JP2005066745A - 案内ロボットシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】訪問者の状況を把握して、訪問者の移動状況に対応しつつ、案内先への案内ロボットによる案内を確実に実行する
【解決手段】走行駆動装置を具えていて、施設内において訪問者30を案内する自律走行型の案内ロボット20と、案内ロボットの位置を検出する第1位置検出手段50と、訪問者の位置を検出して案内ロボットに伝える第2位置検出手段40と、案内ロボット及び訪問者間の相対距離を特定する案内ロボットに設けられた位置特定部と、相対距離に応じて案内ロボットの走行を制御する走行制御部27とを具える。
【選択図】図2
【解決手段】走行駆動装置を具えていて、施設内において訪問者30を案内する自律走行型の案内ロボット20と、案内ロボットの位置を検出する第1位置検出手段50と、訪問者の位置を検出して案内ロボットに伝える第2位置検出手段40と、案内ロボット及び訪問者間の相対距離を特定する案内ロボットに設けられた位置特定部と、相対距離に応じて案内ロボットの走行を制御する走行制御部27とを具える。
【選択図】図2
Description
この発明は、例えば、会社、美術館又は博物館といった施設を訪れた訪問者を、施設内の特定の案内先へ案内する案内ロボットシステムに関する。
人件費の削減要求等により、施設を訪問した訪問者を、人に代わって受付及び案内等するロボットシステムが知られている。
このロボットは、案内先の情報を表示する表示部、訪問者が行き先を入力する操作部及び走行ラインを走行するための走行駆動部を具え、訪問者を指定された目的の場所まで誘導する(例えば、特許文献1、請求項参照。)。
特開平07−239671号公報
従来の案内ロボットは、指定された目的の場所までの自律走行は可能である。しかしながら、一旦案内が開始されると、例えば、訪問者が立ち止まったり、指定された目的の場所に向かう方向とは異なる誤った方向へ進んでしまったりした場合でも、案内の必要な訪問者の状況に関係なく、案内の終了まで一定の連続した動作しか実行することができなかった。
従って、訪問者の案内を、案内中の訪問者の状況に応じて柔軟かつ確実に行うことができる案内ロボットシステムが嘱望されている。
そこで、この発明の目的は、案内ロボットによる案内中途の訪問者の状況を自律的に判断して、訪問者の状況に対応して確実な案内を実行することができる案内ロボットシステムを提供することにある。
この目的の達成を図るため、この発明の案内ロボットシステムは、下記のような構成上の特徴を有している。
この発明の案内ロボットシステムは、案内ロボットと、この案内ロボットの位置を検出する案内ロボット位置検出手段(以下、第1位置検出手段と称する。)と、この案内ロボットに訪問者の位置を検出して伝える訪問者位置検出手段(以下、第2位置検出手段と称する。)を具えている。
この案内ロボットは、第1位置検出手段からの第1位置情報すなわち案内ロボットの位置情報から案内ロボットの位置を特定するとともに、第2位置検出手段からの第2位置情報すなわち訪問者の位置情報から訪問者の位置を特定して案内ロボットと訪問者との間の相対距離を特定する位置特定部を具えている。さらに案内ロボットは、この相対距離に応じて案内ロボットの走行を制御するための走行制御部を具えている。
この発明の案内ロボットシステムの構成によれば、訪問者位置特定部が訪問者の移動に追従して訪問者の位置情報を取得してこの位置情報を案内ロボットに送るので、案内ロボットは、その位置特定部においてこの位置情報から訪問者の位置を把握することができる。
従って、訪問者が、急に立ち止まったり、予想外の方向に移動してしまったりして予定の案内経路を外れてしまったとしても、案内ロボットは、訪問者の位置を把握できるので、走行速度を訪問者の歩行速度に合わせて走行することができる。また、走行を停止して訪問者が追いつくのを待つ等することで施設内の案内を続行することができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施の形態につき説明する。以下の説明に用いる各図において同様の構成成分については、同一の符号を付して示し、その重複する説明を省略する場合もあることを理解されたい。
図1を参照して、この発明の案内ロボットシステムの構成例につき説明する。図1は、この発明の案内ロボットシステム10の構成例を説明するための概略的な模式図である。
この発明の案内ロボットシステム10は、少なくとも案内ロボット20と、訪問者30の位置を検出する位置検出手段40とを含んでいる。
案内ロボット20は、施設内において訪問者30を案内する自律走行型のロボットである。
(第1の実施の形態)
図2から図4を参照して、この発明の第1の実施の形態の案内ロボットシステム10の構成例につき説明する。
図2から図4を参照して、この発明の第1の実施の形態の案内ロボットシステム10の構成例につき説明する。
図2は、第1の実施の形態の案内ロボットシステム10の構成を説明するための概略的な模式図である。図3は、第1の実施の形態の案内ロボットシステム10の内部の機能的な構成を電気的な接続関係で説明するための概略的な機能ブロック図である。
案内ロボットシステム10は、任意好適な周知のタイプの案内ロボット20と、この案内ロボット20に個別に設けられている案内ロボット位置検出手段(第1位置検出手段)50と、訪問者30の位置を検出する訪問者位置検出手段(第2位置検出手段)40とを具えている。この訪問者位置検出手段40は、訪問者30側に装備される器具である。
この案内ロボット20は、その内部にいわゆるフォン・ノイマン型のアーキテクチャを有するコンピュータ12を具えている。
このコンピュータ12は、図3に示したように、CPU(中央処理装置とも称する。)14と、出力部29と、入力情報入力部(図中、単に入力部として示してある。)23と、記憶部24と、通信部26とを主として具えている。その他に、この実施の形態では、障害物検知器22aと、案内ロボットIDリーダ53と、走行駆動装置27aとがコンピュータ12に接続されて設けられている。
CPU14は、制御部21と、演算部28とを主として具えている。制御部21は、プログラムの命令や各機能部との信号のやりとりなどといった、コンピュータ12の全体の制御を行う部分である。演算部28は、この実施の形態では、出力生成部25、障害物検知処理部22、走行制御部27、及び位置特定部52とから構成されている。位置特定部52は照合部52aと決定部52bとを具えている。
案内ロボット20は、案内ロボット20の特に進行方向に対する障害物を検知するための、上述した障害物検知器22aを具え、この検知器22aは、障害物検知処理部22に接続されている。この障害物検知器22aとしては、そのサイズ、重量及びコスト等の要件を考慮して、従来公知の構成の検知器を適宜選択することができる。例えば、具体的には検知器22aとして従来公知のカメラシステム、超音波センサ等を用いる。例えば、検知器22aの制御及び検知された情報の解析を行うプログラムを記憶部24に予め格納しておいて、必要なときに読み出してCPU14の障害物検知処理部22で解析し、かつ制御を行う構成とするのがよい。
案内ロボット20の入力情報入力部23は、訪問者30が待機状態の案内ロボット20に対して案内を開始させるために、起動を誘起する信号を入力したり、案内ロボットシステム10の管理者等が、案内ロボット20に対して直接的に命令の入力を行ったり、所要のプログラムの書き込みを行ったり、管理者又は訪問者30等が、施設内における案内先の選択などの所定の入力情報の入力を行うための機能部である。入力部23としては、具体的には押ボタンスイッチ等、機械的・電気的に作動する従来公知のキーボード、マウス等、電気的・光学的に作動する従来公知のタッチパネル等あるいはこれら複数の組み合わせのうち、任意好適なものを使用すればよい。
また、記憶部24には、予め、後述するIDタグの個別の識別情報(IDコード)と、これに対応する位置情報(位置座標情報)とが関連付けられた状態で、参照位置情報として、読み出し可能に格納される。
案内ロボット20は、案内ロボット位置検出手段(第1位置検出手段)50を具えている(図2参照)。案内ロボット位置検出手段50には、ID情報発生部44と、案内ロボット側のID情報読取部53とが含まれている。ID情報発生部44は、好ましくは、いわゆるIDタグで構成するので、以下単にIDタグ44とも称される。また、ID情報読取部53は、上述したように案内ロボット20に設けられている。この読取部53を案内ロボットIDリーダ53又は単にIDリーダ53とも称する。
IDタグ44は、施設内の床面(ロボット走行床とも称する。)に1つ又は直線状あるいは格子状に、好ましくは、それぞれ互いに等間隔となるように2個以上の複数個を配置しておく。また、IDタグ44は、IDタグごとに個別の識別情報(又は認識情報ともいう。)をIDタグの位置座標を特定するための位置座標情報として与えられている。
IDリーダ53は、案内ロボット20の外部又は内部を問わない部分領域に設けておく。案内ロボット20は、IDリーダ53によって、床面に設けられたIDタグ44に格納されている情報を読み取り可能となる。IDリーダ53が読み取るIDタグ44の位置情報を第1位置情報とする。
ここで、図4を参照して、施設の床面に設けられているIDタグ44の配置関係につき説明する。図4は、複数個のIDタグ44の配置及び後述する案内ロボット20の走行制御ステップを説明するための概略的な図である。
この例では、縦5個×横4個の格子状に、すなわち5行4列のマトリクス状に20個のIDタグ44が、行方向及び列方向に、それぞれ互いに一定の間隔Lで、配置されている例を示してある。この間隔Lは、任意好適な間隔とすることができるが、案内ロボット及び訪問者の位置の経時的な検出精度を上げるためには、間隔Lをなるべく小さくするのがよい。説明の便宜上、左下角隅部のIDタグ44に識別情報として“ID1”の符号(格納される電子的なIDコードとも称する。)を付し、図の左から右方向及び下から上方向に向かって、符号の数字が増加するように示してある。従って、ID4とID12の2つのIDタグ44同士の間隔は2Lであり、ID4とID16との間隔は3Lであり、ID4とID20との間隔は4Lである。
なお、この構成例は単なる例示に過ぎず、IDタグ44は、施設の床面のうち、少なくとも案内ロボット20及び訪問者30の双方又は一方の存在が予想し得る領域、すなわち双方の予想行動範囲に複数個配列して設けてあればよい。また、必ずしも複数のIDタグ44同士を等間隔に設けなくともよい。
IDリーダ53は、IDタグ44の識別情報を効率よくかつ確実に読み取ることができる、案内ロボットの位置に取り付けられている。この場合には、IDリーダ53は、個々のIDタグ44のIDコードを読み取る際の読み取り精度、識別精度等を考慮して、好ましくは床面に配置されているIDタグ44に対して、最短対向距離が数センチメートルの距離で、対向できるような箇所に設けるのがよい。
ここで、図5(A)及び(B)を参照して、IDタグ44及びIDリーダ53の構成につき説明する。
図5(A)は、IDタグ44の機能的な構成を説明するための概略的な機能ブロック図である。図5(B)は、IDリーダ42及び53の機能的な構成を説明するための概略的な機能ブロック図である。
この明細書でいうIDタグ44及びIDリーダ42及び53には、従来公知の構成を適用することができる。従って、IDタグ44、IDリーダ42及び53のハードウェア構成の詳細な説明は省略して概略的にのみ説明する。
IDタグ44は、アンテナ44aと、このアンテナ44aが受信した電力供給信号を直流電力に変換してIDタグ44中の各部に供給する電源生成回路44bと、IDリーダ53からアンテナ44aに受信されたIDコード要求信号を復調する復調回路44cと、IDタグ44に予め割り当てられてIDコードメモリ44dに書き込まれている固有のIDコードを変調回路44fに出力する制御回路44eと、IDコードを変調する変調回路44fとを具えている。最終的に、変調回路44fで変調された固有のIDコードは、アンテナ44aからIDリーダ53へと送信される。
IDリーダ53は、案内ロボット20のCPU14側から供給されるIDコード要求信号を変調する変調回路53aと、変調回路53aから出力された信号(電力供給信号およびID要求信号)をIDタグ44に送信するアンテナ53bと、IDタグ44からアンテナ53bに受信した信号(IDコード)を復調する復調回路53cと、変調回路53aおよび復調回路53cの送受信制御及び外部の入出力装置に対する送信処理を行う通信制御回路53dと、上述した各回路へ電源電圧を与える電源部53eとを少なくとも具えている。なお、53fはD/Aコンバータであり、53gはA/Dコンバータであって、IDリーダ53又はコンピュータ12側に設けられている。
上述したIDタグ44の構成は、例えばDSP(デジタル信号処理回路)等の他の回路構成を用いて形成してもよい。同様にIDリーダ42及び53を、例えばMPU(マイクロプロセッシングユニット)等を含む他の周知の回路構成を用いて形成してもよい。
このように、IDタグ44は、案内ロボット20の入力部23から入力された指令に基づいて、CPU14を経て、IDリーダ53の要求により、IDリーダ53に対してそれぞれのIDタグ44が格納する固有のIDコードで応答する構成になっている。
この発明の案内ロボットシステム10は、第2位置検出手段すなわち訪問者位置検出手段40を具えている。この訪問者位置検出手段40は、訪問者が装着するID情報読取部、すなわちこの例では訪問者IDリーダ42と、既に説明したIDタグ44とから構成される。従って、この実施の形態の構成例では、IDタグ44は、訪問者IDリーダ42及び案内ロボットIDリーダ53に共用される。すなわち、IDタグ44は訪問者位置検出手段40及び案内ロボット位置検出手段50に共通の構成要素である。
IDリーダ42は、上述のIDリーダ53と同様の理由により、好ましくは床(案内ロボット走行床)面に配置されているIDタグ44に対して、最短対向距離が数センチメートルの距離で、対向するような高さ位置に装着されるのがよい。
IDリーダ42は、施設側が用意した履物に、予め装着又は内蔵しておくのがよい。あるいは訪問者IDリーダ42を、例えば面ファスナ、クリップといったなんらかの固着手段により、訪問者30自身の履物に固着する構成とするのがよい。なお、このIDリーダ42が読み取るIDタグ44の識別情報を第2位置情報とする。
このような構成とすれば、訪問者30が施設内を歩行しても、IDリーダ42は、いずれかのIDタグ44の情報を受信できる領域に存在することができ、従って、訪問者30に関する位置情報を確実に案内ロボット20に伝送することができる。その結果、訪問者IDリーダ42によるIDタグ44の識別情報を効率よくかつ確実に読み取ることができる。
案内ロボット20は、訪問者30の位置を把握することができるので、例えば走行速度を調節して、訪問者30と案内ロボット20との距離を保つ構成とすれば、案内ロボット20から離れないように、歩行速度を意識的に速めてもらうといった動作を訪問者30に要求することはない。
また、案内ロボット20は、CPU14に接続されている記憶部24を具えている。この記憶部24には、プログラム及びデータを読み出し可能な状態で格納して保存するハードディスク、EPROM、各種の不揮発性メモリ装置等の記憶媒体、及びプログラム等を実行するにあたり、ハードディスク、EPROM等の記憶媒体から読み出されたデータを一時記憶する各種のRAM(ランダムアクセスメモリ)が含まれる。
この記憶部24には、案内ロボット20、すなわち案内ロボット20の各機能部を制御するソフトウェアであるプログラムに加えて、障害物検知器22aにより検知された障害物情報、入力情報、IDタグ44の識別情報(IDコード)、個別のIDコードに対応する位置座標情報、及び施設内の案内経路等を含む地図情報を含む情報群が格納される。また、この記憶部24には、案内ロボット20を稼働させるために種々の判断を行うための所要の判断基準等も予め読み出し自在に格納されている。
案内ロボット20は、既に説明したとおり、コンピュータ12の出力部29、CPU14内の出力生成部25とを具えている。
出力生成部25は、外部からの指令により、及び/又はCPU14内の内部処理によって、映像信号、音声信号、印字信号及び外部への伝送用の信号等の任意好適な信号を生成する。
出力部29は、出力生成部25により生成された各種信号を外部へ出力する。
出力部29には、映像信号を受けて画像表示する表示部29aや、音声信号を出力する音声出力部29bや、印字信号を受けて印字を行うプリンタ等が設計に応じて含まれている。
この表示部29aは、出力生成部25で生成された情報を直接表示するか、一旦、記憶部24に格納されている情報群から選択された情報を表示する。この表示部29aは、好ましくは上述したような情報入力のための入力部23としてタッチパネルを兼ね具えているのがよい。
案内ロボット20は、自律走行を行うための車輪等を含む走行駆動装置27aを具える。この走行駆動装置27aの駆動方向や距離や速度を走行制御部27で算出して走行駆動装置27aに指示を与える。この走行駆動装置27aには、この発明の目的を損なわない範囲で、従来公知の自律2足歩行を行う構成としてもよいし、無限軌道等の構成を適用してもよい。
案内ロボット20は、外部と情報の受け渡しを行うための通信部26を具えている。通信部26は、無線又は有線の電気的或いは光学的な手段による回線を使用するものであり、例えば、上述した外部伝送用信号を送出する。いずれの手法を用いる通信部とするかは、単なる設計事項である。また、通信部26は、外部からの又は外部への信号がアナログ信号の場合には、A/Dコンバータ及びD/Aコンバータを具えている。
また、電気、光等の通信媒体を問わず、この発明の目的を損なわない範囲で従来公知の構成を通信部26に適用することができる。好ましくは通信部26を双方向通信が可能な構成とするのがよい。
案内ロボット20の上述した出力生成部25を、例えば、外部に対して音声案内を行う音声合成出力生成部とするのが好適である。出力生成部25は、出力部29を介して合成音声を発生させる。出力生成部25は、予め記憶部24に格納されている音声データが与えられて、これら音声データに基づいて合成した音声出力が出力部29から出力される。
出力部29には、既に説明したとおり、音声出力部29bが設けられていて、出力生成部25が合成する音声を訪問者30等に伝達することができる。
記憶部24には、例えば「あ」、「い」、「う」、・・・、「ん」の50音等を含む単音節又は複音節の音声データを組み合わせて、例えば、「おはよう」及び「ございます」といった高頻度での使用が予想されるメッセージ、すなわち複数の音節からなる音声データが格納されている。従って、出力生成部25は、複数の音声データを必要に応じて単独、又は組み合わせた合成音声を生成する構成としてもよい。上述した例では、出力生成部25を上述したCPU14の機能部の1つとして説明したが、これに限定されず、CPU14とは別体の機能部として従来公知の音声合成LSIを使用して構成することもできる。
この実施の形態の訪問者位置検出手段40には、図2に示すように、上述した訪問者IDリーダ42及びIDタグ44に加え、訪問者IDリーダ42が読み込んだIDコードを案内ロボット20の通信部26に送信する携帯通信端末装置46を含んでいる。携帯通信端末装置46は、訪問者30が容易に装着又は携帯することが可能な構成とするのがよい。
ここで、図6を参照して、携帯通信端末装置46の一構成例につき説明する。図6は、携帯通信端末装置46の電気的構成例を説明するためのブロック図である。
携帯通信端末装置46は、端末処理部47、無線通信部48a、端末出力部48b、IDリーダインタフェース部48c、端末入力部48d、記憶部48e及びアンテナ49を具えている。
この端末処理部47は、プログラム等の指令を処理するCPU、MPUに相当する機能部を構成していて、電気的に接続されている他の構成要素を制御して適切に動作させる。この例では、端末処理部47は、バスを介して、無線通信部48a、端末出力部48b、IDリーダインターフェース部48c、端末入力部48d及び記憶部48eとそれぞれ接続されている。
端末処理部47は、制御部47aと、出力生成部47bを主として具えている。制御部47aは、端末装置46の各構成要素間での信号のやりとりを制御したり、プログラムの命令や解決等の端末装置46の動作に必要な諸制御を行う機能部である。
出力生成部47bは、端末装置46のアンテナ49から外部へ伝達するための信号や、端末出力部48bに出力するための映像信号や音声信号等や、IDリーダ42への制御信号等の各種信号を必要に応じて生成する。
無線通信部48aは、訪問者位置検出手段40が取得した訪問者位置情報を無線により案内ロボット20に伝送するためのものであり、外部へアナログ信号を送信するためのD/Aコンバータと外部からのアナログ信号を受信するためのA/Dコンバータとを具えている。無線通信部48aには、アンテナ部49が接続されている。これら無線通信部48a及びアンテナ部49により案内ロボット20との通信を行う。
端末出力部48bは、好ましくは案内ロボット20からのメッセージを伝達することができる手段、例えば、液晶ディスプレイ、その他の任意好適な表示装置を具えるのがよい。
このようなメッセージ手段としては、さらにLED等による光学的な伝達手段、従来公知の携帯電話に搭載されているようなバイブレーションによる伝達手段、アナウンス等による音声手段又はこれらの任意好適な組み合わせとすることができる。
携帯通信端末装置46に、このようなメッセージ伝達手段を搭載すれば、後述する説明から明らかなように、例えば訪問者30が後述するように案内経路から外れて案内ロボット20から認識されなくなってしまったとしても訪問者30に対してメッセージを伝達することで案内経路への自発的な復帰を促すことができる。従って、訪問者30に対して、より確実な案内先への誘導を行うことができる。
IDリーダインターフェース部48cは、例えば、訪問者IDリーダ42と、携帯通信端末装置46との間での情報のやりとりを行うためのインターフェースである。このインターフェイス部48cとして、例えば従来公知の有線によるインターフェースであるUSBといったシリアルあるいはパラレルインターフェース、又は無線によるインターフェースを搭載することができる。このインターフェースによって、訪問者IDリーダ42と携帯通信端末装置46とをデータ送受信ができるものとして接続できる。
端末入力部48dは、端末装置46に情報を入力するための構成である。
記憶部48eは、端末処理部47により実行されるプログラム及びデータ等を読み出し可能な状態で格納して保存するメモリ装置であって、EPROM、各種の不揮発性メモリ装置等、及びプログラム等を実行するにあたり、端末入力部48dを介してEPROM等の記憶媒体から読み出されたデータを一時記憶する各種のRAM(ランダムアクセスメモリ)から構成される。
第1の実施の形態の案内ロボットシステムによれば、案内中の訪問者の位置を訪問者位置検出手段40により把握することができるので、訪問者が立ち止まってしまったり、予定の案内経路を外れてしまったりしたとしても、その時点で訪問者の状況に対応して、訪問者が追いつくのを待つ、訪問者に対して案内経路への自発的な復帰を促すためのメッセージを送る等の処理を行うことができる。従って、より確実な案内先への誘導を行うことができる。
〈案内動作例の説明〉
次に第1の実施の形態の案内ロボットシステム10の動作例につき、図3から図7を参照して説明する。
次に第1の実施の形態の案内ロボットシステム10の動作例につき、図3から図7を参照して説明する。
図7は、第1の実施の形態の案内ロボット20の動作フローを説明するためのフローチャートである。
記憶部24及び48eはには、それぞれ案内ロボット20及び携帯通信端末装置46を動作させるために記憶プログラムが読み込まれて格納されているものとする。
なお、案内中に、案内ロボット20の進行方向に何らかの障害物が出現した場合には、上述した障害物検知器22aにより検知され、制御部21により、走行制御部27を制御することにより停止する等の回避動作が行われる。
施設を訪れた訪問者30は、訪問者IDリーダ42を所定の位置に身につけるか、又は訪問者IDリーダ42が内蔵された履物を履く。
訪問者30が案内ロボット20の入力部23である例えば押しボタン式の起動スイッチを操作して、案内ロボット20を起動する。案内ロボット20は、この起動に応答して、待機状態とされる。案内先が複数存在する場合には、例えば訪問者30が、入力部23によりその複数の案内先から所望の案内先を指示する情報を入力することで、所望の案内先から順に案内を行う。
案内ロボット20が案内を開始すると、案内ロボット20は、それ自体の位置情報を取得する(S10)。この情報の取得のため、まず、案内ロボット20のIDリーダ53は、直近のIDタグ44から識別情報すなわちID情報(IDコード)を第1位置情報として読み取る。読み取られたIDコード(第1位置情報)は、制御部21の制御により、予め、記憶部24に格納されている参照位置情報中の全ての個別のIDコードと参照される。この照合は、位置特定部52で行われる。
この照合により、第1位置情報のIDコードと、予め格納されている参照位置情報のIDコードとが一致する場合には、決定部52bは、予め記憶部24に格納されている位置情報(位置座標情報)から読み取られたIDコード(第1位置情報)に対応する位置座標を抽出する。
抽出された位置座標は、案内ロボットの現在の位置情報として記憶部24に一旦格納される。
なお、通常は、IDリーダ53は、IDリーダ53に接近した唯一個のIDタグ44からのIDコードのみを受信する構成としておけば、複数のIDタグから、同時にIDコードを受信することを回避できる。
しかしながら、IDリーダ53によって、複数のIDタグが同時に読み取られる場合には、例えば、次のように処理することができる。
すなわち、予め、設定された受信強度にかかる基準値を記憶部24に格納しておき、読み取られたIDコードの受信強度値を位置特定部52に送り、この位置特定部52において、複数のIDコードの受信強度値同士の比較を行って、基準値以上の強度のIDコードを選択するか、又は最大強度値を有するIDコードのみを選択する処理を行うことができる。
次に、案内ロボット20の位置(座標)が確定することにより、この位置情報と、訪問者30により入力部23から入力された案内先の位置座標情報とが位置特定部52により読み出される。この位置特定部52は、案内ロボットの位置情報である位置座標情報と、入力された案内先の位置座標情報とに基づいて、案内先までの案内経路を決定する(S12)。
この案内経路の決定のために、予め、記憶部24には、指定される案内先の位置情報と、各IDタグの位置情報との関係で、案内ロボット20の案内経路が、順次に通過されるべきIDタグの位置情報として格納されている。
さらに記憶部24には、案内ロボット20の移動を継続するか、又は停止するかを判定するための、案内ロボットと訪問者との間の基準距離を予め定めておいて格納しておく。
この基準距離は、後述するように、案内ロボット20の位置と、訪問者30の位置との相対距離がこの基準距離以内にある場合には、案内ロボット20の案内移動を続け、この基準距離よりも大きい場合には、案内ロボット20の案内移動を停止するための判断基準として利用される。これらの位置情報や基準距離の格納は、上述したプログラムの書き込み時に同時に行えばよい。
案内ロボット20は、この決定された案内経路に基づいて、走行駆動装置27aを駆動することで、案内先への移動を開始する。
この移動に際して、案内ロボット20は、逐次、案内ロボット20の位置情報と訪問者30の位置情報を取得する(S13)。
訪問者30の位置情報の取得のため、まず、訪問者IDリーダ42を動作状態にする。訪問者IDリーダ42がIDタグ44の識別情報すなわちIDコードを第2位置情報として読み取って携帯通信端末装置46に送信する。この端末装置46は、端末入力部48d及びIDリーダインターフェイス部48cを経て、IDタグ44のIDコードを受信し、制御部47aの制御下で、記憶部48eに、一旦、格納する。
格納された識別情報(IDコード)は、制御部47aによる制御の下で、記憶部48eから読み出されて出力生成部47bに送られる。出力生成部47bは、IDタグ44のIDコードを無線通信部48a及びアンテナ49を経て、案内ロボット20へ伝送する。このようにして、訪問者側で読み取られたIDタグ44のIDコードは、上述した案内ロボット20のCPU14において、案内ロボット20の位置座標情報の取得プロセス(S10)と同様の取得プロセスを経て、訪問者30の位置座標情報を取得して案内ロボット20の記憶部24に格納する。
次いで、案内ロボット20は、訪問者30を伴って、案内先を目指して移動を開始する(S14)。このとき、案内ロボット20は、案内ロボットの位置座標情報と訪問者の位置座標情報の取得に応答して、これら両位置座標情報を記憶部24から読み出してきてCPU14に送り、案内ロボット20と訪問者30との間の相対距離(以下、単に距離Rと称する場合もある。)を、逐次、位置特定部52の決定部52bにおいて計算する。
相対距離Rの取得に応答して走行制御部27は制御部21の制御の下に格納部24から基準距離を読み出してきて、相対距離と基準距離との比較を行う。この距離判定を繰り返し行うことによって、以下詳述するように、案内ロボット20は、制御部21及び走行制御部27に制御される走行駆動装置27aにより、この相対距離Rが予め定められている基準距離、すなわち所定の範囲内となるように自律的に走行制御される。
ここで、既に説明した図4を再び参照して、案内ロボットの走行制御につき説明する。この例では、案内ロボット20と訪問者30との距離、すなわち距離Rを基準距離、例えば所定距離3L以内に制御する例につき説明する。
案内ロボット20が訪問者30の案内を行っているある時点において、訪問者30がID3を有するIDタグ44上(図中、※印で示す。)に位置していて、案内ロボット20がID11を有するIDタグ44上(図中、☆印で示す。)に位置しているものとする。従って、案内ロボット20と訪問者30との相対距離Rは2Lである。このとき案内先が矢印A方向であるとする。
案内ロボット20のCPU14の走行制御部27において、次の移動先であるID15を有するIDタグ44に案内ロボット20が移動したと仮定して、ID15を有するIDタグ44と訪問者30との間の相対距離Rを計算する。そのため、位置特定部52の照合部52aは、仮定された案内ロボット20の位置座標と、記憶部24から読み出された現時点での訪問者の位置座標とに基づいて、相対距離Rを算出する。決定部52bは、記憶部24から基準距離を読み出してきて、相対距離Rが所定距離すなわち基準距離内、すなわち3L以内の範囲にあるかを判断する(S16)。この場合には、相対距離R≦所定距離(3L)である(Yes:Y)ので、次のステップS18へ進む。これと同時に走行制御部27から、制御部21の制御下で、走行駆動装置27aに駆動信号が送出される。
案内ロボット20は、この駆動信号に応答して走行駆動部27によりID15を有するIDタグ44上まで移動することができる。
このステップS16は、訪問者30が移動して、新たなIDコードが検出されるごとに繰り返される。
案内ロボット20は、訪問者30を所定の距離すなわち基準距離の範囲内に収めつつ移動する(S18)。ステップS18において、移動していなければステップS16に戻り、その処理が繰り返される。
ここで、上述のステップS16において、案内ロボット20がID15を有するIDタグ44上に移動したときに、訪問者30が正しい進行方向である矢印A方向から外れてID4を有するIDタグ44上に移動してしまったとする。このとき距離Rは所定距離である3Lを超えてしまう。従ってステップS16において、N(No)であり、次のステップS22へ進む。
案内ロボット20がこの時点で移動中の場合には、決定部52bからの指令により走行制御部27から移動の中止信号を走行駆動装置27aに送って案内ロボットの移動を直ちに中止する。そして、訪問者30を所定の案内経路に復帰させるための訪問者誘導動作を行う(S22)。
訪問者誘導動作は、訪問者30を所定の案内経路へ復帰させるために、案内ロボット20が訪問者30に対して行う動作である。この動作には、例えば下記のいずれかの手法が含まれる。すなわち、案内ロボット20は、
(1)音声出力部29bを使用して訪問者30に音声アナウンスによる直接的な呼びかけを行うこと。
(2)既に説明した携帯通信端末装置46へのなんらかのメッセージの送信を行うこと。
(3)走行駆動装置27aにより移動することによって直接的に訪問者30と接触して誘導すること。及び
(4)これら(1)〜(3)の組み合わせ動作を行うこと。
(1)音声出力部29bを使用して訪問者30に音声アナウンスによる直接的な呼びかけを行うこと。
(2)既に説明した携帯通信端末装置46へのなんらかのメッセージの送信を行うこと。
(3)走行駆動装置27aにより移動することによって直接的に訪問者30と接触して誘導すること。及び
(4)これら(1)〜(3)の組み合わせ動作を行うこと。
案内経路に復帰した案内ロボット20及び訪問者30は、既に説明したステップS16に戻って、所定の距離を維持しつつ案内先を目指して移動する。
以上のステップS10及びS18は、訪問者30に対する案内が終了するまで継続される(S20)。従って、案内ロボット20は、案内ロボット20自体及び訪問者30の移動に伴って、異なるIDタグ44を認識するたびに、案内ロボット20の位置座標情報及び訪問者30の位置座標情報は更新される(S10、S13)。
このようにして、案内ロボット20は、所定の案内先に訪問者30を誘導しつつ案内先に到達し、案内動作を終了する。
(第2の実施の形態)
図8及び図9を参照して、第2の実施の形態の案内ロボットシステム10につき、説明する。図8は、この発明の第2の実施の形態の案内ロボットシステム10の構成例を説明するための概略的な模式図である。図9は、図8に示した訪問者位置検出手段40の具体的な構成を示した概略的な模式図である。
図8及び図9を参照して、第2の実施の形態の案内ロボットシステム10につき、説明する。図8は、この発明の第2の実施の形態の案内ロボットシステム10の構成例を説明するための概略的な模式図である。図9は、図8に示した訪問者位置検出手段40の具体的な構成を示した概略的な模式図である。
第2の実施の形態の案内ロボットシステム10は、一台の案内ロボット20が複数の訪問者30を同時に所定の案内先に誘導する構成例である。図8に示したように、一台の案内ロボット20が、3人の訪問者、すなわち第1の訪問者30a、第2の訪問者30b及び第3の訪問者30cを所定の案内先に誘導するものとする。
この実施の形態で使用される案内ロボット20の構成については、第1の実施の形態で既に説明した構成例をなんら変更することなくそのまま適用することができるのでその詳細な説明は省略する。
この構成例では、図9に示したように、訪問者位置検出手段40には、案内ロボット20及び3人の訪問者に共用されるIDタグ44が含まれる。また、訪問者位置検出手段40は、第1の訪問者30aが身につける、第1の訪問者IDリーダ42a及び第1の携帯通信端末装置46aからなる第1の訪問者位置検出手段40a、第2の訪問者30bが身につける、第2の訪問者IDリーダ42b及び第2の携帯通信端末装置46bからなる第2の訪問者位置検出手段40b及び第3の訪問者30cが身につける、第3の訪問者IDリーダ42c及び第3の携帯通信端末装置46cからなる第3の訪問者位置検出手段40cを含んでいる。
第2の実施の形態の訪問者位置検出手段40の構成例では、同時に複数の訪問者30を案内先に誘導するために、一組の訪問者IDリーダ42及び携帯通信端末装置46のうち、いずれかに、一組の訪問者IDリーダ42及び携帯通信端末装置46に固有の組識別情報(グループ識別情報ともいう。)を、案内ロボット20に送信可能とするように保持させておく。この組識別情報は案内ロボット20が複数の訪問者をグループごとに個別に認識するために使用される。
訪問者IDリーダ42に組識別情報を保持させる場合には、記憶部に、組識別情報を読み出し可能に格納すればよい。携帯通信端末装置46に固有の組識別情報を保持させる場合には、既に説明した端末装置の記憶部48eに組識別情報を読み出し可能に格納させればよい。
第2の実施の形態の構成例では、訪問者が案内ロボット20に組識別情報を登録する場合の例である。そのために、携帯通信端末装置46には、固有の組識別情報の内容(特に、案内すべき内容及び入力の仕方その他のそれに付随するサービス内容)を、訪問者が容易に認識してから、案内ロボット20に入力できるような位置に、表示しておくのが好ましい。或いは、この組識別情報の内容を好ましくは、携帯通信端末装置46の端末出力部に表示する構成とするのがよい。このようにすれば、訪問者30が案内ロボット20に自らの組識別情報を容易に入力することができる。
または、ICチップ、バーコード又は電磁的な組識別情報を携帯通信端末装置46の記憶部48eに予め格納しておくことも可能である。この場合には、訪問者が端末入力部48dから組識別情報を送信する指令を入力することによって、記憶部48eから組識別情報を読み出してきて、無線通信部48eを経て、案内ロボット20へ送信することができる。一方、案内ロボット20は、通信部26を経て受信された識別情報をCPU14の処理を経て記憶部24に格納する。このように、案内ロボット20は、訪問者30の組識別情報を自動的に取得することができる。
上述したように、この第2の実施の形態では、訪問者の組識別情報とIDリーダが読み取ったIDタグのIDコードとの両情報とを互いに関連付けて利用する。上述の説明では、組識別情報とIDコードとを個別に説明したが、第2の実施の形態では、好ましくは後述するように、両情報を一体的に関連付けた訪問者位置情報60として取り扱うのがよい。
ここで、図11を参照して、第2の実施の形態で使用される訪問者位置情報60のフォーマットにつき説明する。図11は、第2の実施の形態の訪問者位置情報60の構成例を説明するための概略的な図である。
訪問者位置情報60は、好ましくは、組識別情報62とIDコード64とから構成するのがよい。上述したように組識別情報62は、複数の訪問者があった場合に、訪問者同士を識別するために訪問者のグループごとに個別に異なるように付与される情報(データ)である。
この組識別情報は、例えば複数の数字、文字又はこれらの組み合わせ、IPアドレス等から構成することができる。IDコード64とは、第1の実施の形態で説明した訪問者IDリーダ42に読み込まれた複数のIDタグ44それぞれに設定された固有の情報(データ)である。
携帯通信端末装置46は、始動されると、記憶部48eから組識別情報を読み出すとともに、IDタグ44のIDコードを読み出して、出力生成部47bに送る。出力生成部47bは、訪問者位置情報60を生成して、逐次、案内ロボット20に送信する。
次に、第2の実施の形態の案内ロボットシステム10の動作につき説明するが、第1の実施の形態で既に説明した動作とほぼ同様であるので、既に説明した図4、図6〜図9と、図10及び図11参照して、第1の実施の形態との相違点に重点を置いて説明する。
施設を訪れた3人の訪問者、すなわち第1の訪問者30a、第2の訪問者30b及び第3の訪問者30cは、訪問者IDリーダ42及び携帯通信端末装置46を身につける。好ましくは、訪問者IDリーダ42を履物に格納しておき、訪問者30が当該履物に履き替えるようにするのがよい。
まず、待機状態にある案内ロボット20を起動する。このとき、複数の訪問者30各自の訪問者IDリーダ46に固有の組識別情報は、訪問者30自身により入力情報として案内ロボット20の入力部23により直接入力されるか、又は案内ロボット20により読み取られる。この動作により案内ロボット20は訪問者30の人数分の組識別情報を取得する。取得された組識別情報は、CPU14の制御により、記憶部24に格納される。
このように、案内に先立って、案内ロボット20に組識別情報を登録すれば、案内ロボット20は、訪問者の人数を把握することができるので、複数の訪問者を案内先に誘導する場合でも、訪問者全員を確実に案内することができる。
また、同一施設内又は同一フロアにおいて、複数の案内ロボット20が、同時に施設内を案内する場合でも、各案内ロボットは、登録された組識別情報により、自らが案内すべき訪問者の人数を把握して、全ての訪問者をより確実に案内することができる。従って、同一施設又は同一フロア内で複数の案内ロボット20を同時に動作させることができる。
案内先が複数存在する場合には、例えば訪問者30が、入力部23により、所望の案内先を選択したのち、選択された案内先への誘導が開始される。
このとき、複数の案内先を選択して、順次に、複数の案内先へ誘導することができる。
以後のステップを既に説明した図10を参照して説明する。
案内ロボット20は、起動されると、第1の実施の形態で説明したステップS10の場合と同様にして、それ自体の位置座標情報を取得する(S100)。この位置座標情報の取得動作については、第1の実施の形態と同様であるのでその詳細な説明は省略する。
案内ロボット20は、第1、第2及び第3の訪問者30a、30b及び30cがそれぞれ入力部23から入力されるか、又は自動的に、第1、第2及び第3の訪問者30a、30b及び30cそれぞれの組識別情報62を取得して記憶部24に登録する(S102)。
次いで、第1の実施の形態で説明したステップS12の場合と同様に、取得された案内ロボットの位置座標情報と、案内先の位置座標情報とから案内経路を決定する(S104)。
この決定された案内経路に基づいて案内ロボット20は、ステップS14の場合と同様に、案内移動を開始する(S106)。
一方、訪問者IDリーダ42、すなわち第1、第2及び第3の訪問者IDリーダ42a、42b及び42cにより個別に読み取られたIDタグ44の情報、すなわち、この例では3つのIDコードは、各自の携帯通信端末装置46、すなわち第1、第2及び第3の携帯通信端末装置46a、46b及び46cから案内ロボット20へ送られる。
案内ロボット20は、通信部26により訪問者位置情報60を受信すると、案内ロボット20は、その制御部21により制御されて、取得した訪問者位置情報60を一旦記憶部24に格納する。
格納された訪問者位置情報60は、制御部21の制御下により、位置特定部52に送られ、訪問者位置情報の第2位置情報(IDコード)と、第1の実施の形態と同様に、参照位置情報の識別情報とが参照される。この参照により、第2位置情報と、識別情報とが一致していると、決定部52bにおいて、訪問者位置情報60と対応する、予め記憶部24に格納されている位置座標情報を抽出する。
抽出された位置座標情報は、訪問者30の現在の位置情報として記憶部24に格納される。この動作は全ての訪問者30について個別に又は同時に並行して行われる。このようにして、案内ロボット20は、第1、第2及び第3の訪問者30a、30b及び30cそれぞれの情報を取得する(S108)。
この、案内ロボット20は、案内ロボットの参照情報と訪問者の参照情報の取得に応答して、これら両情報を記憶部24から読み出してきてCPU14に送る。以後の動作は第1の実施の形態の説明と同様に、案内ロボット20と訪問者30との間の相対距離Rを、逐次、位置特定部52により計算する。案内ロボット20は、制御部21及び走行制御部27に制御される走行駆動装置27aにより、全ての訪問者30について、この相対距離Rが所定の範囲内となるように自律的に走行制御される(S110)。
この案内ロボット20の走行制御(S112)及び訪問者誘導動作(S116)については、第1の実施の形態と同様であるのでその詳細な説明は省略する。
この案内ロボット20の案内移動中、ステップS100からS112までの処理は、案内先に到達するまで繰り返して行われる(S114)。従って、案内ロボット20のIDリーダ53、並びに第1、第2及び第3の訪問者30a、30b及び30cのIDリーダ42は、逐次、直近のIDタグ44のIDコードを読み取る。案内ロボット20のIDリーダ53が読み取ったIDコードは、第1の実施の形態と同様に、案内ロボット20の案内ロボット位置検出手段50によって処理されて、記憶部24に案内ロボットの位置情報が参照位置情報として取得されて更新される(S100)。さらに訪問者の移動に伴い、訪問者位置情報60も、その検出されるIDタグのIDデータが変わるので、訪問者位置情報60も更新される(S108)。
案内ロボット20は、上述のステップを経て、所定の案内先に全ての訪問者30を誘導しつつ案内先に到着する(S114)。そして、この時点で案内動作は終了する。
施設を訪れた訪問者を、施設内の特定の案内先へ案内するための、この発明の第1の実施の形態の案内ロボットシステムによれば、案内途中の訪問者の位置を訪問者位置特定手段により把握することができるので、訪問者が立ち止まってしまったり、予定の案内経路を外れてしまったりしたとしても、その時点で訪問者の状況に対応して、訪問者が追いつくのを待つ、訪問者に対して案内経路への自発的な復帰を促すためのメッセージを送る等の処理を行うことができる。従って、より確実な案内先への誘導を行うことができる。
この発明の第2の実施の形態の案内ロボットシステムによれば、第1の実施の形態により得られる効果に加えて、複数の訪問者を同時に案内する場合に、案内に先立って、案内ロボットに個々の訪問者について個別の識別情報を登録する構成とするので、案内ロボットは、訪問者の人数を確実に認識することができる。
従って、複数の訪問者を案内先に誘導する場合でも、訪問者を確実に案内することができる。
同一施設内又は同一フロアにおいて、複数の案内ロボットが、同時に施設内を案内する場合でも、各案内ロボットは、登録された識別情報により、自らが案内すべき訪問者を的確に把握して、より確実に案内することができる。
従って、多数の訪問者がある同一施設又は同一フロア内で、複数の案内ロボットが同時に異なる案内先へ案内を行う場合でも、効率的に案内することができる。
10:案内ロボットシステム
12:コンピュータ
14:CPU
20:案内ロボット
21:制御部
22:障害物検知処理部
22a:障害物検知器
23:入力情報入力部
24:記憶部
25:出力生成部(音声合成出力生成部)
26:通信部
27:走行制御部
27a:走行駆動装置
28:演算部
29:出力部
29a:表示部
29b:音声出力部
30:訪問者
40:訪問者位置検出手段(第2位置検出手段)
42:訪問者IDリーダ
44:ID情報発生部(IDタグ)
44a:アンテナ
44b:電源生成回路
44c:復調回路
44d:IDコードメモリ
44e:制御回路
44f:変調回路
46:携帯通信端末装置
47:端末処理部
47a:制御部
47b:出力生成部
48a:無線通信部
48b:端末出力部
48c:IDリーダインターフェース部
48d:端末入力部
48e:記憶部
49:アンテナ
50:案内ロボット位置検出手段(第1位置検出手段)
52:位置特定部
52a:照合部
52b:決定部
53:案内ロボットIDリーダ
53a:変調回路
53b:アンテナ
53c:復調回路
53d:通信制御回路
53e:電源部
53f:D/Aコンバータ
53g:A/Dコンバータ
60:訪問者位置情報
62:組識別情報
64:IDコード
12:コンピュータ
14:CPU
20:案内ロボット
21:制御部
22:障害物検知処理部
22a:障害物検知器
23:入力情報入力部
24:記憶部
25:出力生成部(音声合成出力生成部)
26:通信部
27:走行制御部
27a:走行駆動装置
28:演算部
29:出力部
29a:表示部
29b:音声出力部
30:訪問者
40:訪問者位置検出手段(第2位置検出手段)
42:訪問者IDリーダ
44:ID情報発生部(IDタグ)
44a:アンテナ
44b:電源生成回路
44c:復調回路
44d:IDコードメモリ
44e:制御回路
44f:変調回路
46:携帯通信端末装置
47:端末処理部
47a:制御部
47b:出力生成部
48a:無線通信部
48b:端末出力部
48c:IDリーダインターフェース部
48d:端末入力部
48e:記憶部
49:アンテナ
50:案内ロボット位置検出手段(第1位置検出手段)
52:位置特定部
52a:照合部
52b:決定部
53:案内ロボットIDリーダ
53a:変調回路
53b:アンテナ
53c:復調回路
53d:通信制御回路
53e:電源部
53f:D/Aコンバータ
53g:A/Dコンバータ
60:訪問者位置情報
62:組識別情報
64:IDコード
Claims (6)
- 走行駆動装置を具えていて、施設内において訪問者を案内する自律走行型の案内ロボットと、
前記案内ロボットの位置を第1位置情報として検出する第1位置検出手段と、
前記訪問者の位置を第2位置情報として検出して前記案内ロボットに伝える第2位置検出手段と、
前記第1位置情報と前記第2位置情報とから前記案内ロボット及び訪問者間の相対距離を特定する、前記案内ロボットに設けられた位置特定部と、
前記相対距離に応じて前記案内ロボットの走行を制御する制御信号を前記走行駆動装置に出力する、前記案内ロボットに設けられた走行制御部と
を具えることを特徴とする案内ロボットシステム。 - 請求項1に記載の案内ロボットシステムにおいて、
前記第1位置検出手段は、それぞれ異なる識別情報を発生し、かつ前記施設内の前記案内ロボットの走行床に配列された複数の識別情報発生部と、ある識別情報発生部から前記識別情報を読み取って前記位置特定部へ第1位置情報として出力する第1識別情報読取部とを具え、
前記第2位置検出手段は、複数の前記識別情報発生部と、該識別情報発生部から前記識別情報を読み取る第2識別情報読取部と、前記ある識別情報発生部とは異なる、別の識別情報発生部から読み取った識別情報を前記案内ロボットの位置特定部へ第2位置情報として出力する携帯通信端末装置とを具えることを特徴とする案内ロボットシステム。 - 請求項2に記載の案内ロボットシステムにおいて、
前記案内ロボットは、前記識別情報発生部の識別情報と位置情報とが対応付けられた参照位置情報を読み出し自在に格納する記憶部を具えており、
前記位置特定部は、一方においては前記第1位置情報と前記参照位置情報の識別情報とを照合し、及び他方においては前記第2位置情報と前記参照位置情報の識別情報とを照合する照合部と、照合の結果、一致する前記第1位置情報の識別情報に対応する位置座標を、前記案内ロボットの位置として決定し、一致する前記第2位置情報に対応する位置座標を前記訪問者の位置として決定し、及び決定された前記案内ロボットの位置座標と決定された前記訪問者の位置座標とから前記相対距離を得る決定部とを具えることを特徴とする案内ロボットシステム。 - 請求項2又は3に記載の案内ロボットシステムにおいて、
前記識別情報を識別コード(IDコードと称する。)とすることを特徴とする案内ロボットシステム。 - 請求項4に記載の案内ロボットシステムにおいて、前記識別情報発生部を前記走行床に等間隔の格子状に配列された複数のIDタグとし、及び前記第1及び第2識別情報読取部をIDリーダとすることを特徴とする案内ロボットシステム。
- 請求項1〜5のいずれか一項に記載の案内ロボットシステムにおいて、前記案内ロボットは、外部に対して音声案内を行う音声出力部を具えていることを特徴とする案内ロボットシステム。
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