JP2004152326A - 磁気ヘッドのクリーニング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】溝構造を持つ磁気記録ヘッドの摩耗による曲率半径の変化を定期的なクリーニングで補正可能なクリーニング方法を提供すること。
【解決手段】支持体上にクリーニング層を設けたクリーニングテープを用いて磁気ヘッドをクリーニングする方法であって、前記クリーニングテープの幅方向のスティフネスが2以下であり、かつ前記磁気ヘッドは前記クリーニングテープの摺動方向と平行に溝を有することを特徴とする磁気ヘッドのクリーニング方法。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビデオテープ、データ用テープなどの磁気記録媒体に記録及び再生を行う装置に設けられる磁気ヘッドの再生出力を回復させるクリーニング方法に関する。とくに溝構造を有する特殊な磁気ヘッドのクリーニング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
これまで放送用の分野においては、強磁性金属粉末を用いた単層の塗布型メタルテープや非磁性層を同時塗布することで磁性層を薄層化し出力を向上させた重層タイプのメタルテープが使用されてきた。ハイビジョン放送やデジタル地上波放送等の高画質放送の普及により、従来よりも高記録密度の記録媒体が望まれている。またデータ用の分野においても取り扱う情報量が飛躍的に増加し、放送用で使われてきた回転ヘッド方式のシステムが使われる様になってきた。この分野でも放送用と同じく記録密度が高く信頼性の高いバックアップテープが望まれている。
この様な状況に対し、記録媒体の線記録密度を向上させるために磁性面の表面性は益々平滑になり、摩擦係数の増加による走行耐久性の劣化が懸念される。また体積記録密度を下げて高容量化をはかるため記録媒体の薄層化は避けて通れず、テープエッジダメージ等の走行耐久性も益々厳しい状況になってきている。またテープの薄層化によりヘッドとの接触状態を均一に保つのは非常に難しくテープ強度を確保するため支持体にPENやアラミド等の高強度材料が使用される様になってきた。一方、磁気ヘッドの形状に関する研究開発も盛んに行われており、薄いテープと良好なコンタクトが得られる構造のヘッドが使用されてきている。例えばSONY製DTF2(非特許文献1)には溝付きヘッドが採用されており、高速で回転するヘッドとテープ間に同伴されるエアーをヘッドに付いた溝から効率良く排除出来るため良好なコンタクト状態が得られる工夫がされている。しかしながら、ヘッドコア部に較べて溝の外側(以下、下駄部と呼ぶ)は硬い素材のためヘッドコア部の摩耗が下駄部より速くヘッドの幅方向(磁気テープ摺動方向と垂直な方向)の曲率半径が急速に増加しヘッドとテープのコンタクト状態が劣化し再生出力の低下やエラーレートの劣化が著しい。
【0003】
このため、ヘッドの摩耗が進んでも安定したヘッドコンタクトの状態を維持出来る様なクリーニングテープが必要となってきた。
【0004】
【非特許文献1】
「高データレートヘッドテープの最新インターフェース(High Data Rate Head Tape Interface−Update)」、2000年、(米国)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明の目的は、溝構造を持つ磁気記録ヘッドの摩耗による曲率半径の変化を定期的なクリーニングで補正可能なクリーニング方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、支持体上にクリーニング層を設けたクリーニングテープを用いて磁気ヘッドをクリーニングする方法であって、
前記クリーニングテープの幅方向のスティフネスが2以下であり、
かつ前記磁気ヘッドは前記クリーニングテープの摺動方向と平行に溝を有することを特徴とする磁気ヘッドのクリーニング方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】
テープが薄層化するとヘッドとの良好なコンタクト状態を保つためには定期的なヘッドのクリーニングによってヘッドの曲率半径を一定に保つことが重要である。ヘッドの曲率半径が大きくなるとヘッドギャップとテープの距離が増加しスペーシングロスによる再生出力が低下してしまう。最悪の場合はエラー訂正限界を越えてデータが破綻してしまう。
本発明は、例えば一定の間隔で幅方向のスティフネスが2以下、好ましくは0.5〜2.0のクリーニングテープを走行させると、磁気記録テープの走行で増加した磁気ヘッドの曲率半径を初期状態に近い曲率半径に戻すことが出来、ヘッドの曲率半径を一定に保つことができる。
クリーニングテープの幅方向のスティフネスを上記に調整する手段は、特に制限はなく、例えば、支持体の厚みを下げることで該スティフネスを下げることができる。極端にスティフネスが低くなり過ぎると走行中にエッジ折れ等の弊害があるため、該スティフネスの下限値は、磁気記録装置の走行性能の問題で決定される。
本発明の溝を有する磁気ヘッドという場合には、少なくとも記録ヘッドを含む意味であり、再生ヘッドや消磁ヘッド等を包含してもよい。また、磁気ヘッドの記録再生機構は特に制限なく、電磁誘導型、磁気抵抗(MR)型等が包含される。また、磁気ヘッドの溝がクリーニングテープの摺動方向と平行であるとは、完全に平行であることを意味するものではなく、交差の角が5度程度までは許容し得る。
また、本発明で用いるクリーニングテープの幅方向のスティフネスは、円環式測定機により測定される値を意味する。尚、クリーニングテープの長手方向のスティフネスは、1.0〜4.0程度が好ましい。
以下、本発明に用いるクリーニングテープについて詳述する。
【0008】
[クリーニング層]
クリーニング層は、単層でも複層でもよく、例えば、重層の場合、下層と、下層上に設けられる上層を支持体の片面に設けることができる。上層及び下層は下層を塗布後、下層が湿潤状態の内(Wet on Wet)でも、乾燥した後(Wet on Dry)でも上層を設けることができる。下層及び上層としては、公知の磁気記録媒体の非磁性下層及び上層磁性層を用いることができる。
【0009】
[強磁性金属粉末]
クリーニング層に用いられる強磁性金属粉末としては、α−Feを主成分とする強磁性合金粉末が好ましい。これらの強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、Sm、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもかまわない。特に、Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Sm、Co、Ni、Bの少なくとも1つをα−Fe以外に含むことが好ましく、Co、Y、Al、Nd、Smの少なくとも一つを含むことがさらに好ましい。Coの含有量はFeに対して0原子%以上40原子%以下が好ましく、さらに好ましくは5原子%以上35原子%以下、より好ましくは10原子%以上35原子%以下である。Yの含有量は1.5原子%以上12原子%以下が好ましく、さらに好ましくは3原子%以上10原子%以下、より好ましくは3原子%以上9原子%以下である。Alは1.5原子%以上13原子%以下が好ましく、さらに好ましくは3原子%以上11原子%以下、より好ましくは4原子%以上10原子%以下である。これらの強磁性粉末にはあとで述べる分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行ってもかまわない。具体的には、特公昭44−14090号、特公昭45−18372号、特公昭47−22062号、特公昭47−22513号、特公昭46−28466号、特公昭46−38755号、特公昭47−4286号、特公昭47−12422号、特公昭47−17284号、特公昭47−18509号、特公昭47−18573号、特公昭39−10307号、特公昭46−39639号、米国特許第3026215号、同3031341号、同3100194号、同3242005号、同3389014号などに記載されている。
【0010】
強磁性金属粉末には少量の水酸化物、または酸化物が含まれてもよい。強磁性金属粉末の公知の製造方法により得られたものを用いることができ、下記の方法を挙げることができる。複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)と水素などの還元性気体で還元する方法、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFeあるいはFe−Co粒子などを得る方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方法などである。このようにして得られた強磁性金属粉末は公知の徐酸化処理、すなわち有機溶剤に浸漬したのち乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成したのち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形成する方法のいずれを施したものでも用いることができる。
【0011】
強磁性金属粉末をBET法による比表面積(SBET)で表せば45〜80m/gであり、好ましくは50〜70m/gである。45m/g以下ではノイズが高くなり、80m/g以上では表面性が得にくく好ましくない。強磁性金属粉末の結晶子サイズは80〜180オングストロームであり、好ましくは100〜180オングストローム、更に好ましくは110〜175オングストロームである。強磁性金属粉末の平均長軸長は、好ましくは30〜150nmであり、さらに好ましくは30〜100nmである。強磁性金属粉末の針状比は3以上15以下が好ましく、さらには5以上12以下が好ましい。強磁性金属粉末の飽和磁化(σs)は100〜200A・m/kgであり、好ましくは120〜180A・m/kgである。
【0012】
強磁性金属粉末の含水率は0.01〜2質量%とするのが好ましい。結合剤の種類によって強磁性金属粉末の含水率は最適化するのが好ましい。強磁性金属粉末のpHは、用いる結合剤との組合せにより最適化することが好ましい。その範囲は通常、4〜12であるが、好ましくは6〜10である。強磁性金属粉末は必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性金属粉末に対し通常、0.1〜10質量%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m 以下になり好ましい。強磁性金属粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的に無い方が好ましいが、200ppm以下であ れば特に特性に影響を与えることは少ない。また、本発明に用いられる強磁性金属粉末は空孔が少ないほうが好ましくその値は20容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。また形状については先に示した粒子サイズについての特性を満足すれば針状、米粒状、紡錘状のいずれでもかまわない。強磁性金属粉末自体のSFD(switching field distribution) は小さい方が好ましく、0.8以下が好ましい。強磁性金属粉末のHcの分布を小さくすることが好ましい。Hcの分布を小さくするためには、強磁性金属粉末においてはゲータイトの粒度分布を良くする、焼結を防止するなどの方法がある。
【0013】
[下層]
次に下層に関する詳細な内容について説明する。下層は少なくとも樹脂からなり、好ましくは、粉体、例えば、無機粉末あるいは有機粉末が樹脂中に分散されたものが挙げられる。該無機粉末は、通常、好ましくは非磁性粉末であるが、磁性粉末を使用してもよい。
【0014】
該非磁性粉末としては、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機化合物から選択することができる。無機化合物としては例えばα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、ヘマタイト、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単独または組合せで使用される。特に好ましいのは、粒度分布の小ささ、機能付与の手段が多いこと等から、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更に好ましいのは二酸化チタン、α酸化鉄である。これら非磁性粉末の平均粒子径は0.005〜2μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましいのは非磁性粉末の平均粒子径は0.01μm〜0.2μmである。特に、非磁性粉末が粒状金属酸化物である場合は、平均粒子径0.08μm以下が好ましく、針状金属酸化物である場合は、平均長軸長が0.3μm以下が好ましく、0.2 μm以下がさらに好ましい。タップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜1.5g/mlである。非磁性粉末の含水率は0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜3質量%、更に好ましくは0.3〜1.5質量%である。非磁性粉末のpHは通常、2〜11であるが、pHは3〜10の間が特に好ましい。非磁性粉末の比表面積は1〜100m/g、好ましくは5〜80m/g、更に好ましくは10〜70m/gである。非磁性粉末の結晶子サイズは0.004μm〜1μmが好ましく、0.04μm〜0.1μmが更に好ましい。DBP(ジブチルフタレート)を用いた吸油量は5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、更に好ましくは20〜60ml/100gである。比重は1〜12、好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでも良い。モース硬度は4以上、10以下のものが好ましい。非磁性粉末のSA(ステアリン酸)吸着量は1〜20μmol/m、好ましくは2〜15μmol/m、さらに好ましくは3〜8μmol/mである。これらの非磁性粉末の表面は表面処理が施されAl、SiO、TiO、ZrO、SnO、Sb、ZnO、Yが存在することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl 、SiO、TiO、ZrOであるが、更に好ましいのはAl、SiO、ZrOである。これらは組み合わせて使用しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ずアルミナを存在させた後にその表層にシリカを存在させる方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
【0015】
下層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100,ZA−G1、戸田工業社製αヘマタイトDPN−250,DPN−250BX,DPN−245,DPN−270BX,DPN−500BX,DBN−SA1,DBN−SA3、石原産業製酸化チタンTTO−51B,TTO−55A,TTO−55B,TTO−55C,TTO−55S,TTO−55D,SN−100、αヘマタイトE270,E271,E300,E303、チタン工業製酸化チタンSTT−4D,STT−30D,STT−30,STT−65C、αヘマタイトα−40、テイカ製MT−100S,MT−100T,MT−150W,MT−500B,MT−600B,MT−100F,MT−500HD、堺化学製FINEX−25,BF−1,BF−10,BF−20,ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y,DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM,TiO2P25、宇部興産製100A,500A、及びそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
【0016】
下層にカ−ボンブラックを混合させて公知の効果である表面電気抵抗Rsを下げること、光透過率を小さくすることができる。カーボンブラックの種類はゴム用ファ−ネス、ゴム用サ−マル、カラ−用ブラック、アセチレンブラック、等を用いることができる。下層のカーボンブラックは所望する効果によって、以下のような特性を最適化すべきであり、併用することでより効果が得られることがある。
【0017】
下層のカ−ボンブラックの比表面積は100〜500m/g、好ましくは150〜400m/g、DBP吸油量は20〜400ml/100g、好ましくは30〜4 00ml/100gである。カ−ボンブラックの平均粒子径は5nm〜80nm、好ましくは10〜50nm、さらに好ましくは10〜40nmである。カ−ボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10質量%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。下層に用いられるカ−ボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製BLACKPEARLS 2000,1300,1000,900,800,880,700、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製#3050B,#3150B,#3250B,#3750B,#3950B,#950,#650B,#970B,#850B,MA−600,MA−230,#4000,#4010、コロンビアンカ−ボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN 8800,8000,7000,5750,5250,3500,2100,2000,1800,1500,1255,1250、アクゾー社製ケッチェンブラックECなどがあげられる。カ−ボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カ−ボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機質粉末に対して50質量%を越えない範囲、下層総質量の40質量%を越えない範囲で使用できる。これらのカ−ボンブラックは単独、または組合せで使用することができる。使用できるカ−ボンブラックは例えば「カ−ボンブラック便覧」(カ−ボンブラック協会編)を参考にすることができる。
【0018】
また下層には有機質粉末を目的に応じて、添加することもできる。例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は特開昭62−18564号、特開昭60−255827号に記されているようなものが使用できる。
【0019】
下層の結合剤樹脂(種類と量)、潤滑剤・分散剤・添加剤の種類、量、溶剤、分散方法に関しては、磁性層に関する公知の技術が適用できる。
【0020】
[結合剤]
クリーニング層に使用される結合剤としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。
熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が1,000〜200,000、好ましくは10,000〜100,000、重合度が約50〜1000程度のものである。
【0021】
このような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコ−ル、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラ−ル、ビニルアセタ−ル、ビニルエ−テル、等を構成単位として含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂としてはフェノ−ル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコ−ン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマ−の混合物、ポリエステルポリオ−ルとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等があげられる。これらの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を各層に使用することも可能である。これらの例とその製造方法については特開昭62−256219に詳細に記載されている。以上の樹脂は単独または組合せて使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコ−ル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体、から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂の組合せ、またはこれらにポリイソシアネートを組み合わせたものがあげられる。
【0022】
ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポリウレタン、ポリエ−テルポリウレタン、ポリエ−テルポリエステルポリウレタン、ポリカ−ボネートポリウレタン、ポリエステルポリカ−ボネートポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用できる。ここに示したすべての結合剤について、より優れた分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、−COOM,−SOM、−OSOM、−P=O(OM)、−O−P=O(OM)、(以上につきMは水素原子、またはアルカリ金属塩基)、−OH、−NR、−N (Rは炭化水素基)、エポキシ基、−SH、−CN、などから選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重合または付加反応で導入したものを用いることが好ましい。このような極性基の量は10−1〜10−8モル/gであり、好ましくは10−2〜10−6モル/gである。
【0023】
これらの結合剤の具体的な例としてはユニオンカ−バイト社製VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD,VROH,VYES,VYNC,VMCC,XYHL,XYSG,PKHH,PKHJ,PKHC,PKFE,日信化学工業社製、MPR−TA、MPR−TA5,MPR−TAL,MPR−TSN,MPR−TMF,MPR−TS、MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製1000W、DX80,DX81,DX82,DX83、100FD、日本ゼオン社製MR−104、MR−105、MR110、MR100、MR555、400X−110A、日本ポリウレタン社製ニッポランN2301、N2302、N2304、大日本インキ社製パンデックスT−5105、T−R3080、T−5201、バ−ノックD−400、D−210−80、クリスボン6109,7209,東洋紡社製バイロンUR8200,UR8300、UR−8700、RV530,RV280、大日精化社製、ダイフェラミン4020,5020,5100,5300,9020,9022、7020,三菱化成社製、MX5004,三洋化成社製サンプレンSP−150、旭化成社製サランF310,F210などが挙げられる。
【0024】
下層、上層に用いられる結合剤は非磁性粉末または磁性粉末に対し、5〜50質量%の範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲で用いられる。塩化ビニル系樹脂を用いる場合は5〜30質量%、ポリウレタン樹脂を用いる場合は2〜20質量%、ポリイソシアネートは2〜20質量%の範囲でこれらを組み合わせて用いることが好ましいが、例えば、微量の脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合は、ポリウレタンのみまたはポリウレタンとイソシアネートのみを使用することも可能である。ポリウレタンを用いる場合はガラス転移温度が−50〜150℃、好ましくは0℃〜100℃、破断伸びが100〜2000%、破断応力は通常、0.05〜10Kg/mm(≒0.49〜98MPa)、降伏点は0.05〜10Kg/mm(≒0.49〜98MPa)が好ましい。
【0025】
クリーニング層は二層以上から構成されてもよい。従って、結合剤量、結合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート、あるいはそれ以外の樹脂の量、上層を形成する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べた樹脂の物理特性などを必要に応じ各層で変えることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきであり、多層磁性層に関する公知技術を適用できる。例えば、各層でバインダー量を変更する場合、上層表面の擦傷を減らすためには上層のバインダー量を増量することが有効であり、ヘッドに対するヘッドタッチを良好にするためには、下層のバインダー量を多くして柔軟性を持たせることができる。
【0026】
クリーニング層に用いることができるポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製、コロネートL、コロネートHL,コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR,ミリオネートMTL、武田薬品社製、タケネートD−102,タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202、住友バイエル社製、デスモジュ−ルL,デスモジュ−ルIL、デスモジュ−ルN,デスモジュ−ルHL,等がありこれらを単独または硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合せで各層とも用いることができる。
【0027】
[カーボンブラック、研磨剤]
クリーニング層に使用されるカ−ボンブラックはゴム用ファ−ネス、ゴム用サ−マル、カラ−用ブラック、アセチレンブラック、等を用いることができる。比表面積は5〜500m/g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、平均粒子径は5nm〜300nm、pHは2〜10、含水率は0.1〜10質量%、タップ密度は0.1〜1g/cc、が好ましい。カ−ボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、905、800,700、VULCAN XC−72、旭カ−ボン社製#80、#60,#55、#50、#35、三菱化成工業社製#2400B、#2300、#900,#1000,#30,#40、#10B、コロンビアンカ−ボン社製CONDUCTEX SC、RAVEN 150、50,40,15、RAVEN−MT−P、日本EC社製ケッチェンブラックEC、などがあげられる。カ−ボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カ−ボンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカ−ボンブラックは単独、または組合せで使用することができる。カ−ボンブラックを使用する場合は磁性体に対する量の0.1〜30質量%で用いることが好ましい。カ−ボンブラックはクリーニング層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカ−ボンブラックにより異なる。従って、これらのカ−ボンブラックは上層、下層でその種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。クリーニング層で使用できるカ−ボンブラックは,例えば(「カ−ボンブラック便覧」カ−ボンブラック協会編)を参考にすることができる。
【0028】
クリーニング層には研磨剤を含んでもよく、研磨剤としてはα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、窒化珪素、炭化珪素、チタンカ−バイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、ダイヤモンドなど主としてモ−ス硬度6以上の公知の材料が単独または組合せで使用される。また、これらの研磨剤同士の複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これらの研磨剤には主成分以外の化合物または元素が含まれる場合もあるが主成分が90質量%以上であれば効果にかわりはない。これら研磨剤の平均粒径は0.01〜2μmが好ましく、その粒度分布が狭い方が好ましい。また耐久性を向上させるには必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることも可能である。タップ密度は0.3〜2g/cc、含水率は0.1〜5質量%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m/gが好ましい。研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状、のいずれでも良いが、形状の一部に角を有するものが研磨性が高く好ましい。具体的には住友化学社製AKP−12、AKP−15、AKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT−20、HIT−30、HIT−55、HIT−60、HIT−70、HIT−80、HIT−100、レイノルズ社製ERC−DBM、HP−DBM、HPS−DBM、不二見研磨剤社製WA10000、上村工業社製UB20、日本化学工業社製G−5、クロメックスU2、クロメックスU1、戸田工業社製TF100、TF140、イビデン社製ベータランダムウルトラファイン、昭和鉱業社製B−3などが挙げられる。これらの研磨剤は必要に応じ下層に添加することもできる。下層に添加することで表面形状を制御したり、研磨剤の突出状態を制御したりすることができる。これら上層、下層の添加する研磨剤の粒径、量はむろん最適値に設定すべきものである。
【0029】
[添加剤]
クリーニングテープのクリーニング層と下層に使用される、添加剤としては潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果、などをもつものが使用される。二硫化モリブデン、二硫化タングステングラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、αナフチル燐酸、フェニル燐酸、ジフェニル燐酸、p−エチルベンゼンホスホン酸、フェニルホスフィン酸、アミノキノン類、各種シランカップリング剤、チタンカップリング剤、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、および、これらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)または、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数12〜22のアルコキシアルコール(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)とからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが使用できる。
【0030】
これらの具体例としては脂肪酸では、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸などが挙げられる。エステル類ではブチルステアレート、オクチルステアレート、アミルステアレート、イソオクチルステアレート、ブチルミリステート、オクチルミリステート、ブトキシエチルステアレート、ブトキシジエチルステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、2−ヘキシルドデシルパルミテート、イソヘキサデシルステアレート、オレイルオレエート、ドデシルステアレート、トリデシルステアレート、エルカ酸オレイル、ネオペンチルグリコールジデカノエート、エチレングリコールジオレイル、アルコール類ではオレイルアルコ−ル、ステアリルアルコール、ラウリルアルコ−ルなどがあげられる。また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシド−ル系、アルキルフェノ−ルエチレンオキサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基、などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコ−ルの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30質量%以下が好ましく、さらに好ましくは10質量%以下である。
【0031】
クリーニングテープで使用されるこれらの潤滑剤、界面活性剤は個々に異なる物理的作用を有するものであり、その種類、量、および相乗的効果を生み出す潤滑剤の併用比率は目的に応じ最適に定められるべきものである。下層、上層で融点の異なる脂肪酸を用い表面への滲み出しを制御する、沸点、融点や極性の異なるエステル類を用い表面への滲み出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を下層で多くして潤滑効果を向上させるなど考えられ、無論ここに示した例のみに限られるものではない。一般には潤滑剤の総量として上層の強磁性粉末または下層の非磁性粉末に対し、0.1質量%〜50質量%、好ましくは2質量%〜25質量%の範囲で選択される。
【0032】
またクリーニングテープで用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、塗料製造のどの工程で添加してもかまわない、例えば、混練工程前に磁性体と混合する場合、磁性体と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。また、目的に応じてクリーニング層を塗布した後、同時または逐次塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することにより目的が達成される場合がある。また、目的によってはスリット終了後、クリーニング層表面に潤滑剤を塗布することもできる。
【0033】
クリーニング層塗布液で用いられる有機溶剤は公知のものが使用でき、例えば特開平6−68453に記載の溶剤を用いることができる。
【0034】
[層構成]
本発明に用いるクリーニングテープの厚み構成は支持体が4〜10μm、好ましくは6〜 9μmである。
支持体と下層との間に密着性向上のための下塗り層を設けてもかまわない。発明の下塗層厚みは0.005〜0.5μm、好ましくは0.01〜0.5μmである。
クリーニングテープは、支持体の一方に下層とクリーニング層を設け、他方にバック層を設けてもよく、この厚みは0.1〜1μm、好ましくは0.3〜0.7μmである。これらの下塗層、バック層は磁気テープで公知のものが使用できる。
クリーニング層の厚みは0.01〜3μm、好ましくは0.05〜0.3μmである。
下層の厚みは0.2μm以上5.0μm以下、好ましくは0.3μm以上3.0μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上2.5μm以下である。
【0035】
[支持体]
クリーニングテープに用いられる支持体は非磁性であることが好ましい。支持体としてはポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルロ−ストリアセテート、ポリカ−ボネート、ポリアミド(脂肪族ポリアミドやアラミド等の芳香族ポリアミドを含む)、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリベンゾオキサゾールなどの公知のフィルムが使用できる。ポリエチレンナフタレート、ポリアミドなどの高強度支持体を用いることが好ましい。また必要に応じ、磁性面とベ−ス面の表面粗さを変えるため特開平3−224127に示されるような積層タイプの支持体を用いることもできる。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理、などをおこなっても良い。
【0036】
本発明の目的を達成するには、支持体としてWYKO社製の表面粗さ計TOPO−3Dで測定した中心面平均表面粗さ(Ra)は12.0nm以下、好ましくは8.0nm以下ものを使用することが好ましい。支持体は単に中心面平均表面粗さが小さいだけではなく、0.3μm以上の粗大突起がないことが好ましい。また表面の粗さ形状は必要に応じて 支持体に添加されるフィラ−の大きさと量により自由にコントロ−ルされるものである。これらのフィラ−としては一例としてはCa,Si、Tiなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機微粉末があげられる。支持体の最大高さSRmaxは1μm以下、十点平均粗さSRzは0.5μm以下、中心面山高さはSRp は0.5μm以下、中心面谷深さSRvは0.5μm以下、中心面面積率SSr は 10%以上、90%以下、平均波長Sλaは5μm以上、300μm以下が好まし い。所望の電磁変換特性と耐久性を得るため、これら支持体の表面突起分布をフィラーにより任意にコントロールできるものであり、0.01μmから1μmの大きさのもの各々を0.1mmあたり0個から2000個の範囲でコントロ−ルすることができる。
【0037】
クリーニングテープに用いられる支持体のF−5値は好ましくは5〜50Kg/mm(≒49〜490MPa)、また、支持体の80℃30分での熱収縮率は好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.2%以下である。破断強度は5〜100Kg/mm(≒49〜980MPa)が好ましい。
【0038】
[製法]
クリーニングテープの上層塗料又は下層塗料を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていてもかまわない。使用する強磁性粉末、非磁性粉末、結合剤、カ−ボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。これらの工程には、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。ニーダを用いる場合は磁性粉末または非磁性粉末と結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結合剤の30質量%以上が好ましい)および磁性粉末100質量部に対し15〜500質量部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338、特開平1−79274に記載されている。また、上層液および下層液を分散させるにはガラスビーズを用いることができるが、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
【0039】
重層構成のクリーニングテープを塗布する場合、以下のような方式を用いることが好ましい。第一に磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布装置等により、まず下層を塗布し、下層がウェット状態のうちに特公平1−46186や特開昭60−238179,特開平2−265672に開示されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により上層を塗布する方法。第二に特開昭63−88080、特開平2−17971,特開平2−265672に開示されているような塗布液通液スリットを二つ内蔵する一つの塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する方法。第三に特開平2−174965に開示されているバックアップロール付きエクストルージョン塗布装置により上下層をほぼ同時に塗布する方法である。なお、磁性粒子の凝集を防止するため、特開昭62−95174や特開平1−236968に開示されているような方法により塗布ヘッド内部の塗布液にせん断を付与することが望ましい。さらに、塗布液の粘度については、特開平3−8471に開示されている数値範囲を満足する必要がある。クリーニングテープの構成を実現するには下層を塗布し乾燥させたのち、その上に上層を設ける逐次重層塗布を用いてもむろんかまわず、本発明の効果が失われるものではない。ただし、塗布欠陥を少なくし、均一な品質えるためには、前述の同時重層塗布を用いることが好ましい。
【0040】
【実施例】
以下、本発明の具体的実施例を説明するが、本発明はこれに限定されるべきものではない。なお、以下の「部」とは「質量部」のことである。
実施例に使用した磁性体の特性を以下に示す。
【0041】
Figure 2004152326
【0042】
<塗料の作成>
Figure 2004152326
【0043】
Figure 2004152326
【0044】
上記の塗料のそれぞれについて、各成分をニ−ダで混練したのち、得られた上層用および下層用分散液それぞれに、αアルミナ(住友化学社製HIT60)を塩化ビニル共重合体(日本ゼオン社製MR110)に分散したペースト(住友化学社製SLH160)をαアルミナの量として25部を加え、更にポリイソシアネートを上層用分散液には5部、下層用分散液には13部を加え、さらにそれぞれにシクロヘキサノン40部を加え、3μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、上層形成用および下層形成用の塗布液を調製した。
【0045】
<支持体>
支持体には厚さ6μmのポリエチレンナフタレートを用いた。
【0046】
得られた下層塗布液を、乾燥後の厚さが2.0μmになるようにさらにその直後にその上にクリーニング層の厚さが0.3μmになるように、支持体上の一方の面に同時重層塗布をおこない乾燥させた、次いでもう片方の支持体面にはカーボンブラック粉末と結合剤からなる公知のバック液を厚み0.5μmになるように、塗布し乾燥させた。その後1/2吋幅にスリットし、SONY製DTF2専用リールに装巻しクリーニングテープを作成した。
SONY製DTF2ドライブを用いて市販のSONY製DTF2テープを500時間走行させた後、最短記録波長の再生出力(A)を測定する。次にクリーニングテープを10秒間走行させてから、最短記録波長の再生出力(B)を測定しその出力差(B−A)をクリーニングテープの出力回復量として求めた。
【0047】
実施例2
支持体の厚みを4.5μmのポリエチレンナフタレートに変更した以外は実施例1と同じ条件でテープを作成し出力回復量を求めた。
【0048】
比較例1
支持体の厚みを7.0μmのポリエチレンテレフタレートに変更した以外は実施例1と同じ条件でテープを作成し出力回復量を求めた。
【0049】
比較例2
支持体の厚みを8.5μmのポリエチレンテレフタレートに変更した以外は実施例1と同じ条件でテープを作成し出力回復量を求めた。
【0050】
比較例3
支持体の厚みを9.8μmのポリエチレンテレフタレートに変更した以外は実施例1と同じ条件でテープを作成し出力回復量を求めた。
以上の結果を表1に示した。
【0051】
【表1】
Figure 2004152326
【0052】
表1より、テープ幅方向のスティフネスを2以下にしたクリーニングテープを用いる本発明のクリーニング方法は、該スティフネスを2超にしたクリーニングテープを用いる比較例のクリーニング方法に比べて明らかに優れていることが分かる。
【0053】
【発明の効果】
本発明は、磁気テープの摺動方向と平行に溝を有する磁気ヘッドを備えた磁気記録再生装置に、支持体上の一方の面にクリーニング層を設け、テープ幅方向のスティフネスを2以下にしたクリーニングテープを磁気テープに代えて磁気記録再生装置に用いて走行させることで、ヘッドの出力が回復出来る。

Claims (1)

  1. 支持体上にクリーニング層を設けたクリーニングテープを用いて磁気ヘッドをクリーニングする方法であって、
    前記クリーニングテープの幅方向のスティフネスが2以下であり、
    かつ前記磁気ヘッドは前記クリーニングテープの摺動方向と平行に溝を有することを特徴とする磁気ヘッドのクリーニング方法。
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