JP2014513212A - 種々の鉱石から希土類元素を回収する方法 - Google Patents

種々の鉱石から希土類元素を回収する方法 Download PDF

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Abstract

本発明はアルミニウム含有材料から希土類元素を回収する方法に関するものである。本方法は、少なくとも1つの材料を少なくとも1つの酸で浸出して少なくとも1つの金属イオン及び少なくとも1つの希土類元素を含む浸出液と固体とを得、該浸出液と該固体を分離するステップを含むことができる。本方法は、浸出液から少なくとも1つの金属イオンを実質選択的に除去し、必要に応じて析出物を得るステップも含むことができる。本方法は、前記浸出液及び/又は前記析出物から前記少なくとも1つの希土類元素を実質選択的に除去するステップも含むことができる。

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2011年5月4日に出願した米国特許出願第61/482,253号、2011年9月16日に出願した米国特許出願第61/535,435号、及び2012年3月19日に出願した国際特許出願第PCT/CA2012/000253号の優先権を主張する。これらの特許出願の内容全体を参照により本明細書に援用する。
本発明は、希土類元素(rare earth element:REE)の回収、抽出及び/又は単離に応用される化学分野における改良に関する。例えば、かかる方法は、アルミニウム含有材料及びその誘導体、亜鉛含有材料及びその誘導体、銅含有材料及びその誘導体、ニッケル含有材料及びその誘導体、チタニウム含有材料及びその誘導体等、種々の材料及びその誘導体から希土類元素を獲得するのに有用である。
希土類元素の必要性が様々な技術分野で高まっている。いくつかの国では希土類元素採掘の再開に向けた試みがなされている。将来、希土類元素の供給はこのような希土類元素を必要とする抽出・製造プロセスの採算性及び技術イノベーションに大きく依存することが見込まれる。
国際公開第WO2008/141423号パンフレット 国際公開第WO2009/153321号パンフレット 米国特許第4,816,233号明細書 米国特許第3,013,859号明細書 米国特許出願第2004/0042945号明細書 米国特許第3,751,553号明細書
Kao et al., Chemical Engineering Journal, Volume 119, Issues 2-3, June 15, 2006, pages 167-174 Zhou et al., RARE METALS, Vol. 27, No. 3, 2008, p223-227
そこで、希土類元素を抽出する既存の解決策に代わる代替策を提供することが必要とされている。
一態様によれば、少なくとも1つの材料から少なくとも1つの希土類元素を回収する方法であり、
前記少なくとも1つの材料を少なくとも1つの酸で浸出して少なくとも1つの金属イオン、及び少なくとも1つの希土類元素を含む浸出液を得るステップと、
前記浸出液から前記少なくとも1つの金属イオンを実質選択的に析出、抽出及び/又は単離し、必要に応じて析出物を得るステップと、
前記浸出液及び/又は前記析出物から前記少なくとも1つの希土類元素を実質選択的に析出、抽出及び/又は単離するステップと
を含む方法が提供される。
一態様によれば、少なくとも1つの材料から少なくとも1つの希土類元素を抽出する方法であり、
前記少なくとも1つの材料を少なくとも1つの酸で浸出して少なくとも1つの金属イオン及び前記少なくとも1つの希土類元素を含む浸出液を得るステップと、
前記少なくとも1つの希土類元素及び前記少なくとも1つの金属イオンのうちから選択される少なくとも1つの要素を選択的に析出させるステップとを含む方法が提供される。
一態様によれば、少なくとも1つの材料から少なくとも1つの希土類元素を回収する方法であり、
前記少なくとも1つの材料を少なくとも1つの酸で浸出して少なくとも1つの金属イオン及び少なくとも1つの希土類元素を含む浸出液を得るステップと、
前記浸出液及び/又は前記析出物から前記少なくとも1つの希土類元素を必要に応じて実質選択的に析出、抽出及び/又は単離するステップと、
前記浸出液から前記少なくとも1つの金属イオンを実質選択的に析出、抽出及び/又は単離し、必要に応じて析出物を得るステップと、
前記浸出液及び/又は前記析出物から前記少なくとも1つの希土類元素を実質選択的に析出、抽出及び/又は単離するステップとを含む方法が提供される。
別の例によれば、少なくとも1つの材料から少なくとも1つの希土類元素を回収する方法であり、
前記少なくとも1つの材料を少なくとも1つの酸で浸出して少なくとも1つの金属イオン、前記少なくとも1つの希土類元素及び固体を含む浸出液を得、該浸出液と該固体を分離するステップと、
前記浸出液から少なくとも1つの金属イオンを実質選択的に除去し、必要に応じて析出物を得るステップと、
前記浸出液及び/又は前記析出物から前記少なくとも1つの希土類元素を実質選択的に取り出すステップとを含む方法が提供される。
別の例によれば、少なくとも1つの材料から少なくとも1つの希土類元素を回収する方法であり、
前記少なくとも1つの材料を少なくとも1つの酸で浸出して少なくとも1つの金属イオン及び少なくとも1つの希土類元素を含む浸出液と固体とを得、該浸出液と該固体を分離するステップと、
前記少なくとも1つの希土類元素及び前記少なくとも1つの金属イオンのうちから選択される少なくとも1つの要素を前記浸出液から実質選択的に除去するステップとを含む方法が提供される。
[図面の簡単な説明]
本発明の様々な実施形態を添付図面に例示する。
本発明による、アルミナ及び希土類元素を含めた他の様々な生成物の調製方法の一例を示すブロック図である。 本発明による、アルミナ及び希土類元素を含めた他の様々な生成物の調製方法の別の例を示すブロック図である。 本発明による希土類元素の抽出方法の一例を示すブロック図である。 本発明による希土類元素の抽出方法の別の例を示すブロック図である。 本発明による希土類元素の抽出方法の別の例を示すブロック図である。
各図に例示する様々な実施形態に関する以下の説明を読めば他の特徴及び利点がより良く理解されるであろう。
希土類元素の回収は、例えば本明細書に記載する方法の様々な段階で行うことができることが分かった。さらに、かかる方法は希土類元素が痕跡程度にしか存在しない場合にも有用であり得ることが分かった。また、かかる方法は実質的に精錬又は精製された溶液からの希土類元素の抽出に特に有用であり得ることも分かった。例えば、これらの方法は主成分の一部を除去した溶液に適用可能であることから有用とされることもある。これらの方法は主成分の一部を除去する前の溶液に適用することも可能である。
本明細書で使用する「少なくとも1つのアルミニウムイオン」という表現は、例えば可能な全ての形態のAlイオンから選択される少なくとも一種のアルミニウムイオンを指す。例えば、少なくとも1つのアルミニウムイオンはAl3+であってよい。
本明細書で使用する「少なくとも1つの鉄イオン」という表現は、例えば可能なすべての形態のFeイオンから選択される少なくとも一種の鉄イオンを指す。例えば、少なくとも1つの鉄イオンはFe2+、Fe3+又はその混合物であってよい。
本明細書で使用する「少なくとも1つの亜鉛イオン」という表現は、例えば可能な全ての形態のZnイオンから選択される少なくとも一種の亜鉛イオンを指す。例えば、少なくとも1つの亜鉛イオンはZn2+であってよい。
本明細書で使用する「少なくとも1つの銅イオン」という表現は、例えば可能なすべての形態のCuイオンから選択される少なくとも一種の銅イオンを指す。例えば、少なくとも1つの銅イオンはCu+、Cu2+又はその混合物であってよい。
本明細書で使用する「少なくとも1つのニッケルイオン」という表現は、例えば可能なすべての形態のNiイオンから選択される少なくとも一種のニッケルイオンを指す。例えば、少なくとも1つのニッケルイオンはNi2+、Ni3+又はその混合物であってよい。
本明細書で使用する「少なくとも1つのチタンイオン」という表現は、例えば可能なすべての形態のTiイオンから選択される少なくとも一種のチタンイオンを指す。例えば、少なくとも1つのチタンイオンはTi3+、Ti4+又はその混合物であってよい。
本明細書で使用する「少なくとも1つの希土類元素」という表現は、例えば本明細書に記載する全ての希土類元素の可能な全ての形態から選択される少なくとも一種の希土類元素を指す。
本明細書で使用する「Ga不含溶液」という表現は、例えばガリウムの含有量が約5w/v%未満、約2w/v%未満又は約1w/v%未満の溶液を指す。
本明細書で使用する「Ce不含溶液」という表現は、例えばセリウムの含有量が約5w/v%未満、約2w/v%未満又は約1w/v%未満の溶液を指す。
本明細書で使用する「Sc不含溶液」という表現は、例えばスカンジウムの含有量が約5w/v%未満、約2w/v%未満又は約1w/v%未満の溶液を指す。
本明細書で使用する「Sm不含溶液」という表現は、例えばサマリウムの含有量が約5w/v%未満、約2w/v%未満又は約1w/v%未満の溶液を指す。
本明細書で使用する「Eu不含溶液」という表現は、例えばユーロピウムの含有量が約5w/v%未満、約2w/v%未満又は約1w/v%未満の溶液を指す。
本明細書で使用する「Gd不含溶液」という表現は、例えばガドリニウムの含有量が約5w/v%未満、約2w/v%未満又は約1w/v%未満の溶液を指す。
本明細書で使用する「Y不含溶液」という表現は、例えばイットリウムの含有量が約5w/v%未満、約2w/v%未満又は約1w/v%未満の溶液を指す。
本明細書で使用する「Pr不含溶液」とは、例えばプラセオジムの含有量が約5w/v%未満、約2w/v%未満又は約1w/v%未満の溶液を指す。
本明細書で使用する「Nd不含溶液」という表現は、例えばネオジムの含有量が約5w/v%未満、約2w/v%未満又は約1w/v%未満の溶液を指す。
本明細書で使用する「La不含溶液」という表現は、例えばランタンの含有量が約5w/v%未満、約2w/v%未満又は約1w/v%未満の溶液を指す。
本明細書で使用する「Er不含溶液」という表現は、例えばエルビウムの含有量が約5w/v%未満、約2w/v%未満又は約1w/v%未満の溶液を指す。
本明細書で使用する「Dy不含溶液」という表現は、例えばジスプロシウムの含有量が約5w/v%未満、約2w/v%未満又は約1w/v%未満の溶液を指す。
本明細書で使用する「希土類元素」という表現は、例えばスカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムのうちから選択される希元素、及び/又はインジウム、ジルコニウム、リチウム及びガリウムのうちから選択されるレアメタルを指す。これらの希土類元素及びレアメタルは元素形態(又は金属形態)や塩化物、酸化物、水酸化物の形態等、様々な形態で存在する可能性がある。
本明細書で使用する「少なくとも1つの希土類元素」という表現は、例えばスカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムのうちから選択される少なくとも1つの希元素、及び/又はインジウム、ジルコニウム、リチウム及びガリウムのうちから選択される少なくとも1つのレアメタルを指す。これらの希土類元素及びレアメタルは元素形態(又は金属形態)や塩化物、酸化物、水酸化物の形態等、様々な形態で存在する可能性がある。
本発明の方法では、浸出後、上記少なくとも1つの希土類元素及び少なくとも1つの金属のうちから選択される少なくとも1つの要素を浸出液から実質選択的に除去するステップを、様々な形式で実行することができる。上記少なくとも1つの金属イオン(あるいは第2の金属イオン)を除去し、次に第1の金属イオンを除去し、最後に少なくとも1つの希土類元素を取り出してもよい。別法として、第1の金属イオンを除去し、次に第2の金属イオンを除去し、最後に少なくとも1つの希土類元素を取り出してもよい。別の例によれば、少なくとも1つの希土類元素を取り出し、次に少なくとも1つの金属イオンを除去し、最後に第2の金属イオンを除去することもできる。また、少なくとも1つの希土類元素を取り出し、次に第2の金属イオンを除去し、最後に第1の金属イオンを除去してもよい。この他にも様々な組合せが可能である。
少なくとも1つの材料の浸出に使用する少なくとも1つの酸は、HCl、H2SO4、HNO3、又はそれらの混合物であってよい。二種以上の酸を混合物として使用することも別々に使用することも可能である。これらの酸を用いて準備した溶液は様々な濃度で使用可能である。例えば、濃縮溶液を使用することができる。例えば、6Mや12MのHClを使用してもよい。例えば、最大98wt%又は100wt%のH2SO4が使用可能である。
上記少なくとも1つの材料は、例えば約15wt%〜約45wt%、約20wt%〜約45wt%、約25wt%〜約45wt%、約26wt%〜約42wt%、約28wt%〜約40wt%、若しくは約30wt%〜約38wt%、又は25wt%と36wt%の間の濃度のHClで浸出可能である。
上記少なくとも1つの材料は、例えば約125℃〜約225℃、約150℃〜約200℃、約160℃〜約180℃、又は約165℃〜約170℃の温度で浸出可能である。
浸出は例えば加圧下で実行してもよい。その際の圧力は例えば約100psig(約6.9×105Pa)〜約300psig(約20.7×105Pa)又は約150psig(約10.3×105Pa)〜約200psig(約13.8×105Pa)としてもよい。浸出時間は約30分〜約5時間としてもよい。浸出温度は例えば約60℃〜約200℃としてもよい。
浸出は例えばオートクレーブにて加圧下で実行してもよい。浸出は例えば5KPag〜約850KPag、50KPag〜約800KPag、100KPag〜約750KPag、150KPag〜約700KPag、200KPag〜約600KPag、又は250KPag〜約500KPagの圧力下で行うことができる。
浸出温度は例えば少なくとも80℃、少なくとも90℃、又は約100℃〜約110℃としてもよい。場合によっては浸出をより高い温度で実行することにより、鉱石中の希土類元素の抽出収率を向上させることも可能である。浸出は例えば少なくとも100℃、少なくとも120℃、少なくとも130℃、少なくとも140℃、又は約140℃〜約175℃の温度で実行してもよい。
例えば、少なくとも1つの希土類元素は浸出液中にイオンの形態で存在する可能性がある。
浸出後は、例えば少なくとも1つの希土類元素を溶液中に可溶化し、塩素、硫酸塩、硝酸塩、又はそれらの水和物等と結合した可溶性イオンとして観察することができる。
浸出後は、例えばKOH、NaOH、Ca(OH)2、CaO、MgO、Mg(OH)2、CaCO3、Na2CO3、NaHCO3、CO2、それらの混合物等、様々な塩基を(必要に応じて)使用してpHを上昇させることができる。
例えば、少なくとも1つの材料は、アルミニウム含有材料及びその誘導体、亜鉛含有材料及びその誘導体、銅含有材料及びその誘導体、ニッケル含有材料及びその誘導体、並びにチタニウム含有材料及びその誘導体から選択することができる。
例えば、少なくとも1つの金属は、少なくとも1つのアルミニウムイオン、少なくとも1つの亜鉛イオン、少なくとも1つの銅イオン、少なくとも1つのニッケルイオン、少なくとも1つのチタンイオン、及び/又は少なくとも1つの鉄イオンを含むことができる。
例えば、少なくとも1つの金属イオンは、第1の金属イオン及び第2の金属イオンを含むことができる。
第1の金属イオンは、例えば少なくとも1つのアルミニウムイオン、少なくとも1つの亜鉛イオン、少なくとも1つの銅イオン、少なくとも1つのニッケルイオン、少なくとも1つのチタンイオン、及び/又は少なくとも1つの鉄イオンを含むことができる。
例えば、第2の金属イオンは、少なくとも1つのアルミニウムイオン、少なくとも1つの亜鉛イオン、少なくとも1つの銅イオン、少なくとも1つのニッケルイオン、少なくとも1つのチタンイオン、及び/又は少なくとも1つの鉄イオンを含むことができる。
例えば、第1の金属イオンは少なくとも1つのアルミニウムイオンであってよい。
例えば、第2の金属イオンは少なくとも1つの鉄イオンであってよい。
例えば、少なくとも1つの鉄イオンを析出させることができる。少なくとも1つの鉄イオンの析出はイオン析出を利用して行うことができ、該鉄イオンを様々な塩、水酸化物、塩化物、又はそれらの水和物の形態で析出させることができる。少なくとも1つの鉄イオンは、例えばFeCl2、FeCl3、Fe(OH)3、Fe(OH)2、ヘマタイト、ゲータイト、ジャロサイト、又はそれらの水和物として析出させることができる。
少なくとも1つの鉄イオンの析出後は、例えば少なくとも1つの希土類元素を溶液中に可溶化し、水酸化物若しくは塩又はそれらの水和物と結合した可溶性イオンとして観察することができる。
例えば、少なくとも1つのアルミニウムイオンを析出させることができる。少なくとも1つのアルミニウムイオンの析出はイオン析出を利用して行うことができ、該鉄イオンを様々な塩(塩化物や硫酸塩等)若しくは水酸化物又はそれらの水和物の形態で析出させることができる。例えば、少なくとも1つのアルミニウムイオンは、Al(OH)3、AlCl3、Al2(SO4)3、又はそれらの水和物として析出させることができる。
少なくとも1つの金属イオンの析出後は、例えば少なくとも1つの希土類元素を溶液中に可溶化し、水酸化物若しくは塩又はそれらの水和物と結合したイオンとして観察することができる。
例えば、少なくとも1つの金属イオンの析出後、実質的に精製又は精錬された残留溶液は、Cl-、SO4 2-、Na+等の残留可溶性イオンの混合物中に少なくとも1つの希土類元素を含む可能性がある。
本発明の方法は様々な材料の処理に効果的である可能性がある。少なくとも1つの材料はアルミニウム含有材料であってもよい。アルミニウム含有材料はアルミニウム含有鉱石であってもよい。例えば、粘土類、アージライト、泥岩、緑柱石、氷晶石、柘榴石、尖晶石、ボーキサイト、又はそれらの混合物を出発材料として使用することができる。アルミニウム含有材料は、スラグのような工業用再生アルミニウム含有材料であってもよい。アルミニウム含有材料は赤泥であってもよい。
本発明の方法は様々なニッケル含有鉱石の処理に効果的である可能性がある。例えば、ニコライト、カーマサイト、テーナイト、リモナイト、ガーニエライト、ラテライト、ペントランダイト、又はそれらの混合物を使用することができる。
本発明の方法は様々な亜鉛含有鉱石の処理に効果的である可能性がある。例えば、スミソナイト、ワールカーナイト、スファレライト、又はそれらの混合物を使用することができる。
本発明の方法は様々な銅含有鉱石の処理に効果的である可能性がある。例えば、銅含有酸化物鉱が使用可能である。例えば、キャルコパイライト、カルコサイト、コベライト、ボーナイト、テトラヘドライト、マラカイト、アズライト、キュープライト、クリソコラ、又はそれらの混合物も使用可能である。
本発明の方法は様々なチタン含有鉱石の処理に効果的である可能性がある。例えば、エカンドリュース鉱、ゲーキーライト、パイロファナイト、イルメナイト、又はそれらの混合物を使用することができる。
少なくとも1つの希土類元素は、例えばスカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム及びルテチウムのうちから選択することができ、また、インジウム、ジルコニウム、リチウム及びガリウムのうちから選択される少なくとも1つのレアメタルであってもよい。
希土類元素は軽希土類元素(light rare earth element:LRE)と重希土類元素(heavy rare earth element:HRE)の2つのカテゴリーに分類されることもある。軽希土類元素としてはランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム及びサマリウム(原子番号:57〜62)を挙げることができ、これらは一般に重希土類元素より存在量が多い。
例えば、少なくとも1つの希元素は、様々な塩、酸化物、水酸化物及びそれらの水和物の形態で抽出することができる。
例えば、少なくとも1つの希土類元素は、スカンジウム、ガリウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、エルビウム、イッテルビウム、及びそれらの混合物のうちから選択することができる。
例えば、少なくとも1つの希土類元素は、スカンジウム、ガリウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、及びそれらの混合物のうちから選択される。
例えば、少なくとも1つの希土類元素は、スカンジウム、ガリウム、イットリウム、セリウム、及びそれらの混合物のうちから選択される。
少なくとも1つの希土類元素は例えばイットリウムであってもよい。
少なくとも1つの希土類元素は例えばスカンジウムであってもよい。
少なくとも1つの希土類元素は例えばガリウムであってもよい。
少なくとも1つの希土類元素は例えばセリウムであってもよい。
例えば、本発明の方法は、
少なくとも1つの材料をHClで浸出して少なくとも1つの金属イオン及び少なくとも1つの希土類元素を含む浸出液と固体とを得、該浸出液と該固体を分離するステップと、
浸出液から少なくとも1つの金属イオンを実質選択的に除去し、それにより金属イオン及び少なくとも1つの希土類元素を含む組成物を得るステップと、
組成物から少なくとも1つの金属イオンを実質選択的に少なくとも部分的に除去し、それにより少なくとも1つの希土類元素を含む液(liquor)を得るステップと
を含むことができる。
例えば、少なくとも1つの金属イオンは、浸出液から実質選択的に析出させ、固液分離により浸出液から除去することにより、浸出液から実質選択的に除去することができる。
例えば、少なくとも1つの金属イオンは、浸出液からAlCl3の形態で実質選択的に析出させ、固液分離により浸出液から除去することにより、浸出液から実質選択的に除去することができる。
例えば、組成物は、HClと、少なくとも1つの金属イオンと、少なくとも1つの希土類元素とを含むことができる。
例えば、組成物は、少なくとも1つの金属イオンと、少なくとも1つの希土類元素とを含む酸性組成物であってもよい。
例えば、少なくとも1つの鉄イオンをFe2O3に転化する加水分解を行うとともに、析出したFe2O3を固液分離によって組成物から除去することにより、少なくとも1つの鉄イオンを組成物から実質選択的に除去し、これにより少なくとも1つの希土類元素を含む液を得ることができる。
析出したFe2O3を除去した後、例えば少なくとも1つの希土類元素を含む液を、少なくとも1つのアルミニウムの析出に使用することにより更に濃縮されるように再循環させる。
析出したFe2O3を除去した後は、例えば少なくとも1つの希土類元素を含む液を、AlCl3の形態の少なくとも1つのアルミニウムイオンの析出に使用することで更に濃縮されるように再循環させる。
例えば、少なくとも1つの鉄イオンはFe3+であってよく、組成物から実質選択的に部分的に除去することができる。ここでは、組成物を更に還元剤で処理してFe3+をFe2+に転化し、その後固液分離によってFeCl2の形態のFe2+を組成物から除去し、これにより少なくとも1つの希土類元素を含む液を得ることができる。
例えば、液液抽出を利用して少なくとも1つの希土類元素を液から実質選択的に析出、抽出及び/又は単離することができる。
例えば、液液抽出を利用して少なくとも1つの希土類元素を液から抽出することができる。
例えば、液液抽出を利用して少なくとも1つの希土類元素を液から回収することができる。
例えば、ジ‐(2‐エチルヘキシル)リン酸(HDEHP)、モノ(2‐エチルヘキシル)2‐エチルヘキシルホスホネート(HEH/EHP)、ビス(2,4,4‐トリメチルペンチル)モノチオホスフィン酸、オクチルフェニルホスフェート(OPAP)、及び2‐エチルヘキシルホスホン酸モノ‐2‐エチルヘキシルエステル(PC88A)、並びに必要に応じてトルエン、トリブチルホスフェート、ジ‐イソアミルメチルホスホネート、7‐(4‐エチル‐1‐メチルオクチル)‐8‐ヒドロキシキノリン、ジ‐(2‐エチルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(2,4,4‐トリメチルペンチル)ホスフィン酸、8‐ヒドロキシキノリン、(2‐エチルヘキシル)ホスホン酸、及びそれらの混合物から少なくとも1つの抽出剤を選択することができる。
例えば、少なくとも1つの抽出剤はジ‐(2‐エチルヘキシル)リン酸であってよい。
例えば、少なくとも1つの抽出剤は2‐エチルヘキシルホスホン酸モノ‐2‐エチルヘキシルエステルであってよい。
例えば、少なくとも1つの抽出剤はオクチルフェニルホスフェートであってよい。
例えば、少なくとも1つの抽出剤はトリブチルホスフェートであってよい。
例えば、少なくとも1つの抽出剤は、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、1,4,7,10‐テトラアザシクロドデカン‐1,4,7,10‐四酢酸(DOTA)、ビス(2,4,4‐トリメチルペンチル)モノチオホスフィン酸、及びそれらの混合物のうちから選択することもできる。
一例によれば、浸出液及び/又は析出物から少なくとも1つの希土類元素を実質選択的に析出、抽出及び/又は単離させるときに、浸出液中のイオンとして観察される少なくとも1つの希土類元素を析出させることができる。
例えば、スカンジウムはSc(OH)3、ScCl3、ScF3及び/又は[ScF6]3-(カチオン)の形態で析出させることができ、該カチオンはナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等である可能性がある。
スカンジウムはpH約7〜約9又は約7〜約8で析出させることができる。
例えば、約0.5〜約2.5、約0.5〜約1.5、又は約1のpHで浸出を行い、次いで少なくとも約9.5、10、10.5、11又は11.5のpHで第2の金属イオンを析出させ、その後約8〜約9のpHで第1の金属イオンを析出させることができる。
例えば、第2金属イオンは、約10〜約12.5、10.5〜約11.5、約10.8〜約11.2、若しくは約11.5〜約12.5、又は10と11の間のpH範囲で析出させることができる。
例えば、第1の金属イオンイオンの析出は、約7〜約11、約8〜約10.5、約8.5〜10、又は約9〜約10のpH範囲で行うことができる。
例えば、第2の金属イオンの析出は、約3〜約6、約3.0〜約5.5、約3〜約5、約3〜約4、約3.0〜約3.5、約3.5〜約4.0、約4.0〜約5.0、約4.0〜約4.5、又は約4.5〜約5.0のpH範囲で行うことができる。
例えば、第1の金属イオンの析出は、約5〜約6、約5.0〜約5.5、又は約5.5〜約6.0のpH範囲で行うことができる。
例えば、AlCl3を析出させる場合は、少なくとも1つの鉄イオンと、少なくとも1つのアルミニウムイオンと、少なくとも1つの希土類元素とを含む組成物中に約90%〜約98%の高濃度の乾燥気体であるHClを泡状にして送り込むことができる。
例えば、少なくとも1つの鉄イオンを加水分解によってFe2O3に転化し、得られたFe2O3を除去する場合は、加水分解中のpHを約2.5未満、約2.0未満、約1.5未満又は約1.0未満とすることができる。
別の例によれば、液は少なくとも1つの希土類元素を塩化物の形態で含むことができ、また、この液を抽出剤と反応させることにより該液からガリウムが実質選択的に抽出され、それによりGa不含溶液と抽出したガリウム溶液とが得られ、これらの溶液を互いに分離することができる。例えば、液中のガリウムはGaCl3の形態で存在する可能性がある。例えば、抽出剤は、オクチルフェニルホスフェート、2‐エチルヘキシルホスホン酸モノ‐2‐エチルヘキシルエステル、トルエン、トリ‐ブチルホスフェート、又はそれらの混合物であってよい。次いで、例えば抽出したGaCl3を析出させた後、Ga2O3に転化することもできる。
次いで、例えばGa不含溶液を別の抽出剤と反応させてGa不含溶液からセリウムを実質選択的に抽出し、それによりCe不含溶液と抽出したセリウム溶液とを得、これらの溶液を互いに分離することができる。例えば、Ga不含溶液中のセリウムはCeCl3の形態で存在する可能性がある。例えば、上記別の抽出剤は、トリ‐ブチルホスフェート、ジ‐イソアミルメチルホスホネート、ジ‐(2‐エチルヘキシル)リン酸、7‐(4‐エチル‐1‐メチルオクチル)‐8‐ヒドロキシキノリン、又はそれらの混合物であってよい。例えば、本発明の方法は更に、抽出したセリウムをCeO2に転化するステップを含んでもよい。
例えば、本発明の方法は更に、Ce不含溶液をまた別の抽出剤と反応させてCe不含溶液からスカンジウムを実質選択的に抽出し、それによりSc不含溶液と抽出したスカンジウム溶液とを得、これらの溶液を互いに分離するステップを含むことができる。例えば、Ce不含溶液中のスカンジウムはScCl3の形態で存在する可能性がある。例えば、上記また別の抽出剤は、ジ‐(2‐エチルヘキシル)リン酸、ジ‐(2‐エチルヘキシル)ホスフィン酸、又はそれらの混合物であってよい。例えば、本発明の方法は更に、抽出したスカンジウムをSc2O3に転化するステップを含むことができる。例えば、抽出したスカンジウムはNaOHを利用してSc2O3に転化することができる。
例えば、本発明の方法は更に、Sc不含溶液を更にまた別の抽出剤と反応させてサマリウム、ユーロピウム、又はそれらの混合物を実質選択的に抽出し、それによりSm不含溶液及び/又はEu不含溶液、並びに抽出したサマリウム溶液及び/又は抽出したユーロピウム溶液を得、これらの溶液を互いに分離するステップを含むことができる。例えば、上記更にまた別の抽出剤は、ビス(2,4,4‐トリメチルペンチル)ホスフィン酸、ジ‐(2‐エチルヘキシル)リン酸、及びそれらの混合物のうちから選択することができる。
例えば、本発明の方法は更に、Sm不含溶液及び/又はEu不含溶液を他の抽出剤と反応させてガドリニウムを実質選択的に抽出し、それによりGd不含溶液と抽出したガドリニウム溶液とを得、これらの溶液を互いに分離するステップを含むことができる。例えば、上記他の抽出剤は8‐ヒドロキシキノリンであってよい。
例えば、本発明の方法は更に、Gd不含溶液をまた他の抽出剤と反応させてイットリウムを実質選択的に抽出し、それによりY不含溶液と抽出したイットリウム溶液とを得、これらの溶液を互いに分離するステップを含むことができる。例えば、上記また他の抽出剤は、(2‐エチルヘキシル)ホスホン酸、ジ‐(2‐エチルヘキシル)ホスホン酸、又はそれらの混合物であってよい。
例えば、本発明の方法は更に、Y不含溶液を更にまた他の抽出剤と反応させてジスプロシウム及び/又はエルビウムを実質選択的に抽出し、それによりDy不含溶液及び/又はEr不含溶液、並びに抽出したジスプロシウム溶液及び/又は抽出したエルビウム溶液を得、これらの溶液を互いに分離するステップを含むことができる。
別の例によれば、液を第1の抽出剤と反応させて液からガリウムを実質選択的に抽出し、それによりGa不含溶液と抽出したガリウム溶液とを得、これらの溶液を互いに分離することができる。
例えば、液中のガリウムはGaCl3の形態で存在する可能性がある。例えば、第1の抽出剤は必要に応じてケロシンに溶解したトリブチルホスフェートであってよい。
例えば、Ga不含溶液をGa不含溶液中に存在する少なくとも1つの希土類元素を析出させる析出剤と反応させ、それにより少なくとも1つの希土類元素を含有する析出物を得、析出物を固液分離によって回収することができる。
例えば、本発明の方法は更に、析出物を少なくとも1つの酸で浸出して少なくとも1つの希土類元素を含む浸出溶液を得るステップを含むことができる。例えば、酸はHClであってよい。例えば、浸出溶液を第2の抽出剤と反応させて第1の群の希土類元素を実質選択的に抽出し、それにより抽出した第1の群の希土類元素を含む溶液と、第2の群の希土類元素を含むラフィネートとを得、該溶液と該ラフィネートを分離することができる。例えば、第1の群はイットリウム及びスカンジウムを含むことができる。例えば、第2の群はセリウム、ネオジム、ユーロピウム及びプラセオジムを含むことができる。例えば、第2の抽出剤は、ジ‐(2‐エチルヘキシル)ホスホン酸及び2‐エチルヘキシルホスホン酸モノ‐2‐エチルヘキシルエステルのうちから選択することができる。
例えば、本発明の方法は更に、抽出した第1の群の希土類元素を含む溶液をHClと少なくとも1回反応させて溶液から不純物を除去するステップを含むことができる。
例えば、本発明の方法は更に、抽出した第1の群の希土類元素を含む溶液を少なくとも1つの酸で逆抽出して第1の群の逆抽出液(strip liquor)を得るステップを含むことができる。例えば、少なくとも1つの酸はHClであってよい。
例えば、本発明の方法は更に、第2の抽出剤による抽出を少なくとも1回繰り返すステップを含むことができる。
例えば、第1の群の逆抽出液を第3の抽出剤と反応させて第1の群の逆抽出液からスカンジウム、エルビウム及びジスプロシウムのうちの少なくとも1つを実質選択的に抽出し、それによりスカンジウム、エルビウム及びジスプロシウムのうちから抽出した少なくとも1つを含む溶液とイットリウムラフィネートとを得、該溶液と該ラフィネートを分離することができる。例えば、第3の抽出剤はトリブチルホスフェートであってよい。
例えば、本発明の方法は更に、スカンジウム、エルビウム及びジスプロシウムのうちから抽出した少なくとも1つを含む溶液を少なくとも1つの酸で逆抽出して別の第1の群の逆抽出液を得るステップを含むことができる。例えば、少なくとも1つの酸はHClであってよい。
例えば、上記別の第1の群の逆抽出液を第4の抽出剤と反応させて該別の第1の群の逆抽出液からエルビウム及びジスプロシウムを実質選択的に抽出し、それにより抽出したエルビウム及びジスプロシウムを含む溶液とスカンジウムラフィネートとを得、該溶液と該ラフィネートを分離することができる。
例えば、上記別の第1の群の逆抽出液を第4の抽出剤と反応させて該別の第1の群の逆抽出液からスカンジウムを実質選択的に抽出し、それにより抽出したスカンジウムを含む溶液とエルビウム及びジスプロシウムを含むラフィネートとを得、該溶液と該ラフィネートを分離することができる。
例えば、少なくとも1つの希土類元素は、必要に応じてトリブチルホスフェートで変性した活性炭上又はポリウレタンポリエーテルフォーム(polyurethane polyether foam:PUF)上の吸着を利用して、実質選択的に析出、抽出及び/又は単離することができる。
例えば、少なくとも1つの希土類元素は液液抽出を利用して実質選択的に取り出すことができる。例えば、液液抽出は抽出剤を使用することによって行うことができる。
例えば、本発明の方法は、イオンの形態の少なくとも1つの希土類元素、第2の金属イオン及び第1の金属イオンのうちから選択される少なくとも2つの要素を選択的に析出するステップを含むことができる。例えば、これらの各要素をそれぞれ別々に析出させることも一緒に析出させることもできる。
別の例によれば、本発明の方法は、
少なくとも1つの材料をHClで浸出して第1の金属イオン、第2の金属イオン及び少なくとも1つの希土類元素含む浸出液と固体とを得、該浸出液と該固体を分離するステップと、
浸出液から第2の金属イオンを実質選択的に除去し、それにより第1の金属イオン及び少なくとも1つの希土類元素を含む組成物を得るステップと、
組成物から第1の金属イオンを実質選択的に少なくとも部分的に除去することにより、少なくとも1つの希土類元素を含む液を得るステップとを含むことができる。
別の例によれば、本発明の方法は、
少なくとも1つの材料をHClで浸出して第1の金属イオン、第2の金属イオン及び少なくとも1つの希土類元素を含む浸出液と固体とを得、該浸出液と該固体を分離するステップと、
浸出液から第2の金属イオンを実質選択的に除去し、それにより第1の金属イオン及び少なくとも1つの希土類元素を含む組成物を得るステップと、
組成物から第1の金属イオンを実質選択的に少なくとも部分的に除去することにより、少なくとも1つの希土類元素を含む液を得るステップとを含むことができる。
別の例によれば、約0.5〜約2.5のpHで浸出を行い、次いで少なくとも約9.5のpHで第2の金属イオンを析出させ、次いで約8〜約9のpHで第1の金属イオンを析出させ、次いで約7〜約8のpHで少なくとも1つのスカンジウムイオンを析出させることができる。
別の例によれば、約0.5〜約1.5のpHで浸出を行い、次いで少なくとも約10.5のpHで第2の金属イオンを析出させ、次いで約8〜約9のpHで第1の金属イオンを析出させ、次いで約7〜約8のpHで少なくとも1つのスカンジウムイオンを析出させることができる。
別の例によれば、約0.5〜約1.5のpHで浸出を行い、次いで少なくとも約11のpHで第2の金属イオンを析出させ、次いで約8〜約9のpHで第1の金属イオンを析出させ、次いで約7〜約8のpHで少なくとも1つのスカンジウムイオンを析出させることができる。
例えば、スカンジウムはプロセス中に生成される副産物から析出させることができる。
例えば、スカンジウムはプロセス中に生成される溶液から析出させることができる。例えば、スカンジウムはHNO3を使用して析出させることができる。
例えば、少なくとも1つの希土類元素は、イオン交換樹脂、一種又は複数の溶媒を利用した抽出、及び吸着のうちから選択される少なくとも1つの技術によって実質選択的に析出、抽出及び/又は単離することができる。
例えば、少なくとも1つの希土類元素は、イオン交換樹脂を利用して実質選択的に析出、抽出及び/又は単離することができる。
例えば、少なくとも1つの希土類元素は、液液抽出を利用して実質選択的に析出、抽出及び/又は単離することができる。
例えば、少なくとも1つの希土類元素は、電解採取法を利用して実質選択的に析出、抽出及び/又は単離することができる。
別の例によれば、約0.5〜約2.5のpHで浸出を行い、次いで少なくとも約9.5のpHで第2の金属イオンを析出させ、次いで約8〜約9のpHで第1の金属イオンを析出させ、その後少なくとも1つの希土類元素を実質選択的に抽出することができる。
別の例によれば、約0.5〜約1.5のpHで浸出を行い、次いで少なくとも約10.5のpHで第2の金属イオンを析出させ、次いで約8〜約9のpHで第1の金属イオンを析出させ、その後少なくとも1つの希土類元素を実質選択的に抽出することができる。
別の例によれば、約0.5〜約1.5のpHで浸出を行い、次いで少なくとも約11のpHで第2の金属イオンを析出させ、次いで約8〜約9のpHで第1の金属イオンを析出させ、その後少なくとも1つの希土類元素を実質選択的に抽出することができる。
例えば、少なくとも1つの材料/酸の比率は重量対体積比で約1/10とすることができる。
別の例によれば、本発明の方法は更に、
第2の金属イオンを抽出剤と実質的に錯体形成させることにより浸出液から第2の金属イオンを少なくとも部分的に除去するステップ、
第2の金属イオンを選択的に析出させるステップ、
第1の金属イオンを選択的に析出させるステップ、及び
第1の金属イオンを別の抽出剤と実質的に錯体形成させることにより浸出液から第1の金属イオンを少なくとも部分的に除去するステップのうちの少なくとも1つのステップを含むことができる。
別の例によれば、本発明の方法は、
少なくとも1つの材料をHClで浸出して第1の金属イオン及び第2の金属イオンを含む浸出液と固体残渣とを得、該浸出液と該固体残渣を分離するステップと、
浸出液を塩基と反応させて第2の金属イオンを実質選択的に析出させることにより、該浸出液から第2の金属イオンを少なくとも部分的に除去し、第1の金属イオンに富み少なくとも1つの希元素を含む水溶性組成物と析出物とを得、該組成物から該析出物を除去するステップと、
第1の金属イオンを実質選択的に析出させ、それにより少なくとも1つの希元素を含む別の組成物と別の析出物とを得、該別の組成物から該別の析出物を除去することにより、水溶性組成物を精製するステップと、
前記別の組成物から少なくとも1つの希元素を実質選択的に抽出するステップと
を含む。
別の例によれば、本発明の方法は、
少なくとも1つの材料をHClで浸出して第1の金属イオン及び第2の金属イオンを含む浸出液と固体残渣とを得、該浸出液と該固体残渣を分離するステップと、
浸出液を塩基と反応させて第2の金属イオンを実質選択的に析出させることにより、該浸出液から第2の金属イオンを少なくとも部分的に除去し、第2の金属イオンに富み少なくとも1つの希元素を含む水溶性組成物と析出物とを得、該組成物から該析出物を除去するステップと、
中空糸膜を利用して又は液液抽出により、水溶性組成物から第1の金属イオンを実質選択的に抽出し、抽出した第1の金属イオンを除去し、それにより少なくとも1つの希元素を含む、第1の金属イオンが欠乏した水溶性組成物を得るステップと、
第1の金属イオンが欠乏した水溶性組成物から少なくとも1つの希元素を実質選択的に抽出するステップとを含むことができる。
別の例によれば、本発明の方法は、
少なくとも1つの材料をHClで浸出して第1の金属イオン及び第2の金属イオンを含む浸出液と固体残渣とを得、該浸出液と該固体残渣を分離するステップと、
第2の金属イオンを抽出剤と実質選択的に錯体形成させることにより浸出液から第2の金属イオンを少なくとも部分的に除去して、第1の金属イオンに富み少なくとも1つの希土類元素を含む水溶性組成物を得るステップと、
第1の金属イオンを実質選択的に析出させ、それにより少なくとも1つの希元素を含む別の組成物と別の析出物とを得、該組成物から該析出物を除去することにより、水溶性組成物を精製するステップと、
前記別の組成物から少なくとも1つの希元素を実質選択的に抽出するステップと
を含むことができる。
別の例によれば、本発明の方法は、
少なくとも1つの材料をHClで浸出して第1の金属イオン及び第2の金属イオンを含む浸出液と固体残渣とを得、該浸出液と該固体残渣を分離するステップと、
第2の金属イオンを抽出剤と実質選択的に錯体形成させることにより浸出液から第2の金属イオンを少なくとも部分的に除去して、第1の金属イオンに富み少なくとも1つの希土類元素を含む水溶性組成物を得るステップと、
中空糸膜を利用して又は液液抽出により、水溶性組成物から第1の金属イオンを実質選択的に抽出し、抽出した第1の金属イオンを除去し、それにより少なくとも1つの希元素を含む、第1の金属イオンが欠乏した水溶性組成物を得るステップと、
第1の金属イオンが欠乏した水溶性組成物から少なくとも1つの希元素を実質選択的に抽出するステップと
を含むことができる。
別の例によれば、本発明の方法は、
少なくとも1つの材料をHClで浸出して第1の金属イオン及び第2の金属イオンを含む浸出液と固体残渣とを得、該浸出液と該固体残渣を分離するステップと、
浸出液から第1の金属イオンを実質選択的に析出させることによって該浸出液から少なくとも部分的に除去し、第2の金属イオンに富み少なくとも1つの希元素を含む水溶性組成物と析出物とを得、該組成物から該析出物を除去するステップと、
第2の金属イオンに富む水溶性組成物から第2の金属イオンを実質選択的に析出させることによって該組成物から除去し、それにより少なくとも1つの希元素を含む、第2の金属イオンが欠乏した水溶性組成物を得るステップと、
第2の金属イオンが欠乏した水溶性組成物から少なくとも1つの希元素を実質選択的に抽出するステップと
を含むことができる。
例えば、第1の金属イオンは少なくとも1つのアルミニウムイオンを含むことができる。
例えば、第2の金属イオンは少なくとも1つの鉄イオンを含むことができる。
例えば、少なくとも1つのアルミニウムイオンは、例えば晶析装置内に気体のHClを散布することによりAlCl3の形態で析出させることができる。
例えば、少なくとも1つの鉄イオンは、加水分解等を利用してFe2O3の形態で析出させることができる。
例えば、第1の金属イオンに富む水溶性組成物は、第1の金属イオンを抽出剤と錯体形成させて錯体を得、この錯体を組成物から分離し、第1の金属イオンを析出させることによって精製することができる。
例えば、第1の金属イオンに富む水溶性組成物は、第1の金属イオンに富む水溶性組成物に含まれる不純物を抽出剤と錯体形成させ、錯体形成した不純物を該組成物から少なくとも部分的に除去し、不第1の金属イオンを析出させることによって精製することができる。
別の例によれば、本発明の方法は、以下のステップを含むことができる。
(1)アージライトを少なくとも1つの酸(例えばHCl溶液又は気体のHCl)(例えばpH約0.5〜約1.5又は約0.8〜約1.2)で浸出するステップ(該ステップは加圧下で実行してもよい)、
(2)pHを約10から約12に又は約11から約12に上昇させることにより、鉄をイオン析出によって除去(又は抽出剤によって抽出)し、非水溶性の水酸化物を全てろ過除去するステップ、
(3)pH約7.5〜約9.0又は約7.8〜約8.2でアルミニウムを析出させ、アルミニウム水酸化物を固体としてろ過するステップ、
(4)必要に応じて、液液抽出、膜、及びアルミニウムイオンの錯体形成に適した抽出剤のうちの少なくとも1つを使用してアルミニウム(Al(OH)3)を精製するステップ、及び
(5)ステップ(1)、(2)、(3)及び(4)のうちの少なくとも1つのステップの後に少なくとも1つの希土類元素の析出、抽出及び/又は単離を実行するステップ。
ステップ(1)〜(4)の少なくとも一部に関する更なる詳細及び説明については、参照によりその内容全体を本明細書に援用する国際公開第WO2008/141423号を参照されたい。
別の例によれば、本発明の方法は、以下のステップを含むことができる。
(1)アージライトを酸(例えば、18wt%〜32wt%HCl溶液)で浸出するステップ(該ステップは約350KPag〜約500KPagのような圧力下で約4時間〜約7時間実行してもよい)、
(2)pHを約10から約12に又は約11から約12に上昇させることにより、鉄をイオン析出によって除去(又は抽出剤によって抽出)し、非水溶性の水酸化物をろ過除去するステップ、
(3)pH約7.5〜約9.0又は約7.8〜約8.2でアルミニウムを析出させ、アルミニウム水酸化物を固体としてろ過するステップ、
(4)必要に応じて、液液抽出、膜、及びアルミニウムイオンの錯体形成に適した抽出剤のうちの少なくとも1つを使用してアルミニウム(Al(OH)3)を精製するステップ、及び
(5)ステップ(1)、(2)、(3)及び(4)のうちの少なくとも1つのステップの後に少なくとも1つの希土類元素の析出、抽出及び/又は単離を実行するステップ。
図1に示す別の例によれば、本発明の方法は以下のステップを含むことができる(各ステップの番号は図1の参照番号に対応)。
(1)アルミニウム含有材料の平均粒子径を約50μm〜約80μmに減少させる。
(2)このように減少させ選別した材料を塩酸で処理することにより、所定の温度及び圧力下でアルミニウムを他の元素、例えば鉄、マグネシウム、レアアースを含めたその他の金属と共に溶解させることができるようにする。シリカは全く溶解せずに残留する。
(3)次いで、精製したシリカを溶液中の金属塩化物から分離するために、浸出ステップで得られた母液を分離洗浄段階に投入する。
(4)次いで、乾燥した高濃度の気体の塩化水素を晶析装置内に散布することにより、ステップ1から得られた排酸(浸出液)の濃度を高める。これにより他の不純物の混入を最小限に抑えながら塩化アルミニウム六水和物(析出物)を晶析させる。この段階の塩化鉄の濃度によっては更に1回(又は複数回)の晶析ステップが必要となることもある。次いで、析出物を液体から分離する。
(5)次いで、所望のアルミナを得るために塩化アルミニウム六水和物を(例えばロータリーキルンや流動床等を利用して)高温で焼成する。次いで、高濃度の気体の塩化水素を回収し、余剰を水相にして酸浸出ステップで使用(再利用)可能な最大濃度とする。
(6)次いで、Fe2O3(ヘマタイト形態)の抽出及びその加水分解からの酸回収を考慮して塩化鉄(ステップ4から得られた液体)を低温で前濃縮し加水分解する。焼成ステップ(ステップ(5))、浸出部発熱反応(ステップ(1))及び本発明に係る方法の他のセクションから回収された熱が全て前濃縮装置に回収される。
(10)ヘマタイトの除去後、本明細書に記載した、アルミニウム含有材料から希土類元素を回収する方法のいずれかを使用することにより、希土類元素を豊富に含む溶液の処理が可能となる。
例えば、回収した希土類元素は酸化物、塩化物、水酸化物のような様々な形態で存在する可能性がある。本明細書で既に指摘したように、「希土類元素」という表現は「レアメタル」も包含することができるため、ステップ(10)ではレアメタルも回収することができる。例えば、レアメタルはレアメタル酸化物の形態で存在する可能性がある。したがって、例えば図1及び図2のステップ10を図3又は図4A及び図4Bに示すプロセスとすることもできる。次いで、MgCl2等、他の非加水分解性の金属塩化物(Me-Cl)を以下のステップに供する。
(7)次いで、低温で塩化マグネシウムその他の非加水分解性の生成物を豊富に含む溶液の濃度を、乾燥した高濃度の気体の塩化水素を晶析装置内に散布することにより増加させる。これにより塩化マグネシウムを六水和物として析出させる。
(8)次いで、(例えばロータリーキルン又は流動床を利用して)塩化マグネシウム六水和物を焼成し、それにより非常に高い濃度の塩酸を再生し、再生した塩酸を浸出ステップに戻す。
(9)他のMe-Clを標準的な熱加水分解(pyrohydrolysis)ステップに供して混合酸化物を生成し、共沸点(20.2wt%)における塩酸を再生することができる。
例えば、上記液体を少なくとも30wt%の塩化鉄濃度を有する濃縮液体に濃縮し、その後塩化第二鉄濃度を少なくとも65wt%のレベルに維持しながら約155℃〜約350℃の温度で塩化鉄を加水分解して、液体と析出ヘマタイトとを含む組成物を生成し、ヘマタイトを回収することができる。
例えば、上記液体を少なくとも30wt%の塩化鉄濃度を有する濃縮液体に濃縮し、その後塩化第二鉄濃度を少なくとも65wt%のレベルに維持しながら約155℃〜約350℃の温度で塩化鉄を加水分解して、液体と析出ヘマタイトとを含む組成物を生成し、ヘマタイトを回収し、該液体からレアアースを回収することができる。例えば、本発明の方法は更に、レアアースの回収後に上記液体をHClと反応させてMgCl2を析出させ、析出物を回収するステップを含むことができる。
上記で指摘したとおり、本明細書に開示する方法の出発材料としては様々なアルミニウム含有材料が使用可能である。例えば、粘土類及びボーキサイトが使用されている。しかしながら、上記の連続プロセスは高いパーセンテージのシリカ(55%超)及び不純物並びに相対的に低いパーセンテージのアルミニウム(例えば約15%)を取り扱うことも可能であり、その場合もなお経済的かつ技術的に実現可能であることが当業者には理解されるであろう。Al2O3については93%超〜95%超、希土類元素については75%超という満足のいく収率を得ることができる。ほとんどの場合予熱処理は必要ない。本明細書に開示する方法は、非常に高い強度の浸出及び酸回収を可能にする特殊な技術を実現し、それによりアルカリ法を凌ぐいくつかの利点を提供するものである。
ステップ1では、熱処理の有無を問わない鉱石を破砕、粉砕、乾燥及び選別して平均粒子径を約50μm〜約80μmとする。
ステップ2では、粉砕後の原材料を反応器に導入し、浸出フェーズに進む。
ステップ2で使用する浸出用塩酸はステップ5、6、8及び9から再利用又は再生される酸であり、その濃度範囲は15wt%〜45wt%とすることができる。膜分離法、極低温法及び/又は高圧法を使用してより高い濃度を得ることもできる。酸浸出は加圧下で酸自体の沸点に近い温度で実行できるため、蒸解時間を最小限に抑え反応度を向上(90%〜100%)させることが可能となる。浸出(ステップ2)は半連続モードで実行することができ、この場合は残留遊離塩酸を含む排酸が反応のある段階で高濃度の酸に置き換えられ、又は酸/鉱石の比率を減少させ、それにより反応時間を短縮し、反応速度を向上させることが可能となる。例えば、速度定数kは0.5g/mol/L〜0.75g/mol/Lとすることができる。
先に述べたとおり、様々な段階においてアルカリ金属、鉄、マグネシウム、カルシウム、カリウム、希土類元素及び他の元素も塩化物の形態で存在する。溶解せずに残留するシリカを液体/固体分離及び洗浄段階(ステップ3)にかける。本発明の方法によれば、例えばレーキ分級、帯域フィルターによるろ過、遠心分離及び他の技法を使用して、塩酸回収率を最大化するために溶液中の残留遊離塩酸及び塩化物の最大量が回収される傾向がある。ここで、シリカを含まない母液を排酸(様々な金属塩化物及び水)と呼び、晶析ステップ(ステップ4)に進む。
ステップ4では、相当量の塩化アルミニウムを含む排酸(又は浸出液)を、ステップ5から得られた又は再利用された乾燥した高濃度の気体の塩化水素で飽和させ、それにより塩化アルミニウム六水和物(AlCl3・6H2O)を析出させる。次いで、保持した析出物を洗浄し、ろ過又は遠心分離にかけた後、焼成段階(ステップ5)に進める。次いで、ステップ4で得られた排酸の残りを酸回収システム(ステップ6〜8)にフィードすることで、純粋な二次製品が得られる。
ステップ5では、高温条件から直接酸化アルミニウム(アルミナ)を得る。ここで得られた気体形態の高濃度の塩化水素は、晶析のためにステップ4及びステップ7にフィードすることができる。過剰の塩化水素は再生酸として吸収され、浸出ステップ2で共沸点(20.2%超)よりも高い濃度に濃縮された酸として使用される。例えば、かかる濃度は約25wt%〜約45wt%、又は25wt%と36wt%の間の範囲とすることができる。
ステップ4に続いて、様々な塩化物の誘導体(主に塩化鉄、塩化マグネシウム及び塩化物の形態の希土類元素)を鉄抽出ステップに供する。かかるステップは、例えば参照によりその内容全体を本明細書に援用する国際公開第WO2009/153321号に開示されている技術を使用することによって実行することができる。
ステップ6では、加水分解を低温(155℃〜350℃)で行うことにより純粋なFe2O3(ヘマタイト)が生成され、少なくとも15%の濃度の塩酸が再生される。国際公開第WO2009/153321号に記載の方法では、塩化第一鉄及び塩化第二鉄、それらの可能な混合物、並びに遊離塩酸で構成される溶液が一連のステップ、即ち前濃縮ステップ、塩化第一鉄を酸化させて第二鉄の形態にする酸化ステップ、及び最後に加水分解装置と呼ばれる処理ユニットにおける加水分解ステップにかけられ、そこでは塩化第二鉄濃度が65wt%に維持され、それにより塩化水素濃度が15%〜20.2%に保たれた豊富なガス流と、物理的分離ステップにかけられる純粋なヘマタイトとが生成される。凝縮の潜熱は前濃縮に回収され、焼成段階(ステップ5)からの過剰の熱と共に加熱入力として使用される。
加水分解装置(ステップ6)から鉄の除去後に出される母液は他の非加水分解性の元素を豊富に含み、主として塩化マグネシウム、又は他の元素(各種塩化物)と希土類元素の可能な混合物を含む。
塩化物の形態の希土類元素の濃度比率を高め、加水分解装置処理ユニットに投入し(ステップ6)、母液から抽出(ステップ10)する。ここでは、本明細書で定義するアルミニウム含有材料から希土類元素を回収する方法を利用することができる。例えば、本発明の方法により様々な形で存在する希土類元素を抽出することができる。例えば、希土類元素は酸化物の形態で存在する(REO)可能性がある。本発明の希土類元素回収方法によれば、例えば以下の希土類元素を加水分解装置において高濃度化することが可能となる:スカンジウム(Sc)、ガリウム(Ga)、イットリウム(Y)、ジスプロシウム(Dy)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、ユーロピウム(Eu)、サマリウム(Sm)、ガドリニウム(Gd)、ランタン(La)、エルビウム(Er)。無論、回収される少なくとも1つの希土類元素は開始剤(アルミニウム含有材料)の性質に依存する。
ステップ6及び10から得られた付加価値のある金属、主にマグネシウムを豊富に含む排酸液体をステップ7に供する。この溶液をステップ5から得られた乾燥した高濃度の気体の塩化水素で飽和させることにより、塩化マグネシウム六水和物を析出させる。保持された析出物を焼成段階ステップ8にフィードして純粋なMgO(98wt%超)を得、高濃度(例えば少なくとも濃度38%)の塩酸を再生し、これを浸出ステップ(ステップ2)に供する。ステップ7の代替経路はステップ8から得られた乾燥した気体の塩酸を使用することである。
ステップ9では、未転化の金属塩化物を熱加水分解ステップ(700℃〜900℃)に供して混合酸化物を生成し、濃度15wt%〜20.2wt%の塩酸を回収することができる。
図2に示す別の例によれば、本例の方法は図1の例と同様であるが、以下で説明するようないくつかの差異を含むことができる。
即ち、図2に示すように、本例の方法は(ステップ6の後又はステップ10の直前に)内部再循環を行って晶析ステップ4に戻ることもできる。このような場合は、加水分解装置(ステップ6)からの母液をステップ4の晶析に完全に又は部分的に再循環させ、希土類元素を含む非加水分解性の元素に対して濃度増加をもたらすことができる。
かかるステップは、希土類元素の濃度を大幅に高めることによりステップ10におけるそれらの抽出を容易にするのに有用である可能性がある。
ステップ7では、先に述べたとおり、低温で塩化マグネシウムその他の非加水分解性の生成物を豊富に含む溶液の濃度を、乾燥した高濃度の気体の塩化水素を晶析装置内に散布することにより増加させる。これにより、(例えば塩化ナトリウム及び塩化カリウムの除去後に)塩化マグネシウムを六水和物として析出させることができる。
図2に示すように、予備ステップ11を追加することもできる。塩化ナトリウムを硫酸と化学反応させて硫酸ナトリウムを得、共沸点の塩酸を再生することができる。塩化カリウムを硫酸と化学反応させて硫酸カリウムを得、共沸点の塩酸を再生することができる。
本明細書では、少なくとも1つの希土類元素を実質選択的に回収、析出、抽出及び/又は単離するいくつかの理論実験例を提示する。この処理は、例えば浸出液及び/又は析出物並びに他の任意の下流の誘導体、溶液、析出物、組成物又は液に基づいて行うことができる。
例えば、少なくとも1つの希土類元素の回収、析出、抽出及び/又は単離は以下のステップによって行うことができる。
・少なくとも1つの希土類元素を(例えば約6〜約8、7〜約8、又は7〜約7.5のpHで)析出させるステップ、
・イオン交換樹脂(例えば米国特許第4,816,233号(参照により本明細書に全体的に援用するものとする。)に記載のもの)を使用するステップ、
・一種又は複数の溶媒(例えば、ジ‐(2‐エチルヘキシル)リン酸(HDEHP(DEHPA又はD2EHPAとも))を使用した液液抽出を行ってもよい。)、モノ(2‐エチルヘキシル)2‐エチルヘキシルホスホネート(HEH/EHP)、オクチルフェニルホスフェート(OPAP)、2‐エチルヘキシルホスホン酸モノ‐2‐エチルヘキシルエステル(PC88A)、及び必要に応じてトルエン(例えば、Kao et al., Chemical Engineering Journal, Volume 119, Issues 2-3, June 15, 2006, pages 167-174(参照により本明細書に全体的に援用する。)を利用した抽出ステップ、又はアルキルホスフェート(例えば米国特許第3,013,859号(参照により本明細書に全体的に援用する。)に記載のもの)を使用した抽出ステップ、
・抽出剤(例えば、ビス(2,4,4‐トリメチルペンチル)モノチオホスフィン酸又はその誘導体)を使用するステップ、
・必要に応じてトリブチルホスフェートで変性された活性炭上の吸着(活性炭吸着)ステップ、又はポリウレタンポリエーテルフォーム(PUF)(例えば、Zhou et al., RARE METALS, Vol. 27, No. 3, 2008, p223-227に記載のもの。この文献の内容全体を参照により本明細書に援用する。)上の吸着ステップ、
・中空糸膜による抽出ステップ、及び
・電解採取技術(例えば、米国特許出願第2004/0042945号(参照により本明細書に全体的に援用する。)に記載のもの)を使用するステップ。
例えば、プロセス中(例えば鉄の析出時及び/又はアルミニウムの析出時)に発生する残留溶液から(必要に応じてHNO3を使用して)スカンジウムを析出させることができる。
例えば、浸出液及び/又は析出物並びに他の任意の下流の誘導体から少なくとも1つの希土類元素を実質選択的に析出、抽出及び/又は単離するときは、様々なシーケンスを実行することができる。即ち、出発材料及び存在する希土類元素の性質に応じて、所与の希土類元素の抽出を別の所与の希土類元素の抽出前後に、より容易に行うことができる。
例えば、図3に示すように、HCl、水及び塩化物の形態の希土類元素を含む混合物又は液中では、該混合物又は液からGaCl3を抽出するために該混合物又は液を抽出剤で処理することによりGa不含溶液を得ることができる。かかる抽出剤としては、例えばオクチルフェニルホスフェート(OPAP)又は2‐エチルヘキシルホスホン酸モノ‐2‐エチルヘキシルエステル(PC88A)及びトルエンが挙げられる。次いで、GaCl3を析出させた後、析出物を加熱することによってGa2O3に転化することができる。
次いで、塩化セリウムを実質選択的に抽出するために、Ga不含溶液を抽出剤(例えばSME 529(商標)、トリブチルホスフェート又はジ‐イソアミルメチルホスホネート、ジ‐(2‐エチルヘキシル)リン酸、7‐(4‐エチル‐1‐メチルオクチル)‐8‐ヒドロキシキノリン(Kelex 100(商標))をn‐ヘプタン中に入れ10%のn‐デカノールを添加したもの)で処理することにより、Ce不含溶液を得ることができる。CeCl3を最終的にCeO2に転化することができる。
次いで、Ce不含溶液をジ‐(2‐エチルヘキシル)リン酸やジ‐(2‐エチルヘキシル)ホスフィン酸等の抽出剤で処理してScを実質選択的に抽出し、Sc不含溶液を得ることができる。抽出したScを酸化剤(NaOH等)で処理してSc2O3を得ることができる。
次いで、Sc不含溶液中に残留する様々な希土類元素(Pr、Nd、Sm、Eu、La、Gd、Y、Dy、Er等)を可能な様々な順序で抽出することができる。
例えば、図3に図示するプロセスは、図1又は図2に図示するプロセス等、他の様々なプロセスの構成要素として使用可能であることにも留意されたい。例えば、図1及び図2のステップ10を図3に図示するプロセスとしてもよい。
例えば、図4A及び図4Bに示すように、希土類元素の抽出方法は以下のステップを含むことができる。
鉄を使用して第二鉄から第一鉄に還元するステップ、
塩化第一鉄溶液からガリウムを分離するステップ、
ラフィネートから希土類元素を析出させ前濃縮するステップ、
希土類元素を軽グループ(LRE)と重グループ(HRE)に再浸出及び分画するステップ、
スカンジウム及び重希土類元素からイットリウムを分離するステップ、及び
スカンジウム及び重希土類元素を分離するステップ。
還元剤(金属鉄等)により第二鉄から第一鉄に還元するステップは、鉄の共抽出又は鉄の析出を防止するのに使用することができる。反応時間はごく短時間とすることができ、熱が発生する可能性もある。
図4A及び図4Bに示すように、塩化第二鉄フィード溶液を攪拌式反応槽にフィードし(101)、還元剤(例えば金属鉄(102))を加えることにより塩化第二鉄から塩化第一鉄への転化を可能にすることができる(「第二鉄除去(Ferric Removal)」参照)。固液分離(S/L分離)後、結果として得られたろ液を更にガリウム抽出回路で処理することができる(103)。固形物及び鉄を含むろ過ケーキを脱水し、その結果得られるスラリーは廃棄処分することができる。
次いで、抽出剤(例えばケロシンに溶解したトリブチルホスフェート(TBP))を含む有機溶液を用いてガリウムを抽出することができる(「ガリウム回収(Gallium Recovery)」参照)。こうしてレアアース及び鉄をラフィネート中に残留させることができる。抽出は塩化物イオンの濃度に応じて変更することができる。例えば、塩化物イオンの濃度が高くなればガリウム錯体の形成傾向が高まり、より良好な抽出が得られる。
例えば、塩酸溶液から回収したガリウムについてはトリブチルホスフェートや第三級アミン(例えばAlamine 336)等の試薬を使用することができる。例えば、塩酸(HCl)濃度を高めるとガリウム抽出が最大値に達し、その後再び減少に転じる可能性がある。例えば、ガリウム抽出ではHCl濃度を約4MのHClまで増加させることができる。このような条件下では、ガリウムはHGaCl4錯体及び三溶媒和物(HGaCl4・3TBP)としてのTBP抽出ガリウム(例えば抽出剤がTBPの場合)の形態で存在する可能性がある。
有機相に蓄積する共抽出鉄は塩酸でスクラビングすることができる(「ガリウム逆抽出液(Gallium Strip Liquor)」参照)。その結果得られるガリウムを含有する有機溶液を逆抽出回路に供給し、ガリウムを水で逆抽出することができる(104)。次いで、塩化第一鉄及び希土類元素を含有するラフィネートをレアアース析出セクションにフィードすることができる(106)(「バルクREE除去(Bulk REE Removal)」参照)。最終逆抽出液(105)はガリウムを含有する。
例えば、希土類元素のシュウ酸塩析出は水溶液中の化合物の溶解性を大きく低下させる。希土類シュウ酸塩の析出は析出試薬を加えることによって達成することができる(107)。例えば、シュウ酸を析出に使用することができる(107)。例えば、三価の希土類元素の析出に有効な析出剤((シュウ酸由来の)シュウ酸塩等)を使用することができる。例えば、かかる析出剤はこのようにして形成される析出物の水溶液に対する溶解性を大きく低下させる。
一次希土類元素析出物からのオーバーフローを第一鉄処理回路にフィードすることができる(109)。ろ過後、希土類元素を含有するろ過ケーキを洗浄脱水ユニットにフィードすることができる。次いで、結果として得られるスラリーの再浸出を行うことができる(108)(「REE再浸出(REE Re-leaching)」参照)。レアアースろ過ケーキの再浸出は塩酸を使用して行うことができる(110)。
例えば約150g/L〜約250g/Lの希土類元素を含有する、前濃縮及びpH調整した塩化物溶液(111)から、イットリウム、スカンジウム及び重希土類元素(HRE)を抽出剤(例えば(ジ‐(2‐エチルヘキシル)リン酸(D2EHPA)や2‐エチルヘキシルホスホン酸モノ‐2‐エチルヘキシルエステル(ケロセン中のPC88A(lonquest(商標)801とも)等)で抽出する(「一次REE回収(Primary REE Recovery)」参照)。スカンジウムその他のHRE及びイットリウムを抽出し、ラフィネート中に軽希土類元素(LRE)を残留させることができる(113)。
次いで、充填された有機相を塩酸(2MのHCl)で選択的にスクラビングして共抽出LREを除去することができる。二次スクラビングセクションでは弱塩酸(1〜1.5MのHCl)を使用することによってユーロピウムを除去することができる。次いで、イットリウム、スカンジウム及びHREを含有する抽出物を強酸(3.5MのHCl)で逆抽出することができる(112)。
イットリウム及びスカンジウムを含有するHRE逆抽出液を更に処理(114)することにより、二重溶媒精製プロセスの第1の回路において90%超のY2O3及びSc2O3を得ることができる。第1のステップでは、約25g/L(酸化物の形態の希土類元素中)及び0.4MのHClを含有する水溶液を抽出剤(例えば(ジ‐(2‐エチルヘキシル)リン酸(D2EHPA)や2‐エチルヘキシルホスホン酸モノ‐2‐エチルヘキシルエステル(ケロセン中のPC88A(lonquest(商標)801とも)等)と接触させることができる(「二次REE回収(Secondary REE Recovery)」参照)。次いで、充填された有機相を希塩酸でスクラビングする。スカンジウム、イオンとリウム及びHREを試薬によって抽出し、最終的に強塩酸を用いて高い酸化物/酸比率にて逆抽出することができる(115)。最終逆抽出液の、希土類元素酸化物中の濃度は約40g/L及び約1MのHClとなる。この溶液を部分的に中和する。
この前処理した逆抽出液を更に抽出剤(例えばケロセン中のトリブチルホスフェート(TBP))で抽出することができる(116)。この処理を複数段階に分けて実行し、最後に充填された有機相を水で最終的に逆抽出することができる(117)。このようにして全てのHRE及びスカンジウムを抽出し、その結果ラフィネート中にイットリウムを残留させることができる(119)。HREを含有する最終逆抽出液(118)は、スカンジウム及び重希土類元素の更なる分離のソースとなる。そうするために、ジ‐(2‐エチルヘキシル)リン酸のような様々な可能な抽出剤が使用可能である。
他のHRE(例えばジスプロシウム及びエルビウム)からのスカンジウムの分離は、イットリウム分離精製プロセスと同様に、先述したように更なる溶媒抽出精製回路を使用して行うことができる。したがって、抽出剤は上記117と同じものであっても異なるものであってもよく、逆抽出溶液(120)を上記117と同じものとすることにより、スカンジウムラフィネート(121)とユーロピウム及びエルビウムを含む逆抽出液(122)とを得ることができる。
代替として、イットリウムは米国特許第3,751,553号(参照によりその内容全体を本明細書に援用する)に記載のとおり抽出してもよい。実際には、イットリウムは当初ゼノタイム濃縮物から抽出することができる。この処理は3つの抽出回路を使用することによって行うことができる。第1のステップでは、DEHPAを使用してイットリウムを抽出することができる。第2のステップでは、トリ(カプリルメチル)アンモニウムニトレート(Aliquat 336)を使用してセリウムを抽出、分離し、ラフィネート中にイットリウムを残留させることができる。第3のステップでは、トリ(カプリルメチル)アンモニウムチオシアネートを利用してTm、Yb及びLuを抽出することができる。この抽出ループにおいてイットリウムはセリウム元素のように振る舞う。本ステップから高純度のイットリウム酸化物を得ることができる。
別の代替策によれば、イットリウム酸化物は2ステップで抽出することができる。すなわち、トリ(カプリルメチル)アンモニウムニトレートを使用して混合物La-Er/Y-Luを分離し、次いでバーサチック酸を使用してイットリウムの精製を行う。
溶媒抽出は、有機溶液を利用した水溶液から貴重な元素を単離、濃縮する選択的な分離手順である。この手順では、他の溶解物質(汚染物質)と共に対象となる元素をしばしば低い濃度で含有する水溶液を、試薬を含有する有機溶媒と混合(抽出)する。該当する元素を試薬と反応させて、水溶液よりも有機物に対する可溶性が高い化学的化合物を得る。その結果、該当する元素が有機溶液に移される。
その後、抽出物質を回収するために、この有機溶液を、元素と試薬との化学的化合物が分離され、したがって該元素が「新しい」水溶液中に純粋な形態で回収されるような組成の水溶液と混合(逆抽出)する。「新しい」水溶液中の元素の濃度は、流体流量を調整することにより元の水溶液の10〜100倍まで増加させることができることもある。抽出元素から解放された有機溶液は、直接又はその一部から不純物を洗浄除去した後に更なる抽出のために回収される。
この溶媒抽出プロセスを左右する重要な要因としては、例えば抽出、スクラビング及び逆抽出の段階数、有機溶媒の濃度、希釈剤等が挙げられる。
典型的な溶媒抽出プロセスにおいて、希土類元素を含有する水相としては例えば塩素酸溶液又は硝酸溶液が挙げられる。有機相には本明細書に開示するような抽出剤、又は脂肪族希釈剤のような有機溶媒中の代替物が含まれる。
溶媒抽出技法は希土類元素の分離精製手順として使用することができる。以下の特性の中には抽出剤又は化学的抽出剤を選択する際に特に重要となるものがある。
・抽出プロセス中の他の不要な金属及び酸に対する高い選択性
・抽出剤に関する高い移動容量
・良好な化学的安定性
・高速な反応速度
例えば、析出とは、化学的試薬を加えることにより溶液から希土類元素を取り出してより可溶性の低い(固体の)新たな化合物を形成することを指す。例えば、完全な析出はシュウ酸塩、水酸化物又は他の化合物によって行うことができる。
水酸化物析出及び硫酸複塩も使用可能である。大規模な処理では、硝酸塩溶液又は塩化物溶液からの水酸化物析出の実施にアンモニアを使用することができる。希土類元素を含有する溶液に硫酸ナトリウムを加えることにより硫酸複塩RE2(SO4)3・Na2SO4・nH2Oを析出させることができる。三価希土類元素の水溶液中の析出反応は次式のとおりである。
Figure 2014513212
以下に示す実施例は限定的なものではなく、本発明の方法を例示するためのものである。
(実施例1)
<アルミニウム含有材料の調製>
後続のステップにおける処理を容易にするために、アルミニウム含有材料(例えばアージライト)を微破砕することができる。例えば、微粒子化することにより反応時間を数時間(約2〜3時間)短縮することができる。鉄の大部分を除去するために、破砕ステップと焼成ステップとの間に必要に応じて室温での浸出ステップを実行する。本操作は、例えば塩酸HCl(12M又は32wt%)を用いて、アージライト/酸の比率(重量/体積)1:5にて実施する。この場合、実験条件(粒子径、処理時間、攪拌システム)にもよるが約65%〜約93%の鉄を溶解させることができる。ただし、この浸出ステップは数パーセント(0〜5%)のアルミニウムを伴う可能性もある。アージライト調製の最終ステップは、前処理したアージライトを焼成するステップを含む。本ステップは、550℃より高い焼成温度で約1〜2時間行うことができる。例えば、熱処理を行えば同じ時間に抽出されるアルミニウムの量を約30%〜約40%増加させることが可能となる。換言すれば、抽出されるアルミニウムの量が倍増する。室温で浸出を行う場合は、酸の回収及び加熱コストの低減のために焼成前に相分離を行ってもよい。
<酸浸出>
酸浸出ステップは、粉砕し焙焼したアージライトを高温下で酸溶液(例えばHCl)と所与の時間反応させるステップを含むことができる。例えば、アージライト/酸の比率は約1:10(重量/体積)、HCl濃度は約6M又は約18〜20wt%、温度は約100℃〜約110℃、反応時間は約30分〜約7時間としてもよい。かかる条件下では、不純物に加えて約90%超のアルミニウムと約100%の鉄を抽出することができる。別法として、浸出は温度約150℃〜約175℃、圧力約350KPag〜約500KPagで約4時間〜約7時間行うこともできる。
このような処理の後半期間(例えば最後の2時間又は3時間)では、フラッシュ処理及び凝縮により過剰の酸の一部を回収することができる。抽出が終了した時点でデカンテーション又はろ過によって液体から固体(金属に乏しいアージライト)を分離し、その後洗浄することができる。残留する浸出液及び洗浄水は完全に蒸発させてもよい。その後、酸性度を低下させるとともに鉄除去中のpH調整に必要となる塩基(例えばNaOH、KOH、Ca(OH)2、Mg(OH)2等)の使用量を減少させるために、対応する残留物を水で多数回向流洗浄することができる。回収した酸は、気体のHCl又は濃縮したHCl(12M)を加えることにより力価を調整した後に再利用することができる。反応後は実験条件に応じて酸の力価を約4Mから約6Mに変更することができる。固体に関してはアージライトの初期質量の約65%〜約75%に相当するものであり、それ自体の価値を維持(valorize)しながらイオン交換樹脂又は吸着剤として再利用することができる。
別法として、HCl浸出はオートクレーブにて加圧下で(したがって反応温度を高めて)実行してもよい。
例えば、上述の酸浸出を経たこの段階で一種又は複数の希土類元素の回収を行うことができる。
<鉄の除去>
本明細書では、鉄の除去を実行するいくつかの代替策を提案する。例えば、鉄の除去は一定のpH値で鉄イオンを実質選択的に析出させることで行うことができる。別法として、国際公開第WO2008/141423号に記載されているようないくつかの抽出剤を使用することもできる。かかる抽出剤と組み合わせた膜を使用することもできる。
例えば、後者をpHが10以上又は約11.5〜約12.5の塩基性媒体中にイオン析出させることで、鉄の除去を行ってもよい。pHは約3〜約6、又は約3〜約5、又は約3〜約4であってもよい。かかるステップは、例えば濃度10MのNaOH溶液を加えることによって行ってもよい。KOHのような他の塩基を使用してもよい。次いで、ろ過、デカンテーション又は遠心分離によって液体部分から固体部分を分離し、分離した固体部分は、希釈した塩基、NaOH溶液等(例えば0.01M〜0.02Mの濃度のNaOH)によってすすぐだけでよい。次いで、固体を水で向流洗浄する。液体部分はアルミニウム及びアルカリ土類を含む。こうして鉄及びほぼ全ての不純物(他の金属)の実質的に完全な除去を、不溶性の洗浄済み水酸化物として達成することができる。必要に応じて、中空糸膜を利用した液液抽出による精製ステップを使用することにより鉄の回収を行うことも可能である。
別法として、鉄の回収は抽出剤及び中空糸膜を使用することによって行うこともできる。かかるステップにおいては、Al/Fe比に応じて、アルミニウムイオンに対して鉄イオンと(又は鉄イオンに対してアルミニウムイオンと)実質選択的に錯体形成可能な様々な抽出剤を使用することができる。例えば、鉄イオンと錯体形成するのに適した抽出剤としてHDEHP(又はDEHPA)を使用することによって抽出を行ってもよい。ヘプタンや炭化水素溶媒等の有機溶媒中で約1Mの濃度のHDEHPを使用することができる。かかる抽出は比較的短い接触時間(数分)で済む可能性がある。例えば、pHを2程度とし、水相/有機相の比率を約1:1とすることができる。かかる条件下では86%〜98%の鉄が抽出可能であることが観察された。この場合は鉄が有機相に捕捉されることが理解されるであろう。水相中の鉄を回収するために、塩酸(2M又は6M)により有機相/水相比率を約1:0.5として逆抽出を行ってもよい。かかる場合はFe3+イオンに富む水相が得られる。
例えば、上述の鉄回収を経たこの段階で一種又は複数の希土類元素の回収を行うことができる。
向流技術を使用した溶媒抽出では、塩酸による逆抽出の後にMgO溶液と接触させ、したがって希土類元素を水酸化物の形態で析出させ、その後生成物をそれぞれの対応する酸化物に転化して焼成装置に投入する。
<アルミニウムの回収>
本ステップも様々な形式で実行することができる。例えば、約7〜約9、又は約7.5〜約8.5、又は約8のpHにおいてアルミニウムイオンをAl(OH)3の形態(例えば水和形態のAl(OH)3)で析出させることができる。別法として、アルミニウムイオンを国際公開第WO2008/141423号に記載される抽出剤と反応させることもできる。
析出又は抽出技術を使用した前工程から得られる溶液は、比較的清浄であり、主として例えば約90%〜約95%、更には約90%〜約99.8%ものアルミニウム(析出法の場合はアルカリ土類を含まない)を含む。後者の回収は、液液抽出によって、例えば同じ中空糸膜と、他の金属や残留物に優先して少なくともアルミニウムと実質選択的に錯体形成するように適合された抽出剤とを使用して行ってもよい。例えば、ビス(2,4,4‐トリメチルペンチル)ホスフィン酸(商品名Cyanex(商標)272等)をアルミニウムに特異的な抽出剤として使用してもよい。例えば、この抽出剤はヘプタン等の有機溶媒中で約20v/v%の濃度で使用してもよい。水相:有機相の比率は約1:1〜約1:3であってよい。例えば、抽出温度を約40℃、pHを約2.5〜約3.5に維持してもよい。かかる技術により70%〜90%超のアルミニウムの抽出が可能となることが観察された。アルミニウムが有機相に捕捉された後は、逆抽出法を使用してAl3+イオン濃縮物の形態でアルミニウムを回収することができる。例えば、逆抽出は約40℃の温度で塩酸(例えば濃度6M)を用いて行うことができる。この条件下で90%超のアルミニウムが回収できる。
例えば、上述のアルミニウム回収を経たこの段階で一種又は複数の希土類元素の回収を行うことができる。
次いで、NaOH等の塩基を加えることによりAl3+を水酸化アルミニウム(例えば水和形態のAl(OH)3)に転化することができる。最後に、Al(OH)3を例えば約800℃〜約1200℃の温度で焼成することによりアルミナ(アルミナAl2O3)に転化することができる。
再晶析により更なる精製が可能となる。
<希土類元素の回収>
次いで、例えば先に述べた希土類元素回収技術のいずれかをこの段階で使用することにより希土類元素の回収を行うことが可能となる。例えば、上述のプロセスから得られた残留溶液中には少なくとも1つの希土類元素が含まれる。例えば、この少なくとも1つの希土類元素は、例えば当該プロセス中に得られる浸出物質又は浸出液又は溶液中の濃度が低い、例えば約50ppm未満、約25ppm、約15ppm、約10ppm、約5ppm、約4ppm、約3ppm、約2ppm又は約1ppmである可能性がある。このような希土類元素は、一種又は複数の溶媒による抽出に先立って本プロセスの後の段階で濃縮可能である。内部濃縮ループを経ることで濃度は大幅に増加(例えば100倍〜1000倍)され、それにより少なくとも1つの希土類元素の実質選択的な析出、抽出及び/又は単離により効果的な条件が得られることが証明された。
(実施例2)
出発材料としてカナダのケベック州グランドバレーから粘土試料(アージライト)を得た。
それぞれ約900kgの試料につき80回の試験を実施してそれらの平均値を得た。これらの試験は図1に示すプロセスを使用して行った。
破砕及び選別後の採掘したての粗粘土の組成は下記のとおりであった。
Al2O3:15%〜26%
SiO2:45%〜50%
Fe2O3:8%〜9%
MgO:1%〜2%
希土類元素:0.04%〜0.07%
LOI:5%〜10%
したがって、この材料は140〜170℃にて18〜32重量%のHClを用いて2段階の手順で浸出される。HCl溶液は、粘土中の酸浸出可能な成分を除去するために必要な化学量論量に対して10〜20%の化学量論超過にて使用した。半連続操作の最初の浸出段階(ステップ2)では、粘土を塩酸の総量のうちの必要量又は一定割合と2.5時間接触させた。廃酸の除去後、この粘土を再び少なくとも18重量%の塩酸溶液と約1.5時間、同じ温度及び圧力にて接触させた。
浸出液をろ過し、固体を水で洗浄した後従来の分析技術を使用して分析を行った(図1のステップ3参照)。得られたシリカの純度は95.4%で、塩化物及びHClは含まれなかった。
浸出及びシリカの除去後、各種金属塩化物の濃度は下記のとおりであった。
AlCl3:15〜20%
FeCl2:4〜6%
FeCl3:0.5〜2.0%
MgCl2:0.5〜2.0%
遊離HCl:5〜50g/l
次いで、約90%〜約98%の純度の気相における乾燥塩酸を使用して、得られた塩化アルミニウム六水和物中に25ppm未満の鉄を入れ、廃酸を2段階で晶析させた。溶液(水相)中のHCl濃度は約25〜約32%であった。次いで、回収された晶析材料(最低純度99.8%の水和物形態のAlCl3)を930℃又は1250℃で焼成し、これによりアルミナのα部を得た。
焼成段階を経た気相のHClの濃度は約21〜約32重量%であり、AlCl3及びMgCl2の晶析に使用(再利用)した。過剰の塩酸は浸出ステップに必要な目標濃度で吸収した。
次いで、塩化鉄(第二鉄形態で約90%〜約95%)を純粋なヘマタイト(Fe2O3)として抽出するために熱水プロセスにかける。本プロセスは、国際公開第WO2009/153321号に記載される、焼成、熱加水分解及び浸出段階からの全熱回収を利用した低温加水分解技術を使用することによって行うことができる。
ステップ10(図1及び図2の両プロセス)の前に、出発材料中に発見された元素(Al、Fe、Mg及び希土類元素(Sc、Ga、Y、Ce等))の約90〜約98重量%が回収されることが証明された。本明細書に開示するアルミニウム含有材料から希土類元素を回収する方法は、希土類元素の約90%を回収するのに効率的であり得ることが予想される。したがって、図1及び図2に示したプロセスの実施例では、アルミニウム含有材料からの少なくとも1つの希土類元素の総回収収率は約80%〜約90%となることが予想される。
晶析から加水分解装置の予備濃縮に続いて、加水分解装置の母液(シリカ、アルミニウム、鉄及び水の大部分を除去済み)から希土類元素を抽出することができる。塩化物の形態で希土類元素が大幅に濃縮され(RECl)、抽出準備が整う。希土類元素は加水分解装置自体の内部にてシングルパス(濃縮ループなし)で平均5〜10倍濃縮されることが証明された。加水分解装置内(シングルパス)で得られた濃縮係数は下記のとおりである。
Ce:>6
La:>9
Nd:>7
Y:>9
濃縮ループを実行することでかかる濃度が大幅に増加し得ることが当業者には容易に理解されるであろう。
残留した塩化マグネシウムに乾燥した高濃度の塩酸を散布し、その後酸をその共沸点で回収しながらMgOに焼成する。
次いで、他の非加水分解性成分を含有する混合酸化物を700〜800℃の熱加水分解反応にかけ、回収された酸(15〜20.2wt%)を例えば浸出系に経路変更した。
得られた全収率:
Al2O3:93〜95%回収
Fe2O3:98〜99.5%
回収希土類元素:最低95%回収(混合物)
MgO:96〜98%回収
廃棄材料:最大0〜5%
全HCl回収:最低99.75%
浸出フィード時のHCl強度:15-32%
赤泥生成物:なし
(実施例3)
同様のフィード材料(粘土の代わりにボーキサイト)を実施例2の浸出段階まで同様に処理した結果、実施例2で確立した条件下で容易に浸出可能であることが判明した。鉄については100%、アルミニウムについては95%超の抽出率が達成された。本方法は経済的に採算が取れることが分かり、また有害な副産物(赤泥)も発生しなかった。約90%〜約95%(出発材料に対する重量%)の(混合物としての)希土類元素の回収が観察された。試験を行った試料は様々な濃度のAl2O3(最大51%)、Fe2O3(最大27%)及びMgO(最大1.5%)を含むものであった。
本発明のプロセスは、既知のプロセスに対して複数の重要な利点及び優位性を有する。
本発明のプロセスは、高濃度の希土類元素を含めた高付加価値の極めて純粋な二次製品を提供するとともに、様々な種類の鉱物からアルミナを首尾よく抽出することが可能な、十分に連続的かつ経済的な溶液を提供することができる。本明細書に記載する技術を用いると総酸回収量を大幅に増加させることができるとともに、極めて高い濃度の酸の回収が可能となる。このことは、非常に高い抽出収率をもたらす半連続浸出手法と相俟って、塩化アルミニウムの晶析及び他の付加価値のある希土類元素のような元素の濃縮に関する特定の方法を提供することができる。
具体的には、使用機器のタイプ(例えば竪型ローラミル)及びその特定の動作に応じて、原材料の破砕、乾燥及び選別は、様々な種類の鉱物硬度(例えば炉スラグ等)、様々なタイプの湿度(最大30%)及び入力粒子径に適用することができる。こうして得られる粒子径は、浸出段階において鉱物と酸との最適な接触を実現し反応速度を高める利点をもたらす。ここで採用する粒子径により摩耗の問題が大幅に抑制され、塩酸接触による簡易な冶金/ライニング(lining)の使用が可能となる。
本発明のプロセスの更なる利点は、高い温度と高い入力塩酸濃度の組合せである。遊離HClの駆動力が系統的に使用される半連続操作と組み合わせると、鉄及びアルミニウムの抽出収率は、基準となる基本的なバッチプロセス時間の約40%未満で、それぞれ100%及び98%に達する。HCl濃度を共沸点における濃度よりも高くすることの別の利点は、容量増加の可能性があることである。繰り返しになるが、共沸点におけるHCl濃度よりも高いHCl濃度及び半連続手法は、当業界における実質的な進歩といえる。
浸出段階の向流洗浄後に行うシリカからの母液分離に使用する技術の別の利点は、帯域フィルターを用いることにより超純粋シリカに98%超の見込み純度がもたらされることである。
乾燥、洗浄した高濃度の気体HClを散布剤として使用してAlCl3をAlCl3・6H2Oに晶析させることにより、鉄及び他の不純物を数ppm足らずしか含まない純粋な塩化アルミニウム六水和物が得られる。最小限の段階数で適切な結晶成長を可能にすることができる。
さほど高い濃度の気体が発生しないAlCl3・6H2OからAl2O3への焼成と直接組み合わせることにより、晶析装置内のHCl濃度の正確な調整が可能となり、したがって結晶成長及び晶析プロセスの適切な制御が可能となる。
本発明者らは、アルミニウム(粘土、ボーキサイト、スラグ、赤泥等)を含有する様々な材料からアルミナ及び他の付加価値のある希土類元素のような生成物を抽出するための、全塩酸回収を用いた完全統合型の連続的なプロセスを見出した。実際には、本プロセスは、純粋なアルミナ及び他の付加価値のある精製生成物、例えば精製シリカ、純粋なヘマタイト、他の純粋な鉱物(例えば酸化マグネシウム)及び希土類元素等の製造を可能にする。また、本プロセスは酸浸出操作の前に熱前処理を必要としない。酸浸出は、高圧及び高温条件及び非常に高い再生塩酸濃度にて、半連続技術を使用して実行することができる。
高温焼成段階の利点は、必要とされるアルミナのα形態の制御が可能になることに加えて、共沸点におけるHCl濃度よりも高い塩酸濃度(>38%)が水相においてもたされ、したがって浸出段階においてより高い入力HCl濃度がもたらされることである。焼成段階の塩酸ネットワークは2つの晶析系統と相互接続することができ、また、圧力調整により過剰のHClが最大限の水相濃度で吸収可能となる。六水和物の入力フィードを有する利点は、連続的なベースが共沸濃度よりも高い濃度で酸を回収することを可能にすることである。このように、本プロセスの3つの共通部分において共沸点を超えてHClをバランスよく再利用することは、業界における実質的な進歩といえる。
別の利点は、酸化鉄及び塩酸回収ユニットに対する入力化学物質(incoming chemistry)(塩化第二鉄)の使用であり、該ユニットでは焼成部、熱加水分解及び浸出部からの過剰の熱負荷が金属塩化物中の母液を予備濃縮するために全て回収され、したがって、非常に低い温度で塩化第二鉄を非常に純粋なヘマタイトの形態で加水分解することが可能となり、それ自体の共沸点と同じ濃度での酸再生が可能になることである。
塩化第二鉄の加水分解ステップにおける本方法のまた別の主要な利点は、加水分解反応器内で希土類元素を非常に高い濃度の塩化物の形態で濃縮することができる点である。本発明の方法の利点は、該方法が段階的な濃度比が適用される様々なステップの利益を享受することである。したがって、この段階でシリカ、アルミニウム、鉄を有するとともに、飽和状態に近い(多量の水が蒸発し、遊離塩酸の存在しない)溶液を平衡状態にすることにより、希土類元素をppm単位で入力フィードに供給し、それらを直接加水分解装置において高いパーセンテージで濃縮することが可能となる。次いで、パーセンテージレベルでは既知の技術を使用しての特定の希土類元素酸化物(REO)の精製を行うことができる。ここで、統合プロセス段階を使用した希土類元素の非常に高いレベルでの濃縮という利点が倍増し、最も重要なこととして、本手法は、浸出ステップ後の廃酸のメインストリーム(高希釈)が塩化アルミニウムのメインストリームを汚染し、したがってAl2O3の収率に影響を及ぼすリスクを防止する。別の重要な技術的改善点は、完全統合型であることに加えて、成分の選択的な除去により、希土類元素の濃度を比較的高い濃度(パーセンテージ)にすることが可能となることである。
本プロセスの別の利点は、やはりアルミナ焼成ステップ又は酸化マグネシウムの直接焼成からの散布を利用したMgCl2の選択的晶析であり、いずれの場合も気相及び水相の高濃縮酸が生成される。塩化アルミニウム固有の晶析、か焼炉との直接相互接続により、HClガスの非常に高い濃度の故に、酸化マグネシウムの所期の品質に基づく晶析装置による正確な調整が可能となる。入力プロセスフィード化学物質(incoming process feed chemistry)に基づいて本プロセスステップ(MgO又は他の付加価値のある金属酸化物の生成)が必要となる場合は、この追加的なステップの後に希土類元素の抽出ポイントが実行され、更なる濃縮効果が付加される利点が得られる。
熱加水分解により残留塩化物があればそれらの最終的な転化と、肥料として使用可能な精錬酸化物の生成(出発材料が粘土の場合)が可能となり、各プロセスに由来する大量の洗浄水を、浸出ステップのために、共沸点における閉ループにおいて回収塩酸で処理することが可能となる。この最終ステップの利点は、酸回収に関するプロセスループを完全に閉鎖し、先述したどのタイプの原材料を処理する場合にも環境に有害な残留物が生成されないことを保証する点に関するものである。
当技術分野における主な貢献は、本明細書で提案する本発明の完全統合型プロセスにより、とりわけ赤泥又は有害な残留物を発生させないボーキサイトの経済的な処理が保証されることである。他の性質の原材料(任意の適切なアルミニウム含有材料又はアルミニウム鉱石)にも適用可能であることに加えて、塩酸全回収及び共沸点における濃度(20%〜38%)よりも高いグローバル濃度の使用、付加価値のある二次製品の選択的抽出及び環境要求事項の順守(同時に転換コスト競争力も高い水準で維持すること)が当技術分野における主な利点として挙げられる。
したがって、本発明は、高純度及び高品質の製品(鉱物)を生産し希土類元素を回収するとともに、塩酸処理を使用して純粋な酸化アルミニウムを調製するための完全統合型プロセスを提供することが証明された。
したがって、本発明のプロセスはアルミニウム含有材料を処理する様々なプロセスと組み合わせて使用することができることが当業者には理解されるであろう。実際、少なくとも1つの希元素の回収を含む本発明のプロセスでは、アルミニウム含有材料に多種多様な処理を施すことができる。
上記では具体的な実施形態について本発明の説明を行ってきたが、これらの実施形態の様々な修正形態が当業者には理解されるであろう。したがって、上記の説明及び添付図面はあくまでも具体例であって限定的な意味に解釈すべきではない。

Claims (155)

  1. 少なくとも1つの材料から少なくとも1つの希土類元素を回収する方法であり、
    前記少なくとも1つの材料を少なくとも1つの酸で浸出して少なくとも1つの金属イオン及び前記少なくとも1つの希土類元素を含む浸出液と固体とを得、該浸出液と該固体を分離するステップと、
    前記浸出液から前記少なくとも1つの金属イオンを実質選択的に除去し、必要に応じて析出物を得るステップと、
    前記浸出液及び/又は前記析出物から前記少なくとも1つの希土類元素を実質選択的に取り出すステップと
    を含む方法。
  2. 少なくとも1つの材料から少なくとも1つの希土類元素を回収する方法であり、
    前記少なくとも1つの材料を少なくとも1つの酸で浸出して少なくとも1つの金属イオン及び前記少なくとも1つの希土類元素を含む浸出液と固体とを得、該浸出液と該固体を分離するステップと、
    前記少なくとも1つの希土類元素及び前記少なくとも1つの金属イオンのうちから選択される少なくとも1つの要素を前記浸出液から実質選択的に除去するステップと
    を含む方法。
  3. 請求項1に記載の方法であり、
    前記少なくとも1つの材料をHClで浸出して第1の金属イオン、第2の金属イオン及び前記少なくとも1つの希土類元素を含む前記浸出液と前記固体とを得、前記浸出液と前記固体を分離するステップと、
    前記組成物から前記第2の金属イオンを実質選択的に少なくとも部分的に除去し、それにより前記少なくとも1つの希土類元素を含む液を得るステップと
    を含む方法。
  4. 請求項3に記載の方法であり、前記第1の金属イオンが、前記浸出液から実質選択的に析出させ、固液分離により前記浸出液から除去することにより、前記浸出液から実質選択的に除去される方法。
  5. 請求項3に記載の方法であり、前記第1の金属イオンが、少なくとも1つのアルミニウムイオンであり、前記浸出液からAlCl3の形態で実質選択的に析出させ、固液分離により前記浸出液から除去することにより、前記浸出液から実質選択的に除去される方法。
  6. 請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法であり、前記組成物が、HClと、前記第2の金属イオンと、前記少なくとも1つの希土類元素と
    を含む方法。
  7. 請求項3〜5のいずれか一項に記載の方法であり、前記組成物が、前記第2の金属イオンと、前記少なくとも1つの希土類元素とを含む酸性組成物である方法。
  8. 請求項3〜7のいずれか一項に記載の方法であり、前記第2の金属イオンは少なくとも1つの鉄イオンであり、該少なくとも1つの鉄イオンをFe2O3に転化する加水分解を行うとともに、析出した該Fe2O3を固液分離によって前記組成物から除去することにより、前記組成物から実質選択的に除去し、これにより前記少なくとも1つの希土類元素を含む前記液を得る方法。
  9. 請求項8に記載の方法であり、前記少なくとも1つの鉄イオンがFe3+であり、該少なくとも1つの鉄イオンを前記組成物から実質選択的に部分的に除去し、前記組成物を更に還元剤で処理してFe3+をFe2+に転化し、その後固液分離によってFeCl2の形態のFe2+を前記組成物から除去し、これにより前記少なくとも1つの希土類元素を含む前記液を得る方法。
  10. 請求項3〜9のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの希土類元素が、液液抽出を利用して前記液から実質選択的に析出、抽出及び/又は単離される方法。
  11. 請求項3〜10のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの希土類元素が、液液抽出を利用して前記液から抽出される方法。
  12. 請求項3〜10のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの希土類元素が液液抽出を利用して前記液から回収される方法。
  13. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法であり、前記液液抽出が、ジ‐(2‐エチルヘキシル)リン酸及びモノ(2‐エチルヘキシル)2‐エチルヘキシルホスホネートのうちの少なくとも一方を使用して実行される方法。
  14. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法であり、前記液液抽出が、ジ‐(2‐エチルヘキシル)リン酸を使用して実行される方法。
  15. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法であり、前記液液抽出が、ビス(2,4,4‐トリメチルペンチル)モノチオホスフィン酸を使用して実行される方法。
  16. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法であり、前記液液抽出が、アルキルホスフェートを使用して実行される方法。
  17. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法であり、前記液液抽出が、トリブチルホスフェートを使用して実行される方法。
  18. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法であり、前記液液抽出が、オクチルフェニルホスフェートを使用して実行される方法。
  19. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法であり、前記液液抽出が、2‐エチルヘキシルホスホン酸モノ‐2‐エチルヘキシルエステル及びトルエンを使用して実行される方法。
  20. 請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法であり、前記液が前記少なくとも1つの希土類元素を塩化物の形態で含み、また、前記液を抽出剤と反応させることにより前記液からガリウムが実質選択的に抽出され、それによりGa不含溶液と抽出したガリウム溶液とが得られ、これらの溶液が互いに分離される方法。
  21. 請求項20に記載の方法であり、前記ガリウムが、前記液であり、GaCl3の形態である方法。
  22. 請求項20又は21に記載の方法であり、前記抽出剤が、オクチルフェニルホスフェート又は2‐エチルヘキシルホスホン酸モノ‐2‐エチルヘキシルエステル及びトルエンである方法。
  23. 請求項20又は21に記載の方法であり、前記抽出剤が、トリブチルホスフェートである方法。
  24. 請求項20〜23のいずれか一項に記載の方法であり、抽出した前記GaCl3が析出され、その後Ga2O3に転化される方法。
  25. 請求項20〜24のいずれか一項に記載の方法であり、前記Ga不含溶液を別の抽出剤と反応させて該Ga不含溶液からセリウムが実質選択的に抽出され、それによりCe不含溶液と抽出したセリウム溶液とが得られ、これらの溶液が互いに分離される方法。
  26. 請求項25に記載の方法であり、前記Ga不含溶液中の前記セリウムが、CeCl3の形態である方法。
  27. 請求項25又は26に記載の方法であり、前記別の抽出剤が、トリブチルホスフェート、ジ‐イソアミルメチルホスホネート、ジ‐(2‐エチルヘキシル)リン酸、又は7‐(4‐エチル‐1‐メチルオクチル)‐8‐ヒドロキシキノリンである方法。
  28. 請求項25〜27のいずれか一項に記載の方法であり、抽出した前記セリウムをCeO2に転化するステップを更に含む方法。
  29. 請求項25〜28のいずれか一項に記載の方法であり、前記Ce不含溶液をまた別の抽出剤と反応させて該Ce不含溶液からスカンジウムを実質選択的に抽出し、それによりSc不含溶液と抽出したスカンジウム溶液とを得、これらの溶液を互いに分離するステップを更に含む方法。
  30. 請求項29に記載の方法であり、前記Ce不含溶液中の前記スカンジウムがScCl3の形態である方法。
  31. 請求項29又は30に記載の方法であり、前記また別の抽出剤が、ジ‐(2‐エチルヘキシル)リン酸又はジ‐(2‐エチルヘキシル)ホスフィン酸である方法。
  32. 請求項29〜31のいずれか一項に記載の方法であり、抽出した前記スカンジウムをSc2O3に転化するステップを更に含む方法。
  33. 請求項32に記載の方法であり、抽出した前記スカンジウムが、NaOHを利用してSc2O3に転化される方法。
  34. 請求項29〜33のいずれか一項に記載の方法であり、前記Sc不含溶液を更にまた別の抽出剤と反応させてサマリウム、ユーロピウム、又はそれらの混合物を実質選択的に抽出し、それによりSm不含溶液及び/又はEu不含溶液、並びに抽出したサマリウム溶液及び/又は抽出したユーロピウム溶液を得、これらの溶液を互いに分離するステップを更に含む方法。
  35. 請求項34に記載の方法であり、前記更にまた別の抽出剤が、ビス(2,4,4‐トリメチルペンチル)ホスフィン酸及びジ‐(2‐エチルヘキシル)リン酸のうちから選択される方法。
  36. 請求項34又は35に記載の方法であり、前記Sm不含溶液及び/又は前記Eu不含溶液を他の抽出剤と反応させてガドリニウムを実質選択的に抽出し、それによりGd不含溶液と抽出したガドリニウム溶液とを得、これらの溶液を互いに分離するステップを更に含む方法。
  37. 請求項36に記載の方法であり、前記他の抽出剤が、8‐ヒドロキシキノリンである方法。
  38. 請求項36又は37に記載の方法であり、Gd不含溶液をまた他の抽出剤と反応させてイットリウムを実質選択的に抽出し、それによりY不含溶液と抽出したイットリウム溶液とを得、これらの溶液を互いに分離するステップを更に含む方法。
  39. 請求項38に記載の方法であり、前記また他の抽出剤が、(2‐エチルヘキシル)ホスホン酸である方法。
  40. 請求項38に記載の方法であり、前記また他の抽出剤が、ジ‐(2‐エチルヘキシル)ホスホン酸である方法。
  41. 請求項38〜40のいずれか一項に記載の方法であり、前記Y不含溶液を更にまた他の抽出剤と反応させてジスプロシウム及び/又はエルビウムを実質選択的に抽出し、それによりDy不含溶液及び/又はEr不含溶液、並びに抽出したジスプロシウム溶液及び/又は抽出したエルビウム溶液を得、これらの溶液を互いに分離するステップを更に含む方法。
  42. 請求項3〜9のいずれか一項に記載の方法であり、前記液を第1の抽出剤と反応させて前記液からガリウムを実質選択的に抽出し、それによりGa不含溶液と抽出したガリウム溶液とを得、これらの溶液を互いに分離する方法。
  43. 請求項42に記載の方法であり、前記液中の前記ガリウムが、GaCl3の形態である方法。
  44. 請求項42又は43に記載の方法であり、前記第1の抽出剤が、トリブチルホスフェートである方法。
  45. 請求項42又は43に記載の方法であり、前記第1の抽出剤が、ケロセン中のトリブチルホスフェートである方法。
  46. 請求項42〜45のいずれか一項に記載の方法であり、前記Ga不含溶液を前記Ga不含溶液中に存在する少なくとも1つの希土類元素を析出させる析出剤と反応させ、それにより前記少なくとも1つの希土類元素を含有する析出物を得、前記析出物を固液分離によって回収する方法。
  47. 請求項46に記載の方法であり、前記析出物を少なくとも1つの酸で浸出して前記少なくとも1つの希土類元素を含む浸出溶液を得るステップを更に含む方法。
  48. 請求項47に記載の方法であり、前記酸がHClである方法。
  49. 請求項46〜48のいずれか一項に記載の方法であり、前記浸出溶液を第2の抽出剤と反応させて第1の群の希土類元素を実質選択的に抽出し、それにより抽出した前記第1の群の希土類元素を含む溶液と、第2の群の希土類元素を含むラフィネートとを得、該溶液と該ラフィネートを分離する方法。
  50. 請求項49に記載の方法であり、前記第1の群が、イットリウム及びスカンジウムを含む方法。
  51. 請求項49又は50に記載の方法であり、前記第2の群が、セリウム、ネオジム、ユーロピウム及びプラセオジムを含む方法。
  52. 請求項49〜51のいずれか一項に記載の方法であり、前記第2の抽出剤が、ジ‐(2‐エチルヘキシル)ホスホン酸及び2‐エチルヘキシルホスホン酸モノ‐2‐エチルヘキシルエステルのうちから選択される方法。
  53. 請求項49〜52のいずれか一項に記載の方法であり、抽出した前記第1の群の希土類元素を含む前記溶液をHClと少なくとも1回反応させて前記溶液から不純物を除去するステップを更に含む方法。
  54. 請求項49〜53のいずれか一項に記載の方法であり、抽出した前記第1の群の希土類元素を含む前記溶液を酸で逆抽出することにより第1の群の逆抽出液を得るステップを更に含む方法。
  55. 請求項54に記載の方法であり、前記酸がHClである方法。
  56. 請求項54又は55に記載の方法であり、前記第2の抽出剤による前記抽出を少なくとも1回繰り返すステップを更に含む方法。
  57. 請求項54、55又は56に記載の方法であり、前記第1の群の逆抽出液を第3の抽出剤と反応させて前記第1の群の逆抽出液からスカンジウム、エルビウム及びジスプロシウムのうちの少なくとも1つを実質選択的に抽出し、それによりスカンジウム、エルビウム及びジスプロシウムのうちから抽出した少なくとも1つを含む溶液とイットリウムラフィネートとを得、該溶液と該ラフィネートを分離する方法。
  58. 請求項57に記載の方法であり、前記第3の抽出剤が、トリブチルホスフェートである方法。
  59. 請求項57又は58に記載の方法であり、スカンジウム、エルビウム及びジスプロシウムのうちから抽出した少なくとも1つを含む前記溶液を酸で逆抽出して別の第1の群の逆抽出液を得るステップを更に含む方法。
  60. 請求項59に記載の方法であり、前記酸がHClである方法。
  61. 請求項59又は60に記載の方法であり、前記別の第1の群の逆抽出液を第4の抽出剤と反応させて前記別の第1の群の逆抽出液からエルビウム及びジスプロシウムを実質選択的に抽出し、それにより抽出した前記エルビウム及びジスプロシウムを含む前記溶液とスカンジウムラフィネートとを得、該溶液と該ラフィネートを分離する方法。
  62. 請求項56又は57に記載の方法であり、前記別の第1の群の逆抽出液を第4の抽出剤と反応させて前記別の第1の群の逆抽出液からスカンジウムを実質選択的に抽出し、それにより抽出した前記スカンジウムを含む溶液とエルビウム及びジスプロシウムを含むラフィネートとを得、該溶液と該ラフィネートを分離する方法。
  63. 請求項3〜12のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの希土類元素が、必要に応じてトリブチルホスフェートで変性した活性炭上又はポリウレタンポリエーテルフォーム(PUF)上の吸着を利用して、実質選択的に析出、抽出及び/又は単離される方法。
  64. 請求項1又は2に記載の方法であり、前記少なくとも1つの希土類元素が、液液抽出を利用して実質選択的に取り出される方法。
  65. 請求項64に記載の方法であり、前記液液抽出が、抽出剤を使用して実行される方法。
  66. 請求項65に記載の方法であり、前記抽出剤が、ジ‐(2‐エチルヘキシル)リン酸、モノ(2‐エチルヘキシル)2‐エチルヘキシルホスホネート、ビス(2,4,4‐トリメチルペンチル)モノチオホスフィン酸、オクチルフェニルホスフェート(OPAP)、2‐エチルヘキシルホスホン酸モノ‐2‐エチルヘキシルエステル、トリブチルホスフェート、ジ‐イソアミルメチルホスホネート、7‐(4‐エチル‐1‐メチルオクチル)‐8‐ヒドロキシキノリン、ジ‐(2‐エチルヘキシル)ホスフィン酸、ビス(2,4,4‐トリメチルペンチル)ホスフィン酸、8‐ヒドロキシキノリン、及び(2‐エチルヘキシル)ホスホン酸から選択される方法。
  67. 請求項65に記載の方法であり、前記抽出剤が、ジエチレントリアミン五酢酸、エチレンジアミン四酢酸、1,4,7,10‐テトラアザシクロドデカン‐1,4,7,10‐四酢酸、及びビス(2,4,4‐トリメチルペンチル)モノチオホスフィン酸のうちから選択される方法。
  68. 請求項64〜67に記載の方法であり、前記少なくとも1つの希土類元素が、スカンジウム、ガリウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、ジスプロシウム、エルビウム、及びイッテルビウムのうちから選択される方法。
  69. 請求項64〜67に記載の方法であり、前記少なくとも1つの希土類元素が、スカンジウム、ガリウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、及びジスプロシウムのうちから選択される方法。
  70. 請求項64〜67に記載の方法であり、前記少なくとも1つの希土類元素が、スカンジウム、ガリウム、イットリウム、及びセリウムのうちから選択される方法。
  71. 請求項64〜67に記載の方法であり、前記少なくとも1つの希土類元素が、スカンジウム、ガリウム、及びイットリウムのうちから選択される方法。
  72. 請求項2に記載の方法であり、前記少なくとも1つの金属イオンが、第1の金属イオンと、第2の金属イオンとを含み、前記方法が、イオンの形態をとる前記少なくとも1つの希土類元素、前記第2の金属イオン、及び前記第1の金属イオンのうちから選択される少なくとも2つの要素を選択的に析出させるステップを含む方法。
  73. 請求項72に記載の方法であり、前記要素がそれぞれ別々に析出される方法。
  74. 請求項72に記載の方法であり、前記少なくとも2つの要素が一緒に析出される方法。
  75. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの希元素が、スカンジウム、ガリウム、イットリウム、及びセリウムのうちから選択される方法。
  76. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの希元素がセリウムである方法。
  77. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの希元素がガリウムである方法。
  78. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの希元素がスカンジウムである方法。
  79. 請求項78に記載の方法であり、前記スカンジウムが、Sc(OH)3、ScCl3、ScF3及び/若しくは[ScF6]3-、又はそれらの水和物の形態で析出される方法。
  80. 請求項78に記載の方法であり、前記スカンジウムが、Sc(OH)3又はその水和物の形態で析出される方法。
  81. 請求項79又は80に記載の方法であり、前記スカンジウムが、約7〜約9のpHで析出される方法。
  82. 請求項79又は80に記載の方法であり、前記スカンジウムが、約7〜約8のpHで析出される方法。
  83. 請求項1に記載の方法であり、
    前記少なくとも1つの材料をHClで浸出して第1の金属イオン、第2の金属イオン及び前記少なくとも1つの希土類元素を含む前記浸出液と前記固体とを得、該浸出液と該固体を分離するステップと、
    前記浸出液から前記第2の金属イオンを実質選択的に除去し、それにより前記第1の金属イオン及び前記少なくとも1つの希土類元素を含む組成物を得るステップと、
    前記組成物から前記第1の金属イオンを実質選択的に少なくとも部分的に除去し、それにより前記少なくとも1つの希土類元素を含む液を得るステップと
    を含む方法。
  84. 請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法であり、
    前記少なくとも1つの材料をHClで浸出して第1の金属イオン、第2の金属イオン及び前記少なくとも1つの希土類元素を含む前記浸出液と前記固体とを得、該浸出液と該固体を分離するステップと、
    前記浸出液から前記第2の金属イオンを実質選択的に除去し、それにより前記第1の金属イオン及び前記少なくとも1つの希土類元素を含む組成物を得るステップと、
    前記組成物から前記第1の金属イオンを実質選択的に少なくとも部分的に除去し、それにより前記少なくとも1つの希土類元素を含む液を得るステップと
    を含む方法。
  85. 請求項83又は84に記載の方法であり、前記第2の金属イオンが、pHが少なくとも10である塩基性条件下で実質選択的に析出される少なくとも1つの鉄イオンを含む方法。
  86. 請求項85に記載の方法であり、前記pHが少なくとも11である方法。
  87. 請求項85に記載の方法であり、前記pHが少なくとも12である方法。
  88. 請求項85に記載の方法であり、前記pHが約10.8〜約11.2である方法。
  89. 請求項85に記載の方法であり、前記pHが約11.5〜約12.5である方法。
  90. 請求項85に記載の方法であり、前記pHが11と12の間である方法。
  91. 請求項83又は84に記載の方法であり、前記第2の金属イオンの少なくとも一部分が、約3〜約4のpHで析出される方法。
  92. 請求項83又は84に記載の方法であり、前記第2の金属イオンの少なくとも一部分が、約3.0〜約3.5のpHで析出される方法。
  93. 請求項83又は84に記載の方法であり、前記第2の金属イオンの少なくとも一部分が、約3.5〜約4.0のpHで析出される方法。
  94. 請求項83又は84に記載の方法であり、前記第2の金属イオンの少なくとも一部分が、約5〜約6のpHで析出される方法。
  95. 請求項83又は84に記載の方法であり、前記第2の金属イオンの少なくとも一部分が、約5.0〜約5.5のpHで析出される方法。
  96. 請求項83又は84に記載の方法であり、約0.5〜約2.5のpHで前記浸出が実行され、次いで少なくとも約9.5のpHで前記第2の金属イオンが析出され、次いで約8〜約9のpHで前記第1の金属イオンが析出され、次いで約7〜約8のpHで少なくとも1つのスカンジウムイオンが析出される方法。
  97. 請求項83又は84に記載の方法であり、約0.5〜約1.5のpHで前記浸出が実行され、次いで少なくとも約10.5のpHで前記第2の金属イオンが析出され、次いで約8〜約9のpHで前記第1の金属イオンが析出され、次いで約7〜約8のpHで少なくとも1つのスカンジウムイオンが析出される方法。
  98. 請求項83又は84に記載の方法であり、約0.5〜約1.5のpHで前記浸出が実行され、次いで少なくとも約11のpHで前記第2の金属イオンが析出され、次いで約8〜約9のpHで前記第1の金属イオンが析出され、次いで約7〜約8のpHで少なくとも1つのスカンジウムイオンが析出される方法。
  99. 請求項85〜98のいずれか一項に記載の方法であり、前記第1の金属イオンが、少なくとも1つのアルミニウムイオンであり、前記第2の金属イオンが、少なくとも1つの鉄イオンである方法。
  100. 請求項78〜82及び96〜98のいずれか一項に記載の方法であり、前記スカンジウムが、前記方法中に生成される溶液から析出される、又は前記スカンジウムが、前記方法中に生成される副産物から析出される方法。
  101. 請求項100に記載の方法であり、前記スカンジウムが、HNO3を使用して析出される方法。
  102. 請求項1又は2に記載の方法であり、前記少なくとも1つの希土類元素が、イオン交換樹脂、一種又は複数の溶媒を利用した抽出、及び吸着のうちから選択される少なくとも1つの技術によって実質選択的に析出、抽出及び/又は単離される方法。
  103. 請求項1又は2に記載の方法であり、前記少なくとも1つの希土類元素が、イオン交換樹脂を利用して実質選択的に析出、抽出及び/又は単離される方法。
  104. 請求項1又は2に記載の方法であり、前記少なくとも1つの希土類元素が、液液抽出を利用して実質選択的に析出、抽出及び/又は単離される方法。
  105. 請求項1又は2に記載の方法であり、前記少なくとも1つの希土類元素が、電解採取法を利用して実質選択的に析出、抽出及び/又は単離される方法。
  106. 請求項83又は84に記載の方法であり、約0.5〜約2.5のpHで前記浸出が実行され、次いで少なくとも約9.5のpHで前記第2の金属イオンが析出され、次いで約8〜約9のpHで前記第1の金属イオンが析出され、次いで前記少なくとも1つの希土類元素が実質選択的に抽出される方法。
  107. 請求項83又は84に記載の方法であり、約0.5〜約1.5のpHで前記浸出が実行され、次いで少なくとも約10.5のpHで前記第2の金属イオンが析出され、次いで約8〜約9のpHで前記第1の金属イオンが析出され、次いで前記少なくとも1つの希土類元素が実質選択的に抽出される方法。
  108. 請求項83又は84に記載の方法であり、約0.5〜約1.5のpHで前記浸出が実行され、次いで少なくとも約11のpHで前記第2の金属イオンが析出され、次いで約8〜約9のpHで前記第1の金属イオンが析出され、次いで前記少なくとも1つの希土類元素が実質選択的に抽出される方法。
  109. 請求項1〜108のいずれか一項に記載の方法であり、前記浸出が、HClにより約5KPag〜約850KPagの圧力下で実行される方法。
  110. 請求項1〜108のいずれか一項に記載の方法であり、前記浸出が、HClにより約50KPag〜約800KPagの圧力下で実行される方法。
  111. 請求項1〜108のいずれか一項に記載の方法であり、前記浸出が、HClにより約100KPag〜約750KPagの圧力下で実行される方法。
  112. 請求項1〜108のいずれか一項に記載の方法であり、前記浸出が、HClにより約150KPag〜約700KPagの圧力下で実行される方法。
  113. 請求項1〜108のいずれか一項に記載の方法であり、前記浸出が、HClにより約200KPag〜約600KPagの圧力下で実行される方法。
  114. 請求項1〜108のいずれか一項に記載の方法であり、前記浸出が、HClにより約250KPag〜約500KPagの圧力下で実行される方法。
  115. 請求項1〜108のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの材料が、HClにより少なくとも80℃の温度で浸出される方法。
  116. 請求項1〜108のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの材料が、HClにより少なくとも90℃の温度で浸出される方法。
  117. 請求項1〜108のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの材料が、HClにより少なくとも120℃の温度で浸出される方法。
  118. 請求項1〜108のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの材料が、HClにより少なくとも140℃の温度で浸出される方法。
  119. 請求項1〜108のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの材料が、HClにより約100℃〜約110℃の温度で浸出される方法。
  120. 請求項1〜108のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの材料が、HClにより約140℃〜約175℃の温度で浸出される方法。
  121. 請求項1〜120のいずれか一項に記載の方法であり、前記酸が、約6Mの濃度のHClである方法。
  122. 請求項1〜120のいずれか一項に記載の方法であり、前記酸が、約18wt%〜約32wt%の濃度のHClである方法。
  123. 請求項1〜122のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの材料/酸の比が、重量対体積比で約1/10である方法。
  124. 請求項1又は2に記載の方法であり、
    前記少なくとも1つの金属イオンを抽出剤と実質的に錯体形成させることにより前記浸出液から前記少なくとも1つの金属イオンを少なくとも部分的に除去するステップ、
    前記少なくとも1つの金属イオンを選択的に析出させるステップ、
    前記少なくとも1つの金属イオンを選択的に析出させるステップ、及び
    前記少なくとも1つの金属イオンを別の抽出剤と実質的に錯体形成させることにより前記浸出液から前記少なくとも1つのアルミニウムイオンを少なくとも部分的に除去するステップ
    のうちの少なくとも1つを更に含む方法。
  125. 請求項1又は2に記載の方法であり、
    前記少なくとも1つの材料をHClで浸出して第1の金属イオン及び第2の金属イオンを含む浸出液と固体残渣とを得、該浸出液と該固体残渣を分離するステップと、
    前記浸出液を塩基と反応させて前記第2の金属イオンを実質選択的に析出させることにより、前記浸出液から前記第2の金属イオンを少なくとも部分的に除去し、前記第1の金属イオンに富み前記少なくとも1つの希元素を含む水溶性組成物と析出物とを得、該組成物から該析出物を除去するステップと、
    前記第1の金属イオンを実質選択的に析出させ、それにより前記少なくとも1つの希元素を含む別の組成物と別の析出物とを得、該別の組成物から該別の析出物を除去することにより、前記Alリッチな水溶性組成物を精製するステップと、
    前記別の組成物から前記少なくとも1つの希元素を実質選択的に抽出するステップと
    を含む方法。
  126. 請求項1又は2に記載の方法であり、
    前記少なくとも1つの材料をHClで浸出して第1の金属イオン及び第2の金属イオンを含む浸出液と固体残渣とを得、該浸出液と該固体残渣を分離するステップと、
    前記浸出液を塩基と反応させて前記第2の金属イオンを実質選択的に析出させることにより、前記浸出液から前記第2の金属イオンを少なくとも部分的に除去し、前記第1の金属イオンに富み前記少なくとも1つの希元素を含む水溶性組成物と析出物とを得、該組成物から該析出物を除去するステップと、
    中空糸膜を利用して又は液液抽出により、前記水溶性組成物から前記第1の金属イオンを実質選択的に抽出し、抽出した前記第1の金属イオンを除去し、それにより前記少なくとも1つの希元素を含む、前記第1の金属イオンが欠乏した水溶性組成物を得るステップと、
    前記第1の金属イオンが欠乏した前記水溶性組成物から前記少なくとも1つの希元素を実質選択的に抽出するステップと
    を含む方法。
  127. 請求項1又は2に記載の方法であり、
    前記少なくとも1つの材料をHClで浸出して第1の金属イオン及び第2の金属イオンを含む浸出液と固体残渣とを得、該浸出液と該固体残渣を分離するステップと、
    前記第2の金属イオンを抽出剤と実質選択的に錯体形成させることにより前記浸出液から前記第2の金属イオンを少なくとも部分的に除去し、それにより前記第1の金属イオンに富み前記少なくとも1つの希土類元素を含む水溶性組成物を得るステップと、
    前記第1の金属イオンを実質選択的に析出させ、それにより前記少なくとも1つの希元素を含む別の組成物と別の析出物とを得、該別の組成物から該別の析出物を除去することにより、前記水溶性組成物を精製するステップと、
    前記別の組成物から前記少なくとも1つの希元素を実質選択的に抽出するステップと
    を含む方法。
  128. 請求項1又は2に記載の方法であり、
    前記少なくとも1つの材料をHClで浸出して浸出液と固体残渣とを得、該浸出液と該固体残渣を分離するステップと、
    前記第2の金属イオンを抽出剤と実質選択的に錯体形成させることにより前記浸出液から前記第2の金属イオンを少なくとも部分的に除去し、それにより前記第1の金属イオンに富み前記少なくとも1つの希土類元素を含む水溶性組成物を得るステップと、
    中空糸膜を利用して又は液液抽出により、前記第1の金属イオンに富む前記水溶性組成物から前記第1の金属イオンを実質選択的に抽出し、抽出した前記第1の金属イオンを除去し、それにより前記少なくとも1つの希元素を含む、前記第1の金属イオンが欠乏した水溶性組成物を得るステップと、
    前記第1の金属イオンが欠乏した水溶性組成物から前記少なくとも1つの希元素を実質選択的に抽出するステップと
    を含む方法。
  129. 請求項1又は2に記載の方法であり、
    前記少なくとも1つの材料をHClで浸出して浸出液と固体残渣とを得、該浸出液と該固体残渣を分離するステップと、
    前記第1の金属イオンを実質選択的に析出させることにより、前記浸出液から前記第1の金属イオンを少なくとも部分的に除去し、前記第2の金属イオンに富み前記少なくとも1つの希元素を含む水溶性組成物と析出物とを得、該組成物から該析出物を除去するステップと、
    前記第2の金属イオンに富む前記水溶性組成物から前記第2の金属イオンを実質選択的に析出させ、該析出物を該組成物から除去し、それにより前記少なくとも1つの希元素を含む、前記第2の金属イオンが欠乏した水溶性組成物を得るステップと、
    前記第2の金属イオンが欠乏した前記水溶性組成物から前記少なくとも1つの希元素を実質選択的に抽出するステップと
    を含む方法。
  130. 請求項129に記載の方法であり、前記第1の金属イオンが、晶析装置において気体のHClを散布することによりAlCl3の形態で析出される少なくとも1つのアルミニウムイオンを含む方法。
  131. 請求項129に記載の方法であり、前記第2の金属イオンが、加水分解を利用してFe2O3の形態で析出される少なくとも1つの鉄イオンを含む方法。
  132. 請求項125に記載の方法であり、前記第1の金属イオンが、少なくとも1つのアルミニウムイオンを含み、前記第1の金属イオンに富む前記水溶性組成物の精製が、前記少なくとも1つのアルミニウムイオンを抽出剤と錯体形成させることによって錯体を得、該錯体を前記組成物から分離し、前記少なくとも1つのアルミニウムイオンを析出させることによって行われる方法。
  133. 請求項132に記載の方法であり、前記抽出剤がビス(2,4,4‐トリメチルペンチル)ホスフィン酸である方法。
  134. 請求項126又は127に記載の方法であり、前記第1の金属イオンが、少なくとも1つのアルミニウムイオンを含み、前記第1の金属イオンに富む前記水溶性組成物の精製が、前記水溶性組成物に含有される不純物を抽出剤と錯体形成させ、前記錯体形成させた不純物を前記組成物から少なくとも部分的に除去し、前記少なくとも1つのアルミニウムイオンを析出させることによって行われる方法。
  135. 請求項134に記載の方法であり、前記抽出剤が、ジ‐2‐エチルヘキシルホスホン酸(HDEHP)、ビス(2,4,4‐トリメチルペンチル)ホスフィン酸、及び2‐エチルヘキシルホスホン酸モノ‐2‐エチルヘキシルエステルのうちから選択される方法。
  136. 請求項125〜129のいずれか一項に記載の方法であり、前記第1の金属イオンが、少なくとも1つのアルミニウムイオンを含み、前記第2の金属イオンが、少なくとも1つの鉄イオンを含む方法。
  137. 請求項1又は2に記載の方法であり、前記浸出が、HCl、H2SO4、HNO3、及びそれらの混合物のうちから選択される酸により実行される方法。
  138. 請求項8に記載の方法であり、析出した前記Fe2O3の前記除去後に、前記少なくとも1つの希土類元素を含む前記液を、前記少なくとも1つのアルミニウムイオンの析出に使用することにより更に濃縮されるように再循環させる方法。
  139. 請求項8に記載の方法であり、析出した前記Fe2O3の前記除去後に、前記少なくとも1つの希土類元素を含む前記液を、AlCl3の形態の前記少なくとも1つのアルミニウムイオンの析出に使用することにより更に濃縮されるように再循環させる方法。
  140. 請求項1〜8、83〜89、97〜99、106〜108、125、126、137及び138のいずれか一項に記載の方法であり、前記第2の金属イオンが、Fe(OH)3、Fe(OH)2、ゲータイト、ヘマタイト、ジャロサイト、及びそれらの水和物又はそれらの混合物の形態で析出される少なくとも1つの鉄イオンを含む方法。
  141. 請求項83〜89、97〜99、106〜108、125及び127のいずれか一項にに記載の方法であり、前記第1の金属イオンが、Al(OH)3又はその水和物の形態で析出される少なくとも1つのアルミニウムイオンを含む方法。
  142. 請求項1〜141のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの材料がアルミニウム含有材料である方法。
  143. 請求項142に記載の方法であり、前記アルミニウム含有材料が粘土類から選択される方法。
  144. 請求項142に記載の方法であり、前記アルミニウム含有材料が、アージライト、泥岩、緑柱石、氷晶石、柘榴石、尖晶石、ボーキサイト、及びそれらの混合物のうちから選択される方法。
  145. 請求項142に記載の方法であり、前記アルミニウム含有材料がアージライトである方法。
  146. 請求項142に記載の方法であり、前記アルミニウム含有材料が赤泥である方法。
  147. 請求項1〜141のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの材料がニッケル含有鉱石である方法。
  148. 請求項1〜141のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの材料が、ニコライト、カーマサイト、テーナイト、リモナイト、ガーニエライト、ラテライト、又はペントランダイトであるニッケル含有鉱石である方法。
  149. 請求項1〜141のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの材料が亜鉛含有鉱石である方法。
  150. 請求項1〜141のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの材料が、スミソナイト、ワールカーナイト、スファレライト、及びそれらの混合物のうちから選択される亜鉛含有鉱石である方法。
  151. 請求項1〜141のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの材料が銅含有鉱石である方法。
  152. 請求項1〜141のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの材料が銅含有酸化物鉱のうちから選択される銅含有鉱石である方法。
  153. 請求項1〜141のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの材料が、キャルコパイライト、カルコサイト、コベライト、ボーナイト、テトラヘドライト、マラカイト、アズライト、キュープライト、クリソコラ、及びそれらの混合物のうちから選択される銅含有鉱石である方法。
  154. 請求項1〜141のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの材料がチタン含有鉱石である方法。
  155. 請求項1〜141のいずれか一項に記載の方法であり、前記少なくとも1つの材料が、エカンドリュース鉱、ゲーキーライト、パイロファナイト、イルメナイト、及びそれらの混合物のうちから選択されるチタン含有鉱石である方法。
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