実施の形態1
(1-1)
以下、本開示の実施の形態1について説明する。実施の形態1に係る情報提供装置は、有線又は無線により認証端末と接続され、認証端末が出力したユーザの生体情報に基づいた生体認証の認証結果を用いて、ユーザにサービスの情報を提供するものである。認証端末は、生体情報を取得可能なものであれば、場所が固定される端末機器(例えばタッチポイント型の端末)、PC(Personal Computer)のようなコンピュータ、又はスマートフォン等の携帯端末のいずれでも良い。生体情報は、個人を特定可能な人体の情報であれば良く、例えば顔、指紋、虹彩、血管等の画像であっても良いし、又はそれらの画像から生成された特徴を示す情報であっても良い。
図1は、実施の形態1に係る情報提供装置の構成を示すブロック図である。情報提供装置100は、記憶部101(記憶手段)、取得部102(取得手段)及びサービス情報出力部103(サービス情報出力手段)を備える。
記憶部101は、1又は複数の企業の識別情報に対して、1以上のサービスが関連付けられて記憶される。企業は、ユーザにサービスを提供する主体であり、株式会社が一般的であるが、それ以外の事業形態を有していても良い。企業の識別情報は、名称、ID等であって、企業を特定する情報である。記憶部101が、企業の識別情報を複数記憶する場合、記憶部101は、各々の識別情報に関連付けられた1以上のサービスを記憶しても良い。
サービスは、移動手段の提供、飲食物や物品の販売、宿泊施設の提供、娯楽の提供(例えば、複合施設やアミューズメント施設)等、対価を伴うあらゆる分野のサービスが含まれ得る。識別情報の各々に対して関連付けられるサービスは、その識別情報が示す企業が提供するサービスであっても良いし、当該企業とグループ関係、又は社外協力関係にあるような、業務提携関係にある企業が提供するサービスであっても良い。まとめて言えば、企業の識別情報と、その識別情報に係る企業に関連するサービスが、記憶部101に関連付けて記憶される。
例えば、航空会社Aを特定する識別情報Aに対しては、移動手段としての飛行機、及び航空会社Aの運営するホテルの情報が、記憶部101にサービスとして関連付けられて記憶されても良い。また、鉄道会社Bを特定する識別情報Bに対しては、移動手段としての鉄道路線、及び鉄道会社Bの運営する娯楽施設の情報が、記憶部101にサービスとして関連付けられて記憶されても良い。
取得部102は、複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた識別情報を取得する。認証結果は、ユーザがどの個人であるかを特定するものであるため、認証結果によって何らかのユーザの情報が特定される。このユーザの情報は、ユーザの生体情報であっても良いし、ユーザの氏名、又はユーザ個人が特定されないユーザID等の情報であっても良い。なお、後述のとおり、情報提供装置100が生体認証を行うことで認証結果を取得しても良いし、別の認証装置が生体認証を行い、その結果を情報提供装置100が取得しても良い。
情報提供装置100は、ユーザの情報と識別情報との対応関係を記憶し、その記憶された対応関係を参照して識別情報を取得しても良い。又は、他の装置にこの対応関係が記憶されており、他の装置に接続することで、対応関係に基づいた識別情報を取得しても良い。対応関係により参照される識別情報は、特定のユーザに対応付けられた、そのユーザがユーザ登録した企業の識別情報であっても良い。又は、そのユーザが使用する又は興味があると想定されるサービスに関連する企業の識別情報であっても良い。
サービス情報出力部103は、取得部102が選択した識別情報と関連付けられて記憶部101に記憶されたサービスの情報を端末に出力する。ここで、サービス情報出力部103は、記憶部101に記憶されたサービスの情報を端末に出力して報知させても良い。一例として、サービス情報出力部103は、他のサービスの情報よりも優先して端末に報知させるように、端末に出力しても良い。なお、関連付けられたサービスの情報を、他のサービスの情報よりも優先して報知させるとは、他のサービスの情報を端末に報知させないようにすることでも良い。又は、他のサービスの情報を報知させるものの、関連付けられたサービスよりも優先順位が低く報知させることであっても良い。
さらに、上述の「他のサービスの情報」とは、例えば、記憶部101に記憶されたサービスの情報であって、識別情報と関連付けられて記憶部101に記憶されたサービスの情報でないものであっても良い。
また、報知は、端末の画面への表示であっても良いし、他の形態による報知(例えば音声による通知)であっても良い。具体的な報知方法については後述する。
サービス情報出力部103がサービスの情報を出力する端末は、ユーザの生体情報を出力した認証端末であっても良いし、ユーザが有するPCやスマートフォン等の携帯端末であっても良い。この端末は、生体情報を取得可能である必要はない。なお、サービス情報の宛先となる端末の情報は、例えばユーザの情報として情報提供装置100に格納されており、情報提供装置100は、その情報を用いて、サービス情報を端末に送信しても良い。
以下、情報提供装置100が実行する処理について、図2を参照して説明する。まず、情報提供装置100は、記憶部101に、企業の識別情報に対して、1以上のサービスを関連付けて記憶させる(ステップS101)。識別情報とサービスの情報は、例えばテーブル等、公知の情報技術により関連付けることができる。また、情報提供装置100は、記憶部101に記憶された情報を適宜更新することができる。
情報提供装置100の取得部102は、複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報を用いた生体認証の認証結果に基づいて、認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた識別情報を取得する(ステップS102)。
サービス情報出力部103は、取得部102が取得した識別情報と関連付けられて記憶部101に記憶されたサービスの情報を端末に出力する(ステップS103)。
以上のように、情報提供装置100は、生体認証の認証結果に基づいて企業の識別情報を取得し、その識別情報に関連付けられたサービスの情報を端末に出力する。これにより、ユーザは、そのユーザが使用する又は興味があると想定されるサービスの情報を端末で取得できるため、利便性高く企業のサービスを受けることができる。
(1-2)
企業の識別情報に対して、1以上のサービスが関連付けられて記憶されるのは、情報提供装置100に限らず、1又は複数の他の記憶装置であっても良い。図3は、情報提供装置110と、情報提供装置100の記憶部101に相当する機能を有する記憶装置111を備える情報提供システムS1を示す。記憶装置111は、企業の識別情報に対して、1以上のサービスが関連付けられて記憶されるものであり、例えばストレージサーバである。情報提供装置110と記憶装置111とは、図示しないネットワークにより、有線又は無線で接続されている。
例えば、情報提供システムS1は、単一の記憶装置111を備えていても良い。この記憶装置111には、上述の記憶部101と同様、1又は複数の企業の識別情報に対して、1以上のサービスが関連付けられて記憶される。記憶装置111が、企業の識別情報を複数記憶する場合、記憶装置111は、各々の識別情報に関連付けられた1以上のサービスを記憶しても良い。
別の例として、情報提供システムS1は、複数の記憶装置111を備えていても良い。具体例として、複数の企業毎にストレージサーバである記憶装置111が設けられている場合、各記憶装置111は、記憶装置111を有する各企業及びその企業と業務提携している企業のサービスを、各企業の識別情報と関連付けて記憶する。
図3における情報提供装置110は、取得部102が、複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた識別情報を取得する。サービス情報出力部103は、取得した識別情報と関連付けられて記憶装置111に記憶されたサービスの情報を、記憶装置111から受信する。
具体的には、サービス情報出力部103は、記憶装置111に対して、サービスの情報を取得する問い合わせを、取得した識別情報を含めて送信する。記憶装置111は、その問い合わせに応じて、受信した識別情報と関連付けて記憶するサービスを、情報提供装置110に送信する。このようにして、サービス情報出力部103は、サービスの情報を記憶装置111から受信する。
なお、記憶装置111は、受信した識別情報と関連付かないサービスの情報(他のサービスの情報)を情報提供装置110に送信しても良いし、しなくても良い。
その後、サービス情報出力部103は、受信したサービスの情報を端末に出力する。なお、サービス情報出力部103は、一例として、受信したサービスの情報を、「他のサービスの情報」よりも優先して端末に報知させるように出力しても良い。「他のサービスの情報」とは、例えば、取得した識別情報と関連付けられて記憶装置111に記憶されたサービスの情報と異なる情報であって、同一又は異なる記憶装置111に記憶されたサービスの情報であっても良い。
(1-3)
(1-2)のバリエーションとして、1又は複数の記憶装置111が企業の識別情報に対応するものであっても良い。情報提供装置110は、例えば、企業の識別情報によって、記憶装置111を特定しても良い。記憶装置111内には、企業のサービスの情報が記憶されている。
例えば、情報提供装置110が、企業の識別情報と記憶装置111への通信先(例えばIP(Internet Protocol)アドレス)を対応付けて記憶することで、記憶装置111が企業の識別情報によって特定されても良い。又は、情報提供システムS1が複数の記憶装置111を備えている場合、各記憶装置111は、自身に係る企業の識別情報を記憶していても良い。以上のような場合の一例として、1つの企業毎に1台の記憶装置111が設けられているような状況が想定される。
情報提供装置110は、取得部102が、複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた識別情報を取得する。サービス情報出力部103は、取得した識別情報と対応する記憶装置111に記憶されたサービスの情報を、記憶装置111から受信する。
例えば、情報提供装置110が、企業の識別情報と記憶装置111への通信先を対応付けて記憶している場合、サービス情報出力部103は、取得した識別情報が示す通信先に対して、サービスの情報を取得する問い合わせを行う。記憶装置111は、その問い合わせに応じて、自身が記憶するサービスの情報を情報提供装置110に送信する。これにより、サービス情報出力部103は、サービスの情報を記憶装置111から受信する。
また、情報提供システムS1が複数の記憶装置111を備え、各記憶装置111が、自身に係る企業の識別情報を記憶している場合に、サービス情報出力部103は、複数の記憶装置111に対して、サービスの情報を取得する問い合わせを、取得した識別情報を含めて行っても良い。記憶装置111は、受信した識別情報が、自身の識別情報と一致しているか否かを判定し、一致している場合には、問い合わせに応じて、自身が記憶するサービスの情報を情報提供装置110に送信する。これにより、サービス情報出力部103は、サービスの情報を記憶装置111から受信する。
なお、記憶装置111は、受信した識別情報が、自身の識別情報と一致していない場合に、自身が有するサービスの情報(他のサービスの情報)を情報提供装置110に送信しても良いし、しなくても良い。
その後、サービス情報出力部103は、受信したサービスの情報を端末に出力する。
以上、(1-2)、(1-3)のようにしても、情報提供装置110は、取得した識別情報と関連する1以上のサービスの情報を記憶装置から受信し、端末に出力することができる。ユーザは、そのユーザが使用する又は興味があると想定されるサービスの情報を端末で取得できるため、利便性高く企業のサービスを受けることができる。
実施の形態2
(2-1)
以下、本開示の実施の形態2について説明する。ここでは、より具体的な情報提供装置の構成及び処理について説明する。実施の形態2では、クラウド認証方式による顔認証について説明する。
図4は、実施の形態2における情報提供システムS2の概要を示した図である。情報提供システムS2は、地域1に設けられたTP(タッチポイント)200と、TP200とネットワークNを介して接続された情報提供サーバ210を備える。TP200は、実施形態1の認証端末に対応し、情報提供サーバ210は、実施形態1の情報提供装置100に対応する。なお、図4において、TP200及び情報提供サーバ210は便宜上1台ずつ示されているが、それぞれ複数台設けられていても良い。
図4において、地域1に位置する施設である空港AP1、駅RS1、ホテルA、B及び地域1から離れた地域2に位置する施設である空港AP2、駅RS2は、情報提供システムS2に参加している企業により運営されている。この例では、空港AP1、AP2及びホテルAは航空会社Aにより運営され、駅RS1、RS2及びホテルBは鉄道会社Bにより運営されている。航空会社Aの飛行機Aは、空港AP1を出発地とし、空港AP2を到着地とする移動手段である。また、鉄道会社Bの飛行機Bは、駅RS1を出発地とし、駅RS2を到着地とする移動手段である。
地域1、地域2は、それぞれ県、市、町といった行政単位であっても良いし、関東地方、関西地方といった広域な領域を示していても良い。また、地域1、2は、異なる国同士であっても良い。
TP200は、空港、駅、ホテル等の施設に設置可能な端末であり、例えばデジタルサイネージとして設けられても良い。図4においては、空港AP1、駅RS1、ホテルA、BにTP200を設置することができる。認証システムS2にユーザ登録しているユーザは、TP200を用いて様々なサービスを享受することができる。例えば、ユーザは、TP200を用いて、航空券や鉄道といった交通チケット若しくはイベントのチケットの購入、又は宿泊施設のチェックイン手続き等を行うことができる。
TP200は、上記機能に加え、後述のとおり、ユーザに情報提供を行うことができる。例えば、駅に設置されたTP200は、近隣の宿泊地の案内(推薦)を行うことができる。また、ホテルに設置されたTP200は、次の目的地までの移動手段に関する案内(推薦)を行うことができる。例えば、航空会社A及び鉄道会社Bは、TP200のユーザU1に対し、自社の提供するサービスとして、移動手段である飛行機A若しくは鉄道B、又は宿泊施設であるホテルA又はBの情報を表示させることができる。
以下、TP200及び情報提供サーバ210の構成について、具体的に説明する。図5は、TP200の構成を示すブロック図である。TP200は、カメラ201、操作部202、通信部203、表示部204、顔画像取得部205、認証要求部206及びサービス提供部207を備える。以下、各構成要素について説明する。
カメラ201は、画像(特にユーザの顔領域)を撮影する。撮影された顔情報は、ユーザの生体情報として、TP200内に記憶される。カメラ201は、例えばTP200の正面に設けられており、TP200の正面にいるユーザの顔画像を撮影することができる。
操作部202は、ユーザがTP200を操作して情報又は指示を入力するためのインタフェースであり、例えばボタン、タッチパネルを有している。通信部203は、TP200がネットワークNを介して情報提供サーバ210と通信するための通信インタフェースである。表示部204は、ユーザに対して情報を通知する(特に、後述のサービス情報を通知する)ためのインタフェースであり、例えば液晶パネル、タッチパネル等で形成される。顔画像取得部205は、例えばユーザの操作部202の操作に応じて、カメラ201に対して撮影要求を行う。カメラ201は、その要求に応じて、ユーザの顔領域を撮影する。
認証要求部206は、カメラ201が撮影し、TP200内に記憶された顔画像を用いて、ユーザを特定可能な顔の特徴量の情報を生成する。例えば、認証要求部206は、顔画像における目、鼻、口等の特徴点を算出し、特徴点の位置、特徴点間の距離等を「特徴量」として計算する。また、認証要求部206は、複数の特徴量を並べて「特徴ベクトル」を生成しても良い。認証要求部206は、以上のように生成された特徴量の情報又は特徴ベクトルの情報(以下、特徴情報とも記載)を含めた個人の認証要求を、通信部203を用いて情報提供サーバ210に送信する。このように、カメラ201が撮影した画像は、個人認証に使用される。
なお、認証要求部206は、顔の特徴情報を生成せず、撮影された顔画像を、そのまま情報提供サーバ210に送信しても良い。このようにしても、情報提供サーバ210側で顔認証を行うことは可能である。
サービス提供部207は、通信部203を介して情報提供サーバ210から受信したサービス情報を、表示部204に表示させる。また、サービス提供部207は、情報提供サーバ210から受信したサービス情報が、表示の優先順位が設定された複数のサービス情報である場合に、表示部204に対し、その優先順位に従った表示をするように制御する。
図6は、情報提供サーバ210の構成を示すブロック図である。情報提供サーバ210は、通信部211、登録部212、DB(データベース)213、認証部214(生体認証手段)、企業ID特定部215及びサービス抽出部216を備える。情報提供サーバ210は、航空会社A、鉄道会社Bといった、後述のDB213に登録された企業とは別の事業者(サードパーティー)により運営されている。また、情報提供サーバ210は、顔認証処理と、サービス情報提供処理の両方を実行するものであるため、クラウド認証方式におけるサーバ制御をするといえる。以下、情報提供サーバ210の各構成要素について説明する。
通信部211は、情報提供サーバ210がネットワークNを介してTP200と通信するための通信インタフェースである。登録部212は、ユーザの顔の特徴情報と、ユーザの個人情報を、通信部211を介して他の端末又は装置から取得し、取得した情報を関連付けて(紐付けて)DB213に新規ユーザのエントリとして登録する。取得するユーザの個人情報は、ユーザが企業からサービスを受ける場合に用いられるユーザID、ユーザの氏名のほか、ユーザがサービス登録をしている企業の企業ID(識別情報)が挙げられる。また、登録部212は、上述の情報のうち一部の情報を取得し、その情報を登録済のユーザの更新情報として登録しても良い。
なお、登録部212は、ユーザの顔の特徴情報を別の装置から取得した上で、その情報をDB213に登録しても良い。又は、登録部212は、ユーザの顔画像を用いて、ユーザを特定可能な顔の特徴情報を生成し、その情報をDB213に登録しても良い。
さらに、登録部212は、複数の企業の各々の企業IDに対して、その企業IDに関連する企業のサービスを関連付けてDB213に登録させる。企業IDに関連する企業のサービスは、実施の形態1に示したとおり、企業IDが示す企業のサービス、又はその企業と業務提携関係にある企業のサービスである。関連付けられる企業のサービスは、1つでも良いし、複数のサービスであっても良い。なお、関連付けられる企業のサービスは、情報提供サーバ210内に予め記憶されても良いし、通信部211を経由して他装置から取得されても良い。
DB213には、登録部212によって、ユーザの顔の特徴情報と、企業IDを含むユーザの個人情報が関連付けて登録されている。さらに、登録部212によって、企業IDと、企業のサービスも関連付けて登録されている。なお、DB213には、ユーザの顔の特徴情報だけでなく、顔画像も関連付けられて登録されていても良い。
図7は、DB213に登録された情報を示したテーブルである。このテーブルは、ユーザの個人情報である特徴情報、ユーザID及びユーザの氏名と、企業のサービスとが、企業IDを介して関連付けられたテーブルとなっている。
図7では、ユーザの氏名がN1であるユーザU1の特徴情報がFV1、ユーザIDがU1であり、ユーザU1に対して登録された企業IDがAである。そして、企業ID「A」に対して、企業Aのサービスである飛行機A、ホテルAが、それぞれ移動手段、宿泊のサービスとして関連付けられている。上述のとおり、飛行機Aは、地域1から地域2への移動手段であり、ホテルAは、地域1の宿泊サービスである。
また、ユーザの氏名がN2であるユーザU2の特徴情報がFV2、ユーザIDがU2であり、ユーザU2に対して登録された企業IDがBである。そして、企業ID「B」に対して、企業Bのサービスである鉄道B、ホテルBが、それぞれ移動手段、宿泊のサービスとして関連付けられている。上述のとおり、鉄道Bは、地域1から地域2への移動手段であり、ホテルBは、地域1の宿泊サービスである。
また、ユーザの氏名がN3であるユーザU3の特徴情報がFV3、ユーザIDがU3であり、ユーザU3に対して登録された企業IDがCである。そして、企業ID「C」に対して、企業Bのサービスである鉄道C、企業Bと業務提携している企業DのサービスであるホテルDが、それぞれ移動手段、宿泊のサービスとして関連付けられている。なお、鉄道Cは、地域1から(地域2と異なる)地域3への移動手段であり、ホテルDは、地域3の宿泊サービスである。
また、ユーザの氏名がN4であるユーザU4の特徴情報がFV4、ユーザIDがU4であり、ユーザU4に対して登録された企業IDがA、Bである。そして、企業ID「A」に対して、企業Aのサービスである飛行機A、ホテルAが、それぞれ移動手段、宿泊のサービスとして関連付けられている一方、企業ID「B」に対して、企業Bのサービスである鉄道B、ホテルBが、それぞれ移動手段、宿泊のサービスとして関連付けられている。このように、一人のユーザに対して、複数の企業IDを関連付けて登録させることが可能である。
なお、各サービス情報は、以下のような詳細な情報を含んでも良い。移動手段の情報であれば、検索対象となる日時における移動手段(例えば、飛行機や鉄道)の出発時刻、到着時刻、移動距離、所要時間(移動時間)、席の種類及び交通費の少なくともいずれかを含むような、詳細な情報が含まれていても良い。さらに、移動手段を用いた場合に獲得するポイントの情報が含まれていても良い。飛行機A、鉄道Bは、その便数又は本数が1つだけ登録されていても良いし、複数登録されていても良い。また、宿泊情報であれば、検索対象となる日時における宿泊施設が有する部屋の種類、宿泊費の少なくともいずれかを含むような、詳細な情報が含まれていても良い。
DB213は、単一のDBとして設けられていても良いし、複数のDBとして設けられていても良い。例えば、図7に記載された情報を複数のDBに分けて格納する場合には、第1のDBにユーザU1とU2、第2のDBにユーザU3とU4といったように、個人単位で分割して格納しても良い。
この場合、1つの会社、又はグループ化された複数の会社毎に、DBが設けられても良い。例えば、DB213として、航空会社A用のDB213A、鉄道会社B用のDB213B、鉄道会社C用のDB213Cが設けられても良い。この場合、DB213Aには、図7に示すユーザU1、U4の個人情報及びサービスの情報が登録される。DB213Bには、図7に示すユーザU2、U4の個人情報及びサービスの情報が登録される。DB213Cには、図7に示すユーザU3の個人情報及びサービスの情報が登録される。
また、第1のDBにユーザU1~U4の(企業IDを含む)個人情報、第2のDBに企業IDとその企業IDに対応するサービスの情報を関連付けて格納するようにしても良い。この場合、第1のDBと第2のDBとの連携(対応付け)は、共通の情報である企業IDによってなされる。
さらに、第1のDBにユーザU1~U4の特徴情報、ユーザID及び氏名から構成される個人情報、第2のDBにユーザID、企業ID及び企業IDに対応するサービスの情報を関連付けて格納するようにしても良い。この場合、第1のDBと第2のDBとの連携(対応付け)は、共通の情報であるユーザIDによってなされる。
図6に戻り、説明を続ける。認証部214は、TP200から取得した認証要求に応じて、顔認証処理(照合処理)を行う。具体的には、通信部211を介して、TP200から照合対象となるユーザの顔の特徴情報を受信したときに、DB213に格納された特徴情報といわゆる1対N照合を実行し、そのユーザがDB213に登録されたどのユーザに該当するかを判定する。
特徴情報が特徴量である場合、認証部214は、照合対象の特徴量とDB213側(登録側)の特徴量間の類似度を計算する。閾値よりも類似度が大きい登録側の特徴量があれば、特徴量は一致したと判定し、「認証成功」と判定する。また、特徴情報が特徴ベクトルである場合、認証部214は、照合対象の特徴ベクトルと登録側の特徴ベクトル間の距離を計算する。閾値よりも距離が小さい登録側の特徴ベクトルがあれば、特徴ベクトルは一致したと判定し、「認証成功」と判定する。一方、閾値よりも類似度が大きい登録側の特徴量がない場合、又は閾値よりも距離が小さい登録側の特徴ベクトルがない場合には、認証部214は「認証失敗」と判定する。
なお、上述のとおり、DB213が個人単位で分割されている場合、認証部214は、第1のDBに登録されたユーザの特徴情報と、照合対象の特徴情報を照合する。第1のDBの照合中に「認証成功」と判定された場合には、そこで顔認証を中止する一方、第1のDBの照合が「認証失敗」と判定された場合には、認証部214は、別の第2のDBについて照合を実行する。全てのDBの照合において「認証失敗」と判定された場合には、認証部214は、顔認証が失敗したと判定する。
また、DB213が、ユーザの個人情報が登録されたDBと、企業IDに対応するサービスの情報が登録されたDBとに分割されている場合、認証部214は、前者のDBに対して、認証処理を行う。
なお、TP200の認証要求部206が、顔の特徴情報を生成せず、撮影された顔画像をそのまま情報提供サーバ210に送信した場合、認証部214はその顔画像に基づいて、照合対象となるユーザの特徴情報を生成する。そして、生成したユーザの特徴情報と、DB213に登録された特徴情報を照合する。
企業ID特定部215は、認証部214が「認証成功」と判定した場合に、DB213(登録側)において、判定対象となった特徴情報を有するユーザに関連付けられた企業IDを特定する。例えば、図7に記載の例において、「認証成功」と判定された登録側のユーザがユーザU1であれば、企業ID特定部215は企業ID「A」を特定する。一方、「認証成功」と判定された登録側のユーザがユーザU2であれば、企業ID特定部215は企業ID「B」を特定する。
サービス抽出部216は、企業ID特定部215が特定した企業IDに関連付けられた企業のサービスを抽出する。例えば、図7に記載の例において、企業ID特定部215が企業ID「A」を特定した場合には、サービス抽出部216は、サービスとして、移動手段「飛行機A」、宿泊施設「ホテルA」を抽出する。一方、企業ID特定部215が企業ID「B」を特定した場合には、サービス抽出部216は、サービスとして、移動手段「鉄道B」、宿泊施設「ホテルB」を抽出する。
なお、認証部214は、認証部214が実行した認証結果が「認証成功」であった場合に、上述のようにしてサービス抽出部216が抽出した企業のサービスについて、通信部211を制御して、TP200に送信する。なお、認証部214は、照合処理により特定されたユーザID、氏名等の個人情報を、必要に応じてTP200に送信しても良い。また、認証部214は、認証部214が実行した認証結果が「認証失敗」であった場合に、その認証結果をTP200に送信する。
次に、情報提供サーバ210が実際に行うユーザ登録処理及び認証処理の一例について説明する。まず、図8を用いて、情報提供サーバ210のユーザ登録処理の一例を説明する。
情報提供サーバ210の登録部212は、ユーザの顔画像及び個人情報を、他の端末又は装置から、新規ユーザのエントリとして取得する(ステップS201)。
登録部212は、取得したユーザの顔画像を用いて、ユーザを特定可能な顔の特徴情報を生成し、その情報をDB213に登録する(ステップS202)。なお、上述のとおり、 登録部212は、ユーザの顔の特徴情報を別の装置から取得して、その情報をDB213に登録しても良い。
登録部212は、氏名、ユーザIDを含む個人情報と、特徴情報を関連付けてDB213に登録する(ステップS203)。以上のようにして、情報提供サーバ210に新規ユーザの情報が登録される。
次に、図9を用いて、TP200及び情報提供サーバ210の認証処理の一例を説明する。まず、TP200は、TP200の正面にいるユーザU1から、操作部202を介して、地域1から地域2への移動方法について問い合わせを受ける。この問い合わせを受けて、顔画像取得部205は、顔認証を実行するために、カメラ201でユーザU1を撮影し、顔画像を取得する(ステップS211)。問い合わせに係る情報には、例えば、出発地としての地域1、到着地としての地域2、移動日、移動の出発時刻又は到着時刻の少なくともいずれかの情報が含まれていても良い。また、移動の出発時刻又は到着時刻の情報に代えて、現在時刻の情報が含まれていても良い。
TP200の認証要求部206は、ユーザU1の顔画像を用いて、ユーザU1の特徴情報を生成する。認証要求部206は、生成したユーザU1の特徴情報と、認証要求と、地域1から地域2への移動方法の問い合わせを、通信部203を介して、情報提供サーバ210に送信する(ステップS212)。
情報提供サーバ210は、受信した問い合わせに基づいて顔認証を実施する(ステップS213)。情報提供サーバ210は、認証処理の結果として得られたサービス情報を、TP200に送信する(ステップS214)。このサービス情報は、後述のとおり、「飛行機A」を含む情報である。
TP200のサービス提供部207は、サービス情報である地域1から地域2への移動方法「飛行機A」を、表示部204に優先的に表示する(ステップS215)。このようにして、ユーザU1は、地域1から地域2への移動方法である「飛行機A」の情報を知ることができる。
以下、図10を用いて、図9のステップS213で示した情報提供サーバ210の認証処理の詳細について説明する。上述のとおり、情報提供サーバ210の通信部211は、TP200から、ユーザU1の特徴情報と、認証要求と、地域1から地域2への移動方法の問い合わせを取得する(ステップS221)。
認証部214は、認証要求に応じて、照合対象となるユーザU1の顔の特徴情報と、DB213に格納された特徴情報との1対N照合を実行する(ステップS222)。そして、DB213に格納された特徴情報中に、照合対象となるユーザの顔の特徴情報と一致するものがあるか否かを判定する(ステップS223)。この判定の詳細については、上述のとおりである。
図7を参照すると、DB213には、照合対象となるユーザU1の顔の特徴情報FV1と一致するものが存在する(ステップS223のYes)。したがって、認証部214は「認証成功」と判定する。そして、企業ID特定部215は、DB213において、判定対象となった特徴情報を有するユーザに関連付けられた企業IDを特定する。ここでは、ユーザU1に関連付けられた企業ID「A」が特定される。
サービス抽出部216は、企業ID特定部215が特定した企業IDに関連付けられた企業のサービスを抽出する(ステップS224)。この例では、企業ID「A」に関連付けられた移動手段である「飛行機A」、宿泊である「ホテルA」が抽出される。
さらに、サービス抽出部216は、問い合わせ内容が「地域1から地域2への移動方法」であることに基づき、問い合わせ内容に基づくサービス情報として、「飛行機A」及び「ホテルA」から、「飛行機A」を選択する。
認証部214は、「認証成功」の判定結果と、サービス抽出部216が抽出した「飛行機A」のサービス情報を、通信部211を用いて、TP200に通知する(ステップS225)。また、認証部214は、ユーザU1の個人情報(例えば氏名「N1」、ユーザID「U1」)を、併せてTP200に通知しても良い。TP200は、通知された情報を、表示部204に表示する。
なお、ステップS223において、DB213に、照合対象となるユーザU1の顔の特徴情報FV1と一致するものが存在しない場合(ステップS223のNo)、認証部214は「認証失敗」と判定する。そして、認証部214は、「認証失敗」の判定結果を、通信部211を用いて、TP200に通知する(ステップS226)。
ステップS225において、認証部214は、地域1から地域2への移動手段に関するサービス情報として、「飛行機A」の情報のみを通知し、「鉄道B」の情報を通知しないようにしても良い。上述のとおり、「鉄道B」の情報は、サービス抽出部216が、ユーザU1の認証結果に基づいて抽出しないものである。この場合は、TP200は、移動手段として「飛行機A」のサービス情報のみを表示部204に表示するため、「飛行機A」のサービス情報が「鉄道B」のサービス情報に比較して、優先的に表示される。
図11は、このような場合における、TP200での表示部204の表示例である。図11では、地域1から地域2への移動手段として、「飛行機A」のみが表示されている。「飛行機A」のサービス情報として、出発時刻「13:00」、到着時刻「15:00」、所要時間「2時間」及び交通費「2万円」が情報提供サーバ210からTP200に通知されることで、表示部204に表示される。また、顔認証が成功したことを示す判定結果と、ユーザU1の個人情報である氏名「N1」、ユーザID「U1」も、情報提供サーバ210からTP200に通知されることで、表示部204に表示される。
ただし、「飛行機A」のサービス情報を「鉄道B」のサービス情報に比較して、優先的に表示する方法は、図11に示した方法に限られない。認証部214は、サービス情報として、「飛行機A」及び「鉄道B」の両方の情報を通知しても良い。
例えば、DB213には、図7で示された情報とは別に、地域1から地域2への移動手段の一覧が登録されていても良い。サービス抽出部216は、問い合わせ内容に沿ったサービス情報として、優先順位の高い情報である「飛行機A」を選択するほか、地域1から地域2への他の移動手段として、DB213に登録された移動手段の一覧を参照し、「鉄道B」を抽出する。
別の例として、地域1から地域2への移動手段の一覧は、DB213でなく、情報提供サーバ210以外の他装置に格納されていても良い。この場合、サービス抽出部216は、通信部211を介して、その他装置に登録された移動手段の一覧を参照し、「鉄道B」を抽出する。このようにして、サービス抽出部216は、「鉄道B」の情報を取得することができる。認証部214は、このようにして抽出された「飛行機A」及び「鉄道B」の両方の情報を通知する。
ただし、この場合、認証部214は、TP200での表示部204が、「飛行機A」の情報を「鉄道B」の情報よりも優先順位が高くなるように表示するよう、表示の優先順位を示す情報を、通信部211によってTP200に通知させる。TP200のサービス提供部207は、この優先順位に従って、「飛行機A」の情報が「鉄道B」の情報よりも優先順位が高くなるよう、表示部204に表示させる。
図12は、このような場合における、TP200での表示部204の表示例である。図12では、地域1から地域2への移動手段として、「飛行機A」及び「鉄道B」の両方が表示されている。「鉄道B」のサービス情報として、出発時刻「12:00」、到着時刻「16:00」、所要時間「4時間」及び交通費「1万円」が情報提供サーバ210からTP200に通知されることで、表示部204に表示される。また、表示部204には、図11で示した「飛行機A」のサービス情報、顔認証が成功したことを示す判定結果と、ユーザU1の個人情報も、図11と同様に表示されている。
表示部204では、「飛行機A」のサービス情報を「経路候補1」、「鉄道B」のサービス情報を「経路候補2」と命名している。これにより、「飛行機A」のサービス情報が、「鉄道B」のサービス情報よりも表示の優先順位が高くなっていることが見て取れる。さらに、表示部204では、「飛行機A」のサービス情報を「鉄道B」のサービス情報よりも上に表示している。この表示形態によっても、「飛行機A」のサービス情報が、「鉄道B」のサービス情報よりも優先順位が高く表示されている。
なお、優先順位を高く表示する方法は、以上に説明した方法に限られない。例えば、「飛行機A」のサービス情報を表示部204の中央に表示させ、「鉄道B」のサービス情報の全部又は一部を、「飛行機A」のサービス情報よりも小さく、表示部204の上下左右のいずれかの端部に表示させても良い。この場合、ユーザU1が操作部202を操作することにより、「鉄道B」のサービス情報を画面中央に大きく表示させることができる。例えば、操作部202がタッチディスプレイである場合、「鉄道B」のサービス情報が表示されている箇所をユーザがタッチすることで、「鉄道B」のサービス情報を画面中央に大きく表示させる。
また、最初の表示においては、図11に示すように、「飛行機A」のサービス情報のみを表示部204に表示させても良い。ユーザが操作部202を操作する(例えば、次頁の表示をさせるよう、ボタン又はタッチディスプレイを操作する)ことで、「鉄道B」のサービス情報が表示部204に表示される。
以上のようにして、ユーザU1が、地域1から地域2への移動方法をTP200に問い合わせた場合には、飛行機Aを使ったルートを優先的にTP200に提示(推薦)するような処理がなされる。上述の例において、ユーザU2が、地域1から地域2への移動方法を認証端末に問い合わせた場合には、鉄道Bを使ったルートを優先的にTP200に提示するような処理がなされる。
情報提供システムS2は、ユーザと関連付けられて登録された企業IDに係る企業が提供する移動手段のサービスを、優先してユーザに提示できる。そのため、ユーザは、自身が登録する企業のサービスを把握できるため、より利便性高く企業のサービスを受けることができる。また、企業にとっても、ユーザがその企業のサービスを受ける可能性を高めることができるため、利益となる。
生体認証のシステムにおいて、システムを効率的に運用するため、複数の企業(事業者)が、同じ情報提供サーバを使うことが想定される。具体的には、情報提供サーバが、ユーザの生体情報及び個人情報の両方を記憶する。認証システムに参加する企業等のサービス提供地には、端末が設置され、その端末を介した生体認証によるサービスの提供がなされる。実施の形態2は、このような認証システムにおいて、ユーザの利便性を高め、生体認証を用いたサービスの拡大を図るものである。
(2-2)
実施の形態1の(1-2)、(1-3)に記載したとおり、複数の企業の識別情報の各々に対して、1以上のサービスが関連付けられて記憶されるのは、情報提供サーバ210のDB213でなく、他の記憶装置(ストレージサーバ)であっても良い。記憶装置は、例えば、企業毎に設けられていても良い。
また、記憶装置は、(2-1)に記載の企業ID(企業の識別情報)によって特定されても良い。この場合、(2-1)の図9におけるステップS211~S215の処理、及び図10のステップS221~S223、S225、S226の処理は、同様に実行される。
ステップS224において、企業ID特定部215は、DB213において、判定対象となった特徴情報を有するユーザに関連付けられた企業IDを特定する。ここでは、ユーザU1に関連付けられた企業ID「A」が特定される。このときに、サービス抽出部216は、企業ID「A」と対応する記憶装置にアクセスし、企業ID「A」が示す企業(航空会社A)のサービスを抽出する。なお、企業IDによって記憶装置を特定する方法は、(1-3)に記載したとおりである。
以上に示した構成によっても、ユーザは、自身が登録する企業のサービスを把握できるため、より利便性高く企業のサービスを受けることができる。
実施の形態3
実施の形態2において説明した顔認証処理は、異なる方式の情報提供システムによっても実現できる。実施の形態3では、デジタルID型認証方式による顔認証について説明する。
(3-1)
図13は、実施の形態3における情報提供システムS3の概要を示した図である。情報提供システムS3は、TP300A、TP300Bと、TP300A、300Bとそれぞれ接続された情報提供サーバ310A、310Bと、情報提供サーバ310A、310BとネットワークNを介して接続された認証装置320を備える。以下、TP300A、TP300BをまとめてTP300と記載し、情報提供サーバ310A、310Bをまとめて情報提供サーバ310と記載する。TP300は、実施形態1の認証端末に対応し、情報提供サーバ310は、実施形態1の情報提供装置100に対応する。
情報提供サーバ310は、概略、実施の形態2における情報提供サーバ210から顔認証機能を除いた機能を有するサーバ装置であり、認証装置320は、顔認証処理を専用に実行する認証局として機能する。また、図13に示すとおり、認証装置320に対して、情報提供サーバ310A、310Bが接続されている。さらに、情報提供サーバ310Aには、TP300Aが接続され、情報提供サーバ310Bには、TP300Bが接続されている。そして、認証装置320は、複数の情報提供サーバ310に対して、顔認証処理を行う。
なお、図13の情報提供システムS3の構成はあくまで例示であり、情報提供システムS3は、任意の台数のTP、情報提供サーバを有していても良い。また、認証装置320も、1台に限らず、複数台設けられていても良い。
TP300も、TP200と同様、空港、駅、ホテル等の施設に設置可能な端末である。以下の説明において、TP300Aは、図4における空港AP1に設置され、TP300Bは、図4における駅RS1に設置されている。認証システムS3にユーザ登録しているユーザは、TP300を用いて様々なサービスを享受することができる。ユーザは、TP300を用いて、一例として、航空券や鉄道といった交通チケット、イベントのチケットの購入、又は宿泊施設のチェックイン手続き等を行うことができる。また、TP300は、実施の形態2と同様、ユーザに企業のサービス情報を提供することができる。
以下、認証システムS3の各構成要素であるTP300、情報提供サーバ310及び認証装置320の構成について、具体的に説明する。図14は、TP300の構成を示すブロック図である。TP300は、カメラ301、操作部302、通信部303、表示部304、顔画像取得部305、通信制御部306及びサービス提供部307を備える。カメラ301~顔画像取得部305及びサービス提供部307は、実施の形態2におけるカメラ201~顔画像取得部205及びサービス提供部207と同様の処理をするため、説明を省略する。
通信制御部306は、顔画像取得部305がユーザの顔画像を取得した場合に、通信部303を用いて、情報提供サーバ310に対して、ユーザに提供するサービスの問い合わせをする。通信制御部306は、この問い合わせに、ユーザの顔画像の情報を付加する。ただし、通信制御部306は、顔画像に基づいて顔の特徴情報を生成し、その特徴情報を情報提供サーバ310に対して送信しても良い。
図15は、情報提供サーバ310の構成を示すブロック図である。情報提供サーバ310は、通信部311、登録部312、DB313、認証情報処理部314、企業ID特定部315及びサービス抽出部316を備える。ここで、情報提供サーバ310は、顔認証処理を実行せず、サービス情報提供処理を実行する。以下、情報提供サーバ310の各構成要素について説明する。
通信部311は、TP300、又はネットワークNを介して認証装置320と通信するための通信インタフェースである。登録部312は、ユーザの個人情報を、通信部311を介して他の端末又は装置から取得し、取得した情報をDB313に新規ユーザのエントリとして登録する。ユーザの個人情報は、ユーザが企業からサービスを受ける場合に用いられるユーザID、ユーザの氏名のほか、ユーザがサービス登録をしている企業の企業IDが挙げられる。また、登録部312は、上述の情報のうち一部の情報を取得し、その情報を登録済のユーザの更新情報として登録しても良い。
また、登録部312は、複数の企業の各々の企業IDに対して、その企業IDに関連する企業のサービスを関連付けてDB313に登録させる。関連付けられる企業のサービスは、1つでも良いし、複数のサービスであっても良い。なお、関連付けられる企業のサービスは、情報提供サーバ310内に予め記憶されたものでも良いし、通信部311を経由して他装置から取得するものであっても良い。
DB313には、企業IDを含むユーザの個人情報が登録されているほか、企業IDと、企業のサービスとが関連付けて登録されている。
図16は、DB313に登録された情報を示したテーブルである。このテーブルは、図7に示されたテーブルから、特徴情報を除いたものであり、ユーザの個人情報であるユーザID及びユーザの氏名と、企業のサービスとが、企業IDを介して関連付けられている。図16のテーブルに示された情報の詳細については、図7のテーブルに関して説明したとおりであるため、説明を省略する。また、DB313は、DB213と同様に、単一のDBとして設けられていても良いし、複数のDBとして設けられていても良い。
図15に戻り、説明を続ける。認証情報処理部314は、TP300から通信部311を介してサービスの問い合わせを受信した場合に、問い合わせと併せてTP300から取得した顔画像又は顔の特徴情報を、認証装置320に送信する。これにより、認証装置320は、顔認証をすることができる。
また、認証情報処理部314は、認証装置320が顔認証の認証結果として送信したユーザIDを取得する認証結果取得手段としても機能する。認証情報処理部314は、そのユーザIDを用いて、DB313に登録された情報から、そのユーザIDに係る個人を特定する。
なお、実施の形態2に記載のとおり、DB313が個人単位で複数のDBに分割されている場合、認証情報処理部314は、第1のDBに登録されたユーザIDと、照合対象のユーザIDを照合する。第1のDBにおいて一致したユーザIDがあった場合には、顔認証されたユーザ個人を特定できたと判定し、そこで照合処理を中止する。一方、第1のDBにおいて一致したユーザIDがなかった場合には、認証情報処理部314は、別の第2のDBについて、同様の照合を実行する。全てのDBにおいて一致したユーザIDがなかった場合には、認証情報処理部314は、顔認証がされたユーザ個人を特定できず、照合が失敗したと判定する。
また、DB313が、ユーザの個人情報が登録されたDBと、企業IDに対応するサービスの情報が登録されたDBとに分割されている場合、認証情報処理部314は、前者のDBに対して、照合処理を行う。
企業ID特定部315は、認証情報処理部314がユーザ個人を特定できた場合に、DB313(登録側)において、判定対象となったユーザに関連付けられた企業IDを特定する。例えば、図16に記載の例において、特定されたユーザがユーザU1であれば、企業ID特定部215は企業ID「A」を特定する。一方、特定されたユーザがユーザU2であれば、企業ID特定部215は企業ID「B」を特定する。
サービス抽出部316は、企業ID特定部315が特定した企業IDに関連付けられた企業のサービスを抽出する。例えば、図16に記載の例において、企業ID特定部315が企業ID「A」を特定した場合には、サービス抽出部316は、サービスとして、移動手段「飛行機A」、宿泊「ホテルA」を抽出する。一方、企業ID特定部215が企業ID「B」を特定した場合には、サービス抽出部316は、サービスとして、移動手段「鉄道B」、宿泊「ホテルB」を抽出する。
なお、認証情報処理部314は、認証情報処理部314がユーザ個人を特定した場合に、上述のように、サービス抽出部316が抽出した企業のサービスについて、通信部311を制御して、TP300に送信する。なお、認証情報処理部314は、特定されたユーザのユーザID、氏名等の個人情報を、必要に応じてTP300に送信しても良い。また、認証情報処理部314は、認証情報処理部314がユーザ個人を特定できなかった場合に、その判定結果をTP300に送信する。
図17は、認証装置320の構成を示すブロック図である。認証装置320は、通信部321、登録部322、DB323、認証部324を備える。以下、認証装置320の各構成要素について説明する。
通信部321は、ネットワークNを介して情報提供サーバ310と通信するための通信インタフェースである。登録部322は、ユーザの特徴情報をDB323に新規ユーザのエントリとして登録する。ここで、登録部322は、取得したユーザのユーザIDと特徴情報を関連付けて、DB323に登録する。なお、登録される特徴情報は、他の装置から特徴情報の形式で送信されたものでも良いし、他の装置から取得した顔画像を、後述の認証部324で処理することで特徴情報として取得しても良い。
DB323には、ユーザの特徴情報と、ユーザIDとが、登録部322によって関連付けて登録されている。ここで、DB323は、認証に必要な情報が登録されているものの、ユーザ個人が具体的に誰か分かるような個人情報は登録されていない。そのような個人情報は、上述の情報提供サーバ310のDB313に登録されている。
図18は、DB323に登録された情報を示したテーブルである。このテーブルは、図7に示されたテーブルにおける、ユーザの特徴情報とユーザIDを抜粋したものである。図18のテーブルに示された情報の詳細については、図7のテーブルに関して説明したとおりであるため、説明を省略する。また、DB323は、N名のユーザについて特徴情報とユーザIDが関連付けて登録された第1のDB、M名のユーザについて特徴情報とユーザIDが関連付けて登録された第2のDB、のように、複数のDBとして設けられていても良い。
図17に戻り、説明を続ける。認証部324は、情報提供サーバ310から取得した顔画像に応じて、顔認証処理を行う。具体的には、通信部321を介して照合対象となるユーザの顔画像を受信したときに、認証部324は、顔画像を用いて特徴情報を生成する。その後、生成された特徴情報と、DB323に格納された特徴情報を比較する1対N照合を実行し、対象となるユーザがDB323に登録されているか否かを判定する。なお、認証部324は、特徴情報が特徴量であるか特徴ベクトルであるかに応じて、実施の形態2に記載したとおり、判定方法を変更する。
なお、上述のとおり、DB323が個人単位で複数のDBに分割されている場合、認証部324は、第1のDBに登録されたユーザの特徴情報と、照合対象の特徴情報を照合する。第1のDBの照合中に「認証成功」と判定された場合には、そこで顔認証を中止する一方、第1のDBの照合が「認証失敗」と判定された場合には、認証部214は、別の第2のDBについて照合を実行する。全てのDBの照合において「認証失敗」と判定された場合には、認証部324は、顔認証が失敗したと判定する。
また、TP300が、撮影した顔画像に基づいて顔の特徴情報を生成し、その特徴情報が認証装置320に送信された場合、認証部324はその特徴情報をそのまま用いて、顔認証を行う。
認証部324は、「認証成功」と判定された場合、特定されたユーザのユーザIDを、通信部321を用いて情報提供サーバ310に送信する。情報提供サーバ310の認証情報処理部314は、そのユーザIDを用いて、ユーザ個人を特定する。
以下、情報提供システムS3においてなされる処理の一例について説明する。最初に、認証装置320のユーザ登録処理の一例を説明する。ユーザは、端末装置を用いて認証装置320にアクセスし、ユーザID及びユーザの顔画像を送信する。ここで、登録において、登録ユーザ以外がDB323に記憶される情報を更新できないように、パスワードが設定されても良い。認証装置320にアクセスする端末装置に対して、登録ユーザに対応付けられたパスワードの送信を要求することで、不正なアクセスを防止することができる。
認証部324は、送信された顔画像を用いて特徴情報を生成し、その特徴情報とユーザIDを関連付けて、図18のように登録する。なお、ユーザは、顔画像ではなく特徴情報を認証装置320に送信し、認証装置320はその特徴情報をそのままDB323に登録しても良い。
次に、情報提供サーバ310のユーザ登録処理の一例を説明する。ユーザは、サービス提供者である企業毎に、サービス登録をする。仮に、航空会社Aが情報提供サーバ310Aを有しており、ユーザが航空会社Aにサービス登録をする場合には、ユーザは、端末装置から情報提供サーバ310Aにアクセスして、ユーザIDと個人情報を送信する。登録部312は、取得したユーザのユーザIDと個人情報を、通信部311を介して取得し、取得した情報をDB313に新規ユーザのエントリとして登録する。なお、情報提供サーバ310Aは、端末装置から他の装置を経由して、ユーザIDと個人情報を取得しても良い。
図19を用いて、上述の登録処理後に、情報提供システムS3においてなされる認証処理の一例について説明する。
まず、TP300Aは、TP300Aの正面にいるユーザU1から、操作部302を介して、地域1から地域2への移動方法について問い合わせを受ける。この問い合わせを受けて、顔画像取得部305は、顔認証を実行するために、カメラ301でユーザU1を撮影し、顔画像を取得する(ステップS311)。問い合わせに係る情報には、例えば、出発地としての地域1、到着地としての地域2、移動日、移動の出発時刻又は到着時刻の少なくともいずれかの情報が含まれていても良い。また、移動の出発時刻又は到着時刻の情報に代えて、現在時刻の情報が含まれていても良い。
TP300Aの通信制御部306は、ユーザU1の顔画像と、地域1から地域2への移動方法の問い合わせを、通信部303を介して、情報提供サーバ310に送信する(ステップS312)。情報提供サーバ310の認証情報処理部314は、受信したサービスの問い合わせに応じて、TP300Aから取得した顔画像を含めた認証要求を、認証装置320に送信する(ステップS313)。
認証装置320の通信部321は、情報提供サーバ310からの認証要求を受信する。認証部324は、受信した顔画像から特徴情報を生成し、その特徴情報と、DB323に登録された特徴情報とを1対N照合して、顔認証を実施する(ステップS314)。具体的には、認証部324は、ユーザU1の顔画像から特徴情報「FV1」を生成する。認証部324が、特徴情報「FV1」と、DB323に登録された図18記載のテーブルと1対N照合を行うことにより、認証部324は、ユーザU1のユーザID「U1」を特定する。認証部324は、特定されたユーザのユーザID「U1」を、通信部321を用いて情報提供サーバ310に送信する(ステップS315)。
情報提供サーバ310の通信部311は、認証装置320からユーザID「U1」を受信する。認証情報処理部314は、そのユーザID「U1」を用いて、ユーザ個人を特定する(ステップS316)。企業ID特定部315は、DB313において、認証情報処理部314が特定したユーザ個人に関連付けられた企業IDを特定する。サービス抽出部316は、企業ID特定部315が特定した企業IDに関連付けられた企業のサービスを抽出する。認証情報処理部314は、「認証成功」の判定結果と、サービス抽出部316が抽出した企業のサービスを、通信部311を制御して、TP300Aに送信する(ステップS317)。
例えば、DB313に図16のテーブルが登録されている場合には、認証情報処理部314は、ユーザ個人として、認証装置320から受信したユーザID「U1」と、図16のテーブルにおけるユーザID「U1」が一致することを判定して、ユーザ個人を特定する。企業ID特定部315は、特定されたユーザID「U1」に関連付けられた企業ID「A」を特定する。サービス抽出部316は、企業ID「A」に関連付けられた企業のサービスである「飛行機A」、「ホテルA」を抽出する。
さらに、サービス抽出部316は、問い合わせ内容が「地域1から地域2への移動方法」であることに基づき、問い合わせ内容に基づくサービス情報として、「飛行機A」及び「ホテルA」から、「飛行機A」を選択する。認証情報処理部314は、「認証成功」の判定結果と、サービス抽出部316が抽出した「飛行機A」のサービス情報を、通信部311を用いて、TP300Aに通知する。なお、認証情報処理部314は、ユーザU1の個人情報(例えば氏名「N1」、ユーザID「U1」)を、併せてTP300Aに通知しても良い。
TP300のサービス提供部307は、サービス情報である地域1から地域2への移動方法「飛行機A」を、表示部304に優先的に表示する(ステップS315)。このようにして、ユーザU1は、地域1から地域2への移動方法である「飛行機A」の情報を知ることができる。
別の例として、ユーザU2が、駅RS1に設置されたTP300Bから、操作部302を介して、地域1から地域2への移動方法について問い合わせをした場合を想定する。ステップS311~S313の説明については、上述と同様であるため、省略する。ステップS314において、認証装置320の認証部324は、顔認証を実施して、ユーザU2のユーザID「U2」を特定する。認証部324は、特定されたユーザのユーザID「U2」を、通信部321を用いて情報提供サーバ310に送信する(ステップS315)。
情報提供サーバ310の認証情報処理部314は、受信したユーザID「U2」を用いて、ユーザ個人を特定する(ステップS316)。企業ID特定部315は、特定されたユーザID「U2」に関連付けられた企業ID「B」を特定する。サービス抽出部316は、企業ID「B」に関連付けられた企業のサービスである「鉄道B」、「ホテルB」を抽出する。
さらに、サービス抽出部316は、問い合わせ内容が「地域1から地域2への移動方法」であることに基づき、問い合わせ内容に基づくサービス情報として、「鉄道B」及び「ホテルB」から、「鉄道B」を選択する。認証情報処理部314は、「認証成功」の判定結果と、サービス抽出部316が抽出した「鉄道B」のサービス情報を、通信部311を用いて、TP300Aに通知する。TP300のサービス提供部307は、サービス情報である地域1から地域2への移動方法「鉄道B」を、表示部304に優先的に表示する(ステップS315)。このようにして、ユーザU2は、地域1から地域2への移動方法である「鉄道B」の情報を知ることができる。
以上のように、顔認証の認証装置とサービス情報を提供するサーバが別に設けられる場合であっても、ユーザが受けられるサービスの利便性を高め、生体認証を用いたサービスの拡大を図ることができる。
また、図13に示された構成において、複数のサービス提供者が、それぞれ情報提供サーバ310A、310Bを有していても良い。例えば、サービス提供者である航空会社A、鉄道会社Bが、それぞれ情報提供サーバ310A、310Bを有していても良い。また、航空会社AがTP300Aをさらに有し、鉄道会社BがTP300Bをさらに有していても良い。この場合、航空会社A、鉄道会社Bは、それぞれ自社のシステムとして、TP300A及び情報提供サーバ310A、TP300B及び情報提供サーバ310Bを有する。そして、認証装置320は、複数のサービス提供者に対して、顔認証処理を行うことになる。また、ユーザは、企業毎に、ユーザ登録(サービス情報提供に係る登録)をする。
この場合、例えば航空会社Aはそのシステム上において、航空会社Aのグループ会社又は業務提携している企業について、複数の企業IDを、DB313に格納していても良い。認証装置320からユーザのユーザIDを受信した場合に、情報提供サーバ310Aは、そのユーザIDが複数の企業IDのうちのどの企業IDに関連付けられているかを判定し、その関連付けられた企業IDに対応するサービス情報を、TP300Aに送信する。
(3-2)
また、複数の企業が、それぞれ情報提供サーバ310A、310Bを有している場合に、認証システムS3に対して、生体情報(例えば顔の特徴情報)と個人情報を分離して記憶するための構成として、サービスIDと、サービスユーザIDを導入しても良い。サービスIDは、各企業に割り当てられるIDである。サービスユーザIDは、企業とユーザの組み合わせにより決められるIDであって、認証結果により特定されるユーザの情報である。
例えば、図13で示した例において、航空会社Aが情報提供サーバ310Aを有し、航空会社AにサービスID「G1」が割り当てられる場合を想定する。情報提供サーバ310Aは、サービスID「G1」を記憶しており、ユーザU1が航空会社Aにユーザ登録したときには、情報提供サーバ310AのDB313に、ユーザU1の個人情報、企業ID及び企業が提供するサービスが登録される。このとき、情報提供サーバ310Aは、認証装置320に、ユーザU1のユーザID「U1」と、サービスID「G1」を送信する。
認証装置320の登録部322は、送信されたユーザID「U1」が、DB323に既に特徴情報と関連付けられて登録されているか否かを判定する。登録されている場合には、ユーザID「U1」とサービスID「G1」を用いて、新規のサービスユーザID「H1」を生成し、サービスユーザID「H1」を、サービスID「G1」とともに、ユーザID「U1」、特徴情報「FV1」と関連付けてDB323に登録する。
その後、認証装置320は、サービスユーザID「H1」とユーザID「U1」を、情報提供サーバ310Aに送信する。情報提供サーバ310Aの登録部312は、ユーザID「U1」に関連付けられてDB313に登録された情報に、サービスユーザID「H1」をさらに関連付けて登録する。
そして、図19に示した認証処理を行うときには、ステップS313において、情報提供サーバ310Aは、TP300Aから取得したユーザU1の顔画像と、サービスID「G1」を含む認証要求を、認証装置320に送信する。認証装置320は、ステップS314において、サービスID「G1」と、顔画像から生成した特徴情報「FV1」を用いて、DB323を参照し、サービスID「G1」と特徴情報「FV1」に関連付けられたサービスユーザID「H1」を特定する。認証装置320は、ステップS315において、ユーザIDではなく、特定したサービスユーザID「H1」を、情報提供サーバ310Aに送信する。
情報提供サーバ310Aの認証情報処理部314は、ステップS316において、サービスユーザID「H1」を用いてDB313を参照し、サービスユーザID「H1」に関連付けられた個人情報を特定する。以下、企業ID特定部315、サービス抽出部316が実行する処理は、上述と同様であるため、説明を省略する。
以上のように、サービスIDと、サービスユーザIDを認証システムS3に導入する場合には、認証がなされた場合に、サービスユーザIDが認証装置320から情報提供サーバ310に送信される。このサービスユーザIDは、認証システムS3でのみ用いられ、ユーザと直接紐づけられた情報ではない。そのため、よりユーザのプライバシーが保たれた認証システムS3を提供することができる。
また、認証システムS3において、複数のサービス提供者が、1又は複数台のTP又は情報提供サーバを共有していても良い。例えば、1台の情報提供サーバが、所定の地域のTPを管理し、所定の地域に設けられたTPは、その地域を管理する情報提供サーバとの間で通信をすることで、情報提供サーバからサービス情報の提供を受けることができる。
また、実施の形態3においては、実施の形態2に記載した変形例を、適宜適用することができる。
以降の実施の形態では、実施の形態2、3においてなされたサービス情報の提供について、より具体的な例を説明する。以降の説明においては、便宜上、実施の形態2を参照した説明を行うが、実施の形態3でも、以降の説明と同様の処理を実現することができる。また、以降の実施の形態に記載した技術的特徴は、適宜組み合わせられることは言うまでもない。
実施の形態4
実施の形態2において、DB213に登録される移動手段、宿泊施設等の企業のサービスとして、生体認証(例えば顔認証)が用いられるサービスが、企業IDと関連付けて記憶されても良い。例えば、図7に示す例において、飛行機Aの搭乗手続きや、ホテルAでのチェックイン手続きが生体認証により可能であっても良い。また、企業IDが示す企業ではなく、その企業と業務提携をしている企業が提供する生体認証が用いられるサービスが、企業IDと関連付けて登録されていても良い。なお、企業毎に設けられた記憶装置に、生体認証(例えば顔認証)が用いられるサービスが記憶されていても良い。
このように、識別情報に係る企業に関連する生体認証が用いられるサービスが登録され、ユーザの問い合わせによって表示部204に表示されることで、ユーザは、より自身にとって簡便なサービスを知り、使う機会を多く得られる。また、サービスを提供する企業にとっても、ユーザの利用頻度を増すことができると考えられる。
実施の形態5
移動手段、宿泊施設等の企業のサービスとして、企業IDに係る企業が割引で提供するサービス、又は企業がユーザに対して特典を付与するサービスの少なくともいずれかが、DB213に記憶されても良い。割引は、例えば、サービスを提供する会社又はその会社と業務提携している会社が提供するクレジットカード支払いにより、受けられるものであっても良い。特典は、景品や、支払いによって付与されるポイントが含まれる。ポイントは、蓄積されることにより、ユーザが何らかのギフトを受けられるものをいい、例えば、航空会社のマイル等が含まれる。
例えば、図9において、ユーザが航空会社Aの飛行機A及びレジャー施設A1を利用した場合に、航空会社Aがそれぞれのサービス利用にポイントを付与しても良い。また、ユーザが鉄道会社Bの鉄道B及びホテルB1を利用した場合に、鉄道会社Bがそれぞれのサービス利用にポイントを付与しても良い。航空会社A、鉄道会社Bは、提案する特典が異なっていても良い。
DB213は、サービス及びそのサービスの割引又はポイントの少なくともいずれかの情報を、関連付けて記憶する。サービス抽出部216は、抽出したサービス及びそれに関連付けて記憶された割引、ポイントの情報を、TP200に送信する。TP200のサービス提供部207は、取得したサービスの情報だけでなく、そのサービスの割引、ポイントの情報を、表示部204に表示させる。これにより、ユーザは、サービスの割引、ポイントの情報を知ることができる。
図20、21は、それぞれ実施の形態2における図11、12の表示例において、サービス抽出部216で抽出された移動手段のサービスを利用した場合に加算されるポイントの一例を示したものである。図20では、地域1から地域2への移動手段「飛行機A」を使用した場合に、1000ポイントが加算されることが表示されている。また、図21では、「飛行機A」の加算ポイントのほか、「鉄道B」を使用した場合に、700ポイントが加算されることが表示されている。これらの具体的なポイントの数値は、情報提供サーバ210のDB213に、それぞれ「飛行機A」、「鉄道B」と関連付けて記憶されている。サービス抽出部216が「飛行機A」、「鉄道B」のサービスを抽出したときに、それらに関連付けて記憶されたポイントの情報として、ポイントの数値がTP200に送信される。TP200は、このようにして取得したポイントの数値を、図20、21のように表示部204に表示させる。
なお、サービス又は会社の割引、ポイントの値は、DB213に登録されていなくても良く、他の装置から取得しても良い。例えば、DB213に、図7に示した情報が登録され、各サービスを提供する企業のサーバに、サービスの割引、ポイントの値が記憶されていても良い。サービス抽出部216は、例えば特定された企業IDに基づいて、(1-2)、(1-3)に示した方法と同様に、企業のサーバに対して問い合わせをし、割引、ポイントの情報を取得しても良い。なお、企業のサーバに、各サービスの割引、ポイントの値だけでなくサービスの情報も記憶され、サービス抽出部216は、そのサーバから情報を取得しても良い。
また、実施の形態2において、サービス抽出部216が複数のサービス(例えば、複数の企業が提供するサービス)を抽出した場合に、その複数のサービス間における優先順位を決定するための要素として、割引、ポイント等を用いても良い。
例えば、DB213に図7に示したテーブルが登録されており、ユーザU4が、図4におけるTP200で、地域1から地域2への移動手段について問い合わせをした場合を想定する。ここで、図7に示すとおり、ユーザU4には企業ID「A」、「B」の両方が関連付けて登録され、移動手段のサービスとして、企業ID「A」には「飛行機A」、企業ID「B」には「鉄道B」がそれぞれ関連付けて登録されている。したがって、サービス抽出部216は、「飛行機A」及び「鉄道B」を抽出する。
このとき、サービス抽出部216は、「飛行機A」及び「鉄道B」のそれぞれの割引又はポイントを用いて、「飛行機A」及び「鉄道B」間の優先順位を決定しても良い。割引に関しては、例えば、割引となる金額、又は原価の運賃からの割引率のいずれかが大きいサービスの優先順位を高くしても良い。また、ポイントに関しては、ポイント自体の値、又はポイントを金額に換算した値のいずれかが大きいサービスの優先順位を高くしても良い。
例えば、「飛行機A」を利用した場合の割引価格が5000円、「鉄道B」を利用した場合の割引価格が1000円である場合に、サービス抽出部216は、「飛行機A」を「鉄道B」よりも優先順位を高く設定する。別の例として、「飛行機A」を利用した場合に蓄積するポイントが1000ポイント、「鉄道B」を利用した場合に蓄積するポイントが2000ポイントである場合に、サービス抽出部216は、「鉄道B」を「飛行機A」よりも、優先順位を高く設定する。サービス抽出部216は、優先順位を高く設定したサービスが、TP200の表示部204で優先されて表示されるよう、優先順位を設定する。
さらに、各企業は、企業に対応するサービスについて、ユーザの獲得ポイントに応じたギフトを設定しても良い。サービス抽出部216は、複数の企業のサービスを抽出した場合に、ある企業のサービスを利用することによりユーザが何らかの特典を獲得可能なサービスがあれば、その企業のサービスの優先順位を、他の企業のサービスよりも高くしても良い。
ギフトの情報は、上述のとおり、サービスの割引、ポイントの値の情報と同様、DB213又は情報提供サーバ210とは別の記憶装置に記憶される。また、ユーザの獲得ポイントの情報も、ユーザの情報の一部として、DB213又は情報提供サーバ210とは別の記憶装置(例えば、企業のサーバ)に記憶される。サービス抽出部216は、取得した情報に基づいて、ユーザのこれまでの獲得ポイントと、企業のサービスを受けた場合に獲得するポイントの合計が、ギフトを受けられるポイントに到達しているか否かを判定することができる。
なお、上述の例で「飛行機A」、「鉄道B」のうち優先順位が低く設定されたものは、TP200に送信されても良いし、送信されなくても良い。TP200に送信される場合には、優先順位が高い方と比較して、表示の優先順位が低く設定される。優先順位に応じた表示の具体的な方法については、(2-1)に記載のとおりである。
このような処理がなされることで、ユーザは、自身にとってより利益を得られるサービスを知り、使う機会を多く得られる。また、サービスを提供する企業にとっても、ユーザの利用頻度を増すことができると考えられる。
実施の形態6
実施の形態2で表示されるサービス情報は、「飛行機」、「ホテル」等の概略的な情報であったが、サービスを説明するさらに詳細な情報が表示されても良い。これは、情報提供サーバ210のDB213に、企業のサービス情報と関連付けて、サービスの詳細な情報を登録することにより実現できる。または、別の1又は複数の装置から、通信部211を介して、情報提供サーバ210が詳細な情報を取得しても良い。
図22は、DB213に登録されるサービスの詳細な情報の具体例である。「ホテルB」には、「3ツ星ホテル 温泉有」の詳細な説明及びその地図上の位置「位置H1」が関連付けられている。「レストランB」には、「フレンチ 17時~21時」の詳細な説明及びその地図上の位置「位置R1」が関連付けられている。「カフェB」には、「100席 10時~20時」の詳細な説明及びその地図上の位置「位置C1」が関連付けられている。図22に示したサービスは、図4の地域1において鉄道会社Bの提供するサービスであり、そのサービス情報は、DB213に、企業ID「B」と関連付けて登録されている。
一例として、ユーザU2が地域1の駅RS1に設けられたTP200において、TP200周辺で登録会員として受けられるサービスについて問い合わせをする場合を想定する。TP200は、この問い合わせの内容と、ユーザU2の顔の特徴情報を含む認証要求を情報提供サーバ210に送信する。情報提供サーバ210は、送信された特徴情報からユーザU1を特定し、ユーザU2と関連付けて登録された企業ID「B」を特定する(図7を参照)。サービス抽出部216は、問い合わせの内容に基づいて、企業ID「B」(鉄道会社B)の提供するサービスとして、移動手段以外の宿泊・レストラン・カフェのサービスを抽出する。この場合には、図22に示した「ホテルB」、「レストランB」、「カフェB」のサービスを、その詳細な情報とともに抽出する。認証部214は、抽出したこれらの情報を、TP200に送信し、TP200のサービス提供部207は、表示部204にこれらの情報を優先的に表示させる。
図23は、表示部204の表示画面の一例である。表示画面では、TP200が設けられた現在地、TP200周辺の地図及び「ホテルB」、「レストランB」、「カフェB」の地図上の位置が表示される。「ホテルB」、「レストランB」、「カフェB」の地図上の位置は、例えば、TP200に記憶されたTP200周辺の地図情報(位置情報)と、情報提供サーバ210から出力された位置情報「位置H1」、「位置R1」及び「位置C1」とをTP200が合成して、生成することができる。また、表示部204には、情報提供サーバ210から取得したユーザID「U2」や、ユーザU2の氏名「N2」も表示されている。
また、表示部204の表示方法は、地図を用いたものでなくても良い。図24に示すように、表示部204は、施設一覧として、「ホテルB」、「レストランB」、「カフェB」のアイコンと文字説明を一覧で表示するようにしても良い。さらにいえば、ユーザがTP200の操作部202を操作することで、図23の表示と図24の表示とが切り替えられるように制御されても良い。
また、ユーザは、操作部202を操作することで、図25に示した詳細な説明を表示することができる。例えば操作部202がタッチディスプレイであり、ユーザが図23においてホテルBをタッチした場合に、TP200のサービス提供部207は、操作を検出して、ホテルBの詳細な説明である「3ツ星ホテル 温泉有」を、図25のように表示させる。これにより、ユーザは、関心がある施設の詳細な情報を知ることができる。
以上のようにして、ユーザU2は、自身が会員登録をした鉄道会社Bのサービスを優先的に知ることができる。
実施の形態7
実施の形態2で表示される移動手段のサービス情報は、「飛行機」、「鉄道」等、単独の移動手段の情報であったが、複数の移動手段の情報が表示されても良い。
図26は、ユーザU2がV駅に設けられたTP200において、V駅からYスタジアムに向かう経路を問い合わせた場合の例を示す。図26に示されたとおり、V駅からYスタジアムに向かうには、W駅を経由する必要がある。そして、V駅からW駅に向かうには、鉄道B線又は鉄道C線の2通りの路線があり、W駅からYスタジアムに向かうには、Bバス又はCバスの2通りの路線がある。したがって、V駅からYスタジアムに向かう経路は、4通り存在する。なお、鉄道B線及びBバスは、鉄道会社Bが運営している移動手段であり、鉄道C線及びCバスは、鉄道会社Cが運営している移動手段である。
TP200は、実施の形態2で記載したように、情報提供サーバ210に接続されており、TP200は、ユーザU2の顔の特徴情報と、問い合わせの内容を含めた認証要求を情報提供サーバ210に送信する。TP200の認証部214は、送信された顔の特徴情報に基づいて、ユーザU2を特定する。企業ID特定部215は、ユーザU2に関連付けられて登録された企業ID「B」を特定する。
この実施形態では、DB213において、企業ID「B」に、「B線」及び「Bバス」が関連付けて登録されている。さらに、DB213には、V駅からYスタジアムへの移動手段の一覧が登録されている。そのため、サービス抽出部216は、問い合わせ内容に沿ったサービス情報として、優先順位の高い情報である「B線」及び「Bバス」を選択する。さらに、サービス抽出部216は、V駅からYスタジアムへの他の移動手段として、DB213に登録された移動手段の一覧を参照し、「C線」及び「Cバス」を抽出する。
そして、認証部214は、「B線」の情報が「C線」の情報よりも優先順位が高くなるか、又は、「Bバス」の情報が「Cバス」の情報よりも優先順位が高くなるか、の少なくとものいずれかを満たすような優先順位を設定する。
例えば、優先順位の1番として、全行程において鉄道会社Bのサービスを最大限に(最大数)利用する経路が設定されても良い。2番以降の優先順位として、鉄道会社Bのサービスを経路の一部で必ず利用する経路の中で、所要時間が短い又は交通費が安い経路の順に、優先順位が設定されても良い。この場合、鉄道会社Bのサービスを利用しない経路は、鉄道会社Bのサービスを経路の一部で必ず利用する経路に比較して、優先順位が下がることになる。
また、優先順位の1番として、鉄道会社Bのサービスを経路の一部で必ず利用する経路の中で、所要時間が最短又は交通費が最安の経路が設定されても良い。2番以降の優先順位としては、鉄道会社Bのサービスを経路の一部で必ず利用する経路の中で、所要時間が短い又は交通費が安い経路の順に、優先順位が設定されても良い。
なお、「B線」、「Bバス」、「C線」及び「Cバス」のそれぞれの時刻表、運賃、所要時間は、V駅からYスタジアムへの移動手段の一覧として、DB213に登録されていても良い。又は、鉄道会社B、鉄道会社Cのサーバから、通信部211を介して、情報提供サーバ210が取得しても良い。これらの情報を用いて、認証部214は所要時間又は交通費の計算をし、優先順位を設定する。
認証部214は、以上のようにして設定された優先順位と、「B線」、「C線」、「Bバス」及び「Cバス」の詳細な情報を、TP200に送信する。TP200のサービス提供部207は、この優先順位に従った経路表示を、表示部204に表示させる。
図27は、表示部204に表示された経路表示の一例である。図27では、B線及びBバスを用いる経路が「経路候補1」として、優先順位が最も高く表示されている。次に、鉄道はC線、バスはBバスを用いる経路が「経路候補2」として、2番の優先順位で表示されている。
図28は、図27に示された表示部204の画面表示から、ユーザが操作部202を操作することで表示される、優先順位が低い経路表示の一例である。図28では、鉄道はB線、バスはCバスを用いる経路が「経路候補3」として、3番の優先順位で表示されている。最後に、鉄道会社Bのサービスを使用しない、C線及びCバスを用いる経路が「経路候補4」として、最下位の優先順位で表示されている。
図27、26に示されたとおり、表示部204には、移動手段の詳細な情報として、所要時間が表示される。B線を利用する場合には、「3駅 10分」、C線を利用する場合には、「2駅 5分」、Bバスを利用する場合には、「1停留所 15分」、Cバスを利用する場合には、「2停留所 18分」がそれぞれ表示される。また、移動手段の詳細な情報として、合計の運賃が、経路候補1で「686円」、経路候補2で「676円」、経路候補3で「705円」、経路候補4で「697円」として表示される。また、表示部204には、ユーザU1のユーザID及び氏名(個人情報)も表示される。
以上のように、鉄道会社Bのサービスを経路の一部で必ず利用する経路を、鉄道会社Bのサービスを利用しない経路に比較して、その優先順位を高くして表示することができる。これにより、ユーザU2は、自分の登録する鉄道会社Bのサービスをより受けやすくなる。
実施の形態8
実施の形態2に記載の処理は、出張や旅行等の旅程において、行先が決まっているものの、移動手段が決まっていないユーザに対し、移動手段を提示する経路案内にも適用できる。
一例として、実施の形態2における情報提供サーバ210は、他の装置から、図29に示すユーザU1の旅程情報を取得する。この旅程情報は、2020年8月14日~2020年8月16日に沖縄に滞在する旅程を示している。より詳細には、往路の到着便が「2020/8/14 10:00 那覇空港着」、復路の到着便が「2020/8/16 13:00 那覇空港発」である。8月14日、15日の宿泊先は、那覇XXホテルである。旅程中のイベントは、「2020/8/15 15:00~18:00 YYライブ@名護市ZZスタジアム」である。しかしながら、この旅程情報には、滞在先での移動手段(移動手段)が含まれていない。そのため、ユーザU1は、滞在先の移動手段を決める必要がある。
この旅程情報は、例えば、ユーザが端末から情報提供サーバ210にアクセスして登録することにより、情報提供サーバ210が取得しても良い。取得された旅程情報は、DB213のユーザU1の情報(例えばユーザID「U1」)と関連付けて登録されることにより、後述の移動手段の検索に役立つ。また、ユーザ本人ではなく、旅行に係るサービスを提供する会社のサーバから、情報提供サーバ210が取得しても良い。
例えば、ユーザが図29に示すパッケージツアーの旅行を、旅行代理店で予約した場合に、旅行代理店のサーバには、図29の情報が格納される。旅行代理店のサーバは、その情報を、情報提供サーバ210に対して、所定のタイミングで送信する。送信するタイミングは、例えば、旅行の予約又は決済をした段階であっても良いし、出発日(図29における8月14日)が所定の日数以内に近づいた日であっても良い。
情報提供サーバ210は、実施の形態2に記載のように、ユーザU1の顔の特徴情報を取得し、認証部214が顔認証処理を行う。企業ID特定部215は、ユーザU1と、ユーザU1のユーザIDに関連付けて登録された企業ID「A」を特定する。その後、サービス抽出部216は、企業ID「A」に関連付けて登録されたサービスを抽出する。この抽出処理において、サービス抽出部216は、図29に示した旅程情報を用いて、ユーザU1の旅程における移動手段を検索する。なお、移動手段の検索を行うタイミングは、顔認証処理を行ったタイミングでも良いし、ユーザU1の端末から移動手段の検索の問い合わせを受信したタイミングでも良いし、出発日が所定の日数以内に近づいた日であっても良い。
ここで、那覇空港から那覇XXホテルまでの経路として、A航空会社の運営するAリムジンバス及びE会社の運営するEバスが存在すると仮定する。また、那覇XXホテルからZZスタジアムまでの経路として、A航空会社の運営するAバス及びF市営バスの運営するFバスが存在すると仮定する。これらの情報、及び各バスの時刻表、バス停、運賃といった詳細な情報は、那覇空港から那覇XXホテルまでの移動手段の一覧及び那覇XXホテルからZZスタジアムまでの移動手段の一覧として、情報提供サーバ210のDB213に予め登録されていても良い。または、これらの移動手段の一覧は、各会社のサーバから情報提供サーバ210が取得しても良い。
サービス抽出部216は、那覇空港から那覇XXホテルまでの経路において、企業ID「A」に関連付けて登録されたサービスとして、「Aリムジンバス」を抽出する。また、那覇XXホテルからZZスタジアムまでの経路において、企業ID「A」に関連付けて登録されたサービスとして、「Aバス」を抽出する。さらに、上述の移動手段の一覧を用いて、那覇空港から那覇XXホテルまでの他の経路として「Eバス」、那覇XXホテルからZZスタジアムまでの他の経路として「Fバス」を抽出する。
より詳細には、サービス抽出部216は、旅程情報記載の予定時刻に対応した時刻のバスを抽出する。例えば、図29記載の旅程情報では、YYライブの開催予定時刻が15時なので、YYライブの往路用のバスとして、開催予定時刻よりも所定時間以上(例えば20分以上)前に到着するような「Aバス」及び「Fバス」の便を抽出する。逆に、YYライブの終了予定時刻は18時なので、YYライブの復路用のバスとして、それよりも所定時間以上(例えば20分以上)後に到着するような「Aバス」及び「Fバス」の便を抽出する。
サービス抽出部216は、企業ID「A」に関連付けられた「Aリムジンバス」を「Eバス」よりも優先し、また「Aバス」を「Fバス」よりも優先して端末に表示させるよう、優先順位を設定する。そのため、最優先で表示される経路は、「Aリムジンバス」及び「Aバス」の両方を用いる経路となる。情報提供サーバ210は、この優先順位の情報と、移動手段の情報を経路として含めた旅程情報を、端末に出力する。端末は、優先順位の情報に基づいた順番で、移動手段の情報を経路として含めた旅程情報を表示する。
図30は、端末に表示される経路検索の結果を示す画面である。画面には、「Aリムジンバス」及び「Aバス」の両方を用いる経路が、最優先経路として表示されている。また、画面に、各バスの出発時刻及び到着時刻、運賃といった詳細な情報が表示されることで、ユーザU1は、詳細な旅程を決めることができる。
なお、2番目の優先順位の経路として、「Aリムジンバス」又は「Aバス」のいずれかを用いる経路が設定されても良い。例えば、サービス抽出部216は、「Aリムジンバス」が無料であり、「Aバス」が740円(有料)であって、「Aバス」を使用した方が「Aリムジンバス」を使用するよりも、航空会社Aの利益になると判断しても良い。この場合、「Eバス」及び「Aバス」を用いる経路を、「Aリムジンバス」及び「Fバス」を用いる経路よりも、優先順位を高くしても良い。優先順位が高い経路がよりユーザU1に注目されやすいため、ユーザU1が航空会社Aの利益になる経路を選択する可能性が高くなる。なお、優先順位の低い経路探索結果の表示方法については、実施の形態5に記載した優先順位の低いサービスの表示方法と同様であるため、説明を省略する。
その他の優先順位の設定方法として、旅程情報中に示されたイベント中で重要度が高いものが設定された状態で、このイベントに向かうための経路の所要時間が短くなり、かつ航空会社Aのサービスを必ず用いる経路を、最優先の経路としても良い。例えば、図29において、「YYライブ」、又は復路の飛行機の予定を、XXホテルのチェックインよりも重要度を高く設定できる。この重要度の情報は、旅程情報に含まれても良いし、情報提供サーバ210のDB213に登録された旅程情報に対して、ユーザ等が設定しても良い。サービス抽出部216は、この重要度の情報に従って、経路の優先順位を決定する。この方法によれば、ユーザは、重要なイベントに間に合うような旅程を立てることができる。
その他の優先順位の設定方法として、航空会社Aの提供する移動手段を必ず利用し、旅程全体を通して移動時間の合計所要時間が短くなる経路、又は旅程全体を通して合計運賃が安くなる経路を、優先順位高く設定することができる。このような優先順位の設定方法については、実施の形態5に詳述したため、説明を省略する。以上のようにして、情報提供サーバ210は、旅程情報を用いて、旅程に必要な移動手段等のサービス情報を、優先順位をつけて提供することができる。
なお、旅程情報として、現地に向かう移動手段のみが決まっている場合も考えられる。例えば、航空会社Aで飛行機の往復フライトをユーザが予約又は決済した場合に、情報提供サーバ210は、旅程情報を、航空会社Aのサーバから取得しても良い。このような場合には、情報提供サーバ210は、現地での移動手段のみならず、宿泊先のホテルについても、実施の形態2と同様の方法で、端末に表示させることができる。
また、旅程情報として、目的となるイベントのみが決まっている場合も考えられる。例えば、図29記載のYYライブをユーザが予約した場合に、YYライブを開催する会社又はYYライブのチケット販売会社のサーバから、情報提供サーバ210が旅程情報を取得しても良い。このような場合には、情報提供サーバ210は、現地での移動手段、宿泊先のホテルの他、現地に向かう移動手段(例えば飛行機)についても、実施の形態2と同様の方法で、端末に表示させることができる。
実施の形態9
実施の形態2において、表示対象となる飛行機Aの便数又は鉄道Bの本数が複数存在する場合には、フライト又は路線を、以下のように表示させることができる。例えば、飛行機Aのフライトが複数便ある場合に、その複数の中から、価格が安い順、又は所要時間が短い順に、優先してTP200の表示部204に表示させても良い。
さらに、ユーザが複数の企業にユーザ登録しており、2以上の移動手段の情報がサービス情報として表示可能である場合に、価格が安いもの、又は所要時間が短いものが、そうでないものよりも優先して表示されても良い。
例えば、実施の形態2の例において、ユーザU4がTP200で移動手段の問い合わせをした場合に、情報提供サーバ210の企業ID特定部215は、企業IDとして「A」及び「B」を特定する。そして、サービス抽出部216は、問い合わせに沿ったサービスとして、「飛行機A」及び「鉄道B」を抽出する。抽出されたこの情報は、TP200に送信される。
このとき、図12に示したように、飛行機Aの所要時間が「2時間」であり、鉄道Bの所要時間が「4時間」である場合には、「飛行機A」の情報が、「鉄道B」の情報よりも優先して表示されても良い。また、飛行機Aの交通費が「2万円」であり、鉄道Bの交通費が「1万円」である場合には、「鉄道B」の情報が、「飛行機A」の情報よりも優先して表示されても良い。このように表示がなされることで、時間又は金額といったユーザが気にする観点から、より利便性が高い表示をすることができる。
また、飛行機Aの複数のフライトのうちから、現在時刻よりも時間的に後のフライトであって、現在時刻に最も近接した出発時刻か、又は所定の時間だけ後のフライトを、他のフライトよりも優先的に表示させても良い。又は、フライト予定日が問い合わせ日よりも将来である場合に、ユーザが問い合わせで設定した予定日における希望時刻に、時間的に最も近傍の出発時刻又は到着時刻を有するフライトを、他のものよりも優先的に表示させても良い。なお、フライトが3つ以上存在する場合には、現在時刻又は希望時刻に近接した出発時刻又は到着時刻を有する順に、フライトを表示させても良い。以上の表示処理は、鉄道Bについても同様に実行できる。
以上に示した優先表示は、認証部214が、表示の優先順位を示す情報として、TP200に送信することで、実現されても良い。TP200のサービス提供部207は、その情報に基づいて、表示部204による表示を行う。または、TP200に、優先表示の分類分けをするためのプログラムが格納されることにより、情報提供サーバ210が、優先順位を示す情報をTP200に送信する必要がないようにしても良い。情報提供サーバ210からサービス情報を取得したTP200が、そのプログラムを実行することにより、表示部204での優先表示が実現される。
飛行機Aや鉄道Bのフライト又は路線の詳細な情報は、DB213に格納されており、情報提供サーバ210がその格納された情報を参照することによって取得しても良い。又は、情報提供サーバ210が、通信部211を介して、航空会社Aや鉄道会社Bのサーバにアクセスすることで、最新のフライト又は路線の詳細な情報を取得しても良い。この方法によれば、時刻情報や臨時の増減便が生じた場合等でも、その情報を反映して表示部204に表示させることができる。情報提供サーバ210は、このようにして取得したサービス情報を、TP200に送信する。
別の例として、情報提供サーバ210に代えて、TP200が、飛行機Aや鉄道Bの複数のフライト又は路線の詳細な情報を取得しても良い。以下、具体例について説明する。まず、TP200は、情報提供サーバ210から飛行機Aや鉄道Bの情報を取得する。この段階で取得する情報は、必ずしも詳細な情報を含んでいる必要はなく、「地域1から地域2への移動手段として飛行機Aや鉄道Bがある」ということを示していれば良い。
TP200のサービス提供部207は、情報提供サーバ210から取得した飛行機Aや鉄道Bの情報に応じて、通信部203を介して、航空会社Aや鉄道会社Bのサーバにアクセスすることで、最新のフライト又は路線の詳細な情報を取得する。このようにしても、TP200の表示部204に、詳細な情報を表示させることができる。
上述の例では、2以上の移動手段の情報がサービス情報として表示可能である場合を説明したが、宿泊施設等、他のサービスの情報についても、同様の処理が可能である。
実施の形態10
さらに、TP200が設けられた場所に応じて、優先表示の方法を変えるように制御しても良い。TP200は、問い合わせに関する情報を情報提供サーバ210に送信するときに、TP200の端末識別情報を併せて送信する。この端末識別情報は、例えば、TP200の位置を示す情報でも良い。
例えば、TP200が空港AP1に設置されており、ユーザU4が地域1から地域2への移動手段をTP200に問い合わせた場合には、TP200は、問い合わせの情報とともに、空港AP1に設置されていることを示す情報を、情報提供サーバ210に送信する。情報提供サーバ210は、上述と同様の処理により、企業ID特定部215が企業ID「A」及び「B」を特定し、サービス抽出部216が、問い合わせに応じた移動手段のサービスとして「飛行機A」及び「鉄道B」を抽出する。ここで、認証部214は、TP200が、「飛行機A」に関連する空港AP1に設置されていることに基づいて、「飛行機A」を「鉄道B」よりも優先して表示させるような優先順位を示す情報を、TP200に送信する。TP200は、その情報に基づいて、「飛行機A」を「鉄道B」よりも優先して表示部204に表示させる。また、ユーザU4が地域1の宿泊施設を空港AP1に設置されたTP200に問い合わせた場合には、TP200は、「ホテルA」を「ホテルB」よりも優先して表示部204に表示させることになる。
他の例として、TP200が駅RS1に設置されており、ユーザU4が地域1から地域2への移動手段をTP200に問い合わせた場合には、TP200は、問い合わせの情報とともに、駅RS1に設置されていることを示す情報を、情報提供サーバ210に送信する。サービス抽出部216は、問い合わせに応じた移動手段のサービスとして、「飛行機A」及び「鉄道B」を抽出する。認証部214は、TP200が「鉄道B」と関連する駅RS1に設置されていることに基づいて、「鉄道B」を「飛行機A」よりも優先して表示させるような優先順位を示す情報を、TP200に送信する。TP200は、その情報に基づいて、「鉄道B」を「飛行機A」よりも優先して表示部204に表示させる。また、ユーザU4が地域1の宿泊施設を駅RS1に設置されたTP200に問い合わせた場合には、TP200は、「ホテルB」を「ホテルA」よりも優先して表示部204に表示させることになる。
ここで、空港AP1が「飛行機A」に関連する点、また駅RS1が「鉄道B」に関連する点は、TP200のDB213に予め格納されていても良い。また、端末識別情報は、例えば企業IDのように、TP200が属する企業を特定する情報であっても良い。企業IDを端末識別情報に用いることで、TP200は、優先対象となる企業のサービスを容易に特定することができる。
なお、「優先して表示」とは、上述のとおり、優先対象と判断されたサービスのみが表示部204に表示されることを意味しても良いし、優先対象と判断されたサービス以外のサービスも表示部204に表示可能であることを意味しても良い。
以上のようにして、TP200の配置場所に応じて、その配置場所に関連する特定の企業のサービスを、他社のサービスよりも優先して表示させることができる。そのため、TP200を設置する施設を運営する会社にとって、自社のサービスをより周知させることができるという利点がある。
なお、本開示は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、各実施形態の認証システムは、顔認証に限られず、指紋や虹彩といった、その他の情報を用いた生体認証を実行しても良い。
サービス情報の認証端末(具体的にはTP200又は300)における報知は、画面表示以外にも、音声による通知等、他の形態による報知であっても良い。あるいは、画面表示と音声による通知を組み合わせる等、複数の形態による報知がなされても良い。
例えば、実施の形態2の例において、TP200にスピーカがさらに備えられても良い。TP200が「飛行機A」のみの情報を音声により通知する場合には、サービス提供部207の制御により、スピーカが、「飛行機A」の情報を報知する。報知される「飛行機A」の情報は、上述のとおり、出発時刻、到着時刻、所要時間及び交通費といった詳細な情報を含んでいても良い。
また、TP200が「飛行機A」及び「鉄道B」の情報を音声により通知する場合には、サービス提供部207の制御により、スピーカが、「飛行機A」及び「鉄道B」の情報を出力する。この場合、例えば、サービス提供部207は、「飛行機A」の情報を「鉄道B」の情報よりも時間的に先に報知することで、前者の情報を後者の情報と比較して優先的に報知させることができる。
さらに、実施の形態2において、移動手段又は宿泊施設の予約状況を表示部204に表示させても良い。例えば、サービス抽出部216は、問い合わせに対応するサービスを抽出した後、通信部211を介して、抽出したサービスを提供する各企業(例えば航空会社Aや鉄道会社B)のサーバにアクセスすることで、当該サービスの予約状況を取得する。例えば、飛行機Aのフライトが複数便あるような場合には、航空会社Aのサーバから各便の予約状況を取得しても良い。予約状況は、例えば、空席が十分にある「空席有り」、空席が残り少ない「残り〇席」、空席がない「満席」等で表される。また、宿泊施設の予約状況は、例えば、空室が十分にある「空室有り」、空室が残り少ない「残り〇室」、空室がない「満室」等で表される。
認証部214は、サービス抽出部216が抽出したサービス情報と、企業のサーバから取得したサービスの予約状況を併せてTP200に通知する。TP200のサービス提供部207は、その情報に基づいて、サービス情報とサービスの予約状況を併せて表示部204に表示させる。ここで、予約状況が、空席が残り少ない「残り〇席」である場合には、サービス提供部207は、ユーザに注意を促すために、赤等の目立つ色で予約状況又はそのフライト情報を表示させても良い。また、空席がない「満席」である場合には、サービス提供部207は、ユーザが予約できないことを示すために、薄い色で予約状況又はそのフライト情報を表示させても良いし、予約できないフライト情報を表示しないように制御しても良い。
また、TP200において、本来、飛行機Aが鉄道Bより優先して表示される場合でも、特別な状況においては、鉄道Bが飛行機Aよりも優先して表示されても良い。例えば、地域1から地域2への移動手段として、移動日における飛行機Aのフライトが全て満席であって、鉄道Bの予約状況に空きがある(例えば「空席有り」又は「残り〇席」である)場合には、鉄道Bを優先的に表示させても良い。また、移動日において、フライトに空きがある飛行機Aが存在するものの、その到着時刻が、鉄道Bの少なくとも1本の路線における到着時刻よりも所定時間以上遅い場合には、鉄道Bを優先的に表示させても良い。
同様に、宿泊施設情報の表示において、本来、ホテルAがホテルBより優先して表示される場合でも、ホテルAが満室であり、ホテルBの予約状況に空きがある(例えば「空室有り」又は「残り〇室」である)場合には、ホテルBを優先的に表示させても良い。
また、TP200には、上述のとおり、チケットの予約又は発券の機能を持たせることができる。その場合には、表示された飛行機Aや鉄道Bの情報をユーザが操作部202で選択することで、通信部203を介して、各企業のサーバにアクセスし、チケットを予約又は発券しても良い。なお、TP200が印刷機能を有する場合であって、予約又は発券がなされたときには、TP200は、各企業のサーバから、チケットの予約票又はチケットに関する情報を取得することで、予約票又はチケットを印刷しても良い。この予約票又はチケットには、飛行機や鉄道の出発時刻、到着時刻、移動距離、所要時間、席の種類及び交通費の少なくともいずれかを含むような、詳細な情報が記載されていても良い。
さらに、TP200を介して、チケットの予約又は発券がなされた場合、TP200は、情報提供サーバ210に対して、ユーザのチケットの予約又は発券がなされたことを示す情報を出力する。例えば、ユーザU1がTP200により、航空会社Aの飛行機Aについてe-チケット(Electronic Ticket)を予約した場合、TP200は、情報提供サーバ210に対して、ユーザU1が飛行機Aのe-チケットを予約したことを示す予約情報を出力する。情報提供サーバ210は、この予約情報を、DB213のテーブルにおけるユーザU1の情報に付加する。つまり、予約情報は、ユーザU1の特徴情報FV1と関連付けて記憶される。なお、予約情報は、特徴情報FV1ではなく、ユーザU1の顔情報と関連付けて記憶されても良い。
その後、ユーザU1が空港APのTP200にて顔認証をした場合、TP200から問い合わせの送信を受けた情報提供サーバ210は、DB213のデータに基づいて、ユーザU1を認証する。そして、予約情報を空港APのサービスTP200に送信する。例えばTP200が空港APの搭乗受付に設けられている場合には、TP200は、予約情報に基づいて、ユーザU1の飛行機Aへの搭乗を承認しても良い。
別の例として、航空会社Aが運営している店舗のTP200でユーザU1が顔認証をした場合には、TP200は、情報提供サーバ210からの予約情報を受信したことに基づいて、顔認証に基づく本人確認がなされたと判断しても良い。この店舗のTP200では、本人確認がなされたことにより、買い物の決済処理等が可能となる。このように、予約情報をトリガとする、顔認証のサービスが実現されても良い。
また、TP200にカードリーダを設けることで、クレジットカード等の決済機能を持たせて、チケットを決済しても良い。なお、ユーザの個人情報を取得するために、TP200にカードリーダを設けても良い。
さらに、DB213に、ユーザの個人情報として、ユーザが所有するスマートフォン等の携帯端末のメールアドレスが登録されていても良い。この情報は、図9のステップS214において、情報提供サーバ210からTP200に送信される。そして、TP200において上述のチケットの予約、発券又は決済処理がなされた場合に、チケットの処理がなされたことを示す情報を、TP200からネットワークNを介して携帯端末のメールアドレスに送信されても良い。
また、TP200は、情報提供サーバ210から取得した経路や店舗等のサービス情報を、表示部204に可視化された形で表示するのに代えて、又はそれと併用して、このサービス情報を二次元コード等のコードで表示させても良い。二次元コードは、例えば、QR(Quick Response)コード(登録商標)が挙げられ、TP200は、サービス情報が含まれた二次元コードを作成する。ユーザが自身の端末で二次元コードを読み取ることにより、端末がサービス情報を取得できる。又は、TP200は、サービス情報が含まれるホームページを作成し、二次元コードにそのホームページのURL(Uniform Resource Locator)の情報を含めても良い。端末が二次元コードを読み取り、ホームページのURLにアクセスすることで、ユーザは、自身の端末でサービス情報を閲覧することができる。
また、TP200は、上記のサービス情報の提供方法とは別に、又はそれと併用して、近距離無線通信により、ユーザの端末にサービス情報を送信しても良い。近距離無線通信は、例えばBluetooth(登録商標)が挙げられる。このようにしても、ユーザは、自身の端末でサービス情報を閲覧することができる。
以上に示したTP200におけるサービス情報の表示(報知)は、TP200ではない端末(例えば、ユーザUの所有するスマートフォン等の端末)になされても良い。実施の形態1に記載のとおり、この端末は、生体情報を取得可能である必要はない。なお、サービス情報の宛先となる端末の情報は、例えばユーザの情報として情報提供装置又は他の装置に格納されており、情報提供装置100は、その情報を用いて、サービス情報を端末に送信することができる。
また、実施の形態2において、TP200は、顔認証及びサービス情報の表示のみならず、別の用途にも用いられることができる。例えば、TP200は、上述の目的以外に、施設入場又は退場の場所に設けられたゲートの開閉制御を行う端末であっても良い。より具体的には、図4の例において、TP200が空港APに設けられている場合に、TP200は、搭乗ゲートの入り口に設けることができる。
この場合、TP200は、顔認証を実行する情報提供サーバ210、又はこれとは別の制御サーバに対し、顔認証に係る情報を送信し、当該サーバから顔認証の結果を受信する。サービス提供部207は、結果が認証成功であれば、顔認証の対象となったユーザの入場又は退場を許可し、ゲートを開ける。一方、結果が認証失敗であれば、顔認証の対象となったユーザの入場又は退場を許可せず、ゲートを閉めたままにする。この場合、ユーザは、TP200に対し、ゲートを開くために個人情報を入力する必要がなく、また、TP200は個人情報を記憶する必要がない。
別の例として、ホテルのチェックイン等、TP200は、上述の目的以外に、ホテルのチェックインを行う端末であっても良い。この場合も、TP200のサービス提供部207は、受信した顔認証の結果に基づいて、チェックインの許可又は不許可を判断することができる。サービス提供部207は、判断に基づいて、表示部204に対してその情報を表示させる。また、TP200は、操作部202から取得した個人情報を使って、チェックイン処理等を行うことも可能である。
実施の形態で示したとおり、企業は、自社のサービスだけでなく、業務提携をしている他の企業のサービスについても、自社の企業IDと関連付けてDB上に登録させることにより、他の企業のサービス情報をユーザに提供することができる。ただし、業務提携が終了した等の理由により、他の企業のサービス情報と自社の企業IDとの関連付けを解除しても良い。
以上に示した実施の形態では、この開示をハードウェアの構成として説明したが、この開示は、これに限定されるものではない。この開示は、上述の実施形態において説明された、情報提供サーバ、各種端末、認証装置の処理を、コンピュータ内のプロセッサにコンピュータプログラムを実行させることにより実現することも可能である。例えば、情報提供サーバであれば、図30、10のフローチャートに示された処理を、情報提供方法の処理として実現しても良い。
図31は、以上に示した各実施の形態の処理が実行される情報処理装置のハードウェア構成例を示すブロック図である。図31を参照すると、この情報処理装置10は、通信回路11、プロセッサ12及びメモリ13を含む。
通信回路11は、プロセッサ12の制御に応じて、他の端末又は装置と通信を実行するための回路である。プロセッサ12は、メモリ13からソフトウェア(コンピュータプログラム)を読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された装置の処理を行う。プロセッサ12の一例として、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、FPGA(Field-Programmable Gate Array)、DSP(Demand-Side Platform)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)のうち一つを用いてもよいし、複数を並列で用いてもよい。
メモリ13は、揮発性メモリ及び不揮発性メモリの組み合わせによって構成される。メモリ13は、プロセッサ12から離れて配置されたストレージを含んでもよい。この場合、プロセッサ12は、図示されていないI/O(Input / Output)インタフェースを介してメモリ13にアクセスしてもよい。
図31の例では、メモリ13は、ソフトウェアモジュール群を格納するために使用される。プロセッサ12は、これらのソフトウェアモジュール群をメモリ13から読み出して実行することで、上述の実施形態において説明された処理を行うことができる。
以上に説明したように、上述の実施形態における各装置が有する1又は複数のプロセッサは、図面を用いて説明されたアルゴリズムをコンピュータに行わせるための命令群を含む1又は複数のプログラムを実行する。この処理により、各実施の形態に記載された処理が実現できる。
プログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータに供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/W、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(random access memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下には限られない。
(付記1)
企業の識別情報に対して、1以上のサービスが関連付けられて記憶される記憶手段と、
複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた前記識別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記識別情報と関連付けられて前記記憶手段に記憶されたサービスの情報を端末に出力するサービス情報出力手段と、を備える、
情報提供装置。
(付記2)
前記記憶手段は、前記識別情報に対して、前記識別情報に係る企業に関連する生体認証が用いられるサービスを関連付けて記憶する、
付記1に記載の情報提供装置。
(付記3)
前記サービス情報出力手段は、前記識別情報と関連付けられて前記記憶手段に記憶されたサービスの情報を、他のサービスの情報よりも優先して端末が報知するように、前記端末に出力する、
付記1又は2に記載の情報提供装置。
(付記4)
前記記憶手段は、前記識別情報に対して、前記識別情報に係る企業が割引で提供するサービス、又は前記識別情報に係る企業がユーザに対してポイントを付与するサービスのうち少なくとも1つを関連付けて記憶する、
付記1乃至3のいずれか1項に記載の情報提供装置。
(付記5)
前記記憶手段は、前記識別情報に対して、前記識別情報に係る企業に関連する移動手段を、前記サービスとして関連付けて記憶する、
付記1乃至4のいずれか1項に記載の情報提供装置。
(付記6)
前記記憶手段は、前記ユーザの旅程情報をさらに記憶し、
前記サービス情報出力手段は、前記旅程情報に基づいて、前記取得手段が取得した前記識別情報と関連付けられて前記記憶手段に記憶された移動手段の情報を、他の移動手段の情報よりも優先して前記端末が報知するように、前記端末に出力する、
付記5に記載の情報提供装置。
(付記7)
前記記憶手段は、複数の企業の前記識別情報の各々に対して、1以上の移動手段がサービスとして関連付けられて記憶され、
前記取得手段が前記認証結果に基づいて、前記複数の識別情報のうち2以上の識別情報を取得した場合に、
前記サービス情報出力手段は、前記取得手段が取得した前記識別情報と関連付けられて前記記憶手段に記憶された2以上の前記移動手段の情報のうち、価格が安い順、又は所要時間が短い順に優先して前記端末に報知させるように前記端末に出力する、
付記5又は6のいずれか1項に記載の情報提供装置。
(付記8)
複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた企業の識別情報を取得する取得手段と、
前記取得手段が取得した前記識別情報と関連する1以上のサービスの情報を記憶装置から受信し、受信した前記サービスの情報を端末に出力するサービス情報出力手段と、を備える、
情報提供装置。
(付記9)
前記複数の人物の生体情報と、前記認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いて生体認証を行うことで、前記認証結果を取得する生体認証手段をさらに備える、
付記1乃至8のいずれか1項に記載の情報提供装置。
(付記10)
前記複数の人物の生体情報を記憶した認証装置に対して、前記複数の人物の生体情報と、前記認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いて生体認証を行わせ、その認証結果を前記認証結果として前記認証装置から取得する認証結果取得手段をさらに備える、
付記1乃至9のいずれか1項に記載の情報提供装置。
(付記11)
前記ユーザの生体情報を出力する認証端末と、
付記1乃至10のいずれか1項に記載の前記情報提供装置と、を備える
情報提供システム。
(付記12)
企業の識別情報に対して、1以上のサービスが関連付けられて記憶される記憶装置と、
複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた前記識別情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記識別情報と関連付けられて前記記憶装置に記憶されたサービスの情報を受信し、受信したサービスの情報を端末に出力するサービス情報出力手段と、を有する情報提供装置と、を備える、
情報提供システム。
(付記13)
1以上のサービスを記憶し、企業の識別情報と対応する記憶装置と、
複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた前記識別情報を取得する取得手段と、前記取得手段が取得した前記識別情報と対応する前記記憶装置に記憶された前記サービスの情報を受信し、受信したサービスの情報を端末に出力するサービス情報出力手段と、を有する情報提供装置と、を備える、
情報提供システム。
(付記14)
前記情報提供システムは、前記ユーザの生体情報を出力する認証端末をさらに備える、
付記12又は13のいずれか1項に記載の情報提供システム。
(付記15)
前記記憶装置は、前記識別情報に係る企業に関連する生体認証が用いられるサービスを記憶する、
付記12乃至14のいずれか1項に記載の情報提供システム。
(付記16)
複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた企業の識別情報を取得するステップと、
取得した前記識別情報と関連する1以上のサービスの情報を端末に出力するステップと、を備える、
情報提供方法。
(付記17)
複数の人物の生体情報と、認証端末が出力したユーザの生体情報とを用いた生体認証の認証結果に基づいて、前記認証結果により特定されるユーザの情報に関連付けられた企業の識別情報を取得するステップと、
取得した前記識別情報と関連する1以上のサービスの情報を端末に出力するステップと、
を備える情報提供方法をコンピュータに実行させるプログラムが格納された非一時的なコンピュータ可読媒体。
以上、実施の形態を参照して本開示を説明したが、本開示は上記によって限定されるものではない。本開示の構成や詳細には、開示のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。