JP2006092691A - クリーニング媒体 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高密度磁気記録再生装置等の磁気ヘッド、特にMRヘッドに対してヘッド磨耗が少なく、かつ適度なクリーニング力を有し再生出力の復元が可能なクリ−ニング媒体を提供すること。
【解決手段】 非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合剤とを含むクリーニング層を設け、その逆の面に非磁性のバック層を設けてなるクリーニング媒体において、前記クリーニング層表面の高さ10nm以上の突起数が0.10〜5.0個/μm2であり、且つ、前記クリーニング層表面の微小硬度が294〜784MPa(30〜80kg/mm2)であることを特徴とするクリーニング媒体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、オーディオ、ビデオ、コンピューター用磁気記録再生装置に使用されている磁気ヘッドもしくは走行系の清浄に利用されるクリーニングテープ等のクリーニング媒体に関するものである。
一般にビデオ用、オーディオ用、コンピューター用の磁気記録装置の記録・再生は、磁気ヘッドと磁気テープ等の磁気メディアをお互いに接触させつつ摺動して行われる。この時、磁気ヘッドの表面に磁気テープの削れ粉や装置の周辺の塵埃が付着すると再生出力が低くなり、さらには出力が全く得られなくなる。このように低下した再生出力を回復するために、磁気ヘッドの表面に付着した汚れをクリーニングして再生出力を復元するクリーニングテープ等のクリーニング媒体が用いられる。
一方、磁気記録は年々高密度化が進んでおり、磁気ヘッド先端と磁気テープとの接触の様子を良好にしてやらなければ、十分な記録再生ができないことが多くなってきた。いわゆる、ヘッド当たりを良好に保つために、クリーニングテープは磁気ヘッドの汚れを取るばかりでなく、ある程度ヘッドの形状を整えてやることも必要になってきている。特に、近年は最短記録波長が1μm以下となるような高密度記録を行う磁気記録再生装置の磁気ヘッドも使用され、この磁気ヘッドにおけるギャップ長は0.4μm以下であり、僅かなヘッドの汚れも記録再生性能に支障を来すことになる。
また、磁気ヘッドも高密度化に伴い、MRヘッドが用いられるようになってきた。一般に用いられるシールド型MRヘッド素子の高さは数ミクロン以下であり、従来のフェライトヘッドやセンダスト等の金属ヘッドと比べて、ヘッド磨耗量をなるべく少なくしなければならない。
また、近年、Hi−8やDVCのように、蒸着テープ(MEテープ)とメタル粉テープ(MPテープ)との両方が使用できる磁気記録装置が登場してきている。蒸着テープは剛性の高い金属薄膜が磁気ヘッドと接触するので、この磁気ヘッド先端が鋭くなっていないと良好な接触状態すなわち記録再生特性が得られにくい。さらに、蒸着テープは研磨剤を含まないので、その接触における磁気ヘッドの摩耗が少なく、磁気ヘッドとのなじみ性が低いものである。一方、メタルテープはその磁性層に磁性粉末が結合剤中に含まれているので、磁気ヘッドと柔らかく接触することになり、ヘッド先端の形状によってそれほどテープとのヘッド当たりが変化することはないし、また、摩耗力を有しているので磁気ヘッドとのなじみも良好である。
それゆえ、蒸着テープを走行させた後の磁気ヘッドに対してメタルテープを走行させても、ヘッド当たりの変化はそれほど見られないが、その逆に、メタルテープを走行させた後に蒸着テープを走行させると、ヘッド当たりが不調になる場合がある。
磁気ヘッドの研磨に使用する研磨テープの先行技術としては、例えば特許文献1には、非磁性支持体上に、非磁性粉末を含む中間層と、非磁性研磨剤を含む研磨層を順に積層した研磨テープが開示されている。この研磨テープは、2層構成を採用し、中間層の表面性を粗くする一方、上層研磨層の研磨剤粒子径を細かくすることにより、研磨力を維持しつつヘッド傷の発生を防ぐようにしているが、この研磨テープは磁気ヘッドの仕上げ研磨用であって、表面粗さが0.03〜0.3μmであることからも、ヘッド摩耗が多くクリーニングとしての適度の研磨を行うことが困難で、クリーニングテープとしての用途には不適当である。上記と同様の磁気ヘッドの研磨テープが、特許文献2にも開示されている。これらも2層構成の研磨層を有するが、適度の研磨によって磁気ヘッドに傷を付けることなく良好なクリーニングを行うことは困難で、クリーニング媒体としては適していないものである。
そして、MRヘッドはフェライトヘッドやセンダスト等の金属ヘッドと比べて、ヘッド磨耗量をなるべく少なくしなければならないという問題があるが、この問題を解消する有効な手段が望まれていた。
特開昭62−92205号公報 特開昭62−94270号公報
本発明の目的は、高密度磁気記録再生装置等の磁気ヘッド、特にMRヘッドに対してヘッド磨耗が少なく、かつ適度なクリーニング力を有し再生出力の復元が可能なクリ−ニング媒体を提供することにある。
本発明は、以下の通りである。
1)非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合剤とを含むクリーニング層を設け、その逆の面に非磁性のバック層を設けてなるクリーニング媒体において、前記クリーニング層表面の高さ10nm以上の突起数が0.10〜5.0個/μm2であり、且つ、前記クリーニング層表面の微小硬度が294〜784MPa(30〜80kg/mm2)であることを特徴とするクリーニング媒体。
2)前記非磁性支持体と前記クリーニング層との間に、主として非磁性無機粉末と結合剤とを含む下層塗布層を設けたことを特徴とする上記1)に記載のクリーニング媒体。
3)前記クリーニング媒体の表面電気抵抗が1×107Ω/□以下であることを特徴とする上記1)または2)に記載のクリーニング媒体。
本発明によれば、クリーニング層表面の突起数および微小硬度を特定化したため、高密度磁気記録再生装置等の磁気ヘッド、特にMRヘッドに対してヘッド磨耗が少なく、かつ適度なクリーニング力を有し再生出力の復元が可能なクリ−ニング媒体を提供することができる。
本発明のクリーニング媒体の基本構造は、非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合剤とを含むクリーニング層を設け、その逆の面に非磁性のバック層を設けてなる。また好適な形態として、非磁性支持体と前記クリーニング層との間に、主として非磁性無機粉末と結合剤とを含む下層塗布層を設ける。以下は、本発明のクリーニング媒体が、下層塗布層を備えた形態について、主に説明する。
本発明はクリーニング層表面の突起数および微小硬度を特定したものである。
本発明ではクリーニング層表面の突起数、すなわち高さ10nm以上の突起数が0.10〜5.0個/μm2、好ましくは0.20〜4.0個/μm2、さらに好ましくは0.50〜3.0個/μm2である。
ここで、上記本発明の突起数は、DIGITAL INSTRUMENT社製のNANOSCOPE IIIを用い、コンタクトモードで40μm×40μmの範囲を測定し、突起とくぼみの体積が等しくなる面を基準面とし、基準面から10nmの高さの面でスライスした場合にスライス乃至接触される突起の数をカウントして求められるものをいう。
突起数を上記のように規定することにより、適度のMRヘッドに対するクリーニング性能を有することになり、突起数が少な過ぎる(0.10個/μm2未満)とクリーニング力が低下してMRヘッドの汚れが除去できず、また突起数が多過ぎる(5.0個/μm2超)と、ヘッド磨耗が大きくて且つクリーニング後にMRヘッドを傷つけてしまう。
また本発明ではクリーニング層表面の微小硬度が294〜784MPa(30〜80kg/mm2)、好ましくは392〜686MPa(40〜70kg/mm2)、さらに好ましくは392〜588MPa(40〜60kg/mm2)である。
ここで上記本発明の微小硬度の測定方法について説明する。
図1に示すように、三角錐状で、尖端部aの曲率半径が100nm、刃角度(α)が65°、稜間角(β)が115°の形状を有するダイヤモンド圧子を用い、荷重5mgfで測定した際の塑性変形量を求める。なお、上記形状を有する圧子は、バーコビッチ(Verkovich)圧子として知られており、このバーコビッチ圧子を備え、荷重5mgfで測定できる測定装置としては、(株)エリオニクス製超微小押し込み硬度測定機(型番:ENT−1100a)等を使用することができる。また、塑性変形量は、以下のようにして求められる。
図2は、荷重を連続的に増加させてバーコビッチ圧子を試料に押し込み、荷重5mgfに達した時点で除荷した時のバーコビッチ圧子の変位量の変化を示した図である。図示されるように、曲線Aに示すように、荷重が増加するのに従って変位量も増加し、5mgfにて最大変位量(Hmax)を示す。そして、除荷すると、曲線Bに示すように徐々に変位量が減少するが、荷重がゼロになっても変位量はある値を示す。このとき、曲線Bの最大変位量(Hmax)における接線bを荷重ゼロ(即ち、横軸)に外挿することにより、塑性変形量(H1)が得られる。微小硬度(DH)は、上記において求められた最大変位量(Hmax)と最大荷重(Pmax=5mgf)とから、下記(1)式により算出される。
DH=3.7926×10-2{Pmax/(Hmax)2}・・・(1)
微小硬度が294MPa(30kg/mm2)未満であると、ヘッドとの接触でテープ表面が傷付き、ヘッド表面に付着物を付けてエラーレートを悪化させる。逆に微小硬度が784MPa(80kg/mm2)を超えると、ヘッド磨耗が大きく、またヘッドを傷付けやすい。
前記突起数及び微小硬度を本発明範囲に制御する手段としては、例えば、以下に記載の手段を例示することができるが、これに限定されない。
1.クリーニング層及び/又は下層塗布層に添加される各種粉体のサイズ及び添加量を調整する。
2.クリーニング層及び/又は下層塗布層のカレンダー条件を調整する。
3.クリーニング層の塗布液の分散度(例えば分散時間)を調整する。
クリーニング層に混合する強磁性粉末としては、γ−FeOx(x=1.33〜1.5)、Co変性γ−FeOx(x=1.33〜1.5)、α−FeまたはNiまたはCoを主成分(75%以上)とする強磁性合金粉末、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライトなど公知の強磁性粉末が使用できるが、α−Feを主成分とする強磁性合金粉末が好ましい。これらの強磁性粉末には所定の原子以外に、Al,Si,S,Sc,Ca,Ti,V,Cr,Cu,Y,Mo,Rh,Pd,Ag,Sn,Sb,Te,Ba,Ta,W,Re,Au,Hg,Pb,Bi,La,Ce,Pr,Nd,P,Co,Mn,Zn,Ni,Sr,B,Mgなどの原子を含んでもかまわない。特に、メタル磁性体の場合はAl,Si,Ca,Y,Ba,La,Nd,Co,Ni,Bがα−Fe以外に含まれる元素として重要である。とりわけ、Si,Al,Yが表面処理や焼結防止剤として重要である。CoはFeに対し2〜40質量%含有したものが好ましい。Si,Al,Yは0〜10質量%の間で含まれる。これらの強磁性粉末には後で述べる分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行ってもかまわない。具体的には、特公昭44−14090号、特公昭45−18372号、特公昭47−22062号、特公昭47−22513号、特公昭46−28466号、特公昭46−38755号、特公昭47−4286号、特公昭47−12422号、特公昭47−17284号、特公昭47−18509号、特公昭47−18573号、特公昭39−10307号、特公昭48−39639号、米国特許3026215号、同3031341号、同3100194号、同3242005号、同3389014号などに記載されている。
上記強磁性粉末の中で強磁性合金微粉末については少量の水酸化物、または酸化物を含んでもよい。強磁性合金微粉末の公知の製造方法により得られたものを用いることができ、下記の方法を挙げることができる。複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeあるいはFe−Co粒子などを得る方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方法などである。このようにして得られた強磁性合金粉末は公知の徐酸化処理、すなわち有機溶剤に浸漬したのち乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成したのち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形成する方法のいずれを施したものでも用いることができる。
本発明のクリーニング層の強磁性粉末をBET法による比表面積で表せば45〜80m2 /gであり、好ましくは50〜70m2 /gである。45m2 /g未満または80m2 /gを超えると表面性が得にくく好ましくない。本発明のクリーニング層の強磁性粉末の結晶子サイズは100〜300Åであり、好ましくは100〜250Å、更に好ましくは140〜200Åである。
強磁性粉末の飽和磁化σsは100〜180A・m2/kgが好ましく、さらに好ましくは110〜170A・m2/kg、更に好ましくは125〜160A・m2/kgである。強磁性粉末の抗磁力Hcは500〜3000 Oe(≒40〜240kA/m)が好ましい。角型比は0.6〜0.98が好ましく、クリーニング層の磁化量は30〜300mT・μmが好ましい。一方、強磁性粉末の針状比は4〜18が好ましく、更に好ましくは5〜12である。強磁性粉末の含水率は0.01〜2%とするのが好ましい。結合剤の種類によって強磁性粉末の含水率は最適化するのが好ましい。
強磁性粉末のpHは用いる結合剤との組み合わせにより最適化することが好ましい。その範囲は4〜12であるが、好ましくは6〜10である。強磁性粉末は必要に応じ、Al,Si,Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性粉末に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m2 以下になり好ましい。強磁性粉末には可溶性のNa,Ca,Fe,Ni,Srなどの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的に無い方が好ましいが、200ppm以下であれば特に特性に影響を与えることは少ない。また、強磁性粉末は空孔が少ないほうが好ましくその値は20容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。
クリーニング層及び下層塗布層に使用される結合剤としては、従来公知の熱可塑系樹脂、熱硬化系樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑系樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が1,000〜200,000、好ましくは10,000〜100,000、重合度が約50〜1,000程度のものである。
このような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル等を構成単位として含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等があげられる。これらの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を下層塗布層、または上層クリーニング層に使用することも可能である。
これらの例とその製造方法については特開昭62−256219号に詳細に記載されている。以上の樹脂は単独または組み合わせて使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体の中から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂の組み合わせ、またはこれらにポリイソシアネートを組み合わせたものがあげられる。
ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタン、ポリオレフィンポリウレタンなど公知のものが使用できる。中でも、少なくともポリオールと有機ジイソシアネートを主要原料とした反応生成物であるポリウレタン樹脂からなり、該ポリオール成分として前記ポリウレタン樹脂中に、環状構造を有する短鎖ジオール成分、長鎖ポリエーテルポリオール成分、更に分子量500〜5000の極性基含有長鎖ポリオール成分を含むものが好ましい。
ここに示したすべての結合剤について、より優れた分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、−COOM、−SO3 M、−OSO3 M、−P=O(OM)2 、−O−P=O(OM)2 (以上につきMは水素原子またはアルカリ金属塩基)、−OH、−NR2 、−N+ 3 (Rは炭化水素基)、エポキシ基、−SH、−CN、スルホベタイン、ホスホベタイン、カルボキシベタインなどから選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重合または付加反応で導入したものを用いることが好ましい。このような極性基の量は10-1〜10-8モル/gであり、好ましくは10-2〜10-6モル/gである。
本発明に用いられるこれらの結合剤の具体的な例としてはユニオンカーバイト社製のVAGH,VYHH,VMCH,VAGF,VAGD,VROH,VYES,VYNC,VMCC,XYHL,XYSG,PKHH,PKHJ,PKHC,PKFE、日信化学工業社製のMPR−TA,MPR−TA5,MPR−TAL,MPR−TSN,MPR−TMF,MPR−TS,MPR−TM,MPR−TAO、電気化学社製の1000W,DX80,DX81,DX82,DX83,100FD、日本ゼオン社製のMR−104,MR−105,MR110,MR100,400X−110A、日本ポリウレタン社製のニッポランN2301,N2302,N2304、大日本インキ社製のパンデックスT−5105,T−R3080,T−5201,バーノックD−400,D−210−80,クリスボン6109,7209,東洋紡社製のバイロンUR8200,UR8300,UR8600、大日精化社製のダイフェラミン4020,5020,5100,5300,9020,9022,7020、三菱化学社製のMX5004、三洋化成社製のサンプレンSP−150,TIM−3003,TIM−3005、旭化成社製のサランF310,F210などがあげられる。この中でMR−104,MR110,MPR−TAO,MPR−TA,UR−8200,UR8300,TIM−3005が好ましい。
本発明のクリーニング層に用いられる結合剤は強磁性粉末を含む無機粉末に対し、5〜24質量%の範囲、好ましくは8〜22質量%の範囲で用いられる。下層塗布層に用いられる結合剤量は、非磁性無機粉末100質量部に対して、通常15〜40質量部の範囲内にあることが好ましく、さらに好ましくは20〜30質量部である。塩化ビニル系樹脂を用いる場合は5〜30質量%、ポリウレタン樹脂を用いる場合は2〜20質量%、ポリイソシアネートは2〜20質量%の範囲でこれらを組み合わせて用いるのが好ましい。
本発明において、ポリウレタンを用いる場合はガラス転移温度が−50〜100℃、破断伸びが100〜2000%、破断応力は0.05〜10Kg/mm2(≒0.49〜98MPa)、降伏点は0.05〜10Kg/mm2(≒0.49〜98MPa)が好ましい。
本発明のクリーニング媒体は好ましくは二層以上からなる。従って、結合剤量、結合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート、あるいはそれ以外の樹脂の量、クリーニング層を形成する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べた樹脂の物理特性などを必要に応じ下層塗布層とクリーニング層とで変えることはもちろん可能であり、公知技術を適用できる。
前記ポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1・5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製のコロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートMTL、武田薬品社製のタケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202、住友バイエル社製のデスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL、大日本インキ社製のバーノックD502等がありこれらを単独または硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組み合わせで下層塗布層、上層クリーニング層共に用いることができる。
本発明のクリーニング層は、カーボンブラックを無機粉末として混合してもよく、このカーボンブラックはゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。比表面積は5〜500m2 /g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/ccが好ましい。
とくにカーボンブラックの一次粒子径は10nm〜80nm、好ましくは10nm〜40nmがよい。一次粒子径が80nmより大きいとクリーニング層表面の突起が多くなり、ヘッド磨耗やヘッド傷を発生しやすくなる。
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製、BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800,700、VULCAN XC−72、旭カーボン社製、#80、#60,#55、#50、#35、三菱化成工業社製、#2400B、#2300、#5,#900,#950,#970,#1000、#30,#40、#10B、コンロンビアカーボン社製、CONDUCTEX SC、RAVEN 150、50,40,15などがあげられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックをクリーニング層用塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは単独、または組み合わせで使用することができる。
カーボンブラックを使用する場合は強磁性粉末100質量部に対し、0.1〜1.0質量部の割合で使用するのが好ましい。添加量が0.1質量部未満であるとクリーニング層表面の突起が少なくなり、クリーニング効果が低下してしまう。また添加量が1.0質量部を超えると、突起が多くなりヘッド磨耗やヘッド傷を発生しやすくなる。
このほか、カーボンブラックはクリーニング層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。従って本発明に使用されるこれらのカーボンブラックはクリーニング層、下層塗布層でその種類、量、組み合わせを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目的に応じて使い分けることはもちろん可能である。
また、前記クリーニング層には無機粉末として研磨剤を含んでもよく、この研磨剤としては、α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素など、モース硬度6以上の公知の材料が単独または組み合わせで使用される。また、これらの研磨剤どうしの複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これらの研磨剤には主成分以外の化合物または元素が含まれる場合もあるが主成分が90%以上であれば効果にかわりはない。研磨剤の具体的な例としては、住友化学社製のAKP−20,AKP−30,AKP−50,HIT−50,HIT−60,HiT−60A,HIT−70A,HIT−80,HIT−80G,HIT−100、日本化学工業社製のG5,G7,S−1、戸田工業社製のTF−100,TF−140などがあげられる。
これら研磨剤の粒子サイズは0.01〜2μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。タップ密度は0.3〜2g/cc、含水率は0.1〜5%、PHは2〜11、比表面積は1〜30m2 /g、が好ましい。本発明に用いられる研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状のいずれでも良いが、形状の一部に角を有するものがクリーニング性が高く好ましい。クリーニング層の無機粉末としての研磨剤の配合量は、前記強磁性粉末100質量%に対して1〜45質量%である。本発明に用いられる研磨剤は前述の下層塗布層、上層クリーニング層で種類、量および組み合わせを変え、目的に応じて使い分けることはもちろん可能である。これらの研磨剤はあらかじめ結合剤で分散処理したのち磁性塗料中に添加してもかまわない。本発明のクリーニング媒体のクリーニング層表面およびクリーニング層端面に存在する研磨剤は5個/100μm2 以上が好ましい。
本発明の下層塗布層またはクリーニング層に使用される添加剤としては、潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果などをもつものが使用される。二硫化モリブデン、二硫化タングステングラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数12〜22のアルコキシアルコール(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどが使用できる。
また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベダイン型等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書(株)発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。
本発明ではクリーニング層に潤滑剤として脂肪酸アミド、脂肪酸及び脂肪酸エステルを含ませるのが好ましい。
例えば、脂肪酸アミド、脂肪酸及び脂肪酸エステルとしては以下のものが例示される。
脂肪酸アミドとしては炭素数8〜22の脂肪酸アミドが挙げられる。
脂肪酸としては、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸、これらの金属塩(Li,Na,K,Cuなど)が挙げられる。
脂肪酸エステルとしては、上記炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸と炭素数4〜22のアルコールとのエステルが挙げられる。
上記脂肪酸、そのアミド及びそのエステルに用いられる脂肪酸及び/又はアルコールは、飽和でも不飽和でも、また直鎖でも分岐していてもあるいは脂環式環を有していてもよい。また、脂肪酸及び/又はアルコールは、アルコキシ基を有したものでもよく、あるいはアルキレンオキシド重合物またはそのモノアルキルエーテル化されたものを有したものでもよい。脂肪酸エステルは、1価エステルでも多価エステル、好ましくは1価〜3価エステルでもよく、後者の場合、ヒドロキシル基が残っていてもよい。脂肪酸アミドは、1価アミドでも多価アミドでもよく、後者の場合、カルボキシル基が残っていてもよい。これら脂肪酸アミド、脂肪酸及び脂肪酸エステルは、前記クリーニング層表面の突起分布との関係で最適なものが選定される。脂肪酸アミド、脂肪酸及び脂肪酸エステルの少なくともいずれかは、2種以上のものを組み合わせて用いることもできる。
これら脂肪酸、脂肪酸エステルの具体例としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エライジン酸、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸イソオクチル、ミリスチン酸オクチル、ステアリン酸ブトキシエチル、アンヒドロソルビタンモノステアレート、アンヒドロソルビタンジステアレート、アンヒドロソルビタントリステアレート等が挙げられる。また、脂肪酸アミドも上記脂肪酸から誘導されるものが挙げられる。
クリーニング層への脂肪酸アミド、脂肪酸及び脂肪酸エステルの総使用量は、強磁性粉末100質量部に対して0.1〜10質量部が好ましく、0.5〜5質量部が更に好ましい。脂肪酸アミド、脂肪酸または脂肪酸エステルの各使用量は上記範囲から適宜分配され、最適な範囲が選定される。一般に量の関係では、脂脂肪酸アミド≦脂肪酸≦肪酸エステルとなることが好ましい。
本発明で使用されるこれら潤滑剤の商品例としては、日本油脂社製のNAA−102,NAA−415,NAA−312,NAA−160,NAA−180,NAA−174,NAA−175,NAA−222,NAA−34,NAA−35,NAA−171,NAA−122,NAA−142,NAA−160,NAA−173K,ヒマシ硬化脂肪酸,NAA−42,NAA−44,カチオンSA,カチオンMA,カチオンAB,カチオンBB,ナイミーンL−201,ナイミーンL−202,ナイミーンS−202,ノニオンE−208,ノニオンP−208,ノニオンS−207,ノニオンK−204,ノニオンNS−202,ノニオンNS−210,ノニオンHS−206,ノニオンL−2,ノニオンS−2,ノニオンS−4,ノニオンO−2,ノニオンLP−20R,ノニオンPP−40R,ノニオンSP−60R,ノニオンOP−80R,ノニオンOP−85R,ノニオンLT−221,ノニオンST−221,ノニオンOT−221,モノグリMB,ノニオンDS−60,アノンBF,アノンLG,ブチルステアレート,ブチルラウレート,エルカ酸、関東化学社製のオレイン酸、竹本油脂社製のFAL−205,FAL−123、新日本理化社製のエヌジェルブLO,エヌジョルブIPM,サンソサイザ−E4030、信越化学社製のTA−3,KF−96,KF−96L,KF96H,KF410,KF420,KF965,KF54,KF50,KF56,KF907,KF851,X−22−819,X−22−822,KF905,KF700,KF393,KF−857,KF−860,KF−865,X−22−980,KF−101,KF−102,KF−103,X−22−3710,X−22−3715,KF−910,KF−3935、ライオンアーマー社製のアーマイドP,アーマイドC,アーモスリップCP、ライオン油脂社製のデュオミンTDO、日清製油社製のBA−41G、三洋化成社製のプロファン2012E,ニューポールPE61,イオネットMS−400,イオネットMO−200,イオネットDL−200,イオネットDS−300,イオネットDS−1000,イオネットDO−200などが挙げられる。
本発明で使用されるこれらの潤滑剤、界面活性剤は下層塗布層、クリーニング層でその種類、量を必要に応じ使い分けることができる。例えば、下層塗布層、クリーニング層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御するか、沸点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御するか、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させるか、潤滑剤の添加量を下層塗布層で多くして潤滑効果を向上させることなどが考えられ、無論ここに示した例のみに限られるものではない。
また、下層塗布層へクリーニング層に添加される前記脂肪酸アミド、脂肪酸及び脂肪酸エステルを添加することも好ましい。
また本発明で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、塗料製造のどの工程で添加してもかまわない。例えば、混練工程前に無機粉末と混合する場合、無機粉末と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。また、目的に応じてクリーニング層を塗布した後、同時または逐次塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することにより目的が達成される場合がある。また、目的によってはカレンダー処理した後、またはスリット終了後、クリーニング層表面に潤滑剤を塗布することもできる。
本発明の下層塗布層に用いられる非磁性無機粉末は、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機質化合物から選択することができる。
無機化合物としては、例えば、α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単独または組み合わせで使用される。特に好ましいのは、入手の容易さ、コスト、粒度分布の小ささ、機能付与の手段が多いことなどから、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更に好ましいのは二酸化チタン、α酸化鉄である。
これら非磁性無機粉末の粒子サイズは0.005〜2μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる非磁性無機粉末を組み合わせたり、単独の非磁性無機粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましいのは非磁性無機粉末の粒子サイズは0.01〜0.2μmである。タップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜1.5g/mlである。非磁性無機粉末の含水率は0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜3質量%、更に好ましくは0.3〜1.5質量%である。非磁性無機粉末のpHは2〜11であるが、pHは5〜10の間が特に好ましい。非磁性無機粉末の比表面積は1〜100m2 /g、好ましくは5〜70m2 /g、更に好ましくは10〜65m2 /gである。非磁性無機粉末の結晶子サイズは0.004〜1μmが好ましく、0.04〜0.1μmが更に好ましい。DBPを用いた吸油量は5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。比重は1〜12、好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでも良いが、粒状非磁性無機粉末の場合には平均粒径が0.08μm以下のものを無機粉末全体に対して50質量%以上含むのが望ましく、また、針状非磁性無機粉末の場合には平均長軸長が0.05〜0.3μmで針状比が3〜20のものを無機粉末全体に対して50質量%以上含むのが好適である。
強熱減量は20質量%以下であることが好ましく、本来ないことが最も好ましいと考えられる。本発明に用いられる上記無機粉末のモース硬度は4以上、10以下のものが好ましい。これらの粉体表面のラフネスファクターは0.8〜1.5が好ましく、更に好ましいラフネスファクターは0.9〜1.2である。無機粉末のSA(ステアリン酸)吸着量は1〜20μモル/m2 、更に好ましくは2〜15μモル/m2 である。下層塗布層非磁性無機粉末の25℃での水への湿潤熱は200〜600mJ/m2 の範囲にあることが好ましい。また、この湿潤熱の範囲にある溶媒を使用することができる。100〜400℃での表面の水分子の量は1〜10個/100Aが適当である。水中での等電点のpHは3〜6の間にあることが好ましい。
これらの非磁性無機粉末の表面は、Al2 3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2、SnO2 、Sb2 3 、ZnO、Y2 3 で表面処理が施されたものが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl2 3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 であるが、更に好ましいのはAl2 3 、SiO2 、ZrO2 である。これらは組み合わせて使用しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
本発明の下層塗布層に用いられる非磁性無機粉末の具体的な例としては、昭和電工社製ナノタイト、住友化学社製HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製αヘマタイト、DPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPN−550BX、石原産業社製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、αヘマタイトE270、E271、E300、チタン工業社製STT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−100F、MT−500HD、堺化学社製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業社製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル社製AS2BM、TiO2P25、宇部興産社製100A、500A、チタン工業製Y−LOP及びそれを焼成したものが挙げられる。
上記のうち特に好ましい非磁性無機粉末は、α−酸化鉄と二酸化チタンである。α−酸化鉄(ヘマタイト)は、以下のような諸条件の基で得られたものが使用できる。まず、α−Fe2 3 粒子粉末は、次の方法により前駆体粒子としての針状ゲータイト粒子を得る。第1の方法としては、第一鉄水溶液に等量以上水酸化アルカリ水溶液を加えて得られる水酸化第一鉄コロイドを含む懸濁液をpH11以上にて80℃以下の温度で酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより針状ゲータイト粒子を生成させる方法。第2の方法としては、第一鉄塩水溶液と炭酸アルカリ水溶液とを反応させて得られるFeCO3 を含む懸濁液に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより紡錘状を呈したゲータイト粒子を生成させる方法。第3の方法としては、第一鉄塩水溶液に等量未満の水酸化アルカリ水溶液または炭酸アルカリ水溶液を添加して得られる水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより針状ゲータイト核粒子を生成させ、次いで、該針状ゲータイト核粒子を含む第一鉄塩水溶液に、該第一鉄塩水溶液中のFe2+に対し等量以上の水酸化アルカリ水溶液を添加した後、酸素含有ガスを通気して前記針状ゲータイト核粒子を成長させる方法。第4の方法としては、第一鉄水溶液と等量未満の水酸化アルカリまたは炭酸アルカリ水溶液を添加して得られる水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液に酸素含有ガスを通気して酸化反応を行うことにより針状ゲータイト核粒子を生成させ、次いで、酸性乃至中性領域で前記針状ゲータイト核粒子を成長させる方法等である。なお、ゲータイト粒子の生成反応中に粒子粉末の特性向上等のために通常添加されているNi,Zn,P,Si等の異種元素が添加されていても支障はない。
そして、前駆体粒子である前記針状ゲータイト粒子を200〜500℃の温度範囲で脱水するか、必要に応じて、更に350〜800℃の温度範囲で加熱処理により焼き鈍しをして針状α−Fe2 3 粒子を得る。なお、脱水または焼き鈍しされる針状ゲータイト粒子が表面にP,Si,B,Zr,Sb等の焼結防止剤が付着していても支障はない。また、350〜800℃の温度範囲で加熱処理により焼き鈍しをするのは、脱水されて得られた針状α−Fe2 3 粒子の粒子表面に生じている空孔を焼き鈍しにより、粒子の極表面を溶融させて空孔をふさいで平滑な表面形態とさせることが好ましいからである。
本発明において用いられるα−Fe2 3 粒子粉末は前記脱水または焼き鈍しをして得られた針状α−Fe2 3 粒子を水溶液中に分散して懸濁液とし、Al化合物を添加しpH調整をして前記α−Fe2 3 粒子の粒子表面に前記添加化合物を被覆した後、濾過、水洗、乾燥、粉砕、必要により更に脱気・圧密処理等を施すことにより得られる。用いられるAl化合物は酢酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等のアルミニウム塩やアルミン酸ソーダ等のアルミン酸アルカリ塩を使用することができる。この場合のAl化合物添加量はα−Fe2 3 粒子粉末に対してAl換算で0.01〜50質量%である。0.01質量%未満である場合には、結合剤樹脂中における分散が不十分であり、50質量%を超える場合には粒子表面に浮遊するAl化合物同士が相互作用するために好ましくない。
本発明における下層塗布層の非磁性無機粉末においては、Al化合物と共にSi化合物を始めとして、P,Ti,Mn,Ni,Zn,Zr,Sn,Sbから選ばれる化合物の1種または2種以上を用いて被覆することもできる。Al化合物と共に用いるこれらの化合物の添加量はそれぞれα−Fe2 3粒子粉末に対して0.01〜50質量%の範囲である。0.01質量%未満である場合には添加による分散性向上の効果が殆どなく、50質量%を超える場合には、粒子表面以外に浮遊する化合物同士が相互作用をするために好ましくない。
また、下層塗布層に使用する二酸化チタンの製法に関しては、以下の通りである。これらの酸化チタンの製法は主に硫酸法と塩素法がある。硫酸法はイルミナイトの源鉱石を硫酸で蒸解し、Ti,Feなどを硫酸塩として抽出する。硫酸鉄を晶析分離して除き、残りの硫酸チタニル溶液を濾過精製後、熱加水分解を行って、含水酸化チタンを沈澱させる。 これを濾過洗浄後、夾雑不純物を洗浄除去し、粒径調節剤などを添加した後、80〜1000℃で焼成すれば粗酸化チタンとなる。ルチル型とアナターゼ型は加水分解の時に添加される核剤の種類によりわけられる。この粗酸化チタンを粉砕、整粒、表面処理などを施して作成する。塩素法は原鉱石は天然ルチルや合成ルチルが用いられる。鉱石は高温還元状態で塩素化され、TiはTiCl4 にFeはFeCl2 となり、冷却により固体となった酸化鉄は液体のTiCl4 と分離される。得られた粗TiCl4 は精留により精製した後核生成剤を添加し、1000℃以上の温度で酸素と瞬間的に反応させ、粗酸化チタンを得る。この酸化分解工程で生成した粗酸化チタンに顔料的性質を与えるための仕上げ方法は硫酸法と同じである。
表面処理は上記酸化チタン素材を乾式粉砕後、水と分散剤を加え、湿式粉砕、遠心分離により粗粒分級が行われる。その後、微粒スラリーは表面処理槽に移され、ここで金属水酸化物の表面被覆が行われる。まず、所定量のAl,Si,Ti,Zr,Sb,Sn,Znなどの塩類水溶液を加え、これを中和する酸、またはアルカリを加えて、生成する含水酸化物で酸化チタン粒子表面を被覆する。副生する水溶性塩類はデカンテーション、濾過、洗浄により除去し、最終的にスラリーpHを調節して濾過し、純水により洗浄する。洗浄済みケーキはスプレードライヤーまたはバンドドライヤーで乾燥される。最後にこの乾燥物はジェットミルで粉砕され、製品になる。また、水系ばかりでなく酸化チタン粉末にAlCl3 ,SiCl4 の蒸気を通じその後水蒸気を流入してAl,Si表面処理を施すことも可能である。その他の顔料の製法については、G.D.Parfitt and K.S.W.Sing"Characterization of Powder Surfaces"Academic Press,1976を参考にすることができる。
上記のような非磁性無機粉末にはカーボンブラックを併用してもよく、このカーボンブラックを下層塗布層に混合させることで、公知の効果である表面電気抵抗Rsを下げて帯電防止効果を得ること、光透過率を小さくすることができると共に、所望のマイクロビッカース硬度を得ることができる。下層塗布層のマイクロビッカース硬度は通常、25〜60kg/mm2(≒245〜588MPa)、好ましくはヘッド当たりを調整するために、30〜50kg/mm2 (≒294〜490MPa)であり、NEC製薄膜硬度計HMA−400を用いて、稜角80度、先端半径0.1μmのダイヤモンド製三角錐針を圧子先端に用いて測定する。
使用できるカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等があげられる。これらのカーボンブラックの比表面積は100〜500m2 /g、好ましくは150〜400m2 /g、DBP吸油量は20〜400ml/100g、好ましくは30〜200ml/100gである。カーボンブラックの一次粒子径は10〜80nm、好ましく10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製のBLACKPEARLS2000,1300,1000,900,800,880,700,VULCAN XC−72、三菱化成工業社製の#3050B,3150B,3250B,#3750B,#3950B,#950,#650B,#970B,#850B,MA−600,MA−230,#4000,#4010、コンロンビアカーボン社製のCONDUCTEX SC,RAVEN8800,8000,7000,5750,5250,3500,2100,2000,1800,1500,1255,1250、アクゾー社製のケッチェンブラックECなどがあげられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。
これらのカーボンブラックは単独、または組み合わせで使用することができる。本発明で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編を参考にすることができる。
また、下層塗布層には、有機質粉末を目的に応じて添加することもできる。例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は特開昭62−18564号、特開昭60−255827号に記されているようなものが使用できる。
その他、下層塗布層の結合剤樹脂、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤樹脂、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
本発明の下層塗布層およびクリーニング層で用いられる有機溶媒は任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノール等のアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン等のグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン等の芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等のものが使用できる。これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。
本発明で用いる有機溶媒はクリーニング層と下層塗布層でその種類は同じであることが好ましいが、その添加量は変えてもかまわない。下層塗布層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性を向上するのが好ましく、具体的にはクリーニング層の溶剤組成の算術平均値が下層塗布層の溶剤組成の算術平均値を下回らないことが肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15〜20の溶剤が50質量%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
本発明のクリーニング媒体、例えばクリーニングテープの厚み構成は、非磁性支持体が2.0〜10μmと薄いもので有効である。クリーニング層と下層塗布層を合わせた厚みは非磁性支持体の厚みの1/100〜2倍の範囲で用いられる。本発明のクリーニング媒体は、好ましくは、前記クリーニング層の厚みが0.05〜1.5μm、下層塗布層の厚みが0.2〜5.0μm、支持体の厚みが2.0〜10μm、クリーニング媒体(クリーニングテープ)としての全体の厚みが4.0〜15μmである。また、非磁性支持体と下層塗布層の間に密着性向上のための接着層を設けてもよい。この接着層の厚みは0.01〜2μm、好ましくは0.02〜0.5μmである。接着層としては、公知のものを使用することができる。
また、非磁性支持体のクリーニング層側と逆の面(反対側)に非磁性のバック層を設ける。この厚みは0.1〜2μm、好ましくは0.3〜1.0μmである。バック層における結合剤、各種添加剤は、クリーニング層や下層塗布層の処方を適用することができるが、以下、好適なバック層の形態について説明する。
バック層には、耐電防止のためにカーボンブラックを使用するのが好ましい。バック層に使用するカーボンブラックは、磁気記録テープに通常使用されているものを広く用いることができる。例えば、ゴム用ファーネスブラック、ゴム用サーマルブラック、カラー用カーボンブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。バック層の凹凸がクリーニング層に写らないようにするために、カーボンブラックの粒子径は0.3μm以下にするのが好ましい。特に好ましい粒子径は、0.01〜0.1μmである。また、バック層におけるカーボンブラックの使用量は、光学透過濃度(マクベス社製TR−927の透過値)が2.0以下になる範囲にするのが好ましい。
走行耐久性を向上させる上で、平均粒子サイズの異なる2種類のカーボンブラックをバック層に使用することが有利である。この場合、平均粒子サイズが0.01から0.04μmの範囲にある第1のカーボンブラックと、平均粒子サイズが0.05から0.3μmの範囲にある第2のカーボンブラックとの組み合わせが好ましい。
本発明におけるバック層には、金属酸化物を使用してもよい。金属酸化物としては、酸化チタン、α−酸化鉄又はこれらの混合物のいずれかを用いるのが好ましい。酸化チタンとα−酸化鉄は、通常使用されるものを用いることができる。また、粒子の形状は特に制限されない。球状の場合は、粒子径が0.01〜0.1μmであるものが、また、針状の場合は、針状比が2〜20であるものが適当であり、長軸長が0.05〜0.3μmであるものが好ましい。金属酸化物の表面の少なくとも一部は、別の化合物に変性され、又は別の化合物、例えば、Al23、SiO2、ZrO2で被覆されていてもよい。
バック層の結合剤には、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂等を用いることができる。そして、バック層は、上記の粒状成分と結合剤を有機溶剤に分散したバック層形成用塗料を調製し、該塗料を支持体のクリーニング層とは反対の面に塗布することによって形成することができる。
本発明に用いられる支持体は、マイクロビッカース硬度が75kg/mm2(≒735MPa)以上のものであり、二軸延伸を行ったポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、芳香族ポリアミド、ポリベンズオキシダゾールなどの公知のフイルムが使用できる。特に、アラミド樹脂、ポリエチレンナフタレートを用いた高強度非磁性支持体が好ましい。これらの非磁性支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理などを行っても良い。
本発明の目的を達成するには、非磁性支持体のクリーニング層を塗布する面の中心線平均表面粗さRaが0.5〜7nmのものを使用することが好ましい。また、これらの非磁性支持体は単に中心線平均表面粗さが小さいだけではなく、1μm以上の粗大突起がないことが好ましい。また支持体表面の粗さ形状の調整は、本発明における突起数を制御するために利用することもでき、そのために非磁性支持体に添加されるフィラーの大きさと量を適宜選定するとよい。これらのフィラーとしては、Al,Ca,Si,Tiなどの酸化物や炭酸塩で結晶性、非晶質を問わない他、アクリル系、メラミン系などの有機微粉末があげられる。また、走行耐久性との両立を図るためには、バック層を塗布する面の粗さはクリーニング層を塗布する面の粗さより粗いことが好ましい。バック層塗布面の中心線表面粗さは好ましくは1nm以上、更に好ましくは4nm以上である。クリーニング層塗布面とバック層塗布面との粗さを変える場合には、デュアル構成の支持体を用いても良いし、コーティング層を設けることによって変えても構わない。
本発明に用いられる非磁性支持体のテープ走行方向(MD方向)のF−5値は好ましくは10〜50kg/mm2(≒98〜490MPa)、テープ幅方向(TD方向)のF−5値は好ましくは10〜30Kg/mm2(≒98〜294MPa)であり、テープの長手方向のF−5値がテープ幅方向のF−5値より高いのが一般的であるが、特に幅方向の強度を高くする必要があるときはその限りでない。また、非磁性支持体のテープ走行方向および幅方向の100℃×30分での熱収縮率は好ましくは3%以下、さらに好ましくは1.5%以下、80℃×30分での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。破断強度は両方向とも5〜100Kg/mm2(≒49〜980MPa)、ヤング率は100〜3,000Kg/mm2 (≒0.98〜29.4GPa)が好ましい。また、900nmでの光透過率は30%以下が好ましく、更に好ましくは3%以下である。
本発明のクリーニング媒体の下層塗布層およびクリーニング層の塗料を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていてもかまわない。本発明に使用する強磁性粉末、結合剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。
本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができることはもちろんであるが、混練工程では連続ニーダや加圧ニーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。連続ニーダまたは加圧ニーダを用いる場合は強磁性粉末と結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結合剤の30%以上が好ましい)および強磁性粉末100部に対し15〜500部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細については特開平1−166338号、特開昭64−79274号に記載されている。また、下層塗布層の非磁性層液を調整する場合には高比重の分散メディアを用いることが望ましく、ジルコニアビーズが好適である。
本発明において好ましい重層構成のクリーニング媒体を塗布する装置、方法の例として以下のような構成を提案できる。
1.磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布装置等により、まず下層塗布層を塗布し、下層塗布層がまだ湿潤状態にある内に、特公平1−46186号、特開昭60−238179号、特開平2−265672号に開示されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により上層クリーニング層を塗布する。
2.特開昭63−88080号、特開平2−17971号、特開平2−265672号に開示されているような塗布液通液スリットを二つ内蔵する一つの塗布ヘッドにより下層塗布層とクリーニング層をほぼ同時に塗布する。
3.特開平2−174965号に開示されているバックアップロール付きエクストルージョン塗布装置により下層塗布層とクリーニング層をほぼ同時に塗布する。
なお、磁性粒子の凝集を防止するため、特開昭62−95174号や特開平1−236968号に開示されているような方法により塗布ヘッド内部の塗布液にせん断力を付与することが望ましい。さらに、塗布液の粘度については、特開平3−8471号に開示されている数値範囲を満足する必要がある。
本発明のクリーニング媒体を得るためにクリーニング層の強磁性粉末の配向処理を行っても良い。この配向は、100mT以上の磁力をもつソレノイドと、200mT以上の磁力をもつコバルト磁石を同極対向で併用して行うことが好ましく、さらには乾燥後の配向性が最も高くなるように配向前に予め適度の乾燥工程を設けることが好ましい。
また、非磁性の下層塗布層とクリーニング層を同時重層塗布する以前に、ポリマーを主成分とする接着層を設けることや、コロナ放電、UV照射、EB照射することにより接着性を高める公知の手法を組み合わせることが好ましい。
さらに、クリーニング層表面の突起数を調整するためにカレンダー処理を行うことが好ましい。カレンダー処理ロールとしてエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあるプラスチックロールを使用することができる。また、金属ロール同士で処理することもできる。処理温度は50〜100℃が好ましく、80〜100℃が更に好ましく、線圧力は100〜500kg/m(≒980〜4900N/m)が好ましく、200〜400kg/m(≒1960〜3920N/m)が更に好ましく、速度は50〜400m/分が好ましく、100〜300m/分が更に好ましい。
本発明のクリーニング媒体のクリーニング層面およびその反対面のSUS420Jに対する摩擦係数は、好ましくは0.1〜0.5、さらに好ましくは0.2〜0.3である。 表面固有抵抗は好ましくは107Ω/□以下、クリーニング層の0.5%伸びでの弾性率は走行方向、幅方向とも好ましくは100〜2,000Kg/mm2(≒0.98〜19.6GPa)、破断強度は好ましくは1〜30Kg/mm2(≒9.8〜294MPa)である。
また、全体としてのクリーニング媒体は、長手(MD)方向のヤング率が300〜1200kg/mm2 (≒2.94〜11.76GPa)、幅(TD)方向のヤング率が200〜1200kg/mm2(≒1.96〜11.76GPa)、かつ長手方向ヤング率/幅方向ヤング率が1/2〜2/1である。
さらに、クリーニング媒体の残留伸びは好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下、もっとも好ましくは0.1%以下で、0%が理想である。クリーニング層のガラス転移温度(110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は50℃以上120℃以下が好ましく、下層塗布層のそれは0℃〜100℃が好ましい。損失弾性率は1×107 〜8×108 Pa の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘着故障がでやすい。クリーニング層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m2 以下、さらに好ましくは10mg/m2 以下であり、上層クリーニング層に含まれる残留溶媒が下層塗布層に含まれる残留溶媒より少ないほうが好ましい。空隙率は下層塗布層、クリーニング層とも好ましくは50容量%以下、さらに好ましくは40容量%以下である。
クリーニング層の中心線表面粗さRaは1.0〜7.0nmが好ましいが、その値は目的により適宜設定されるべきである。AFMによる評価で求めたRMS表面粗さRRMSは2〜15nmの範囲にあることが好ましい。
また、本発明のクリーニング媒体の表面電気抵抗は1×107Ω/□以下であることが好ましい。より好ましくは、1×105〜1×106Ω/□である。表面電気抵抗の値が1×107Ω/□を超えると、MRヘッドとの間で電気的なノイズを発生しやすく好ましくない。
本発明のクリーニング媒体は、好ましくは下層塗布層とクリーニング層を有するが、目的に応じ下層塗布層とクリーニング層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易に推定されることである。例えば、クリーニング層の弾性率を高くし走行耐久性を向上させると同時に下層塗布層の弾性率をクリーニング層より低くしてクリーニング媒体のヘッドへの当りを良くするなどである。また、支持体のテンシライズ方法を変更して、ヘッド当たりを改良することが本発明においても有効であり、テープ長手方向に対し、直角な方向にテンシライズした支持体の方がヘッド当たりが良好になる場合が多い。
実施例
以下に、本発明の実施例を示し、本発明を更に詳細に説明する。実施例中の「部」は「質量部」を示す。
実施例1
「クリーニング層塗布液」
強磁性金属微粉末 組成 Fe/Co=100/30 100部
Hc:2500 Oe(200kA/m)
BET法による比表面積(SBET):49m2/g
結晶子サイズ:120Å
表面処理層:Al2O3、SiO2、Y2O3
粒子サイズ(長軸径):0.04μm
針状比:7
σs:125A・m2/kg
塩化ビニル共重合体(日本ゼオン社製商品名MR110) 5部
ポリウレタン樹脂(東洋紡社製商品名UR8300) 15部
上記をシクロヘキサノン50部で60分間混練し、次いで
α−Al23(平均粒径:0.20μm)分散液 5部
カ−ボンブラック(平均粒径:0.03μm) 0.3部
メチルエチルケトン/トルエン=1/1 220部
を加えてサンドミルで180分間分散した。これに潤滑剤
ブチルステアレート 2部
ステアリン酸 1部
ステアリン酸アミド 1部
溶剤
メチルエチルケトン 60部
ポリイソシアナート(日本ポリウレタン社製コロネートL) 13.5部
を加え180分攪拌し、0.5μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、クリーニング層塗布液を調製した。
次いで、上記のように得られたクリーニング層塗布液を乾燥後の厚さが1.3μmとなるように非磁性支持体上に塗布、塗布液が未乾状態で磁場配向を行い、さらに乾燥後、クリーニング層を設けた逆の面に下記バック層塗布液を0.3μm厚で塗布、乾燥し、その後金属ロ−ルとエポキシ樹脂ロ−ルから構成される7段のカレンダ−で処理した後、1/2吋幅にスリットした。
なお、非磁性支持体としては、厚さ6μmのポリエチレンナフタレートを用いた。
「バック層塗布液」
混練物1
カーボンブラック BP-800 キャボット製 100部
ニトロセルロース RS1/2 100部
ポリウレタン 日本ポリウレタン製N2301 30部
分散剤 オレイン酸銅 5部
銅フタロシアニン 5部
沈降性硫酸バリウム 5部
メチルエチルケトン 500部
トルエン 500部
混練物2
カーボンブラック SSA 8.5m2/g 100部
平均粒径270mμ;DBP吸油量 36ml/100g;pH10
ニトロセルロース 100部
ポリウレタン 日本ポリウレタン製N2301 30部
メチルエチルケトン 300部
トルエン 300部
上記混練物1をロールミルで予備混練した後、上記混練物1と2とをサンドグラインダーで分散し、完成後、以下を添加し、バック層塗布液とした。
ポリエステル樹脂 東洋紡製 バイロン300 5部
ポリイソシアナート 日本ポリウレタン社製コロネートL 5部
実施例2
クリーニング層塗布液に用いたカーボンブラックの添加量を、0.2部に変更し、分散度を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰返した。
実施例3
クリーニング層塗布液に用いたカーボンブラックの添加量を、1.0部に変更し、分散度を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰返した。
実施例4
クリーニング層塗布液は、実施例1と同様に作成した。続いて、以下の下層塗布層用塗布液を作成した。
「下層塗布層用塗布液」
非磁性無機粉末 α-Fe2O3(ヘマタイト) 85部
平均粒径:0.13μm
BET: 55m2/g
表面処理層:Al23,SiO2
pH:6.0〜8.5
をオ−プニ−ダ-で10分間粉砕し、次いで、
ポリウレタン樹脂(東洋紡社製商品名UR8300) 13.5部
シクロヘキサノン 50部
を加え60分間混練し、次いで
メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=6/4 200部
を加えて120分分散し、次いで
ブチルステアレート 4部
ステアリン酸アミド 1部
ステアリン酸 3部
メチルエチルケトン 60部
ポリイソシアナート(日本ポリウレタン社製コロネートL) 5部
を加え180分攪拌し、0.5μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層塗布層用塗布液を調製した。
次いで、上記のように得られた下層塗布層用塗布液を乾燥後の厚さが1.4μmとなるように、さらに、その直後にクリーニング層塗布液を乾燥後の厚さが0.12μmになるように、実施例1と同様の非磁性支持体に同時重層塗布した。その後塗布液を乾燥させた後、実施例1と同様のバック層塗布液を乾燥後の厚さが0.3μmとなるように、クリ−ニング層とは反対の非磁性支持体面に塗布し、乾燥した。その後、金属ロールとエポキシ樹脂ロールから構成される7段のカレンダーで処理した後、1/2吋幅に裁断した。
比較例1
クリーニング層塗布液に用いたカーボンブラックの添加量を、1.3部に変更し、分散度を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰返した。
比較例2
クリーニング層塗布液に用いたカーボンブラックの添加量を、5.0部に変更し、分散度を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰返した。
比較例3
クリーニング層塗布液に用いたカーボンブラックを添加しなかったこと以外は、実施例1を繰返した。
比較例4
クリーニング層塗布液に用いたカーボンブラックの添加量を、2.0部に変更し、分散度を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰返した。
比較例5
クリーニング層塗布液に用いたカーボンブラックの添加量を、8.0部に変更し、分散度を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1を繰返した。
上記各実施例および比較例で得られたクリーニングテープについて、クリーニング層表面の高さ10nm以上の突起数、微小硬度、表面電気抵抗、ヘッド付着物、ヘッド磨耗、ヘッドクリーニング力、ヘッドキズ、MRヘッドの抵抗値について調べた。結果を表1および2に示す。
ここに、各測定値の測定方法を示す。
(突起数)
DIGITAL INSTRUMENT社製のNANOSCOPE IIIを用い、コンタクトモードで40μm×40μmの範囲を測定し、突起とくぼみの体積が等しくなる面を基準面とし、基準面から10nmの高さの面でスライスした場合にスライス乃至接触される突起の数をカウントし、μm2あたりの突起数を算出した。
(微小硬度)
前記の微小硬度の測定方法の定義に従い、(株)エリオニクス製超微小押し込み硬度測定機(型番:ENT−1100a)を用い測定した。主な装置仕様は下記の通りである。
・荷重発生方式:電磁力式
・圧子:三角錐圧子、刃角度65°、稜間角115゜、ダイヤモンド製
・荷重範囲:2mgf〜100gf(20μN〜1N)
・荷重分解能:0.2μN
・変位測定方式:圧子の動きを静電容量式に検知
・変位範囲:〜20μm
・変位読取分解能:0.3nm
測定条件は以下の通りである。
上記各テープを5mm×5mmにカットし、アルミニウム製の、専用の測定試料台に接着剤で固定し、乾燥固定後、測定環境に約30分放置して馴染ませた後測定した。
・試験荷重:5mgf
・分割数:100
・ステップインタ−バル:100msec
・負荷のかけ方:10秒かけて5mgfまで連続的に増加させた後、5mgfにて1秒間保持し、その 後10秒かけて除荷した。
・測定環境:温度28±0.1℃
・測定n数:磁性層の7箇所について測定し、測定値の中心からn=5の値を測定値として使用した。
・塑性変形量:上記測定装置を用いて各磁気テープの荷重−変位量曲線(図2参照)を作製し、除荷曲 線の最大変位量(Hmax)における接線を荷重0に外挿して求めた。
最大変位量(Hmax)と、最大荷重(Pmax)とから前記式(1)式を用いて微小硬度を算出した 。
(ヘッド付着物)
ヘッド磨耗量を測定した時にヘッドの付着物を顕微鏡観察した。
(ヘッド磨耗)
IBM製 LTO(Ultrium、)ドライブ(MRヘッド使用)を用い23℃70%RHで一時間、当該クリ−ニングテ−プを走行させ、その前後のMRヘッド高さを測定して、10分当りのヘッド磨耗を算出した。
(ヘッドクリ−ニング力)
予め、富士写真フイルム社製LTO Ultrium 1 デ−タカートリッジ(型式 LTO FB UL-1 100G E)を用いて、IBM製 LTO(Ultrium)ドライブで出力を測定しておく。その後、目詰まりを起こさせることを目的に作成した標準テ−プをそのIBM製 LTO(Ultrium)ドライブで走行させ、ストロボでヘッド状態を観察して、ヘッドに汚れが多く付いた時点で走行を止めて出力が皆無であることを確認する。その後、試料の各クリ−ニングテ−プを1分間走行させた後に、事前に記録した富士写真フイルム社製LTO Ultrium 1 デ−タカートリッジ(型式 LTO FB UL-1 100G E)を用いて出力を測定して、最初に測定した出力と最後に測定した出力の差dBをヘッドクリ−ニング力の評価とした。またクリ−ニングテ−プ走行後のヘッドキズを観察した。
(MRヘッド抵抗値)
前記ヘッド磨耗を測定したヘッドの抵抗値を測定した。
(表面電気抵抗)
温度23℃±2℃、湿度40〜60%の環境下に24hテストビーズを放置した。24金の金メッキした半径25.4mm半円形の電極で少なくともN4仕上げのもの2個の上にテストビーズを置き、記録面がこの各電極と接するようにする。これら電極は地面に平行に置き、中心距離を12.65mmだけ離して並行に置いた。テストビーズの各端面に1.62Nの力を加え、電極に100V±10Vの直流電圧をかけ、電流値を測定した。この値から電気抵抗を求めた。
Figure 2006092691
分散度とは、実施例1の分散時間180分を100%とし、相対値で表示した。
Figure 2006092691
上記表によれば、クリーニング層の突起数及び微小硬度の双方が本発明の条件を満足する実施例は、比較例に比べてヘッド付着物が少なく、ヘッド磨耗が小さく、ヘッドクリーニング力が高く、かつヘッドキズもないことが分かる。
本発明で用いる圧子の形状を説明するための図である。 塑性変形量の定義を説明するための図である。

Claims (3)

  1. 非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合剤とを含むクリーニング層を設け、その逆の面に非磁性のバック層を設けてなるクリーニング媒体において、前記クリーニング層表面の高さ10nm以上の突起数が0.10〜5.0個/μm2であり、且つ、前記クリーニング層表面の微小硬度が294〜784MPa(30〜80kg/mm2)であることを特徴とするクリーニング媒体。
  2. 前記非磁性支持体と前記クリーニング層との間に、主として非磁性無機粉末と結合剤とを含む下層塗布層を設けたことを特徴とする請求項1に記載のクリーニング媒体。
  3. 前記クリーニング媒体の表面電気抵抗が1×107Ω/□以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のクリーニング媒体。
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