムに対して精度良く同期がとれる距離だけずらして並べ
られる多ビーム書込光学系において、各光ビームが感光
体上の主走査方向で同じ位置にあるとき、偏向器で偏向
された後の各光ビームが、主走査方向ではほぼ同じ光路
を通るように、光学素子を配置したことを特徴とする多
ビーム書込光学系。 - 【請求項2】 複数の光ビームを同時に走査して感光体
に書き込む書込光学系であり、その複数の光ビームは、
副走査方向では感光体上で必要な書き込みピッチ或いは
その整数倍に対応し、主走査方向ではそれぞれの光ビー
ムに対して精度良く同期がとれる距離だけずらして並べ
られる多ビーム書込光学系において、上記複数の光ビー
ムは、主走査方向では偏向器の近傍で互いに交差してい
ることを特徴とする多ビーム書込光学系。 - 【請求項3】 複数の光ビームは、半導体レーザーと、
その出射光を略平行光化するために結合されたコリメー
ト光学系からなる光源ユニットを複数配置することで形
成され、上記複数のコリメート光学系の光軸が、主走査
方向で偏向器近傍で交差していることを特徴とする請求
項2記載の多ビーム書込光学系。 - 【請求項4】 複数の光ビームは、半導体レーザーと、
その出射光を略平行光化するために結合されたコリメー
ト光学系からなる光源ユニットを複数配置することで形
成され、上記複数の光源ユニットからの光ビームが主走
査方向では偏向器近傍で交差するように、半導体レーザ
ーがコリメート光学系の光軸と略直交する方向にずらさ
れていることを特徴とする請求項2記載の多ビーム書込
光学系。 - 【請求項5】 複数の光ビームが互いに交差する位置
と、複数の光ビームの発生位置との間で、複数の光ビー
ムが、少なくとも1/2波長板と偏光ビームスプリッタ
からなる合成手段で合成されることを特徴とする請求項
3又は4記載の多ビーム書込光学系。 - 【請求項6】 合成手段は、1/2波長板と偏光ビーム
スプリッタとミラーが一体化されてなることを特徴とす
る請求項5記載の多ビーム書込光学系。 - 【請求項7】 コリメート光学系の光軸に対し、相対的
に半導体レーザーが移動させられ、その移動方向は副走
査方向に対応する方向であることを特徴とする請求項
3、4、5又は6記載の多ビーム書込光学系。
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