JP2005223262A - 積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法 - Google Patents

積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2005223262A
JP2005223262A JP2004032080A JP2004032080A JP2005223262A JP 2005223262 A JP2005223262 A JP 2005223262A JP 2004032080 A JP2004032080 A JP 2004032080A JP 2004032080 A JP2004032080 A JP 2004032080A JP 2005223262 A JP2005223262 A JP 2005223262A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
nonmagnetic insulating
conductor
spiral
insulating material
conductors
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2004032080A
Other languages
English (en)
Inventor
Kensho Nagatomo
憲昭 長友
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Materials Corp filed Critical Mitsubishi Materials Corp
Priority to JP2004032080A priority Critical patent/JP2005223262A/ja
Publication of JP2005223262A publication Critical patent/JP2005223262A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

【課題】 ノーマルモードインピーダンスを低減し、かつ高いコモンモードインピーダンスを有すると共に、浮遊容量を低減して高周波特性を向上させた積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 第1及び第2内部導体31、32を形成する非磁性絶縁材料層20と、非磁性絶縁材料層20の積層方向の両端外面側に配置された第1及び第2磁性材料層15、16とを具備してなる積層体に、第1及び第2内部導体31、32に接続された外部電極が設けられ、第1及び第2内部導体形成層22、23が、非磁性絶縁材料22a、22b、23a、23bを有し、渦巻状導体31a、31bが、非磁性絶縁材料22a、22bの表面に線幅方向へ位置ずれして形成され、渦巻状導体32a、32bが、非磁性絶縁材料23a、23bの表面に線幅方向へ位置ずれして形成されていることを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子機器に侵入するコモンモードノイズを除去する積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法に関する。
従来より、パーソナルコンピュータやその周辺機器で採用されているUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)及びLDVS(Low Voltage Differential Signaling)といった高速の差動伝送方式のラインに流れるコモンモードノイズを除去するために、積層型コモンモードチョークコイルが使用されている。
この積層型コモンモードチョークコイルは、複数の非磁性絶縁材料の表面に導体を形成し、これを積層することによって形成された2つ以上のコイルを磁気的に組み合わせたコイルのことであり、電流の伝導方向におけるノーマルモードの成分には影響を与えないようにしてコモンモードの成分のみを除去するように構成したものである。
このような積層型コモンモードチョークコイルにおいて、異なる非磁性絶縁材料の表面にスパイラル巻きとした2つの渦巻状導体と、これら2つの渦巻状導体及び外部電極をそれぞれ接続する引出電極とをそれぞれ形成して2つのコイル導体を構成することによって、上下に分離した状態でスパイラル巻きとした、いわゆる上下分離型スパイラル巻きの積層型コモンモードチョークコイルが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、異なる非磁性絶縁材料の表面にスパイラル巻きとした2つの渦巻状導体をそれぞれ直列に接続した2つのコイル導体を備え、一方の渦巻状導体の間に他方の渦巻状導体のうち1つを介在させることによって、上下に分離した状態でスパイラル巻きとした積層型コモンモードチョークコイルが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特開平8−203737号公報(図1) 特開2002−373810号公報(図1)
しかしながら、上記従来の積層型コモンモードチョークコイルにおいては、以下の問題がある。すなわち、前者の積層型コモンモードチョークコイルにおいては、1つのシート上に渦巻状導体を形成する構造となっており、チップが小型化した場合に寸法の制約のため、磁気結合に寄与する導体長が短くなり、高いコモンモードインピーダンスを得ることができなくなるという問題がある。
また、後者の積層型コモンモードチョークコイルにおいては、2つのコイル導体の各渦巻状導体が互いに上下に重複して配置されているので、2つのコイル導体間の浮遊容量が高くなる。したがって、高周波領域において、2つのコイル導体間にもれ電流が発生し、高周波特性が低下するという問題がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたもので、ノーマルモードインピーダンスを低減し、かつ高いコモンモードインピーダンスを有すると共に、浮遊容量を低減して高周波特性を向上させた積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために以下の構成を採用した。すなわち、本発明にかかる積層型コモンモードチョークコイルは、複数の非磁性絶縁材料が積層され、これら非磁性絶縁材料の各別のものに上下に分離した状態でスパイラル巻きとした第1及び第2内部導体が形成されている非磁性絶縁材料層と、該非磁性絶縁材料層の積層方向の両端外面側に配置された磁性材料層とを具備してなる積層体に、前記第1及び第2内部導体に接続された外部電極が設けられている積層型コモンモードチョークコイルであって、前記第1内部導体を構成する渦巻状導体が形成された非磁性絶縁材料と、前記第2内部導体を構成する渦巻状導体が形成された非磁性絶縁材料とが、それぞれ互いに隣接するように2以上設けられ、前記第1内部導体を構成する前記渦巻状導体のうち、互いに隣接する該渦巻状導体が、前記非磁性絶縁材料の表面に線幅方向へ位置ずれして形成されると共に、前記第2内部導体を構成する前記渦巻状導体のうち、互いに隣接する該渦巻状導体が、前記非磁性絶縁材料の表面に線幅方向へ位置ずれして形成されていることを特徴とする。
また、本発明にかかる積層型コモンモードチョークコイルの製造方法は、複数の非磁性絶縁材料が積層され、これら非磁性絶縁材料の各別のものに上下に分離した状態でスパイラル巻きとした第1及び第2内部導体が形成されている非磁性絶縁材料層と、該非磁性絶縁材料層の積層方向の両端外面側に配置された磁性材料層とを具備してなる積層体に、前記第1及び第2内部導体に接続された外部電極が設けられている積層型コモンモードチョークコイルの製造方法であって、前記非磁性絶縁材料の表面に渦巻状導体を形成し、該渦巻状導体が線幅方向へ位置ずれするよう前記非磁性絶縁材料を2以上積層して前記第1内部導体を形成すると共に、前記渦巻状導体が線幅方向へ位置ずれするよう前記非磁性絶縁材料を2以上積層して第2内部導体を形成することを特徴とする。
この発明にかかる積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法によれば、第1内部導体を構成する渦巻状導体の間に、第2内部導体を構成する渦巻状導体が介在しないように非磁性絶縁材料を積層することで、第1及び第2内部導体間の浮遊容量が低減する。また、第1内部導体を構成する渦巻状導体のうち、互いに隣接する渦巻状導体が、非磁性絶縁材料の表面に線幅方向へ位置ずれして形成されることで、第1内部導体内の浮遊容量が低減し、第2内部導体を構成する渦巻状導体のうち、互いに隣接する渦巻状導体が、非磁性絶縁材料の表面に線幅方向へ位置ずれして形成されることで、第2内部導体内の浮遊容量が低減する。したがって、高周波領域での2つの内部導体間のもれ電流を抑制し、高周波特性を向上させることができる。
また、第1及び第2内部導体を形成する非磁性絶縁材料が、それぞれ互いに2以上設けられていることにより、磁気結合に寄与する渦巻状導体の導体長を十分長くすることができるので、高いコモンモードインピーダンスを得ることができる。
また、本発明にかかる積層型コモンモードチョークコイルは、前記非磁性絶縁材料層が、前記渦巻状導体の中央部と前記外部導体から離間した周辺端面部とに形成された磁性材料充填部を有することが好ましい。
この発明にかかる積層型コモンモードチョークコイルによれば、コモンモード時において、第1及び第2内部導体で発生した磁界が、非磁性絶縁材料よりも透磁率の高い磁性材料充填部に集中しやすくなる。これにより、第1及び第2内部導体を形成する渦巻状導体に磁束を集中させることができる。したがって、第1及び第2内部導体の磁気結合を向上させ、よりコモンモードインピーダンスを高くし、ノーマルモード(ディファレンシャルモード)インピーダンスを低減することができる。
また、本発明にかかる積層型コモンモードチョークコイルは、前記第1内部導体の導体長と、前記第2内部導体の導体長とが同じで、かつ前記第1内部導体のうち磁気結合に寄与する導体長と、前記第2内部導体のうち磁気結合に寄与する導体長とが同じとされていることが好ましい。
この発明にかかる積層型コモンモードチョークコイルによれば、第1及び第2内部導体の導体長を等しくすることによって、第1及び第2内部導体にノーマルモード時に発生する磁束を互いに打ち消しあうことができる。これにより、ノーマルモードインピーダンスを低減することができる。
本発明の積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法によれば、第1及び第2内部導体を構成する複数の渦巻状導体の間に、他方の渦巻状導体が介在しないように非磁性絶縁材料を積層することで、第1及び第2内部導体間の浮遊容量が低減する。また、第1及び第2内部導体を形成する渦巻状導体のうち、それぞれの内部導体において互いに隣接する渦巻状導体同士が互いに非磁性絶縁材料の表面に線幅方向へ位置ずれして形成されていることで、第1内部導体内及び第2内部導体内の浮遊容量をそれぞれ低減することができる。したがって、高周波特性を向上させることができる。
また、磁気結合に寄与する第1及び第2内部導体の長さを十分長くすることができるので、高いコモンモードインピーダンスを得ることができる。
以下、本発明による積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図1は本実施形態における積層型コモンモードチョークコイルの分解斜視図、図2は図1の完成状態を示す積層型コモンモードチョークコイルの外観斜視図、図3は本実施形態における積層型コモンモードチョークコイルの浮遊容量低減の様子を示す分解斜視図である。
図1及び図2において、積層型コモンモードチョークコイル10は、シート状とした複数枚の非磁性絶縁材料及び磁性材料を積層して一体化した構成とされる。また、略直方体形状の積層体とした積層型コモンモードチョークコイル10の対向する2側面には、後述する2組の内部導体と引出電極とを介して接続されている4つの外部電極11〜14が分配して設けられている。
図1に示す構成例では、積層体とした積層型コモンモードチョークコイル10の上下両端面側に、それぞれが1または複数層よりなる第1及び第2磁性材料層15、16を配置してある。そして、これら上下の第1及び第2磁性材料層15、16の間には、少なくとも4層よりなる非磁性絶縁材料層20を配置してある。
第1及び第2磁性材料層15、16は、それぞれが磁性材料15a、15b、15c及び磁性材料16a、16b、16cを3層に積層した構成とされる。ここで、第1及び第2磁性材料層15、16としては高透磁率のものが好ましく、使用可能なシート状の磁性材料には、例えばNi−Znフェライト、Ni−Zn−Cuフェライトなどがある。
なお、第1及び第2磁性材料層15、16については、上述した3層に限定されることはなく、磁性材料の種類や厚みに応じて適宜変更することができる。
非磁性絶縁材料層20は、上面側から第1非磁性絶縁材料21、2層の非磁性絶縁材料22a、22bで形成された第1内部導体形成層22、第1内部導体形成層22と同様に2層の非磁性絶縁材料23a、23bで形成された第2内部導体形成層23及び第2非磁性絶縁材料24の順にシート状の非磁性絶縁材料を6層積層した構成とされる。ここで、非磁性絶縁材料として使用可能なシート状の非磁性絶縁材料には、例えば、磁性材料15a〜15c、16a〜16cに使用したNi−ZnフェライトやNi−Zn−Cuフェライトなどと、構成元素は同じでも配合比により非磁性特性を示す材料や、アルミナなどのセラミックス材料、シリカなどのガラス材料などがある。
なお、第1及び第2非磁性絶縁材料21、24については、諸条件に応じてなくしたり、あるいはそれぞれを2層以上としてもよい。
さて、上述した6層の非磁性絶縁材料のうち、中間部の第1及び第2内部導体形成層22、23の非磁性絶縁材料22a、22b、23a、23bには、それぞれ上面に渦巻状導体31a、31bで構成される第1内部導体31と、渦巻状導体32a、32bで構成される第2内部導体32とが設けられている。なお、これら第1及び第2内部導体31、32は、例えば銀などの導電体を印刷や転写などの周知の手法により形成したものである。
このうち、渦巻状導体31aは、非磁性絶縁材料22aの上面に形成され、1ターン以上の渦巻状となっている。そして、渦巻状導体31aの一方の端部、すなわち渦巻きの外側となる端部には、外部電極11に接続される引出電極35が形成されている。また、渦巻状導体31aの他方の端部、すなわち渦巻きの内側となる端部には、非磁性絶縁材料22aを貫通するスルーホールH1が設けられている。この結果、渦巻状導体31aの他端側は、スルーホールH1を介して、後述する非磁性絶縁材料22b上に形成されている渦巻状導体31bと電気的に接続されて、いわゆる上下分離型スパイラル巻きの上側となる第1内部導体31が構成されている。
また、渦巻状導体31bは、渦巻状導体31aと同様に、非磁性絶縁材料22bの上面に形成され、1ターン以上の渦巻状となっている。この渦巻き方向は、平面視において上述した渦巻状導体31aと同方向となっている。そして、渦巻状導体31bの一方の端部、すなわち渦巻き外側となる端部には、外部導体12に接続される引出電極36が形成されている。また、渦巻状導体31bの他方の端部、すなわち渦巻きの内側となる端部は、スルーホールH1を介して上述した非磁性絶縁材料22aに形成されている渦巻状導体31aと電気的に接続されている。
渦巻状導体32aは、渦巻状導体31a、31bと同様に、非磁性絶縁材料23aの上面に形成され、1ターン以上の渦巻状となっている。この渦巻き方向は、平面視において上述した渦巻状導体31a、31bと同方向となっている。そして、渦巻状導体32aの一方の端部、すなわち渦巻き外側となる端部には、外部導体14に接続される引出電極37が形成されている。また、渦巻状導体32aの他方の端部、すなわち渦巻きの内側となる端部には、非磁性絶縁材料23aを貫通するスルーホールH2が設けられている。この結果、渦巻状導体32aの他端側は、スルーホールH2を介して、後述する非磁性絶縁材料23b上に形成されている渦巻状導体32bと電気的に接続されて上下分離型スパイラル巻きの下側となる第2内部導体32が構成されている。なお、この渦巻状導体32aは、平面視において渦巻状導体31bと重なるように形成されている。
また、渦巻状導体32bは、渦巻状導体31a、31b、32aと同様に、非磁性絶縁材料23bの上面に形成され、1ターン以上の渦巻状となっている。この渦巻き方向は、平面視において上述した渦巻状導体31a、31b、32aと同方向となっている。そして、渦巻状導体32bの一方の端部、すなわち渦巻き外側となる端部には、外部導体13に接続される引出電極38が形成されている。また、渦巻状導体32bの他方の端部、すなわち渦巻きの内側となる端部は、スルーホールH2を介して上述した非磁性絶縁材料23aに形成されている渦巻状導体32aと電気的に接続されている。
なお、第1及び第2内部導体31、32は、それぞれ導体長が同じとなっている。
さて、上述した第1非磁性絶縁材料21、非磁性絶縁材料22a、22b、23a、23b及び第2非磁性絶縁材料24を積層してなる非磁性絶縁材料層20は、非磁性絶縁材料22a、22bに形成された渦巻状導体31a、31bが平面視で重ならず、かつ非磁性絶縁材料23a、23bに形成された渦巻状導体32a、32bが平面視で重ならないように、線幅方向へずらした配置とされる。
これを図3に基づいて具体的に説明すると、例えば非磁性絶縁材料22a側の渦巻状導体31aにおいて間隔Wをもって隣接する導体間に、非磁性絶縁材料22b側の渦巻状導体31bが位置するようにずらした配置とされる。すなわち、図3(a)に示すように、非磁性絶縁材料22aにおいて、実線で表示された渦巻状導体31aに対し、非磁性絶縁材料22b側の渦巻状導体31bは想像線で示された位置に配置される。
なお、非磁性絶縁材料22bにおいては、実線で表示された渦巻状導体31bに対し、非磁性絶縁材料22a側の渦巻状導体31aが想像線で示された配置とされる。
また、非磁性絶縁材料23a側の渦巻状導体32aにおいて間隔Wをもって隣接する導体間に、非磁性絶縁材料23b側の渦巻状導体32bが位置するようにずらした配置とされる。すなわち、図3(b)に示すように、非磁性絶縁材料23aにおいて、実線で表示された渦巻状導体32aに対し、非磁性絶縁材料23b側の渦巻状導体32bは想像線で示された位置に配置される。そして、非磁性絶縁材料23bにおいては、実線で表示された渦巻状導体32bに対し、非磁性絶縁材料23a側の渦巻状導体32aが想像線で示された配置とされる。
以上のように構成された本発明の積層型コモンモードチョークコイル10について、以下にその製造方法を説明する。
最初に、所定の形状(例えば矩形状)としたシート状の第1及び第2非磁性絶縁材料21、24と、非磁性絶縁材料22a〜22c、23a〜23cとを作成する。
次に、中間位置となる非磁性絶縁材料22a、23aの所定位置に、レーザ、パンチングなどの周知の手法を用いて穴あけ加工を施し、スルーホールH1、H2を設ける。
次に、非磁性絶縁材料22a、22b、23a、23bの上面に、それぞれ1ターン以上の渦巻状導体31a、31b、32a、32bを、印刷や転写などの周知の手法を用いて互いに短絡しないように形成する。
このとき、渦巻状導体31aの一端には引出電極35が、渦巻状導体31bの一端には引出電極36が、渦巻状導体32aの一端には引出電極37が、そして渦巻状導体32bの一端には引出電極38がそれぞれ一体に連続して形成されている。また、スルーホールH1、H2には、スルーホールを設けた非磁性絶縁材料に形成される導体と一体的に連続するような銀などの導電材料が充填される。なお、スルーホールを介して接続される非磁性絶縁材料側の導体とは、導体側に図示しない凸状の電極部を設けるなどしてスルーホールの導電体に接触させ、電気的に接続されるようになっている。
次に、第1非磁性絶縁材料21、第1及び第2内部導体形成層22、23及び第2非磁性絶縁材料24を積層し、非磁性絶縁材料層20を形成する。これにより、渦巻状導体31a、31bがスルーホールH1を介して電気的に接続され、渦巻状導体32a、32bがスルーホールH2を介して電気的に接続される。このとき、渦巻状導体31aにおいて間隔Wをもって隣接する導体間に、渦巻状導体31bが位置するようにずらした配置とされる。また、渦巻状導体32aにおいても同様に、間隔Wをもって隣接する導体間に渦巻状導体32bが位置するようにずらした配置とされる。また、第1及び第2内部導体31、32は、それぞれの有効長さが同じとされている。
なお、磁性材料層15、16は、非磁性絶縁材料層20を挟み込むようにして上下に積層されることにより積層体を形成し、これを焼成することによって完成する。
また、上述したコモンモードチョークコイル10は、各非磁性絶縁材料に対し所定のピッチで複数組の内部導体を形成して積層してもよく、この場合、ダイシングなどで切断することにより、上述した積層体を同時に多数製造することができる。
最後に、積層体の対向する両側面に露出した引出電極35〜38と接続させて、銀などの導電体からなる外部電極11〜14をそれぞれ形成し、上述した構成の積層型コモンモードチョークコイルを製造する。
なお、外部電極11〜14は、必要に応じて銀などの導電体の上面にメッキ処理を施してもよい。
このように構成された積層型コモンモードチョークコイル10は、第1内部導体31を構成する渦巻状導体31a、31bの間に第2内部導体32を構成する渦巻状導体32a、32bが介在しないように構成されるので、第1及び第2内部導体31、32の浮遊容量が低減する。また、渦巻状導体31a、31b及び渦巻状導体32a、32bが、それぞれ平面視で線幅方向に位置ずれして形成されていることにより、第1及び第2内部導体31、32それぞれの浮遊容量を低減することができる。したがって、高周波領域でコモンモードにおけるインピーダンスを向上させることができる。また、第1及び第2内部導体31、32の磁気結合に寄与する導体長が十分長いので、高いコモンモードインピーダンスを得ることができる。
また、第1及び第2内部導体31、32の導体長が互いに等しいので、ノーマルモードにおいて発生した磁束を互いに打ち消しあい、ノーマルモードインピーダンスをより低減することができる。
次に、第2の実施形態について図4及び図5を参照しながら説明する。
なお、ここで説明する実施形態はその基本的構成が上述した第1の実施形態と同様であり、上述の第1の実施形態に別の要素を付加したものである。したがって、図4においては、図1と同一構成要素に同一符号を付し、この説明を省略する。
第2の実施形態と第1の実施形態との異なる点は、第2の実施形態における積層型コモンモードチョークコイル40では、非磁性絶縁材料層41の第1非磁性絶縁材料45、第1内部導体形成層46、第2内部導体形成層47、第2非磁性絶縁材料48にそれぞれ磁性材料が充填されるスルーホール(磁性材料充填部)H10〜27が形成されている点である。
すなわち、第1非磁性絶縁材料45には、非磁性絶縁材料層41を形成したときに平面視において第1及び第2内部導体31、32の各渦巻状導体31a、31b、32a、32bの中央に1箇所と、外部電極11〜14が形成されない周辺端面部に2箇所との合わせて3箇所に第1非磁性絶縁材料45を貫通するスルーホールH10〜H12が形成されている。
なお、このスルーホールH11、H12は、積層して非磁性絶縁材料層41を形成したときに、平面視で引出電極35〜38と重ならないように、外部電極11〜14を設けない端面側に形成されている。
また、非磁性材料46aには、平面視において第1非磁性絶縁材料45のスルーホールH10〜12と重なる位置に非磁性絶縁材料46aを貫通するスルーホールH13〜15が形成されている。そして、非磁性絶縁材料46bには、非磁性絶縁材料46aと同様に非磁性絶縁材料46bを貫通するスルーホールH16〜H18が形成され、非磁性絶縁材料47aには、非磁性絶縁材料47aを貫通するスルーホールH19〜H21が形成され、非磁性絶縁材料47bには、非磁性絶縁材料47bを貫通するスルーホールH22〜H24が形成され、第2非磁性絶縁材料48には、第2非磁性絶縁材料48を貫通するスルーホールH25〜H27が形成されている。
ここで、スルーホールH10、H13、H16、H19、H22、H25が平面視において重なる位置に形成されており、スルーホールH11、H14、H17、H20、H23、H26が平面視において重なる位置に形成されており、スルーホールH12、H15、H17、H21、H24、H27が平面視において重なる位置に形成されている。そして、各スルーホールH10〜H27には、第1及び第2磁性材料層15、16と同様に高透磁率を有する磁性材料が充填されている。
以上のように構成された本発明の積層型コモンモードチョークコイル40について、以下にその製造方法を説明する。
まず、所定の形状(例えば矩形状)としたシート状の第1及び第2非磁性絶縁材料45、48と、非磁性絶縁材料46a、46b、47a、47bとを作成し、所定位置にレーザ、パンチングなどの周知の手法を用いて穴あけ加工を施すことによってスルーホールH1、H2、H10〜H27を設ける。
その後、スルーホールH10〜H27に磁性材料を充填し、第1の実施形態と同様の方法でコモンモードチョークコイル40を製造する。
図7は、上述した積層型コモンモードチョークコイル40において、コモンモード時における磁気結合の様子を示す図である。
この場合、上述と同様に、第1及び第2内部導体31、32が影響しあって矢印Z1及びZ2に示すように、積層型コモンモードチョークコイル40全体に大きな磁気結合が生じる。ここで、第1及び第2内部導体31、32を形成する渦巻状導体31a、31b、32a、32bに磁束を集中させ、引出電極35〜38の磁束を減少させることにより、第1及び第2内部導体31、32の磁気結合を向上させ、よりコモンモードインピーダンスを向上させ、ノーマルモードインピーダンスを減少させることができる。
ところで、本発明の構成は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
例えば、上述した積層型コモンモードチョークコイルは、上述した構成のものを複数組並べて、アレイ化することも可能である。
本発明にかかる第1の実施形態における積層型コモンモードチョークコイルを示す分解斜視図である。 本発明にかかる第1の実施形態における積層型コモンモードチョークコイルを示す外観斜視図である。 本発明にかかる第1の実施形態における積層型コモンモードチョークコイルの浮遊容量低減の様子を示すもので、(a)は第1内部導体形成層の分解斜視図であり、(b)は第2内部導体形成層の分解斜視図である。 本発明にかかる第2の実施形態における積層型コモンモードチョークコイルを示す分解斜視図である。 本発明にかかる第2の実施形態における積層型コモンモードチョークコイルの磁気結合の様子を示す分解斜視図である。
符号の説明
10、40 積層型コモンモードチョークコイル
11〜14 外部電極
15 第1磁性材料層
16 第2磁性材料層
20、41 非磁性絶縁材料層
31 第1内部導体
31a、31b、32a、32b 渦巻状導体
32 第2内部導体
H10〜H27 スルーホール(磁性材料充填部)

Claims (4)

  1. 複数の非磁性絶縁材料が積層され、これら非磁性絶縁材料の各別のものに上下に分離した状態でスパイラル巻きとした第1及び第2内部導体が形成されている非磁性絶縁材料層と、該非磁性絶縁材料層の積層方向の両端外面側に配置された磁性材料層とを具備してなる積層体に、前記第1及び第2内部導体に接続された外部電極が設けられている積層型コモンモードチョークコイルであって、
    前記第1内部導体を構成する渦巻状導体が形成された非磁性絶縁材料と、前記第2内部導体を構成する渦巻状導体が形成された非磁性絶縁材料とが、それぞれ互いに隣接するように2以上設けられ、
    前記第1内部導体を構成する前記渦巻状導体のうち、互いに隣接する該渦巻状導体が、前記非磁性絶縁材料の表面に線幅方向へ位置ずれして形成されると共に、
    前記第2内部導体を構成する前記渦巻状導体のうち、互いに隣接する該渦巻状導体が、前記非磁性絶縁材料の表面に線幅方向へ位置ずれして形成されていることを特徴とする積層型コモンモードチョークコイル。
  2. 前記非磁性絶縁材料層が、前記渦巻状導体の中央部と前記外部導体から離間した周辺端面部とに形成された磁性材料充填部を有することを特徴とする請求項1に記載の積層型コモンモードチョークコイル。
  3. 前記第1内部導体の導体長と、前記第2内部導体の導体長とが同じで、かつ前記第1内部導体のうち磁気結合に寄与する導体長と、前記第2内部導体のうち磁気結合に寄与する導体長とが同じとされていることを特徴とする請求項1または2に記載の積層型コモンモードチョークコイル。
  4. 複数の非磁性絶縁材料が積層され、これら非磁性絶縁材料の各別のものに上下に分離した状態でスパイラル巻きとした第1及び第2内部導体が形成されている非磁性絶縁材料層と、該非磁性絶縁材料層の積層方向の両端外面側に配置された磁性材料層とを具備してなる積層体に、前記第1及び第2内部導体に接続された外部電極が設けられている積層型コモンモードチョークコイルの製造方法であって、
    前記非磁性絶縁材料の表面に渦巻状導体を形成し、該渦巻状導体が線幅方向へ位置ずれするよう前記非磁性絶縁材料を2以上積層して前記第1内部導体を形成すると共に、前記渦巻状導体が線幅方向へ位置ずれするよう前記非磁性絶縁材料を2以上積層して第2内部導体を形成することを特徴とする積層型コモンモードチョークコイルの製造方法。
JP2004032080A 2004-02-09 2004-02-09 積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法 Pending JP2005223262A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004032080A JP2005223262A (ja) 2004-02-09 2004-02-09 積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004032080A JP2005223262A (ja) 2004-02-09 2004-02-09 積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2005223262A true JP2005223262A (ja) 2005-08-18

Family

ID=34998632

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004032080A Pending JP2005223262A (ja) 2004-02-09 2004-02-09 積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2005223262A (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007259026A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Mitsubishi Materials Corp 積層型ノイズフィルタ
WO2014069056A1 (ja) * 2012-11-01 2014-05-08 株式会社村田製作所 トランス
JP2016082029A (ja) * 2014-10-15 2016-05-16 パナソニックIpマネジメント株式会社 コモンモードノイズフィルタ
JP2016092322A (ja) * 2014-11-10 2016-05-23 株式会社村田製作所 コモンモードチョークコイル
CN108780795A (zh) * 2016-03-07 2018-11-09 摩达伊诺琴股份有限公司 电路保护装置
US10636561B2 (en) * 2015-02-19 2020-04-28 Panasonic Intellectual Property Management, Co., Ltd. Common mode noise filter

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09306738A (ja) * 1996-05-20 1997-11-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd インダクタ素子
JP2002190410A (ja) * 2000-12-22 2002-07-05 Tdk Corp 積層型トランス
JP2003217932A (ja) * 2002-01-22 2003-07-31 Murata Mfg Co Ltd コモンモードチョークコイルアレイ

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH09306738A (ja) * 1996-05-20 1997-11-28 Matsushita Electric Ind Co Ltd インダクタ素子
JP2002190410A (ja) * 2000-12-22 2002-07-05 Tdk Corp 積層型トランス
JP2003217932A (ja) * 2002-01-22 2003-07-31 Murata Mfg Co Ltd コモンモードチョークコイルアレイ

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007259026A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Mitsubishi Materials Corp 積層型ノイズフィルタ
JP4682890B2 (ja) * 2006-03-23 2011-05-11 三菱マテリアル株式会社 積層型ノイズフィルタ
WO2014069056A1 (ja) * 2012-11-01 2014-05-08 株式会社村田製作所 トランス
JP2016082029A (ja) * 2014-10-15 2016-05-16 パナソニックIpマネジメント株式会社 コモンモードノイズフィルタ
JP2016092322A (ja) * 2014-11-10 2016-05-23 株式会社村田製作所 コモンモードチョークコイル
US10636561B2 (en) * 2015-02-19 2020-04-28 Panasonic Intellectual Property Management, Co., Ltd. Common mode noise filter
CN108780795A (zh) * 2016-03-07 2018-11-09 摩达伊诺琴股份有限公司 电路保护装置
CN108780795B (zh) * 2016-03-07 2023-06-20 摩达伊诺琴股份有限公司 电路保护装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4682890B2 (ja) 積層型ノイズフィルタ
JP2014135361A (ja) 積層コモンモードフィルタ
US10439584B2 (en) Common mode noise filter
WO2016132666A1 (ja) コモンモードノイズフィルタ
JP6528075B2 (ja) 積層コイル部品
JP2006210403A (ja) 積層型コモンモードチョークコイルアレイ及び製造方法
JP2018046081A (ja) コモンモードノイズフィルタ
JP2014096588A (ja) コモンモードフィルタ及びその製造方法
JP2007200923A (ja) 積層コモンモードチョークコイル
JP2002190410A (ja) 積層型トランス
JP2005223261A (ja) 積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法
JP2005223262A (ja) 積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法
JP2005012072A (ja) 積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法
JP6753091B2 (ja) 積層コモンモードフィルタ
JP2005044834A (ja) 積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法
KR101862465B1 (ko) 코일 부품
JP2003217935A (ja) 積層インダクタアレイ
JP4433956B2 (ja) 積層型コモンモードチョークコイルアレイ及びその製造方法
JP2012182285A (ja) コイル部品
JP2004311829A (ja) 積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法
JP2004304118A (ja) 積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法
JP6186591B2 (ja) コモンモードノイズフィルタ
JP7378015B2 (ja) コモンモードノイズフィルタ
JP2013168466A (ja) コモンモードノイズフィルタ
JP2016157897A (ja) コモンモードノイズフィルタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060331

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080916

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20090203