JP2021097080A - 積層型コイル部品 - Google Patents

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Abstract

【課題】 実装時にツームストーン現象が発生しにくい積層型コイル部品を提供する。【解決手段】 複数の絶縁層が積層されてなる素体と、上記素体に埋設されたコイルと、上記コイルに電気的に接続された外部電極と、を備え、自重が0.2mg以上、0.35mg以下であり、上記素体は、実装面と、上記コイルが電気的に引き出され、かつ、上記外部電極が設けられたコイル引き出し面と、を有し、上記素体において、上記実装面及び上記コイル引き出し面に直交する断面を見たとき、上記実装面と上記コイル引き出し面とが交わる稜線部の曲率半径は、13μm以上、30μm以下である、積層型コイル部品。【選択図】 図1

Description

本発明は、積層型コイル部品に関する。
積層型コイル部品として、例えば、特許文献1では、複数の方形状の絶縁体層と、絶縁体層に形成された第1、第2のコイルと、絶縁体層及び第1、第2のコイルを有する直方体形状の積層体と、積層体の外部に形成された第1〜第4の外部電極とを備える、コモンモードノイズフィルタが開示されている。
特開2019−36698号公報
一般的に、積層型コイル部品は、1つのコイルに電気的に接続された一対の外部電極を有しており、これら一対の外部電極がはんだを介して配線基板に各々接合されることにより、積層型コイル部品が配線基板に実装される。しかしながら、積層型コイル部品を配線基板に実装する際、はんだから一対の外部電極に作用する張力のバランスが崩れると、一対の外部電極の一方が配線基板から離れ、積層型コイル部品が配線基板上で起立した姿勢となる、いわゆるツームストーン現象(又は、マンハッタン現象)が発生することがある。このようなツームストーン現象は、積層型コイル部品の自重が小さいほど発生しやすい。そのため、特許文献1に記載のコモンモードノイズフィルタにおいても、小型化されることで自重が小さくなると、ツームストーン現象が発生しやすくなるおそれがある。
本発明は、上記の問題を解決するためになされたものであり、実装時にツームストーン現象が発生しにくい積層型コイル部品を提供することを目的とするものである。
本発明の積層型コイル部品は、複数の絶縁層が積層されてなる素体と、上記素体に埋設されたコイルと、上記コイルに電気的に接続された外部電極と、を備え、自重が0.2mg以上、0.35mg以下であり、上記素体は、実装面と、上記コイルが電気的に引き出され、かつ、上記外部電極が設けられたコイル引き出し面と、を有し、上記素体において、上記実装面及び上記コイル引き出し面に直交する断面を見たとき、上記実装面と上記コイル引き出し面とが交わる稜線部の曲率半径は、13μm以上、30μm以下である、ことを特徴とする。
本発明によれば、実装時にツームストーン現象が発生しにくい積層型コイル部品を提供できる。
本発明の積層型コイル部品の一例を示す斜視模式図である。 図1中の素体の内部構造の一例を示す分解平面模式図である。 図1中の線分A1−A2に対応する部分を示す断面模式図である。 図1中の線分B1−B2に対応する部分を示す断面模式図である。 図1中の線分C1−C2に対応する部分を示す断面模式図である。 本発明の積層型コイル部品の別の一例を示す斜視模式図である。 積層型コイル部品について、実装時のツームストーン現象の発生率の評価方法を説明するための平面模式図である。
以下、本発明の積層型コイル部品について説明する。なお、本発明は、以下の構成に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において適宜変更されてもよい。また、以下において記載する個々の好ましい構成を複数組み合わせたものもまた本発明である。
[積層型コイル部品]
本発明の積層型コイル部品の一例として、コモンモードチョークコイルを以下に説明する。図1は、本発明の積層型コイル部品の一例を示す斜視模式図である。
本明細書中、積層型コイル部品の長さ方向、幅方向、及び、高さ方向を、図1等に示すように、各々、矢印L、矢印W、及び、矢印Tで定められる方向とする。ここで、長さ方向Lと幅方向Wと高さ方向Tとは、互いに直交している。
図1に示すように、積層型コイル部品1は、素体10と、第1の外部電極21と、第2の外部電極22と、第3の外部電極23と、第4の外部電極24と、を有している。積層型コイル部品1は、コモンモードチョークコイルであり、図1では示していないが、後述するように、素体10に各々埋設された第1のコイル及び第2のコイルも有している。
素体10は、例えば、図1に示すような6面を有する略直方体状である。素体10は、長さ方向Lにおいて相対する第1の端面10a及び第2の端面10bと、幅方向Wにおいて相対する第1の側面10c及び第2の側面10dと、高さ方向Tにおいて相対する第1の主面10e及び第2の主面10fと、を有している。
積層型コイル部品1を配線基板に実装する際、素体10の第1の主面10e又は第2の主面10fが実装面となる。以下では、第2の主面10fが実装面である場合について説明するが、第1の主面10eが実装面である場合についても同様である。
素体10は、後述するように、複数の絶縁層が高さ方向Tに積層されてなる。
第1の外部電極21は、素体10の第1の側面10cの一部上に設けられており、第1の側面10cから第1の主面10e及び第2の主面10fの各一部にわたって延在している。
第2の外部電極22は、素体10の第2の側面10dの一部上に設けられており、第2の側面10dから第1の主面10e及び第2の主面10fの各一部にわたって延在している。また、第2の外部電極22は、幅方向Wにおいて第1の外部電極21に対向する位置に設けられている。
第3の外部電極23は、素体10の第1の側面10cの一部上で第1の外部電極21と離隔された位置に設けられており、第1の側面10cから第1の主面10e及び第2の主面10fの各一部にわたって延在している。
第4の外部電極24は、素体10の第2の側面10dの一部上で第2の外部電極22と離隔された位置に設けられており、第2の側面10dから第1の主面10e及び第2の主面10fの各一部にわたって延在している。また、第4の外部電極24は、幅方向Wにおいて第3の外部電極23に対向する位置に設けられている。
第1の外部電極21、第2の外部電極22、第3の外部電極23、及び、第4の外部電極24は、各々、単層構造であってもよいし、多層構造であってもよい。
第1の外部電極21、第2の外部電極22、第3の外部電極23、及び、第4の外部電極24が、各々、単層構造である場合、各外部電極の構成材料としては、例えば、Ag、Au、Cu、Pd、Ni、Al、これらの合金等が挙げられる。
第1の外部電極21、第2の外部電極22、第3の外部電極23、及び、第4の外部電極24が、各々、多層構造である場合、各外部電極は、素体10の表面側から順に、例えば、Agを含有する下地電極層と、Niめっき被膜と、Snめっき被膜と、を有していてもよい。
図2は、図1中の素体の内部構造の一例を示す分解平面模式図である。図3は、図1中の線分A1−A2に対応する部分を示す断面模式図である。図4は、図1中の線分B1−B2に対応する部分を示す断面模式図である。図5は、図1中の線分C1−C2に対応する部分を示す断面模式図である。
図2、図3、図4、及び、図5に示すように、素体10は、絶縁層11a、絶縁層11b、絶縁層11c、絶縁層11d、及び、絶縁層11eを含む複数の絶縁層が高さ方向Tに積層されてなる。素体10においては、絶縁層11aが第2の主面10f側に位置し、絶縁層11eが第1の主面10e側に位置している。なお、図3、図4、及び、図5では、説明の便宜上、これらの絶縁層間の境界が点線で示されているが、実際には明瞭に現れていなくてもよい。
絶縁層11a、絶縁層11b、絶縁層11c、絶縁層11d、及び、絶縁層11eの構成材料は、互いに同じであることが好ましい。
素体10においては、後述するコイル導体、引き出し電極、ビア導体等の導体部が設けられていない絶縁層が、絶縁層11aの第2の主面10f側と絶縁層11eの第1の主面10e側との少なくとも一方に、少なくとも1つ積層されていてもよい。例えば、素体10においては、図2、図3、図4、及び、図5に示すように、絶縁層11eの第1の主面10e側に絶縁層11fが積層されていてもよい。このような追加分の絶縁層11fは、絶縁層11a、絶縁層11b、絶縁層11c、絶縁層11d、及び、絶縁層11eと構成材料が同じであることが好ましい。
素体10には、第1のコイル31及び第2のコイル32が各々埋設されている。
第1のコイル31は、第1のコイル導体41及び第2のコイル導体42が絶縁層とともに高さ方向Tに積層されつつ電気的に接続されてなる。また、第2のコイル32は、第3のコイル導体43及び第4のコイル導体44が絶縁層とともに高さ方向Tに積層されつつ電気的に接続されてなる。より具体的には、以下の通りである。
絶縁層11aの主面上には、第2のコイル導体42が設けられている。第2のコイル導体42は、第2のライン部52と、第2のランド部62と、を有している。第2のライン部52の一端は、第2の外部電極22から引き出された第2の引き出し電極72に接続されている。第2のライン部52の他端は、第2のランド部62に接続されている。
絶縁層11bの主面上には、第4のコイル導体44が設けられている。第4のコイル導体44は、第4のライン部54と、第4のランド部64と、を有している。第4のライン部54の一端は、第4の外部電極24から引き出された第4の引き出し電極74に接続されている。第4のライン部54の他端は、第4のランド部64に接続されている。
絶縁層11bの主面上には、第4のランド部64と離隔された位置にランド部65aが設けられている。また、絶縁層11bには、高さ方向Tに貫通するビア導体81aが、ランド部65aと重なる位置に設けられている。
絶縁層11cの主面上には、ランド部65bが設けられている。また、絶縁層11cには、高さ方向Tに貫通するビア導体81bが、ランド部65bと重なる位置に設けられている。
絶縁層11cの主面上には、ランド部65bと離隔された位置にランド部65cが設けられている。また、絶縁層11cには、高さ方向Tに貫通するビア導体81cが、ランド部65cと重なる位置に設けられている。
絶縁層11dの主面上には、第1のコイル導体41が設けられている。第1のコイル導体41は、第1のライン部51と、第1のランド部61と、を有している。第1のライン部51の一端は、第1の外部電極21から引き出された第1の引き出し電極71に接続されている。第1のライン部51の他端は、第1のランド部61に接続されている。
絶縁層11dには、高さ方向Tに貫通するビア導体81eが、第1のランド部61と重なる位置に設けられている。
絶縁層11dの主面上には、第1のランド部61と離隔された位置にランド部65dが設けられている。また、絶縁層11dには、高さ方向Tに貫通するビア導体81dが、ランド部65dと重なる位置に設けられている。
絶縁層11eの主面上には、第3のコイル導体43が設けられている。第3のコイル導体43は、第3のライン部53と、第3のランド部63と、を有している。第3のライン部53の一端は、第3の外部電極23から引き出された第3の引き出し電極73に接続されている。第3のライン部53の他端は、第3のランド部63に接続されている。
絶縁層11eには、高さ方向Tに貫通するビア導体81fが、第3のランド部63と重なる位置に設けられている。
上述したようにコイル導体、引き出し電極、ビア導体等の導体部が各々設けられた、絶縁層11a、絶縁層11b、絶縁層11c、絶縁層11d、及び、絶縁層11eが高さ方向Tに順に積層されると、図2及び図3に示すように、第1のコイル導体41の第1のランド部61が、ビア導体81e、ランド部65b、ビア導体81b、ランド部65a、及び、ビア導体81aを順に介して、第2のコイル導体42の第2のランド部62に電気的に接続される。これにより、第1のコイル31が構成される。また、第3のコイル導体43の第3のランド部63が、ビア導体81f、ランド部65d、ビア導体81d、ランド部65c、及び、ビア導体81cを順に介して、第4のコイル導体44の第4のランド部64に電気的に接続される。これにより、第2のコイル32が構成される。
図2及び図4に示すように、素体10の第1の側面10cには、第1のコイル31の一端(第1のライン部51の一端)が第1の引き出し電極71を介して電気的に引き出され、かつ、第1の外部電極21が設けられている。これにより、第1のコイル31の一端は、第1の引き出し電極71を介して第1の外部電極21に電気的に接続される。
また、素体10の第2の側面10dには、第1のコイル31の他端(第2のライン部52の一端)が第2の引き出し電極72を介して電気的に引き出され、かつ、第2の外部電極22が設けられている。これにより、第1のコイル31の他端は、第2の引き出し電極72を介して第2の外部電極22に電気的に接続される。
図2及び図5に示すように、素体10の第1の側面10cには、第2のコイル32の一端(第3のライン部53の一端)が第3の引き出し電極73を介して電気的に引き出され、かつ、第3の外部電極23が設けられている。これにより、第2のコイル32の一端は、第3の引き出し電極73を介して第3の外部電極23に電気的に接続される。
また、素体10の第2の側面10dには、第2のコイル32の他端(第4のライン部54の一端)が第4の引き出し電極74を介して電気的に引き出され、かつ、第4の外部電極24が設けられている。これにより、第2のコイル32の他端は、第4の引き出し電極74を介して第4の外部電極24に電気的に接続される。
以上のことから、積層型コイル部品1では、素体10の第1の側面10c及び第2の側面10dが、各々、コイル引き出し面となる。
第1のコイル31及び第2のコイル32のコイル軸は、各々、高さ方向Tから断面視したときのコイルの断面形状の重心を通り、高さ方向Tに延伸している。
高さ方向Tから断面視したとき、第1のコイル31及び第2のコイル32の外形は、各々、図2に示すような直線部及び曲線部で構成される形状であってもよいし、円形状であってもよいし、多角形状であってもよい。
高さ方向Tから断面視したとき、第1のランド部61、第2のランド部62、第3のランド部63、第4のランド部64、ランド部65a、ランド部65b、ランド部65c、及び、ランド部65dは、各々、図2に示すような円形状であってもよいし、多角形状であってもよい。
第1のライン部51、第2のライン部52、第3のライン部53、第4のライン部54、第1のランド部61、第2のランド部62、第3のランド部63、第4のランド部64、ランド部65a、ランド部65b、ランド部65c、ランド部65d、第1の引き出し電極71、第2の引き出し電極72、第3の引き出し電極73、第4の引き出し電極74、ビア導体81a、ビア導体81b、ビア導体81c、ビア導体81d、ビア導体81e、及び、ビア導体81fの各構成材料としては、例えば、Ag、Au、Cu、Pd、Ni、Al、これらの合金等が挙げられる。
積層型コイル部品1は、自重が0.2mg以上、0.35mg以下である。
積層型コイル部品1の自重は、電子天秤を用いて測定される。
積層型コイル部品1では、素体10において、実装面である第2の主面10fとコイル引き出し面である第1の側面10cとに直交する断面、より具体的には、図4又は図5に示すような断面を見たとき、第2の主面10fと第1の側面10cとが交わる第1の稜線部12aの曲率半径は、13μm以上、30μm以下である。また、素体10において、実装面である第2の主面10fとコイル引き出し面である第2の側面10dとに直交する断面、より具体的には、図4又は図5に示すような断面を見たとき、第2の主面10fと第2の側面10dとが交わる第2の稜線部12bの曲率半径は、13μm以上、30μm以下である。
第1の稜線部12aの曲率半径が上述した範囲であることにより、第1の外部電極21及び第3の外部電極23の各々における第1の稜線部12aに対向する部分も同様な曲率半径を有することになるため、積層型コイル部品1(素体10)が第1の稜線部12aを起点に回転しにくくなる。また、第2の稜線部12bの曲率半径が上述した範囲であることにより、第2の外部電極22及び第4の外部電極24の各々における第2の稜線部12bに対向する部分も同様な曲率半径を有することになるため、積層型コイル部品1(素体10)が第2の稜線部12bを起点に回転しにくくなる。そのため、第1の外部電極21、第2の外部電極22、第3の外部電極23、及び、第4の外部電極24を、はんだを介して配線基板に各々接合して、積層型コイル部品1を素体10の第2の主面10f側(実装面側)から配線基板に実装する際、積層型コイル部品1の自重が上述したように0.2mg以上、0.35mg以下と小さくても、ツームストーン現象が発生しにくくなる。
第1の稜線部12aの曲率半径が13μmよりも小さい場合、素体10における第1の稜線部12aが露出した部分と、第1外部電極21及び第3外部電極23の各々における第1の稜線部12aに対向する部分とで、積層型コイル部品1の実装時に、外部からの衝撃によって割れ、欠け等の破損が生じやすくなる。また、第2の稜線部12bの曲率半径が13μmよりも小さい場合、素体10における第2の稜線部12bが露出した部分と、第2外部電極22及び第4外部電極24の各々における第2の稜線部12bに対向する部分とで、積層型コイル部品1の実装時に、外部からの衝撃によって割れ、欠け等の破損が生じやすくなる。
第1の稜線部12aの曲率半径が30μmよりも大きい場合、積層型コイル部品1(素体10)が第1の稜線部12aを起点に回転しやすくなる。また、第2の稜線部12bの曲率半径が30μmよりも大きい場合、積層型コイル部品1(素体10)が第2の稜線部12bを起点に回転しやすくなる。そのため、積層型コイル部品1を素体10の第2の主面10f側から配線基板に実装する際、ツームストーン現象が発生しやすくなる。
第1の稜線部12a及び第2の稜線部12bの曲率半径は、13μm以上、30μm以下であれば、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
第1の稜線部12aの曲率半径は、積層型コイル部品1を研磨することにより、幅方向W及び高さ方向Tに平行なWT断面を露出させた状態で、測定顕微鏡を用いて測定される。このような曲率半径の測定は、図4又は図5に示すような断面で、第1の稜線部12aにおける第1の外部電極21又は第3の外部電極23に対向する部分に対して行われることが好ましい。
第2の稜線部12bの曲率半径についても、第1の稜線部12aの曲率半径と同様に測定される。
素体10では、第1の稜線部12a及び第2の稜線部12b以外の稜線部に丸みが付けられていてもよいし、角部に丸みが付けられていてもよいし、両部に丸みが付けられていてもよい。素体10の角部は、素体10の3面が交わる部分である。
第2の主面10fと第1の側面10cとに直交する断面、より具体的には、図4に示すような断面を見たとき、第1の外部電極21の第1の側面10c上の部分の第2の主面10fに平行な方向(幅方向W)における寸法W11と、第1の外部電極21の第2の主面10fに延在している部分の寸法W12との和は、好ましくは70μm以上、140μm以下である。
第2の主面10fと第2の側面10dとに直交する断面、より具体的には、図4に示すような断面を見たとき、第2の外部電極22の第2の側面10d上の部分の第2の主面10fに平行な方向(幅方向W)における寸法W21と、第2の外部電極22の第2の主面10fに延在している部分の寸法W22との和は、好ましくは70μm以上、140μm以下である。
第2の主面10fと第1の側面10cとに直交する断面、より具体的には、図5に示すような断面を見たとき、第3の外部電極23の第1の側面10c上の部分の第2の主面10fに平行な方向(幅方向W)における寸法W31と、第3の外部電極23の第2の主面10fに延在している部分の寸法W32との和は、好ましくは70μm以上、140μm以下である。
第2の主面10fと第2の側面10dとに直交する断面、より具体的には、図5に示すような断面を見たとき、第4の外部電極24の第2の側面10d上の部分の第2の主面10fに平行な方向(幅方向W)における寸法W41と、第4の外部電極24の第2の主面10fに延在している部分の寸法W42との和は、好ましくは70μm以上、140μm以下である。
寸法W11と寸法W12との和、寸法W21と寸法W22との和、寸法W31と寸法W32との和、及び、寸法W41と寸法W42との和が、各々、上述した範囲であることにより、積層型コイル部品1を素体10の第2の主面10f側から配線基板に実装する際、ツームストーン現象が発生しにくくなる。
寸法W11と寸法W12との和、寸法W21と寸法W22との和、寸法W31と寸法W32との和、及び、寸法W41と寸法W42との和が、各々、70μmよりも小さい場合、積層型コイル部品1をはんだを介して配線基板に実装する際に、素体10とはんだとが接触する面積が大きくなる。そのため、はんだが積層型コイル部品1(素体10)を弾き上げることにより、ツームストーン現象が発生しやすくなることがある。
寸法W11と寸法W12との和、寸法W21と寸法W22との和、寸法W31と寸法W32との和、及び、寸法W41と寸法W42との和が、各々、140μmよりも大きい場合、第1の外部電極21、第2の外部電極22、第3の外部電極23、及び、第4の外部電極24を形成する際に、長さ方向Lにおける寸法も大きくなってしまうため、絶縁抵抗が低下することがある。
寸法W11と寸法W12との和、寸法W21と寸法W22との和、寸法W31と寸法W32との和、及び、寸法W41と寸法W42との和は、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
寸法W11、寸法W12、寸法W21、寸法W22、寸法W31、寸法W32、寸法W41、及び、寸法W42は、各々、積層型コイル部品1を研磨することにより、幅方向W及び高さ方向Tに平行なWT断面を露出させた状態で、測定顕微鏡を用いて測定される。
寸法W11、寸法W12、寸法W21、寸法W22、寸法W31、寸法W32、寸法W41、及び、寸法W42は、各々、該当部分の最大寸法を指す。
図4及び図5に示すような、幅方向Wにおいて相対する第1の側面10cと第2の側面10dとの距離Xは、0.45mm以上、0.55mm以下であってもよい。ここで、第1の側面10cと第2の側面10dとの距離Xは、第1の外部電極21及び第2の外部電極22のうちの素体10を介して対向する部分間の幅方向Wにおける距離と、第3の外部電極23及び第4の外部電極24のうちの素体10を介して対向する部分間の幅方向Wにおける距離と同じである。
積層型コイル部品1では、第1のコイル31に電気的にされた一対の外部電極である第1の外部電極21及び第2の外部電極22が、各々、幅方向Wにおいて相対する第1の側面10c及び第2の側面10d上に設けられている。そのため、図1から分かるように、第1の外部電極21及び第2の外部電極22が、各々、長さ方向Lにおいて相対する第1の端面10a及び第2の端面10b上に設けられる場合と比較して、第1の外部電極21と第2の外部電極22との距離が短くなっている。また、積層型コイル部品1では、第2のコイル32に電気的にされた一対の外部電極である第3の外部電極23及び第4の外部電極24が、各々、幅方向Wにおいて相対する第1の側面10c及び第2の側面10d上に設けられている。そのため、図1から分かるように、第3の外部電極23及び第4の外部電極24が、各々、長さ方向Lにおいて相対する第1の端面10a及び第2の端面10b上に設けられる場合と比較して、第3の外部電極23と第4の外部電極24との距離が短くなっている。このように一対の外部電極間の距離が短いと、通常では、積層型コイル部品の実装時にツームストーン現象が発生しやすい。これに対して、積層型コイル部品1によれば、第1の側面10cと第2の側面10dとの距離Xが上述したように0.45mm以上、0.55mm以下と短くても、実装時にツームストーン現象が発生しにくくなる。すなわち、第1の外部電極21及び第2の外部電極22のうちの素体10を介して対向する部分間の幅方向Wにおける距離と、第3の外部電極23及び第4の外部電極24のうちの素体10を介して対向する部分間の幅方向Wにおける距離とが、0.45mm以上、0.55mm以下と短くても、実装時にツームストーン現象が発生しにくくなる。
第1の側面10cと第2の側面10dとの距離Xは、積層型コイル部品1を研磨することにより、幅方向W及び高さ方向Tに平行なWT断面を露出させた状態で、測定顕微鏡を用いて測定される。
素体10を構成する複数の絶縁層、ここでは、絶縁層11a、絶縁層11b、絶縁層11c、絶縁層11d、絶縁層11e、及び、絶縁層11fは、ガラスセラミック材料からなっていてもよい。ガラスセラミック材料は、絶縁層の構成材料の他の例として挙げられるフェライト材料よりも比重が小さい。積層型コイル部品1によれば、素体10を構成する複数の絶縁層が比重の小さいガラスセラミック材料からなっていても、実装時にツームストーン現象が発生しにくくなる。また、素体10を構成する複数の絶縁層がガラスセラミック材料からなることにより、コモンモードチョークコイルとしての積層型コイル部品1の高周波特性が向上する。
ガラスセラミック材料は、K、B、及び、Siを少なくとも含むガラス材料を含有することが好ましい。
ガラス材料は、KをKO換算で0.5重量%以上、5重量%以下、BをB換算で10重量%以上、25重量%以下、SiをSiO換算で70重量%以上、85重量%以下、AlをAl換算で0重量%以上、5重量%以下含有することが好ましい。
ガラスセラミック材料は、上述したガラス材料に加えて、フィラーとしてのSiO(石英)及びAl(アルミナ)を含有することが好ましい。この場合、ガラスセラミック材料は、ガラス材料を60重量%以上、66重量%以下、フィラーとしてのSiOを34重量%以上、37重量%以下、フィラーとしてのAlを0.5重量%以上、4重量%以下含有することが好ましい。ガラスセラミック材料がフィラーとしてSiOを含有することにより、コモンモードチョークコイルとしての積層型コイル部品1の高周波特性が向上する。また、ガラスセラミック材料がフィラーとしてAlを含有することにより、素体10の機械的強度が高まる。
積層型コイル部品1では4つの外部電極が設けられているが、外部電極の数は4つに限定されず、例えば、以下のように2つであってもよい。
図6は、本発明の積層型コイル部品の別の一例を示す斜視模式図である。図6に示すように、積層型コイル部品2は、素体10と、第5の外部電極25と、第6の外部電極26と、を有している。また、図6では示していないが、積層型コイル部品2は、第5の外部電極25及び第6の外部電極26に電気的に接続されたコイルも素体10に埋設された状態で有している。
積層型コイル部品2において、素体10の第1の端面10aには、コイルの一端が電気的に引き出され、かつ、第5の外部電極25が設けられている。また、素体10の第2の端面10bには、コイルの他端が電気的に引き出され、かつ、第6の外部電極26が設けられている。
以上のことから、積層型コイル部品2では、素体10の第1の端面10a及び第2の端面10bが、各々、コイル引き出し面となる。
積層型コイル部品2では、素体10において、実装面である第2の主面10fとコイル引き出し面である第1の端面10aとに直交する断面、より具体的には、長さ方向L及び高さ方向Tに平行なLT断面を見たとき、第2の主面10fと第1の端面10aとが交わる第3の稜線部12cの曲率半径が、13μm以上、30μm以下であればよい。また、素体10において、実装面である第2の主面10fとコイル引き出し面である第2の端面10bとに直交する断面、より具体的には、長さ方向L及び高さ方向Tに平行なLT断面を見たとき、第2の主面10fと第2の端面10bとが交わる第4の稜線部12dの曲率半径が、13μm以上、30μm以下であればよい。
[積層型コイル部品の製造方法]
本発明の積層型コイル部品は、例えば、以下の方法で製造される。
<ガラスセラミック材料の調製>
O、B、SiO、Al等を所定の比率で混合する。そして、得られた混合物を焼成することにより、溶融させる。その後、得られた溶融物を急冷することにより、ガラス材料を作製する。次に、ガラス材料に、フィラーとしてのSiO(石英)、Al(アルミナ)等を添加することにより、ガラスセラミック材料を調製する。
<ガラスセラミックシートの作製>
ガラスセラミック材料に、ポリビニルブチラール系樹脂等の有機バインダと、エタノール、トルエン等の有機溶剤と、可塑剤と、等を添加して混合することにより、セラミックスラリーを作製する。そして、セラミックスラリーをドクターブレード法等でシート状に成形した後、所定の形状に打ち抜くことにより、ガラスセラミックシートを作製する。
<導体パターンの形成>
Agペースト等の導電性ペーストを用いてスクリーン印刷等を行うことにより、図2に示すようなコイル導体に相当するコイル導体用導体パターンと、図2に示すような引き出し電極に相当する引き出し電極用導体パターンと、図2に示すようなビア導体に相当するビア導体用導体パターンとを、各ガラスセラミックシートに形成する。ビア導体用導体パターンを形成する際には、ガラスセラミックシートの所定の箇所にレーザー照射を行うことによりビアホールを予め形成しておき、そのビアホールに導電性ペーストを充填する。
<積層ブロックの作製>
導体パターンが形成された各ガラスセラミックシートを、図2に示すような順番で積層させる。その積層体の上下には、導体パターンが形成されていないガラスセラミックシートを所定の枚数ずつ積層させてもよい。その後、得られた積層体を、温間等方圧プレス(WIP)処理等で圧着することにより、積層ブロックを作製する。
<素体の作製>
積層ブロックをダイサー等で所定のサイズに切断することにより、個片化したチップを作製する。そして、個片化したチップを焼成することにより、各ガラスセラミックシートが絶縁層となり、更に、コイル導体用導体パターン、引き出し電極用導体パターン、及び、ビア導体用導体パターンが、各々、コイル導体、引き出し電極、及び、ビア導体となる。その結果、図2に示すような第1のコイル及び第2のコイルが各々埋設された素体が作製される。
作製された素体は、長さ方向において相対する第1の端面及び第2の端面と、幅方向において相対する第1の側面及び第2の側面と、高さ方向において相対する第1の主面及び第2の主面と、を有している。本製造方法では、素体の第2の主面を実装面とする。
また、素体の第1の側面には、第1のコイルの一端に接続された第1の引き出し電極と、第2のコイルの一端に接続された第3の引き出し電極とが露出している。素体の第2の側面には、第1のコイルの他端に接続された第2の引き出し電極と、第2のコイルの他端に接続された第4の引き出し電極とが露出している。つまり、本製造方法では、素体の第1の側面及び第2の側面が、各々、コイル引き出し面である。
次に、素体に対して、例えば、バレル研磨を施すことにより、実装面である第2の主面とコイル引き出し面である第1の側面とが交わる第1の稜線部に、曲率半径が13μm以上、30μm以下の丸みを付ける。同様に、実装面である第2の主面とコイル引き出し面である第2の側面とが交わる第2の稜線部に、曲率半径が13μm以上、30μm以下の丸みを付ける。素体に対して、例えば、バレル研磨を施す際には、第1の稜線部及び第2の稜線部以外の稜線部に丸みを付けてもよいし、角部に丸みを付けてもよいし、両部に丸みを付けてもよい。
<外部電極の形成>
Ag及びガラスフリットを含有する導電性ペーストを、素体の両側面上で少なくとも各引き出し電極が露出した4箇所に塗布する。そして、得られた各塗膜を焼き付けることにより、下地電極層を形成する。次に、各下地電極層に対して電解めっきを施すことにより、Niめっき被膜と、Snめっき被膜とを順次形成する。その結果、図1に示すような、第1の外部電極、第2の外部電極、第3の外部電極、及び、第4の外部電極が形成される。
以上により、図1、図2等に例示したような本発明の積層型コイル部品が製造される。
以下、本発明の積層型コイル部品をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1の積層型コイル部品を、以下の方法で製造した。
<ガラスセラミック材料の調製>
O、B、SiO、Alを所定の比率となるように秤量し、白金製のるつぼ内で混合した。そして、得られた混合物を1500℃以上、1600℃以下で焼成することにより、溶融させた。その後、得られた溶融物を急冷することにより、ガラス材料を作製した。
次に、ガラス材料を、平均粒径D50が1μm以上、3μm以下となるように粉砕することにより、ガラス粉末を準備した。また、フィラーとして、平均粒径D50がともに0.5μm以上、2.0μm以下の石英粉末及びアルミナ粉末を準備した。ここで、平均粒径D50は、体積基準の累積百分率50%に相当する粒径である。そして、ガラス粉末に、フィラーとしての石英粉末及びアルミナ粉末を添加することにより、ガラスセラミック材料を調製した。
<ガラスセラミックシートの作製>
ガラスセラミック材料を、ポリビニルブチラール系樹脂等の有機バインダと、エタノール、トルエン等の有機溶剤と、可塑剤と、PSZメディアとともにボールミルに入れて混合することにより、セラミックスラリーを作製した。そして、セラミックスラリーをドクターブレード法等で、厚みが20μm以上、30μm以下のシート状に成形した後、矩形状に打ち抜くことにより、ガラスセラミックシートを作製した。
<導体パターンの形成>
Agペーストを用いてスクリーン印刷を行うことにより、図2に示すようなコイル導体に相当するコイル導体用導体パターンと、図2に示すような引き出し電極に相当する引き出し電極用導体パターンと、図2に示すようなビア導体に相当するビア導体用導体パターンとを、各ガラスセラミックシートに形成した。ビア導体用導体パターンを形成する際には、ガラスセラミックシートの所定の箇所にレーザー照射を行うことによりビアホールを予め形成しておき、そのビアホールに導電性ペーストを充填した。
<積層ブロックの作製>
導体パターンが形成された各ガラスセラミックシートを、図2に示すような順番で積層させた。その積層体の上下には、導体パターンが形成されていないガラスセラミックシートを所定の枚数ずつ積層させた。その後、得られた積層体を、温間等方圧プレス処理で圧着することにより、積層ブロックを作製した。圧着条件については、温度80℃、圧力100MPaとした。
<素体の作製>
積層ブロックをダイサー等で所定のサイズに切断することにより、個片化したチップを作製した。そして、個片化したチップを880℃で1.5時間焼成することにより、各ガラスセラミックシートが絶縁層となり、更に、コイル導体用導体パターン、引き出し電極用導体パターン、及び、ビア導体用導体パターンが、各々、コイル導体、引き出し電極、及び、ビア導体となった。その結果、図2に示すような第1のコイル及び第2のコイルが各々埋設された素体が作製された。
作製された素体は、長さ方向において相対する第1の端面及び第2の端面と、幅方向において相対する第1の側面及び第2の側面と、高さ方向において相対する第1の主面及び第2の主面と、を有していた。本実施例では、素体の第2の主面を実装面とした。
また、素体の第1の側面には、第1のコイルの一端に接続された第1の引き出し電極と、第2のコイルの一端に接続された第3の引き出し電極とが露出していた。素体の第2の側面には、第1のコイルの他端に接続された第2の引き出し電極と、第2のコイルの他端に接続された第4の引き出し電極とが露出していた。つまり、本実施例では、素体の第1の側面及び第2の側面が、各々、コイル引き出し面であった。
次に、素体をメディアとともに回転バレル機に入れてバレル研磨を施すことにより、稜線部及び角部に丸みを付けた。
<外部電極の形成>
Ag及びガラスフリットを含有する導電性ペーストを、素体の両側面上で少なくとも各引き出し電極が露出した4箇所に塗布した。そして、得られた各塗膜を810℃で1分間焼き付けることにより、下地電極層を形成した。下地電極層の厚みは、5μmであった。次に、各下地電極層に対して電解めっきを施すことにより、Niめっき被膜と、Snめっき被膜とを順次形成した。Niめっき被膜及びSnめっき被膜の厚みは、各々、3μmであった。以上の結果、図1に示すような、第1の外部電極、第2の外部電極、第3の外部電極、及び、第4の外部電極が形成された。
以上により、実施例1の積層型コイル部品を製造した。
各積層型コイル部品のサイズについては、長さ方向における寸法が0.6mm、幅方向における寸法が0.5mm、高さ方向における寸法が0.3mmであった。
各積層型コイル部品について、上述した方法により測定すると、自重は0.25mgであった。
各積層型コイル部品について、上述した方法により測定すると、実装面である第2の主面とコイル引き出し面である第1の側面とが交わる第1の稜線部の曲率半径は、13μmであった。また、実装面である第2の主面とコイル引き出し面である第2の側面とが交わる第2の稜線部の曲率半径は、13μmであった。
各積層型コイル部品について、上述した方法により測定すると、図4及び図5に示した、寸法W11と寸法W12との和、寸法W21と寸法W22との和、寸法W31と寸法W32との和、及び、寸法W41と寸法W42との和は、各々、140μmであった。
[実施例2]
下記仕様に変更したこと以外、実施例1の積層型コイル部品と同様にして、実施例2の積層型コイル部品を製造した。
・第1の稜線部及び第2の稜線部の曲率半径を、各々18μmとした。
[実施例3]
下記仕様に変更したこと以外、実施例1の積層型コイル部品と同様にして、実施例3の積層型コイル部品を製造した。
・第1の稜線部及び第2の稜線部の曲率半径を、各々20μmとした。
[実施例4]
下記仕様に変更したこと以外、実施例1の積層型コイル部品と同様にして、実施例4の積層型コイル部品を製造した。
・第1の稜線部及び第2の稜線部の曲率半径を、各々23μmとした。
[実施例5]
下記仕様に変更したこと以外、実施例1の積層型コイル部品と同様にして、実施例5の積層型コイル部品を製造した。
・第1の稜線部及び第2の稜線部の曲率半径を、各々23μmとした。
・寸法W11と寸法W12との和、寸法W21と寸法W22との和、寸法W31と寸法W32との和、及び、寸法W41と寸法W42との和を、各々70μmとした。
[実施例6]
下記仕様に変更したこと以外、実施例1の積層型コイル部品と同様にして、実施例6の積層型コイル部品を製造した。
・第1の稜線部及び第2の稜線部の曲率半径を、各々26μmとした。
[実施例7]
下記仕様に変更したこと以外、実施例1の積層型コイル部品と同様にして、実施例7の積層型コイル部品を製造した。
・第1の稜線部及び第2の稜線部の曲率半径を、各々26μmとした。
・寸法W11と寸法W12との和、寸法W21と寸法W22との和、寸法W31と寸法W32との和、及び、寸法W41と寸法W42との和を、各々70μmとした。
[実施例8]
下記仕様に変更したこと以外、実施例1の積層型コイル部品と同様にして、実施例8の積層型コイル部品を製造した。
・第1の稜線部及び第2の稜線部の曲率半径を、各々30μmとした。
[実施例9]
下記仕様に変更したこと以外、実施例1の積層型コイル部品と同様にして、実施例9の積層型コイル部品を製造した。
・第1の稜線部及び第2の稜線部の曲率半径を、各々30μmとした。
・寸法W11と寸法W12との和、寸法W21と寸法W22との和、寸法W31と寸法W32との和、及び、寸法W41と寸法W42との和を、各々70μmとした。
[実施例10]
下記仕様に変更したこと以外、実施例1の積層型コイル部品と同様にして、実施例10の積層型コイル部品を製造した。
・自重を0.2mgとした。
・第1の稜線部及び第2の稜線部の曲率半径を、各々23μmとした。
・寸法W11と寸法W12との和、寸法W21と寸法W22との和、寸法W31と寸法W32との和、及び、寸法W41と寸法W42との和を、各々100μmとした。
[実施例11]
下記仕様に変更したこと以外、実施例1の積層型コイル部品と同様にして、実施例11の積層型コイル部品を製造した。
・自重を0.35mgとした。
・第1の稜線部及び第2の稜線部の曲率半径を、各々23μmとした。
[比較例1]
下記仕様に変更したこと以外、実施例1の積層型コイル部品と同様にして、比較例1の積層型コイル部品を製造した。
・第1の稜線部及び第2の稜線部の曲率半径を、各々35μmとした。
[比較例2]
下記仕様に変更したこと以外、実施例1の積層型コイル部品と同様にして、比較例2の積層型コイル部品を製造した。
・自重を0.38mgとした。
・第1の稜線部及び第2の稜線部の曲率半径を、各々35μmとした。
[評価]
実施例1〜11及び比較例1、2の積層型コイル部品について、以下の方法により、実装時のツームストーン現象の発生率を評価した。
図7は、積層型コイル部品について、実装時のツームストーン現象の発生率の評価方法を説明するための平面模式図である。図7に示すように、第1の外部電極21、第2の外部電極22、第3の外部電極23、及び、第4の外部電極24を、はんだを介して、配線基板の第1のランド101、第2のランド102、第3のランド103、及び、第4のランド104に各々接合することにより、積層型コイル部品1を素体10の第2の主面10f側から配線基板に実装した。この際、積層型コイル部品1の搭載位置を、基準位置から幅方向Wにずらし量Zだけずらした。
積層型コイル部品1の基準位置については、図7に示すように平面視したときに、素体10の第1の側面10cが第1のランド101及び第3のランド103の幅方向Wにおける各中心を通り、かつ、素体10の第2の側面10dが第2のランド102及び第4のランド104の幅方向Wにおける各中心を通る位置とした。ずらし量Zについては、100μmとした。
積層型コイル部品1の搭載位置をずらしたのは、下記のようにツームストーン現象が発生しやすい条件とするためである。図7に示すように平面視したときに、第2の外部電極22と第2のランド102とがはんだを介して重なる領域は、第1の外部電極21と第1のランド101とがはんだを介して重なる領域よりも狭くなり、また、第4の外部電極24と第4のランド104とがはんだを介して重なる領域は、第3の外部電極23と第3のランド103とがはんだを介して重なる領域よりも狭くなっている。そのため、はんだから第1の外部電極21及び第2の外部電極22に作用する張力のバランスが崩れやすく、また、はんだから第3の外部電極23及び第4の外部電極24に作用する張力のバランスが崩れやすくなる。その結果、第2の外部電極22及び第4の外部電極24が配線基板から離れやすくなるため、ツームストーン現象が発生しやすい条件となる。
以上のように、積層型コイル部品の搭載位置をずらした状態で、ツームストーン現象の発生率を評価した。結果を表1に示す。なお、ツームストーン現象の発生率を評価する際には、実施例1〜11及び比較例1、2の積層型コイル部品の各々を240個以上、300個以下ずつ確認した。
表1では、第1の稜線部及び第2の稜線部の曲率半径をまとめて「稜線部の曲率半径」と表記する。また、寸法W11と寸法W12との和、寸法W21と寸法W22との和、寸法W31と寸法W32との和、及び、寸法W41と寸法W42との和を、まとめて「外部電極の寸法」と表記する。
Figure 2021097080
表1に示すように、実施例1〜11の積層型コイル部品では、比較例1、2の積層型コイル部品と比較して、ツームストーン現象の発生率が低かった。よって、実施例1〜11の積層型コイル部品によれば、積層型コイル部品の実装時に搭載位置が大きくずれても、ツームストーン現象が発生しにくいことが分かった。
1、2 積層型コイル部品
10 素体
10a 第1の端面
10b 第2の端面
10c 第1の側面
10d 第2の側面
10e 第1の主面
10f 第2の主面
11a、11b、11c、11d、11e、11f 絶縁層
12a 第1の稜線部
12b 第2の稜線部
12c 第3の稜線部
12d 第4の稜線部
21 第1の外部電極
22 第2の外部電極
23 第3の外部電極
24 第4の外部電極
25 第5の外部電極
26 第6の外部電極
31 第1のコイル
32 第2のコイル
41 第1のコイル導体
42 第2のコイル導体
43 第3のコイル導体
44 第4のコイル導体
51 第1のライン部
52 第2のライン部
53 第3のライン部
54 第4のライン部
61 第1のランド部
62 第2のランド部
63 第3のランド部
64 第4のランド部
65a、65b、65c、65d ランド部
71 第1の引き出し電極
72 第2の引き出し電極
73 第3の引き出し電極
74 第4の引き出し電極
81a、81b、81c、81d、81e、81f ビア導体
101 第1のランド
102 第2のランド
103 第3のランド
104 第4のランド
L 長さ方向
T 高さ方向
W 幅方向
W11 第1の外部電極の第1の側面上の部分の第2の主面に平行な方向における寸法
W12 第1の外部電極の第2の主面に延在している部分の寸法
W21 第2の外部電極の第2の側面上の部分の第2の主面に平行な方向における寸法
W22 第2の外部電極の第2の主面に延在している部分の寸法
W31 第3の外部電極の第1の側面上の部分の第2の主面に平行な方向における寸法
W32 第3の外部電極の第2の主面に延在している部分の寸法
W41 第4の外部電極の第2の側面上の部分の第2の主面に平行な方向における寸法
W42 第4の外部電極の第2の主面に延在している部分の寸法
X 第1の側面と第2の側面との距離
Z ずらし量

Claims (5)

  1. 複数の絶縁層が積層されてなる素体と、
    前記素体に埋設されたコイルと、
    前記コイルに電気的に接続された外部電極と、を備え、
    自重が0.2mg以上、0.35mg以下であり、
    前記素体は、実装面と、前記コイルが電気的に引き出され、かつ、前記外部電極が設けられたコイル引き出し面と、を有し、
    前記素体において、前記実装面及び前記コイル引き出し面に直交する断面を見たとき、前記実装面と前記コイル引き出し面とが交わる稜線部の曲率半径は、13μm以上、30μm以下である、ことを特徴とする積層型コイル部品。
  2. 前記外部電極は、前記コイル引き出し面から前記実装面にわたって延在しており、
    前記実装面及び前記コイル引き出し面に直交する断面を見たとき、前記外部電極の前記コイル引き出し面上の部分の前記実装面に平行な方向における寸法と、前記外部電極の前記実装面に延在している部分の寸法との和は、70μm以上、140μm以下である、請求項1に記載の積層型コイル部品。
  3. 前記素体は、相対する一対の前記コイル引き出し面を有し、
    一対の前記コイル引き出し面間の距離は、0.45mm以上、0.55mm以下である、請求項1又は2に記載の積層型コイル部品。
  4. 前記絶縁層は、ガラスセラミック材料からなる、請求項1〜3のいずれかに記載の積層型コイル部品。
  5. コモンモードチョークコイルである、請求項1〜4のいずれかに記載の積層型コイル部品。
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