JP3545701B2 - コモンモードチョーク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、小型でも高い結合係数を実現可能なコモンモードチョークに係り、伝送トランス等の積層型コイル部品に応用可能なものである。
【0002】
【従来の技術】
電子部品が組み込まれている機器に対して小型化の要求が近年強まり、これに伴って、小型の積層電子部品の需要が急速に高まってきた。そして、伝送トランスやEMC対策として用いられるコモンモードチョークがバルン回路等に用いられているが、これら伝送トランスやコモンモードチョークを小型で高性能化する需要も増大している。
【0003】
このコモンモードチョークの一例として特公平7−48417号公報で示されるものが知られており、図11に基づきこの公報に記載されたものを従来例として説明する。
この公報には、積層部材である2枚の磁性体シート102、103上にそれぞれ渦巻き状の導体パターンを形成して一対のコイル111、112とすることで、磁性体シート103を介して一対の渦巻き状のコイル111、112が相互に平行になるように配置された構造が示されている。
そして、これら一対のコイル111、112を有した磁性体シート102、103を上下より積層部材である同じく磁性体シート101、104で挟み込む形にこれらを積層し、最後に外部に図示しない端子電極を設けることでコモンモードチョークが完成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、積層部材を上記のように全て磁性体シート101、102、103、104で構成した従来のコモンモードチョークの場合には、導体間に大きな漏れ磁束であるマイナ・ループが発生することになる。さらに、この公報に示された構造では、1次コイル及び2次コイルがそれぞれ一つのコイル111、112で形成されるのに伴って、これらのコイル111、112の端部をコモンモードチョーク外にそれぞれ引き出す為の配線である引出部111A、111B、112A、112Bが長くなり、リーケージインダクタンスも大きくなってしまう。
【0005】
以上より、従来の構造において1次、2次コイル間の結合係数は、0.6程度の値にしかならず、コモンモードチョークとしての特性が不十分であった。
本発明は上記事実を考慮し、小型でも高い結合係数を実現したコモンモードチョークを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1によるコモンモードチョークは、一対の磁性体層間に非磁性体層が挟まれた構造とされると共に、1次コイル及び2次コイルが渦巻き状の導体によりそれぞれ形成されたコモンモードチョークであって、
少なくとも非磁性体層を間に挟む形で、これら1次コイル及び2次コイルが相互に対向して内蔵され、
この非磁性体層が非磁性Ni−Znフェライトで形成されて厚さを100μm以下とすると共に、これら1次コイルと2次コイルとの間の結合係数が0.85以上とされ、
1次コイル及び2次コイルをそれぞれ構成する渦巻き状の導体が、磁性体層に接した渦巻き状の第1の導体及び非磁性体層中に位置する渦巻き状の第2の導体により構成されることを特徴とする。
【0007】
請求項1に係るコモンモードチョークの作用を以下に説明する。
本請求項に係るコモンモードチョークは、一対の磁性体層間に非磁性体層が挟まれた構造とされ、渦巻き状の導体によりそれぞれ形成される1次コイルと2次コイルとが、非磁性体層を間に挟む形で、相互に対向して内蔵されている。
そして、非磁性Ni−Znフェライトで非磁性体層が形成されてこの非磁性体層の厚さが100μm以下とされることで、1次コイルと2次コイルとの間の結合係数が0.85以上とされている。
【0008】
つまり、渦巻き状の導体でそれぞれ形成される1次コイルと2次コイルとの間に非磁性Ni−Znフェライトで形成された非磁性体層を配置し、この非磁性体層の外側の部分に磁性体層を配置するだけでなく、非磁性体層の厚さを上記のようにすることにより、マイナ・ループを少なくした。
これによって、全体の厚みが1mm程度の小型のコモンモードチョークであっても0.85以上となる高い結合係数の値を実現でき、伝送トランス等として採用可能なコモンモードチョークとなった。
【0009】
請求項2に係るコモンモードチョークの作用を以下に説明する。
本請求項は請求項1と同様の構成を有して同様に作用するが、さらに、第1の導体及び第2の導体の内側端同士が、各層の積層方向に延びる導電材で接続されると共に、これら第1の導体及び第2の導体の他端となる一対の引出部が、第1の導体及び第2の導体の外側端に位置するという構成を有する。
【0010】
つまり、一対の引出部が、これら導体の外側端に位置してコモンモードチョークの側面までの距離が短いことから、外部への引出の為の配線部分となる引出部が短くなる結果、リーケージインダクタンスが減少し、これによっても結合係数Kの値をより一層高くすることが可能となる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るコモンモードチョークの一実施の形態を図面を参照しつつ説明することにより、本発明を明らかにする。
図1及び図4に示すように、本実施の形態に係るコモンモードチョーク10は、それぞれ長方形に形成された4枚の磁性体シート1A、1B、1F、1G及び3枚の非磁性体シート1C、1D、1Eが積層された直方体構造となっている。
【0012】
つまり、図1及び図4に示すように、表面抵抗が高く絶縁材となるNi−Cu−Znフェライト磁性体により磁性体シート1A、1B、1F、1Gが形成されている。これら磁性体シート1A、1B、1F、1Gの内の磁性体シート1A、1Bがコモンモードチョーク10の下部側に配置される下側磁性体層11とされており、磁性体シート1F、1Gがコモンモードチョーク10の上部側に配置される上側磁性体層12とされている。
さらに、この内の磁性体シート1A、1F、1Gには導体パターンが配置されていないものの、磁性体シート1B上には、この磁性体シート1Bの外部へ引き出される引出部5を外側端として有した渦巻き状の導体2Aが印刷されて配置されている。
【0013】
一方、図1及び図4に示すように、非磁性Ni−Znフェライトによる非磁性体で絶縁材となるシートにより形成される3枚の非磁性体シート1C、1D、1Eを重ね合わせて形成された非磁性体層13が、これら下側磁性体層11と上側磁性体層12との間に配置されている。
従って、本実施の形態に係るコモンモードチョーク10は、一対の磁性体層11、12間に非磁性体層13が挟まれた構造とされており、一対の磁性体層11、12の透磁率はそれぞれ例えば100とされている。
【0014】
そして、これら非磁性体シート1C、1D、1Eの内の非磁性体シート1C上には、この非磁性体シート1Cの外部へ引き出される引出部6を外側端として有した渦巻き状の導体2Bが印刷されて配置されていると共に、この導体2Bの内側端を前述の導体2Aの内側端に接続するためのスルーホール4Aが貫通して形成されている。
また、非磁性体シート1D上には、この非磁性体シート1Dの外部へ引き出される引出部7を外側端として有した渦巻き状の導体3Aが印刷されて配置されている。非磁性体シート1E上には、この非磁性体シート1Eの外部へ引き出される引出部8を外側端として有した渦巻き状の導体3Bが印刷されて配置されていると共に、この導体3Bの内側端を上記の導体3Aの内側端に接続するためのスルーホール4Bが貫通して形成されている。
【0015】
以上より、導体2Aの内側端と導体2Bの内側端との間がスルーホール4Aによって接続されて1次コイル21を形成しており、導体3Aの内側端と導体3Bの内側端との間がスルーホール4Bによって接続されて2次コイル22を形成している。すなわち、スルーホール4A、4Bが各層の積層方向に延びる導電材とされている。
そして、本実施の形態では、磁性体シート1Aから磁性体シート1Gまでの7枚のシートが順次積層されて、内部に1次コイル21及び2次コイル22を有した構造になっている。
【0016】
この内の1次コイル21を形成する第1の導体である導体2Aが下側磁性層体層11に接していると共に、同じく1次コイル21を形成する第2の導体である導体2Bが非磁性体層13中に位置している。また、2次コイル22を形成する第1の導体である導体3Bが上側磁性体層12に接していると共に、同じく2次コイル22を形成する第2の導体である導体3Aが非磁性体層13中に位置している。
つまり、これら1次コイル21及び2次コイル22が、少なくとも非磁性体層13を間に挟む形で相互に対向してコモンモードチョーク10に内蔵された形になっており、また、これら1次コイル21と2次コイル22との間の巻き数比が1:1となっている。
【0017】
一方、図4の斜線部分で示すように、1次コイル21の一対の引出部5、6はコモンモードチョーク10の同一の側面に引き出され、2次コイル22の一対の引出部7、8は引出部5、6が引き出される側面と対向する側面にそれぞれ引き出されている。
【0018】
また、図2に示すように、この引出部5が、コモンモードチョーク10の外側の側面10Aに配置された端子電極15に接続され、端子電極15と同一の側面10Aに配置された端子電極16に引出部6が接続されている。これら端子電極15、16が配置された側面10Aと対向する側面10Bには、引出部7に接続された端子電極17及び引出部8に接続された端子電極18がそれぞれ配置されている。
【0019】
そして、図3に示すように、本実施の形態では、これら非磁性体層13の厚さD1 が100μm以下とされ、一対の磁性体層11、12の厚さD2 の内の薄い側が100μm〜1000μmの範囲とされ、コモンモードチョーク10の全厚Dが例えば1.0〜1.1mm程度とされ、また、これら1次コイル21と2次コイル22との間の結合係数Kが0.85以上とされている。
つまり、例えば厚さD1 を40μmとすれば、厚さD2 の内の薄い側が200μm〜1000μmの範囲とされ、また、厚さD1 を100μmとすれば、厚さD2 の内の薄い側が500μm〜1000μmの範囲とすることが考えられる。
【0020】
他方、本実施の形態のコモンモードチョーク10は、図3に示すように各コイル21、22を形成する導体間の間隔Bと導体間の絶縁材である非磁性体シート1C、1D、1Eのそれぞれの厚みAとの関係がA<Bとされた構造のコモンモード・チョークとされている。そして、本実施の形態に係るコモンモードチョーク10では、例えば厚みAが15μmとされ、間隔Bが30μmとされ、また、導体の幅Cが30μmとされている。
【0021】
次に、グリーンシート積層工法を用いた場合の本実施の形態に係るコモンモードチョーク10の製造を、図1、図2、図4及び図5を用いて説明する。
このコモンモードチョーク10の製造に際して、まず、Ni−Cu−Znフェライト磁性体のグリーンシートにより磁性体シート1A、1B、1F、1Gを形成し、また、非磁性Ni−Znフェライトによる非磁性体のグリーンシートにより非磁性体シート1C、1D、1Eを形成する。
【0022】
次に、銀、銀−パラジウム等の導体ペーストを磁性体シート1B及び非磁性体シート1C、1D、1Eに印刷することで、図4に示すそれぞれ渦巻き状の導体2A、2B、3A、3Bとなる導体パターンが形成される。そして、これら導体2B、3Bの印刷時に、非磁性体シート1C、1E内に同じく導体ペーストを充填することで、これら非磁性体シート1C、1Eをそれぞれ貫通する導電材であるスルーホール4A、4Bが形成される。
【0023】
尚、実際にコモンモードチョーク10を製造する際には、図1及び図4に示す導体パターンが多数個配列された図5に示すような状態のグリーンシート1及び導体パターンが配置されていないグリーンシートを順次積層した後、ダイサーによる切断等によって個片に分割して磁性体層11、12及び非磁性体層13を同時に焼成する。そして最後に、引出部5、6、7、8に接続されるように図2に示すような端子電極15、16、17、18をメッキ等により設置して、コモンモードチョーク10が完成される。
【0024】
次に、本実施の形態に係るコモンモードチョーク10の作用を説明する。
本実施の形態に係るコモンモードチョーク10は、一対の磁性体層11、12間に非磁性体層13が挟まれた構造とされ、一対の渦巻き状の導体によりそれぞれ形成される1次コイル21と2次コイル22とが、非磁性体層13を間に挟む形で、相互に対向してこのコモンモードチョーク10に内蔵されている。
【0025】
そして、図3に示す非磁性体層13の厚さD1 が100μm以下とされ、一対の磁性体層11、12の内の薄い方の磁性体層の厚さD2 が100μm〜1000μmの範囲とされることで、1次コイル21と2次コイル22との間の結合係数Kが0.85以上とされている。
【0026】
つまり、一対の渦巻き状の導体でそれぞれ形成される1次コイル21と2次コイル22との間に非磁性体層13を配置すると共に、この非磁性体層13の外側の部分に磁性体層11、12を配置し、非磁性体層13の厚さD1 を上記のようにすることにより、マイナ・ループを少なくした。
尚ここで、一対の磁性体層11、12の内の薄い方の磁性体層の厚さを1000μm以下としたのはこれを越えると、コモンモードチョーク10が厚くなりすぎて実使用に適さないためである。
【0027】
以上より、例えば縦寸法が2.0mmで横寸法が1.25mmで厚み寸法が1.0mm程度と小型のコモンモードチョーク10等の積層型コイル部品であっても、0.85以上となる高い結合係数Kの値を実現でき、伝送トランス等として採用可能なコモンモードチョークとなった。
【0028】
他方、本実施の形態では、1次コイル21をそれぞれ構成する磁性体層11に接した渦巻き状の導体2A及び、非磁性体層13中に位置する渦巻き状の導体2Bが、その内側端同士でスルーホール4Aを介して接続されると共に、これら導体2A及び導体2Bの他端となる一対の引出部5、6が、導体2A及び導体2Bの外側端に位置している。
また、2次コイル22をそれぞれ構成する非磁性体層13中に位置する渦巻き状の導体3A及び、磁性体層12に接した渦巻き状の導体3Bが、その内側端同士でスルーホール4Bを介して接続されると共に、これら導体3A及び導体3Bの他端となる一対の引出部7、8が、導体3A及び導体3Bの外側端に位置している。
【0029】
つまり、図4に示すように、4つの引出部5、6、7、8が、導体2A、2B、3A、3Bの外側端に位置して、コモンモードチョーク10の側面10A、10Bまでの距離が短いことから、外部への引出の為の配線部分となるコイル21、22の引出部5、6、7、8の長さが、図11で示す従来例の引出部111A、111B、112A、112Bの長さよりも短いことになる。そして、引出部5、6、7、8が短くなった結果として、リーケージインダクタンスが減少し、これによっても結合係数Kの値をより一層高くすることが可能となる。
【0030】
さらに、本実施の形態に係るコモンモードチョーク10は、図3に示すように非磁性体層13の厚さD1 を100μm以下とするだけでなく、各コイル21、22を形成する導体間の間隔Bと導体間の非磁性体シート1C、1D、1Eのそれぞれの厚みAとの関係がA<Bとされた構造とされている。
【0031】
この場合における図6に示す本実施の形態の構造によるインピーダンスの周波数特性は、図7に示す従来例の構造によるインピーダンスの周波数特性より、ディファレンシャルモード・インピーダンスが低くなって、コモンモード・インピーダンスとディファレンシャルモード・インピーダンスとの間の差が大きくなる。この結果、従来の例の構造における結合係数Kが0.6に対して、本実施の形態の構造における結合係数Kが0.9となり、0.85以上の結合係数Kをより確実に達成することができるようになる。尚ここで、これらの内のコモンモード・インピーダンスは図の特性曲線Aで示し、ディファレンシャルモード・インピーダンスは図の特性曲線Bで示す。
【0032】
次に、具体的にデータに基づき上記実施の形態の特性を説明する。
一対の磁性体層11、12間に非磁性体層13が挟まれた構造おいて、磁性体層11、12の透磁率μの値が3、100、300の場合で比較しつつ、非磁性体層13の厚みD1 と結合係数Kとの関係を、図8に示すグラフに表す。
このグラフより透磁率μの値が高くなる程、1次コイル21と2次コイル22との間の結合係数Kが高くなる傾向が理解できるだけでなく、透磁率μを100以上とすれば、非磁性体層13の厚さD1 が100μm以下で、1次コイル21と2次コイル22との間の結合係数Kの値が0.85以上となることが理解できる。
尚、必要な結合係数Kの値を確保することとの関係で、透磁率μの値が高いほど磁性体層11、12を薄くでき、また透磁率μの値が低いほど磁性体層11、12を厚くできる傾向を有している。
【0033】
一方、コモンモードチョーク10の全ての層を磁性体とした構造の場合と、本実施の形態のように一対の磁性体層11、12間に非磁性体層13が挟まれたサンドイッチ構造とした場合とを、比較したグラフを図9に示す。このグラフより実使用領域においてサンドイッチ構造とした場合の方が、1次コイル21と2次コイル22との間の結合係数Kが高くなる傾向が理解できる。
尚、この際のサンドイッチ構造における非磁性体層13の厚みD1 として、40μmの場合と100μmの場合を表した。
【0034】
次に、結合係数Kの測定方法について図10の回路図に基づき説明する。
図10に示すように、上記実施の形態の端子電極15に対応して端子31を配置し、端子電極16に対応して端子32を配置し、端子電極17に対応して端子33を配置し、端子電極18に対応して端子34を配置する。
そして、端子31と端子32との間のラインのインダクタンスをL1 とし、端子33と端子34との間のラインのインダクタンスをL2 とし、コモンモードのインダクタンスをLP とした。つまり、このLP は、端子31と端子33を接続すると共に端子32と端子34を接続した時の端子31と端子32との間のインダクタンスである。
【0035】
そして、各インダクタンスの値を基にして下記の式により、結合係数Kが求められる。
K={2・LP −(L1 +L2 )/2}/√(L1 ・L2 )
ここで、インダクタンスを測定する際の測定周波数は10MHzであり、使用測定器は4291B(ヒューレットパッカード社製)、4285A(ヒューレットパッカード社製)であった。
【0036】
尚、上記実施の形態では、グリーンシート積層工法によりコモンモードチョークを製造する場合について説明したが、工法はこれに限定されるものでなく、絶縁材となる磁性体シート及び非磁性体シートを印刷積層工法によって順次積層して製造しても、同様の結果を得ることができる。
また、上記実施の形態では、1次コイル及び2次コイルがそれぞれ2層の導体により形成される構造にされているが、これら1次コイル及び2次コイルを3層以上の渦巻きパターンをスルーホールにより接続することで形成しても良く、この場合には最も外側に位置する導体が磁性体層に接する構造とする。
【0037】
【発明の効果】
本発明のコモンモードチョークによれば、小型でも高い結合係数が得られるという優れた効果を奏するようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るコモンモードチョークの積層構造を示す分解斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態に係るコモンモードチョークを示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態に係るコモンモードチョークの断面図である。
【図4】本発明の一実施の形態に係るコモンモードチョークの導体が配置された各層を示す平面図であって、(A)から(D)までの各図に下側から順の各層を示す。
【図5】本発明の一実施の形態に係るコモンモードチョークの製造時の導体パターン配列の一例を示すグリーンシートの平面図である。
【図6】本発明の実施の形態によるインピーダンスの周波数特性を表すグラフを示す図である。
【図7】従来例によるインピーダンスの周波数特性を表すグラフを示す図である。
【図8】非磁性体層の厚みと結合係数との関係を表すグラフを示す。
【図9】透磁率と結合係数との関係を表すグラフを示す。
【図10】結合係数の測定方法を説明するための回路図である。
【図11】従来例に係るコモンモードチョークの各層を示す平面図であって、(A)から(D)までの各図に下側から順の各層を示す。
【符号の説明】
10 コモンモードチョーク
11 下側磁性体層
12 上側磁性体層
13 非磁性体層
21 1次コイル
22 2次コイル
2A 導体(第1の導体)
2B 導体(第2の導体)
3A 導体(第2の導体)
3B 導体(第1の導体)
5、6 引出部
7、8 引出部
Claims (2)
- 一対の磁性体層間に非磁性体層が挟まれた構造とされると共に、1次コイル及び2次コイルが渦巻き状の導体によりそれぞれ形成されたコモンモードチョークであって、
少なくとも非磁性体層を間に挟む形で、これら1次コイル及び2次コイルが相互に対向して内蔵され、
この非磁性体層が非磁性Ni−Znフェライトで形成されて厚さを100μm以下とすると共に、これら1次コイルと2次コイルとの間の結合係数が0.85以上とされ、
1次コイル及び2次コイルをそれぞれ構成する渦巻き状の導体が、磁性体層に接した渦巻き状の第1の導体及び非磁性体層中に位置する渦巻き状の第2の導体により構成されることを特徴とするコモンモードチョーク。 - 第1の導体及び第2の導体の内側端同士が、各層の積層方向に延びる導電材で接続されると共に、これら第1の導体及び第2の導体の他端となる一対の引出部が、第1の導体及び第2の導体の外側端に位置することを特徴とする請求項1記載のコモンモードチョーク。
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