JP2009302580A - ノイズフィルタおよびノイズフィルタを用いた電子機器 - Google Patents

ノイズフィルタおよびノイズフィルタを用いた電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】コモンモード、ノーマルモードのインピーダンス値を高くできるノイズフィルタを提供することを目的とする。
【解決手段】磁性体130と、複数の第1の内部導体121a〜121fからなる第1のコイル121と、複数の第2の内部導体122a〜122fからなる第2のコイル122とを有し、前記第1の内部導体121a〜121cからなる第1の積層部123と、前記第1の積層部123の上面に形成され、前記第1の内部導体121d〜121fと前記第2の内部導体122a〜122cとが交互に積層された第2の積層部124と、前記第2の積層部124の上面に形成され、前記第2の内部導体122d〜122fからなる第3の積層部125とが備えられたものである。
【選択図】図16

Description

本発明は、携帯電話、情報機器等のノイズ対策として使用されるノイズフィルタおよびこのノイズフィルタを用いた電子機器に関するものである。
図35は従来のノイズフィルタ(積層コモンモードチョークコイル)の分解斜視図である。第1のコイル1と第1のコイル1の上方に形成された第2のコイル2は渦巻き状に形成され、銀からなる。
第1の絶縁体シート3は第1のコイル1の下面に形成され、2つのバイアホール4、5が設けられている。第2の絶縁体シート6は第1のコイル1と第2のコイル2との間に形成され、1つのバイアホール7が設けられている。なお、第1の絶縁体シート3、第2の絶縁体シート6はポリイミドなどからなる絶縁性の材料で構成されている。
第1のコイル1の一端部に設けられた第1の外部電極8、第1のコイル1の他の一端部である第1のバイア電極8aはそれぞれ第1のコイル1と同一面に形成されている。第2の外部電極9は第1の絶縁体シート3の下面に設けられている。なお、第1の絶縁体シート3の下面には第2のバイア電極9aが形成され、第2の外部電極9は第1の絶縁体シート3に形成されたバイアホール4、第2のバイア電極9a、および第1の絶縁体シート3の下面に形成された第1の引き出し部10を介して第1のバイア電極8aと接続されている。
第2のコイル2の一端部に設けられた第3の外部電極11と、第2のコイル2の他の一端部に設けられた第3のバイア電極11aがそれぞれ第2のコイル2と同一面に形成されている。
第4の外部電極12が第1の絶縁体シート3の下面に設けられている。なお、第1の絶縁体シート3の下面には第4のバイア電極12aが形成され、第4の外部電極12は第2の絶縁体シート6に形成されたバイアホール7、第1の絶縁体シート3に形成されたバイアホール5、第4のバイア電極12a、および第1の絶縁体シート3の下面に形成された第2の引き出し部13を介して第2のコイル2と接続されている。つまり、第2の外部電極9と第4の外部電極12は同一面に形成されている。また、第1の外部電極8、第2の外部電極9、第3の外部電極11、第4の外部電極12は、それぞれ第1の絶縁体シート3、第2の絶縁体シート6の端面に対してその一部が露出している。
第3の絶縁体シート14は第2の外部電極9、第4の外部電極12の下面および第1のコイル1の上面に所定の枚数形成され、フェライトからなる。
この従来のノイズフィルタは、第1のコイル1、第2のコイル2にコモンモードのノイズが印加されたとき、各コイル1、2のインピーダンス値が高くなり、これにより、コモンモードのノイズを除去していた。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平8−335517号公報
しかしながら、上記した従来のノイズフィルタは、コモンモードのインピーダンス値をさらに高くできないという課題を有していた。
すなわち、第1のコイル1、第2のコイル2のそれぞれの一端部(第1のコイル1に接続される第2の外部電極9と第2のコイル2に接続される第4の外部電極12)は同方向に(下方)に引き出されている。そのため、第1のコイル1に形成された第1のバイア電極8a、および第2のコイル2と第4のバイア電極12aや第4の外部電極12とを接続するためのバイアホール5、7が短絡する可能性がある。もし短絡すれば第1のコイル1と第2のコイル2とが電気的に接続されてコモンモードノイズの除去特性が得られなくなる。これにより、第1のバイア電極8aとバイアホール7との間にある程度の間隔15を設ける必要があるため、間隔15間には第1のコイル1の延長部分となる導体を設けることができず、この結果、間隔15間に相当する部分には第1のコイル1と第2のコイル2とを重ねることができないため、第1のコイル1と第2のコイル2との間の重複領域をこれ以上増加させることができないからである。
さらに、第1のコイル1と第2のコイル2とで流れる電流の向きが逆になったとき、第1、第2のコイルでそれぞれ発生する磁束が互いに弱め合う(相殺する)ため、ノーマルモードのインピーダンス値を高くできないという課題を有していた。
また、従来のコモンモードノイズフィルタは、実公平7−45932号公報に記載されたものが知られている。
図36は従来のコモンモードノイズフィルタ(積層型コイル)の分解斜視図である。
本体部201に第1コイルと第2コイルが形成されている。上下の電極部202,203が本体部201を挟むように設けられている。磁気シールド層204,205がコモンモードノイズフィルタの最外層に設けられている。すなわち、従来のコモンモードノイズフィルタは、本体部201、電極202,203、磁気シールド層204,205から構成されている。
本体部201は複数の第1コイル用磁性体シート206,207,208、第2コイル用磁性体シート209,210,211から構成されている。第1コイル用磁性体シート206〜208と第2コイル用磁性体シート209〜211は交互に配置されている。
すなわち、下から第2コイル用磁性体シート211、第1コイル用磁性体シート208、第2コイル用磁性体シート210、第1コイル用磁性体シート207、第2コイル用磁性体シート209、第1コイル用磁性体シート206の順に形成されている。
各磁性体シート206〜211の上面には、ほぼ1ターンの角形の第1コイル形成用導体パターン212,213,214と、第2コイル形成用導体パターン215,216,217とが印刷されている。
磁性体シート206に形成された導体パターン212の終端212bは、終端212b部分のスルーホール212c、磁性体シート209のスルーホール209aを介して磁性体シート207に形成された導体パターン213の始端213aと電気的に接続されている。
また、磁性体シート207に形成された導体パターン213の終端213bは、終端213b部分のスルーホール213c、磁性体シート210のスルーホール210aを介して磁性体シート208に形成された導体パターン214の始端214aと電気的に接続されている。
同様に、磁性体シート209に形成された導体パターン215の終端215bは、終端215b部分のスルーホール215c、磁性体シート207のスルーホール207aを介して磁性体シート210に形成された導体パターン216の始端216aと電気的に接続されている。
さらに、磁性体シート210に形成された導体パターン216の終端216bは、終端216b部分のスルーホール216c、磁性体シート208のスルーホール214aを介して磁性体シート211に形成された導体パターン217の始端と電気的に接続されている。
このようにして、磁性体シート206〜208の導体パターン212〜214からなる第1コイルと、磁性体シート209〜211の導体パターン215〜217からなり、第1コイルと同相で同じ巻数の第2コイルとが、一層おきに形成されている。
また、上電極部202は、磁性体シート218,219,220から構成されている。各磁性体シート218〜220には、それぞれ引き出し用電極導体パターン221a,221b,221cと、222a,222b,222cとが形成されている。
引き出し用電極導体パターン221a〜221cはスルーホールによって互いに接続され、さらに、これらには、第1コイルを形成する磁性体シート206の導体パターン212の始端212aが接続されている。
同様に、引き出し用電極導体パターン222a〜222cはスルーホールによって互いに接続され、さらに、これらには、磁性体シート206のスルーホール206aを介して第2コイルを形成する磁性体シート209の導体パターン215の始端215aが接続されている。
このようにして、上電極部202には第1コイルの引き出し電極ターミナルT1aと、第2コイルの引き出し電極ターミナルT2aとがそれぞれ形成されている。
さらに、下電極部203は、磁性体シート223,224,225から構成されている。各磁性体シート223〜225には、それぞれ引き出し用電極導体パターン226a,226b,226cと、227a,227b,227cとが形成されている(227b,227cは図示せず)。
引き出し用電極導体パターン226a〜226cはスルーホールによって互いに接続され、さらに、これらには、磁性体シート211のスルーホール211aを介して第1コイルを形成する磁性体シート208の導体パターン214の終端214bが接続されている。
同様に、引き出し用電極導体パターン227a〜227cはスルーホールによって互いに接続され、さらに、これらには、第2コイルを形成する磁性体シート211の導体パターン217の終端が接続されている。
このようにして、下電極203には第1コイルの引き出し電極ターミナルT1bと、第2コイルの引き出し電極ターミナルT2bとがそれぞれ形成されている。
この従来のコモンモードノイズフィルタは、第1コイル、第2コイルにコモンモードのノイズが印加されたとき、各コイルのインピーダンス値が高くなり、これにより、コモンモードのノイズを除去していた。
しかしながら、上記した従来のコモンモードノイズフィルタは、コモンモードのインピーダンス値をさらに高くできないという課題を有していた。
すなわち、これは角形の導体パターン212〜217のうち第1コイルを構成する212を例にすれば、始端212aが終端212bより内側に形成されているため、始端212aと、導体パターン212が折り曲がる212dとの間の導体パターンを、第2コイルを構成する導体パターン215と上面視にて重ねることができず、これにより、第1コイルで発生する磁束と第2コイルで発生する磁束とが互いにより効率的に強め合うことができないからである。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、コモンモード、ノーマルモードの両方のインピーダンス値を高くでき、コモンモードのノイズでもノーマルモードのノイズでも除去特性の高いノイズフィルタ、ノイズフィルタを用いた電子機器を提供することを目的とする。
また、コモンモードのインピーダンス値をより高くでき、コモンモードのノイズ除去特性の高いノイズフィルタおよびこのコモンモードノイズフィルタを用いた電子機器を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明の実施形態1(後述の実施の形態1,2)のノイズフィルタは、磁性体シートを上下方向に積層することによって形成された磁性体と、前記磁性体内に形成された第1のインピーダンス素子と、前記第1のインピーダンス素子の上方に形成された第2のインピーダンス素子と、前記磁性体の両端面に形成され、前記第1、第2のインピーダンス素子の各端部とそれぞれ電気的に接続された外部電極とを備え、前記第1のインピーダンス素子は第1のノーマルインピーダンス素子部と、前記第1のノーマルインピーダンス素子部の上方で前記第1のノーマルインピーダンス素子部と電気的に接続された第1のコモンインピーダンス素子部とを有し、前記第2のインピーダンス素子は第2のコモンインピーダンス素子部と、前記第2のコモンインピーダンス素子部の上方で前記第2のコモンインピーダンス素子部と電気的に接続された第2のノーマルインピーダンス素子部とを有し、前記第1のコモンインピーダンス素子部と前記第2のコモンインピーダンス素子部とは互いに対向し、かつ絶縁されている。この構成によれば、コモンモード、ノーマルモードの両方のインピーダンス値を高くできるという効果を有する。
また、上記目的を達成するために本発明の実施形態2(後述の実施の形態3,4,5)のノイズフィルタは、磁性体シートを上下方向に積層することによって形成された磁性体と、複数の第1の内部導体を積層することによって形成された第1のコイルと、複数の第2の内部導体を積層することによって形成された第2のコイルと、前記磁性体の両端面に形成され、前記第1、第2のコイルの各端部とそれぞれ電気的に接続された外部電極とを有し、前記磁性体内に、前記第1の内部導体からなる第1の積層部と、前記第1の積層部の上面に形成され、前記第1の内部導体と前記第2の内部導体とが交互に積層された第2の積層部と、前記第2の積層部の上面に形成され、前記第2の内部導体からなる第3の積層部とを備えている。この構成によれば、コモンモード、ノーマルモードの両方のインピーダンス値を高くできるという効果を有する。
さらに、上記目的を達成するために本発明の実施形態3(後述の実施の形態6)のコモンモードノイズフィルタは、磁性体シートを上下方向に積層することによって形成された磁性体と、複数の第1の内部導体を積層することによって形成された第1のコイルと、前記第1の内部導体と交互に形成された複数の第2の内部導体を積層することによって形成され、かつ前記磁性体の上面視にて前記第1のコイルと重なる第2のコイルと、前記第1の内部導体同士、または前記第2の内部導体同士を接続するために前記磁性体シートに形成された複数のバイアホールとを有し、前記第1の内部導体同士を接続するバイアホールは、前記磁性体の上面視にて前記第2のコイルと重なり、前記第2の内部導体同士を接続するバイアホールは、前記磁性体の上面視にて前記第1のコイルと重なるように設けられ、前記第1の内部導体と、前記第1の内部導体と隣り合う前記第2の内部導体のうち少なくとも1つは前記磁性体の上面視にてほぼ重なるように形成されている。この構成によれば、コモンモードのインピーダンス値をより高くできるという効果を有するものである。
以上のように本発明によれば、コモンモードおよびノーマルモードのインピーダンス値が高いノイズフィルタ、コモンモードのインピーダンス値が高いコモンモードノイズフィルタが実現できる。それらを携帯電話など無線通信機器における信号ラインに適用すればノイズを減衰させることができる。例えば1対の信号ラインとしてのオーディオラインにおいて可聴雑音を低減できるという効果が得られる。
本発明の実施の形態1におけるノイズフィルタの分解斜視図 (a)同ノイズフィルタのA−A線断面図、(b)は同ノイズフィルタの斜視図 (a)同ノイズフィルタにノーマルモード、コモンモードの電流が印加されたときのインピーダンス特性を示す図、(b)同ノイズフィルタにノーマルモード、コモンモードの電流が印加されたときのインピーダンス特性の測定回路を示す図 (a)〜(d)同ノイズフィルタにおける各導体の上面図、(e)同ノイズフィルタの他の例の断面図 (a)同ノイズフィルタ(パターンA)の等価回路図、(b)同ノイズフィルタ(パターンB)の等価回路図 (a)同ノイズフィルタ(パターンA)およびパターンBのノイズフィルタにノーマルモードの電流が印加されたときのインピーダンス特性(減衰特性)を示す図、(b)同パターンAおよびパターンBのノイズフィルタを模式し各パターンに印加される電流の方向を示す図 (a)〜(f)同ノイズフィルタの製造方法を示す斜視図 同ノイズフィルタの第2の導体と第3の導体との距離と、結合係数、耐電圧の関係を示す図 同ノイズフィルタの他の例の断面図 高周波領域でインピーダンス値が向上したことを示す周波数特性の図 (a)(b)同ノイズフィルタの他の例の断面図 (a)〜(d)同ノイズフィルタの他の例の上面図 同ノイズフィルタの他の例の断面図 (a)(b)(d)(e)本発明の実施の形態2におけるノイズフィルタの各導体の上面図、(c)(f)同ノイズフィルタのパターン透過図 (a)携帯電話の一対の信号ラインにおける搬送波の波形を示す図、(b)本発明の実施の形態1、2におけるノイズフィルタの使われ方を示す図、(c)本発明の実施の形態1、2におけるノイズフィルタが携帯電話の一対の信号ラインに使用されたときの減衰特性を示す図 本発明の実施の形態3におけるノイズフィルタの分解斜視図 (a)同ノイズフィルタのA−A線断面図、(b)同ノイズフィルタの斜視図 本発明の実施の形態3および4におけるノイズフィルタの等価回路図 (a)同要部である第2の積層部における内部導体のターン数と結合係数との関係を示す図、(b)同要部である第1の積層部および第3の積層部における内部導体のターン数と結合係数との関係を示す図 (a)〜(g)同ノイズフィルタの製造方法を示す斜視図 本発明の実施の形態4におけるノイズフィルタの分解斜視図 本発明の実施の形態5におけるノイズフィルタの分解斜視図 (a)同図22のA−A線断面図、(b)同ノイズフィルタの上面透過図 同ノイズフィルタの他の例の断面図 (a)(b)同ノイズフィルタの他の例の上面透過図 (a)同ノイズフィルタの他の例の分解斜視図、(b)同ノイズフィルタの他の例のA−A線断面図 同ノイズフィルタの等価回路図 (a)本発明の実施の形態3〜5におけるノイズフィルタ(パターンA)の断面図、(b)(c)パターンBのノイズフィルタの断面図、(d)本発明の実施の形態3〜5におけるノイズフィルタ(パターンA)とパターンBの、周波数と減衰量との関係をそれぞれ示す図 比較例におけるパターンBのノイズフィルタの等価回路図 本発明の実施の形態6におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図 (a)同A−A線断面図、(b)は同斜視図 (a)〜(c)同製造方法を示す斜視図 (a)〜(d)同製造方法を示す斜視図 (a)携帯電話の一対の信号ラインにおける搬送波の波形を示す図、(b)本発明の実施の形態6におけるコモンモードノイズフィルタの使われ方の一例を示す図、(c)本発明の実施の形態6におけるコモンモードノイズフィルタが携帯電話の一対の信号ラインに使用されたときの周波数と減衰量との関係を示す図 従来のノイズフィルタの分解斜視図 従来のコモンモードノイズフィルタの分解斜視図
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1におけるノイズフィルタについて、図面を参照しながら説明する。
図1は本発明の実施の形態1におけるノイズフィルタの分解斜視図、図2(a)は同ノイズフィルタのA−A線断面図、図2(b)は同ノイズフィルタの斜視図である。
なお、以下、第1のインピーダンス素子を第1のコイル、第2のインピーダンス素子を第2のコイル、第1のノーマルインピーダンス素子部を第1の導体、第1のコモンインピーダンス素子部を第2の導体、第2のコモンインピーダンス素子部を第3の導体、第2のノーマルインピーダンス素子部を第4の導体とする。
図1、図2において、第1のコイル21は、渦巻き状の第1の導体22および第1の導体22の上方に形成された渦巻き状の第2の導体23からなる。第1の導体22は第1の引き出し部22aと渦巻きの中心に位置する第1のバイア電極22bとを、第2の導体23は第2の引き出し部23aと渦巻きの中心に位置する第2のバイア電極23bとをそれぞれ有している。また、第1の導体22と第2の導体23は、引き出し部22a、23a間に電流を流したとき、第1の導体22や第2の導体23に流れる電流は、第2の導体23の上方からの平面視にて同じ方向(時計回りあるいは反時計回り)に流れるように形成されている。さらに、引き出し部22a、23aは互いに平面方向に対して対向する位置に形成されている。
方形の第1の磁性体シート24は、第1の導体22と第2の導体23との間に形成され、第1のバイアホール24aを有している。また、第1のバイア電極22bと第2のバイア電極23bとが第1のバイアホール24aによって互いに接続され、これにより、第1の導体22と第2の導体23とが接続されて、第1のコイル21が形成される。
第2のコイル25は、渦巻き状の第3の導体26および第3の導体26の上方に形成された渦巻き状の第4の導体27からなる。第3の導体26は第3の引き出し部26aと渦巻きの中心に位置する第3のバイア電極26bとを、第4の導体27は第4の引き出し部27aと渦巻きの中心に位置する第4のバイア電極27bとをそれぞれ有している。また、第3の導体26と第4の導体27は、引き出し部26a、27a間に電流を流したとき、第3の導体26や第4の導体27に流れる電流は、第4の導体27の上方からの平面視にて同じ方向(時計回りあるいは反時計回り)に流れるように形成されている。さらに、引き出し部26a、27aは平面方向に対して互いに対向する位置に、かつ引き出し部26aが引き出し部22aと同じ方向に向かうように形成されている。
方形の第2の磁性体シート28は、第3の導体26と第4の導体27との間に形成され、第2のバイアホール29を有している。また、第3のバイア電極26bと第4のバイア電極27bとが第2のバイアホール29によって互いに接続され、これにより、第3の導体26と第4の導体27とが接続されて、第2のコイル25が形成される。
なお、図2(a)においては、第1のバイアホール24aと第2のバイアホール29とが上面視にてほぼ同じ位置になっているが、上面視にて互いにずれた位置になっても構わない。
このとき、各導体22、23、26、27は銀、銅などの導電体からなり、その長さ、幅、厚みは所定の特性に合致するように調整すればよい。なお、銅を用いれば、後述する焼成が不要となり、銀を用いれば、エアー雰囲気中で焼成できる。また、渦巻き状の各導体22、23、26、27は一平面に形成されている。そして、それぞれの外形寸法(引き出し部22a、23a、26a、27aを除いた縦横の寸法)、導体線間ピッチ、ターン数はほぼ等しくなっている。つまり、各導体22、23、26、27は引き出し部22a、23a、26a、27aを除いた部分がほぼ同一の形状になっている。ただし、渦巻き状の第1の導体22、第3の導体26の中心から外に向かう方向は第4の導体27の上方からの平面視にて反時計回りに、第2の導体23、第4の導体27は時計回りになっている。
さらに、第2の導体23と第3の導体26とは、互いに対向し、かつその間は絶縁されている。また、同じ方向に引き出されている引き出し部22a、26aから引き出し部23a、27aへ電流を流したとき、第4の導体27の上方(後述する磁性体32の上方)からの平面視にて第2の導体23と第3の導体26に同じ方向(時計回りあるいは反時計回り)に電流が流れるように形成されている。
上記した配置関係に各導体22、23、26、27を形成したことによって、第2の導体23や第3の導体26の一端部(第2のバイア電極23b、第3のバイア電極26b)が、上下方向に別々に(第2の導体23は下方の第1の導体22と、第3の導体26は上方の第4の導体27と)それぞれ接続されるため、第2の導体23と第3の導体26とが短絡する可能性がなくなる。これにより、従来のノイズフィルタと異なり第2の導体23や第3の導体26を必要な分だけ延ばすことができることに加え、第2の導体23と第3の導体26は渦巻き状に形成されたため、第2の導体23と第3の導体26との重複領域を増加させることができる。この結果、第2の導体23と第3の導体26とに同方向の電流が流れれば、第2の導体23、第3の導体26でそれぞれ発生する磁束を互いに強め合うことができるため、コモンモードのインピーダンス値を高くできるという効果が得られる。
さらに、第2の導体23と第3の導体26とに逆方向の電流が流れて第2の導体23、第3の導体26でそれぞれ発生する磁束を互いに弱め合う(相殺する)ことになっても、第1の導体22と第4の導体27とは、第2の導体23と第3の導体26とを介して離れた位置に形成されているため、第1の導体22、第4の導体27でそれぞれ発生する磁束を互いに弱め合う(相殺する)ことはないため、ノーマルモードのインピーダンス値を高くできるという効果も得られる。
方形の第3の磁性体シート30が、第1のコイル21と第2のコイル25との間(第2の導体23と第3の導体26との間)に形成されている。第3の磁性体シート30によって第2の導体23と第3の導体26との間が絶縁される。方形の第4の磁性体シート31が、第1のコイル21の下面(第1の導体22の下面)と、第2のコイル25の上面(第4の導体27の上面)に形成されている。
そして、各磁性体シート24、28、30、31は、フェライト粉体の酸化物および樹脂からなる混合物から構成され、樹脂とフェライトを混合した樹脂コンポジット材料、ガラスセラミック等の誘電体を使用できる。なお、樹脂を用いた場合は、後述するように焼成が不要となる。また上記したように上下方向に積層することによって方形で板状の磁性体32が形成される。なお、磁性体32は板状でなく、ある程度の厚みを有していてもよい。また、磁性体32は必ずしも方形である必要はない。さらに、それぞれの厚みは、所定の特性(インピーダンス値、耐電圧など)によって適宜調整すればよく、厚みの調整は、磁性体シート自体の厚みを変えるか、形成される磁性体シートの枚数を変えることによって行う。
また、磁性体32はフッ素系シランカップリング剤によって含浸されており、このようにすることによって、撥水性のあるフッ素系シランカップリング剤が磁性体32内に存在する微細な細孔に充填させることができるため、ノイズフィルタ自身の耐湿性を向上させることができる。
磁性体32の両端面に形成された外部電極33a、33b、33c、33dのうち、33aと33cは磁性体32の一端面に、33bと33dは磁性体32の他の一端面に設けられている。また、外部電極33a、33b、33c、33dは、銀などの導体の表面に、ニッケルめっき、すずやはんだなどの低融点金属めっきが施されている。
そして、第1のコイル21の両端部、すなわち第1の引き出し部22a、第2の引き出し部23aは、第1の引き出し部22aが外部電極33aと、第2の引き出し部23aが外部電極33bと電気的に接続されている。
同様に、第2のコイル25についても、第3の引き出し部26aが外部電極33cと、第4の引き出し部27aが外部電極33dと電気的に接続されている。つまり、第1の導体22と第3の導体26が磁性体32の一端面に引き出され、第2の導体23と第4の導体27が磁性体32の他の一端面に引き出されている。
なお、第2の導体23、第3の導体26の形状を渦巻き状にすることによって、導体の長さを長くできるため、第2の導体23と第3の導体26との重複領域をより増加させることができる。これにより、第2の導体23と第3の導体26とに同方向の電流が流れれば、コモンモードのインピーダンス値をより高くできるという効果が得られる。
また、少なくとも第2の導体23と第3の導体26は電鋳法によって形成されており、このようにすれば、小さい導体幅、細かい導体線間ピッチを実現できるため、渦巻き状の第2の導体23と第3の導体26の長さをさらに長くできる。これにより、第2の導体23と第3の導体26との重複領域をさらに増加させることができるため、第2の導体と第3の導体とに同方向の電流が流れれば、第2、第3の導体でそれぞれ発生する磁束を互いにさらに強め合うことができる。これにより、コモンモードのインピーダンス値をさらに高くできる。
一方、導体を印刷で形成する場合は、マスクの精度には限界があるため、小さい導体幅、細かい導体線間ピッチを得ることができず、この結果、コモンモードのインピーダンス値を高くすることはある程度までしかできない。
さらに、第2の導体23と第3の導体26が、渦巻き状で、同じ方向に引き出されている外部電極33a、33cから外部電極33b、33dへ電流を流したとき、磁性体32の上方からの平面視にて第2の導体23と第3の導体26に同じ方向(時計回りあるいは反時計回り)に電流が流れるように形成され、かつ上記した位置関係にあれば、コモンモードのインピーダンス値を高くできる。そのため、第1の導体22と第4の導体27は、第2の導体23と第3の導体26に対して、磁性体32の上方からの平面視にて位置ずれしたり、巻方向が異なったりしても構わない。さらに、一平面に形成された渦巻き状でなく、螺旋状に積層されたもの、弓状のものなどの他の形状でもよい。ただし、渦巻き状や螺旋状(スパイラル状)であれば、発生する磁束が強い。そのため、ノーマルモードのインピーダンス値をより高くできるので、スパイラル状である方が望ましい。なお、直線状の場合は発生する磁束が弱いため、本発明の目的とする用途にはふさわしくない。
図3(a)は、本発明の実施の形態1におけるノイズフィルタにノーマルモード、コモンモードの電流が印加されたときのインピーダンス特性を示す図である。
このとき、各モードの電流について周波数を変化させて、入出力端子間のインピーダンス値を測定した(それぞれの測定回路は図3(b)に示す)。試料として、各導体22、23、26、27の外形寸法(引き出し部22a、23a、26a、27aを除いた縦横の寸法)が600μm×600μm、ターン数が4のものを用いた。
図3(a)から明らかなように、本発明の実施の形態1におけるノイズフィルタはノーマルモード、コモンモードの両方のインピーダンス値を高くできることがわかる。
ここで、図4(a)〜(d)に上記した本発明の実施の形態1におけるノイズフィルタの各導体22、23、26、27の上面図を示す。
なお、第1の導体22が第2の導体23と入れ替わっても(このとき、磁性体32の一端面に外部電極33aと33bが、他の一端面に外部電極33cと33dが形成される。なお、このときのパターンを以下パターンB、上記したパターンをパターンAとする)、上述したようにそれぞれの第1の導体22、第2の導体23は引き出し部22a、23aを除いて、磁性体32の上方からの平面視にてほぼ同一の形状になるため、特性はほぼ変化しない(このときの断面図を図4(e)に示す)。
なお、パターンA(本発明の実施の形態1)は、下から第1の導体22、第2の導体23、第3の導体26、第4の導体27の順に積層され、パターンBは、下から第2の導体23、第1の導体22、第3の導体26、第4の導体27の順に積層されている。
このように、各導体22、23、26、27の上下関係が入れ替わっても、これらの形状はそれぞれの引き出し部22a、23a、26a、27aを除いてほぼ同一であるため、各導体22、23、26、27の上下関係を確認する必要がなく、この結果、生産性を向上させることができる。
図5(a)は本発明の実施の形態1におけるノイズフィルタ(パターンA)の等価回路図、図5(b)は同ノイズフィルタ(パターンB)の等価回路図である。
図6(a)は本発明の実施の形態1におけるノイズフィルタ(パターンA)およびパターンBのノイズフィルタにノーマルモードの電流が印加されたときのインピーダンス特性(減衰特性)を示す図である。
なお、図6(b)はパターンAおよびパターンB(パターンB1、パターンB2)を模式し各パターンに印加される電流の方向を示す図である。また、試料は図3と同じものを用いた。
図6から明らかなように、パターンBの場合印加される電流の向きによって減衰特性が変化することがわかる。
これは、本発明の実施の形態1におけるノイズフィルタ(パターンA)は、磁性体32の一端部に形成された外部電極33a、33cと第1の導体22、第3の導体26との接続部付近(引き出し部22a、26a)間の距離と、磁性体32の他の一端部に形成された外部電極33b、33dと第2の導体23、第4の導体27との接続部付近(引き出し部23a、27a)間の距離が等しいため、ノーマルモード電流の印加される方向が異なっても磁性体内で発生する浮遊容量は変わらず、これにより、実装基板に実装する際に方向が異なっても、減衰特性は変化しないからである。これにより、実装基板に実装する方向を指定する必要が無く、製品方向を示すマーキングを付与する工程等が削減できるという効果が得られる。
一方、パターンBの場合は、磁性体32の一端部に形成された外部電極33a、33cと第1の導体22、第4の導体27との接続部付近(引き出し部22a、27a)間の距離と、磁性体32の他の一端部に形成された外部電極33b、33dと第2の導体23、第3の導体26との接続部付近(引き出し部23a、26a)間の距離が異なる。そのため、ノーマルモード電流の印加される方向が異なれば、入出力部分に近い接続部付近(引き出し部)間の距離も異なるため、磁性体内で発生する浮遊容量は変化し、これにより、減衰特性が変化するため、製品に方向を示すマーキング等を付与する必要がある。
しかしながら、パターンBのとき(第3の導体26のすぐ下に第1の導体22が形成されているとき)は、第1の導体22と第3の導体26とは、引き出し部22a、23a、26a、27aを除いてほぼ同一の形状で、かつ渦巻きの中心から外に向かう方向は磁性体32の上方からの平面視にて反時計回りであるため、磁性体32の上方からの平面視にて重なるように形成される。このとき、それぞれの重複面積を最大限に増加させることができるため、それぞれ発生する磁束を互いに強め合うことができ、コモンモードのインピーダンス値を最も高くできる。
なお、上記した実施の形態1において外部電極33a〜33dは、それぞれ磁性体32の両端面に形成されているが、磁性体32の上面視にて四隅に形成されても同様の効果が得られる。
以上のように構成された本発明の実施の形態1におけるノイズフィルタについて、以下にその製造方法を図面を参照しながら説明する。
図7(a)〜(f)は本発明の実施の形態1におけるノイズフィルタの製造方法を示す図である。
まず、フェライト粉体の酸化物および樹脂からなる混合物から、方形の第1の磁性体シート24、第2の磁性体シート28、第3の磁性体シート30、第4の磁性体シート31を作製する。
次に、第1の磁性体シート24、第2の磁性体シート28の所定の位置に、レーザ、パンチングなどで穴あけ加工して第1のバイアホール24a、第2のバイアホール29をそれぞれ設ける。なお、各バイアホール24a、29に銀などの導電材料を充填すれば、第1の導体22と第2の導体23、第3の導体26と第4の導体27との接続をより確実に行える。
次に、図7(a)に示すように、ベース板33に各導体22、23、26、27のパターンが露出するようにマスクを形成し、この露出した部分に銀めっきを施して、マスクを除去することによって(電鋳法)銀などからなる渦巻き状の第1の導体22、第2の導体23、第3の導体26、第4の導体27をそれぞれ複数作製する。
各導体22、23、26、27は、それぞれ一端部に渦巻きの中心に位置する第1のバイア電極22b、第2のバイア電極23b、第3のバイア電極26b、第4のバイア電極27bを有し、さらに他の一端部にそれぞれ第1の引き出し部22a、第2の引き出し部23a、第3の引き出し部26a、第4の引き出し部27aを有している。
また、各導体22、23、26、27は、引き出し部22a、23a、26a、27aを除いた部分がほぼ同一の形状になっている。なお、引き出し部22a、23a、および26a、27aはそれぞれ水平方向に対して互いに対向する位置に、かつ引き出し部26aが引き出し部22aと同じ方向に向かうように設ける。
次に、所定枚数の第4の磁性体シート31の上面に複数の第1の導体22を、第1の導体22の上面に第1のバイアホール24aを有する第1の磁性体シート24を、さらに第1の磁性体シート24の上面に複数の第2の導体23をそれぞれ設けて、第1のコイル21を形成する。
なお、このとき第1のバイア電極22bと第2のバイア電極23bとを第1のバイアホール24aを介して接続させて、第1の導体22と第2の導体23とを電気的に接続する。
次に、第2の導体23の上面に第3の磁性体シート30を形成する。
次に、第3の磁性体シート30の上面に複数の第3の導体26を、第3の導体26の上面に第2のバイアホール29を有する第2の磁性体シート28を、さらに第2の磁性体シート28の上面に複数の第4の導体27をそれぞれ設けて、第2のコイル25を形成する。
なお、このとき第3のバイア電極26bと第4のバイア電極27bとを第2のバイアホール29を介して接続させて、第3の導体26と第4の導体27とを電気的に接続する。
また、各導体22、23、26、27の積層方法は、上記したように順次行ってもよく、各導体22、23、26、27の下面に形成される各磁性体シート24、28、30、31に一度形成した後、この磁性体シート同士を積層しても構わない。
次に、第4の導体27の上面に所定枚数の第4の磁性体シート31を設けて、図7(b)に示すような配置関係に積層する。
次に、図7(c)に示すように、1つのノイズフィルタに各導体22、23、26、27がそれぞれ1つ内設されるように切断して、図7(d)に示すような1つの積層物34を得る。このとき、積層物34の両端面から第1の引き出し部22aと第3の引き出し部26aが、他の端面には第2の引き出し部23aと第4の引き出し部27aがそれぞれ露出している。
次に、この積層物34を焼成して磁性体32を形成する。
次に、図7(e)に示すように、磁性体32を面取りする。
最後に、図7(f)に示すように、磁性体32の両端面に露出した引き出し部22a、23a、26a、27aにそれぞれ銀などの導体を形成し、さらにこれらの表面にめっきによってニッケルめっきを、ニッケルめっきの表面にめっきによってすずやはんだなどの低融点金属めっきをそれぞれ設ける。これによって、第1の引き出し部22aに外部電極33aを、第2の引き出し部23aに外部電極33bを、第3の引き出し部26aに外部電極33cを、第4の引き出し部27aに外部電極33dをそれぞれ形成し、本発明の実施の形態1におけるノイズフィルタを製造する。
なお、銀などの導体を形成した後、およびニッケルめっきを形成する前に減圧雰囲気中で磁性体32をフッ素系シランカップリング剤に含浸する。
上記した本発明の実施の形態1におけるノイズフィルタにおいて、第2の導体23と第3の導体26との距離を近づけて磁気結合を大きくすれば、コモンモードのインピーダンス値を高くできるが、第2の導体23と第3の導体26との距離が近づきすぎると第2の導体23と第3の導体26との間の耐電圧が悪化して、第2の導体23と第3の導体26間が短絡してしまう。
従って、第2の導体23と第3の導体26との距離(第3の磁性体シート30の厚み)は、ある範囲に規定すべきである。
図8は本発明の実施の形態1におけるノイズフィルタの第2の導体23と第3の導体26との距離と、結合係数、耐電圧の関係を示す図である。
なお、耐電圧は第2の導体23と第3の導体26との間に100V、1分間印加したときの良品(絶縁抵抗が108Ω以上のもの)率を表し、横軸に第2の導体23と第3の導体26との距離を、縦軸に結合係数と耐電圧不良率を示している。試料として各内部導体22、23、26、27の外形寸法が600μm×600μm、ターン数4のものを使用した。
図8から明らかなように、第2の導体23と第3の導体26との距離は50μmより長く、200μmより短くすればよいことがわかる。このようにすれば、第2の導体23と第3の導体26との間の耐電圧を保持でき、さらに第2、第3の導体23、26間の結合係数がアップするため、コモンモードのインピーダンス値を高くできる。
なお、この種のノイズフィルタは一般的にそのサイズが1.0mm×1.0mm×厚み0.5mmのものが使用されているため、各導体22、23、26、27の縦横の外形寸法はそれぞれ500μm〜800μmのものが通常使用され、従って各導体22、23、26、27の縦横の外形寸法に対して第2の導体23と第3の導体26との間の距離は、1/4〜1/16となる。
また、上記した条件においては図8から明らかなように磁気的な結合係数が0.2〜0.7のものが得られた。結合係数にばらつきが生じるのは、第2の導体23と第3の導体26との間の距離が変化するためである(磁性体32の材料などの条件が等しい場合)。
さらに、結合係数は各導体22、23、26、27のターン数によっても変化する。例えば、第1の導体22と第4の導体27のターン数を1、第2の導体23と第3の導体26のターン数を6にすれば、結合係数0.5〜0.95となった。ターン数の差を6倍以上にするのは現実的でないため、本発明の実施の形態1におけるノイズフィルタの結合係数は0.2〜0.95となる。これにより、コモンモード、ノーマルモードの両方のインピーダンス値を高くすることができる。
このように、第2の導体23と第3の導体26との間の距離や各導体のターン数を変化させることによって、結合係数を所定の値にすることができる。
また、図9に示すように第1の導体22と第2の導体23との間の距離T1、第3の導体26と第4の導体27との間の距離T2、第2の導体23と第3の導体26との間の距離tが、T1、T2>tとなるようにすれば、第1の導体と第2の導体との間、第3の導体と第4の導体との間、および第1の導体と第4の導体との間で発生する浮遊容量を低減できる。そのため、高周波領域でインピーダンス値が向上し、さらに、第1、第4の導体間の距離を長くできるため、第1、第4の導体でそれぞれ発生する磁束を互いに弱め合う(相殺する)ことなく、ノーマルモードのインピーダンス値を高くできるという効果が得られる。
図10は高周波領域でインピーダンス値が向上したことを示す周波数特性の図である。
図10において、周波数特性Cは第1の導体22と第2の導体23との間、第3の導体26と第4の導体27との間の距離が、第2の導体23と第3の導体26との間の距離とほぼ同じようにしたもの、周波数特性Dは図9に示したように第1の導体22と第2の導体23との間、第3の導体26と第4の導体27との間の距離が、第2の導体23と第3の導体26との間の距離より長くしたものを表し、縦軸がインピーダンス値、横軸が印加される電流の周波数を示している。
図10から明らかなように、インピーダンス値がピークを示す周波数は、CよりDの方がより高い値となっている。すなわち、Dの方が高周波のノイズの除去特性を有していることがわかる。
なお、本発明の実施の形態1におけるノイズフィルタにおいて、高周波領域でインピーダンス値が向上する他のものについて説明しているが、周波数の変化する割合は各条件によって異なる。
さらに、図11(a)、(b)に示すように、第1の導体22と第2の導体23との間、第3の導体26と第4の導体27との間に、磁性体32より透磁率の低い材料34aを設ければ、第1の導体22と第4の導体27でそれぞれ発生する磁束を互いに弱め合う(相殺する)ことがないため、ノーマルモードのインピーダンス値を高くできるという効果が得られる。
なお、透磁率の低い材料34aとして、非磁性体の材料を第1の磁性体シート24、第2の磁性体シート28の中に設けたもの、または第1の磁性体シート24、第2の磁性体シート28の一部か全部を非磁性体で形成したもの、あるいは磁性体材料の組成を変更して透磁率を下げたものであればよい。
ただし、図11(a)に示すような、第1の導体22と第2の導体23との間、第3の導体26と第4の導体27との間全てに透磁率の低い材料34aを設けるよりも、図11(b)に示すような、少なくとも透磁率の低い材料34aと第2の導体23、第3の導体26とのそれぞれの間に透磁率の高い(磁性体32)ものを設ける方が、コモンモードのインピーダンス値が高くなり有利である。何故なら、それぞれの間に透磁率の高いものを設けることによって、第2の導体23、第3の導体26で発生する磁束が強くなるからである。
そして、図12(a)〜(d)に示すように、第1、第2のコイル21、25における各外部電極間の導体の長さが同一になるようにすれば、引き出し部22a、23a、26a、27aを含むトータルのコイルの長さが等しいため、第1、第2のコイル21、25におけるインピーダンス値を同一にできる。
その手段として、各導体のバイア電極22b、23b、26b、27bを通る線35に対して線対称になるように各導体22、23、26、27を形成する。点36は各導体22、23、26、27と線35が交わる点である。また、引き出し部22a、23a、26a、27aが磁性体32の端面に露出するそれぞれの部分37が線35に対して線対称になるようにする。そして、点36と37との間の各引き出し部22a、23a、26a、27aの長さが同じになるようにすればよい。
さらに、図13に示すように、第2の導体23と第3の導体26との間を、他の部分より密度が高くなるようにすれば、第2の導体23と第3の導体26との間の空孔率を下げることができるため、第2の導体23と第3の導体26との間の耐電圧を保持できる。
なお、このとき、第2の導体23と第3の導体26との間の部分における他の磁性体シート(磁性体32)より密度の高い第5の磁性体シート38を設ければよいが、第5の磁性体シート38の材料として、焼結助材であるCuOやBi23の含有率を増やすか、あるいは第5の磁性体シート38自体として他の磁性体シート(磁性体32)より密度の高いものを使用すればよい。
(実施の形態2)
以下、本発明の実施の形態2におけるノイズフィルタについて、図面を参照しながら説明する。
なお、本発明の実施の形態2におけるノイズフィルタと本発明の実施の形態1とが異なる点は、第1の導体22cと第2の導体23c、第3の導体26cと第4の導体27cがそれぞれ、磁性体32の上方からの平面視にてそれぞれ重ならないように形成された点のみであるため、他の構造および製造方法については、その説明を省略する。
図14(a)(b)(d)(e)は、本発明の実施の形態2におけるノイズフィルタの各導体22c、23c、26c、27cの上面図、図14(c)、(f)は、同ノイズフィルタにおける第1の導体22cと第2の導体23cの、第3の導体26cと第4の導体27cのそれぞれのパターン透過図である。
図14において、第1の導体22cと第2の導体23cとが、また第3の導体26cと第4の導体27cとがそれぞれ直交しているため、それぞれ磁性体32の上方からの平面視にてそれぞれ直交している部分を除いて重ならないように形成される。これにより、第1の導体22cと第2の導体23cとの間、第3の導体26cと第4の導体27cとの間で発生する浮遊容量をそれぞれ低減できるため、高周波領域でインピーダンス値が向上するという効果が得られる。
また、第1の導体22cと第4の導体27cは、磁性体32の上方からの平面視にて第2の導体23cや第3の導体26cと重ならないように形成してもよい。
なお、第2の導体23cと第3の導体26cは、同じ方向に引き出されている引き出し部22a、26a(外部電極33a、33c)から引き出し部23a、27a(外部電極33b、33d)に電流を流したとき、磁性体32の上方からの平面視にて同じ方向(時計回りあるいは反時計回り)に流れるように形成する必要がある。
上記した本発明の実施の形態1および2におけるノイズフィルタは、コイル21、25(インピーダンス素子)を2つ上下に積み重ねたものについて説明したが、複数上下に積み重ねたものでも同様の効果が得られる。
この場合、上下方向に隣り合う導体(コモンインピーダンス素子部)は、コモンモードのインピーダンス値を高くでき、最上部、最下部の導体(ノーマルインピーダンス素子部)は、ノーマルモードのインピーダンス値を高くでき、さらに、コモンインピーダンス素子部とノーマルインピーダンス素子部との間の導体は、このノーマルモードのインピーダンス値とコモンモードのインピーダンス値の中間的な値も有する。
上記のようにすれば、ノーマルモード及びコモンモードの両方のインピーダンス値、及びコイル間の結合度合いを表す結合係数を所望の値に容易に調整、設計することができる。ここで、結合係数は大きいコモンモードのインピーダンス値が大きくなる。
以下、本発明の実施の形態1および2におけるノイズフィルタを、携帯電話などの無線通信機器における1対の信号ラインに使用する方法について説明する。
例えば携帯電話のヘッドセットなどの通信線の信号ラインは通常1対のケーブル(信号ライン)で構成されており、携帯電話の搬送波などの高周波信号が輻射ノイズとして、前記ケーブルに対してノーマルモードおよびコモンモードで重畳されるため、ノイズの影響を大きく受けやすい。例えば、この輻射ノイズが音声信号の雑音として表れる場合がある。
音声等の信号がコモンモードの高周波ノイズによって障害を受けるのは、回路中の非線型素子と静電容量により、信号の中にあった低い周波数成分が検出されて、重畳されるためである。
例えば、図15(a)に示すような、TDMA方式の携帯電話の送受信回路における搬送波900MHz(TDMAキャリア)が217Hz(バースト周波数)で送受信されている場合、217Hzが検波され、ノーマルモードの音声信号に重畳されて可聴雑音が聞こえるようになる。従って、誘起されるコモンモードとノーマルモードの電流が抑制できれば、音声出力などのノイズが低減できる。
図15(b)に示すように、本発明の実施の形態1、2のノイズフィルタを1対の信号ライン(オーディオライン)に接続したとき、図15(c)に示す減衰特性が得られた。
図15(c)から明らかなように、携帯電話の搬送波900MHzでもコモンモード、ノーマルモードの両方のノイズが減衰されている。従って、搬送波900MHzとともに検波された繰り返し周波数の217Hzの信号を低減でき、可聴雑音が聞こえなくなる。
このように、本発明の実施の形態1、2のノイズフィルタを携帯電話などの無線通信機器における1対の信号ラインに、それぞれ第1のコイル21(第1のインピーダンス素子)、第2のコイル25(第2のインピーダンス素子)に接続させれば、コモンモード、ノーマルモードの両方のノイズが印加される1対の信号ラインにおいてコモンモード、ノーマルモードの両方のインピーダンス値を高くできる(信号を減衰できる)ため、例えば1対の信号ラインとしてのオーディオラインにおいては可聴雑音を低減できるという効果が得られる。
(実施の形態3)
以下、本発明の実施の形態3におけるノイズフィルタについて、図面を参照しながら説明する。
図16は本発明の実施の形態3におけるノイズフィルタの分解斜視図、図17(a)は同ノイズフィルタのA−A線断面図、図17(b)は同ノイズフィルタの斜視図である。
図16、図17において、螺旋状の第1のコイル121は、第1の内部導体121a〜121fを下から順に積層、接続することによって形成されている。螺旋状の第2のコイル122は、第2の内部導体122a〜122fを下から順に積層、接続することによって形成されている。すなわち、第1、第2のコイル121、122はそれぞれ6層構造になっている。なお、第1、第2のコイル121、122は必ずしも6層構造にする必要はない。そして、第1の内部導体121a〜121f、第2の内部導体122a〜122fは銀などの導電性材料からなる。
さらに、第1の内部導体121a〜121f、第2の内部導体122a〜122fのうちそれぞれ最下層、最上層に形成された121a、121f、122a、122fを除く他の第1の内部導体、第2の内部導体はU字状をしている。なお、U字状でなく、L字状などの他の形状でも構わない。
このとき、下から第1の内部導体121a〜121c、第2の内部導体122a、第1の内部導体121d、第2の内部導体122b、第1の内部導体121e、第2の内部導体122c、第1の内部導体121f、第2の内部導体122d〜122fの順に形成され、第1の内部導体121a〜121cのみで構成されている部分が第1の積層部123、第1の内部導体と第2の内部導体とが交互に構成されている部分(第2の内部導体122a、第1の内部導体121d、第2の内部導体122b、第1の内部導体121e、第2の内部導体122c、第1の内部導体121fが形成されている部分)が第2の積層部124、第2の内部導体122d〜122fのみで構成されている部分が第3の積層部125となっている。つまり、それぞれ6層構造になっている第1、第2のコイル121、122は、そのうち3層が交互に構成されている。
なお、第1の内部導体121a〜121fのうち最下層、最上層に形成された121a、121fには、それぞれ第1のコイル121の端部となる第1、第2の引き出し電極126,127がそれぞれ形成されている。同様に第2の内部導体122a、122fには、第3、第4の引き出し電極128、129がそれぞれ形成されている。
また、引き出し電極126、127、128、129は、第2の内部導体122f(後述する磁性体138)の上面視にて、磁性体138の4隅に形成してもよい。
方形で複数の第1の磁性体シート130は、第1の積層部123における第1の内部導体121b、121cの下面にそれぞれ形成され、第1のバイアホール131が設けられている。この第1のバイアホール131によって第1の内部導体121a〜121cが接続されている。
方形で複数の第2の磁性体シート132は、第3の積層部125における第2の内部導体122d〜122fの下面にそれぞれ形成され、第2のバイアホール133が設けられている。この第2のバイアホール133によって第2の内部導体122d〜122fが接続されている。
方形で複数の第3の磁性体シート134は、第2の積層部124における第2の内部導体122a、第1の内部導体121d、第2の内部導体122b、第1の内部導体121e、第2の内部導体122c、第1の内部導体121fの各下面に形成され、第3のバイアホール135、第4のバイアホール136がそれぞれ設けられている(第2の内部導体122aの下面に形成される第3の磁性体シート134には第3のバイアホール135のみが設けられている)。
第3のバイアホール135によって、第1の内部導体121cと121d、121dと121e、121eと121fとがそれぞれ接続されている。また、第4のバイアホール136によって、第2の内部導体122aと122b、122bと122c、122cと122dとがそれぞれ接続されている。
すなわち、第1の内部導体121dの下面の第3のバイアホール135が設けられた第3の磁性体シート134には第4のバイアホール136が形成されている。そして、第1の内部導体121dは、この第3のバイアホール135とさらにその下(第1の内部導体121cの上)の第3の磁性体シート134に設けられた第3のバイアホール135とによって第1の内部導体121cと接続され、第2の内部導体122bは、この第4のバイアホール136とその上(第2の内部導体122bの下)の第3の磁性体シート134に設けられた第4のバイアホール136とによって第2の内部導体122aと接続されるという具合になっている。
なお、第3のバイアホール135と第2の内部導体122a〜122cが、第4のバイアホール136と第1の内部導体121d〜121fがそれぞれ電気的に絶縁されている。
方形で複数の第4の磁性体シート137は、第1の内部導体121aの下面と第2の内部導体122fの上面に所定枚数形成されている。
各磁性体シート130、132、134、137は、フェライト粉体の酸化物および樹脂からなる混合物から構成され、また上記したように上下方向に積層することによって方形で板状の磁性体138が形成される。なお、磁性体138は板状でなく、ある程度の厚みを有していてもよい。また、磁性体138は必ずしも方形である必要はない。さらに、それぞれの厚みは、所定の特性(インピーダンス値、耐電圧など)によって適宜調整すればよく、厚みの調整は、磁性体シート自体の厚みを変えるか、形成される磁性体シートの枚数を変えることによって行う。
また、磁性体138はフッ素系シランカップリング剤によって含浸されており、このようにすることによって、撥水性のあるフッ素系シランカップリング剤が磁性体138内に存在する微細な細孔に充填させることができるため、ノイズフィルタ自身の耐湿性を向上させることができる。
磁性体138の両端面に形成された外部電極139a、139b、139c、139dのうち、139aと139cは磁性体138の一端面に、139bと139dは磁性体138の他の一端面に設けられている。また、外部電極139a、139b、139c、139dは、銀などの導体の表面に、ニッケルめっき、すずやはんだなどの低融点金属めっきが施され形成されている。
また、外部電極139a、139b、139c、139dは、磁性体138の上面視にて磁性体138の4隅に形成されてもよい。
そして、第1のコイル121の両端部、すなわち第1の引き出し電極126、第2の引き出し電極127は、第1の引き出し電極126が外部電極139aと、第2の引き出し電極127が外部電極139bと電気的に接続されている。
同様に、第2のコイル122についても、第3の引き出し電極128が外部電極139cと、第4の引き出し電極129が外部電極139dと電気的に接続されている。
上記したように、本発明の実施の形態3におけるノイズフィルタは、第1の内部導体121a〜121cのみからなる第1の積層部123と、第1の積層部123の上面に形成され、第1の内部導体121d、121e、121fと第2の内部導体122a、122b、122cが交互に積層された第2の積層部124と、第2の積層部124の上面に形成され、第2の内部導体122d〜122fのみからなる第3の積層部125との3層構造となっている。そのため、第1のコイル121と第2のコイル122とに同方向(磁性体138の上面視にて時計回り、あるいは反時計回り)の電流が流れれば、第2の積層部124における第1の内部導体121d、121e、121fと第2の内部導体122a、122b、122cは交互に形成されているため、交互に形成されている第1の内部導体121d、121e、121fと第2の内部導体122a、122b、122cの距離が近くなり、これにより、第2の積層部124における第1の内部導体121d、121e、121fと第2の内部導体122a、122b、122cでそれぞれ発生する磁束を互いに強め合うことができる。そのため、コモンモードのインピーダンス値を高くでき、さらに、第1のコイル121と第2のコイル122とに逆方向の電流が流れても、第1の積層部123には第1の内部導体121a〜121cのみが、第3の積層部125には第2の内部導体122d〜122fのみが設けられているため、第1の積層部123に形成された第1の内部導体121a〜121cおよび第3の積層部125に形成された第2の内部導体122d〜122fでそれぞれ発生する磁束を互いに弱め合う(相殺する)ことがない。これにより、ノーマルモードのインピーダンス値を高くできるという効果が得られる。
従って、第1のコイル121と第2のコイル122(第2の積層部124における第1の内部導体121d、121e、121fと第2の内部導体122a、122b、122c)とに同方向の電流が流れた場合、第1の内部導体121d、121e,121fと第2の内部導体122a、122b、122cのインピーダンス値が高くなり、これらの内部導体がコモンモードのノイズを低減する。一方、逆に流れた場合は、第1の積層部123に形成された第1の内部導体121a〜121cおよび第3の積層部125に形成された第2の内部導体122d〜122fのインピーダンス値が高くなり、これらの内部導体がノーマルモードのノイズを低減する。
すなわち、コモンモード、ノーマルモード両方のインピーダンス値を高くできるため、コモンモード、ノーマルモードのそれぞれのインピーダンス値を所定の値に調整できる。
図18に本発明の実施の形態3におけるノイズフィルタの等価回路図を示す。
また、第1の積層部123に形成された第1の内部導体の数と、第3の積層部125に形成された第2の内部導体の数とが異なるようにすれば、第1のコイル121と第2のコイル122とに逆方向の電流が流れた場合、第1の積層部123に形成された第1の内部導体および第3の積層部125に形成された第2の内部導体でそれぞれ発生する磁束の強さが異なるため、第1の内部導体から入力されるノーマルモードのインピーダンス値と第3の内部導体から入力されるノーマルモードのインピーダンス値を異なるようにすることができる。
さらに、磁気的な結合係数を微調整できるという効果も得られる。
すなわち、上記したノイズフィルタは第1、第2のコイル121、122がそれぞれ6層構造になり、そのうち3層、つまり半分が交互に形成されているが、交互に形成されている部分の割合(全体の内部導体に対する第2の積層部124に形成されている内部導体の割合)を変化させることによって、発生する磁束を互いに強め合うことができる内部導体の割合が変わるため、結合係数が変化するからである。
このように、結合係数を微調整できれば、コモンモードのインピーダンス値、ノーマルモードのインピーダンス値をそれぞれ所定の値に規定することができるため、この効果は非常に有効である。
なお、交互に形成されている部分の割合をできるだけ大きく、あるいは出来るだけ小さくすることによって、結合係数を0.2〜0.95の間の所定の値にできるため、ノーマルモード、コモンモードのインピーダンス値を調整できる。
本発明の実施の形態3におけるノイズフィルタにおいて、図19(a)は第2の積層部124における内部導体のターン数(第1の内部導体121d〜121f、第2の内部導体122a〜122cのそれぞれのターン数)と結合係数との関係を示す図、図19(b)は第1の積層部123および第3の積層部125における内部導体のターン数(第1の内部導体121a〜121c、第2の内部導体122d〜122fのそれぞれのターン数)と結合係数との関係を示す図である。なお、磁性体138の上面視にて内部導体が1回りした場合を1ターンとする。すなわち、内部導体が1/4ターンのとき、4層積層して1ターンとなる。
試料として、磁性体が1.0mm×1.0mm×2.5mm厚みのもの、磁性体の上面視にて螺旋状の第1のコイル121、第2のコイル122で囲まれた部分の寸法が、600μm×600μmのものを用いた。なお、図19(a)は第1の積層部123および第3の積層部125における内部導体のターン数が1のもの、図19(b)は第2の積層部124における内部導体のターン数が10のものを使用した。
図19(a)(b)から明らかなように、第2の積層部124における内部導体のターン数が多いほど、第1の積層部および第3の積層部における内部導体のターン数が少ないほど、そして各磁性体シート130、132、134の厚みが薄いほど結合係数が大きくなる。
また、各磁性体シート130、132、134の厚みが50μmの場合は、第2の積層部124における内部導体のターン数が10以下で、第1の積層部および第3の積層部における内部導体のターン数が5以上のときと、各磁性体シート130、132、134の厚みが100μmの場合、第2の積層部124における内部導体のターン数が5〜11、第1の積層部および第3の積層部における内部導体のターン数が4以下のときに、それぞれ結合係数が0.2〜0.95となる。
なお、可能な限り第1の積層部および第3の積層部における内部導体のターン数を少なく、第2の積層部124における内部導体のターン数を多くすれば、結合係数が0.95のものを得ることができる。また、可能な限り第1の積層部および第3の積層部における内部導体のターン数を多く、第2の積層部124における内部導体のターン数を少なくすれば、結合係数が0.2のものを得ることができる。
さらに、所定のノーマルモードのインピーダンス値が得られるのであれば、第1の積層部123に形成された第1の内部導体121a〜121c、第3の積層部125に形成された第2の内部導体122d〜122fの形状は、1つの面に形成される渦巻き状、蛇行状などの他の形状でも構わない。また、巻方向が逆になっても構わない。
なお、第2の積層部124における第1の内部導体121d、121e、121fと第2の内部導体122a、122b、122cを出来るだけ1ターンに近づけることによって、各内部導体の長さを最大限に長くできるため、第1の内部導体121d、121e、121fと第2の内部導体122a、122b、122cでそれぞれ発生する磁束が互いにより強め合うことができ、これにより、第1のコイル121と第2のコイル122(第2の積層部124における第1の内部導体121d、121e、121fと第2の内部導体122a、122b、122c)とに同方向の電流が流れれば、コモンモードのインピーダンス値をより高くできるという効果が期待できる。
以上のように構成された本発明の実施の形態3におけるノイズフィルタについて、以下にその製造方法を図面を参照しながら説明する。
図20(a)〜(g)は本発明の実施の形態3におけるノイズフィルタの製造方法を示す斜視図である。
まず、フェライト粉体の酸化物および樹脂からなる混合物から、方形の第1の磁性体シート130、第2の磁性体シート132、第3の磁性体シート134、第4の磁性体シート137を作製する。
次に、図20(a)に示すように、第2の磁性体シート132の所定の位置に、レーザ、パンチングなどで穴あけ加工して第2のバイアホール133を設ける。
次に、図20(b)に示すように、第2の磁性体シート132の上面に第4の引き出し電極129を有する第2の内部導体122fを印刷によって形成する。なお、このとき同時に第2のバイアホール133に銀などの導電材料を充填する。このとき、第2の内部導体122fの端部と第2のバイアホール133とが接続されるようにする。
次に、図20(a)(b)と同様にして、第2のバイアホール133が設けられた第2の磁性体シート132の上面に第2の内部導体122d、122e、122fを、第3のバイアホール135、第4のバイアホール136が設けられた第3の磁性体シート134の上面に第1の内部導体121d、121e、121f、第2の内部導体122a、122b、122cを、第1のバイアホール131が設けられた第1の磁性体シート130の上面に第1の内部導体121a、121b、121cをそれぞれ形成する。
なお、各内部導体は、印刷でなく、めっき、蒸着、スパッタなどの他の方法で形成してもよい。
次に、図20(c)に示すような配置関係に積層して螺旋状の第1、第2のコイル121、122を設け、第1の内部導体121a〜121cのみからなる第1の積層部123と、第1の積層部123の上面に形成され、第1の内部導体121d、121e、121fと第2の内部導体122a、122b、122cが交互に積層された第2の積層部124と、第2の積層部124の上面に形成され、第2の内部導体122d〜122fのみからなる第3の積層部125とを備える。
次に、図20(d)に示すように、1つのノイズフィルタに第1のコイル121、第2のコイル122がそれぞれ1つ内設されるように切断して、図20(e)に示すような1つの積層物140を得る。このとき、積層物140の両端面から第1の引き出し電極126と第3の引き出し電極128が、他の端面には第2の引き出し電極127と第4の引き出し電極129がそれぞれ露出している。
次に、この積層物140を焼成して磁性体138を形成する。
次に、図20(f)に示すように、磁性体138を面取りする。
最後に、図20(g)に示すように、磁性体138の両端面に露出した引き出し電極126,127,128,129にそれぞれ銀などの導体を形成し、さらにこれらの表面にめっきによってニッケルめっきを、ニッケルめっきの表面にめっきによってすずやはんだなどの低融点金属めっきをそれぞれ設けることによって、第1の引き出し電極126に外部電極139aを、第2の引き出し電極127に外部電極139bを、第3の引き出し電極128に外部電極139cを、第4の引き出し電極129に外部電極139dをそれぞれ形成し、本発明の実施の形態3におけるノイズフィルタを製造する。
なお、銀などの導体を形成した後、およびニッケルめっきを形成する前に減圧雰囲気中で磁性体138をフッ素系シランカップリング剤に含浸する。
ここで、第1の積層部123および第3の積層部125における隣接する第1の内部導体121a〜121cのそれぞれの間、第2の内部導体122d〜122fのそれぞれの間の間隔を、第2の積層部124における隣接する第1の内部導体121d〜121fと第2の内部導体122a〜122cとの間隔より大きくすれば、第1の積層部123および第3の積層部125における隣接する第1の内部導体121a〜121cのそれぞれの間および第2の内部導体122d〜122fのそれぞれの間、第1の積層部123における第1の内部導体121a〜121cと第3の積層部125における第2の内部導体122d〜122fとの間でそれぞれ発生する浮遊容量を低減できる。そのため、高周波領域でインピーダンス値が向上し、さらに、第1の積層部123における第1の内部導体121a〜121cと第3の積層部125における第2の内部導体122d〜122fとの間の距離を長くできる。そのため、第1の積層部123における第1の内部導体121a〜121cおよび第3の積層部125における第2の内部導体122d〜122fでそれぞれ発生する磁束を互いに弱め合う(相殺する)ことがなく、ノーマルモードのインピーダンス値を高くできる。
また、第1の積層部123および第3の積層部125における隣接する第1の内部導体121a〜121cのそれぞれの間、第2の内部導体122d〜122fのそれぞれの間に磁性体138より透磁率の低いシートを形成すれば、第1の積層部123における第1の内部導体121a〜121cおよび第3の積層部125における第2の内部導体122d〜122fでそれぞれ発生する磁束を弱くすることができるため、ノーマルモードのインピーダンス値を低くできる。さらに、これによりコモンモードのインピーダンス値が一定のときにノーマルモードのインピーダンス値を調整することによって結合係数を調整できる。
また、第1、第2のコイル121、122における各外部電極間(139aと139bとの間、139cと139dとの間)の長さが同一になるようにすれば、引き出し部を含むトータルのコイルの長さが等しくなるため、第1、第2のコイル121、122におけるインピーダンス値を同一にできる。
そして、第2の積層部124における隣接する第1のコイル121(第1の内部導体121d〜121f)と、第2のコイル122(第2の内部導体122a〜122c)とのそれぞれの間の磁性体を、他の部分(第1の積層部123、第3の積層部125)の磁性体より密度が高くなるようにすれば、第1のコイル121と第2のコイル122との間(第2の積層部124における第1の内部導体121d〜121fと第2の内部導体122a〜122cとの間)の空孔率を下げることができるため、第2の積層部124における第1の内部導体121d〜121fと第2の内部導体122a〜122cとの間の耐電圧を保持できるという効果が得られる。
(実施の形態4)
以下、本発明の実施の形態4におけるノイズフィルタについて、図面を参照しながら説明する。
図21は本発明の実施の形態4におけるノイズフィルタの分解斜視図である。図21において、螺旋状の第1のコイル141は、第1の内部導体141a〜141iを下から順に積層、接続することによって形成されている。142は螺旋状の第2のコイルで、第2の内部導体142a〜142iを下から順に積層、接続することによって形成されている。すなわち、第1、第2のコイル141、142はそれぞれ9層構造になっている。なお、第1、第2のコイル141、142は必ずしも9層構造にする必要はない。そして、第1の内部導体141a〜141i、第2の内部導体142a〜142iは銀などの導電性材料からなる。
さらに、第1の内部導体141a〜141i、第2の内部導体142a〜142iのうちそれぞれ最下層、最上層に形成された141a、141i、142a、142iを除く他の第1の内部導体、第2の内部導体はU字状をしている。なお、U字状でなく、L字状など他の形状でも構わない。
このとき、下から第1の内部導体141a〜141d、同一面に形成された第1の内部導体141eと第2の内部導体142a、同一面に形成された第1の内部導体141fと第2の内部導体142b、同一面に形成された第1の内部導体141gと第2の内部導体142c、同一面に形成された第1の内部導体141hと第2の内部導体142d、同一面に形成された第1の内部導体141iと第2の内部導体142e、第2の内部導体142f〜142iの順に形成され、第1の内部導体141a〜141dのみで構成されている部分が第1の積層部143、第1の内部導体と第2の内部導体とが同一面に構成されている部分(第1の内部導体141eと第2の内部導体142a、第1の内部導体141fと第2の内部導体142b、第1の内部導体141gと第2の内部導体142c、第1の内部導体141hと第2の内部導体142d、第1の内部導体141iと第2の内部導体142eが形成されている部分)が第2の積層部144、第2の内部導体142f〜142iのみで構成されている部分が第3の積層部145となっている。つまり、それぞれ9層構造になっている第1、第2のコイル141、142は、そのうち5層が同一面に構成されている。
なお、第1の内部導体141a〜141iのうち最下層、最上層に形成された141a、141iには、それぞれ第1のコイル141の端部となる第1、第2の引き出し電極146,147がそれぞれ形成されている。同様に第2の内部導体142a、142iには、第3、第4の引き出し電極148、149がそれぞれ形成されている。
また、引き出し電極146、147、148、149は、第2の内部導体142i(後述する磁性体158)の上面視にて、磁性体158の4隅に形成してもよい。
方形で複数の第1の磁性体シート150は、第1の積層部143における第1の内部導体141b〜141dの下面にそれぞれ形成され、第1のバイアホール151が設けられている。この第1のバイアホール151によって第1の内部導体141a〜141dが接続されている。
方形で複数の第2の磁性体シート152は、第3の積層部145における第2の内部導体142f〜142iの下面にそれぞれ形成され、第2のバイアホール153が設けられている。この第2のバイアホール153によって第2の内部導体142e〜142iが接続されている。
方形で複数の第3の磁性体シート154は、第2の積層部144におけるそれぞれ同一面に形成された第1の内部導体141eと第2の内部導体142a、第1の内部導体141fと第2の内部導体142b、第1の内部導体141gと第2の内部導体142c、第1の内部導体141hと第2の内部導体142d、第1の内部導体141iと第2の内部導体142eの各下面に形成され、第3のバイアホール155、第4のバイアホール156がそれぞれ設けられている(同一面に形成された第1の内部導体141e、第2の内部導体142aの下面の磁性体シート154には第3のバイアホール155のみが設けられている)。
第3のバイアホール155によって、第1の内部導体141eと141f、141fと141g、141gと141h、141hと141iとがそれぞれ接続されている。また、第4のバイアホール156によって、第2の内部導体142aと142b、142bと142c、142cと142d、142dと142eとがそれぞれ接続されている。
すなわち、第1の内部導体141fの下面の第3のバイアホール155が設けられた第3の磁性体シート154には第4のバイアホール156が形成されている。そして、第1の内部導体141fは、この第3のバイアホール155によって第1の内部導体141eと接続され、第1の内部導体141fと同一面に形成された第2の内部導体142bは、この第4のバイアホール156によって第2の内部導体142aと接続されるという具合になっている。
なお、同一面に形成された第1の内部導体と第2の内部導体とは、それぞれ電気的に絶縁されている。
方形で複数の第4の磁性体シート157は、第1の内部導体141aの下面と第2の内部導体142iの上面に所定枚数形成されている。
各磁性体シート150、152、154、157は、フェライト粉体の酸化物および樹脂からなる混合物から構成され、また上記したように上下方向に積層することによって方形で板状の磁性体158(図示せず)が形成される。なお、磁性体158は板状でなく、ある程度の厚みを有していてもよい。また、磁性体158は必ずしも方形である必要はない。さらに、それぞれの厚みは、所定の特性(インピーダンス値、耐電圧など)によって適宜調整すればよく、厚みの調整は、磁性体シート自体の厚みを変えるか、形成される磁性体シートの枚数を変えることによって行う。
また、磁性体158はフッ素系シランカップリング剤によって含浸されており、このようにすることによって、撥水性のあるフッ素系シランカップリング剤が磁性体158内に存在する微細な細孔に充填させることができるため、ノイズフィルタ自身の耐湿性を向上させることができる。
磁性体158の両端面に形成された外部電極159a、159b、159c、159d(図示せず)のうち、159aと159cは磁性体158の一端面に、159bと159dは磁性体158の他の一端面に設けられている。また、外部電極159a、159b、159c、159dは、銀などの導体の表面に、ニッケルめっき、すずやはんだなどの低融点金属めっきが施されて形成されている。
また、外部電極159a、159b、159c、159dは、磁性体158の上面視にて磁性体158の4隅に形成されてもよい。
そして、第1のコイル141の両端部、すなわち第1の引き出し電極146、第2の引き出し電極147は、第1の引き出し電極146が外部電極159aと、第2の引き出し電極147が外部電極159bと電気的に接続されている。
同様に、第2のコイル142についても、第3の引き出し電極148が外部電極159cと、第4の引き出し電極149が外部電極159dと電気的に接続されている。
このとき、それぞれ同一面に形成された第1の内部導体141eと第2の内部導体142a、第1の内部導体141fと第2の内部導体142b、第1の内部導体141gと第2の内部導体142c、第1の内部導体141hと第2の内部導体142d、第1の内部導体141iと第2の内部導体142eについてはそれぞれ、第1の内部導体141c、141d、141e、141f、141gが第2の内部導体142a、142b、142c、142d、142eの内側に形成されている。
上記したように、本発明の実施の形態4におけるノイズフィルタは、第1の内部導体141a〜141dのみからなる第1の積層部143と、第1の積層部143の上面に形成され、第1の内部導体141eと第2の内部導体142a、第1の内部導体141fと第2の内部導体142b、第1の内部導体141gと第2の内部導体142c、第1の内部導体141hと第2の内部導体142d、第1の内部導体141iと第2の内部導体142eとがそれぞれ同一面に設けられた第2の積層部144と、第2の積層部144の上面に形成され、第2の内部導体142f〜142iのみからなる第3の積層部145との3層構造となっている。そのため、第1のコイル141と第2のコイル142とに同方向(磁性体158の上面視にて時計回りあるいは反時計回り)の電流が流れれば、第2の積層部144における第1の内部導体141e〜141iと第2の内部導体142a〜142eでそれぞれ発生する磁束を互いに強め合うことができるため、コモンモードのインピーダンス値を高くできる。さらに、第1のコイル141と第2のコイル142とに逆方向の電流が流れても、第1の積層部143には第1の内部導体141a〜141dのみが、第3の積層部145には第2の内部導体142f〜142iのみが設けられているため、第1の積層部143に形成された第1の内部導体141a〜141dおよび第3の積層部145に形成された第2の内部導体142f〜142iでそれぞれ発生する磁束を互いに弱め合う(相殺する)ことがなく、これにより、ノーマルモードのインピーダンス値を高くできるという効果が得られる。
従って、第1のコイル141と第2のコイル142(第2の積層部144における第1の内部導体141e〜141iと第2の内部導体142a〜142e)とに同方向の電流が流れた場合、第1の内部導体141e〜141iと第2の内部導体142a〜142eのインピーダンス値が高くなり、これらの内部導体がコモンモードのノイズを低減する。一方、逆に流れた場合は、第1の積層部143に形成された第1の内部導体141a〜141dおよび第3の積層部145に形成された第2の内部導体142f〜142iのインピーダンス値が高くなり、これらの内部導体がノーマルモードのノイズを低減する。
本発明の実施の形態4におけるノイズフィルタの等価回路図も図18で示される。
また、第1の積層部143に形成された第1の内部導体の数と、第3の積層部145に形成された第2の内部導体の数とが異なるようにすれば、第1のコイル141と第2のコイル142とに逆方向の電流が流れた場合、第1の積層部143に形成された第1の内部導体および第3の積層部145に形成された第2の内部導体でそれぞれ発生する磁束の強さが異なるため、第1の内部導体から入力されるノーマルモードのインピーダンス値と第3の内部導体から入力されるノーマルモードのインピーダンス値を異なるようにすることができる。
なお、上記したように、第2の積層部144における第1の内部導体141e、141f、141g、141h、141iが第2の内部導体142a、142b、142c、142d、142eの内側に形成されているため、第1、第2のコイル141、142における各外部電極間(159aと159bとの間、159cと159dとの間)の長さが異なる。これにより、第1、第2のコイル141、142の各インピーダンス値が異なるが、第1の積層部143に形成された第1の内部導体の数を、第3の積層部145に形成された第2の内部導体の数より増して、第1、第2のコイル141、142における各外部電極間(159aと159bとの間、159cと159dとの間)の距離を等しくすればこのような不具合は解消される。
さらに、磁気的な結合係数を微調整できるという効果も得られる。
すなわち、上記したノイズフィルタは第1、第2のコイル141、142がそれぞれ9層構造になり、そのうち5層、つまりその約56%が同一面に形成されているが、同一面に形成されている部分の割合(全体の内部導体に対する第2の積層部144に形成されている内部導体の割合)を変化させることによって、発生する磁束を互いに強め合うことができる内部導体の割合が変わるため、結合係数が変化するからである。
このように、結合係数を微調整できれば、コモンモードのインピーダンス値、ノーマルモードのインピーダンス値をそれぞれ所定の値に規定することができるため、この効果は非常に有効である。
なお、同一面に形成されている部分の割合をできるだけ大きく、あるいは出来るだけ小さくすることによって、結合係数を0.2〜0.95の間の所定の値にできるため、ノーマルモード、コモンモードのインピーダンス値を調整できる。
さらに、所定のノーマルモードのインピーダンス値が得られるのであれば、第1の積層部143に形成された第1の内部導体141a〜141d、第3の積層部145に形成された第2の内部導体142f〜142iの形状は、1つの面に形成される渦巻き状、蛇行状などの他の形状でも構わない。また、巻方向が異なっても構わない。
なお、第2の積層部144における第1の内部導体141e〜141iと第2の内部導体142a〜142eを出来るだけ1ターンに近づけることによって、各内部導体の長さを最大限に長くできるため、第1の内部導体141e〜141iと第2の内部導体142a〜142eでそれぞれ発生する磁束が互いにより強め合うことができる。これにより、第1のコイル141と第2のコイル142(第2の積層部144における第1の内部導体141e〜141iと第2の内部導体142a〜142e)とに同方向の電流が流れれば、コモンモードのインピーダンス値をより高くできるという効果が期待できる。
なお、製造方法については、その各内部導体の形成位置が異なるだけで、基本的な方法は上記した本発明の実施の形態3と同様であるため、説明は省略する。
ここで、第1の積層部143および第3の積層部145における隣接する第1の内部導体141a〜141dのそれぞれの間、第2の内部導体142f〜142iのそれぞれの間の間隔を第2の積層部144における同一面に形成された第1の内部導体と第2の内部導体との間(第1の内部導体141eと第2の内部導体142a、141fと142b、141gと142c、141hと142d、141iと142eとのそれぞれの間)の間隔より大きくすれば、第1の積層部143および第3の積層部145における隣接する第1の内部導体141a〜141dのそれぞれの間、および第2の内部導体142f〜142iのそれぞれの間、第1の積層部143における第1の内部導体141a〜141dと第3の積層部145における第2の内部導体142f〜142iとの間でそれぞれ発生する浮遊容量を低減できる。そのため、高周波領域でインピーダンス値が向上し、さらに、第1の積層部143における第1の内部導体141a〜141dと第3の積層部145における第2の内部導体142f〜142iとの間の距離を長くできるため、第1の積層部143における第1の内部導体141a〜141dおよび第3の積層部145における第2の内部導体142f〜142iでそれぞれ発生する磁束を互いに弱め合う(相殺する)ことがなく、ノーマルモードのインピーダンス値を高くできる。
また、第1の積層部143および第3の積層部145における隣接する第1の内部導体141a〜141dのそれぞれの間、第2の内部導体142f〜142iのそれぞれの間に磁性体138より透磁率の低いシートを形成すれば、第1の積層部143における第1の内部導体141a〜141dおよび第3の積層部145における第2の内部導体142f〜142iでそれぞれ発生する磁束を弱くすることができるため、ノーマルモードのインピーダンス値を低くできる。さらに、これによりコモンモードのインピーダンス値が一定のときにノーマルモードのインピーダンス値を調整することによって結合係数を調整できる。
また、第1、第2のコイル141、142における各外部電極間(159aと159bとの間、159cと159dとの間)の長さが同一になるようにすれば、引き出し部を含むトータルのコイルの長さが等しくなるため、第1、第2のコイル141、142におけるインピーダンス値を同一にできる。
そして、第2の積層部144における隣接する第1のコイル141と、第2のコイル142とのそれぞれの間(第1の内部導体141eと第2の内部導体142a、141fと142b、141gと142c、141hと142d、141iと142eとのそれぞれの間)の磁性体を、他の部分(第1の積層部143、第3の積層部145)の磁性体より密度が高くなるようにすれば、第2の積層部144における第1のコイル141と第2のコイル142との間の空孔率を下げることができるため、第2の積層部144における第1のコイル141と第2のコイル142との間の耐電圧を保持できるという効果が得られる。
なお、上記した本発明の実施の形態3および4において、第1の積層部123、143と第2の積層部124,144との間(第1の内部導体121cと第2の内部導体122aとの間、第1の内部導体141dと第2の内部導体142aとの間)の距離、第2の積層部124、144と第3の積層部125、145との間(第1の内部導体121fと第2の内部導体122dとの間、第1の内部導体141iと第2の内部導体142fとの間)の距離を、第1の積層部123、143、第2の積層部124、144、第3の積層部125、145におけるそれぞれの隣接する各内部導体間の距離より長くすれば、第1の積層部123、143における第1の内部導体121a〜121c、141a〜141dと第3の積層部125、145における第2の内部導体122d〜122f、142f〜142iとの間で発生する浮遊容量を低減できる。そのため、高周波領域におけるインピーダンス値を高くすることができ、さらに、第1の積層部123,143における第1の内部導体121a〜121c、141a〜141dと第3の積層部125、145における第2の内部導体122d〜122f、142f〜142iとの距離を長くできるため、第1の積層部123、143における第1の内部導体121a〜121c、141a〜141dおよび第3の積層部125、145における第2の内部導体122d〜122f、142f〜142iでそれぞれ発生する磁束を互いに弱め合う(相殺する)ことがない。これにより、ノーマルモードのインピーダンス値を高くできるという効果が得られる。
また、第1の積層部123、143と第2の積層部124、144との間、第2の積層部124、144と第3の積層部125、145との間に、他の磁性体シートより透磁率の低い磁性体シートを形成すれば、第1の積層部123、143における第1の内部導体121a〜121c、141a〜141dおよび第3の積層部125、145における第2の内部導体122d〜122f、142f〜142iでそれぞれ発生する磁束を互いに弱め合う(相殺する)ことがないため、ノーマルモードのインピーダンス値を高くできる。
(実施の形態5)
図22は本発明の実施の形態5におけるノイズフィルタの分解斜視図、図23(a)は図22のA−A線断面図、図23(b)は同ノイズフィルタの上面透過図である。
螺旋状の第1のコイル161は、第1の内部導体161a〜161dを下から順に積層、接続することによって形成されている。螺旋状の第2のコイル162は、第2の内部導体162a〜162dを下から順に積層、接続することによって形成されている。すなわち、第1、第2のコイル161、162はそれぞれ4層構造になっている。なお、第1、第2のコイル161、162は必ずしも4層構造にする必要はない。そして、第1の内部導体161a〜161d、第2の内部導体162a〜162dは銀などの導電性材料からなる。
さらに、第1の内部導体161a〜161d、第2の内部導体162a〜162dのうちそれぞれ最下層、最上層に形成された161a、161d、162a、162dを除く他の第1の内部導体、第2の内部導体はU字状をしている。なお、U字状でなく、L字状など他の形状でも構わない。
このとき、下から第1の内部導体161a、第2の内部導体162a、第1の内部導体161b、第2の内部導体162b、第1の内部導体161c、第2の内部導体162c、第1の内部導体161d、第2の内部導体162dの順に、すなわち第1の内部導体161a〜161d、第2の内部導体162a〜162dは交互に構成される。さらに図23(b)に示すように、第2の内部導体162dの上面視(後述する磁性体171の上面視)にて第1のコイル161で囲まれた部分、第2のコイル162で囲まれた部分がそれぞれ一部のみ重なるように形成されている。
つまり、螺旋状となった第1のコイル161の中心軸をB、螺旋状となった第2のコイル162の中心軸をCとした場合、BとCがずれている。
なお、BとCは、第1、第2のコイル161、162が第2の内部導体162dの上面視(後述する磁性体171の上面視)にて第1のコイル161で囲まれた部分、第2のコイル162で囲まれた部分が完全に重なる、あるいは全く重ならないことがない程度にずれている。
また、第1の内部導体161a〜161dのうち最下層、最上層に形成された161a、161dには、それぞれ第1のコイル161の端部となる第1、第2の引き出し電極163、164がそれぞれ形成されている。同様に第2の内部導体162a、162dには、第3、第4の引き出し電極165、166がそれぞれ形成されている。
なお、引き出し電極163、164、165、166は、第2の内部導体162d(後述する磁性体171)の上面視にて、磁性体171の4隅に形成してもよい。
方形で複数の第1の磁性体シート167は、第1の内部導体161b〜161d、第2の内部導体162a〜162dの各下面にそれぞれ形成され、第1のバイアホール168、第2のバイアホール169がそれぞれ設けられている(第2の内部導体162aの下面に形成される第1の磁性体シート167には第1のバイアホール168のみが、第2の内部導体162dの下面に形成される第1の磁性体シート167には第2のバイアホール169のみがそれぞれ設けられている)。
第1のバイアホール168によって、第1の内部導体161aと161b、161bと161c、161cと161dとがそれぞれ接続されている。また、第2のバイアホール169によって、第2の内部導体162aと162b、162bと162c、162cと162dとがそれぞれ接続されている。
すなわち、第1の内部導体161bの下面の第1のバイアホール168が設けられた第1の磁性体シート167には第2のバイアホール169が形成されている。そして、第1の内部導体161bは、この第1のバイアホール168とそのさらに下(第1の内部導体161aの上)に形成された第1の磁性体シート167に設けられた第1のバイアホール168とによって、第1の内部導体161aと接続され、第2の内部導体162bは、この第2のバイアホール169とその上(内部導体162bの下)に形成された第1の磁性体シート167に設けられた第2のバイアホール169とによって第2の内部導体162aと接続されるという具合になっている。
なお、第1のバイアホール168と第2の内部導体162a〜162dが、第2のバイアホール169と第1の内部導体161a〜161dがそれぞれ電気的に絶縁されている。
方形で複数の第2の磁性体シート170は、第1の内部導体161aの下面と第2の内部導体162dの上面に所定枚数形成されている。
各磁性体シート167、170は、フェライト粉体の酸化物および樹脂からなる混合物から構成され、また上記したように上下方向に積層することによって方形で板状の磁性体171が形成される。なお、磁性体171は板状でなく、ある程度の厚みを有していてもよい。また、磁性体171は必ずしも方形である必要はない。さらに、それぞれの厚みは、所定の特性(インピーダンス値、耐電圧など)によって適宜調整すればよく、厚みの調整は、磁性体シート自体の厚みを変えるか、形成される磁性体シートの枚数を変えることによって行う。
また、磁性体171はフッ素系シランカップリング剤によって含浸されており、このようにすることによって、撥水性のあるフッ素系シランカップリング剤が磁性体171内に存在する微細な細孔に充填させることができるため、ノイズフィルタ自身の耐湿性を向上させることができる。
磁性体171の両端面に形成された外部電極172a、172b、172c、172d(図示せず)のうち、172aと172cは磁性体171の一端面に、172bと172dは磁性体171の他の一端面に設けられている。また、外部電極172a、172b、172c、172dは、銀などの導体の表面に、ニッケルめっき、すずやはんだなどの低融点金属めっきが施されて形成されている。
また、外部電極172a、172b、172c、172dは、磁性体171の上面視にて磁性体171の4隅に形成されてもよい。
そして、第1のコイル161の両端部、すなわち第1の引き出し電極163、第2の引き出し電極164は、第1の引き出し電極163が外部電極172aと、第2の引き出し電極164が外部電極172bと電気的に接続されている。
同様に、第2のコイル162についても、第3の引き出し電極165が外部電極172cと、第4の引き出し電極166が外部電極172dと電気的に接続されている。
なお、図24に示すように、上記した本発明の実施の形態5で説明したように、螺旋状となった第1のコイル161の中心軸B、螺旋状となった第2のコイル162の中心軸Cがずれ、かつ本発明の実施の形態3のように第1の内部導体のみからなる第1の積層部と、第1の積層部の上面に形成され、第1の内部導体と第2の内部導体とが交互に積層された第2の積層部と、第2の積層部の上面に形成され、第2の内部導体からなる第3の積層部とが備えられるように構成してもよい。
また、図25(a)に示すように、磁性体171の上面視にて第1のコイル161で囲まれた部分、第2のコイル162で囲まれた部分が、図23(b)におけるその部分に対して直交するように、あるいは図25(b)に示すように、磁性体171の上面視にて第1のコイル161で囲まれた部分と第2のコイル162で囲まれた部分とが重なる部分が対角状になるように配置してもよい。
さらに、図26(a)(b)に示すように、渦巻き状の第1、第2のコイル161’、162’が磁性体の上面視にてその一部が重なるように形成してもよい。
上記したように、本発明の実施の形態5におけるノイズフィルタは、第1の内部導体161a〜161dからなる螺旋状の第1のコイル161、第2の内部導体162a〜162dからなる螺旋状の第2のコイル162を、磁性体171の上面視にて第1のコイル161で囲まれた部分、第2のコイル162で囲まれた部分がそれぞれ一部のみ重なるように形成した。そして、第1のコイル161と第2のコイル162とに同方向(磁性体171の上面視にて時計回り、あるいは反時計回り)の電流が流れれば、第1の内部導体161a〜161dと第2の内部導体162a〜162dが交互に形成されているため、交互に形成された隣り合う第1の内部導体161a〜161dと第2の内部導体162a〜162dの距離が近くなる。これにより、第1のコイル161と第2のコイル162における磁性体171の上面視にて第1のコイル161で囲まれた部分、第2のコイル162で囲まれた部分が重なっている箇所でそれぞれ発生する磁束を互いに強め合うことができるため、コモンモードのインピーダンス値を高くでき、さらに、第1のコイル161と第2のコイル162とに逆方向の電流が流れても、第1のコイル161と第2のコイル162における磁性体171の上面視にて第1のコイル161で囲まれた部分、第2のコイル162で囲まれた部分が重なっていない箇所でそれぞれ発生する磁束は互いに弱め合う(相殺する)ことがない。そのため、ノーマルモードのインピーダンス値を高くできるという効果が得られる。
従って、第1のコイル161(第1の内部導体161a〜161d)と第2のコイル162(第2の内部導体162a〜162d)とに同方向の電流が流れた場合、第1のコイル161と第2のコイル162とが磁性体171の上面視にて重なっている部分のインピーダンス値が高くなり、この部分がコモンモードのノイズを低減する。一方、逆に流れた場合は、第1のコイル161と第2のコイル162とが磁性体171の上面視にて重なっていない部分のインピーダンス値が高くなり、この部分がノーマルモードのノイズを低減する。
図27は本発明の実施の形態5におけるノイズフィルタの等価回路図である。ノーマルモードのインピーダンス値を高くする第1のコイル161と第2のコイル162において、磁性体171の上面視にて第1のコイル161で囲まれた部分、第2のコイル162で囲まれた部分が重なっていない部分の面積が等しい場合は、ノーマルモードのインピーダンス値は等しくなるため、方向性を持たないという効果が得られる。
また、磁性体171の上面視にて第1のコイル161で囲まれた部分、第2のコイル162で囲まれた部分が重なっていない部分の面積が異なるようにすれば、第1のコイル161と第2のコイル162とに逆方向の電流が流れた場合、第1のコイル161および第2のコイル162でそれぞれ発生する磁束の強さが異なる。そのため、第1のコイル161から入力されるノーマルモードのインピーダンス値と第2のコイル162から入力されるノーマルモードのインピーダンス値を異なるようにすることができる。
さらに、磁気的な結合係数を微調整できるという効果も得られる。
すなわち、上記したノイズフィルタは第1、第2のコイル161、162が磁性体171の上面視にて重なっている部分の面積を変化させることによって、発生する磁束を互いに強め合うことができる内部導体の割合が変わるため、結合係数が変化するからである。
このように、結合係数を微調整できれば、コモンモードのインピーダンス値、ノーマルモードのインピーダンス値をそれぞれ所定の値に規定することができるため、この効果は非常に有効である。
なお、第1、第2のコイル161、162が磁性体171の上面視にて重なっている部分の面積をできるだけ大きく、あるいは出来るだけ小さくすることによって、結合係数を0.2〜0.95の間の所定の値にできるため、ノーマルモード、コモンモードのインピーダンス値を調整できる。
さらに、所定のノーマルモードのインピーダンス値が得られるのであれば、第1の内部導体161a〜161d、第2の内部導体162a〜162dの形状は、渦巻き状、蛇行状などの他の形状でも構わない。また、巻方向が逆になっても構わない。
なお、第1の内部導体161a〜161dと第2の内部導体162a〜162dをそれぞれ出来るだけ1ターンに近づけることによって、各内部導体の長さを最大限に長くできるため、第1の内部導体161a〜161dと第2の内部導体162a〜162dでそれぞれ発生する磁束が互いにより強め合うことができ、これにより、第1のコイル161と第2のコイル162とに同方向の電流が流れれば、コモンモードのインピーダンス値をより高くできるという効果が期待できる。
また、製造方法については、その各内部導体の形成位置が異なるだけで、基本的な方法は上記した本発明の実施の形態3と同様であるため、説明は省略する。
ここで、第1、第2のコイル161、162における各外部電極間(172aと172bとの間、172cと172dとの間)の長さが同一になるようにすれば、引き出し部を含むトータルのコイルの長さが等しくなるため、第1、第2のコイル161、162におけるインピーダンス値を同一にできる。
さらに、第1のコイル161における隣接する第1の内部導体と、第2のコイル162における第2の内部導体との間(第1の内部導体161aと第2の内部導体162a、162aと161b、161bと162bなどのそれぞれの間)の磁性体を、他の内部導体間の磁性体より密度が高くなるようにすれば、第1のコイル161と第2のコイル162との間(隣り合う第1の内部導体と第2の内部導体とのそれぞれの間)の空孔率を下げることができるため、(第1のコイル161と第2のコイル162との間)第1の内部導体161aと第2の内部導体162a、162aと161b、161bと162bなどのそれぞれの間の耐電圧を保持できるという効果が得られる。
なお、上記した本発明の実施の形態3〜5におけるノイズフィルタは、磁性体の一端面に形成された一対の外部電極、およびこの外部電極とそれぞれ電気的に接続された第1のコイルと第2のコイルとの各接続部が、磁性体の他の一端面に形成された一対の外部電極、およびこの外部電極とそれぞれ電気的に接続された第1のコイルと第2のコイルとの各接続部に対して、磁性体の側面視にて上方あるいは下方に形成されているため、実装基板に実装する際に方向が異なっても、減衰特性は変化しないという効果が得られる。
本発明の実施の形態3〜5におけるノイズフィルタは、図28(a)(図はその一例として実施の形態5のノイズフィルタの断面図を示している)に示すように、磁性体171の一端面に形成された一対の外部電極181とそれぞれ電気的に接続された第1のコイル161と第2のコイル162との各接続部181a、181bが、磁性体171の他の一端面に形成された一対の外部電極182とそれぞれ電気的に接続された第1のコイル161と第2のコイル162との各接続部182a、182bに対して、磁性体171の側面視にて上方に形成されている(以下パターンAとする)。なお、このパターンAの等価回路図は図18に示されている。
なお、このとき、磁性体171の側面視にて上から、磁性体171の一端面に形成された外部電極181と第1のコイル161との接続部181a、磁性体171の一端面に形成された外部電極181と第2のコイル162との各接続部181b、磁性体171の他の一端面に形成された外部電極182と第1のコイル161との接続部182a、磁性体171の他の一端面に形成された外部電極182と第2のコイル162との接続部182bの順に形成されている。また、第1のコイル161と第2のコイル162とが入れ替わっていても構わない。
これに対して、磁性体171の一端面に形成された一対の外部電極181とそれぞれ電気的に接続された第1のコイル161と第2のコイル162との各接続部181a、181bが、図28(b)に示すように、磁性体171の他の一端面に形成された一対の外部電極182とそれぞれ電気的に接続された第1のコイル161と第2のコイル162との各接続部182a、182bを介して、磁性体171の側面視にて上方、下方に形成されていても、あるいは図28(c)に示すように、各接続部182a、182bに挟まれるように形成されていても構わない(以下パターンBとする)。また、図28(c)に示したものは、図28(b)に示したものの実装方向を変えた(反転した)ものである。
図28(d)は本発明の実施の形態3〜5におけるノイズフィルタ(パターンA)とパターンBの、周波数と減衰量との関係(減衰特性)をそれぞれ示す図である。なお、試料として図19で説明したものと同じものを使用した。なお、この図の符号A、B、Cはそれぞれ図28の(a)(b)(c)に対応する。
図28(d)から明らかなように、発明の実施の形態3〜5におけるノイズフィルタ(パターンA)は減衰特性にばらつきを生じないが、パターンBのものは(電流の向きが変化すると)ばらつきが生じる。なお、パターンBの等価回路図を図29に示す。
何故なら、発明の実施の形態3〜5におけるノイズフィルタ(パターンA)は、磁性体171の一端面に形成された外部電極181と第1のコイル161および第2のコイル162との接続部181a、181b間の距離と、磁性体171の他の一端面に形成された外部電極182と第1のコイル161および第2のコイル162との接続部182a、182b間の距離が等しいため、ノーマルモード電流の印加される方向が異なっても(181aから入力して182aから出力した電流が、さらに182bから入力して181aから出力した場合と、182aから入力して181aから出力した電流が、さらに181bから入力して182aから出力した場合)磁性体171内で発生する浮遊容量(入力部付近と出力部付近との間の浮遊容量)は変わらない。これにより、実装基板に実装する際に方向が異なっても、減衰特性は変化しないからである。
また実施の形態3,4においては、第1、第2のコイルをそれぞれ構成する内部導体が同数の場合は、ノーマルモードのインピーダンス値は等しくなるため、方向性を持たないという効果が得られる。
本発明の実施の形態3〜5に述べたノイズフィルタを、携帯電話などの無線通信機器における1対の信号ラインに適用した場合も実施の形態1、2で図15(a)、(b)、(c)を用いて述べたと同様の効果がある。
(実施の形態6)
以下、本発明の実施の形態6におけるコモンモードノイズフィルタについて、図面を参照しながら説明する。
図30は本発明の実施の形態6におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図、図31(a)は同A−A線断面図、図31(b)は同斜視図である。
図30、図31において、螺旋状の第1のコイル231は、第1の内部導体231a〜231eを下から順に積層、接続することによって形成されている。螺旋状の第2のコイル232は、第2の内部導体232a〜232eを下から順に積層、接続することによって形成されている。すなわち、第1、第2のコイル231,232はそれぞれ5層構造になっている。なお、第1、第2のコイル231,232は必ずしも5層構造にする必要はない。そして、第1の内部導体231a〜231e、第2の内部導体232a〜232eは銀などの導電性材料からなる。
このとき、第1の内部導体231a〜231e、第2の内部導体232a〜232eは、交互になるように形成されている。
すなわち、下から第1の内部導体231a、第2の内部導体232a、第1の内部導体231b、第2の内部導体232b、第1の内部導体231c、第2の内部導体232c、第1の内部導体231d、第2の内部導体232d、第1の内部導体231e、第2の内部導体232eの順に形成されている。
また、第1の内部導体231a〜231eを積層することによって得られる螺旋状の第1のコイル231と、第2の内部導体232a〜232eを積層することによって得られる螺旋状の第2のコイル232は、後述する磁性体246の上面視にて第1のコイル231と第2のコイル232とが重なるように形成されている。
さらに、第1の内部導体231a〜231e、第2の内部導体232a〜232eは略U字状をしている。
略U字状にすることによって、各内部導体を2層積層するだけで1ターンのコイルを形成することができるため、積層数が少なくて済む。これにより、小型化が可能になり、さらに、同じコイルを形成するそれぞれの内部導体について、隣り合う内部導体間の距離を近づけることができ、これにより、第1、第2のコイル231,232でそれぞれ発生する磁束を互いに強め合うことができる。
なお、第1の内部導体231a〜231eのうち最下層に形成された231aの下面には、第1のコイル231の端部と接続する第1の引き出し電極233が、最上層の231eの上面には、第1のコイル231の他の端部と接続する第2の引き出し電極234がそれぞれ形成されている。同様に第2の内部導体232a、232eには、第3、第4の引き出し電極235,236がそれぞれ形成されている。
また、引き出し電極233,234,235,236は磁性体246の上面視にて、磁性体246の4隅に形成してもよい。
方形で複数の第1の磁性体シート237は、第1の内部導体231b〜231eの下面にそれぞれ形成され、第1のバイアホール238、第2のバイアホール239が設けられている。なお、第1のバイアホール238は各第1の内部導体231a〜231eの端部と接続され、第2のバイアホール239とは電気的に絶縁されている。
また、第2のバイアホール239は、磁性体246の上面視にて第1、第2のコイル231,232と重なるように形成されている。
方形で複数の第2の磁性体シート240は、第2の内部導体232a〜232eの下面にそれぞれ形成され、第3のバイアホール241、第4のバイアホール242が設けられている。なお、第4のバイアホール242は各第2の内部導体232a〜232eの端部と接続され、第3のバイアホール241とは電気的に絶縁されている。
また、第3のバイアホール241は、磁性体246の上面視にて第1、第2のコイル231,232と重なるように形成されている。
このとき、第1のバイアホール238、第3のバイアホール241によって第1の内部導体231a〜231eが接続され、螺旋状の第1のコイル231が得られる。また、第2のバイアホール239、第4のバイアホール242によって第2の内部導体232a〜232eが接続され、螺旋状の第2のコイル232が得られる。
すなわち、第1の内部導体231bの下面の第1のバイアホール238が設けられた第1の磁性体シート237には第2のバイアホール239が形成されている。そして、第1の内部導体231bは、この第1のバイアホール238とさらにその下(第1の内部導体231aの上)の第2の磁性体シート240に設けられた第3のバイアホール241とによって第1の内部導体231aと接続され、第2の内部導体232bは、この第2のバイアホール239とその上(第2の内部導体232bの下)の第2の磁性体シート240に設けられた第4のバイアホール242とによって第2の内部導体232aと接続されるという具合になっている。
そして、第1の内部導体231a〜231eと、第1の内部導体231a〜231eと隣り合う第2の内部導体232a〜232eのうち少なくとも1つは磁性体246の上面視にてほぼ重なるようになっている。
すなわち、第1の内部導体231aと第2の内部導体232a、第1の内部導体231bと第2の内部導体232b、第1の内部導体231cと第2の内部導体232c、第1の内部導体231dと第2の内部導体232d、第1の内部導体231eと第2の内部導体232eのそれぞれのペアが、磁性体246の上面視にてほぼ(バイアホール238,239,241,242が形成された部分を除いて)重なるようにそれぞれ設けられている。
方形で複数の第3の磁性体シート243は、第1の内部導体231aの下面、第2の内部導体232eの上面にそれぞれ形成されている。第1の内部導体231aの下面に形成された第3の磁性体シート243の下面には、第1、第3の引き出し電極233,235が設けられ、第2の内部導体232eの上面に形成された第3の磁性体シート243の上面には、第2、第4の引き出し電極234,236が設けられている。
なお、第2の内部導体232eの上面に形成された第3の磁性体シート243には、第5のバイアホール244が設けられ、この第5のバイアホール244によって、第2の内部導体232eと第4の引き出し電極236、第1の内部導体231eと(第3のバイアホール241を介して)第2の引き出し電極234がそれぞれ接続されている。
さらに、第1の内部導体231aの下面に形成された第3の磁性体シート243には、第1、第2のバイアホール238,239が設けられ、この第1、第2のバイアホール238,239によって、第1の内部導体231aと第1の引き出し電極233、第2の内部導体232aと(第2のバイアホール239を介して)第3の引き出し電極235がそれぞれ接続されている。
第4の磁性体シート245は、第1、第3の引き出し電極233,235の下面、および第2、第4の引き出し電極234,236の上面に所定枚数形成されている。
各磁性体シート237,240,243,245は、フェライト粉体の酸化物および樹脂からなる混合物から構成され、また上記したように上下方向に積層することによって方形で板状の磁性体246が形成される。なお、磁性体246は板状でなく、ある程度の厚みを有していてもよい。また、磁性体246は必ずしも方形である必要はない。さらに、それぞれの厚みは、所定の特性(インピーダンス値、耐電圧など)によって適宜調整すればよく、厚みの調整は、磁性体シート自体の厚みを変えるか、形成される磁性体シートの枚数を変えることによって行う。
また、磁性体246はフッ素系シランカップリング剤によって含浸されており、このようにすることによって、撥水性のあるフッ素系シランカップリング剤が磁性体246内に存在する微細な細孔に充填させることができるため、ノイズフィルタ自身の耐湿性を向上させることができる。
磁性体246の両端面に形成された外部電極247a,247b,247c,247dの内で、247aと247cは磁性体246の一端面に、247bと247dは磁性体246の他の一端面に設けられている。また、外部電極247a,247b,247c,247dは銀などの導体の表面に、ニッケルめっき、すずやはんだなどの低融点金属めっきが施され形成されている。
また、外部電極247a,247b,247c,247dは、磁性体246の上面視にて磁性体246の4隅に形成されてもよい。
そして、第1のコイル231の両端部に接続される第1の引き出し電極233、第2の引き出し電極234は、第1の引き出し電極233が外部電極247aと、第2の引き出し電極234が外部電極247bと電気的に接続されている。
同様に、第2のコイル232についても、第3の引き出し電極235が外部電極247cと、第4の引き出し電極236が外部電極247dと電気的に接続されている。
以上のように構成された本発明の実施の形態6におけるコモンモードノイズフィルタについて、以下にその製造方法を図面を参照しながら説明する。
図32(a)〜(c)、図33(a)〜(d)は本発明の実施の形態6におけるコモンモードノイズフィルタの製造方法を示す斜視図である。
まず、フェライト粉体の酸化物および樹脂からなる混合物から、方形の第1の磁性体シート237、第2の磁性体シート240、第3の磁性体シート243、第4の磁性体シート245を作製する。
次に、図32(a)に示すように、第3の磁性体シート243の所定の位置に、レーザ、パンチングなどで穴あけ加工して第5のバイアホール244を設ける。
次に、同様にして、第1の磁性体シート237の所定の位置に第1、第2のバイアホール238,239を設ける。さらに、第2の磁性体シート240の所定の位置に第3のバイアホール241、第4のバイアホール242を、他の第3の磁性体シート243の所定の位置に第1、第2のバイアホール238,239をそれぞれ設ける。
次に、図32(b)に示すように、第5のバイアホール244を有する第3の磁性体シート243の上面に第2の引き出し電極234と第4の引き出し電極236とをそれぞれ形成する。なお、このとき同時に第5のバイアホール244に銀などの導電材料を充填する。
同様にして、第1のバイアホール238、第2のバイアホール239を有する第3の磁性体シート243の上面に第1の内部導体231aを印刷によって形成する。そして、第1のバイアホール238と第1の引き出し電極233とが、第2のバイアホール239と第3の引き出し電極235とがそれぞれ接続されるようにする。なお、このとき同時に第1のバイアホール238、第2のバイアホール239に銀などの導電材料を充填する。
さらに、第2の磁性体シート240の上面に第2の内部導体232aを印刷によって形成する。そして、第2の内部導体232aの端部と第4のバイアホール242とが接続されるようにする。なお、このとき同時に第3のバイアホール241、第4のバイアホール242に銀などの導電材料を充填する。
そして、第1の磁性体シート237の上面に第1の内部導体231bを印刷によって形成する。そして、第1の内部導体231bの端部と第1のバイアホール238とが接続されるようにする。なお、このとき同時に第1のバイアホール238、第2のバイアホール239に銀などの導電材料を充填する。
次に、第4の磁性体シート245の上面に第1、第3の引き出し電極233,235を印刷によって形成する。
次に、上記と同様にして設けた複数の第1の磁性体シート237と第2の磁性体シート240を交互に積層して、図32(c)に示すような配置関係にする。なお、第4の磁性体シート245は、第1、第3の引き出し電極233,235の下面、および第2、第4の引き出し電極234,236の上面に所定枚数形成する。
このとき、第1の磁性体シート237に形成された第1のバイアホール238、第2の磁性体シート240に形成された第3のバイアホール241によって第1の内部導体231a〜231eをそれぞれ接続し、第1のコイル231を得る。また、第1の磁性体シート237に形成された第2のバイアホール239、第2の磁性体シート240に形成された第4のバイアホール242によって第2の内部導体232a〜232eをそれぞれ接続し、第2のコイル232を得る。
また、第3の磁性体シート243に形成された第5のバイアホール244によって、第2の内部導体232eと第4の引き出し電極236、第1の内部導体231eと(第3のバイアホール241を介して)第2の引き出し電極234をそれぞれ接続する。
さらに、第3の磁性体シート243に形成された第1のバイアホール238によって、第1の内部導体231aと第1の引き出し電極233、第2の磁性体シート240の下面に形成された第4のバイアホール242によって第2の内部導体232aと(第2のバイアホール239を介して)第3の引き出し電極235をそれぞれ接続する。
なお、各内部導体、引き出し電極は、印刷でなく、めっき、蒸着、スパッタなどの他の方法で形成してもよい。
次に、図33(a)に示すように、1つのコモンモードノイズフィルタに第1のコイル231、第2のコイル232がそれぞれ1つ内設されるように切断して、図33(b)に示すような1つの積層物248を得る。このとき、積層物248の両端面から第1の引き出し電極233と第3の引き出し電極235が、他の端面には第2の引き出し電極234と第4の引き出し電極236がそれぞれ露出している。
次に、この積層物248を焼成して磁性体246を形成する。
次に、図33(c)に示すように、磁性体246を面取りする。
最後に、図33(d)に示すように、磁性体246の両端面に露出した引き出し電極233,234,235,236にそれぞれ銀などの導体を形成し、さらにこれらの表面にめっきによってニッケルめっきを、ニッケルめっきの表面にめっきによってすずやはんだなどの低融点金属めっきをそれぞれ設けることによって、第1の引き出し電極233に外部電極247aを、第2の引き出し電極234に外部電極247bを、第3の引き出し電極235に外部電極247cを、第4の引き出し電極236に外部電極247dをそれぞれ形成し、本発明の実施の形態6におけるコモンモードノイズフィルタを製造する。
なお、銀などの導体を形成した後、およびニッケルめっきを形成する前に減圧雰囲気中で磁性体246をフッ素系シランカップリング剤に含浸する。
上記したように、本発明の実施の形態6におけるコモンモードノイズフィルタは、第1のコイル231と第2のコイル232とが磁性体246の上面視にて重なり、さらに、第1の内部導体231a〜231eと、この第1の内部導体231a〜231eと隣り合う第2の内部導体232a〜232eのうち少なくとも1つは磁性体246の上面視にてほぼ重なるように形成されるため、第1のコイル231と第2のコイル232とに同方向(磁性体の上面視にて時計回り、あるいは反時計回り)の電流が流れれば、第1の内部導体231a〜231eおよび第2の内部導体232a〜232eでそれぞれ発生する磁束を互いに強め合うことができ、さらに、隣り合う第1の内部導体231a〜231eと第2の内部導体232a〜232eとで発生する磁束が特に互いに強め合う。これにより、コモンモードのインピーダンス値をさらに高くできるという効果が得られる。
従って、第1のコイル231と第2のコイル232とに同方向の電流が流れた場合、第1の内部導体231a〜231eと第2の内部導体232a〜232eのインピーダンス値が高くなり、これらの内部導体がコモンモードのノイズを低減する。
さらに、第2のバイアホール239、第3のバイアホール241は、磁性体246の上面視にて第1、第2のコイル231,232と重なるように形成されているため、第2のバイアホール239と(上下方向に)接続される第2の内部導体232a〜232eは、磁性体246の上面視にて第1の内部導体231a〜231eからなる第1のコイル231と重ねることができる。同様に、第3のバイアホール241と(上下方向に)接続される第1の内部導体231a〜231eは、磁性体246の上面視にて第2の内部導体232a〜232eからなる第2のコイル232と重ねることができる。このようにすれば、必ず磁性体246の上面視にて第1、第2のコイル231,232が重なるようにすることができるため、コモンモードのインピーダンス値をより効果的に高くすることができる。
一方、第2のバイアホール239、第3のバイアホール241が、磁性体246の上面視にて第1、第2のコイル231,232と重ならない場合は、第2のバイアホール239と(上下方向に)接続される第2の内部導体232a〜232e、および第3のバイアホール241と(上下方向に)接続される第1の内部導体231a〜231eは、各内部導体231a〜231e,232a〜232eにおける第2のバイアホール239、第3のバイアホール241と接続された付近において、磁性体246の上面視にて第1、第2のコイル231,232と重ならない。
もちろん、第1のバイアホール238、第4のバイアホール242は、それぞれ各内部導体231a〜231e,232a〜232eのそれぞれの端面に接続されているため、磁性体246の上面視にて第1、第2のコイル231,232と重なっている。
また、引き出し電極233〜236を含めた第1、第2のコイル231,232の長さをすれば、第1、第2のコイル231,232におけるインピーダンス値を同一にできる。
以下、本発明の実施の形態6におけるコモンモードノイズフィルタを、電子機器の一例として携帯電話などの無線通信機器における一対の信号ラインに使用する方法について説明する。
例えば携帯電話のヘッドセットなどの通信線の信号ラインは通常一対のケーブル(信号ライン)で構成されており、携帯電話の搬送波などの高周波信号が輻射ノイズとして前記ケーブルに対して、ノーマルモードおよびコモンモードで重畳されるため、ノイズの影響を大きく受けやすい。例えば、コモンモードで重畳された輻射ノイズが音声信号の雑音として表れる場合がある。
音声などの信号がコモンモードの高周波ノイズによって障害を受けるのは、回路中の非線型素子と静電容量により、信号の中にあった低い周波数成分が検出されて、重畳されるためである。
例えば、図34(a)に示すような、TDMA方式の携帯電話の送受信回路における搬送波900MHz(TDMAキャリア)が217Hz(バースト周波数)で送受信されている場合、217Hzが検波され、ノーマルモードの音声信号に重畳されて可聴雑音が聞こえるようになる。従って、誘起されるコモンモードの電流を抑制できれば、音声出力などのノイズを低減できる。
ここで、本発明の実施の形態6におけるコモンモードノイズフィルタの使われ方の一例を図34(b)に示す。
図34(c)は本発明の実施の形態6におけるコモンモードノイズフィルタの減衰特性(周波数と減衰量との関係)を示す図である。
図34(c)から明らかなように、携帯電話の搬送波900MHzでもコモンモードのノイズが減衰されている。従って、搬送波900MHzとともに検波された繰り返し周波数の217Hzの信号を低減でき、可聴雑音が聞こえなくなる。
本発明に係るノイズフィルタは、コモンモード、ノーマルモードのインピーダンス値を高くできるという効果を有するものであり、特に携帯電話、情報機器等のノイズ対策として使用されるノイズフィルタおよびこのノイズフィルタを用いた電子機器等において有用となるものである。
21 第1のコイル(第1のインピーダンス素子)
22、22c 第1の導体(第1のノーマルインピーダンス素子部)
23、23c 第2の導体(第1のコモンインピーダンス素子部)
24 第1の磁性体シート
25 第2のコイル(第2のインピーダンス素子)
26、26c 第3の導体(第2のコモンインピーダンス素子部)
27、27c 第4の導体(第2のノーマルインピーダンス素子部)
28 第2の磁性体シート
30 第3の磁性体シート
31 第4の磁性体シート
32 磁性体
33a、33b、33c、33d 外部電極
34a 透磁率の低い材料
38 第5の磁性体シート
121、141、161、161’ 第1のコイル
121a〜121f、141a〜141i、161a〜161d 第1の内部導体
122、142、162、162’ 第2のコイル
122a〜122f、142a〜142i、162a〜162d 第2の内部導体
123、143 第1の積層部
124、144 第2の積層部
125、145 第3の積層部
130、150、167 第1の磁性体シート
132、152、170 第2の磁性体シート
134、154 第3の磁性体シート
137、157 第4の磁性体シート
138、171 磁性体
139a、139b、139c、139d 外部電極
181 磁性体の一端面に形成された外部電極
181a 磁性体の一端面に形成された外部電極と第1のコイルとの接続部
181b 磁性体の一端面に形成された外部電極と第2のコイルとの接続部
182 磁性体の他の一端面に形成された外部電極
182a 磁性体の他の一端面に形成された外部電極と第1のコイルとの接続部
182b 磁性体の他の一端面に形成された外部電極と第2のコイルとの接続部
231 第1のコイル
231a〜231e 第1の内部導体
232 第2のコイル
232a〜232e 第2の内部導体
237 第1の磁性体シート
238 第1のバイアホール
239 第2のバイアホール
240 第2の磁性体シート
241 第3のバイアホール
242 第4のバイアホール
243 第3の磁性体シート
244 第5のバイアホール
245 第4の磁性体シート
246 磁性体
247a,247b,247c,247d 外部電極

Claims (17)

  1. 磁性体シートを上下方向に積層することによって形成された磁性体と、複数の第1の内部導体を積層することによって形成された第1のコイルと、複数の第2の内部導体を積層することによって形成された第2のコイルと、前記磁性体の両端面に形成され、前記第1、第2のコイルの各端部とそれぞれ電気的に接続された外部電極とを有し、前記磁性体内に、前記第1の内部導体からなる第1の積層部と、前記第1の積層部の上面に形成され、前記第1の内部導体と前記第2の内部導体とが交互に積層された第2の積層部と、前記第2の積層部の上面に形成され、前記第2の内部導体からなる第3の積層部とが備えられたノイズフィルタ。
  2. 磁性体シートを上下方向に積層することによって形成された磁性体と、複数の第1の内部導体を積層することによって形成された第1のコイルと、複数の第2の内部導体を積層することによって形成された第2のコイルと、前記磁性体の両端面に形成され、前記第1、第2のコイルの各端部とそれぞれ電気的に接続された外部電極とを有し、前記磁性体内に、前記第1の内部導体からなる第1の積層部と、前記第1の積層部の上面に形成され、前記第1の内部導体と前記第2の内部導体とが同一面に設けられた第2の積層部と、前記第2の積層部の上面に形成され、前記第2の内部導体からなる第3の積層部とが備えられたノイズフィルタ。
  3. 磁性体シートを上下方向に積層することによって形成された磁性体と、前記磁性体内に形成された第1、第2のコイルと、前記磁性体の両端面に形成され、前記第1、第2のコイルの各端部とそれぞれ電気的に接続された外部電極とを有し、前記第1、第2のコイルは前記磁性体の上面視にて前記第1のコイルに囲まれた部分と前記第2のコイルに囲まれた部分とがそれぞれ一部のみ重なるように形成されたノイズフィルタ。
  4. 結合係数を0.2〜0.95とした請求項1〜3のいずれかに記載のノイズフィルタ。
  5. 第1の積層部および第3の積層部における隣接する第1の内部導体間、第2の内部導体間の間隔が、第2の積層部における隣接する第1の内部導体と第2の内部導体との間隔より大きい請求項1または2記載のノイズフィルタ。
  6. 第1の積層部および第3の積層部における隣接する第1の内部導体間、第2の内部導体間に他の磁性体シートより透磁率の低いシートが形成された請求項1または2記載のノイズフィルタ。
  7. 第1、第2のコイルにおける各外部電極間の長さが同一になるようにした請求項1〜3のいずれかに記載のノイズフィルタ。
  8. 第1の積層部および第3の積層部を構成する磁性体の密度より第2の積層部を構成する磁性体の密度が高くなるようにした請求項1または2記載のノイズフィルタ。
  9. 第1の積層部と第2の積層部との間の距離、前記第2の積層部と第3の積層部との間の距離を、前記第1の積層部、前記第2の積層部、第3の積層部のそれぞれの隣接する各内部導体間の距離より長くした請求項1または2記載のノイズフィルタ。
  10. 第1の積層部と第2の積層部との間、前記第2の積層部と第3の積層部との間に、他の磁性体シートより透磁率の低い磁性体シートが形成された請求項1または2記載のノイズフィルタ。
  11. 磁性体の一端面に形成された一対の外部電極、および前記外部電極とそれぞれ電気的に接続された第1のコイルと第2のコイルとの各接続部が、前記磁性体の他の一端面に形成された一対の外部電極、および前記外部電極とそれぞれ電気的に接続された前記第1のコイルと前記第2のコイルとの各接続部に対して、前記磁性体の側面視にて上方あるいは下方に形成された請求項1〜3のいずれかに記載のノイズフィルタ。
  12. 請求項1〜3のいずれかに記載のノイズフィルタのそれぞれ第1のコイル、第2のコイルを、無線通信機器における一対の信号ラインに接続するようにしたことを特徴とするノイズフィルタを用いた電子機器。
  13. 磁性体シートを上下方向に積層することによって形成された磁性体と、複数の第1の内部導体を積層することによって形成された第1のコイルと、前記第1の内部導体と交互に形成された複数の第2の内部導体を積層することによって形成され、かつ前記磁性体の上面視にて前記第1のコイルと重なる第2のコイルと、前記第1の内部導体同士、または前記第2の内部導体同士を接続するために前記磁性体シートに形成された複数のバイアホールとを有し、前記第1の内部導体同士を接続するバイアホールは、前記磁性体の上面視にて前記第2のコイルと重なり、前記第2の内部導体同士を接続するバイアホールは、前記磁性体の上面視にて前記第1のコイルと重なるように設けられ、前記第1の内部導体と、前記第1の内部導体と隣り合う前記第2の内部導体のうち少なくとも1つは前記磁性体の上面視にてほぼ重なるように形成されたノイズフィルタ。
  14. 第1の内部導体、第2の内部導体が略U字状である請求項13記載のノイズフィルタ。
  15. 磁性体がフッ素系シランカップリング剤によって含浸された請求項1〜3、13のいずれかに記載のノイズフィルタ。
  16. 第1、第2のコイルの長さが同一になるようにした請求項13記載のノイズフィルタ。
  17. 請求項13記載のコモンモードノイズフィルタのそれぞれ第1のコイル、第2のコイルを、無線通信機器における一対の信号ラインに接続したことを特徴とするノイズフィルタを用いた電子機器。
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