JP4365547B2 - 磁気記録再生方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、磁気記録媒体に磁気記録された信号をMRヘッドで再生する磁気記録再生方法と、該磁気記録再生方法に用いる磁気記録媒体に関する。
特に本発明は、実質的に非磁性の下層と六方晶フェライト強磁性粉末及び結合剤を含む磁性層とをこの順に有する高密度記録用の磁気記録媒体に磁気記録された信号をMRヘッドにより再生する磁気記録再生方法及びその方法に用いる磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気記録ディスクの分野では、Co変性酸化鉄を用いた2MBのMF−2HDフロッピーディスクはパーソナルコンピュータに標準搭載されようになった。しかし、扱うデータ容量が急激に増加している今日において、その容量は充分ではなく、フロッピーディスクの大容量化が望まれている。
上記フロッピーディスクの大容量化の要請に応えるため、最近では薄層磁性層と機能性非磁性層とからなるディスク状磁気記録媒体が提唱され、100MBクラスのフロッピーディスクの開発が行われている。このような特徴を有するディスク状磁気記録媒体としては、例えば特開平5−109061号公報及び特開平5−290354号公報を挙げることができる。すなわち、特開平5−109061号公報には、抗磁力Hcが111kA/m(1400 Oe)以上で厚さ0.5μm以下の磁性層と導電性粒子を含む非磁性層とを有する構成が開示されている。また、特開平5−290354号公報には、磁性層厚が0.5μm以下で、磁性層厚の厚み変動を±15%以内とし、表面電気抵抗を規定した構成が開示されている。
【0003】
一方、磁気記録テープの分野においても近年、ミニコンピュータ、パーソナルコンピュータ、ワークステーションなどのオフィスコンピュータの普及に伴って、外部記憶媒体としてコンピュータデータを記録するための磁気記録テープ(いわゆるバックアップテープ)の研究が盛んに行われている。このような用途の磁気記録テープの実用化に際しては、特にコンピュータの小型化、情報処理能力の増大と相俟って、記録の大容量化、小型化を達成するために、記録容量の向上が強く要求される。また磁気記録テープの使用環境の広がりによる幅広い環境条件下(特に、変動の激しい温湿度条件下など)での使用、データ保存に対する信頼性、さらには高速での繰り返し使用による多数回走行におけるデータの安定した記録、読み出し等の性能に対する信頼性なども従来に増して要求されるようになっている。
【0004】
従来から、デジタル信号記録システムにおいて使用される磁気記録テープは、システムごとに決められており、いわゆるDLT型、3480型、3490型、3590型、QIC型、D8型又はDDS型対応の磁気記録テープが知られている。そしてどのシステムにおいても、用いられる磁気記録テープは非磁性支持体の一方の面に膜厚が2.0〜3.0μmと比較的厚い単層構造の強磁性粉末と結合剤とを含む磁性層が設けられており、また磁性層とは反対側の面には、巻き乱れの防止や良好な走行耐久性を保つためのバックコート層が設けられている。しかし一般に上記のように比較的厚い単層構造の磁性層においては、出力が低下するという厚み損失の問題がある。
【0005】
このような磁性層の厚み損失による再生出力の低下を改良するために、磁性層を薄層化することが知られており、例えば、特開平5ー182178号公報には非磁性支持体上に無機質粉末を含み、結合剤に分散してなる下層非磁性層と該非磁性層が湿潤状態にある内に強磁性粉末を結合剤に分散してなる1.0μm以下の厚みの上層磁性層を設けた磁気記録媒体が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、磁気記録ディスク又は磁気記録テープの急速な大容量化、高密度化に伴い、上記のような技術を以ってしても満足できる特性を得ることが難しくなってきた。特に線記録密度を高め、かつ、高周波数で記録を行うことで、高容量化と高データ転送速度を両立しようとすると従来の媒体では充分な記録再生特性を得ることが困難である。
かくして本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、高いデータ転送速度の条件下であっても、磁気記録媒体に高密度記録でき、MRヘッドで再生した場合に充分な記録再生特性を得ることのできる磁気記録再生方法の提供することにある。また、本発明の別の目的は、前記磁気記録再生方法に用いることを特徴とする磁気記録媒体媒体を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、電磁変換特性が良好で、特に高周波数で磁気記録された信号を磁気抵抗ヘッド(以下、MRヘッドという。)により再生する場合に非常に優れた電磁変換特性を有する磁気記録媒体を得る方法を鋭意検討した。その結果、所定の要件を満たす磁気記録媒体に磁気記録された所定の周波数を有する信号をMRヘッドで再生すれば、これまでの技術では得られなかった、優れた高密度特性を得ることができる方法を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
すなわち、本発明は、磁気記録媒体に磁気記録された信号を磁気抵抗ヘッド(MRヘッド)により再生する磁気記録再生方法であって、前記磁気記録媒体は、非磁性支持体の少なくとも一方の面に実質的に非磁性である下層と、六方晶フェライト強磁性粉末及び結合剤を含む磁性層とをこの順に有し、かつ、前記六方晶フェライト強磁性粉末の平均板径が15〜40nm、平均板厚が4〜15nmであり、前記磁性層の抗磁力Hcが143.3〜318.4kA/m(1800〜4000 Oe)である磁気記録媒体であり、前記磁気記録された信号の最大記録周波数が10〜80MHzであることを特徴とする前記方法に関する。
【0009】
また、本発明の方法の好ましい態様としては、次のようなものが挙げられる。
(1)六方晶フェライト強磁性粉末の平均板径が20〜35nm、平均板厚が7〜12nmであって、磁性層の抗磁力Hcが159.2〜278.6kA/m(2000〜3500 Oe)である磁気記録再生方法。
(2)前記磁気記録媒体がテープ状磁気記録媒体であり、前記六方晶フェライト強磁性粉末の角形比が0.6〜0.9である磁気記録再生方法。
(3)前記磁気記録媒体がディスク状磁気記録媒体であり、前記六方晶フェライト強磁性粉末の角形比が0.45〜0.65である磁気記録再生方法。
【0010】
また本発明は、非磁性支持体の少なくとも一方の面に実質的に非磁性である下層と、六方晶フェライト強磁性粉末及び結合剤を含む磁性層とをこの順に有し、かつ、前記六方晶フェライト強磁性粉末の平均板径が15〜40nm、平均板厚が4〜15nmであり、前記磁性層の抗磁力Hcが143.3〜318.4kA/m(1800〜4000 Oe)である磁気録媒体媒体であって、10〜80MHzの最大記録周波数を有する信号を磁気記録し、該磁気記録された信号を磁気抵抗ヘッド(MRヘッド)により再生する磁気記録再生方法に用いることを特徴とする磁気記録媒体に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の磁気記録再生方法及びその方法に用いる磁気記録媒体についてさらに詳細に説明する。
【0012】
本発明では、10〜80MHzの最大記録周波数で磁気記録媒体に磁気記録する。磁気記録媒体に磁気記録される信号は、最大記録周波数が10〜80MHzであり、15〜60MHzであることが好ましく、20〜40MHzであることがさらに好ましい。磁気記録される信号の最大記録周波数が10〜80MHzの範囲内にあれば、磁気記録媒体に磁気記録された当該信号をMRヘッドで再生した場合に優れた高密度特性が得られる。すなわち、磁気記録される最大記録周波数を10MHz以上とすることで、データ転送速度の高速化を図ることができる。また、磁気記録される最大記録周波数を80MHz以下とすることにより、六方晶フェライト強磁性粉末の磁気粘性の影響を抑えることができ、良好な磁気記録を実現することができる。
この場合の磁気記録媒体とMRヘッドの相対速度は、一般には3m/s以上であり、好ましくは10m/s以上である。この相対速度は磁気記録ディスクではディスク回転速度、磁気記録テープではテープ搬送速度又はシリンダ回転速度により制御される。
【0013】
本発明の方法では磁性体として六方晶フェライト強磁性粉末を用いる。六方晶フェライトは、非常に高い抗磁力Hcを有し、化学安定性、耐蝕性、高硬度に起因する耐摩擦性に優れている。したがって、六方晶フェライト強磁性粉末を用いた磁気記録媒体であれば、高密度化に伴う磁気スペースシングの減少のニーズにも合致し、薄膜化の実現、並びに高C/N及び分解能を期待できる。
【0014】
本発明で用いられる六方晶フェライト強磁性粉末の平均板径は、15〜40nmの範囲であり、20〜35nmであることが好ましく、20〜30nmであることがさらに好ましい。また、六方晶フェライト強磁性粉末の板厚は、4〜15nmであり、7〜12nmであることが好ましく、7〜10nmであることがさらに好ましい。
六方晶フェライト強磁性粉末の平均板径が15nmより小さいと、熱揺らぎのため安定な磁化が望めない。一方、平均板径が40nm以下であれば、ノイズが高くなったり、充填度が低くなったることもなく高密度磁気記録に好適である。また、六方晶フェライト強磁性粉末の板厚が7nm以上であれば、充分な配向性を得ることができ、板厚が15nm以下であれば、粒子間のスタッキングによりノイズが大きくなることもない。そして、六方晶フェライト強磁性粉末の平均板径及び板厚が上記範囲内にあれば、磁気異方性を維持することができるため、抗磁力Hcが低下することがない。
【0015】
本発明における六方晶フェライト強磁性粉末を含む磁性層の抗磁力(Hc)は、143.3〜318.4kA/m(1800〜4000 Oe)であるが、好ましくは159.2〜278.6kA/m(2000〜3500 Oe)であり、さらに好ましくは175.1〜238.8kA/m(2200〜3000 Oe)である。磁性層の抗磁力Hcが上記範囲以内にあれば、記録減磁を受けて出力が低下することもなく、また、MRヘッドによる記録もスムーズに行え、かつ出力の低下を防ぐことができる。
【0016】
デープ状磁気記録媒体の場合、角形比(SQ)は0.6〜0.9であることが好ましい。角形比が0.6以上であれば再生出力を大きくできるため好ましい。角形比(SQ)の上限値は特に制限されないが、0.9以下であればバリウムフェライトのスタッキングによるノイズ増加を抑えることができるため好ましい。また、ディスク状磁気記録媒体ではランダム配向を行う場合、角形比(SQ)が0.45〜0.65であることが好ましく、角形比(SQ)がディスク内で等方化されていることが好ましい。また円周配向を行う場合は、角形比(SQ)は円周方向に磁気テープ記録媒体と同じく0.6〜0.9であることが好ましい。
【0017】
本発明の方法は、磁気記録媒体に磁気記録された信号をMRヘッドにより再生する。本発明の方法に用いられるMRヘッドには特に制限はなく、例えばGMRヘッドやTMRヘッドを用いることもできる。また、磁気記録に用いるヘッドについては特に制限はないが、飽和磁化量が1.0T以上であり、1.5T以上であることが好ましい。
【0018】
次に本発明で用いられる磁気記録媒体の磁性層、下層、非磁性支持体、層構成、製法及び物理特性についてさらに詳細に説明する。
【0019】
[磁性層]
<六方晶フェライト微粉末>
本発明の磁性層に含まれる六方晶フェライト強磁性粉末には、例えば、バリウムフェライト、ストロンチウムフェライト、鉛フェライト、カルシウムフェライトの各置換体、Co置換体等がある。より具体的には、マグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト、スピネルで粒子表面を被覆したマグネトプランバイト型フェライト、さらに一部にスピネル相を含有したマグネトプランバイト型のバリウムフェライト及びストロンチウムフェライト等が挙げられる。その他、所定の原子以外にAl、Si、S,Sc、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、B、Ge、Nbなどの原子を含んでもかまわない。一般には、Co−Zn、Co−Ti、Co−Ti−Zr、Co−Ti−Zn、Ni−Ti−Zn、Nb−Zn−Co、Sb−Zn−Co、Nb−Zn等の元素を添加した物を使用できる。また原料・製法によっては特有の不純物を含有するものもある。
【0020】
六方晶フェライトの粒子サイズは、六角板の平均粒径で15〜40nm、好ましくは20〜35nmである。また平均板径は、前記のとおり15〜40nm、好ましくは20〜35nm、より好ましくは20〜30nmである。また平均板厚は、前記のとおり4〜15nm、好ましくは7〜12nm、より好ましくは7〜10nmである。板状比(板径/板厚)は、1〜10であり、2〜5であることが好ましい。板状比が1〜10であれば、磁性層で高充填性を保持しながら充分な配向性が得られ、かつ、粒子間のスタッキングによりノイズ増大を抑えることができる。また、上記粒子サイズの範囲内におけるBET法による比表面積は10〜200m2/gである。この比表面積は、概ね粒子板径と板厚からの計算値と符号する。
【0021】
六方晶フェライト粒子の粒子板径・板厚の分布は、通常狭いほど好ましい。粒子板径・板厚を数値化することは困難であるが、粒子TEM写真より500粒子を無作為に測定することで比較することができる。粒子板径・板厚の分布は正規分布ではない場合が多いが、計算して平均サイズに対する標準偏差で表すと、σ/平均サイズ=0.1〜2.0である。粒子サイズ分布をシャープにするには、粒子生成反応系をできるだけ均一にすると共に、生成した粒子に分布改良処理を施すことも行われている。例えば、酸溶液中で超微細粒子を選別的に溶解する方法等も知られている。
【0022】
六方晶フェライト粒子の抗磁力(Hc)は、143.3〜318.4kA/m(1800〜4000 Oe)であるが、好ましくは159.2〜278.6kA/m(2000〜3500 Oe)であり、さらに好ましくは175.1〜238.8kA/m(2200〜3000 Oe)である。抗磁力(Hc)は、粒子サイズ(板径・板厚)、含有元素の種類と量、元素の置換サイト、粒子生成反応条件等により制御できる。
【0023】
六方晶フェライト粒子の飽和磁化(σs)は40〜80emu/gである。飽和磁化(σs)は高い方が好ましいが、微粒子になるほど小さくなる傾向がある。飽和磁化(σs)の改良のため、マグネトプランバイトフェライトにスピネルフェライトを複合することや、含有元素の種類と添加量の選択等がよく知られている。またW型六方晶フェライトを用いることも可能である。磁性体を分散する際に磁性体粒子表面を分散媒、ポリマーに合った物質で処理することも行われている。表面処理剤としては、無機化合物及び有機化合物が使用される。主な化合物としてはSi、Al、P等の酸化物又は水酸化物、各種シランカップリング剤、各種チタンカップリング剤が代表例である。添加量は磁性体の質量に対して0.1〜10質量%である。磁性体のpHも分散に重要である。通常4〜12程度で分散媒、ポリマーにより最適値があるが、媒体の化学的安定性、保存性から6〜11程度が選択される。磁性体に含まれる水分も分散に影響する。分散媒、ポリマーにより最適値があるが通常0.01〜2.0%が選ばれる。
【0024】
六方晶フェライト強磁性粉末の製法としては、▲1▼酸化バリウム・酸化鉄・鉄を置換する金属酸化物とガラス形成物質として酸化ホウ素等を所望のフェライト組成になるように混合した後溶融し、急冷して非晶質体とし、次いで再加熱処理した後、洗浄・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得ガラス結晶化法。▲2▼バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後100℃以上で液相加熱した後洗浄・乾燥・粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る水熱反応法。▲3▼バリウムフェライト組成金属塩溶液をアルカリで中和し、副生成物を除去した後乾燥し1100℃以下で処理し、粉砕してバリウムフェライト結晶粉体を得る共沈法等があるが、本発明は製法を選ばない。六方晶フェライト強磁性粉末は、必要に応じ、Al、Si、P又はこれらの酸化物などで表面処理を施してもかまわない。その量は強磁性粉末に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m2以下になり好ましい。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的に無い方が好ましいが、200ppm以下であれば特に特性に影響を与えることは少ない。
【0025】
<結合剤>
本発明の磁性層に用いられる結合剤は、従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物である。
熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が1000〜200000、好ましくは10000〜100000、重合度が約50〜1000程度のものである。このような熱可塑性樹脂としては、例えば、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクルリ酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル等を構成単位として含む重合体又は共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂を挙げることができる。
【0026】
また、熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては、例えば、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等を挙げることができる。熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂及び反応型樹脂については、いずれも朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。
【0027】
また、電子線硬化型樹脂を各層に使用すると、塗膜強度が向上し耐久性が改善されるだけでなく、表面が平滑し電磁変換特性もさらに向上する。これらの例とその製造方法については、特開昭62−256219号公報に詳細に記載されている。以上の樹脂は単独又は組み合わせて使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂の組み合せ、又はこれらにポリイソシアネートを組み合わせたものが挙げられる。
【0028】
前記ポリウレタン樹脂の構造は、ポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用できる。ここに示したすべての結合剤について、より優れた分散性と耐久性を得るためには、必要に応じて−COOM、−SO3M、−OSO3M、−P=O(OM)2、−O−P=O(OM)2(以上につき、Mは水素原子又はアルカリ金属塩基)、−OH、−NR2、−N+3(Rは炭化水素基)、エポキシ基、−SH、−CNなどから選ばれる少なくとも1つ以上の極性基を共重合又は付加反応で導入したものを用いることが好ましい。このような極性基の量は10-1〜10-8モル/gであり、好ましくは10-2〜10-6モル/gである。
【0029】
結合剤の具体例としては、例えば、ユニオンカーバイト社製 VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、VYES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、PKHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業社製 MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TAL、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製1000W、DX80、DX81、DX82、DX83、100FD、日本ゼオン社製 MR−104、MR−105、MR110、MR100、MR555、400X−110A、日本ポリウレタン社製 ニッポランN2301、N2302、N2304、大日本インキ社製 パンデックスT−5105、T−R3080、T−5201、バーノックD−400、D−210−80、クリスボン6109、7209、東洋紡社製 バイロンUR8200、UR8300、UR−8700、RV530、RV280、大日精化社製 ダイフェラミン4020、5020、5100、5300、9020、9022、7020、三菱化成社製MX5004、三洋化成社製 サンプレンSP−150、旭化成社製 サランF310、F210などを挙げることができる。
【0030】
本発明の磁性層に用いられる結合剤の添加量は、六方晶フェライト強磁性粉末の質量に対して5〜50質量%の範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲である。塩化ビニル系樹脂を用いる場合は、5〜30質量%、ポリウレタン樹脂合を用いる場合は2〜20質量%、ポリイソシアネートは2〜20質量%の範囲でこれらを組み合わせて用いることが好ましいが、例えば、微量の脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合には、ポリウレタンのみ又はポリウレタンとイソシアネートのみを使用することも可能である。本発明において、ポリウレタンを用いる場合はガラス転移温度が−50〜150℃、好ましくは0〜100℃、破断伸びが100〜2000%、破断応力は0.49〜98MPa(0.05〜10kg/mm2)、降伏点は0.49〜98MPa(0.05〜10kg/mm2)が好ましい。
【0031】
本発明で用いる磁気記録媒体は、下層及び磁性層の二層以上からなる。したがって、結合剤量、結合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート、あるいはそれ以外の樹脂量、磁性層を形成する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べた樹脂の物理特性などを必要に応じ下層、各磁性層とで変えることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきであり、多層磁性層に関する公知技術を適用できる。例えば、各層で結合剤量を変更する場合、磁性層表面の擦傷を減らすためには磁性層の結合剤量を増量することが有効であり、ヘッドに対するヘッドタッチを良好にするためには、下層の結合剤量を多くして柔軟性を持たせることができる。
【0032】
本発明で使用可能なポリイソシアネートとしては、例えば、トリレンジイソシアネート、4−4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を挙げることができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製 コロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMRミリオネートMTL、武田薬品社製 タケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202、住友バイエル社製 デスモジュールL,デスモジュールIL、デスモジュールNデスモジュールHL等がありこれらを単独又は硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組み合せで各層とも用いることができる。
【0033】
本発明における磁性層には、必要に応じて添加剤を加えることができる。添加剤としては、カーボンブラック、研磨剤、潤滑剤、分散剤・分散助剤、防黴剤、帯電防止剤、酸化防止剤、溶剤などを挙げることができる。
【0034】
<カーボンブラック>
本発明における磁性層には、必要に応じてカーボンブラックを添加することができる。
磁性層で使用可能なカーボンブラックとしては、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。比表面積は5〜500m2/g、DBP吸油量は10〜400ml/100g、粒子径は5〜300mμ、pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
【0035】
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、905、800、700、VULCAN XC−72、旭カーボン社製 #80、#60、#55、#50、#35、三菱化成工業社製 #2400B、#2300、#900、#1000、#30、#40、#10B、コロンビアンカーボン社製 CONDUCTEX SC、RAVEN150、50、40、15、RAVEN−MT−P、日本EC社製 ケッチェンブラックECなどが挙げられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは単独又は組み合せで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合、磁性体の質量に対して0.1〜30質量%で用いることが好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。したがって本発明で使用されるこれらのカーボンブラックは、磁性層及び下層でその種類、量、組み合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、PHなどの先に示した諸特性を基に目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。
本発明の磁性層で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編 を参考にすることができる。
【0036】
<研磨剤>
さらに磁性層中には、磁性層の機械的強度を高め、かつ、磁気ヘッドの目詰まりを防ぐために研磨材を含有することができる。本発明に用いられる研磨剤は、α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素など、主としてモース硬度6以上の公知の材料が単独又は組み合せで使用される。また、これらの研磨剤どうしの複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これらの研磨剤には主成分以外の化合物又は元素が含まれる場合もあるが、主成分が90%以上であれば効果に変わりはない。これら研磨剤の粒子サイズは0.01〜2μmが好ましく、特に電磁変換特性を高めるためには、その粒度分布が狭い方が好ましい。また耐久性を向上させるには必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることも可能である。タップ密度は0.3〜2g/ml、含水率は0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m2/gが好ましい。本発明に用いられる研磨剤の形状は、針状、球状、サイコロ状のいずれでもよいが、形状の一部に角を有するものが研磨性が高く好ましい。
【0037】
研磨剤の具体例としては、住友化学社製 AKP−12、AKP−15、AKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT20、HIT−30、HIT−55、HIT60、HIT70、HIT80、HIT100、レイノルズ社製 ERC−DBM、HP−DBM、HPS−DBM、不二見研磨剤社製 WA10000、上村工業社製 UB20、日本化学工業社製 G−5、クロメックスU2、クロメックスU1、戸田工業社製 TF100、TF140、イビデン社製ベータランダムウルトラファイン、昭和鉱業社製 B−3などを挙げることができる。これらの研磨剤は、必要に応じ下層に添加することもできる。下層に添加することで表面形状を制御したり、研磨剤の突出状態を制御したりすることができる。これら磁性層、下層の添加する研磨剤の粒径、量はむろん最適値に設定すべきものである。
【0038】
<その他の添加剤>
本発明の磁性層には、その他、二硫化モリブデン、二硫化タングステングラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステル及びそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、αナフチル燐酸、フェニル燐酸、ジフェニル燐酸、p−エチルベンゼンホスホン酸、フェニルホスフィン酸、アミノキノン類、各種シランカップリング剤、チタンカップリング剤、フッ素含有アルキル硫酸エステル及びそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)及びこれらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)、又は炭素数12〜22の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)、炭素数12〜22のアルコキシアルコール、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもかまわない)とからなるモノ脂肪酸エステル又はジ脂肪酸エステル又はトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミンなどの添加剤を添加することができる。
【0039】
これらの具体例としては、脂肪酸では、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸などが挙げられる。エステル類では、ブチルステアレート、オクチルステアレート、アミルステアレート、イソオクチルステアレート、ブチルミリステート、オクチルミリステート、ブトキシエチルステアレート、ブトキシジエチルステアレート、2ーエチルヘキシルステアレート、2ーオクチルドデシルパルミテート、2ーヘキシルドデシルパルミテート、イソヘキサデシルステアレート、オレイルオレエート、ドデシルステアレート、トリデシルステアレート、エルカ酸オレイル、ネオペンチルグリコールジデカノエート、エチレングリコールジオレイル、アルコール類ではオレイルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコールなどが挙げられる。また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウム又はスルホニウム類等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸又は燐酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。
【0040】
本発明で使用される上記潤滑剤、界面活性剤は、個々に異なる物理的作用を有するものであり、その種類、量、及び相乗的効果を生み出す潤滑剤の併用比率は目的に応じ最適に定められるべきものである。例えば、下層と磁性層とで融点の異なる脂肪酸を用いて表面へのにじみ出しを制御したり、沸点、融点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御したり、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させたり、潤滑剤の添加量を中間層で多くして潤滑効果を向上させたり、などが考えられ、無論ここに示した例のみに限られるものではない。一般には潤滑剤の総量として磁性体又は非磁性粉体に対し、0.1〜50質量%、好ましくは2〜25質量%の範囲で選択される。
【0041】
また本発明で用いられる添加剤のすべて又はその一部は、磁性層用塗料及び下層用塗料製造のどの工程で添加してもかまわない。例えば、混練工程前に磁性体と混合する場合、磁性体と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。また、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時又は逐次塗布で、添加剤の一部又は全部を塗布することにより目的が達成される場合がある。また、目的によってはカレンダーした後、又はスリット終了後、磁性層表面に潤滑剤を塗布することもできる。
【0042】
本発明で用いられる有機溶剤は公知のものが使用できる。本発明で用いられる有機溶媒は、任意の比率でアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、テトラヒドロフラン、等のケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、イソプロピルアルコール、メチルシクロヘキサノール、などのアルコール類、酢酸メチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル、酢酸イソプロピル、乳酸エチル、酢酸グリコール等のエステル類、グリコールジメチルエーテル、グリコールモノエチルエーテル、ジオキサン、などのグリコールエーテル系、ベンゼン、トルエン、キシレン、クレゾール、クロルベンゼン、などの芳香族炭化水素類、メチレンクロライド、エチレンクロライド、四塩化炭素、クロロホルム、エチレンクロルヒドリン、ジクロルベンゼン等の塩素化炭化水素類、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサン等を使用することができる。
【0043】
これら有機溶媒は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物、水分等の不純分が含まれてもかまわない。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。本発明で用いる有機溶媒は磁性層と非磁性層でその種類は同じであることが好ましい。その添加量は変えてもかまわない。非磁性層に表面張力の高い溶媒(シクロヘキサノン、ジオキサンなど)を用い塗布の安定性を上げる、具体的には上層溶剤組成の算術平均値が下層溶剤組成の算術平均値を下回らないことが肝要である。分散性を向上させるためにはある程度極性が強い方が好ましく、溶剤組成の内、誘電率が15以上の溶剤が50%以上含まれることが好ましい。また、溶解パラメータは8〜11であることが好ましい。
【0044】
[下層]
次に下層に関する詳細な内容について説明する。本発明の磁気記録媒体における下層は、実質的に非磁性である。なお、本明細書において「実質的に非磁性である下層」とは、記録に関与しない程度に磁性を持っていても良いという意味であり、非磁性層と同義である。
本発明の下層に用いられる無機粉末は、非磁性粉末であり、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等の無機質化合物から選択することができる。無機化合物としては、例えば、α化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、ヘマタイト、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単独又は組み合せで使用される。特に好ましいのは、粒度分布の小ささ、機能付与の手段が多いこと等から、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、さらに好ましいのは二酸化チタン、α酸化鉄である。
【0045】
これら非磁性粉末の粒子サイズは0.005〜2μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましいのは非磁性粉末の粒子サイズは0.01〜0.2μmである。特に、非磁性粉末が粒状金属酸化物である場合は、平均粒子径0.08μm以下が好ましく、針状金属酸化物である場合は、長軸長が0.3μm以下が好ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。タップ密度は0.05〜2g/mlであり、好ましくは0.2〜1.5g/mlである。非磁性粉末の含水率は0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜3質量%、さらに好ましくは0.3〜1.5質量%である。非磁性粉末のpHは2〜11であるが、pHは5.5〜10の間が特に好ましい。非磁性粉末の比表面積は1〜100m2/gであり、好ましくは5〜80m2/gであり、さらに好ましくは10〜70m2/gである。非磁性粉末の結晶子サイズは0.004〜1μmが好ましく、0.04〜0.1μmがさらに好ましい。DBP(ジブチルフタレート)を用いた吸油量は5〜100ml/100g、好ましくは10〜80ml/100g、さらに好ましくは20〜60ml/100gである。非磁性粉末の比重は1〜12であり、好ましくは3〜6である。非磁性粉末の形状は、針状、球状、多面体状、板状のいずれでもよい。モース硬度は4〜10が好ましい。非磁性粉末のSA(ステアリン酸)吸着量は1〜20μmol/m2であり、好ましくは2〜15μmol/m2、さらに好ましくは3〜8μmol/m2である。pHは3〜6の間にあることが好ましい。これらの非磁性粉末の表面にはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2、SnO2、Sb23、ZnO、Y23で表面処理することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl23、SiO2、TiO2、ZrO2であるが、さらに好ましいのはAl23、SiO2、ZrO2である。これらは組み合わせて使用してもよいし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いてもよいし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、又はその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
【0046】
本発明の下層に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、例えば、昭和電工製 ナノタイト、住友化学製 HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製 αヘマタイトDPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPN−500BX、DBN−SA1、DBN−SA3、石原産業製 酸化チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、αヘマタイトE270、E271、E300、E303、チタン工業製 酸化チタンSTT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、αヘマタイトα−40、テイカ製 MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−100F、MT−500HD、堺化学製 FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業製 DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製 AS2BM、TiO2P25、宇部興産製 100A、500A、及びそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
【0047】
本発明の下層にはさらにカーボンブラックを混合させることができる。カーボンブラックを混合させることにより、公知の効果である表面電気抵抗(Rs)を下げ、光透過率を小さくすると共に、所望のマイクロビッカース硬度を得ることができる。また、下層にカーボンブラックを含ませることで潤滑剤貯蔵の効果をもたらすことも可能である。カーボンブラックの種類は、ゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック等を用いることができる。下層のカーボンブラックは所望する効果によって、以下のような特性を最適化すべきであり、併用することでより効果が得られることがある。
【0048】
下層のカーボンブラックの比表面積は、100〜500m2/gであり、好ましくは150〜400m2/gである。またDBP吸油量は、20〜400ml/100gであり、好ましくは30〜400ml/100gである。カーボンブラックの粒子径は5〜80mμ、好ましく10〜50mμ、さらに好ましくは10〜40mμである。カーボンブラックのpHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。
【0049】
本発明に用いられるカーボンブラックの具体的な例としては、キャボット社製BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化成工業社製 #3050B、#3150B、#3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B、#970B、#850B、MA−600、MA−230、#4000、#4010、コンロンビアカーボン社製 CONDUCTEX SC、RAVEN 8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、アクゾー社製 ケッチェンブラックECなどが挙げられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもかまわない。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもかまわない。これらのカーボンブラックは上記無機質粉末に対して50質量%を越えない範囲、非磁性層総質量の40%を越えない範囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単独又は組み合せで使用することができる。本発明で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
【0050】
下層には有機質粉末を目的に応じて添加することもできる。例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は、特開昭62−18564号公報、特開昭60−255827号公報に記されているようなものが使用できる。
【0051】
下層の結合剤樹脂、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は、磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤樹脂量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
【0052】
[バックコート層]
一般に、コンピュータデータ記録用の磁気テープは、ビデオテープ、オーディオテープに比較して繰り返し走行性が強く要求される。このような高い走行耐久性を維持させるために、バックコート層には、カーボンブラックと無機粉末が含有されていることが好ましい。
【0053】
<カーボンブラック>
カーボンブラックは、平均粒子サイズの異なる二種類のものを組み合わせて使用することが好ましい。この場合、平均粒子サイズが10〜20nm(mμ)の微粒子状カーボンブラックと平均粒子サイズが230〜300nm(mμ)の粗粒子状カーボンブラックを組み合わせて使用することが好ましい。一般に、上記のような微粒子状のカーボンブラックの添加により、バックコート層の表面電気抵抗を低く設定でき、また光透過率も低く設定できる。磁気記録装置によっては、テープの光透過率を利用し、動作の信号に使用しているものが多くあるため、このような場合には特に微粒子状のカーボンブラックの添加は有効になる。また微粒子状カーボンブラックは一般に液体潤滑剤の保持力に優れ、潤滑剤併用時、摩擦係数の低減化に寄与する。一方、粒子サイズが230〜300nm(mμ)の粗粒子状カーボンブラックは、固体潤滑剤としての機能を有しており、またバック層の表面に微小突起を形成し、接触面積を低減化して、摩擦係数の低減化に寄与する。しかし粗粒子状カーボンブラックは、過酷な走行系では、テープ摺動により、バックコート層からの脱落が生じ易くなり、エラー比率の増大につながる欠点を有している。
【0054】
微粒子状カーボンブラックの具体的な商品としては、以下のものを挙げることができる。
RAVEN2000B(18nm(mμ))、RAVEN1500B(17nm(mμ))(以上、コロンビアカーボン社製)、BP800(17nm(mμ))(キャボット社製)、PRINNTEX90(14nm(mμ))、PRINTEX95(15nm(mμ))、PRINTEX85(16nm(mμ))、PRINTEX75(17nm(mμ))(以上、デグサ社製)、#3950(16nm(mμ))(三菱化成工業(株)製)。
【0055】
また粗粒子カーボンブラックの具体的な商品の例としては、サーマルブラック(270nm(mμ))(カーンカルブ社製)、RAVEN MTP(275nm(mμ))(コロンビアカーボン社製)を挙げることができる。
【0056】
バックコート層において、平均粒子サイズの異なる二種類のものを使用する場合、10〜20nm(mμ)の微粒子状カーボンブラックと230〜300nm(mμ)の粗粒子状カーボンブラックの含有比率(質量比)は、前者:後者=98:2〜75:25の範囲にあることが好ましく、95:5〜85:15の範囲であることがさらに好ましい。
【0057】
バックコート層中のカーボンブラック(二種類のものを使用する場合には、その全量)の含有量は、結合剤100質量部に対して、通常30〜80質量部の範囲であり、好ましくは、45〜65質量部の範囲である。
【0058】
<無機粉末>
無機粉末は、硬さの異なる二種類のものを併用することが好ましい。具体的には、モース硬度3〜4.5の軟質無機粉末とモース硬度5〜9の硬質無機粉末とを使用することが好ましい。
モース硬度が3〜4.5の軟質無機粉末を添加することで、繰り返し走行による摩擦係数の安定化を図ることができる。しかもこの範囲の硬さでは、摺動ガイドポールが削られることもない。またこの無機粉末の平均粒子サイズは、30〜50nm(mμ)の範囲にあることが好ましい。モース硬度が3〜4.5の軟質無機粉末としては、例えば、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、珪酸カルシウム、硫酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸亜鉛、及び酸化亜鉛を挙げることができる。これらは、単独で、あるいは二種以上を組み合わせて使用することができる。これらの中では、特に、炭酸カルシウムが好ましい。
バックコート層内の軟質無機粉末の含有量は、カーボンブラック100質量部に対して10〜140質量部の範囲にあることが好ましく、35〜100質量部であることがさらに好ましい。
【0059】
モース硬度が5〜9の硬質無機粉末を添加することにより、バックコート層の強度が強化され、走行耐久性が向上する。これらの無機粉末をカーボンブラックや前記軟質無機粉末と共に使用すると、繰り返し摺動に対しても劣化が少なく、強いバックコート層となる。またこの無機粉末の添加により、適度の研磨力が付与され、テープガイドポール等への削り屑の付着が低減する。特に軟質無機粉末(中でも、炭酸カルシウム)と併用すると、表面の粗いガイドポールに対しての摺動特性が向上し、バックコート層の摩擦係数の安定化も図ることができる。硬質無機粉末は、その平均粒子サイズが80〜250nm(mμ)であることが好ましく、100〜210nm(mμ)であることがさらに好ましい。
【0060】
モース硬度が5〜9の硬質無機質粉末としては、例えば、α−酸化鉄、α−アルミナ、及び酸化クロム(Cr23)を挙げることができる。これらの粉末は、それぞれ単独で用いても良いし、あるいは併用しても良い。これらの内では、α−酸化鉄又はα−アルミナが好ましい。硬質無機粉末の含有量は、カーボンブラック100質量部に対して通常3〜30質量部であり、好ましくは、3〜20質量部である。
【0061】
バックコート層に前記軟質無機粉末と硬質無機粉末とを併用する場合、軟質無機粉末と硬質無機粉末との硬さの差が2以上(さらに好ましくは2.5以上、特に3以上)であるように軟質無機粉末と硬質無機粉末とを選択して使用することが好ましい。
【0062】
バックコート層には、前記それぞれ特定の平均粒子サイズを有するモース硬度の異なる二種類の無機粉末と、前記平均粒子サイズの異なる二種類のカーボンブラックとが含有されていることが好ましい。特に、この組み合せにおいて、軟質無機粉末として炭酸カルシウムが含有されていることが好ましい。
【0063】
バックコート層には、潤滑剤を含有させることができる。潤滑剤は、前述した下層あるいは磁性層に使用できる潤滑剤として挙げた潤滑剤の中から適宜選択して使用できる。バックコート層において、潤滑剤は、結合剤100質量部に対して通常1〜5質量部の範囲で添加される。
【0064】
[非磁性支持体]
本発明に用いられる非磁性支持体は、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリアラミド、芳香族ポリアミド、ポリベンゾオキサゾールなどの公知のフィルムが使用できる。ポリエチレンナフタレート、ポリアミドなどの高強度支持体を用いることが好ましい。また必要に応じ、磁性面とベース面の表面粗さを変えるため特開平3−224127号公報に示されるような積層タイプの支持体を用いることもできる。これらの非磁性支持体には、あらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理などを行ってもよい。また本発明の非磁性支持体としてアルミ又はガラス基板を適用することも可能である。
【0065】
本発明の目的を達成するには、非磁性支持体としてWYKO社製TOPO−3Dのmirau法で測定した中心面平均表面粗さはSRaは8.0nm以下、好ましくは4.0nm以下、さらに好ましくは2.0nm以下のものを使用する必要がある。これらの非磁性支持体は、単に中心面平均表面粗さが小さいだけではなく、0.5μm以上の粗大突起がないことが好ましい。また表面の粗さ形状は必要に応じて支持体に添加されるフィラーの大きさと量により自由にコントロールされるものである。これらのフィラーとしては一例としてはCa、Si、Tiなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機微粉末が挙げられる。支持体の最大高さSRmaxは1μm以下、十点平均粗さSRzは0.5μm以下、中心面山高さはSRpは0.5μm以下、中心面谷深さSRvは0.5μm以下、中心面面積率SSrは10%以上、90%以下、平均波長Sλaは5μm以上、300μm以下が好ましい。所望の電磁変換特性と耐久性を得るため、これら支持体の表面突起分布をフィラーにより任意にコントロールできるものであり、0.01〜1μmの大きさのもの各々を0.1mm2あたり0〜2000個の範囲でコントロールすることができる。
【0066】
本発明に用いられる非磁性支持体のF−5値は好ましくは49〜490MPa(5〜50kg/mm2、また、支持体の100℃30分での熱収縮率は好ましくは3%以下、さらに好ましくは1.5%以下、80℃30分での熱収縮率は好ましくは0.5%以下、さらに好ましくは0.1%以下である。破断強度は49〜980MPa(5〜100kg/mm2)、弾性率は0.98〜19.6GPa(100〜2000kg/mm2)、が好ましい。温度膨張係数は10-4〜10-8/℃であり、好ましくは10-5〜10-6/℃である。湿度膨張係数は10-4/RH%以下であり、好ましくは10-5/RH%以下である。これらの熱特性、寸法特性、機械強度特性は支持体の面内各方向に対し10%以内の差でほぼで等しいことが好ましい。
【0067】
[層構成]
本発明で用いられる磁気記録媒体の厚み構成は、非磁性支持体が2〜100μmであり、好ましくは2〜80μmである。コンピュータテープの非磁性支持体は、3.0〜6.5μm(好ましくは、3.0〜6.0μm、さらに好ましくは、4.0〜5.5μm)の範囲の厚さのものが使用される。
【0068】
本発明で用いられる磁気記録媒体は、非磁性支持体と下層又は磁性層の間に密着性向上のための下塗り層を設けてもかまわない。下塗り層の厚みは0.01〜0.5μm、好ましくは0.02〜0.5μmである。本発明で用いられる磁気記録媒体は、非磁性支持体の両面に非磁性層及び磁性層を有する両面磁性層ディスク状媒体であっても、片面のみに設けてもかまわない。この場合、帯電防止やカール補正などの効果を出すために下層、磁性層側と反対側にバックコート層を設けてもかまわない。この厚みは0.1〜4μm、好ましくは0.3〜2.0μmである。これらの下塗り層、バックコート層は公知のものが使用できる。
【0069】
磁性層の厚みは、高密度記録の磁気記録方式や磁気ヘッドから要求される性能に整合するように0.01〜0.3μmの薄層に選択されるが、好ましくは0.03〜0.2μm、さらに好ましくは0.05〜0.15μmである。磁性層の厚み変動率は±20%以内が好ましく、さらに好ましくは±5%以内である。磁性層を異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
【0070】
下層の厚みは、0.2〜5.0μm、好ましくは0.3〜3.0μm、さらに好ましくは1.0〜2.5μmである。
なお、本発明の下層は、実質的に非磁性であればその効果を発揮するものであり、たとえば不純物として、あるいは意図的に少量の磁性体を含んでも、本発明の効果を示すものであり、本発明と実質的に同一の構成と見なすことができることは言うまでもない。
実質的に非磁性とは、具体的には下層の残留磁束密度が50T・m(500G)以下、又は抗磁力Hcが39.8kA/m(500 Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力をもたないことを示す。
【0071】
[製法]
本発明で用いられる磁気記録媒体の磁性層用塗料を製造する工程は、少なくとも混練工程、分散工程、及びこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上に分かれていてもかまわない。本発明で用いられる六方晶フェライト強磁性粉体、非磁性粉体、結合剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初又は途中で添加してもかまわない。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもかまわない。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。ニーダを用いる場合は磁性体又は非磁性粉体と結合剤のすべて又はその一部(但し、全結合剤の30%以上が好ましい)及び磁性体100質量部に対し15〜500質量部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細については特開平1−106338号公報、特開平1−79274号公報に記載されている。また、磁性層用液及び下層用液を分散させるには、ガラスビーズを用ることができる。このようなガラスビーズは、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
【0072】
本発明で重層構成の磁気記録媒体を塗布する場合、以下のような方式を用いることが好ましい。
(1)磁性層用塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布装置等により、まず下層を塗布し、下層がウェット状態のうちに特公平1−46186号公報や特開昭60−238179号公報、特開平2−265672号公報に開示されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により磁性層を塗布する方法。
(2)特開昭63−88080号公報、特開平2−17971号公報、特開平2−265672号公報に開示されているような塗布液通液スリットを二つ内蔵する一つの塗布ヘッドにより磁性層及び下層をほぼ同時に塗布する方法。
(3)特開平2−174965号公報に開示されているバックアップロール付きエクストルージョン塗布装置により磁性層及び下層をほぼ同時に塗布する方法。
【0073】
なお、磁性粒子の凝集による磁気記録媒体の電磁変換特性等の低下を防止するため、特開昭62−95174号公報や特開平1−236968号公報に開示されているような方法により塗布ヘッド内部の塗布液にせん断を付与することが望ましい。さらに、塗布液の粘度については、特開平3−8471号公報に開示されている数値範囲を満足する必要がある。本発明の構成を実現するには、下層を塗布し乾燥させたのち、その上に磁性層を設ける逐次重層塗布を用いてもむろんかまわず、本発明の効果が失われるものではない。ただし、塗布欠陥を少なくし、ドロップアウトなどの品質を向上させるためには、前述の同時重層塗布を用いることが好ましい。
【0074】
ディスク状磁気記録媒体の場合、配向装置を用いずに無配向であっても充分に等方的な配向性が得られることもあるが、コバルト磁石を斜めに交互に配置すること、ソレノイドで交流磁場を印加するなど公知のランダム配向装置を用いることが好ましい。等方的な配向とは強磁性金属微粉末の場合、一般的には面内2次元ランダムが好ましいが、垂直成分をもたせて3次元ランダムとすることもできる。六方晶フェライトの場合は一般的に面内及び垂直方向の3次元ランダムになりやすいが、面内2次元ランダムとすることも可能である。また異極対向磁石など公知の方法を用い、垂直配向とすることで円周方向に等方的な磁気特性を付与することもできる。特に高密度記録を行う場合は垂直配向が好ましい。またスピンコートを用い、演習配向しても良い。
【0075】
テープ状磁気記録媒体の場合は、コバルト磁石やソレノイドを用いて長手方向に配向する。乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できる様にすることが好ましく、塗布速度は20〜1000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい。また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行うこともできる。
【0076】
カレンダ処理ロールとして、エポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあるプラスチックロール又は金属ロールで処理するが、特に両面磁性層とする場合は金属ロールどうしで処理することが好ましい。処理温度は、好ましくは50℃以上であり、さらに好ましくは100℃以上である。線圧力は、好ましくは200kg/cm以上、さらに好ましくは300kg/cm以上である。
【0077】
[物理特性]
本発明に用いられる磁気記録媒体の磁性層の飽和磁束密度は100〜300T・m(1000〜3000G)である。また磁性層の抗磁力(Hc)は、143.3〜318.4kA/m(1800〜4000 Oe)であるが、好ましくは159.2〜278.6kA/m(2000〜3500 Oe)である。抗磁力の分布は狭い方が好ましく、SFD及びSFDrは0.6以下、さらに好ましくは0.2以下である。
【0078】
本発明で用いられる磁気記録媒体のヘッドに対する摩擦係数は、温度−10〜40℃、湿度0〜95%の範囲において0.5以下であり、好ましくは0.3以下である。また、表面固有抵抗は、好ましくは磁性面104〜1012Ω/sq、帯電位は−500V〜+500V以内が好ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜19.6GPa(100〜2000kg/mm2)、破断強度は、好ましくは98〜686MPa(10〜70kg/mm2)、磁気記録媒体の弾性率は、面内各方向で好ましくは0.98〜14.7GPa(100〜1500kg/mm2)、残留のびは、好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は、好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下、最も好ましくは0.1%以下である。
【0079】
磁性層のガラス転移温度(110Hzで測定した動的粘弾性測定の損失弾性率の極大点)は50〜120℃が好ましく、下層のそれは0〜100℃が好ましい。損失弾性率は1×107〜8×108Pa(1×108〜8×109dyne/cm2)の範囲にあることが好ましく、損失正接は0.2以下であることが好ましい。損失正接が大きすぎると粘着故障が発生しやすい。これらの熱特性や機械特性は媒体の面内各方向で10%以内でほぼ等しいことが好ましい。
【0080】
磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m2以下、さらに好ましくは10mg/m2以下である。塗布層が有する空隙率は非磁性下層、磁性層とも好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは20容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方が良い場合がある。例えば、繰り返し用途が重視されるディスク媒体では空隙率が大きい方が走行耐久性は好ましいことが多い。
【0081】
磁性層のTOPO−3Dのmirau法で測定した中心面表面粗さRaは、4.0nm以下であり、好ましくは3.0nm以下であり、さらに好ましくは2.0nm以下である。磁性層の最大高さSRmaxは、0.5μm以下、十点平均粗さSRzは0.3μm以下、中心面山高さSRpは0.3μm以下、中心面谷深さSRvは0.3μm以下、中心面面積率SSrは20〜80%、平均波長Sλaは5〜300μmが好ましい。磁性層の表面突起は0.01〜1μmの大きさのものを0〜2000個の範囲で任意に設定することが可能であり、これにより電磁変換特性、摩擦係数を最適化することが好ましい。これらは支持体のフィラーによる表面性のコントロールや磁性層に添加する粉体の粒径と量、カレンダ処理のロール表面形状などで容易にコントロールすることができる。カールは±3mm以内とすることが好ましい。
【0082】
本発明の磁気記録媒体における下層と磁性層と間では、目的に応じ下層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易に推定されることである。例えば、磁性層の弾性率を高くし走行耐久性を向上させると同時に下層の弾性率を磁性層より低くして磁気記録媒体のヘッドへの当りを良くするなどである。
【0083】
【実施例】
以下に本発明を実施例によりさらに具体的に説明する。なお、ここに示す成分、割合、操作、順序等は本発明の精神から逸脱しない範囲において変更し得るもので有ることは、本業界に携わるものにとっては容易に理解されることである。したがって本発明は下記の実施例に制限されるべきものではない。また、実施例中の「部」特に示さない限り質量部を示す。
【0084】
(実施例1〜17及び比較例1〜9)
磁性層用塗料
Figure 0004365547
【0085】
下層用塗料
Figure 0004365547
【0086】
製法1(ディスク:W/D)
上記の塗料のそれぞれについて、各成分をニーダで混練したのち、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液にポリイソシアネートを下層用塗布液に10部、磁性層用塗布液に10部を加え、さらにそれぞれにシクロヘキサノン40部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層形成用及び磁性層形成用塗布液をそれぞれ調製した。
得られた下層用塗布液を、乾燥後の厚さが1.5μmになるように、厚さ62μmで中心面平均表面粗さが1.8nmのポリエチレンナフタレート支持体上に塗布し一度乾燥させ、カレンダ処理を行った後、さらにその上に磁性層の厚さが0.8μmになるようにブレード方式により磁性層を塗布、周波数50Hz、磁場強度25T・m(250G)また周波数50Hz、12T・m(120G)の2つの磁場強度交流磁場発生装置の中を通過されランダム配向処理を行い、乾燥後、7段のカレンダで温度90℃、線圧300kg/cmにて処理を行い、3.7吋に打ち抜き表面研磨処理施した。
なおバリウムフェライト磁性体を用いる場合は、上記配向方法以外に垂直配向を施すことが可能である。また、必要に応じ、ディスク形状に打ち抜いた後、高温でのサーモ処理(通常50℃〜90℃)を行って塗布層の硬化処理を促進させたり、研磨テープでバーニッシュ処理を行って表面の突起を削るなどの後処理を行ったりしてもよい。また非磁性層のカレンダ処理を行わない方法をとることもできる。
【0087】
製法2(ディスク:スピンコート)
下層及び磁性層用塗料のそれぞれについて、各成分をニーダで混練したのち、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液にポリイソシアネートを下層用塗布液に10部、磁性層用塗布液に10部を加え、さらにそれぞれにシクロヘキサノン40部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層形成用及び磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調製した。
得られた下層用塗布液を、乾燥後の厚さが1.5μmになるように、厚さ62μmで中心面平均表面粗さが1.8nmのポリエチレンナフタレート支持体上にスピンコート塗布し一度乾燥させたのち、さらにその上に磁性層の厚さが0.08μmになるようにスピンコートにより磁性層を塗布、600T・m(6000G)の同極対抗Co磁石により円周方向に配向処理を行った。これを製法1と同様な圧力が得られるバッチ方式の圧延処理を行うことで表面を平滑化した。これ以降については製法1と同様に行った。また、下層をスピンコート塗布し非磁性層が未乾燥のうちにその上に磁性層をスピンコートする塗布する方式を用いることもできる。スピンコート方式を用いることで、記録方向の残留磁化量が大きくなるばかりでなく、バリウムフェライトの垂直磁化成分を低減させ再生波形の対称性を良好にすることができる。
【0088】
上記の磁性層用塗料と下層用塗料より製法1を用いてフレキシブルディスクを作成し、これをサンプルA1(実施例1)とした。バリウムフェライト磁性体の板厚と板径を変えた以外はA1と同様にして得られたサンプルをA2(実施例2)、A3(実施例3)、A4(実施例4)、A5(実施例5)、B1(比較例1)、B2(比較例2)、B3(比較例3)とした。次に磁気特性(抗磁力Hc及び角形比SQ)を振動試料型磁束計(東英工業社製)を用いてHm796kA/m(10kOe)で測定した。バリウムフェライト磁性体の抗磁力(Hc)を119.4kA/m(1500 Oe)、143.2kA/m(1800 Oe)、160.8kA/m(2020 Oe)、242.8kA(3050 Oe)、278.6kA/m(3500 Oe)、302.5kA/m(3800 Oe)、358.2kA/m(4500 Oe)と変えた以外、A1と同様にして得られたサンプルをそれぞれB4(比較例4)、A6(実施例6)、A7(実施例7)、A8(実施例8)、A9(実施例9)、A10(実施例10)、B5(比較例5)とした。製法2を用いた以外はA1(実施例1)と同様にいて得られたサンプルをA11(実施例11)とした。またA11の対向磁石の磁場を800T・m(8000G)としたサンプルをA12(実施例12)とした。
ヘッドを取り付けたスピンスタンドに上記の各ディスクサンプルをセットし、測定する半径位置において媒体とヘッドの相対速度が4m/sになるように回転速度を調整する。
【0089】
次に10MHzの矩形波信号をインダクティブヘッドでディスク上に記録し、AMRヘッドで再生し信号の出力を測定、さらに0〜20MHzの範囲のノイズを積分し、その比をSNとした。次に、サンプルA1について、矩形波信号の周波数を5MHz(比較例6)、20MHz(実施例13)、50MHz(実施例14)、80MHz(実施例15)とし、矩形波信号の間隔が10MHzと同じになるように回転速度を変えて、以下同様にしてSNを測定した。サンプルB1については矩形波信号の周波数を5MHzとし、矩形波信号の間隔が10MHzと同じになるように回転速度を変えて、以下同様にしてSNを測定した(比較例7)。次にサンプルA1について、再生ヘッドを記録に用いたインダクティブヘッド(比較例8)、GMRヘッド(実施例16)とTMRヘッド(実施例17)として、サンプルB1については再生ヘッドを記録に用いたインダクティブヘッド(比較例9)で、同様に10MHzの矩形波信号のSNを測定した。これらの結果を表1に示した。
【0090】
(実施例18〜34及び比較例10〜18)
バックコート層用塗料
Figure 0004365547
【0091】
上記バックコート層を形成する各成分を連続ニーダで混練したのち、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液を1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、バックコート層形成用塗布液を調製した。
【0092】
製法3(コンピュータテープ:W/W)
実施例1〜17で用いた塗料と同じ塗料について、各成分をニーダで混練したのち、サンドミルを用いて分散させた。得られた分散液にポリイソシアネートを下層用塗布液には2.5部、磁性層用塗布液には3部を加え、さらにそれぞれにシクロヘキサノン40部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、下層形成用及び磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調製した。
得られた下層用塗布液を、乾燥後の厚さが1.7μmになるようにさらにその直後にその上に磁性層の厚さが0.08μmになるように、厚さ4.4μmで中心面平均表面粗さが2nmのアラミド支持体(商品名:ミクトロン)上に同時重層塗布を行い、両層がまだ湿潤状態にあるうちに400T・m(4000G)の磁力を持つコバルト磁石と400T・m(4000G)の磁力を持つソレノイドにより配向させた。乾燥後、金属ロールのみから構成される7段のカレンダーで温度85℃にて分速200m/minで処理を行い、その後、乾燥後の厚みが0.5μmとなるように上記バックコート層を塗布した。
3.8mmの幅にスリットし、スリット品の送り出し、巻き取り装置を持った装置に不織布とカミソリブレードが磁性面に押し当たるように取り付け、テープクリーニング装置で磁性層の表面のクリーニングを行った。
【0093】
実施例1の磁性層用塗料と下層用塗料より製法3を用いてテープ状磁気記録媒体を作成した。これをサンプルA13(実施例18)とした。バリウムフェライト磁性体の板厚と板径を変えた以外はA13と同様にして得られたサンプルをA14(実施例19)、A15(実施例20)、A16(実施例21)、A17(実施例22)、B6(比較例10)、B7(比較例11)、B8(比較例12)とした。次に磁気特性(磁性層の抗磁力Hc及び角形比SQ)を振動試料型磁束計(東英工業社製)を用いてHm796kA/m(10kOe)で測定した。バリウムフェライト磁性体の抗磁力(Hc)を119.4kA/m(1500 Oe)、143.3kA/m(1800 Oe)、160.8kA/m(2020 Oe)、242.8kA(3050 Oe)、278.6kA/m(3500 Oe)、302.5kA/m(3800 Oe)、358.2kA/m(4500 Oe)と変えた以外は、A13と同様にして得られたサンプルをそれぞれB9(比較例13)、A18(実施例23)、A19(実施例24)、A20(実施例25)、A21(実施例26)、A22(実施例27)、B10(比較例14)とした。
600T・m(6000G)の磁力を持つコバルト磁石と600T・m(6000G)の磁力を持つソレノイドにより配向させた以外はA13と同様にして得られたサンプルをA23(実施例28)、800T・m(8000G)の磁力を持つコバルト磁石と800T・m(8000G)の磁力を持つソレノイドにより配向させた以外はA13と同様にして得られたサンプルをA24(実施例29)とした。
また、400T・m(4000G)の磁力を持つコバルト磁石で配向させた以外はA13と同様にして得られたサンプルをA25(実施例30)とし、400T・m(4000G)の磁力を持つソレノイドにより配向させた以外はA13と同様にして得られたサンプルをA26(実施例31)とした。
【0094】
ヘッドを取り付けたドラムテスターに上記の各ディスクサンプルをセットし、媒体とヘッドの相対速度が4m/sになるように回転速度を調整した。次に10MHzの矩形波信号をインダクティブヘッドでディスク上に記録し、回転型のAMRヘッドで再生し信号の出力を測定し、さらに0〜20MHzの範囲のノイズを積分し、その比をSNとした。
次に、サンプルA13について、矩形波信号の最大記録周波数を5MHz(比較例15)、20MHz(実施例32)、50MHz(実施例33)、80MHz(実施例34)とし、矩形波信号の間隔が10MHzと同じになるように回転速度を変えて、以下同様にしてSNを測定した。サンプルB6については矩形波信号の最大周波数を5MHz(比較例16)とし、矩形波信号の間隔が10MHzと同じになるように回転速度を変えて、以下同様にしてSNを測定した。次にサンプルA13、B6について、再生ヘッドを記録に用いたインダクティブヘッドにして同様に10MHzの矩形波信号のSNを測定した(比較例17,18)。これらの結果を表2に示した。
【0095】
【表1】
Figure 0004365547
【0096】
【表2】
Figure 0004365547
【0097】
表1より、ディスク状磁気記録媒体において実施例1〜5(サンプルA1〜5)と比較例1〜3(サンプルB1〜3)を比較すると、本発明の範囲内の平均板径及び板厚を有するバリウムフェライト強磁性体が特に優れたSN比を示すことが分かる。また、実施例1、実施例6〜10(サンプルA1、A6〜10)と比較例4及び5(サンプルB4及びB5)を比較すると、本発明の範囲内の抗磁力Hcを有する磁性層が特に優れたSN比を示すことが分かる。また、比較例6と実施例1、13〜15とを比較すると、磁性層における信号の線記録密度を一定にし記録周波数を変更した場合には、10MHz以上80MHz以下の最大記録周波数で特に優れたSN比を示すことが分かる。また2種類のサンプル(A1とB1)を用いてバリウムフェライトの平均板径及び板厚と、磁性層の最大記録周波数との関係を比較すると(実施例1、比較例1、6及び7)、バリウムフェライトの平均板径及び板厚と、磁性層の最大記録周波数のいずれもが本発明の範囲内である実施例1が最も優れたSN比を示すことが分かる。さらに、再生ヘッドの相違については、実施例1、16、17及び比較例8より、MRヘッド(AMRヘッド、GMRヘッドTMRヘッド)を使用する方が、インダクティブヘッドを使用した場合よりも優れたSN比が得られることが分かる。
【0098】
なお、バックコート層を有するコンピュータテープの場合(実施例18〜34及び比較例10〜18)ついても、実施例1〜17及び比較例1〜9と同様の結果を得ることができた(表2参照)。
【0099】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明の磁気記録再生方法であれば、高いデータ転送速度の条件下であっても、磁気記録媒体に高密度記録でき、MRヘッドで再生した場合に充分な記録再生特性を得ることができる。また、本発明の磁気記録媒体であれば、本発明の磁気記録再生方法に用いるのに最適な磁気記録媒体を提供することができる。

Claims (1)

  1. 磁気記録媒体に磁気記録された信号を磁気抵抗ヘッド(MRヘッド)により再生する磁気記録再生方法であって、前記磁気記録媒体は、非磁性支持体の少なくとも一方の面に実質的に非磁性である下層と、六方晶フェライト強磁性粉末及び結合剤を含む磁性層とをこの順に有し、かつ、前記六方晶フェライト強磁性粉末の平均板径が15〜40nm、平均板厚が4〜15nmであり、前記磁性層の抗磁力Hcが143.3〜318.4kA/m(1800〜4000 Oe)である磁気記録媒体であり、前記磁気記録された信号の最大記録周波数が10〜80MHzであることを特徴とする前記方法。
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