以下、図面を参照し、本発明の車両およびサービス管理装置について説明する。本発明の自動運転車両は、例えば、自動運転機能を台車状の形態で提供することで、車両に設けられる上部構造物の自由度を最大化するとともに、汎用性を与え、様々な用途で活用できるようにした車両である。以下に示す実施形態では、自動運転車両は、例えば、上部構造物を載せ替えることで、用途に応じて上部構造物の形状と機能とのうち少なくとも一方を変更可能である。「自動運転車両」とは、例えば、基本的には運転操作を必要としない自動運転車両である。
以下の説明では、同一または類似の機能を有する構成に同一の符号を付す。そして、それら構成の重複する説明は省略する場合がある。「XXに基づく」とは、「少なくともXXに基づく」ことを意味し、XXに加えて別の要素に基づく場合も含む。「XXに基づく」とは、XXを直接に用いる場合に限定されず、XXに対して演算や加工が行われたものに基づく場合も含んでもよい。「XX」は、任意の要素(例えば、任意の情報)である。
<第1の実施形態>
[自動運転車両の全体構成]
以下、第1の実施形態について説明する。図1は、第1の実施形態の自動運転車両100を示す斜視図である。第1の実施形態では、後述する上部構造物200を含まない単位を「自動運転車両100」と称する。一方で、自動運転車両100と上部構造物200とを合わせた単位を「走行体M」または「移動体M」と称する。
自動運転車両100は、車室やシートなどを有しない板状である。「板状」とは、平たいことを広く意味し、平板状や中実状の意味に限定されるものではない。例えば、「板状」とは、屈曲や湾曲している部分を有する場合や、凹部や凸部を有する場合、中空状に形成された部分を有する場合なども含む。「板状」は、「平状」と読み替えられてもよい。
本実施形態では、自動運転車両100は、地面Gからの自動運転車両100の最大高さが後述する車輪Wの直径Dの1.5倍以下である板状である。別の観点で見ると、自動運転車両100は、車輪Wを除く自動運転車両100の高さ方向の最大厚さ(本実施形態では、後述する走行ユニット110の最大厚さと同じ)が車輪Wの直径D以下である板状である。以下、このような自動運転車両100の構成を詳しく説明する。以下では、自動運転車両100を単に「車両100」と称する。車両100は、例えば、走行ユニット110と、連結機構150とを有する。
[走行ユニット]
走行ユニット110は、自動運転機能を有した板状の走行ユニットであり、車両100の主部を形成している。走行ユニット110は、車室やシートなどを有しない板状である。例えば、走行ユニット110は、車輪Wを除く走行ユニット110の高さ方向の最大厚さTが車輪Wの直径D以下である板状である。走行ユニット110は、上部構造物200(図5、図7から図12を参照)が着脱可能に取付可能である。「取り付け」とは、例えば上部構造物200が走行ユニット110の上に載せられることを意味し、上部構造物200が走行ユニット110に固定されていない状態も含む。
図1に示すように、走行ユニット110は、上部構造物200が着脱可能に取り付けられる取付領域Rと、複数の車輪Wとを有する。「取付領域R」については後述する。複数の車輪Wは、後述する駆動力出力装置116によって駆動される駆動輪を含む。走行ユニット110は、例えば、四輪以上の車輪Wを有する走行ユニットであるが、自動二輪車その他の車両のように二輪や三輪の車輪Wを有する走行ユニットでもよい。複数の車輪Wは、第1車輪W1と、第2車輪W2とを含む。第2車輪W2は、車両進行方向Xで第1車輪W1よりも後方に位置する。
図2は、走行ユニット110を示す構成図である。走行ユニット110は、例えば、外界監視ユニット111と、通信装置112と、ナビゲーション装置113と、推奨車線決定装置114と、自動運転制御ユニット115と、駆動力出力装置116、ブレーキ装置117と、ステアリング装置118と、連結機構制御部119と、パワーモジュール120(図6参照)と、インターフェース121(図6参照)と、記憶部122とを備える。以下の説明では、車両100を「自車両100」と称する場合がある。連結機構制御部119については後述する。
以下に述べるナビゲーション装置113のナビ制御装置113b、推奨車線決定装置114、自動運転制御ユニット115、および連結機構制御部119の各々の全部または一部は、CPU(Central Processing Unit)などのプロセッサがメモリに格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現されてもよいし、LSI(Large Scale Integration)やASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、GPU(Graphics Processing Unit)などのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ等の記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
外界監視ユニット111は、例えば、カメラやレーダ、LIDAR(Light Detection and Ranging)、これらの出力に基づいてセンサフュージョン処理を行う物体認識装置などを含む。外界監視ユニット111は、車両100の周辺に存在する物体の種類(特に、車両、歩行者、および自転車)を推定し、推定した物体の種類をその位置や速度の情報と共に自動運転制御ユニット115に出力する。
通信装置(無線通信部)112は、例えば、ネットワークNWに接続したり、車両100の利用者の端末装置500と直接的に通信したり、他車両や歩行者の端末装置などと直接的に通信したりするための無線通信モジュールである。通信装置112は、例えば後述する通信用コネクタ121aおよびゲートウェイ装置121bが設けられない場合、上部構造物200の通信装置201を介して上部構造物200に設けられたHMI(Human machine Interface)202(図6参照)と直接的に通信してもよい。すなわち、通信装置112は、上部構造物200の通信装置201との無線通信を通じて、HMI202に入力された情報(例えば、運転操作子202aに対する入力操作を示す情報)を取得してもよい。通信装置112は、Wi−Fi、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、Bluetooth(登録商標)、その他の通信規格に基づいて無線通信を行う。通信装置112として、用途に応じた複数のものが用意されてもよい。例えば、通信装置112は、利用者の端末装置500(または利用者が操作したHMI202)から自車両100の走行に関する指示(例えば目的地に関する指示)を取得する。通信装置112は、「取得部」の一例である。例えば、通信装置112は、自車両100の目的地に関する情報を取得する。通信装置112は、取得した情報をナビゲーション装置113および自動運転制御ユニット115に出力する。ネットワークNWは、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、公衆回線、プロバイダ装置、専用回線、無線基地局などを含む。利用者の端末装置500は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータなどである。
ナビゲーション装置113は、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機113aと、ナビ制御装置113bとを備える。GNSS受信機113aは、GNSS衛星(例えばGPS衛星)から到来する電波に基づいて自機の位置(自車両100の位置)を測位する。ナビ制御装置113bは、例えば、CPUや各種記憶装置を備え、ナビゲーション装置113の全体を制御する。記憶装置には、地図情報(ナビ地図)が格納されている。ナビ地図は、ノードとリンクで道路を表現した地図(道路情報を含む地図情報)である。ナビ制御装置113bは、GNSS受信機113aによって測位された自車両100の位置から、通信装置112により取得された車両100の目的地までの経路(運転計画)を、ナビ地図を参照して決定する。ナビ制御装置113bは、「運転計画生成部」の一例である。ナビ制御装置113bは、自車両100の位置と目的地とを、通信装置112を用いてナビゲーションサーバ(不図示)に送信し、ナビゲーションサーバから返信された経路を取得してもよい。ナビ制御装置113bは、上記いずれかの方法で決定または特定した経路の情報を推奨車線決定装置114に出力する。
推奨車線決定装置114は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)と各種記憶装置を備える。記憶装置には、ナビ地図よりも詳細な高精度地図情報が格納されている。高精度地図情報には、例えば、車線ごとの道路幅や勾配、曲率、信号の位置などの情報が含まれている。推奨車線決定装置114は、ナビゲーション装置113から入力された経路に沿って走行するために好ましい推奨車線を決定し、自動運転制御ユニット115に出力する。
自動運転制御ユニット115は、CPUやMPUなどの一以上のプロセッサと各種記憶装置を備える。自動運転制御ユニット115は、「自動運転制御部」の一例である。本実施形態では、自動運転制御ユニット115は、走行ユニット110の全体を制御する制御ユニットを兼ねている。自動運転制御ユニット115は、推奨車線決定装置114により決定された推奨車線を走行することを原則として、外界監視ユニット111から位置や速度が入力された物体との接触を避けるように、走行ユニット110を自動的に走行させる。自動運転制御ユニット115は、例えば、各種イベントを順次実行する。イベントには、一定速度で同じ走行車線を走行する定速走行イベント、前走車両に追従する追従走行イベント、車線変更イベント、合流イベント、分岐イベント、緊急停止イベント、料金所を通過するための料金所イベント、自動運転を終了して手動運転に切り替えるためのハンドオーバイベントなどがある。これらのイベントの実行中に、自車両100の周辺状況(周辺車両や歩行者の存在、道路工事による車線狭窄など)に基づいて回避のための行動が計画される場合もある。
自動運転制御ユニット115は、自車両100が将来走行する目標軌道を生成する。目標軌道は、例えば、速度要素を含んでいる。例えば、目標軌道は、自車両100の到達すべき地点(軌道点)を順に並べたものとして表現される。軌道点は、所定の走行距離ごとの自車両100の到達すべき地点であり、それとは別に、所定のサンプリング時間(例えば0コンマ数[sec]程度)ごとの目標速度および目標加速度が、目標軌道の一部として生成される。軌道点は、所定のサンプリング時間ごとの、そのサンプリング時刻における自車両100の到達すべき位置であってもよい。この場合、目標速度や目標加速度の情報は軌道点の間隔で表現される。
図3は、自動運転の処理過程について説明するための図である。まず、上図に示すように、ナビゲーション装置113によって経路が決定または特定される。この経路は、例えば車線の区別が付けられていない大まかな経路である。次に、中図に示すように、推奨車線決定装置114が、経路に沿って走行しやすい推奨車線を決定する。そして、下図に示すように、自動運転制御ユニット115が、障害物の回避などを行いながら、なるべく推奨車線に沿って走行するための軌道点を生成し、軌道点(および付随する速度プロファイル)に沿って走行するように、駆動力出力装置116、ブレーキ装置117、ステアリング装置118のうち一部または全部を制御する。このような役割分担はあくまで一例であり、例えば自動運転制御ユニット115が一元的に処理を行ってもよい。
駆動力出力装置116は、走行ユニット110が走行するための走行駆動力(トルク)を車輪Wに出力する。駆動力出力装置116は、「駆動源」の一例である。駆動力出力装置116は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するパワーECUとを備える。本実施形態では、駆動力出力装置116は、駆動用モータ116aを含む。パワーECUは、自動運転制御ユニット115から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
ブレーキ装置117は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、自動運転制御ユニット115から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。ブレーキ装置117は、運転操作子(例えば、後述する上部構造物200の運転操作子202a)に含まれるブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。ブレーキ装置117は、上記説明した構成に限らず、自動運転制御ユニット115から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
ステアリング装置118は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、自動運転制御ユニット115から入力される情報、或いは運転操作子から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
図6に示すように、パワーモジュール120は、バッテリ120aと、バッテリ120aを制御する不図示のバッテリマネジメントユニットとを含む。パワーモジュール120は、走行ユニット110の各装置(外界監視ユニット111、通信装置112、ナビゲーション装置113、推奨車線決定装置114、自動運転制御ユニット115、駆動力出力装置116、ブレーキ装置117、ステアリング装置118、連結機構制御部119など)に必要な電力をバッテリ120aから供給する。すなわち、走行ユニット110の各装置は、後述する上部ユニットに供給される電力の一部を共有して動作する。パワーモジュール120は、後述するインターフェース121の給電コネクタ121cおよびコンディショナ121dを介して、上部ユニットの各装置に必要な電力をバッテリ120aから供給する。
インターフェース121は、例えば、通信用コネクタ121a、ゲートウェイ装置121b、給電コネクタ121c、およびコンディショナ(電力変換装置)121dを有する。
インターフェース121の給電コネクタ121cおよびコンディショナ121dは、「電力供給インターフェース」の一例であり、インターフェース121の通信用コネクタ121aおよびゲートウェイ装置121bは、「第1通信インターフェース」の一例である。また、通信用コネクタ121aは、「通信用インターフェース」の一例でもある。通信用コネクタ121aは、ゲートウェイ装置121bに電気的に接続されている。通信用コネクタ121aは、走行ユニット110の外部に露出し、上部構造物200の通信用コネクタ209aが物理的および電気的に接続可能である。
ゲートウェイ装置121bは、「通信制御部」の一例である。ゲートウェイ装置121bは、通信用コネクタ121aを介して上部構造物200と通信可能である。例えば、ゲートウェイ装置121bは、上部構造物200のゲートウェイ装置209bと通信を行う。例えば、ゲートウェイ装置121bは、自動運転制御ユニット115と上部構造物200の制御ユニット208とのうち少なくとも一方の制御に基づき、上部構造物200と走行ユニット110との間の照合および認証(例えば、ゲートウェイ装置121bとゲートウェイ装置209bとの間の照合および認証)を行う。照合および認証は、例えば、ゲートウェイ装置121bおよびゲートウェイ装置209bの一方から送信されたフレームに付与されたID(送信ID)を、ゲートウェイ装置121bおよびゲートウェイ装置209bの他方が予め記憶された情報(例えば、記憶部122に記憶された情報)と照合することで、フレームを送信した相手が正規の相手であることを認証する処理を含む。照合および認証は、例えば、ゲートウェイ装置121bが、ゲートウェイ装置209bから送信されたフレームに付与されたID(送信ID)を、予め記憶された情報(例えば、記憶部122に記憶された情報)と照合することで、フレームを送信した上部構造物200が正規の上部構造物200であることを認証する処理を含む。「正規」とは、例えば、車両100と上部構造物200との組み合わせ可能であること(例えば規格などが一致すること)、または、上部構造物200が信頼できる所有者に所属するものであること(登録リストに予め登録された所有者に所属するものであること)などを意味する。
例えば、ゲートウェイ装置121bは、上記照合および認証を通じて、インターフェース121に接続された上部構造物200の種別を検出する。「種別」とは、「形式」を含む。例えば、ゲートウェイ装置121bは、ゲートウェイ装置209bから送信されたフレームに付与されたID(送信ID)と、記憶部122に格納された対応テーブルT(複数のIDと、複数の上部構造物200とがそれぞれ対応付けられたテーブル)とに基づき、インターフェース121に接続された上部構造物200の種別を検出する。自動運転制御ユニット115は、ゲートウェイ装置121bにより認証された内容(例えば上部構造物200の種別)に基づき、上部構造物200の機能や消費電力量などを認識する。種々の上部構造物200の機能や消費電力量などを示す情報は、例えばテーブルTの一部として記憶部122に格納されている。自動運転制御ユニット115は、例えば、上部構造物200の種別と、テーブルTとに基づき、検出された上部構造物200の種別に対応する機能や消費電力量などを認識する。
ゲートウェイ装置121bは、上部構造物200のゲートウェイ装置209bを介して、上部構造物200の通信装置201、HMI202、シート装置203、衝突センサ204、エアバッグ装置205、および制御ユニット208などから各種情報を取得可能である。ゲートウェイ装置121bは、「取得部」の別の一例である。例えば、ゲートウェイ装置121bは、上部構造物200のゲートウェイ装置209bを介して、HMI202の運転操作子202aに対して入力された操作を示す情報を、HMI202から取得する。ゲートウェイ装置121bは、HMI202から取得した情報を自動運転制御ユニット115に出力する。これにより、自動運転制御ユニット115は、HMI202の運転操作子202aに対して入力された操作を示す情報に基づき、車両100の走行を制御することができる。
給電コネクタ121cは、コンディショナ121dを介して、パワーモジュール120のバッテリ120aに電気的に接続されている。給電コネクタ121cは、走行ユニット110の外部に露出し、上部構造物200の給電コネクタ209cが物理的および電気的に接続可能である。
コンディショナ121dは、給電コネクタ121cを通じて上部構造物200に出力する供給電力量(例えば電圧)を調整する。コンディショナ209dは、例えばインバータであり、例えば駆動用モータ116aから出力される回生電力を直流に変換してもよい。例えば、コンディショナ121dは、自動運転制御ユニット115の制御に基づき、パワーモジュール120から出力される電力を、上部構造物200の機能や消費電力量などに応じた電力に調整し、調整した電力を上部構造物200に供給する。
走行ユニット110は、上述したような機能を有したインターフェース121を、1以上有する。例えば、走行ユニット110は、上述したような機能を有したインターフェース121を複数有する。複数のインターフェース121は、走行ユニット110の複数の場所に分かれて配置されている。このような構成によれば、上部構造物200のコネクタの場所などの自由度が向上する。このため、車両100の汎用性がさらに高まる。
記憶部122は、例えば、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、フラッシュメモリ、またはこれらのうち複数が組み合わされたハイブリッド型記憶装置などにより実現される。
次に、図1に戻り、走行ユニット110の取付領域Rについて説明する。取付領域Rは、上部構造物200が取り付け可能(例えば載置可能)な領域であり、上部構造物200を下方から支持可能な領域である。本実施形態では、取付領域Rは、略水平に沿う平面状に形成されている。取付領域Rは、走行ユニット110の上面の一部を形成している。例えば、取付領域Rは、走行ユニット110の最上面を形成している。例えば、取付領域Rは、車輪Wが接した地面Gに対して車輪Wの直径Dの1.5倍以下の高さ位置にある。
本実施形態では、取付領域Rは、少なくとも、車両進行方向Xで第1車輪W1と略同じ位置から第2車輪W2と略同じ位置に亘る大きさを有する。例えば、取付領域Rは、車両進行方向で第1車輪W1よりも前側の位置から第2車輪W2よりも後方の位置まで延びている。本実施形態では、取付領域Rは、車両進行方向Xで走行ユニット110の全長に亘る。
図1に示すように、本実施形態では、走行ユニット110は、第1基部131、第2基部132、隆起部133、第1起立部134、および第2起立部135を有する。第1基部131および第2基部132は、車両100の中心に対して車両幅方向Yに分かれて配置されている。隆起部133は、第1基部131および第2基部132の間に配置され、車両幅方向Yにおいて車両100の略中央部に位置する。隆起部133は、第1基部131および第2基部132に対して上方に隆起している。
第1起立部134は、第1基部131に対して隆起部133とは反対側に位置する。第1起立部134は、第1基部131の端部から上方に向けて起立している。これにより、第1起立部134と隆起部133との間には、第1起立部134、第1基部131、および隆起部133により規定される第1凹部136が形成されている。同様に、第2起立部135は、第2基部132に対して隆起部133とは反対側に位置する。第2起立部135は、第2基部132の端部から上方に向けて起立している。これにより、第2起立部135と隆起部133との間には、第2起立部135、第2基部132、および隆起部133により規定される第2凹部137が形成されている。
そして本実施形態では、隆起部133は、車両進行方向Xで走行ユニット110の全長に亘る第1平面133aを有する。第1起立部134は、車両進行方向Xで走行ユニット110の全長に亘る第2平面134aを有する。第2起立部135は、車両進行方向Xで走行ユニット110の全長に亘る第3平面135aを有する。本実施形態では、これら第1から第3の平面133a,134a,135aによって取付領域Rが形成されている。
[連結機構]
次に、連結機構150について説明する。連結機構150は、1以上(例えば複数)の連結部151を有する。複数の連結部151は、車両前後方向Xおよび車両幅方向Yの複数の位置に分かれて配置されている。各連結部151は、走行ユニット110に対して着脱可能に取り付けられた上部構造物200に連結され、走行ユニット110に対して上部構造物200を固定する。連結部151は、「第1連結部」の一例である。
図4は、連結部151の一例を示す正面図である。図4に示すように、連結部151の一例は、走行ユニット110に固定されたベース151aと、ベース151aに対して進退可能な係合部(可動部)151bとを有する。係合部151bは、上部構造物200に設けられた係合穴hの内側に入って係合穴hに係合する第1位置と、係合穴hの外側に出る第2位置との間で移動可能である。連結部151は、係合部151bが第1位置に移動することで、上部構造物200を走行ユニット110に固定する。一方で、連結部151は、係合部151bが第2位置に移動することで、上部構造物200に対する固定を解除する。上部構造物200は、連結部151による固定が解除された状態で、走行ユニット110から取り外し可能になる。連結部151は、ベース151aを有さず、係合部151bのみを有してもよい。この場合、係合部151bは、走行ユニット110の第1起立部134および第2起立部135などに設けられてもよい(図1中に2点鎖線参照)。連結部151は、上述した例には限定されない。連結部151は、上部構造物200に連結される構造であればよく、特定の構造に限定されるものではない。
連結機構制御部119は、例えば自動運転制御ユニット115の制御に基づき、連結部151を動作させる。すなわち、連結機構制御部119は、連結部151を制御することで、上部構造物200が走行ユニット110に固定された状態と、上部構造物200が走行ユニット110から取り外し可能な状態との間で車両100の状態を切り替える。
[上部構造物]
次に、上部構造物200の一例である第1上部ユニット200Aについて説明する。図5は、第1上部ユニット200Aを含む走行体Mを示す斜視図である。第1上部ユニット200Aは、一般的な乗用車と同様の機能を車両100に持たせることができるユニットである。例えば、第1上部ユニット200Aは、車室211を有した車体210を有する。車室211は、「乗員が乗り込み可能な部屋」の一例である。上部構造物200は、例えば、走行ユニット110の取付領域Rの全てを覆う大きさを有する。
図6は、第1上部ユニット200Aおよび走行ユニット110を示す構成図である。図6では、走行ユニット110に関してその機能の一部のみを示している。図6に示すように、第1上部ユニット200Aは、通信装置201、HMI202、シート装置203、衝突センサ204、エアバッグ装置205、ヘッドライト206、テールランプ207、制御ユニット208、およびインターフェース209を有する。
通信装置(無線通信部)201は、例えば、ネットワークNW(図2参照)に接続したり、車両100の通信装置112と直接に通信したりするための無線通信モジュールである。通信装置201は、Wi−Fi、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、Bluetooth、その他の通信規格に基づいて無線通信を行う。通信装置201として、用途に応じた複数のものが用意されてもよい。
HMI202は、例えば、ステアリングホイールやアクセルパッド、ブレーキパッドなどのような車両100の走行に関する操作(例えば補助的な操作、または手動運転モードでの操作)を行うための運転操作子(操作デバイス)202a、タッチパネル式ディスプレイ装置、スピーカ、マイクなどを含む。HMI202に入力された情報(例えば、運転操作子202aに対する入力操作を示す情報)は、ゲートウェイ装置209b(または通信装置201)を介して送信され、車両100のゲートウェイ装置121b(または通信装置112)により取得される(受信される)。
シート装置203は、車室211内に設けられ、乗員が着座可能である。衝突センサ204は、車体210に設けられ、車体210に入力される衝突を検出する。エアバッグ装置205は、衝突センサ204の検出結果に基づき動作する。ヘッドライト206およびテールランプ207は、例えば、走行ユニット110の第1凹部136および第2凹部137に収容される。ヘッドライト206およびテールランプ207は、上部構造物200の一部として設けられる場合に代えて、走行ユニット110の一部として設けられてもよい。これら通信装置201、HMI202、シート装置203、衝突センサ204、エアバッグ装置205、ヘッドライト206、およびテールランプ207は、第1上部ユニット200Aの給電コネクタ209cが走行ユニット110に設けられた給電コネクタ121cに接続されることで、走行ユニット110のパワーモジュール120のバッテリ120aから電源が供給される。
車体210、通信装置201、HMI202、シート装置203、衝突センサ204、エアバッグ装置205、ヘッドライト206、およびテールランプ207の各々は、例えば、それぞれモジュールとして提供される。これらモジュールは、例えば、利用者が自ら所望の位置または所望の組み合わせで配置可能である。これらモジュールの1つ以上は、以下に示す第2から第6の上部ユニット200Bから200Fにも適宜設けられてもよい。
制御ユニット208は、通信装置201、HMI202、シート装置203、衝突センサ204、エアバッグ装置205、ヘッドライト206、テールランプ207、およびインターフェース209を制御する。制御ユニット208は、CPUなどのプロセッサがメモリに格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現されてもよいし、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。
インターフェース209は、例えば、通信用コネクタ209a、ゲートウェイ装置209b、給電コネクタ209c、およびコンディショナ(電力変換装置)209dを有する。
通信用コネクタ209aは、「通信用インターフェース」の一例である。通信用コネクタ209aは、ゲートウェイ装置209bに電気的に接続されている。通信用コネクタ209aは、第1上部ユニット200Aが走行ユニット110に取り付けられた場合、走行ユニット110の通信用コネクタ121aと物理的および電気的に接続可能である。すなわち、第1上部ユニット200Aが走行ユニット110に取り付けられた場合、走行ユニット110の各装置は、第1上部ユニット200Aの各装置の通信内容の一部を共有する。
ゲートウェイ装置209bは、「通信制御部」の一例である。ゲートウェイ装置209bは、通信用コネクタ209aを介して走行ユニット110のゲートウェイ装置121bと通信可能である。ゲートウェイ装置209bは、自動運転制御ユニット115と上部構造物200の制御ユニット208とのうち少なくとも一方の制御に基づき、上部構造物200と走行ユニット110との間の照合および認証(例えば、ゲートウェイ装置121bとゲートウェイ装置209bとの間の照合および認証)を行う。照合および認証は、例えば、ゲートウェイ装置209bが、ゲートウェイ装置121bから送信されたフレームに付与されたID(送信ID)を、予め格納された情報と照合することで、フレームを送信した車両100が正規の車両100であることを認証する処理を含む。例えば、ゲートウェイ装置209bは、上記照合および認証を通じて、インターフェース209に接続された走行ユニット110の種別を検出する。例えば、ゲートウェイ装置209bは、ゲートウェイ装置121bから送信されたフレームに付与されたID(送信ID)に基づき、インターフェース209に接続された走行ユニット110の種別を検出する。
給電コネクタ209cは、コンディショナ209dを介して、第1上部ユニット200Aの各種装置に電気的に接続されている。給電コネクタ209cは、第1上部ユニット200Aの外部に露出し、走行ユニット110の給電コネクタ121cが物理的および電気的に接続可能である。
コンディショナ209dは、給電コネクタ209cを通じて走行ユニット110から供給される電力を、第1上部ユニット200Aの各種装置に対する所望の供給電力量(例えば電圧)に調整する。例えば、コンディショナ209dは、制御ユニット208の制御に基づき、走行ユニット110から供給される電力を、第1上部ユニット200Aの各種装置の機能や消費電力量などに応じた電力に調整し、調整した電力を第1上部ユニット200Aの各種装置に供給する。走行ユニット110のコンディショナ121dと、上部構造物200のコンディショナ209dは、いずれか一方が省略されてもよい。
ここで、本実施形態の走行ユニット110は、第1上部ユニット200Aに代えて、1以上の上部構造物200が載せ替え可能である。以下、第1上部ユニット200Aの代わりに走行ユニット110に取り付けられる上部構造物200の別の例について説明する。ただし、走行ユニット110に取り付け可能な上部構造物200の形状および機能は、以下に説明する例に限定されない。
図7は、上部構造物200の別の一例である第2上部ユニット200Bを含む走行体Mを示す斜視図である。第2上部ユニット200Bは、一般的なトラックと略同じ機能を車両100に持たせることができるユニットである。例えば、第2上部ユニット200Bは、車室211および荷室213を有した車体210を有する。荷室213は、「荷物を支持可能な荷物支持部」の一例である。第2上部ユニット200Bのその他の構成は、第1上部ユニット200Aと略同じである。
図8は、上部構造物200の別の一例である第3上部ユニット200Cを含む走行体Mを示す斜視図である。第3上部ユニット200Cは、娯楽機能を車両100に持たせることができるユニットである。例えば、第3上部ユニット200Cは、部屋を有さず、上方および四方が開放されている。第3上部ユニット200Cは、連結機構150によって走行ユニット110に固定されるベース220と、ベース220に取り付けられた複数枚の畳221を有する。第3上部ユニット200Cは、例えば私有地や私道で走行する。利用者は、第3上部ユニット200Cを用いることで、花見や遊覧を楽しむことができる。
図9および図10は、上部構造物200の別の一例である第4上部ユニット200Dを含む走行体Mを示す斜視図である。第4上部ユニット200Dは、建造物230(家やビルなど)の一部となるユニットである。言い換えると、車両100は、建造物230の一部が連結されることで、建造物230の一部に走行機能を与える。利用者は、第4上部ユニット200Dを用いることで、建造物230内での生活や仕事を行いながら別の場所に移動することができる。
例えば、図9に示すように、第4上部ユニット200Dは、車両100に連結され、車両100に載せられた状態で移動可能である。一方で、図10に示すように、第4上部ユニット200Dおよび車両100は、互いに分離可能である。この場合、車両100は、第4上部ユニット200Dを建造物230に残した状態で第4上部ユニット200Dから離れて移動することができる。車両100は、第4上部ユニット200Dから離れた状態から第4上部ユニット200Dの下方に移動し、第4上部ユニット200Dと再び連結されることができる。
本実施形態では、建造物230は、車両100が第4上部ユニット200Dを建造物230に残した状態で移動する場合に、建造物230に残された第4上部ユニット200Dを側方と下方とのうち少なくとも一方から支持する支持構造231を含む。図9に示すように、支持構造231は、例えば、レール235と、支持部236とを有する。
レール235は、建造物230の側面に設けられている。第4上部ユニット200Dは、レール235によって側方および下方から支持される係合部材161を有する。係合部材161がレール235の内側に入ってレール235によって支持されることで、第4上部ユニット200Dは、建造物230によって支持される。
支持部236は、第4上部ユニット200Dが建造物230と連結された場合に第4上部ユニット200Dの下方に位置する領域に配置されている。支持部236は、車両100が第4上部ユニット200Dを建造物230に残した状態で第4上部ユニット200Dから離れて移動する場合に、車両100に代えて第4上部ユニット200Dを下方から支持する。例えば、支持部236は、第4上部ユニット200Dを下方から支持する上端部が高さ方向に移動可能な支柱またはジャッキにより形成されている。例えば、支持部236は、車両100が第4上部ユニット200Dの下方に位置する場合、車両100に接しないように例えば地面Gに設けられた収容部に収容されている。一方で、支持部236は、車両100が第4上部ユニット200Dを建造物230に残した状態で移動する場合に、第4上部ユニット200Dに接するように上方に向けて移動し、第4上部ユニット200Dを下方から支持する。
図11は、上部構造物200の別の一例である第5上部ユニット200Eを含む走行体Mを示す斜視図である。第5上部ユニット200Eは、荷物運搬装置としての機能を車両100に持たせることができるユニットである。第5上部ユニット200Eは、連結機構150によって走行ユニット110に固定されるパレット240を含む。パレット240は、「荷物を支持可能な荷物支持部」の別の一例である。複数の荷物Pは、パレット240上に積載されるとともに、図示しない固定部材によってパレット240に固定される。利用者は、第5上部ユニット200Eを用いることで、工場や集荷場、その他の作業現場で1以上の荷物Pを搬送することができる。
図12は、上部構造物200の別の一例である第6上部ユニット200Fを含む走行体Mを示す斜視図である。第6上部ユニット200Fは、周囲監視装置としての機能を車両100に持たせることができるユニットである。第6上部ユニット200Fは、走行ユニット110に固定されるセンサユニット250を含む。センサユニット250は、カメラと、カメラで撮影された画像または映像を管理センターのサーバなどに送信可能な通信装置とを含む。車両100は、センサユニット250が取り付けられた状態で、指定された経路に沿って移動することができる。利用者は、第6上部ユニット200Fを用いることで、任意の場所の見回り(異常検知)を行うことができる。
以上説明した第1の実施形態の構成によれば、複数の用途で利用可能な車両100を提供することができる。すなわち、本実施形態では、任意の上部構造物200が取り付け可能な車両100が提供される。これにより、多くの事業者による独自の開発を可能とすることができ、用途ごとに特化した機能が広く深く提供されることを可能にすることができる。
第1の実施形態では、走行ユニット110は、複数の上部構造物200が互いに載せ替えられることで、車両100の機能をカスタマイズすることができる。このような構成によれば、例えば、昼間の時間帯は乗用車やトラックとして機能し、夜の時間帯(昼間の用途での休眠時間)は、工場などで自動運転機能を持つ搬送パレットなど別の用途の走行体Mとして機能することができる。
[第1の実施形態の第1変形例]
次に、第1の実施形態の第1変形例について説明する。図13は、第1の実施形態の第1変形例を示す斜視図である。図13に示すように、本変形例では、1つの車両100に対して1以上の別の車両100が上方から載せられた状態で、一番下に位置する車両100が走行可能である。
第1変形例では、第1起立部134および第2起立部135は、例えば、上方に進むに従い車両幅方向Yの外側に位置するように鉛直方向に対して斜めに傾いている。そして、高さ方向に重ねられた複数の車両100において、1番下の車両100の走行ユニット110の第1凹部136および第2凹部137に、その1つの上の車両100の走行ユニット110の第1基部131および第2基部132の少なくとも一部が収容される。各走行ユニット110の隆起部133の下面は、上側に向けて窪んだ第3凹部138を形成している。そして、高さ方向に重ねられた複数の車両100において、1番下の車両100の走行ユニット110の隆起部133の少なくとも一部は、その1つの上の車両100の走行ユニット110の隆起部133によって形成された第3凹部138に収容される。
これにより、複数の車両100の重ねた厚さが低減される。
別の観点で見れば、1番下の車両100の走行ユニット110の隆起部133は、その1つ上の車両100の走行ユニット110に接することで、1つ上の車両100を下方から支持する。隆起部133は、1つの上の車両100の走行ユニット110を支持する「支持部」の一例である。1番下の車両100の走行ユニット110の第1起立部134および第2起立部135の内面(第1凹部136および第2凹部137の一部を形成する面)は、その1つ上の車両100の走行ユニット110に接することで、1つ上の車両100を下方から支持する。第1起立部134および第2起立部135の各々は、1つの上の車両100の走行ユニット110を支持する「支持部」の別の一例である。
そして、1番下の車両100の走行ユニット110は、車輪Wが地面Gに接しており、複数の車両100が上方に載せられた状態で走行可能である。例えば、1番下の車両100の走行ユニット110は、端子121などを介して、上に載せられる車両100の走行ユニット110のバッテリ120aと電気的に接続される。これにより、1番下の車両100の走行ユニット110は、重ねられた1以上の別の車両100の走行ユニット110のバッテリ120aから供給される電力を利用して走行可能である。
ただし、複数の車両100を重ねるための構造は、上記例に限定されない。例えば、第1起立部134および第2起立部135は、鉛直方向に起立していてもよい。複数の車両100は、高さ方向に単に積み重ねられてもよい。
[第1の実施形態の第2変形例]
次に、第1の実施形態の第2変形例について説明する。図14は、第1の実施形態の第2変形例を示す斜視図である。図14に示すように、第2の変形例では、車両100の走行ユニット110は、連結部153および連結部155を有する。走行ユニット110は、連結部153と連結部155とのうちいずれか一方だけを有してもよい。
一方の連結部153は、車両幅方向Yにおいて走行ユニット110に対して並べられた別の車両100の走行ユニット110に連結される連結部である。連結部153が別の車両100の走行ユニット110に連結されることで、複数の車両100が互いに固定される。これにより、複数の車両100が一体に走行することができる。連結部153は、「第2連結部」の一例である。走行ユニット110は、走行ユニット110の片側の車輪Wが外された状態で、別の車両100の走行ユニット110と連結されてもよく、走行ユニット110の車輪Wを外さないままの状態で別の車両100の走行ユニット110と連結されてもよい。
他方の連結部155は、車両進行方向Xにおいて走行ユニット110に対して並べられた別の車両100の走行ユニット110に連結される連結部である。連結部155が別の車両100の走行ユニット110に連結されることで、複数の車両100が互いに固定される。これにより、複数の車両100が一体に走行することができる。連結部155は、「第2連結部」の別の一例である。
以上説明した第1の実施形態の第1および第2変形例の構成によれば、上部構造物200は、例えば、互いに連結された複数の車両100に亘る大きさを有する。すなわち、複数の車両100が連結部153または連結部155によって連結されることで、1台の車両100では支持できない大きさの上部構造物200が支持可能になる。これにより、上部構造物200の自由度をさらに高めることができる。
以上、第1実施形態とその第1実施形態の複数の変形例について説明したが、実施形態の構成は、上記例に限定されない。例えば、車両100は、図15に示すような車両利用システム1によって利用されてもよい。すなわち、車両利用システム1は、車両100の外部に配置された1以上の情報処理装置700を含む。情報処理装置700は、例えば、ネットワークNWを介して車両100および利用者の端末装置500と通信可能な通信部710と、情報処理部712とを有する。情報処理部712は、車両100の走行ユニット110に含まれる各機能部(例えば、ナビ制御装置113bや推奨車線決定装置114、自動運転制御ユニット115)の一部または全部を有してもよい。情報処理部712は、CPUなどのプロセッサがメモリに格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現されてもよいし、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
また、上述した第1の実施形態では、車両100として、一般的な乗用車やトラックと同様の大きさの車両100について説明した。ただし、車両100の大きさは、上記例に限定されない。車両100の大きさは、例えばベッド程度の大きさでもよいし、それよりもさらに小さな大きさでもよい。
[第1の実施形態の第3変形例]
次に、第1の実施形態の第3変形例について説明する。図16は、第1の実施形態の第3変形例における第1上部ユニット200Aおよび走行ユニット110を示す構成図である。図示の例のように、第1の実施形態の第3変形例における第1上部ユニット200AのHMI202は、上述した運転操作子202aに加えて、更に、外部表示部202bと、ストレージ202cと、利用状況検知部202eとを備える。また、第1の実施形態の第3変形例における第1上部ユニット200Aは、サービス提供装置212を更に備える。
外部表示部202bは、例えば、車両100の外側のボディの表面に張り付けられた有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイである。また、外部表示部202bは、ボディに嵌め込まれたLCD(Liquid Crystal Display)であってもよく、ボディの一部または全部を兼ねたディスプレイパネルであってもよい。また、外部表示部202bは、駆動部を備える移動可能ディスプレイ装置であってもよい。この場合、外部表示部202bは、静止画像や動画像といったコンテンツを表示しない場合には車外から表示面が見えない位置に収納され、コンテンツを表示させる場合には駆動部により車外から表示面が見える位置に移動される。また、外部表示部202bは、車両100のフロントウインドシールドやサイドウインドシールド、リアウインドシールドの少なくとも一部に形成された光透過型の液晶パネルであってもよい。
図17および図18は、外部表示部202bの一例を示す図である。図17や図18に例示するように、例えば、外部表示部202bには、車両100を介して提供されるサービスを表す商標やロゴ、サービスの内容(図示の例では英会話学校)、車両100の行き先、サービスの提供状態を示す情報(車外の利用者が車両100に乗り込み、そのサービスを利用であるのか否かを示す情報)などが表示される。
図16の説明に戻り、ストレージ202cは、例えば、RAM、ROM、HDD、フラッシュメモリなどの記憶装置により実現される。ストレージ202cには、例えば、外部装置(アプリケーションサーバ等)から取得されたファームウェア(ドライバ)などが格納される。ファームウェアは、通信装置201、HMI202、シート装置203、衝突センサ204、エアバッグ装置205、サービス提供装置212といった制御ユニット208に接続される各装置(以下、これらを装備品と称する)を制御するためのプログラム(ソフトウェア)である。ファームウェアは、「装備品の制御情報」の一例である。ストレージ202cに格納されたファームウェアは、定期または不定期に更新されてよい。また、ストレージ202cには、各装備品を識別する識別情報が格納されてよい。
利用状況検知部202eは、車両100に搭乗する利用者や積載物の有無や位置に基づいて、車両100の各コンパートメントの利用状況を検知する。コンパーメントとは、車両100の上部構造物200内の空間であり、利用者が搭乗したり積載物を載せたりすることが可能な空間である。利用状況検知部202eは、荷重センサや車内カメラ(いずれも不図示)の検出結果に基づいて、コンパートメントの利用状況を検知してよい。
サービス提供装置212は、車両100の内外をサービスに利用するサービス提供主(サービスオーナー)が設置する機器である。例えば、サービス提供装置212は、車両100のコンパーメントを、英会話教室のようなサービスの利用場所として提供するために、第3者の映像や会話音声を出力したり、外部表示部202bに広告を表示させたり、コンパーメントに存在する利用者の端末装置(例えばスマートフォン等)に情報を送信したりする。
制御ユニット208は、各種情報を走行ユニット110に送信する。例えば、制御ユニット208は、ゲートウェイ装置209bを制御して、自身(制御ユニット208)に接続された装備品の接続状況を示す情報を、走行ユニット110のゲートウェイ装置121bに送信する。装備品の接続状況を示す情報には、例えば、上述したファームウェアの情報や、装備品の識別情報などが含まれてよい。ゲートウェイ装置209bは、「第2通信インターフェース」の一例である。
制御ユニット208は、通信装置201を制御して、装備品の接続状況を示す情報を、走行ユニット110の通信装置112に送信してもよい。通信装置201は、「第2通信インターフェース」の他の例である。
サービス提供装置212に、Wi−Fi(登録商標)やBluetoothなどを介して利用者の端末装置500が無線接続された場合、制御ユニット208は、サービス提供装置212に接続される端末装置500を介して、装備品の接続状況を示す情報を走行ユニット110の通信装置112に送信してもよい。サービス提供装置212に接続される端末装置500は、「第2通信インターフェース」の他の例である。
装備品の接続状況を示す情報が無線通信によって走行ユニット110に送信される場合、第1上部ユニット200Aと走行ユニット110との間には、外部のサーバ装置が介在してもよい。このサーバ装置は、上述したゲートウェイ装置121bとゲートウェイ装置209bとの間でなされる照合および認証を、ゲートウェイ装置121bおよびゲートウェイ装置209bの代わりに行う。
走行ユニット110のゲートウェイ装置121b或いは通信装置112は、制御ユニット208から装備品の接続状況を示す情報を受信すると、この情報を自動運転制御ユニット115に出力する。自動運転制御ユニット115は、例えば、ゲートウェイ装置121b或いは通信装置112により出力された、装備品の接続状況を示す情報に基づいて、上部構造物200が正規の上部構造物200であることを認証してよい。
第1上部ユニット200Aと、走行ユニット110との間に外部のサーバ装置が介在する場合、走行ユニット110の通信装置112は、サーバ装置による照合および認証の結果を示す情報を受信してよい。この場合、自動運転制御ユニット115は、サーバ装置による照合および認証の結果に基づいて、上部構造物200が正規の上部構造物200であることを認証してよい。
以上説明した第1の実施形態の第3変形例の構成によれば、第1実施形態と同様に、複数の用途で利用可能な車両100を提供することができる。これにより、多くの事業者による独自の開発を可能とすることができ、用途ごとに特化した機能が広く深く提供されることを可能にすることができる。
[第1の実施形態の第4変形例]
次に、第1の実施形態の第4変形例について説明する。図19は、第1の実施形態の第4変形例に係る車両100(自動運転車両100)を含むサービス提供システム2の構成図である。サービス提供システム2は、一以上の車両100と、複数の端末装置500と、サービス提供者装置600と、サービス管理装置700とを備える。複数の端末装置500には、サービス提供者Sにより使用される端末装置500aと、サービス申込者Aにより使用される端末装置500bとが含まれる。これらの構成要素は、ネットワークNWを介して互いに通信可能である。サービス提供者Sによるサービスは、サービス利用者Uに提供される。図では、サービス申込者Aとサービス利用者Uが異なる者であるように示しているが、これらは同一人物であってもよい。「サービス申込者Aにより使用される」とは、例えばネットカフェの端末装置など、不特定多数によって使用され得る端末装置が、サービス申込者Aにより一時的に使用されることを含んでよい。
図20は、第3実施形態に係る走行ユニット110の構成の一例を示す図である。第3実施形態に係る走行ユニット110の自動運転制御ユニット115は、車両状態共有許可部115aを備える。
車両状態共有許可部115aは、第1上部ユニット200Aに接続された装備品の識別情報と、サービス管理装置700から取得されたファームウェアの更新情報などとに基づいて、第1上部ユニット200Aに接続された装備品、または装備品(サービス提供装置212等)に接続される端末装置500に対する走行ユニット200Aの情報共有を許容する。装備品の識別情報は、例えば、走行ユニット110の通信装置112が、制御ユニット208のストレージ202cに格納されていたものを受信することで取得されてよい。また、ファームウェアの更新情報は、走行ユニット110の通信装置112が、サービス管理装置700の記憶部800に格納されていたものを受信することで取得されてよい。また、車両状態共有許可部115aは、第1上部ユニット200Aに接続された装備品の識別情報と、サービス管理装置700から取得されたファームウェアの更新情報などとに基づいて、第1上部ユニット200A、または第1上部ユニット200Aの識別情報(上部ユニットID)に基づき特定される端末装置500に対する走行ユニット200Aの情報共有を許容してもよい。
[端末装置]
端末装置500は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータなどである。端末装置500は、サービス提供システム2を利用するためのアプリケーションプログラム、或いはブラウザなどが起動し、以下に説明するサービスをサポートする。以下の説明では端末装置500がスマートフォンであり、アプリケーションプログラム(サービス申込者用アプリ)が起動していることを前提とする。サービス利用者用アプリは、サービス申込者Aの操作に応じてサービス管理装置700と通信し、サービス申込者Aからのリクエストをサービス管理装置700に送信したり、サービス管理装置700から受信した情報に基づくプッシュ通知を行ったりする。サービス管理装置700は、第1実施形態において説明した「情報処理装置」の他の態様である。
端末装置500(500a及び500b)は、例えば、以下のような内容を含むサービス利用依頼情報をサービス管理装置700に送信する。位置情報は、例えば、端末装置500が内蔵するGPS受信機により測位されたものである。その他の情報は、原則としてサービス申込者Aまたはサービス利用者Uによって入力された情報に基づいている。利用希望サービス提供者属性情報とは、サービス利用者Uが希望するサービス提供者Sの属性に関する情報である。属性は、提供するサービスの種別の他、年齢、性別、性格(タイプ)などを含んでもよい。属性に関して、サービス管理装置700は、完全に一致するサービス提供者Sを固定的に割り当てるのではなく、サービス利用者Uに提示して選択あるいは確定させるようにしてよい。
[サービス利用依頼情報]
・ユーザID
・位置情報(緯度、経度、高度)
・利用希望空間情報(例えば、人数、座席数等により表される)
・利用希望サービス提供者属性情報
・利用希望サービスID
・利用希望区間情報
・サービス利用者の希望するサービス利用の時間帯の情報
・決済認証情報
[車両]
第1の実施形態の第4変形例における車両100の走行制御に関する構成(例えば、自動運転に関する構成)は、第1の実施形態および第1変形例における車両100が備える構成と同様である。すなわち、車両100は自動運転車両であり、以下に説明するように無線通信機能を有する車両である。図21は、車両100に搭載される車両管理装置300の構成の一例を示す図である。車両管理装置300は、例えば、第1上部ユニット200Aに搭載される。車両管理装置300は、例えば、通信部320と、認証部330と、HMI340と、車両/コンパートメント管理部350とを備える。
通信部320は、無線通信装置である。通信部320は、ネットワークNWを介してサービス管理装置700と通信する。認証部330は、サービス管理装置700の指示により、サービス開始のための認証処理を行う。
HMI340は、例えば、装備品に対する入力操作を受け付けたり、装備品により出力された情報を画像や音声として出力したりする。例えば、HMI340は、タッチパネル式ディスプレイ装置、スピーカ、マイクなどを含む。
車両/コンパートメント管理部350は、例えば、利用状況検知部352と、利用許可部354と、認証部356と、外部制御許可部358とを備える。車両100には、サービス利用者Uやサービス提供者Sが利用可能な空間(コンパートメント)が一以上設けられており、利用状況検知部352は、コンパートメントごとの利用状況を検知する。例えば、利用状況検知部352は、各コンパートメントが利用中であるか否かを検知する。図21では、車両100として普通乗用車を掲載しているが、車両100は、トレーラー、バス、マイクロバスなど、車室内を区切ったコンパートメントのそれぞれに一以上の乗員が乗車可能なサイズの車両であってもよい。利用許可部354は、例えば、認証部356による認証が成功した場合に、予め指定されたコンパートメントの利用を許可し、例えばドアの開錠等を行う。認証部356は、乗車してくるサービス利用者Uまたはサービス提供者Sの本人確認等の認証を行う。
外部制御許可部358は、第1上部ユニット200Aに接続された各装備品の識別情報と、サービス管理装置700から取得される装備品の制御情報とに基づいて、装備品に対するユーザの操作に応じた走行ユニット110の制御を許容するのか否かを決定する。例えば、上部構造物200のコンパーメントに搭乗した利用者Uが、サービス提供装置212に接続された端末装置500を操作して、走行ユニット110に操作する場合がある。この際、外部制御許可部358は、第1上部ユニット200Aに接続された各装備品の識別情報と、サービス管理装置700から取得される装備品の制御情報とに基づく、利用者Uが操作する対象の走行ユニット110と、利用者Uが搭乗した上部構造物200に設けられた第1上部ユニット200Aとの組み合わせが正規なものであることが認証されている場合、利用者Uによる走行ユニット110の操作を許可する。
車両管理装置300の通信部320は、例えば、以下のような内容を含む車両情報をサービス管理装置700に送信する。
[車両情報]
・走行ユニット110を識別する走行ユニットID
・上部ユニット200Aを識別する上部ユニットID
・位置情報(緯度、高度、経度)
・コンパートメント利用状況(利用中のコンパートメントに関して利用中のサービス利用者のユーザID、利用可能なコンパートメントの情報など)
・走行状態(速度、加速度、角速度、車載機器の状態など)
・サービス提供者Sの情報(サービス提供者のID、実施中のサービスの情報、サービス実施経過時間等)
・装備品に関する情報(装備品の識別情報、装備品の識別情報を符号化した符号化データなど)
図22は、サービス提供者装置600の構成の一例を示す図である。サービス提供者装置600は、例えば、複数のサービス提供者の状態を把握し、サービス管理装置700からの発注に自動的に応答可能な装置である。サービス提供者装置600は、例えば、通信部610と、受注処理部620と、状態管理部630と、記憶部650とを備える。
通信部610は、ネットワークNWを介してサービス管理装置700などと通信する。受注処理部620は、サービス管理装置700からのサービス発注に対して、受注処理を行う。受注処理部620は、サービス発注の内容が、既にサービス管理装置700に送信済のサービス提供情報の範囲内であるか否かを判定し、範囲内であると判定した場合に受注処理を先に進める。状態管理部630は、サービス提供者装置600に登録されたサービス提供者Sの状態(予約状態、稼働状態など)を管理し、サービス提供情報をサービス管理装置700に提供する。
サービス提供者装置600は、例えば、以下のような内容を含むサービス提供情報をサービス管理装置700に送信する。サービス提供情報は、サービス提供者Sが受注可能なサービスに関連する情報である。
[サービス提供情報]
・認証ID
・装備品の制御情報(例えばファームウェアの更新情報、動作要求、情報送信要求など)
・サービス名称
・制御信号
[サービス管理装置]
図23は、サービス管理装置700の構成の一例を示す図である。サービス管理装置700は、例えば、通信部710と、取得部720と、サービス情報入力部730と、プラン決定部740と、経路指示部750と、認証部760と、判定部770と、記憶部800とを備える。通信部710、サービス情報入力部730および記憶部800を除く構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。記憶部800は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。
通信部710は、例えば、ネットワークNWに接続するためのネットワークカードを含む。通信部710は、ネットワークNWを介して車両管理装置300、端末装置500、サービス提供者装置600などと通信する。
取得部720は、通信部710を介して、端末装置10からサービス利用依頼情報を取得したり、予め登録された車両100の車両管理装置300から車両情報を取得したり、サービス提供者装置600から、サービス提供情報を取得したりする。
サービス情報入力部730は、サービス提供者Sから、提供予定のサービスの種類や内容などの入力操作を受け付ける。
プラン決定部740は、利用可能車両情報820およびサービス提供情報に基づいて、サービス利用者Uが享受可能な可用サービスを特定し、特定した可用サービスに関する情報をサービス利用者Uの端末装置500に提供する。
より具体的に、プラン決定部740は、利用可能車両情報820およびサービス提供情報に含まれる利用希望区間に基づいて、車両100の走行経路において、サービス提供者Sが車両100の少なくとも一部(例えば、コンパートメント)を占有することが可能な利用許可区間を設定する。
経路指示部750は、通信部710に、サービス利用者Uの利用開始位置および利用終了位置の情報と、サービス提供者Sの利用開始位置および利用終了位置の情報とを、車両100に送信させることで、車両100が走行すべき経路を車両100に指示する。
認証部760は、端末装置500との通信によるサービス利用者Uの認証を行ったり、サービス提供開始時の認証を行ったりする。
判定部770は、サービス利用者Uと、サービス提供者Sのそれぞれについて、車両100を利用しているか否かを判定する。
プラン決定部740は、判定部770の判定結果を利用して各種の処理を行う。例えば、プラン決定部740は、判定部770によりサービス利用者Uとサービス提供者Sの双方が車両100を利用していると判定した場合のみ、利用希望区間の変更を受け付けるようにしてもよい。このケースは、例えば、サービス提供者Sがサービス利用者Uに提案して目的地を変更したり、車両100側に提供する情報に基づいてサービス中に最終目的地を変更したりする場合に生じる。また、プラン決定部740は、取得部720がサービス利用依頼情報を受信した時点において、判定部770が、サービス利用者Uが既に車両100を利用していると判定した場合(すなわちサービス利用中に、サービス延長あるいは別のサービスの依頼を行った場合)、当該利用中の車両100を優先的にサービス利用者Uに割り当てるようにしてもよい。
記憶部800には、例えば、以下のような内容を含むサービス管理情報が格納される。
[サービス管理情報]
・サービス依頼者A(サービス利用者U)を識別するユーザID
・サービス提供者Sにより提供されるサービスを識別するサービスID
・走行ユニットIDおよび上部ユニットID
・上部ユニット200AのファームウェアID
・走行ユニット110のファームウェアID
・車両側からの符号化データ
・サービスプロバイダからの符号化データ
・車両100の現在の位置情報
・サービスプロバイダID
図24は、サービス提供システム2において実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、サービス依頼者A(サービス利用者U)が、端末装置500を用いてサービス管理装置700の認証部760に対してユーザ認証を行う(ステップS200)。認証部760による認証が成功すると、サービス依頼者A(サービス利用者U)は、端末装置500を用いて、サービス利用依頼情報をサービス管理装置700に送信する(ステップS202)。サービス利用依頼情報は取得部720によって取得され、サービス依頼管理情報832として記憶部800に格納される。
サービス利用依頼情報が取得されると、サービス管理装置700の取得部720は、サービス提供者装置600に、サービス提供情報の問い合わせを行う(ステップS204)。提供するサービスの属性やサービス事業者に応じて複数のサービス提供者装置600が存在してもよく、その場合、取得部720は、複数のサービス提供者装置600に対して一斉に問い合わせを行ってよい。サービス提供者装置600の状態管理部630は、受注可能なサービスに関連する(受注可能なサービスの内容を示す)サービス提供情報をサービス管理装置700に返信する(ステップS206)。
一方、サービス管理装置700の取得部720は、車両管理装置300に、利用状況(車両情報)の問い合わせを行う(ステップS208)。車両管理装置300の車両/コンパートメント管理部350は、利用状況検知部352により検知された利用状況をサービス管理装置700に返信する(ステップS210)。なお、ステップS208およびステップS210の処理は、フローチャートに示す処理とは非同期に、任意のタイミングで随時行われてよい。
次に、プラン決定部740は、サービス利用依頼情報とステップS210で取得された情報とに基づいて、利用可能な車両を特定し、利用可能車両情報を生成する(ステップS212)。ステップS212において複数の車両が特定されてもよく、その場合、後述するステップS224までの間に、最終的な車両の特定が行われてもよい。そして、プラン決定部740が、利用可能車両情報と、ステップS206で取得された受注可能なサービス提供情報とに基づいて、サービス利用者が享受可能な可用サービスを特定し(ステップS212)、特定した可用サービスの内容を示す可用サービス情報を端末装置500に送信する(ステップS214)。
サービス申込者A(サービス利用者U)は、可用サービス情報を閲覧し、その結果、端末装置500を用いてサービス管理装置700に対してサービス発注を行う(ステップS216)。サービス管理装置700のプラン決定部740は、ステップS216で受注したサービスのうちサービス提供者が担う部分を抜き出して、サービス提供者装置600に対してサービス発注を行う(ステップS218)。
サービス提供者装置600の受注処理部620は、サービス受注した旨をサービス管理装置700に送信する(ステップS220)。これに併せて、受注処理部620は、サービス提供者の端末装置(本実施形態では不図示)に、受注内容を送信する。
サービス提供者装置600から受注した旨を受信すると、サービス管理装置700の経路指示部750は、サービス提供のための車両100が走行すべき経路を設定する(ステップS222)。
次に、サービス管理装置700の認証部760が、サービス開始のための認証処理をサービス提供者装置600および車両100の認証部330に対して行い、経路指示部750が、ステップS222で設定した経路を車両100に指示し、サービス提供者装置600がサービス開始の認証を行うと共に、必要に応じて最終的な車両の特定を行い、車両100の車両管理装置300では認証部330が車両側での認証を行うと共に、指示された経路での走行を開始または予定する(ステップS224)。
S224の認証処理の際、例えば、サービス提供者装置600は、利用可能な上部ユニット200Aに接続された装備品の情報を取得する。すなわち、装備品の情報は、車両100側からサービス提供者装置600側へと送信される。ここで、認証は、上部ユニット200Aと、装備品との2段階で行われてもよい。上部ユニット200Aの所有者がサービス提供者と異なる場合、上部ユニット200Aに対し接続可能な装備品、あるいは上部ユニット200Aにより実行可能な走行ユニット110の車両状態共有許可部115aの機能は、所有者または運行管理者によって別途規定されても良い。
その後、サービス利用者Uが車両100に乗車し(ステップS226)、付加サービスが提示可能となったときに、プラン決定部740が付加サービスを端末装置500に提示する(ステップS228)。
サービス利用者Uが車両100に乗車した際(S226の際)、サービス提供者は、乗車した車両100の装備品に対する利用可否を設定してよい。この場合、車両状態共有許可部115aは、装備品に対してなされた利用可否の設定情報をサービス管理装置700と共有することを許容する。なお、装備品に対する利用可否の設定は、サービス管理装置700が行ってもよい。装備品には、例えば、コンパートメントに設けられたビデオ再生装置や、給電装置等が含まれてよい。装備品に対する利用が許可された場合、車両100に乗車した乗員は、当該装備品を操作したり、使用したりすることができる。この際、車両100の走行状態や、装備品に対する操作情報または使用情報などは、車両状態共有許可部115aによる許可によって、サービス提供者装置600にも共有されてよい。
サービス利用者が付加サービスの内容を閲覧して、端末装置500を用いて付加サービスを発注すると(ステップS230)、サービス管理装置700のプラン決定部740は、サービス提供者装置600に対して、付加サービスについてサービス発注を行う(ステップS232)。サービス提供者装置600の受注処理部620は、付加サービスを受注した旨を示す情報をサービス管理装置700に送信する(ステップS234)。
S234の処理において、例えば乗員が装備品を介したサービスの発注を行ったとき(例えば装備品を利用して特定のビデオコンテンツが再生されたとき)、サービス提供者装置600の受注処理部620は、サービスの受注と同時に、当該サービスに適した経路および目的地を改めて設定し、車両100に指示する。より具体的には、サービス提供者装置600の受注処理部620などの機能部は、観光地案内など、コンテンツの内容に対応して、サービス提供者装置600が設定する経由地を通過するように経路を修正したり、説明時間に応じて通過速度を調整したりする。この場合、上部ユニット200Aに設けられるサービス提供者装置600のいずれかの機能部は、「外部制御許可部」の一例である。これによって、サービス提供者が提供するサービスと、車両100に任意に配置される装備品および車両100の制御状態とをリンクさせることができ、サービス提供者が走行に連動する装備品を配置する自由度を高めることができる。
付加サービスを受注した旨を示す情報を受信すると、サービス管理装置700の経路指示部750は、経路の修正や目的地変更を、車両100に指示する(ステップS236)。
以上説明した第1の実施形態の第4変形例の構成によれば、第1の実施形態または第1変形例と同様に、複数の用途で利用可能な車両100を提供することができる。これにより、多くの事業者による独自の開発を可能とすることができ、用途ごとに特化した機能が広く深く提供されることを可能にすることができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態は、例えば、第1の実施形態の自動運転車両が適用可能なサービス管理装置、サービス提供システム、サービス管理方法、およびプログラムである。サービス管理装置は、移動する車両内にサービス利用者がサービス提供者と同乗することで実現されるサービスを管理する装置である。このサービスは、主として同乗すること自体を指すものであってもよいし、同乗し更に何らかの動作が行われることを指すものであってもよい。前者の例としては、単独で車両に乗車することが好ましくないサービス利用者(例えば、乳幼児、老人、病人、身障者)に対して、保育士、介護士、看護師などのサービス提供者が同乗するサービスが挙げられる。なお、同乗すること自体を指すといっても、サービス提供者がサービス利用者である乳幼児の面倒を見るなど、付随するサービスが行われることを含んでも構わない。
第2の実施形態として説明する各サービスは、例えば電子的に送受信される同乗リクエストによって申し込まれる。同上リクエストを発信する者(サービス申込者)は、サービス利用者自身であってもよいし、他の者(家族など)であってもよい。また、このサービスに利用される車両は、例えば、基本的には運転操作を必要としない自動運転車両である。以下、自動運転車両が用いられるものとして説明するが、手動運転車両が用いられても構わない。
以下、第2の実施形態について説明する。第2の実施形態において、サービスは、主として同乗すること自体を指し、サービス利用者が車両に乗車している区間の全体に亘って、サービス提供者が車両に同乗していることが要求されるものとする。
[全体構成]
図25は、サービス管理装置a300を含むサービス提供システムa1の構成図である。サービス提供システム1は、一以上のサービス申込者Aにより使用される一以上の端末装置a100と、一以上のサービス提供者により使用される一以上の端末装置a150と、一以上の車両a200と、サービス管理装置a300とを備える。これらの構成要素は、ネットワークNWを介して互いに通信可能である。ネットワークNWは、インターネット、WAN、LAN、公衆回線、プロバイダ装置、専用回線、無線基地局などを含む。サービス提供者Sによるサービスは、サービス利用者Uに提供される。図では、サービス申込者Aとサービス利用者Uが異なる者であるように示しているが、これらは同一人物であってもよい。なお、「サービス申込者Aまたはサービス提供者Sにより使用される」とは、ネットカフェの端末装置など、不特定多数によって使用され得る端末装置が、サービス申込者Aまたはサービス提供者Sにより一時的に使用されることを含んでよい。
[端末装置]
端末装置a100は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータなどである。端末装置a100では、サービス提供システムa1を利用するためのアプリケーションプログラム、或いはブラウザなどが起動し、以下に説明するサービスをサポートする。以下の説明では端末装置a100がスマートフォンであり、アプリケーションプログラム(サービス申込者用アプリ)が起動していることを前提とする。サービス利用者用アプリは、サービス申込者Aの操作に応じてサービス管理装置a300と通信し、サービス申込者Aからのリクエストをサービス管理装置a300に送信したり、サービス管理装置a300から受信した情報に基づくプッシュ通知を行ったりする。
端末装置a150は、端末装置a100と同様に、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータなどである。端末装置a150では、サービス提供システムa1に参加するためのアプリケーションプログラム、或いはブラウザなどが起動し、以下に説明するサービスをサポートする。以下の説明では端末装置a150がスマートフォンであり、アプリケーションプログラム(サービス提供者用アプリ)が起動していることを前提とする。サービス提供者用アプリは、サービス提供者Sの操作に応じてサービス管理装置a300と通信し、サービス提供者Sによる受諾情報をサービス管理装置a300に送信したり、サービス管理装置a300から受信した情報に基づくプッシュ通知を行ったりする。
[車両]
車両a200は、少なくとも車室を備える車両である。図26は、車両a200の構成図である。車両a200は、例えば、外界監視ユニットa210と、通信装置a220と、ナビゲーション装置a230と、推奨車線決定装置a240と、自動運転制御ユニットa250と、駆動力出力装置a260と、ブレーキ装置a262と、ステアリング装置a264とを備える。
外界監視ユニットa210は、例えば、カメラやレーダ、LIDAR(Light Detection and Ranging)、これらの出力に基づいてセンサフュージョン処理を行う物体認識装置などを含む。外界監視ユニットa210は、車両a200の周辺に存在する物体の種類(特に、車両、歩行者、および自転車)を推定し、その位置や速度の情報と共に自動運転制御ユニットa250に出力する。
通信装置a220は、例えば、ネットワークNWに接続したり、他車両や歩行者の端末装置などと直接的に通信したりするための無線通信モジュールである。通信装置a220は、Wi−Fi、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、Bluetooth(登録商標)、その他の通信規格に基づいて無線通信を行う。通信装置a220として、用途に応じた複数のものが用意されてもよい。
ナビゲーション装置a230は、例えば、HMI(Human machine Interface)a232と、GNSS(Global Navigation Satellite System)受信機a234と、ナビ制御装置a236とを備える。HMIa232は、例えば、タッチパネル式ディスプレイ装置やスピーカ、マイクなどを含む。HMIa232は、例えば、画像や音声を出力したり、乗員からの操作内容を受け付ける。例えば、HMIa232は、目的地までの経路を画面表示したり、車両a200に対する操作を乗員に促すための情報を画面表示または音声出力する。
GNSS受信機a234は、GNSS衛星(例えばGPS衛星)から到来する電波に基づいて自機の位置(車両a200の位置)を測位する。ナビ制御装置a236は、例えば、CPU(Central Processing Unit)や各種記憶装置を備え、ナビゲーション装置a230全体を制御する。記憶装置には、地図情報(ナビ地図)が格納されている。ナビ地図は、ノードとリンクで道路を表現した地図である。ナビ制御装置a236は、GNSS受信機a234によって測位された車両a200の位置から、HMIa232を用いて指定された目的地までの経路を、ナビ地図を参照して決定する。また、ナビ制御装置a236は、車両a200の位置と目的地とを、通信装置a220を用いてナビゲーションサーバ(不図示)に送信し、ナビゲーションサーバから返信された経路を取得してもよい。また、本実施例の場合、目的地までの経路は、サービス管理装置a300によって指定される場合もある。なお、経路には、利用者を乗車または降車させるために停止する地点および到達目標時刻の情報が含まれてよい。ナビ制御装置a236は、上記いずれかの方法で決定した経路の情報を推奨車線決定装置a240に出力する。
推奨車線決定装置a240は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)と各種記憶装置を備える。記憶装置には、ナビ地図よりも詳細な高精度地図情報が格納されている。高精度地図情報には、例えば、車線ごとの道路幅や勾配、曲率、信号の位置などの情報が含まれている。推奨車線決定装置a240は、ナビゲーション装置a230から入力された経路に沿って走行するために好ましい推奨車線を決定し、自動運転制御ユニットa250に出力する。
自動運転制御ユニットa250は、CPUやMPUなどの一以上のプロセッサと各種記憶装置を備える。自動運転制御ユニットa250は、推奨車線決定装置a240により決定された推奨車線を走行することを原則として、外界監視ユニットa210から位置や速度が入力された物体との接触を避けるように、車両a200を自動的に走行させる。自動運転制御ユニットa250は、例えば、各種イベントを順次実行する。イベントには、一定速度で同じ走行車線を走行する定速走行イベント、前走車両に追従する追従走行イベント、車線変更イベント、合流イベント、分岐イベント、緊急停止イベント、料金所を通過するための料金所イベント、自動運転を終了して手動運転に切り替えるためのハンドオーバイベントなどがある。また、これらのイベントの実行中に、車両a200の周辺状況(周辺車両や歩行者の存在、道路工事による車線狭窄など)に基づいて、回避のための行動が計画される場合もある。
自動運転制御ユニットa250は、車両a200が将来走行する目標軌道を生成する。目標軌道は、例えば、速度要素を含んでいる。例えば、目標軌道は、自車両Mの到達すべき地点(軌道点)を順に並べたものとして表現される。軌道点は、所定の走行距離ごとの自車両Mの到達すべき地点であり、それとは別に、所定のサンプリング時間(例えば0コンマ数[sec]程度)ごとの目標速度および目標加速度が、目標軌道の一部として生成される。また、軌道点は、所定のサンプリング時間ごとの、そのサンプリング時刻における自車両Mの到達すべき位置であってもよい。この場合、目標速度や目標加速度の情報は軌道点の間隔で表現される。
自動運転の処理過程については、第1の実施形態において紹介した図3並びに関連する説明を援用し、詳細な説明を省略する。なお、駆動力出力装置a260は、上述した駆動力出力装置a116と同様の機能を有し、ブレーキ装置a262は、上述したブレーキ装置a117と同様の機能を有し、ステアリング装置a264は、ステアリング装置a118と同様の機能を有する。
駆動力出力装置a260は、車両が走行するための走行駆動力(トルク)を駆動輪に出力する。駆動力出力装置a260は、例えば、内燃機関、電動機、および変速機などの組み合わせと、これらを制御するパワーECUとを備える。パワーECUは、自動運転制御ユニットa250から入力される情報、或いは不図示の運転操作子から入力される情報に従って、上記の構成を制御する。
ブレーキ装置a262は、例えば、ブレーキキャリパーと、ブレーキキャリパーに油圧を伝達するシリンダと、シリンダに油圧を発生させる電動モータと、ブレーキECUとを備える。ブレーキECUは、自動運転制御ユニットa250から入力される情報、或いは運転操作子から入力される情報に従って電動モータを制御し、制動操作に応じたブレーキトルクが各車輪に出力されるようにする。ブレーキ装置a262は、運転操作子に含まれるブレーキペダルの操作によって発生させた油圧を、マスターシリンダを介してシリンダに伝達する機構をバックアップとして備えてよい。なお、ブレーキ装置a262は、上記説明した構成に限らず、自動運転制御ユニットa250から入力される情報に従ってアクチュエータを制御して、マスターシリンダの油圧をシリンダに伝達する電子制御式油圧ブレーキ装置であってもよい。
ステアリング装置a264は、例えば、ステアリングECUと、電動モータとを備える。電動モータは、例えば、ラックアンドピニオン機構に力を作用させて転舵輪の向きを変更する。ステアリングECUは、自動運転制御ユニットa250から入力される情報、或いは運転操作子から入力される情報に従って、電動モータを駆動し、転舵輪の向きを変更させる。
[サービス管理装置]
図25に戻り、サービス管理装置a300は、例えば、通信部a310と、取得部a320と、プラン決定部a330と、経路指示部a340と、記憶部a380とを備える。
通信部a310は、例えば、ネットワークNWに接続するためのネットワークカードである。また、記憶部a380は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。通信部310は、ネットワークNWを介して端末装置a100、a150や車両a200と通信する。
取得部a320、プラン決定部a330、および経路指示部a340は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部a380に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGAなどのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
取得部a320は、通信部a310およびネットワークNWを介して、サービス申込者Aの端末装置a100から発せられた同乗リクエストを取得し、同乗リクエスト一覧a384として記憶部a380に登録する。また、取得部a320は、通信部a310およびネットワークNWを介して、サービス提供者Sの端末装置a150から発せられたサービス提供可能範囲通知を取得し、サービス提供可能範囲情報a386として記憶部a380に登録する。なお、利用者情報a382は、サービス申込者A、サービス利用者U、サービス提供者Sの個人情報などを含む。
図27は、同乗リクエスト一覧a384の内容の一例を示す図である。図示するように、同乗リクエスト一覧a384は、予め登録されたサービス申込者Aの識別情報である申込者IDに対し、サービス利用者数、乗車希望地点、目的地、乗車希望時刻、プラン決定済であるか否かを示すプラン決定済フラグ(例えば1がプラン決定済、0がプラン未決定を示す)などが対応付けられた情報である。プラン決定済フラグ以外の情報は、端末装置a100のサービスアプリがサービス申込者Aの入力を受け付けることで内容が決定され、同乗リクエストとしてサービス管理装置a300に送信される。乗車希望地点から目的地までの区間は、「第1乗車区間」の一例である。以下、同乗リクエスト一覧a384における一つの利用者IDに対応付けられた一連の情報をレコードと称する場合がある。なお、同乗リクエストは利用の度に行われる必要はなく、複数回分の同乗リクエストがまとめて行われてもよい。例えば、毎週の平日の決まった時刻に、乗車希望地点から目的地まで同乗サービスを希望するといった申込みがなされてよい。
図28は、サービス提供可能範囲情報a386の内容の一例を示す図である。図示するように、サービス提供可能範囲情報a386は、予め登録されたサービス提供者Sの識別情報であるサービス提供者IDに対し、サービス提供可能日、サービス提供可能時間帯、サービス提供可能エリアなどが対応付けられた情報である。
プラン決定部a330は、同乗リクエスト一覧a384に登録された同乗リクエストに応じて、サービス利用者Uとサービス提供者Sの同乗プランを決定する。第2の実施形態のプラン決定部a330は、サービス提供者Sが車両a200に乗車する区間(第2乗車区間)を、同乗リクエストにおける乗車希望区間から目的地までの区間を包含するように決定する。
図29は、同乗プランが決定される様子を示す図(その1)である。同乗プランは、乗車希望地点と目的地が共にサービス提供可能エリア内に収まっており、乗車希望時刻に想定運転時間を加算した期間がサービス提供可能時間帯に収まっているなどの条件が合致する場合に設定される。サービス利用者Uの乗車希望地点ではサービス提供者Sが既に車両a200に乗車しており、目的地でサービス利用者Uを降ろした後に、車両a200が所望の場所に向かう。目的地には、保育園などがある。
図30は、図29に示す同乗プランを反映した運行スケジュール情報a388の内容の一例を示す図である。図示するように、停車地点(1)でサービス提供者IDが「A」のサービス提供者Sが乗車し、乗車希望地点に相当する停車地点(2)で申込者IDが「0001」のサービス申込者に対応するサービス利用者Uが乗車し、目的地である停車地点(3)でサービス利用者Uが降車し、保育園に登園する。そして、サービス提供者Sを乗せた車両a200は次のサービスのためにサービス利用者Uの待つ場所に移動したり、サービス提供者Sを自宅まで送ったりする。
ここで、一人のサービス提供者Sが複数のサービス利用者Uに対して同乗することがあってもよい。この場合、同乗プランは、図31に示すように決定され、運行スケジュール情報a388は、図32に示すように決定される。図31は、同乗プランが決定される様子を示す図(その2)である。図32は、図31に示す同乗プランを反映した運行スケジュール情報a388の内容の一例を示す図である。図示する例では、サービス提供者Sが乗車した状態の車両a200に、まず申込者IDが「0001」のサービス申込者Aに対応するサービス利用者U(1)が乗車し、申込者IDが「0002」のサービス申込者Aに対応するサービス利用者U(2)が乗車し、サービス利用者U(1)、U(2)が同じ目的地で後者する。このように、プラン決定部a330は、サービス提供者Sが車両a200に乗車する区間内に、複数の利用者Uの乗車希望地点から目的地までの区間が包含される場合、一人のサービス提供者Sが複数のサービス利用者Uに対して同乗するように同乗プランを決定してもよい。
図33は、サービス管理装置a300により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、サービス管理装置a300は、端末装置a100から同乗リクエストを受信したか否かを判定する(ステップS100a)。端末装置a100から同乗リクエストを受信すると、サービス管理装置a300は、同乗リクエストに含まれる内容を同乗リクエスト一覧384に追加する(ステップS102a)。
次に、サービス管理装置a300は、同乗プラン決定タイミングが到来したか否かを判定する(ステップS104a)。同乗プラン決定タイミングが到来していない場合、ステップS100aに処理が戻される。同乗プラン決定タイミングは任意に定めることができるが、例えば、サービス提供システム1の営業時間中において、所定時間(例えば10分程度)おきに到来するなどと定められる。
同乗プラン決定タイミングが到来すると、サービス管理装置a300は、同乗リクエスト一覧a384からプラン決定済フラグが0のレコードを抽出する(ステップS106a)。次に、サービス管理装置a300は、サービス提供可能範囲情報386を参照し、同乗リクエスト通りの条件で同乗可能なサービス提供者Sを検索する(ステップS108a)。
次に、サービス管理装置a300は、同乗リクエスト通りの条件で同乗可能なサービス提供者Sが存在するか否かを判定する(ステップS110a)。同乗リクエスト通りの条件で同乗可能なサービス提供者Sが存在する場合、サービス管理装置a300は、ステップS106aで抽出したレコードに対応するサービス利用者Uの同乗プランを決定し、運行スケジュール情報a388に追加する(ステップS112a)。この際に、サービス管理装置a300は、抽出したレコードにおけるプラン決定済フラグを1に変更する。
一方、同乗リクエスト通りの条件で同乗可能なサービス提供者Sが存在しない場合、サービス管理装置a300は、同乗リクエストの条件を一定範囲内で変更すれば同乗可能なサービス提供者Sが存在するか否かを判定する(ステップS114a)。ここで、一定範囲内とは、時刻に関して例えば数十[h]程度、場所に関して例えば数百[m]程度である。
ステップS114aで肯定的な判定を得た場合、サービス管理装置a300は、通信部a310に、同乗リクエストの内容を変更可能か否かを尋ねる情報を端末装置a100に送信させる(ステップS116a)。これを受けて、端末装置a100では、同乗リクエストの内容を変更可能か否かを尋ねる画面を表示する。図34は、同乗リクエストの内容を変更可能か否かを尋ねる画面IMの一例を示す図である。画面IMでは、乗車希望時刻には到着できない旨と、代わりに到着可能な時刻の情報が表示され、更に、時刻変更について同意するか否かを指示するためのYESボタンとNOボタンが設定されている。利用者によっていずれかのボタンが操作されると、端末装置a100のサービスアプリは、操作内容を示す情報をサービス管理装置a300に送信する。なお、場所変更に関しても同様である。
図33に戻り、サービス管理装置a300は、端末装置a100から受信した内容に基づいて、サービス申込者Aによる変更の同意が得られたか否かを判定する(ステップS118a)。サービス管理装置a300は、端末装置a100においてYESボタンが操作された場合に同意が得られたと判定し、NOボタンが操作された場合に同意が得られなかったと判定する。
変更の同意が得られた場合、サービス管理装置a300は、変更した内容で、ステップS106で抽出したレコードに対応するサービス利用者Uの同乗プランを決定し、運行スケジュール情報a388に追加する(ステップS112a)。この際に、サービス管理装置a300は、抽出したレコードにおけるプラン決定済フラグを1に変更する。一方、変更の同意が得られなかった場合、または、ステップS114で否定的な判定を得た場合、サービス管理装置a300は、今回の同乗リクエストに応えることができない旨の通知(不可通知)を、通信部a310を制御して端末装置a100に送信する(ステップS120a)。このとき、サービス管理装置a300は、抽出したレコードを削除してもよいし、次の同乗プラン決定タイミングにおいて再度検索を行ってもよい。
ステップS110a〜S120aの処理を終了すると、サービス管理装置a300は、全てのサービス申込者Aに対応するレコードを抽出したか否かを判定する(ステップS122a)。全てのサービス申込者Aに対応するレコードを抽出していない場合、ステップS106aに処理が戻される。全てのサービス申込者Aに対応するレコードを抽出した場合、サービス管理装置a300の経路指示部a340は、今回の処理で追加または更新された運行スケジュールを車両a200に送信する(ステップS124a)。なお、手動運転車両が用いられる場合、サービス管理装置a300は、車両の運転者の端末装置または車載端末装置へ乗車リクエストの変更要求を通知する。
以上説明した第1実施形態によれば、車両内でサービス提供者により提供されるサービスを好適に管理することができる。
[第2の実施形態の第1変形例]
以下、第2実施形態の第1変形例について説明する。構成図や各装置の基本的な機能について、図25〜28並びに関連する説明を援用する。第2の実施形態の第1変形例において、サービスは、車両に同乗した上で実行されるものを指すものとする。例えば、車両a200内において、語学教育、散髪、マッサージ、法的手続きの補助といった、サービス提供者Sによる任意のサービスが提供される。
従って、第2実施形態の第1変形例において、サービス利用者Uが車両に乗車している区間の全体に亘って、サービス提供者Sが車両に同乗している必要は無い。また、主としてサービス利用者U自身がサービス申込者Aとなることが想定される。第2実施形態のプラン決定部a330は、サービス提供者Sが車両a200に乗車する区間(第2乗車区間)を、サービス提供可能範囲情報a386により規定される範囲内で決定する。
図35は、第2の実施形態の第1変形例において同乗プランが決定される様子を示す図である。図示するようにサービス提供者Sは、サービス利用者Uが既に乗車している状態で、車両a200に乗車してよい。サービス利用者Uは、例えば、車両a200により通勤する途中でサービス提供者Sから語学教育を受け、会社に出勤する。図36は、図35に示す同乗プランを反映した運行スケジュール情報a388の内容の一例を示す図である。
以上説明した第2の実施形態の第1変形例によれば、車両内でサービス提供者により提供されるサービスを好適に管理することができる。
[第2の実施形態の第2変形例]
以下、第2の実施形態の第2変形例について説明する。構成図や各装置の基本的な機能について、図25〜28並びに関連する説明を援用する。第2の実施形態の第2変形例において、サービスは、車両a200内で完結するのではなく、サービス利用者Uが降車した地点にある施設内でも継続される。以下、乗車中に行われるサービスを乗車中サービス、降車した後に提供されるサービスを降車後サービスと称する。第3実施形態において、同乗リクエストにおける目的地は、降車後サービスを受ける地点に設定される。乗車中サービスを行うサービス提供者Sと、降車後サービスを行うサービス提供者S#とは、同一人物であってもよいし、異なる人物であってもよい。前者の場合、プラン決定部a330は、サービス提供者Sが目的地においてサービス利用者Uと共に降車する乗車プランを決定する。以下、これを前提とする。
提供される一連のサービスは、例えば、土地の購入時における手続きの補助である。この場合、車両a200内でサービス提供者Sが手続きの説明を行い、署名・捺印などの手続きを、降車後に不動産事務所に立ち寄って行わせる、といった一連のサービスが提供される。プラン決定部a330は、サービス提供者Sが目的地において利用する施設において予約が必要である場合、自動的にオンライン予約を行ってもよい。
図37は、第2の実施形態の第2変形例において同乗プランが決定される様子を示す図である。サービス利用者Uとサービス提供者Sは、同乗して手続きの説明を行いながら目的地である不動産事務所に行き、共に降車する。そして、不動産事務所において署名・捺印などの手続きを行う。図38は、図37に示す同乗プランを反映した運行スケジュール情報a388の内容の一例を示す図である。
以上説明した第2の実施形態の第2変形例によれば、車両内および降車後に提供されるサービスを好適に管理することができる。
[第2の実施形態の第3変形例>
以下、第2の実施形態の第3変形例について説明する。構成図や各装置の基本的な機能について、図25〜28並びに関連する説明を援用する。第2の実施形態の第3変形例において、サービス管理装置a300は、複数のサービスを管理する。そして、サービス利用者U(またはサービス申込者A)は、複数のサービスの中から所望のサービスを選択して受けることができる。
図39は、第2の実施形態の第3変形例に係る同乗リクエスト一覧a384Aの内容の一例を示す図である。第2の実施形態の第3変形例における同乗リクエストには、サービス種類や降車後サービスの要否などが追加される。降車後サービスの要否は、サービス種類が指定されるとサービス管理装置a300において自動的に補充するようにしてもよい。なお、サービス種類や降車後サービスの要否は、同乗リクエストの度に指定されるのではなく、あるサービス申込者Aは特定のサービス種類のみリクエストするといった取決めがなされている場合、サービス申込者Aからサービス種類や降車後サービスの要否が自動的に決定されてもよい。
図40は、第2の実施形態の第3変形例に係るサービス提供可能範囲情報a386Aの内容の一例を示す図である。第2の実施形態の第3変形例におけるサービス提供者Sは、自身が提供可能なサービスの種類を予め申告しておく。サービス管理装置a300は、この申告を受け付けてサービス提供可能範囲情報a386Aに登録する。
第2の実施形態の第3変形例に係るプラン決定部a330は、図33のステップS104a以下に相当する処理を、サービス種類ごとに実行する。これによって、サービスの種類ごとにサービス提供者Sをサービス利用者Uに割り当てることができる。
以上説明した第2の実施形態の第3変形例によれば、種々のサービスを選択的に提供することができる。
<自動運転車両の制御>
上述した第2の実施形態の各変形例において(特に第1〜第3変形例において)、車両a200は、目的地に到達するまでの所要時間を、サービス提供のために予定されている時間に合わせて調整する運転制御を行ってもよい。例えば、同乗リクエストには、サービス提供を希望する時間の情報が含まれ、経路指示部a340から車両a200に送信される運行スケジュールには、サービス提供の予定時間が含まれる。
図41は、車両a200により実行される運転制御の内容を模式的に示す図である。車両a200の自動運転制御ユニットa250は、例えば、目的地までの中間地点など、基準地点に到達したときに、それまでの経過時間と予定時間とを比較する。そして、基準地点までの走行で経過する見込みの時間よりも経過時間が短い場合、残りの行程を徐行、或いは所定地点で停止するなどして、目的地への到達を遅らせる。これによって、十分なサービス提供時間を確保することができる。
[第2の実施形態の第4変形例]
以下、第2の実施形態の第4変形例について説明する。図42は、第2の実施形態の第4変形例に係るサービス管理装置a700を含むサービス提供システムa2の構成図である。サービス提供システムa2は、一以上のサービス申込者Aにより使用される一以上の端末装置100と、一以上の車両a500と、一以上のサービス提供者Sにより使用される一以上の端末装置a150と、サービス提供者装置a600と、サービス管理装置a700とを備える。これらの構成要素は、ネットワークNWを介して互いに通信可能である。サービス提供者Sによるサービスは、サービス利用者Uに提供される。図では、サービス申込者Aとサービス利用者Uが異なる者であるように示しているが、これらは同一人物であってもよい。なお、「サービス申込者Aにより使用される」とは、ネットカフェの端末装置など、不特定多数によって使用され得る端末装置が、サービス申込者Aにより一時的に使用されることを含んでよい。
[端末装置]
端末装置a100のハードウェアおよび基本的な機能は、第2の実施形態と同様である。端末装置a100では、サービス提供システムa2を利用するためのアプリケーションプログラム、或いはブラウザなどが起動し、以下に説明するサービスをサポートする。以下の説明では端末装置a100がスマートフォンであり、アプリケーションプログラム(サービス申込者用アプリ)が起動していることを前提とする。サービス利用者用アプリは、サービス申込者Aの操作に応じてサービス管理装置a700と通信し、サービス申込者Aからのリクエストをサービス管理装置a700に送信したり、サービス管理装置a700から受信した情報に基づくプッシュ通知を行ったりする。
端末装置a100は、例えば、以下のような内容を含むサービス利用依頼情報をサービス管理装置a700に送信する。位置情報は、例えば、端末装置a100が内蔵するGPS受信機により測位されたものである。その他の情報は、原則としてサービス申込者Aまたはサービス利用者Uによって入力された情報に基づいている。利用希望サービス提供者属性情報とは、サービス利用者Uが希望するサービス提供者Sの属性に関する情報である。属性は、提供するサービスの種別の他、年齢、性別、性格(タイプ)などを含んでもよい。属性に関して、サービス管理装置a700は、完全に一致するサービス提供者Sを固定的に割り当てるのではなく、サービス利用者Uに提示して選択あるいは確定させるようにしてよい。
[サービス利用依頼情報]
・ユーザID
・位置情報(緯度、経度、高度)
・利用希望空間情報(例えば、人数、座席数等により表される)
・利用希望サービス提供者属性情報
・利用希望サービスID
・利用希望区間情報(第1区間の情報)
・サービス利用者の希望するサービス利用の時間帯の情報
・決済認証情報
[車両]
車両a500の走行制御に関する構成(例えば、自動運転に関する構成)は、第2の実施形態における車両a200が備える構成と同様である。すなわち、車両a500は自動運転車両であり、以下に説明するように無線通信機能を有する車両である。図43は、車両a500に搭載される車両管理装置a510の構成の一例を示す図である。車両管理装置a510は、例えば、通信部a520と、認証部a530と、車両/コンパートメント管理部a550とを備える。
通信部a520は、無線通信装置である。通信部a520は、ネットワークNWを介してサービス管理装置a700と通信する。認証部a530は、サービス管理装置a700の指示により、サービス開始のための認証処理を行う。
車両/コンパートメント管理装置a550は、例えば、利用状況検知部a552と、利用許可部a554と、認証部a556とを備える。車両a500には、サービス利用者Uやサービス提供者Sが利用可能な空間(コンパートメント)が一以上設けられており、利用状況検知部a552は、コンパートメントごとの利用状況を検知する。例えば、利用状況検知部a552は、各コンパートメントが利用中であるか否かを検知する。図43では、車両a500として普通乗用車を掲載しているが、車両a500は、トレーラー、バス、マイクロバスなど、車室内を区切ったコンパートメントのそれぞれに一以上の乗員が乗車可能なサイズの車両であってもよい。利用許可部a554は、例えば、認証部a556による認証が成功した場合に、予め指定されたコンパートメントの利用を許可し、例えばドアの開錠等を行う。認証部a556は、乗車してくるサービス利用者Uまたはサービス提供者Sの本人確認等の認証を行う。
車両管理装置a510は、例えば、以下のような内容を含む車両情報をサービス管理装置a700に送信する。
[車両情報]
・車両ID
・位置情報(緯度、高度、経度)
・コンパートメント利用状況(利用中のコンパートメントに関して利用中のサービス利用者のユーザID、利用可能なコンパートメントの情報など)
・走行状態(速度、加速度、角速度、車載機器の状態など)
・サービス提供者Sの情報(サービス提供者のID、実施中のサービスの情報、サービス実施経過時間等)
図44は、サービス提供者装置a600の構成の一例を示す図である。サービス提供者装置a600は、例えば、複数のサービス提供者の状態を把握し、サービス管理装置a700からの発注に自動的に応答可能な装置である。サービス提供者装置a600は、例えば、通信部a610と、受注処理a部620と、状態管理部a630と、記憶部a650とを備える。
通信部a610は、ネットワークNWを介してサービス管理装置a700などと通信する。受注処理部a620は、サービス管理装置a700からのサービス発注に対して、受注処理を行う。受注処理部a620は、サービス発注の内容が、既にサービス管理装置a700に送信済のサービス提供情報の範囲内であるか否かを判定し、範囲内であると判定した場合に受注処理を先に進める。状態管理部a630は、サービス提供者装置a600に登録されたサービス提供者Sの状態(予約状態、稼働状態など)を管理し、サービス提供情報をサービス管理装置a700に提供する。
サービス提供者装置a600は、例えば、以下のような内容を含むサービス提供情報をサービス管理装置a700に送信する。サービス提供情報は、サービス提供者Sが受注可能なサービスに関連する情報である。
[サービス提供情報]
・受注ID
・サービス名称
・実行責任者情報
・サービス提供者属性情報
・サービス提供者の希望するサービス提供時間帯の情報
・必要車両コンパートメント情報
・サービス提供可能な地域の情報
・施設地点情報(車両外でのサービス提供地点情報)
・サービスステータス
[サービス管理装置]
図45は、サービス管理装置a700の構成の一例を示す図である。サービス管理装置a700は、例えば、通信部a710と、第1取得部a720と、第2取得部a722と、第3取得部a724と、車両特定部a730と、プラン決定部a740と、経路指示部a750と、認証部a760と、判定部a770と、記憶部a800とを備える。通信部a710および記憶部a800を除く構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。記憶部800は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。
通信部a710は、例えば、ネットワークNWに接続するためのネットワークカードである。通信部a710は、ネットワークNWを介して端末装置a100、車両管理装置a510、サービス提供者装置a600などと通信する。
第1取得部a720は、通信部a710を介して、端末装置a100からサービス利用依頼情報を取得する。第2取得部a722は、通信部710を介して、予め登録された車両a500の車両管理装置a510から車両情報を取得する。第3取得部a724は、通信部a710を介して、サービス提供者端末a600から、サービス提供情報を取得する。
車両特定部a730は、サービス利用依頼情報と車両情報に基づいて、利用可能な車両a500を特定し、利用可能車両情報a820を生成する。具体的に、車両特定部a730は、サービス利用依頼情報に含まれる利用希望空間情報、利用希望区間情報、サービス利用の時間帯の情報と、車両情報に含まれる位置情報、コンパートメント利用状況とを比較し、位置情報とコンパートメント利用状況とが、サービス利用依頼情報に含まれる条件を満たす車両を、利用可能な車両a500として特定する。
プラン決定部a740は、利用可能車両情報a820およびサービス提供情報に基づいて、サービス利用者Uが享受可能な可用サービスを特定し、特定した可用サービスに関する情報をサービス利用者Uの端末装置a100に提供する。
より具体的に、プラン決定部a740は、利用可能車両情報a820およびサービス提供情報に基づいて、サービス提供者Sが車両a500の少なくとも一部(例えば、コンパートメント)を占有する第2区間を設定し、サービス利用依頼情報における利用希望区間情報(第1区間の情報)と第2区間の重複部分に基づいて、サービス利用者Uおよびサービス提供者Sが車両a500の少なくとも一部を占有する第3区間を設定する。なお、プラン決定部a740は、第1区間の設定前に、サービス提供者Sが既に車両a500に乗車している場合、第1区間の設定と同時に、車両a500の現在位置を起点として第2区間を設定してよい。
また、プラン決定部a740は、サービス提供情報に含まれるサービス提供可能な地域の情報と、第1区間の重複範囲内で、第3区間を設定する。更に、プラン決定部a740は、サービス利用者Uが車両a500の少なくとも一部を占有する時間帯が、サービス利用者の希望するサービス利用時間帯の情報と合致するように、且つ、サービス提供者が前記車両を占有する時間帯が、サービス提供者の希望するサービス提供時間帯の情報と合致するように、第3区間を設定する。「時間帯」とは、開始時刻や終了時刻といった時刻と、時間の長さとを含むものである。プラン決定部a740は、例えば、サービス利用者Uの希望するサービス利用時間帯がサービス提供者Sの希望するサービス提供時間帯に収まらない場合、サービス利用者Uが車両a500の少なくとも一部を占有する時間帯を、サービス利用者Uの希望するサービス利用時間帯よりも制限し、サービス提供時間帯に収まるように調整してもよい。この逆に、プラン決定部a740は、例えば、サービス提供者Sの希望するサービス提供時間帯がサービス利用者の希望するサービス利用時間帯に収まらない場合、サービス提供者Sが車両a500の少なくとも一部を占有する時間帯を、サービス提供者Sの希望するサービス提供時間帯よりも制限し、サービス利用時間帯に収まるように調整してもよい。そして、プラン決定部a740は、設定した第3区間に基づいて可用サービスを特定する。
また、プラン決定部a740は、あるサービス利用者Uに対して、複数のサービス提供者Sが順次サービスを提供する場合、複数のサービス提供者Sのそれぞれに対応して第2区間を設定し、それぞれの第2区間に対応した複数の第3区間を設定してもよい。
他の機能として、プラン決定部a740は、端末装置a100を用いたサービス利用者Uからの指示に応じて、第1区間が車両外でのサービス提供地点で終了するように、前記第1区間を更新してもよい。この場合、プラン決定部740は、端末装置a100を用いたサービス利用者Uからの指示に応じて(あるいは自動的に)、通信部710を用いて、車両外でのサービス提供地点に存在する施設に対して予約情報を送信し、通信部a710によって予約結果を受信すると共に、通信部a710を用いて予約結果をサービス利用者Uの端末装置a100に送信してもよい。
経路指示部a750は、通信部a710に、サービス利用者Uの利用開始位置および利用終了位置の情報と、サービス提供者Sの利用開始位置および利用終了位置の情報とを、車両a500に送信させることで、車両a500が走行すべき経路を車両a500に指示する。
認証部a760は、端末装置a100との通信によるサービス利用者Uの認証を行ったり、サービス提供開始時の認証を行ったりする。
判定部a770は、サービス利用者Uと、サービス提供者Sのそれぞれについて、車両a500を利用しているか否かを判定する。
プラン決定部a740は、判定部770の判定結果を利用して各種の処理を行う。例えば、プラン決定部a740は、判定部a770によりサービス利用者Uとサービス提供者Sの双方が車両a500を利用していると判定した場合のみ、第1区間の変更を受け付ける(第1区間を更新する)ようにしてもよい。このケースは、例えば、サービス提供者Sがサービス利用者Uに提案して目的地を変更したり、車両a500側に提供する情報に基づいてサービス中に最終目的地を変更したりする場合に生じる。また、プラン決定部a740は、第1取得部a720がサービス利用依頼情報を受信した時点において、判定部a770が、サービス利用者Uが既に車両a500を利用していると判定した場合(すなわちサービス利用中に、サービス延長あるいは別のサービスの依頼を行った場合)、当該利用中の車両a500を優先的にサービス利用者Uに割り当てるようにしてもよい。
記憶部a800には、登録されたサービス利用者Uに関する利用者情報a810、前述した利用可能車両情報a820の他、サービス管理情報a830が格納される。サービス管理情報a830は、例えば、サービス依頼管理情報a832と、予約管理情報a834と、実行中サービス管理情報a836とを含む。サービス依頼管理情報a832には、第1取得部a720により取得されたサービス利用依頼情報のそれぞれがレコードとして登録される。予約管理情報a834には、予約利用区間、予約利用時間帯、経由地、経由地予定到着時刻などの情報が、サービスごとに格納される。実行中サービス管理情報a836には、サービスステータスやサービス属性、サービス提供者IDなどの情報が登録される。
図46は、サービス提供システムa2において実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、サービス依頼者A(サービス利用者U)が、端末装置a100を用いてサービス管理装置a700の認証部a760に対してユーザ認証を行う(ステップS200a)。認証部a760による認証が成功すると、サービス依頼者A(サービス利用者U)は、端末装置a100を用いて、サービス利用依頼情報をサービス管理装置a700に送信する(ステップS202a)。サービス利用依頼情報は第1取得部によって取得され、サービス依頼管理情報a832として記憶部a800に格納される。
サービス利用依頼情報が取得されると、サービス管理装置a700の第3取得部a724は、サービス提供者装置600aに、サービス提供情報の問い合わせを行う(ステップS204a)。提供するサービスの属性やサービス事業者に応じて複数のサービス提供者装置a600が存在してもよく、その場合、第3取得部a724は、複数のサービス提供者装置a600に対して一斉に問い合わせを行ってよい。サービス提供者装置a600の状態管理部a630は、受注可能なサービスに関連する(受注可能なサービスの内容を示す)サービス提供情報をサービス管理装置a700に返信する(ステップS206a)。
一方、サービス管理装置a700の第2取得部a722は、車両管理装置a510に、利用状況(車両情報)の問い合わせを行う(ステップS208a)。車両管理装置a510の車両/コンパートメント管理部a550は、利用状況検知部a552により検知された利用状況をサービス管理装置a700に返信する(ステップS210a)。なお、ステップS208aおよびステップS210aの処理は、フローチャートに示す処理とは非同期に、任意のタイミングで随時行われてよい。
次に、車両特定部a730は、サービス利用依頼情報とステップS210aで取得された情報とに基づいて、利用可能な車両を特定し、利用可能車両情報を生成する(ステップS212a)。ステップS212aにおいて複数の車両が特定されてもよく、その場合、後述するステップS224aまでの間に、最終的な車両の特定が行われてもよい。そして、プラン決定部a740が、利用可能車両情報と、ステップS206aで取得された受注可能なサービス提供情報とに基づいて、サービス利用者が享受可能な可用サービスを特定し(ステップS212a)、特定した可用サービスの内容を示す可用サービス情報を端末装置100に送信する(ステップS214a)。
サービス申込者A(サービス利用者U)は、可用サービス情報を閲覧し、その結果、端末装置a100を用いてサービス管理装置a700に対してサービス発注を行う(ステップS216a)。サービス管理装置a700のプラン決定部a740は、ステップS216aで受注したサービスのうちサービス提供者が担う部分を抜き出して、サービス提供者装置a600に対してサービス発注を行う(ステップS218a)。
サービス提供者装置a600の受注処理部a620は、サービス受注した旨をサービス管理装置a700に送信する(ステップS220a)。これに併せて、受注処理部a620は、サービス提供者の端末装置(本実施形態では不図示)に、受注内容を送信する。
サービス提供者装置a600から受注した旨を受信すると、サービス管理装置700の経路指示部a750は、サービス提供のための車両a500が走行すべき経路を設定する(ステップS222a)。
次に、サービス管理装置a700の認証部a760が、サービス開始のための認証処理をサービス提供者装置a600および車両a500の認証部a530に対して行い、経路指示部a750が、ステップS222aで設定した経路を車両a500に指示し、サービス提供者装置a600がサービス開始の認証を行うと共に、必要に応じて最終的な車両の特定を行い、車両a500の車両管理装置a510では認証部a530が車両側での認証を行うと共に、指示された経路での走行を開始または予定する(ステップS224a)。
その後、サービス利用者Uが車両a500に乗車し(ステップS226a)、付加サービスが提示可能となったときに、プラン決定部a740が付加サービスを端末装置a100に提示する(ステップS228a)。サービス利用者が付加サービスの内容を閲覧して、端末装置a100を用いて付加サービスを発注すると(ステップS230)、サービス管理装置a700のプラン決定部a740は、サービス提供者装置a600に対して、付加サービスについてサービス発注を行う(ステップS232a)。サービス提供者装置a600の受注処理部a620は、付加サービスを受注した旨を示す情報をサービス管理装置a700に送信する(ステップS234a)。付加サービスを受注した旨を示す情報を受信すると、サービス管理装置a700の経路指示部a750は、経路の修正や目的地変更を、車両a500に指示する(ステップS236a)。
以上説明した第2の実施形態の第4変形例によれば、第2の実施形態と同様の効果を奏するのに加えて、予め登録された車両a500の候補から車両情報を取得し、サービス利用依頼情報に基づいて利用可能な車両a500を特定するため、車両a500のより積極的な利用を促進することができる。
例えば、サービス管理装置a300(a700)は、車両a200(a500)に搭載されてもよい。
また、車両a200(a500)が手動運転車両である場合、通信部a310(a710)は、ネットワークNWを介して車両a200(a500)の運転者の端末装置と通信してよい。
また、車両a200(a500)は、遠隔地から遠隔操作される遠隔操作車両であってもよい。この場合、車両a200(a500)は、外界監視ユニットa210により取得される各種情報を通信装置a220によって外部装置に送信する。外部装置では、受信した各種情報に基づいて車両a200(a500)の周辺状況を示す画像を生成し(あるいは再生し)、遠隔操作者に提示する。この際に、通信による遅延をカバーするため、先読み処理によって画像等が補正されてもよい。遠隔操作者は、提示された画像に基づいて運転操作子を操作する。運転操作子に対してなされた操作の内容は、車両a200(a500)に送信され、車両a200(a500)は受信した操作の内容に基づいて走行する。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態について説明する。第3の実施形態では、第1の実施形態に示す車両が適用可能な送迎管理装置、送迎管理方法、および車両の実施形態について説明する。本システムにおいて配車される車両は、例えば、基本的には運転操作を必要としない自動運転車両である。また、配車される車両は、配車されていない状態において、各所に用意された車両ステーションで待機しており、目的地に到着した後、目的地の近くの空きがある車両ステーションに移動し、待機する。
図47は、配車システムb1の構成図である。配車システムb1は、一以上の車両b100と、一以上の施設端末b200と、一以上の利用者端末b300と、送迎管理装置b400とを備える。これらの構成要素は、ネットワークNWを介して互いに通信可能である。ネットワークNWは、インターネット、WAN、LAN、公衆回線、プロバイダ装置、専用回線、無線基地局などを含む。
[車両]
車両b100は、例えば、複数の利用者が乗車可能な四輪以上の車輪を有する車両である。図48は、車両b100の構成図である。車両b100は、例えば、外界監視ユニットb110と、通信装置b120と、ナビゲーション装置b130と、推奨車線決定装置b140と、自動運転制御ユニットb150と、駆動力出力装置b160と、ブレーキ装置b162と、ステアリング装置b164と、配車管理ユニットb170とを備える。外界監視ユニットb110、通信装置b120、ナビゲーション装置b130、推奨車線決定装置b140、自動運転制御ユニットb150、駆動力出力装置b160、ブレーキ装置b162、およびステアリング装置b164のそれぞれは、例えば、上述した第2の実施形態において紹介した図26の外界監視ユニットa210、通信装置a220、ナビゲーション装置a230、推奨車線決定装置a240、自動運転制御ユニットa250、駆動力出力装置a260、ブレーキ装置a262、およびステアリング装置a264と同様の構成を備えるため、ここでの詳細な説明を省略する。また、第3の実施形態における自動運転の処理過程については、第1の実施形態において紹介した図3並びに関連する説明を援用し、詳細な説明を省略する。
配車管理ユニットb170は、入出力部b171と、記憶部b172と、配車制御部b173と、ステータス取得部b174と、利用者情報取得部b175と、オーダー取得部b176とを備える。
入出力部b171は、例えば、マウス、キーボード、タッチパネル、マイク、センサ、カメラ等の入力部と、例えば、ディスプレイ、スピーカ等の出力部とを含む。記憶部b172は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。
配車制御部b173、ステータス取得部b174、利用者情報取得部b175、およびオーダー取得部b176は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部b172に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
配車制御部b173は、通信装置b120を用いて送迎管理装置b400から受信した送迎スケジュールに基づいて、ナビ設定情報をナビ制御装置b136に設定する。送迎スケジュールとは、施設の予約に関連して予約された送迎車を施設の予約内容に合わせて走行させるためのスケジュールであって、ピックアップ位置の位置情報、ピックアップ位置への到着時刻、目的地の位置情報、目的地への到着時刻、乗車人数等が含まれる。ピックアップ位置とは、利用者を乗車させる位置である。ナビ設定情報には、ピックアップ位置、ピックアップ位置への到着時刻、目的地、目的地への到着時刻等が含まれる。
ステータス取得部b174は、車両の移動状況を含む情報(以下、ステータス情報と記す)を取得し、通信装置b120を用いて送迎管理装置b400に送信する。ステータス情報には、GNSS受信機b134によって測位された車両b100の位置に日時を対応付けた情報や、ナビ制御装置b136により取得された到着目標時刻を示す情報等が含まれる。また、ステータス取得部b174は、GNSS受信機b134によって測位された車両b100の位置情報とナビ設定情報等に基づいて、配車状況や到着状況を取得し、ステータス情報に含めてもよい。配車状況には、例えば、迎車中、乗車待ち、一部乗車待ち、乗車完了、移動中、移動完了等が含まれる。到着状況には、例えば、時間通り、遅れ、渋滞中につき遅れ等が含まれる。なお、配車状況は、入出力部b171を用いて利用者により入力されてもよく、センサによる検出結果やカメラにより撮影された画像や映像に基づいて、ステータス取得部b174により解析された結果であってもよい。
利用者情報取得部b175は、例えば、入出力部b171を用いて、利用者に関する情報(以下、利用者情報と記す)を取得し、通信装置b120を用いて送迎管理装置b400に送信する。利用者情報には、例えば、乗車人数、利用者の性別、利用者の年齢、利用者の人種、利用者の好みや感想、施設に関するアンケート、手荷物の個数や重さ、車いすの有り無し、ベビーカーの有り無し等が含まれる。例えば、利用者情報取得部b175は、センサによる検出結果やカメラにより撮影された画像や映像等を解析することにより、乗車人数や利用者の性別等を取得してもよい。また、利用者情報取得部b175は、マイクにより検出された音声データ等を解析することにより、車内の利用者の会話の盛り上がり度合、利用者の満足度や感情等を取得してもよい。
オーダー取得部b176は、例えば、入出力部b171を用いて、施設が提供するサービスあるいは物品のオーダーを指示する情報(以下、オーダー指示情報と記す)を取得し、通信装置b120を用いて送迎管理装置b400に送信する。これにより、車両b100に乗車している利用者は、オンラインメニューを用いて、施設に着いたときに提供される物やサービスを事前にオーダーすることができる。
[施設端末]
施設端末b200は、利用者により予約可能な施設に設置されている端末であって、施設の管理者が使用する端末である。施設には、例えば、ホテル、旅館、レストラン、病院、美容院、カルチャースクール等が含まれる。施設端末b200は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。
図49は、施設端末b200の機能構成図である。施設端末b200は、例えば、通信装置b210と、入力部b220と、出力部b230と、記憶部b240と、制御部b250と、を備える。
通信装置b210は、例えば、ネットワークNWに接続したり、送迎管理装置400と直接的に通信したりするための通信インターフェースである。通信装置b210は、例えば、NIC(Network Interface Card)を含んでもよいし、Wi−Fi、DSRC(Dedicated Short Range Communications)、Bluetooth(登録商標)、その他の通信規格に基づいて無線通信を行ってもよい。通信装置b210として、用途に応じた複数のものが用意されてもよい。
入力部b220は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル、マイク等で含む。出力部b230は、例えば、ディスプレイ、スピーカ等を含む。記憶部b240は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。
制御部b250は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部b240に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。例えば、制御部b250は、送迎管理装置400から受信した情報に基づいて、ブラウザによって閲覧されるウェブページや、アプリケーションプログラムによって閲覧されるアプリページ等を、出力部b230に表示する。
[利用者端末]
利用者端末b300は、利用者が使用する端末である。利用者端末b300は、例えば、パーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット端末等である。図50は、利用者端末b300の機能構成図である。利用者端末b300は、例えば、通信装置b310と、入力部b320と、出力部b330と、記憶部b340と、制御部b350と、GNSS受信機b360とを備える。なお、車両b100および施設端末b200と同じ構成については、同一の名称を用いて、詳細な説明は省略する。
ここで、図51,52を参照し、利用者端末b300の出力部b330に表示される操作画面の一例について説明する。図51は、施設予約画面の一例を示す図である。施設予約画面b370は、入力部b320を用いて利用者により施設予約が要求された場合に表示される操作画面である。施設予約画面b370には、施設予約内容b371と、送迎サービス内容b372と、予約ボタンb373とが含まれる。
施設予約内容b371は、施設の予約に必要な項目を表示するとともに、利用者からの選択や入力を項目ごとに受け付ける操作画面である。施設予約内容b371には、例えば、日時、施設名、利用人数、利用者氏名、連絡先、特記事項、送迎サービス等の項目が含まれる。
送迎サービス内容b372は、配車の予約に必要な項目を表示するとともに、利用者からの選択や入力を項目ごとに受け付ける操作画面である。送迎サービス内容b372には、例えば、往路もしくは復路あるいはその両方のいずれかを選択する項目や、駅や空港などのピックアップ位置や目的地等への到着あるいは出発時刻を選択する項目等が含まれる。
予約ボタンb373は、施設予約内容b371や送迎サービス内容b372に表示されている内容での予約を受け付ける操作ボタンである。予約ボタンb373が操作されると、制御部b350は、施設予約内容b371や送迎サービス内容b372に表示されている予約内容に基づいて施設予約情報を作成し、通信装置b310を用いて送迎管理装置b400に送信する。
制御部b350は、施設予約情報を送信した後、通信装置b310を用いて送迎管理装置b400から受信した情報に基づいて、配車予約画面を出力部b330に表示させる。なお、本実施形態では、施設予約情報に基づいて送迎管理装置b400により作成された送迎スケジュールを配車予約画面に表示して、利用者に送迎内容を確認させた上で、送迎車の予約を受け付ける例について説明するが、本発明はこれに限られない。例えば、利用者に送迎内容を確認させることなく、送迎管理装置b400が、施設予約情報を受信することにより、施設の予約と送迎車の予約の両方を受け付けるようにしてもよい。
図52は、配車予約画面の一例を示す図である。配車予約画面b380は、送迎管理装置b400により施設予約情報に基づいて作成された送迎スケジュールを表示する操作画面である。配車予約画面b380には、送迎内容b381と、予約ボタンb382とが含まれる。
送迎内容b381は、配車の予約に必要な項目ごとに送迎管理装置b400により作成された送迎スケジュールを表示するとともに、利用者から送迎スケジュールの一部の編集を受け付ける操作画面である。送迎内容b381には、例えば、日時、利用人数、ピックアップ位置、ピックアップ位置への到着時刻、目的地、目的地への到着時刻等の項目が含まれる。
予約ボタンb382は、送迎内容b381に表示されている内容での予約を受け付ける操作ボタンである。予約ボタンb382が操作されると、制御部b350は、送迎内容b381に表示されている予約内容に基づいて配車予約情報を作成し、通信装置b310を用いて送迎管理装置b400に送信する。ここで、制御部b350は、送迎内容に変更がない場合にはその旨を配車予約情報に含めてもよく、送迎内容の変更点だけを配車予約情報に含めてもよい。
[送迎管理装置]
次に、図53〜57を参照して、送迎管理装置b400について説明する。図53は、送迎管理装置b400の機能構成図である。送迎管理装置b400は、例えば、通信装置b410と、記憶部b420と、制御部b430とを備える。通信装置b310は、例えば、ネットワークNWに接続するためのNICである。通信装置b310は、ネットワークNWを介して、車両b100、施設端末b200、および利用者端末b300と通信する。記憶部b420は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。
制御部b430は、施設予約部b431と、配車予約部b432と、配車管理部b433と、取得部b434と、ステータス管理部b435とを含む。これら構成の一部または全部は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部b420に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
施設予約部b431は、通信装置b410およびネットワークNWを介して、利用者端末b300から受信した施設予約情報に基づいて、施設を予約する。施設予約情報とは、利用者により予約される施設に関する予約内容であって、例えば、予約日時、施設の名称や住所、予約人数、利用者氏名、連絡先、特記事項、送迎サービス等が含まれる。施設予約部b431は、施設を予約する処理において、ネットワークNWを介して接続される外部サーバを参照して、利用者により指定された施設の空き状況を取得し、利用者端末b300に送信してもよい。施設予約部b431は、受信した施設予約情報に基づいて、記憶部b420の施設予約情報b421に各種情報を格納する。また、施設予約部b431は、利用者による過去の施設予約の状況に基づいて、利用者の信頼性を示す情報を作成し、施設予約情報b421の中に含めてもよい。利用者の信頼性は、例えば、予約のキャンセル率に応じた評価値や、利用頻度に応じた評価値等を含む。
施設予約情報b421は、各施設の予約内容を示す情報である。図54は、施設予約情報b421の一例を示す図である。図54に示す通り、施設予約情報b421は、予約管理キーに、ユーザ管理キーと、施設管理キーと、施設予約内容と、オプションサービス情報と、予約ステータスとを対応付けた情報である。予約管理キーは、各予約を識別するための固有の情報である。ユーザ管理キーは、各利用者を識別するための固有の情報である。施設管理キーは、各施設を識別するための固有の情報である。施設予約内容には、予約日時、施設の名称や住所、予約人数、利用者氏名、連絡先、特記事項等が含まれる。オプションサービス情報には、送迎サービス等のオプションサービスの提供を希望するか否かを示す情報が含まれる。予約ステータスは、施設予約の状態を示す情報であって、例えば、予約準備中、予約完了、キャンセル済等が含まれる。
配車予約部b432は、通信装置b410およびネットワークNWを介して、利用者端末b300から受信した施設予約情報に基づいて送迎スケジュールを作成し、施設の送迎車を予約する。配車予約部b432は、利用者の指定に基づいて、施設への往路もしくは復路あるいはその両方について、送迎車を予約する。配車予約部432は、送迎車を予約する前に、施設予約情報に基づいて作成した送迎スケジュールを利用者端末b300に送信し、利用者から予約の指示を受け付けた上で、送迎車を予約してもよい。
配車予約部b432は、施設予約情報に基づいて、施設を目的地あるいは出発地として、指定された到着時刻に間に合うような送迎スケジュールを作成する。例えば、配車予約部b432は、施設予約情報に含まれる予約日時、予約人数、施設名等に基づいて、送迎車の予約日時、予約人数、ピックアップ位置あるいは目的地とそれらの到着時刻等の送迎スケジュールを決定する。また、配車予約部b432は、施設予約情報に加え、施設までの移動手段(例えば、飛行機や新幹線)に関する情報等を利用者端末b300から受信して、空港の到着時刻に応じたホテルまでの送迎スケジュールや、駅の到着時刻に応じたレストランまでの送迎スケジュールを作成し、利用者端末b300に送信してもよい。配車予約部b432は、作成した送迎スケジュールに基づいて配車が予約された場合、作成した送迎スケジュールに基づいて、記憶部b420の配車予約情報b422に各種情報を格納する。また、配車予約部b432は、利用者による過去の配車予約の状況に基づいて、利用者の信頼性を示す情報を作成し、配車予約情報b422の中に含めてもよい。
配車予約情報b422は、各送迎車の予約内容を示す情報である。図55は、配車予約情報b422の一例を示す図である。図55に示す通り、配車予約情報b422は、予約管理キーに、ユーザ管理キーと、車両IDと、送迎スケジュールと、予約ステータスとを対応付けた情報である。車両IDは、各車両を識別するための固有の情報である。
配車管理部b433は、配車予約部b432により予約された送迎車を、予約内容に基づいて配車する。配車管理部b433による配車には、各送迎スケジュールの通りに利用者を送迎する送迎車を割り当てる処理(以下、割り当て処理と記す)と、割り当てられた送迎車に対して送迎スケジュールに応じた自動運転をするよう指示する処理(以下、運転指示処理と記す)とが含まれる。
割り当て処理において、配車管理部b433は、予め決められた割り当て期間(例えば、翌日の0時から24時までの期間)に該当する予約内容を配車予約情報b422から読み出し、読み出した情報に含まれる送迎スケジュールごとに、担当する車両b100を割り当てる。例えば、配車管理部b433は、予約された利用人数を乗車可能な車種の車両であって、予約されている到着時刻に間に合うようにピックアップ位置および目的地に行くことが可能な車両を、前後の予約状態に基づいて車両情報b424に登録されている車両b100の中から選択する。車両情報b424は、車両b100に関する情報であって、例えば、車両ID、車両b100が駐車されている車両ステーション、車両b100の現在位置(緯度、経度、高度)、車両b100と通信するための必要なアドレス、走行状態を対応付けた情報である。
また、配車管理部b433は、送迎道路以外の渋滞等により送迎スケジュールに遅れがでないように前回の目的地から次回のピックアップ位置までの移動距離を最小限とするような車両b100を割り当ててもよい。また、配車管理部b433は、所定範囲内の施設への送迎に必要な台数の車両b100を所定の車両ステーションに待機させるように車両b100を割り当ててもよい。配車管理部b433は、担当する車両b100の車両IDに、割り当てられた送迎スケジュールの内容を対応付けて、配車ステータス情報b423に書き込む。なお、配車ステータス情報b423に書き込まれた直後において、全ての配車ステータスは、未配車である。
なお、送迎スケジュールが作成される際、施設予約情報に含まれる予約時刻が割り当て期間に含まれる場合、配車予約部b432は、施設予約情報b421および配車ステータス情報b423の両方を参照して、利用者の送迎に適したスケジュールであって、且つ、送迎車を割り当て可能な送迎スケジュールを作成してもよい。例えば、配車予約部b432は、施設予約情報b421に含まれる予約日時、予約人数、施設名等に基づいて、送迎車の予約日時、予約人数、ピックアップ位置あるいは目的地とそれらの到着時刻等を含む第1スケジュールを作成し、第1スケジュールに従って配車可能な車両b100がある場合は、第1スケジュールを送迎スケジュールとする。一方、第1スケジュールに従って配車可能な車両b100がない場合、配車予約部432は、車両b100を割り当てられるように第1スケジュールの一部あるいは全部を変更して第2スケジュールを作成し、送迎スケジュールとする。これにより、数日前に施設を予約する場合は、車両b100のステータスに関係なく利用者の希望に沿ったスケジュールで送迎車を予約することができ、数時間前に施設を予約する場合は、配車可能なスケジュールで送迎車を予約することができる。
運転指示処理において、配車管理部b433は、所定のタイミングにおいて、通信装置b410を用いて車両b100に、送迎スケジュールとともに運転開始指示を送信し、配車ステータス情報b423の配車ステータスを、送迎中に書き換える。
配車ステータス情報b423は、配車予約された車両あるいは配車中の車両に関する情報を含み、例えば、車両b100に設定される情報や配車状況を示す情報を含む。図56は、配車ステータス情報b423の一例を示す図である。図56に示す通り、配車ステータス情報b423は、車両IDに、利用日時と、利用人数と、ピックアップ位置とその到着時刻、目的地とその到着時刻、配車ステータスとを対応付けた情報である。配車ステータスは、配車された車両b100の配車状況を示す情報であって、例えば、配車管理部b433により更新される。
取得部b434は、配車管理部b433により配車された車両b100から移動状況、配車状況、および到着状況等を取得する。例えば、取得部b434は、通信装置b410を用いて車両b100から定期的に送信されるステータス情報を受信し、受信したステータス情報に基づいて、記憶部b420の移動ステータス情報b425に各種情報を書き込む。
移動ステータス情報b425は、配車中の車両b100の状況を示す情報である。図57は、移動ステータス情報b425の一例を示す図である。図57に示す通り、移動ステータス情報b425は、計測日時に、現在の車両b100の位置情報と、現時点でのピックアップ位置への到着目標時刻と、現時点での目的地への到着目標時刻と、配車ステータスと、到着ステータスとを対応付けた情報であって、例えば、車両b100ごとに用意されたテーブルに格納される。計測日時は、車両b100においてステータス情報が作成された日時である。位置情報は、計測日時において車両b100のGNSS受信機b134により測位された車両b100の位置を示す情報である。到着目標時刻は、計測日時において車両b100のナビ制御装置b136により導出された到着目標時刻である。到着ステータスは、配車された車両b100の到着状況を示す情報であって、例えば、計測日時において車両b100のステータス取得部b174により取得された到着状況である。
ステータス管理部b435は、通信装置b410を用いて、取得部b434により取得された移動状況を、利用者端末b300あるいは施設端末b200のうち少なくとも一方に通知する。ステータス管理部b435は、移動ステータス情報b425を参照し、配車ステータスが変化したタイミングで配車ステータスに応じたメッセージを通知してもよく、車両b100に遅れが生じたタイミングで到着ステータスに応じたメッセージを通知してもよい。例えば、ステータス管理部b435は、配車管理部433により配車された車両b100に利用者が乗車した後、施設への移動を開始したこと、または施設への到着目標時刻を、施設端末b200に通知する。
ステータス管理部b435は、取得部b434により取得された乗車人数を示す情報に基づいて、乗車人数が予約された人数と異なるか否かを判定し、両者が異なる場合、予約人数の変更を、施設端末b200に通知する。また、ステータス管理部b435は、取得部b434により取得されたオーダー指示情報を、対応する施設端末b200に通知する。
ステータス管理部b435は、配車管理部b433により配車された車両b100のピックアップ位置への到着時刻あるいは目的地への到着時刻が遅れている場合、その旨を利用者端末b300あるいは施設端末b200のうち少なくとも一方に通知し、配車の予約についての変更あるいはキャンセル、もしくは施設の予約の変更あるいはキャンセルのうち少なくとも一つを受け付ける。変更には、利用時間の延長、利用日の延期、ピックアップ位置や目的地の変更等が含まれる。また、ステータス管理部b435は、配車管理部b433により配車された車両b100のピックアップ位置への到着時刻あるいは目的地への到着時刻の遅れが通知された利用者から、配車のキャンセルや変更または施設予約の変更のいずれも受け付けられなかった場合、配車のキャンセルおよび施設のキャンセルの両方を受け付けてもよい。
ステータス管理部b435は、移動ステータス情報b425を参照し、配車ステータスが変化したタイミングで、配車ステータス情報b423の配車ステータスを更新する。
[フローチャート]
次に、図58,59を参照して、車両b100における処理動作の一例について説明する。図58,59は、車両b100における処理動作の一例を示すフローチャートである。
まず、配車制御部b173は、通信装置b120を用いて送迎管理装置b400から、運転開始指示を受信したか否かを判定する(ステップS101b)。運転開始指示を受信したと判定した場合、配車制御部b173は、運転開始指示とともに受信した送迎スケジュールに基づいて、運転を開始するようナビゲーション装置b130と自動運転制御ユニットb150に指示する(ステップS102b)。これにより、送迎スケジュールに応じたピックアップ位置や目的地とそれらの到着時刻に応じた経路がナビゲーション装置b130において設定され、自動運転制御ユニットb150は、設定された経路に従って自動運転を開始する。
ステータス取得部b174は、予め決められた第1通知タイミングであるか否かを判定する(ステップS103b)。第1通知タイミングとは、車両b100が迎車中にステータス情報を通知する予め決められたタイミングであって、例えば、自動運転を開始したタイミング、ピックアップ位置への到着目標時刻が予約の到着時刻よりも遅れたタイミング、ピックアップ位置に到着したタイミング、利用者を車両b100に乗車させたタイミング、前回の通知から所定の時間が経過したタイミング等が含まれる。第1通知タイミングであると判定した場合、ステータス取得部b174は、ステータス情報を取得し、通信装置b120を用いて送迎管理装置b400に送信する(ステップS104b)。
配車制御部b173は、通信装置b120を用いて送迎管理装置b400から、配車キャンセル指示を受信したか否かを判定する(ステップS105b)。配車キャンセル指示を受信した場合、配車制御部b173は、ナビゲーション装置130と自動運転制御ユニットb150に対して、設定されている経路に従った自動運転の終了を指示する(ステップS106b)。ここで、ナビゲーション装置b130は、HMIb131を用いて、利用者から新たな目的地の設定を受け付けてもよい。なお、配車制御部b173は、通信装置b120を用いて送迎管理装置b400から、ピックアップ位置や目的地の変更、これらの到着時刻の変更指示を受信した場合、ナビゲーション装置b130と自動運転制御ユニットb150に対して、ナビ設定情報の変更を指示する。
ステータス取得部b174は、利用者の全員が車両b100に乗車したか否かを判定する(ステップS107b)。例えば、ステータス取得部b174は、GNSS受信機b134によって測位された車両b100の位置に基づいて、予め決められていたピックアップ位置の全てを通過した場合、利用者の全員が車両b100に乗車したと判定する。また、ステータス取得部b174は、入出力部b171を用いて利用者により、利用者の全員が車両b100に乗車したことが入力された場合や、車内を撮影した画像の解析結果により得られる乗車人数と予約された利用人数とが一致した場合、利用者の全員が車両b100に乗車したと判定してもよい。利用者の全員が車両b100に乗車したと判定した場合、ステータス取得部b174は、配車状況が乗車完了であることを含めたステータス情報を作成し、通信装置b120を用いて送迎管理装置b400に送信する(ステップS108b)。
ステータス取得部b174は、予め決められた第2通知タイミングであるか否かを判定する(ステップS109b)。第2通知タイミングとは、車両b100に利用者全員が乗車している間にステータス情報を通知する予め決められたタイミングであって、例えば、利用者全員を車両b100に乗車させたタイミング、目的地への到着目標時刻が予約の到着時刻よりも遅れたタイミング、前回の通知から所定の時間が経過したタイミング等が含まれる。第2通知タイミングであると判定した場合、ステータス取得部b174は、ステータス情報を取得し、通信装置b120を用いて送迎管理装置b400に送信する(ステップS110b)。
利用者情報取得部b175は、利用者情報を取得したか否かを判定する(ステップS111b)。例えば、入出力部b171を用いて利用者から、乗車人数と利用者の性別や年齢の入力を受け付けた場合、利用者情報取得部b175は、乗車人数と利用者の性別と年齢を含む利用者情報を作成し、通信装置b120を用いて送迎管理装置b400に送信する(ステップS112b)。
オーダー取得部b176は、オーダー指示情報を取得したか否かを判定する(ステップS113b)。例えば、入出力部b171を用いて利用者により、オンラインメニューの中から少なくとも一つのメニューが選択された場合、オーダー取得部b176は、選択されたメニューの注文を依頼するオーダー指示情報を作成し、通信装置b120を用いて送迎管理装置b400に送信する(ステップS114b)。
配車制御部b173は、ナビ制御装置b136からの出力に基づいて、目的地に到着したか否かを判定する(ステップS115b)。ナビ制御装置b136は、GNSS受信機b134により測位される車両b100の位置が目的地の所定範囲内に入った場合、目的地に到着したことを配車制御部b173に通知する。目的地に到着したことが通知された場合、配車制御部b173は、車両ステーションを次の目的地に設定し、自動運転するようナビゲーション装置b130と自動運転制御ユニットb150に指示する(ステップS116b)。なお、車両ステーションに向けて移動中に新たな送迎スケジュールを受信した場合、配車制御部b173は、ステップS101bに移行する。
次に、図60,61,62を参照して、送迎管理装置400bにおける処理動作の一例について説明する。図60,61,62は、送迎管理装置400bにおける処理動作の一例を示すフローチャートである。
まず、施設予約部b431が、通信装置b410を用いて利用者端末b300から、施設予約情報を受信したか否かを判定する(ステップS201b)。施設予約情報を受信したと判定した場合、施設予約部b431は、施設予約を管理する外部サーバを参照し、受信した施設予約情報に示される内容の施設が予約可能か否かを判定する。予約可能である場合、施設予約部b431は、受信した施設予約情報に基づいて、記憶部b420の施設予約情報b421に各種情報を格納する(ステップS202b)。これにより、施設予約情報に示される内容の施設が予約される。なお、予約可能でない場合、施設予約部b431は、通信装置b410を用いて利用者端末b300に、その旨を通知して、別の内容で予約を受け付けてもよい。
次いで、施設予約部b431は、受信した施設予約情報に、送迎サービスの提供を希望する内容が含まれているか否かを判定する(ステップS203b)。施設予約情報に送迎サービスの提供を希望する内容が含まれていると判定した場合、施設予約部b431は、配車予約部b432に対して、送迎スケジュールの作成を指示する。そして、配車予約部b432は、施設予約情報に含まれる予約時刻が、既に割り当て処理が終了している割り当て期間に含まれているか否かを判定する(ステップS204b)。予約時刻が既に割り当て処理が終了している割り当て期間に含まれていない場合、配車予約部b432は、施設予約情報b421を参照して、送迎スケジュールを作成し、通信装置b410を用いて利用者端末b300に送信する(ステップS205b)。一方、予約時刻が既に割り当て処理が終了している割り当て期間に含まれている場合、配車予約部b432は、施設予約情報b421および配車ステータス情報b423の両方を参照して、車両b100を配車可能な送迎スケジュールを作成し、通信装置b410を用いて利用者端末b300に送信する(ステップS206b)。
配車予約部b432は、通信装置b410を用いて利用者端末b300から、配車予約の指示を受信したか否かを判定する(ステップS207b)。配車予約の指示を受信したと判定した場合、配車予約部b432は、利用者端末b300に送信した送迎スケジュールに基づいて、予約された内容を、記憶部b420の配車予約情報b422に格納する(ステップS208b)。これにより、予約された施設の送迎車が予約される。
配車管理部b433は、割り当て処理を実行し、配車ステータス情報b423に各種情報を書き込む(ステップS209b)。次いで、配車管理部b433は、配車予約情報b422を参照して、配車タイミングか否かを判定する(ステップS210b)。配車タイミングは、送迎車をピックアップ位置へ向かわせる時刻であって、決められた到着時刻以前にピックアップ位置に到着するように、車両b100の現在位置からピックアップ位置までの移動時間を逆算して導出される。配車タイミングに到達した場合、配車管理部b433は、配車予約情報b422から読み出した送迎スケジュールと共に運転開始指示を、通信装置b410を用いて車両b100に送信する(ステップS211b)。また、配車管理部b433は、配車ステータス情報423において、配車された車両b100の車両IDに対応する配車ステータスを、迎車中に書き換える。
ステータス管理部b435は、移動ステータス情報b425を参照し、取得部b434により新たなステータス情報が取得されたか否かを判定する(ステップS212b)。新たなステータス情報が取得されたと判定した場合、ステータス管理部b435は、ピックアップ位置への到着が遅れるか否かを判定する(ステップS213b)。例えば、ステータス管理部b435は、移動ステータス情報b425に格納されている最新のピックアップ位置への到着目標時刻と、配車ステータス情報b423に格納されているピックアップ位置への到着時刻とを比較する。
ピックアップ位置への到着が遅れると判定した場合、ステータス管理部b435は、車両b100の移動状況と共に、配車や施設の予約キャンセルや配車や施設の予約変更を確認するための情報を、通信装置b410を用いて利用者端末b300に送信する(ステップS214b)。例えば、ステータス管理部b435は、ピックアップ位置への到着目標時刻、車両b100の現在の位置情報、および、目的地への到着目標時刻等を含む移動状況を、利用者端末b300に送信する。次いで、ステータス管理部b435は、車両b100の移動状況を、通信装置b410を用いて施設端末b200に送信する(ステップS215b)。例えば、ステータス管理部b435は、施設への到着目標時刻、あるいは遅れる時間を含む移動状況を、施設端末b200に送信する。
一方、ステップS21b2において、ステータス情報を取得していないと判定した場合、配車管理部b433は、通信装置b410を用いて、配車キャンセル指示を利用者端末b300から受信したか否かを判定する(ステップS216b)。配車キャンセル指示を受信した場合、配車管理部433は、通信装置b410を用いて、配車キャンセル指示を車両b100に送信する(ステップS217b)。また、配車管理部b433は、通信装置b410を用いて、配車がキャンセルされたことを施設端末b200に送信する(ステップS218b)。ここで、配車管理部b433は、配車の予約の変更指示を利用者端末b300から受信し、変更内容を車両100および施設端末b200に送信してもよい。また、配車管理部b433は、配車キャンセルや配車の予約変更とともに、施設への予約キャンセルや予約の変更の指示を、通信装置b410を用いて利用者端末b300から受信し、その旨を施設端末b200に転送してもよい。
一方、ステップS216bにおいて、配車管理部b433により配車キャンセル指示等を受信していないと判定された場合、ステータス管理部b435は、通信装置b410を用いて利用者端末b300から、乗車完了を示す移動ステータスを受信したか否かを判定する(ステップS219b)。乗車完了を示す移動ステータスを受信していないと判定した場合、ステータス管理部b435は、ステップS212bに戻って処理を繰り返す。
ステップS219bにおいて、乗車完了を示す移動ステータスを受信したと判定した場合、ステータス管理部b435は、通信装置b410を用いて施設端末b200に、利用者全員が車両b100に乗車したことを送信する(ステップS220b)。次いで、ステータス管理部b435は、通信装置b410を用いて車両b100から受信したステータス情報や利用者情報に基づいて、乗車員人数と予約人数とが同一か否かを判定する(ステップS221b)。乗車人数と予約人数とが同一でない場合、ステータス管理部b435は、通信装置b410を用いて施設端末b200に、予約人数を乗車人数に変更することを送信する(ステップS222b)。
次いで、ステータス管理部b435は、通信装置b410を用いて車両b100から、ステータス情報を受信したか否かを判定する(ステップS223b)。ステータス情報を受信したと判定した場合、ステータス管理部b435は、受信したステータス情報に基づいて、目的地までの到着目標時刻が予約時刻よりも遅れているか否かを判定する(ステップS224b)。到着目標時刻が予約時刻よりも遅れていると判定した場合、ステータス管理部b435は、通信装置b410を用いて施設端末b200に、車両b100の移動状況を送信する(ステップS225b)。
次いで、ステータス管理部b435は、通信装置b410を用いて車両b100から、オーダー指示を受信したか否かを判定する(ステップS226b)。オーダー指示を受信したと判定した場合、ステータス管理部435は、通信装置b410を用いて施設端末b200に、オーダー指示を送信する(ステップS227b)。
次いで、ステータス管理部b435は、通信装置b410を用いて車両b100から、目的地に到着したことを示すステータス情報を受信したか否かを判定する(ステップS228b)。目的地に到着したことを示すステータス情報を受信したと判定した場合、ステータス管理部b435は、配車ステータス情報b423および移動ステータス情報b425の配車ステータスを移動完了に書き換えるとともに、通信装置b410を用いて施設端末b200に、目的地に到着したことを送信する(ステップS229b)。
次に、図63を参照して、配車システムb1の概要について説明する。図63は、配車システムb1を利用した例について説明するための図である。図63に示す例では、ホテルb530への宿泊と、レストランb540への食事予約と、空港b520からホテルb530への送迎車と、ホテルb530からレストランb540への送迎車とが予約されているとする。
(1)まず、利用者U1が、自宅b510において、利用者端末b300を用いて、施設予約情報と配車予約情報とを送迎管理装置b400に送信し、施設と送迎車の予約をとる。
(2)送迎管理装置b400は、配車タイミングになった場合、予め割り当てられている車両b100Aを、ピックアップ位置である空港b520へ向かわせる。
(3)車両b100Aは、移動状況等のステータス情報を取得し、送迎管理装置400に通知する。
(4)空港b520への車両b100Aの到着が遅れる場合、送迎管理装置b400は、その旨をホテルb530の施設端末b200と利用者U1の利用者端末b300に通知する。例えば、利用者端末b300から送迎管理装置b400に対して、配車のキャンセルが指示された場合、送迎管理装置b400は、車両b100Aに対して配車キャンセルを通知し、車両ステーションに向かうよう指示するとともに、その旨をホテルb530の施設端末b200に通知する。
(5)車両b100Aは、空港b520に到着した場合、到着したことや駐車している場所を示す情報等を、利用者U1の利用者端末b300および送迎管理装置b400に通知する。
送迎管理装置b400は、受信した内容を、ホテルb530の施設端末b200に転送する。そして、利用者U1が車両b100Aに乗車した後、車両b100Aは、ホテルb530に向かって出発する。
(6)車両b100Aは、利用者U1が乗車したことやその他の移動状況等を、送迎管理装置b400に通知する。送迎管理装置b400は、受信した内容を、ホテルb530の施設端末b200に転送する。
(7)ホテルb530への車両b100Aの到着が遅れる場合、送迎管理装置b400は、その旨をホテルb530の施設端末b200に通知する。
(8)車両b100Aは、ホテルb530に到着した場合、到着したことや、利用者U1が降車したことを示す情報等を、送迎管理装置b400に通知する。送迎管理装置b400は、受信した内容をホテルb530の施設端末b200に転送する。
(9)車両b100Aは、車両ステーションや次の配車予約のピックアップ位置へ向かって移動する。
(10)その後、送迎管理装置b400は、レストランb540の予約時刻に合わせて車両b100Bを配車し、車両b100Bがピックアップ位置であるホテルb530に向かっていることを利用者端末b300に通知する。車両b100Aは、ホテルb530に移動しながら、移動状況を取得し、送迎管理装置400に通知する。ホテルb530への到着が遅れる場合、送迎管理装置b400は、その旨を利用者端末b300に通知する。
(11)車両b100Bは、ホテルb530に到着した場合、到着したことや駐車している場所を示す情報等を、利用者端末b300および送迎管理装置b400に通知する。そして、利用者U1が車両b100Bに乗車した場合、車両100Bは、レストランb540に向かって出発する。
(12)車両b100Bは、利用者U1が乗車したことやその他の移動状況等を、送迎管理装置b400に通知する。
(13)レストランb540への車両b100Bの到着が遅れる場合や、オンラインメニューのオーダー指示を受け付けた場合、送迎管理装置b400は、その旨を施設端末b200に通知する。
(14)車両b100Bは、レストランb540に到着した場合、到着したことや、利用者U1が降車したことを示す情報等を、送迎管理装置b400に通知する。
(15)車両b100Bは、車両ステーションや次の配車予約のピックアップ位置へ向かって移動する。
次に、図64を参照して、配車システムb1の他の例について説明する。図64は、配車システム1を利用した他の例について説明するための図である。図64に示す通り、車両b100Cは、複数のピックアップ位置P1,P2,P3で利用者を乗車させ、目的地に向かってもよい。
以上説明した第3の実施形態によれば、施設の予約内容に基づいて送迎スケジュールを作成し、車両を予約する配車予約部b432と、送迎スケジュールに従って、配車予約部b432により予約された車両を配車する配車管理部b433と、を備えることにより、予約された施設と連動した送迎サービスを提供することができる。
利用者は、送迎管理装置b400により施設予約情報に基づいて作成された送迎スケジュールに従って、施設予約に合わせた配車予約をすることができるため、施設までの移動手段を確保することができる。また、施設予約情報に基づいて送迎スケジュールが作成されるため、配車予約のための詳細情報を入力しなくてもよく、利用者の手間を軽減させることができる。また、施設側としても、サービスの一部として送迎車を提供することにより、集客力を高めることができ、利用者側としても、移動手段のコストを抑えることができる。
利用者は、移動中の車両b100から、車両の配車状況や遅れ状況等を取得することにより、配車状況や遅れ状況を確認して、その後の行動を決定することができる。
施設側は、移動中の車両b100から、利用者の乗車状況や車両b100の遅れ状況、到着目標時刻等の移動状況を取得することにより、利用者の到着に合わせて利用者を迎える準備をすることができ、サービスを向上させることができる。
利用者は、送迎車が遅れる場合、施設の予約や送迎車の予約を簡単に変更あるいはキャンセルすることができる。
利用者は、移動中の車両b100から人数変更やオーダーをすることができるため、施設の到着した後にオーダーするよりも、待ち時間を短縮することができる。また、施設側としても、事前に人数変更やオーダーを受け付けることにより、利用者をスムーズに案内することができる。また、車両b100から利用者からオーダーを受け付けた場合、施設側は、事前オーダーをしている利用者を優先的に案内してもよい。
施設側は、移動中の車両b100から、利用者情報を取得することにより、利用者の属性に応じたサービスを提供することができる。例えば、利用者の人数、性別、年齢に応じた席を用意したり、利用者の好みに応じた商品やサービスを提供したりすることができる。
[第3の実施形態の第2変形例]
以下、第3の実施形態の第2変形例について説明する。以下の説明において、上述した第3の実施形態で説明した内容と同様の機能を有する部分については、同様の名称および符号を付するものとし、その機能に関する具体的な説明は省略する。
以下では、送迎管理装置b400および施設端末b200の一部または全部の利用権限を有するサービス提供者によって、車両b100による利用者の送迎が包括的に管理される例を用いて説明する。なお、送迎管理装置b400Aは、例えば、送迎管理装置b400、サービス提供者装置b600、サービス管理装置b700、および車両管理装置b910からなる。
[サービス提供者]
サービス提供者は、送迎前または送迎途中のタイミングで、利用者に送迎以外の付加サービスを提供する。サービス提供者は、図63に示す例において、空港b520、ホテルb530、およびレストランb540等の施設側の担当者であってもよいし、車両b100の管理者であってもよい。また、サービス提供者は、付加サービスの提供に加え、車両b100、空港b520、ホテルb530、レストランb540等の予約スケジュールを仲介し、包括的に管理する仲介業者であってもよい。
サービス提供者の提供する付加サービスとは、例えば、利用者が車両b100で移動中に享受できる商品またはサービスであってもよいし、利用者の送迎途中に店舗等のサービス提供箇所に立ち寄る必要があってもよい。移動中に享受できる商品またはサービスとは、例えば、有料情報番組の視聴や、車両b100の車内で実施可能なマッサージである。また、サービス提供者は、移動中に享受できる商品またはサービスの提供のために、サービス提供担当者を車両b100に派遣してもよい。また、サービス提供装置を車両b100に設置してもよい。サービス提供装置は、例えば、マッサージ装置である。サービス提供装置は、車両b100に搭載可能な大きさの自動販売機であってもよい。
また、サービス提供者は、利用者情報取得部b175の取得する利用者情報に基づいて、提供可能なサービスを車両b100に乗車中の利用者に提案してもよい。サービス提供者は、例えば、利用者情報取得部b175の取得する利用者情報を解析した結果、利用者の具合が悪そうであると解析した場合、サービス提供装置から薬等を提供してもよい。また、サービス提供者は、入出力部b171に近隣の休憩スポットや、医療機関、ドラッグストア等に立ち寄ることを利用者に対する提案する表示や音声を再生させてもよい。
利用者は、サービス提供者によって提供される付加サービスを車両b100の乗車前(例えば、配車予約時)に発注してもよいし、車両b100に乗車中に発注してもよい。
オーダー取得部b176は、入出力部b171等を介して利用者による付加サービスの発注を受け付けると、付加サービスを管理するサービス提供者装置b600に発注内容を送信する。
[サービス提供者装置]
図65は、サービス提供者装置b600の機能構成図である。サービス提供者装置b600は、例えば、複数のサービス提供者の状態を把握し、利用者およびサービス管理者からの発注に自動的に応答可能な装置である。サービス提供者装置b600は、例えば、通信部b610と、受注処理部b620と、状態管理部b630と、記憶部b650(不図示)とを備える。
通信部b610は、ネットワークNWを介して送迎管理装置b400などと通信する。受注処理部b620は、利用者からのサービス発注に対して、受注処理を行う。受注処理部b620は、サービス発注の内容が、既に送迎管理装置b400に送信済のサービス提供情報であるか否かを判定し、送信済でないと判定した場合に受注処理を先に進める。状態管理部b630は、サービス提供者装置b600に登録されたサービス提供者の状態(予約状態、稼働状態など)を管理し、サービス提供情報をサービス管理装置b700および送迎管理装置b400に提供する。サービス管理装置b700については後述する。
サービス提供者装置b600は、例えば、以下のような内容を含むサービス提供情報をサービス管理装置b700および送迎管理装置b400に送信する。サービス提供情報は、サービス提供者が受注可能なサービスに関連する情報である。
[サービス提供情報]
・識別ID(サービス提供者を識別するID)
・利用者ID
・必要車両コンパートメント情報(サービス提供に要する車内利用空間の情報)
・施設位置情報
・サービス提供地点情報(対象施設情報)
・サービス提供時刻情報(予約情報)
・利用者ピックアップ位置
・サービスステータス情報(サービス提供者が提供するサービスの実施状況・進捗に対応する情報)
・利用者設定情報(例えば、サービスへの入力・備考等の追加情報)
なお、サービスステータス情報とは、例えば、車両b100内で実施する複数の付加サービスのそれぞれの実施状況に対応し、進行パーセントがどの程度か、残時間が何分かといった進捗度合いである。また、サービスステータス情報は、「提供前、提供中、提供終了」といった状態を示す値で示されてもよい。
なお、サービス提供者装置b600の通信部b610は、通信結果に応じて、入出力部b171等の表示装置に表示内容を切り替えさせてもよい。サービス提供者装置b600は、例えば、サービス提供の開始時刻が近づいていることや、サービス提供を開始したことを入出力部b171に表示させる。
[サービス管理装置]
図66は、サービス管理装置b700の機能構成図である。サービス管理装置b700は、例えば、通信部b710と、サービス情報取得部b720と、車両特定部b730と、プラン決定部b740と、経路指示部b750と、認証部b760と、判定部b770と、記憶部b800とを備える。通信部b710および記憶部b800を除く構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。記憶部b800は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。
通信部b710は、例えば、ネットワークNWに接続するためのネットワークカードである。通信部b710は、ネットワークNWを介して車両b100の配車管理ユニットb170等の通信装置、サービス提供者装置b600、サービス管理装置b700、車両管理装置b910等と、サービス管理装置b700が提供する専用のAPI(Application Programming Interface)を介して通信する。専用のAPIによって提供される利用者に関する情報には、利用者の個人情報(例えば、氏名等)は含まれず、例えば、車両b100の識別情報を利用者IDとしてもよい。
サービス情報取得部b720は、通信部b710を介して、車両b100の配車管理ユニットb170等の通信装置からサービス情報を取得する。サービス情報とは、例えば、以下に示すようなサービス利用依頼情報である。
[サービス利用依頼情報]
・利用者ID
・位置情報(緯度、経度、高度)
・利用希望サービスID
・利用希望区間情報
・利用者の希望するサービス利用の時間帯の情報
・決済認証情報
また、サービス情報取得部b720は、サービス提供者装置b600からサービス提供情報を取得してもよい。サービス情報取得部b720は、サービス提供情報のうち、サービス提供地点に対応した地点情報、およびサービス提供者の識別情報、サービス提供者の利用者の識別情報を取得して、プラン決定部b740に出力する。
車両特定部b730は、サービス利用依頼情報と車両情報に基づいて、利用可能な車両b100を特定し、利用可能車両情報b820を生成する。具体的に、車両特定部b730は、サービス利用依頼情報に含まれる利用希望空間(コンパートメント)情報、利用希望区間情報、サービス利用の時間帯の情報と、車両情報に含まれる位置情報、コンパートメント利用状況とを比較し、位置情報とコンパートメント利用状況とが、サービス利用依頼情報に含まれる条件を満たす車両を、利用可能な車両b100として特定する。
プラン決定部b740は、利用可能車両情報b820およびサービス提供情報に基づいて、利用者が享受可能な可用サービスを特定し、特定した可用サービスに関する情報を利用者の車両b100の配車管理ユニットb170に提供する。
より具体的に、プラン決定部b740は、利用可能車両情報b820およびサービス提供情報に基づいて、サービス提供者が車両b100の少なくとも一部(例えば、コンパートメント)を占有する区間を設定し、サービス利用依頼情報における利用希望区間情報を設定する。
また、プラン決定部b740は、ある利用者に対して、複数のサービス提供者が順次サービスを提供する場合、複数のサービス提供者のそれぞれに対応して区間を設定してもよい。
プラン決定部b740は、例えば、アクセスポイント取得部b742を備える。アクセスポイント取得部b742は、アクセスポイントを取得する。アクセスポイントとは、例えば、利用者が付加サービスを利用する位置や、付加サービスを受けるために利用者またはサービス提供担当者が乗降車する位置である。アクセスポイント取得部b742の取得するアクセスポイントは、実測位置情報(緯度、経度、高度)であってもよいし、推定された位置情報であってもよい。
他の機能として、プラン決定部b740は、車両b100を用いた利用者からの指示に応じて、利用区間が車両外でのサービス提供地点で終了するように、利用区間を更新してもよい。この場合、プラン決定部b740は、車両b100を用いた利用者からの指示に応じて(あるいは自動的に)運行プランを決定し、通信部b710を用いて、車両外でのサービス提供地点に存在する施設に対して予約情報を送信し、通信部b710によって予約結果を受信すると共に、通信部b710を用いて予約結果を利用者の車両b100に送信してもよい。
また、プラン決定部b740は、利用者が付加サービスを発注することにより、施設への到着目標時刻の変更を要する場合には、通信部b710を介して施設端末b200および送迎管理装置b400に到着目標時刻変更の調整を送信する。この際にプラン決定部b740が行う処理は、送迎管理装置b400のステータス管理部b435による到着時刻あるいは目的地への到着時刻が遅れている場合に行う処理と同様のため、処理の詳細の説明は割愛する。
経路指示部b750は、通信部b710に、利用者の利用開始位置および利用終了位置の情報と、サービス提供者の利用開始位置および利用終了位置の情報とを、車両b100に送信させることで、車両b100が走行すべき経路を車両b100に指示する。
認証部b760は、配車管理ユニットb170との通信による利用者の認証を行ったり、サービス提供開始時の認証を行ったりする。
判定部b770は、利用者と、サービス提供者のそれぞれについて、車両b100を利用しているか否かを判定する。
プラン決定部b740は、判定部b770の判定結果を利用して各種の処理を行う。例えば、プラン決定部b740は、判定部b770により利用者とサービス提供者の双方が車両b100を利用していると判定した場合のみ、サービス提供区間の変更を受け付ける(更新する)ようにしてもよい。このケースは、例えば、サービス提供者が利用者に提案して経由地を追加したり、車両b100側に提供する情報に基づいて付加サービス提供のため最終目的地を変更したりする場合に生じる。また、プラン決定部b740は、サービス情報取得部b720がサービス利用依頼情報を受信した時点において、判定部b770が、利用者が既に車両b100を利用していると判定した場合(すなわちサービス利用中に、サービス延長あるいは別のサービスの依頼を行った場合)、当該利用中の車両b100を優先的に利用者に割り当てるようにしてもよい。
記憶部b800には、登録された利用者に関する利用者情報b810、前述した利用可能車両情報b820の他、サービス管理情報b830が格納される。サービス管理情報b830は、例えば、サービス依頼管理情報b832と、予約管理情報b834と、実行中サービス管理情報b836とを含む。サービス依頼管理情報b832には、サービス情報取得部b720により取得されたサービス利用依頼情報のそれぞれがレコードとして登録される。予約管理情報b834には、予約利用区間、予約利用時間帯、経由地、経由地予定到着時刻などの情報が、サービスごとに格納される。実行中サービス管理情報b836には、サービスステータス情報やサービス属性、サービス提供者ID(サービス提供者の識別情報)などの情報が登録される。サービス属性とは、例えば、サービス提供者から情報を受け取る利用者およびサービス管理装置b700からみたときに、サービス提供者が提供可能なサービスを区分した情報で、例えばサービス提供者の業態(飲食、小売など)や、費用区分のランク等を示す値である。
実行中サービス管理情報b836の保持するサービスステータス情報は、例えば、認証部b760によってサービス開始のための認証処理が行われるタイミングで更新される。サービス管理装置b700は、サービス管理情報b830を管理することで、車両b100の利用者の状態(例えば、入出力部b171の取得した利用者情報)と、車両100の運行計画に対する状態を包括的に管理することができる。また、判定部b770は、サービスステータス情報から、利用者の利用情報および車両b100の運行情報から判定される状態属性(例えば、利用者が到着時刻を優先して付加サービスの享受をあきらめた等の情報)を判定結果としてもよい。
また、利用者の利用情報および車両b100の運行情報から判定される状態属性には、付加サービスを含む運行プランに対しての進捗に基づいて決定される到着度合い(例えば、予定より早い、定刻、予定より遅れる)に加え、車両b100のセンシングデータに基づいて決定される周辺環境および運転状態の属性(例えば、雨天、渋滞、通行規制、低SoC(State Of Charge)、故障、事故)等を示す値が含まれる。
[車両管理装置]
図67は、車両b100に搭載される車両管理装置b910の機能構成図である。車両管理装置b910は、例えば、通信部b920と、認証部b930と、車両管理部b950とを備える。
通信部b920は、無線通信装置である。通信部9b20は、ネットワークNWを介してサービス管理装置b700と通信する。認証部b930は、サービス管理装置b700の指示により、サービス開始のための認証処理を行う。
車両管理部b950は、例えば、利用状況検知部b952と、利用許可部b954と、認証部b956とを備える。車両b100には、利用者が利用可能な空間(コンパートメント)が一以上設けられており、利用状況検知部b952は、コンパートメントごとの利用状況を検知する。例えば、利用状況検知部b952は、各コンパートメントが利用中であるか否かを検知する。車両b100は、普通乗用車に限らず、トレーラー、バス、マイクロバスなど、車室内を区切ったコンパートメントのそれぞれに一以上の乗員が乗車可能なサイズの車両であってもよい。利用許可部b954は、例えば、認証部b956による認証が成功した場合に、予め指定されたコンパートメントの利用を許可し、例えばドアの開錠等を行う。認証部b956は、乗車してくるサービス提供者の本人確認等の認証を行う。
車両管理装置b910は、例えば、以下のような内容を含む車両情報をサービス管理装置b700に送信する。
[車両情報]
・車両ID
・位置情報(緯度、高度、経度)
・コンパートメント利用状況
・走行状態(速度、加速度、角速度、車載機器の状態など)
・サービス提供者の情報(サービス提供者のID、実施中のサービスの情報、サービス実施経過時間等)
図68は、配車システムb1Aにおいて実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。なお、以下の例において、サービス提供者により乗車中に付加サービスが発注され、利用者が設定した当初の目的地とは異なる目的地(付加サービス提供位置)で利用者が降車する例を用いて処理の流れを説明する。
まず、利用者は、車両b100の入出力部b171をサービス管理装置b700の認証部b760に対してユーザ認証を行う(ステップS300b)。次に、利用者は、サービス利用依頼情報をサービス提供者装置b600に送信する(ステップS301b)。サービス提供者装置b600は、受信したサービス利用依頼情報を解釈し(ステップS302b)、解釈したサービス利用依頼情報に基づいて予約情報をサービス管理装置b700に送信する(ステップS303b)。
サービス管理装置b700は、サービス提供者装置b600により送信された予約情報に基づいて、配車サービスの受注処理を行い、受注情報を車両管理装置b910に送信する(ステップS304b)。車両管理装置b910は、受信した受注情報に基づいて、送迎管理装置b400に送迎予約を生成させる(ステップS305b)。
サービス管理装置b700は、受注情報に基づいて利用者に配車サービスを開始し(ステップS306b)、サービス開始したことをサービス提供者装置b600および車両管理装置b910に送信する。車両管理装置b910は、サービス開始を認識し、専用APIを用いて車両b100等に通知する(ステップS307b)。
サービス提供者装置b600は、車両b100の配車情報を取得・更新することを開始する(ステップS308b)。車両b100は、ピックアップ位置付近への移動を開始する(ステップS309b)。サービス管理装置b700は、ピックアップ位置を確定し、サービス提供者装置b600に送信する(ステップS310b)。サービス提供者装置b600は、車両b100にピックアップ位置を通知し(ステップS312b)、車両管理装置b910を介して入出力部b171への表示制御指示を送信する(ステップS313b)。車両管理装置b910は、入出力部171bへの車両表示を切り替える(ステップS314b)。
車両管理装置b910は、ピックアップ位置で利用者の車両100への乗車を許可し(ステップS315b)、利用者は車両b100に乗車する(ステップS316b)。サービス提供者装置b600は、車両ステータス情報を更新し(ステップS317b)、車両管理装置b910はセンサ情報を更新する(ステップS318b)。
サービス提供者装置b600は、提供可能な付加サービスに関する情報を生成し入出力部b171等に出力する(ステップS319b)。利用者は、付加サービスを選択し発注する(ステップS320b)。サービス提供者装置b600は、車両ステータスおよび提供する付加サービスに関するサービス利用依頼情報を更新して、更新内容をサービス管理装置b700に送信する(ステップS321b)。
サービス管理装置b700は、付加サービスの提供に伴う経路および目的地の変更に伴う処理を行い、処理結果を車両管理装置b910に送信する(ステップS322b)。
車両管理装置b910は、目的地に到着したことをサービス提供者装置b600に通知する(ステップS323b)。利用者は、車両b100を降車する(ステップS324b)。サービス提供者装置b600は、利用者への付加サービスの提供を開始する(ステップS325b)。以上、本フローチャートの処理を終了する。
例えば、ステータス管理部b435は、配車キャンセルを確認するための情報とともに、配車変更を受け付けるための情報を、通信装置b410を用いて利用者端末b300に送信してもよい。そして、利用者は、利用者端末b300に対して、例えば、ピックアップ位置の変更指示を送迎管理装置b400に通知してもよい。送迎管理装置b400のステータス管理部b435は、変更されたピックアップ位置を車両b100に通知し、経路変更を指示したり、変更内容を利用者端末b300に送信したりしてもよい。
また、送迎管理装置b400の全部または一部の構成は、車両b100に搭載されていてもよい。これにより、例えば、利用者が利用者端末b300を用いて、直接車両b100に対して送迎を依頼することができる。また、依頼された車両100が送迎できない場合、車両b100は、他の車両b100に送迎依頼を転送してもよい。
また、送迎管理装置b400は、利用者により利用者端末b300を用いて指定されたピックアップ位置への到着時刻や目的地への到着時刻を受信した場合、これらの情報と施設予約情報とに基づいて、送迎スケジュールを作成してもよい。
また、利用者端末b300は、GNSS受信機b360により測位された利用者の位置を示す情報を定期的に送迎管理装置b400に送信してもよい。送迎管理装置b400は、受信した情報に基づいて、利用者の現在位置と車両b100の現在位置とをトラッキングして、ピックアップ位置を利用者と車両b100との合流位置に設定したり、設定されたピックアップ位置を利用者と車両b100との合流位置に変更したりしてもよい。また、車両b100は、送迎管理装置b400から受信した利用者の位置情報と、自車両の位置情報とに基づいて、利用者と車両b100との合流位置をピックアップ位置に設定し、自車両の経路を設定してもよい。
また、利用者端末b300は、さまざまな操作により配車キャンセル指示を受け付けることができる。例えば、利用者端末b300は、配車キャンセルを確認するための情報を受信し、出力部b330を用いて利用者に報知する。その後、利用者端末b300は、入力部b320を用いて利用者から延長指示や配車キャンセル指示等を受け付けてもよく、一定時間内に入力部b320を用いてなんら指示が入力されない場合には、施設予約と配車予約の両方を受け付けてもよい。
また、復路の配車も予約している場合、利用者は、ピックアップ位置への到着時刻を事前に予約しておいてもよく、施設を出る際に利用者端末b300を用いて送迎管理装置b400に迎車を依頼してもよい。
また、送迎管理装置b400は、配車タイミングの前において、送迎スケジュールの内容が類似する利用者がいる場合、同一車両を用いて、異なるグループの利用者を同乗させる送迎スケジュールを再構成し、車両b100を配車してもよい。例えば、同じ便で同じ空港に到着した利用者を同じホテルに送迎する場合や、同じホテルから近くの別のレストランに送迎する場合などである。このように車両b100で相乗りを実現することにより、施設側は、配車のコストを抑えることができる。この場合、施設側は、利用者に対して、インセンティブを提供してもよい。
また、サービス管理装置b700が、送迎管理装置b400に代わり配車予約を管理してもよいし、送迎管理装置b400およびサービス管理装置b700の両者が配車予約を管理してもよい。
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態について説明する。第4の実施形態では、第1の実施形態に示す車両が適用可能な車両システムの実施形態である。また、第4の実施形態における自動運転車両は、例えば、基本的には運転操作を必要としない車両である。車両システムでは、自動運転車両を用いて、利用者により選択された店舗に利用者を連れて行く案内サービスを提供する。以下、自動運転車両が案内する店舗が食品を提供する店舗である例を用いて説明する。自動運転車両には、案内する店舗で提供される商品や料理、それらの材料の一部が食品サンプルとして用意されている。利用者は、店舗を選択する前に、食品サンプルを試食可能である。提供には、レストランで食事を出すことや、お土産店で商品を販売すること等が含まれる。
図69は、車両システムc1の構成図である。車両システムc1は、一以上の自動運転車両c100と、一以上の商品提供者Pにより使用される一以上の端末装置c200とを備える。これらの構成要素は、ネットワークNWを介して互いに通信可能である。ネットワークNWは、インターネット、WAN、LAN、公衆回線、プロバイダ装置、専用回線、無線基地局などを含む。
自動運転車両c100は、例えば、複数の利用者Uが乗車可能な四輪以上の車輪を有する車両であるが、自動二輪車その他の車両であっても構わない。自動運転車両c100は、食品サンプルを積んで、駅前や観光地などの販促ポイント間を移動するとともに、自動運転によって、食品サンプルの提供元の店舗Rまで利用者Uを連れて行く。
端末装置c200は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータなどである。
図70は、自動運転車両c100の内側の構成を示す図である。図70は、自動運転車両c100を上方から見た図である。自動運転車両c100の内部には、ラック部c102、座席c104、およびタッチパネルc106が設けられている。
車両のコンパートメントの一部を形成するラック部c102は、それ自身が複数の車両のコンパートメントにより構成されており、複数の食品サンプルSM1,SM2・・・を載置可能な載置面を有する。ラック部c102の載置面には、例えば、食品サンプルの種類ごと、或いは店舗ごとに車両のコンパートメントとしての載置スペース(領域)AR1、AR2・・・を有する。図示の領域AR1,AR2・・・は、それぞれ、店舗R1,R2・・・に割り当てられた載置スペースであって、食品サンプルSM1,SM2・・・が載置されている。例えば、領域AR1,AR2・・・には、サンプル番号1,2・・・が割り当てられ、割り当てられたサンプル番号が記載されたタグTGが取り付けられている。なお、各領域に載置される食品サンプルの種類や数は、店舗によって任意決定可能であって、複数種類の食品サンプルが載置されてもよい。また、ラック部c102は、載置面に冷蔵機能あるいは保温機能が搭載されていてもよい。なお、以下では、自動運転車両c100上の一つの区画を自動運転車両c100のコンパートメントであるものとして説明するが、複数の区画(例えば、載置スペース)からなる複数区画を一つのコンパートメントとして取り扱っても良い。すなわち、各コンパートメントが互いに識別可能である限りにおいては、それぞれの包含関係および独立性は用途および各コンパートメントの管理者等に応じ適宜定められるものであってよい。
タッチパネルc106は、例えば、タッチパネル式ディスプレイ装置である。タッチパネルc106には、ラック部c102に載置された食品サンプルと対応付けて店舗情報を含む店舗画面IMを表示される。図71は、店舗画面IMの一例を示す図である。店舗情報には、各店舗の食品サンプルの画像やイラスト、各店舗の名称や各店舗で提供される食品を表すイラスト、各店舗の広告等が含まれる。画面IMは、画像の切り替え指示を受け付ける切り替え画像IM0と、複数の店舗R1,R2・・・に対応する複数の店舗画面IM1,IM2・・・を表示する。各店舗画面IM1,IM2・・・の一部には、例えば、対応するサンプル番号1,2・・・が表示されている。店舗画面IM1,IM2・・・は、全ての店舗情報を同時に表示してもよく、自動的あるいはタッチパネルc106に対する利用者からの操作を受けて、画面を切り替えてもよい。例えば、店舗画面IM1,IM2・・・は、初期状態において、食品サンプルのイラストを表示しており、切り替え画像IM0に対するタッチ操作を受け付けた場合、各店舗の広告に切り替わる。タッチパネルc106は、「操作部」の一例である。
また、各店舗画面IM1,IM2・・・の一部または近くには、それぞれ、GOスイッチSW1と、DELIスイッチSW2とが設けられている。GOスイッチSW1は、対応する店舗への移動を指示するためのスイッチである。DELIスイッチSW2は、対応する店舗に出前をさせることを指示するためのスイッチである。GOスイッチSW1およびDELIスイッチSW2等の各スイッチは、「操作部」の他の一例である。また、GOスイッチSW1に対応付いた店舗IM1は、「経由地」の一例である。対応する店舗に出前をさせることは、「配送内容」の一例である。
次に、図72を参照して、自動運転車両c100の機能構成について説明する。図72は、自動運転車両c100の機能構成図である。自動運転車両c100は、例えば、上述したタッチパネルc106に加え、店舗案内装置c108と、外界監視ユニットc110と、通信装置c120と、ナビゲーション装置c130と、推奨車線決定装置c140と、自動運転制御ユニットc150と、駆動力出力装置c160と、ブレーキ装置c162と、ステアリング装置c164とを備える。外界監視ユニットc110、通信装置c120、ナビゲーション装置c130、推奨車線決定装置c140、自動運転制御ユニットc150、駆動力出力装置c160、ブレーキ装置c162、およびステアリング装置c164のそれぞれは、例えば、上述した第2の実施形態において紹介した図26の外界監視ユニットa210、通信装置a220、ナビゲーション装置a230、推奨車線決定装置a240、自動運転制御ユニットa250、駆動力出力装置a260、ブレーキ装置a262、およびステアリング装置a264と同様の構成を備えるため、ここでの詳細な説明を省略する。なお、ナビゲーション装置c130において、目的地は、店舗案内装置c108により設定されてもよい。ナビゲーション装置c130および推奨車線決定装置c140は、「経路設定部」の一例である。また、第4の実施形態における自動運転の処理過程については、第1の実施形態において紹介した図3並びに関連する説明を援用し、詳細な説明を省略する。
店舗案内装置c108は、CPUやMPUなどの一以上のプロセッサと各種記憶装置を備える。なお、店舗案内装置c108は、自動運転制御ユニットc150の一部により実現されてもよい。店舗案内装置c108は、タッチパネルc106に対する利用者Uの操作に基づいて、利用者Uにより指定された店舗への案内をナビゲーション装置c130に対して指示する。また、店舗案内装置c108は、タッチパネルc106に対する利用者Uの操作に基づいて、利用者Uからの指示内容を示す情報を、通信装置c120を用いて、端末装置c200に送信してもよい。なお、店舗案内装置c108は、タッチパネルc106を含んでもよい。
なお、ナビゲーション装置c130において、目的地は、店舗案内装置c108により設定されてもよい。ナビゲーション装置c130および推奨車線決定装置c140は、「経路設定部」の一例である。
次に、図73を参照して、自動運転車両c100における処理動作の一例について説明する。図73は、自動運転車両c100における処理動作の一例を示すフローチャートである。本処理は、利用者Uにより店舗画面IM2に対する操作が行われた場合の一例である。
例えば、店舗案内装置c108は、タッチパネルc106に表示された店舗画面IM2に対する利用者Uからのタッチ操作を受け付けると(ステップS1c)、タッチ操作された店舗画面IM2の画面を切り替える(ステップS2c)。例えば、利用者Uは、食品サンプルを試食した後、タッチパネルc106に表示された店舗画面IM2に対応する店舗に関する情報を見て、その店舗に行くかどうかを検討することができる。
次いで、店舗案内装置c108は、例えば、タッチパネルc106において店舗R2のGOスイッチSW1に対するタッチ操作がされたとする(ステップS3c)。これにより、店舗案内装置c108は、GOスイッチSW1に対応付いた識別情報(例えば、店舗R2の店舗IDなど)に基づいて、タッチパネルc106に、店舗案内に関する情報の入力を受け付ける入力画面を表示させる。店舗案内に関する情報には、店舗に行く人数、希望退店時刻等が含まれる。店舗案内に関する情報が入力された場合、店舗案内装置c108は、指定された店舗R2を目的地に設定し、自動運転を開始するようナビゲーション装置c130に指示する(ステップS4c)。ナビゲーション装置c130は、店舗R2までの到着予測時刻を導出し、導出結果を店舗案内装置c108に出力するとともに、店舗R2までの経路の情報を推奨車線決定装置c140に出力する。また、店舗案内装置c108は、入力された店舗案内に関する情報や、ナビゲーション装置c130により導出された到着予測時刻等を、指定された店舗R2の端末装置c200に、通信装置c120を用いて送信する(ステップS5c)。
次いで、店舗案内装置c108は、例えば、タッチパネルc106において店舗R2のDELIスイッチSW2に対するタッチ操作を受け付けたとする(ステップS6c)。これにより、店舗案内装置c108は、タッチパネルc106に、店舗R2の注文画面を表示させる(ステップSc7)。注文画面には、出前が可能なメニューとその料金等が表示され、指定したメニューの注文を指示するボタンや注文数を指定するボタン、受け取り場所や受け取り時刻を指定する入力欄等が含まれる。店舗案内装置c108は、注文画面を用いて入力された情報(以下、注文情報と記す)を、指定された店舗R2の端末装置c200に、通信装置c120を用いて送信する(ステップS8c)。これにより本フローチャートの処理は終了する。
次に、図74を参照して、自動運転車両c100の利用態様について説明する。図74は、自動運転車両c100の利用態様を例示した図である。A駅の前には、自動運転車両c100が待機している。待機とは、車内で食品サンプルの試食が可能であり、且つ、車内において、食品サンプルを出している店舗への送迎や当該店舗からの出前が可能な状態である。待機中において、自動運転車両c100の外側に取り付けられたデジタルサイネージc170には、食品サンプルを車内で試食可能であることが表示されている。なお、デジタルサイネージとは、ディスプレイなどの電子的な表示機器やスピーカを含む電子的な表示機器である。
(1)A駅に降り立った利用者Uが、待機中の自動運転車両c100に乗り込む。(2)利用者Uは、自動運転車両c100内の食品サンプルを試食した後、行ってみたい店舗R3に対応するGOスイッチSW1をタッチ操作する。(3)これにより、自動運転車両c100は、店舗R3まで自動運転して、利用者Uを店舗R3に送る。ここで、デジタルサイネージc170には、移動中であることが表示されている。(4)利用者Uは、自動運転車両c100を降りて、店舗R3に入店する。
(5)その後、自動運転車両c100は、店舗R3での食事や買い物が終了するまで店舗R3の前で利用者Uを待ってから利用者UをB駅に送り届けてもよく、利用者Uを待たずにB駅に向かってもよく、店舗Rから出てきた他の利用者Uを載せてB駅に送り届けてもよい。B駅は、例えば、店舗R3に最も近い駅や、A駅の隣の駅等である。また、自動運転車両c100は、店舗R3の前で一定期間、待機していてもよい。(6)そして、自動運転車両c100は、B駅で一定時間、待機する。待機期間中、デジタルサイネージc170には、食品サンプルを車内で試食可能であることが表示されている。(7)B駅に降り立った利用者Uが、待機中の自動運転車両c100に乗り込み、自動運転車両c100内の食品サンプルを試食した後、出前を頼みたい店舗R3に対応するDELIスイッチSW2をタッチ操作する。(8)これにより、自動運転車両c100は、店舗R3の端末装置c200に対して、注文情報を送信する。(9)そして、店舗R3は、店舗の出前用のバイクc300で、商品を利用者Uのところに配達する。
一方、(10)自動運転車両c100がB駅の前に駐車してから一定時間が経過しても、乗車する利用者Uが現れない場合、自動運転車両c100は、A駅に移動して、待機する。
(11)さらに、A駅の前に駐車してから一定時間が経過しても、乗車する利用者Uが現れない場合、自動運転車両c100は、B駅に移動して、待機する。
このような利用態様によって、利用者Uは、試食をした後で、食品サンプルを提供する店舗Rに行くことができるため、旅行や仕事などでよく知らない土地を訪れた場合であっても、自分の好みの土産物屋やレストラン等の店舗に行くことができる。また、自動運転車両c100が利用者Uを店舗Rまで送ってくれるため、行きたい土産物屋やレストランなどが交通の便が悪い場所にある場合や、行き方がよくわからない場合、特に利用者の利便性を向上させることができる。
また、自動運転車両c100が複数の販促ポイント間を移動することにより、利用者の利用を促進することができる。自動運転車両c100が複数の販促ポイント間を移動する際に、デジタルサイネージc170を用いて、自動運転車両c100が提供する案内サービスや、出前サービスを告知する音声や動画、静止画像等を表示してもよい。これにより、提供されるサービスを知らない利用者に対して、広く告知することができる。
以上説明した第4の実施形態によれば、車両の自動運転を行う自動運転制御ユニットc150と、食品サンプルを載置可能なラック部c102と、店舗への移動を指示するための第1スイッチ(GOスイッチSW1)と、を備え、第1スイッチが操作された場合、自動運転制御ユニットc150が指定された店舗に車両を移動させることにより、利用者Uが食品を提供する店舗に移動する際の利便性を向上させることができる。
また、食品サンプルの提供元の店舗に出前を指示するための第2スイッチ(DELIスイッチSW2)と、第2スイッチが操作された場合、店舗が管理する端末装置に出前の内容を送信する通信装置c120と、をさらに備えることにより、利用者Uの利便性をさらに向上させることができる。
[第4の実施形態の第1変形例]
次に、第4の実施形態の第1変形例について説明する。図75は、第4の実施形態の第1変形例の車両システムc2の構成図である。車両システムc2は、一以上の第1車両c500と、一以上の第2車両c600,c700と、一以上の商品提供者Pにより使用される一以上の端末装置c200とを備える。これらの構成要素は、ネットワークNWを介して互いに通信可能である。第1車両c500は、自動運転車両c100と同様の構成を有する。第2車両c600,c700は、自動運転車両c100からラック部c102やタッチパネルc106と店舗案内装置c108とを除き、利用者Uが着座することができるシートを有する構成である。
第1車両c500は、食品サンプルを積んで、駅前や観光地などの販促ポイント間を移動する。利用者Uは、第1車両c500に乗車して、食品サンプルを試食し、タッチパネルc106、GOスイッチSW1、およびDELIスイッチSW2を操作して店舗Rへの案内や出前を依頼できる。利用者Uから店舗Rへの案内が依頼された場合、第2車両c600,c700は、第1車両c500から利用者Uを引き継ぎ、利用者Uを乗車させて、自動運転によって、店舗Rまで利用者Uを連れて行く。DELIスイッチSW2は、「第4スイッチ」の一例である。
第1車両c500の店舗案内装置c108は、通信装置c120を用いて複数の第2車両c600,c700・・・から逐次送信される現在の位置情報を受信し、記憶装置に保存してもよい。第1車両c500は、記憶装置を参照して、複数の第2車両c600,c700・・・の中から、指定された店舗Rまで利用者Uを連れて行く車両として最適な第2車両を決定してもよい。最適な第2車両には、例えば、利用者の送迎中でない車両であって、且つ、指定された人数の利用者Uが乗車可能な車両のうち、第1車両c500に最も近い第2車両や、第1車両c500のところに最も早く到着する第2車両等が含まれる。
次に、図76を参照して、車両システムc2による処理方法の一例について説明する。図76は、車両システムc2による処理方法の一例を示すシーケンス図である。
例えば、第1車両c500は、例えば、タッチパネルc106において店舗R3のGOスイッチSW1に対するタッチ操作を受け付けたとする(ステップS101c)。これにより、店舗案内装置c108は、タッチパネルc106に、店舗案内に関する情報の入力を受け付ける入力画面を表示させる。また、店舗案内装置c108は、自身の記憶装置を参照して、複数の第2車両c600,c700の中から、最適な第2車両を検索する(ステップS102c)。そして、店舗案内装置108は、検索により得た最適な第2車両(例えば、第2車両c600)に対して、第1車両c500の位置を示す情報を送信するとともに、指定された店舗R3への利用者Uの送迎を依頼する(ステップS103c)。
第1車両c500から送迎の依頼を受けた第2車両c600は、第1車両c500が駐車している場所へ利用者Uを迎えに行く。例えば、検索により得た最適な第2車両c600が第1車両c500の近く(例えば、周囲5m範囲)にいない場合、第2車両c600のナビゲーション装置c130は、第1車両c500の位置を示す情報に基づいて、第1車両c500の近くへ移動するための経路を設定する(ステップS104c)。自動運転制御ユニットc150は、設定された経路に基づいて、第2車両c600を自動運転させる。そして、第2車両c600が第1車両c500の近くで停車した後、第2車両c600のナビゲーション装置c130は、第1車両c500からの依頼に基づいて、第2車両c600の目的地を店舗R3に設定する(ステップS105c)。第2車両c600の自動運転制御ユニットc150は、第2車両c600に利用者Uが乗車した後、第2車両c600を自動運転させ、店舗R3まで移動させる。
第2車両c600のナビゲーション装置c130は、店舗R3へ案内する利用者Uの人数や、店舗R3への到着予測時刻等を示す情報を、第2車両c600の通信装置c120を用いて、端末装置c200に送信する(ステップS106c)。端末装置c200は、受信した情報を表示部に表示させて、商品提供者Pに通知する(ステップS107c)。
次いで、第1車両c500は、例えば、タッチパネルc106において店舗R3のDELIスイッチSW2に対するタッチ操作を受け付けたとする(ステップS10c8)。これにより、店舗案内装置c108は、タッチパネルc106に、店舗R3の注文画面を表示させる。店舗案内装置108は、入力された注文情報を、指定された店舗R3の端末装置c200に、通信装置c120を用いて送信する(ステップS109c)。端末装置c200は、受信した情報を表示部に表示させて、商品提供者Pに通知する(ステップS110c)。
次に、図77を参照して、第1車両c500と第2車両c600,c700の利用態様について説明する。図77は、第1車両c500と第2車両c600,c700の利用態様を例示した図である。A駅の前には、第1車両c500が駐車している。第1車両c500のデジタルサイネージc170には、食品サンプルを車内で試食可能であることが表示されている。
(21)A駅に降り立った利用者U1が、A駅に駐車している第1車両c500に乗り込む。(22)利用者U1は、第1車両c500内の食品サンプルを試食した後、行ってみたい店舗R4に対応するGOスイッチSW1をタッチ操作し、第1車両c500から降りる。
第1車両c500の店舗案内装置c108は、複数の第2車両c600,c700・・・の中から最適な第2車両を第2車両c600に決定し、第2車両c600に対して、第1車両c500が駐車している位置を示す情報を送信する。(23)第2車両c600は、第1車両c500が駐車しているA駅に移動する。(24)そして、利用者U1は、迎えに来た第2車両c600に乗り込む。(25)第2車両c600は、第1車両c500の指示に従って、指定された店舗R4まで自動運転して、利用者U1を店舗R4に送る。ここで、第2車両c600のデジタルサイネージc170には、移動中であることが表示されている。(26)利用者U1は、第2車両c600を降りて、店舗R4に入店する。
(27)その後、第2車両c600は、店舗R4での食事や買い物が終了するまで店舗R4の前で利用者U1を待ってから利用者U1をA駅に送り届けてもよく、店舗R4から出てきた他の利用者U2を載せて指定の場所まで送り届けてもよい。また、第2車両c600は、第1車両c500から送迎の依頼を受信した場合、A駅に戻る。なお、第2車両c600は、店舗R4の前で一定期間、待機していてもよい。
利用者U1が第2車両c600により店舗R4に送迎されている間に、利用者U3がA駅に降り立ったとする。このとき、店舗への送迎は、第2車両c600が行っているため、第1車両c500はA駅に駐車されている。(28)利用者U3は、第1車両c500に乗り込む。(29)利用者U3は、第1車両c500内の食品サンプルを試食した後、行ってみたい店舗R5に対応するGOスイッチSW1をタッチ操作し、第1車両c500から降りる。
第1車両c500の店舗案内装置c108は、複数の第2車両c600,c700・・・の中から最適な第2車両を第2車両c700に決定し、第2車両c700に対して、第1車両c500が駐車している位置を示す情報を送信する。(30)第2車両c700は、第1車両c500が駐車しているA駅に移動する。(31)そして、利用者U3は、迎えに来た第2車両c700に乗り込む。(32)第2車両c700は、第1車両c500の指示に従って、指定された店舗R5まで自動運転して、利用者U3を店舗R5に送る。ここで、第2車両c700のデジタルサイネージc170には、移動中であることが表示されている。(33)利用者U3は、第2車両c700を降りて、店舗R5に入店する。
(34)その後、第2車両c700は、店舗R5での食事や買い物が終了するまで店舗R54の前で利用者U3を待ってから利用者U3をA駅に送り届けてもよく、店舗R5から出てきた他の利用者U4を載せて指定の場所まで送り届けてもよい。また、第2車両c700は、第1車両c500から送迎の依頼を受信した場合、A駅に戻る。なお、第2車両c700は、店舗R5の前で一定期間、待機していてもよい。
このような利用態様によって、食品サンプルを積んだ第1車両c500を所定の場所に駐車しておけるため、食品サンプルの補充や差し替えが簡単になり、食品サンプルの衛生面を向上させることができる。また、近くを走行する自動運転車両を第2車両として利用することができるため、第1車両の数を抑えることができる、車両システムc2を簡単に実現することができる。
以上説明した第4の実施形態によれば、食品サンプルを載置可能なラック部c102と、自動運転車両である第2車両c600,c700・・・を呼び出すための第3スイッチ(GOスイッチSW1)と、を備える第1車両c500と、第3スイッチが操作されることで呼び出され、第1車両c500から利用者を引き継ぎ、自動運転によって、指定された店舗まで利用者を連れて行く第2車両c600,c700・・・とを備えることにより、所定の位置に第1車両c500を常に駐車させておきながら、第2車両c600,c700・・・により利用者を店舗へ案内することができる。
ラック部c102には、複数の食品サンプルSM1,SM2・・・を載置する例を挙げたが、食品サンプル以外のサンプル品(例えば、飲料サンプル容器、日用品、化粧品、芳香剤等)が搭載されてもよい。
<第5の実施形態>
次に、第5の実施形態について説明する。第5の実施形態では、第1の実施形態の車両が適用可能なイベント配車装置、イベント配車方法、プログラム、および管理システムの実施形態について説明する。なお、以下の説明において、イベント配車装置を含むイベント配車システムに用いられる車両は、自動運転車両であるものとする。自動運転車両とは、車両の加減速または操舵の少なくとも一方を自動的に制御して走行可能な車両である。自動運転車両は、乗員が手動運転を行ってよい。また、自動運転車両とは、無人で走行可能な車両を含む。また、イベント配車システムに用いられる車両は、手動運転車両であってもよい。また、イベント配車システムは、「管理システム」の一例である。
図78は、第5の実施形態のイベント配車システムd1の構成図である。イベント配車システムd1は、イベント配車装置d100と、一以上の車両d200と、一以上の車両d200の所有者Oにより使用される端末装置d300とを備える。これらの構成要素は、ネットワークNWを介して互いに通信可能である。ネットワークNWは、インターネット、WAN、LAN、公衆回線、プロバイダ装置、専用回線、無線基地局等を含む。
[イベント配車装置]
イベント配車装置d100は、例えば、通信部d110と、表示部d120と、表示制御部d130と、イベント車両候補決定部d140と、イベント通知部d150と、指示部d160と、記憶部d170とを備える。表示制御部d130、イベント車両候補決定部d140、イベント通知部d150、および指示部d160は、例えば、CPU等のプロセッサが記憶部d170に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリ等の記憶部d170に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置(不図示)に装着されることで記憶部d170にインストールされてもよい。また、イベント車両候補決定部d140およびイベント通知部d150の一部または全部を組み合わせたものが「調整部」の一例である。また、イベント通知部d150は、「通知部」の一例である。
通信部d110は、例えば、ネットワークNWに接続するためのネットワークカードである。通信部d110は、ネットワークNWを介して車両d200、端末装置d300、およびその他の外部装置と通信する。
表示部d120は、LCDや有機EL表示装置等である。表示部d120は、表示制御部d130による制御によって、例えば、イベント配車装置d100の管理者等にイベント配車に関する各種情報を表示する。また、表示部d120は、表示画面を指先でタッチすることによって情報の入力や確定操作を受け付ける、いわゆるタッチパネル式の受付部の機能を備えていてもよい。
表示制御部d130は、イベント配車に関する各種情報を表示部d120に表示するように制御する。また、表示制御部d130は、表示部d120の表示画面から受け付けられた管理者等からの情報の入力や確定操作に関する情報を取得する。例えば、表示制御部d130は、管理者等から開催するイベントに関する情報や、イベントを開催するエリアに関する情報等を受け付ける。イベントとは、音楽フェス(フェスティバル)やフードフェス等の期間を限定した大規模または中規模な催し物や、初詣、花見、海水浴、スキー等の時期的な行事、オリンピック等のスポーツの大会、博覧会、地方公共団体や地域企業等が行う祭り等の各種の事象を含む。また、エリアとは、例えば、複数の車両が駐車可能なエリアである。表示制御部d130の機能の詳細については後述する。
イベント車両候補決定部d140は、表示制御部d130に受け付けられた開催するイベントに関する情報と、イベントを開催するエリアに関する情報とを受け付けて、記憶部d170に記憶された車両割当テーブルd173を参照し、イベントに参加させる車両の車両属性および車両属性ごとの台数を決定する。イベント車両候補決定部d140の機能の詳細については後述する。
イベント通知部d150は、イベント車両候補決定部d140により決定された車両d200の候補に対して、その車両200または車両の所有者Oのうち、端末装置d300の一方または双方に開催するイベントに関する情報、およびイベントにサービス提供者として参加するか否かを問い合わせる問い合わせ情報を通知する。所有者Oは、車両d200によるサービスの提供を管理するサービス管理者でもよく、車両d200の乗員でもよい。また、イベント通知部d150は、問い合わせ情報に対する回答情報を取得する。イベント通知部d150の機能の詳細については後述する。
指示部d160は、イベントでサービスを提供する車両d200がイベント会場のエリア付近を走行した場合に、エリア内の駐車位置を割り当て、割り当てた位置に関する情報を、車両d200または車両d200の所有者Oに指示する。エリア付近とは、例えば、エリアIDに対応するイベント会場から車両d200までの距離が所定距離以内(例えば、100m以内)の距離である。指示d部160の機能の詳細については後述する。
記憶部d170は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROM等により実現される。記憶部d170には、例えば、地図情報d171、イベントテーブルd172、車両割当テーブルd173、車両属性テーブルd174、車両情報DBd175、通知結果管理情報d176、駐車位置管理情報d177、およびその他の情報が格納される。
[車両] 車両d200は、例えば、四輪以上の車輪を有する車両であるが、自動二輪車その他の車両であっても構わない。また、車両d200は、例えば、着脱自在な荷台等を牽引する牽引車両でもよく、荷台と一体型の車両であってもよい。図79は、第5の実施形態の車両d200の構成図である。車両d200は、例えば、外界監視ユニットd210と、通信装置d220と、ナビゲーション装置d230と、推奨車線決定装置d240と、自動運転制御ユニットd250と、駆動力出力装置d260と、ブレーキ装置d262と、ステアリング装置d264とを備える。自動運転制御ユニットd250は、例えば、車両d200内の記憶部(不図示)に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行するCPU等のプロセッサを有する。外界監視ユニットd210、通信装置d220、ナビゲーション装置d230、推奨車線決定装置d240、自動運転制御ユニットd250、駆動力出力装置d260、ブレーキ装置d262、およびステアリング装置d264のそれぞれは、例えば、上述した第2の実施形態において紹介した図26の外界監視ユニットa210、通信装置a220、ナビゲーション装置a230、推奨車線決定装置a240、自動運転制御ユニットa250、駆動力出力装置a260、ブレーキ装置a262、およびステアリング装置a264と同様の構成を備えるため、ここでの詳細な説明を省略する。なお、第5の実施形態において、HMId232は、イベント配車装置d100からのイベント通知情報および問い合わせ情報を画面に表示させたり、音声により通知してもよい。また、HMId232は、乗員により操作された問い合わせ情報に対する回答情報を受け付け、受け付けた回答情報をイベント配車装置d100に送信してもよい。また、ナビ制御装置d236は、GNSS受信機d234によって測位された車両d200の位置を所定のタイミングでイベント配車装置d100に送信してもよい。また、第5の実施形態における自動運転の処理過程については、第1の実施形態において紹介した図3並びに関連する説明を援用し、詳細な説明を省略する。
[端末装置]
図78に戻り、端末装置d300は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。端末装置d300では、例えば、イベント配車システムを利用するためのアプリケーションプログラム、或いはブラウザ等が起動し、以下に説明するサービスをサポートする。以下の説明では、端末装置d300がスマートフォンであり、アプリケーションプログラム(イベント配車アプリ)が起動していることを前提とする。
端末装置d300は、例えば、通信部d310と、情報取得部d320と、表示d部330とを備える。通信部d310は、例えば、ネットワークNWに接続するためのネットワークカードである。通信部d310は、ネットワークNWを介してイベント配車装置d100およびその他の外部装置と通信する。
情報取得部d320は、CPU等のプロセッサが記憶部(不図示)に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、情報取得部d320は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予め記憶部に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶部にインストールされてもよい。情報取得部d320は、例えば、イベント配車装置d100から、イベントに関する情報および問い合わせ情報等を取得する。情報取得部d320は、例えば、端末装置d300にインストールされたイベント配車アプリを起動することで、実現される機能である。また、情報取得部d320は、端末装置d300にインストールされたメールソフトによりイベント配車装置d100から送信された電子メールを取得したり、メールを送信する機能を備えていてもよい。
表示部d330は、LCDや有機EL表示装置等である。表示部d330は、情報取得部d320により取得されたイベントに関する情報と、問い合わせ情報とを表示する。また、表示部d330は、表示された内容に対する所有者Oにより操作された情報を受け付ける、いわゆるタッチパネル式の受付部の機能を備えていてもよい。操作された情報とは、例えば、問い合わせ情報に対応する回答情報である。表示部d330は、受け付けた回答情報を通信部d310によりイベント配車装置d100に送信させる。
[第5の実施形態のイベント配車システムd1における具体的な処理内容]
以下、第5の実施形態のイベント配車システムd1における具体的な処理内容について説明する。イベント配車装置d100は、管理者等から第1の実施形態におけるイベント配車処理を実行する指示を受け付けると、表示部d120にイベント配車設定画面IM1を表示させる。
図80は、イベント配車設定画面IM1の一例を示す図である。イベント配車設定画面IM1には、開催するイベント会場(エリア)を指定するイベント会場指定領域d410と、イベントを指定するイベント指定領域d412と、イベント期間を指定するイベント期間指定領域d414と、入力した内容に基づく配車の実行もしくはキャンセルを確定する確定操作領域d416とが示されている。なお、イベント配車設定画面IM1のレイアウトは、表示項目については、図71の例に限定されるものではない。また、以下に説明する他の画面IMx(x:2以上の自然数)についてもレイアウトや項目については、任意に変更されてもよい。
表示制御部d130は、管理者の操作入力によりイベント会場指定領域d410に入力されるイベント会場に関する情報を受け付ける。表示制御部d130は、イベント会場指定領域d410に地図情報ボタンを表示し、管理者により地図情報ボタンが選択された場合に、記憶部d170に記憶された地図情報d171に含まれる地図情報を表示部d120に表示させる。ここで、地図情報d171には、例えば、ノードとリンクで表現された各道路に対する道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報等が含まれる。道路情報には、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別を表す情報、道路の車線数、非常駐車帯の領域、各車線の幅員、道路の勾配、道路の位置(経度、緯度、高さを含む3次元座標)、車線のカーブの曲率、車線の合流および分岐ポイントの位置、道路に設けられた標識等の情報が含まれる。また、地図情報d171には、車両d200を駐車する駐車エリアを識別するための識別情報(エリアID)やエリアIDごとの位置や大きさに関する情報が含まれてもよい。
表示制御部d130は、表示部d120に地図情報を表示させ、管理者によりタッチされた位置をイベント会場の入力として受け付けてもよい。
また、表示制御部d130は、管理者の操作入力によりイベント指定領域d412に入力されるイベントを特定する情報を受け付ける。表示制御部d130は、例えば、イベント指定領域d412に予め設定された複数のイベントを含むリストボックスを表示し、複数のイベントの中から管理者により選択された一つのイベントの情報を受け付ける。リストボックスに表示されるイベントは、イベントテーブルd172に格納されている。
図81は、イベントテーブルd172の内容の一例を示す図である。イベントテーブルd172には、イベントを識別するイベントIDにイベント内容が対応付けられている。例えば、イベントID「I002」には、「フードフェス」のイベントが対応付けられている。
また、表示制御部d130は、管理者の操作入力によりイベント期間を指定するイベント期間指定領域d414に入力されるイベント期間を特定する情報を受け付ける。表示制御部d130は、例えば、イベントの開始日および終了日をリストボックスから選択して一つの日付の情報を受け付ける。
また、表示制御部d130は、確定操作領域d416によりOKボタンの選択を受け付けることで、イベント配車の実行を受け付け、キャンセルボタンの選択を受け付けることで、イベント配車のキャンセルを確定する。
イベント車両候補決定部d140は、表示制御部d130により受け付けられたイベントを開催するエリアおよびイベントに関する情報に基づいて記憶部d170に記憶された車両割当テーブルd173を参照し、イベントに参加させる車両d200の車両属性と、車両属性ごとの台数を調整し、イベント通知部d150により通知する車両d200の候補を決定する。
図82は、車両割当テーブルd173の内容の一例を示す図である。車両割当テーブルd173には、エリアIDおよびイベントIDに、車両属性IDおよび属性ごとの台数が対応付けられている。エリアIDは、エリアを識別する識別情報である。車両属性IDは、イベントに参加する車両d200の属性を識別する識別情報である。車両の属性とは、例えば、車両d200または車両d200の荷台によって提供されるサービスのジャンルやサービスの具体的な内容を示すものである。属性の内容は、車両属性テーブルd174として記憶部d170に記憶されてよい。
図83は、車両属性テーブルd174の内容の一例を示す図である。車両属性テーブルd174には、車両属性IDに属性内容が対応付けられている。属性内容としては、例えば、カレーやラーメン等の所定の飲食を行う飲食屋台車両、食品や日用雑貨等の多数の品種を販売するコンビニエンスストア型車両、利用者を宿泊させる宿泊車両がある。また、属性内容としては、イベントに参加する複数の車両にバッテリーや燃料を供給する電力・燃料車両がある。
図82に戻り、車両割当テーブルd173の台数とは、エリアIDの領域に駐車可能な車両の台数である。例えば、図74の例では、エリアID「A001」のエリアでイベントID「I001」のイベントを開催する場合、車両ID「T004」の車両が20台割り当てられることを示している。また、同じエリアID「A001」のエリアで異なるイベント(イベントID「I002」)を開催する場合、車両ID「T001」の車両が10台と車両ID「T002」の車両が割り当てられる。イベント車両候補決定部d140は、管理者等による車両割当テーブルd173の各種情報の作成、変更、または削除の指示等を受け付け、受け付けた指示に基づいて、エリアやイベントに対する車両属性や台数等の調整を行ってもよい。
イベント車両候補決定部d140は、車両割当テーブルd173および車両属性テーブルd174を参照し、決定された配車の車両属性および台数に関する情報を表示制御部d130に出力する。表示制御部d130は、イベント車両候補決定部d140により決定された配車の車両属性および台数に関する情報を表示部d120に表示させる。
図84は、イベント配車が実行された後に表示部d120に表示されるイベント配車設定画面IM2の一例を示す図である。イベント配車設定画面IM2には、配車予定の車両の種別と、種別ごとの台数とが示されている。この台数は、車両割当テーブルd173により割り当てられた車両の種別と台数とが表示されている。また、表示制御部d130は、配車車両の台数を管理者が変更可能に表示し、管理者の入力により台数を任意に変更して調整することができる。表示制御部d130は、管理者による操作入力によって調整された台数に基づいて、車両割当テーブルd173の台数を更新してもよい。
また、イベント配車設定画面IM2には、確定操作領域d420が示されている。表示制御部d130は、確定操作領域d420によりOKボタンの選択を受け付けると、イベント配車の実行を受け付け、キャンセルボタンの選択を受け付けると、イベント配車のキャンセルを確定する。
また、イベント車両候補決定部d140は、イベント配車設定画面IM2によるイベント配車の実行を受け付けると、設定された車両種別および台数に基づいて、記憶部d170に記憶された車両情報DBd175を参照し、イベントに参加する候補となる車両d200を決定する。例えば、イベント車両候補決定部d140は、車両情報DBd175を参照し、車両属性IDに対応する車両IDを、車両割当テーブルd173で設定された台数分取得する。
図85は、車両情報DBd175の内容の一例を示す図である。車両情報DBd175には、車両属性IDに、車両d200を識別する識別情報である車両ID、車両d200と通信を行うための車両通信アドレス、車両d200の所有者の端末装置d300と通信を行うための所有者アドレス、および車両の位置情報が対応付けられている。車両通信アドレスとは、車両d200の通信装置と通信を行うためのIPアドレスまたは車両d200に割り当てられたメールアドレス、電話番号等である。所有者アドレスは、端末装置d300と通信を行うためのIPアドレスまたは端末装置d300に割り当てられたメールアドレス、電話番号等である。位置情報とは、それぞれの車両d200から所定のタイミングで送信される車両d200の位置を特定するための情報(例えば、緯度、経度)である。
イベント通知部d150は、イベント車両候補決定部d140により決定された車両d200の候補に対して、その車両d200または車両の所有者Oのうち、端末装置d300の一方または双方のアドレスを取得し、取得したアドレスに、開催するイベントに関する情報、および問い合わせ情報を通知する。イベント通知部d150は、電子メールにより通知してもよく、電話番号に電話をかけて機械音声により通知してもよく、車両d200および端末装置d300にインストールされたアプリケーションプログラム等を介して通知してもよい。
また、イベント通知部d150は、対象の車両d200または端末装d置300から得られる参加するか否かの回答結果に基づいて、記憶部d170に記憶された通知結果管理情報d176を更新する。
図86は、通知結果管理情報d176の内容の一例を示す図である。通知結果管理情報d176には、通知した車両IDに、通知フラグおよび参加フラグが対応付けられている。通知フラグとは、イベント通知部d150により車両IDに対応する車両d200または車両d200の所有者Oの端末装置d300にイベントに関する情報および問い合わせ情報を通知したか否かを識別するフラグである。図86の例において、イベント通知部d150は、情報を通知している場合には、通知フラグに「1」をセットし、通知していない場合に通知フラグに「0」をセットするが、フラグの識別情報については、これに限定されるものではない。後述する他のフラグについても同様とする。
また、参加フラグは、車両IDの車両が通知したイベントに参加するか否かを識別するフラグである。参加フラグは、通知した問い合わせ情報に対応する問い合わせ結果に基づいてイベント通知部d150によりセットされる。図86の例において、イベントにサービス提供者として参加する場合には、参加フラグに「1」をセットし、イベントにサービス提供者として参加しない場合または問い合わせ情報に対する回答がない場合には、参加フラグに「0」をセットする。
図87は、車両d200へのイベント通知について説明するための図である。図87の例では、イベント通知部d150は、例えば、車両属性ごとに、車両情報DBd175に登録されている車両順(例えば、車両ID順)に設定された台数の車両に対して、イベントに関する情報および問い合わせ情報を通知する。
また、イベント通知部d150は、車両情報DBd175に登録されている車両のうち、イベントに参加させる車両属性IDであって、且つ、イベントを開催するエリアからの距離が近い順に、設定された数の車両に対してイベント情報に関する情報および問い合わせ情報を通知してもよい。図87の例では、イベントを開催するエリア「A001」からの距離が近い順に4台の車両d200a〜d200dに通知している。イベントを開催するエリアに近い車両からイベント通知を行うことで、車両d200を速やかにイベント会場に集めることができる。
図88は、車両d200のHMId232に表示されるイベント通知画面IM3の一例を示す図である。なお、図88および後述する図89に示す画面は、端末装置d300に表示されてもよい。イベント通知画面IM3には、例えば、イベント配車装置d100から通知されるイベントに関する情報を表示させるイベント通知領域d430と、イベントにサービス提供者として参加するか否かを問い合わせる問い合わせ確認領域d432とが示されている。イベント通知領域d430には、例えば、イベント会場、イベント内容、イベント期間、提供を希望するサービス内容が示される。また、問い合わせ確認領域d432には、イベントに参加するか否かを確認するボタンが表示されている。HMId232は、車両d200の乗員による参加ボタンの選択を受け付けると、参加する旨の回答情報を通信装置d220によりイベント配車装置d100に送信する。また、HMId232は、不参加ボタンの選択を受け付けるか、或いは、イベント通知画面IM3を表示してから所定時間以上経過しても参加ボタンまたは不参加ボタンの選択を受け付けていない場合、参加しない旨を示す情報をイベント配車装置d100に送信する。
イベント通知部d150は、車両d200からイベントに参加する旨の情報を受け付けると、その車両d200からの回答情報を、通知結果管理情報d176に登録し、イベントの具体的な内容を参加する車両d200に送信する。図89は、参加する旨の回答をした車両d200に送信されるイベント通知画面IM4の一例を示す図である。イベント通知画面IM4には、参加決定通知領域d440が示されている。参加決定通知領域d440には、例えば、参加が許可された旨を示す情報と、集合予定に関する情報、イベント会場およびイベント開始日に関する情報、OKボタンが示されている。また、HMId232は、OKボタンの選択を受け付けると、イベント通知画面IM4を終了する。
また、イベント通知部d150は、車両からイベントに参加しない旨(不参加)の情報を受け付けると、その車両d200からの回答情報を、通知結果管理情報d176に登録する。更に、イベント通知部d150は、イベントが不参加となった車両の代わりの車両を車両情報DBd175から選択し、選択した車両に対してイベントに関する情報および問い合わせ情報を通知してもよい。これにより、イベントに参加する台数が予定台数になるまで通知を行うことができ、予定台数のイベント車両を確保することができる。
なお、イベント通知部d150は、車両d200が自動運転の場合に、イベントへの集合要求や需要見込みを車両d200に通知してもよい。この場合、車両d200は、イベントへの集合要求や需要見込みの通知を受け付けた場合に、イベントの内容を知らなくても自動運転制御ユニットd250による自動運転を実行してイベントが開催されるエリアに移動する。これにより、イベントに必要な台数をエリアに集めることができる。また、車両d200は、自動運転によるエリア到着時刻をイベント配車装置d100に通知してもよい。
イベントに参加する車両d200が、自動運転制御ユニットd250による自動運転を実行して、集合時間に近い時間にイベント会場付近に到着した場合、指示部d160は、車両の駐車位置に関する情報を車両d200(或いは端末装置d300)に通知する。集合時間に近い時間とは、集合時間の前後の数時間(例えば、集合時間の前後3時間)等の範囲である。
図90は、指示部d160による車両d200の駐車位置への指示の様子を説明するための図である。指示部d160は、車両d200の位置情報を取得する。例えば、指示部d160は、イベントに参加する車両d200aの走行位置と、イベント会場のエリア「A001」との最短距離D1が閾値(例えば、100m)以内となった場合に、エリア「A001」に対する車両d200aの駐車位置を車両d200aに通知する。通知を受けた車両d200aは、自動運転制御ユニットd250による自動運転を実行し、指示された駐車位置に移動して停車する。駐車位置に関する情報は、駐車位置管理情報d177として記憶部d170に格納される。
図91は、駐車位置管理情報d177の内容の一例を示す図である。駐車位置管理情報d177には、車両IDに、イベントを実行するエリアに対する車両の駐車位置が対応付けられている。指示部d160は、駐車位置管理情報d177を、イベントに参加する車両d200が確定した時点で生成してもよく、車両200がエリア付近に到着した時点で生成してもよい。
また、指示部d160は、例えば、駐車位置の指示情報を車両d200の所有者Oの端末装置d300に出力してもよく、エリア「A001」の入り口ゲート等に設けられた電光掲示板等に掲示してもよい。車両200または車両d200の運転者である所有者Oは、指示された情報に基づいて、車両d200を支持された場所に移動して停車させる。
また、指示部d160は、イベントに参加する車両d200をイベント会場に駐車する場合、車両属性ごとにグループ化して纏まったエリアに駐車させてもよい。また、指示部d160は、イベント会場A001に、複数のサブエリア(例えば、図90のエリア「A001−1」、「A001−2」)を設定し、それぞれのサブエリアごとに同一の車両属性IDで纏めて配置されるように、駐車位置を通知してもよい。図90の例では、サブエリア「A001−1」に、車両d200a、d200g、d200h、およびd200iが駐車され、サブエリア「A001−2」に、車両d200b、d200c、d200e、およびd200fが駐車されている。このように、複数の車両d200のそれぞれが提供するサービスごとに纏めて配置することで、サブエリアごとに飲食エリアや宿泊エリア等の纏まったサービスを提供することができる。
また、指示部d160は、異なる車両属性の車両を組み合わせてグループ化を行い、グループ単位でまとまったサブエリアに車両を駐車させてもよい。これにより、サブエリア単位に、複数の異なるサービスを提供することができる。
[処理フロー]
次に、第5の実施形態のイベント配車装置d100により実行される処理の流れについて説明する。図92は、第5の実施形態のイベント配車装置d100により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。イベント配車装置d100は、管理者等により、開催するイベント情報の入力を受け付ける(ステップS100d)。次に、イベント車両候補決定部d140は、イベントに参加する車両の候補を決定する(ステップS102d)。次に、イベント通知部d150は、決定した車両の候補にイベントに関する情報および問い合わせ情報を車両d200または端末装置d300のうち一方または双方に通知する(ステップS104d)。
次に、イベント通知部d150は、イベント配車装置d100は、問い合わせに対する回答情報を受け付け、受け付けた回答情報に基づいて、通知結果管理情報d176を管理する(ステップS10d6)。次に、イベント通知部d150は、イベントに参加する車両200に集合時間、場所等の情報を通知する(ステップS108d)。
指示部d160は、イベントに参加する車両200dが集合時間に近い時間にイベント会場付近に到着したか否かを判定する(ステップS108d)。イベントに参加する車両d200がイベント会場付近に到着していない場合には、指示部d160は、イベント会場付近に到着するまで待機する。また、イベント会場付近に到着した場合、指示部d160は、車両d200に割り当てたイベント会場内の駐車位置を指示する(ステップS110d)。これにより、本フローチャートの処理は、終了する。なお、ステップS108dの処理では、イベントの集合時間から所定時間を超えた場合に、本フローチャートを終了してもよい。
以上説明したように、第5の実施形態によれば、イベントに応じた車両を効率よく集めて車両によるサービスを提供することができる。また、第5の実施形態によれば、特定のエリアに多種のサービスを提供可能な複数の車両を集めることで、例えばショッピングモールのような施設を動的に構築することができる。また、第5の実施形態によれば、例えば、一時的なイベントが開催される場合に、速やかにサービスを提供する施設を構築することができるとともに、イベント終了後に速やかに施設を撤収することができる。
[第5の実施形態の第1変形例] 次に、第5の実施形態の第1変形例のイベント配車システムd2について説明する。第5の実施形態の第1変形例では、イベント配車装置d100Aは、イベントを利用する利用者Uにイベントを通知し、イベントの参加および送迎を希望する利用者に対しては、車両d200による送迎用の配車を行う。
図93は、第5の実施形態の第1変形例のイベント配車システムd2の構成図である。イベント配車システムd2では、ネットワークNWにシステム利用者Uにより使用される端末装置d500が接続されている。端末装置d500は、上述した端末装置d300と同様の機能を備えるため、ここでの具体的な説明は省略する。イベント配車装置d100Aには、イベント通知部d150Aと、送迎管理部d180とを備え、記憶部d170Aに利用者管理情報d178が記憶されている。その他の構成要素の機能は、第5の実施形態と同様である。したがって、以下では、主に送迎管理部d180の機能を中心に説明する。
イベント通知部d150Aは、第5の実施形態におけるイベント通知部d150の機能の他に、予め利用者管理情報d178に記憶されているイベントを利用する利用者Uのアドレス情報を用いて、利用者Uが使用する端末装置d500に、イベント情報と、イベント会場までの送迎を希望するか否かを確認する送迎確認情報とを通知する。これにより、端末装置d500の画面には、イベント情報が通知される。
図94は、端末装置d500に表示されるイベント情報画面IM5の一例を示す図である。イベント情報画面IM5には、イベント情報表示領域d450と、イベント送迎確認領域d452とが示されている。イベント情報表示領域d450には、イベント会場、イベント内容、およびイベント期間の情報が示されている。イベント送迎確認領域d452には、イベント会場までの送迎を希望するか否かを選択する二種類のボタンを示している。
利用者Uは、イベント情報表示領域d450に示されている情報を確認し、当日イベント会場まで送迎して欲しいと思った場合に、イベント送迎確認領域d452の「希望する」ボタンを選択する。また、利用者Uは、送迎を希望しない場合には、「希望しない」ボタンを選択する。端末装置d500は、「希望する」または「希望しない」ボタンの選択を受け付け、受け付けた選択結果をイベント配車装置d100Aに送信する。
イベント配車装置d100Aの送迎管理部d180は、端末装置d500により送迎を希望する旨の選択を受け付けた場合、端末装置d500に送迎設定画面IM6を表示させる。図95は、送迎設定画面IM6の一例を示す図である。送迎設定画面IM6には、イベント会場に関する情報が示されている。また、送迎設定画面IM6には、送迎場所を指定する送迎場所指定領域d460と、送迎日時を指定する送迎日時指定領域d462と、入力した内容に基づく送迎の実行もしくはキャンセルを確定する確定操作領域d464とが示されている。
送迎場所指定領域d460には、利用者が送迎場所を指定するテキストボックスが示されている。利用者Uは、テキストボックスに「○○駅東口」と入力することで、送迎場所を指定する。また、送迎場所指定領域d460には、送迎車両の乗る場所を地図情報から指定するための地図情報ボタンが示されている。地図情報ボタンの選択を受け付けると、地図情報d171に含まれる地図を表示し、利用者により選択した地点を送迎場所として設定する。
送迎日時指定領域d462には、日付および時間をそれぞれ指定する二つのリストボックスが示されている。リストボックスには、イベント開催期間に対応する日付または時間が示されている。例えば、日付のリストボックスには、イベントの開催日時に対応させた日付である「2017/7/15」、「2017/7/16」、「2017/7/17」が示される。
端末装置d500は、確定操作領域d464によりOKボタンの選択を受け付けることで、送迎の配車処理を受け付け、キャンセルボタンの選択を受け付けることで、送迎のキャンセルを確定する。なお、送迎管理部d180は、送迎設定画面IM6において、送迎場所からイベント会場までの送迎設定だけでなく、イベント会場から他の地点までの送迎設定を受け付けてもよい。
送迎管理部d180は、送迎設定画面IM6により設定された情報を利用者管理情報d178に記憶する。図96は、利用者管理情報d178の内容の一例を示す図である。利用者管理情報d178は、利用者Uを識別する利用者IDに、利用者Uが使用する端末装置d500と通信を行うための利用者アドレスと、利用者に配車を行うか否かを識別する配車フラグと、車両IDと、送迎地点到着日時と、送迎地点とが対応付けられている。利用者管理情報d178に登録されている利用者は、予めイベントに関する情報を通知するために登録された利用者である。送迎管理部d180は、利用者の登録時に利用者IDに利用者アドレスを対応付けて登録する。
配車フラグは、イベント情報画面IM5のイベント送迎確認領域d452により利用者Uがイベント会場までの送迎を希望するか否かに対応する情報が格納されている。図96の例では、イベント会場までの送迎を希望する場合には配車フラグに「1」がセットされ、送迎を希望しない場合には配車フラグに「0」がセットされている。また、利用者Uがイベント会場までの送迎を希望するか否かを選択していない場合には、配車フラグは、空欄となる。
また、利用者に送迎用の配車を行う場合、送迎管理部d180は、送迎設定画面IM6により設定された送迎場所および送迎日時を、利用者管理情報d178の送迎場所および送迎地点到着日時にセットする。また、送迎管理部d180は、送迎用の車両d200を選択し、選択した車両d200の車両IDを利用者管理情報d178に格納する。また、送迎管理部d180は、選択した車両d200に対して、送迎地点到着日時や送迎場所についての情報を通知する。通知を受けた車両d200は、自動運転制御ユニットd250による自動運転を実行して利用者Uの送迎を行う。
図97は、車両d200を用いた送迎の様子を説明するための図である。図97の例では、第5の実施形態の第1変形例における車両d200の送迎パターンを示している。図97の例において、車両d200は、例えば、車両本体d201と、荷台部d202とを備えるトレーラ車両或いはトラック車両である。車両本体d201は、荷台部d202を牽引する。車両本体d201は、荷台部d202と着脱可能である。車両本体d201は、上述した図79に示す車両d200の構成と同様の構成を備える。荷台部d202は、車両の属性に対応するサービスを提供する設備を備えている。
例えば、車両d200は、イベントに参加するためにイベント会場のエリア「A001」に移動し、イベント配車装置d100Aから駐車地点の指示を受け付けると、指示された場所に駐車する(図中(1))。ここで、イベントに来場する利用者Uの端末装置d500から送迎設定が実施された場合、イベント配車装置d100Aの送迎管理部d180は、エリア「A001」に駐車している一以上の車両d200のうち、利用者Uを送迎する車両d200を選択し、選択した車両d200に送迎時間と送迎場所を含む送迎指示を送信する(図中(2))。
送迎指示を受け付けた車両本体d201は、送迎時間の前後数時間の間に他の走行予定がなく、送迎が可能である場合に、送迎時間に送迎場所に到着するための自動運転の経路を生成する。また、車両本体d201は、送迎時間の所定時間前(例えば、5分前)に送迎場所に到着するように、車両本体d201を荷台部d202から切り離し、目的の送迎場所に走行を開始する。
例えば、車両本体d201は、地点B001で利用者Uaを乗車させ(図中(3))、その後、地点B002で利用者Ubを乗車させる(図中(4))。なお、車両本体d201は、利用者UaおよびUbを乗車させる場合に、認証処理を行ってもよい。この場合、利用者UaおよびUbがそれぞれ使用する端末装置d500aおよびd500bには、車両本体d201への乗車を可能とする乗車許可情報がメモリに登録されている。車両本体d201は、端末装置d500aおよびd500bと通信を行うことで乗車許可情報を取得して利用者UaおよびUbの乗車認証を行い、乗車が許可された場合に利用者を乗車させる。
また、車両本体d201は、乗車させた利用者UaおよびUbをエリア「A001」まで送迎する(図中(5))。なお、送迎管理部d180は、エリア「A001」に複数の車両が配置される場合に、エリア「A001」の代表地点(例えば、中心地点または出入り口に相当する地点)を経由地とする経路情報を車両本体d201に発行する。これにより、車両本体d201は、利用者UaおよびUbをエリア「A001」の適切な位置まで送迎することができる。このように、イベントに参加する車両d200を用いて利用者Uを送迎させることで、利用者の利便性を向上させたサービス提供を行うことができる。また、エリア「A001」に荷台部d202を駐車させたままにして、車両本体d201のみで送迎を行うことで、軽量化による燃費効率を向上させることができるとともに、車両200を有効活用することができる。
また、イベント配車装置d100Aの送迎管理部d180は、イベントに参加しない車両d200Zに対して送迎指示を送信してもよい(図中(6))。車両d200Zは、送迎が可能である場合に、自動運転を実行して利用者Uを乗車させ、エリア「A001」まで送迎する(図中(7))。
また、車両本体d201は、エリア「A001」にいる利用者Uを、目的地まで送迎してもよい。例えば、荷台部d202で提供している宿泊施設を利用していない利用者Ucが、観光地C001に移動したい場合に、端末装置d500により送迎設定を行う。イベント配車装置d100Aの送迎管理部d180は、指定された観光地C001まで乗車させる車両d200の選定し、選定した車両に送迎指示を出力する。図97の例では、車両本体d201が、観光地までの経路を生成し、生成した経路にしたがって自動運転制御ユニットd250による自動運転を実行して、利用者Ucを観光地C001まで送迎する例を示している(図中(8))。また、車両本体d201は、利用者Ucを観光地C001で降車させた後、エリア「A001」に戻ってきてもよく、観光した利用者Ucを再び乗車させてエリア「A001」まで送迎してもよい。
また、車両d200の荷台部d202が宿泊施設である場合に、宿泊施設のまま、他の地点に移動させてもよい(図中(9))。例えば、夜中に次の目的地に移動する場合に、宿泊施設の荷台部と連結した状態で車両d200を移動することで、寝た状態のまま移動することができる。これにより、睡眠時間を利用して次の目的地に移動することができるため、効率的な旅行プランを実行することができる。また、荷台部d202ごと車両d200を移動することで、例えば、宿泊しながら各観光地を巡ることができる。
[処理フロー]
次に、第5の実施形態の第1変形例のイベント配車装置d100Aにより実行される処理の流れについて説明する。図98は、第5の実施形態の第1変形例のイベント配車装置d100Aにより実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。図98は、上述したイベント配車装置d100により実行される処理の他に実行する処理の一例を示している。
イベント通知部d150Aは、予め登録された利用者にイベント情報および送迎確認情報を通知する(ステップS200d)。次に、送迎管理部d180は、利用者Uからの送迎要求を受け付けたか否かを判定する(ステップS202d)。送迎要求を受け付けた場合、送迎管理部d180は、イベントに参加する車両d200のうち、送迎可能な車両を選択する(ステップS204d)。次に、送迎管理部d180は、選択された車両d200に送迎時間と送迎場所を含む送迎指示を送信する(ステップS206d)。これにより、本フローチャートの処理を終了する。
以上説明したように、第5の実施形態の第1変形例によれば、第5の実施形態と同様の効果を奏する他、イベントを利用する利用者に対して自動運転車両による送迎を行うことができる。更に第5の実施形態の第1変形例によれば、イベントでサービスを提供する車両を利用して送迎を行うことで、車両を効率的に利用することができる。
[応用例]
次に、第5の実施形態および第5の実施形態の第1変形例における車両を用いた応用例について説明する。応答例では、第5の実施形態および第5の実施形態の第1変形例における車両d200の宿泊施設を利用して、例えば、車両d200のナビゲーション装置d230において、宿泊しながらの移動を前提とした旅行プランを提供することができる。
図99は、旅行プランのナビゲーション画面IM7の一例を示す図である。ナビゲーション画面IM7は、乗員により目的地が設定された場合に、ナビゲーション装置d230によって経路が生成される。この場合、ナビゲーション装置d230は、上述したように、目的地の途中の観光地で宿泊する経路を生成し、生成した経路をナビゲーション画面IM7としてHMId232に表示する。ナビゲーション画面IM7には、地図画像d600に車両d200の現在地点(図中A地点)から目的地(図中B地点)までの経路d610が生成されている。また、ナビゲーション画面IM7には、A地点からB地点に着くまでに、複数の宿泊可能な駐車エリアd622a〜d622cを経由する経路d610を示している。この駐車エリアd622a〜d622cは、例えば、第5の実施形態および第5の実施形態の第1変形例により提供されるイベントにより複数の車両d200が集まっている地点である。また、駐車エリアd622a〜d622cは、夜景の綺麗な地点や特産物が飲食できる地点、観光名所等でもよい。
また、ナビゲーション画面IM7には、他の駐車エリアd622d〜d622eを経由して目的地に到着可能な別の経路612を示している。乗員は、これらの経路d610およびd612から何れかを選択することで、車両d200のナビゲーションを実行する。
なお、上述した経路は、イベント配車装置d100Aにより生成されてもよい。この場合、例えば、利用者Uが使用する端末装置d500は、現在位置と、目的地に関する情報をイベント配車装置d100Aに送信する。イベント配車装置d100Aは、端末装置d500から取得した情報に基づいて、経路候補の生成と車両の割り当て等を行い、生成した経路候補と割り当て車両に関する情報を端末装置d500に送信し、利用者Uに経路を選択させることで、割り当てた車両d200による旅行を実行することができる。
このように、応用例によれば、車両d200の宿泊施設を前提とした旅行プランを提供することができる。これにより、例えば、内陸都市を目的地までの中継地点として活用することができ、内陸都市の地域活性化等に役立てることができる。また、応用例によれば、車両d200によって、走行時間や走行距離に依存せずに、観光地等を楽しむことを目的とした最適な経路を提供することができる。また、応用例によれば、長距離移動に宿泊機能を付加したサービスを提供することができ、寝台列車や高速バスと比較して、利用者が自由に選択した経路による宿泊移動サービスを提供することができる。
[第5の実施形態の第2変形例]
次に、第5の実施形態の第2変形例のイベント配車システムd3について説明する。第5の実施形態の第2変形例では、外部サービス事業者(サービス提供者、サードパーティ)がイベント配車サービスの少なくとも一部を提供するものである。図100は、第5の実施形態の第2変形例のイベント配車システムd3の構成図である。イベント配車システムd3は、イベント配車装置d100と、一以上の車両d200と、一以上の車両d200の所有者Oにより使用される端末装置d300と、利用者Uが使用する端末装置d500と、外部サービス事業者により使用されるサービス提供者装置d700とを備える。これらの構成要素は、ネットワークNWを介して互いに通信可能である。以下、端末装置d300、車両d200、端末装置d500、イベント配車装置d100B、サービス提供者装置d700のそれぞれの機能について説明する。
[端末装置d300]
端末装置d300は、所有者Oからの操作を受け付けて開催日時、開催エリア等を指定し、指定された情報をイベント配車装置d100Bに送信する。ここで、所有者Oとは、車両d200の所有者に加えて、イベントを開催するイベントオーナーでもよく、自治体等の所定の団体でもよい。また、端末装置d300は、サービス提供者装置d700に対して追加のサービスの発注を行ってもよい。
[車両]
また、第5の実施形態の第2変形例において、車両d200の走行制御に関する構成(例えば、自動運転に関する構成)は、第1の実施形態における車両d200が備える構成に加えて車両管理装置d270が搭載される。したがって、以下では、主に車両管理装置d270の構成を中心に説明する。
図101は、第5の実施形態の第2変形例の車両d200に搭載される車両管理装置d270の構成の一例を示す図である。車両管理装置d270は、例えば、通信部d271と、認証部d272と、HMId273と、車両/コンパートメント管理部d274とを備える。通信部d271は、例えば、無線通信装置である。通信部d271は、ネットワークNWを介してイベント配車装置d100Bと通信する。認証部d272は、イベント配車装置d100Bの指示により、サービス開始のための認証処理を行う。HMId273は、HMId232とは別に設けられた、タッチパネル式ディスプレイ装置(表示部)やスピーカ、マイク、各種操作スイッチ等である。また、HMId273は、車内用のインターフェースだけでなく、車外用のインターフェースを備えていてもよい。
車両/コンパートメント管理部d274は、例えば、利用状況検知部d274Aと、利用許可部d274Bと、認証部d274Cとを備える。車両d200には、利用者Uが利用可能な空間(コンパートメント)が一以上設けられている。コンパートメントとは、例えば、座席や、荷物を載置する載置領域等である。例えば、コンパートメントは、所定のパーティションで区画された領域であってもよい。車両/コンパートメント管理部d274は、座席や載置領域を駆動させる機構を制御して、座席を載置領域に変更させたり、載置領域を座席に変更したりする。更に、車両/コンパートメント管理部d274は、例えば、座席を収納する収納部に座席を収納したり、収納部に収納された座席を収納部から出したりする。
利用状況検知部d274Aは、コンパートメントごとの利用状況を検知する。例えば、利用状況検知部d274Aは、各コンパートメントが利用中であるか否かを検知する。図100では、車両d200としてトレーラ車両を示しているが、車両d200は、普通乗用車、バス、マイクロバス等の車室内を区切ったコンパートメントのそれぞれに一以上の乗員が乗車可能なサイズの車両であってもよい。利用許可部d274Bは、例えば、認証部d274Cによる認証が成功した場合に、予め指定されたコンパートメントの利用を許可し、例えばドアの開錠等を行う。認証部d274Cは、乗車してくる利用者Uの本人確認等の認証を行う。
車両管理装置d270は、例えば、以下のような内容を含む車両情報をイベント配車装置d100Bに送信する。
[車両情報]
・車両ID
・位置情報(緯度、高度、経度)
・コンパートメント利用状況(利用中のコンパートメントに関して利用中のサービス利用者のユーザID、利用可能なコンパートメントの情報等)
・走行状態(速度、加速度、角速度、車載機器の状態等)
・サービス提供者の情報(サービス提供者のID、実施中のサービスの情報、サービス実施経過時間等)
[端末装置d500]
端末装置d500は、例えば、以下のような内容を含むサービス利用依頼情報をイベント配車装置d100Bに送信する。位置情報は、例えば、端末装置d500が内蔵するGPS受信機により測位されたものである。その他の情報は、原則として利用者Uによって入力された情報に基づいている。利用希望サービス提供者属性情報とは、例えば、利用者Uが希望するサービス提供者の属性に関する情報である。属性は、例えば、提供するサービスの種別の他、年齢、性別、性格(タイプ)等を含んでもよい。属性に関して、イベント配車装置d100Bは、完全に一致するサービス提供者を固定的に割り当てるのではなく、利用者Uに提示して選択あるいは確定させるようにしてよい。
[サービス利用依頼情報]
・ユーザID
・位置情報(緯度、経度、高度)
・利用希望空間情報(例えば、人数、座席数等により表される)
・利用希望サービス提供者属性情報
・利用希望サービスID
・利用希望区間情報(第1区間の情報)
・利用者Uの希望するサービス利用の時間帯の情報
・決済認証情報
[サービス提供者装置]
図102は、第5の実施形態の第2変形例のサービス提供者装置d700の構成の一例を示す図である。サービス提供者装置d700は、例えば、複数のサービス提供者の状態を把握し、イベント配車装置d100Bからの発注に自動的に応答可能な装置である。サービス提供者装置d700は、例えば、通信部d710と、受注処理部d720と、状態管理部d730と、記憶部d740とを備える。受注処理部d720および状態管理部d730は、例えば、CPU等のプロセッサが記憶部d170に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリ等の記憶部d740に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置(不図示)に装着されることで記憶部d740にインストールされてもよい。サービス提供者装置d700は、イベント配車装置d100Bの構成の一部または全部を含んでいてもよい。
通信部d710は、ネットワークNWを介してイベント配車装置d100B、車両d200、端末装置d300等と通信する。受注処理部d720は、イベント配車装置d100Bからのサービス発注に対して、受注処理を行う。受注処理部d720は、サービス発注の内容が既にイベント配車装置d100Bに送信済みのサービス提供情報の範囲内であるか否かを判定し、範囲内であると判定した場合に受注処理を先に進める。状態管理部d730は、サービス提供者装置d700に登録されたサービス提供者の状態(予約状態、稼働状態等)を管理し、以下のような内容を含むサービス提供情報をイベント配車装置d100Bに提供する。
サービス提供者装置d700は、例えば、サービス提供情報をイベント配車装置d100Bに送信する。サービス提供情報は、サービス提供者が受注可能なサービスに関連する情報である。
[サービス提供情報]
・受注ID
・サービス名称
・実行責任者情報
・サービス提供者属性情報
・サービス提供者の希望するサービス提供時間帯の情報
・必要車両コンパートメント情報
・サービス提供可能な地域の情報
・必要車両コンパートメント情報
・受注可能エリア情報
・受注可能時間情報
・施設位置情報(車両外でのサービス提供地点情報)
・サービスステータス
また、サービス提供者装置d700は、イベント配車装置d100Bからコンパートメントの制御要求やコンテンツの提供の要求があった場合、要求に応じたコンテンツを車両管理装置d270に送信する。この場合、サービス提供者装置d700の記憶装置には、コンテンツIDに対応付けられた各種コンテンツが記憶されている。各種コンテンツは、予めイベント配車装置d100Bの記憶装置に格納されていてもよい。受注処理部d720は、制御要求に基づくコンパートメントの制御信号や、コンパートメントごとのコンテンツの車外表示または車内表示に関する情報を車両管理装置d270に送信し、車両d200に所定のコンテンツ表示を実行させる。また、受注処理部d720は、端末装置d300等からの追加サービスを受注し、受注に基づく制御を車両管理装置d270に実行させてもよい。
記憶部d740は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROM等により実現される。記憶部d740は、サービス提供情報およびその他の情報が格納される。
[イベント配車装置]
図103は、第5の実施形態の第2変形例のイベント配車装置d100Bの構成の一例を示す図である。イベント配車装置d100Bは、第1変形例におけるイベント配車装置d100Aの構成と比して、取得部d181、特定部d182、プラン決定部d183、認証部d184、判定部d185、およびエリア管理部d186を備える。したがって、以下では、主に取得部d181、特定部d182、プラン決定部d183、認証部d184、判定部d185およびエリア管理部d186の機能を中心に説明する。
取得部d181は、通信部d110を介して、端末装置d500からサービス利用依頼情報を取得する。また、取得部d181は、通信部d110を介して、予め登録された車両d200の車両管理装置d270から車両情報を取得する。また、取得部d181は、通信部d110を介して、サービス提供者装置d700から、サービス提供情報を取得する。
特定部d182は、端末装置d300からの開催日時や開催エリア等の情報に基づいて、複数の車両が駐車可能なエリアを特定する。また、特定部d182は、サービス利用依頼情報と車両情報とに基づいて、利用可能な車両d200を特定し、利用可能車両情報を生成する。具体的には、特定部d182は、サービス利用依頼情報に含まれる利用希望空間情報、利用希望区間情報、利用者Uの希望するサービス利用の時間帯の情報と、車両情報に含まれる位置情報、コンパートメント利用状況とを比較し、位置情報とコンパートメント利用状況とが、サービス利用依頼情報に含まれる条件を満たす車両を、利用可能な車両d200として特定し、特定した車両d200に関する情報を利用可能車両情報として生成する。
プラン決定部d183は、利用可能車両情報およびサービス提供情報に基づいて、利用者Uが享受可能な可用サービスを特定し、特定した可用サービスに関する情報をイベントステータスとしてイベント通知部d150Aを介して利用者Uの端末装置d500に提供する。具体的には、プラン決定部d183は、利用可能車両情報およびサービス提供情報に基づいて、サービス提供者が車両d200の少なくとも一部(例えば、コンパートメント)を占有する第2区間を設定し、サービス利用依頼情報における利用希望区間情報(第1区間の情報)と第2区間の重複部分に基づいて、利用者Uが車両d200の少なくとも一部を占有する第3区間を設定する。プラン決定部d183は、第1区間の設定前に、サービス提供者が既に車両d200に乗車している場合、第1区間の設定と同時に、車両d200の現在位置を起点として第2区間を設定してよい。
また、プラン決定部d183は、サービス提供情報に含まれるサービス提供可能な地域の情報と、第1区間の重複範囲内で、第3区間を設定してもよい。更に、プラン決定部d183は、利用者Uが車両d200の少なくとも一部を占有する時間帯が、サービス利用者の希望するサービス利用時間帯の情報と合致するように、且つ、サービス提供者が前記車両を占有する時間帯が、サービス提供者の希望するサービス提供時間帯の情報と合致するように、第3区間を設定してもよい。そして、プラン決定部d183は、設定した第3区間に基づいて可用サービスを特定する。
また、プラン決定部d183は、ある利用者Uに対して、複数のサービス提供者が順次サービスを提供する場合、複数のサービス提供者のそれぞれに対応して第2区間を設定し、それぞれの第2区間に対応した複数の第3区間を設定してもよい。
他の機能として、プラン決定部d183は、端末装置d500を用いた利用者Uからの指示に応じて、第1区間が車両外でのサービス提供地点で終了するように、第1区間を更新してもよい。この場合、プラン決定部d183は、端末装置d500を用いた利用者Uからの指示に応じて(あるいは自動的に)、通信部d110を用いて、車両外でのサービス提供地点に存在する施設に対して予約情報を送信し、通信部d110によって予約結果を受信すると共に、通信部d110を用いて予約結果を利用者Uの端末装置d500に送信してもよい。
指示部d160は、通信部d110に、利用者Uの利用開始位置および利用終了位置の情報と、サービス提供者の利用開始位置および利用終了位置の情報とを、車両d200に送信させることで、車両d200が走行すべき経路を車両d200に指示する。また、指示部d160は、イベント開催エリアに到着した複数の車両がエリア内の所定の位置に配置されるように複数の車両のそれぞれに駐車位置を指示する。
認証部d184は、端末装置d500との通信による利用者Uの認証を行ったり、サービス提供開始時の認証を行ったりする。
判定部d185は、利用者Uと、サービス提供者とのそれぞれについて、車両d200を利用しているか否かを判定する。
プラン決定部d183は、判定部d185の判定結果を利用して各種の処理を行う。例えば、プラン決定部d183は、判定部d185により利用者Uとサービス提供者の双方が車両d200を利用していると判定した場合のみ、第1区間の変更を受け付ける(第1区間を更新する)ようにしてもよい。このケースは、例えば、サービス提供者が利用者Uに提案して目的地を変更したり、車両d200側に提供する情報に基づいてサービス中に最終目的地を変更したりする場合に生じる。また、プラン決定部d183は、取得部d181がサービス利用依頼情報を受信した時点において、判定部d185が、利用者Uが既に車両d200を利用していると判定した場合(すなわちサービス利用中に、サービス延長あるいは別のサービスの依頼を行った場合)、当該利用中の車両d200を優先的に利用者Uに割り当てるようにしてもよい。
記憶部d170Bには、記憶部d170Aに格納される情報に加えて、利用可能車両情報d179A、サービス管理情報d179B、および対応情報d179Cが格納される。サービス管理情報d179は、例えば、サービス依頼管理情報と、予約管理情報と、実行中サービス管理情報とを含む。サービス依頼管理情報には、例えば、取得部d181により取得されたサービス利用依頼情報のそれぞれがレコードとして登録される。予約管理情報には、予約利用区間、予約利用時間帯、経由地、経由地予定到着時刻等の情報が、サービスごとに格納される。実行中サービス管理情報には、サービスステータスやサービス属性、サービス提供者ID等の情報が登録される。対応情報d179Cは、端末装置d500または車両管理装置d270から送信された情報であって、利用者ID(または車両を運転する運転者ID)と、車両IDと、利用者が利用を依頼したコンテンツIDとが互いに対応付けられた情報である。
対応情報d179Cにおいて、コンテンツIDには、コンテンツ提供事業者IDや、コンテンツ利用対象エリアID、コンテンツ利用時刻、コンテンツ注目度指標等が対応付けられている。コンテンツ利用対象エリアIDとは、例えば、コンテンツの利用が可能なエリアを示すIDである。コンテンツ利用時刻は、例えば、コンテンツの利用が可能な時刻である。
エリア管理部d186は、複数の車両のそれぞれの車両属性に基づいて、特定部d182の取得したエリア情報を通知するとともに、エリアに対する車両d200の到達情報を取得し、イベント開催エリアを管理する。また、エリア管理部186は、例えば、経路設定部d186Aと、経路設定要求部186Bとを備える。経路設定部d186Aは、車両d200が自動運転車両である場合に、車両d200を無人でエリアまで到達させるための経路を設定し、設定した経路を、車両d200に送信する。経路設定要求部d186Bは、自動運転車両以外の車両に対してイベント開催エリアへの経路情報を通知する。これにより、車両d200の種別に応じて適切な経路情報を送信して、車両をイベント開催エリアに誘導することができる。
なお、第5の実施形態の第2変形例において、イベント通知部d150Aは、エリアの位置から所定距離以内にある車両d200または車両d200の所有者Oに対してエリア情報を通知する。また、イベント通知部d150Aは、エリア内に存在する車両d200または車両d200の管理者から取得した動的な関連情報をイベントステータス情報として端末装置d500等に通知する。
図104は、第5の実施形態の第2変形例のイベント配車システムd3の処理の流れの一例を示すシーケンス図である。図104の例では、主に利用者により使用される端末装置d500と、イベント配車装置d100Bと、所有者Oにより使用される端末装置d300と、サービス提供者装置d700と、車両管理装置d270とにおける処理を中心に説明する。
まず、端末装置d300から所有者Oが指定したイベントの開催日時および開催エリアの情報がイベント配車装置d100Bに送信される(ステップS200d)。所有者Oとは、車両d200の所有者等の個人のオーナーでもよく、自治体等の所定の団体等でもよい。イベント配車装置d100Bは、イベントの情報を登録するとともに、ウェブやメール等で公開する(ステップS202d)。次に、サービス提供者装置d700は、イベント配車装置d100Bにより公開されたイベント情報を取得し、取得したイベント情報への参加希望と、参加する車両情報(店舗等の希望属性)を設定して、イベント配車装置d100Bに送信する(ステップS204d)。次に、イベント配車装置d100Bは、サービス提供者装置d700からの車両情報を参照し、希望属性を登録する(ステップS206d)。このように、車両(店舗)が、サービス参加を決定すると、イベントに属性(サービスの種別)が追加されていく。これにより、イベント配車装置d100Bによるサービス認証、サービス提供者装置d700による車両認証・サービス利用開始が通知されるとともに、端末装置d300にイベントの開始が通知される(ステップS208d)。また、サービス提供者装置d700は、参加する車両d200の車両管理装置d270にサービス利用を開始させる情報を送信し、車両d200にサービス提供を実行させる。
次に、イベント配車装置d100Bは、車両d200の到着状態等を管理して、駐車領域の空き状態等に基づき、イベント配車装置d100Bのイベントステータスを動的に更新する(ステップS210d)。また、端末装置d300は、イベントステータス等に対応して動的に更新された開催エリアステータスを取得する(ステップS212d)。また、サービス提供者装置d700は、イベントステータスや開催エリアステータス等に対応して動的に更新されたサービスステータスを取得する(ステップS214d)。これにより、イベント参加者は、イベントを利用したタイミングで最新のステータス情報を得ることができる。また、サービス提供者装置d700は、個々の車両の車両管理装置d270に対し、必要に応じて開催エリアへのローカル誘導を行ってもよい(ステップS216d)。
次に、端末装置d500は、イベント配車装置d100Bとの間で、ユーザ認証を行う(ステップS218d)。次に、端末装置d500は、目的地を設定し、設定した目的地をイベント配車装置d100Bに送信する(ステップS220d)。イベント配車装置d100Bは、最新の動的なイベントステータスを端末装置d500に送信する(ステップS222d)。端末装置d500は、最新のイベントステータスに基づいて、イベントに参加する場合には、参加希望を送信するとともに、参加希望と合わせ、付加サービス(例えば、送迎)を希望する場合は、付加サービスを希望する旨の情報をイベント配車装置d100Bに送信する(ステップ224)。イベント配車装置d100Bは、付加サービスが発注された場合に、発注情報を、サービス提供者装置d700に送信する(ステップS226d)。サービス提供者装置d700は、サービスを受注し、車両を手配し、その旨の信号をイベント配車装置d100Bに送信する(ステップS228d)。
次に、イベント配車装置d100Bは、手配された車両に対し経路の設定を行う(ステップS230d)。次に、イベント配車装置d100Bは、車両d200のコンパートメントされた領域に対して出力するコンテンツ情報を送信するとともに、コンテンツの表示許可を端末装置d300に送信する(ステップS23d2)。端末装置d300は、参加ユーザの車両に対し、イベントオーナー(または店舗車両)からの指示による表示や機能等のコンパートメントの制御を許可し、コンパーメント情報を車両管理装置d270に送信する(ステップS234d)。車両管理装置d270は、コンパートメント情報を取得すると、車両d200が、この情報に応答して所定の制御を行う(ステップS236d)。
また、端末装置d300は、イベント配車装置d100Bからのコンテンツ情報を取得すると、取得したコンテンツに対する外部表示制御を車両管理装置d270に送信する(ステップS238d)。車両管理装置270dは、コンテンツ情報を取得すると、コンテンツ情報に応答したコンテンツをHMId273の車外用表示部に表示させる(ステップS240d)。
その後、車両管理装置d270は、利用者Uを乗車させるための乗車制御を行う(ステップS242d)。次に、端末装置d300は、任意のタイミングで、別のサービスプロバイダを招聘して追加サービスを発注する(ステップS244d)。サービス提供者装置d700は、追加サービスを受注すると、受注したことを端末装置d300に送信するとともに、同一車両または他の車両の車両管理装d置270に追加サービスの内容を送信し、車両管理装置d270に追加サービスを実行させる(ステップS246d)。次に、車両管理装置d270は、利用者Uの降車制御を行う(ステップS248d)。なお、降車後のサービスは、継続させてもよい。なお、例えば、イベント配車装置d100Bは、イベントステータスを端末装置d500に提示する(ステップS250d)。これにより、例えば、帰りのピックアップ情報等を端末装置d500に送信することで、利用者Uに特定車両や店舗の位置へ誘導させることができる。
<第6の実施形態>
次に、第6の実施形態について説明する。第6の実施形態では、第1の実施形態の車両が適用可能な車内演出装置e1を示すものである。図105は、第6の実施形態における車内演出装置e1の概要を示す図である。車内演出装置e1は、車両(以下、車両V)によって移動する当該車両Vの乗員(以下、乗員PS)に対して、娯楽を提供する装置である。車内演出装置e1は、例えば、車両Vの移動中に、車両Vの周囲環境に存在する物体を射撃対象とする射撃ゲームを演出する。本実施形態の一例において、車両Vは、自動運転によって走行する。車内演出装置e1は、車両V内に配置される。また、車両Vには、音検出部e20、動作検出部e30、撮像部e40、入力部e50およびディスプレイe60が配置される。
音検出部e20は、乗員PSが発する音声を検出する。音検出部e20とは、例えば、マイクロフォンである。動作検出部e30は、乗員PSの動作を検出する。動作検出部e30とは、例えば、モーションセンサである。撮像部e40は、車両Vが走行する周囲環境を撮像する。入力部e50は、入力デバイスを備え、乗員PSの入力操作を受け付ける。この入力デバイスには、キーボード等の文字情報を入力するデバイス、マウス、タッチパネル等のポインティングデバイス、ボタン、ダイヤル、ジョイスティック、タッチセンサ、タッチパッド等が含まれる。ディスプレイe60は、車内演出装置e1の制御に基づいて、各種情報を表示する。本実施形態の一例において、ディスプレイe60は、透過型ディスプレイであって、車両Vのフロントウィンドウに接して配置される。乗員PSは、フロントウィンドウから車両Vの周囲環境と、ディスプレイe60が表示する画像とを視認可能である。なお、車両Vは、フロントウィンドウを備えていなくてもよい。この場合、ディスプレイe60は、撮像部e40が撮像する車両Vの周囲環境画像と、応答画像とを重畳して表示する。なお、ディスプレイe60は、HUD(Head-Up Display)であってもよい。
車内演出装置e1は、音検出部e20および動作検出部e30が検出した検出結果と、入力部e50に入力された情報とに基づいて、乗員PSの動作に応じた応答画像を、ディスプレイe60に表示する。車内演出装置e1は、例えば、乗員PSが、車両Vの周囲環境に存在する物体を射撃する動作(以下、射撃動作)に基づいて、応答画像を提示したり、当該射撃動作に伴う得点を算出したりする。以下、車内演出装置e1の具体的な構成について説明する。
[車内演出装置の機能構成について]
図106は、第6の実施形態に係る車内演出装置e1の構成の一例を示す機能構成図である。車内演出装置e1は、制御部e10と、音検出部e20と、動作検出部e30と、撮像部e40と、入力部e50と、ディスプレイe60と、記憶部e500とを備える。記憶部e500には、応答画像を示す情報(以下、応答画像情報e500−1)が記憶される。
制御部e10は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部e500に記憶されたプログラムを実行し、音声情報取得部e11と、動作情報取得部e12と、画像情報取得部e13と、目的地情報取得部e14と、ゲーム管理部e15と、抽出部e16と、得点算出部e17と、表示制御部e18とをその機能部として実現する。これらの機能部は、LSI、ASIC、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
音声情報取得部e11は、音検出部e20が検出した乗員PSの音声を示す音声情報を取得する。動作情報取得部e12は、動作検出部e30が検出した乗員PSの動作を示す動作情報を取得する。本実施形態の一例において、乗員PSは、射撃音を模倣する音声を発し、かつ車両Vの周囲環境に存在する物体(射撃対象)を指で指示する動作を、射撃動作として行う。したがって、音声情報には、射撃音を模倣する音声が含まれる。図105に示す「バン!」は、乗員PSが射撃音を模倣する音声の内容を示している。また、動作情報には、射撃対象を指示する指示動作が含まれる。音声情報取得e部11は、取得した音声情報を表示制御部e18と、得点算出部e17とに出力する。また、動作情報取得部12は、取得した動作情報を表示制御部e18と、得点算出部e17とに出力する。
画像情報取得部e13は、撮像部e40が車両Vの走行する周囲環境を撮像し、生成した周囲環境画像を示す情報(以下、画像情報)を取得する。画像情報取得部e13は、取得した画像情報を抽出部e16に出力する。目的地情報取得部e14は、入力部e50に入力された操作によって示される目的地を示す情報(以下、目的地情報)を取得する。車両Vは、例えば、目的地情報取得部14が取得した目的地情報が示す目的地に向かって、自動運転によって走行する。また、目的地情報取得部e14は、目的地情報を表示制御部e18に出力する。
ゲーム管理部e15は、車内演出装置e1が演出する射撃ゲームを管理する。ゲーム管理部e15は、例えば、射撃ゲームの開始および終了を管理する。ゲーム管理部e15は、例えば、入力部e50に入力された操作が射撃ゲームの開始を示す場合、射撃ゲームを開始させる処理を実行する。また、ゲーム管理部e15は、入力部e50に入力された操作が射撃ゲームの終了を示す場合、射撃ゲームを終了させる処理を実行する。射撃ゲームを開始させる処理とは、抽出部e16、得点算出部e17および表示制御部e18に各種処理の実行を許可する処理(以下、イネーブル処理)である。また、射撃ゲームを終了させる処理とは、抽出部e16、得点算出部e17および表示制御部e18に各種処理の実行を許可しない処理(以下、ディスエイブル処理)である。抽出部e16、得点算出部e17および表示制御部e18は、ゲーム管理部e15がイネーブル処理を実行する場合、各種処理を実行し、ゲーム管理部e15がディスエイブル処理を実行する場合、各種処理を実行しない。
なお、上述では、ゲーム管理部e15が、入力部e50に入力された操作に基づいて、射撃ゲームの開始および終了を示す情報を取得する場合について説明したが、これに限られない。射撃ゲームの開始および終了は、乗員PSの音声によって指示されてもよい。この場合、ゲーム管理部e15は、音検出部e20の検出結果に基づいて、射撃ゲームの開始および終了を管理してもよい。また、ゲーム管理部e15は、音検出部e20や動作検出部e30の検出結果に基づいて、車両Vの車内環境の盛り上がり度を判定する構成であってもよい。ゲーム管理部e15は、車両Vの車内環境の盛り上がり度が低い場合、自動的にイネーブル処理を実行してもよい。この場合、車内演出装置e1は、車内が盛り上がっていない時に射撃ゲームを演出し、車内を盛り上げることができる。また、ゲーム管理部e15は、車両Vの車内環境の盛り上がり度が低い場合、自動的にディセエイブル処理を実行してもよい。この場合、車内演出装置1は、演出した射撃ゲームによって車内が盛り上がっていない時に射撃ゲームを終了することができる。
抽出部e16は、画像情報取得部e13から画像情報が入力される。抽出部16は、画像情報が示す周囲環境画像に対して画像認識処理を行い、乗員PSの射撃対象の物体を抽出する。抽出部e16は、例えば、車両Vの近傍を走行する前方車両、後方車両、並走車両および対向車両や、車両Vの周囲に存在する店舗の看板や、道路標識等の物体を乗員PSの射撃対象として抽出する。また、抽出部e16は、周囲環境画像に基づいて、車両Vの周囲に存在する実際の物体の位置と、抽出した物体(射撃対象)の位置とをマッチングし、射撃対象の位置を示す情報を得点算出部e17に出力する。
具体的には、抽出部e16は、周囲環境画像に対して画像認識処理を行い、周囲環境画像に撮像される各種物体の当該周囲環境画像上における位置を認識する。また、抽出部e16は、フロントウィンドウに周囲環境画像を実物大に提示した場合のフロントウィンドウ上の位置と、抽出した物体(射撃対象)の周囲環境画像上における位置とをマッチングする。抽出部e16は、フロントウィンドウの位置を、射撃対象の仮想的な位置を示す仮想位置情報として、得点算出部e17と、表示制御部e18とに出力する。
得点算出部e17は、音声情報取得部11から入力された音声情報と、動作情報取得部e12が取得した動作情報と、抽出部e16から入力された仮想位置情報とに基づいて、乗員PSの動作に対する得点を算出する。例えば、音声情報が射撃音を模倣する音声を示し、かつ動作情報が示す指示動作の指示方向が、仮想位置情報が示す射撃対象の位置の方向である場合、得点算出部e17は、乗員PSの動作に対して高い得点を算出する。また、音声情報が射撃音を模倣する音声を示し、かつ動作情報が示す指示動作の指示方向が、仮想位置情報が示す射撃対象の位置の方向ではない場合、得点算出部e17は、乗員PSの動作に対して低い得点を算出する。得点算出部e17は、算出した得点を示す得点情報を表示制御部18に出力する。
表示制御部e18は、音声情報取得部e11から入力された音声情報と、動作情報取得部e12から入力された動作情報と、目的地情報取得部e14から入力された目的地情報と、抽出部e16から入力された仮想位置情報と、得点算出部e17から入力された得点情報とに基づいて、応答画像をディスプレイe60に表示する。以下、表示制御部e18がディスプレイe60に表示する応答画像の具体例について説明する。
[射撃動作を検出したことを示す応答画像の例]
図107は、射撃動作を検出したことを示す応答画像GP1Aの一例を示す図である。表示制御部e18は、音声情報が射撃音を模倣する音声を示し、かつ動作情報が指示動作を示す場合、射撃動作を検出したことを示す応答画像(図示する応答画像GP1A)をディスプレイe60に表示する。図107に示す通り、応答画像GP1Aとは、例えば、射撃が射撃対象に命中したことを示す画像である。表示制御部e18は、応答画像GP1Aを提示し、乗員PSに対して、射撃動作を検出したことを明示する。
[射撃したことを示す応答画像の例]
図108は、射撃したことを示す応答画像GP1Bの一例を示す図である。表示制御部e18は、射撃したことを示す応答画像GP1B(図示する応答画像GP1B−1〜GP1B−4)をディスプレイe60に表示する。図108に示す通り、応答画像GP1Bとは、例えば、所定の領域にインクが塗布されたような画像である。表示制御部e18は、動作情報が示す指示方向に応答画像GP1Bを提示し、乗員PSに対して射撃動作が行われたことを明示する。また、表示制御部e18は、射撃対象に重畳するように応答画像GP1Bを表示してもよい。具体的には、表示制御部e18は、対向車両に重畳するように応答画像(図示する応答画像GP1B−1)を表示してもよい。また、表示制御部e18は、道路標識に重畳するように応答画像(図示する応答画像GP1B−2)を表示してもよい。また、表示制御部e18は、車両Vの周辺に存在する店舗の看板に重畳するように応答画像(図示する応答画像GP1B−3)を表示してもよい。また、表示制御部e18は、指示動作が示す方向に射撃対象が存在しない場合、当該方向の路面上に応答画像(図示する応答画像GP1B−4)を表示してもよい。
なお、表示制御部e18は、車両Vの移動に伴い、射撃対象が接近又は離隔することに応じて、応答画像GP1Bが示す所定の領域を拡大又は縮小して表示する構成であってもよい。具体的には、表示制御部e18は、応答画像GP1Bが示す所定の領域が、所定の面積を示すように拡大又は縮小する構成であってもよい。
[得点を示す応答画像の例]
図109は、得点情報の得点を示す応答画像GP1Cの一例を示す図である。表示制御部e18は、得点情報が示す得点であって、乗員PSの動作に基づいて算出された得点を示す応答画像(図示する応答画像GP1C)をディスプレイe60に表示する。図100に示す通り、応答画像GP1Cとは、例えば、得点を数値によって示す画像である。表示制御部e18は、応答画像GP1Cを提示し、乗員PSに対して当該乗員PSの射撃動作に対する評価を明示する。なお、応答画像GP1Cは、得点をレベルによって示す画像であってもよい。具体的には、応答画像GP1Cは、得点に応じて乗員PSのレベルを示す画像(例えば、「初心者」、「一人前」、「玄人」、「名人」、「達人」」等)を提示してもよい。
[車内演出装置の動作について]
図110は、第6の実施形態に係る車内演出装置e1の動作の一例を示す流れ図である。音声情報取得部e11は、音検出部e20から音声情報を常時、又は所定の時間間隔において取得する(ステップS110e)。動作情報取得部e12は、動作検出部e30から動作情報を常時、又は所定の時間間隔において取得する(ステップS120e)。画像情報取得部e13は、撮像部e40から画像情報を常時、又は所定の時間間隔において取得する(ステップS130e)。目的地情報取得部e14は、入力部e50に入力された操作によって示される目的地情報を取得する(ステップS140e)。乗員PSは、例えば、車両Vの走行を開始させる際等に、入力部e50によって目的地情報を入力する。
ゲーム管理部e15は、ゲームの開始および終了を管理する(ステップS145e)。ゲーム管理部e15は、入力部e50に入力された操作が射撃ゲームの開始を示す場合、処理をステップS150eに進める。また、ゲーム管理部e15は、入力部e50に入力された操作が射撃ゲームの開始を示さない場合および、既に開始された射撃ゲームの終了を示す場合、処理を終了する。
抽出部e16は、動作情報取得部e12が取得した画像情報が示す周囲環境画像に対して画像処理を行い、射撃対象を抽出し、仮想位置情報を生成する(ステップS150e)。抽出部e16は、例えば、画像情報取得部e13が画像情報を取得する毎に射撃対象を抽出し、仮想位置情報を生成する。得点算出部e17は、音声情報取得部e11が取得した音声情報と、動作情報取得部e12が取得した動作情報とに基づいて、乗員PSが射撃動作を行ったか否かを判定する(ステップS160e)。得点算出部e17は、乗員PSが射撃動作を行ったと判定する場合、動作情報と、画像情報取得部e13が取得した画像情報および抽出部e16が生成した仮想位置情報に基づいて、乗員PSの動作に対する得点を算出する(ステップS170e)。また、得点算出部e17は、乗員PSが射撃動作を行っていないと判定する場合、乗員PSの動作に対する得点を算出せず、処理をステップS180eに進める。表示制御部e18は、音声情報、動作情報、目的地情報および仮想位置情報に基づいて、応答画像をディスプレイe60に表示する(ステップS180e)。
なお、上述では、射撃動作が、射撃音を模倣する音声を発し、かつ車両Vの周囲環境に存在する射撃対象を指で指示する動作である場合について説明したが、これに限られない。射撃動作は、例えば、射撃音を模倣する音声を発する動作、又は車両Vの周囲環境に存在する射撃対象を指示する動作のいずれか一方であってもよい。この場合、車内演出装置e1は、射撃動作として用いない情報を検出する検出部(音検出部e20、又は動作検出部e30)を備えていなくてもよい。
以上説明したように、第6の実施形態の車内演出装置e1は、車両Vの乗員PSの動作を検出する動作検出部e30と、動作検出部e30が検出した乗員PSの動作に基づいて、乗員PSの動作に応じた応答画像(この一例では、応答画像GP1A−1)の表示を制御する表示制御部e18とを備える。したがって、本実施形態の車内演出装置e1は、車両Vによって移動する乗員PSに対して、娯楽を提供することができる。
また、第6の実施形態の車内演出装置e1は、表示制御部e18が、車両Vの周囲環境の物体(射撃対象)に応答画像(この一例では、応答画像GP1B−1〜GP1B−3)を重畳して表示する。また、本実施形態の車内演出装置e1において、射撃対象とは、周囲環境の物体を指示する動作であって、動作検出部e30は、乗員PSが指示する方向(この一例では、動作情報)を検出し、表示制御部18は、動作検出部e30が検出した動作情報に基づいて、応答画像(この一例では、応答画像GP1B−1〜GP1B−4)を表示する。また、本実実施形態の車内演出装置e1は、動作情報と、仮想位置情報とに基づいて、得点を算出する得点算出部e17を更に備え、表示制御部e18は、得点算出部e17が算出した得点を示す応答画像(この一例では、応答画像GP1C)を更に表示する。これにより、本実施形態の車内演出装置1は、応答画像をより娯楽性の高い演出によってディスプレイe60に表示し、乗員PSの射撃動作に対する意欲を向上させることができる。
[射撃ゲームのルールと得点について]
なお、上述では、得点算出部e17が、動作情報が示す指示動作の方向と、射撃対象の位置とに基づいて、得点を算出する構成について説明したが、これに限られない。得点算出部e17は、車内演出装置e1が演出する射撃ゲームのルールに則して得点を算出する構成であってもよい。射撃ゲームのルールとは、例えば、目的地情報が示す目的地方向の道路標識を射撃対象とするルール、ある特定の車種の車両を射撃対象とするルール、店舗の看板を射撃対象とするルール等である。このルールの場合、抽出部e16が抽出した射撃対象のうち、ルールに則した射撃対象を指示する射撃動作に対して、高得点を算出する。
また、得点算出部e17は、応答画像GP1B(所定の領域にインクが塗布されたような画像)が表示される面積に基づいて、得点を算出する構成であってもよい。以降の説明において、応答画像GP1Bが表示される面積に基づいて得点を算出するルールを、テリトリー面積ルールと記載する。テリトリー面積ルールにおいて、得点算出部e17は、応答画像GP1Bによって示されるインクの面積に応じて得点を算出する。これにより、本実施形態の車内演出装置e1は、応答画像をより娯楽性の高い演出によってディスプレイe60に表示し、乗員PSの射撃動作に対する意欲を向上させることができる。
なお、上述では、ゲーム管理部e15がディスエイブル処理を行う場合、抽出部e16、得点算出部e17および表示制御部e18が各種処理を実行しない場合について説明したが、これに限られない。例えば、ゲーム管理部e15がディスエイブル処理を行う場合、表示制御部e18のみが各種処理を実行しない構成であってもよい。この場合、各種機能部は処理を実行するが、ディスプレイ60には、各種画像が表示されない。
[第6の実施形態の第1変形例]
以下、図を参照して第6の実施形態の第1変形例について説明する。第6の実施形態の第1変形例では、車両Vの位置に応じて画像を表示する車内演出装置e2について説明する。また、他の車両Vに搭載される車内演出装置e2が表示する画像を、自装置のディスプレイe60に表示する車内演出装置e2について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。
図111は、第6の実施形態の第1変形例に係る車内演出装置e2の構成の一例を示す機能構成図である。車内演出装置e2は、制御部e10Aと、音検出部e20と、動作検出部e30と、撮像部e40と、入力部e50と、ディスプレイe60と、位置検出部e70と、通信部e80と、記憶部e500とを備える。
位置検出部e70は、車両Vが走行する位置を検出する。位置検出部70は、例えば、GPS(Global Positioning System)などの全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System(s):GNSS)を利用した方法や、準天頂衛星(quasi-zenith satellites:QZS)などの地域的衛星測位システム(Regional Navigation Satellite System:RNSS)を利用した方法によって車両Vの位置を検出する。位置検出部e70は、車両Vの位置を示す位置情報を制御部e10Aに出力する。
通信部e80は、車内演出装置e2の処理に用いられる情報を集約するサーバ(不図示)と無線通信によって通信する。無線通信とは、例えば、Wi−Fiによる近距離無線通信や、LTE(Long Term Evolution)などの移動体通信網を介した無線通信等である。なお、車両V間で直接通信を行ってもよい。この場合、車両V間は、DSRC等のアドホックネットワークを用いて通信を行う。
制御部e10Aは、記憶部e500に記憶されたプログラムを実行し、音声情報取得部e11と、動作情報取得部e12と、画像情報取得部e13と、目的地情報取得部e14と、ゲーム管理部e15と、抽出部e16と、得点算出部e17と、表示制御部e18と、位置情報取得部e19とをその機能部として実現する。
位置情報取得部e19は、位置検出部e70から位置情報を取得する。位置情報取得部e19は、常時、又は所定の時間間隔において位置情報を取得する。位置情報取得部e19は、取得した位置情報を表示制御部e18と、通信部e80とに出力する。また、第6の実施形態の第1変形例の表示制御部e18は、ディスプレイe60に表示させる応答画像を常時、又は所定の時間間隔において通信部e80に出力する。
通信部e80は、位置情報取得部e19から入力された位置情報と、表示制御部e18から入力された応答画像とを対応付けて、サーバに送信する。以降の説明において、位置情報と、応答画像とが対応付けられた情報を位置画像情報と記載する。また、通信部e80は、他の車内演出装置e2がサーバに送信した位置画像情報を受信する。具体的には、通信部e80は、位置情報取得部19から入力される位置情報に基づいて、当該位置情報が対応付けられた位置画像情報を受信する。換言すると、通信部e80は、車両Vの現在の位置を示す位置情報が対応付けられた位置画像情報をサーバから受信する。通信部e80は、受信した位置画像情報を表示制御部e18に出力する。
本実施形態の表示制御部e18は、通信部e80から位置画像情報が入力される。表示制御部e18は、位置情報取得部19から入力された位置情報と合致する位置情報が対応付けられた位置画像情報の応答画像を、ディスプレイe60に表示する。つまり、表示制御部e18は、他の車内演出装置e2が現在の車両Vの位置において過去に表示した応答画像を、ディスプレイe60に表示させる。
[他の車内演出装置が表示した応答画像の表示の例]
図112は、第6の実施形態の第1変形例に係る他の車内演出装置e2が表示した応答画像の表示の一例を示す図である。表示制御部e18は、自装置の処理に基づく応答画像(図示する応答画像GP1B−1〜GP1B−3)と、他の車内演出装置e2が現在の位置で過去に表示した応答画像(図示する応答画像GP2−1〜GP2−3および応答画像GP3−1〜GP3−2)とを表示する。図示する応答画像GP2−1〜GP2−3は、他の車内演出装置2が、現在の車両Vの位置において過去に表示した応答画像である。また、図示する応答画像GP3−1〜GP3−2は、さらに他の車内演出装置e2が、現在の車両Vの位置において過去に表示した応答画像である。
以上説明したように、第6の実施形態の第1変形例の車内演出装置e2は、位置検出部e70が車両Vの位置を検出し、通信部e80は、位置画像情報の送受信を行い、表示制御部e18は、自装置の処理に基づく応答画像(図示する応答画像GP1B−1〜GP1B−3)と、他の車内演出装置e2が、現在の車両Vの位置において過去に表示した応答画像(図示する応答画像GP2−1〜GP2−3および応答画像GP3−1〜GP3−2)を表示する。これにより、第6の実施形態の第1変形例の車内演出装置e2は、乗員PS以外の他者が射撃ゲームを行った応答画像をディスプレイe60に表示し、乗員PSの競争心を向上させ、射撃動作に対する意欲を向上させることができる。
[テリトリー面積ルールによる対決]
なお、車内演出装置e2が演出する射撃ゲームは、位置画像情報に基づいて、乗員PSと、他者との間においてテリトリー面積ルールによる対決を行う構成であってもよい。具体的には、得点算出部e17は、位置画像情報に示される他者の応答画像(図112に示す応答画像GP2−1〜GP2−3および応答画像GP3−1〜GP3−2)の面積に基づいて、得点を算出する。また、得点算出部e17は、自装置の処理に基づいて表示する応答画像(図112に示す応答画像GP1B−1〜GP1B−3)の面積に基づいて、得点を算出する。車内演出装置e2は、高い得点の応答画像を表示した車内演出装置e2(車両V)の乗員PSを勝者として判定する。
[テリトリー面積ルールによる対決:チーム戦]
また、テリトリー面積ルールによる射撃ゲームをチーム戦によって行う構成であってもよい。例えば、テリトリー面積ルールによる射撃ゲームが複数チーム(赤チーム、青チームおよび黄チーム等)によって行われる構成であってもよい。この場合、得点算出部e17は、位置画像情報の応答画像のうち、自装置の応答画像のインクの色と合致する色の応答画像の面積と、自装置の処理に基づいて表示する応答画像の面積との和を、自チームの得点として算出する。また、車内演出装置e2は、得点の高いチームを勝者として判定する。
[走行経路に基づくテリトリー面積ルール]
また、上述では、乗員PSの射撃動作に応じた応答画像の面積に基づいて、テリトリー面積ルールの射撃ゲームを行う場合について説明したが、これに限られない。車内演出装置2は、位置情報取得部e19が取得する位置情報に基づいて、車両Vが走行した経路の面積に基づいて、テリトリー面積ルールの射撃ゲームを行ってもよい。この場合、表示制御部e18は、自装置を搭載する車両Vが走行した経路と、経路幅を示す所定の値とを乗じて面積を算出し、当該面積に応じた得点を算出する。また、通信部e80は、他の車内演出装置e2を搭載する車両が走行した経路を示す走行経路情報を受信する。得点算出部e17は、受信した走行経路情報が示す他の車両が走行した経路と、経路幅を示す所定の値とを乗じて面積を算出し、当該面積に応じた得点を算出する。車内演出装置e2は、得点が高い車両Vの乗員PSを勝者として判定する。
[走行経路に基づくテリトリー面積ルールの表示]
また、表示制御部e18は、車両Vが走行した経路の面積を示す画像および受信した走行経路情報が示す経路の面積を示す画像をディスプレイe60に表示する構成であってもよい。図113は、走行経路に基づくテリトリー面積ルールによる射撃ゲームの結果の一例を示す図である。この場合、表示制御部e18は、位置情報取得部e19に基づいて、車両Vが走行した経路を示す画像(図示する画像P1)を生成する。また、通信部e80は、他の車内演出装置e2を搭載する車両Vが走行した経路を示す走行経路情報を受信する。表示制御部e18は、通信部e80が受信した走行経路情報を示す画像(図示する画像P2および画像P3)を生成する。表示制御部e18は、生成した画像P1〜画像P3を、所定の範囲の地図を示す画像(図示する画像P5)に重畳して配置し、ディスプレイe60に表示する。これにより、本実施形態の車内演出装置e2は、乗員PS以外の他者が移動した経路をディスプレイe60に表示し、乗員PSの競争心を向上させ、車両Vによる移動の意欲を向上させることができる。
なお、テリトリー面積ルールに勝利することを目的として、乗員PSが車両Vを所定の範囲内において長時間移動させる場合、当該範囲内において交通渋滞が生じる可能性がある。この場合、車両Vの自動運転機能は、目的地情報が示す目的地に移動させる、又は長時間当該範囲に滞在しないように移動させるように車両Vの走行を制御してもよい。
[テリトリー面積ルールによる射撃ゲームの勝敗を示す画像]
また、表示制御部e18は、走行経路に基づくテリトリー面積ルールの射撃ゲームがチーム戦によって行われる場合、当該ゲームの勝敗を示す画像をディスプレイe60に表示してもよい。図114は、テリトリー面積ルールによる射撃ゲームの勝敗の一例を示す図である。表示制御部e18は、位置情報および走行経路情報に基づいて、自チームの面積と、他チームの面積とを算出する。また、表示制御部e18は、走行経路に基づくテリトリー面積ルールの射撃ゲームが行われている範囲(図示する、日本全国)において、自チームの面積と、他チームの面積との割合を示す画像(図示する画像P6)を生成し、ディスプレイe60に表示する。なお、表示制御部e18は、走行経路に基づくテリトリー面積ルールの射撃ゲームが行われている範囲のうち、所定の範囲(例えば、関東甲信越の範囲)において画像P6を生成し、表示する構成であってもよい。これにより、本実施形態の車内演出装置e2は、乗員PSの競争心を向上させ、車両Vによる移動の意欲を向上させることができる。
[射撃ゲームと現実との関連について]
また、車内演出装置e2は、得点算出部e17が算出した得点や、テリトリー面積ルールの結果に基づいて、乗員PSにサービスやコンテンツ等を提供する構成であってもよい。例えば、乗員PSが車両Vの周囲に存在する店舗の看板に射撃動作を行った場合、車内演出装置e2は、当該店舗のサーバ装置に射撃動作が行われたことを示す情報を送信する。店舗のサーバ装置は、乗員PSに対して当該店舗の商品を購入する際に使用可能なクーポンを付与する。また、車両Vがカーシェアリングサービスによって利用される車両である場合、車内演出装置e2は、得点算出部e17が算出した得点を、当該サービスを提供する事業者のサーバ装置に送信する。事業者のサーバ装置は、高い得点を獲得した乗員PSに対して、次回のカーシェアリングサービス時に使用可能なクーポンを付与する。また、テリトリー面積ルールに勝利した乗員PSまたは勝利チームに所属する乗員PSに対して、各種クーポンを付与する構成であってもよい。
また、車内演出装置e2は、各車両Vの行動を示す情報(以下、行動情報)に基づいて、ある射撃対象への移動を促すような処理を行ってもよい。この場合、行動情報とは、例えば、各車内演出装置e2が取得した位置画像情報、位置情報および走行経路情報等である。車内演出装置e2は、行動情報を記憶するサーバ(以下、行動情報サーバ)から他の車内演出装置2から取得した行動情報を取得する。車内演出装置e2は、例えば、取得した行動情報に基づいて、多くの他者が射撃動作を行った射撃対象や、店舗のクーポンが付与される射撃対象等を強調して表示する構成であってもよい。具体的には、車内演出装置e2は、ディスプレイ60のうち、当該射撃対象の位置に重畳するように強調画像を表示する構成であってもよい。また、車内演出装置e2は、他者の車両Vに搭載されている撮像部が、当該射撃対象を過去に撮像した画像をディスプレイ60に表示する構成であってもよい。また、車内演出装置e2は、当該射撃対象の位置に移動する移動方向を示す画像をディスプレイ60に表示する構成であってもよい。
ここで、乗員PSは、強調された射撃対象、多くの他者が射撃動作を行った射撃対象および店舗のクーポンが付与される射撃対象の方向に車両Vを移動させる場合がある。したがって、車内演出装置2は、行動情報に基づいて、車内演出装置2(車両V)をある射撃対象への移動を促すことができる。車内演出装置e2は、例えば、行動情報が示す他の車内演出装置e2(車両V)が存在する位置に基づいて、混雑状態を検出する。車内演出装置e2は、混雑している位置(方向)に移動しないように、当該位置とは異なる位置の射撃対象への移動を促すことにより、混雑を回避するように車両Vを移動させることができる。
なお、車内演出装置e2が、行動情報に基づいてある射撃対象への移動を促す処理を行う構成に代えて、行動情報サーバが、行動情報に基づいてある射撃対象への移動を促す処理を行う構成であってもよい。この場合、行動情報サーバは、各車内演出装置e2から取得した行動情報に基づいて、車内演出装置e2(車両V)の移動を促す画像や、移動を促す情報を当該車内演出装置2に送信する。車内演出装置e2は、例えば、行動情報サーバから取得した画像をディスプレイe60に表示させる。
また、射撃対象には、各車内演出装置e2から取得した行情報に基づいて、射撃動作が行われた頻度を示す指標が付されてもよい。車内演出装置e2、又は行動情報サーバは、例えば、各車内演出装置e2から取得した行動情報に基づいて、射撃動作が行われた指標を算出する。車内演出装置e2は、指標に基づいて、応答画像や射撃対象を強調する表示を行う構成であってもよい。
車内演出装置e2は、例えば、高い指標が付された射撃対象は、周囲に車内演出装置e2(車両V)が多く存在する、つまり混雑していると判定する。この場合、車内演出装置e2は、当該射撃対象を強調しない、又は当該射撃対象を射撃対象とみなさない(フィルタリング)処理を行ってもよい。また、車内演出装置e2(又は行動情報サーバ)は、高い指標が付された射撃対象が、店舗のクーポンが付与される射撃対象である場合、当該射撃対象の店舗の系列店のうち、低い指標が付された射撃対象(看板)の店舗等にクーポンを付与する機能を持たせる処理を行ってもよい。また、車内演出装置2は、低い指標が付された射撃対象は、周囲に車内演出装置e2(車両V)が多く存在しない、つまり混雑していないと判定する。この場合、車内演出装置2は、当該射撃対象を強調する処理を行ってもよい。これらの処理により、車内演出装置2は、行動情報(指標)に基づいて、車内演出装置e2(車両V)をある射撃対象への移動を促すことができる。
[画像以外の出力方法について]
また、上述では、表示制御部e18が、各種画像を表示することにより、射撃ゲームの結果を出力する場合について説明したが、これに限られない、表示制御部e18は、例えば、音によって射撃ゲームの結果を出力してもよい。具体的には、車両Vは、スピーカを備え、表示制御部e18は、応答画像を表示しつつ、かつ射撃音を当該スピーカから出力する構成であってもよい。また、表示制御部18は、画像P5や画像P6によって示される射撃ゲームの結果や勝敗を、ディスプレイe60に表示しつつ、かつ射撃ゲームの結果や勝敗を知らせる音声をスピーカから出力する構成であってもよい。
[ディスプレイ以外の画像の表示方法について]
また、上述では、ディスプレイe60に各種画像を表示する場合について説明したが、これに限られない。例えば、オープンカーや、フロントウィンドウを有していない車両の場合、車両上の乗員PSがヘッドマウント装置を用いる構成であってもよい。この場合、ヘッドマウント装置は、撮像部e40が撮像する車両の周囲環境画像と、応答画像とを重畳して表示する。また、車両Vは、フロントウィンドウの他、サイドウィンドウにディスプレイe60を備える構成であってもよい。この場合、抽出部e16は、周囲環境画像に対して画像認識処理を行い、周囲環境画像に撮像される各種物体の当該周囲環境画像上における位置を認識する。また、抽出部e16は、サイドウィンドウに周囲環境画像を実物大に提示した場合のサイドウィンドウ上の位置と、抽出した物体(射撃対象)の周囲環境画像上における位置とをマッチングする。抽出部e16は、フロントウィンドウの位置を、射撃対象の仮想的な位置を示す仮想位置情報として、得点算出部17と、表示制御部e18とに出力する。なお、フロントウィンドウと比較してサイドウィンドウの大きさが小さい場合、サイドウィンドウから行われる射撃動作の対象は、体積や面積が大きい射撃対象、つまり小さい領域(サイドウィンドウ)において射撃動作がしやすい射撃対象であることが好ましい。
[車両の情報に基づく画像の表示方法について]
また、車内演出装置e1および車内演出装置e2(以下、単に「車内演出装置」と記載する。)は、車両Vの状態を検出する構成を有していていもよい。この場合、車内演出装置は、車両状態取得部を備える。車両状態取得部は、車両Vの速度、舵角、ピッチ・ロール角等の運動パラメータを取得する。表示制御部e18は、例えば、車両状態取得部が取得した運動パラメータに基づいて、各種画像を表示する。具体的には、表示制御部e18は、車両Vの速度に基づいて、ディスプレイe60に表示する画像のリフレッシュ処理を行う。より具体的には、表示制御部e18は、車両Vの速度に基づいて、車両Vの移動に伴う周囲環境の変化より十分に速い時間間隔においてディスプレイe60に表示する画像のリフレッシュ操作を行う。
また、表示制御部e18は、取得した運動パラメータのうち、車両Vの舵角およびピッチ・ロール角等に基づいて、車両Vの進行方向側に応じた画像をディスプレイe60に表示する。ここで、車両Vは、制御に基づいて、直進以外の方向に旋回(右折や左折)する場合がある。この場合、乗員PSは、車両Vの正面ではなく、進行方向、つまり回頭方向に目線を向ける場合がある。表示制御部18は、運動パラメータに基づいて、車両Vの進行方向側に応じた画像をディスプレイe60に表示することにより、乗員PSの目線に応じた画像を表示することができる。
また、表示制御部e18は、車両Vに振動に基づいて、ディスプレイe60に各種画像を表示する構成であってもよい。表示制御部e18は、例えば、車両Vに与えられた振動に応じて、振動に伴って車両Vが移動する距離および方向とは逆の距離および方向に各種画像を表示する。これにより、車内演出装置2は、ディスプレイe60に表示される画像が振動に伴って揺れることを抑制することができる。したがって、車内演出装置2は、乗員PSがディスプレイe60の画像を視認することによって車酔いになることを抑制することができる。なお、表示制御部e18は、車両Vに与えられる振動と、乗員PSに与えられる振動との相対的な移動距離および方向に基づいて、ディスプレイe60に各種画像を表示する構成であってもよい。
[第6の実施形態の第2変形例]
以下、図を参照して第6の実施形態の第2変形例について説明する。第6の実施形態の第2変形例では、乗員PSの指示動作によって指示される方向の実空間の三次元点群に基づいて指示対象を特定し、乗員PSの指示動作の履歴を生成する車内演出装置e3について説明する。なお、上述した実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して説明を省略する。ここで、車内演出装置e3とは、「指示計測装置」の一例である。
図115は、第6の実施形態の第2変形例に係る車内演出装置3の構成の一例を示す機能構成図である。第6の実施形態の第2変形例の車内演出装置e3(通信部e80)は、サービス提供者の端末(以下、サービス提供者端末装置TM)、及びインタフェース装置e800と、ネットワークNWを介して、情報を送受信する。
インタフェース装置e800は、制御部e810と、記憶部e820とを備える。記憶部e820には、対象物情報e820−1と、サービサー情報e820−2とが記憶される。対象物情報e820−1は、三次元点群が示す実空間に存在する対象物を示す情報と、三次元点群を示す情報とが対応付けられた情報である。サービサー情報e820−2は、対象物を示す情報と、対象物に関連するサービス提供者を示す情報とが対応付けられた情報である。
制御部e810は、車内演出装置e3から受信した情報に基づいて、対象物情報e820−1やサービサー情報e820−2を検索し、対象物を示す情報や、サービス提供者を示す情報を車内演出装置e3に送信する。
車内演出装置e3は、音検出部e20と、動作検出部e30と、撮像部e40と、入力部e50と、ディスプレイe60と、位置検出部e70と、通信部e80と、視線検出部e90とを備える。また、車内演出装置e3は、制御部e10、或いは制御部e10Aに代えて(、或いは加えて)制御部e10Bを備え、記憶部e500に代えて(、或いは加えて)記憶部e500Aを備える。記憶部e500Aには、応答画像情報e500−1と、履歴情報e500−2と、サービス提供者情報e500−3とが記憶される。各情報の詳細については、後述する。
制御部e10Bは、記憶部e500Aに記憶されたプログラムを実行し、音声情報取得部e11と、動作情報取得部e12と、画像情報取得部e13と、表示制御部e18と、位置情報取得部e19と、乗員情報取得部e111と、視線情報取得部e112と、座標取得部e113と、対象物情報取得部e114と、サービス提供者特定部e115と、履歴情報生成部e116と、通知部e117と、属性特定部e118とをその機能部として実現する。
乗員PSは、入力部e50に乗員を識別可能な情報(以下、乗員ID)を入力し、乗員情報取得部e111は、入力部e50に入力された乗員IDを取得する。乗員PSは、例えば、車両Vに乗車した際に、入力部e50に乗員IDを入力する。
視線検出部e90は、例えば、車両Vの内部を撮像する撮像部(不図示)によって撮像された乗員PSが視認する実空間上の位置(以下、視点位置)を検出する。視線情報取得部e112は、視線検出部e90によって検出された乗員PSの視点位置を示す情報を取得する。
座標取得部e113は、撮像部e40が撮像する車両Vの周囲環境画像に基づいて、動作情報取得部e12によって取得された乗員PSの指示動作と、視線情報取得部e112によって取得された乗員PSの視点位置とに基づいて、乗員PSの指示動作による指示方向の実空間の三次元点群を取得する。座標取得部e113は、例えば、撮像部e40が撮像する車両Vの周囲環境画像に示される物体であって、指示方向の実空間に存在する物体の特徴点を検出し、検出された特徴点の集合を指示方向の実空間の三次元点群として取得する。なお、この場合、撮像部e40は、ステレオカメラである。
対象物情報取得部e114は、座標取得部e113によって特定された指示方向の実空間の三次元点群を示す情報に基づいて、当該実空間に存在する対象物を示す情報を取得する。対象物情報取得部e114は、例えば、座標取得部e113によって特定された指示方向の実空間の三次元点群を示す情報を、ネットワークNWを介してインタフェース装置e800に送信する。インタフェース装置e800の制御部e810は、車内演出装置3から三次元点群を示す情報を受信した場合、当該情報を検索キーとして対象物情報e820−1を検索し、当該情報が示す三次元点群が対応付けられた対象物を特定する。制御部e810は、特定した対象物を示す情報を、ネットワークNWを介して車内演出装置3に送信する。対象物情報取得部e114は、インタフェース装置e800から受信した対象物を示す情報を取得する。
サービス提供者特定部e115は、対象物情報取得部e114によって取得された対象物に対応付けられたサービス提供者を特定する。サービス提供者特定部e115は、例えば、対象物情報取得部e114によって取得された対象物を示す情報を、ネットワークNWを介してインタフェース装置e800に送信する。インタフェース装置e800の制御部e810は、車内演出装置3から対象物を示す情報を取得した場合、当該情報を検索キーとしてサービサー情報e820−2を検索し、当該情報が示す対象物に対応付けられたサービス提供者を特定する。制御部e810は、特定した対象物を示す情報を、ネットワークNWを介して車内演出装置e3に送信する。サービス提供者特定部e115は、インタフェース装置e800から受信したサービス提供者を示す情報を取得する。
履歴情報生成部e116は、乗員PSが指示動作によって指示した指示対象の履歴を示す履歴情報e500−2を生成する。
図116は、履歴情報e500−2の内容の一例を示す図である。図116に示される通り、履歴情報e500−2は、乗員IDと、乗員PSが指示動作を行った日時(以下、指示日時)と、乗員PSの指示動作によって指示された指示対象と、指示対象に対応するサービス提供者とが乗員ID毎に互いに対応付けられた情報である。履歴情報生成部e116は、例えば、動作情報取得部e12によって乗員PSの指示動作が取得された指示日時と、対象物情報取得部e114によって取得された情報が示す対象物であり、当該指示動作によって指示された対象物と、サービス提供者特定部e115によって取得された情報が示すサービス提供者であり、指示された対象物に対応するサービス対象者と、当該乗員PSの乗員IDとを対応付け、履歴情報e500−2を生成し、記憶部e500Aに記憶させる。なお、対象物と、サービス提供者との関係性については、任意に設定することができ、例えば、対象物がサービス提供者の所有物であることは、必須でない。また、事業性のない対象物(例えば、標識や信号など)を、サービス提供者と関連する対象物として定義してもよい。
通知部e117は、乗員PSによって指示された対象物に対応付けられたサービス提供者に、指示対象が乗員PSによって指示されたことを通知する。
図117は、サービス提供者情報e500−3の内容の一例を示す図である。図117に示される通り、サービス提供者情報e500−3は、サービス提供者を示す情報(図示するサービス提供者名)と、通知先とが互いに対応付けられた情報である。通知部e117は、サービス提供者特定部e115によって特定されたサービス提供者を検索キーとしてサービス提供者情報e500−3を検索し、当該サービス提供者が対応付けられた通知先に、乗員PSが指示動作を行ったこと、つまり、乗員PSが、サービス提供者が対応付けられた対象物に対して興味関心があることを通知する。通知先には、例えば、サービス提供者端末装置TM(例えば、サーバ装置)のアドレスが示される。
通知部e117は、例えば、乗員PSが指示動作を行う度にサービス提供者に通知してもよく、所定の期間の履歴情報e500−2のうち、対応付けられているサービス提供者毎に抽出し、当該サービス提供者に通知してもよい。また、通知部e117は、履歴情報e500−2をサービス提供者に通知する他、乗員PSに通知してもよい。これにより、乗員PSは、自身の興味関心を示す情報として履歴情報e500−2を用いることができる。また、乗員PSは、通知された履歴情報e500−2を参照することにより、指示動作を行ったサービス提供者に関する情報を取得することができる。
以上説明したように、第6の実施形態の第2変形例の車内演出装置e3は、車両Vの乗員PSの動作を検出する動作検出部e30と、乗員PSの視点位置を検出する視線検出部e90と、動作検出部e30によって検出された乗員PSの指示動作と、視線検出部e90によって検出された乗員PSの視点位置とに基づいて、乗員PSの指示動作による指示方向の実空間の三次元点群を取得する視線情報取得部e112と、三次元点群が示す実空間に存在する対象物を示す情報を供給するインタフェース装置e800から、座標取得部e113によって取得された三次元点群に対応付けられた対象物を示す情報を取得する対象物情報取得部e114と、対象物に対応付けられるサービス提供者を示すサービサー情報e820−2に基づいて、前記対象物情報取得部によって取得された情報が示す対象物に対応付けられるサービス提供者を特定するサービス提供者特定部e115と、サービス提供者特定部e115によって特定されたサービス提供者と、対象物情報取得部e114によって取得された情報が示す対象物とを対応付けたe800-2を生成する履歴情報生成部e116と、を備え、乗員PSが指示動作を行った履歴を取得することにより、乗員PSの興味関心に関する情報を収集することができる。また、第6の実施形態の第2変形例の車内演出装置3によれば、指示動作が行われた対象物に対応付けられたサービス提供者に対して、指示動作が行われたことを通知することができる。
[インタフェース装置e800に送信する三次元点群について]
なお、上述では、座標取得部e113によって取得された三次元点群を示す情報を、いずれもインタフェース装置e800に送信する場合について説明したが、これに限られない。座標取得部e113は、例えば、車両Vの周囲環境の属性に基づいて、取得した三次元点群のうち、インタフェース装置e800に送信する三次元点群を選択し、送信する構成であってもよい。
この場合、属性特定部e118は、撮像部e40が撮像する車両Vの周囲環境画像に基づいて、車両Vの周囲環境の属性を特定する。この属性は、例えば、高速道路や、店舗密集地域等の、車両Vの周囲環境の性質(特徴)である。属性特定部e118は、例えば、撮像部e40が撮像する車両Vの周囲環境画像に高速道路の交通道路標識が撮像されているか、或いは店舗の看板が多数撮像されているか等を解析し、車両Vの周囲環境の属性を特定する。ここで、「属性」の一例として、周囲環境の性質(特徴)を挙げたが、これに限られるものではない。「属性」は、識別可能な対象物の属性の一部あるいは全部を、座標や方向等に対し列挙した形式で複数特定するようにしても良い。
なお、属性特定部e118は、撮像部e40が撮像する車両Vの周囲環境画像を、ネットワークNWを介してインタフェース装置e800に送信し、インタフェース装置e800が車両Vの周囲環境の属性を特定する構成であってもよい。この場合、属性特定部e118は、ネットワークNWを介して撮像部e40が撮像する車両Vの周囲環境画像を送信し、インタフェース装置e800から車両Vの周囲環境の属性を示す情報を取得することにより、属性を特定する。
また、属性特定部e118は、例えば、位置情報と、属性とが対応付けられた位置属性情報に基づいて、車両Vの周囲環境の属性を特定する構成であってもよい。この場合、位置属性情報は、記憶部e500Aに記憶されていてもよく、記憶部e820に記憶されていてもよい。位置属性情報が記憶部e820に記憶されている場合、属性特定部e118は、ネットワークNWを介して車両Vの現在位置を示す情報を送信し、インタフェース装置e800から車両Vの周囲環境を示す情報を取得することにより、属性を特定する。
座標取得部e113は、属性特定部e118によって特定された属性に基づいて、三次元点群を示す情報をインタフェース装置e800に送信する。ここで、車両Vが「高速道路」を高速で移動する場合、指示動作中に取得される三次元点群のデータ量が増える可能性がある。このため、座標取得部e113は、例えば、特定された属性が「高速道路」である場合、指示動作によって指示された範囲であり、三次元点群を取得する範囲を通常より狭くし、インタフェース装置e800に送信するデータ量を抑えることができる。
また、車両Vが「店舗密集地域」を移動する場合、指示動作によって指示される対象物(つまり、看板)が複数存在する場合がある。このため、座標取得部e113は、例えば、特定された属性が「店舗密集地域」である場合、指示動作によって指示された範囲であり、三次元点群を取得する範囲を通常より広くし、インタフェース装置e800から対象物を示す情報を多く取得することができる。これにより、車内演出装置e3は、情報が充実した履歴情報e500−2を生成することができる。すなわち、発明の一側面として指示計測装置の計測した、運転とは無関係な乗員の動作を含む指示動作をもとに、第6の実施形態において説明した如く、乗員に対し多様な表示・演出を行うことができる一方、指示動作およびその履歴を適切に記録、保持することで、情報の再利用および別用途での活用を図ることができる。
<第7の実施形態>
次に、第7の実施形態について説明する。第7の実施形態では、第1の実施形態が適用可能な車両制御システム、車両制御方法、プログラム、および車両管理システムの実施形態について説明する。車両制御システムが制御する車両は、例えば、基本的には運転操作を必要としない自動運転車両である。以下、自動運転車両が用いられるものとして説明するが、手動運転車両が用いられても構わない。
[全体構成]
図118は、実施形態の車両制御システムfの構成図である。車両制御システムf1は、一以上の車両f200と、コンテンツ提供サーバf300とを備える。これらの構成要素は、ネットワークNWを介して互いに通信可能である。ネットワークNWは、インターネット、WAN、LAN、公衆回線、プロバイダ装置、専用回線、無線基地局等を含む。
[車両]
車両f200は、例えば、利用者が乗車可能な四輪以上の車輪を有する車両であるが、自動二輪車その他の車両であっても構わない。図119は、実施形態の車両f200の構成図である。車両f200は、例えば、外界監視ユニットf210と、通信装置(通信部)f220と、ナビゲーション装置f230と、推奨車線決定装置f240と、車室内監視ユニットf245と、自動運転制御ユニットf250と、駆動力出力装置f260と、ブレーキ装置f262と、ステアリング装置f264と、表示制御部f270と、車外用表示部f272と、要求部f274と、取得部f276と、記憶部f278とを備える。自動運転制御ユニットf250、表示制御部f270、要求部f274、および取得部f276は、例えば、車両f200内の記憶部f278に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行するCPU等のプロセッサを有する。これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることで記憶装置にインストールされてもよい。外界監視ユニットf210および車室内監視ユニットf245の一部または全部は、「車両環境取得部」の一例である。自動運転制御ユニットf250は、「自動運転制御部」の一例である。
外界監視ユニットf210、通信装置f220、ナビゲーション装置f230、推奨車線決定装置f240、自動運転制御ユニットf250、駆動力出力装置f260、ブレーキ装置f262、およびステアリング装置b264のそれぞれは、例えば、上述した第2の実施形態において紹介した図26の外界監視ユニットa210、通信装置a220、ナビゲーション装置a230、推奨車線決定装置a240、自動運転制御ユニットa250、駆動力出力装置a260、ブレーキ装置a262、およびステアリング装置a264と同様の構成を備えるため、ここでの詳細な説明の一部を省略し、主に第7の実施形態における特有の機能を中心に説明する。また、第7の実施形態における自動運転の処理過程については、第1の実施形態において紹介した図3並びに関連する説明を援用し、詳細な説明を省略する。
外界監視ユニットf210は、車両f200の周辺に存在する物体が人物である場合に、カメラからの画像に基づいて、その人物の視線を監視し、監視した人物の視線方向に基づいて、車両f200への注目度合を導出する。例えば、外界監視ユニットf210は、視線方向が車両200側を向いている人物がいないと判定された場合に、注目度合を「0」とする。外界監視ユニットf210は、視線方向が車両f200側を向いている人物が所定数(例えば、3人)未満の場合には、注目度合を「1」とし、車両200側を向いている人物が所定数以上である場合には、注目度合を「2」とする。外界監視ユニットf210は、人物の視線方向や車両f200への注目度合に関する情報を表示制御部f270に出力する。
通信装置f220は、例えば、ネットワークNWに接続してコンテンツ提供サーバf300と通信したり、他車両や歩行者の端末装置等と直接的に通信したりするための無線通信モジュールである。HMIf232は、コンテンツの取得要求画面や取得結果画面等を表示したり、表示した画面に対する乗員の操作を受け付けたりする。コンテンツとは、例えば、画像である。コンテンツには、一以上のオブジェクトが含まれる。オブジェクトとは、例えば、タレントやマスコットの画像、アニメーションに登場するキャラクタの画像、動物の画像等である。これらの画像は、著作権等の版権をクリアした状態の画像である。オブジェクトとは、絵や文字や記号、模様、柄等を画像で表現したものでもよい。コンテンツは、複数の画像によってオブジェクトを動作させる映像であってもよい。HMIf232は、乗員により操作されたコンテンツの取得要求等をコンテンツ提供サーバf300に送信する。
車室内監視ユニットf245は、例えば、カメラや乗員が着座するシートに設けられた荷重センサ、これらの出力に基づいてセンサフュージョン処理を行う乗員認識装置等を含む。車室内監視ユニットf245は、車室内の乗員の人数や着座位置、乗員の状態に関する情報を取得し、取得した情報を表示制御部f270に出力する。乗員の状態とは、例えば、乗員が寝ているか、または起きているか等の状態である。
表示制御部f270は、記憶部f278に記憶された表示条件データf278Aに基づいて、記憶部f278に記憶されたコンテンツDBf278Bに含まれるコンテンツや広告情報DBf278Cに含まれる広告情報を車外用表示部f272に表示するように制御する。広告情報とは、コンテンツ提供サーバf300が、広告主から取得した商品、サービス等の周囲に提示する情報である。コンテンツDBf278Bに含まれるコンテンツは、「第1のコンテンツ」の一例である。広告情報は、「第2のコンテンツ」の一例である。表示制御部f270の機能の詳細については後述する。
車外用表示部f272は、例えば、車両f200の外側のボディ部の表面に張り付けられた有機ELディスプレイである。車外用表示部f272は、ボディ部に嵌め込まれたLCDであってもよく、ボディ部の一部または全部を兼ねたディスプレイパネルであってもよい。車外用表示部f272は、駆動部を備える移動可能ディスプレイ装置であってもよい。この場合、車外用表示部f272は、コンテンツを表示しない場合には車外から表示面が見えない位置に収納され、コンテンツを表示させる場合には駆動部により車外から表示面が見える位置に移動される。車外用表示部f272は、車両f200のフロントウインドシールドやサイドウインドシールド、リアウインドシールドの少なくとも一部に形成された光透過型の液晶パネルであってもよい。上述したボディ部および各種ウインドシールドは、「外装部」の一例である。
要求部f274は、車両f200の乗員によるコンテンツ要求の操作を受け付けた場合、通信装置f220により、コンテンツ提供サーバf300にコンテンツの取得要求を行う。要求部274は、所定の時間間隔で、コンテンツ提供サーバf300にコンテンツの取得要求を行ってもよい。要求部f274は、コンテンツ提供サーバf300に広告情報の取得要求を行ってもよい。要求部f274の機能の詳細については後述する。
取得部f276は、要求部f274により要求したコンテンツをコンテンツ提供サーバf300から取得する。取得部f276は、複数のコンテンツを取得した場合には、その中から一以上のコンテンツを選択してもよい。取得部f276は、取得したコンテンツを記憶部278に記憶されたコンテンツDBf278Bに記憶する。取得部f276は、コンテンツ提供サーバf300により提供される広告情報を取得し、取得した広告情報を記憶部278に記憶された広告情報DB278Cに記憶する。
記憶部f278は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROM等により実現される。記憶部f278には、例えば、表示条件データf278A、コンテンツDBf278B、広告情報DBf278C、およびその他の情報が格納される。コンテンツDBf278Bは、例えば、コンテンツを識別するコンテンツ識別IDとコンテンツとが対応付けられた情報である。広告情報DBf278Cは、例えば、広告情報を識別する広告識別IDと広告情報とが対応付けられた情報である。
[コンテンツ提供サーバ]
図118に戻り、コンテンツ提供サーバf300は、例えば、通信部f310と、要求受付部f320と、提供部f330と、記憶部f340とを備える。要求受付部f320および提供部f330は、例えば、CPU等のプロセッサが記憶部f340に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPU等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
通信部f310は、例えば、ネットワークNWに接続するためのネットワークカードである。通信部f310は、ネットワークNWを介して車両f200、および他の外部装置と通信する。
要求受付部f320は、車両f200からコンテンツの取得要求を受け付ける。要求受付部f320は、車両f200から広告情報の取得要求を受け付けてもよい。
提供部f330は、要求受付部f320により受け付けられたコンテンツ要求に基づいて、記憶部f340に記憶された車両別コンテンツデータf342を参照し、コンテンツ取得要求のあった車両f200に対応し、且つ、要求を満たすコンテンツデータを抽出する。提供部f330は、抽出したコンテンツデータをコンテンツ要求のあった車両f200に送信する。
提供部f330は、記憶部f340に記憶された車種別広告情報f344を参照し、コンテンツ要求のあった車両f200の車種(例えば、ワンボックス、ミニバン、トラック)に対応する広告情報を取得し、取得した広告情報をコンテンツ要求のあった車両f200に送信する。広告情報の取得は、要求受付部f320によりコンテンツの取得要求が受け付けられたタイミングで取得してもよく、広告情報の取得要求が受け付けられたタイミングで取得してもよく、その他の所定のタイミング(例えば、所定周期)で取得してもよい。
提供部f330は、コンテンツの提供履歴をユーザ情報f346として記憶部f340に記憶する。提供部f330は、ユーザ情報f346を参照し、ユーザの利用回数(コンテンツ提供回数)、その他の情報に基づいて、特別なコンテンツを車両f200に送信してもよい。特別なコンテンツとは、例えば、通常のコンテンツ要求では取得することができないコンテンツ、或いは提供数が制限されているコンテンツ等のいわゆる「レアコンテンツ」である。提供部f330の機能の詳細については後述する。
記憶部f340は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROM等により実現される。記憶部f340には、例えば、車両別コンテンツデータf342、車種別広告情報f344、ユーザ情報f346、およびその他の情報が格納される。車両別コンテンツデータf342および車種別広告情報f344に格納されるデータは、例えば、サーバ管理者や他の外部装置からの指示により随時更新されるデータである。
[第7の実施形態の車両制御システムf1における具体的な処理内容]
以下、第7の実施形態の車両制御システムf1における具体的な処理内容について説明する。
[コンテンツおよび広告情報の取得]
まず、第7の実施形態におけるコンテンツおよび広告情報の取得例について説明する。車両f200の乗員は、車外用表示部f272に表示させるコンテンツおよび広告情報をコンテンツ提供サーバから取得する。この場合、要求部274は、HMIf232の表示部にコンテンツ取得要求画面IM1を表示させて、乗員にコンテンツを取得するための操作を行わせる。
図120は、コンテンツ取得要求画面IM1の一例を示す図である。コンテンツ取得要求画面IM1には、取得したいコンテンツに関するキーワードを入力するキーワード入力領域f400と、入力した内容に基づくコンテンツの取得要求の実行もしくはキャンセルを確定する確定操作領域402とが示されている。コンテンツ取得要求画面IM1のレイアウトは、表示項目については、図120の例に限定されるものではない。以下に説明する他の画面IMx(x:2以上の自然数)についてもレイアウトや項目については、任意に変更されてもよい。車両f200の表示部に表示される各種画面は、例えば、乗員が使用する端末装置の表示部に表示されてもよい。端末装置とは、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータである。
乗員は、コンテンツ取得要求画面IM1のキーワード入力領域f400にキーワードを入力する。キーワードとは、例えば、キャラクタの名称やコンテンツのジャンルに関する情報等である。乗員は、キーワードを入力した後、確定操作領域402の実行ボタンを選択する。これにより、要求部f274は、入力されたキーワードおよび車両f200を識別する車両識別IDを含むコンテンツ取得要求を、コンテンツ提供サーバf300に送信する。車両識別IDには、車種を識別する情報が含まれていてもよい。例えば、車両識別IDが「Va001」である場合に、「Va」を車種識別情報としてもよい。
コンテンツ提供サーバf300の要求受付部f320は、車両f200から送信されたコンテンツ取得要求を受け付けると、コンテンツ取得要求に含まれるキーワードおよび車両の識別情報を提供部f330に出力する。提供部f330は、キーワードおよび車両の識別情報に基づいて、車両別コンテンツデータf342し、キーワードおよび車両の識別情報に対応するコンテンツを取得する。
図121は、車両別コンテンツデータf342の内容の一例を示す図である。車両別コンテンツデータf342は、キーワードおよび車両IDに、コンテンツデータが対応付けられている。コンテンツデータには、一以上のコンテンツが格納される。それぞれのコンテンツは、車両f200の車種に基づく形状に対応したオブジェクトと、オブジェクトごとの表示位置、表示する大きさ、色等に関する情報が含まれる。提供部f330は、車両別コンテンツデータf342から取得したコンテンツをコンテンツ取得要求のあった車両f200に送信する。
提供部f330は、コンテンツ取得要求の車両識別IDに含まれる車種情報に基づいて車種別広告情報f344を参照し、車種に対応する広告情報を取得する。図122は、車種別広告情f報344の内容の一例を示す図である。車種別広告情報f344は、車種識別情報に一以上の広告情報が対応付けられている。広告情報には、広告したい商品やサービスに関する情報と、車種に応じた広告情報の表示位置、表示する大きさ、色等に関する情報とが含まれる。提供部f330は、取得した広告情報をコンテンツ取得要求のあった車両f200に送信する。提供部f330は、車両f200からの予めコンテンツ取得要求を受け付けておき、所定の周期で車両別コンテンツデータ342および車種別広告情報f344を参照し、新規のコンテンツや広告情報があった場合に、車両f200に送信するようにしてもよい。
提供部f330は、コンテンツや広告情報の提供履歴をユーザ情報f346として記憶部f340に記憶する。図123は、ユーザ情報f346の内容の一例を示す図である。ユーザ情報f346は、車両IDに、コンテンツデータまたは広告情報の一方または双方を車両f200に提供した提供日時、提供したコンテンツデータ、および広告情報が対応付けられている。ユーザ情報f346には、コンテンツの提供に対して課金を行ったり、広告情報の利用に対してポイントを付与する場合に、上述した課金またはポイントに関する情報を車両IDに対応付けたりしてもよい。
提供部f330は、例えば、車両f200にコンテンツを提供する場合に、ユーザ情報f346を参照してコンテンツや広告情報の利用回数(コンテンツ提供回数)を取得し、取得した利用回数が閾値以上の場合に、レアコンテンツを車両f200に提供してもよい。提供部f330は、課金またはポイントが閾値以上の場合、または所定のイベント実施期間にコンテンツの取得要求があった場合に、レアコンテンツを車両f200に提供してもよい。
車両f200の取得部f276は、要求部f274によるコンテンツ取得要求によって取得したコンテンツの取得結果を、HMIf232の表示部に表示させる。図124は、コンテンツ取得結果画面IM2の一例を示す図である。コンテンツ取得結果画面IM2には、取得したコンテンツを一覧表示するコンテンツ一覧領域f410と、コンテンツの取得結果の確認もしくはキャンセルを確定する確定操作領域f412とが示されている。
コンテンツ一覧領域f410には、取得したコンテンツの内容を表示するコンテンツ表示ボタンが示されており、乗員は、コンテンツ表示ボタンを押すことで、HMIf232の表示部にコンテンツの内容が表示される。乗員は、確定操作領域f412のOKボタンを選択する。これにより、取得部f276は、取得したコンテンツをコンテンツDBf278Bに記憶する。乗員は、コンテンツ取得結果IM2のコンテンツ一覧領域f410に示されるコンテンツ結果から一以上のコンテンツを選択してもよい。この場合、取得部276は、乗員により選択されたコンテンツをコンテンツDBf278Bに記憶する。
取得部f276は、コンテンツ提供サーバf300から広告情報を取得した場合に、取得した広告情報を、広告情報DBf278Cに記憶する。この場合、取得部f276は、コンテンツ取得結果画面IM2と同様に広告情報取得結果画面等をHMIf232の表示部に表示し、広告情報を乗員に選択させてもよい。
[コンテンツおよび広告情報の表示制御]
次に、実施形態におけるコンテンツおよび広告情報の表示制御例について説明する。表示制御部f270は、記憶部f278に記憶された表示条件データf278Aを参照し、コンテンツおよび広告情報の車外用表示部f272による表示を制御する。
図125は、表示条件データf278Aの内容の一例を示す図である。表示条件データf278Aは、車両環境を識別する車両環境IDに、車両環境の具体的な内容を示す車両環境内容、コンテンツ表示を行うか否か示すコンテンツ表示フラグ、コンテンツ識別ID、広告表示を行うか否かを示す広告表示フラグ、および広告識別IDが対応付けられている。図125の例において、コンテンツ表示フラグには、コンテンツを表示する場合に「1」が設定され、コンテンツを表示しない場合に「0」が設定される。広告表示フラグには、広告情報を表示する場合に「1」が設定され、広告情報を表示しない場合に「0」が設定される。フラグとして設定される情報は、「0、1」に限定されず、「YES、NO」、「a,b」等のように、表示するか否かを識別可能な情報であればよい。表示条件データ278Aは、コンテンツ提供サーバf300により提供されてもよく、乗員が設定してもよい。
表示制御部f270は、外界監視ユニットf210および車室内監視ユニットf245による車両f200の周囲または車室内の環境、および、自動運転制御ユニットf250による車両f200の操舵、加減速、走行位置、走行道路等の状況に基づいて、車両f200の環境情報を取得する。表示制御部f270は、取得した環境情報に応じて表示条件データf278Aを参照し、取得した環境情報に合致する環境情報内容に対応するコンテンツ表示フラグおよび広告表示フラグを取得する。
表示制御部f270は、コンテンツ表示フラグが「1」である場合に、コンテンツ識別IDに対応するコンテンツをコンテンツDBf278Bから取得し、取得したコンテンツを車外用表示部f272に表示させる。
図126は、車外用表示部f272にコンテンツが表示される様子を説明するための図である。車両f200には、車両の前後左右および上部(屋根部)に車外用表示部f272を備える。図126の例では、ボディ部に車外用表示部f272a〜f272cが設けられ、ウインドシールド部に車外用表示部f272d〜f272fが設けられている車両200を示している。
次に、表示条件データf278Aに基づくコンテンツおよび広告情報の表示制御について具体的に説明する。例えば、表示制御部f270は、自動運転制御ユニットf250から車両f200の位置情報を取得し、車両f200の位置が、予め設定された乗員の自宅付近であるか否かを判定する。自宅付近とは、例えば、予め登録された自宅の位置を基準として半径数十〜数百[m]の範囲内である。以下の説明における「○○付近」についても同様とする。
車両f200の位置が自宅付近である場合、表示制御部f270は、車外用表示部f272にコンテンツおよび広告情報を表示させないように制御する。図126の例において、車線L1を走行する車両f200の地点Aは、自宅付近であるとする。この場合、表示制御部f270は、車外用表示部f272にコンテンツおよび広告情報を表示しない。
表示制御部f270は、自動運転制御ユニットf250から車両f200の位置情報を取得し、車両f200の位置が、A駅付近であるか否かを判定する。A駅の位置情報は、例えば、ナビ制御装置f236の地図情報から取得する。車両f200の位置が、A駅付近である場合、表示制御部f270は、表示条件データf278Aを参照し、コンテンツ識別ID「C001」のコンテンツをコンテンツDBf278Bから取得して、車外用表示部f272に表示させる。図126の例において、車両f200の走行地点A2は、A駅付近であるとする。この場合、表示制御部f270は、車外用表示部f272a〜f272c、f272fのそれぞれに対応付けられているコンテンツf500a〜f500c、f500fを表示させる。これらのコンテンツは、車両識別IDに基づいて取得しているため、表示制御部f270は、車両f200の大きさや形状に合わせてオブジェクトを表示させることができる。
ここで、自動運転制御ユニットf250は、表示制御部f270によりコンテンツf500を表示させるのに連動して、車両f200の速度を制御してもよい。図127は、車両f200の速度制御について説明するための図である。図127の縦軸は、所定の経路に基づく走行地点Aを示し、縦軸は、車両の速度V[km/h]を示している。自動運転制御ユニットf250は、車外用表示部f272にコンテンツf500を表示しない地点A1を走行する場合には、速度V1[km/h]で車両f200を走行させる。自動運転制御ユニットf250は、車両f200が車外用表示部f272にコンテンツを表示する地点A2付近に近づくと減速制御を行い、地点A2を通過すると、速度V2(V2<V1)[km/h]で車両f200を走行させる。速度V2は、走行している道路の法定速度や周辺車両の状況に基づいて設定される。これにより、コンテンツを車両f200の周囲にいる人に見やすくすることができ、より効率的に注目を集めることができる。
表示制御部f270は、自動運転制御ユニットf250から車両f200の位置情報を取得し、車両f200の位置が、B駅付近であるか否かを判定する。B駅の位置情報は、例えば、ナビ制御装置f236の地図情報から取得する。車両f200の位置が、B駅付近である場合、表示制御部f270は、表示条件データf278Aを参照し、コンテンツ識別ID「C001」のコンテンツを車外用表示部f272に表示させるとともに、広告識別ID「A001」の広告情報を広告情報DBf278Cから取得して、車外用表示部f272に表示させる。
図128は、広告情報の表示制御について説明するための図である。図128の例では、図126に示す走行地点A2を通過後の車両f200を示している。図128の例において、車両f200の走行地点A3は、B駅付近であるとする。この場合、表示制御部f270は、車外用表示部f272a〜f272c、f272fのそれぞれに対応付けられているコンテンツf500a〜f500c、f500fを表示させるとともに、広告情報オブジェクトf510a、f510bを車外用表示部f272a、f272bにそれぞれ表示させる。
表示制御部f270は、広告情報f510を表示させる場合には、コンテンツf500のオブジェクトの一部を広告情報のオブジェクトに切り替えて表示する。表示制御部f270は、広告情報f510のオブジェクトを、コンテンツf500のオブジェクトに重畳して表示してもよい。表示制御部f270は、コンテンツf500の表示から広告情報f510のみの表示に切り替えて表示させてもよい。
表示制御部f270は、広告情報f510のオブジェクトの一例である商品(例えば、「缶コーヒーZ」)を、コンテンツf500のオブジェクトであるキャラクタが持ったり、キャラクタが商品を利用しているようにオブジェクトの位置、大きさ、向き等を調整して表示させたりしてもよい。表示制御部f270は、コンテンツf500と広告情報f510とを合成した画像を生成し、生成した画像を車外用表示部f272に表示させてもよい。
図128の例では、車両f200の走行地点A3付近において、人物P1〜P3の視線方向が車両f200側に向いている。この場合、外界監視ユニットf210は、人物P1〜P3の視線方向を検出するとともに、車両f200への注目度合を「2」とし、表示制御部f270に出力する。表示制御部f270は、注目度合が所定値(例えば、「1」)を超えているため、コンテンツf500と広告情報f510とを、車外用表示部f272に表示させる。これにより、車両f200は、コンテンツf500の表示により周囲の人物の注目を引きつけた後に、広告情報f510を表示するため、広告情報の宣伝効果を向上させることができる。
表示制御部f270は、外界監視ユニットf210により得られる人物Pの視線方向に応じて、車外用表示部f272に表示されるコンテンツf500や広告情報f510に含まれるオブジェクトの表示位置を切り替えてもよい。例えば、車両f200が図126に示す人物P2の位置を通過する場合、表示制御部f270は、人物P2の視線方向に合わせて、コンテンツf500に含まれるキャラクタのオブジェクトまたは広告情報f510のオブジェクトが人物P2の視線方向と合うように表示を切り替える。これにより、車両f200は、周囲の人物に、車外用表示部f272に表示されたキャラクタや広告情報f510のオブジェクトを長時間見させることができる。
表示制御部f270は、自動運転制御ユニットf250により得られる車両f200の走行状態に応じてコンテンツf500や広告情報f510の表示を制御してもよい。例えば、自動運転制御ユニットf250により車両f200が高速道路を走行中である場合、表示制御部f270は、コンテンツf500および広告情報の表示しないように制御する。これにより、車両f200は、高速道路等の周囲に人物がいない場合にコンテンツf500や広告情報f510の表示をしないことで、表示における電力コスト等を抑制することができる。車両f200が所定速度(例えば、60[km/h])以上の速度で走行している場合、表示制御部f270は、コンテンツf500に含まれるキャラクタを走らせた画像に切り替えて表示させてもよく、車両f200の減速時にキャラクタが止まる動きをした映像に切り替えて表示させてもよい。これにより、車両f200は、車両の挙動に対応したコンテンツを表示させることができる。
表示制御部f270は、車室内監視ユニットf245による乗員の状態に応じてコンテンツf500や広告情報f510の表示を制御してもよい。例えば、車室内監視ユニットf245により乗員が寝ている状態であると判定した場合、表示制御部f270は、コンテンツf500および広告情報f510の表示しないように制御する。これにより、車両f200は、表示における電力コスト等を抑制することができる。車両f200がライドシェア車両であって、車室内監視ユニットf245により検出した乗員数が所定数(例えば、二人)未満である場合、表示制御部f270は、周囲の人物の注目を集めるためにコンテンツf500および広告情報を表示するように制御してもよい。ライドシェア車両とは、複数の利用者によって一つ以上の車両を共同で利用する車両である。
表示制御部f270は、周辺の車両f200と車車間通信を行い、他の周辺車両に表示されているコンテンツに関連するコンテンツを表示させてもよい。コンテンツに関連するコンテンツとは、例えば、コンテンツのオブジェクトの種類、色彩、模様に統一感があるコンテンツや、アイドルグループやアニメーションに登場するそれぞれのメンバーに関するコンテンツ、物語性など観念的に関連があるコンテンツである。表示制御部f270は、複数車両で隊列走行を行っている場合に、隊列順序に応じて、それぞれの車両で表示するコンテンツの順番を切り替えて表示させてもよい。これにより、例えば、隊列走行する複数の車両の順番が入れ替わった場合でも、隊列順序によってコンテンツの表示順序が切り替わるため、隊列全体の表示内容を一定にすることができる。
[処理フロー]
図129は、車両f200により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、要求部f274は、コンテンツの取得要求をコンテンツ提供サーバf300に送信する(ステップS100f)。次に、取得部f276は、コンテンツ提供サーバf300からコンテンツおよび広告情報を取得する(ステップS10f2)。次に、表示制御部f270は、表示条件データ278Aを参照し、コンテンツの表示条件を満たすか否かを判定する(ステップS104f)。コンテンツの表示条件を満たす場合、表示制御部f270は、対応するコンテンツを車外用表示部f272に表示させる(ステップS106f)。
次に、表示制御部f270は、表示条件データf278Aを参照し、広告情報の表示条件を満たすか否かを判定する(ステップS108f)。広告情報の表示条件を満たす場合、表示制御部f270は、対応する広告情報を車外用表示部f272に表示させる(ステップS110f)。
次に、表示制御部f270は、表示条件データf278Aを参照し、コンテンツまたは広告情報の一方または双方の非表示条件を満たすか否かを判定する(ステップS112f)。コンテンツまたは広告情報の非表示条件を満たす場合、表示制御部f270は、対応するコンテンツまたは広告情報の一方または双方の情報を非表示にする(ステップS114f)。これにより、本フローチャートの処理は終了する。ステップS100fおよびS102fの処理は、ステップS104f〜S114fの処理と非同期で行われてもよい。
以上説明したように、第7の実施形態によれば、車両の環境に適した状態で車外へのコンテンツ表示を実現することができる。
[第7の実施形態の第1変形例]
以下、第7の実施形態の第1変形例について説明する。図130は、第7の実施形態の第1変形例に係る車両f200を含むサービス提供システムf2の構成図である。サービス提供システムf2は、一以上のサービス申込者Aにより使用される一以上の端末装置f100と、一以上の車両f200と、一以上のサービス提供者Sにより使用される一以上の端末装置f150と、サービス提供者装置f600と、サービス管理装置f700とを備える。これらの構成要素は、ネットワークNWを介して互いに通信可能である。サービス提供者Sによるサービスは、サービス利用者Uに提供される。図では、サービス申込者Aとサービス利用者Uが異なる者であるように示しているが、これらは同一人物であってもよい。「サービス申込者Aにより使用される」とは、ネットカフェの端末装置など、不特定多数によって使用され得る端末装置が、サービス申込者Aにより一時的に使用されることを含んでよい。
[端末装置]
端末装置f100は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータなどである。端末装置f100は、サービス提供システムf2を利用するためのアプリケーションプログラム、或いはブラウザなどが起動し、以下に説明するサービスをサポートする。以下の説明では端末装置f100がスマートフォンであり、アプリケーションプログラム(サービス申込者用アプリ)が起動していることを前提とする。サービス利用者用アプリは、サービス申込者Aの操作に応じてサービス管理装置f700と通信し、サービス申込者Aからのリクエストをサービス管理装置f700に送信したり、サービス管理装置f700から受信した情報に基づくプッシュ通知を行ったりする。
端末装置f100は、例えば、以下のような内容を含むサービス利用依頼情報をサービス管理装置f700に送信する。位置情報は、例えば、端末装置f100が内蔵するGPS受信機により測位されたものである。その他の情報は、原則としてサービス申込者Aまたはサービス利用者Uによって入力された情報に基づいている。利用希望サービス提供者属性情報とは、サービス利用者Uが希望するサービス提供者Sの属性に関する情報である。属性は、提供するサービスの種別の他、年齢、性別、性格(タイプ)などを含んでもよい。属性に関して、サービス管理装置f700は、完全に一致するサービス提供者Sを固定的に割り当てるのではなく、サービス利用者Uに提示して選択あるいは確定させるようにしてよい。
[サービス利用依頼情報]
・ユーザID
・位置情報(緯度、経度、高度)
・利用希望空間情報(例えば、人数、座席数等により表される)
・利用希望サービス提供者属性情報
・利用希望サービスID
・利用希望区間情報(第1区間の情報)
・サービス利用者の希望するサービス利用の時間帯の情報
・決済認証情報
[車両]
車両f200の走行制御に関する構成(例えば、自動運転に関する構成)は、第1実施形態における車両f200が備える構成と同様である。すなわち、車f両f200は自動運転車両であり、以下に説明するように無線通信機能を有する車両である。図131は、車両f200に搭載される車両管理装置f210Aの構成の一例を示す図である。車両管理装置f210Aは、例えば、通信部f220Aと、認証部f230Aと、HMIf240Aと、車両/コンパートメント管理部f250Aとを備える。
通信部f220Aは、無線通信装置である。通信部f220Aは、ネットワークNWを介してサービス管理装置f700と通信する。認証部f230Aは、サービス管理装置f700の指示により、サービス開始のための認証処理を行う。HMIf240Aは、例えば、HMIf232とは別に設けられた、タッチパネル式ディスプレイ装置(表示部)やスピーカ、マイク、各種操作スイッチ等である。
車両/コンパートメント管理部f250Aは、例えば、利用状況検知部f252と、利用許可部f254と、認証部f256とを備える。車両f200には、サービス利用者Uやサービス提供者Sが利用可能な空間(コンパートメント)が一以上設けられている。コンパートメントとは、例えば、座席や、荷物を載置する載置領域等である。例えば、コンパートメントは、例えば、所定のパーティションで区画された領域であってもよい。例えば、不図示のコンパートメント制御部は、座席や載置領域を駆動させる機構を制御して、座席を載置領域に変更させたり、載置領域を座席に変更したりする。更に、コンパートメント制御部は、例えば、座席を収納する収納部に座席を収納したり、収納部に収納された座席を収納部から出したりする。利用状況検知部f252は、コンパートメントごとの利用状況を検知する。例えば、利用状況検知部f252は、各コンパートメントが利用中であるか否かを検知する。図130では、車両f200として普通乗用車を掲載しているが、車両f200は、トレーラー、バス、マイクロバスなど、車室内を区切ったコンパートメントのそれぞれに一以上の乗員が乗車可能なサイズの車両であってもよい。利用許可部f254は、例えば、認証部f256による認証が成功した場合に、予め指定されたコンパートメントの利用を許可し、例えばドアの開錠等を行う。認証部f256は、乗車してくるサービス利用者Uまたはサービス提供者Sの本人確認等の認証を行う。
車両管理装置f210Aは、例えば、以下のような内容を含む車両情報をサービス管理装置f700に送信する。
[車両情報]
・車両ID
・位置情報(緯度、高度、経度)
・コンパートメント利用状況(利用中のコンパートメントに関して利用中のサービス利用者のユーザID、利用可能なコンパートメントの情報など)
・走行状態(速度、加速度、角速度、車載機器の状態など)
・サービス提供者Sの情報(サービス提供者のID、実施中のサービスの情報、サービス実施経過時間等)
・表示コンテンツID(車外用表示部f272に表示されているコンテンツID)、表示先ID(車外用表示部f272に表示されたコンテンツの車外用表示部f272における位置を示すID)
図132は、サービス提供者装置f600の構成の一例を示す図である。サービス提供者装置f600は、例えば、複数のサービス提供者の状態を把握し、サービス管理装置f700からの発注に自動的に応答可能な装置である。サービス提供者装置f600は、例えば、通信部f610と、受注処理部f620と、状態管理部f630と、記憶部f650とを備える。サービス提供者装置f600は、コンテンツ提供サーバf300の機能構成を含んでいてもよい。
通信部f610は、ネットワークNWを介してサービス管理装置f700などと通信する。受注処理部f620は、サービス管理装置f700からのサービス発注に対して、受注処理を行う。受注処理部f620は、サービス発注の内容が、既にサービス管理装置f700に送信済のサービス提供情報の範囲内であるか否かを判定し、範囲内であると判定した場合に受注処理を先に進める。状態管理部f630は、サービス提供者装置f600に登録されたサービス提供者Sの状態(予約状態、稼働状態など)を管理し、サービス提供情報をサービス管理装置700に提供する。
サービス提供者装置f600は、例えば、以下のような内容を含むサービス提供情報をサービス管理装置f700に送信する。サービス提供情報は、サービス提供者Sが受注可能なサービスに関連する情報である。
[サービス提供情報]
・受注ID
・サービス名称
・実行責任者情報
・サービス提供者属性情報
・サービス提供者の希望するサービス提供時間帯の情報
・必要車両コンパートメント情報
・サービス提供可能な地域の情報
・施設地点情報(車両外でのサービス提供地点情報)
・コンテンツIDに関する情報(例えば、利用可能なコンテンツの情報)
・サービスステータス
また、サービス提供者装置f600は、サービス管理装置f700からコンテンツの提供の要求があった場合、要求に応じたコンテンツをサービス管理装置f700に送信する。この場合、サービス提供者装置f600の記憶装置には、コンテンツIDに対応付けられた各種コンテンツが記憶されている。各種コンテンツは、予めサービス管理装置f700の記憶装置に格納されていてもよい。端末装置f150は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータなどである。端末装置f150は、サービス提供システム2を利用するためのアプリケーションプログラム、或いはブラウザなどが起動し、以下に説明するサービスをサポートする。端末装置f150は、サービス利用依頼情報と同様の情報をサービス管理装置f700に送信する。すなわち、端末装置f150は、端末装置f100と同様の機能を有する。
[サービス管理装置]
図133は、サービス管理装置f700の構成の一例を示す図である。サービス管理装置f700は、例えば、通信部f710と、第1取得部f720と、第2取得部f722と、第3取得部f724と、車両特定部f730と、プラン決定部f740と、コンテンツ制御部f742と、更新部f744と、要求部f746と、経路指示部f750と、認証部f760と、判定部f770と、記憶部f800とを備える。通信部f710および記憶部f800を除く構成要素は、例えば、CPUなどのハードウェアプロセッサがプログラム(ソフトウェア)を実行することにより実現される。これらの構成要素のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA、GPUなどのハードウェア(回路部;circuitryを含む)によって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリなどの記憶装置に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROMなどの着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置に装着されることでインストールされてもよい。記憶部f800は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。
通信部f710は、例えば、ネットワークNWに接続するためのネットワークカードである。通信部f710は、ネットワークNWを介して端末装置f100、端末装置f150、車両管理装置f210A、サービス提供者装置f600などと通信する。
第1取得部f720は、通信部f710を介して、端末装置f100、端末装置f150からサービス利用依頼情報を取得する。第2取得部f722は、通信部f710を介して、予め登録された車両f200の車両管理装置f210Aから車両情報、または環境情報を取得する。第3取得部f724は、通信部f710を介して、サービス提供者装置f600から、サービス提供情報を取得する。
車両特定部f730は、サービス利用依頼情報と車両情報とに基づいて、利用可能な車両f200を特定し、利用可能車両情報f820を生成する。具体的に、車両特定部f730は、サービス利用依頼情報に含まれる利用希望空間情報、利用希望区間情報、サービス利用の時間帯の情報と、車両情報に含まれる位置情報、コンパートメント利用状況とを比較し、位置情報とコンパートメント利用状況とが、サービス利用依頼情報に含まれる条件を満たす車両を、利用可能な車両f200として特定する。
プラン決定部f740は、利用可能車両情報f820およびサービス提供情報に基づいて、サービス利用者Uが享受可能な可用サービスを特定し、特定した可用サービスに関する情報をサービス利用者Uの端末装置f100に提供する。
より具体的に、プラン決定部f740は、利用可能車両情報f820およびサービス提供情報に基づいて、サービス提供者Sが車両f200の少なくとも一部(例えば、コンパートメント)を占有する第2区間を設定し、サービス利用依頼情報における利用希望区間情報(第1区間の情報)と第2区間の重複部分に基づいて、サービス利用者Uおよびサービス提供者Sが車両f200の少なくとも一部を占有する第3区間を設定する。プラン決定部f740は、第1区間の設定前に、サービス提供者Sが既に車両f200に乗車している場合、第1区間の設定と同時に、車両f200の現在位置を起点として第2区間を設定してよい。
また、プラン決定部f740は、サービス提供情報に含まれるサービス提供可能な地域の情報と、第1区間の重複範囲内で、第3区間を設定する。更に、プラン決定部f740は、サービス利用者Uが車両f200の少なくとも一部を占有する時間帯が、サービス利用者Uの希望するサービス利用時間帯の情報と合致するように、且つ、サービス提供者Sが前記車両を占有する時間帯が、サービス提供者Sの希望するサービス提供時間帯の情報と合致するように、第3区間を設定する。「時間帯」とは、開始時刻や終了時刻といった時刻と、時間の長さとを含むものである。プラン決定部f740は、例えば、サービス利用者Uの希望するサービス利用時間帯がサービス提供者Sの希望するサービス提供時間帯に収まらない場合、サービス利用者Uが車両200の少なくとも一部を占有する時間帯を、サービス利用者Uの希望するサービス利用時間帯よりも制限し、サービス提供時間帯に収まるように調整してもよい。この逆に、プラン決定部f740は、例えば、サービス提供者Sの希望するサービス提供時間帯がサービス利用者Uの希望するサービス利用時間帯に収まらない場合、サービス提供者Sが車両200の少なくとも一部を占有する時間帯を、サービス提供者Sの希望するサービス提供時間帯よりも制限し、サービス利用時間帯に収まるように調整してもよい。そして、プラン決定部f740は、設定した第3区間に基づいて可用サービスを特定する。
また、プラン決定部f740は、あるサービス利用者Uに対して、複数のサービス提供者Sが順次サービスを提供する場合、複数のサービス提供者Sのそれぞれに対応して第2区間を設定し、それぞれの第2区間に対応した複数の第3区間を設定してもよい。
他の機能として、プラン決定部f740は、端末装置f100を用いたサービス利用者Uからの指示に応じて、第1区間が車両外でのサービス提供地点で終了するように、前記第1区間を更新してもよい。この場合、プラン決定部f740は、端末装置f100を用いたサービス利用者Uからの指示に応じて(あるいは自動的に)、通信部f710を用いて、車両外でのサービス提供地点に存在する施設に対して予約情報を送信し、通信部f710によって予約結果を受信すると共に、通信部f710を用いて予約結果をサービス利用者Uの端末装置f100に送信してもよい。
また、プラン決定部f740は、車両の走行中における車両の利用者、または車両の運行者と、コンテンツとの対応関係(後述する対応情報f838に含まれる対応関係)を参照する。車両の運行者とは、車両の運行を手配するもの、運行の責任を負うもの、あるいは車両そのもののオーナーなどである。例えば、車両の運行者とは、実施形態におけるサービス管理者や、サービス提供者等である。
コンテンツ制御部f742は、車外用表示部f272にコンテンツを表示させる処理を実行する。コンテンツ制御部f742は、プラン決定部f740の参照結果に基づいてコンテンツの利用を許可する。更新部f744の機能の詳細については後述する。要求部f746は、サービス提供者装置f600にコンテンツを要求するコンテンツ要求を通信部f710に送信させる。
経路指示部f750は、通信部f710に、サービス利用者Uの利用開始位置および利用終了位置の情報と、サービス提供者Sの利用開始位置および利用終了位置の情報とを、車両f200に送信させることで、車両f200が走行すべき経路を車両f200に指示する。
認証部f760は、端末装置f100、端末装置f150との通信によるサービス利用者Uの認証を行ったり、サービス提供開始時の認証を行ったりする。
判定部f770は、サービス利用者Uと、サービス提供者Sとのそれぞれについて、車両f200を利用しているか否かを判定する。
プラン決定部f740は、判定部f770の判定結果を利用して各種の処理を行う。例えば、プラン決定部f740は、判定部f770によりサービス利用者Uとサービス提供者Sの双方が車両f200を利用していると判定した場合のみ、第1区間の変更を受け付ける(第1区間を更新する)ようにしてもよい。このケースは、例えば、サービス提供者Sがサービス利用者Uに提案して目的地を変更したり、車両f200側に提供する情報に基づいてサービス中に最終目的地を変更したりする場合に生じる。また、プラン決定部f740は、第1取得部f720がサービス利用依頼情報を受信した時点において、判定部f770が、サービス利用者Uが既に車両f200を利用していると判定した場合(すなわちサービス利用中に、サービス延長あるいは別のサービスの依頼を行った場合)、当該利用中の車両f200を優先的にサービス利用者Uに割り当てるようにしてもよい。
記憶部f800には、登録されたサービス利用者Uに関する利用者情報f810、前述した利用可能車両情報f820、サービス管理情報830、および対応情報838が格納される。サービス管理情報f830は、例えば、サービス依頼管理情報f832と、予約管理情報f834と、実行中サービス管理情報f836とを含む。サービス依頼管理情報f832には、第1取得部f720により取得されたサービス利用依頼情報のそれぞれがレコードとして登録される。予約管理情報f834には、予約利用区間、予約利用時間帯、経由地、経由地予定到着時刻などの情報が、サービスごとに格納される。実行中サービス管理情報f836には、サービスステータスやサービス属性、サービス提供者IDなどの情報が登録される。対応情報f838は、端末装置f100、端末装置f150または車両管理装置f210Aから送信された情報であって、利用者ID(または車両を運転する運転者ID)と、車両IDと、利用者が利用を依頼したコンテンツIDとが互いに対応付けられた情報である。
対応情報f838において、コンテンツIDには、コンテンツ提供事業者IDや、コンテンツ利用対象エリアID、コンテンツ利用時刻、コンテンツ注目度指標等が対応付けられている。コンテンツ利用対象エリアIDとは、例えば、コンテンツの利用が可能なエリアを示すIDである。コンテンツ利用時刻は、例えば、コンテンツの利用が可能な時刻である。
対応情報f838は、表示条件データf839を含む。図134は、表示条件データf139の内容の一例を示す図である。例えば、表示条件データf839は、図134に示すように利用者(または運行者)ごとに、車両環境IDと、車両環境内容と、コンテンツ識別IDと、利用許可がされているか否かを示す情報とが互いに対応付けられている。表示条件データf839は、例えば、表示条件データf278Aと同等の情報を含んでもよい。
更新部f744は、車両の利用者、または車両の運行者と、コンテンツとの対応情報f838を更新する。例えば、更新部f744は、対応情報f838における、車両の利用者、または運行者と、コンテンツとの対応関係を更新する。更新とは、実績の記録や保存、表示させるコンテンツの優先順位の変更などを含む。車両管理装置f210Aおよびコンテンツを提供しているサービス提供者装置f600の処理結果と、利用状況とがカウントされることにより、コンテンツの露出度合、利用度合、環境情報とコンテンツとの相関関係等が把握可能となる。そして、サービス管理装置f700が、更新部f744の処理結果に基づいて、コンテンツの利用実績を導出し、導出結果を事業者や所定の管理者に提供することができる。この利用実績は、例えば、利用者、またはコンテンツ提供元に対するインセンティブの計測に用いられる。
図135は、更新部744の処理について説明するための図である。例えば、更新部f744は、図135に示すように、利用者ごとの車両環境IDと注目度と日時とが互いに対応付けられた情報を対応情報f838として記憶部f800に記憶させる。そして、更新部f744は、上記の対応情報f838に基づいて、表示条件データf839を更新する。例えば、更新部f744は、表示条件データf839において、更新前に優先順位1の「コンテンツC10」を、更新後に優先順位2とし、更新前に優先順位2の「コンテンツC15」を、更新後に優先順位1とする。すなわち、更新部f744は、注目度が高いコンテンツの優先順位を高くする。
更新部f744は、車外用表示部f272に表示中のコンテンツ、および車外用表示部f272においてコンテンツが表示されている位置に関連付けられた車両f200の周囲の人物の視線の情報(「環境情報」の一例)を車両f200から取得し、取得した情報に基づいて、車両f200の利用者、または車両f200の運行者と、コンテンツとの対応関係を更新してもよい。例えば、更新部f744は、人物の視線がコンテンツに向いている頻度が高くなるように、または向いている時間が長くなるように、コンテンツを表示させる位置や、コンテンツの種類、コンテンツと位置との相関関係を表示条件データf839に反映させ、表示条件データf839を更新する。
更新部f744は、要求部f746の要求によって、サービス提供者装置f600から取得したコンテンツと、車両f200の走行中における車両200の利用者、または車両の運行者との対応関係を更新してもよい(図136参照)。例えば更新部f744は、コンテンツを要求した利用者に取得したコンテンツIDを対応付ける。
図136は、サービス提供システムf2において実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。図136は、サービス提供者S(車両を共有する利用者)からのリクエストに応じて、車両200の車外用表示部f272の表示が切り替えられる処理の一例である。
まず、サービス依頼者A(サービス提供者S)が、端末装置f150を用いてサービス管理装置f700の認証部f760に対してユーザ認証を行う(ステップS200f)。認証部f760による認証が成功すると、サービス依頼者A(サービス提供者S)は、端末装置f150を用いて、サービス利用依頼情報をサービス管理装置700に送信する(ステップS202f)。サービス利用依頼情報は第1取得部によって取得され、サービス依頼管理情報f832として記憶部f800に格納される。本フローチャートにおけるサービス利用依頼情報は、例えば、コンテンツの利用を依頼する情報(以下、コンテンツ利用依頼情報)である。
コンテンツ利用依頼情報が取得されると、サービス管理装置f700の第3取得部f724は、サービス提供者装置f600に、コンテンツ提供情報の問い合わせを行う(ステップS204f)。提供するコンテンツ(またはサービス)の属性やサービス事業者に応じて複数のサービス提供者装置f600が存在してもよく、その場合、第3取得部f724は、複数のサービス提供者装置f600に対して一斉に問い合わせを行ってよい。サービス提供者装置f600の状態管理部f630は、利用可能なコンテンツに関連する(利用可能なコンテンツの内容を示す)情報をサービス管理装置f700に返信する(ステップS206f)。状態管理部f630は、受注可能なサービス提供情報をサービス管理装置f700に返信する。
サービス管理装置f700の第2取得部f722は、車両管理装置f210Aに、利用状況(車両情報)の問い合わせを行う(ステップS208f)。車両管理装置f210Aの車両/コンパートメント管理部f250Aは、車両管理装置f210Aに対応付けられた車両IDと共に、車両情報および利用状況検知部f252により検知された環境情報をサービス管理装置f700に返信する(ステップS210f)。環境情報は、車両f200の位置情報、および車両の周辺の状況を示す情報を含む。車両の周辺の状況を示す情報は、車両f200への注目度合である。ステップS208fおよびステップS210fの処理は、フローチャートに示す処理とは非同期に、任意のタイミングで随時行われてよい。
次に、車両特定部f730は、コンテンツ利用依頼情報とステップS210fで取得された情報とに基づいて、利用可能な車両を特定し、利用可能車両情報を生成する(ステップS212f)。ステップS212fにおいて複数の車両が特定されてもよく、その場合、後述するステップS224fまでの間に、最終的な車両の特定が行われてもよい。そして、プラン決定部f740が、利用可能車両情報と、ステップS206fで取得された利用可能なコンテンツ情報とに基づいて、サービス提供者Sが享受可能な可用サービス(例えば利用可能なサービスまたはコンテンツ)を特定し(ステップS212f)、特定した可用サービスの内容を示す可用サービス情報を端末装置f150に送信する(ステップS214f)。
サービス依頼者A(サービス提供者S)は、可用サービス情報を閲覧し、その結果、端末装置f150を用いてサービス管理装置f700に対してサービス発注(例えば、コンテンツに関するサービス発注や車両の利用に関するサービス発注)を行う(ステップS216f)。サービス管理装置f700のプラン決定部f740は、ステップS216fで受注したサービスのうちサービス提供者装置600が担う部分を抜き出して、サービス提供者装置f600に対してサービス発注を行う(ステップS218f)。
サービス提供者装置f600の受注処理部f620は、サービス受注した旨をサービス管理装置f700に送信する(ステップS220f)。これに併せて、受注処理部f620は、サービス提供者Sの端末装置f150に、受注内容を送信する。
サービス提供者装置f600から受注した旨を受信すると、サービス管理装置700の経路指示部f750は、サービス提供のための車両f200が走行すべき経路を設定する(ステップS222f)。
次に、サービス管理装置f700の認証部f760が、サービス開始のための認証処理をサービス提供者装置600および車両200の認証部f230Aに対して行い、経路指示部f750が、ステップS22f2で設定した経路を車両f200に指示し、サービス提供者装置f600が、サービス開始の認証を行うと共に、必要に応じて最終的な車両の特定を行い、車両f200の車両管理装置f210Aでは認証部f230Aが車両側での認証を行うと共に、指示された経路での走行を開始または予定する(ステップS224f)。
次に、サービス管理装置f700のコンテンツ制御部f742が、例えば、車両f200とサービス依頼者Aとの距離が設定距離に到達した場合に、端末装置f150に、位置情報を含む車両f200の環境情報と共にリクエストしたコンテンツ情報を送信する(ステップS226f)。更に、コンテンツ制御部f742が、サービス提供者装置f600に、コンテンツ情報およびコンパートメント情報を送信する(ステップS228f)。すなわち、運行者であるサービス管理装置f700は、利用者としてのサービス提供者Sからのリクエストに基づき、サービス提供者Sに関連したコンテンツ情報を、位置情報を含む車両の環境情報に関連づけて提供する。コンパートメント情報とは、例えば、コンパートメントに関する機能を制御するための情報である。例えば、載置領域を座席に変更させる制御情報や、その他コンパートメントに設けられた装置等の各機能を制御するための情報である。
次に、サービス提供者装置f600は、コンパートメント情報を取得し、取得したコンパートメント情報を車両管理装置f210Aに送信する(ステップS230f)。車両管理装置f210Aは、コンパートメント情報を取得すると、車両f200が、この情報に応答して所定の制御を行う(ステップS230f)。なお、端末装置f150は、車両f200と直接通信して、車両f200にコンテンツ情報やコンパートメント情報等を送信してもよい。
次に、サービス提供者装置f600は、コンテンツ情報を取得し、取得したコンテンツを車両管理装置f210Aに送信する(ステップS232f)。すなわち、サービス提供者装置f600は、コンテンツ情報を車両f200の車外用表示部f272に表示させる制御(外部表示制御)を行う。車両管理装置f210Aは、コンテンツ情報を取得すると、車両f200の表示制御部f270が、この情報に応答してコンテンツを車外用表示部f272に表示させる(ステップS234f)。表示制御部f270が、車外の表示の切り替えを行う。
その後、サービス依頼者Aが車両f200に乗車し(ステップS23f6)、サービス依頼者Aが、例えばHMIf240Aを操作し、外部表示の切り替えの指示を行い(ステップS238f)、車両f200の表示制御部f270が、その操作の内容に関する情報を取得すると、取得した操作に応じて、コンテンツを切り替える(ステップS240f)。図136の例では、サービス依頼者Aが、端末装置f150を用いて、サービス利用依頼情報をサービス管理装置f700に送信した後に、車両f200に乗車するものとして説明しているが、サービス依頼者Aは、車両f200に乗車した後に、端末装置f150またはHMI240を操作して、サービス利用依頼情報をサービス管理装置f700に送信してもよい。また、HMIf240Aは、端末装置f150の機能と同等の機能を有していてもよい。この場合、例えば、サービス依頼者Aは、車両f200に乗車した後、端末装置f150に代えてHMIf240Aを操作し、外部表示の切り替えの指示を行うことができる。
上記のように、車両f200がコンテンツを切り替えた場合、車両f200は、切り替えたコンテンツの情報をサービス管理装置f700に送信する。サービス管理装置f700が、切り替えられたコンテンツの情報を取得すると、サービス管理装置f700の経路指示部f750は、取得したコンテンツの情報に基づいて、経路の修正や目的地の変更、または走行状態の変更等を行うことを決定し、決定結果を車両f200に送信する(ステップS24f2)。例えば、経路指示部f750は、取得したコンテンツの情報が第1の情報である場合、第1の情報に対応付けられた経路を走行したり、目的地に向かったり、走行状態を変更したりする。なお、経路指示部f750は、取得した環境情報に基づいて、経路の修正や目的地の変更、または走行状態の変更等を行うことを決定し、決定結果を車両f200に送信してもよい。例えば、経路指示部f750は、人の注目が集まるような経路に変更することを決定したり、速度を落として走行するように決定したりする。これらの場合、車両f200は、決定結果に基づく制御を実行する。すなわち、車両f200は、修正された経路を走行したり、変更された目的地に向かって走行したり、変更された走行状態で走行したりする。
付加サービスが提示可能となったときに、プラン決定部f740が付加サービスを端末装置f150に提示する(ステップS244f)。サービス依頼者Aが付加サービスの内容を閲覧して、端末装置f150を用いて付加サービスを発注すると(ステップS244f)、サービス管理装置700のプラン決定部f740は、サービス提供者装置f600に対して、付加サービスについてサービス発注を行う(ステップS246f)。サービス提供者装置f600の受注処理部f620は、付加サービスを受注した旨を示す情報をサービス管理装置700に送信する(ステップS248f)。付加サービスを受注した旨を示す情報を受信すると、サービス管理装置f700の経路指示部f750は、利用可能コンテンツの変更を受け付けたことを、サービス依頼者Aに通知する(ステップS250f)。
上述した処理が行われ、サービス依頼者Aが要求したコンテンツが車両の走行中において表示される。具体的には、プラン決定部f740が、車両の環境(環境情報)に基づいて認識された車両の走行中における車両の利用者(または運行者)と、コンテンツとの対応関係を参照し、コンテンツ制御部f742が、参照結果に基づきコンテンツの利用を許可することで、コンテンツが車外用表示部f272に表示される。
プラン決定部f740は、車両f200から乗員の状態を取得し、取得した乗員の状態に応じて、コンテンツ車両の利用者、または車両の運行者とコンテンツとの対応関係を参照するか否かを決定してもよい。例えば、プラン決定部f740は、乗員が寝ている状態であると判定した場合、対応関係を参照せず、コンテンツを車外用表示部f272に表示させないと決定してもよい。また、乗員の状態は、乗員が成人であるか否か等の乗員の属性や、認証または有料サービスの購読の有無、乗車してからの経過時間等であってもよい。例えば、プラン決定部f740は、乗員が成人でない場合や、有料サービスの購読を行っていない場合、対応関係を参照せず、コンテンツを車外用表示部f272に表示させないと決定してもよい。
経路指示部f750は、車両f200から取得した環境情報に応じて走行状態または経路を変更するように指示してもよい。例えば、経路指示部f750は、車両f200から注目度が低いことを示す情報を取得した場合、予め設定または取得された経路(注目度が高くなるような経路)を走行するように車両f200に指示したり、注目度が高くなるような走行状態(速度を落とした走行状態)で走行するように車両f200に指示したりしてもよい。
以下、サービス管理装置f700、またはサービス提供者装置f600の制御に基づいて、車両f200の車外用表示部f272に表示される情報について説明する。サービス管理装置f700が、環境情報、および車両の運行者とコンテンツとの対応関係を参照し、参照結果に基づきコンテンツを利用させる場合の具体例について、第1の実施形態で示した図17,図18および後述する図137〜図144を参照して説明する。運行者であるサービス提供者が提供する役務に関するコンテンツが、車外用表示部f272に表示される例である。以下、必要に応じてXYZ座標系を用いて図示および説明を行う。X方向およびY方向は、略水平面に沿う方向である。X方向は、車両が進行する進行方向であり、Y方向は、X方向と交差する方向(例えば略直交する方向)である。Z方向は、X方向およびY方向とは交差する方向(例えば略直交する方向)である。
例えば、車外用表示部f272には、サービスを示す商標やロゴ、サービスの内容(英会話学校)、車両200の行き先、サービスの提供状態(利用かであるかを示す情報)などが表示される。図17は、英会話学校に関するサービスを提供している車両f200の斜視図である。図18は、英会話学校に関するサービスを提供している車両f200を横方向から見た図である。
例えば、車外用表示部f272には、車両f200を利用することを予約しているユーザ(次に車両f200に接近するユーザ)を示す情報(例えば名前、ニックネーム、予約番号等)が表示される。図137は、予約しているユーザの情報を表示している車外用表示部f272を有する車両f200の斜視図である。図138は、予約しているユーザの情報を表示している車外用表示部f272を有する車両f200を横方向から見た図である。
例えば、車外用表示部f272には、車両f200が提供しているサービスの属性(例えば販売している商品や食品、提供している役務など)を示す情報、または商品や役務などの提供条件(価格や提供時間)が表示される。図139は、サービスの属性を表示している車外用表示部f272を有する車両f200を斜視図である。図140は、サービスの属性の情報を表示している車外用表示部f272を有する車両f200を横方向から見た図である。
例えば、車外用表示部f272には、イベントに関する情報(イベント名称や開催日)、情報にアクセスするための情報(URLや二次元バーコード等)が表示される。図141は、イベントに関する情報を表示している車外用表示部f272を有する車両f200を斜視図である。図142は、イベントに関する情報を表示している車外用表示部f272を有する車両f200を横方向から見た図である。例えば、図141、図142に示す車両は、イベント会場に向かう車両であって、イベントに向かう利用者が乗車可能である。
例えば、イベントに関する情報(イベント名称や開催日)、情報にアクセスするための情報(URLや二次元バーコード等)は、車両の後方側に設けられた車外外表示部f272に表示されてもよい。図143は、車両を後方側から見た図である。例えば、イベントに関する情報を表示させた車両f200は、イベント会場に向けて走行する。イベントに興味あるユーザは、車両f200を追走することでイベント会場に到着することができる。追走する際に、ユーザは、車両f200の後方側に表示されたイベントに関する情報を目印に追走することができる。
例えば、車両f200が、所定の地域を巡回し、その地域の特産や観光情報を提供している車両(地域巡回サンプラー車両)である場合、車外用表示部f272には、地域巡回サンプラー車両であることを示す情報が表示される。図144は、地域巡回サンプラー車両であることを示す情報が表示されている車外用表示部f272を有する車両f200の斜視図である。
例えば、車両f200、サービス提供者装置f600、サービス管理装置f700は、サービスに関する情報(サービスの内容やサービスを提供している車両の情報)を、車両f200とは異なる車両に提供してもよい。異なる車両は、例えば、自動運転を行う車両である。異なる車両は、サービスに関する情報を取得し、取得した情報のうちから任意のサービスや車両を選択し、選択した車両f200に追従してもよい。例えば、上記の異なる車両は、イベント会場に向かう車両200に追従してもよい。
また、所定の条件を満たした場合、車外用表示部f272には、条件を満たすことによって表示されるコンテンツが表示される。所定の条件とは、周辺環境の状況、または利用者とサービス提供者との関係に基づき規定された条件である。例えば、サービス提供者Sに関する所定の商品がサービスユーザによって購入されると、車外用表示部f272に購入に応じたコンテンツが表示される。
以上説明した第7の実施形態の第1変形例によれば、サービス管理装置700が、車両の走行中における、車両の利用者、または車両の運行者と、コンテンツとの対応関係を参照し、参照結果に基づきコンテンツの利用を許可することにより、車両の環境に適した状態で車外へのコンテンツ表示を実現することができる。
<第8の実施形態>
次に、第8の実施形態について説明する。第8の実施形態では、第1の実施形態の車両が適用可能な車両システムについて説明する。車両は、例えば、基本的には運転操作を必要としない自動運転車両である。車両システムでは、自動運転車両を用いて、利用者のニーズに応じた部屋環境を提供する。
図145は、車両システムg1の構成図である。車両システムg1は、一以上の車両g100と、利用者が使用可能な部屋に設置される一以上の部屋設備g200と、管理サーバg300とを備える。これらの構成要素は、ネットワークNWを介して互いに通信可能である。ネットワークNWは、インターネット、WAN、LAN、公衆回線、プロバイダ装置、専用回線、無線基地局などを含む。利用者が使用可能な部屋とは、部屋の所有者や、管理者等により利用者による使用が予め許可されている部屋であって、例えば、利用者の自宅や職場、滞在するホテルや旅館等である。利用者が使用可能な部屋とは、車両g100の外の空間の一例であり、部屋設備g200に存在する機器が、この車両g100の外の空間に存在する外部装置の一例である。外部機器は、後で説明する通り、車内に用意された操作インタフェースを介して取得された操作情報に基づいて車内から利用者により遠隔操作される対象を含む。以下、外部機器が部屋設備g200に含まれる構成として説明するが、これに限られない。例えば、外部機器は、車両g100に搭載される機器以外の機器であって、例えば、他車両に搭載される機器などを含んでもよい。
[車両]
車両g100は、利用者Uによる操作に基づいて部屋リクエストを作成し、ネットワークNWを介して、管理サーバg300に送信する。部屋リクエストとは、車両g100の車内に擬似的な部屋環境の再現を指示する要求であって、部屋の種類や利用者Uの属性等の利用条件や車両g100の識別情報等が含まれる。部屋リクエストは、車両g100に乗車する度に送信される必要はなく、一度部屋リクエストが送信されると、キャンセルされるまで部屋環境の提供が継続されてもよい。
車両g100は、例えば、複数の利用者Uが乗車可能な四輪以上の車輪を有する車両である。図146は、車両g100の構成図である。車両g100は、例えば、外界監視ユニットg110と、通信装置g120と、ナビゲーション装置g130と、推奨車線決定装置g140と、自動運転制御ユニットg150と、駆動力出力装置g160と、ブレーキ装置g162と、ステアリング装置g164と、環境提供部g170とを備える。外界監視ユニットg110、通信装置g120、ナビゲーション装置g130、推奨車線決定装置g140、自動運転制御ユニットg150、駆動力出力装置g160、ブレーキ装置g162、およびステアリング装置g164のそれぞれは、例えば、上述した第2の実施形態において紹介した図26の外界監視ユニットa210、通信装置a220、ナビゲーション装置a230、推奨車線決定装置a240、自動運転制御ユニットa250、駆動力出力装置a260、ブレーキ装置a262、およびステアリング装置a264と同様の構成を備えるため、ここでの詳細な説明を省略する。また、第8の実施形態における自動運転の処理過程については、第1の実施形態において紹介した図3並びに関連する説明を援用し、詳細な説明を省略する。
環境提供部g170は、出力部g171と、制御部g172と、取得部g173と、記憶部g174と、特定部g175と、認証部g176とを備える。
環境提供部g170は、例えば、部屋設備g200に含まれる外部機器の状態を示す状態情報を車内に提供することにより、車両g100の車内に部屋設備gg200を備える部屋の環境を再現する。外部機器の状態情報には、例えば、外部機器の制御状態を示す情報、あるいは、外部機器外の検出部により検出される外部機器の外部状態を示す情報などが含まれる。
外部機器の制御状態には、例えば、テレビがオン状態であること、炊飯器が炊飯状態であることなどが含まれる。また、外部機器の制御状態には、外部機器が予め保有している機能動作(あるいは機能動作に付随する動作)や、外部機器において設定されている機能動作も含まれる。外部機器の機能動作には、例えば、テレビの音量を調整できることや、設定されている音量のレベル値(設定値)などが含まれる。外部機器において設定されている機能動作には、室外からの遠隔操作が可能な機能動作であることや、室外からの遠隔操作が可能でない機能動作であることなども含まれる。外部機器の制御状態には、外部機器の稼働状態なども含まれる。
検出部は、外部機器に含まれない構成である。検出部は、カメラに限られず、例えば、外部機器の外部状態を検出するものであればよく、温度計、照度計、スピーカなどを含んでもよい。外部機器の外部状態には、外部機器を外側から観測した外部機器の状態や、外部機器が置かれている周りの環境の状態などが含まれる。
状態情報を車内に提供することには、外部機器の制御状態を表す画像やテキストで車内に表示することや、外部機器において設定されている機能動作を画像やテキストで車内に表示することなどが含まれる。また、状態情報を車内に提供することには、外部機器に対する機能動作についての操作インタフェースを画像やテキストで車内に表示することなども含まれてよい。
出力部g171は、状態情報を車内に表示させるための情報(以下、再現データと記す)に基づいて車両g100の車内に状態情報を表示させることにより、所定の部屋環境を再現する。再現データは、例えば、部屋設備g200や管理サーバg300から受信した情報に基づいて制御部g172により生成される。また再現データは、部屋設備g200あるいは管理サーバg300により生成されてもよく、部屋設備g200あるいは管理サーバg300により一部が生成され、この一部に基づいて最終的に制御部g172により生成されてもよい。
例えば、出力部g171は、再現データに基づいて所定の像を車内に出現させる。所定の像を出現させる手段は、プロジェクタを用いて車内の壁に像を投影される手法であってもよく、車内に設置されたディスプレイに像を表示させる手法であってもよい。また、所定の像には、外部機器に関する像だけでなく、指定された空間を再現する様々な像が含まれ、例えば、指定された空間の壁紙や床などの建造物に関する像と、指定された空間に存在する家具や家電等の構造物に関する像なども含まれる。
出力部g171は、例えば、プロジェクタ、ディスプレイ、スピーカ等のうち一つまたは複数を含む。再現データは、車両g100における再現手段に応じて異なり、例えば、車両g100における再現手段がプロジェクタであれば車両100の内装の表面に投影されるデータ、車両g100における再現手段がディスプレイであればディスプレイに表示されるデータ等を含む。また、出力部171は、プロジェクションマッピング技術を利用して、部屋環境を再現してもよい。
また出力部g171は、部屋設備g200に存在する外部機器の状況を車内に通知する。例えば、部屋設備g200から受信した情報に基づいて、部屋設備に存在する機器の状況に応じた像を出力したり、部屋に存在する機器の状況を示す言葉やイラストを、画像あるいは音声により出力する。詳細については、後述する。
取得部g173は、例えば、利用者による操作を受け付け、受け付けた操作内容を制御部g172に出力するインタフェース装置を含む。取得部g173は、例えば、キーボード、マウス、タッチパネル等を含む。また、取得部g173はカメラやセンサを含み、制御部g172が、カメラにより撮像された画像やセンサによる検出結果等に基づいて、利用者Uの特徴や、利用者Uによる操作内容を解析してもよい。例えば、制御部g172は、車内の部屋環境において再現された擬似的な外部機器の操作ボタンをタッチする利用者Uの動きを検出した場合、外部機器に対する操作内容を検出する。つまり、制御部g172と取得部g173は、擬似的な像として車内に再現された外部機器を遠隔操作するための指示を受け付ける操作インタフェースとして機能する場合がある。
また、取得部g173は、車両g100の走行状態を取得する。車両g100の走行状態は、例えば、自動運転制御ユニットg150により実行されるイベント、自車両の速度、GNSS受信機g134により測位された車両g100の位置、車両g100が走行している道路の形状(峠道、直線道路…)などにより表される。例えば、取得部g173は、通信装置g120を用いて、自動運転制御ユニットg150により実行されるイベントの種類を示す情報を取得する。
記憶部g174は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などにより実現される。
制御部g172、特定部g175、および認証部g176は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部g174に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの機能部のうち一方または双方は、LSIやASIC、FPGAなどのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
制御部g172は、取得部g173を用いて利用者Uから入力された情報、特定部g175による特定結果、認証部g176による認証結果などに基づいて、部屋リクエストを作成し、通信装置g120を用いて、管理サーバg300に送信する。例えば、制御部g172は、利用者の名前や属性、部屋の種類等の利用条件を部屋リクエストに含める。
また制御部g172は、部屋設備g200や管理サーバg300から受信した情報に基づいて、再現データを生成する。なお制御部g172は、部屋設備g200や管理サーバg300から再現データを取得してもよい。制御部g172は、再現データを出力部g171に出力する。
また制御部g172は、外部機器に対する操作を受け付ける操作インタフェースを、車内に提供する。例えば、制御部g172は、取得部g173に含まれる各部を識別する識別情報(以下、操作インタフェースIDと記す)と、外部機器に対する操作を識別する識別情報(以下、操作IDと記す)とを対応付けた情報を生成し、インタフェース情報g174Aの一部として記憶部g174に格納する。なお、インタフェース情報g174Aは、操作インタフェースIDと操作IDとの組み合わせを識別する情報(以下、インタフェースIDと記す)を含んでいてもよい。インタフェース情報g174Aには、例えば、タッチパネルに表示されるボタンAがテレビの電源をオンする操作インタフェースであることが登録される。このインタフェース情報g174Aは、後述するインタフェース情報g322の全部あるいは一部と同じ情報であってよい。
また制御部g172は、外部機器が有する全ての機能動作のうち、車内から遠隔操作が可能な機能動作についての操作インタフェースを、車内に提供する。制御部g172は、例えば、車両からの遠隔操作が可能であるか否かに応じて操作インタフェースが受け付ける操作内容を決定する。外部機器が有する全ての機能動作のうち車両からの遠隔操作が可能である機能動作が限定されている場合、制御部g172は、車両からの遠隔操作が可能である機能動作の操作インタフェースを、車内に提供する。具体的には、制御部g172は、車両からの遠隔操作が可能である機能動作の操作IDにインタフェースIDを対応付けてインタフェース情報g174Aに登録するとともに、車両からの遠隔操作が可能でない機能動作の操作IDはインタフェース情報g174Aに登録しない。また、制御部g172は、車両からの遠隔操作が可能でない機能動作の操作IDについては、無効であることのフラグを立ててもよい。
なお、車両からの遠隔操作が制限される場合の一例について説明する。例えば、外部機器がテレビである場合、テレビの電源をオンするなどのテレビ自体の操作は車両からの遠隔操作が可能であるが、テレビと接続されている録画機器については車両からの遠隔操作が制限されてよい。なお、録画機器に対する操作は、録画機器の操作として、制御部g172により操作インタフェースが提供されてよい。
また制御部g172は、例えば、乗員が認証部g176により認証された個人であるか否かに応じて操作インタフェースが受け付ける操作内容を決定してもよい。外部機器が有する全ての機能動作のうち乗員による操作が許可されている機能動作が限定されている場合、制御部g172は、乗員による操作が許可されている機能動作の操作インタフェースを、車内に提供する。具体的には、制御部g172は、乗員による操作が許可されている機能動作の操作IDにインタフェースIDを対応付けてインタフェース情報g174Aに登録するとともに、乗員による操作が許可されていない機能動作の操作IDはインタフェース情報g174Aに登録しない。また、制御部g172は、乗員による操作が許可されていない機能動作の操作IDについては、無効であることのフラグを立ててもよい。
また制御部g172は、通信装置g120を用いて部屋設備g200や管理サーバg300から受信した情報に基づいて、操作インタフェースが受け付ける操作内容を、外部機器の制御状態と同期させる。例えば、制御部g172は、部屋設備g200や管理サーバg300から受信した最新の情報に基づいて、操作インタフェースが受け付ける操作内容を決定する。
また制御部g172は、時計機能部を備え、外部機器に含まれる時計機能部により計時された時刻と同期させてもよい。例えば、17時00分に外部機器に含まれる炊飯器の炊飯制御の開始が予め設定されていたとする。この場合、制御部172は、自身の時計機能部により計時された時刻が17時00分になった場合に、通信装置g120を用いて部屋装置g200に対して炊飯器による炊飯制御の開始を指示するコマンドを送信するとともに、操作インタフェースに含まれる炊飯器の炊飯開始ボタンがオンされていることを示すことを表示させる。
また制御部g172は、部屋設備g200に同じ機能の複数の外部機器が含まれる場合、この複数の外部機器に対する同じ操作内容を受け付ける操作インタフェースを、共通化して車内に再現してもよい。こうすることにより、乗員が照明のオフを指示する操作インタフェースを車内において操作した場合、リビングの照明と寝室の照明を同時にオフすることができる。
また制御部g172は、車内の乗員の状況に応じて操作インタフェースを操作可能な乗員を決定することにより、全ての乗員のうち操作インタフェースを操作可能な乗員を制限してもよい。車内の乗員の状況には、車内における乗員の乗車位置の分布や、乗員の視線の方向などが含まれる。車内の乗員の状況を示す情報は、例えば、車内に設けられたカメラなどにより取得された画像データを解析することにより、制御部g172により取得される。例えば、制御部g172は、乗員の乗車位置に基づいて操作インタフェースと乗員との距離を取得し、操作インタフェースとの距離が閾値以下である乗員や、他の乗員に比べて操作インタフェースまでの距離が短い乗員を、操作インタフェースを操作可能な乗員に決定してもよい。また、制御部g172は、乗員の視線の方向に基づいて操作インタフェースを用いて操作可能な外部機器の再現画像を見ているか否かを判定し、外部機器の再現画像を見ていると判定した乗員を、操作インタフェースを操作可能な乗員に決定してもよい。
また制御部g172は、利用者Uの操作によらずに部屋リクエストを作成し、管理サーバg300に送信してもよい。例えば、制御部g172は、複数の部屋(例えば、リビングと、寝室と、キッチン)の部屋環境の再現を指示する部屋リクエストを作成する。そして、制御部g172は、管理サーバg300から受信した情報に基づいて複数の部屋の部屋環境を連続的に再現する。例えば、制御部g172は、一定時間ごとに部屋環境が自動で変更して見えるように、再現する部屋環境を変更する。
この場合、制御部g172は、車内に再現されている部屋に含まれる外部機器に対応する操作インタフェースを車内に提供し、車内に再現されていない部屋に含まれる外部機器に対応する操作インタフェースを車内に提供しないようにする。また、制御部g172は、乗員から受け付けた操作指示に基づいて、車内に再現されている部屋に含まれる外部機器を制御するコマンドを、通信装置g120を用いて部屋装置g200に送信してもよい。この場合、制御部g172は、乗員から受け付けた操作指示が車内に再現されていない部屋に含まれる外部機器に対して適用可能な場合であっても、この外部機器に対するコマンドは送信しない。なお、乗員からの操作指示は、HMIg132により実現されている操作インタフェースや、プロジェクタにより車内に表示されている操作インタフェースに限られず、例えば、制御部g172が音声により取得されてもよい。例えば、乗員が「もう少しテレビの音量を上げて」と言った場合、制御部g172は、取得g部173により取得された音声情報に基づいて乗員からの操作指示を受け付けてもよい。つまり、制御部g172は、車内に再現されている部屋に含まれる外部機器に対する操作を、車内に再現されていない部屋に含まれる外部機器によりも優先的に受け付ける。このように、一の操作インタフェースに対して操作可能な複数の外部機器が対応づけられている場合、制御部g172は、所定の優先順位に基づいて、操作インタフェースに基づいて操作する外部機器を決定してもよい。
特定部g175は、取得部g173により取得された情報に基づいて、車両g100の車内にいる個人を特定する。特定部g175は、例えば、記憶部g174を参照して個人を特定する。記憶部g174には、利用者の特徴を示す情報が予め登録されている。例えば、記憶部g174には、利用者の顔の特徴を示す情報、利用者の声の特徴を示す情報、利用者の指紋の特徴を示す情報等が登録されており、特定部g175は、記憶部g174を参照して、顔認証、声認証、指紋認証等により個人を特定することができる。なお、特定部g175は、パスワード入力、QRコード(登録商標)認証、或いはFelicaなどのICカードを用いて通信によって認証を行い、認証結果に基づいて個人を特定してもよい。
認証部g176は、下記の管理サーバg300との対応関係を示す情報を参照し、特定部g175により特定された個人(あるいは、認証部g176が搭載されている車両)が管理サーバg300に対するアクセス権を有するか否かを判定する。管理サーバg300に対するアクセス権を有することが認証g部176により判定された場合、制御部g172により部屋リクエストが作成される。
認証部g176は、下記の外部装置との対応関係を示す情報を参照し、特定部g175により特定された個人が外部機器を制御するアクセス権を有するか否かを判定し、アクセス権が存在する場合に、アクセス権を含む信号を制御部172に生成させる。つまり、認証部g176は、「外部装置との対応関係を示す情報(後述する)」に登録されている外部機器のうち、特定部g175により特定された個人が使用可能な外部機器を特定する。「外部装置との対応関係を示す情報」は、例えば、外部機器が存在する空間のそれぞれを識別する情報(例えば部屋ID)、個人のそれぞれを識別する情報と、部屋IDが示す空間に存在する外部機器のそれぞれを識別する情報(例えば、外部機器ID)と、各外部機器に対するアクセス権の有無とを対応付けた情報であって、例えば車両g100に搭載される記憶装置に格納されている。
また認証部g176は、管理サーバg300を介して外部機器から受信した情報に基づいて、指定された空間に存在する外部機器のうち、遠隔操作可能な外部機器を特定し、特定した外部機器について特定部g175により特定された個人が使用可能か否かを判定してもよい。
また認証部g176は、上述の外部装置との対応関係を示す情報を参照し、取得部g173を介して乗員により指定された空間(部屋)に存在する複数の外部機器のうち、特定部g175により特定された個人が使用可能な外部機器(以下、使用可能機器と記す)や、特定部g175により特定された個人が使用可能でない外部機器(以下、使用不可能機器と記す)を特定してもよい。
なお「外部装置との対応関係を示す情報」は、管理サーバg300の記憶部に格納されて、管理サーバg300に含まれる構成部によって、上述したような認証部176による処理が実行されてもよい。
また制御部g172は、操作インタフェース(取得部g173により実現される)を介して取得した操作情報を、通信装置g120を用いて、管理サーバg300に選択的に送信する。例えば、制御部g172は、取得した操作情報が示す操作内容が、認証部g176によりアクセス権が存在すると判定された外部機器(使用可能機器)に対する操作内容である場合、操作情報を管理サーバg300に送信する。一方、取得した操作情報が示す操作内容が、認証部g176によりアクセス権が存在しないと判定された外部機器(使用不可能機器)に対する操作内容である場合、制御部g172は、操作情報を管理サーバg300に送信しない。
また制御部g172は、指定された空間に存在する外部機器の種類(第1要件)と、外部機器の使用が許可されているか否かを示すアクセス権(第2要件)と、外部機器の状態(第3要件)とのうち少なくとも一つに基づいて、外部機器と接続される操作インタフェースを決定する。外部機器の状態を示す情報は、例えば後で説明する状態情報である。
例えば、制御部g172は、第1要件に基づいて、指定された空間に存在する全ての外部機器に対応する操作ボタンを取得部g173に含まれるタッチパネルに表示してもよい。また制御部g172は、さらに第2要件を考慮して、タッチパネルに表示した操作ボタンのうち、アクセス権がない外部機器の操作ボタンを無効にしてもよく、タッチパネルに表示しないようにしてもよい。
また、制御部g172は、さらに第3要件を考慮して、部屋設備g200として新たな外部機器が追加された場合、新たに追加された機器と通信し必要な情報を取得することにより部屋設備g200の外部機器に追加するとともに、新たに追加された外部機器に対応する操作ボタンをタッチパネルに追加する。なお、同様にして、部屋設備g200の外部機器がその空間から撤去された場合、制御部g172は、撤去された外部機器を部屋設備g200の外部機器から除外するとともに、撤去された外部機器に対応する操作ボタンをタッチパネルから削除してもよい。また、制御部g172は、第3要素を考慮して、外部機器の制御状態が変化した場合は、外部機器の制御状況に応じた操作ボタンをタッチパネルに表示させてもよい。例えば、外部機器が録画装置であって、制御状態が録画中である場合、制御部g172は、録画中であることを示し録画操作を無効とする操作ボタンを表示して、この操作ボタンが操作されたとしても録画指示を受け付けず、同じ番組を重複して録画できないようにしてもよい。
また、制御部g172は、車両g100の走行状態に基づいて、操作インタフェースが受け付ける操作内容を変更してもよい。例えば、制御部g172は、車両g100の走行状態に応じて、操作インタフェースが受け付ける操作内容の一部を制限したり、拡張したりする。具体的には、速度が一定以上である場合は、一部の操作内容を制限したり、峠道の時には細かい操作インタフェースで乗員が乗り物酔いを起こすことを防止するために文字の大きさやボタンの大きくなるように操作内容を変更する。
また、制御部g172は、指定された空間に電気機器g230が追加された場合、追加された電気機器g230の機能に応じた操作インタフェースを追加する。例えば、制御部g172は、電気機器g230として掃除機が追加された場合、出力部g171に含まれるタッチパネルに、掃除機を操作するための操作ボタンを追加する。
[部屋設備]
図147は、部屋設備g200の機能構成図である。部屋設備g200は、例えば、通信装置g210と、一以上の検出部g220と、一以上の外部機器g230と、ゲートウェイ装置g240とを備える。
通信装置g210は、例えば、ネットワークNWに接続したり、車両g100と直接的に通信したりするための通信インタフェースである。通信装置g210は、例えば、NIC(Network Interface Card)を含んでもよいし、Wi−Fi、DSRC、Bluetooth、その他の通信規格に基づいて無線通信を行ってもよい。通信装置g210として、用途に応じた複数のものが用意されてもよい。
検出部g220は、利用者Uが使用可能な部屋、例えば、利用者Uの自宅のリビング、キッチン、子供部屋や、利用者Uの職場の室内等を撮像する位置に設けられている。検出部g220としては、例えば、360°カメラが利用可能である。検出部g220は、撮像した画像のデータ(以下、画像データ)をゲートウェイ装置g240に出力する。
外部機器g230は、利用者Uが使用可能な部屋に設置される外部機器であって、例えば、テレビ、録画装置、冷蔵庫、炊飯器、電子レンジ、空調装置、パーソナルコンピューター、プリンター、ゲーム機器、トレッドミル、電動サウナ等が含まれる。以下、外部機器g230は、電子機器も含むものとする。外部機器g230は、ゲートウェイ装置g240と接続され、ゲートウェイ装置g240により制御されてもよい。また外部機器g230は、動作状態、制御状態などを示す状態情報を生成し、ゲートウェイ装置g240に出力してもよい。状態情報には、さらに、外部機器g230の型番や色、形などを示す情報などが含まれていてもよい。
ゲートウェイ装置g240は、部屋内の通信装置g210や検出部g220、外部機器g230と接続され、これらをIot(Internet of things)機器として動作させることができる。ゲートウェイ装置g240は、例えば、CPUなどのプロセッサと、制御信号生成部g240A(詳細は後述)と、認証部g240Bとを含む。
ゲートウェイ装置g240は、管理サーバg300から受信した情報に基づいて、検出部g220や外部機器g230を制御する。例えば、リビングの映像データの送信を指示する情報を受信した場合、ゲートウェイ装置g240は、リビングに設置されている検出部g220を制御して映像データを取得し、通信装置g210を用いて管理サーバg300に送信する。また、テレビの録画を指示する情報を受信した場合、ゲートウェイ装置g240は、テレビに接続されている録画装置である外部機器g230を制御して、指定の番組の録画予約をする。またゲートウェイ装置g240は、外部機器g230から状態情報の一部が入力された場合、通信装置g210を用いて車両g100に送信してもよく、管理サーバg300を介して車両g100に送信してもよい。
認証部g240Bは、上述した認証部g176と同様の処理を実行する。例えば、通信装置g210を用いて管理サーバg300や車両g100から受信した情報に基づいて、外部機器との対応関係を示す情報を参照し、乗員(例えば、車両g100において特定された個人)が指定した部屋を再現するためのアクセス権を有するか否かを判定する。アクセス権が存在する場合、認証部g240Bは、指定された部屋に存在する外部機器の状態情報を取得するよう、状態情報取得部240Cに指示する。
認証部g240Bは、受信した情報に基づいて、外部機器との対応関係を示す情報を参照し、乗員が指定した部屋に存在する外部機器ごとにアクセス権が存在するか否かを判定する。通信装置g210を用いて管理サーバg300や車両g100から受信した情報に、アクセス権が存在する外部機器に対する操作指示が含まれる場合、認証部g240Bは、認証に成功したことを示す情報を制御信号生成部g240Aに出力する。制御信号生成部g240Aは、認証部g240Bによる認証が成功した外部機器に対して、受信した情報に含まれる操作指示に応じた制御信号を生成し、通信装置g210を用いて管理サーバg300や車両g100に送信する。
状態情報取得部g240Cは、検出部g220により検出された検出結果や、外部機器g230において設定されている操作内容を示す情報を、検出部g220や外部機器g230から取得する。状態情報取得部g240Cは、検出部g220や外部機器g230から入力する情報に基づいて、外部機器の状態情報を取得し、通信装置g210を用いて管理サーバg300や車両g100に送信する。状態情報取得部g240Cは、取得した外部機器の状態情報に基づいて再現データを生成し、通信装置g210を用いて管理サーバg300や車両g100に送信してもよい。
[管理サーバ]
図148は、管理サーバg300の機能構成図である。管理サーバg300は、例えば、車両g100と部屋設備g200との間の通信を管理する。なお、以下に説明する管理サーバg300が備える機能の一部は、車両g100により実現されてもよい。管理サーバg300は、例えば、通信装置g310と、記憶部g320と、サーバ制御部g330とを備える。通信装置g310は、例えば、ネットワークNWに接続するためのNICである。通信装置g310は、ネットワークNWを介して車両g100や部屋設備g200と通信する。記憶部g320は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。
サーバ制御部g330は、例えば、再現データ取得部g330Aと、I/F管理部g330Bと、認証部g330Cとを備える。これらの機能部は、例えば、CPUなどのプロセッサが記憶部g320に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGAなどのハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。
再現データ取得部g330Aは、通信装置g310およびネットワークNWを介して、車両g100から送信された部屋リクエストを受信し、部屋リクエストに含まれる利用条件に応じた再現データを取得して、取得した再現データを車両100に送信する。再現データ取得部g330Aは、記憶部g320に保存されている再現データDBg321から再現データを取得してもよく、部屋設備g200からリアルタイムに取得された撮像映像に基づく再現データを取得してもよい。
再生データDBg321には、部屋を再現するための様々な再現データが含まれる。例えば、部屋を再現するためのイラスト画像や写真等を加工した画像などが含まれる。また再現データは、上述した通り、プロジェクタやディスプレイ等の出力部171を用いて車内に所定の像を出力するための情報である。所定の像は、車内に投影される像であってもよく、車内に設置されたディスプレイにおいて表示される像であってもよい。つまり、再現データは、部屋環境に応じた様々なアイテムの像を出力部g171を用いて車内に出力するための情報であって、外部機器g230の像を出力部g171を用いて車内に出力するための情報を含む。再現データDB321は、例えば、部屋の種類を示す情報に対応付けて、予め用意された再現データを保存するデータベースである。
また、再現データ取得部g330Aは、記憶部g320に保存されている再現データDBg321の一部と、部屋設備g200からリアルタイムに取得された撮像映像とを合成して、再現データを生成してもよい。例えば、再現データ取得部g330Aは、外部機器の像を出力するための情報を再現データDBg321から読み出し、読み出した情報を撮像映像に合成する。
また、再現データDBg321には、外部機器の状態に応じた像を出力するための情報が含まれていてもよい。例えば、外部機器g230から状態情報を受信した場合、再現データ取得部g330Aは、外部機器g230の状態を表す情報を再現データDBg321から読み出し、読み出した情報を撮像映像に合成してもよい。外部機器g230の状態を表す情報には、例えば、外部機器g230の状態を文字で表す画像や、その状態で動作している外部機器g230の像を表現した画像等が含まれる。再現データ取得部g330Aは、外部機器g230の状態を表す情報の一部または全部を、外部機器g230の像の上に重畳させて表示する再現データを生成する。
なお、これに限られず、再現データ取得部g330Aは、外部機器g230の状態を表す情報に基づいて、操作情報に基づいて車両g100側から遠隔操作された後の外部機器g230の状態を表す情報を、外部機器g230の像の付近に表示させる再現データを生成してもよい。この再生データが車両g100に送信されることにより、出力部g171は、操作情報に基づいて遠隔操作された後の外部機器g230の状態を示す情報を、車内に出力することができる。
このようにして、「外部機器g230の状態情報に基づいて生成された再生データ」に基づく像を車内に出力することにより、環境提供部g140は、車両g100の車内において出力されている外部機器g230の像の状況と、指定された空間における外部機器g230の状況とを、同期させることができる。
また、再現データ取得部g330Aは、外部機器g230の機能や状態を表す情報を操作インタフェースの一部(タッチパネル等)に表示させるための情報を生成し、再現データに付与(あるいはその情報だけで)などして、車両g100に送信してもよい。例えば、制御部g172は、受信した情報に基づいて、外部機器g230の機能や制御状態に応じた操作ボタンをタッチパネルに表示させる。具体的には、外部機器g230が録画装置である場合、制御部g172は、録画装置において受け付け可能な操作内容に対応する操作ボタンをタッチパネルに表示させる。また、録画装置の制御状態が録画中である場合、制御部g172は、録画中であることを示し録画操作を無効とする操作ボタンを表示して、この操作ボタンが操作されたとしても録画指示を受け付けず、同じ番組を重複して録画できないようにしてもよい。このようにして再現データ取得部g330Aから受信した情報に基づく像を車内に出力することにより、環境提供部g140は、車両g100の車内における操作インタフェースが受け付ける操作内容と、電子機器g230の機能及び状況のうち少なくとも一方を、同期させることができる。
また、再現データ取得部g330Aは、外部機器g230の機能や状態を示す情報を音声で車内に出力するための情報を生成し、車両g100に送信してもよい。
また、車内に再現されている空間に新しい外部機器が追加された場合、再現データ取得部g330Aは、追加された外部機器に対応する情報を再現データDBg321から読み出し、読み出した情報を撮像映像に合成してもよい。
また、再現データ取得部g330Aは、車両g100から認証部g176による認証結果を受信し(あるいは、認証部g330Cによる認証結果を取得し)、認証結果に応じた再生データを生成してもよい。例えば、車両g100から、特定部g175により特定された個人が使用可能な外部機器(以下、使用可能機器と記す)を示す情報や、特定部g175により特定された個人が使用可能(使用不可能機器と記す)でない外部機器を示す情報を受信した場合、再現データ取得部g330Aは、使用可能機器を出現させ、使用不可能機器を出現させないような再生データを生成する。例えば、再現データ取得部g330Aは、使用可能機器に対応する再現データを撮像映像に合成し、使用不可能機器に対応する箇所には所定の使用不可能画像を撮像映像に合成してもよい。使用不可能画像には、例えば、一色で塗りつぶされた画像や、使用ができないことを示す文字が表示されている画像などが含まれる。また、使用不可能画像を合成する処理は、上述に限られず、例えば撮像映像のうち使用不可能機器に対応する部分をモザイク処理するなどが含まれる。
なお、上述した再現データ取得部g330Aの一部または全部は、環境提供部g170により実現されてもよい。
I/F管理部g330Bは、通信装置g310およびネットワークNWを介して、車両g100と外部機器g230との通信を確立する。例えば、サーバ制御部g330は、車両100から受信した操作情報を外部機器g230に転送する。また、サーバ制御部g330は、外部機器g230から受信した状態情報を車両g100に転送する。
またI/F管理部g330Bは、インタフェース情報g322を生成し、記憶部g320に格納する。図149は、インタフェース情報g322の内容の一例を示す図である。図149に示す通り、インタフェース情報g322は、インタフェースIDと、操作インタフェースIDと、タイプと、外部機器IDと、外部機器インタフェースIDとを対応付けたテーブルである。タイプは、操作インタフェースのタイプを示す情報である。外部機器IDとは、外部機器を識別する識別情報である。外部機器インタフェースIDとは、外部機器に含まれる操作インタフェースを識別する識別情報である。なお、図149に示す“例”は、外部機器に対する操作内容の具体例である。I/F管理部g330Bは、事前に用意された操作インタフェースに関する各種情報に基づいて、インタフェース情報g322を生成する。事前に用意された操作インタフェースに関する各種情報には、例えば、操作インタフェースIDが示す操作インタフェースが受け付け可能な操作内容を示す情報や、外部機器インタフェースIDが示す操作インタフェースが受け付け可能な操作内容を示す情報などが含まれる。
図149に示す通り、例えば、同じ外部機器g230に含まれる異なる操作インタフェースごとに、車両g100側の操作インタフェースが対応付けられている。こうすることにより、車両g100側の操作インタフェースと外部機器g230側の操作インタフェースとの通信経路を確立することができる。よって、擬似的な部屋環境を車内に再現することができる。
またI/F管理部g330Bは、外部サーバ(例えば、3rdParty)との通信を管理してもよい。例えば、I/F管理部g330Bは、車両g100から受信した情報(部屋リクエストや外部機器g230に対する操作指示などを含む)に基づいて、外部サーバとの通信が必要か否かを判定する。外部サーバとの通信が必要である場合、I/F管理部g330Bは、外部サーバと通信し、外部サーバから必要な情報を取得した後、取得した情報に基づいてインタフェース情報を保管してもよい。
認証部g330Cは、上述した認証部g176と同様の処理を実行する。例えば、通信装置g210を用いて車両g100から受信した情報に基づいて、外部機器との対応関係を示す情報を参照し、車両g100において特定された個人が外部機器g230に制御するアクセス権を有するか否かを判定する。アクセス権が存在する場合、認証に成功したことを示す情報を再現データ取得部g330AやI/F管理部g330Bに出力する。再現データ取得部g330は、認証部g330Cによる認証が成功した場合、再現データを取得する。I/F管理部g330Bは、認証部g330Cによる認証が成功した場合、車両g100と外部機器g230との情報の転送を実行する。
図150は、部屋情報g322の一例を示す図である。部屋情報g143は、使用許可が必要な部屋に関する情報であって、部屋IDに、部屋の種類、使用可能情報等を対応付けた情報である。部屋情報g322は、例えば、家屋ごとに用意されるテーブルに格納される。部屋IDは、全ての使用可能な部屋のうち、各部屋を識別するための固有の情報である。使用可能情報は、各部屋に対して使用が許可されている利用者Uを示す情報であって、例えば利用者IDを含む。利用者IDは、各利用者Uを識別するための固有の情報である。
部屋選択部g330Dは、車両g100から受信した部屋リクエストに基づいて、利用者により指定された部屋の部屋IDが部屋情報g322に登録されているか否かを判定する。部屋情報g322に登録されていない場合、部屋選択部g330D、再現データDBg321から部屋リクエストに応じた再現データを取得し、部屋リクエストを送信した車両g100に送信する。一方、部屋情報g322に登録されている場合、部屋選択部g330Dは、使用が許可されている利用者として登録されているか否かを判定する。使用が許可されている利用者として登録されている場合、部屋選択部g330Dは、指定された部屋の部屋設備g200に対して、指定された部屋の映像データの送信を要求する。
次に、図151を参照して、車両システムg1による処理の一例について説明する。図151は、車両システムg1による処理の一例を示すシーケンス図である。ここでは、利用者U1から、予め再現データが用意されている部屋の再現が要求された例について説明する。
車両g100において、制御部g172は、例えば取得部g173から入力される情報に基づいて、利用者U1についての利用者に関する情報を取得する(ステップS101g)。利用者に関する情報には、車両g100の車内にいる利用者の名前や属性(続柄、役職…)等が含まれる。なお、特定部g175により利用者U1の個人が特定された場合、制御部g172は、特定部g175による特定結果から利用者に関する情報を取得してもよい。
次いで、制御部g172は、取得部g173を用いて利用者U1から、再現する部屋の種類を受け付ける(ステップS102g)。例えば、制御部g172は、部屋の種類として、再現データが用意されている部屋の一つを受け付ける。そして、制御部g172は、取得した利用者U1に関する情報、および部屋の種類等を含む部屋リクエストを作成し、通信装置g120を用いて管理サーバg300に送信する(ステップS103g)。
管理サーバg300において、部屋選択部g330Dは、車両g100から受信した部屋リクエストに基づいて、記憶部g320の部屋情報g322を参照し、指定された部屋の部屋IDが部屋情報g322に登録されているか否かを判定する(ステップS104g)。この例では、指定された部屋が再現データの用意されている部屋の一つであるため、部屋IDが部屋情報g322に登録されていない。よって、再現データ取得部g330Aは、車両g100から受信した部屋リクエストに基づいて、指定された部屋の再現データを記憶部g320の再現データDBg321から読み出し(ステップS105g)、通信装置g310を用いて車両g100に送信する(ステップS10g6)。車両g100において、制御部g172は、通信装置g120を用いて管理サーバg300から受信した再現データを、出力部g171に出力する。出力部g171は、入力した再現データに基づいて、指定された部屋の部屋環境を車両g100の車内に再現する(ステップS107g)。
次に、図152を参照して、他の処理例について説明する。図152は、車両システムg1による処理の一例を示すシーケンス図である。ここでは、利用者U2から、指定された部屋の現在の様子の再現が要求された例について説明する。
車両g100において、制御部g172は、利用者U2についての利用者に関する情報を取得する(ステップS201g)。制御部g172は、例えば、特定部g175による特定結果から利用者に関する情報を取得する。
次いで、制御部g172は、取得部g173を用いて利用者U2から、再現する部屋の種類を受け付ける(ステップS202g)。例えば、制御部172は、部屋の種類として、リアルタイムの映像を再現する部屋の一つを受け付ける。そして、認証部g176は、ステップS201gにおいて取得した利用者に関する情報等に基づいて、管理サーバg300に対するアクセス権を有するか否かを判定する(ステップS203g)。管理サーバg300に対するアクセス権を有する場合、制御部g172は、ステップS201gにおいて取得した利用者に関する情報、およびステップS202gにおいて受け付けた部屋の種類等を含む部屋リクエストを作成し、通信装置g120を用いて管理サーバg300に送信する(ステップS204g)。
管理サーバg300において、部屋選択部g330Dは、車両g100から受信した部屋リクエストに基づいて、記憶部g320の部屋情報g322を参照し、指定された部屋の部屋IDが部屋情報g322に登録されているか否かを判定する(ステップS205g)。この例では、指定された部屋が部屋設備g200の設置された部屋であるため、部屋IDが部屋情報g322に登録されている。よって、部屋選択部g330Dは、部屋情報g322において、部屋リクエストに含まれるユーザIDが、指定された部屋の部屋IDに対応する使用可能情報に含まれるか否かを判定する(ステップS206g)。部屋リクエストに含まれるユーザIDが、指定された部屋の部屋IDに対応する使用可能情報に含まれる場合、再現データ取得部g330Aは、指定された部屋に設置された部屋設備g200に対して、指定された部屋の映像データを送信するよう要求する(ステップS207g)。
部屋設備g200において、認証部g240Bは、乗員(例えば、車両g100において特定された個人)が指定した部屋を再現するためのアクセス権を有するか否かを判定する(ステップS208g)。アクセス権が存在する場合、状態情報取得部g240Cは、管理サーバg300から受信した要求に基づいて、指定された部屋に設置された検出部g220から映像データを取得するとともに、外部機器g230から設定されている操作内容を示す情報等を取得し(ステップS209g)、通信装置g210を用いて、管理サーバg300に送信する(ステップS210g)。管理サーバg300において、I/F管理部g330Bは、受信した操作内容を示す情報に基づいて、インタフェース情報g322を生成し、記憶部g320に格納する(ステップS211g)。サーバ制御部g330は、通信装置g310を用いて、受信した映像データや操作内容を示す情報、生成したインタフェース情報等を車両g100に送信する(ステップS212g)。ここでサーバ制御部g330は、上述したように外部機器g230のイラスト画像等を映像データに合成した情報を車両g100に送信してもよく、外部機器g230が映り込んでいる映像データを車両g100に送信してもよい。
車両g100において、環境提供部g170は、受信した映像データ等に基づいて、指定された部屋の部屋環境を車内g100に再現する(ステップS213g)。つまり、環境提供部g170は、受信した映像データ等に基づいて、出力部g171を用いて、外部機器g230の像と、外部機器g230が存在する空間の像を、車内に出力させる。また、環境提供部g170は、受信した操作内容を示す情報やインタフェース情報に基づいて、HMIg132に所定の操作インタフェースを表示させたり、出力部g171を用いて車内に所定の操作インタフェースを表示させる。
次いで、環境提供部g170は、車内に表示した外部機器の再現画像等に対する操作を利用者U2から受け付けた場合(ステップS214g)、受け付けた操作内容を示す操作情報を、通信装置g120を用いて管理サーバg300に送信する(ステップS215g)。ここで、環境提供部g170は、受け付けた操作内容が、認証部g176によりアクセス権が存在すると判定された外部機器(使用可能機器)に対する操作内容であるか否かを判定し、使用可能機器に対する操作内容であると判定した場合に限り、操作情報を管理サーバg300に送信するようにしてもよい。なお、認証部g176によりアクセス権が存在しないと判定された外部機器(使用不可能機器)の像が車内に出力されていない場合、操作インタフェースである取得部g173は、この使用不可能機器に対する操作内容を受け付けることができない。このため、環境提供部g170は、使用不可能機器に対する操作情報は管理サーバg300に送信しない。
操作内容を示す操作情報には、指定された部屋の部屋ID、外部機器を示す情報、および操作内容等が含まれる。管理サーバg300は、部屋情報g322において、受信した情報に含まれる部屋IDと対応付けられた部屋設備g200に対して、受信した操作内容を示す情報を転送する(ステップS216g)。部屋設備g200において、認証部g240Bは、受信した情報に基づいて、外部機器との対応関係を示す情報を参照し、乗員が指定した部屋に存在する外部機器ごとにアクセス権が存在するか否かを判定する(ステップS217g)。受信した情報に、アクセス権が存在する外部機器に対する操作指示が含まれる場合、認証部g240Bは、認証に成功したことを示す情報を制御信号生成部g240Aに出力する。制御信号生成部g240Aは、認証部g240Bによる認証が成功した外部機器に対して、受信した情報に含まれる操作指示に応じた制御信号を生成し、対応する外部機器g230に出力する(ステップS218g)。こうすることにより、部屋設備g200において、ゲートウェイ装置g240は、受信した操作内容を示す情報に基づいて、外部機器g230を制御することができる。このように、環境提供部g170は、操作インタフェースを外部機器g230と選択的に接続することで、外部機器g230を遠隔操作することができる。
次いで、制御信号生成部g240Aは、ステップS218gにおいて生成した制御信号に基づいて、関連装置による並行処理が必要か否かを判定する)。関連装置による並行処理とは、外部機器g230を制御するために必要な関連装置における処理、外部機器g230の制御と協調して動作される関連装置における処理、外部機器g230を制御する上位(マスタ)の関連装置における処理などが含まれる。例えば、ある部屋の関連装置が、別の部屋の外部機器g230に依存するとき、制御信号生成部g240Aは、外部機器g230を制御する際に、マスタ側の関連装置も並行して制御する。関連装置による並行処理が必要である場合、制御信号生成部g240Aは、関連装置に対する制御信号を生成し、関連機器を制御する(ステップS219g)。
なお、関連機器が部屋装置g200に含まれない場合、ゲートウェイ装置g240は、関連機器に対する制御信号を、通信装置g210を用いて管理サーバg300に送信する(ステップS220g)。そして、管理サーバg300は、通信装置g310を用いて、関連機器に対する制御信号を関連機器に送信する(ステップS221g)。管理サーバg300は、関連機器を制御できた場合、その旨を部屋設備200に送信してもよい(ステップS222g)。部屋設備g200において、制御信号生成部g240Aは、管理サーバg300から受信した情報に基づいて、外部機器g230をさらに制御してもよい。
管理サーバg300のサーバ制御部g330は、外部機器g230の状態を示す状態情報を部屋設備g200から受信してもよい。この場合、サーバ制御部g330は、受信した状態情報を、対応する車両g100に転送する。また上述した通り、サーバ制御部g330は、受信した状態情報に基づいて再現データを生成し、対応する車両g100に送信してもよい。
ステップS211gにおいてインタフェース情報g322が生成された場合、管理サーバg300は、インタフェース情報g322において互いの操作インタフェースが対応づけられている外部機器g230と環境提供部g170とを通信を確立する。外部機器g230と環境提供部g170との通信が確率されることにより、車両g100の車内において再現されている外部機器の状態が、指定された部屋における外部機器g230の状態と同期する。例えば、通信が確率されることにより、管理サーバg300は、部屋設備g200から受信する映像データを車両g100側に連続して送信することができる。これにより、ほとんどリアルタイムに近い時間差で、指定された部屋の状況が車内に再現される。
次に、図153〜156を参照して、車両システムg1により実現される部屋の一例について説明する。図153〜156は、車両g100の内部の一部を表した図である。図153〜156は、車両g100を前方あるいは後方からみた様子を、遠近法を用いて表したものである。車両g100の内側には、床面g501と、天井g502と、側面g503とが含まれる。なお、車両g100内に設置可能なテーブルや椅子の図示は省略する。
図153は、車両g100内に再現される子供向けの部屋の一例を示す図である。図153に示す通り、乗員に子供が含まれる場合、環境提供部g170は、通信装置g120を用いて、子供向けの部屋を要求する部屋リクエストを管理サーバg300に送信し、子供向けの部屋の再現データを管理サーバg300から受信する。環境提供部g170は、受信した再現データに基づいて、車両g100の床面g501、天井g502、および側面g503のうち少なくとも一部に、子供が喜ぶキャラクターg511やアイテムg512の画像を再現する。これにより、利用者は、車内での時間を楽しむことができる。また、乗車する子供の性別や年齢、嗜好等に応じて、部屋環境の雰囲気やアイテムを変更してもよい。また、環境提供部g170は、車両g100の座席を移動または収納させ、子供が遊ぶ空間を確保し、再現データに含まれる色情報に基づき座席の表面(表皮上)や車室内の表面を子供部屋の雰囲気を演出するように着色表示する。
図154は、車両g100内に再現されるカフェ風の部屋の一例示す図である。乗員に仕事帰りの利用者が含まれる場合、環境提供部g170は、通信装置g120を用いて、図147に示すようなカフェ風の部屋を要求する部屋リクエストを管理サーバg300に送信し、カフェ風の部屋の再現データを管理サーバg300から受信する。環境提供部g170は、受信した再現データに基づいて、車両g100の床面g501、天井g502、および側面g503のうち少なくとも一部に、カフェ風の室内デザインg521や室内設備g522等の画像を再現する。カフェ風の室内デザインg521には、例えば、素敵な写真を入れた額や、メニューを書いた黒板、コーヒーカップのイラストや写真等が含まれる。カフェ風の室内設備g522には、おしゃれな照明やエスプレッソマシン等が含まれる。これにより、利用者は、目的地までの移動時間を利用して、カフェにいるような感覚でお茶の時間を楽しむことができる。また、環境提供部g170は、飲みものや時間帯、季節等に応じて、部屋環境の雰囲気やアイテムを変更してもよい。また、環境提供部g170は、車両g100の座席を移動または収納させ、空間を確保したり、受信した再現データに合わせた位置へと各座席を配置させたりすると共に、再現データに含まれる色情報に基づき座席の表面(表皮上)や車室内の表面を着色表示することで、カフェの座席や、雰囲気を再現する。
図155は、車両g100内に再現される仕事向けの部屋の一例を示す図である。図155に示す通り、乗員に会社に出勤する利用者が含まれる場合、環境提供部g170は、通信装置g120を用いて、仕事向けの部屋を要求する部屋リクエストを管理サーバg300に送信し、仕事向けの部屋の再現データを管理サーバg300から受信する。環境提供部g170は、受信した再現データに基づいて、車両g100の床面g501、天井g502、および側面g503のうち少なくとも一部に、オフィスに設置される機器やオフィスのような室内デザインの画像を再現する。オフィスに設置される機器には、例えば、プリンターg531、パーソナルコンピューターの画面g532やキーボードg533、電話g534、ホワイトボードg535等が含まれる。これらは、外部機器の一例である。オフィスのような室内デザインは、職種に応じた複数の設定の中から利用者が選択可能であり、デスクワーク用にシンプルなデザインを再現してもよく、クリエイティブな発想が思い浮かぶように色々な写真をスライドで表示してもよく、ニュースや受信したメール内容等をスライドで表示してもよい。これにより、利用者は、目的地までの移動時間を利用して、気分を仕事モードに切り替えるとともに、仕事の一部を開始することもできる。なお、環境提供部g170は、車両g100内に再現された写真やニュース、メール内容等が利用者によりタッチされた場合、タッチされた対象を拡大表示したり、利用者の所持する端末装置に関連する情報を送信してもよい。
また、図153〜図155では、環境提供部g170は、車両g100の座席を移動または収納させ、空間を確保したり、受信した再現データに合わせた位置へと各座席を配置させたりすると共に、再現データに含まれる色情報に基づき座席の表面(表皮上)や車室内の表面を着色表示する。例えば、図155の例では、車両g100の座席が移動または収納されたり、形状が変形されたりして、オフィスの椅子が再現され、オフィスを再現する再現データに含まれる色情報に基づき座席の表面(表皮上)や車室内の表面をオフィスの雰囲気を再現するように着色表示する。このような制御が行われることにより、車両g100に設けられた設備を有効に活用することができる。また、例えば、再現する部屋の内容や形状と、車室内の内容や形状との違いを、上記の制御により吸収することにより、再現したい部屋を乗員は体感することができる。
これ以外にも、環境提供部g170が、リビングや子供部屋、木の部屋、寝室等を再現することにより、利用者は、リラックスした気持ちで移動時間を満喫することができる。また、環境提供部g170が、自宅や職場と同じような部屋環境を再現することで、利用者は、さらにリラックスした気持ちになりやすい。
図156は、車両g100内に再現される利用者の自宅のリビングの一例を示す図である。図156に示す通り、環境提供部g170は、通信装置g120を用いて、利用者の自宅のリビングを要求する部屋リクエストを管理サーバg300に送信する。管理サーバg300は、指定された利用者の部屋設備g200からリビングの映像データを取得し、環境提供部g170に転送する。環境提供部g170は、受信した映像データに基づいて、車両g100の側面g503に、利用者の自宅にあるテレビg541と、録画装置g542と、エアコンg543と、炊飯器g544と、電子レンジg545と、防犯装置g546等の外部機器の画像を再現する。録画装置g542には、録画ボタンg542a、および選択ボタンg542bの画像が含まれる。炊飯器g544には、スタートボタンや操作ボタン等を含む操作パネルg544aの画像が含まれる。防犯装置g546には、操作パネルg546aの画像が含まれる。環境提供部g170は、これら再現した外部機器の操作ボタン等が操作されたことを検出した場合、検出した操作内容を示す情報を、通信装置g120を用いて、管理サーバg300に送信する。管理サーバg300は、受信した情報を、指定された部屋設備g200に転送する。指定された部屋設備g200の外部機器g230は、管理サーバg300から転送された情報に基づいて、動作する。
以下、具体的に説明する。管理サーバg300は、環境提供部g170から受信した操作内容を示す情報と認証部g176の認証情報に基づき、制御対象(利用者の自宅等にある物品)を特定すると共に、当該制御対象に対する制御信号を認証情報と合わせて生成した信号を、部屋設備g200に送信する。部屋設備g200のゲートウェイ装置g240の認証部240Bは、管理サーバg300から受信した信号に基づき、制御対象の外部機器g230へのアクセス権を確認し、アクセス権を有すると判定した場合、上記の外部機器g230を制御する。例えば、認証部g240Bは、受信した信号に含まれる認証情報に基づいて、上記の外部機器g230を制御するアクセス権の有無を判定する。そして、認証部g240Bが、上記の外部機器g230を制御するアクセス権が存在すると判定した場合、制御信号生成部g240Aが、受信した信号を、外部機器g230を制御するための信号に変換して、変換した信号を制御対象の外部機器g230に送信する。そして、外部機器g230が制御される。
これにより、利用者は、録画ボタンg542aを操作することにより、車両g100で移動しながら自宅のリビングにある録画装置を操作することができる。また、利用者は、操作パネルg544aを操作することにより、帰宅する一時間前に自宅の炊飯器の電源をオンさせることができ、操作パネルg546aを操作することにより、在宅時に忘れた自宅の防犯装置の電源をオンさせることができる。
そして、ゲートウェイ装置g240は、外部機器g230から入力された状態情報を、通信装置g210を介して車両g100に送信する。例えば、車両g100が、録画装置が録画中であることを示す状態情報を受信したとする。この場合、車両g100の環境提供部g170は、録画中であることを表す画像(文字やイラストなどを含む)等を、車両g100の車内に出力されている録画装置の像に重畳して表示させる。
なお、録画ボタンg542a、選択ボタンg542b、操作パネルg544a、および操作パネルg546aは、車両g100内に設置された端末装置g547により実現されてもよい。例えば、端末装置g547は、環境提供部g170から受信した情報に基づいて、車両g100内に再現される機器の操作ボタン等に対応するボタンを表示させ、受け付けた操作内容を環境提供部g170に送信する。これにより、利用者は、手元にある端末装置g547を操作すればよく、操作性がよくなる。
なお、車両g100は、自宅等の現実の部屋と同様、実際の部屋の一部として利用されてもよい。図157は、車両g100と部屋g600とが結合して合体部屋領域g700が出現した様子を上方から見た図である。図158は、車両g100と部屋g600とが分離した様子を上方から見た図である。
部屋g600には、例えば、シャッター装置g601、ベッドg602、冷蔵庫g603、浴室g604などが設置される。シャッター装置g601は、部屋g600に設置された外部機器g230の一つである。車両g100は、例えば、バックドアg181を備え、ソファーg182、テーブルg183、テレビg184などが持ち込まれる。テーブルg183の上面には、取得部g173のタッチパネルが搭載されていてもよく、取得部g173と通信するパーソナルコンピューターやタブレット端末等が載置されていてもよい。
車両g100において、GNSS受信機g134が測位する自機の位置に基づいて、予め位置情報が登録されている部屋g600への接近が検知されると、環境提供部g170は、通信装置g120を用いて、シャッター装置g601を開けることを指示する信号(以下、シャッター開信号と記す)を部屋設備g200に送信する。ゲートウェイ装置g240は、シャッター装置g601に制御信号を送信し、シャッターを開ける。シャッターが完全に開いた場合、ゲートウェイ装置g240は、シャッターが開いたことを示す情報を、通信装置g210を用いて、車両100に送信する。車両g100において、シャッターが開いたことを示す情報を受信した場合、自動運転制御ユニットg150は、予め決められた駐車位置に車両g100を移動させ、停車させる。予め決められた駐車位置に車両g100が駐車された場合、図157に示す通り、車両g100と部屋g600により構成される合体部屋領域g700が出現する。これにより、利用者は、車両g100を、部屋g600の一部として利用することもできる。また、利用者は、車両g100で外出する際、合体部屋領域g700の一部を引き継いだまま移動することができる。
なお、これに限られず、リモコンあるいはタッチパネルとしての取得部g173が利用者により操作されることによって、シャッター開信号をシャッター装置g601に送信してもよい。
また、環境提供部g170が、部屋g600における設定を車両g100内に反映させてもよく、ゲートウェイ装置g240が、車両g100における設定を部屋g600に反映させてもよい。例えば、環境提供部g170は、部屋g600に設置された空調装置の温度や運転モード等の設定と同じ内容を、車両100の空調装置に設定してもよく、部屋g600に設置されたテレビで再生されているプログラムや映像コンテンツを車両100の出力部171から出力してもよく、部屋g600に設置されたオーディオ機器で再生されている音楽コンテンツを出力部g171から出力してもよい。また、逆に、ゲートウェイ装置g240は、車両g100において設定されている空調温度、再生している映像コンテンツあるいは音楽コンテンツ等に基づいて、空調装置やテレビ、オーディオ機器等を制御してもよい。これにより、合体部屋領域g700において、シームレスな環境を提供することができる。
また、環境提供部g170は、車両g100が部屋g600に到着したときに部屋g600の設定温度が車両g100内と同じ温度となるように、車両g100が部屋g600に到着する予定時刻よりも所定時間前から、部屋g600に設置された空調設備を制御してもよい。また、環境提供部g170は、合体部屋領域g700において、映像コンテンツや音楽コンテンツが連続するように、車両g100で再生されるコンテンツと部屋g600で再生されるコンテンツを同期させてもよい。
以上説明した実施形態によれば、車両g100の自動運転を実行する自動運転制御ユニットg150と、車両g100の車内において、車両g100の走行時または停止時に、疑似的な部屋環境を提供する環境提供部g170と、を備えることにより、利用者のニーズに応じた部屋環境を提供することができる。
また、利用者は、車両g100に乗車しながら、使用可能な部屋に設置されている外部機器g230を遠隔操作することができるため、自宅や職場でやるべきことを車両g100に乗車しながらできるため、時間を有効活用することができる。
例えば、環境提供部g170は、プロジェクタで投影する画像の位置や、ディスプレイに表示される画像の位置を、利用者の動きや車両g100の振動に応じて調整してもよい。
例えば、環境提供部g170は、車両g100の振動を検出するセンサを備え、センサの検出結果に基づいて、車両g100の振動の方向や大きさ等を示す情報(以下、振動情報と記す)を取得する。環境提供部g170は、取得した振動情報に基づいて、プロジェクタで投影する画像の位置や、ディスプレイに表示される画像の位置を調整してもよい。例えば、環境提供部g170は、車両g100の振動方向と反対方向に、車両g100の振動の大きさだけ、再現データによる画像の位置を移動させてもよい。これにより、再現される画像において、車両の振動を相殺し、車酔いの防止に貢献することができる。
また、環境提供部g170は、取得部g173が備えるカメラやセンサからの検出結果に基づいて、利用者の動きを検出してもよい。車両g100内に再現された外部機器の操作ボタンの押し間違いをする動作を閾値以上の回数、検出した場合、環境提供部g170は、振動情報と利用者の動きとに基づいて、振動分を差し引いた位置に、外部機器の操作ボタンを再現してもよい。これにより、押し間違いをしている場所に操作ボタンを表示することができる。
また、環境提供部g170は、車両g100内に再現される一部について、上述のような画像の位置調整をしてもよい。例えば、環境提供部g170は、取得部g173が備えるカメラやセンサからの検出結果に基づいて、視線認識技術を利用して利用者の視野域を検出し、検出した視野域を中心とした周辺を含む一定範囲内の表示について、上述したような画像の位置調整を行ってもよい。また、環境提供部g170は、車両g100に再現された外部機器g230の映像において、上述の画像の位置調整を行ってもよい。
また、再現される擬似的な部屋環境は、現実の部屋の内装に限られず、例えば、海や山が目の前に広がる屋外の景色が壁に表現されている部屋環境や、漫画や小説等の物語の世界観を部屋デザインや部屋インテリアに表現した部屋環境等であってもよい。また、再現される擬似的な部屋環境には、自宅のリビングにいる子供やペットや、塾の教室にいる塾の先生等の人間や動物が含まれていてもよい。
また、環境提供部g170が、指定された現実の部屋の一部における変化を車両100内に反映させてもよく、ゲートウェイ装置g240が、車両g100内に再現された部屋における変化を指定された現実の部屋に反映させてもよい。例えば、現実の部屋に置かれたホワイトボードが車両g100内にも再現されている場合、現実の部屋のホワイトボードに書かれた情報を電子的手法により読み取って車両g100のホワイトボードに表示させ、その逆に、車両g100のホワイトボードに書かれた情報を電子的手法により読み取って現実の部屋のホワイトボードに表示させてもよい。また、環境提供部g170は、現実の部屋に置かれた外部機器g230と、車両g100に再現された外部機器g230の映像において、両外部機器のディスプレイに表示されている画像をミラー表示してもよい。
また、環境提供部g170やサーバ制御部g330が、車両g100の内装に応じて、指定された現実の部屋のレイアウトを変更した再現データを作成してもよく、二以上の現実の部屋の一部を合成した再現データを作成してもよい。これにより、現実の部屋の形や広さが、車両g100の形や広さと異なる場合であっても、似ている雰囲気や必要な外部機器を再現することができる。
また、環境提供部g170は、車両g100内での利用者の行動に応じて、部屋の種類を選択し、選択した部屋の種類に基づいて部屋リクエストを作成してもよい。例えば、車両g100の出力部g171が映画を再生し、利用者が映画鑑賞をする場合、環境提供部g170が、出力部g171により出力されるコンテンツの内容に応じて、部屋の種類に映画館を選択してもよい。また、車両g100の出力部g171が音楽を再生し、利用者が音楽鑑賞をする場合、環境提供部g170は、出力部g171により出力されるコンテンツの内容に応じて、部屋の種類にオペラ座を選択してもよい。
また、環境提供部g170は、車両g100内に乗車している利用者や、利用者の組み合わせに応じて、部屋の種類を選択してもよい。例えば、環境提供部g170は、過去の利用者の指定履歴に基づいて、選択頻度が最も高い部屋の種類を指定してもよく、利用者が子供と親の組み合わせである場合、子供を優先して、子供向けの部屋を指定してもよく、利用者の組み合わせが会社のメンバーである場合、会議室を指定してもよい。
また、環境提供部g170は、車両g100の目的地に応じた部屋を指定してもよい。例えば、目的地が海である場合、海の景色が部屋のデザインとなっている部屋を指定してもよく、目的地がテーマパークである場合、テーマパークのキャラクターが部屋のデザインとなっている部屋を指定してもよい。
操作インタフェースは、API等の形式により実現されるものであってもよい。
<第9の実施形態>
次に、第9の実施形態について説明する。第9の実施形態では、第1の実施形態の車両が適用可能な車両システム、自動運転車両、車両制御方法、およびプログラムを説明するものである。車両システムは、所望の利用者に車両を利用させることを支援するためのシステムである。この車両は、例えば、基本的には運転操作を必要としない自動運転車両である。以下、自動運転車両が用いられるものとして説明するが、手動運転車両が用いられても構わない。
[全体構成]
図159は、第9の実施形態実施形態の車両システムh1の構成図である。車両システムh1は、一以上の利用者Uにより使用される一以上の端末装置h100と、一以上の車両h200と、車両管理装置h300とを備える。これらの構成要素は、ネットワークNWを介して互いに通信可能である。ネットワークNWは、インターネット、WAN、LAN、公衆回線、プロバイダ装置、専用回線、無線基地局等を含む。なお、「利用者Uにより使用される」とは、ネットカフェの端末装置等、不特定多数によって使用され得る端末装置が、利用者Uにより一時的に使用されることを含んでよい。また、車両管理装置h300は、「サーバ装置」の一例である。
[端末装置]
端末装置h100は、例えば、スマートフォンやタブレット端末、パーソナルコンピュータ等である。端末装置h100では、車両システム1を利用するためのアプリケーションプログラム、或いはブラウザ等が起動し、以下に説明する車両利用サービス等をサポートする。以下の説明では端末装置h100がスマートフォンであり、アプリケーションプログラム(車両制御アプリ)が起動していることを前提とする。車両制御アプリは、利用者Uの操作に応じて車両管理装置h300と通信し、利用者Uのリクエストを車両管理装置h300に送信したり、車両管理装置h300から受信した情報に基づくプッシュ通知を行ったりする。
[車両]
車両h200は、例えば、複数の利用者Uが利用可能な四輪以上の車輪を有する車両であるが、自動二輪車その他の車両であっても構わない。図160は、第9の実施形態の車両h200の構成図である。車両h200は、例えば、外界監視ユニットh210と、通信装置h220と、ナビゲーション装置h230と、推奨車線決定装置h240と、自動運転制御ユニットh250と、駆動力出力装置h260と、ブレーキ装置h262と、ステアリング装置h264と、乗降者管理装置h270とを備える。また、乗降者管理装置h270は、例えば、判別部h272と、利用許可部h273と、乗車制御部h274とを備える。自動運転制御ユニットh250および乗降者管理装置h270は、例えば、車両h200内の記憶部(不図示)に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行するCPU等のプロセッサを有する。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリ等の記憶部に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置(不図示)に装着されることで記憶部にインストールされてもよい。外界監視ユニットh210の一部および後述する車室内カメラh280は、「撮像部」の一例である。また、通信装置h220は、「車載通信部」の一例である。また、自動運転制御ユニットh250と、乗降者管理装置h270と、後述するイベント判定装置h282と、情報出力装置h284とを合わせたものが「提供部」の一例である。
外界監視ユニットh210、通信装置h220、ナビゲーション装置h230、推奨車線決定装置h240、自動運転制御ユニットh250、駆動力出力装置h260、ブレーキ装置h262、およびステアリング装置h264のそれぞれは、例えば、上述した第2の実施形態において紹介した図26の外界監視ユニットa210、通信装置a220、ナビゲーション装置a230、推奨車線決定装置a240、自動運転制御ユニットa250、駆動力出力装置a260、ブレーキ装置a262、およびステアリング装置a264と同様の構成を備えるため、ここでの詳細な説明を省略する。また、第9の実施形態における自動運転の処理過程については、第1の実施形態において紹介した図3並びに関連する説明を援用し、詳細な説明を省略する。
また、第9の実施形態の場合、ナビ制御装置h236で設定される経路は、車両管理装置h300によって指定される場合もある。この場合の経路には、運行領域内を予め決められた経路で巡回して走行する規定経路、または車両h200に乗車する利用者が所持する端末装置h100までの経路と乗車した利用者が設定した目的地までの経路とを含むオンデマンド経路のうち、一方または双方が含まれる。運行領域内とは、市区町村ごとの範囲や、市区町村内における特定の地域、或いは、複数の市区町村にまたがる地域であってもよい。巡回には、例えば、同一経路を周回する場合や時間帯で異なる経路を周回する場合が含まれる。また、巡回には、例えば、A市とB市とを行ったり来たりするような場合も含まれる。以下では、規定経路の一例として、定期的に決められた経路を巡回して走行する定期経路を用いて説明する。オンデマンド経路とは、端末装置h100からの乗車リクエストがあった場合に車両管理装置h300で生成される経路である。また、それぞれの経路には、利用者を乗車または降車させるために停止する地点および到達目標時刻の情報が付随されていてもよい。また、それぞれの経路には、目的地点または経路を、ある時間範囲で通過したり、ある地点をある時間範囲に発着する等の情報が付随されていてもよい。ナビ制御装置h236は、上記何れかの方法で決定した経路の情報を推奨車線決定装置h240に出力する。
また、自動運転制御ユニットh250は、CPUやMPU(Micro Processing Unit)等の一以上のプロセッサと各種記憶装置を備える。自動運転制御ユニットh250は、推奨車線決定装置h240により決定された推奨車線を走行することを原則として、外界監視ユニットh210から位置や速度が入力された物体との接触を避けるように、車両h200を自動的に走行させる。自動運転制御ユニットh250は、例えば、各種制御を順次実行する。制御には、一定速度で同じ走行車線を走行する定速走行制御、前走車両に追従する追従走行制御、車線変更制御、合流制御、分岐制御、緊急停止制御、料金所を通過するための料金所制御、自動運転を終了して手動運転に切り替えるためのハンドオーバ制御等がある。また、これらの制御の実行中に、車両h200の周辺状況(周辺車両や歩行者の存在、道路工事による車線狭窄等)に基づいて、回避のための行動が計画される場合もある。
また、自動運転制御ユニットh250は、乗降者管理装置h270による制御により、上述した自動運転に関する各種制御を行ってもよい。
乗降者管理装置h270は、車両h200の利用者の乗車および降車を管理する。また、乗降者管理装置h270は、乗員の人数や車両h200の定員数を管理する。判別部h272は、車両h200に対する利用者を判別する。利用許可部273は、判別部h272により車両h200を利用可能な利用者であると判別された利用者を車両h200に乗車させるための制御を行う。具体的には、利用許可部h273は、判別部h272により車両h200を利用可能な利用者であると判別された利用者に対し車両h200の少なくとも一部を占有利用させる。少なくとも一部を占有利用させるとは、例えば、車室内にある複数の座席のうち少なくとも一つの座席を占有して利用させることである。また、乗車制御部h274は、利用許可部h273により車両h200の少なくとも一部の占有利用が許可された利用者を乗車または降車させるための制御を行う。判別部h272、利用許可部h273、および乗車制御部h274の機能の詳細については、後述する。
[車両管理装置h300]
図159に戻り、車両管理装置h300は、例えば、通信部h310と、利用者登録部h320と、取得部h330と、領域指示部h332と、経路指示部h340と、記憶部h350とを備える。
利用者登録部h320、取得部h330、領域指示部h332、および経路指示部h340は、例えば、CPU等のプロセッサが記憶部h350に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリ等の記憶部h350に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置(不図示)に装着されることで記憶部h350にインストールされてもよい。
通信部h310は、例えば、ネットワークNWに接続するためのネットワークカードである。通信部h310は、ネットワークNWを介して端末装置h100や車両h200と通信する。
利用者登録部h320は、車両システム1による車両利用サービスを利用する利用者の登録を行う。利用者登録部h320は、例えば、端末装置h100により入力された車両h200を利用する曜日、時間帯、および利用区間に関する情報を登録する。利用者登録部h320により登録された各種情報は、利用者情報h351として記憶部h350に記憶される。
図161は、利用者情報h351の内容の一例を示す図である。利用者情報h351には、利用者の識別情報である利用者IDに、利用者の認証に用いられる認証情報であるパスワードと、車両h200の利用時間、および利用区間とが対応付けられている。利用時間とは、例えば、曜日および時間帯である。利用区間とは、例えば、乗車地点から目的地までの区間である。乗車地点および目的地は、例えば、それぞれ地図座標で表されている。また、利用者情報h351には、利用者に異常が生じた場合の連絡先(通知先)の情報が含まれてもよい。
また、利用者登録部h320は、利用者情報h351の登録完了後に、登録完了を示す情報を端末装置h100に送信する。登録完了を示す情報には、例えば、利用者IDやパスワードに関する情報が含まれる。また、登録完了を示す情報には、車両h200への乗車を許可するバーコードやQRコード(登録商標)等のコードが含まれてもよい。コードには、例えば、利用者IDや、利用者の目的地等の情報がエンコードされている。また、利用者登録部h320は、利用者情報h351を車両h200に送信してもよい。
取得部h330は、車両h200への乗車を希望する利用者が所持する端末装置100からの乗車リクエストを取得する。
領域指示部h332は、車両h200の運行領域を規定する。また、領域指示部332は、運行領域内において、時間帯に応じて異なる経路を車両h200に指示する。領域指示部h332の機能の詳細については、後述する。
経路指示部h340は、例えば、定期経路生成部h342と、オンデマンド経路生成部h344と、車両割当部h346とを備える。定期経路生成部h342は、利用者情報h351および地図情報h352に基づいて、車両h200が巡回走行する定期経路を生成する。オンデマンド経路生成部h344は、取得部h330により得られる乗車リクエストに基づいて、乗車する利用者の位置までの経路と利用者を乗車させてから目的地までの経路とを含むオンデマンド経路を生成する。車両割当部h346は、運行領域内を巡回走行するための複数の車両h200を割り当てる。定期経路生成部h342、オンデマンド経路生成部h344、および車両割当部h346の機能の詳細については、後述する。
記憶部h350は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROM等により実現される。記憶部h350には、例えば、利用者情報h351、地図情報h352、経路情報h353、およびその他の情報が格納される。
地図情報h352には、例えば、道路情報、交通規制情報、住所情報(住所・郵便番号)、施設情報、電話番号情報等が含まれる。道路情報には、高速道路、有料道路、国道、都道府県道といった道路の種別を表す情報や、道路の車線数、非常駐車帯の領域、各車線の幅員、道路の勾配、道路の位置(経度、緯度、高さを含む3次元座標)、車線のカーブの曲率、車線の合流および分岐ポイントの位置、道路に設けられた標識等の情報が含まれる。地図情報h352は、通信装置h220を用いて他装置にアクセスすることにより、随時、アップデートされてよい。
経路情報h353は、車両h200ごとに割り当てられる経路に関する情報である、経路情報h353には、定期経路またはオンデマンド経路のうち一方または双方が含まれる。経路情報h353の詳細については、後述する。
[車両システム1による車両利用サービス]
次に、第9の実施形態の車両システムh1による車両利用サービスの一例について説明する。まず、利用者は、端末装置h100を用いて車両管理装置h300にアクセスし、利用者登録部h320によって、車両システム1による車両利用サービスを受けるための利用者登録を行う。
領域指示部h332は、予め登録された利用者情報h351に基づいて、どの利用者がどの時間帯に、どの地域で乗車を希望しているかを把握し、把握した情報に基づいて、乗車地点を含む地域を運行領域として規定する。定期経路生成部h342は、領域指示部h332により規定された運行領域に対し、巡回走行する車両h200の台数と、車両h200ごとの経路を生成する。この場合、定期経路生成部h342は、運行領域を巡回走行する車両h200が、運行領域内において、時間帯に応じて異なる経路を走行するような経路を生成する。また、定期経路生成部h342は、運行領域を複数の車両で巡回走行する場合に、それぞれの車両h200が異なる経路で巡回走行する経路を生成してもよい。
定期経路生成部h342は、生成した定期経路を車両h200に送信する。車両h200は、定期経路生成部h342により生成された定期経路に基づいて走行を行う。このように、利用者情報h351から得られる利用者の時間帯に合わせて、車両h200の台数や経路を決定するため、渋滞の抑制と車両稼働率の向上を両立させることができる。また、車両h200を時間帯ごと、または車両h200ごとに異なる経路を走行させることで、運行領域内のより多くの道路を巡回走行することができる。したがって、利用者は、車両h200を容易に発見することができる。また、定期経路を車両h200に巡回走行させることで、利用者が車両h200に乗車する直前に乗車リクエストを送信しなくても、車両200を速やかに見つけて利用することができるため、利用者にとっての利便性を向上させることができる。
また、利用者は、車両h200に乗車したい場合に、端末装置h100から乗車リクエストを送信してもよい。図162は、端末装置h100の表示部に表示される乗車リクエスト画面h400の一例を示す図である。乗車リクエスト画面h400は、利用者情報入力領域h402と、利用時間帯を入力する利用時間帯入力領域h404と、利用区間(乗車位置および目的地)の情報を入力する乗降位置入力領域h406と、設定した内容の決定もしくはキャンセルを行う確定操作領域h408とが示されている。
利用者は、乗車リクエスト画面h400から、予め登録したユーザ情報を入力するとともに、利用する利用時間および利用区間に関する情報を入力して、確定操作領域h408の決定ボタンを選択する。端末装置h100は、ネットワークNWを介して車両管理装置h300に乗車リクエストを送信する。
オンデマンド経路生成部h344は、通信部h310を介して端末装置h100から乗車リクエストを受信した場合に、現時点で端末装置h100の近くを走行している車両であって、且つ、利用者が利用可能な車両h200を検索し、検索結果で得られた車両h200に対するオンデマンド経路を生成する。端末装置h100の近くの位置とは、例えば、端末装置h100を基準とした所定範囲内の位置であってもよく、他の車両と比較して相対的に端末装置h100に近い位置であってもよく、その両方でもよい。また、利用可能とは、例えば、車両h200の乗員数が予め定められた定員数未満であることである。
経路指示部h340は、定期経路生成部h342により生成された定期経路と、オンデマンド経路生成部h344により乗車リクエストに基づいて生成されたオンデマンド経路とのうち一方または双方に基づいて、車両h200に経路を指示する。例えば、経路指示部h340は、定期経路生成部h342により生成される定期経路の優先度と、オンデマンド経路生成部h344により生成されるオンデマンド経路の優先度とを比較し、優先度の高い経路を車両h200に指示する。それぞれの経路の優先度は、予め車両管理装置h300側で設定されていてもよく、端末装置h100からの指示により設定されてもよい。また、それぞれの経路の優先度は、定期経路またはオンデマンド経路を走行する車両h200の利用状況に基づいて設定されてもよい。
また、オンデマンド経路生成部h344は、定期経路に対応した車両h200の利用状況に基づいて、オンデマンド経路の走行期間を割り当ててもよい。例えば、オンデマンド経路生成部h344は、車両h200の定期経路での利用状況に空きがあるか否かを判定する。空きがあるとは、例えば、所定時間以上、利用者による利用予定がないことである。所定時間とは、例えば、予定された定期経路の運行に影響がでないと予測される時間に所定のマージンを含めた時間である。オンデマンド経路生成部h344は、生成したオンデマンド経路を、車両h200に送信する。車両h200は、利用状況の空き時間にオンデマンド経路に基づいて走行を行う。
車両割当部h346は、例えば、定期経路とオンデマンド経路とを生成した場合に、予め定められた複数の車両h200のうち少なくとも一定数の車両h200に、定期経路を走行するように台数を調整して、経路を指示してもよい。これにより、定期経路の巡回走行を維持しながら、オンデマンド経路を走行することができる。したがって、利用者のニーズに即した車両利用サービスを提供することができる。
また、車両割当部h346は、乗車リクエストが、特定の箇所に集中し、特定の経路に車両が集中する場合には、オンデマンド経路を乗車リクエストの利用時間よりも前後に時間をシフトさせたり、経路を分散させたりしてもよい。これにより、配車のスケジュールを最適化することができ、運行領域内における交通の流れを効率化することができる。
また、車両割当部h346は、運用領域内での需要に対し、余力のある車両数の割り当てを試み、割り当てが不可能である場合に、他領域または第三者の車両利用サービスに対して配車リクエストを出力してもよい。そして、車両割当部346は、配車リクエストの受諾により配車された車両を、その運行領域内の車両として設定し、設定された車両に対して経路指示を行う。
また、経路指示部h340は、乗車リクエスト結果を端末装置h100に送信する。端末装置h100は、車両管理装置h300から受信した乗車リクエスト結果を表示する。
図163は、端末装置h100に表示される乗車リクエスト結果画面h410の一例を示す図である。乗車リクエスト結果画面h410には、乗車リクエスト結果として、利用可能な状況である車両が存在したか否かを示す情報と、利用可能な車両h200の識別情報(車両ID)と、車両h200が乗車地点への到着予定時間とが示される。利用者は、乗車リクエスト結果画面h410を参照することで、リクエストによる乗車の可否を容易に把握することができる。
また、経路指示部h340は、生成した経路を経路情報h353として、記憶部h350に記憶する。図164は、経路情報h353の内容の一例を示す図である。経路情報h353は、車両IDに、時間帯と、巡回走行する地域情報である地域IDと、定期経路の識別情報である定期経路IDと、オンデマンド経路の識別情報であるオンデマンド経路IDとが対応付けられている。定期経路IDおよびオンデマンド経路IDには、それぞれIDに対応付けられた経路が設定されている。車両管理装置h300は、経路情報h353を管理することで、車両h200の各地域への車両h200の配車を一元管理することができる。
図165は、車両h200が運行領域を巡回走行する様子を説明するための図である。図165の例では、地図h500上に二つの領域h510、h512が割り当てられているものとする。また、領域h510には四台の車両M−1〜M−4が定期経路を走行し、領域h512には二台の車両M−5、M−6が定期経路を走行しているものとする。
ここで、車両M−1が、定期走行中に、外界監視ユニットh210により乗車を希望する利用者Uを検知する。例えば、乗降者管理装置h270は、ディープラーニング等の機械学習を用いて、外界監視ユニットh210のカメラにより撮像された画像から乗車を希望する利用者Uの特徴を学習し、撮像された画像から乗車を希望する利用者Uを検知する。機械学習は、例えば、CNN(Convolutional Neural Network)やAdaBoost(Adaptive Boosting)等のアルゴリズムを用いる。
また、乗降者管理装置h270は、外界監視ユニットh210のカメラにより撮像された画像の各画素に対する輝度情報または色情報(R,G,B)を用いて、人物の形状を推定し、推定した人物が手を挙げている形状を示している場合に、利用者Uが乗車を希望していると判定してもよい。
乗降者管理装置h270は、乗車を希望する利用者Uが立っている地点で停車するように自動運転制御ユニットh250を制御する。次に、判別部h272は、利用者ユーザUが車両M−1に乗車することができるか否かを判定する。
例えば、判別部h272は、乗車時に車外から音声による利用者IDおよびパスワードの発話を受け付けて認証を行ってもよく、車両表面や車内に設けられた端末に利用者IDおよびパスワードを入力させることで、認証を行ってもよい。判別部h272は、入力された利用者IDおよびパスワードに基づいて、車両管理装置h300から受信した利用者情報351を参照し、利用者情報h351に含まれる利用者IDおよびパスワードと合致している場合に、利用可能な利用者であると判定し、合致しない場合に乗車不可能な利用者であると判定する。
また、判別部h272は、端末装置h100の表示部に表示された画像に描画されたバーコードやQRコード等のコードを車両h200が備えるコードリーダ(不図示)で読み取り、読み取ったコードが乗車を許可するコードである場合に、利用者Uの乗車が可能であると判定してもよい。この場合、判別部h272は、コードリーダに翳されたコードにエンコードされた情報を読み取り、読み取った情報をデコードし、電子情報を取得する。そして、判別部h272は、コードリーダにより読み取られた情報と、予め車両管理装置h300から受信した情報とが合致する場合、利用者Uの乗車が可能であると判定し、情報が合致しない場合、利用者Uの乗車が不可能であると判定する。なお、判別部h272は、取得した情報を車両管理装置h300に送信し、利用者Uの乗車の可否判定結果を車両管理装置h300から取得してもよい。
また、判別部h272は、端末装置h100と、DSRCやFelica(登録商標)等の無線通信により、端末装置h100から利用者IDおよびパスワードを読み取り、利用者情報h351を参照して、利用者情報h351に含まれる利用者IDおよびパスワードと合致している場合に、利用可能な利用者であると判定し、合致しない場合に乗車不可能な利用者であると判定してもよい。なお、判別部h272は、無線通信により端末装置h100から取得した利用者IDおよびパスワードを車両管理装置h300に送信し、車両管理装置h300において顔画像の照合が行われた結果である利用者Uの乗車の可否判定結果を車両管理装置h300から取得してもよい。
利用者Uが利用可能な利用者であると判定された場合、乗車制御部h274は、利用者Uを乗車させるとともに、利用者情報h351に含まれる目的地に向かって走行させ、目的地で停車して利用者Uを降車させるように、自動運転制御ユニットh250を制御する。
また、乗車制御部h274は、降車する利用者Uに対して、走行距離や走行時間に応じた精算処理を行う。精算処理は、車両h200が備える精算機(不図示)により行われてもよく、クレジット決済等により行われてもよい。
また、乗車制御部h274は、利用者Uを降車させた後、車両h200を定期経路に戻して走行を継続する。また、乗車制御部h274は、例えば、複数の車両h200が団体の利用者を同一地点で降車させた場合には、この地点から分散した経路、またはそれぞれが異なる定期経路に向かって移動して走行を継続してもよい。
また、利用者Uが乗車不可能な利用者であると判定された場合、判別部h272は、乗車不可能である旨を示す情報を利用者Uに出力し、定期経路の走行を継続する。これにより、利用者情報h351で管理されている利用者のみを乗車させるため、他人と相乗りした場合でも安心して乗車することができるため、利用者に利用しやすい環境を提供することができる。
また、判別部h272は、乗車不可能と判定された利用者Uに対して、別の認証方式で認証を行わせるか、利用者登録を行わせるための情報を出力してもよい。そして、別の認証方式で利用可能な利用者であると判定された場合、または利用者登録が完了した場合、乗車制御部h274は、その利用者Uを乗車させるとともに目的地まで車両h200を走行するように、自動運転制御ユニットh250を制御する。
また、判別部h272は、利用者Uが乗車不可能な利用者であると判定された場合に、乗車不可能である旨を示す情報を利用者Uに出力するのに代えて、割増料金で乗車するか否かの情報を出力してもよい。そして、利用者Uから割増料金で乗車する旨の情報を受け付けた場合、乗車制御部h274は、その利用者Uを乗車させるとともに目的地まで車両h200を走行するように、自動運転制御ユニットh250を制御する。また、割増料金で乗車するか否かの情報を出力する場合、判別部h272は、他の利用者が乗車していないことを条件に加えてもよい。これにより、利用者情報h351に登録されていない利用者であっても車両h200に乗車することができる。また、誰も乗車していない車両h200を有効活用することができる。
[処理フロー]
図166は、車両管理装置h300により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、経路指示部h340は、利用者情報h351に基づいて地域(例えば、運行領域)ごとの車両数を決定する(ステップS100h)。次に、定期経路生成部h342は、地図情報h352に基づいて各車両の定期経路を決定する(ステップS102h)。次に、定期経路生成部h342は、生成した定期経路を車両h200に送信する(ステップS104h)。
次に、経路指示部h340は、端末装置h100から乗車リクエストを受け付けたか否かを判定する(ステップS106h)。乗車リクエストを受け付けたと判定した場合、オンデマンド経路生成部h344は、受け付けた乗車リクエストに対するオンデマンド経路を生成し(ステップS108h)、オンデマンド経路を走行する車両h200に生成した経路情報を送信する(ステップS110h)。これにより、本フローチャートの処理が終了する。このように、車両管理装置h300は、運行領域内の車両h200を特定し、特定された車両200に対して経路を指示するとともに、利用可能な利用者を判別させて、利用可能な利用者に対する車両h200の少なくとも一部の占有利用を開始させる。また、車両管理装置h300は、図166に示すフローチャートを所定のタイミングで繰り返し実行することで、車両h200の少なくとも一部の占有利用状態を継続的に監視し、該占有利用状態に基づき運行領域内の自動運転車両数を制御する。
図167は、車両h200により実行される処理の流れの一例を示すフローチャートである。まず、乗降者管理装置h270は、車両管理装置h300により経路情報を取得すると(ステップS200h)、経路情報に基づいて走行するように、自動運転制御ユニットh250を制御する(ステップS202h)。経路情報とは、定期経路でもよくオンデマンド経路でもよい。
次に、外界監視ユニットh210が利用者を検知したか否かを判定する(ステップS204h)。利用者を検知したと判定した場合、判別部h272は、認証処理を行い(ステップS206h)、利用可能な利用者であるか否かを判定する(ステップS208h)。利用可能な利用者であると判定した場合、乗車制御部h274は、利用者の乗車制御を行い、車両h200が利用者を乗車させてから目的地まで走行するように、自動運転制御ユニットh250を制御する(ステップS210h)。次に、乗車制御部h274は、利用者を目的地で降車させた後、経路情報に基づいて車両h200が走行するように自動運転制御ユニットh250を制御する(ステップS212h)。
また、利用者が利用可能な利用者でないと判定した場合、判別部h272は、乗車ができない旨の情報を出力し(ステップS214h)、経路情報に基づいて車両h200が走行するように自動運転制御ユニットh250を制御する(ステップS216h)。これにより、本フローチャートの処理が終了する。なお、ステップS202hおよびS204hの処理において、利用者が検知されないまま経路情報の経路を走行し終えた場合には、本フローチャートの処理が終了する。また、ステップS212hおよびステップS216hの処理が終了後、ステップS204hの処理に戻るような処理を行ってもよい。
以上説明したように、第9の実施形態の車両システムh1によれば、地域に密着した車両の利用態様を提供することができる。例えば、第9の実施形態の車両システムh1によれば、予め登録された利用者情報h351に基づいて、運行領域を巡回走行する車両数や走行経路が決定されるため、利用者が直前に乗車リクエストを行わなくても、容易に利用可能な車両h200を見つけて乗車することができる。これにより、利用者にとっての利便性を向上することができる。例えば、第9の実施形態の車両システムh1は、例えば、朝夕は通学、昼は高齢者の買い物や通院、夜は習い事等の送迎サービスにも利用することができる。
[第9の実施形態の第1変形例] 次に、第9の実施形態の第1変形例について説明する。第9の実施形態の第1変形例では、車両h200が運行領域を巡回走行する定期経路に、車両h200が停車する停留所を設けるとともに、停留所に通信装置を設置し、設置した通信装置からの乗車リクエストを受け付けてオンデマンド経路を生成する。
図168は、第9の実施形態の第1変形例の車両システムh2の構成図である。車両システムh2では、停留所通信装置h600を備え、車両管理装置h300Aに取得部h330Aを備える。その他の構成要素の機能は、第9の実施形態と同様である。したがって、以下では、車両システムh2において、主に第9の実施形態の車両システムh1と相違する部分を中心に説明する。
停留所通信装置h600は、運行領域の予め定められた地点に設置される。図169は、停留所通信装置h600の構成図である。停留所通信装置h600は、例えば、通信部h602と、受付部h604と、表示制御部h606と、表示部h608とを備える。
通信部h602は、ネットワークNWを介して、車両管理装置h300Aと通信する。通信部h602は、例えば、無線通信モジュール等の通信インターフェースである。例えば、通信部h602は、受付部h604により受け付けられた乗車リクエストを車両管理装置h300Aに送信する。また、通信部h602は、車両管理装置h300Aにより送信された乗車リクエストの結果を受信する。乗車リクエストの結果には、利用可能な状況である車両が存在したか否かを示す情報と、車両IDと、到着予定時間とが含まれる。
受付部h604は、利用者からの乗車リクエストの入力を受け付ける。表示制御部h606は、乗車リクエストの受け付け画面を表示するように表示部h608を制御する。また、表示制御部606は、車両管理装置300Aにより送信された乗車リクエストの結果を表示するように表示部608を制御する。
表示部h608は、LCDや有機EL表示装置等である。表示部h608は、例えば、乗車リクエストの受け付け画面および乗車リクエストの結果画面を表示する。また、表示部h608と受付部h604は、一体に構成されたタッチパネル式表示装置であってもよい。
図170は、利用者Uが停留所通信装置h600から乗車リクエストを行う様子を説明する図である。図170の例では、領域h510に三つの停留所通信装置h600a〜h600cが設置され、領域h512に一つの停留所通信装置h600dが設置されているものとする。利用者Uは、停留所通信装置h600bの表示部h608に表示された乗車リクエスト画面から乗車リクエストを行う。乗車リクエスト画面は、図162に示す乗車リクエスト画面と同様の画面であるが、利用区間の乗車地点には、停留所通信装置h600bの位置が予め設定されている。
通信部h602は、乗車リクエストの入力が行われると、車両管理装置h300Aに乗車リクエストを送信する。取得部h330Aは、停留所通信装置h600から送信されたリクエスト情報を取得する。経路指示部h340のオンデマンド経路生成部h344は、領域h510を定期走行している車両M−1〜M−4のうち、現時点で停留所通信装置h600bの最も近くを走行している車両であって、且つ、利用者が利用可能な車両を決定する。
図170の例において、車両M−4が上記の条件に該当する車両であったとする。オンデマンド経路生成部h344は、生成したオンデマンド経路に関する情報を車両M−4に送信するとともに、停留所通信装置h600bに乗車リクエスト結果を送信する。表示制御部h606は、図163に示すような乗車リクエスト結果画面h410を表示するように表示部h608を制御する。
以上説明したように、第9の実施形態の第1変形例によれば、第9の実施形態と同様の効果を奏する他、利用者が端末装置h100を所持していなくても、停留所通信装置h600bから乗車リクエストを行うことができる。これにより、利用者にとっての利便性を更に向上することができる。
[第9の実施形態の第2変形例]
次に、第9の実施形態の第2変形例について説明する。第9の実施形態の第2変形例では、運行領域を定期的に巡回走行する車両h200に乗員がいない場合、または車両h200の少なくとも一部を占有している利用者に時間的な余裕がある場合に、巡回走行する地域の見守りサービスにおける通知サービスを提供する。見守りサービスにおける通知サービスとは、例えば、車両h200が走行中に外界や車内を監視し、病気やケガをしていたり、異常が生じていると推定される人物等を発見した場合に、外部に情報を出力したり、その人物を乗車させて所定の場所まで走行するサービスである。また、見守りサービスは、不審者、迷子等を検知した場合に、外部に情報を出力するサービスでもよい。見守りサービスは、できるだけ運行領域の全域を監視できた方がよいため、複数の車両h200を別経路で巡回させて一定期間ごとに監視する。また、見守りサービスにおいて車両h200が余った場合、車両システムは、その車両h200を車庫等に待機させる。
図171は、第9の実施形態の第2変形例の車両システムh3の構成図である。また、図172は、第9の実施形態の第2変形例の車両h200Bの構成図である。車両システムh3では、車両管理装置h300Bに取得部h330Bと、イベント判定部h360を備える。また、車両システムh3では、記憶部h350に画像データDBh354を備える。また、車両システムh3では、車両h200Bに、車室内カメラh280と、イベント判定装置h282と、情報出力装置h284とを備える。その他の構成要素の機能は、第9の実施形態と同様である。したがって、以下では、車両システムh3において、主に第9の実施形態の車両システムh1と相違する部分を中心に説明する。イベント判定部h360またはイベント判定装置h282は、「イベント判定部」の一例である。
車室内カメラh280は、車両h200の座席に着座した乗員の顔を中心として上半身を撮像する。車室内カメラh280により撮像された画像は、イベント判定装置h282に出力される。
イベント判定装置h282は、車室内カメラh280により撮像された画像または外界監視ユニットh210のカメラにより撮像された画像に基づいて、イベントを判定する。イベントには、例えば、車両h200Bの周辺環境や車内状況に関し、外部に通知が必要な事象が含まれる。例えば、イベントには、車両h200Bの周辺に不審者や迷子が存在する、車内外の人物に異常が生じている、道路の一部が閉鎖されるような重大な事故が発生している、器物の損壊やその他の犯罪事象が発生していること等を示すイベントが含まれる。人物に異常が生じているとは、例えば、人物が病気や怪我等により倒れていたり、うずくまっていたり、ふらふらと歩いていると判定される場合である。
イベント判定装置h282は、外界監視ユニットh210のカメラにより撮像された画像に基づいて、例えば、ディープラーニング等の機械学習を用いて、異常が生じている人物の特徴を学習し、撮像された画像から異常が生じている人物を推定する。また、イベント判定装置h282は、外界監視ユニットh210のカメラにより撮像された画像に基づいて、物体のエッジ部分を抽出し、抽出したエッジ部分で囲まれた領域の形状と、予め設定された人物の形状とを比較し、形状の合致度が所定値以上(例えば、80%以上)である場合に、その物体が人物であると推定してもよい。
また、イベント判定装置h282は、車室内カメラh280または外界監視ユニットh210のカメラにより撮像された画像から読み出した画素情報に基づく次元変換や圧縮等の画像処理を行い、画像処理結果とその画像に対する属性情報とを含む特徴データを生成してもよい。属性情報には、例えば、画像の画角情報、画像を撮像したカメラの識別情報、画像を撮像したときの日時情報、車両200Bの位置情報が含まれる。そして、イベント判定装置h282は、生成した特徴データと、予め決められたイベントに対応付けられた特徴データのパターンとを照合し、類似度が最も高いイベントを、車両h200Bに対するイベントとして判定する。
また、イベント判定装置h282は、通信装置h220を介して、カメラ画像から生成した特徴データを車両管理装置h300Bに送信し、車両管理装置h300Bのイベント判定部h360により判定されたイベント情報を取得してもよい。この場合、車両管理装置h300Bの取得部h330Bは、車両h200Bから送信された特徴データを取得する。イベント判定部h360は、例えば、取得部h330Bにより取得された特徴データと、記憶部h350に記憶された特徴データDBh354とを照合し、類似度が最も高い特徴データに対応付けられたイベント情報を取得し、取得したイベント情報を車両h200Bに送信する。
ここで、特徴データDBh354は、イベント判定部h360により事前に学習されたデータベースである。特徴データDBh354には、特徴データにイベントが対応付けられている。学習時において、まず、取得部h330Bは、複数の車両から送信された特徴データを記憶部h350に少なくとも一時的に記憶させる。そして、イベント判定部h360は、記憶部h350に記憶された特徴データに対して、例えばディープラーニング等の機械学習や統計処理等を用いて詳細なイベント解析処理を行い、特徴データにイベントを対応付けた特徴データDBh354を生成し、記憶部h350に記憶させる。
図173は、イベントを判定する処理について説明するための図である。図173の例では、画像により推定される人物に異常が生じていると判定する様子を示している。例えば、車両h200Bは、定期経路L1を走行している場合に、イベント判定装置h282は、外界監視ユニットh210のカメラにより撮像された画像を解析することで、撮像された画像から異常が生じている人物を推定する。図173の例において、イベント判定装置h282は、物体h700およびh702が人物であると推定する。
また、イベント判定装置h282は、人物の形状の向きや動作により、その人物が異常状態であるか否かを判定する。例えば、イベント判定装置h282は、人物が立っている場合には正常な状態であると判定し、人物が倒れている、うずくまっている、或いはふらふらと歩いている場合には、異常な状態の人物であると判定する。図173の例において、イベント判定装置h282は、物体h700が正常な状態の人物であると判定し、物体h702を異常な状態であると判定する。
イベント判定装置h282により物体h702が異常な状態の人物であると判定された場合、乗降者管理装置h270は、判定されたイベントと、判別部272により判別された利用者情報に基づいて所定の通知サービスを提供する。例えば、乗降者管理装置h270は、そのイベントに対して予め決められた制御として、その人物(物体h702)の位置で停車するように自動運転制御ユニットh250を制御する。また、情報出力装置284は、車外用のスピーカまたは車両表面に設けられた端末により、その人物に乗車を促すメッセージを音声により出力または表示する。また、メッセージを出力してから所定時間が経過した後もその人物の反応がなかった場合に、情報出力装置h284は、例えば、通信装置h220を介して車両管理装置h300Bや予め設定された端末装置h100、管理者端末、病院等の所定の機関の端末、地域の役所職員の端末のうち、少なくとも一つに対して所定の通知を送信する。ここでの所定の通知とは、例えば、病人やケガ人等がいる旨の情報と、その人物がいる位置と、撮像した画像または映像とを含む情報の通知である。
また、乗車制御部h274は、倒れていると判定された人物が、判別部h272により車両h200Bの利用が可能な人物であると判定された場合に、車両h200Bへの乗車を許可する。また、乗車制御部h274は、倒れていると判定された人物が乗車した場合に、その人物を治療可能な近くの病院に搬送するための経路を車両管理装置h300に問い合わせる。乗車制御部h274は、車両管理装置h300から受信した検索結果の経路に基づいて走行するように自動運転制御ユニットh250を制御する。
また、イベント判定装置h282は、車室内カメラh280により撮像された車室内の乗員の状態を判定してもよい。乗員の状態が異常であると判定した場合に、情報出力装置h284は、車内用のスピーカまたは車内に設けられた端末により、その乗員に対して状態を確認するための通知を行う。具体的には、情報出力装置h284は、乗員に対して状態を確認するためのメッセージを音声出力したり、HMIh232に画面表示を行う。メッセージを出力してから所定時間が経過した後も返答がないと判定された場合に、イベント判定装置h282は、乗員に異常が生じていると判定する。乗員に異常が生じていると判定した場合、情報出力装置h284は、例えば、判別部h272による乗員の利用者情報に対応付けられた通知先や端末装置h100、車両管理装置h300、管理者端末、病院等の所定の機関の端末、地域の役所職員の端末のうち、少なくとも一つに対して所定の通知を送信する。ここでの所定の通知とは、例えば、病人やケガ人等を搬送している旨の情報と、車室内カメラh280で撮像した画像とを含む情報の通知である。
以上説明したように、第9の実施形態の第2変形例によれば、第9の実施形態および第1変形例と同様の効果を奏する他、乗員がいない状態での巡回走行を利用して、地域周辺の人々の見守りサービスを提供することができる。これにより、例えば、急病人や事故等があった人物を早期発見することができるともに、速やかに管理者に連絡したり、病院に搬送したりすることができる。また、、第9の実施形態の第2変形例によれば、見守りサービスによる巡回中の車両h200を、緊急時の避難場所として利用することができる。また、第9の実施形態の第2変形例によれば、見守りサービスを実行する巡回経路に、運行領域内の監視カメラが設置されていない領域を含めることで、運行領域全体を監視することができる。なお、第9の実施形態の第2変形例の見守りサービスは、例えば、巡回走行する地域の地方自治体の補助金や地域の商店街等からの協力金等を収益源として運用されてもよい。
[第9の実施形態の第3変形例] 車両管理装置h300の構成のうち一部または全部は、車両h200に搭載されてもよい。以下では、車両管理装置h300の構成のうち、一部の構成が自律制御部として車両に搭載される実施形態を第9の実施形態の第3変形例として説明する。図174は、第9の実施形態の第3変形例の車両h200Cの構成図である。第9の実施形態の第3変形例の車両200Cは、例えば、第9の実施形態の車両h200の構成と比較して、自律制御部h300Cが設けられている。したがって、以下では、主に、自律制御部h300Cの機能を中心に説明するものとする。
自律制御部h300Cは、例えば、利用者登録部h320と、取得部h330と、領域指示部h332と、経路指示部h340と、記憶部h350とを備える。これらの構成要素は、第9の実施形態の車両管理装置h300における同名の構成と同様の機能を備えるため、ここでの具体的な説明は省略する。なお、利用者登録部h320等については、自車両の利用者に対する登録のみを行ってもよく、利用者情報h351、地図情報h352、および経路情報h353については、車両管理装置h300からダウンロードすることで取得してもよい。
車両h200Cは、通信装置h220により利用者Uの端末装置h100と通信を行う。また、自律制御部h300Cの領域指示部h332は、利用者情報h351に基づいて、どの利用者がどの時間帯に、どの地域で乗車を希望しているかを把握し、把握した情報に基づいて、乗車地点を含む地域を運行領域として規定する。また、自律制御部h300Cの経路指示部h340は、運行領域の範囲内において巡回走行する規定経路を生成する。また、経路指示部h340は、通信装置h220により受信された運行領域の利用状況に基づき、オンデマンド経路を生成し、生成したオンデマンド経路を規定経路に代えて選択する。自動運転制御ユニットh250は、選択された経路を自動運転により運行する。
以上説明したように、第9の実施形態の第3変形例によれば、第9の実施形態および第1〜第2変形例と同様の効果を奏する他、車両管理装置h300の機能の一部を車両h200Cに搭載させることで、運行領域の規定や経路の選択等を車両h200Cが自律的に行うことができる。また、第9の実施形態の第3変形例によれば、車両h200Cは、車両管理装置h300からの指示を受け付けなくても、端末装置h100からの指示に基づいて、より適切な経路を運行することができる。
また、車両h200が手動運転車両である場合、通信部h310は、ネットワークNWを介して車両h200の運転者の端末装置と通信してもよい。また、上述した車両システムh1およびh2は、例えば、複数の利用者によって一つ以上の車両を共同で利用するライドシェア提供サービスに利用することができる。
<第10の実施形態>
上述した第1〜9の実施形態のそれぞれは、他の実施形態の一部または全部を組み合わせてもよい。以下に、第1〜第9の実施形態のうち一部を組み合わせて統合したサービス管理システムについて説明する。
[全体構成]
図175は、第10の実施形態のサービス管理システムi1の構成図である。サービス管理システムi1は、例えば、第2の実施形態で示した一以上のサービス申込者Aにより使用される一以上の端末装置a100および一以上のサービス提供者により使用される一以上の端末装置a150と、一以上の車両i200と、サービス管理装置i300と、第8の実施形態に示す部屋設備g200と、第9の実施形態に示す停留所通信装置h600とを備える。これらの構成要素は、ネットワークNWを介して互いに通信可能である。ネットワークNWは、インターネット、WAN、LAN、公衆回線、プロバイダ装置、専用回線、無線基地局などを含む。サービス提供者Sによるサービスは、サービス利用者Uに提供される。図では、サービス申込者Aとサービス利用者Uが異なる者であるように示しているが、これらは同一人物であってもよい。なお、「サービス申込者Aまたはサービス提供者Sにより使用される」とは、ネットカフェの端末装置など、不特定多数によって使用され得る端末装置が、サービス申込者Aまたはサービス提供者Sにより一時的に使用されることを含んでよい。なお、第10の実施形態の車両i200は、例えば、上述した第5の実施形態に示す車両d200にも適用される。また、車両i200は、第1〜9の実施形態で示した車両の構成のうち全部または一部を組み合わせてもよい。また、サービス管理装置i300は、「管理サーバ」の一例である。また、コンパートメント管理装置i270は、「属性共有部」の一例である。属性共有部が共有する属性は、例えば、コンパートメント属性およびそれに対応して定義される第8の実施形態における、インタフェースタイプ等である。
[端末装置]
端末装置a100およびa150は、例えば、第2の実施形態で紹介した端末装置a100およびa150と同様の機能を備えるため、ここでの詳細な説明を省略する。
[車両]
車両i200は、少なくとも車室を備える車両である。図176は、車両i200の構成図である。車両i200は、例えば、外界監視ユニットi210と、通信装置i220と、ナビゲーション装置i230と、推奨車線決定装置i240と、自動運転制御ユニット(制御部の一例)i250と、駆動力出力装置i260と、ブレーキ装置i262と、ステアリング装置i264と、コンパートメント管理装置i270と、表示管理ユニットi280と、貨客室管理ユニットi290とを備える。
外界監視ユニットi210、通信装置i220、ナビゲーション装置i230、推奨車線決定装置i240、自動運転制御ユニットi250、駆動力出力装置i260、ブレーキ装置i262、およびステアリング装置i264のそれぞれは、例えば、上述した第2の実施形態において紹介した図26の外界監視ユニットa210、通信装置a220、ナビゲーション装置a230、推奨車線決定装置a240、自動運転制御ユニットa250、駆動力出力装置a260、ブレーキ装置a262、およびステアリング装置a264と同様の構成を備えるため、ここでの詳細な説明を省略する。なお、駆動力出力装置i260は、第1の実施形態と同様の機能を有する駆動用モータi260aを含む。また、第10の実施形態における自動運転の処理過程については、第1の実施形態において紹介した図3並びに関連する説明を援用し、詳細な説明を省略する。
なお、HMIi232は、「インタフェース部」の一例である。HMIi232は、例えば各コンパートメントに対し一つ配置されており、当該コンパートメントを利用する利用者の識別情報を保持している。ここで、利用者によるHMIi232の使用は、好ましくは第1の実施形態と同様、認証によって許可されるよう構成される。HMIi232は、通信装置i220を介してコンパートメント管理装置i270およびサービス管理装置i300と接続されており、利用者は、HMIi232を介してサービス提供者からの提供情報の取得および、サービス提供者および車両に対する操作入力を行う。インタフェース部は、サービス提供者と、車両および各コンパートメントとの間の情報および制御信号の入出力を提供するよう構成され、この入出力の一部はコンパートメントの利用者が用いるHMIi232を介しての操作および取得が許可される。
また、コンパートメント管理装置i270および貨客室管理ユニットi290を合わせたものが、「管理部」の一例である。また、車外用表示部i282は、「外部表示器」の一例である。また、車外表示部i282は、インタフェース部に含まれてよい。また、車室内カメラi273および状態判定装置i274を組み合わせたものが「利用状況検知部」の一例であってもよく、「外部環境検知部」の一例であってもよい。外部環境検知部は、例えば、第6の実施形態における、撮像部e40および第7の実施形態における外界監視ユニットf210が外界監視ユニットi210に含まれてよく、このとき属性特定部e118の特定する属性を検知するよう構成してもよい。
また、第10の実施形態の場合、目的地までの経路は、サービス管理装置i300によって指定される場合もある。なお、経路には、利用者を乗車または降車させるために停止する地点および到達目標時刻の情報が含まれてよい。ナビ制御装置i236は、上記いずれかの方法で決定した経路の情報を推奨車線決定装置i240に出力する。
HMI232iは、サービス提供者Sが提供するサービスに関するサービス関連情報(サービス内容やサービス実行時間等)および車両i200のコンパートメントに関する情報に対応付けてコンテンツ等の情報の入出力等を行う。また、HMIi232は、入出力部(客室インターフェース)として第6の実施形態に係る車内演出装置e1やe2の構成を有していてもよい。この場合、表示管理ユニットi280の記憶部i285に格納された情報の少なくとも一部を、記憶部e500に格納し、格納した情報を表示制御部e18によりディスプレイe60から表示させてもよい。また、HMIi232は、第4の実施形態のタッチパネルc106や店舗案内装置c108の機能を備えていてもよい。
コンバートメント管理装置i270は、例えば、判別部i271と、乗車制御部i272と、車室内カメラi273と、状態判定装置i274と、情報出力装置i275とを備える。判別部i271は、車両i200に対する利用者を判別する。また、車両制御部i272は、車両i200を利用可能な利用者であると判別された利用者を車両i200に乗車させるための制御を行う。具体的には、車両制御部i272は、判別部i271により車両i200を利用可能な利用者であると判別された利用者に対し車両i200の少なくとも一部を占有利用させるコンパーメント管理を行う。少なくとも一部を占有利用させるとは、例えば、車室内にある複数の座席のうち少なくとも一つの座席を占有して利用させることである。また、乗車制御部i272は、判別部i271により車両h200の少なくとも一部の占有利用が許可された利用者を乗車または降車させるための制御を行う。
車室内カメラi273、状態判定装置i274、および情報出力装置i275のそれぞれは、第9の実施形態の車室内カメラh280、イベント判定装置h282、および情報出力装置h284と同様の機能を備える。
表示管理ユニットi280は、例えば、表示制御部i281と、車外用表示部i282と、要求部i283と、取得部i284と、記憶部i285とを備える。また、記憶部i285は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROM等により実現される。記憶部i285には、例えば、表示条件データi285a、コンテンツDBi285b、広告情報DBi285cおよびその他の情報が格納される。表示制御部i281、車外用表示部i282、要求部i283、および取得部i284のそれぞれは、上述した第7の実施形態の表示制御部f270、車外用表示部f272、要求部f274、取得部f276と同様の機能を備える。また、表示条件データi285a、コンテンツDBi285b、広告情報DBi285cのそれぞれは、少なくとも第7の実施形態の表示条件データ278A、コンテンツDB278B、および広告情報DB278Cと同様のデータが格納される。
貨客室管理ユニットi290は、例えば、入出力部i291と、コンパートメント管理部i292と、配車制御部i293と、ステータス制御部i294と、利用者情報取得部i295と、オーダー取得部i296と、記憶部i297とを備える。記憶部i297は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROM等により実現される。記憶部i297には、例えば、第3の実施形態における記憶部b172と同様の情報が格納される。入出力部i291、配車制御部i293、ステータス制御部i294、利用者情報取得部i295、およびオーダー取得部i296のそれぞれは、例えば、第3の実施形態の入出力部b171、配車制御部b173、ステータス取得部b174と、利用者情報取得部b175と、オーダー取得部b176と同様の機能を備える。コンパートメント管理部i292は、例えば、第5の実施形態における車両d200の荷台部d202におけるコンパートメントを管理する。なお、貨客室管理ユニット290は、コンパートメント管理装置i270と一体に構成されていてもよい。
また、第10の実施形態において、車両i200は、例えば、第1の実施形態における第1上部ユニット200Aおよび走行ユニット110を用いてもよい。その場合、車両i20は、上述した図16に示す構成と同様の構成を備える。
また、第10の実施形態において、車両i200は、例えば、図17、18、図137〜144に示すような外部表示を行ってもよい。
ここで、第10の実施形態における車両i200の一態様について説明する。通信装置i220は、例えば、サービス管理装置i300から運行情報等を受信する。自動運転制御ユニットi250は、通信装置i200により受信した運行情報に基づいて車両を所定の経路で運行させる。コンパートメント管理装置i270は、例えば、サービス提供者Sから、サービス利用者Uがサービスを受ける車両i200のコンパートメントを管理する。また、通信装置i220は、車両i200に対するサービス利用者Uのアクセス状態をトリガとして、HMI232を制御するための制御信号をサービス管理装置i300またはサービス提供者Sの端末装置a150に送信する。制御信号とは、例えば、ステータスを表す状態信号、車両に対するアクセスを提供するためのアクセス信号等である。また、通信装置i220は、アクセス状態に加えて、例えば、利用者接近時、アクセス時、乗車時等のように、細かなステータスごとにトリガを発生させてもよい。これにより、車両i200は、車両ステータスを更新する。また、サービス提供者Sは、API等を経由して、トリガに対し処理を実行し、サービスステータスを更新する。したがって、車両i200を利用するサービス提供者Sは、サービス利用者U等に提供するインタフェースを制御できる。なお、インタフェースは、例えば、事前に定義(組み込み)されていてもよく、随時読み込み式で定義されてもよいが、車両側コンパートメントとユーザとの対応関係を有する。
また、表示制御部i281は、各種制御信号に対しサービス提供者Sの指定する表示態様を車外用表示部i282で実行させる。表示制御部i281は、車外用表示部i282に表示させる条件を、表示条件データi285aに基づいて設定してもよい。また、表示制御部i281は、表示させるコンテンツや広告をコンテンツDBi285bや広告情報i285cから取得してもよい。コンテンツDBi285bや広告情報i285cは、表示制御部i281により、外部装置からダウンロードし、更新されてもよい。また、車外用表示部i282に表示させる場合には、サービス提供者Sが端末装置a150を用いて、事前またはリアルタイムに規定した表示アクションを実行させてもよい。これにより、車両i200のトリガ情報に基づいて、サービス提供者側でサービスの制御が可能となる。
また、状態判定装置i274は、例えば、車両i200のコンパートメントの利用状況を検知する。コンパートメントの利用状況としては、利用の有無、積載の有無といった2値判定のステータスに加え、着座している乗員の体格や性別、表情等の利用者属性、およびコンパートメントに積載されている荷物および商品等の物品の属性および数量等の付加情報を含む。例えば、上記物品の在庫状況を検知する構成とすれば、サービス提供者が欠品を検知して他の車両を用いた補充を実行させたり、別車両に向けて物品を配送するために移動経路を修正し、途中で補給を行うなどのアクションを実行させることができる。また、状態判定装置i274は、車両i200のコンパートメントの外部の状況を検知してもよい。この場合、通信装置i220は、状態判定装置i274により検知された外部環境の状態を示す検知信号をサービス提供者Sの端末装置a150に送信する。状態判定装置i274は、例えば、コンパートメントを利用予定のサービス利用者Uが、コンパートメント外に存在し、サービス利用者Uへの接近が検出されたことを判定する。判定された外部環境の状態をもとに、サービス利用者Uに対し、サービス提供者Sが例えば出迎えのための情報提示を行うことができる。あるいは、外界監視ユニットi210が検知した検知信号そのものを、サービス提供者が読み取り可能な形態で提供することもできる。これにより、サービス提供者Sが車両側の機能を用いてサービスのトリガイベントを発生させることができる。また、車両側の機能を用いて取得した情報に基づいて、例えば、表示の制御のみでなく、サービスの開始、終了あるいは満足度、サービスの追加等を判定することで、サービスを修正して付加価値を高めることができる。
また、通信装置i220は、サービス提供者Sから送信されるサービス信号を受信してもよい。この場合、情報出力装置i275は、通信装置i220により受信されたサービス信号に対応した制御信号を生成し、コンパートメントに配される機器に送信するコンパートメント制御信号生成部と、サービス信号に対応した制御信号を自動運転制御ユニットi250等に送信する運行制御信号生成部とを備える。これにより、客貨室側の制御と運動側の制御とを分離することで安全性を担保することができる。また、車両i200の制御レベルをサービス内容により適切に制御することができ、サービス提供者Sに対し車両i200および車両運行業者が、サービス提供者の操作に対しフェールセーフ機能を提供することができる。言い換えると、サービス提供者Sは、安全性を自ら設計、設定することなくサービスを実施できる。
また、コンパートメント管理装置i270は、コンパートメントの属性をサービス管理装置i300またはサービス提供者Sと共有する。コンパートメント属性としては、例えば、コンパートメントが座席のみの客室または荷室であるか否かに加え、広さや機能、使用可能電力等の能力に基づき、設定される区分を用いる。これに基づき、例えば、第2の実施形態に挙げられるサービス属性、およびHMIi232を介して入出力可能な信号が規定される。HMIi232は、第8の実施形態に挙げたI/F管理部g330Bの機能を包含してよく、その場合当該属性は、外部設備の機能動作を利用するためにも用いることができる。HMIi232は、コンパートメントの属性に対応して実施可能な機器等が設定される。これにより、属性に応じ、サービスの提供可能状態(駐停車、走行中)の判別を行うとともに、それに応じたサービス操作を許可することができる。例えば、蓄電容量が所定以下では実行不能な操作を、HMIi232の表示画面上に表示しない、あるいは走行中には火器・熱源の操作を抑制する、電子レンジのような電磁波の発生を抑制したり、電力(エネルギー)供給を制限するなどの制御を行うことができる。また、サービス提供者Sが事前に必要とするインターフェースを定義できる場合には、属性に応じ、必要な操作と、対応する走行状態を予め規定しておく。この場合は、走行状態に対するサービス操作をサービス提供者側で制御することができる。
また、HMIi232は、端末装置a150と通信を行い、サービス提供者Sを介した外部設備の操作を実行してもよい。また、HMIi232は、サービス提供者Sの提供する特定の目的地への経路変更を実行してもよい。また、HMIi232は、通信装置i220を介しサービス提供者Sへ操作情報を送信する操作情報送信部を備えていてもよい。
また、自動運転制御ユニットi250は、例えば、外界監視ユニットi210やナビゲーション装置i230の外界検知センサや位置情報センサ等に基づき自動運転を行う。また、HMIi232は、車両i200による自動運転が実行中であって、サービス利用者の乗車中である場合に、サービス利用者Sに情報の使用を許可したり、情報の使用を有効にしてもよい。別の視点では、当該インタフェースの一部機能は、判別される走行状態(例えば、停止状態や自動運転状態)でのみ利用可能に構成することができる。上述のように、車両に乗車中の利用者がある操作を、HMIi232で行おうとした際に、制限のある機能の実行の許可・拒否を設定する。また、HMIi232は、サービス利用者Sのコンパートメントへの乗車前、あるいは乗車後にサービス利用者Sに情報を提供してもよい。
また、コンパートメント管理装置i270や貨客室管理ユニットi290は、サービス管理装置i300等から車両i220の走行ユニットのバージョン情報を含む走行ユニット情報を取得し、取得した走行ユニット情報にバージョンが合致する上部構造物を第1連結部により連結させてもよい。
[サービス管理装置]
図175に戻り、サービス管理装置i300は、例えば、車両管理装置i310と、受注管理装置i320と、同乗サービス管理装置i330と、イベント管理装置i340と、コンテンツ提供サーバi350と、記憶装置(記憶部の一例)i360とを備える。これらの機能部のそれぞれは、例えば、CPU等のプロセッサが記憶装置i360に格納されたプログラム(ソフトウェア)を実行することで実現される。また、これらの機能部のうち一部または全部は、LSIやASIC、FPGA等のハードウェアによって実現されてもよいし、ソフトウェアとハードウェアの協働によって実現されてもよい。プログラムは、予めHDDやフラッシュメモリ等の記憶装置i360に格納されていてもよいし、DVDやCD−ROM等の着脱可能な記憶媒体に格納されており、記憶媒体がドライブ装置(不図示)に装着されることで記憶部i360にインストールされてもよい。車両管理装置i310、受注管理装置i320、同乗サービス管理装置i330、イベント管理装置i340、およびコンテンツ提供サーバi350を合わせたものが、「管理部」の一例である。なお、サービス管理装置i300は、図175に示す構成のうち、一部の構成(例えば、イベント管理装置i340、コンテンツ提供サーバi350)を外部に設けてもよい。
サービス管理装置i300は、上述した構成を備えることで、サービス管理をユーザ側フロントエンドとして位置づけるとともに、車両管理を車両管理側フロントエンドとして位置づけ、乗車用車両や特定用途車両としての車両i200や、図に示す店舗R、停留所通信装置h600、部屋設備g200等とも連携した統合的なサービスを提供する。
例えば、サービス管理装置i300は、端末装置a100やa150からのリクエストに基づいて、車両i200により利用者を目的地まで送迎する送迎サービス、車両i200に複数の利用者を同乗させる同乗サービス、および車両i200の車内または車外にコンテンツを出力させるコンテンツサービスのうち少なくとも一つを含むサービスの提供を管理する。この場合、サービス管理装置i300は、利用者に車両i200の少なくとも一部を占有して利用させるように管理する。
車両管理装置i310は、例えば、第9の実施形態の車両管理装置h300と同様の機能を備え、車両i200の定期経路やオンデマンド経路への運行を管理する。受注管理装置i320は、ネットワークNWを介して接続される端末装置a100およびa150や車両i200、部屋設備g200等からのリクエストを受信する。また、受注管理装置i320は、受信したリクエストに基づいて、予め決められた複数のサービスのうち、リクエストに対応する各種サービスを選択し、必要に応じて車両i200の割り当てを行う。
同乗サービス管理装置i330は、例えば、第2の実施形態のサービス管理装置a300またはa730と同様の機能を備え、同乗者(例えば、サービス利用者、サービス提供者)の調整等を行う。イベント管理装置i340は、例えば、第5の実施形態のイベント配車装置d100と同様の機能を備え、送迎先のイベントの開催地および開催日時、または、送迎先の店舗Rを管理する。また、イベント管理装置i340は、イベントに配車する車両や、利用者の送迎等を管理する。
コンテンツ提供サーバi350は、例えば、第7の実施形態のコンテンツ提供サーバf300と同様の機能を備え、車両i200の環境に基づいて、コンテンツの出力を管理する。また、記憶装置i360は、HDDやフラッシュメモリ、RAM、ROMなどにより実現される。また、記憶装置i360サービス情報に対する車両i200の表示態様に関する情報やコンテンツデータ、その他のサービス管理装置i300の各種処理に必要なデータまたは処理結果等のデータ等を格納する。
また、サービス管理装置i300は、上述した構成を備えることで、例えば、上述した第2の実施形態の図42〜図46に示すような実施形態や、上述した第5の実施形態の図100〜104に示すような実施形態を実現する。
ここで、第10の実施形態におけるサービス管理装置i300の一態様について説明する。サービス管理装置i300は、例えば、同乗サービス管理装置i330の車両特定部(特定部の一例)a730によって、サービス提供者Sの利用する車両i200を特定する。また、プラン決定部(車両情報提供部の一例)a740は、特定された車両i200に対応する車両に関する情報をサービス提供者Sの端末装置a150に送信する。送信する情報としては、例えば、利用者の操作情報や乗員検知によって得た乗員のステータス、属性等である。また、車両特定部a730は、特定地域内の車両から車両i200を特定してもよい。また、車両特定部a730は、サービス提供者Sの提供する位置情報と、サービス提供者Sまたはサービス利用者Uの何れかが提供する乗降車位置情報に基づき、車両i200を特定してもよい。また、車両特定部a730は、車両i200の位置情報および乗降車位置情報に基づき、サービス提供者Sに対し複数の車両i200を特定してもよい。
また、受注管理装置i320は、サービス提供者Sのサービス情報を入力するサービス情報入力部を備える。車両管理装置i310、受注管理装置i320、同乗サービス管理装置i330、イベント管理装置i340、コンテンツ提供サーバi350のそれぞれは、サービス情報に基づき、車両i200に制御信号を送信することで車両i200とサービス提供者Sの端末装置a150との間の情報伝達を制御するインタフェース制御部を備える。これにより、車両i200とサービス提供者Sとの間で信号の送受信を行うことができる。
また、例えば、車両管理装置i320は、プラン決定部a740等が、サービス利用者Uが車両i200に乗車しながらサービス提供者Sのサービスを受ける区間の情報を、サービス提供者Sへ送信すること許容する。また、車両管理装置i320は、サービス提供者Sの端末装置a150からの制御信号により、車両i200の経路または目的地の更新を許容する経路更新部を備えてもよい。また、コンテンツ提供サーバi350は、サービス提供者Sの端末装置a150からの制御信号により、車両i200の外部表示部i282を制御する外部表示制御部を更に備えていてもよい。
また、車両管理装置i310、受注管理装置i320、同乗サービス管理装置i330、イベント管理装置i340、およびコンテンツ提供サーバi350のそれぞれは、車両i200からの制御信号により、サービス提供者Sに対する車両i200に関する情報の送信を実行するサービス操作制御部を備える。
また、車両管理装置i310は、複数の車両の位置を検知する車両位置管理部と、複数の前記車両に対応したサービス情報を関連付けるサービス位置管理部と、を更に備えてもよい。この場合、車両管理装置i310、受注管理装置i320、同乗サービス管理装置i330、イベント管理装置i340、およびコンテンツ提供サーバi350は、複数の車両から取得した位置情報およびサービス情報に基づき、複数の車両、サービス利用者またはサービス提供者に環境情報を提供する。例えば、環境情報として、特定位置・エリアにおける属性の分布、位置関係、空席状況、競合エリア(空きスペース)等を共有することでサービス利用者U、サービス提供者Sのサービスに対し付加価値のある情報を提供することができる。この情報に基づいて、特にサービス提供者Sは、付加価値を付けたサービスを実行することができる。なお、これらの各構成要素は、複数の車両から取得した位置情報、および前記複数の車両に対応するサービス属性情報に基づき、地域上でのサービス実施状況を環境情報として判定してもよい。地域上でのサービス実施情報は、第5の実施形態におけるエリア管理部d186や第9の実施形態における車両管理装置h300で管理される。サービス実施状況としては、サービスを実行している車両の台数や、車両属性、車両の疎密度などの環境情報に加え、各利用者のサービス利用状況、各サービス提供者から提供されるサービスステータスおよびそれを複数束ねることによって判別される各種の状態を含む。また、車両管理装置i310、受注管理装置i320、同乗サービス管理装置i330、イベント管理装置i340、およびコンテンツ提供サーバi350の各構成要素は、記憶装置i360に記憶されたサービス情報に基づき、記憶装置i360に記憶されたコンテンツデータを選択的に前記車両で利用可能としてもよい。
なお、第10の実施形態では、上述したサービス管理装置i300の他にも他の実施形態の内容を適宜組み合わせてユーザと車両とを連携された統合的なサービスを提供させてもよい。上述した第1〜10の実施形態のそれぞれによれば、より柔軟な車両の利用を実現することができる。
なお、上述した第1の実施形態は、以下のように表現できる。
(1):上部構造物が取り付け可能な、車室を有しない走行ユニットと、前記走行ユニットに設けられ、前記走行ユニットに着脱可能に取り付けられた前記上部構造物に連結される第1連結部と、を備えた自動運転車両。
(2):(1)の態様において、前記走行ユニットは、前記上部構造物が取り付け可能な取付領域と、第1車輪と、車両進行方向で前記第1車輪よりも後方に位置した第2車輪とを有し、前記取付領域は、少なくとも、前記車両進行方向で前記第1車輪と略同じ位置から前記第2車輪と略同じ位置に亘る大きさを有する。
(3):(2)の態様において、前記取付領域は、前記車両進行方向で前記走行ユニットの全長に亘る。
(4):(1)から(3)のうちいずれか1つの態様において、前記走行ユニットは、車輪を有し、前記車輪を除く前記走行ユニットの最大厚さは、前記車輪の直径以下である。
(5):(1)から(4)のうちいずれか1つの態様において、前記走行ユニットは、前記自動運転車両の目的地に関する情報を取得する取得部と、前記取得部により取得された目的地と道路情報を含む地図情報とに基づき前記自動運転車両の運転計画を生成する運転計画生成部と、前記運転計画生成部により生成された運転計画に基づき前記走行ユニットの走行を制御する自動運転制御部とを含む。
(6):(1)から(5)のうちいずれか1つの態様において、前記上部構造物は、乗員が着座可能なシート装置を含む。
(7):(1)から(6)のうちいずれか1つの態様において、前記上部構造物は、乗員が乗り込み可能な部屋を含む。
(8):(1)から(7)のうちいずれか1つの態様において、前記上部構造物は、荷物を支持可能な荷物支持部を含む。
(9):(1)から(8)のうちいずれか1つにおいて、前記走行ユニットは、複数の上部構造物が互いに載せ替え可能である。
(10):(1)から(9)のうちいずれか1つの態様において、前記走行ユニットは、前記走行ユニットに対して別の自動運転車両の走行ユニットが上方から載せられた場合に前記別の自動運転車両の走行ユニットを下方から支持する支持部を有し、前記別の自動運転車両の走行ユニットが載せられた状態で走行可能である。
(11):(1)から(10)のうちいずれか1つの態様において、前記走行ユニットに設けられ、車両進行方向と車両幅方向とのうち少なくとも一方において前記走行ユニットに対して並べられた別の自動運転車両の走行ユニットに連結される第2連結部をさらに備えている。
(12):本発明の他の態様は、上部構造物が取り付け可能な、車室を有しない板状の自動運転車両である。
(13):本発明の他の態様は、上部構造物に対して、電力を供給する電力供給インターフェースと、前記上部構造物と通信する第1通信インターフェースと、前記上部構造物に搭載され、互いに異なる複数の装備品が接続された上部ユニットに、前記電力供給インターフェースおよび前記第1通信インターフェースを介して接続可能な走行ユニットと、を備え、前記走行ユニットは、前記上部構造物へと供給される電力と、前記上部構造物への通信内容とを共有して動作する、自動運転車両である。
(14):(13)の態様において、前記上部ユニットに接続された前記装備品の接続状況を示す情報を、外部装置に送信する第2通信インターフェースを更に備える。
(15):(13)の態様において、前記上部ユニットは、前記上部ユニットに接続された前記装備品の識別情報と、外部装置から取得される前記装備品の制御情報とに基づいて、前記装備品に対するユーザの操作に応じた前記装備品を介する前記走行ユニットの制御を許容するのか否かを決定する外部制御許可部を含む。
(16):(13)の態様において、前記上部ユニットに接続された前記装備品の識別情報と、外部装置から取得された情報に基づき更新可能な前記装備品の制御情報とに基づいて、前記装備品、または前記装備品に接続される端末装置に対する前記走行ユニットの情報共有を許容する車両状態共有許可部を更に備える。
(17):(13)の態様において、前記走行ユニットは、前記上部ユニットの識別情報と、外部装置から取得された情報に基づき更新可能な前記装備品の制御情報とに基づいて、前記上部ユニット、または前記上部ユニットの識別情報に基づき特定される端末装置に対する前記走行ユニットの情報共有を許容する車両状態共有許可部を含む。
なお、上述した第2の実施形態は、以下のように表現できる。
(1):本発明の一態様は、移動する車両内にサービス利用者がサービス提供者と同乗することを要求する同乗リクエストを取得する取得部と、前記取得部により取得された同乗リクエストに応じて、前記サービス利用者と前記サービス提供者の同乗プランを決定するプラン決定部と、を備えるサービス管理装置。
(2):上記(1)の態様において、前記同乗リクエストには、前記サービス利用者が前記車両に乗車する第1乗車区間の情報が含まれるもの。
(3):上記(2)の態様において、前記サービス利用者は、単独で前記車両に乗車することが好ましくない利用者であり、前記プラン決定部は、前記サービス提供者が前記車両に乗車する第2乗車区間を、前記第1乗車区間を包含するように決定するもの。
(4):上記(2)の態様において、前記プラン決定部は、前記サービス提供者が前記車両に乗車可能なエリアの情報を参照し、前記第1乗車区間と前記エリアとの重複部分の範囲内で前記サービス提供者が前記サービス利用者と同乗するように、前記サービス提供者が前記車両に乗車する第2乗車区間を決定するもの。
(5):上記(1)の態様において、前記プラン決定部は、降車後に前記サービス利用者が受ける降車後サービスと連携可能な地点で前記サービス利用者が降車するように、前記同乗プランを決定するもの。
(6):上記(5)の態様において、前記プラン決定部は、降車後サービスに必要なオンライン予約を実行するもの。
(7):上記(1)の態様において、前記プラン決定部は、予め指定されたサービスの種類に応じたサービス提供者を選択し、前記サービス利用者と前記選択したサービス提供者の同乗プランを決定するもの。
(8):上記(1)の態様において、前記車両は、無線通信機能を有する自動運転車両であり、前記車両と通信する通信部と、前記通信部に、前記プラン決定部により決定された同乗プランに基づく経路の指示を前記車両に送信させる経路指示部と、を更に備えるもの。
(9):上記(8)の態様のサービス管理装置と、前記車両と、を備えるサービス提供システムであって、前記サービス管理装置は、前記経路の指示と共にサービス提供予定時間を前記車両に送信し、前記車両は、前記サービス提供予定時間の経過よりも前に目的地に到達しないように運転制御を行う、サービス提供システム。
(10):本発明の他の態様は、コンピュータが、移動する車両内にサービス利用者がサービス提供者と同乗することを要求する同乗リクエストを取得し、前記取得された同乗リクエストに応じて、前記サービス利用者と前記サービス提供者の同乗プランを決定する、サービス管理方法である。
(11):本発明の他の態様は、コンピュータに、移動する車両内にサービス利用者がサービス提供者と同乗することを要求する同乗リクエストを取得させ、前記取得させた同乗リクエストに応じて、前記サービス利用者と前記サービス提供者の同乗プランを決定させる、プログラムである。
(12):本発明の他の態様は、車両の利用を伴うサービスを利用するサービス利用者によるサービス利用依頼情報を取得する第1取得部と、予め登録された車両の車両情報を取得する第2取得部と、前記サービス利用依頼情報と前記取得された車両情報とに基づいて、利用可能な車両を特定し、利用可能車両情報を生成する車両特定部と、車両の利用を伴うサービスを提供するサービス提供者が受注可能なサービスに関連するサービス提供情報を取得する第3取得部と、前記利用可能車両情報および前記サービス提供情報に基づいて、前記サービス利用者が享受可能な可用サービスを特定し、前記特定した可用サービスに関する情報を前記サービス利用者に提供するプラン決定部と、を備えるサービス管理装置である。
(13):上記(12)の態様において、前記サービス利用依頼情報は、前記サービス利用者が前記車両の少なくとも一部を占有する第1区間の情報を含むもの。
(14):上記(13)の態様において、前記サービス利用依頼情報は、前記サービス利用者が希望する前記サービス提供者の属性情報を含むもの。
(15):上記(13)の態様において、前記利用可能車両情報および前記サービス提供情報に基づいて、前記サービス提供者が前記車両の少なくとも一部を占有する第2区間を設定し、前記第1区間と前記第2区間の重複部分に基づいて、前記サービス利用者および前記サービス提供者が前記車両の少なくとも一部を占有する第3区間を設定するプラン決定部を更に備えるもの。
(16):上記(13)または(14)の態様において、前記サービス提供情報は、サービス提供可能な地域の情報を含み、前記第1区間と、前記サービス提供可能な地域の情報の重複範囲内で、前記サービス利用者および前記サービス提供者が前記車両の少なくとも一部を占有する第3区間を設定するプラン決定部を更に備えるもの。
(17):上記(13)の態様において、前記サービス提供情報は、車両外でのサービス提供地点の情報を含み、前記サービス利用者からの指示に応じて、前記第1区間が前記車両外でのサービス提供地点で終了するように、前記第1区間を更新するプラン決定部を更に備えるもの。
(18):上記(13)の態様において、前記サービス利用者と前記サービス提供者の双方が前記車両を利用しているか否かを判定する判定部を更に備え、前記プラン決定部は、前記判定部により双方が前記車両を利用していると判定された場合に、前記第1区間を更新するもの。
(19):上記(17)の態様において、前記車両外でのサービス提供地点にある施設を予約する予約情報を送信し、予約情報に対応する予約結果を受信する通信部を更に備えるもの。
(20):上記(12)の態様において、前記車両は、無線通信機能を有する自動運転車両であり、前記車両と通信する通信部と、前記通信部に、前記サービス利用者の利用開始位置および利用終了位置の情報と、前記サービス提供者の利用開始位置および利用終了位置の情報とを、前記車両に送信させる経路指示部と、を更に備えるもの。
(21):上記(15)または(16)の態様において、前記サービス利用依頼情報は、前記サービス利用者の希望するサービス利用時間帯の情報を含み、前記プラン決定部は、前記サービス利用者が前記車両の少なくとも一部を占有する時間帯が前記サービス利用時間帯と合致するように、前記第3区間を設定するもの。
(22):上記(21)の態様において、前記サービス提供情報は、前記サービス提供者の希望するサービス提供時間帯の情報を含み、前記プラン決定部は、前記サービス提供者が前記車両の少なくとも一部を占有する時間帯が前記サービス提供時間帯と合致するように、前記第3区間を設定するもの。
(23):上記(15)の態様において、前記プラン決定部は、複数のサービス提供者のそれぞれに対応して前記第2区間を設定した場合、複数の前記第2区間のそれぞれに対応した複数の前記第3区間を設定するもの。
(24):上記(12)の態様において、前記第1取得部が前記サービス利用依頼情報を受信した時点において、前記サービス利用者が前記車両を利用しているか否かを判定する判定部と、前記判定部により、前記サービス利用者が前記車両を利用していると判定された場合、前記利用者に前記利用中の車両を優先して割り当てるプラン決定部を更に備えるもの。
(25):本発明の他の態様は、コンピュータが、車両の利用を伴うサービスを利用するサービス利用者によるサービス利用依頼情報を取得し、予め登録された車両の車両情報を取得し、前記サービス利用依頼情報と前記取得された車両情報とに基づいて、利用可能な車両を特定して利用可能車両情報を生成し、車両の利用を伴うサービスを提供するサービス提供者が受注可能なサービスに関連するサービス提供情報を取得し、前記利用可能車両情報および前記サービス提供情報に基づいて、前記サービス利用者が享受可能な可用サービスを特定し、前記特定した可用サービスに関する情報を前記サービス利用者に提供する、サービス管理方法である。
(26):本発明の他の態様は、コンピュータに、車両の利用を伴うサービスを利用するサービス利用者によるサービス利用依頼情報を取得させ、予め登録された車両の車両情報を取得させ、前記サービス利用依頼情報と前記取得された車両情報とに基づいて、利用可能な車両を特定させて利用可能車両情報を生成させ、車両の利用を伴うサービスを提供するサービス提供者が受注可能なサービスに関連するサービス提供情報を取得させ、前記利用可能車両情報および前記サービス提供情報に基づいて、前記サービス利用者が享受可能な可用サービスを特定させ、前記特定した可用サービスに関する情報を前記サービス利用者に提供させる、プログラム。
なお、上述した第3の実施形態は、以下のように表現できる。
(1):本発明の一態様は、施設の予約内容に基づいて送迎スケジュールを作成し、車両を予約する配車予約部と、前記送迎スケジュールに従って、前記配車予約部により予約された車両を配車する配車管理部と、を備える送迎管理装置である。
(2):上記(1)の様態において、前記配車予約部は、前記施設の予約内容に基づいて、前記施設を目的地あるいは出発地として、指定された到着時刻に間に合うように前記送迎スケジュールを作成するものである。
(3):上記(1)の様態において、前記配車管理部により配車された前記車両から移動状況を取得する取得部と、前記取得部により取得された移動状況を、前記施設の予約をした利用者が使用する利用者端末あるいは前記施設の管理者が使用する施設端末のうち少なくとも一方に通知するステータス管理部と、をさらに備えるものである。
(4):上記(3)の様態において、前記ステータス管理部は、前記配車管理部により配車された車両に利用者が乗車した後、前記施設への移動を開始したこと、または前記施設への到着目標時刻を、前記施設端末に通知するものである。
(5):上記(3)の様態において、前記ステータス管理部は、前記配車管理部により配車された車両の到着時刻が遅れている場合、配車の予約についての変更あるいはキャンセル、もしくは前記施設の予約の変更あるいはキャンセルのうち少なくとも一つを受け付けるものである。
(6):上記(5)の様態において、前記ステータス管理部は、前記配車管理部により配車された車両の到着時刻の遅れが通知された利用者から、配車のキャンセルまたは施設の利用時間の延長のいずれも受け付けられなかった場合、配車のキャンセルおよび前記施設のキャンセルの両方を受け付けるものである。
(7):上記(3)の様態において、前記取得部は、前記車両から、前記乗車人数を示す情報を取得し、前記ステータス管理部は、前記取得部が取得した前記乗車人数を示す情報が予約された人数と異なる場合、予約人数の変更を、前記施設端末に通知するものである。
(8):上記(3の様態において、前記取得部は、前記車両から、前記施設が提供するサービスあるいは物品のオーダー指示を取得し、前記ステータス管理部は、前記取得部が取得した前記オーダー指示を、前記施設端末に通知するものである。
(9):上記(3)の様態において、サービス提供者からサービス提供地点に対応した地点情報、および前記サービス提供者の識別情報、前記サービス提供者の利用者の識別情報を含むサービス提供情報を取得するサービス情報取得部と、前記利用者が前記サービス提供を受ける前記地点情報であるアクセスポイントを取得するアクセスポイント取得部と、前記地点情報およびアクセスポイントとの間に経路に対応した前記車両の運行プランを決定するプラン決定部と、をさらに備えるものである。
(10):上記(9)の様態において、前記サービス情報、および前記取得部によって取得された前記利用者の識別情報に対応した、サービスステータス情報を生成し、少なくとも前記車両の前記経路上において、前記サービス提供者に対し前記サービスステータス情報を提供する状態管理部、をさらに備えるものである。
(11):上記(10)の様態において、前記プラン決定部は、前記サービスステータス情報に対応付く前記利用者の識別情報を取得し、前記プラン決定部の決定する車両の運行プランに基づいて、前記サービスステータス情報を生成し、前記プランの計画を行うものである。
(12):上記(11)の様態において、前記プラン決定部は、前記サービスステータス情報として、前記利用者の識別情報および前記移動状況から判別される状態属性を管理して、前記プランの計画を行うものである。
(13):上記(10)の様態において、前記プラン決定部は、前記施設端末に対し、前記サービスステータス情報のうち、前記施設への到着時刻に関する情報を通知するものである。
(14):施設の予約内容に基づいて送迎スケジュールを作成して、車両を予約し、前記送迎スケジュールに従って、予約された車両を配車する、送迎管理方法である。
(15):コンピュータに、施設の予約内容に基づいて送迎スケジュールを作成させて車両を予約させ、前記送迎スケジュールに従って、予約された車両を配車させる、プログラムである。
なお、上述した第4の実施形態は、以下のように表現できる。
(1):本発明の一態様は、車両の自動運転を行う自動運転制御部と、前記車両の乗員の操作を受け付ける操作部と、前記操作部に対応した識別情報を参照し、自車または他車の移動経路を生成する経路設定部と、前記操作部に対応した識別情報と、車両のコンパートメントの一部を対応付けて前記コンパートメントの操作を許容するコンパートメント管理部とを備え、前記自動運転制御部は、前記乗員の操作に対応し、前記移動経路に沿って移動を開始させる車両である。
(2):本発明の一態様は、車両の乗員の操作を受け付ける操作部と、前記操作部に対応した識別情報を参照し、自車または他車の移動経路を生成する経路設定部と、前記操作部に対応した識別情報と、車両のコンパートメントの一部を対応付けて前記コンパートメントの操作を許容するコンパートメント管理部と、前記車両の現在位置を取得する現在位置取得部と、前記乗員の操作に応じて、前記識別情報と前記現在位置とを外部に送信する通信部とを備える車両である。
(3):本発明の一様態は、車両に設けられた乗員の操作を受け付ける操作部の操作情報を取得する操作取得部と、前記車両の位置情報を取得する位置情報取得部と、識別情報と車両のコンパートメントとの対応関係、および前記操作部に対応した識別情報を参照する参照部と、前記位置情報、操作情報および識別情報に基づいて、少なくとも1台の車両に移動経路情報を送信する送信部と車両システムである。
(4):上記(1)の様態において、前記コンパートメントはサンプルを載置可能なラック部を含み、前記経路設定部は、前記識別情報に含まれる事業者識別情報と、対応する複数の施設情報を参照することにより前記複数の施設情報から少なくとも一つの経由地を決定するよう構成され、前記操作部は、前記ラック部に対応した前記経由地への移動を指示するための第1スイッチを備え、前記自動運転制御部は、前記第1スイッチが操作された場合に、前記経由地に前記車両を移動させるものである。
(5):上記(4)の様態において、前記操作部は、前記ラック部に対応した事業者に物品の配送を指示するための第2スイッチをさらに備え、前記第2スイッチが操作された場合、前記事業者が管理する端末装置に配送内容を送信する通信装置をさらに備えるものである。
(6):上記(5)の様態において、前記コンパートメントはサンプルを載置可能なラック部を含み、前記操作部は、前記車両と別の車両に対し、前記車両の位置情報と、前記識別情報に含まれる事業者識別情報とを送信し、前記車両と別の車両に対し前記車両の位置と、前記事業者識別情報に対応した位置とを結ぶ経路上への移動を開始させるリクエストを実行する通信装置を備えるものである。
(7):上記(1)の様態において、上記(1)に記載の車両を第1車両および第2車両とし、前記第1車両の前記操作部は、前記第2車両を呼び出すための第3スイッチと、を備え、前記第2車両は、前記第3スイッチが操作されることで呼び出され、前記第1車両から利用者、前記識別情報、および前記移動経路を引き継き、前記第2車両の前記自動運転制御部は、引き継いだ前記移動経路に基づいて移動を開始させるである。
(8):上記(1)の様態において、前記第1車両の前記操作部は、前記ラック部に対応した事業者に物品の配送を指示するための第4スイッチと、前記第4スイッチが操作された場合、前記事業者が管理する端末装置に配送内容を送信する通信装置と、をさらに備えるものである。
なお、上述した第5の実施形態は、以下のように表現できる。
(1):この発明の一態様に係るイベント配車装置は、複数の車両が駐車可能なエリアで開催されるイベントを、複数の車両または前記車両の所有者に通知するイベント通知部と、前記複数の車両のそれぞれの車両属性に基づいて、前記エリアに到着する車両の車両属性に対応する台数を調整する調整部と、を備えるイベント配車装置である。
(2):上記(1)の態様において、前記エリアに到着した複数の車両が前記エリア内の所定の位置に配置されるように前記複数の車両のそれぞれに駐車位置を指示する指示部を更に備える。
(3):上記(1)または(2)の態様において、前記イベント通知部は、前記エリアの位置から所定距離以内にある車両または前記車両の所有者に対して前記イベントの通知を行うものである。
(4):上記(1)から(3)のうち何れか一つの態様において、前記イベント通知部は、前記エリアに駐車可能な台数の車両に対して、前記イベントを通知するものである。
(5):上記(1)から(4)のうち何れか一つの態様において、前記車両は、自動運転車両である。
(6):上記(5)の態様において、前記自動運転車両は、トレーラを牽引する牽引車両を含む。
(7):上記(1)から(6)のうち何れか一つの態様において、前記イベント通知部は、前記エリアで開催されるイベントに関する情報を、予め登録された利用者に通知し、前記利用者から前記エリアまでの送迎を希望するか否かに関する情報を取得するものである。
(8):上記(1)から(7)のうち何れか一つの態様において、前記イベントに参加する車両によって、前記イベントの利用者を、所定の地点と前記エリアとの間で送迎させる送迎管理部を更に備えるものである。
(9):この発明の一態様に係るイベント配車方法は、コンピュータが、複数の車両が駐車可能なエリアで開催されるイベントを、複数の車両または前記車両の所有者に通知し、前記複数の車両のそれぞれの車両属性に基づいて、前記エリアに到着する車両の車両属性に対応する台数を調整する、イベント配車方法である。
(10):この発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、複数の車両が駐車可能なエリアで開催されるイベントを、複数の車両または前記車両の所有者に通知させ、前記複数の車両のそれぞれの車両属性に基づいて、前記エリアに到着する車両の車両属性に対応する台数を調整させる、プログラムである。
(11):この発明の一態様に係る管理システムは、複数の車両が駐車可能なエリアを特定する特定部と、前記複数の車両のそれぞれの車両属性に基づいて、前記特定部の取得したエリア情報を通知するとともに、前記エリアに対する車両の到達情報を取得するエリア管理部と、を備える管理システムである。
(12):上記(11)の態様において、前記エリアに到着した車両が前記エリア内の所定の位置に配置されるように前記車両に駐車位置を指示する指示部(160)を更に備えるものである。
(13):上記(11)の態様において、前記エリアの位置から所定距離以内にある車両または前記車両の所有者に対して前記エリア情報の通知を行う通知部を更に備えるものである。
(14):上記(11)の態様において、前記車両は、自動運転車両を含み、前記エリア管理部は、前記車両を無人で前記エリアまで到達させる経路設定部と、前記自動運転車両以外の前記車両に対し前記エリアへの経路情報を通知する経路設定要求部と、を備える。
(15):上記(11)の態様において、前記エリアに複数の車両が配置される場合に、前記エリアの代表地点を経由地とする経路情報を発行する送迎管理部を更に備える。
(16):上記(13)の態様において、前記通知部は、前記エリア内に存在する車両または前記車両の管理者から取得した動的な関連情報を通知するものである。
なお、上述した第6の実施形態は、以下のように表現できる。
(1)この発明の一態様は、車両上の乗員が行うゲームを演出する車内演出装置であって、車両の運転とは無関係な前記乗員の動作を検出する動作検出部と、前記乗員が視認可能な画像を表示する表示部と、前記動作検出部が検出した前記乗員の動作に基づいて、前記乗員の動作に応じた応答画像を前記表示部に表示するとともに、所定の規則に基づくゲームの結果を出力する表示制御部(18)と、を備える車内演出装置である。
(2)は、(1)の態様の車内演出装置であって、前記表示制御部は、前記車両の周囲環境の物体に前記応答画像を重畳させて前記表示部に表示させてもよい。
(3)は、(2)の態様の車内演出装置であって、前記乗員の動作とは、前記周囲環境の物体を指示する動作であって、前記動作検出部は、前記乗員が指示する方向を検出し、前記表示制御部は、前記動作検出部が検出した方向に基づいて、指示する方向の特定の物体と重なるように前記応答画像を前記表示部に表示させてもよい。
(4)は、(2)又は(3)の態様の車内演出装置であって、の車内演出装置は、前記動作検出部が特定の物体を指示する動作を検出した回数を有効得点として算出する得点算出部を更に備え、前記表示制御部は、所定のタイミングにおいて、前記得点算出部が算出した前記得点を示す画像を前記表示部に表示させてもよい。
(5)は、(4)の態様の車内演出装置であって、前記特定の物体とは、目的地までの前記特定の道路標識であって、目的地を示す目的地情報を取得する目的地情報取得部と、前記周囲環境を撮像し、周囲環境画像を生成する撮像部と、前記周囲環境画像のうち、前記目的地情報が示す前記目的地までの前記特定の道路標識を抽出する抽出部と、を更に備え、前記得点算出部は、前記抽出部が抽出した前記道路標識に対応する位置を指示する前記乗員の動作を前記動作検出部が検出した回数を有効得点として算出してもよい。
(6)は、(5)の態様の車内演出装置であって、前記特定の物体とは、車両の近傍を走行する他の車両であって、前記抽出部は、前記周囲環境画像のうち、前記他の車両を抽出し、前記得点算出部は、前記抽出部が抽出した前記他の車両に対応する位置を指示する前記乗員の動作を前記動作検出部が検出した回数を有効得点として算出してもよい。
(7)は、(5)又は(6)の態様の車内演出装置であって、前記特定の物体とは、前記車両の周囲に存在する店舗の看板であって、前記抽出部は、前記周囲環境画像のうち、前記看板を抽出し、前記得点算出部は、前記抽出部が抽出した前記看板に対応する位置を指示する前記乗員の動作を前記動作検出部が検出した回数を有効得点として算出してもよい。
(8)は、(4)から(7)のいずれか1つの態様の車内演出装置であって、前記表示制御部は、前記得点算出部が算出した前記得点の合計を示す画像を前記表示部に表示させてもよい。
(9)は、(4)から(8)のいずれか1つの態様の車内演出装置を複数備える車内演出システムであって、前記車内演出装置は、前記得点算出部が算出した前記得点を示す情報を他の車内演出装置に送信する送信部と、前記他の車内演出装置が算出した前記得点を示す得点情報を受信する受信部と、を備え、前記表示制御部は、前記得点算出部が算出した前記得点を示す画像と、前記受信部が受信した前記得点情報の前記得点を示す画像とを前記表示部に表示させる、車内演出システムである。
(10)は、(9)の態様の車内演出システムにおいて、前記表示制御部は、自装置と同一のチームに属する車両に搭載される前記車内演出装置から受信した前記得点情報の前記得点を示す画像と、他のチームに属する車両に搭載される前記車内演出装置から受信した前記得点情報の前記得点を示す画像とを比較して前記表示部に表示させてもよい。
(11)は、(9)又は(10)の態様の車内演出システムにおいて、前記表示制御部は、自装置を搭載する車両の行動を示す情報、及び他の車内演出装置を搭載する車両の行動を示す情報に基づいて、移動を促す画像を表示させてもよい。
(12)は、表示部を備え、車両上の乗員が行うゲームを演出するコンピュータが、車両の運転とは無関係な前記乗員の動作を検出し、前記乗員が視認可能な画像を表示し、検出した前記乗員の動作に基づいて、前記乗員の動作に応じた応答画像を表示するとともに、所定の規則に基づくゲームの結果を出力する、車内演出方法である。
(13)は、表示部を備え、車両上の乗員が行うゲームを演出するコンピュータに、車両の運転とは無関係な前記乗員の動作を検出させ、前記乗員が視認可能な画像を表示させ、検出した前記乗員の動作に基づいて、前記乗員の動作に応じた応答画像を表示させるとともに、所定の規則に基づくゲームの結果を出力させる、プログラムである。
(14)この発明の一態様は、車両の乗員の動作を検出する動作検出部と、前記乗員の視点位置を検出する視線検出部と、前記動作検出部によって検出された前記乗員の指示動作と、前記視線検出部によって検出された前記乗員の視点位置とに基づいて、前記乗員の指示動作による指示方向の実空間の三次元点群を取得する座標取得部と、三次元点群が示す実空間に存在する対象物を示す情報を供給するインタフェースから、前記座標取得部によって取得された前記三次元点群に対応付けられた対象物を示す情報を取得する対象物情報取得部と、対象物に対応付けられるサービス提供者を示すサービサー情報に基づいて、前記対象物情報取得部によって取得された情報が示す対象物に対応付けられるサービス提供者を特定するサービス提供者特定部と、前記サービス提供者特定部によって特定された前記サービス提供者と、前記対象物情報取得部によって取得された情報が示す対象物とを対応付けた履歴情報を生成する履歴情報生成部と、を備える指示計測装置である。
(15)は、(14)の態様の指示計測装置において、前記履歴情報には、前記指示動作が行われた時期と、前記乗員を示す情報とが更に対応付けられるものである。
(16)は、(14)または(15)の態様の指示計測装置において、周囲環境を撮像し、周囲環境画像を生成する撮像部と、前記撮像部によって撮像された前記周囲環境画像に基づいて、前記周囲環境の属性を特定する属性特定部と、を更に備え、前記座標取得部は、前記属性特定部によって特定された前記周囲環境の属性に基づいて、前記乗員の指示動作による指示方向の実空間の三次元点群を取得するものである。
(17)は、(14)から(16)のいずれか1つの態様の指示計測装置において、前記履歴情報に示される前記サービス提供者に対し、前記指示動作が行われたことを通知する通知部、を更に備えるものである。
(18)は、(17)の指示計測装置において、前記通知部は、前記履歴情報を前記乗員に通知するものである。
(19)は、(14)から(18)のいずれか1つの態様の指示計測装置において、周囲環境を撮像し、周囲環境画像を生成する撮像部を更に備え、前記座標取得部は、周囲環境画像に基づいて三次元点群を供給するインタフェースから、前記撮像部によって撮像された前記周囲環境画像に基づく三次元点群を示す情報を取得するものである。
なお、上述した第7の実施形態は、以下のように表現できる。
(1):本発明の一態様は、車両の外装部に設けられ車外に向けてコンテンツを表示する車外用表示部と、前記車両の環境を取得する車両環境取得部と、前記車両環境取得部により取得された車両の環境に基づいて、前記コンテンツの前記車外用表示部への表示を制御する表示制御部と、を備える車両制御システムである。
(2):(1)の態様において、前記車両環境取得部は、前記車両への注目度合を導出し、前記表示制御部は、前記車外用表示部に第1のコンテンツを表示させた後、前記注目度合が所定値を超えた場合に、第2のコンテンツを表示させるものである。
(3):(2)の態様において、前記第2のコンテンツは、広告情報を含む。
(4):(1)〜(3)の態様のうち何れか一つにおいて、前記車両の自動運転を実行する自動運転制御部を更に備え、前記自動運転制御部は、前記表示制御部により前記コンテンツを表示させるのに連動して、前記車両の速度を制御するものである。
(5):(1)〜(4)の態様のうち何れか一つにおいて、前記表示制御部は、前記車両の走行状態に応じて前記コンテンツの表示を制御するものである。
(6):(1)〜(5)の態様のうち何れか一つにおいて、前記表示制御部は、前記車両環境取得部により取得された前記車両の乗員の状態に応じて前記コンテンツの表示を制御するものである。
(7):(1)〜(6)の態様のうち何れか一つにおいて、前記車両環境取得部は、前記車両の周囲の人物の視線を監視し、前記表示制御部は、前記車両環境取得部により取得された前記車両の周囲の人物の視線方向に基づいて、前記コンテンツに含まれるオブジェクトの位置を切り替えるものである。
(8):(1)〜(7)の態様のうち何れか一つにおいて、コンテンツ提供サーバと通信を行う通信部と、前記通信部によりコンテンツ提供サーバに前記コンテンツを要求するコンテンツ要求を送信する要求部(274)とを更に備え、前記表示制御部は、前記要求部による要求によって、前記コンテンツ提供サーバから取得したコンテンツを前記車外用表示部に表示させるものである。
(9):本発明の他の一態様は、コンピュータが、車両の外装部に設けられた車外用表示部により車外に向けてコンテンツを表示し、前記車両の環境を取得し、取得された前記車両の環境に基づいて、前記コンテンツの前記車外用表示部への表示を制御する車両制御方法である。
(10):本発明の他の一態様は、コンピュータに、車両の外装部に設けられた車外用表示部により車外に向けてコンテンツを表示させ、前記車両の環境を取得させ、取得された前記車両の環境に基づいて、前記コンテンツの前記車外用表示部への表示を制御させる、プログラムである。
(11):本発明の他の一態様は、車両の外装部に設けられ車外に向けてコンテンツを表示する車外用表示部に表示可能なコンテンツを制御するコンテンツ制御部と、前記車両から前記車両の環境情報を取得する取得部と、前記車両の走行中における、前記車両の利用者、または前記車両の運行者と、前記コンテンツとの対応関係を参照する参照部と、を備え、前記コンテンツ制御部は、前記参照部の参照結果に基づき前記コンテンツの利用を許可する車両管理システムである。
(12):(11)の態様であって、前記取得部は、前記車外用表示部に表示中の表示コンテンツと、前記車両への注目度合を取得し、前記車両の利用者、または前記車両の運行者と、前記コンテンツとの対応関係を更新する更新部を備えるものである。
(13):(11)の態様であって、前記コンテンツは、広告情報を含むものである。
(14):(11)の態様であって、前記取得部は、前記車両の自動運転制御部が自動運転制御を実行中であるか否かを示す情報、および前記車両の車外用表示部に表示されたコンテンツの情報を取得し、前記車両が自動運転制御を実行中である場合、前記取得部により取得された前記コンテンツに基づき、前記自動運転制御部に対し走行状態または経路の変更を要求する指示部を備えるものである。
(15):(14)の態様であって、前記指示部は、更に前記取得部が取得した前記車両の環境情報に応じて前記走行状態または経路の変更を要求するものである。
(16):(11)の態様であって、前記参照部は、前記取得部により取得された前記車両の乗員の状態に応じて前記コンテンツと前記車両の利用者、または前記車両の運行者と、前記コンテンツとの対応関係を参照するものである。
(17):(11)の態様であって、前記取得部は、前記車外用表示部に表示中のコンテンツ、および前記車外用表示部において前記コンテンツが表示されている位置に関連付けられた前記車両の周囲の人物の視線を前記車両の環境情報として取得し、取得した環境情報に基づいて、前記車両の利用者、または前記車両の運行者と、前記コンテンツとの対応関係を更新する更新部を備えるものである。
(18):(11)の態様であって、コンテンツ提供サーバと通信を行う通信部と、コンテンツ提供サーバに前記コンテンツを要求するコンテンツ要求を前記通信部に送信させる要求部と、を更に備え、前記要求部による要求によって、前記コンテンツ提供サーバから取得したコンテンツと、前記車両の走行中における前記車両の利用者、または前記車両の運行者との対応関係を更新する更新部を備えるものである。
なお、上述した第8の実施形態は、以下のように表現できる。
(1):車両の自動運転を実行する自動運転制御部と、前記車両の走行時または停止時に、前記車両外の外部機器であって、前記車両の車内における操作インタフェースを用いて操作可能な外部機器の状態を示す状態情報を、前記車内に提供する環境提供部と、を備える車両システムである。
(2):(1)において、前記環境提供部は、前記外部機器の制御状態を示す情報、あるいは、前記外部機器外の検出部により検出された前記外部機器の外部状態のうち少なくとも一つを、前記車内に提供する、ものである。
(3):(1)において、前記環境提供部は、前記外部機器が有する全ての機能動作のうち遠隔操作可能な機能動作についての前記操作インタフェースを、前記車内に提供する、ものである。
(4):(3)において、前記環境提供部は、前記状態情報に基づいて、前記操作インタフェースが受け付ける操作内容を、前記外部機器の制御状態と同期させる、ものである。
(5):(1)において、前記車両内にいる個人を特定する特定部を更に備え、前記環境提供部は、前記特定部により特定された個人が使用可能な前記外部機器を特定し、特定した前記外部機器と接続する、ものである。 (6):(1)において、前記環境提供部は、プロジェクタを含み、前記外部機器の状態情報を車内に表示させる、ものである。
(7):(1)において、前記外部機器と通信する通信部を更に備え、前記環境提供部は、前記車両内にいる人が前記操作インタフェースに対して行った操作を認識し、前記認識した操作に対応する制御信号を前記外部機器側に送信するように前記通信部を制御する、ものである。
(8):(1)において、前記環境提供部は、前記車両の走行状態に基づいて、前記操作インタフェースが受け付ける操作内容を変更する、ものである。
(9):(1)において、前記環境提供部は、前記外部機器が追加された場合、前記追加された外部機器の機能に応じた前記操作インタフェースを追加する、ものである。
(10):(1)において、前記環境提供部は、前記外部機器の種類と、前記外部機器の使用が許可されているか否かを示すアクセス権と、前記外部機器の状態とのうち少なくとも一つに基づいて、前記外部機器と接続される前記操作インタフェースを決定する、ものである。
(11):車両の自動運転を実行する自動運転制御部と、前記車両の走行時または停止時に、前記車両外の外部機器であって、前記車両の車内における操作インタフェースを用いて制御可能な外部機器の状態を示す状態情報を、前記車内に提供する環境提供部と、前記自動運転制御部と前記環境提供部との間の通信を管理する管理装置と、を備える車両システムである。
なお、上述した第9の実施形態は、以下のように表現できる。
(1):この発明の一態様に係る車両システムは、自動運転車両の運行領域を規定する領域指示部と、前記自動運転車両に対する利用者を判別する判別部と、前記判別部により前記自動運転車両を利用可能な利用者であると判別された利用者に対し前記自動運転車両の少なくとも一部を占有利用させる利用許可部と、を備える車両システムである。
(2):上記(1)の態様において、前記領域指示部は、前記運行領域内において、時間帯に応じて異なる経路を前記自動運転車両に指示するものである。
(3):上記(1)または(2)の態様において、利用者の端末装置と通信する通信部と、前記運行領域内を予め決められた経路で巡回走行する規定経路と、前記通信部により受信された情報に基づくオンデマンド経路との一方または双方に基づいて、前記自動運転車両に経路を指示する経路指示部とを、更に備えるものである。
(4):上記(3)の態様において、前記経路指示部は、前記規定経路と、前記オンデマンド経路との優先度を比較し、何れかを前記自動運転車両に指示するものである。
(5):上記(4)の態様において、前記経路指示部は、前記規定経路に対応した前記自動運転車両の利用状況に基づいて、前記オンデマンド経路の走行期間を割り当てるものである。
(6):上記(1)から(5)のうち何れか1つの態様において、前記自動運転車両には、利用者の端末装置と通信し、利用可能な状況であるか否かを示す情報を送信する車載通信部が搭載される。
(7):上記(3)から(6)のうち何れか1つの態様において、複数の前記自動運転車両を、前記運行領域内を巡回走行するために割り当てる車両割当部を更に備えるものである。
(8):上記(1)から(7)のうち何れか1つの態様において、前記自動運転車両は、車内または車外を撮像する撮像部と、前記撮像部により撮像された画像の特徴データをサーバ装置に送信する車載通信部と、前記サーバ装置に少なくとも一時的に記憶される特徴データに基づいてイベントを判定するイベント判定部と、前記イベント判定部により判定されたイベント情報および前記判別部により判別された利用者情報に基づいて通知を提供する提供部と、を更に備えるものである。
(9):この発明の一態様に係る自動運転車両は、車載通信部と、前記車載通信部への受信信号により運行領域を規定する領域指示部と、前記運行領域の範囲内において巡回走行する規定経路を生成する自律制御部と、を備え、前記自律制御部は、前記車載通信部により受信された前記運行領域の利用状況に基づき、オンデマンド経路を前記規定経路に代えて選択する、自動運転車両である。
(10):この発明の一態様に係る車両制御方法は、コンピュータが、運行領域内の自動運転車両に経路を指示し、前記自動運転車両に対して利用可能な利用者を判別し、利用可能な利用者であると判別された利用者に、前記自動運転車両の少なくとも一部を占有利用させ、前記少なくとも一部の占有利用状態に基づき、前記運行領域内の自動運転車両数を制御する、車両制御方法である。
(11):この発明の一態様に係るプログラムは、コンピュータに、運行領域内の自動運転車両を特定させ、前記特定された自動運転車両に対し経路を指示させ、前記自動運転車両に対して利用可能な利用者を判別させ、利用可能な利用者であると判別された利用者に対する、前記自動運転車両の少なくとも一部の占有利用を開始させ、前記少なくとも一部の占有利用状態を継続的に監視し、該占有利用状態に基づき前記運行領域内の自動運転車両数を制御させる、プログラムである。
以上、本発明を実施するための形態について実施形態を用いて説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。