JP6010746B2 - コモンモードノイズフィルタ - Google Patents

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Description

本発明は、デジタル機器やAV機器、情報通信端末等の各種電子機器の差動信号線路間に使用されるコモンモードノイズフィルタに関するものである。
従来のこの種のコモンモードノイズフィルタは、図17に示すように、積層された複数の絶縁体層1a〜1fに形成された第1のコイル2と第2のコイル3とを有し、第1のコイル2、第2のコイル3は、それぞれ引出用導体4、5と接続され、また、最下面に設けられた絶縁体層1aと最上面に設けられた絶縁体層1fは磁性材料で構成され、他の絶縁体層1b〜1eは非磁性材料で構成されていた。そして、第1のコイル2と第2のコイル3とを磁気結合させてコモンモードノイズを除去するようにしていた。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開平8−203737号公報
上記した従来のコモンモードノイズフィルタにおいては、ディファレンシャルモード(ノーマルモード)成分に対して損失が小さいため、不要なディファレンシャルモードノイズをほとんど除去できないという課題を有していた。
本発明は上記従来の課題を解決するもので、コモンモードノイズだけでなく、特定の周波数帯域におけるディファレンシャルモードノイズを除去することができるコモンモードノイズフィルタを提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために本発明は、以下の構成を有するものである。
本発明の請求項1に記載の発明は、2つの磁性体部と、前記2つの磁性体部間に形成された非磁性体部と、前記非磁性体部に形成された第1のコイル、第2のコイルと、その一端部が前記第1のコイルと接続されかつその他端部を開放するようにした1つのオープンコイルと、前記第1のコイルと第2のコイルからなるコモンモードフィルタ部とを備え、前記第2のコイルを前記第1のコイルと互いに磁気結合するように前記第1のコイルの上方に形成し、前記オープンコイルを前記第2のコイルの上方に位置して前記コモンモードフィルタ部と磁気結合させるようにしたもので、この構成によれば、第2のコイルとオープンコイルとの間の浮遊容量とオープンコイルのインダクタンス成分によるLC共振が発生するため、ディファレンシャルモードノイズを除去することができ、また、コモンモードフィルタ部によって、多くのコモンモードノイズを除去できるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項2に記載の発明は、特に、非磁性体部においてオープンコイルを上下方向に形成され、互いに接続された複数のコイル状導体で構成し、前記複数のコイル状導体のうち少なくとも1つの巻方向を他のコイル状導体、第1、第2のコイルの巻方向と上面視にて逆方向になるようにしたもので、この構成によれば、第2のコイルとオープンコイルの間に発生する浮遊容量を減らすことなく、巻方向が互いに異なる方向のコイル状導体同士でインダクタンス成分をある程度相殺するため、オープンコイル全体のインダクタンス値が下がり、これにより、巻方向が異なる方向のコイル状導体の数、巻き数等によって容易にオープンコイル全体のインダクタンス値を調整できるため、ディファレンシャルモードノイズの減衰極の周波数を制御できるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項3に記載の発明は、特に、オープンコイルを構成する互いに接続された複数のコイル状導体のうち他端部が開放されたコイル状導体を第2のコイルに隣接させるように積層し配置したもので、この構成によれば、第2のコイルとの間で浮遊容量を開放端側で構成できるため、LC共振に直接的に寄与するオープンコイルのインダクタンス値を大きくすることができるため、ディファレンシャルモードノイズの減衰極の周波数を低くすることができるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項に記載の発明は、特に、上方の磁性体部とオープンコイルとの間に互いに磁気結合する第3のコイルと第4のコイルを設け、前記第3のコイルと第4のコイルからなる他のコモンモードフィルタ部を備え、第1のコイルと前記第3のコイルを接続するとともに第2のコイルと前記第4のコイルを接続したもので、この構成によれば、オープンコイルをコモンモードフィルタ部と他のコモンモードフィルタ部との間に形成できるため、コモンモードフィルタ部、他のコモンモードフィルタ部と磁性体部とを近づけることができ、さらに、2つのコモンモードフィルタ部同士を磁気結合させることができるため、コモンモード成分のインピーダンスを高くすることができ、これにより、多くのコモンモードノイズを除去できるという作用効果を有するものである。
本発明の請求項に記載の発明は、特に、第2のコイルと第4のコイルを、オープンコイルに隣接させたもので、この構成によれば、オープンコイルと第2のコイルとの間、オープンコイルと第4のコイルとの間で浮遊容量が発生するため、コイルとオープンコイルとの間の浮遊容量を大きくすることができ、これにより、ディファレンシャルモードノイズの減衰極の周波数を低くすることができるという作用効果を有するものである。
以上のように本発明のコモンモードノイズフィルタは、第2のコイルを第1のコイルと互いに磁気結合するように前記第1のコイルの上方に形成し、第1のコイルと一端部を接
続し、かつその他端部を開放するようにした1つのオープンコイルを前記第2のコイルの上方に位置してコモンモードフィルタ部と磁気結合させているため、第2のコイルとオープンコイルとの間の浮遊容量とオープンコイルのインダクタンス成分によるLC共振が差動線路間で発生し、これにより、ディファレンシャルモードノイズを除去することができるという優れた効果を奏するものである。
本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図 同コモンモードノイズフィルタの斜視図 同コモンモードノイズフィルタの内部接続模式図 同コモンモードノイズフィルタのディファレンシャルモード挿入損失の周波数依存性を示す特性図 同コモンモードノイズフィルタの他の例の分解斜視図 本発明の実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図 同コモンモードノイズフィルタの他の例の分解斜視図 同コモンモードノイズフィルタの内部接続模式図 同コモンモードノイズフィルタの内部接続模式図 本発明の実施の形態3におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図 同コモンモードノイズフィルタの内部接続模式図 本発明の実施の形態4におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図 本発明の実施の形態5におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図 同コモンモードノイズフィルタの内部接続模式図 同コモンモードノイズフィルタの他の例の分解斜視図 同コモンモードノイズフィルタの内部接続模式図 従来のコモンモードノイズフィルタの分解斜視図
(実施の形態1)
以下、実施の形態1を用いて、本発明の特に請求項1、2に記載の発明について説明する。
図1は本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図、図2は同コモンモードノイズフィルタの斜視図である。
本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタは、図1、図2に示すように、第1、第2の磁性体層11a、11bで構成される磁性体部12と、第1の磁性体層11aと第2の磁性体層11bの間に位置する第1〜第5の絶縁体層13a〜13eからなる非磁性体部14と、前記非磁性体部14に形成された第1のコイル15、第2のコイル16、オープンコイル17と、前記第1のコイル15と第2のコイル16からなるコモンモードフィルタ部18とを備えている。
また、前記第2のコイル16を前記第1のコイル15と互いに磁気結合するように前記第1のコイル15の上方に形成し、前記オープンコイル17を前記第2のコイル16の上方に位置して前記コモンモードフィルタ部18と磁気結合させるとともに、前記オープンコイル17の一端部17aと前記第1のコイル15とを接続し、かつその他端部17bを開放するようにしている。
上記構成において、第1、第2の磁性体層11a、11bは、シート状に構成され、Ni−Cu−Znフェライト等の磁性材料で形成されている。また、第1の磁性体層11aと、第2の磁性体層11bは、上下に分かれて形成され、かつそれぞれ磁性体部12を構成している。
前記第1〜第5の絶縁体層13a〜13eは、下から第1の絶縁体層13a、第2の絶縁体層13b、第3の絶縁体層13c、第4の絶縁体層13d、第5の絶縁体層13eの順に積層され、また、Cu−Znフェライト、ガラスセラミック等の非磁性材料によりシート状に構成されている。そして、これら第1〜第5の絶縁体層13a〜13eによって非磁性体部14が構成される。
さらに、前記第1のコイル15、第2のコイル16、オープンコイル17は、それぞれ銀等の導電材料を渦巻状にめっきまたは印刷することにより形成されている。そして、第1のコイル15は第2の絶縁体層13bの上面、第2のコイル16は第3の絶縁体層13cの上面、オープンコイル17は、第4の絶縁体層13dの上面にそれぞれ形成されている。すなわち、下から第1のコイル15、第2のコイル16、オープンコイル17の順に構成される。ここで、上面視にて第1のコイル15、第2のコイル16、オープンコイル17は、略同じ位置に配置し、かつ巻き方向も上面視にて同一方向としている。ここで、巻き方向が同一方向とは、同じ方向にコモン電流が流れることをいう。そして、第1のコイル15と第2のコイル16とを磁気結合させてコモンモードフィルタ部18を構成し、さらに、オープンコイル17とコモンモードフィルタ部18も磁気結合している。なお、第1のコイル15、第2のコイル16、オープンコイル17の形状は、渦巻状ではなく螺旋状でもよい。
また、第1のコイル15は、第2の絶縁体層13bに形成された第1のビア電極19aを介して、第1の絶縁体層13aに形成された第1の引出用導体20と接続され、第2のコイル16は、第2、第3の絶縁体層13b、13cに形成された2つの第2のビア電極19bを介して、第1の絶縁体層13aに形成された第2の引出用導体21と接続されている。なお、第1の引出用導体20と第2の引出用導体21は、互いに異なる絶縁体層に形成してもよい。
さらに、2つの第2のビア電極19bはそれぞれ上面視にて同じ位置に設けられている。また、第1のビア電極19a、第2のビア電極19bは、絶縁体層の所定の箇所に、レーザで孔あけ加工をし、この孔に銀を充填して形成する。なお、第1、第2の磁性体層11a、11b、第1〜第5の絶縁体層13a〜13eの枚数は、図1に示された枚数に限られるものではない。
そして、上記した構成により、コモンモードノイズフィルタの本体部22が形成される。また、この本体部22の両側面には、第1〜第4の外部電極23〜26が設けられ、そしてこの第1の外部電極23は、第1のコイル15の一端部15aおよびオープンコイル17の一端部17aと接続している。これにより、第1のコイル15とオープンコイル17の一端部17aが第1の外部電極23を介して接続される。なお、オープンコイル17の他端部17bは、外部電極とは接続されずに開放されている。さらに、第2〜第4の外部電極24〜26は、それぞれ第2のコイル16の一端部16a、第1の引出用導体20の一端部20a、第2の引出用導体21の一端部21aと接続している。さらに、前記第1〜第4の外部電極23〜26は、本体部22の側面に銀を印刷することにより形成され、またこれらの表面にめっきによってニッケルめっき層を形成するとともに、このニッケルめっき層の表面にめっきによってすずやはんだ等の低融点金属めっき層を形成する。
図3は、上記した本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタの接続模式図である。
図3からも明らかなように、第1の外部電極23および第2の外部電極24から入ってくるコモンモードノイズを、第1のコイル15と第2のコイル16によって除去できるとともに、第2のコイル16とオープンコイル17との間に浮遊容量(C成分)が発生して、この浮遊容量とオープンコイル17のインダクタンス成分(L成分)によるLC共振回路が構成される。
すなわち、第1の外部電極23と第3の外部電極25を通る線路と、第2の外部電極24と第4の外部電極26を通る線路で形成される差動線路間に、第2のコイル16とオープンコイル17との間に浮遊容量(C成分)とオープンコイル17のインダクタンス成分(L成分)が生じ、そして、ディファレンシャルモードの際にこの差動線路間のLC成分によってLC共振が発生し、ディファレンシャルモードノイズが減衰する。
上記したように本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタにおいては、第2のコイル16を第1のコイル15と互いに磁気結合するように第1のコイル15の上方に形成し、オープンコイル17を第2のコイル16の上方に位置してコモンモードフィルタ部18と磁気結合させるとともに、オープンコイル17の一端部17aと第1のコイル15とを接続し、かつその他端部17bを開放するようにしているため、ディファレンシャルモードの際に上述したように第2のコイル16とオープンコイル17との間の浮遊容量とオープンコイル17のインダクタンス成分によるLC共振が発生し、これにより、ディファレンシャルモードノイズを除去することができるという効果が得られるものである。また、オープンコイル17は、コモンモードフィルタ部18と磁気結合することで、少ない巻数で高いインダクタ値を得ることができるため、コイル巻数が少なくても所望のインダクタ値を容易に得ることができ、さらに、小型化も図れる。
そして、LC共振周波数を調整することで、特定の周波帯域、例えば800〜900MHz帯や2GHz帯の携帯電話の通信周波数帯、GPS周波数帯等でのディファレンシャルモードノイズを選択的に低減することができる。
図4に本発明の実施の形態1におけるコモンモードノイズフィルタおよび従来のコモンモードノイズフィルタのディファレンシャルモードの挿入損失の周波数依存性を示す特性図を示す。
図4から明らかなように、本発明では第2のコイル16とオープンコイル17との間の浮遊容量、オープンコイル17のインダクタンス成分を調整することで800〜900MHzでのディファレンシャルモードノイズを選択的に低減させることができる。
さらに、オープンコイル17を1つとしているため、積層数も減らすことができる。
なお、上記した本発明の実施の形態1においては、オープンコイル17を、第1のコイル15、第2のコイル16と巻き方向が上面視にて同一方向になるようにしたが、図5に示すように、オープンコイル17を、第1のコイル15、第2のコイル16と巻き方向が逆になるようにしてもよい。
また、オープンコイル17は1層で構成していたが、複数層で構成してもよい。
(実施の形態2)
以下、実施の形態2を用いて、本発明の特に請求項2、3に記載の発明について説明する。
図6は本発明の実施の形態2におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図である。なお、この本発明の実施の形態2においては、上記した本発明の実施の形態1と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しており、その説明は省略する。
本発明の実施の形態2が上記した本発明の実施の形態1と相違する点は、図6に示すように、オープンコイル17を2つのコイル状導体27a、27bで構成した点である。
なお、前記実施の形態1においては、オープンコイル17の巻数を減らすことでインダクタ値を減らすことができるが、同時に第2のコイル16とオープンコイル17の間の浮遊容量が減少してしまうため、LC共振周波数の調整が難しい。
一方、この実施の形態2においては、2つのコイル状導体27a、27bは上下方向に形成され、このコイル状導体27a、27bのうち下方に形成されたコイル状導体27aは、第1のコイル15、第2のコイル16と巻き方向が上面視にて同一方向になるようにし、上方のコイル状導体27bは、これらと巻き方向が上面視にて逆方向になるようにしている。そして、第1のコイル15と接続するオープンコイル17の一端部17aは下方に形成されたコイル状導体27aに、オープンコイル17の他端部17bは上方に形成されたコイル状導体27bにそれぞれ構成される。また、2つのコイル状導体27a、27bは第3のビア電極19cによって接続されている。さらに、上方に形成されたコイル状導体27bは第6の絶縁体層13fに形成されている。
そして、この構成によって、第2のコイル16とオープンコイル17のコイル状導体27aの間で浮遊容量が発生した状態で、巻方向が異なる方向のコイル状導体27a、27b同士でインダクタンス成分をある程度相殺するため、オープンコイル17全体のインダクタンス値が下がり、これにより、巻方向が異なる方向のコイル状導体27a、27bの数、巻き数等によって容易にオープンコイル17全体のインダクタンス値を調整でき、共振に必要な浮遊容量も減少することなく確保できるため、ディファレンシャルモードノイズの減衰極の周波数を容易に制御できる。
また、図7に示すように、オープンコイル17を構成する複数のコイル状導体27a、27bのうち他端部17bが開放されたコイル状導体27aを第2のコイル16に隣接させるように積層し配置してもよい。この構成により、第2のコイル16との間で浮遊容量を開放端側で構成できるため、LC共振に直接的に寄与するオープンコイル17のインダクタンス値を大きくすることができるため、ディファレンシャルモードノイズの減衰極の周波数を低く調整することができる。
ここで、図8に図6のコモンモードフィルタにおける内部接続模式図、図9に図7のコモンモードフィルタにおける内部接続模式図それぞれを示す。
上記図6、図7に示したコモンモードノイズフィルタでは、ディファレンシャルモードノイズの減衰極の周波数を制御できたり、ディファレンシャルモードノイズの減衰極の周波数を低くすることができたりするため、特定の周波数帯域、例えば800〜900MHz帯の携帯電話通信周波数帯でのディファレンシャルモードノイズを低減できる。
(実施の形態3)
以下、実施の形態3を用いて、本発明の特に請求項4に記載の発明について説明する。
図10は本発明の実施の形態3におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図である。なお、この本発明の実施の形態3においては、上記した本発明の実施の形態1と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しており、その説明は省略する。
本発明の実施の形態3が上記した本発明の実施の形態1と相違する点は、図10に示すように、第2のコイル16の上方に配置され、第1のコイル15に一端部を接続されかつ他端部17bを開放した第1のオープンコイル27bと第1のコイル15の下方に位置してその一端部と第2のコイル16とを接続しかつ他端部17bを開放した第2のオープンコイル27aを備えた点である。
この構成によれば、2つの異なる共振回路を形成できるため、第1のオープンコイル、第2のオープンコイルのインダクタンス成分や第1のオープンコイルと第2のコイルとの間の浮遊容量、第2のオープンコイルと第1のコイルとの間の浮遊容量を調整することによって、ディファレンシャルモードノイズについて2つの異なる周波数帯で減衰極を作ることができ、これにより、広い周波数帯域でのディファレンシャルモードノイズの除去ができる。
このように構成することによって、図11に示すように、2つの異なる共振回路を形成できるため、第2のコイル16の上方の第1のオープンコイル27b、第1のコイル15の下方の第2のオープンコイル27aそれぞれのインダクタンス成分や、第2のコイル上方の第1のオープンコイル27bと第2のコイル16との間の浮遊容量、第1のコイル下方の第2のオープンコイル27aと第1のコイル15との間の浮遊容量を調整することができ、これにより、ディファレンシャルモードノイズについて2つの異なる周波数帯で減衰極を作ることができるため、広い周波数帯域でのディファレンシャルモードノイズの除去ができる。また、携帯電話の通信周波数帯は国によって複数存在し代表的には800〜900MHzと2GHz帯があり、この2つの周波数帯に応じた共振周波数設定をすることで両方の周波数帯域でのディファレンシャルモードノイズを除去できる。さらに、上下方向に対して対称なため、方向性は無くなる。
なお、上記した本発明の実施の形態2、3においては、オープンコイル17を構成するコイル状導体(第1、第2のオープンコイル)27a、27bを各々1つとしたが、複数でもよい。
(実施の形態4)
以下、実施の形態4を用いて、本発明の特に請求項5に記載の発明について説明する。
図12は本発明の実施の形態4におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図である。なお、この本発明の実施の形態4においては、上記した本発明の実施の形態1と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しており、その説明は省略する。
本発明の実施の形態4が上記した本発明の実施の形態1と相違する点は、図12に示すように、第2のコイル16およびオープンコイル17の一部にそれぞれ幅広部28を形成し、この幅広部28同士を上面視にて対向させた点である。
この構成によって、第2のコイル16とオープンコイル17との間の浮遊容量を大きくすることができるため、幅広部28の大きさを調整することによって、ディファレンシャルモードノイズの減衰極の周波数を制御できる。なお、図12においては、幅広部28を第2のビア電極19b近辺に形成したが、他の部分であってもよい。
また、上記した本発明の実施の形態1〜4においては、オープンコイル17と第1、第2のコイル15、16とは、外部電極23、24を介して接続したが、ビア電極を介して接続してもよい。
(実施の形態5)
以下、実施の形態5を用いて、本発明の特に請求項6、7に記載の発明について説明する。
図13は本発明の実施の形態5におけるコモンモードノイズフィルタの分解斜視図である。なお、この本発明の実施の形態5においては、上記した本発明の実施の形態1と同様の構成を有するものについては、同一符号を付しており、その説明は省略する。
本発明の実施の形態5が上記した本発明の実施の形態1と相違する点は、図13に示すように、オープンコイル17の上方に互いに磁気結合する第3のコイル29と第4のコイル30を設け、第3のコイル29と第4のコイル30からなる他のコモンモードフィルタ部31を備え、第1のコイル15と第3のコイル29を接続するとともに第2のコイル16と第4のコイル30をビア電極19a、19bを介して接続した点である。
なお、このとき、第1、第2の引出用導体20、21を形成せず、第3のコイル29と第4のコイル30は上方の磁性体部12より下方に設ける。また、第3、第4の外部電極25、26はそれぞれ、第3のコイル29の一端部29a、第4のコイル30の一端部30aに接続される。さらに、コイルが増えたことにより、第6の絶縁体層13fを形成する必要がある。
このように構成することによって、オープンコイル17をコモンモードフィルタ部18と他のコモンモードフィルタ部31との間に形成できるため、コモンモードフィルタ部18、他のコモンモードフィルタ部31と磁性体部12とを近づけることができる。さらに、2つのコモンモードフィルタ部18、31を磁気結合させた状態で直列接続させることができるため、コモンモード成分のインピーダンスを高くすることができ、これにより、多くのコモンモードノイズを除去できる。
この場合も、図14に示すように、第3のコイル29とオープンコイル17との間の浮遊容量とオープンコイル17のインダクタンス成分によるLC共振が発生するため、ディファレンシャルモードノイズを除去することができる。
また、図15、図16に示すように、第2のコイル16と第4のコイル30を、第1のコイル15と第3のコイル29よりもオープンコイル17に近い位置に設けてもよく、この構成によって、オープンコイル17と第2のコイル16との間、オープンコイル17と第4のコイル30との間で浮遊容量が発生するため、コイルとオープンコイル17との間の浮遊容量を大きくすることができ、これにより、ディファレンシャルモードノイズの減衰極の周波数をより低くすることができる。また、上下方向に対して対称なため、方向性は無くなる。
このとき、オープンコイル17と接続された第1のコイル15、第3のコイル29を、オープンコイル17に近接させても、これらは同電位のため、浮遊容量は発生しない。
なお、上記した本発明の実施の形態1〜5においては、絶縁体層の所定箇所に磁心となる磁性材料を形成してもよい。さらに、上下を逆に構成し、上側を実装面としてもよい。
本発明に係るコモンモードノイズフィルタは、コモンモードノイズだけでなく、特定の周波数帯域におけるディファレンシャルモードノイズを除去することができるという効果を有するものであり、特にデジタル機器やAV機器、情報通信端末等の各種電子機器のノイズ対策として使用されるコモンモードノイズフィルタ等において有用となるものである。
11a、11b 第1、第2の磁性体層
12 磁性体部
13a〜13e 第1〜第5の絶縁体層
14 非磁性体部
15 第1のコイル
16 第2のコイル
17 オープンコイル
18 コモンモードフィルタ部
27a コイル状導体(第2のオープンコイル)
27b コイル状導体(第1のオープンコイル)
28 幅広部
29 第3のコイル
30 第4のコイル
31 他のコモンモードフィルタ部

Claims (5)

  1. 2つの磁性体部と、前記2つの磁性体部間に形成された非磁性体部と、前記非磁性体部に形成された第1のコイル、第2のコイルと、その一端部が前記第1のコイルと接続されかつその他端部を開放するようにした1つのオープンコイルと、前記第1のコイルと第2のコイルからなるコモンモードフィルタ部とを備え、前記第2のコイルを前記第1のコイルと互いに磁気結合するように前記第1のコイルの上方に形成し、前記オープンコイルを前記第2のコイルの上方に位置して前記コモンモードフィルタ部と磁気結合させるようにしたコモンモードノイズフィルタ。
  2. 非磁性体部においてオープンコイルを上下方向に形成され、互いに接続された複数のコイル状導体で構成し、前記複数のコイル状導体のうち少なくとも1つの巻方向を他のコイル状導体、第1、第2のコイルの巻方向と上面視にて逆方向になるようにした請求項1記載のコモンモードノイズフィルタ。
  3. オープンコイルを構成する互いに接続された複数のコイル状導体のうち他端部が開放されたコイル状導体を第2のコイルに隣接させるように積層し配置した請求項1記載のコモンモードノイズフィルタ。
  4. 上方の磁性体部とオープンコイルとの間に互いに磁気結合する第3のコイルと第4のコイルを設け、前記第3のコイルと第4のコイルからなる他のコモンモードフィルタ部を備え、第1のコイルと前記第3のコイルを接続するとともに第2のコイルと前記第4のコイルを接続した請求項1記載のコモンモードノイズフィルタ。
  5. 第2のコイルと第4のコイルを、オープンコイルに隣接させた請求項記載のコモンモードノイズフィルタ。
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