JP2023020265A - 銅/セラミックス接合体、および、絶縁回路基板 - Google Patents

銅/セラミックス接合体、および、絶縁回路基板 Download PDF

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Abstract

【課題】冷熱サイクル信頼性に優れ、かつ、ろう染みの発生が十分に抑制された銅/セラミックス接合体、および、この銅/セラミックス接合体からなる絶縁回路基板を提供する。【解決手段】銅又は銅合金からなる銅部材12,13と、セラミックス部材11とが接合されてなる銅/セラミックス接合体10であって、セラミックス部材11と銅部材12,13との接合界面において、銅部材12,13の端部におけるセラミックス部材11と銅部材12,13との間の距離が3μm以上30μm以下の範囲内とされるとともに、銅部材12,13の端部領域Eにおけるボイド率が10%以下である。【選択図】図2

Description

この発明は、銅又は銅合金からなる銅部材と、セラミックス部材とが接合されてなる銅/セラミックス接合体、および、セラミックス基板の表面に、銅又は銅合金からなる銅板が接合されてなる絶縁回路基板に関するものである。
パワーモジュール、LEDモジュールおよび熱電モジュールにおいては、絶縁層の一方の面に導電材料からなる回路層を形成した絶縁回路基板に、パワー半導体素子、LED素子および熱電素子が接合された構造とされている。
例えば、風力発電、電気自動車、ハイブリッド自動車等を制御するために用いられる大電力制御用のパワー半導体素子は、動作時の発熱量が多いことから、これを搭載する基板としては、セラミックス基板と、このセラミックス基板の一方の面に導電性の優れた金属板を接合して形成した回路層と、セラミックス基板の他方の面に金属板を接合して形成した放熱用の金属層と、を備えた絶縁回路基板が、従来から広く用いられている。
例えば、特許文献1には、セラミックス基板の一方の面および他方の面に、銅板を接合することにより回路層および金属層を形成した絶縁回路基板が提案されている。この特許文献1においては、セラミックス基板の一方の面および他方の面に、Ag-Cu-Ti系ろう材を介在させて銅板を配置し、加熱処理を行うことにより銅板が接合されている(いわゆる活性金属ろう付け法)。
また、特許文献2においては、銅又は銅合金からなる銅板と、AlN又はAlからなるセラミックス基板とが、AgおよびTiを含む接合材を用いて接合されたパワーモジュール用基板が提案されている。
さらに、特許文献3には、アルミニウム又はアルミニウム合金からなるアルミニウム板と、セラミックス基板とが、Al-Si系、Al-Ge系、Al-Cu系、Al-Mg系またはAl-Mn系等の合金からなるろう材を用いて接合されたパワーモジュール用基板が提案されている。そして、この特許文献3においては、セラミックス基板の一方の面に形成された回路層およびセラミックス基板の他方の面に形成された放熱層の周囲に張出部が形成されている。これにより、回路層と放熱層との絶縁性を確保するともに、回路層および放熱層における熱容量を増やしている。
特許第3211856号公報 特許第5757359号公報 特許第5957862号公報
ところで、最近では、絶縁回路基板に搭載される半導体素子の発熱温度が高くなる傾向にあり、絶縁回路基板には、従来にも増して、厳しい冷熱サイクルに耐えることができる冷熱サイクル信頼性が求められている。
ここで、銅板とセラミックス基板とを接合した絶縁回路基板において、特許文献3に記載されたように、回路層に張出部を形成した場合には、冷熱サイクルを負荷した際に、熱応力が回路層の端部に集中し、接合信頼性が低下するおそれがあった。
一方、銅部材の端部おける強度を確保するために、端部の接合層の厚さを厚くした場合には、銅部材とセラミックス部材の間に配設された接合材がはみ出し、いわゆる「ろう染み」と呼ばれる欠陥が生じるおそれがあった。
この発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであって、冷熱サイクル信頼性に優れ、かつ、ろう染みの発生が十分に抑制された銅/セラミックス接合体、および、この銅/セラミックス接合体からなる絶縁回路基板を提供することを目的とする。
前述の課題を解決するために、本発明の銅/セラミックス接合体は、銅又は銅合金からなる銅部材と、セラミックス部材とが接合されてなる銅/セラミックス接合体であって、前記セラミックス部材と前記銅部材との接合界面において、前記銅部材の端部における前記セラミックス部材と前記銅部材との間の距離が3μm以上30μm以下の範囲内とされるとともに、前記銅部材の端部領域におけるボイド率が10%以下であることを特徴としている。
本発明の銅/セラミックス接合体によれば、前記セラミックス部材と前記銅部材との接合界面において、前記銅部材の端部における前記セラミックス部材と前記銅部材との間の距離が3μm以上とされるとともに、前記銅部材の端部領域におけるボイド率が10%以下とされているので、端面の接合層の厚さが確保され、端部の強度を十分に確保することが可能となる。よって、冷熱サイクルを負荷した際のセラミックス部材の割れや剥がれを抑制することができる。
また、前記銅部材の端部における前記セラミックス部材と前記銅部材との間の距離が30μm以下とされているので、接合材のはみ出しを抑制でき、「ろう染み」の発生を抑制することができる。
ここで、本発明の銅/セラミックス接合体においては、前記セラミックス部材と前記銅部材との接合界面において、前記セラミックス部材側には活性金属化合物層が形成されており、前記銅部材の前記端部における前記活性金属化合物層の厚さt1および前記銅部材の中央部における前記活性金属化合物層の厚さt1が0.05μm以上1.2μm以下の範囲内とされ、厚さ比t1/t1が0.7以上1.4以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、前記銅部材の前記端部における前記活性金属化合物層の厚さt1および前記銅部材の中央部における前記活性金属化合物層の厚さt1が0.05μm以上1.2μm以下の範囲内とされているので、活性金属によってセラミックス部材と銅部材とが確実に強固に接合されているとともに、接合界面が硬くなることがさらに抑制される。
そして、厚さ比t1/t1が0.7以上1.4以下の範囲内とされているので、前記銅部材の端部と中央部とで接合界面の硬さに大きな差が生じず、冷熱サイクル負荷時におけるセラミックス部材の割れの発生をさらに抑制することができる。
また、本発明の銅/セラミックス接合体においては、前記セラミックス部材と前記銅部材との接合界面において、前記銅部材側にはAg-Cu合金層が形成されており、前記銅部材の前記端部における前記Ag-Cu合金層の厚さt2および前記銅部材の中央部における前記Ag-Cu合金層の厚さt2が3μm以上30μm以下の範囲内とされ、厚さ比t2/t2が0.7以上1.4以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、前記銅部材の前記端部における前記Ag-Cu合金層の厚さt2および前記銅部材の中央部における前記Ag-Cu合金層の厚さt2が3μm以上30μm以下の範囲内とされているので、接合材のAgが銅部材と十分に反応してセラミックス部材と銅部材とが確実に強固に接合されているとともに、接合界面が硬くなることがさらに抑制される。
そして、厚さ比t2/t2が、0.7以上1.4以下の範囲内とされているので、前記銅部材の端部と中央部とで接合界面の硬さに大きな差が生じず、冷熱サイクル負荷時におけるセラミックス部材の割れの発生をさらに抑制することができる。
本発明の絶縁回路基板は、セラミックス基板の表面に、銅又は銅合金からなる銅板が接合されてなる絶縁回路基板であって、前記セラミックス基板と前記銅板との接合界面において、前記銅板の端部における前記セラミックス基板と前記銅板との間の距離が3μm以上30μm以下の範囲内とされるとともに、前記銅板の端部領域におけるボイド率が10%以下であることを特徴としている。
本発明の絶縁回路基板によれば、前記セラミックス基板と前記銅板との接合界面において、前記銅板の端部における前記セラミックス基板と前記銅板との間の距離が3μm以上とされるとともに、前記銅板の端部領域におけるボイド率が10%以下とされているので、端面の接合層の厚さが確保され、端部の強度を十分に確保することが可能となる。よって、冷熱サイクルを負荷した際のセラミックス基板の割れや剥がれを抑制することができる。
また、前記銅板の端部における前記セラミックス基板と前記銅板との間の距離が30μm以下とされているので、接合材のはみ出しを抑制でき、「ろう染み」の発生を抑制することができる。
ここで、本発明の絶縁回路基板においては、前記銅板の端部における前記活性金属化合物層の厚さt1および前記銅板の中央部における記活性金属化合物層の厚さt1が0.05μm以上1.2μm以下の範囲内とされ、厚さ比t1/t1が0.7以上1.4以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、前記銅板の端部における前記活性金属化合物層の厚さt1および前記銅板の中央部における前記活性金属化合物層の厚さt1が0.05μm以上1.2μm以下の範囲内とされているので、活性金属によってセラミックス基板と銅板とが確実に強固に接合されているとともに、接合界面が硬くなることがさらに抑制される。
そして、厚さ比t1/t1が0.7以上1.4以下の範囲内とされているので、前記銅板の端部と中央部とで接合界面の硬さに大きな差が生じず、冷熱サイクル負荷時におけるセラミックス基板の割れの発生をさらに抑制することが可能となる。
また、本発明の絶縁回路基板においては、前記セラミックス基板と前記銅板との接合界面において、前記銅板側にはAg-Cu合金層が形成されており、前記銅板の前記端部における前記Ag-Cu合金層の厚さt2および前記銅板の中央部における前記Ag-Cu合金層の厚さt2が3μm以上30μm以下の範囲内とされ、厚さ比t2/t2が0.7以上1.4以下の範囲内とされていることが好ましい。
この場合、前記銅板の端部における前記Ag-Cu合金層の厚さt2および前記銅板の中央部における前記Ag-Cu合金層の厚さt2が3μm以上30μm以下の範囲内とされているので、接合材のAgが銅板と十分に反応してセラミックス基板と銅板とが確実に強固に接合されているとともに、接合界面が硬くなることがさらに抑制される。
そして、厚さ比t2/t2が、0.7以上1.4以下の範囲内とされているので前記銅板の端部と中央部とで接合界面の硬さに大きな差が生じず、冷熱サイクル負荷時におけるセラミックス基板の割れの発生をさらに抑制することができる。
本発明によれば、冷熱サイクル信頼性に優れ、かつ、ろう染みの発生が十分に抑制された銅/セラミックス接合体、および、この銅/セラミックス接合体からなる絶縁回路基板を提供することができる。
本発明の実施形態に係る絶縁回路基板を用いたパワーモジュールの概略説明図である。 本発明の実施形態に係る絶縁回路基板の回路層および金属層の端部の拡大説明図である。 本発明の実施形態に係る絶縁回路基板の回路層および金属層とセラミックス基板との接合界面の拡大説明図である。(a)が回路層および金属層の端部と中央部の説明図、(b)が端部、(c)が中央部である。 本発明の実施形態に係る絶縁回路基板の製造方法のフロー図である。 本発明の実施形態に係る絶縁回路基板の製造方法の概略説明図である。
以下に、本発明の実施形態について添付した図面を参照して説明する。
本実施形態に係る銅/セラミックス接合体は、セラミックスからなるセラミックス部材としてのセラミックス基板11と、銅又は銅合金からなる銅部材としての銅板42(回路層12)および銅板43(金属層13)とが接合されてなる絶縁回路基板10である。図1に、本実施形態である絶縁回路基板10を備えたパワーモジュール1を示す。
このパワーモジュール1は、回路層12および金属層13が配設された絶縁回路基板10と、回路層12の一方の面(図1において上面)に接合層2を介して接合された半導体素子3と、金属層13の他方側(図1において下側)に配置されたヒートシンク5と、を備えている。
半導体素子3は、Si等の半導体材料で構成されている。この半導体素子3と回路層12は、接合層2を介して接合されている。
接合層2は、例えばSn-Ag系、Sn-In系、若しくはSn-Ag-Cu系のはんだ材で構成されている。
ヒートシンク5は、前述の絶縁回路基板10からの熱を放散するためのものである。このヒートシンク5は、銅又は銅合金で構成されており、本実施形態ではりん脱酸銅で構成されている。このヒートシンク5には、冷却用の流体が流れるための流路が設けられている。
なお、本実施形態においては、ヒートシンク5と金属層13とが、はんだ材からなるはんだ層7によって接合されている。このはんだ層7は、例えばSn-Ag系、Sn-In系、若しくはSn-Ag-Cu系のはんだ材で構成されている。
そして、本実施形態である絶縁回路基板10は、図1に示すように、セラミックス基板11と、このセラミックス基板11の一方の面(図1において上面)に配設された回路層12と、セラミックス基板11の他方の面(図1において下面)に配設された金属層13と、を備えている。
セラミックス基板11は、絶縁性および放熱性に優れた窒化ケイ素(Si)、窒化アルミニウム(AlN)、アルミナ(Al)等のセラミックスで構成されている。本実施形態では、セラミックス基板11は、特に放熱性の優れた窒化アルミニウム(AlN)で構成されている。また、セラミックス基板11の厚さは、例えば、0.2mm以上1.5mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.635mmに設定されている。
回路層12は、図5に示すように、セラミックス基板11の一方の面(図5において上面)に、銅又は銅合金からなる銅板42が接合されることにより形成されている。
本実施形態においては、回路層12は、無酸素銅の圧延板がセラミックス基板11に接合されることで形成されている。
なお、回路層12となる銅板42の厚さは0.1mm以上2.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.6mmに設定されている。
金属層13は、図5に示すように、セラミックス基板11の他方の面(図5において下面)に、銅又は銅合金からなる銅板43が接合されることにより形成されている。
本実施形態においては、金属層13は、無酸素銅の圧延板がセラミックス基板11に接合されることで形成されている。
なお、金属層13となる銅板43の厚さは0.1mm以上2.0mm以下の範囲内に設定されており、本実施形態では、0.6mmに設定されている。
そして、本実施形態である絶縁回路基板10においては、図2に示すように、セラミックス基板11と回路層12および金属層13との接合界面において、回路層12および金属層13の端部におけるセラミックス基板11と回路層12および金属層13との間の距離hが3μm以上30μm以下の範囲内とされている。
さらに、本実施形態である絶縁回路基板10においては、図2に示すように、セラミックス基板11と回路層12および金属層13との接合界面の回路層12および金属層13の端部領域Eにおけるボイド率が10%以下とされている。
ここで、本実施形態における端部領域とは、図2に示すように、セラミックス基板11と回路層12および金属層13との接合界面の断面観察において、セラミックス基板11から回路層12および金属層13の厚さの1/3の位置における回路層12および金属層13の端面位置からの垂線とセラミックス基板11との交点Pを起点として、セラミックス基板11の表面から回路層12および金属層13側へ30μmの高さ、かつ、セラミックス基板11の表面に沿って回路層12および金属層13の中央部側へ400μmの幅、の領域である。
なお、回路層12および金属層13の厚さが90μm未満の場合、端部領域とは、セラミックス基板11から回路層12および金属層13の厚さの1/3の位置における回路層12および金属層13の端面位置からの垂線とセラミックス基板11との交点Pを起点として、セラミックス基板11の表面から回路層12および金属層13側への回路層12および金属層13の厚さの1/3の高さ、かつ、セラミックス基板11の表面に沿って回路層12および金属層13の中央部側へ400μmの幅、の領域である。
さらに、ボイド率は、以下のように算出される。上述の端部領域において、回路層12および金属層13を構成する金属が存在しない領域をボイド部とし、上述の端部領域におけるボイド部が占める割合をボイド率とした。
また、本実施形態においては、セラミックス基板11と回路層12および金属層13との接合界面においては、図3に示すように、セラミックス基板11側から順に、活性金属化合物層21、Ag-Cu合金層22が形成されていることが好ましい。
ここで、本実施形態である絶縁回路基板10においては、図3(a)に示すように、回路層12および金属層13の端部Aと中央部Bにおける界面構造について、以下のように規定されている。
なお、本実施形態において、回路層12および金属層13の端部Aは、図3(a)に示すように、回路層12および金属層13とセラミックス基板11との積層方向に沿った断面において、回路層12および金属層13の幅方向端部から幅方向内方に200μmまでの領域である。
また、回路層12および金属層13の中央部Bは、図3(a)に示すように、回路層12および金属層13とセラミックス基板11との積層方向に沿った断面において、回路層12および金属層13の幅方向中心を含む幅方向200μmの領域である。
本実施形態においては、回路層12および金属層13との接合界面の端部Aに形成された活性金属化合物層21Aの厚さt1、および、回路層12および金属層13との接合界面の中央部Bに形成された活性金属化合物層21Bの厚さt1が、0.05μm以上1.2μm以下の範囲内とされ、これらの厚さ比t1/t1が0.7以上1.4以下の範囲内とされていることが好ましい。
ここで、活性金属化合物層21A,21Bは接合材45で用いる活性金属(Ti,Zr,Nb,Hf)の化合物からなる層である。より具体的には、セラミックス基板が窒化ケイ素(Si)、窒化アルミニウム(AlN)からなる場合には、これらの活性金属の窒化物からなる層となり、セラミックス基板がアルミナ(Al)である場合には、これらの活性金属の酸化物からなる層となる。活性金属化合物層21A,21Bは活性金属化合物の粒子が集合して形成されている。この粒子の平均粒径は10nm以上100nm以下である。
なお、本実施形態では、接合材45が活性金属としてTiを含有し、セラミックス基板11が窒化アルミニウムで構成されているため、活性金属化合物層21(21A,21B)は、窒化チタン(TiN)で構成される。すなわち、平均粒径が10nm以上100nm以下の窒化チタン(TiN)の粒子が集合して形成されている。
さらに、本実施形態においては、回路層12および金属層13との接合界面の端部Aに形成されたAg-Cu合金層22Aの厚さt2、および、回路層12および金属層13との接合界面の中央部Bに形成されたAg-Cu合金層22Bの厚さt2が、3μm以上30μm以下の範囲内とされ、これらの厚さ比t2/t2が0.7以上1.4以下の範囲内とされていることが好ましい。
以下に、本実施形態に係る絶縁回路基板10の製造方法について、図4および図5を参照して説明する。
(接合材配設工程S01)
回路層12となる銅板42と、金属層13となる銅板43とを準備する。ここで、回路層12となる銅板42および金属層13となる銅板43においては、セラミックス基板11側の向く面の周縁部に面取り部が形成されている。
そして、回路層12となる銅板42および金属層13となる銅板43の接合面に、接合材45を塗布し、乾燥させる。ペースト状の接合材45の塗布厚さは、乾燥後で10μm以上50μm以下の範囲内とすることが好ましい。
本実施形態では、スクリーン印刷によってペースト状の接合材45を塗布する。
接合材45は、Agと活性金属(Ti,Zr,Nb,Hf)を含有するものとされている。本実施形態では、接合材45として、Ag-Ti系ろう材(Ag-Cu-Ti系ろう材)を用いている。なお、Ag-Ti系ろう材(Ag-Cu-Ti系ろう材)としては、例えば、Cuを0mass%以上45mass%以下の範囲内、活性金属であるTiを0.5mass%以上20mass%以下の範囲で含み、残部がAgおよび不可避不純物とされた組成のものを用いることが好ましい。
ここで、塗布する接合材45については、Agの換算膜厚と、Agと活性金属の質量比Ag/活性金属を、調整する。これにより、後述する加圧および加熱工程S03において、発生するAg-Cu液相の絶対量および流動性を制御することが可能となる。
具体的には、Agの換算膜厚を2.5μm以上とすることが好ましく、3.5μm以上とすることがさらに好ましい。一方、Agの換算膜厚を20μm以下とすることが好ましく、15μm以下とすることがさらに好ましい。
また、Agと活性金属の質量比Ag/活性金属を8以上とすることが好ましく、12以上とすることがさらに好ましい。一方、Agと活性金属の質量比Ag/活性金属を60以下とすることが好ましく、45以下とすることがさらに好ましい。
また、接合材45に含まれるAg粉の比表面積は、0.15m/g以上とすることが好ましく、0.25m/g以上とすることがさらに好ましく、0.40m/g以上とすることがより好ましい。一方、接合材45に含まれるAg粉の比表面積は、1.40m/g以下とすることが好ましく、1.00m/g以下とすることがさらに好ましく、0.75m/g以下とすることがより好ましい。
なお、ペースト状の接合材45に含まれるAg粉の粒径は、D10が0.7μm以上3.5μm以下、かつ、D100が4.5μm以上23μm以下の範囲内であることが好ましい。
(積層工程S02)
次に、セラミックス基板11の一方の面(図5において上面)に、接合材45を介して回路層12となる銅板42を積層するとともに、セラミックス基板11の他方の面(図5において下面)に、接合材45を介して金属層13となる銅板43を積層する。なお、回路層12となる銅板42および金属層13となる銅板43の周縁部に面取り部が形成されているので、セラミックス基板11の端部に空隙が形成されることになる。
(加圧および加熱工程S03)
次に、銅板42とセラミックス基板11と銅板43とを加圧した状態で、真空雰囲気の加熱炉内で加熱し、接合材45を溶融する。
ここで、加圧および加熱工程S03における加熱温度は、800℃以上850℃以下の範囲内とすることが好ましい。780℃から加熱温度までの昇温工程および加熱温度での保持工程における温度積分値の合計が7℃・h以上80℃・h以下の範囲内とすることが好ましい。
また、加圧および加熱工程S03における加圧荷重は、0.029MPa以上2.94MPa以下の範囲内とすることが好ましい。
さらに、加圧および加熱工程S03における真空度は、1×10-6Pa以上5×10-2Pa以下の範囲内とすることが好ましい。
(冷却工程S04)
そして、加圧および加熱工程S03の後、冷却を行うことにより、溶融した接合材45を凝固させて、回路層12となる銅板42とセラミックス基板11、セラミックス基板11と金属層13となる銅板43とを接合する。
なお、この冷却工程S04における冷却速度は、2℃/min以上20℃/min以下の範囲内とすることが好ましい。なお、ここでの冷却速度は加熱温度からAg-Cu共晶温度である780℃までの冷却速度である。
以上のように、接合材配設工程S01、積層工程S02、加圧および加熱工程S03、冷却工程S04によって、本実施形態である絶縁回路基板10が製造されることになる。
(ヒートシンク接合工程S05)
次に、絶縁回路基板10の金属層13の他方の面側にヒートシンク5を接合する。
絶縁回路基板10とヒートシンク5とを、はんだ材を介して積層して加熱炉に装入し、はんだ層7を介して絶縁回路基板10とヒートシンク5とをはんだ接合する。
(半導体素子接合工程S06)
次に、絶縁回路基板10の回路層12の一方の面に、半導体素子3をはんだ付けにより接合する。
前述の工程により、図1に示すパワーモジュール1が製出される。
以上のような構成とされた本実施形態の絶縁回路基板10(銅/セラミックス接合体)によれば、セラミックス基板11と回路層12および金属層13との接合界面において、回路層12および金属層13の端部におけるセラミックス基板11と回路層12および金属層13との間の距離hが3μm以上とされるとともに、回路層12および金属層13の端部領域におけるボイド率が10%以下とされているので、端面の接合層の厚さが確保され、回路層12および金属層13の端部の強度を十分に確保することが可能となる。よって、冷熱サイクルを負荷した際のセラミックス基板11の割れや剥がれを抑制することができる。
また、回路層12および金属層13の端部におけるセラミックス基板11と回路層12および金属層13との間の距離hが30μm以下とされているので、接合材45のはみ出しを抑制でき、「ろう染み」の発生を抑制することができる。
なお、回路層12および金属層13の端部におけるセラミックス基板11と回路層12および金属層13との間の距離hは5μm以上とすることが好ましく、8μm以上とすることがさらに好ましい。一方、回路層12および金属層13の端部におけるセラミックス基板11と回路層12および金属層13との間の距離hは25μm以下とすることが好ましく、20μm以下とすることがさらに好ましい。
また、セラミックス基板11と回路層12および金属層13との接合界面の回路層12および金属層13の端部領域Eにおけるボイド率は、8%以下であることが好ましく、5%以下であることがさらに好ましい。
また、本実施形態において、回路層12および金属層13の端部Aに形成された活性金属化合物層21Aの厚さt1A、および、回路層12および金属層13の中央部Bに形成された活性金属化合物層21Bの厚さt1が、0.05μm以上1.2μm以下の範囲内とされている場合には、活性金属によってセラミックス基板11と回路層12および金属層13とが確実に強固に接合されているとともに、接合界面が硬くなることがさらに抑制される。
なお、セラミックス基板11と回路層12および金属層13とをさらに強固に接合するためには、回路層12および金属層13の端部Aに形成された活性金属化合物層21Aの厚さt1、および、回路層12および金属層13の中央部Bに形成された活性金属化合物層21Bの厚さt1を、0.08μm以上とすることが好ましく、0.15μm以上とすることがより好ましい。
また、接合界面が硬くなることがさらに確実に抑制するためには、回路層12および金属層13の端部Aに形成された活性金属化合物層21Aの厚さt1、および、回路層12および金属層13の中央部Bに形成された活性金属化合物層21Bの厚さt1を、1.0μm以下とすることが好ましく、0.6μm以下とすることがより好ましい。
さらに、本実施形態において、回路層12および金属層13の端部Aに形成された活性金属化合物層21Aの厚さt1と回路層12および金属層13の中央部Bに形成された活性金属化合物層21Bの厚さt1との厚さ比t1/t1が0.7以上1.4以下の範囲内とされている場合には、回路層12および金属層13の端部Aと中央部bとで接合界面の硬さに大きな差が生じず、冷熱サイクル負荷時におけるセラミックス基板11の割れの発生をさらに抑制することができる。
なお、冷熱サイクル負荷時におけるセラミックス基板11の割れの発生をさらに抑制するためには、回路層12および金属層13の端部Aに形成された活性金属化合物層21Aの厚さt1、および、回路層12および金属層13の中央部Bに形成された活性金属化合物層21Bの厚さt1の比t1/t1を、0.8以上1.2以下の範囲内とすることがさらに好ましく、0.9以上1.1以下の範囲内とすることがより好ましい。
また、本実施形態において、回路層12および金属層13の端部Aに形成されたAg-Cu合金層22Aの厚さt2、および、回路層12および金属層13の中央部Bに形成されたAg-Cu合金層22Bの厚さt2が、3μm以上30μm以下の範囲内とされている場合には、後述する接合材45のAgと回路層12および金属層13とが十分に反応し、セラミックス基板11と回路層12および金属層13とが確実に強固に接合されているとともに、接合界面が硬くなることがさらに抑制される。
なお、セラミックス基板11と回路層12および金属層13とをさらに強固に接合するためには、回路層12および金属層13の端部Aに形成されたAg-Cu合金層22Aの厚さt2、および、回路層12および金属層13の中央部Bに形成されたAg-Cu合金層22Bの厚さt2を、5μm以上とすることが好ましく、7μm以上とすることがより好ましい。
また、接合界面が必要以上に硬くなることをさらに抑制するためには、回路層12および金属層13の端部Aに形成されたAg-Cu合金層22Aの厚さt2、および、回路層12および金属層13の中央部Bに形成されたAg-Cu合金層22Bの厚さt2を、25μm以下とすることが好ましく、20μm以下とすることがより好ましい。
さらに、本実施形態において、回路層12および金属層13の端部Aに形成されたAg-Cu合金層22Aの厚さt2と、回路層12および金属層13の中央部Bに形成されたAg-Cu合金層22Bの厚さt2との比t2/t2が、0.7以上1.4以下の範囲内とされている場合には、回路層12および金属層13の端部Aと中央部Bとで接合界面の硬さに大きな差が生じず、冷熱サイクル負荷時におけるセラミックス基板の割れの発生をさらに抑制することができる。
なお、冷熱サイクル負荷時におけるセラミックス基板11の割れの発生をさらに抑制するためには、回路層12および金属層13の端部Aに形成されたAg-Cu合金層22Aの厚さt2と、回路層12および金属層13の中央部Bに形成されたAg-Cu合金層22Bの厚さt2との比t2/t2を、0.8以上1.2以下の範囲内とすることがさらに好ましく、0.9以上1.1以下の範囲内とすることがより好ましい。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されることはなく、その発明の技術的思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、本実施形態では、絶縁回路基板に半導体素子を搭載してパワーモジュールを構成するものとして説明したが、これに限定されることはない。例えば、絶縁回路基板の回路層にLED素子を搭載してLEDモジュールを構成してもよいし、絶縁回路基板の回路層に熱電素子を搭載して熱電モジュールを構成してもよい。
また、本実施形態の絶縁回路基板では、セラミックス基板として、窒化アルミニウム(AlN)で構成されたものを例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、アルミナ(Al)、窒化ケイ素(Si)等の他のセラミックス基板を用いたものであってもよい。
さらに、本実施形態では、接合材に含まれる活性金属としてTiを例に挙げて説明したが、これに限定されることはなく、Ti,Zr,Hf,Nbから選択される1種又は2種以上の活性金属を含んでいればよい。なお、これらの活性金属は、水素化物として含まれていてもよい。
さらに、本実施形態においては、回路層を、無酸素銅の圧延板をセラミックス基板に接合することにより形成するものとして説明したが、これに限定されることはなく、銅板を打ち抜いた銅片を回路パターン状に配置された状態でセラミックス基板に接合されることによって回路層を形成してもよい。この場合、それぞれの銅片において、上述のようなセラミックス基板との界面構造を有していればよい。
以下に、本発明の効果を確認すべく行った確認実験の結果について説明する。
まず、表1記載のセラミックス基板(40mm×40mm)を準備した。なお、厚さは、AlNおよびAlは0.635mm、Siは0.32mmとした。
また、回路層および金属層となる銅板として、無酸素銅からなり、表1に示す厚さの37mm×37mmの銅板を準備した。なお、回路層および金属層となる銅板においては、セラミックス基板側の周縁部に面取り部を形成した。
そして、回路層および金属層となる銅板に、接合材を塗布した。なお、接合材はペースト材を用い、Ag,Cu,活性金属の量は表1の通りとした。ここで、表1に示すように、Ag換算厚さ、および、Agと活性金属の質量比Ag/活性金属を調整した。
セラミックス基板の一方の面に、回路層となる銅板を積層した。また、セラミックス基板の他方の面に、金属層となる銅板を積層した。
この積層体を、積層方向に加圧した状態で加熱し、Ag-Cu液相を発生させた。このとき、加圧荷重を0.294MPaとし,温度積分値は表1の通りとした。
そして、加熱した積層体を冷却することにより、回路層となる銅板とセラミックス基板と金属層となる金属板を接合し、絶縁回路基板(銅/セラミックス接合体)を得た。
得られた絶縁回路基板(銅/セラミックス接合体)について、端部のボイド率、端部におけるセラミックス基板と銅板との間の距離、活性金属化合物層、Ag-Cu合金層、冷熱サイクル信頼性、ろう染みの有無を、以下のようにして評価した。
(端部のボイド率)
回路層とセラミックス基板との接合界面、および、セラミックス基板と金属層との接合界面の端部断面について、EPMA装置を用いて、Ag、Cu、活性金属の各元素マッピングを取得した。それぞれ5視野で各元素マッピングを取得した。そして、端部領域においてAg、Cu、活性金属が検出されなかった領域の面積(ボイド面積)を求めて、ボイド率=100×ボイド面積/端部領域面積の最大値を「端部のボイド率」とし、表2に記載した。
(端部におけるセラミックス基板と銅板との間の距離)
回路層とセラミックス基板との接合界面、および、セラミックス基板と金属層との接合界面において、上述した端部断面を、EPMA装置を用いて、Ag、Cu、活性金属の各元素のライン分析を実施した。交点Pを通り、かつセラミックス基板に対して垂直な方向に回路層、または金属層に向かって、それぞれ5視野で各元素のライン分析を実施した。そして、Ag+Cu+活性金属=100mass%としたとき、セラミックス基板表面からCu濃度が90mass%以上である領域までの距離を測定し、それぞれ5視野、計10視野の内最も短い距離を「端部におけるセラミックス基板と銅板との間の距離」とし、表2に記載した。
(活性金属化合物層)
回路層とセラミックス基板との接合界面、および、セラミックス基板と金属層との接合界面の断面を、走査型電子顕微鏡(カールツァイスNTS社製ULTRA55、加速電圧1.8kV)を用いて倍率30000倍で測定し、エネルギー分散型X線分析法により、N、O及び活性金属元素の元素マッピングを取得した。活性金属元素とNまたはOが同一領域に存在する場合に活性金属化合物層が有ると判断した。
それぞれ5視野で観察を行い、活性金属元素とNまたはOが同一領域に存在する範囲の面積を測定した幅で割ったものの平均値を「活性金属化合物層の厚さ」とし表2に記載した。
(Ag-Cu合金層)
回路層とセラミックス基板との接合界面、および、セラミックス基板と金属層との接合界面の断面を、EPMA装置を用いて、Ag,Cu,活性金属の各元素マッピングを取得した。それぞれ5視野で各元素マッピングを取得した。
そして、Ag+Cu+活性金属=100mass%としたとき、Ag濃度が15質量%以上である領域をAg-Cu合金層とし、その面積を求めて、測定領域の幅で割った値(面積/測定領域の幅)を求めた。その値の平均をAg-Cu合金層の厚さとして表2に記載した。
(冷熱サイクル信頼性)
上述の絶縁回路基板を、セラミックス基板の材質に応じて、下記の冷熱サイクルを負荷し、SAT検査によりセラミックス割れの有無を判定した。評価結果を表2に示す。
AlN,Alの場合:-40℃×10min←→150℃×10minを500サイクルまで50サイクル毎にSAT検査。
Siの場合:-40℃×10min←→150℃×10minを2000サイクルまで200サイクル毎にSAT検査。
(ろう染みの有無)
回路層表面および金属層表面を、EPMA装置を用いてAg、Cu、活性金属の各元素マッピングを取得した。そして、Ag+Cu+活性金属=100mass%としたとき、Ag濃度が15質量%以上である領域を「ろう染み」とし、その面積を求めて、回路層及び金属層の外周から100μmの領域の面積で割った値が20%以上の場合に「ろう染み」が有ると判断した。
Figure 2023020265000002
Figure 2023020265000003
はじめに、セラミックス基板としてAlNを用いた本発明例1-3と比較例1とを比較する。
比較例1においては、回路層(金属層)の端部におけるセラミックス基板と回路層(金属層)との間の距離が23.2μmとされ、回路層(金属層)の端部領域におけるボイド率が16.3%とされており、冷熱サイクル試験において割れ発生回数が100回となった。また、ろう染みが確認された。
これに対して、本発明例1においては、回路層(金属層)の端部におけるセラミックス基板と回路層(金属層)との間の距離が24.7μmとされ、回路層(金属層)の端部領域におけるボイド率が9.8%とされており、冷熱サイクル試験において割れ発生回数が400回となった。また、ろう染みは確認されなかった。
本発明例2においては、回路層(金属層)の端部におけるセラミックス基板と回路層(金属層)との間の距離が20.9μmとされ、回路層(金属層)の端部領域におけるボイド率が5.3%とされており、冷熱サイクル試験において割れ発生回数が450回となった。また、ろう染みは確認されなかった。
本発明例3においては、回路層(金属層)の端部におけるセラミックス基板と回路層(金属層)との間の距離が12.1μmとされ、回路層(金属層)の端部領域におけるボイド率が0.8%とされており、冷熱サイクル試験において割れ発生回数が500回となった。また、ろう染みは確認されなかった。
次に、セラミックス基板としてSiを用いた本発明例4-6と比較例2とを比較する。
比較例2においては、回路層(金属層)の端部におけるセラミックス基板と回路層(金属層)との間の距離が45.1μmとされ、回路層(金属層)の端部領域におけるボイド率が13.2%とされており、冷熱サイクル試験において割れ発生回数が1200回となった。また、ろう染みが確認された。
これに対して、本発明例4においては、回路層(金属層)の端部におけるセラミックス基板と回路層(金属層)との間の距離が3.2μmとされ、回路層(金属層)の端部領域におけるボイド率が0.3%とされており、冷熱サイクル試験において割れ発生回数が1600回となった。また、ろう染みは確認されなかった。
本発明例5においては、回路層(金属層)の端部におけるセラミックス基板と回路層(金属層)との間の距離が6.4μmとされ、回路層(金属層)の端部領域におけるボイド率が7.1%とされており、冷熱サイクル試験において割れ発生回数が1800回となった。また、ろう染みは確認されなかった。
本発明例6においては、回路層(金属層)の端部におけるセラミックス基板と回路層(金属層)との間の距離が8.1μmとされ、回路層(金属層)の端部領域におけるボイド率が0.1%とされており、冷熱サイクル試験において2000回でも割れが発生しなかった。また、ろう染みは確認されなかった。
次に、セラミックス基板としてAlを用いた本発明例7,8と比較例3とを比較する。
比較例3においては、回路層(金属層)の端部におけるセラミックス基板と回路層(金属層)との間の距離が1.3μmとされ、回路層(金属層)の端部領域におけるボイド率が0.0%とされており、冷熱サイクル試験において割れ発生回数が50回となった。なお、ろう染みは確認されなかった。
これに対して、本発明例7においては、回路層(金属層)の端部におけるセラミックス基板と回路層(金属層)との間の距離が29.6μmとされ、回路層(金属層)の端部領域におけるボイド率が8.2%とされており、冷熱サイクル試験において割れ発生回数が350回となった。また、ろう染みは確認されなかった。
本発明例8においては、回路層(金属層)の端部におけるセラミックス基板と回路層(金属層)との間の距離が19.6μmとされ、回路層(金属層)の端部領域におけるボイド率が4.8%とされており、冷熱サイクル試験において割れ発生回数が450回となった。また、ろう染みは確認されなかった。
以上の確認実験の結果から、本発明例によれば、冷熱サイクル信頼性に優れ、かつ、ろう染みの発生が十分に抑制された絶縁回路基板(銅/セラミックス接合体)を提供可能であることが確認された。
10 絶縁回路基板(銅/セラミックス接合体)
11 セラミックス基板(セラミックス部材)
12 回路層(銅部材)
13 金属層(銅部材)
21(21A,21B) 活性金属化合物層
22(22A,22B) Ag-Cu合金層

Claims (6)

  1. 銅又は銅合金からなる銅部材と、セラミックス部材とが接合されてなる銅/セラミックス接合体であって、
    前記セラミックス部材と前記銅部材との接合界面において、前記銅部材の端部における前記セラミックス部材と前記銅部材との間の距離が3μm以上30μm以下の範囲内とされるとともに、
    前記銅部材の端部領域におけるボイド率が10%以下であることを特徴とする銅/セラミックス接合体。
  2. 前記セラミックス部材と前記銅部材との接合界面において、前記セラミックス部材側には活性金属化合物層が形成されており、
    前記銅部材の前記端部における前記活性金属化合物層の厚さt1および前記銅部材の中央部における前記活性金属化合物層の厚さt1が0.05μm以上1.2μm以下の範囲内とされ、厚さ比t1/t1が0.7以上1.4以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1に記載の銅/セラミックス接合体。
  3. 前記セラミックス部材と前記銅部材との接合界面において、前記銅部材側にはAg-Cu合金層が形成されており、
    前記銅部材の前記端部における前記Ag-Cu合金層の厚さt2および前記銅部材の中央部における前記Ag-Cu合金層の厚さt2が3μm以上30μm以下の範囲内とされ、厚さ比t2/t2が0.7以上1.4以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の銅/セラミックス接合体。
  4. セラミックス基板の表面に、銅又は銅合金からなる銅板が接合されてなる絶縁回路基板であって、
    前記セラミックス基板と前記銅板との接合界面において、前記銅板の端部における前記セラミックス基板と前記銅板との間の距離が3μm以上30μm以下の範囲内とされるとともに、
    前記銅板の端部領域におけるボイド率が10%以下であることを特徴とする絶縁回路基板。
  5. 前記セラミックス基板と前記銅板との接合界面において、前記セラミックス基板側には活性金属化合物層が形成されており、
    前記銅板の前記端部における前記活性金属化合物層の厚さt1および前記銅板の中央部における前記活性金属化合物層の厚さt1が0.05μm以上1.2μm以下の範囲内とされ、厚さ比t1/t1が0.7以上1.4以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項4に記載の絶縁回路基板。
  6. 前記セラミックス基板と前記銅板との接合界面において、前記銅板側にはAg-Cu合金層が形成されており、
    前記銅板の前記端部における前記Ag-Cu合金層の厚さt2および前記銅板の中央部における前記Ag-Cu合金層の厚さt2が3μm以上30μm以下の範囲内とされ、厚さ比t2/t2が0.7以上1.4以下の範囲内とされていることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の絶縁回路基板。
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