JP4479353B2 - 積層型電子部品 - Google Patents

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本発明は、積層構造の複数のコイル導体を並設してなる積層型電子部品に関するものである。
セラミック基体内にコイル導体を複数埋設してなる積層型電子部品として積層コモンモードチョークコイルや積層トランス等がある。これらの素子では、特性向上のため、異なる比透磁率を持つセラミック材料を組み合わせて形成しているものがある。
特許文献1には、複数のコイル導体をらせん状に積層してなる積層コイルを並設して構成される積層トランス素子が示されている。本特許文献の積層トランス素子は、各コイルの軸心部に高透磁率セラミックを、またその周回部には低透磁率セラミックを配置し、各コイルの上下を高透磁率セラミック層で挟み込む構造となっている。また積層コイルを形成するらせん状電極の中心軸と平行な素子側面部に外部電極が形成され、コイル導体の始端部と終端部がグリーンシート上に形成された引出し電極によりその外部電極と接続されている。特許文献1に示されている構造のように、コイルの周回部に低透磁率セラミックを配置することにより、コイル同士の結合に寄与しない磁界の漏れを少なくすることができる。これによりコイル同士の結合を強くすることができ、積層トランス素子の電気特性を向上させることができる。
特開平7−201569号公報
特許文献1の構造では、らせん状電極の中心軸に平行な素子側面部に外部電極を形成しているが、高周波特性改善などを目的としてらせん状電極の中心軸に垂直な面に外部電極を形成することがある。このとき、各コイルの始端側と終端側を外部電極と接続するためには高透磁率セラミック層内にビアホールが必要である。しかしこのビアホールの周囲には環状の磁界が発生し、コイル同士の磁界結合を妨げるという問題があった。この影響によりコイル同士の結合が弱くなり、積層トランスの電気特性が劣化するという課題があった。
上記課題を解決するために本発明では、コイル導体の形成された非磁性体層を複数積層した非磁性体部には、前記コイル導体をらせん状に接続して形成された複数のコイルが並設され、前記非磁性体部の積層方向に垂直な非磁性体部の外側両主面には、それぞれ第1と第2の磁性体層が形成され、前記第1の磁性体層の外側主面に第1の非磁性体層が形成され、前記第2の磁性体層の外側主面に第2の非磁性体層が形成され、前記複数のコイルの周回軸心部分に磁性体部が形成され、かつこの磁性体部の両端が前記第1および第2の磁性体層と接するように形成され、前記第1の非磁性体層の外側主面に形成された外部電極と、前記複数のコイルの始端部とを接続するためにビアホールが形成され、前記第2の非磁性体層の外側主面に形成された外部電極と、前記複数のコイルの終端部とを接続するためにビアホールが形成され、前記複数のコイルが隣り合う部分以外の前記第1および第2の磁性体層内に、前記一方のコイルの軸心部分から他方のコイルの軸心部分へ向う主たる磁界の外側になるように前記ビアホールに接続された磁束遮蔽導体が形成されたことを特徴としている。
本発明の構造では、非磁性体部内に埋設されたコイルの始端側と終端側の主面上に形成した磁性体層上に非磁性体層を設けている。このため、コイル同士の磁界結合を妨げるように発生するビアホール周囲の磁界の強度を弱くでき、コイル同士の結合を強くすることができる。
本発明の構造では、コイル導体が形成された非磁性体部の外側主面に形成された第1および第2の磁性体層内に磁束遮蔽導体を形成することにより、コイル同士の結合に寄与しない磁界が外部へ漏れることを防ぐことができるため、コイル同士の結合をさらに強くすることができる。
また本発明では、コイル導体の形成された非磁性体層を複数積層した非磁性体部には、前記コイル導体をらせん状に接続して形成された複数のコイルが並設され、前記非磁性体部の積層方向に垂直な非磁性体部の外側両主面には、それぞれ第1と第2の磁性体層が形成され、前記第1の磁性体層の外側主面に第1の非磁性体層が形成され、前記第2の磁性体層の外側主面に第2の非磁性体層が形成され、前記複数のコイルの周回軸心部分に磁性体部が形成され、かつこの磁性体部の両端が前記第1および第2の磁性体層と接するように形成され、前記第1の非磁性体層の外側主面に形成された外部電極と、前記複数のコイルの始端部とを接続するためにビアホールが形成され、前記第2の非磁性体層の外側主面に形成された外部電極と、前記複数のコイルの終端部とを接続するためにビアホールが形成され、前記複数のコイルが隣り合う部分以外の前記第1および第2の磁性体層内に、前記一方のコイルの軸心部分から他方のコイルの軸心部分へ向う主たる磁界を取囲むように前記ビアホールに接続された磁束遮蔽導体が形成されたことを特徴としている。
本発明の構造では、コイル導体が形成された非磁性体部の外側主面に形成された第1および第2の磁性体層内にも磁束遮蔽導体を形成し、その磁束遮蔽導体がコイル同士を結合させる磁界を取囲むように形成されている。このため、コイル同士の結合に寄与しない磁界が外部へ漏れることを防ぐことができ、コイル同士の結合をさらに強くすることができる。
本発明のように、コイル導体の形成された非磁性体層を複数積層した非磁性体部には、前記コイル導体をらせん状に接続して形成された複数のコイルが並設され、前記非磁性体部の積層方向に垂直な非磁性体部の外側両主面には、それぞれ第1と第2の磁性体層が形成され、前記第1の磁性体層の外側主面に第1の非磁性体層が形成され、前記第2の磁性体層の外側主面に第2の非磁性体層が形成され、前記複数のコイルの周回軸心部分に磁性体部が形成され、かつこの磁性体部の両端が前記第1および第2の磁性体層と接するように形成され、前記第1の非磁性体層の外側主面に形成された外部電極と、前記複数のコイルの始端部とを接続するためにビアホールが形成され、前記第2の非磁性体層の外側主面に形成された外部電極と、前記複数のコイルの終端部とを接続するためにビアホールが形成されたことを特徴とすることにより、コイル同士の結合に寄与しない磁界の強度が弱くなり、その磁界によるコイル同士の結合磁界を妨げる影響を緩和することができる。このため、コイル同士の結合が強くなり、積層型電子部品の電気特性を向上させることができる。
以下において本発明の積層型電子部品の一実施形態である積層コモンモードチョークコイルを実施例として図を参照しつつ説明する。
第1の実施例
図1は、第1の実施例における積層コモンモードチョークコイルを示す外観斜視図であり、図2はその概略断面図である。積層コモンモードチョークコイル1は、積層体2と、積層体2の表面に形成された外部電極3a〜3dと、積層体2に内蔵された2つのコイル導体4a、4bとから構成される。
2つのコイル導体4a、4bはらせん状電極を形成し、その中心軸方向が互いに略平行になるように隣接して設けられ、コイル導体4aの始端部5aはビアホール6aを介して外部電極3aに、終端部5bはビアホール6bを介して外部電極3bに接続されている。またコイル導体4bの始端部5cはビアホール6cを介して外部電極3cに、終端部5dはビアホール6dを介して外部電極3dに接続されている。2つのコイル導体4a、4bは、同相で電流が入力された場合に互いに磁界を強め合うように形成されており、これによってコモンモードノイズを減衰させる。
非磁性体部7は、コイル導体4a、4bが形成された非磁性体層を積層して形成されている。非磁性体部7内のコイル導体4a、4bの周回軸心部には、磁性体部8a、8bが形成されている。この磁性体部8a、8bは、コイル導体4a、4bの磁性体コアとして作用する。またコイル導体4a、4bの積層方向に垂直な非磁性体部7の外側両主面には、第1の磁性体層9と第2の磁性体層11が形成されている。さらに第1の磁性体層9の外側主面には第1の非磁性体層10が形成され、第2の磁性体層11の外側主面には第2の非磁性体層12が形成されている。なおコイル導体4a、4bの積層方向の磁性体部8a、8bの両側主面は、第1および第2の磁性体層9、11と接するように形成されている。また磁性体部8a、8bと第1の磁性体層9および第2の磁性体層11を通るように閉磁路13が発生し、この閉磁路13によって2つのコイル導体4a、4bが磁界結合されている。
またコモンモードチョークコイル動作時には、ビアホール6a〜6dに電流が流れて各ビアホールの周囲に環状の磁界14が発生する。この磁界14により、コイル導体4a、4b間の結合に寄与する閉磁路13の形成が妨げられている。しかし、ビアホール6a〜6dは第1および第2の非磁性体層10、12を貫通するように形成されているため、磁界14の強度は弱くなり閉磁路13の形成を妨げる影響が小さくなる。これによりコイル導体4a、4b間の磁界結合が強くなり、積層コモンモードチョークコイルの電気特性も向上する。
次に積層コモンモードチョークコイル1の製造方法について説明する。図3は積層コモンモードチョークコイル1の分解斜視図である。積層体は、内層用の非磁性体材料を用いたセラミックグリーンシート20、外装用の磁性体材料を用いたセラミックグリーンシート21、23および外装用の非磁性体材料を用いたセラミックグリーンシート22、24とが図3に示す所定の順序で積層して形成されている。積層体1に内蔵されているコイル導体4a、4bは複数のコ字状導体25a、25bと、コ字状導体25a、25bの所定の端部同士を接続するビアホール26a、26bと、コ字状導体25a、25bと外部電極(図3には図示しない)とを接続するビアホール6a〜6dとから形成されている。またコ字状導体25a、25bに囲まれた領域には、磁性体材料が充填された貫通孔27が形成されている。
次に内層用のセラミックシートを用意する工程について、図4を参照して説明する。まず酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化銅(CuO)を所定の割合で混合して仮焼、粉砕を行ないCu−Zn系フェライト粉末を得る。なおCu−Zn系フェライトはキュリー温度が低いため、常温では常磁性体として振舞う。次にこのCu−Zn系フェライト粉末にバインダーや、必要に応じて分散剤や消泡剤などを加えて混錬してスラリーを得る。このスラリーをドクターブレード法等により基材30上に成形して、図4(a)に示す内層用のセラミックグリーンシート20を得る。基材30としては例えばPETフィルムなどを用いることができる。
次にCO2レーザなどの手段によって、図4(b)に示すように凹部31を形成する。凹部31は内層用のセラミックグリーンシート20を貫通し、かつ、基材30を貫通しないようにし、基材30が凹部31の底面になるように形成されている。
さらに、CO2レーザや金型による打ち抜きなどの方法によって、図4(c)に示すように貫通孔32を形成する。貫通孔32は内層用のセラミックグリーンシート20と基材30をともに貫通している。
次に図4(d)に示すように、基材30側を上にして、内層用のセラミックグリーンシート20を濾紙33上に吸引などの手段によって固定し、基材30上に直接スキージ34を摺動させて磁性体セラミックペースト35を充填して、磁性体部27を形成する。磁性体セラミックペースト35は、酸化第二鉄(Fe23)、酸化ニッケル(NiO)、酸化銅(CuO)、酸化亜鉛(ZnO)を原材料として得たNi−Cu−Zn系フェライト粉末と、バインダー、分散剤などを混錬して得たものであり、比透磁率は400である。
次に図4(e)に示すように、内層用セラミックグリーンシート20側を上にして内層用セラミックグリーンシート20側からスクリーン印刷を行ない、Agなどの金属粉末を主成分とする導電ペーストによってコ字状導体25a、25b(図示せず)を印刷すると同時に、凹部31に導電ペーストを充填してビアホール26a、26b(図示せず)を形成する。
この方法によれば、同一面に二度の導電ペーストを印刷する必要がない。また磁性体セラミックペースト35の印刷を導電ペーストの印刷よりも先に行なうことにより、二度の導電ペーストの印刷を行なう時点ではいずれも内層用セラミックグリーンシート20の表面は平坦な状態であるから、印刷品質の低下を招くことがない。
次に、外装用セラミックグリーンシートを用意する工程について説明する。まず非磁性体材料を使用したセラミックグリーンシートは、上記と同一の方法によって得たCu−Zn系フェライト粉末とバインダー、分散剤などを混練してスラリーを得て、ドクターブレード法等の方法によって作製する。また磁性体材料を使用した外装用セラミックグリーンシートも上記磁性体セラミックペースト用材料を用いて、非磁性体セラミックグリーンシートと同様な工程により作製する。なお非磁性体グリーンシートと磁性体グリーンシートの比透磁率は、それぞれ1、400である。
このようにして準備した内層用セラミックグリーンシート20と外装用の磁性体セラミックグリーンシート21、23および外装用の非磁性体セラミックグリーンシート22、24を、図3のように積層して圧着する。その後、脱バインダー処理を行なって900℃程度の所定の温度で焼成する。焼成後の積層体をバレル研磨し、積層体の端部に導電ペーストを焼き付ける。その上にNiめっき、Snめっきを施して外部電極を形成し、図1に示す積層コモンモードチョークコイル1を得る。本実施例における積層コモンモードチョークコイルのチップサイズは、長さが1.2mm、幅が1.0mm、高さが0.5mmである。
以上の方法により作製した積層コモンモードチョークコイルの第1および第2の磁性体層と第1および第2の非磁性体層の厚みを変化させたときのコイル同士の結合係数を測定した結果を表1に示す。
Figure 0004479353
本実施例では、第1の磁性体層と第1の非磁性体層を合わせた厚みを350μmとし、磁性体層と非磁性体層の割合を変化させている。表1のようにビアホールを形成した層がすべて磁性体の場合は結合係数が小さいが、非磁性体層の厚みを厚くしていくと結合係数が大きくなる。このようにビアホール部に非磁性体層を設けることにより、ビアホールの周囲に発生する磁界の強度が弱くなり、コイル同士を結合させる磁界を妨げる影響が小さくなる。この作用によりコイル同士の結合係数を大きくすることができた。なお第1および第2の磁性体層の厚みが薄すぎると、コイルの上下開口部に発生するコイル同士を結合させるための磁束が通りにくくなるため、結合係数が小さくなる。
なお磁性体材料としては上記のNi−Cu−Zn系フェライトに代えてMn−Zn系フェライトなどを用いてもよい。また非磁性体材料としてはBaO、Al23、SiO2、B23などからなるガラスセラミックなどを用いてもよい。
第2の実施例
第2の実施例における積層コモンモードチョークコイルの分解斜視図を図5に示す。本実施例における積層コモンモードチョークコイルの基本的な構造は第1の実施例とほぼ同様である。本実施例では、第1および第2の磁性体層21、23内にI字状磁束遮蔽導体40a〜40dを形成している。なおI字状磁束遮蔽導体40a〜40dは、CO2レーザや金型による打ち抜きなどの方法によって貫通孔を形成し、スクリーン印刷によりその貫通孔内に導電性ペーストを充填することによって形成する。またI字状磁束遮蔽導体40a〜40dは、磁性体層21を貫通するように形成されているため、コイル導体25a、25b上に積層するとそれらのコイル導体と接触し特性不良が発生する。このため、コイル始端側のコイル導体25a、25bを形成したセラミックグリーンシート20とI字状磁束遮蔽導体40a、40cを形成したセラミックグリーンシート21との間には、両導体を絶縁するために非磁性体セラミックグリーンシート28を配置している。セラミックグリーンシート28には、内層用のセラミックグリーンシート20と同様の方法により形成した磁性体部27と、コイル導体の始端側を外部電極と接続するためのビアホール26a、26bが配置されている。上記の所定のセラミックグリーンシートを積層、圧着することによって積層コモンモードチョークコイルを得ている。
本実施例では、I字状磁束遮蔽導体40a〜40dを、コイル同士が隣接している部分と対向する位置に配置し、コイル始端部および終端部を外部電極と接続するビアホール6a〜6dと接続している。コイル同士を結合する主たる磁界は、コイル軸心部に配置した磁性体部と第1および第2の磁性体部を通る閉磁界を形成する。しかし、コイル同士の結合に寄与しない磁界もコイル周辺には発生しており、コイル同士の結合が弱くなる原因の一つとなっている。これらコイル同士の結合に寄与しない磁界をできるだけ遮蔽することにより、コイル同士の磁界による結合を強くすることができる。本実施例のようにコイル同士を結合させる閉磁路の外側にI字状電極を形成することにより、コイルの上下開口部からコイル同士を結合させる主たる磁界の方向以外の方向に漏れる磁界の進路が妨げられ、これらの磁界をコイル同士の結合に寄与させることができる。この作用によりコイル同士が結合する部分へ磁界を閉じ込める効果が向上する。これによりI字状磁束遮蔽導体がないときの結合係数89.5%を96.2%まで大きくすることができた。
第3の実施例
第3の実施例における積層コモンモードチョークコイルの分解斜視図を図6に示す。本実施例は、上記の第2の実施例におけるI字状磁束遮蔽導体に代えてコ字状磁束遮蔽導体50a〜50dを形成したものである。本実施例ではコ字状磁束遮蔽導体50a〜50dのコ字の開口部をコイル同士が隣接する部分に向けて配置している。このコ字状磁束遮蔽導体は、第2の実施例で示したI字状磁束遮蔽導体と同様に、コイル同士の結合に寄与しない磁界を遮蔽する効果がある。またコ字状遮蔽磁束導体は、コイル同士を結合させる主たる磁界を取り囲むように形成されているため、I字状磁束遮蔽導体よりもさらに磁界を結合に寄与させる効果が増し、コ字状磁束遮蔽導体がないときの結合係数89.5%を98.5%まで大きくすることができた。
なお第1および第2の磁性体層内に配置した磁束遮蔽導体の形状は、I字状あるいはコ字状だけでなくL字状などのコイル同士が隣接する部分に導体がない形状であれば他の形状でも構わない。
第4の実施例
第4の実施例における積層コモンモードチョークコイルの概略断面図を図7に示す。本実施例におけるコイル導体形成部は上記実施例と同様な構造である。本実施例においては外装用セラミックグリーンシートの積層コモンモードチョークコイル短辺側の両端に、第2の非磁性体部61a、61bと第3の非磁性体部63a、63bが配置されている。その第2および第3の非磁性体部61a、61b、63a、63bの内部にビアホール6a〜6dが形成されている。また第2の非磁性体部61a、61bに挟まれた部分には、第1の磁性体部60が形成されている。さらに第3の非磁性体部63a、63bに挟まれた部分には、第2の磁性体部62が形成されている。
図8は本実施例における積層コモンモードチョークコイルを示す分解斜視図である。コイル導体形成部は上記実施例と同様な方法で形成されている。また積層体の上層側外装用のセラミックグリーンシートの短辺側両端に、第2の非磁性体部61a、61bを形成するための非磁性体部64a、64bが形成されている。さらに下層側外装用のセラミックグリーンシートの短辺側両端に、第3の非磁性体部63a、63bを形成するための非磁性体部65a、65bが形成されている。これらのセラミックグリーンシートを上記実施例と同様に積層して圧着した後、焼成することにより積層体が得られる。この積層体に外部電極を形成することにより積層コモンモードチョークコイルを得ることができる。
本実施例の構造のように、コイル同士を結合させる磁界が発生する部分に第1および第2の磁性体層を設けることにより、コイル同士をより強く結合させることができる。また、コイル同士の結合磁界を妨げる効果を持つ磁界が発生するビアホールは、第2および第3の非磁性体部内に形成されている。これにより、ビアホール周囲に発生する磁界の強度を弱くすることができ、コイル同士の結合が弱くなることを防ぐことができる。
第5の実施例
第5の実施例における積層コモンモードチョークコイルの概略断面図を図9に示す。本実施例では、第4の実施例における第2および第3の非磁性体部を積層コモンモードチョークコイルの短辺側縁端部からビアホール6a〜6dまでの部分に形成している。この構造においても、ビアホール6a〜6dは、第2および第3の非磁性体部71a、71b、73a、73b内に形成されているため、コイル同士の磁界結合の強度を強くすることができ、かつコイル同士の磁界結合を妨げるビアホール6a〜6dの周囲に発生する磁界の強度を弱くすることができる。
第6の実施例
第6の実施例における積層コモンモードチョークコイルの分解斜視図を図10に示す。本実施例では、コイル導体の始端部および終端部と、図示しない外部電極とを接続するためのビアホール6a〜6dの周囲に非磁性体部を設けている。
本実施例においてもコイル導体形成部は上記実施例と同様な方法により形成されている。積層体上下にはNi−Cu−Zn系材料からなる磁性体セラミックグリーンシート80、82が配置される。なお磁性体セラミックグリーンシート80、82の第2および第3の非磁性体部81、83は、以下のような方法により形成する。磁性体セラミックグリーンシート80、82の所定箇所にCO2レーザや金型による打ち抜きにより貫通孔を形成する。次にその貫通孔にCu−Zn系材料からなる非磁性体ペーストをスクリーン印刷により充填する。その後第2および第3の非磁性体部81、83の所定箇所にCO2レーザ等により凹部を設け、スクリーン印刷により導電ペーストを充填することによりビアホール6a〜6dを形成する。これらのセラミックグリーンシートを上記実施例と同様に積層して圧着した後、焼成することにより積層体が得られる。この積層体に外部電極を形成することにより積層コモンモードチョークコイルを得ることができる。
本実施例の構造のようにコイル同士を結合させる磁界を妨げる効果のある磁界が発生するビアホール6a〜6dの外周側面部に第2および第3の非磁性体部を81、83を設けることにより、ビアホール6a〜6dの周囲に発生する磁界の強度を弱くすることができる。このことによりコイル同士を結合させる磁界が妨げられず、コイル同士の結合を強くすることができる。
第7の実施例
第7の実施例における積層コモンモードチョークコイルの分解斜視図を図11に示す。本実施例は、第6の実施例に示すビアホール周囲に形成した第2および第3の非磁性体部を外部電極を形成する部分にも広げた構造としている。
本実施例の構造のように、外装用磁性体セラミックグリーンシート80、82の所定位置に第2および第3の非磁性体部91、92を配置することにより、コイル同士を結合させる磁界を妨げる効果のあるビアホール6a〜6dの周囲に発生する磁界の強度を弱くすることができる。また図示しない外部電極の下部になるように第2および第3の非磁性体部91、92を配置することにより、外部電極部で発生する不要な磁界の強度を弱くすることができる。以上の効果により、コイル同士の結合をさらに強くすることができる。
第8の実施例
第8の実施例における積層コモンモードチョークコイルの分解斜視図を図12に示す。本実施例は、第7の実施例における第2および第3の非磁性体部の配置を変更した構造である。
本実施例の構造のように、第2および第3の非磁性体部101、102の位置を変えることにより外部電極の配置変更に対応することができ、積層コモンモードチョークコイルの実装状態を変更した場合に対応することができる。
第1の実施例における積層コモンモードチョークコイルを示す外観斜視図である。 第1の実施例における積層コモンモードチョークコイルの概略断面図である。 第1の実施例における積層コモンモードチョークコイルの分解斜視図である。 第1の実施例における積層コモンモードチョークコイルの内層用セラミックグリーンシートを用意する工程を示す断面図である。 第2の実施例における積層コモンモードチョークコイルの分解斜視図である。 第3の実施例における積層コモンモードチョークコイルの分解斜視図である。 第4の実施例における積層コモンモードチョークコイルの概略断面図である。 第4の実施例における積層コモンモードチョークコイルの分解斜視図である。 第5の実施例における積層コモンモードチョークコイルの概略断面図である。 第6の実施例における積層コモンモードチョークコイルの分解斜視図である。 第7の実施例における積層コモンモードチョークコイルの分解斜視図である。 第8の実施例における積層コモンモードチョークコイルの分解斜視図である。
符号の説明
3a〜3d 外部電極
4、25、65 コイル導体
6、26 ビアホール
7 非磁性体部
8、27 磁性体部
9 第1の磁性体層
10 第1の非磁性体層
11 第2の磁性体層
12 第2の非磁性体層
13 閉磁路
14 ビアホール周囲の磁界
20、22、24、60 非磁性体グリーンシート
21、23、80、82 磁性体グリーンシート
30 基材
34 スキージ
40a〜40d I字状コイル導体
50a〜50d コ字状コイル導体
60、70 第1の磁性体部
62、72 第2の磁性体部
61、71 第2の非磁性体部
63、73 第3の非磁性体部

Claims (2)

  1. コイル導体の形成された非磁性体層を複数積層した非磁性体部には、前記コイル導体をらせん状に接続して形成された複数のコイルが並設され、
    前記非磁性体部の積層方向に垂直な非磁性体部の外側両主面には、それぞれ第1と第2の磁性体層が形成され、
    前記第1の磁性体層の外側主面に第1の非磁性体層が形成され、
    前記第2の磁性体層の外側主面に第2の非磁性体層が形成され、
    前記複数のコイルの周回軸心部分に磁性体部が形成され、かつこの磁性体部の両端が前記第1および第2の磁性体層と接するように形成され、
    前記第1の非磁性体層の外側主面に形成された外部電極と、前記複数のコイルの始端部とを接続するためにビアホールが形成され、
    前記第2の非磁性体層の外側主面に形成された外部電極と、前記複数のコイルの終端部とを接続するためにビアホールが形成され
    前記複数のコイルが隣り合う部分以外の前記第1および第2の磁性体層内に、前記一方のコイルの軸心部分から他方のコイルの軸心部分へ向う主たる磁界の外側になるように前記ビアホールに接続された磁束遮蔽導体が形成されたことを特徴とする積層型電子部品。
  2. コイル導体の形成された非磁性体層を複数積層した非磁性体部には、前記コイル導体をらせん状に接続して形成された複数のコイルが並設され、
    前記非磁性体部の積層方向に垂直な非磁性体部の外側両主面には、それぞれ第1と第2の磁性体層が形成され、
    前記第1の磁性体層の外側主面に第1の非磁性体層が形成され、
    前記第2の磁性体層の外側主面に第2の非磁性体層が形成され、
    前記複数のコイルの周回軸心部分に磁性体部が形成され、かつこの磁性体部の両端が前記第1および第2の磁性体層と接するように形成され、
    前記第1の非磁性体層の外側主面に形成された外部電極と、前記複数のコイルの始端部とを接続するためにビアホールが形成され、
    前記第2の非磁性体層の外側主面に形成された外部電極と、前記複数のコイルの終端部とを接続するためにビアホールが形成され、
    前記複数のコイルが隣り合う部分以外の前記第1および第2の磁性体層内に、前記一方のコイルの軸心部分から他方のコイルの軸心部分へ向う主たる磁界を取囲むように前記ビアホールに接続された磁束遮蔽導体が形成されたことを特徴とする積層型電子部品。
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