JP2017061168A - 車両の自動運転装置 - Google Patents
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Abstract
車両の走行状態を表す走行パラメータが目標値に一致するように運転者が車両を運転する場合に操作する入力装置の操作量を表す入力パラメータを定式化された数式の演算によって逐次決定し、その入力パラメータに基づいて前記車両を運転する車両の自動運転装置において、運転特性を容易に切り替えることが可能な車両の自動運転装置を提供すること。
【解決手段】
定式化された数式のパラメータの集合(組合せ)をドライバーモデルとして複数記憶し、自動運転の実行時に記憶された複数のドライバーモデルのうちのいずれかを反映させることによって運転特性を切り替える。
【選択図】図6
Description
前記入力パラメータ演算部は、
車両の走行状態を表す走行パラメータが目標値に一致するように「運転者が前記車両を運転する場合に操作する入力装置」の操作量を表す入力パラメータを定式化された数式の演算によって逐次決定する。
前記入力パラメータ演算部によって決定された前記入力パラメータに基づいて前記車両を運転する。
前記記憶部は、
前記定式化された数式のパラメータの集合(組合せ)であるドライバーモデルを複数記憶する。
前記記憶部に記憶された複数のドライバーモデルのいずれかを前記定式化された数式の演算に反映させることによって「前記車両が前記自動運転部により運転されるときの運転特性」を変化させる。
前記ドライバーモデル生成部は、
一連の前記走行パラメータが「一連の前記目標値である目標データセット」と一致するように運転者が実際に前記入力装置を操作することによって得られた一連の前記入力パラメータである第1データと、
一連の前記走行パラメータが前記目標データセットと一致するように前記定式化された数式の演算によって決定された一連の前記入力パラメータである第2データと、
の間の差分が最小となるように前記ドライバーモデルを決定し、
前記決定されたドライバーモデルを前記記憶部に記憶させる。
前記記憶部は、
少なくとも第1の前記ドライバーモデル及び第2の前記ドライバーモデルを記憶し、
前記第2のドライバーモデルは、
前記自動運転部によって前記車両が運転されるとき、前記第2のドライバーモデルが前記定式化された数式の演算に反映される場合、前記第1のドライバーモデルが反映される場合と比較して、「前記入力パラメータのうちの特定入力パラメータ」の単位時間あたりの変化量が少なくなるように構成される。
前記自動運転部によって前記車両が運転されるとき、前記第2のドライバーモデルが前記定式化された数式の演算に反映される場合、前記第1のドライバーモデルが反映される場合と比較して、前記特定走行パラメータと同特定走行パラメータの目標値との間の差分が大きくなるように構成される。
<第1実施形態>
本発明の第1実施形態に係る車両の自動運転装置(以下、「第1装置」とも称呼される。)は、図1に示されるドライブシミュレータ10に適用される。ドライブシミュレータ10は、操作部20及び演算部30を含んでいる。
操作部20は、操舵ハンドル21、アクセルペダル22、ブレーキペダル23、シフトレバー(不図示)、ディスプレイ25及びダッシュボード26を含んでいる。
演算部30は、模擬車両Cm1の燃費FEを測定(推定)する燃費測定走行を実行することができる。燃費測定走行の実行時、演算部30は、時間の経過と共に変化する車速Vの目標値である目標車速Vtをディスプレイ25の一部に表示させる。本例において、目標車速Vtは、図2の曲線L1に示される国土交通省によって定められたJC08モード燃費の走行速度パターンに従って変化する。模擬車両Cm1が図2の曲線L1に表される走行速度パターンに従って走行すると、模擬車両Cm1の走行距離は8.172kmとなる。
更に、演算部30は、燃費測定走行を自動的に行うことができる。即ち、運転者がアクセルペダル22及びブレーキペダル23を操作することなく、演算部30は、車速Vが目標車速Vtに一致するように入力パラメータ(この場合、アクセル操作量Ap及びブレーキ操作量Bp)を決定し、その入力パラメータに従って模擬車両Cm1を走行させる。演算部30が自動的に行う燃費測定走行は、「自動速度追従処理」とも称呼される。
(a2)演算部30は、時刻kから時刻(k+予測ステップ数N)までの期間を考慮した評価関数の出力値Jが最少となる入力パラメータを算出する。
(a3)演算部30は、算出された時刻kから時刻(k+予測ステップ数N)までの期間における各時刻に対応する入力パラメータのうち、時刻kに対応する入力パラメータを採用する。
x(k+1)=Ax(k)+Bu(k) ……(1)
ここで、初期状態はx(0)=0である。
加えて、行列A=[1]であり、行列B=[Δt]である。
ここで、Nは、予測ステップ数、
Sfは、評価関数における終端重み、
Qは、現在値と目標値との間の誤差に関する誤差評価重み、
Rは、入力値に関する入力値評価重みである。
予測ステップ数N、終端重みSf、誤差評価重みQ及び入力値評価重みRの決定方法については後述される。
Ax(k)+Bu(k)−x(k+1)=0 ……(3)
X=Ax(k)+BU ……(4)
加えて、上記式(2)の評価関数を行列式で表すと、下式(5)が得られる。
ここで、X、Xref、行列A及び行列Bは、(N+1)行×1列の実数行列、
Uは、N行×1列の実数行列、
行列Qは(N+1)行×(N+1)列の実数行列、
行列Rは、N行×N列の実数行列である。
加えて、記号diagにより表される行列Q及び行列Rは、括弧([])内の要素を
対角に並べた対角行列(或いは、ブロック対角行列)である。
従って、時刻t=kであるときの加速度u(k)は、行列Uの1行目の値として得られる。
Jan M. Maciejowski(著)足立 修一, 管野 政明(訳)「モデル予測制御 制約のもとでの最適制御」 東京電機大学出版局 (2005) (参考文献1)、及び、
大塚敏之「非線形最適制御入門」 コロナ社 (2011) (参考文献2)
に、より詳細に記載されている。
演算部30は、モデル予測制御により目標加速度Atを決定するに際して制御パラメータである予測ステップ数N、誤差評価重みQ及び入力値評価重みRを予め決定しておく必要がある。本例において、予測ステップ数Nは1〜50の整数であり、誤差評価重みQ及び入力値評価重みRは実数である。
演算部30は、umpc(k)を算出するため、以下の(b1)〜(b5)の処理を実行する。
(b1)演算部30は、運転者による燃費測定走行の開始時刻をt=1とし、燃費測定走行の開始時刻t=1における加速度は「0」とする(即ち、x(1)=0)。
(b2)上記式(7)に基づいて、ある制御パラメータの組合せ(N,Q,R)に対応する時刻tから時刻(t+予測ステップ数N×演算周期Δt)までの期間のN個のu(k)の集合を要素とする行列U(t,N,Q,R)を算出する。行列U(t,N,Q,R)は、下式(9)のように表すことができる。
(b3)行列U(t,N,Q,R)の要素のうち、時刻tに対応する値u(t,N,Q,R)をモデル予測制御によって決定されたu(k)であるumpc(t,N,Q,R)とする(即ち、umpc(t,N,Q,R)=u(t,N,Q,R))。
(b4)上記式(1)に基づいて、時刻(t+Δt)のときの車速Vであるxmpc(t+1,N,Q,R)を算出する。即ち、下式(10)の演算を実行する。
xmpc(t+1,N,Q,R)=Axmpc(t,N,Q,R)
+Bumpc(t,N,Q,R) ……(10)
(b5)時刻tが解析終了時刻Tterであれば、演算部30は、処理を終了する。一方、時刻tが解析終了時刻Tterに達していなければ、時刻を演算周期Δtだけ進め、上記処理(b2)に戻る。ここで、解析終了時刻Tterは、燃費測定走行の終了時刻Tendよりも(予測ステップ数N×演算周期Δt)だけ前の時刻である(即ち、Tter=Tend−N)。
J. A. Nelder and R. Mead, "A simplex method for function minimization," Computer Journal, Vol. 7 308-313 (1965) (参考文献3)
に、より詳細に記載されている。
車両(模擬車両Cm1)の走行状態を表す走行パラメータ(ヨー角θ、機関回転速度NE及び車速V)が目標値に一致するように運転者が前記車両を運転する場合に操作する入力装置の操作量を表す入力パラメータ(操舵角度δ、アクセル操作量Ap、ブレーキ操作量Bp及びシフトポジションPs)を定式化された数式の演算(式(7))によって逐次決定する入力パラメータ演算部(演算部30)と、
前記入力パラメータ演算部によって決定された前記入力パラメータに基づいて前記車両を運転する自動運転部(演算部30)と、
を備え、
前記定式化された数式のパラメータの集合であるドライバーモデル(運転者Aのドライバーモデル及び運転者Bのドライバーモデル)を複数記憶する記憶部(HDD36)を備え、
前記入力パラメータ演算部は、
前記記憶部に記憶された複数のドライバーモデルのいずれかを前記定式化された数式の演算に反映させることによって前記車両が前記自動運転部により運転されるときの運転特性を変化させる(図8及び図9)、ように構成されている。
一連の前記走行パラメータが一連の前記目標値である目標データセット(xref(k))と一致するように運転者が実際に前記入力装置を操作することによって得られた一連の前記入力パラメータである第1データ(uh(k))と、一連の前記走行パラメータが前記目標データセットと一致するように前記定式化された数式の演算によって決定された一連の前記入力パラメータである第2データ(umpc(k))と、の間の差分が最小となるように前記ドライバーモデルを決定し、前記決定されたドライバーモデルを前記記憶部に記憶させるドライバーモデル生成部を備えている。
少なくとも第1の前記ドライバーモデル(運転者Aのドライバーモデル)及び第2の前記ドライバーモデル(運転者Bのドライバーモデル)を記憶し、
前記第2のドライバーモデルは、
前記自動運転部によって前記車両が運転されるとき、前記第2のドライバーモデルが前記定式化された数式の演算に反映される場合、前記第1のドライバーモデルが反映される場合と比較して、前記入力パラメータのうちの特定入力パラメータの単位時間あたりの変化量が少なくなる(図6、図8及び図9)、ように構成されている。
前記自動運転部によって前記車両が運転されるとき、前記第2のドライバーモデルが前記定式化された数式の演算に反映される場合、前記第1のドライバーモデルが反映される場合と比較して、前記特定走行パラメータと同特定走行パラメータの目標値との間の差分が大きくなる(図6、図8及び図9)ように構成されている。
次に、第1装置の変形例について説明する。上述した第1装置は、ドライブシミュレータ10に適用されていた。これに対し、本変形例は実際の車両Cr1に適用される点において第1装置と相違する。従って、以下、この相違点を中心に説明する。
次に、本発明の第2実施形態に係る車両の自動運転装置(以下、「第2装置」とも称呼される。)について説明する。第1装置は、燃費測定走行を自動的に実行することが可能であった。これに対し、第2装置は、テストコース上のセンターラインを自動的に追尾して走行することが可能である点において第1装置と相違する。従って、以下、この相違点を中心に説明する。
更に、演算部30は、経路走行を自動的に行うことができる。即ち、運転者が操舵ハンドル21及びアクセルペダル22等を操作することなく、演算部30は、模擬車両Cm2にセンターライン61上を走行させる。演算部30が自動的に行う経路走行は、「自動車線追従処理」とも称呼される。
β:車体滑り角
r:ヨーレート
vx:前後方向速度
vy:左右方向速度
Yf:前輪横力
Yr:後輪横力
βf:前輪スリップ角
βr:後輪スリップ角
Kf:前輪コーナリングスティッフネス
Kr:後輪コーナリングスティッフネス
m:車両質量
Iz:車体ヨー慣性モーメント
Lf:車体重心から前輪軸までの距離
Lr:車体重心から後輪軸までの距離
通常、前輪スリップ角βf及び後輪スリップ角βrは微小な値であるので、前輪横力Yfの大きさは前輪スリップ角βfの大きさに比例し且つ方向が逆である。同様に、後輪横力Yrの大きさは後輪スリップ角βrの大きさに比例し且つ方向が逆である。そこで、下式(17)及び下式(18)が得られる。
追随誤差yeの単位時間あたりの変化量は車速VのTy方向成分に等しい。加えて、車速Vの方向とTx方向とのなす角は、車体滑り角βと角度誤差θeとの和に等しい。従って、車体滑り角β及び角度誤差θeが微小であるとすれば、下式(25)が得られる。更に、式(25)の両辺を時刻tに関して微分すれば、下式(26)が得られる。
安部正人「自動車の運動と制御」 東京電機大学出版局 (2012) (参考文献4)
に、より詳細に記載されている。
演算部30は、HDD36上に9個のドライバーモデルを記憶している。ドライバーモデルのそれぞれは、図15の点P1〜P4及び点Q1〜Q5によって示される。図15の横軸は予測ステップ数Nであり、縦軸は入力値評価重みRに対する誤差評価重みQの比(即ち、Q/R)である。縦軸のQ/Rは、常用対数によって表されている。本例において、誤差評価重みQ及び終端重みSfは固定値であり、Q=1且つ=Sf1000である。従って、予測ステップ数N及び入力値評価重みRの組合せがドライバーモデルを構成している。
d=(δ(fb)−δ(fa))/(fb−fa)
=δ(fb)−δ(fa) ……(37)
ただし、e(i)は、距離f=1,2,…ftに対する模擬車両Cm2
の位置とセンターライン61との間の距離
evは、距離f=1,2,…ftに対するe(f)の平均値
前記記憶部(HDD36)は、
少なくとも第1の前記ドライバーモデル(ドライバーモデルQ1)及び第2の前記ドライバーモデル(ドライバーモデルP1)を記憶し、
前記第2のドライバーモデルは、
前記自動運転部(演算部30)によって前記車両が運転されるとき、前記第2のドライバーモデルが前記定式化された数式の演算に反映される場合、前記第1のドライバーモデルが反映される場合と比較して、前記入力パラメータのうちの特定入力パラメータの単位時間あたりの変化量が少なくなる(図17(A)及び(B))、
ように構成されている。
前記自動運転部によって前記車両が運転されるとき、前記第2のドライバーモデルが前記定式化された数式の演算に反映される場合、前記第1のドライバーモデルが反映される場合と比較して、前記特定走行パラメータと同特定走行パラメータの目標値との間の差分が大きくなる(図17(A)及び(B))ように構成されている。
次に、第2装置の変形例について説明する。上述した第2装置は、ドライブシミュレータ11に適用されていた。これに対し、本変形例は実際の車両Cr2に適用される点において第2装置と相違する。従って、以下、この相違点を中心に説明する。
Claims (4)
- 車両の走行状態を表す走行パラメータが目標値に一致するように運転者が前記車両を運転する場合に操作する入力装置の操作量を表す入力パラメータを定式化された数式の演算によって逐次決定する入力パラメータ演算部と、
前記入力パラメータ演算部によって決定された前記入力パラメータに基づいて前記車両を運転する自動運転部と、
を備える車両の自動運転装置であって、
前記定式化された数式のパラメータの集合であるドライバーモデルを複数記憶する記憶部を備え、
前記入力パラメータ演算部は、
前記記憶部に記憶された複数のドライバーモデルのいずれかを前記定式化された数式の演算に反映させることによって前記車両が前記自動運転部により運転されるときの運転特性を変化させる、
ように構成された自動運転装置。 - 請求項1に記載の車両の自動運転装置であって、
一連の前記走行パラメータが一連の前記目標値である目標データセットと一致するように運転者が実際に前記入力装置を操作することによって得られた一連の前記入力パラメータである第1データと、一連の前記走行パラメータが前記目標データセットと一致するように前記定式化された数式の演算によって決定された一連の前記入力パラメータである第2データと、の間の差分が最小となるように前記ドライバーモデルを決定し、前記決定されたドライバーモデルを前記記憶部に記憶させるドライバーモデル生成部を備える自動運転装置。 - 請求項1又は請求項2に記載の車両の自動運転装置において、
前記記憶部は、
少なくとも第1の前記ドライバーモデル及び第2の前記ドライバーモデルを記憶し、
前記第2のドライバーモデルは、
前記自動運転部によって前記車両が運転されるとき、前記第2のドライバーモデルが前記定式化された数式の演算に反映される場合、前記第1のドライバーモデルが反映される場合と比較して、前記入力パラメータのうちの特定入力パラメータの単位時間あたりの変化量が少なくなる、
ように構成された自動運転装置。 - 請求項3に記載の車両の自動運転装置において、
前記第2のドライバーモデルは、
前記自動運転部によって前記車両が運転されるとき、前記第2のドライバーモデルが前記定式化された数式の演算に反映される場合、前記第1のドライバーモデルが反映される場合と比較して、前記特定走行パラメータと同特定走行パラメータの目標値との間の差分が大きくなるように構成された自動運転装置。
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A02 | Decision of refusal |
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