JP3652301B2 - 磁気ディスクの製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は磁気記録ディスクの製造方法に関し、特に特定の配向方法を採用する、高密度記録に適した塗布型の磁気ディスクの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
磁気ディスクの分野において、Co変性酸化鉄を用いた2MBのMF−2HDフロッピーディスクがパーソナルコンピュータに標準搭載されようになった。しかし扱うデータ容量が急激に増加している今日において、その容量は十分とは言えなくなり、フロッピーディスクの大容量化が望まれていた。
従来、磁気記録媒体には酸化鉄、Co変性酸化鉄、CrO2 、強磁性金属粉末、六方晶系フェライト粉末を結合剤中に分散した磁性層を支持体に塗設したものが広く用いられる。この中でも強磁性金属微粉末と六方晶系フェライト微粉末は高密度記録特性に優れていることが知られている。
【0003】
磁気ディスクの場合、高密度記録特性に優れる強磁性金属微粉末を用いた大容量ディスクとしては10MBのMF−2TD、21MBのMF−2SDまたは六方晶フェライトを用いた大容量ディスクとしては4MBのMF−2ED、21MBフロプティカルなどがあるが、容量、性能的に十分とは言えなかった。このような状況に対し、高密度記録特性を向上させる試みが多くなされている。その開発の過程で磁性体の配向に関して、最近以下の知見が得られている。
強磁性粉末は、その形状異方性による高抗磁力を実現するために強磁性粉末粒子自身は、針状比を高くして、また、テープ状媒体の場合は、磁性層自身はヘッドの走行方向と順方向に磁気的な配向度を高め、フロッピーディスクのような回転記録媒体にあっては、デジタル記録であるので、出力の大きさよりも円周方向での出力変動をできるだけ小さくすることが重要であり、そのために磁性層内の磁気的配向は異方性のない、いわゆるランダム配向する(すなわち配向度比(磁性層面内の磁気的な配向度の異方性を指し,通常特定な方向の角形比とその方向と直交する方向の角形比の比率を尺度とする。)を1に近づける)ことが重要であった。
【0004】
また、高密度記録を実現するためには、磁性体粉末の粒子サイズをより小さくすることが、重要である。しかしながら、例えば、面記録密度0.2Gbit/inch2 を越える大容量のフロッピーディスクを開発する中で特に磁性体粒子の粒子サイズが小さくなるとノイズが大きくなるという問題が生じてきた。このノイズを抑えるために▲1▼磁性体同士の凝集を解消すること、▲2▼2垂直磁化成分を低くすること、が必要であるが、このためには配向度も大きく関与してくる。
さらに、磁性体粉末の粒子サイズを小さくすると、磁性層塗料の調製時に結合剤中での分散が困難になり、支持体上に該磁性層塗料を塗布したあとでも、目的とする配向度を得ることが困難になる。
【0005】
磁性層内の磁性体粉末をランダム配向する従来の技術としては、例えば、以下の方法が提案されてきている。
特開平6−36261号公報は、湿潤状態中にランダム配向を行ない、続いて斜め配向を行なうことにより面内及び垂直方向の配向度比が0.85以上、垂直方向の角形比が0.3〜0.65のATOMM(Advanced SuperThin Layer & High Output Metal Media Technology)を用いた下層非磁性層と薄層磁性層を有する記録媒体を開示している。これは、従来の無配向化処理に比較し、円周の出力が均一でしかも高出力であり、重ね書き特性の優れた磁気ディスクとその製造方法を提供するものであるが、実施例で使用している強磁性金属粉末も長軸長0.20μm、結晶子サイズ195Åとサイズが大きかった。
【0006】
特開昭63−148417号公報は、磁性層が未乾燥中に交流磁場を印加してランダム配向処理を行う方法において、磁場強度を強磁性粉末のHcの1/10〜1/1、周波数を塗布速度の1/10〜1/1とする方法を開示している。この発明は、磁場強度の範囲設定と共に、周波数と塗布スピードとの関係を特定範囲内に可変設定することにより、該範囲内では配向度比=1なる状態を連続して保ち、安定したランダム配向処理を達成している。しかし、同公報に示す方法では、3次元にランダム化できるものの、十分なS/N比を確保することはできなかった。また、同公報の実施例で使用されている磁性体はHcが240〜600Oeのγ−Fe2 3 やCo含有γ−Fe2 3 であるが、高密度記録に必要な高抗磁力(Hc)の微粒子磁性体(特にσsの高い金属磁性粉末や六角板状の六方晶フェライト)は磁性体凝集を起こし易く、それだけノイズ抑制に対する施策を行う必要がある。
【0007】
特開平1−248321号公報は、垂直配向直後にランダム配向する方法を開示している。この発明は、垂直配向とランダム配向により、機械配向が少なく配向度比が高く、モジュレーション特性(磁気ディスクの円周方向での再生出力変動)が良好なメディアを提供するものである。しかし、一度垂直方向に配向しているため、最終的にも磁化の垂直成分は大きくなる傾向にあり好ましくない。また、同公報の実施例では、長軸0.25μmと粒子サイズが大きく、針状比10と針状比も高いメタル磁性粉を使用している。このように比較的粒子サイズが大きく、針状比も大きい磁性粉末は磁性層面と水平な方向に並びやすい。ところが、高密度記録を行う上で重要な高S/Nを確保するために、磁性体の長軸径が小さく針状比も小さい粒子から成るメタル磁性粉末を利用するためにはこの実施例の方法では充分な配向ができるとは言えなかった。
【0008】
特開昭63−171427号公報は、一定方向の磁場で強磁性粒子を配向させた後、前記磁場とほぼ直交方向に弱い交流磁場で配向してランダム配向化する方法を開示している。同公報の実施例で使用している磁性粉はγ−Fe2 3 であり、金属磁性粉末に比較して磁化量が小さいため、十分な電磁変換特性を得ることができない。
特開平1−105328号公報は幅方向に配向後、ソレノイドに交流磁界をかけて均一に無配向化する方法を開示している。同公報では、確かに面内の配向度比は改善されているが、磁性体の凝集や垂直方向の磁化量を抑える方策の記述はなく、そのままでは高S/Nを得るのには十分とは言えなかった。
【0009】
特公平5−53009号公報は、複数の棒状配向磁石を支持体の搬送方向に互いに間隔をおき、支持体を向く側の磁極が隣り合う磁石において互いに異なるように並置し、これら配向磁石が搬送方向に対して斜めでかつ交互に反対向きとなるように配し、ランダム配向を行う方法を開示している。この場合、確かに良好なモジュレーションが得られており、高い配向度比を達成していることが伺われる。しかし、実施例で使用している磁性粉はγ−Fe2 3 であり、金属磁性粉末に比較して磁化量が小さいため、十分な電磁変換特性を得ることができない。また、交流磁場によるランダム配向装置がないため、棒状配向磁石の磁場を50Oe以下に設定しないとモジュレーションが劣化する。微粒子の金属磁性粉末では,このような低磁場では十分な配向ができない。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、磁気ディスクを製造するにあたり、磁性層内の磁気的配向に異方性のないいわゆるランダム配向させる技術については多く開示されている。しかし高密度記録のために磁性体粉末の粒子サイズを小さくし針状比を低くして抗磁力を大きくしても、目的とする配向度を得て、かつノイズを小さくするための有効な手段を見出すことができなかった。
したがって、本発明は、磁性体粉末の粒子サイズを小さくし針状比を低くして抗磁力を大きくしても、目的とする配向度が得られ、かつ磁性体同士の凝集を解消してノイズを小さくすることができ、電磁変換特性、S/N比、モジュレーションが良好で、デジタル記録に適した大容量の磁気ディスクを得るのに適した製造方法を提供しようとするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、以下のような製造方法を採ることいよって、本発明の目的である、好ましい配向度が得られ、磁性体の凝集を解消し,かつ垂直磁化成分を低くしてノイズを小さくすることができ、電磁変換特性、S/N比、モジュレーションが良好で、デジタル記録に最適な大容量の磁気ディスクを得られることを見いだし、本発明に至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明の構成は以下の通りである。
(1)搬送されるウェッブ上に、磁性粉末を含む磁性塗布液が塗布され、磁性層が湿潤状態にある間に、外部磁場の印加により、前記磁性粉末をランダム配向させる磁気ディスクの製造方法において、
第一の外部磁場が、前記ウェッブと同一面上にあってウェッブの搬送方向に直交する線を底辺から立てた垂線とする二等辺三角形の二つの等辺上にあってかつそれぞれ前記ウェッブを挟んでその上下に設けられた一組の同極対向磁石対により印加される磁場であり、
次いで第二の外部磁場が,前記ウェッブと同一面上にあってその搬送方向に直交する方向に配置され,かつ前記ウェッブを挟んでその上下に設けられた一対の磁石により印加される交流磁場である、
ことを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
【0013】
上記の本発明の実施に当たって、とくに実際的で好ましい態様としては、以下の(2)〜(5)が挙げられる。
(2)前記同極対向磁石対が永久磁石対であり、該対向する磁石対間のギャップ中心の磁界強度が、前記磁性層の抗磁力の1/3〜10倍であることを特徴とする前記(1)に記載の磁気ディスクの製造方法。
(3)前記第二の外部磁場の磁界強度が、前記第一の外部磁場の磁界強度の1/40〜10倍であることを特徴とする前記(1)に記載の磁気ディスクの製造方法。
(4)前記磁性粉末が、その抗磁力が110〜280kA/m(1,400〜3,500Oe)で平均長軸径が0.01〜0.18μmの強磁性金属粉末であることを特徴とする前記(1)に記載の磁気ディスクの製造方法。
(5)磁性塗料中の磁性粉末が、平均板径が0.01〜0.1μmの六方晶フェライト磁性体であることを特徴とする前記(1)に記載の磁気ディスクの製造方法。
【0014】
上記の製造方法により、磁性粉末として、粒子サイズ及び針状比が小さく抗磁力が大きいものを用いた場合でも、好ましい配向度比が得られ、かつ垂直磁化成分が得られ,さらには磁化粒子の凝集を緩和して低ノイズ化を達成できた。
磁性層面内での配向度比(Or)及び磁性層の面に対して垂直な方向の角形比(SQn)の限定はS/N比及びモジュレーションの低減に寄与するものであり、磁性体の粒子サイズ、針状比及び抗磁力(Hc)の限定は、電磁変換特性、特に出力を確保するために必要である。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の磁気ディスクの製造方法は、磁性層が 担持される支持体(ウェッブと呼ぶ)上に、磁性粉末を含む磁性層用の塗布液が塗布され、その層が湿潤状態にある間に、外部磁場により、前記磁性体をランダム配向させるに際して、以下の二通りの外部磁場を印加することを特徴とする方法であり、その第一の外部磁場は、ウェッブと同一面上にあってかつウェッブの搬送方向に直交する線を底辺から立てた垂線とする二等辺三角形の二つの等辺上にそれぞれウェッブを挟んでその上下に設けられた一組の同極対向磁石対により印加される磁場であり、次いで印加される第二の外部磁場は,ウェッブと同一面内にあってその搬送方向に直交する方向に配置され,かつ前記ウェッブを挟んでその上下に設けられた一対の磁石により印加される交流磁場である。
第一の外部磁場の印加の形態をさらに図によって説明する。図1は、ウェッブを挟んで同極が互いに向き合うように対向させた永久磁石(すなわち同極対向磁石)の対の一方が斜め方向、他方が逆斜め方向になるように配置された一組の磁石対の配置関係を示す模式図であって、本発明の第一の外部磁場の印加の典型的な二段階(又は多段階)磁場印加の態様を示したものである。図1において、一組の磁石対は前記二等辺三角形の二つの等辺(図示しない)をそれぞれ占めている。図1aは、斜め方向から見た見取り図であり、図1bは、真上からみた図である。以後、この外部磁場の二方向印加のそれぞれを斜め方向への磁場及び逆斜め方向への磁場の印加とも呼ぶ。
【0016】
前記二等辺三角形の等辺がウェッブの搬送方向に対してなす角度(すなわち斜め方向の角度及び逆斜め方向の角度)は、好ましくは30〜60度、さらに好ましくは40〜50度の範囲である。このことは、逆斜め方向と逆斜め方向の磁場のなす特に好ましい角度は、80〜100度の範囲であることをも意味する。これはまた、斜め方向への磁場印加用の永久磁石と逆斜め方向への磁場印加用の永久磁石との各々の長手方向軸(図1bにおいてM1、M2の中心線)がなす角度は80〜100度の範囲であることをも意味している。これら斜め方向及び逆斜め方向への磁場印加用の永久磁石の対の数は、斜め方向及び逆斜め方向への磁場印加用の永久磁石対各1個を一組とすると少なくとも一組であり、1〜3組の範囲が好ましい。
【0017】
斜め及び逆斜め方向の磁力線の磁界強度は、相対する同極間のギャップの中心部において好ましくは40〜560kA/m(500〜8,000Oe)、更に好ましくは80〜480kA/m(1,000〜6,000Oe)の範囲である。
【0018】
また、第二の外部磁場すなわち交流磁場の印加によるランダム配向においては、磁場の周波数は好ましくは20〜200Hz、更に好ましくは40〜100Hzであり、磁界強度は、好ましくは4〜240kA/m(50〜3,000Oe)、更に好ましくは16〜80kA/m(200〜1,000Oe)の範囲である。
本発明の製造方法で使用される磁石の形状・サイズは特に制限されるべきものではないが、ウェッブの幅方向がカバー可能な長さの棒磁石が好ましく、例えば、ヨークによりシールドされたものが好ましい。
また本発明において、製造時の環境温度は適宜選定され得るが、通常、40〜120℃の範囲から選択される。
【0019】
本発明の製造方法によって得られる磁気ディスクの面内配向度比(Or)は、磁性層の面に対して0.85以上、好ましくは0.90以上、更に好ましくは0.95以上で理想的には1である。Orが0.85未満ではモジュレーションが許容レベル以上となり、エラーレートが増大して好ましくない。
本発明の製造方法によって得られる磁気ディスクの磁性層の面に対して垂直な方向の角形比(SQn)は、0.30以下、好ましくは0.28以下、更に好ましくは0.26以下0.15以上の範囲である。
また、本発明の製造方法は、非磁性支持体上に直接、磁性層を有する単層磁性層の磁気ディスクを製造するものにかかわるものでもよく、また、支持体上に実質的に非磁性である下地層を設け、その上に薄層の磁性層を形成する磁気ディスクの製法に関するもの、即ち前記のATOMM型のものであってもよい。
【0020】
ここで実質的に非磁性である下地層とは記録に関与しない程度に磁性を持っていても良いという意味であり、以降単に下層または非磁性層ともいう。
ATOMM型の場合、磁性塗料及び非磁性塗料の塗布法は、wet on dry(下層乾燥後磁性層塗布、W/Dと略す)でもwet on wet(両層未乾、W/Wと略す)でもよい。
本発明の製造方法で得られる磁気ディスクの磁性層の厚さとしては0.02〜0.5μmが好ましい。磁性層の厚さを0.02〜0.5μmとするためには前述のATOMM型のものとすることが好ましく、さらにW/W法で塗布することが好ましい。また、本発明の製造方法で得られる磁気ディスクは面記録密度が0.2〜2Gbit/inch2 もの高密度記録の磁気記録システムに使用することが可能である。
面記録密度とは、線記録密度とトラック密度を掛け合わせたものである。
線記録密度とは記録方向1インチ当たりに記録する信号のビット数である。
これら線記録密度、トラック密度、面記録密度はシステムによって決まる値である。
【0021】
本発明の製造方法で使用される磁性粉末は、抗磁力(Hc)が110〜280kA/m(1,400〜3,500Oe)の強磁性金属粉末か六方晶フェライトであることが好ましい。
本発明の製造方法で使用される磁性粉末が、強磁性金属粉末である場合には、平均長軸長は、0.01〜0.18μm、好ましくは0.04〜0.15μm、更に好ましくは0.06〜0.12μmの範囲である。平均長軸長が0.18μmより大きい場合は、得られる磁気ディスク(以下、メディアともいう)のノイズが上昇して好ましくない。また、0.01μmよりも小さい場合は、十分な分散ができず、磁性体微粒子化のノイズ低減効果が現れず、逆に磁性層の表面粗さが増大して好ましくない。
【0022】
結晶子サイズは、50〜180Å、好ましくは80〜160Å、更に好ましくは100〜150Åの範囲である。結晶子サイズが180Åより大きい場合は、メディアのノイズが上昇して好ましくない。また、50Åよりも小さい場合は、十分な分散ができず、磁性体微粒子化のノイズ低減効果が現れず、逆に磁性層の表面粗さが増大して好ましくない。
針状比は、2〜9、好ましくは4〜7である。針状比が9より大きい場合は、磁性層の充填度が低下して再生出力が低下する。さらにはメディアのノイズが上昇して好ましくない。また、針状比が2よりも小さい場合は、十分な抗磁力を確保することができず、高密度記録には適さない。また、磁性体が3次元ランダム配向し易く垂直磁化成分が増加し、ノイズが上昇する。
【0023】
本発明で使用する磁性粉末が六方晶フェライト磁性体である場合には、その平均板径は0.01〜0.1μm、好ましくは0.02〜0.06μm、更に好ましくは0.03〜0.05μmの範囲である。平均板径が0.1μmより大きい場合は、得られる磁気ディスクのノイズが上昇して好ましくない。また、0.01μmより小さい場合は、十分な分散ができず、磁性体微粒子化のノイズ低減効果が現れず、逆に磁性層の表面粗さが増大して好ましくない。
板状比(板径/板厚)は1〜7、好ましくは2〜6、更には3〜5が好ましい。針状比が7より大きい場合は、磁性体がスタッキングを起こし、ノイズが上昇して好ましくない。また、板状比が1より小さい場合は、磁性体が3次元ランダム配向しやすく垂直磁化成分が増加し、ノイズが上昇するのでこれまた好ましくない。
【0024】
磁性層の抗磁力Hcは、140〜280kA/m(1,700〜3,000Oe)、好ましくは150〜230kA/m(1,800〜2,700Oe)、更に好ましくは160〜200kA/m(2,000〜2,500Oe)の範囲である。Hcが140kA/m(1,700Oe)より小さい場合は、高い線記録密度の記録が十分されず、高容量を記録するメディアとして十分な特性を得ることができない。また、280kA/m(3,000Oe)よりも大きい場合は、現行の記録ヘッドでは十分に信号を記録することができず好ましくない。
【0025】
マルチメディア化が進むパソコンの分野ではこれまでのフロッピーディスクに代わる大容量の記録メディアが注目され始め、米国IOMEGA(アイオメガ)社からZIPディスク(面記録密度:96Mbit/inch2 )として販売された。これは本件出願人が開発したATOMM型であり、3.7インチで100MB以上の記録容量を持った製品が販売されている。100〜120MBの容量はMO(3.5インチ)とほぼ同じ容量であり、1枚で新聞記事なら7〜8月分収まるものである。データ(情報)の書き込み・読み出し時間を示す転送レートは、1秒当たり2MB以上とハードディスク並であり、これまでのFDの20倍、MOの2倍以上の早さを有し非常に大きな利点を持つ。さらに下層と薄層磁性層を有するこの磁気ディスクは現在のFDと同じ塗布型メディアで大量生産が可能であり、MOやハードディスクに比べて低価格で有るというメリットを有する。
【0026】
本発明者らによる上記の磁気ディスクの製造方法は、前記ZIPディスクやMO(3.5インチ)よりも格段に記録容量の大きい面記録密度が0.2〜2Gbit/inch2 という磁気ディスクを得るための製法である。
特に厚味0.02〜0.5μmと超薄層の磁性層に高出力、高分散性に優れた超微粒子の強磁性金属粉末を含み、下地層に球状又は針状などの無機粉末を含み、磁性層を薄くすることで磁性層内の磁力相殺を低減し、高周波領域での出力を大幅に高め、更に重ね書き特性も向上させた。
磁気ヘッドの改良により、狭ギャップヘッドとの組合せにより超薄層磁性層の効果が一層発揮でき、デジタル記録特性の向上が図れる。
【0027】
磁性層の厚みは高密度記録の磁気記録方式や磁気ヘッドから要求される性能にマッチするように0.02〜0.5μmの薄層である。均一でかつ薄層にしたこのような超薄層磁性層は微粒子の磁性粉や非磁性粉を分散剤の使用と分散性の高い結合剤の組み合わせにより高度に分散させ、高充填化を図ることができた。使用される磁性体は大容量、高出力の適性を最大限に引き出すために、非常に微粒子で且つ高出力を達成できる強磁性金属粉末で、更にCoを多く含み、焼結防止剤としてAlやYを含むものを使用することができる。高転送レートを実現するために超薄層磁性層に適した3次元ネットワークバインダーシステムを用い、高速回転時における走行の安定性、耐久性を確保することができる。また広範囲な温湿度条件下での使用や高速回転使用時でも、その効力を維持できる複合潤滑剤を上下2層に配し、更に下層には潤滑剤のタンクとしての役割を持たせ、上層磁性層に常に適量の潤滑剤を供給できるようにし、上層磁性層の耐久性を高め、信頼性を向上させることができる。また下層のクッション効果は良好なヘッドタッチと安定した走行性をもたらすことができる。
【0028】
本発明の方法で製造される磁気ディスクの好ましい構成層の態様であるATOMM方式の構成のメリットは次の通りである。
(1)磁性層の薄層構造化による電磁変換特性の向上
a)記録減磁特性の改良による高周波領域での出力向上
b)重ね書き(オーバーライト)特性の改良
c)ウインドウマージンの確保
(2)上層磁性層の平滑化による高出力
(3)磁性層の機能分離による要求機能付与が容易
(4)潤滑剤の安定供給による耐久性の向上
【0029】
これらの機能は、単に磁性層を重層化するだけでは達成できない。重層構造を構成するには、下層、上層を塗布し、通常、硬化処理、カレンダー処理等の表面処理を行う。FDは磁気テープと異なり、通常、両面に同様な処理を施す。塗布工程後スリット工程、パンチ工程、シェル組み込み工程、サーテファイ工程を経て最終製品として完成する。ディスク状に打ち抜いた後、高温でのサーモ処理(通常、50〜90℃)を行い塗布層の硬化を促進させる。研磨テープでバーニッシュ処理を行い、表面の突起を削るなどの後処理を行ってもよい。
耐久性は磁気ディスクにとって重要な要素である。媒体の耐久性を向上させる手段には、ディスク自身の膜強度を上げるバインダー処方と、磁気ヘッドとの滑り性を維持する潤滑剤処方を調整する手段がある。
【0030】
潤滑剤は、使用される種々の温・湿度環境下でそれぞれ優れた効果を発揮する潤滑剤を複数組み合わせて使用し、広範囲な温度(低温、室温、高温)、湿度(低湿、高湿)環境下でも各潤滑剤がそれぞれ機能を発揮し、総合的に安定した潤滑効果を維持できるものである。
また上下2層の構造を活用し、下層に潤滑剤のタンク効果(貯留槽としての働き)を持たせることで磁性層に常に適量の潤滑剤が供給されるようにし、磁性層の耐久性を向上できる。
下層には潤滑剤の保持機能の他に表面電気抵抗の調節機能を付与できる。一般に電気抵抗の調節には、磁性層中にカーボンブラック等の固体導電材料を加えることが多い。これらは磁性体の充填密度を上げることの制約となるほか、磁性層が薄層になるに従い、表面粗さにも影響を与える。下層に導電材料を加えることによってこれらの欠点を除くことができる。
【0031】
[磁性層]
本発明の製造方法で形成する磁性層は支持体の片面だけでも、両面に設けても良い。磁性層は単独でも下地層上に設けられたものでも良い。また、処理により磁性層を複層化してもよい。この場合、本明細書において磁性層の厚味とは各磁性層の総和を指す。ATOMM型の場合、W/Wでも、W/Dでも設けることが出来る。生産効率の点からW/Wが好ましいが、W/Dも十分使用できる。本発明の製造方法で形成する重層構成でW/Wでは上層/下層が同時に形成できるため、カレンダー工程などの表面処理工程を有効に活用でき、超薄層でも磁性層の表面粗さを良化できる。磁性層の抗磁力Hcは前記の通りであり、Bmは2,000〜5,000Gであることが好ましい。
【0032】
(強磁性粉末)
本発明の製造方法で形成する磁性層に使用する強磁性粉末としては、特に制限されるべきものではないが、α−Feを主成分とする強磁性金属粉末が好ましい。これらの強磁性粉末には所定の原子以外にAl、Si、S、Sc、Ca、Ti、V、Cr、Cu、Y、Mo、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、Ta、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、Pr、Nd、P、Co、Mn、Zn、Ni、Sr、Bなどの原子を含んでもよい。特に、Al、Si、Ca、Y、Ba、La、Nd、Co、Ni、Bの少なくとも1つをα−Fe以外に含むことが好ましく、Co、Y、Alの少なくとも一つを含むことがさらに好ましい。Coの含有量はFeに対して0原子%以上40原子%以下が好ましく、さらに好ましくは15原子%以上35%以下、より好ましくは20原子%以上35原子%以下である。Yの含有量は1.5原子%以上12原子%以下が好ましく、さらに好ましくは3原子%以上10原子%以下、より好ましくは4原子%以上9原子%以下である。Alは5原子%以上30原子%以下が好ましく、更に好ましくは11原子%以上20原子%以下、より好ましくは12原子%以上18原子%以下である。
【0033】
これらの強磁性粉末にはあとで述べる分散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤などで分散前にあらかじめ処理を行ってもよい。具体的には、特公昭44−14090号、特公昭45−18372号、特公昭47−22062号、特公昭47−22513号、特公昭46−28466号、特公昭46−38755号、特公昭47−4286号、特公昭47−12422号、特公昭47−17284号、特公昭47−18509号、特公昭47−18573号、特公昭39−10307号、特公昭46−39639号、米国特許第3026215号、同3031341号、同3100194号、同3242005号、同3389014号などに記載されている。
【0034】
強磁性合金微粉末には少量の水酸化物、または酸化物が含まれてもよい。強磁性合金微粉末の公知の製造方法により得られたものを用いることができ、下記の方法を挙げることができる。複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)を水素などの還元性気体で還元する方法、酸化鉄を水素などの還元性気体で還元してFe、あるいはFe−Co粒子などを得る方法、金属カルボニル化合物を熱分解する方法、強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナトリウム、次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤を添加して還元する方法、金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を得る方法などである。このようにして得られた強磁性合金粉末は公知の徐酸化処理、すなわち有機溶剤に浸漬したのち乾燥させる方法、有機溶剤に浸漬したのち酸素含有ガスを送り込んで表面に酸化膜を形成したのち乾燥させる方法、有機溶剤を用いず酸素ガスと不活性ガスの分圧を調整して表面に酸化皮膜を形成する方法のいずれを施したものでも用いることができる。
強磁性粉末の抗磁力は140kA/m(1,700Oe)以上280kA/m(3,500Oe)以下が好ましく、更に好ましくは150kA/m(1,800Oe)以上270kA/m(3,000Oe)以下である。
【0035】
強磁性粉末の含水率は0.01〜2%とするのが好ましい。結合剤の種類によって強磁性粉末の含水率は最適化するのが好ましい。
強磁性粉末のpHは、用いる結合剤との組合せにより最適化することが好ましい。その範囲は4〜12であるが、好ましくは6〜10である。強磁性粉末は必要に応じ、Al、Si、Pまたはこれらの酸化物などで表面処理を施してもよい。その量は強磁性粉末に対し0.1〜10%であり表面処理を施すと脂肪酸などの潤滑剤の吸着が100mg/m2 以下になり好ましい。強磁性粉末には可溶性のNa、Ca、Fe、Ni、Srなどの無機イオンを含む場合がある。これらは、本質的に無い方が好ましいが、200ppm 以下であれば特に特性に影響を与えることは少ない。また、本発明の製造方法に用いられる強磁性粉末は空孔が少ないほうが好ましくその値は20容量%以下、さらに好ましくは5容量%以下である。また形状については先に示した粒子サイズについての特性を満足すれば針状、米粒状、紡錘状のいずれでもよい。強磁性粉末自体のSFD(Switching Field Distribution)は小さい方が好ましく、0.8以下が好ましい。強磁性粉末のHcの分布を小さくする必要がある。尚、SFDが0.8以下であると、電磁変換特性が良好で、出力が高く、また、磁化反転がシャープでピークシフトも少なくなり、高密度デジタル磁気記録に好適である。Hcの分布を小さくするためには、強磁性金属粉末においてはゲータイトの粒度分布を良くする、焼結を防止するなどの方法がある。
【0036】
[非磁性層]
次に下層に関する詳細な内容について説明する。本発明の製造方法で下層に用いられる無機粉末は、非磁性粉末であり、例えば、金属酸化物、金属炭酸塩、金属硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物、等の無機質化合物から選択することができる。無機化合物としては例えばα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、、ヘマタイト、ゲータイト、コランダム、窒化珪素、チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、酸化スズ、酸化マグネシウム、酸化タングステン、酸化ジルコニウム、窒化ホウ素、酸化亜鉛、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二硫化モリブデンなどが単独または組合せで使用される。特に好ましいのは、粒度分布の小ささ、機能付与の手段が多いこと等から、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、硫酸バリウムであり、更に好ましいのは二酸化チタン、α酸化鉄である。これら非磁性粉末の粒子サイズは0.005〜2μmが好ましいが、必要に応じて粒子サイズの異なる非磁性粉末を組み合わせたり、単独の非磁性粉末でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることもできる。とりわけ好ましいのは非磁性粉末の粒子サイズは0.01〜0.2μmである。特に、非磁性粉末が粒状金属酸化物である場合は、平均粒子径0.08μm以下が好ましく、針状金属酸化物である場合は、長軸長が0.3μm以下が好ましく、0.2μm以下がさらに好ましい。タップ密度は0.05〜2g/ml、好ましくは0.2〜1.5g/mlである。非磁性粉末の含水率は0.1〜5質量%、好ましくは0.2〜3質量%、更に好ましくは0.3〜1.5質量%である。非磁性粉末のpHは2〜11であるが、pHは5.5〜10の間が特に好ましい。非磁性粉末の比表面積は1〜100m2/g、好ましくは5〜80m2/g、更に好ましくは10〜70m2/gである。非磁性粉末の結晶子サイズは0.004〜1μmが好ましく、0.04〜0.1μmが更に好ましい。DBP(ジブチルフタレート)を用いた吸油量は5〜100ml/100g 、好ましくは10〜80ml/100g 、更に好ましくは20〜60ml/100g である。比重は1〜12、好ましくは3〜6である。形状は針状、球状、多面体状、板状のいずれでも良い。モース硬度は4以上、10以下のものが好ましい。非磁性粉末のSA(ステアリン酸)吸着量は1〜20μmol/m2、好ましくは2〜15μmol/m2、さらに好ましくは3〜8μmol/m2である。pHは3〜6の間にあることが好ましい。これらの非磁性粉末の表面にはAl2 3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 、SnO2 、Sb2 3 、ZnO、Y2 3 で表面処理することが好ましい。特に分散性に好ましいのはAl2 3 、SiO2 、TiO2 、ZrO2 であるが、更に好ましいのはAl2 3 、SiO2 、ZrO2 である。これらは組み合わせて使用しても良いし、単独で用いることもできる。また、目的に応じて共沈させた表面処理層を用いても良いし、先ずアルミナで処理した後にその表層をシリカで処理する方法、またはその逆の方法を採ることもできる。また、表面処理層は目的に応じて多孔質層にしても構わないが、均質で密である方が一般には好ましい。
【0037】
本発明の製造方法で下層の形成に用いられる非磁性粉末の具体的な例としては、昭和電工製ナノタイト、住友化学製HIT−100、ZA−G1、戸田工業社製αヘマタイトDPN−250、DPN−250BX、DPN−245、DPN−270BX、DPN−500BX、DBN−SA1、DBN−SA3、石原産業製酸化チタンTTO−51B、TTO−55A、TTO−55B、TTO−55C、TTO−55S、TTO−55D、SN−100、αヘマタイトE270、E271、E300、E303、チタン工業製酸化チタンSTT−4D、STT−30D、STT−30、STT−65C、αヘマタイトα−40、テイカ製MT−100S、MT−100T、MT−150W、MT−500B、MT−600B、MT−100F、MT−500HD、堺化学製FINEX−25、BF−1、BF−10、BF−20、ST−M、同和鉱業製DEFIC−Y、DEFIC−R、日本アエロジル製AS2BM、TiO2P25、宇部興産製100A、500A、及びそれを焼成したものが挙げられる。特に好ましい非磁性粉末は二酸化チタンとα−酸化鉄である。
【0038】
下層にカーボンブラックを混合させれば、公知の効果である表面電気抵抗Rsを下げること、光透過率を小さくすることができるとともに、所望のマイクロビッカース硬度を得る事ができる。また、下層にカーボンブラックを含ませることで潤滑剤貯蔵の効果をもたらすことも可能である。カーボンブラックの種類はゴム用ファーネス、ゴム用サーマル、カラー用ブラック、アセチレンブラック、等を用いることができる。下層のカーボンブラックは所望する効果によって、以下のような特性を最適化すべきであり、併用することでより効果が得られることがある。
【0039】
下層のカーボンブラックの比表面積は100〜500m2/g、好ましくは150〜400m2/g、DBP吸油量は20〜400ml/100g 、好ましくは30〜400ml/100g である。カーボンブラックの粒子径は5〜80mμ、好ましく10〜50mμ、さらに好ましくは10〜40mμである。カーボンブラックのpH(浸出法で測定)は2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/mlが好ましい。本発明の製造方法に用いられるカーボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製 BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、800、880、700、VULCAN XC−72、三菱化学(株)製 #3050B、#3150B、#3250B、#3750B、#3950B、#950、#650B、#970B、#850B、MA−600、MA−230、#4000、#4010、コロンビアンカーボン社製 CONDUCTEX SC、RAVEN 8800、8000、7000、5750、5250、3500、2100、2000、1800、1500、1255、1250、アクゾー社製ケッチェンブラックECなどがあげられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもよい。また、カーボンブラックを塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもよい。これらのカーボンブラックは上記無機質粉末に対して50質量%を越えない範囲、非磁性層総質量の40質量%を越えない範囲で使用できる。これらのカーボンブラックは単独、または組合せで使用することができる。本発明の製造方法で使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」(カーボンブラック協会編)を参考にすることができる。
【0040】
また下層には有機質粉末を目的に応じて、添加することもできる。例えば、アクリルスチレン系樹脂粉末、ベンゾグアナミン樹脂粉末、メラミン系樹脂粉末、フタロシアニン系顔料が挙げられるが、ポリオレフィン系樹脂粉末、ポリエステル系樹脂粉末、ポリアミド系樹脂粉末、ポリイミド系樹脂粉末、ポリフッ化エチレン樹脂も使用することができる。その製法は特開昭62−18564号、特開昭60−255827号に記されているようなものが使用できる。
下層の結合剤樹脂、潤滑剤、分散剤、添加剤、溶剤、分散方法その他は以下に記載する磁性層のそれが適用できる。特に、結合剤樹脂量、種類、添加剤、分散剤の添加量、種類に関しては磁性層に関する公知技術が適用できる。
【0041】
[結合剤]
本発明の製造方法に使用される結合剤としては従来公知の熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂やこれらの混合物が使用される。
熱可塑性樹脂としては、ガラス転移温度が−100〜150℃、数平均分子量が1,000〜200,000、好ましくは10,000〜100,000、重合度が約50〜1,000程度のものである。このような例としては、塩化ビニル、酢酸ビニル、ビニルアルコール、マレイン酸、アクリル酸、アクリル酸エステル、塩化ビニリデン、アクリロニトリル、メタクリル酸、メタクリル酸エステル、スチレン、ブタジエン、エチレン、ビニルブチラール、ビニルアセタール、ビニルエーテル、等を構成単位として含む重合体または共重合体、ポリウレタン樹脂、各種ゴム系樹脂がある。また、熱硬化性樹脂または反応型樹脂としてはフェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン硬化型樹脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、アルキド樹脂、アクリル系反応樹脂、ホルムアルデヒド樹脂、シリコーン樹脂、エポキシ−ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂とイソシアネートプレポリマーの混合物、ポリエステルポリオールとポリイソシアネートの混合物、ポリウレタンとポリイソシアネートの混合物等があげられる。これらの樹脂については朝倉書店発行の「プラスチックハンドブック」に詳細に記載されている。また、公知の電子線硬化型樹脂を各層に使用することも可能である。これらの例とその製造方法については特開昭62−256219に詳細に記載されている。以上の樹脂は単独または組合せて使用できるが、好ましいものとして塩化ビニル樹脂、塩化ビニル酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール共重合体、塩化ビニル酢酸ビニル無水マレイン酸共重合体、から選ばれる少なくとも1種とポリウレタン樹脂の組合せ、またはこれらにポリイソシアネートを組み合わせたものがあげられる。
【0042】
ポリウレタン樹脂の構造はポリエステルポリウレタン、ポリエーテルポリウレタン、ポリエーテルポリエステルポリウレタン、ポリカーボネートポリウレタン、ポリエステルポリカーボネートポリウレタン、ポリカプロラクトンポリウレタンなど公知のものが使用できる。ここに示したすべての結合剤について、より優れた分散性と耐久性を得るためには必要に応じ、−COOM、−SO3 M、−OSO3 M、−P=O(OM)2 、−O−P=O(OM)2 、(以上につきMは水素原子、またはアルカリ金属塩基)、OH、NR2 、N+ 3 (Rは炭化水素基)、エポキシ基、SH、CN、などから選ばれる少なくともひとつ以上の極性基を共重合または付加反応で導入したものをもちいることが好ましい。このような極性基の量は10-1〜10-8mol/g であり、好ましくは10-2〜10-6mol/g である。
【0043】
本発明の製造方法に用いられるこれらの結合剤の具体的な例としてはユニオンカーバイト社製VAGH、VYHH、VMCH、VAGF、VAGD、VROH、VYES、VYNC、VMCC、XYHL、XYSG、PKHH、PKHJ、PKHC、PKFE、日信化学工業社製、MPR−TA、MPR−TA5、MPR−TAL、MPR−TSN、MPR−TMF、MPR−TS、MPR−TM、MPR−TAO、電気化学社製1000W、DX80、DX81、DX82、DX83、100FD、日本ゼオン社製MR−104、MR−105、MR110、MR100、MR555、400X−110A、日本ポリウレタン社製ニッポランN2301、N2302、N2304、大日本インキ社製パンデックスT−5105、T−R3080、T−5201、バーノックD−400、D−210−80、クリスボン6109、7209、東洋紡(株)製バイロンUR8200、UR8300、UR−8700、RV530、RV280、大日精化(株)製、ダイフェラミン4020、5020、5100、5300、9020、9022、7020、三菱化学(株)製、5004、三洋化成(株)製サンプレンSP−150、旭化成(株)サランF310、F210などがあげられる。
【0044】
本発明の製造方法で非磁性層、磁性層の形成に用いられる結合剤は非磁性粉末または強磁性粉末に対し、5〜50質量%の範囲、好ましくは10〜30質量%の範囲で用いられる。塩化ビニル系樹脂を用いる場合は5〜30質量%、ポリウレタン樹脂を用いる場合は2〜20質量%、ポリイソシアネートは2〜20質量%の範囲でこれらを組み合わせて用いることが好ましいが、例えば、微量の脱塩素によりヘッド腐食が起こる場合は、ポリウレタンのみまたはポリウレタンとイソシアネートのみを使用することも可能である。本発明の製造方法において、ポリウレタンを用いる場合はガラス転移温度が−50〜150℃、好ましくは0〜100℃、破断伸びが100〜2,000%、破断応力は0.05〜10Kg/mm2(0.49〜98×106Pa),降伏点は0.05〜10Kg/mm2(0.49〜98×106Pa)が好ましい。
【0045】
本発明の磁気ディスクの製造方法では、非磁性支持体上に二層以上の層を形成する場合、結合剤量、結合剤中に占める塩化ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイソシアネート、あるいはそれ以外の樹脂の量、磁性層を形成する各樹脂の分子量、極性基量、あるいは先に述べた樹脂の物理特性などを必要に応じ非磁性層、磁性層とで変えることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきであり、多層磁性層に関する公知技術を適用できる。例えば、各層でバインダー量を変更する場合、磁性層表面の擦傷を減らすためには磁性層のバインダー量を増量することが有効であり、ヘッドに対するヘッドタッチを良好にするためには、非磁性層のバインダー量を多くして柔軟性を持たせることができる。
【0046】
本発明の製造方法に用いるポリイソシアネートとしては、トリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、o−トルイジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート等のイソシアネート類、また、これらのイソシアネート類とポリアルコールとの生成物、また、イソシアネート類の縮合によって生成したポリイソシアネート等を使用することができる。これらのイソシアネート類の市販されている商品名としては、日本ポリウレタン社製、コロネートL、コロネートHL、コロネート2030、コロネート2031、ミリオネートMR、ミリオネートMTL、武田薬品社製、タケネートD−102、タケネートD−110N、タケネートD−200、タケネートD−202、住友バイエル社製、デスモジュールL、デスモジュールIL、デスモジュールN、デスモジュールHL、等がありこれらを単独または硬化反応性の差を利用して二つもしくはそれ以上の組合せで各層とも用いることができる。
【0047】
[カーボンブラック、研磨剤]
本発明の製造方法で磁性層の形成に使用されるカーボンブラックはゴム用ファーネスブラック、ゴム用サーマルブラック、カラー用ブラック、アセチレンブラック、等を用いることができる。比表面積は5〜500m2/g、DBP吸油量は10〜400ml/100g 、粒子径は5〜300mμ、pHは2〜10、含水率は0.1〜10%、タップ密度は0.1〜1g/cc、が好ましい。本発明の製造方法に用いられるカーボンブラックの具体的な例としてはキャボット社製、BLACKPEARLS 2000、1300、1000、900、905、800、700、VULCAN XC−72、旭カーボン社製、#80、#60、#55、#50、#35、三菱化成工業社製、#2400B、#2300、#900、#1000、#30、#40、#10B、コロンビアンカーボン社製、CONDUCTEX SC、RAVEN 150、50、40、15、RAVEN−MT−P、日本EC社製、ケッチェンブラックEC、などがあげられる。カーボンブラックを分散剤などで表面処理したり、樹脂でグラフト化して使用しても、表面の一部をグラファイト化したものを使用してもよい。また、カーボンブラックを磁性塗料に添加する前にあらかじめ結合剤で分散してもよい。これらのカーボンブラックは単独、または組合せで使用することができる。カーボンブラックを使用する場合は磁性体に対する量の0.1〜30%でもちいることが好ましい。カーボンブラックは磁性層の帯電防止、摩擦係数低減、遮光性付与、膜強度向上などの働きがあり、これらは用いるカーボンブラックにより異なる。従って本発明の製造方法に使用されるこれらのカーボンブラックは磁性層、下層でその種類、量、組合せを変え、粒子サイズ、吸油量、電導度、pHなどの先に示した諸特性をもとに目的に応じて使い分けることはもちろん可能であり、むしろ各層で最適化すべきものである。本発明の製造方法で磁性層に使用できるカーボンブラックは例えば「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編 を参考にすることができる。
【0048】
本発明の製造方法に用いられる研磨剤としてはα化率90%以上のα−アルミナ、β−アルミナ、炭化ケイ素、酸化クロム、酸化セリウム、α−酸化鉄、コランダム、人造ダイアモンド、窒化珪素、炭化珪素チタンカーバイト、酸化チタン、二酸化珪素、窒化ホウ素、など主としてモース硬度6以上の公知の材料が単独または組合せで使用される。また、これらの研磨剤どうしの複合体(研磨剤を他の研磨剤で表面処理したもの)を使用してもよい。これらの研磨剤には主成分以外の化合物または元素が含まれる場合もあるが主成分が90%以上であれば効果にかわりはない。これら研磨剤の粒子サイズは0.01〜2μが好ましく、特に電磁変換特性を高めるためには、その粒度分布が狭い方が好ましい。また耐久性を向上させるには必要に応じて粒子サイズの異なる研磨剤を組み合わせたり、単独の研磨剤でも粒径分布を広くして同様の効果をもたせることも可能である。タップ密度は0.3〜2g/cc、含水率は0.1〜5%、pHは2〜11、比表面積は1〜30m2/g、が好ましい。本発明の製造方法に用いられる研磨剤の形状は針状、球状、サイコロ状、のいずれでも良いが、形状の一部に角を有するものが研磨性が高く好ましい。具体的には住友化学社製AKP−12、AKP−15、AKP−20、AKP−30、AKP−50、HIT20、HIT−30、HIT−55、HIT60、HIT70、HIT80、HIT100、レイノルズ社製、ERC−DBM、HP−DBM、HPS−DBM、不二見研磨剤社製、WA10000、上村工業社製、UB20、日本化学工業社製、G−5、クロメックスU2、クロメックスU1、戸田工業社製、TF100、TF140、イビデン社製、ベータランダムウルトラファイン、昭和鉱業社製、B−3などが挙げられる。これらの研磨剤は必要に応じ非磁性層に添加することもできる。非磁性層に添加することで表面形状を制御したり、研磨剤の突出状態を制御したりすることができる。これら磁性層、非磁性層の添加する研磨剤の粒径、量はむろん最適値に設定すべきものである。
【0049】
[添加剤]
本発明の製造方法で磁性層と非磁性層の形成に使用される添加剤としては、潤滑効果、帯電防止効果、分散効果、可塑効果、などをもつものが使用される。二硫化モリブデン、二硫化タングステン、グラファイト、窒化ホウ素、フッ化黒鉛、シリコーンオイル、極性基をもつシリコーン、脂肪酸変性シリコーン、フッ素含有シリコーン、フッ素含有アルコール、フッ素含有エステル、ポリオレフィン、ポリグリコール、アルキル燐酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、ポリフェニルエーテル、フェニルホスホン酸、αナフチル燐酸、フェニル燐酸、ジフェニル燐酸、p−エチルベンゼンホスホン酸、フェニルホスフィン酸、アミノキノン類、各種シランカップリング剤、チタンカップリング剤、フッ素含有アルキル硫酸エステルおよびそのアルカリ金属塩、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもよい)、および、これらの金属塩(Li、Na、K、Cuなど)または、炭素数12〜22の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコール、(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもよい)、炭素数12〜22のアルコキシアルコール、炭素数10〜24の一塩基性脂肪酸(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもよい)と炭素数2〜12の一価、二価、三価、四価、五価、六価アルコールのいずれか一つ(不飽和結合を含んでも、また分岐していてもよい)とからなるモノ脂肪酸エステルまたはジ脂肪酸エステルまたはトリ脂肪酸エステル、アルキレンオキシド重合物のモノアルキルエーテルの脂肪酸エステル、炭素数8〜22の脂肪酸アミド、炭素数8〜22の脂肪族アミン、などが使用できる。
【0050】
これらの具体例としては脂肪酸では、カプリン酸、カプリル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、イソステアリン酸、などが挙げられる。エステル類ではブチルステアレート、オクチルステアレート、アミルステアレート、イソオクチルステアレート、ブチルミリステート、オクチルミリステート、ブトキシエチルステアレート、ブトキシジエチルステアレート、2−エチルヘキシルステアレート、2−オクチルドデシルパルミテート、2−ヘキシルドデシルパルミテート、イソヘキサデシルステアレート、オレイルオレエート、ドデシルステアレート、トリデシルステアレート、エルカ酸オレイル、ネオペンチルグリコールジデカノエート、エチレングリコールジオレート、アルコール類ではオレイルアルコール、ステアリルアルコール、ラウリルアルコール、などがあげられる。また、アルキレンオキサイド系、グリセリン系、グリシドール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加体、等のノニオン界面活性剤、環状アミン、エステルアミド、第四級アンモニウム塩類、ヒダントイン誘導体、複素環類、ホスホニウムまたはスルホニウム類、等のカチオン系界面活性剤、カルボン酸、スルフォン酸、燐酸、硫酸エステル基、燐酸エステル基、などの酸性基を含むアニオン界面活性剤、アミノ酸類、アミノスルホン酸類、アミノアルコールの硫酸または燐酸エステル類、アルキルベダイン型、等の両性界面活性剤等も使用できる。これらの界面活性剤については、「界面活性剤便覧」(産業図書株式会社発行)に詳細に記載されている。これらの潤滑剤、帯電防止剤等は必ずしも100%純粋ではなく、主成分以外に異性体、未反応物、副反応物、分解物、酸化物等の不純分が含まれてもよい。これらの不純分は30%以下が好ましく、さらに好ましくは10%以下である。
【0051】
本発明の製造方法で使用されるこれらの潤滑剤、界面活性剤は個々に異なる物理的作用を有するものであり、その種類、量、および相乗的効果を生み出す潤滑剤の併用比率は目的に応じ最適に定められるべきものである。非磁性層、磁性層で融点の異なる脂肪酸を用い表面へのにじみ出しを制御する、沸点、融点や極性の異なるエステル類を用い表面へのにじみ出しを制御する、界面活性剤量を調節することで塗布の安定性を向上させる、潤滑剤の添加量を下層で多くして潤滑効果を向上させるなど考えられ、無論ここに示した例のみに限られるものではない。一般には潤滑剤の総量として強磁性粉末または非磁性粉末に対し、0.1〜50%、好ましくは2〜25%の範囲で選択される。
【0052】
また本発明の製造方法で用いられる添加剤のすべてまたはその一部は、磁性および非磁性塗料製造のどの工程で添加してもよい、例えば、混練工程前に磁性体と混合する場合、磁性体と結合剤と溶剤による混練工程で添加する場合、分散工程で添加する場合、分散後に添加する場合、塗布直前に添加する場合などがある。また、目的に応じて磁性層を塗布した後、同時または逐次塗布で、添加剤の一部または全部を塗布することにより目的が達成される場合がある。また、目的によってはカレンダーした後、またはスリット終了後、磁性層表面に潤滑剤を塗布することもできる。
本発明の製造方法で用いられる有機溶剤は公知のものが使用でき、例えば特開昭6−68453に記載の溶剤を用いることができる。
【0053】
[層構成]
本発明の製造方法で形成する磁気ディスクの厚みは支持体が2〜100μm、好ましくは10〜80μmである。磁性層を単独で設ける場合、磁性層厚は、好ましくは0.02〜2.0μm、更に好ましくは0.02〜0.5μmの範囲である。
支持体と非磁性層また磁性層の間に密着性向上のための下塗り層を設けてもよい。本下塗層厚みは0.01〜0.5μm、好ましくは0.02〜0.5μmである。
また、片面のみに磁性層を設けた場合、帯電防止やカール補正などの効果を出すために磁性層側と反対側にバックコート層を設けてもよい。この厚みは0.1〜4μm、好ましくは0.3〜2.0μmである。これらの下塗層、バックコート層は公知のものが使用できる。
【0054】
本発明の製造方法で形成する磁気ディスクの磁性層の厚みは得られた磁気ディスクに対して用いるヘッドの飽和磁化量やヘッドギャップ長、記録信号の帯域により最適化されるものである。磁性層は、異なる磁気特性を有する2層以上に分離してもかまわず、公知の重層磁性層に関する構成が適用できる。
本発明の製造方法で形成する磁気ディスクがATOMM型である場合、下層である非磁性層の厚みは通常、0.2μm以上5.0μm以下、好ましくは0.3μm以上3.0μm以下、さらに好ましくは1.0μm以上2.5μm以下である。なおその場合、磁気ディスクの下層は実質的に非磁性層であればその効果を発揮するものであり、たとえば不純物としてあるいは意図的に少量の磁性体を含んでも、所望の効果を示すものであり、本発明の製造方法で得られる磁気ディスクと実質的に同一の構成と見なすことができることは言うまでもない。実質的に非磁性層とは下層の残留磁束密度が30mT(300G)以下または抗磁力が24kA/m(300Oe)以下であることを示し、好ましくは残留磁束密度と抗磁力をもたないことを示す。
【0055】
[支持体]
本発明の製造方法で支持体には、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、等のポリエステル類、ポリオレフィン類、セルローストリアセテート、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルフォン、ポリアラミド、芳香族ポリアミド、ポリベンゾオキサゾールなどの公知のフィルムが使用できる。ポリエチレンナフタレート、ポリアミドなどの高強度支持体を用いることが好ましい。また必要に応じ、磁性面とベース面の表面粗さを変えるため特開平3−224127に示されるような積層タイプの支持体を用いることもできる。これらの支持体にはあらかじめコロナ放電処理、プラズマ処理、易接着処理、熱処理、除塵処理、などをおこなっても良い。また本発明のの製造方法で支持体としてアルミまたはガラス基板を適用することも可能である。
【0056】
基本的な所望の目的を達成するには、支持体としてWYKO社製TOPO−3Dのmirau法で測定した中心面平均表面粗さSRaは8.0nm以下、好ましくは4.0nm以下、さらに好ましくは2.0nm以下のものを使用することが好ましい。これらの支持体は単に中心面平均表面粗さが小さいだけではなく、0.5μm以上の粗大突起がないことが好ましい。また表面の粗さ形状は必要に応じて支持体に添加されるフィラーの大きさと量により自由に調節されるものである。これらのフィラーとしては一例としてはCa、Si、Tiなどの酸化物や炭酸塩の他、アクリル系などの有機微粉末があげられる。支持体の最大高さSRmaxは1μm以下、十点平均粗さSRzは0.5μm以下、中心面山高さはSRpは0.5μm以下、中心面谷深さSRvは0.5μm以下、中心面面積率SSrは10%以上、90%以下、平均波長Sλaは5μm以上、300μm以下が好ましい。所望の電磁変換特性と耐久性を得るため、これら支持体の表面突起分布をフィラーにより任意に調節できるものであり、0.01μmから1μmの大きさのもの各々を0.1mm2 あたり0個から2,000個の範囲で調節することができる。
【0057】
本発明の製造方法で用いられる支持体のF−5値は好ましくは5〜50Kg/mm2(4.9〜49×107Pa)、また、支持体の100℃30分での熱収縮率は好ましくは3%以下、さらに好ましくは1.5%以下、80℃30分での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下である。破断強度は5〜100Kg/mm2(4.9〜98×107Pa)、弾性率は100〜2000Kg/mm2(98〜1960×107Pa)が好ましい。温度膨張係数は10-4〜10-8/℃であり、好ましくは10-5〜10-6/℃である。湿度膨張係数は10-4/RH%以下であり、好ましくは10-5/RH%以下である。これらの熱特性、寸法特性、機械強度特性は支持体の面内各方向に対し10%以内の差でほぼ等しいことが好ましい。
【0058】
[製法]
本発明の磁気ディスクの製造方法の工程は、少なくとも混練工程、分散工程、およびこれらの工程の前後に必要に応じて設けた混合工程からなる。個々の工程はそれぞれ2段階以上にわかれていてもよい。本発明の製造方法に使用する磁性体、非磁性粉体、結合剤、カーボンブラック、研磨剤、帯電防止剤、潤滑剤、溶剤などすべての原料はどの工程の最初または途中で添加してもよい。また、個々の原料を2つ以上の工程で分割して添加してもよい。例えば、ポリウレタンを混練工程、分散工程、分散後の粘度調整のための混合工程で分割して投入してもよい。本発明の製造方法の目的を達成するためには、従来の公知の製造技術を一部の工程として用いることができる。混練工程ではオープンニーダ、連続ニーダ、加圧ニーダ、エクストルーダなど強い混練力をもつものを使用することが好ましい。ニーダを用いる場合は磁性体または非磁性粉体と結合剤のすべてまたはその一部(ただし全結合剤の30%以上が好ましい)および磁性体100部に対し15〜500部の範囲で混練処理される。これらの混練処理の詳細については特願昭62−264722、特願昭62−236872に記載されている。また、磁性層液および非磁性層液を分散させるにはガラスビーズを用ることができるが、高比重の分散メディアであるジルコニアビーズ、チタニアビーズ、スチールビーズが好適である。これら分散メディアの粒径と充填率は最適化して用いられる。分散機は公知のものを使用することができる。
【0059】
本発明の製造方法で重層構成の磁気ディスクを塗布する場合、以下のような方式を用いることが好ましい。第一に磁性塗料の塗布で一般的に用いられるグラビア塗布、ロール塗布、ブレード塗布、エクストルージョン塗布装置等により、まず下層を塗布し、下層がウェット状態のうちに特公平1−46186や特開昭60−238179、特開平2−265672に開示されている支持体加圧型エクストルージョン塗布装置により上層を塗布する方法。第二に特開昭63−88080、特開平2−17971、特開平2−265672に開示されているような塗布液通液スリットを二つ内蔵する一つの塗布ヘッドにより上下層をほぼ同時に塗布する方法。第三に特開平2−174965に開示されているバックアップロール付きエクストルージョン塗布装置により上下層をほぼ同時に塗布する方法である。なお、磁性粒子の凝集による磁気ディスクの電磁変換特性等の低下を防止するため、特開昭62−95174や特開平1−236968に開示されているような方法により塗布ヘッド内部の塗布液にせん断を付与することが望ましい。さらに、塗布液の粘度については、特願平1−312659に開示されている数値範囲を満足する必要がある。本発明の製造方法で磁気ディスクの所期の構成を実現するには下層を塗布し乾燥させたのち、その上に磁性層を設ける逐次重層塗布をもちいてもむろんかまわず、本発明の効果が失われるものではない。ただし、塗布欠陥を少なくし、ドロップアウトなどの品質を向上させるためには、前述の同時重層塗布を用いることが好ましい。
【0060】
配向は、乾燥風の温度、風量、塗布速度を制御することで塗膜の乾燥位置を制御できる様にすることが好ましく、塗布速度は20〜1000m/分、乾燥風の温度は60℃以上が好ましい、また磁石ゾーンに入る前に適度の予備乾燥を行なうこともできる。
【0061】
カレンダ処理ロールとしてエポキシ、ポリイミド、ポリアミド、ポリイミドアミド等の耐熱性のあるプラスチックロールまたは金属ロールで処理するが、特に両面磁性層とする場合は金属ロール同志で処理することが好ましい。処理温度は、好ましくは50℃以上、さらに好ましくは100℃以上である。線圧力は好ましくは200Kg/cm(1.96×107Pa/cm) 以上、さらに好ましくは300Kg/cm(2.94×107Pa/cm) 以上である。
【0062】
[物理特性]
本発明の製造方法で製造される磁気ディスクの表面固有抵抗は、好ましくは磁性面104 〜1012オーム/sq 、帯電位は−500Vから+500V以内が好ましい。磁性層の0.5%伸びでの弾性率は面内各方向で好ましくは100〜2000Kg/mm2、破断強度は好ましくは10〜70Kg/mm2(9.8〜58.6×107Pa)、磁気ディスクの弾性率は面内各方向で好ましくは100〜1500Kg/mm2(9.8〜14.7×108Pa)、残留のびは好ましくは0.5%以下、100℃以下のあらゆる温度での熱収縮率は好ましくは1%以下、さらに好ましくは0.5%以下、もっとも好ましくは0.1%以下である。磁性層中に含まれる残留溶媒は好ましくは100mg/m2 以下、さらに好ましくは10mg/m2 以下である。塗布層が有する空隙率は下層、磁性層とも好ましくは30容量%以下、さらに好ましくは20容量%以下である。空隙率は高出力を果たすためには小さい方が好ましいが、目的によってはある値を確保した方が良い場合がある。また、繰り返し用途が重視されるので、空隙率が大きい方が走行耐久性は好ましいことが多い。
【0063】
磁性層のTOPO−3Dのmirau法で測定した中心面表面粗さRaは4.0nm以下、好ましくは3.8nm以下、さらに好ましくは3.5nm以下である。磁性層の最大高さSRmax は0.5μm以下、十点平均粗さSRz は0.3μm以下、中心面山高さSRp は0.3μm以下、中心面谷深さSRv は0.3μm以下、中心面面積率SSr は20%以上、80%以下、平均波長Sλa は5μm以上、300μm以下が好ましい。磁性層の表面突起は0.01μmから1μmの大きさのものを0個から2000個の範囲で任意に設定することが可能であり、これにより電磁変換特性、摩擦係数を最適化することが好ましい。これらは支持体のフィラーによる表面性の調節や磁性層に添加する粉体の粒径と量、カレンダ処理のロール表面形状などで容易に調節することができる。カールは±3mm(ISO18910のシート試料測定法に準拠)以内とすることが好ましい。
【0064】
本発明の磁気ディスクで非磁性層と磁性層を有する場合、目的に応じ非磁性層と磁性層でこれらの物理特性を変えることができるのは容易に推定されることである。例えば、磁性層の弾性率を高くし走行耐久性を向上させると同時に非磁性層の弾性率を磁性層より低くして磁気ディスクのヘッドへの当りを良くするなどである。
【0065】
【実施例】
なお、本発明を以下の実施例によってさらに詳細に説明するが、これに限定されるものではない。
以下の、所定の塗料を調製し、これを支持体上に塗布して磁気ディスクを製造した。
Figure 0003652301
【0066】
Figure 0003652301
【0067】
Figure 0003652301
【0068】
製法1
上記塗料のそれぞれについて、各成分をニーダで混練したのち、サンドミルをもちいて分散させた。得られた分散液にポリイソシアネートを非磁性層の塗布液には13質量部、磁性層Aの塗布液には4質量部、磁性層Bの塗布液には5質量部を加え、さらにそれぞれにシクロヘキサノン30質量部を加え、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過し、非磁性層形成用および磁性層形成用の塗布液をそれぞれ調製した。
得られた非磁性層塗布液を、乾燥後の厚さが1.5μmになる条件で、さらにその直後にその上に磁性層の厚さが0.15μmになる条件で、厚さ62μmで中心面平均表面粗さが3nmのポリエチレンテレフタレート支持体上に同時重層塗布を行ない、両層がまだ湿潤状態にあるうちに、以下の配向条件1〜3の方法に従ってランダム配向処理を行なった。乾燥後、7段のカレンダで温度90℃、線圧300kg/cm(2.94×107Pa/cm)にて処理を行い、3.7吋に打ち抜き表面研磨処理施した後、ライナーが内側に設置済の3.7吋のカートリッジ(米 Iomega社製 zip−diskカートリッジに入れ、所定の機構部品を付加し、3.7吋フロッピーディスクを得た。
【0069】
製法2
製法1と同様な方法で非磁性層形成用及び磁性層形成用塗布液を準備し、非磁性層形成用塗布液を乾燥後の厚さが1.5μmになる条件で、厚さ62μmで中心面平均表面粗さが3nmのポリエチレンテレフタレート支持体上に塗布を行ない行ない乾燥後、非磁性層上に上記磁性層用塗布液を厚さ0.15μmになるように塗布し、磁性層が湿潤状態にあるうちに、以下の配向条件1〜3の方法に従ってランダム配向処理を行なった。乾燥後、7段のカレンダで温度90℃、線圧300kg/cm(2.94×107Pa/cm)にて処理を行い、3.7吋に打ち抜き表面研磨処理施した後、ライナーが内側に設置済の3.7吋のカートリッジ(米 Iomega社製 zip−diskカートリッジに入れ、所定の機構部品を付加し、3.7吋フロッピーディスクを得た。
【0070】
製法3
製法1と同様な方法で得られた磁性液を、乾燥後の厚さが0.3μmになる条件で、厚さ62μmで中心面平均表面粗さが3nmのポリエチレンテレフタレート支持体上に塗布を行ない、上記磁性層がまだ湿潤状態にあるうちに、以下の配向条件1〜3の方法に従ってランダム配向処理を行なった。乾燥後、7段のカレンダで温度90℃、線圧300kg/cm(2.94×107Pa/cm)にて処理を行い、3.7吋に打ち抜き表面研磨処理施した後、ライナーが内側に設置済の3.7吋のカートリッジ(米 Iomega社製 zip−diskカートリッジに入れ、所定の機構部品を付加し、3.7吋フロッピーディスクを得た。
【0071】
配向条件1
表1に記載した周波数、磁場強度で交流磁場発生装置の中を通過させる方法。配向条件2
同極同士が支持体を挟んで対向するように設けたCo磁石対を用い、磁石対の長手方向が支持体の搬送方向と平行になるように配置してCo磁石対の同極間のギャップ中心が表1に記した磁界強度になるように磁場を印加して磁気粒子の配向を施した後に、上記交流磁場発生装置を通過させる方法。
配向条件3
表1に記載された磁界強度が得られる同極が対向したCo磁石対を支持体長手方向軸と記載の角度で磁石長手方向軸となすようにして斜め方向及び逆斜め方向の磁場の印加を続けて施した後に、上記交流磁場発生装置を通過させる方法。
【0072】
得られた試料を下記により評価し、表1に示した。
電磁変換特性
S/Nの測定
S/Nの測定は、米 GUZIK社製のRWA1001型ディスク評価装置及び協同電子システム(株)製スピンスタンドLS−90にて、ギャップ長0.3μmのメタルインギャップヘッドを用い、半径24.6mmの位置において線記録密度90KFCI時での再生出力(TAA)とDCイレーズ後のノイズレベルを測定し、S/N値を求めた。
モジュレーションの測定
再生出力と同一の条件、装置を使用し、再生波形の1周における最大値VmaxとVminから
{(Vmax−Vmin)/(Vmax+Vmin)}×100(%)を求めた。
【0073】
磁性層のHc及びSQnの測定
振動試料型磁束計(東英工業社製)を用い、Hmが10KOeで測定した。
【0074】
【表1】
Figure 0003652301
【0075】
表1の結果は,本発明の外部磁場の印加が斜め及び逆斜め方向の二方向配向と外部交流磁場によるランダム配向を行なう製造方法を用いた試料は、この方法を用いていない比較例試料に比べてS/N比、モジュレーションが顕著に向上していることが示されている。
【0076】
【発明の効果】
本発明の製造方法により、得られる磁気ディスクは、磁性粉末として粒子サイズが小さいものを用いた場合でも、磁性体同士の凝集状態を緩和し,さらには磁化の垂直成分を抑制することで、大幅なノイズ低減を達成している。また、磁性層面内での配向度比(Or)は1に近く、モジレーションも良好となっている。よって、本発明の製造方法とすることにより、S/N比、モジュレーションが良好で、デジタル記録に最適な大容量の磁気ディスクを安定して得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る磁化方法における、磁力線の方向が斜め不幸及び逆斜め方向となるように配した配向用磁石の組の位置関係を説明する模式図である。
【符号の説明】
M1.一方の同極対向磁石の組
M2.他方の同極対向磁石の組
W.支持体
L.支持体中心線(長手方向を示す)

Claims (5)

  1. 搬送されるウェッブ上に、磁性粉末を含む磁性塗布液が塗布され、磁性層が湿潤状態にある間に、外部磁場の印加により、前記磁性粉末をランダム配向させる磁気ディスクの製造方法において、第一の外部磁場が、前記ウェッブと同一面上にあってウェッブの搬送方向に直交する線を底辺から立てた垂線とする二等辺三角形の二つの等辺上にあってかつそれぞれ前記ウェッブを挟んでその上下に設けられた一組の同極対向磁石対により印加される磁場であり、次いで第二の外部磁場が,前記ウェッブと同一面上にあってその搬送方向に直交する方向に配置され,かつ前記ウェッブを挟んでその上下に設けられた一対の磁石により印加される交流磁場である、ことを特徴とする磁気ディスクの製造方法。
  2. 前記同極対向磁石対が永久磁石対であり、該対向する磁石対間のギャップ中心の磁界強度が、前記磁性層の抗磁力の1/3〜10倍であることを特徴とする請求項1に記載の磁気ディスクの製造方法。
  3. 前記第二の外部磁場の磁界強度が、前記第一の外部磁場の磁界強度の1/40〜10倍であることを特徴とする請求項1又は2に記載の磁気ディスクの製造方法。
  4. 前記磁性粉末が、その抗磁力が110〜280kA/m(1,400〜3,500Oe)で平均長軸径が0.01〜0.18μmの強磁性金属粉末であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁気ディスクの製造方法。
  5. 磁性塗料中の磁性粉末が、平均板径が0.01〜0.1μmの六方晶フェライト磁性体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁気ディスクの製造方法。
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