JP7200958B2 - コモンモードチョークコイル - Google Patents

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Description

この発明は、コモンモードチョークコイルに関するもので、特に、積層された複数の非導電体層を有する積層体と、積層体に内蔵された第1コイルおよび第2コイルと、を備える、積層型のコモンモードチョークコイルに関するものである。
この発明にとって興味ある技術が、たとえば特開2006-313946号公報(特許文献1)に記載されている。特許文献1に記載の技術は、積層型のコモンモードチョークコイルに関するもので、当該コモンモードチョークコイルは、超小型の薄膜型のものであり、GHz近傍の伝送信号の高速伝送が可能とされている。より具体的には、特許文献1には、伝送信号(ディファレンシャルモードの信号)の減衰特性が-3dBとなる周波数をカットオフ周波数と定義したとき、このカットオフ周波数が2.4GHz以上となるコモンモードチョークコイルが記載されている。
特開2006-313946号公報
高速通信技術の進展により、より高周波において、ディファレンシャルモードの信号を透過し、かつコモンモードのノイズ成分を減衰できる積層型のコモンモードチョークコイルが必要となってきている。
そこで、この発明の目的は、たとえば25GHz~30GHzといった高い周波数帯において、さらには30GHzを超えるような極めて高い周波数帯においても、ディファレンシャルモードの信号を透過し、かつコモンモードのノイズ成分を抑制できる積層型のコモンモードチョークコイルを提供しようとすることである。
この発明に係るコモンモードチョークコイルは、非導電体からなりかつ積層された複数の非導電体層を有する積層体と、積層体に内蔵された第1コイルおよび第2コイルと、積層体の外表面に設けられ、第1コイルの互いに異なる第1端および第2端にそれぞれ電気的に接続された第1端子電極および第2端子電極と、積層体の外表面に設けられ、第2コイルの互いに異なる第3端および第4端にそれぞれ電気的に接続された第3端子電極および第4端子電極と、を備えている。
上記第1コイルは、非導電体層間の1つの界面に沿って配置された第1コイル導体を有し、上記第2コイルは、第1コイル導体が配置された非導電体層間の界面とは異なる非導電体層間の1つの界面に沿って配置された第2コイル導体を有している。
上述した技術的課題を解決するため、この発明では、第1コイル導体および第2コイル導体を積層体の積層方向で平面視したとき、第1コイル導体と第2コイル導体とが互いに交差する箇所は、2箇所以下であり、第1コイル導体および第2コイル導体には、互いに交差する部分を除いて、互いに重なる部分がなく、第1コイル導体における上記交差する箇所から第1端子電極までの間を除き、第1コイル導体は第2コイル導体よりも外側にあることを特徴としている。
この発明によれば、第1コイルと第2コイルとの間の浮遊容量を低減することができるので、高周波特性を向上させることができる。
この発明の一実施形態によるコモンモードチョークコイル1の外観を示す斜視図である。 図1に示したコモンモードチョークコイル1の主要部を分解して示す平面図である。 図1に示したコモンモードチョークコイル1の平面図であり、積層体2に内蔵された第1コイル11および第2コイル12を積層方向に透視して模式的に示す図である。 図1に示したコモンモードチョークコイル1における第1コイル11に備える第1コイル導体17を示す平面図であり、コイル導体のターン数を説明するための図である。 この発明の効果を確認するために実施した実験例において作製されたコモンモードチョークコイルの試料のうち、代表して試料4に係るコモンモードチョークコイルについて求めたコモンモード成分の透過特性(Scc21透過特性)を示す図である。 上記試料4に係るコモンモードチョークコイルについて求めたディファレンシャルモード成分の透過特性(Sdd21透過特性)を示す図である。
図1ないし図4を参照して、この発明の一実施形態によるコモンモードチョークコイル1について説明する。
図1に示すように、コモンモードチョークコイル1は、積層された複数の非導電体層を有する積層体2を備える。図2には、複数の非導電体層のうち、代表的な非導電体層3a、3b、3c、3dおよび3eが図示されている。以下において、図2に示す非導電体層3a、3b、3c、3dおよび3eのように互いに区別する場合を除いて、非導電体層を一般的に説明する場合には、非導電体層について、「3」の参照符号を用いる。非導電体層3は、たとえばガラスおよびセラミックを含む非導電体から構成される。
積層体2は、非導電体層3の延びる方向に延びかつ互いに対向する第1主面5および第2主面6と、第1主面5および第2主面6間を連結しかつ互いに対向する第1側面7および第2側面8と、第1主面5および第2主面6間ならびに第1側面7および第2側面8間をそれぞれ連結しかつ互いに対向する第1端面9および第2端面10と、を有する、直方体形状である。直方体形状は、たとえば、稜線部分および角部分に丸みや面取りが付与された形状であってもよい。
コモンモードチョークコイル1は、図2および図3に示すように、積層体2に内蔵された第1コイル11および第2コイル12を備える。また、コモンモードチョークコイル1は、図1に示すように、積層体2の外表面に設けられる、第1端子電極13、第2端子電極14、第3端子電極15および第4端子電極16を備える。より具体的には、第1端子電極13および第3端子電極15は、第1側面7に設けられ、第2端子電極14および第4端子電極16は、それぞれ、第1端子電極13および第3端子電極15と対称の形状を有していて、第2側面8に設けられる。
図2に示すように、第1端子電極13および第2端子電極14は、第1コイル11の互いに異なる第1端11aおよび第2端11bにそれぞれ電気的に接続される。第3端子電極15および第4端子電極16は、第2コイル12の互いに異なる第3端12aおよび第4端12bにそれぞれ電気的に接続される。
以下の説明において、非導電体層3a、3b、3c、3dおよび3eは、図2に示す順序で下から上に向かって積層されているとする。
図2を参照して、第1コイル11は、非導電体層3bおよび3c間の1つの界面に沿って配置された第1コイル導体17を有する。第1コイル11は、第1端11aおよび第2端11bをそれぞれ与える第1引き出し導体19および第2引き出し導体20を有する。第1引き出し導体19は、積層体2の外表面において第1端子電極13に接続された第1接続端部23を含む。第2引き出し導体20は、積層体2の外表面において第2端子電極14に接続された第2接続端部24を含む。
上記第1接続端部23は、第1コイル導体17が配置された非導電体層3bおよび3c間の界面とは異なる非導電体層3aおよび3b間の界面に沿って配置される。また、第1引き出し導体19は、第1コイル導体17に接続されかつ第1コイル導体17と第1接続端部23との間に位置する非導電体層3bを厚み方向に貫通する第1ビア導体27と、第1接続端部23が配置された非導電体層3aおよび3b間の界面に沿って配置されかつ第1ビア導体27と第1接続端部23とを接続する第1連結部29と、を有する。第1連結部29は、好ましくは、直線状に延びる形状を有する。これによって、第1連結部29に起因するインダクタンスを小さくでき、高周波特性を向上させることができる。
他方、第2コイル12においても、以下に説明するように、第1コイル11の場合と同様の要素を備えている。
第2コイル12は、非導電体層3cおよび3d間の1つの界面に沿って配置された第2コイル導体18を有する。第2コイル12は、第3端12aおよび第4端12bをそれぞれ与える第3引き出し導体21および第4引き出し導体22を有する。第3引き出し導体21は、積層体2の外表面において第3端子電極15に接続された第3接続端部25を含む。第4引き出し導体22は、積層体2の外表面において第4端子電極16に接続された第4接続端部26を含む。
上記第3接続端部25は、第2コイル導体18が配置された非導電体層3cおよび3d間の界面とは異なる非導電体層3dおよび3e間の界面に沿って配置される。また、第3引き出し導体21は、第2コイル導体18に接続されかつ第2コイル導体18と第3接続端部25との間に位置する非導電体層3dを厚み方向に貫通する第2ビア導体28と、第3接続端部25が配置された非導電体層3dおよび3e間の界面に沿って配置されかつ第2ビア導体28と第3接続端部25とを接続する第2連結部30と、を有する。第2連結部30は、前述した第2連結部29と同様、好ましくは、直線状に延びる形状を有する。これによって、第2連結部30に起因するインダクタンスを小さくでき、高周波特性を向上させることができる。
コモンモードチョークコイル1は、積層体2の第2主面6を実装基板側に向けた状態で実装される。実施品では、たとえば、積層体2における第1端面9と第2端面10とが対向する長さ方向の寸法Lが0.55mm以上かつ0.75mm以下とされ、第1側面7と第2側面8とが対向する幅方向の寸法Wが0.40mm以上かつ0.60mm以下とされ、第1主面5と第2主面6とが対向する高さ方向の寸法Hが0.20mm以上かつ0.40mm以下とされる。
コモンモードチョークコイル1は、図2および図3からわかるように、第1コイル導体17および第2コイル導体18の各々のターン数は2ターン未満であることが好ましい。
上述のターン数は、以下のように定義される。第1コイル導体17および第2コイル導体18の各々は、円弧状に延びる部分を有している。図4を参照して、第1コイル11に備える第1コイル導体17について説明する。図4に示すように、コイル導体17の始端から終端にかけて、コイル導体17の外周に沿って接線Tを順次引き、この接線Tが360度回転した段階で1ターンと定義する。図4に示したコイル導体17では、接線Tが約307度回転しているので、約0.85ターンと定義できる。第2コイル12に備える第2コイル導体18についても同様にターン数が定義される。
第1コイル導体17および第2コイル導体18のターン数が少ないほど、第1コイル11と第2コイル12との間に形成される浮遊容量を低減できるので、コモンモードチョークコイル1の高周波特性を向上させることに寄与し得る。
コモンモードチョークコイル1は、図3によく示されているように、第1コイル導体17および第2コイル導体18を積層体2の積層方向で平面視したとき、第1コイル導体17および第2コイル導体18には、互いに交差する部分を除いて、互いに重なる部分がないようにされることを特徴としている。すなわち、第1コイル導体17と第2コイル導体18とは、互いに重なりながら同じ方向に並走する部分がないということである。これによって、第1コイル11と第2コイル12との間に形成される浮遊容量を低減することができ、結果として、コモンモードチョークコイル1の高周波特性を向上させることができる。
好ましくは、第1側面7から、第1コイル導体17までの距離SG1と第2コイル導体18までの距離SG2とは、第1側面7により近いコイル導体17の線幅を超える差をもって互いに異なり、第2側面8から、第1コイル導体17までの距離と第2コイル導体18までの距離とは、第2側面8により近いコイル導体17の線幅を超える差をもって互いに異なり、第1端面9から、第1コイル導体17までの距離(図2および図3において参照符号を表示せず。)と第2コイル導体18までの距離SG2とは、第1端面により近いコイル導体18の線幅を超える差をもって互いに異なり、第2端面10から、第1コイル導体17までの距離SG1と第2コイル導体18までの距離SG2とは、第2端面10により近いコイル導体17の線幅を超える差をもって互いに異なるようにされる。
また、図3からわかるように、第1コイル導体17および第2コイル導体18を積層体2の積層方向で平面視したとき、第1コイル導体17と第2コイル導体18とが互いに交差する箇所は、2箇所である。このように、交差する箇所が2箇所以下とされることにより、第1コイル導体17と第2コイル導体18との間に形成される浮遊容量が低減され、高周波特性の向上に寄与し得る。また、第1コイル導体17および第2コイル導体18を積層体2の積層方向で平面視したとき、第1コイル導体17における上記交差する箇所から第1端子電極13までの間を除き、第1コイル導体17は第2コイル導体18よりも外側にある。
好ましくは、第1コイル導体17と第2コイル導体18との間の距離は、6μm以上かつ26μm以下とされる。当該距離が6μm未満になると、第1コイル導体17と第2コイル導体18との間に形成される浮遊容量が、高周波特性を低下させる程度に大きくなるおそれがある。他方、当該距離が26μmを超えると、第1コイル11と第2コイル12との結合係数が低下するおそれがある。
なお、図2において、非導電体層3a、3b、3c、3dおよび3eの各々は、単層のものであるかのように図示されたが、少なくともいくつかは複数層から構成されてもよい。したがって、たとえば、上述した第1コイル導体17と第2コイル導体18との間の距離の調整は、非導電体層3cの単層での厚みを変更することによって行なわれても、非導電体層3cを構成する層の数を変更することによって行なわれてもよい。
また、好ましくは、第1コイル導体17および第2コイル導体18の各々の線幅は、10μm以上かつ24μm以下とされる。当該線幅が10μm未満であると、コイル導体17および18における直流抵抗が大きくなるおそれがある。他方、当該線幅が24μmを超えると、第1コイル導体17と第2コイル導体18との間に形成される浮遊容量が、高周波特性を低下させる程度に大きくなるおそれがある。
また、端子電極13~16は、第1主面5から第2主面6にわたって形成されるが、端子電極13~16の各々の第1側面7または第2側面8上での幅(図1において、第1端子電極13についての第1側面7上での幅が“W1”で示されている。)は、好ましくは、0.1mm以上かつ0.25mm以下とされ、より好ましくは、0.15mm以上とされる。当該幅が0.1mm未満であると、コモンモードチョークコイル1を実装基板へ実装したときの固着強度が不足するおそれがある。他方、当該幅が0.25mmを超えると、コモンモードチョークコイル1のコモンモード成分の透過特性であるScc21のピーク位置が30GHz未満になるおそれがある。
図1において、端子電極13~16の各々の一部が第1主面5にまで延長されて形成されている状態が図示されている。図1に図示されないが、端子電極13~16の各々の一部は、第2主面6においても、同様に延長されて形成されている。このような延長部の寸法Eは、0.02mm以上かつ0.2mm以下であることが好ましく、0.17mm以下であることがより好ましい。寸法Eが0.02mm未満になると、実装基板へ実装したときのコモンモードチョークコイル1の固着強度が低下するおそれがある。他方、寸法Eが0.2mmを超えると、コモンモードチョークコイル1のコモンモード成分の透過特性であるScc21のピーク位置が30GHz未満になるおそれがある。
次に、コモンモードチョークコイル1の好ましい製造方法について説明する。
非導電体層3となるべきガラスセラミックシートを製造するため、以下の工程が実施される。KO、BおよびSiO、ならびに必要に応じてAlが所定の比率になるように秤量され、白金製のるつぼに入れられ、焼成炉で1500~1600℃の温度に昇温されることによって溶融される。この溶融物を急冷することでガラス材料が得られる。
上述したガラス材料としては、たとえば、少なくともK、BおよびSiを含有し、KをKOに換算して0.5~5質量%、BをBに換算して10~25質量%、SiをSiOに換算して70~85質量%、AlをAlに換算して0~5質量%からなるガラス材料が用いられる。
次に、D50(体積基準の累積百分率50%相当の粒径)が1~3μm程度となるように、上記ガラス材料が粉砕されることによってガラス粉末が得られる。
次に、D50がともに0.5~2.0μmのアルミナ粉末と石英(SiO)粉末とが上記のガラス粉末に添加され、PSZメディアとともに、ボールミルに入れられ、さらに、ポリビニルブチラール系等の有機バインダと、エタノール、トルエン等の有機溶剤と、可塑剤とがボールミルに入れられ、混合されることによって、ガラスセラミックスラリーが得られる。
次に、上記スラリーが、ドクターブレード法等により膜厚が20~30μmのシート状となるように成形加工され、得られたシートを矩形状に打ち抜くことによって、複数のガラスセラミックシートが得られる。
上述したガラスセラミックシートに含まれる無機成分は、たとえば、ガラス材料を60~66質量%、石英を34~37質量%、アルミナを0.5~4質量%含む誘電体ガラス材料を含む。
他方、第1コイル11および第2コイル12を形成するためのAgを導電成分とする導電性ペーストが用意される。
次に、所定のガラスセラミックシートに、たとえばレーザー光を照射することによって、ビア導体27および28を配置するための貫通孔が設けられる。その後、たとえばスクリーン印刷によって導電性ペーストが所定のガラスセラミックシートに付与され、それによって、上記貫通孔に導電性ペーストを充填した状態のビア導体27および28が形成されるとともに、コイル導体17および18ならびに引き出し導体19~22を構成する接続端部23~26および連結部29および30がパターニングされた状態で形成される。
次に、図2に示した非導電性体層3a~3eの積層順序が得られるように、複数のガラスセラミックシートが積み重ねられる。このとき、これらガラスセラミックシートの積み重ねの上下に、必要に応じて、貫通孔が設けられずかつ導電性ペーストが付与されない適当数のガラスセラミックシートがさらに積み重ねられる。
次に、積み重ねられた複数のガラスセラミックシートが、温度80℃、圧力100MPaの条件で温間等方圧プレス処理され、積層ブロックが得られる。
次に、積層ブロックがダイサー等で切断され、個々のコモンモードチョークコイル1に備える積層体2となり得る寸法の積層構造物に個片化される。
次に、個片化された積層構造物が、焼成炉において、860~900℃の温度で1~2時間、たとえば880℃の温度で1.5時間焼成され、積層体2が得られる。
焼成後の積層体2は、好ましくは、メディアとともに、回転バレル機に入れられ、回転されることにより、稜線部分および角部分に丸みや面取りが施される。
次に、積層体2における接続端部23~26が引き出された箇所にAgおよびガラスを含む導電性ペーストが塗布され、次いで、導電性ペーストがたとえば温度810℃、1分間の条件で焼き付けられ、それによって、端子電極13~16のための下地膜が形成される。下地膜の厚みはたとえば5μmである。次いで、下地膜上に、電気めっきにより、たとえばNi膜およびSn膜が順次形成される。これらNi膜およびSn膜の厚みは、たとえば、それぞれ、3μmおよび3μmである。
以上のようにして、図1に示すコモンモードチョークコイル1が完成される。
前述したように、第1コイル導体17および第2コイル導体18を積層体2の積層方向で平面視したとき、第1コイル導体17および第2コイル導体18には、互いに交差する部分を除いて、互いに重なる部分がないようにされると、コモンモードチョークコイル1の高周波特性を向上させることができる。このことを確認するために実施した実験例について以下に説明する。
[実験例]
図2を参照して、第1コイル11における第1コイル導体17から積層体2の側面7および8ならびに端面10の各々までの距離SG1を0.045mmとしながら、第2コイル12における第2コイル導体18から側面7および8ならびに端面10の各々までの距離SG2を0.045mmから0.125mmの範囲で変えた、試料1~5に係るコモンモードチョークコイルを用意した。
以下の表1に、試料1~5の各々についてのSG1およびSG2が示されている。なお、各試料に係るコモンモードチョークコイルに備える積層体の寸法は、長さ方向寸法Lを0.65mm、幅方向寸法Wを0.50mm、高さ方向寸法Hを0.30mmとした。
Figure 0007200958000001
表1に示す試料2~5のように、SG1とSG2とを互いに異ならせることは、積層体の積層方向で平面視したとき、第1コイル導体と第2コイル導体との間で、互いに交差する部分を除いて、互いに重なる部分をより少なくすること、さらには互いに重なる部分をなくすことを意味する。
この実験例では、試料1~5に係るコモンモードチョークコイルは、ともに、第1コイル導体17および第2コイル導体18の各々の線幅を0.018mmとした。したがって、試料2~5のうち、SG1とSG2との差が最も小さい試料2でも、SG1とSG2との差が0.020mmであるので、試料2~5のすべてにおいて、図3に示すように、第1コイル導体と第2コイル導体との間で、互いに交差する部分を除いて、互いに重なる部分がないということである。
また、試料1~5に係るコモンモードチョークコイルは、ともに、第1コイル導体17のターン数を0.8ターン、第2コイル導体18のターン数を1ターンとした。第1コイル導体17および第2コイル導体18を積層体2の積層方向で平面視したとき、第1コイル導体17と第2コイル導体18とが互いに交差する箇所を2箇所とした。
以上の試料1~5に係るコモンモードチョークコイルについて、コモンモード成分の透過特性(Scc21透過特性)およびディファレンシャルモード成分の透過特性(Sdd21透過特性)を求めた。
図5および図6には、代表して、試料4に係るコモンモードチョークコイルについて求めたScc21透過特性およびSdd21透過特性がそれぞれ示されている。
図5および図6に示した特性図から、試料4について、Scc21透過特性についてのピーク位置および最小値(ピーク位置での透過率)、ならびにSdd21透過特性についての20GHz、30GHzおよび40GHzの各々での透過率を求めた。また、同様の要領により、試料1~3および5についても、Scc21透過特性についてのピーク位置および最小値、ならびにSdd21透過特性についての20GHz、30GHzおよび40GHzの各々での透過率を求めた。これらの結果が表1に示されている。
表1において、Scc21のピーク位置、すなわち、透過率が最小となる周波数が24GHz以上のとき、合格と評価し、「○」と表示し、24GHz未満のとき、不合格と評価し、「×」と表示した。
また、Scc21の透過率の最小値、すなわち、ピーク位置での透過率が-20dB以下のとき、合格と評価し、「○」と表示し、-20dBを超えるとき、不合格と評価し、「×」と表示した。なお、表1では、「×」と表示されるものはなかった。
また、Sdd21の20GHzでの透過率が-3dB以上のとき、合格と評価し、「○」と表示し、-3dB未満のとき、不合格と評価し、「×」と表示した。なお、表1では、「×」と表示されるものはなかった。
また、Sdd21の30GHzでの透過率についても、-3dB以上のとき、合格と評価し、「○」と表示し、-3dB未満のとき、不合格と評価し、「×」と表示した。
また、Sdd21の40GHzでの透過率についても、-3dB以上のとき、合格と評価し、「○」と表示し、-3dB未満のとき、不合格と評価し、「×」と表示した。
表1からわかるように、第1コイル導体と第2コイル導体とが互いに交差する以外は重なりを持たない試料2~5によれば、Scc21透過特性についてのピーク位置および最小値、ならびにSdd21透過特性についての20GHz、30GHzおよび40GHzの各々での透過率のすべてにおいて、「○」の評価結果が得られている。
他方、試料1については、第1コイル導体と第2コイル導体とが重なりを持つため、Scc21透過特性についてのピーク位置、ならびにSdd21透過特性についての30GHzおよび40GHzの各々での透過率において、「×」の評価結果となっている。
したがって、試料1では、Sdd21、すなわちディファレンシャルモード成分の透過特性において、-3dBとなる周波数が30GHz以下となり、高周波の信号成分が減衰することになる。また、Scc21、すなわちコモンモード成分の減衰特性において、ピーク位置が21.50GHzであり、たとえば25GHz以上の高い周波数帯において、コモンモードのノイズ成分を十分に減衰することができない。
以上、この発明を図示した実施形態に関連して説明したが、この発明の範囲内において、その他種々の変形例が可能である。
1 コモンモードチョークコイル
2 積層体
3,3a,3b,3c,3d,3e 非導電体層
5,6 主面
7,8 側面
9,10 端面
11 第1コイル
12 第2コイル
13~16 端子電極
17,18 コイル導体
19~22 引き出し導体
23~26 接続端部
27,28 ビア導体
29,30 連結部
SG1 第1コイル導体から積層体の第1および第2側面ならびに第2端面の各々までの距離
SG2 第2コイル導体から積層体の第1および第2側面ならびに第1および第2端面の各々までの距離

Claims (3)

  1. 非導電体からなりかつ積層された複数の非導電体層を有する積層体と、
    前記積層体に内蔵された第1コイルおよび第2コイルと、
    前記積層体の外表面に設けられ、前記第1コイルの互いに異なる第1端および第2端にそれぞれ電気的に接続された第1端子電極および第2端子電極と、
    前記積層体の外表面に設けられ、前記第2コイルの互いに異なる第3端および第4端にそれぞれ電気的に接続された第3端子電極および第4端子電極と、
    を備え、
    前記第1コイルは、前記非導電体層間の1つの界面に沿って配置された第1コイル導体を有し、
    前記第2コイルは、前記第1コイル導体が配置された前記非導電体層間の界面とは異なる前記非導電体層間の1つの界面に沿って配置された第2コイル導体を有し、
    前記第1コイル導体および前記第2コイル導体を前記積層体の積層方向で平面視したとき、前記第1コイル導体と前記第2コイル導体とが互いに交差する箇所は、2箇所以下であり、前記第1コイル導体および前記第2コイル導体には、互いに交差する部分を除いて、互いに重なる部分がなく、前記第1コイル導体における前記交差する箇所から前記第1端子電極までの間を除き、前記第1コイル導体は前記第2コイル導体よりも外側にある
    コモンモードチョークコイル。
  2. 前記積層体は、前記非導電体層の延びる方向に延びかつ互いに対向する第1主面および第2主面と、前記第1主面および前記第2主面間を連結しかつ互いに対向する第1側面および第2側面と、前記第1主面および前記第2主面間ならびに前記第1側面および前記第2側面間をそれぞれ連結しかつ互いに対向する第1端面および第2端面と、を有する、直方体形状であり、
    前記第1側面から、前記第1コイル導体までの距離と前記第2コイル導体までの距離とは、前記第1側面により近いコイル導体の線幅を超える差をもって互いに異なり、
    前記第2側面から、前記第1コイル導体までの距離と前記第2コイル導体までの距離とは、前記第2側面により近いコイル導体の線幅を超える差をもって互いに異なり、
    前記第1端面から、前記第1コイル導体までの距離と前記第2コイル導体までの距離とは、前記第1端面により近いコイル導体の線幅を超える差をもって互いに異なり、
    前記第2端面から、前記第1コイル導体までの距離と前記第2コイル導体までの距離とは、前記第2端面により近いコイル導体の線幅を超える差をもって互いに異なる、
    請求項1に記載のコモンモードチョークコイル。
  3. 前記第1コイル導体および前記第2コイル導体の各々のターン数は2ターン未満である、請求項1または2に記載のコモンモードチョークコイル。
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