JP2006041820A - 積層型フィルタアレイ - Google Patents

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【課題】 コイル部に含まれるコイルとコンデンサ部に含まれるコンデンサとの間に発生するクロストークの低減、及び薄型化を実現することができる積層型フィルタアレイを提供する。
【解決手段】 積層型フィルタアレイ1では、コイルL〜Lを含むコイル部10は、コンデンサC〜Cを含むコンデンサ部20に対して接地用電極21が形成された絶縁体層23側に積層されている。これにより、コイルL〜LとコンデンサC〜Cとの間に発生するクロストークを低減することができる。更に、コンデンサ部20は、一層の絶縁体層23に対して2個の信号用電極22,22及び2個の信号用電極22,22のそれぞれを形成することで構成されている。これにより、積層型フィルタアレイ1を薄型化することができる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、電子機器等においてノイズ除去に用いられる積層型フィルタアレイに関する。
従来におけるこの種の積層型フィルタアレイとして、例えば特許文献1に記載されたLC複合部品アレイがある。このLC複合部品アレイでは、複数のインダクタ素子を備えた磁性体からなる第1コイル部と第2コイル部とが、複数のコンデンサ素子を備えた誘電体からなるコンデンサ部を挟んで積層されており、隣接するLC複合部品のうち一方のLC複合部品を構成するインダクタ素子が第1コイル部に配設され、他方のLC複合部品を構成するインダクタ素子が第2コイル部に配設されている。
このような構成により、コンデンサ部を挟んで配設されるインダクタ素子間の間隔、及び第1コイル部内又は第2コイル部内におけるインダクタ素子間の間隔が広くなるため、インダクタ素子間に発生する磁気的及び静電気的結合によるクロストークを低減することができる。
実用新案登録第2607853号公報
しかしながら、上述したようなLC複合部品アレイにおいては、インダクタ素子を構成する導体パターンの幅が細いことから、インダクタ素子間における浮遊容量は小さく、よって、インダクタ素子間における静電気的結合によるクロストークは殆ど無い。また、一般的に、インダクタ素子間における磁気的結合によるクロストークも殆ど無いと認識されている。
この種の積層型フィルタアレイでは、むしろ、コイル部に含まれるコイルとコンデンサ部に含まれるコンデンサとの間に発生するクロストークを如何に低減するかが重要である。
また、昨今の電子部品に対する小型化の要求は一向に衰えず、積層型フィルタアレイについても、その薄型化が強く望まれている。
そこで、本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、コイル部に含まれるコイルとコンデンサ部に含まれるコンデンサとの間に発生するクロストークの低減、及び薄型化を実現することができる積層型フィルタアレイを提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る積層型フィルタアレイは、m個(mは4以上の偶数)の導体パターンが形成された絶縁体層が複数層積層されて構成され、導体パターンにより構成されたm個のコイルを含むコイル部と、接地用電極が形成された絶縁体層及びn個(nは2以上の自然数)の信号用電極が形成された絶縁体層がm/n層(m/nは2以上の自然数)ずつ交互に積層されて構成され、接地用電極及び信号用電極により構成されたm個のコンデンサを含むコンデンサ部とを備え、コイル部は、コンデンサ部に対して接地用電極が形成された絶縁体層側に積層されていることを特徴とする。
この積層型フィルタアレイにおいては、導体パターンにより構成されたコイルを含むコイル部は、接地用電極及び信号用電極により構成されたコンデンサを含むコンデンサ部に対して接地用電極が形成された絶縁体層側に積層されている。このように接地用電極及び信号用電極のうち接地用電極がコイル側に配置されていることで、コイル部に含まれるコイルとコンデンサ部に含まれるコンデンサとの間に発生するクロストークを低減することができる。更に、コンデンサ部は、接地用電極が形成された絶縁体層及びn個(nは2以上の自然数)の信号用電極が形成された絶縁体層がm/n層(mは4以上の偶数、m/nは2以上の自然数)ずつ交互に積層されて構成されている。このように一層の絶縁体層に対してn個の信号用電極を形成することで、コンデンサ部を構成する絶縁体層の積層数を減少させて、積層型フィルタアレイを薄型化することができる。
また、n個の信号用電極は、信号伝送時においてクロストークが−30dB以下となる間隔をとって絶縁体層上に配置されていることが好ましい。これにより、一層の絶縁体層上に配置されたn個の信号用電極間に発生するクロストークを低減することができる。
本発明に係る積層型フィルタアレイによれば、コイル部に含まれるコイルとコンデンサ部に含まれるコンデンサとの間に発生するクロストークの低減、及び薄型化を実現することができる。
以下、本発明に係る積層型フィルタアレイの好適な実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、各図において同一又は相当部分には同一符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明に係る積層型フィルタアレイの一実施形態の斜視図である。同図に示されるように、積層型フィルタアレイ1は直方体状の形状を有しており、長手方向に垂直な方向において対面する側面のうち一方の側面に形成された4個の入力端子2〜2と、他方の側面に形成された出力端子3〜3と、長手方向において対面する両側面に形成された接地用端子4とを備えている。
図2は、図1に示された積層型フィルタアレイの分解斜視図である。同図に示されるように、積層型フィルタアレイ1は、4個のコイルL〜Lを含むコイル部10と、4個のコンデンサC〜Cを含むコンデンサ部20とを備えている。これらのコイル部10及びコンデンサ部20が積層されることにより直方体状の積層型フィルタアレイ1が構成されることとなる。
コイル部10は、図3に示されるように、4個の導体パターン11〜11,12〜12,13〜13,14〜14,15〜15,16〜16のそれぞれが形成された長方形薄板状の非磁性体グリーンシート(絶縁体層)17が6層積層されて構成されている。各導体パターン11〜11は、非磁性体グリーンシート17上において長手方向に所定の間隔をとって並設されており、互いに電気的に絶縁されている。このことは、各導体パターン12〜12,13〜13,14〜14,15〜15,16〜16についても同様である。
各導体パターン11〜11は、積層型フィルタアレイ1の一方の側面側に引き出されて非磁性体グリーンシート17の一端部から露出しており、各導体パターン16〜16は、積層型フィルタアレイ1の他方の側面側に引き出されて非磁性体グリーンシート17の他端部から露出している。また、各導体パターン12〜12,13〜13,14〜14,15〜15は、非磁性体グリーンシート17上においてC字状に巻き回されている。
そして、積層方向に整列した導体パターン11〜16は、その端部同士が非磁性体グリーンシート17に形成された貫通電極18により電気的に接続されており、これによりコイルLが構成されることとなる。同様に、導体パターン11〜16及び貫通電極18によりコイルLが構成され、導体パターン11〜16及び貫通電極18によりコイルLが構成され、導体パターン11〜16及び貫通電極18によりコイルLが構成されることとなる。このように構成された各コイルL〜Lは、導体パターン11〜11のそれぞれを介して各出力端子3〜3に電気的に接続され、導体パターン16〜16のそれぞれを介して各入力端子2〜2に電気的に接続されている。
コンデンサ部20は、図4に示されるように、接地用電極21が形成された長方形薄板状の非磁性体グリーンシート(絶縁体層)23、2個の信号用電極22,22が形成された非磁性体グリーンシート23、接地用電極21が形成された非磁性体グリーンシート23、及び2個の信号用電極22,22が形成された非磁性体グリーンシート23がこの順序で4層積層されて構成されている。各信号用電極22,22は、非磁性体グリーンシート23上において長手方向に所定の間隔をとって並設されており、互いに電気的に絶縁されている。このことは、各信号用電極22,22についても同様である。
各接地用電極21,21は長方形状に形成されており、積層型フィルタアレイ1の長手方向において対面する両側面に引き出されて非磁性体グリーンシート23の両端部から露出した一対の導出部21a及び一対の導出部21aのそれぞれを有している。また、2個の信号用電極22,22は、接地用電極21と対面するように長方形状に形成されており、積層型フィルタアレイ1の一方の側面側に引き出されて非磁性体グリーンシート23の一端部から露出した導出部22a,22aを有している。同様に、2個の信号用電極22,22は、接地用電極21と対面するように長方形状に形成されており、積層型フィルタアレイ1の一方の側面側に引き出されて非磁性体グリーンシート23の一端部から露出した導出部22a,22aを有している。
そして、接地用電極21、信号用電極22及びこれらに挟まれた非磁性体グリーンシート23によりコンデンサCが構成され、接地用電極21、信号用電極22及びこれらに挟まれた非磁性体グリーンシート23によりコンデンサCが構成されることとなる。更に、接地用電極21、信号用電極22及びこれらに挟まれた非磁性体グリーンシート23によりコンデンサCが構成され、接地用電極21、信号用電極22及びこれらに挟まれた非磁性体グリーンシート23によりコンデンサCが構成されることとなる。このように構成された各コンデンサC〜Cにおいて、各接地用電極21,21は、一対の導出部21a及び一対の導出部21aのそれぞれを介して接地用端子4に電気的に接続されており、各信号用電極22〜22は、導出部22a〜22aのそれぞれを介して各出力端子3〜3に電気的に接続されている。
図5は、図1に示された積層型フィルタアレイの等価回路図である。同図に示されるように、積層型フィルタアレイ1においては、コイルL〜L及びコンデンサC〜CによってL型の回路構成が採用されている。
なお、図2に示されるように、コイル部10とコンデンサ部20との間には、コイル部10とコンデンサ部20との間の距離を調整するための非磁性体グリーンシート31が積層されている。また、コイル部10の最外層の非磁性体グリーンシート17上には非磁性体グリーンシート32が積層され、コンデンサ部20の最外層の非磁性体グリーンシート23下には、積層型フィルタアレイ1を保護するための非磁性体グリーンシート24が積層されている。
以上のように構成された積層型フィルタアレイ1においては、コイルL〜Lを含むコイル部10は、コンデンサC〜Cを含むコンデンサ部20に対して接地用電極21が形成された非磁性体グリーンシート23側に積層されている。このように接地用電極21がコイルL〜L側に配置されていることで、コイル部10に含まれるコイルL〜Lとコンデンサ部20に含まれるコンデンサC〜Cとの間に発生するクロストークを低減することができる。
更に、コンデンサ部20は、接地用電極21が形成された非磁性体グリーンシート23、2個の信号用電極22,22が形成された非磁性体グリーンシート23、接地用電極21が形成された非磁性体グリーンシート23、及び2個の信号用電極22,22が形成された非磁性体グリーンシート23がこの順序で4層積層されて構成されている。このように一層の非磁性体グリーンシート23に対して2個の信号用電極22,22及び2個の信号用電極22,22のそれぞれを形成することで、コンデンサ部20を構成する非磁性体グリーンシート23の積層数を減少させて、積層型フィルタアレイ1を薄型化することができる。
また、2個の信号用電極22,22及び2個の信号用電極22,22のそれぞれは、信号伝送時においてクロストークが−30dB以下(より好ましくは、−35dB以下)となる間隔をとって非磁性体グリーンシート23上に配置されている。これにより、一層の非磁性体グリーンシート23上に配置された2個の信号用電極22,22間及び2個の信号用電極22,22間のそれぞれに発生するクロストークを低減することができる。
このクロストークを−30dB以下とするためには、非磁性体グリーンシート23の厚さや誘電率等に依存するものの、当該誘電率が10程度であれば、図6に示される信号用電極22,22間(信号用電極22,22間)の間隔Gを150μm以上とすればよい。更に、このクロストークを−35dB以下とするためには、間隔Gを200μm程度とすればよい。
次に、積層型フィルタアレイ1の製造方法の一例について説明する。まず、非磁性体グリーンシート17,31,32には、Fe、ZnO及びCuOの混合粉を原料としたスラリーをドクターブレード法により厚さが18μmとなるようにフィルム上に塗布することにより形成したものを用いる。また、非磁性体グリーンシート23,24には、TiO、CuO、NiO及びMnOの混合粉を原料としたスラリーをドクターブレード法により厚さが15μmとなるようにフィルム上に塗布することにより形成したものを用いる。
続いて、非磁性体グリーンシート17の所定の位置に、貫通電極18を設けるためのスルーホールを形成する。そして、非磁性体グリーンシート17上に、銀を主成分とする導体ペーストをスクリーン印刷することにより、導体パターン11〜11,12〜12,13〜13,14〜14,15〜15,16〜16を形成する。同様に、非磁性体グリーンシート23上に、接地用電極21、信号用電極22,22、接地用電極21、信号用電極22,22を形成する。
続いて、非磁性体グリーンシート17,23,24,31,32を図2に示される順序で積層して圧着し、チップ単位に切断する。これにより、長さ2.0mm、幅1.0mm、厚さ0.5mmのチップを形成する。その後、切断したチップを870℃にて焼成する。
続いて、焼成したチップに、銀を主成分とする導体ペーストを転写して700℃にて焼き付けし、更に、Cu、Ni及びSnを用いて電気めっきを施すことにより、入力端子2〜2、出力電極3〜3及び接地用端子4を形成する。
以上のようにして積層型フィルタアレイ1を完成させる。なお、完成後において、幅が70μm、厚さが12μmとなるように導体パターン11〜11,12〜12,13〜13,14〜14,15〜15,16〜16を設計する。また、厚さが6μmとなるように接地用電極21、信号用電極22,22、接地用電極21、信号用電極22,22を設計する。更に、間隔Gが170μmとなるように信号用電極22,22、信号用電極22,22を設計する。
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述した積層型フィルタアレイ1においては、コイル部10は、4個の導体パターンが形成された非磁性体グリーンシート17が6層積層されて構成され、当該導体パターンにより構成された4個のコイルLを含んでおり、コンデンサ部20は、接地用電極が形成された非磁性体グリーンシート23及び2個の信号用電極が形成された非磁性体グリーンシート23が2層ずつ交互に積層されて構成され、当該接地用電極及び当該信号用電極により構成された4個のコンデンサCを含んでいたが、これに限定されない。
つまり、本発明に係る積層型フィルタアレイにおいては、コイル部は、m個(mは4以上の偶数)の導体パターンが形成された絶縁体層(非磁性体グリーンシート等)が複数層積層されて構成され、当該導体パターンにより構成されたm個のコイルを含んでおり、コンデンサ部は、接地用電極が形成された絶縁体層及びn個(nは2以上の自然数)の信号用電極が形成された絶縁体層がm/n層(m/nは2以上の自然数)ずつ交互に積層されて構成され、当該接地用電極及び当該信号用電極により構成されたm個のコンデンサを含んでいればよい。このような場合にも、一層の絶縁体層に対してn個の信号用電極が形成されるため、コンデンサ部を構成する絶縁体層の積層数を減少させて、積層型フィルタアレイを薄型化することができる。
また、上述した積層型フィルタアレイ1においては、コイル部10及びコンデンサ部20を構成する絶縁体層として非磁性体グリーンシート17,23を用いているため、コンデンサCのキャパシタンスとコイルLのインダクタンスとで決まる共振周波数を高周波側に設定することが可能となり、より高帯域のノイズを除去することができるが、これに限定されない。
例えば、コイル部10を構成する絶縁体層を磁性体により形成し、コンデンサ部20を構成する絶縁体層を非磁性体により形成してもよい。この場合、コンデンサCのキャパシタンスとコイルLのインダクタンスとで決まる共振周波数を低周波側に設定することが可能となり、より低帯域のノイズを除去することができる。なお、コイル部10を構成する絶縁体層を磁性体により形成する場合の磁性体グリーンシートには、Ni−Cu−Zn系フェライト、Ni−Cu−Zn−Mg系フェライト、Cu−Zn系フェライト、又はNi−Cu系フェライト等の磁性体粉末をバインダーで結着させてシート状に形成したものを用いることが好ましい。
また、上述した積層型フィルタアレイ1においては、コイルL〜L及びコンデンサC〜CによってL型の回路構成が採用されていたが、積層型フィルタアレイが使用される電子機器等の特性に適合したノイズ除去を可能とすべく、T型、π型或いはダブルπ型の回路構成を採用してもよい。
本発明に係る積層型フィルタアレイの一実施形態の斜視図である。 図1に示された積層型フィルタアレイの分解斜視図である。 図1に示された積層型フィルタアレイのコイル部の分解斜視図である。 図1に示された積層型フィルタアレイのコンデンサ部の分解斜視図である。 図1に示された積層型フィルタアレイの等価回路図である。 信号用電極が形成された非磁性体グリーンシートの平面図である。
符号の説明
1…積層型フィルタアレイ、10…コイル部、11〜11,12〜12,13〜13,14〜14,15〜15,16〜16…導体パターン、17,23…非磁性体グリーンシート(絶縁体層)、20…コンデンサ部、21,21…接地用電極、22〜22…信号用電極、L〜L…コイル、C〜C…コンデンサ。

Claims (2)

  1. m個の導体パターンが形成された絶縁体層が複数層積層されて構成され、前記導体パターンにより構成されたm個のコイルを含むコイル部と、
    接地用電極が形成された絶縁体層及びn個の信号用電極が形成された絶縁体層がm/n層ずつ交互に積層されて構成され、前記接地用電極及び前記信号用電極により構成されたm個のコンデンサを含むコンデンサ部とを備え、
    前記コイル部は、前記コンデンサ部に対して前記接地用電極が形成された絶縁体層側に積層されていることを特徴とする積層型フィルタアレイ。
  2. n個の前記信号用電極は、信号伝送時においてクロストークが−30dB以下となる間隔をとって絶縁体層上に配置されていることを特徴とする請求項1記載の積層型フィルタアレイ。
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