JP2004304118A - 積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法 - Google Patents

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憲昭 長友
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Abstract

【課題】ノーマルモードのインピーダンスを低くした積層型コモンモードチョークコイルを提供すること。
【解決手段】第1上部導体31a及び第1下部導体31bが第1スルーホール22aを介して連続するよう接続された第1内部導体31と、第2上部導体32a及び第2下部導体32bが第2スルーホール22bを介して連続するよう接続された第2内部導体32とが同じ長さとされ、非磁性絶縁材料層20は、第1上部導体31aを外側にかつ第2上部導体32aを内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれを1ターン以上設けた非磁性絶縁材料22と、第1下部導体32aを外側にかつ第2下部導体32bを内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれを1ターン以上設けた非磁性絶縁材料23と、を具備して上から順に積層されている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器に侵入するコモンモードノイズを除去する積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法に係り、特に、ノーマルモードにおけるインピーダンス値を低下させた積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、パーソナルコンピュータやその周辺機器で採用されているUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)及びLDVS(Low Voltage Differential Signaling)といった高速の差動伝送方式のラインに流れるコモンモードノイズを除去するために、コモンモードチョークコイルが使用されている。
【0003】
このコモンモードチョークコイルは、2つ以上のコイルを磁気的に組み合わせたコイルのことであり、電流の伝導方向におけるノーマルモードの成分には影響を与えないようにしてコモンモードの成分のみを除去するように構成したものである。すなわち、ノーマルモードのインピーダンスを最小限に抑えて、コモンモードのインピーダンスをできるだけ大きくすることが必要となる。
【0004】
従来のコモンモードチョークコイルとしては、1ターン以上の渦巻状とした外側の第1内部導体及び内側の第2内部導体が互いに短絡しないよう同一磁性体シート内に設けられ、この磁性体シートを複数積層して第1内部導体及び第2内部導体をそれぞれ接続することにより、二つのコイルパターンを形成したものが知られている。なお、積層する磁性体シート間における第1内部導体及び第2内部導体の接続については、スルーホールを介して行われている。(たとえば、特許文献1参照)
【0005】
【特許文献1】
特開2002−217031号公報(第3頁−第7頁、図1及び図5)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術のコモンモードチョークコイルによれば、コイル1を形成する第1内部導体及びコイル2を形成する第2内部導体は、いずれも同一磁性体シート内に渦巻状に形成されているので、互いの磁束が影響を及ぼしあう内部導体、すなわち磁気結合に寄与する内部導体の長さ(線長)を長く設定することができる。このため、コモンモードのインピーダンス値が高くなるので、コモンモードにおけるノイズの除去性能を高くすることができる。
【0007】
しかしながら、上述した従来技術の内部導体配置では、第1内部導体及び第2内部導体の長さを比較した場合、それぞれの長さが異なっている。このため、ノーマルモードに対して、コイル1及びコイル2は互いの磁束量を打ち消しあうことができないため、すなわち磁気結合ができないため、ノーマルモードのインピーダンス値が高くなるという問題が生じてくる。すなわち、ノーマルモードにおけるインピーダンスが高いと、信号波形なまりの原因となることがあり、高速信号波形に影響を及ぼすという不都合を生じる。
【0008】
また、上述した特許文献1の他の実施形態には、第1内部導体及び第2内部導体を互いに短絡しないよう形成した磁性体シートの上下面に対し、第3内部導体が形成された磁性体シートを下面側に配設し、第4内部導体が形成された磁性体シートを上面側に配設して積層した構成が示されている。この場合、第1内部導体と第3内部導体との間、そして、第2内部導体と第4内部導体との間は、それぞれスルーホールを介して接続されて二つのコイルパターンを形成している。
【0009】
このような構成とすれば、二つのコイルパターンにおける内部導体の長さを等しくして磁気結合させることができ、従って、ノーマルモードにおけるインピーダンス値を低下させることが可能になる。しかし、第3内部導体及び第4内部導体は上下に離間して配置されているので、互いに影響しあって磁束を打ち消しあうことはなく、磁気結合に寄与する内部導体の長さが短くなってコモンモードのインピーダンス値を低下させるという問題が生じてくる。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたもので、ノーマルモード及びコモンモードのいずれにおいてもインピーダンスを最適化(ノーマルモードで低く、コモンモードで高い)し、ノイズ除去特性を向上させることができる積層型コモンモードチョークコイル及びその製造方法の提供を目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するため、以下の手段を採用した。
請求項1に記載の積層型コモンモードチョークコイルは、複数の非磁性絶縁材料を積層し同方向の渦巻状とした第1及び第2の内部導体を形成する非磁性絶縁材料層と、該非磁性積層体層の上下両面に配置された磁性材料層とを具備してなる積層体に、前記第1及び第2の内部導体に接続された外部電極が設けられている積層型コモンモードチョークコイルであって、
第1上部導体及び第1下部導体が第1スルーホールを介して連続するよう接続された前記第1の内部導体と、第2上部導体及び第2下部導体が第2スルーホールを介して連続するよう接続された前記第2の内部導体とが同じ長さとされ、
前記非磁性絶縁材料層は、前記第1上部導体を外側にかつ前記第2上部導体を内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれを1ターン以上設けた非磁性絶縁材料Aと、前記第1下部導体を外側にかつ前記第2下部導体を内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれを1ターン以上設けた非磁性絶縁材料Bと、を具備して上から順に積層されていることを特徴とするものである。
【0011】
このような請求項1記載の積層型コモンモードチョークコイルによれば、第1上部導体及び第1下部導体が第1スルーホールを介して連続するよう接続された第1の内部導体と、第2上部導体及び第2下部導体が第2スルーホールを介して連続するよう接続された第2の内部導体とが同じ長さとされ、非磁性絶縁材料層は、第1上部導体を外側にかつ第2上部導体を内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれを1ターン以上設けた非磁性絶縁材料Aと、第1下部導体を外側にかつ第2下部導体を内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれを1ターン以上設けた非磁性絶縁材料Bと、を具備して上から順に積層されているので、長さが等しい第1の内部導体と第2の内部導体とを磁気結合させ、コモンモードのインピーダンス値を高くするよう磁気結合の長さを十分に確保し、かつ、ノーマルモードにおけるインピーダンス値を小さくすることができる。
【0012】
請求項2記載の積層型コモンモードチョークコイルの製造方法は、複数の非磁性絶縁材料を積層し同方向の渦巻状とした第1及び第2の内部導体を形成する非磁性絶縁材料層と、該非磁性積層体層の上下両面に配置された磁性材料層とを具備してなる積層体に、前記第1及び第2の内部導体に接続された外部電極が設けられている積層型コモンモードチョークコイルの製造方法であって、
前記非磁性絶縁材料層は、第1上部導体を外側にかつ第2上部導体を内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれ1ターン以上設けた非磁性絶縁材料Aと、第1下部導体を外側にかつ第2下部導体を内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれ1ターン以上設けた非磁性絶縁材料Bとを積層し、
前記第1上部導体から第1スルーホールを介して前記第1下部導体に接続される前記第1の内部導体の有効長さと、前記第2上部導体から前記第2スルーホールを介して前記第2下部導体に接続される前記第2の内部導体の有効長さとを等しくすることを特徴とするものである。
【0013】
このような積層型コモンモードチョークコイルの製造方法によれば、非磁性絶縁材料層は、第1上部導体を外側にかつ第2上部導体を内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれ1ターン以上設けた非磁性絶縁材料Aと、第1下部導体を外側にかつ第2下部導体を内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれ1ターン以上設けた非磁性絶縁材料Bとを積層し、第1上部導体から第1スルーホールを介して第1下部導体に接続される第1の内部導体の有効長さと、第2上部導体から第2スルーホールを介して第2下部導体に接続される第2の内部導体の有効長さとを等しくするので、ノーマルモードのインピーダンスが小さい積層型コモンモードチョークコイルを容易に製造することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明によるコモンモードチョークコイル及びその製造方法の一実施形態を図面に基づいて説明する。なお、図1は本発明におけるコモンモードチョークコイルの分解斜視図、図2は図1の完成状態を示すコモンモードチョークコイルの外観斜視図、図3は本発明によるコモンモードチョークコイルの磁気結合の様子を示す分解斜視図である。
【0015】
図1及び図2において、図中の符号10はコモンモードチョークコイルを示している。このコモンモードチョークコイル10は、シート状とした複数枚の非磁性絶縁材料及び磁性材料を積層して一体化した構成とされる。また、略直方体形状の積層体としたコモンモードチョークコイル10の対向する2側面には、後述する2組の内部導体と引出電極を介して接続されている4つの外部電極11,12,13,14が分配して設けられている。
図1に示す構成例では、積層体としたコモンモードチョークコイル10の上下両端面側に、それぞれが1または複数層よりなる磁性材料層15,16を配置してある。そして、これら上下の磁性材料層15,16の間には、少なくとも2層よりなる非磁性絶縁材料層20を配置してある。
【0016】
磁性材料層15,16は、それぞれが磁性材料15a,15b,15c及び磁性材料16a,16b,16cを3層に積層した構成とされる。ここで、磁性材料層15,16としては高透過率のものが好ましく、使用可能なシート状の磁性材料には、たとえばNi−Znフェライト、Ni−Zn−Cuフェライト等がある。
なお、磁性材料層15,16については、上述した3層に限定されることはなく、磁性材料の種類や厚みに応じて適宜変更することができる。
【0017】
非磁性絶縁材料層20は、上面側から第1非磁性絶縁材料21、第2非磁性絶縁材料(非磁性絶縁材料A)22、第3非磁性絶縁材料(非磁性絶縁材料B)23及び第4非磁性絶縁材料24の順に、シート状の非磁性絶縁材料を4層に積層した構成とされる。ここで、非磁性絶縁材料層20として使用可能なシート状の非磁性絶縁材料には、たとえばアルミナ、シリカなどのセラミックス材料やポリイミド樹脂などの樹脂材料等がある。
なお、第1非磁性絶縁材料21及び第4非磁性材料24については、諸条件に応じてなくしたり、あるいはそれぞれを2層以上としてもよい。
【0018】
さて、上述した4層の非磁性絶縁材料のうち、中間部の第2非磁性絶縁材料22及び第3非磁性絶縁材料23には、それぞれの上面に渦巻状(スパイラル状)とした第1上部導体31a,第2上部導体32a及び第1下部導体31b,第2下部導体32bが設けられている。なお、これらの各導体31a,31b,32a,32bは、たとえば銀などの導電体を印刷やメッキなど周知の手法により形成したものである。
【0019】
このうち、第1上部導体31a及び第2上部導体32aは、第2非磁性絶縁材料22の上面に形成され、それぞれが1ターン以上の渦巻状となっている。そして、第1上部導体31aの内側には第2上部導体32aが略平行に配置され、互いに短絡しないように設けられている。すなわち、第1上部導体31aと第2上部導体32aとを1つの組とした場合、この1組が渦巻状になっており、その渦巻方向は、上面視において第1上部導体31a及び第2上部導体32a共に同じ方向となっている。
【0020】
第1上部導体31aの一方の端部、すなわち渦巻きの外側となる端部には、外部電極11に接続される引出電極部34が形成されている。また、第1上部導体31aの他方の端部、すなわち渦巻きの内側となる端部へ至る途中には、第2非磁性絶縁材料22を貫通する第1スルーホール22aが設けられている。この結果、第1上部導体31aの他端側は、第1スルーホール22aを介して、後述する第3非磁性絶縁材料23側に形成されている第1下部導体31bと電気的に接続されている。
【0021】
同様に、第2上部導体32aの一方の端部、すなわち渦巻きの外側となる端部には外部電極13に接続される引出電極36が形成されている。また、第2下部導体32aの他方の端部、すなわち渦巻きの内側となる端部には、第2非磁性絶縁材料22を貫通する第2スルーホール22bが設けられている。この結果、第2上部導体32aの他端側は、第2スルーホール22bを介して、後述する第3非磁性絶縁材料23側に形成されている第2下部導体32bと電気的に接続されている。
【0022】
また、第1下部導体31b及び第2下部導体32bは、第3非磁性絶縁材料23の上面に形成され、それぞれが1ターン以上の渦巻状となっている。この場合においても、上述した第2非磁性絶縁材料22の上部導体配置と同様に、第1下部導体31bの内側に第2下部導体32bが略平行に配置され、互いに短絡しないように設けられている。すなわち、第1下部導体31bと第2下部導体32bとを1つの組とした場合、この1組が渦巻状になっており、その渦巻方向は、上面視において第1下部導体31b及び第2下部導体32b共に同じ方向となっており、しかも、上述した上部導体31a及び第2上部導体32aとも同方向となっている。
【0023】
第1下部導体31bの一方の端部、すなわち渦巻きの外側となる端部には、外部電極12に接続される引出電極35が形成されている。また、第1下部導体31bの他方の端部、すなわち渦巻きの内側となる端部へ至る途中が、第1スルーホール22aを介して上述した第2非磁性絶縁材料22に形成されている第1上部導体31aと電気的に接続されている。
同様に、第2下部導体32bの一方の端部、すなわち渦巻きの外側となる端部には外部電極14に接続される引出電極37が形成されている。また、第2下部導体32bの他方の端部、すなわち渦巻きの内側となる端部は、第2スルーホール22bを介して上述した第2非磁性絶縁材料22側に形成されている第2上部導体32aと電気的に接続されている。
【0024】
ここで、渦巻状の内部導体について、第2非磁性絶縁材料22と第3非磁性絶縁材料23とに形成する渦巻きの内側及び外側に関する配置を同じにして、第1上部/下部導体(以下、「第1内部導体31」と呼ぶ)及び第2上部/下部導体(以下、「第2内部導体32」と呼ぶ)の有効長さを同じにするための構成について詳細に説明する。
すなわち、第2非磁性絶縁材料22側及び第3非磁絶縁材料23側で共に内側に配置され、第2スルーホール22bを介して電気的に接続されている第2内部導体32は、その全長が外側に配置されている第1内部導体31より短くなる。そこで、内部導体の有効長さをできるだけ大きく確保するため、短い第2内部導体32側を全て使用すると共に、第2内部導体32の長さに合わせて第1内部導体31の内側にダミー部を設ける。
【0025】
これを具体的に説明すると、第1上部導体31aの外側端部から内側端部方向へ、第2上部導体32aと同じ有効長さを確保した位置に第1スルーホール22aを設け、第1スルーホール22aより内側となる一部の第1上部導体31aについては、コイルとして機能しないダミー部とされる。また、第1スルーホール22aを介して電気的に接続される第1下部導体31b側でも、第1スルーホール22aより外側の部分は第2下部導体32bと有効長さが等しいコイルとして機能し、第1スルーホール22aより内側の部分はダミー部とされる。
なお、第1上部導体31a及び第1下部導体31bのダミー部については、最初から導体部を形成しないことも可能である。
【0026】
従って、第1上部導体31aの外側端部から第1スルーホール22aを経て第1下部導体31bの外側端部までが通電可能に連続して第1のコイルを形成する実質的な第1導体31となり、第2上部導体32aの外側端部から第2スルーホール22bを経て第2下部導体32bの外側端部までが通電可能に連続して第2のコイルを形成する第2導体32となり、二つのコイルを形成する第1導体31及び第2導体32のコイル有効長さ(渦巻き長さ)は等しくなる。
【0027】
以上のように構成された本発明のコモンモードチョークコイル10について、以下にその製造方法を説明する。
最初に、所定の形状(たとえば矩形状)としたシート状の第1非磁性絶縁材料21、第2非磁性絶縁材料22、第3非磁性絶縁材料23及び第4非磁性絶縁材料24を作製する。
次に、中間位置となる第2非磁性絶縁材料22の所定位置に、レーザ、パンチングなど周知の手法を用いて穴あけ加工を施し、スルーホール22a,22bを設ける。
【0028】
次に、第2非磁性絶縁材料22及び第3非磁性絶縁材料23の上面に、それぞれ1ターン以上の第1上部導体31a,第2上部導体32a及び第1下部導体32a,第2下部導体32bを、印刷やメッキなど周知の手法を用いて互いに短絡しないように形成する。
【0029】
この時、第1上部導体31aの一端には引出電極34が、第2上部導体32aの一端には引出電極36が、第1上部導体31bの一端には引出電極35が、そして第2下部電極32bの一端には引出電極37がそれぞれ一体に連続して形成されている。また、スルーホール22a,22bには、スルーホールを設けた非磁性絶縁材料に形成される導体と一体的に連続するよう銀などの導電材料が充填される。なお、スルーホールを介して接続される非磁性絶縁材料側の導体とは、導体側に図示しない凸状の電極部を設けるなどしてスルーホールの導電体に接触させ、電気的に接続されるようになっている。
【0030】
次に、第1非磁性絶縁材料21、第2非磁性絶縁体材料22、第3非磁性絶縁材料23及び第4非磁性絶縁材料24を積層し、非磁性絶縁材料層20を形成する。これにより、第1上部導体31a及び第1下部導体31bがスルーホール22aを介して電気的に接続され、また、第2上部導体31a及び第2下部導体32bがスルーホール22bを介して電気的に接続される。
なお、磁性材料層15,16は、非磁性材料層20を挟み込むようにして上下に積層されることにより、積層体が完成する。
【0031】
また、上述したコモンモードチョークコイル10は、各非磁性絶縁材料に対し所定のピッチで複数組の内部導体を形成して積層してもよく、この場合、ダイシングなどで切断することにより、上述した積層体を同時に多数製造することができる。
最後に、積層体の対向する両側面に露出した引出電極34,35,36,37と接続させて、銀などの導電体からなる外部電極11,12,13,14をそれぞれ形成し、上述した構成のコモンモードチョークコイルを製造する。このような製造方法により、第1内部導体31及び第2内部導体32の有効長さを等しくした構成のコモンモードチョークコイル10を容易に製造することができる。
なお、外部電極11,12,13,14は、必要に応じて銀などの導電体の上面にメッキ処理を施してもよい。
【0032】
このように構成されたコモンモードチョークコイル10は、バイファイラ巻きとして第1内部導体31及び第2内部導体32の長さを十分に確保し、しかも、両内部導体31,32の長さを等しくしてあるので、コモンモードのインピーダンス値を高くし、かつ、ノーマルモードのインピーダンス値を低く抑えることができる。
【0033】
図3は、上述したコモンモードチョークコイル10において、ノーマルモード時における磁気結合の様子を示す図である。
この場合、第1内部導体31及び第2内部導体32の長さを等しく設定してあるので、第1上部導体31aと第2上部導体32aとが影響し合って矢印Z1,Z2のように磁気結合し、同時に、第1下部導体31bと第2下部導体32bとが影響し合って矢印Z3,Z4のように磁気結合する。この結果、矢印Z5,Z6で示すように、コモンモードチョークコイル10全体に大きな磁気結合が生じることとなり、二つの磁束が打ち消し合うためノーマルモードのインピーダンス値を低減することができる。すなわち、内部導体の長さを十分に確保することでコモンモードにおけるインピーダンス値を高くしてノイズ除去性能が向上し、かつ、ノーマルモードにおけるインピーダンス値を低減して電流が流れやすい、すなわち高速信号波形に影響を及ぼすことのない積層型のコモンモードチョークコイル10となる。
【0034】
また、上述したコモンモードチョークコイル10は、たとえば図4に示すように、上述した構成のものを複数組並べて、アレイ化することも可能である。
なお、本発明の構成は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【0035】
【発明の効果】
本発明の積層型コモンモードチョークコイルは、第1上部導体及び第1下部導体が第1スルーホールを介して連続するよう接続された第1の内部導体と、第2上部導体及び第2下部導体が第2スルーホールを介して連続するよう接続された第2の内部導体とが同じ長さとされ、非磁性絶縁材料層は、第1上部導体を外側にかつ第2上部導体を内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれを1ターン以上設けた非磁性絶縁材料Aと、第1下部導体を外側にかつ第2下部導体を内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれを1ターン以上設けた非磁性絶縁材料Bと、を具備して上から順に積層されているので、長さが等しい第1の内部導体と第2の内部導体とを磁気結合させ、コモンモードのインピーダンス値を高くするよう磁気結合の長さを十分に確保し、かつ、ノーマルモードにおけるインピーダンス値を小さくすることができる。このため、コモンモードのインピーダンス値を高く設定することでコモンモードノイズを効果的に除去し、しかも、ノーマルモードにおける信号波形なまりの原因を取り除くためにインピーダンス値を小さくし、高速信号波形に影響を与えることなくコモンモードノイズのみを効果的に除去することができるようになるので、優れたノイズ除去特性を備えた積層型コモンモードチョークコイルを得ることができる。
【0036】
また、本発明による積層型コモンモードチョークコイルの製造方法によれば、非磁性絶縁材料層は、第1上部導体を外側にかつ第2上部導体を内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれ1ターン以上設けた非磁性絶縁材料Aと、第1下部導体を外側にかつ第2下部導体を内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれ1ターン以上設けた非磁性絶縁材料Bとを積層し、第1上部導体から第1スルーホールを介して第1下部導体に接続される第1の内部導体の有効長さと、第2上部導体から第2スルーホールを介して第2下部導体に接続される第2の内部導体の有効長さとを等しくするので、ノーマルモードのインピーダンスが小さい積層型コモンモードチョークコイルの製造を容易にし、小型でコモンモードのインピーダンス値が高い製品を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る積層型コモンモードチョークコイルの一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1の完成状態を示す斜視図である。
【図3】図1の積層型コモンモードチョークコイルにおける磁気結合の様子を示す図である。
【図4】本発明の変形例としてアレイ化した積層型コモンモードチョークコイルを示す分解斜視図である。
【符号の説明】
10 コモンモードチョークコイル
11、12,13,14 外部電極
15,16 磁性材料層
15a,15b,15c,16a,16b,16c 磁性材料
20 非磁性絶縁材料層
21 第1非磁性絶縁材料
22 第2非磁性絶縁材料(非磁性絶縁材料A)
22a,22b スルーホール
23 第3非磁性絶縁材料(非磁性絶縁材料B)
24 第4非磁性絶縁材料
31 第1内部導体
31a 第1上部導体
31b 第1下部導体
32 第2内部導体
32a 第2上部導体
32b 第2下部導体
34,35,36,37 引出電極

Claims (2)

  1. 複数の非磁性絶縁材料を積層し同方向の渦巻状とした第1及び第2の内部導体を形成する非磁性絶縁材料層と、該非磁性積層体層の上下両面に配置された磁性材料層とを具備してなる積層体に、前記第1及び第2の内部導体に接続された外部電極が設けられている積層型コモンモードチョークコイルであって、
    第1上部導体及び第1下部導体が第1スルーホールを介して連続するよう接続された前記第1の内部導体と、第2上部導体及び第2下部導体が第2スルーホールを介して連続するよう接続された前記第2の内部導体とが同じ長さとされ、
    前記非磁性絶縁材料層は、前記第1上部導体を外側にかつ前記第2上部導体を内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれを1ターン以上設けた非磁性絶縁材料Aと、前記第1下部導体を外側にかつ前記第2下部導体を内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれを1ターン以上設けた非磁性絶縁材料Bと、を具備して上から順に積層されていることを特徴とする積層型コモンモードチョークコイル。
  2. 複数の非磁性絶縁材料を積層し同方向の渦巻状とした第1及び第2の内部導体を形成する非磁性絶縁材料層と、該非磁性積層体層の上下両面に配置された磁性材料層とを具備してなる積層体に、前記第1及び第2の内部導体に接続された外部電極が設けられている積層型コモンモードチョークコイルの製造方法であって、
    前記非磁性絶縁材料層は、第1上部導体を外側にかつ第2上部導体を内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれ1ターン以上設けた非磁性絶縁材料Aと、第1下部導体を外側にかつ第2下部導体を内側に配置して互いに短絡しないようそれぞれ1ターン以上設けた非磁性絶縁材料Bとを積層し、
    前記第1上部導体から第1スルーホールを介して前記第1下部導体に接続される前記第1の内部導体の有効長さと、前記第2上部導体から前記第2スルーホールを介して前記第2下部導体に接続される前記第2の内部導体の有効長さとを等しくすることを特徴とする積層型コモンモードチョークコイルの製造方法。
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