JP2008198929A - バラントランス及びバラントランスの実装構造、並びに、この実装構造を内蔵した電子機器 - Google Patents

バラントランス及びバラントランスの実装構造、並びに、この実装構造を内蔵した電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】小型で広帯域のバラントランス及びこの実装構造、並びに、これを内蔵した電子機器を提供すること。
【解決手段】第1層〜第4層のコイル11、12、13、14が積層され互いに磁気的に結合し、第1層〜第4層の各コイルの一端が接地され、第2層、第3層のコイルが電気的に並列接続されその共通端子(第1端子15)に不平衡信号が入力又は出力され、第1層のコイルの他端(第2端子16)に第1の平衡信号が入力又は出力され、第4層のコイルの他端(第3端子17)に第2の平衡信号が入力又は出力される。第1層〜第3層の各コイルは同一方向に巻回され、第4層のコイルは逆方向に巻回されている。第1層〜第4層の各コイルの外周は接地された第1〜第4の導体層によって取囲まれている。実装基板に設けられた接地用配線に第1層〜第4層の各コイルの一端が電気的に接続されバラントランスが実装基板に実装される。
【選択図】図1

Description

本発明は、平衡信号と不平衡信号を相互に変換する平衡−不平衡信号変換器や位相変換器等として使用されるバラントランスに関し、特に、小型で広帯域のバラントランス及びバラントランスの実装構造、並びに、この実装構造を内蔵した電子機器に関する。
バルントランスは、例えば、平衡信号と不平衡信号とを相互に変換するための変換器として使用される。平衡線路は一対の信号線路を備えており、信号(平衡信号)が一対の信号線路間の電位差として伝搬される。不平衡線路は、信号(不平衡信号)が接地電位に対する一本の信号線路の電位として伝搬される。バラントランスの不平衡端子に不平衡信号を入力した場合、バラントランスの平衡端子には、互いに位相が180度異なり(逆相)、振幅が等しい2つの平衡信号が出力される。携帯電話機等の移動体通信機器では、バラントランスが平衡−不平衡信号変換器として用いられている。バラントランスは、バルン、バルン回路、バラン、バラン回路とも呼ばれている。
バラントランスに関しては多数の報告がある。
「積層型バルントランス」と題する後記の特許文献1には、以下の記載がある。
特許文献1の発明に係る積層型バルントランスは、誘電体層を介して電磁結合し且つ電磁結合している部分で対向している一組の第1及び第2のストリップラインと、誘電体層を介して電磁結合し且つ電磁結合している部分で対向している一組の第3及び第4のストリップラインとを少なくとも有し、この二組のストリップラインが誘電体層を介して積み重ねられると共に、前記二組のストリップラインの間、前記二組のストリップラインの上側及び前記二組のストリップラインの下側の少なくとも何れかの位置に、前記ストリップラインと対向するグランド電極が誘電体層を介して積み重ねられ、前記第1のストリップラインの一端と前記第4のストリップラインの一端が電気的に接続され、前記第1のストリップラインの他端が入出力外部電極に電気的に接続され、前記第4のストリップラインの他端が開放され、前記第2のストリップラインの一端が入出力外部電極に電気的に接続されると共に他端が前記グランド電極に電気的に接続され、前記第3のストリップラインの一端が入出力外部電極に電気的に接続されると共に、他端が前記グランド電極に電気的に接続されている。
以上の構成により、各ストリップラインが同一誘電体層上に並置されることなく、誘電体層を介して積み重ねられることになり、狭面積のバルントランスとなる。更に、電磁結合する一対のストリップライン間に挟まれた誘電体層の厚さも、他の一対のストリップライン間に挟まれた誘電体層とは独立して調整される。
「積層型バラントランス」と題する後記の特許文献2には、以下の記載がある。
図15は、特許文献2に記載の図3であり、特許文献2に係る積層型バルントランスの第1の実施の形態の電気等価回路図である。
平衡信号端子242aは第1線路部225の端部に電気的に接続し、平衡信号端子242bは第2線路部228の端部に電気的に接続し、中継端子243は第3線路部224及び第4線路部227の端部に電気的に接続している。
バラントランス221において、第3線路部224及び第1線路部225はグランド電極の間に配置され、ストリップライン構造をしている。第4線路部227及び第2線路部228も、グランド電極の間に配置され、ストリップライン構造をしている。そして、第3線路部224と第4線路部227は、中継端子を介して直列に接続され、不平衡伝送線路238を構成している。第1線路部225と第2線路部228は、それぞれ平衡伝送線路239、239を構成している。線路部224と225並びに線路部227と228は、それぞれ誘電体シートを挟んで対向するように形成されている。
なお、不平衡伝送線路238の一端(具体的には線路部27の端部)は開放端となっているが、接地端としてもよい。また、バラントランス221は、上下にグランド電極が形成されているのでシールド効果を有する。
次に、このバラントランス221を平衡−不平衡信号変換器として用いた場合を、図15を参照して説明する。不平衡信号端子241に不平衡信号S1が入力されると、不平衡信号S1は不平衡伝送線路238(線路部224−中継端子243−線路部227)を伝搬する。そして、線路部224においては線路部225とライン結合し、線路部227においては線路部228とライン結合することによって、不平衡信号S1は平衡信号S2に変換され、この平衡信号S2は平衡信号端子242a、242bから出力される。逆に、平衡信号端子242a、242bに平衡信号S2が入力されると、平衡信号S2は平衡伝送線路239、239を伝搬し、不平衡伝送線路238にて不平衡信号S1に変換された後、不平衡信号端子241から出力される。
「バラントランス」と題する後記の特許文献3には、以下の記載がある。
図16(A)、図16(B)、図16(C)はそれぞれ、特許文献3に記載の図1、図2、図3であり、図16(A)は、特許文献3の発明のバラントランスの実施の形態の一例を示す回路図であり、図16(B)、図16(C)は、従来のバラントランスの例を示す回路図である。
高周波信号を伝送する不平衡伝送線路と平衡伝送線路とを接続するバラントランスとしては、分布定数によるものとして伝送線路により構成されるものがある。このような従来のバラントランスの例を図16(B)及び図16(C)にそれぞれ回路図で示す。
図16(B)及び図16(C)において、310は高周波信号の略1/4波長以下の長さを有する第1の伝送線路部、311は第1の伝送線路部310と同一平面上で平行もしくは3次元的に平行に配置されて電磁界的に結合した略1/4波長以下の長さを有する第2の伝送線路部、INは第1の伝送線路部310に設けた不平衡端子の一方による入力端子、OUT1及びOUT2は第2の伝送線路部311に設けた平衡端子の両方による出力端子である。そして、図16(B)に示す例では第2の伝送線路部311の中点を接地しており、図16(C)に示す例では第2の伝送線路部311を接地していない。
従来の伝送線路により構成されたバラントランスは、これら図16(B)及び図16(C)に示すように、一端を不平衡端子による入力端子INとし、他端を接地した第1の伝送線路部310と、両端を平衡端子による出力端子OUT1・OUT2とした第2の伝送線路部311とを用い、図16(B)に示すように第2の伝送線路部311の中点を接地するか、或いは図16(C)に示すように第2の伝送線路部311に接地を設けないという、何れかの構成となっていた。
しかしながら、このような従来のバラントランスにおいては、バラントランスの不平衡端子による入力端子INに不平衡信号を入力した場合、図16(B)及び図16(C)に示す例では、何れも入力端子INと出力端子OUT1の相対的な位置関係が近接しているため、入力端子INと出力端子OUT1との間に容量的な結合が生じ、このため、何れもバラントランスの平衡端子による出力端子OUT1・OUT2より取り出される2つの平衡信号間の逆相からの位相のずれ及び振幅レベルの差が高周波になるにつれて大きくなるという問題点があった。
図16(A)は特許文献3のバラントランスの実施の形態の一例を示す回路図である。図16(A)において、301は高周波信号の略1/4波長以下の長さを有する第1の伝送線路部、302及び303は第1の伝送線路部301と同一平面上で平行にもしくは3次元的に平行に且つ一直線状に配置されそれぞれ第1の伝送線路部301と電磁界的に結合した略1/8波長以下の略等しい長さを有する第2の伝送線路部及び第3の伝送線路部である。INは第1の伝送線路部301の一端に設けた不平衡端子であり、不平衡信号の入力端子となるものである。OUT1及びOUT2は第2の伝送線路部302及び第3の伝送線路部303の対向する一端同士にそれぞれ設けた平衡端子であり、平衡信号の出力端子となるものである。そして、第1の伝送線路部301は一端を不平衡端子INとし他端を接地すると共に、第2の伝送線路部302及び第3の伝送線路部303は対向する一端同士をそれぞれ平衡端子OUT1・OUT2とし他端をそれぞれ接地した構成となっている。なお、これら第1〜第3の伝送線路部301〜303は誘電体基板の表面又は内部に形成されているが、図16(A)においては誘電体基板についての図示は省略している。
このような構成の特許文献3の発明のバラントランスは、誘電体基板として複数の誘電体層を積層して形成された誘電体多層基板を用い、第1〜第3の伝送線路部301〜303を複数の誘電体層を有する多層基板の表面又は内部に形成されたマイクロストリップ線路又はストリップ線路又はコプレーナ線路で形成し、第1〜第3の伝送線路部301〜303の各他端を誘電体基板の内部に形成したスルーホール導体やビア導体等の貫通導体及び/又は誘電体基板の側面に形成したメタライズ導体層やいわゆるキャスタレーション導体等による端子電極を介して外部の接地と接続して接地することにより、誘電体基板の表面又は内部に小型で高周波信号の伝送特性に優れたバラントランスとして実現することができ、高周波回路と一体的に形成することができる、高周波回路に好適なバラントランスを提供することができる。
特許文献3の発明のバラントランスを形成するに当たり、このような複数の誘電体層を積層して形成された誘電体多層基板をはじめとする誘電体基板やマイクロストリップ線路・ストリップ線路・コプレーナ線路等による第1〜第3の伝送線路部301〜303、不平衡端子IN、平衡端子OUT1・OUT2、貫通導体、端子電極は、周知の高周波用配線基板に使用される種々の材料・形態のものを使用することができる。
「積層バルントランス」と題する後記の特許文献4には、以下の記載がある。
特許文献4の発明は、広帯域、特に1GHz以上の高周波においても良好な結合が得られる積層バルントランスを提供することを目的とする。
特許文献4の積層バルントランスは、電磁結合する対をなすλ/4ストリップラインを少なくとも2組以上持つ積層バルントランスであって、電磁結合する対をなすストリップライン間にポリビニルベンジルエーテル化合物を含む非磁性体層を介在させ、前記対をなすストリップラインと前記非磁性体層でなる複合層の上下に、ポリビニルベンジルエーテル化合物に磁性粉末を分散させた磁性体層を設けたことを特徴とする。
このように、ポリビニルベンジルエーテル化合物を有する非磁性体層をストリップライン間に介在させれば、該ポリビニルベンジルエーテル化合物は、比誘電率が2.5〜3.5程度と低く、ストリップライン間の容量成分を減らすことが可能となり、その上、非磁性体であるから、ストリップラインにより発生する磁束の相手側ストリップラインとの鎖交数が増え、これにより結合係数を増大する。また、ポリビニルベンジルエーテル化合物はエポキシ樹脂と同じ製造工程で容易に製造することができる。また、セラミックによる場合のような焼成によるクラックやそりの発生の問題がない。
「磁性フェライト及びそれを用いたコモンモードノイズフィルタ並びにチップトランス」と題する後記の特許文献5には、以下の記載がある。
特許文献5の発明は主成分としてFeとCoとZnの組成比がFe23、CoO、ZnO換算で39.5:53.0:7.5モル%、39.5:48.0:12.5モル%、20.0:67.5:12.5モル%、20.0:55.0:25.0モル%で囲まれた組成に酸化銅を8〜14wt%添加した組成からなる磁性フェライトとするものである。
特許文献5の発明の磁性フェライト及びそれを用いたコモンモードノイズフィルタ並びにチップトランスは、銀電極と同時焼結できる高周波帯域で低損失の磁性フェライトを実現すると共に、これを積層電子部品に用いることにより二つのコイル間で結合係数の大きい高周波用のコモンモードノイズフィルタ並びにチップトランスを実現することができる。
特開2000−58328号公報(段落0010〜0011) 特開2003−7538号公報(段落0019〜0020、段落0024〜0025、図3) 特開2003−8312号公報(段落0003〜0006、段落0013〜0015、図1、図2、図3) 特開2002−33216号公報(段落0008〜0010) 特許2005−306696号公報(段落0008〜0009)
携帯電話等の小型の高周波機器には、より小型化されたバラントランスが要求されると共に、バラントランスの電気的特性として、振幅バランス特性、位相バランス特性等が要求され、所望の電気的特性を満足させるためには、積層された複数のコイルによって構成されるバラントランスでは、コイル間に作用する電磁気的な結合の大きさを適切なものとすることが要求され、コイルを構成する導体の幅、厚さ及び長さ、積層されたコイル間の誘電体層の厚さ、比誘電率及び誘電正接、グランド導体(接地用導体)の配置等によって、積層されたコイル間の電磁気的結合の大きさが影響される。
従来、バラントランスを構成する場合、図16(A)に示すような回路が一般に用いられ、不平衡信号入力端子Port1をもつ不平衡線路をコイル状にし、平衡信号入力端子Port2をもつ平衡線路、平衡信号入力端子Port3をもつ平衡線路をそれぞれコイル状にして、不平衡線路のコイルと平衡線路のコイルの結合係数を大きくして平衡−不平衡変換を行う。不平衡線路は平衡線路よりも長さが長く、平衡入出力端子Port3をもつ平衡線路側では平衡入出力端子Port2をもつ平衡線路側に比べ結合係数が弱くなり、バラントランスのバランスレベルが低下するため振幅バランス特性、位相バランス特性が低下するという問題がある。
また、図15に示すように、不平衡線路を2分割した従来のバラントランスの構成では、不平衡線路と平衡線路との間に2つの共振器またはトランスがあると見なせ、2分割された不平衡線路のそれぞれを平衡線路と磁気的に結合させて、バラントランスの特性を得るが、不平衡線路が、コイルが直列に接続された1本の線路で構成されるため、2つの共振器またはトランスは物理的に距離をおいて接続されるので、不平衡信号入力端子Port1に不平衡信号を入力した場合、平衡入出力端子Port2と平衡入出力端子Port3の平衡信号出力には電気的に位相差が生じ、広帯域化することが困難であるという問題があった。
本発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、小型でしかも広帯域のバラントランス及びバラントランスの実装構造、並びに、この実装構造を内蔵した電子機器を提供することにある。
即ち、本発明は、第1層のコイル、第2層のコイル、第3層のコイル及び第4層のコイルが積層されて互いに磁気的に結合し合い、前記第1層、第2層、第3層及び第4層の各コイルの一端がそれぞれ接地され、前記第2層及び前記第3層のコイルが並列に接続されると共にその共通端子に不平衡信号が入力又は出力され、前記第1層のコイルの他端に第1の平衡信号が入力又は出力され、前記第4層のコイルの他端に第2の平衡信号が入力又は出力されるように構成されたバラントランスに係るものである。
また、本発明は、上記のバラントランスが実装基板に実装され、この実装基板に設けられた接地用配線に前記バラントランスの前記各コイルの前記一端が接続されている、バラントランスの実装構造に係るものである。
また、本発明は、上記のバラントランスの実装構造を内蔵した電子機器に係るものである。
本発明のバラントランスによれば、前記第1層〜第4層のコイルが積層されて互いに磁気的に結合し合い、前記第1層〜第4層の各コイルの一端がそれぞれ接地され、前記第2層及び前記第3層のコイルが並列に接続されると共にその共通端子に不平衡信号が入力又は出力され、前記第1層のコイルの他端に第1の平衡信号が入力又は出力され、前記第4層のコイルの他端に第2の平衡信号が入力又は出力されるように構成されているので、前記第2層及び前記第3層のコイルの共通端子に不平衡信号が入力された場合、前記第1層のコイルの他端に出力される平衡信号の位相と、前記第4層のコイルの他端に出力される平衡信号の位相との間には、ずれを生じ難くなり、バラントランスの電気的特性、特に、位相バランス特性を良好なものとすることができる。
また、本発明のバラントランスの実装構造によれば、バラントランスはその前記各コイルの前記一端が、前記実装基板に設けられた前記接地用配線に接続されるような実装構造によって、前記実装基板に実装されるので、バラントランスをより短い長さの導体によって実装基板に電気的に接続し実装することができ、浮遊容量を低減することができる。
また、本発明のバラントランスの実装構造を内蔵した電子機器によれば、バラントランスがより短い長さの導体によって実装基板に電気的に接続し実装されているので、小型化され、浮遊容量が低減され、バランス(振幅、位相)特性の良好なバラントランスを備えた電子機器を提供することができる。
本発明のバラントランスでは、前記第1層、第2層及び第3層のコイルは同一方向に巻回され、前記第4層のコイルは前記同一方向と逆方向に巻回されている構成とするのがよい。前記第1層〜第3層のコイルは同一方向に巻回され、前記第2及び第3のコイルは並列に接続されその前記共通端子に不平衡信号が入力又は出力され、前記第4層のコイルは前記同一方向と逆方向に巻回されているので、前記第2のコイル及び前記第3のコイルによって発生される磁界は強め合うため、前記第1層のコイルと前記第4層のコイルとの電磁気的な結合が強くなり、前記共通端子に不平衡信号が入力された場合、前記第1層のコイルの前記他端から出力される前記第1の平衡信号及び前記第4層のコイルの前記他端から出力される前記第2の平衡信号の出力レベルが高くなる。
前記第1層のコイルの巻回方向は前記第4層のコイルの巻回方向と逆方向であり、前記第1層のコイルと前記第4層のコイルにはそれぞれ逆方向の電流が流れ、前記第1層のコイル及び前記第4層のコイルの各コイルで発生される磁界を打ち消し合う関係にあるが、前記第1層のコイルと前記第4層のコイルとの間に、前記第2のコイル及び前記第3のコイルが配置されているので、前記第1のコイルと前記第4のコイルは物理的な距離が離れているため、上記したような、前記第1層のコイル及び前記第4層のコイルの各コイルで発生される磁界が打ち消し合う関係にあることの磁気的な影響は小さい。従って、電気的特性として、良好な振幅バランス特性及び位相バランス特性をもったバラントランスを実現することができる。
また、前記各コイルの前記一端が内側の端であり、前記各コイルの前記他端が外側の端である構成とするのがよい。前記各コイルの内側の端を前記一端としこれらを接地し、前記各コイルの外側の端を前記他端とし、並列接続された前記第2のコイル及び前記第3のコイルの外側の端を共通端子としてこれに不平衡信号を入力又は出力し、前記第1層のコイルの外側の端に第1の平衡信号を入力又は出力し、前記第4層のコイルの外側の端に第1の平衡信号を入力又は出力するので、前記各コイルの内側の端及び前記各コイルの外側の端と実装基板との間を、より短い長さの導体によって電気的に接続し、即ち、前記各コイルをより短い長さの導体によって実装基板に電気的に接続し、バラントランスを実装することができ、浮遊容量を低減することができる。
また、前記各コイルが誘電体層又は磁性体層を介して積層されており、前記各コイルの前記一端が前記誘電体層又は前記磁性体層に設けられたビアホールを介して電気的に接続されている構成とするのがよい。前記各コイルが前記誘電体層を介して積層されている場合には、比誘電率が大きく誘電正接が小さな値をもつ誘電体によって前記誘電体層を形成することによって、バラントランスの小型化を可能とすることができる。
また、前記各コイルが磁性体層を介して積層されている場合には、バラントランスの内部から外部への磁界の漏洩を低減し、バラントランスの外部から内部への磁界の侵入を低減することができ、磁気雑音を低減させることができる。
更に、前記誘電体層又は前記磁性体層に設けられたビアホールを介して、前記各コイルの前記一端(前記各コイルの内側の端)が電気的に接続されているので、前記各コイルの内側の端と実装基板との間をより短い長さの導体によって電気的に接続し、浮遊容量を低減することができる。
また、前記各コイルのうち最外側のコイルに対向又は対接して第1の磁性体層が設けられている構成とするのがよい。第1の磁性体層が前記各コイルのうち最外側のコイルに対向又は対接して設けられているので、バラントランスの内部から外部への磁界の漏洩を低減し、バラントランスの外部から内部への磁界の侵入を低減することができ、磁気雑音を低減させることができる。
また、前記第1の磁性体層と前記最外側のコイルとの間に誘電体又は磁性体層が介在している構成とするのがよい。前記誘電体層が介在されている場合には、比誘電率が大きく誘電正接が小さな値をもつ誘電体によって前記誘電体層を形成することによって、バラントランスの小型化を可能とすることができる。
また、前記磁性体層が介在されている場合には、バラントランスの内部から外部への磁界の漏洩を低減し、バラントランスの外部から内部への磁界の侵入を低減することができ、磁気雑音を低減させることができる。
また、前記各コイルのうち最内側のコイルに対向又は対接して第2の磁性体層が設けられている構成とするのがよい。第2の磁性体層が前記各コイルのうち最内側のコイルに対向又は対接して設けられているので、バラントランスの内部から外部への磁界の漏洩を低減し、バラントランスの外部から内部への磁界の侵入を低減することができ、磁気雑音を低減させることができる。
従って、バラントランスが実装基板に実装されている場合、バラントランスから実装基板への磁界の侵入、実装基板からバラントランスへの磁界の侵入を防止することができ、磁気雑音の影響を低減することができる。
また、前記第2の磁性体層の少なくとも一部が分離して形成され、この分離箇所を通して前記最内側のコイルの配線が通されている構成とするのがよい。前記最内側のコイルの配線、即ち、バラントランスが実装されるべき実装基板に対向する側に形成されたコイルの内側の端に連接する導体配線が、前記分離箇所を通して実装基板に形成された接地用配線に接続され、より短い長さの導体によってバラントランスと実装基板とが電気的に接続され、浮遊容量を低減することができる。
また、前記第2の磁性体層と前記最内側のコイルとの間に誘電体又は磁性体層が介在している構成とするのがよい。前記誘電体層が介在されている場合には、比誘電率が大きく誘電正接が小さな値をもつ誘電体によって前記誘電体層を形成することによって、バラントランスの小型化を可能とすることができる。
また、前記磁性体層が介在されている場合には、バラントランスの内部から外部への磁界の漏洩を低減し、バラントランスの外部から内部への磁界の侵入を低減することができ、磁気雑音を低減させることができる。
また、前記第1層のコイルの外周を取り囲むように形成された第1の導体層、前記第2層のコイルの外周を取り囲むように形成された第2の導体層、前記第3層のコイルの外周を取り囲むように形成された第3の導体層及び前記第4層のコイルの外周を取り囲むように形成された第4の導体層を有し、前記第1、第2、第3及び第4の導体層が接地されている構成とするのがよい。
このような構成によって、前記第1層〜第4層の各コイルはシールドされ、外来雑音から遮蔽することができ、バラントランスを安定して動作させることができる。また、前記誘電体層又は前記磁性体層に設けられたビアホールを介して、前記第1、第2、第3及び第4の導体層が電気的に接続されているので、このビアホールに連接する導体配線によって、前記第1〜第4の導体層が、バラントランスが実装されるべき実装基板に形成された前記接地用配線に接続され、より短い長さの導体によってバラントランスと実装基板とが電気的に接続され、浮遊容量を低減することができる。
また、前記第1層、第2層、第3層及び第4層のコイルを第1及び第2の組のコイルとして有し、第1組のコイルが前記第1層、第2層、第3層、第4層のコイルの順に第1の方向に積層され、第2組のコイルが前記第1層、第2層、第3層、第4層のコイルの順に前記第1の方向と反対の第2の方向に積層され、前記第1の組の前記第1層のコイルと前記第2の組の前記第1層のコイルとが対向して積層された構成とするのがよい。
前記第1及び第2の組を構成する前記第1層〜第4層の各コイルは、小さな占有面積で積層されて互いに磁気的に結合し合うので、小さな面積領域に、2つの不平衡入出力端子及び4つの平衡入出力端子をもち、2種類の信号の平衡−不平衡変化を並行して同時に行うことができる、小型の広帯域のバラントランスを構成することができる。
本発明のバラントランスの実装構造では、前記バラントランスの各コイルと前記接地用配線との間に絶縁性樹脂が充填されている構成とするのがよい。前記バラントランスの各コイルと、前記実装基板に設けられた前記接地用配線との間に、前記絶縁性樹脂を充填された構成とするので、寄生容量を低減することができ、バラントランスによる平衡出力の位相特性及び通過特性を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明による実施の形態について詳細に説明する。
本発明によるバラントランスは、積層された複数のコイルによって構成された積層型バラントランス(以下では、単に「バラントランス」という。)であり、第1〜第4のコイルが積層され互いに磁気的に結合し、第1〜第4の各コイルの一端が接地され、第2、第3のコイルが並列接続されその共通端子(第1の端子)に不平衡信号が入力又は出力され、第1のコイルの他端(第2の端子)に第1の平衡信号が入力又は出力され、第4のコイルの他端(第3の端子)に第2の平衡信号が入力又は出力される。第1〜第3の各コイルは同一方向に巻回され、第4のコイルは逆方向に巻回されている。第1〜第4の各コイルの外周は接地された第1〜第4の導体層によって取り囲まれており、外部の電磁場からシールドされている。実装基板に設けられた接地用配線に第1〜第4の各コイルの一端が接続されバラントランスが実装基板に実装される。
本発明によるバラントランスは以下に説明する構造を有している。
半導体又はセラミックを用いた薄膜プロセスによって形成された4層以上の多層基板の構造をもち、この基板の4層にそれぞれコイルが形成されており、第1配線層には第1のコイル、第2配線層には第2のコイル、第3配線層には第3のコイル、第四配線層には第4のコイルが形成さている。第1のコイル、第2のコイル、第3のコイルは同一方向に巻回され、第4のコイルは、第1のコイル、第2のコイル、第3のコイルの巻回の方向と逆方向に巻回されている。第1のコイル、第2のコイル、第3のコイル、第4のコイルのそれぞれの中心の端(内側の端)で各コイルはビアボールによって互いに電気的に接続されており、各コイルはGNDに電気的に接続された構造を有している。
第1のコイルと第4のコイルを平衡入出力用コイル、第2のコイルと第3のコイルを不平衡入出力用のコイルとして、第2のコイルと第3のコイルは電気的に並列接続されるように形成されるので、第2のコイルと第3のコイルから励起される磁界は強めあうため、平衡入出力用の第1のコイル、第4のコイルとの結合が強くなり、入出力レベルが高くなり、第1のコイルと第4のコイルは互いに電流が打ち消しあう方向に巻回されているが、第1のコイルと第4のコイルとの間に第2のコイルと第3のコイルが存在するため、第1のコイルと第4のコイルは相互に物理的な距離が離れるため、磁気的な影響を小さくしたバラントランス構造となっている。
上記した構造において、多層基板の形で形成されたバラントランスを、モジュールやマザー実装基板等に実装する場合に、モジュールやマザー実装基板等にGND接続用の導体配線を設け、銅ポストやバンプ等によってバラントランスをGNDに電気的に接続する構造を有するが、バラントランスとモジュールやマザー実装基板等の間がモールド樹脂(絶縁性樹脂)等で充填された構造を有し、銅ポストやバンプによってバラントランスがGNDに電気的に接続されるため、モジュールやマザー実装基板等の導体配線と、バラントランスの第4のコイルとの間が80μm〜150μm程度、物理的に離れる構造となっているため、寄生容量が低減され、バラントランス特性を向上させることができる構造となっている。
更に、第1のコイルの上に磁性体(フェライト)を配置するが、第1のコイルと磁性体との間が空間であるか又は絶縁性樹脂等で埋められているかは問わない。更に、第4のコイル側に磁性体を配置するが、(2)で説明した構造を実現するために、多層基板として形成されたバラントランスの導体線路がモジュールやマザー実装基板等の導体配線に干渉しないように、磁性体を2分割して、又は、「コ」の字型に形成して配置し、この磁性体の厚さを50μm〜100μ程度に抑えて実装されたバラントランス構造とする。
本発明によれば、小型でしかも広帯域のバラントランス及びバラントランスの実装構造、並びに、この実装構造を内蔵した電子機器を提供することができ、バラントランスを、平衡信号と不平衡信号を相互に変換する平衡−不平衡信号変換器や位相変換器等として使用することができ、例えば、特に、携帯電話機等の移動体通信機器に平衡−不平衡信号変換器として実装して好適に使用することができ、これら電子機器の性能を向上させることができる。
実施の形態
図1は、本発明の実施の形態における、バラントランスの構成例を説明する図であり、図1(A)は等価回路を示す図、図1(B)はバラントランスのコイルの構成例を模式的に示す斜視図である。
本実施の形態おけるバラントランス10は、図1(A)に示す等価回路によって示され、バラントランス10は、互いに磁気的に結合するように積層された、第1のコイル(第1の平衡コイル)11、第2のコイル(第1の不平衡コイル)12、第3のコイル(第2の不平衡コイル)13及び第4のコイル(第2の平衡コイル)14から構成されている。
第1のコイル11、第2のコイル12、第3のコイル13及び第4のコイル14の各コイルの一端(コイルの内側の端)はグランド(GND)に接地されている。
第1のコイル11、第2のコイル12、第3のコイル13の各コイルは同一方向に巻回され、第4のコイル14は上記の同一方向と逆方向に巻回されている。なお、第1のコイル11、第2のコイル12、第3のコイル13、第4のコイル14の各コイルを構成する導体の、幅、厚さ、間隔、巻回数は同じである。
第2のコイル12と第3のコイル13とは電気的に並列接続されており、第2のコイル12と第3のコイル13の他端(コイルの外側の端)は共通端子(第1の端子(不平衡信号入出力端子)15)に電気的に接続されており、この第1の端子15に不平衡信号が入力又は出力される。
第1のコイル11の他端(コイルの外側の端)は第2の端子(第1の平衡信号入出力端子)16に電気的に接続されており、この第2の端子16に第1の平衡信号が入力又は出力される。第4のコイル14の他端(コイルの外側の端)は第3の端子(第2の平衡信号入出力端子)17に電気的に接続されており、この第3の端子に第2の平衡信号が入力又は出力される。
第1のコイル11、第2のコイル12、第3のコイル13、第4のコイル14の外周はそれぞれ、図1には図示されていない接地された第1の導体層、第2の導体層、第3の導体層、第4の導体層によって取り囲まれている。
図1(B)に示すバラントランスのコイルの構成例では、第1のコイル11、第2のコイル12、第3のコイル13の各コイルが右巻に巻回され、第4のコイル14は左巻に巻回されており、第1のコイル11、第2のコイル12、第3のコイル13、第4のコイル14の各コイルの内側の端はグランド(GND)に共通接地されている。
バラントランスの第1の端子15に不平衡信号が入力されると、第2の端子16に第1の平衡信号が出力され、第3の端子17に第2の平衡信号が出力される。第2のコイル12と第3のコイル13とは電気的に並列接続されているので、第1の平衡信号と第2の平衡信号は180度の位相差をもった信号となる。
図1に示すように、本実施の形態よるバラントランスは、第1の不平衡コイル12と第1の平衡コイル11で構成される第1のトランスコイル、第2の不平衡コイル13と第2の平衡コイル14で構成される第2のトランスコイルの2つにより構成され、不平衡信号が第1及び第2のトランスコイルへ並列に入力される。この時、第1及び第2のトランスコイルの各コイルに伝達される信号レベルはそれぞれ1/2となるが、従来技術によるバラントランスでは、不平衡信号が2つのトランスコイルへ直列に入力されるので損失は2倍となるが、本実施の形態よるバラントランスでは従来技術の1/2となる。第1のトランスコイルと第2のトランスコイルには、それぞれ第1の平衡出力線路と第2の平衡出力線路が、電気的位相が180度反転した状態で、電気的に接続される。これにより、第1の平衡出力1と第2の平衡出力の出力位相差が180度になる。
また、第2の端子16に第1の平衡信号が入力され、第3の端子17に第2の平衡信号が入力されると、第1の端子15に不平衡信号が出力される。
バラントランスは各種の電子機器に実装されて使用され、バラントランスは電子機器を構成する実装マザー基板(又は実装基板)に電気的に接続され実装される。実装マザー基板の信号配線に第1の信号端子、第2の信号端子、第3の信号端子が設けられており、第1の信号端子、第2の信号端子、第3の信号端子はそれぞれ、第1の端子15、第2の端子16、第3の端子17に導体配線によって電気的に接続され、第1のコイル11、第2のコイル12、第3のコイル13、第4のコイル14の各コイルの内側の端は、実装マザー基板に設けられた接地用配線に導体配線によって電気的に接続され、グランド(GND)に共通接地され、バラントランスが実装基板に実装され各種の電子機器に実装される。
図2は、本発明の実施の形態における、バラントランスの層構成を説明する図であり、各層の配置例を示す斜視図である。
図3は、本発明の実施の形態における、バラントランスの構成例を説明する平面図である。図3では、図2に図示された各層の配置を示す平面図であり、図を簡明なものとするために、図2に示すフェライト21a、実装マザー基板24を省略している。
図2に示すように、本実施の形態おけるバラントランスは、上層部から下層部に向けてz方向に、フェライト21a、第1のコイル11及びGND31、第2のコイル12及びGND32(図2に図示せず。)、第3のコイル13及びGND33(図2に図示せず。)、第4のコイル14及びGND34、フェライト21b、21c及び基板配線22の順に積層されている。GND31、32、33、34は接地電極層である。
図2に示すように、第1のコイル11、第2のコイル12、第3のコイル13の各コイルは同一方向(右巻方向)に巻回され、第4のコイル14は上記の同一方向と逆方向(左巻方向)に巻回されており、各コイルを構成する導体の、幅、厚さ、間隔、巻回数は同一である。
第2のコイル12と第3のコイル13の各コイルの外側の端は、共通通配線26によって電気的に接続され共通端子である第1の端子15に電気的に接続されている。第1のコイル11の外側の端は第2の端子16に電気的に接続され、第4のコイル14の外側の端は第3の端子17に電気的に接続されている。第1の端子15、第2の端子16、第3の端子17はそれぞれ、図2に図示されていない銅ポスト、ビア等を用いてバラントランスの一部を貫通するように形成された貫通導体によって、実装マザー基板24に形成された信号入出力用の基板配線端子に電気的に接続されている。第2の端子16はy軸の負方向に配置され、第3の端子17はy軸の正方向に配置されている。
第1のコイル11、第2のコイル12、第3のコイル13、第4のコイル14の各コイルの内側の端は、銅ポスト25、ビア等によって電気的に接続され、実装マザー基板24に形成された基板配線22に電気的に接続され接地されている。
図2、図3に示すように、第1のコイル11の外周はGND31によって、第2のコイル12の外周はGND32(図2に図示せず。)によって、第3のコイル13の外周はGND33(図2に図示せず。)によって、第4のコイル14の外周はGND34によって囲まれている。接地電極層であるGND31、32、33、34は、図2に図示されていない銅ポスト、ビア等によって電気的に接続され、実装マザー基板24に形成された基板配線22に電気的に接続され接地されている。
フェライト21aは直接又は絶縁性樹脂27a(図2に図示せず。)を介して第1のコイル11に積層されている。第1のコイル11と第2のコイル12、第2のコイル12と第3のコイル13、第3のコイル13と第4のコイル14との間には、絶縁性樹脂27a(図2に図示せず。)の層が形成されている。
図2、図3に示すように、実装マザー基板24に形成された基板配線22を通すように、少なくとも一部が分離された形でフェライトの層が形成されている。例えば、「コ」の字型、又は、図2に示すように、基板配線22を挟むようにx軸を挟んで、フェライト21b、フェライト21cの層が実装マザー基板24の面に形成されている。
実装マザー基板24と第4のコイル14との間には、絶縁性樹脂27b(図2に図示せず。)の層が形成されている。フェライト21b、フェライト21cの層、基板配線22は、絶縁性樹脂27b(図2に図示せず。)の層内の一部に形成する構成としてもよい。
図4は、本発明の実施の形態における、バラントランスの構成例を説明する断面図であり、バラントランスの実装構造の例を説明する断面図であり、である。図4(A)はxz断面図、図4(B)はyz断面図である。
図4に示すように、実装マザー基板24の上に、上層部から下層部に向けて、フェライト21a、第1のコイル11、絶縁性樹脂27a、第2のコイル12、絶縁性樹脂27a、第3のコイル13、絶縁性樹脂27a、第4のコイル14、絶縁性樹脂27b、フェライト21b、21c及び基板配線22の順に積層されている。
第1のコイル11、第2のコイル12、第3のコイル13、第4のコイル14の各コイルの内側の端は、銅ポスト25によって電気的に接続され、実装マザー基板24に形成された基板配線22に電気的に接続され接地されている。
第1のコイル11の外周に形成されたGND31、第2のコイル12の外周に形成されたGND32、第3のコイル13の外周に形成されたGND33、第4のコイル14の外周に形成されたGND34は、銅ポスト29によって電気的に接続され、実装マザー基板24に形成された基板配線22に電気的に接続され接地されている。
なお、図2、図3に示した入出力端子(第2のコイル12と第3のコイル13の各コイルの外側の端が電気的に接続された第1の端子15、第1のコイル11の外側の端が電気的に接続された第2の端子16、第4のコイル14の外側の端が電気的に接続された第3の端子17)のそれぞれは、図4には図示していないが、銅ポスト、ビア等を用いてバラントランスの一部を貫通するように形成された貫通導体によって、実装マザー基板24に形成された信号入出力用の基板配線端子に電気的に接続されている。
図1〜図4によって説明したように、本実施の形態よるバラントランスを構成する複数の積層されたコイルは、上層部から下層部に向けて、第1の平衡コイル(第1のコイル)11、第1の不平衡コイル(第2のコイル)12、第2の不平衡コイル(第3のコイル)13、第2の平衡コイル(第4のコイル)14の順で積層されている。
第1の平衡コイル(第1のコイル)11、第1の不平衡コイル(第2のコイル)12、第2の不平衡コイル(第3のコイル)13、第2の平衡コイル(第4のコイル)14は、薄膜形成、リソグラフィ、CMP(化学機械研磨:Chemical Mechanical Polishing)等の半導体プロセスの薄膜技術によって形成される。バラントランスを構成する各コイルの間は、ポリイミド樹脂等の有機材料の絶縁体(絶縁性樹脂27a)によって充填さており、絶縁体の比誘電率は2〜4程度である(比誘電率は、1MHz〜10GHzにおける値である。)。
第1のコイル11、第2のコイル12、第3のコイル13、第4のコイル14の各コイルの中心又は中心からオフセットした位置でビアホールを介して相互に電気的に接続されている。更に、最上層部の第1のコイル11の上部には、直接又は数μm〜数10μmの絶縁層(絶縁性樹脂)を介して、第1のコイル11以上の面積、厚さ50μm〜100μmを有する磁性体(フェライト)21aが配置されている。
第1のコイル11、第2のコイル12、第3のコイル13、第4のコイル14の各コイルの中心部(コイルの内側の端)に形成されたランドの間は、高さ0μm〜180μmの銅ポスト25又はバンプ等によって電気的に接続されており、最下層部の第4のコイル14の内側の端に形成されたランドは、銅ポスト25又はバンプ等によって、バラントランスが実装されるマザー実装基板24に形成された線路パターン(基板配線22)に電気的に接続されている。
このようにして、第1のコイル11、第2のコイル12、第3のコイル13、第4のコイル14の各コイルの中心部(コイルの内側の端)は、マザー実装基板24に形成された基板配線22に電気的に接続されている。マザー実装基板24の基板配線22によって、各コイルの内側の端は基準GNDに電気的に接続されている。
同様にして、第1のコイル11、第2のコイル12、第3のコイル13、第4のコイル14の各コイルの外側の端も、各コイルの内側の端と同様にして、マザー実装基板24に形成された線路パターンに電気的に接続されている。
最下層部の第4のコイル14とマザー実装基板24との間には、モールド樹脂(絶縁性樹脂27b)が充填されており。更に、最下層部の第4のコイル14とマザー基板24の間には2つの磁性体(フェライト)21b、21cが配置され、図2〜図4に示すように、マザー実装基板24の基板配線22に干渉しないように、基板配線22を挟むように、2つのフェライト21b、21cは分離して配置されている。フェライト21b、21cの厚みは50μm〜100μとする。マザー実装基板24の基板配線22に干渉しないようにするために、一部が分離している「コ」の字の形状を有するフェライトを、その分離した空間に基板配線22配置する構成とすることもできる。
以下、本実施の形態おけるバラントランスを構成する各層の材質、寸法を例示する。
第1のコイル11、第2のコイル12、第3のコイル13、第4のコイル14の各コイルの導体線の層厚は15μm、導体線の幅は20μm、導体線間隔は20μmであり、Line/Spaceは20μm/20μmである。絶縁性樹脂27aの比誘電率は3.0、誘電正接は0.02である(比誘電率、誘電正接は、1MHz〜10GHzにおける値である。)。最下層部の第4のコイル14の内側の端に形成されたランドと、マザー実装基板24に形成された基板配線22を電気的に接続する銅ポスト25の高さは120μmである。
最下層部の第4のコイル14とマザー実装基板24との間に充填されている絶縁性樹脂27b(モールド樹脂)の厚みは120μm、比誘電率は4.0、誘電正接は0.05である(比誘電率、誘電正接は、1MHz〜10GHzにおける値である。)。また、マザー実装基板24はガラスエポキシ基板FR4であり、基板配線22の配線幅は100μmである。磁性体(フェライト27a、27b)の厚みは50μm〜100μmとする。
次に、本実施の形態によるバラントランスの効果について説明する。
図1〜図3に示す第1の端子(不平衡信号入出力端子)15から不平衡信号が、第2のコイル(第1の不平衡コイル)12、第3のコイル(第1の不平衡コイル)13に並列に入力される。図1〜図3に示すように、最上層部の第1のコイル(第1の平衡コイル)11と最下層部の第4のコイル(第2の平衡コイル)との間に、第1のコイル11と同一方向に巻回された第2のコイル12及び第3のコイル13が配置され、これら2つのコイルの外側の端はビアホール等で電気的に接続され第1の端子15に電気的に接続されている。第2のコイル12と第3のコイル13は同じ方向に巻回されているので、図4(b)に示すように、磁束密度が増加する。最上層部に第1の平衡コイル(第1のコイル)11、最下層部に第2の平衡コイル(第4のコイル)14をそれぞれ配置する。
第1の平衡コイル11は、第1の不平衡コイル12及び第2の不平衡コイル13と同一方向に巻回されており、第2の平衡コイル14は前記同一方向と逆方向に巻回されている。第1のコイル11、第2のコイル12、第3のコイル13、第4のコイル14の各コイルの中心部の端(内側に端)はビアホールを介して相互に電気的に接続され、更に銅ポスト25又はバンプ等でマザー実装基板24の基板配線22に電気的に接続され、基準GNDに電気的に接続されている。
以上説明したような構造をとることによって、以下の効果を奏することができる。
(1)第1及び第2の平衡コイルの間に配置された第1及び第2の不平衡コイルによって、磁束密度が増加するため、第1の平衡コイルと第2の不平衡コイルとの結合係数が増加して損失が低下する。同様に、第2の平衡コイルと第1の不平衡コイルとの結合係数も増加して損失が低下する。これらの効果によってバラントランススレベル、位相差が維持され、平衡出力レベルが向上する。即ち、不平衡信号入出力端子に不平衡信号を入力して場合、第1の平衡信号入出力端子から出力される第1の信号と第2の平衡信号入出力端子から出力される第2の信号との間における、振幅及び位相差を略同一とすることができる。
(2)第1の平衡コイルと第2の平衡コイルは逆方向に巻回されているので、磁束を打ち消してしまうが、第1の平衡コイルと第2の平衡コイルとを離すことによって2つの平衡コイル間の結合を抑えることができる。
(3)バラントランスを構成する各コイルの内側の端が基準GNDへ銅ポスト又はバンプ等により30μm〜180μmの距離でマザー実装基板に形成された基板配線によって基準GNDへ電気的に接続されるため、マザー実装基板に形成された基板配線とバラントランスを構成する各コイルとの間の寄生容量が抑制することができる。
(4)マザー実装基板とバラントランスを構成する各コイルとの間に磁性体を挟み込むことによって帯域を低域側にシフトできる。
以上説明した効果を奏することによって、広帯域なバラントランスを実現することができる。
以上説明したバラントランスの構成では、図4に示すように、上層部から下層部に向けて、フェライト21a、第1のコイル11、絶縁性樹脂27a、第2のコイル12、絶縁性樹脂27a、第3のコイル13、絶縁性樹脂27a、第4のコイル14、絶縁性樹脂27b、フェライト21b、21c及び基板配線22の順に積層されている。このように、以上説明した構成では、第1のコイル11に連接してフェライト21aが積層され、フェライト21b、21cが絶縁性樹脂27bを介して第4のコイル14が積層されている。フェライト21b、21c、基板配線22は、バラントランスの一部として構成されている。
なお、フェライト21b、21cは、バラントランスの一部として構成されてもよいし、実装マザー基板24に形成されたものであってもよい。また、基板配線22は、バラントランスを構成する各コイルの端からの導電配線と実装マザー基板24に形成されている導電線路とを電気的に接続するための配線であり、バラントランスの一部として構成されてもよいし、実装マザー基板24に形成されたものであってもよい。
次に、絶縁性樹脂を介して第1のコイルにフェライトが積層され、第4のコイルに連接してフェライトが積層されている構成について説明する。
図5は、本発明の実施の形態における、バラントランスの構成例を説明する図であり、図5(A)は各層の配置を示す斜視図、図5(B)はバラントランスのコイルの配置例を示す斜視図である。
本実施の形態おけるバラントランスは、図5(A)に示すように、互いに磁気的に結合するようにz方向に積層された、第1のコイル(第1の平衡コイル)11a、第2のコイル(第1の不平衡コイル)12a、第3のコイル(第2の不平衡コイル)13a及び第4のコイル(第2の平衡コイル)14aから構成されている。
第1のコイル11a、第2のコイル12a、第3のコイル13a及び第4のコイル14aの各コイルの一端(コイルの内側の端)はグランド(GND)に接地されている。第1のコイル11a、第2のコイル12a、第3のコイル13aの各コイルは同一方向に巻回され、第4のコイル14aは上記の同一方向と逆方向に巻回されている。
第2のコイル12aと第3のコイル13aとは電気的に並列接続されており、第2のコイル12aと第3のコイル13aの他端(コイルの外側の端)は、共通配線26aによって第1の端子(不平衡信号入出力端子)15aに電気的に接続されており、共通端子である第1の端子15aに不平衡信号が入力又は出力される。
第1のコイル11aの他端(コイルの外側の端)は第2の端子(第1の平衡信号入出力端子)16aに電気的に接続されており、この第2の端子16aに第1の平衡信号が入力又は出力される。第4のコイル14aの他端(コイルの外側の端)は第3の端子(第2の平衡信号入出力端子)17aに電気的に接続されており、この第3の端子17aに第2の平衡信号が入力又は出力される。
第1のコイル11a、第2のコイル12a、第3のコイル13a、第4のコイル14aの各コイルの外周はそれぞれ、各コイルと同一の層に形成された接地されたGND、即ち、第1の導体層31a、第2の導体層32a、第3の導体層33a、第4の導体層34aによって取り囲まれている。
図5(B)に示すように、第2の端子(第1の平衡信号入出力端子)16aはy軸の負方向に形成され、第3の端子(第2の平衡信号入出力端子)17aはy軸の正方向に形成され、第2の端子16aと第3の端子17aとの間に浮遊容量を生じることはない。
図5に示すバラントランスのコイルの構成例では、第1のコイル11a、第2のコイル12a、第3のコイル13aの各コイルが右巻に巻回され、第4のコイル14aは左巻に巻回されており、第1のコイル11a、第2のコイル12a、第3のコイル13a、第4のコイル14aの各コイルの内側の端はグランド(GND)に共通接地されている。
バラントランスの第1の端子15aに不平衡信号が入力されると、第2の端子16aに第1の平衡信号が出力され、第3の端子17aに第2の平衡信号が出力される。第2のコイル12aと第3のコイル13aとは電気的に並列接続されているので、第1の平衡信号と第2の平衡信号は180度の位相差をもった信号となる。
本実施の形態よるバラントランスは、第1の不平衡コイル12aと第1の平衡コイル11aで構成される第1のトランスコイル、第2の不平衡コイル13aと第2の平衡コイル14aで構成される第2のトランスコイルの2つにより構成され、不平衡信号が第1及び第2のトランスコイルへ並列に入力される。また、第2の端子16aに第1の平衡信号が入力され、第3の端子17aに第2の平衡信号が入力されると、第1の端子15aに不平衡信号が出力される。
バラントランスは各種の電子機器を構成する実装マザー基板(又は実装基板)24aに電気的に接続され実装される。実装マザー基板の信号配線に第1の信号端子、第2の信号端子、第3の信号端子が設けられており、第1の信号端子、第2の信号端子、第3の信号端子はそれぞれ、第1の端子15a、第2の端子16a、第3の端子17aに導体配線によって電気的に接続され、第1のコイル11a、第2のコイル12a、第3のコイル13a、第4のコイル14aの各コイルの内側の端は、実装マザー基板24aに設けられた接地用配線に導体配線(基板敗戦22a)によって電気的に接続され、グランド(GND)に共通接地され、バラントランスが実装基板に実装され各種の電子機器に実装される。
図5(A)、図5(B)に示すように、本実施の形態おけるバラントランスは、上層部から下層部に向けてz方向に、フェライト21d、第1のコイル11a及びGND31a、第2のコイル12a及びGND32a、第3のコイル13a及びGND33a、第4のコイル14a及びGND34a、フェライト21e、21f及び基板配線222の順に積層されている。GND31a、32a、33a、34aは接地電極層である。
第2のコイル12aと第3のコイル13aの各コイルの外側の端は、共通通配線26aによって電気的に接続され共通端子である第1の端子15aに電気的に接続されている。第1のコイル11aの外側の端は第2の端子16aに電気的に接続され、第4のコイル14aの外側の端は第3の端子17aに電気的に接続されている。第1の端子15a、第2の端子16a、第3の端子17aはそれぞれ、図5に図示されていない銅ポスト、ビア等を用いてバラントランスの一部を貫通するように形成された貫通導体によって、実装マザー基板24aに形成された信号入出力用の基板配線端子に電気的に接続されている。第2の端子16a、第3の端子17aはそれぞれ、y軸の正、負方向に配置されている。
第1のコイル11a、第2のコイル12a、第3のコイル13a、第4のコイル14aの各コイルの内側の端は、銅ポスト25a、ビア等によって電気的に接続され、実装マザー基板24aに形成された基板配線22aに電気的に接続され接地されている。接地電極層であるGND31、32、33、34は、図5に図示されていない銅ポスト、ビア等によって電気的に接続され、実装マザー基板24aに形成された基板配線22aに電気的に接続され接地されている。
フェライト21aは絶縁性樹脂27d(図5に図示せず。)を介して第1のコイル11aに積層されている。第1のコイル11aと第2のコイル12a、第2のコイル12aと第3のコイル13a、第3のコイル13aと第4のコイル14aとの間には、絶縁性樹脂27a(図5に図示せず。)の層が形成されている。
図5(A)に示すように、実装マザー基板24aに形成された基板配線22aを通すように、少なくとも一部が分離された形でフェライトの層が形成されている。例えば、「コ」の字型、又は、図5(A)に示すように、銅ポスト25aを挟むようにx軸を挟んで、フェライト21e、フェライト21fの層が第4のコイル14aに連接して形成されている。
実装マザー基板24aと第4のコイル14aとの間には、絶縁性樹脂27b(図5に図示せず。)の層が形成されている。フェライト21e、フェライト21fの層、基板配線22aは、絶縁性樹脂27b(図5に図示せず。)の層内の一部に形成する構成としてもよい。
図6は、本発明の実施の形態における、バラントランスの構成例を説明する各層の平面図であり、図6(A)はバラントランスの最上層を構成するフェライト27dの平面図、図6(B)は最上層のフェライト27dを除外した平面図、図6(C)は第4のコイル14aの下部に形成されるフェライト27e、27fの平面図である。
る。
図6(A)に示すフェライト27dは、1.75mm×1.75mmの面積を有し、第1のコイル11aの面積以上を有している。
図6(B)、図6(C)に示すように、第1のコイル11a、第2のコイル12a、第3のコイル13a、第4のコイル14aの各コイルの内側の端を電気的に接続する銅ポスト25aを挟むように、第4のコイル14aの下部に、0.77mm×1.75mmの面積を有するフェライト27e、27fが形成されている。
図7は、本発明の実施の形態における、バラントランスの各層のコイルを含む面の構成例を示す平面図である。
図5、図7に示すように、第1のコイル11a、第2のコイル12a、第3のコイル13aの各コイルは同一方向(右巻方向)に巻回され、第4のコイル14aは上記の同一方向と逆方向(左巻方向)に巻回されており、各コイルを構成する導体の、幅、厚さ、間隔、巻回数は同一である。
図7(A)に示すように、1mm×1mmの面積部の中心部に形成された80μmのランドを一端として、第1のコイル11aはGND31aの内側に形成され、第1のコイル11aの外周辺は、x軸の正方向で110μm、x軸の負方向で130μm、y軸の正方向で110μm、y軸の負方向で70μmだけ、GND31aの内周辺から離れて形成されている。
図7(B)に示すように、1mm×1mmの面積部の中心部に形成された80μmのランドを一端として、第2のコイル12aはGND32aの内側に形成され、第2のコイル12aの外周辺は、x軸の正方向で110μm、x軸の負方向で130μm、y軸の正方向で110μm、y軸の負方向で70μmだけ、GND32aの内周辺から離れて形成されている。
図7(C)に示すように、1mm×1mmの面積部の中心部に形成された80μmのランドを一端として、第3のコイル13aはGND33aの内側に形成され、第3のコイル13aの外周辺は、x軸の正方向で110μm、x軸の負方向で130μm、y軸の正方向で110μm、y軸の負方向で70μmだけ、GND3aの内周辺から離れて形成されている。
図7(D)に示すように、1mm×1mmの面積部の中心部に形成された140μmのランドを一端として、第4のコイル14aはGND34aの内側に形成され、第2のコイル14aの外周辺は、x軸の正方向で110μm、x軸の負方向で130μm、y軸の正方向で70μm、y軸の負方向で110μmだけ、GND34aの内周辺から離れて形成されている。
図7(E)は、第1のコイル11a、第2のコイル12a、第3のコイル13a、第4のコイル14aの各コイルの導体(導体線)幅と導体(導体線)の間隔を模式的に示す図であり、導体線の層厚は20μm、導体線の幅は20μm、導体線間隔は20μmであり、Line/Spaceは20μm/20μmである。
なお、GND31a、GND32a、GND33a、GND34aはそれぞれ、x軸に沿った長さ1.68mm、y軸に沿った長さ1.66mmの内周、導体層の厚さ20μm、導体層の幅50μm以上を有している。
図8は、本発明の実施の形態における、バラントランスの構成例を説明する断面図であり、バラントランスの実装構造の例を説明する断面図である。図8(A)はxz断面図、図8(B)はyz断面図である。
図8に示すように、実装マザー基板24aの上に、上層部から下層部に向けて、フェライト21d、絶縁性樹脂27a、第1のコイル11a、絶縁性樹脂27a、第2のコイル12a、絶縁性樹脂27a、第3のコイル13a、絶縁性樹脂27a、第4のコイル14a、フェライト21b、21c、絶縁性樹脂27b、基板配線22aの順に積層されている。
なお、フェライト21dの厚さは50μm、フェライト21dに連接する絶縁性樹脂27aの厚さは40μmであり、第1のコイル11a、絶縁性樹脂27a、第2のコイル12a、絶縁性樹脂27a、第3のコイル13a、絶縁性樹脂27a、第4のコイル14aの各層が20μmの厚さで形成され、フェライト21b、21cが50μmの厚さで形成され、基板配線22aが30μmの厚さで形成され、絶縁性樹脂27bが210μmの厚さで形成されている。
第1のコイル11a、第2のコイル12a、第3のコイル13a、第4のコイル14aの各コイルの内側の端は、銅ポスト25aによって電気的に接続され、実装マザー基板24aに形成された基板配線22aに電気的に接続され接地されている。
第1のコイル11aの外周に形成されたGND31a、第2のコイル12aの外周に形成されたGND32a、第3のコイル13aの外周に形成されたGND33a、第4のコイル14aの外周に形成されたGND34aは、銅ポスト25bによって電気的に接続され、実装マザー基板24aに形成された基板配線22aに電気的に接続され接地されている。
図5〜図8において、第1のコイル11a、第2のコイル12a、第3のコイル13a、第4のコイル14aの各コイルの導体線の層厚は20μm、導体線の幅は20μm、導体線間隔は20μmであり、Line/Spaceは20μm/20μmである。絶縁性樹脂27aの比誘電率は3.0、誘電正接(tanδ)は0.008である(比誘電率、誘電正接は、1MHz〜10GHzにおける値である。)。最下層部の第4のコイル14aの内側の端に形成されたランドと、基板配線22aを電気的に接続する銅ポスト25aの高さは210μmである。
最下層部の第4のコイル14aとマザー実装基板24a(図8に図示せず。)との間に充填されている絶縁性樹脂27b(モールド樹脂)の厚みは210μm、比誘電率は3。3、誘電正接(tanδ)は0.08である(比誘電率、誘電正接は、1MHz〜10GHzにおける値である。)。
なお、図5〜図7に示した入出力端子(第2のコイル12aと第3のコイル13aの各コイルの外側の端が電気的に接続された第1の端子15a、第1のコイル11aの外側の端が電気的に接続された第2の端子16a、第4のコイル14aの外側の端が電気的に接続された第3の端子17a)のそれぞれは、図8には図示していないが、銅ポスト、ビア等を用いてバラントランスの一部を貫通するように形成された貫通導体によって、実装マザー基板24aに形成された信号入出力用の基板配線端子に電気的に接続されている。
以上説明したバラントランスの構成では、図5〜図8に示すように、上層部から下層部に向けて、フェライト21d、第1のコイル11a、絶縁性樹脂27a、第2のコイル12a、絶縁性樹脂27a、第3のコイル13a、絶縁性樹脂27a、第4のコイル14a、フェライト21e、21f、絶縁性樹脂27b、基板配線22aの順に積層されている。
このように、以上説明した構成では、絶縁性樹脂27aを介して第1のコイル11aにフェライト21dが積層され、第4のコイル14aに連接してフェライト21e、21fが積層されている。フェライト21e、21f、基板配線22aは、バラントランスの一部として構成されている。
なお、基板配線22aは、バラントランスを構成する各コイルの内側の端からの導電配線と実装マザー基板24aに形成されている導電線路とを電気的に接続するための配線であり、バラントランスの一部として構成されてもよいし、実装マザー基板24aに形成されたものであってもよい。
図5〜図8に示す例では、一部の寸法を図示しているが、2辺をそれぞれ2mm以下とし、高さを0.4mm以下であるバラントランスを作製することができる。
図9は、本発明の実施の形態における、フェライトの周波数特性を示す図であり、図示されたフェライトの複素透磁率(μ’、μ”)の周波数特性は、カタログ(戸田工業社の製品TFG952)値である。
図9に示す周波数特性は、磁性体の効果によってバラントランスの動作周波数を低くすることができ、適用周波数帯を低くすることができることを示している。
次に、図10、図11によって、本発明の実施の形態における、バラントランスの特性例について説明する。
図10は、本発明の実施の形態における、バラントランスの特性例を説明する図である。
図11は、本発明の実施の形態における、バラントランスの特性の計算条件を説明する図である。
図10に示す結果は、図11に示す構成((A1)〜(A4)については、図5〜図9に示す構成を参照。)に基づいて、本実施の形態、従来技術の構成例について、有限要素法による3次元電磁界シミュレータ(アンソフト社のHFSS Ver10.1を使用しと。)によって得られた計算結果である。
図11、(A1)〜図11(A4)は、図7に示す平衡コイル及び不平衡コイルの平面図であり、図11(A1)は第1層コイルであり、第1の平衡コイル11a及びGND31aを示し、図11(A2)は第2層コイルであり、第1の不平衡コイル12a及びGND32aを示し、図11(A3)は第3層コイルであり、第2の不平衡コイル13a及びGND33aを示し、図11(A4)は第4層コイルであり、第2の平衡コイル114及びGND34aを示している。
本実施の形態では先に説明したように、バラントランスは、積層された第1層コイル〜第4層コイル(図11(A1)〜図11(A4))から構成されており、第1の平衡コイル11a、第1の不平衡コイル12a、第2の不平衡コイル13a、第2の平衡コイル114のそれぞれの内側端は、共通接続され基準GNDに接続されており、第1の不平衡コイル12a及び第2の不平衡コイル13aの外側端が共通接続された第1の端子15aを不平衡入出力端子とし、第2の端子16a(第1の平衡コイル11aの外側端)を第1の平衡入出力端子とし、第3の端子17a(第2の平衡コイル14aの外側端)を第2の平衡入出力端子としている。
第1の平衡コイル11a、第1の不平衡コイル12a、第2の不平衡コイル13a、第2の平衡コイル14aの内径は1mm□である。第1の平衡コイル11a、第1の不平衡コイル12a、第2の不平衡コイル13aの各コイルは同一方向に巻回されたコイルであり、第2の平衡コイル14aは上記同一方向と反対方向に巻回されたコイルである。第1の平衡コイル11a、第1の不平衡コイル12a、第2の不平衡コイル13a、第2の平衡コイル14aの各コイルを構成する導体線の幅は20μm、導体線幅は20μmであり、Line/Spaceは20μm/20μmである。
図11(B1)〜図11(B3)は、従来技術の構成例における平衡コイル及び不平衡コイルを示す平面図、図11(B4)は従来技術の構成例におけるバラントランスの等価回路を示している。
図11(B3)に示すように、第1の不平衡コイル12c、第2の不平衡コイル13c、第1の平衡コイル11c、第2の平衡コイル14の各コイルの内径は1mm□である。第1の不平衡コイル12c、第2の不平衡コイル13c、第1の平衡コイル11c、第2の平衡コイル14の各コイルは、同一方向に巻回(巻回数=15)されたコイルであり、各コイルを構成する導体線の幅は20μm、導体線幅は20μmであり、Line/Spaceは20μm/20μmである。
図11(B1)〜図11(B4)に示すコイル11c、12c、13c、14cの各コイルの巻回数は、図11(A1)〜図11(A4)に示すコイル11a、12a、13a、14aの各コイルの巻回数の2倍以上である。
従来技術の構成例では、バラントランスは、積層された第1層コイルと第2層コイルから構成されている。第1層コイルは、同一層に0.1mm離れて形成された第1の不平衡コイル12cと第2の不平衡コイル13cから構成され、第2層コイルは、同一層に0.1mm離れて形成された第1の平衡コイル11cと第2の平衡コイル14から構成されている。
図11(B1)に示すように、第1の不平衡コイル12cと第2の不平衡コイル13cは、GND32bによって囲まれた部位(面積:2.48mm×4.76mm)に設けられている。第1の不平衡コイル12cの内側端12c−2と第2の不平衡コイル13cの内側端13c−2は接続されており(図中の点線で示す。)、第2の不平衡コイル13cの外側端13c−1は基準GNDに接続されている。
図11(B2)に示すように、第1の平衡コイル11cと第2の平衡コイル14cは、GND31bによって囲まれた部位(面積:2.48mm×4.76mm)に設けられている。第1の平衡コイル11cの外側端11c−1、第2の平衡コイル14cの外側端14c−1は基準GNDに接続されている。
図11(B4)の等価回路に示すように、従来技術の構成例におけるバラントランスは、積層された第1層コイルと第2層コイルから構成されており、第1の不平衡コイル12cの外側端12c−1を不平衡信号S1aの不平衡入出力端子とし、第1の平衡コイル11cの内側端11c−2を平衡信号S2aの第1の平衡入出力端子とし、第2の平衡コイル14cの内側端14c−2を平衡信号S2bの第2の平衡入出力端子としている。
図10において、図10(A)は平衡出力の位相を示す図であり、第1の端子15aに不平衡信号を入力した場合の、第2の端子16aにおける第1の平衡出力の位相、第3の端子17aにおける第2の平衡出力の位相を示し、図10(B)は通過特性を示す図であり、実線は本実施の形態における通過特性、点線は従来技術の構成例における通過特性を示している。
図10(A)から明らかなように、第1の端子(不平衡信号入出力端子)15aに不平衡信号を入力させた場合、第2の端子(第1の平衡信号入出力端子)16aからの出力信号と第3の端子(第2の平衡信号入出力端子)17aからの出力信号との位相差が180度となっていることがわかり、また、図10(B)に示す実線から明らかなように、挿入損失は、50MHz〜500MHzにわたって−2dB以下であり、バラントランスとして良好な特性が得られている。
図10(B)に示す実線と点線との比較から、コイルサイズ(巻回数)を大きくしている従来技術の構成例における通過特性(点線で示す。)では、本実施の形態に比べて低周波数帯での通過特性の低下が大きいことが明らかであり、従来技術の構成例では低周波数域側をカバーすることができない。本実施の形態における通過特性(実線で示す。)は良好であり、低周波数域側をカバーすることができる。
図12は、本発明の実施の形態における、バラントランスの構成の変形例を説明する図であり、図12(A)は等価回路を示す図、図12(B)はバラントランスのコイルの構成例を示す斜視図である。
図12に示すように、本実施の形態におけるバラントランスは、図1に示すバラントランスを構成するコイルと同様の構成を有する第1組のコイルと第2組のコイルとを有している。
第1組のコイルは、上層部から下層部に向けて配置された、第1のコイル(第1の平衡コイル)11a、第2のコイル(第1の不平衡コイル)12a、第3のコイル(第2の不平衡コイル)13a、第4のコイル(第2の平衡コイル)14aを有し、第1の端子(不平衡信号入出力端子)15a、第2の端子(第1の平衡信号入出力端子)16a、第3の端子(第2の平衡信号入出力端子)17aを有している。
第2組のコイルは、下層部から上層部に向けて配置された、第1のコイル(第1の平衡コイル)11b、第2のコイル(第1の不平衡コイル)12b、第3のコイル(第2の不平衡コイル)13b、第4のコイル(第2の平衡コイル)14bを有し、第1の端子(不平衡信号入出力端子)15b、第2の端子(第1の平衡信号入出力端子)16b、第3の端子(第2の平衡信号入出力端子)17bを有している。
第1の組の第1のコイル11aと第2の組の第1のコイル11bとが対向して積層されている。
図13は、本発明の実施の形態における、バラントランスの変形例におけるコイルの配置例を示す斜視図である。
図13に示す簡略化図示及び斜視図のように、第1のコイル11a、11b、第2のコイル12a、12b、第3のコイル13a、13b、第4のコイル14a、14bの各コイルの内側の端は、電気的に共通接続されており、実装マザー基板に形成された基板配線に電気的に接続され基準GNDに電気的に接続されること、図13に図示されないが、各コイルがGND(接地電極層)に取り囲まれて配置されていること等は、先述した実施の形態と同じである。また、第2の端子16a、16bはy軸の負方向、第3の端子17a、17bはy軸の正方向に配置されている。第2の端子16aと第3の端子17aとの間、及び、第2の端子16bと第3の端子17bとの間に浮遊容量を生じることはない。
図12、図13に示すバラントランスの構成の変形例によれば、バラントランスのコイルを形成する2つの不平衡信号入出力端子と、4つの平衡信号入出力端子とを有しており、2つの不平衡信号を入力して、4つの平衡信号を出力する信号処理、又は、逆の信号処理を実行することができ、平衡―不平衡信号変換処理を同時に並行して実行することができる。
例えば、上記の第1組及び第2のコイルによって、平衡信号を不平衡信号に変換すること、上記の第1組のコイルによって、平衡信号を不平衡信号に変換し、上記の第2組のコイルによって、不平衡信号を平衡信号に変換すること等のように、並行した信号処理を実行することができる。
上記の変形例では、バラントランスのコイルを形成する領域の厚さが増大するものの、バラントランスのコイルを形成する領域の面積を増大させることなく、バラントランスを形成することができ、平衡―不平衡信号変換を並行して実行することができる。
図14は、本発明の実施の形態における、バラントランスの実装構造が内蔵された電子機器の例を示し、バラントランスが実装された電子機器の例を説明する図である。
先述した実施の形態によるバラントランスは、各種の電子機器に実装することができ、図14に示すように、不平衡信号を出力する回路36の出力信号を、バラントランスの第1の端子(不平衡信号入出力端子)15に入力して、バラントランスによって変換され生成された平衡信号を、第2の端子(第1の平衡信号入出力端子)16、第3の端子(第2の平衡信号入出力端子)17から、平衡信号が入力される回路38に出力して、この回路38において所望の信号処理を実行することができる。
また、逆に、回路38から出力される平衡信号をバラントランスの第2の端子16、第3の端子17に出力し、バラントランスによって変換され生成された不平衡信号を第1の端子15から、回路36に出力して、この回路36において所望の信号処理を実行することもできる。
以上説明したように、本発明によるバラントランスは、薄膜プロセスを用いて形成された4層以上の薄膜層を有する半導体若しくはセラミック基板等として製作することができ、各薄膜層にはコイルが形成されており、上層部側から第1層から第3層目までに形成されたコイルは同一方向に巻回されており、第4層目のコイルは前記同一方向と逆方向に巻回されている。第1層目から第4層目の各コイルの中心の端(内側の端)はビアホール又はスルーホールで接続され、最下層部の第4層目の内側に形成された実装用のランドは、バラントランスが実装されるプリント基板(実装基板)等に形成された導体配線に電気的に接続され、基準となるGNDに電気的に接地配線される。
第1層目のコイルの上部に第1層目のコイルのサイズよりも大きい(例えば、第1層目のコイルよりも100μm程度大きい)サイズのフェライトを実装して、更に最下層部の第4層目のコイルにもフェライトを実装するが、GND用の配線を干渉しないように、このフェライトは少なくとも一部が分離された形状で、例えば、2つに分かれて形成されている。
バラントランスのコイルを積層する積層方法は、差動入出力側のコイル(即ち、第1の平衡コイル、第2の平衡コイル)の一方を最上層部に、他方を最下層部に形成し、シングル入出力側のコイル(即ち、第1の不平衡コイル、第2の不平衡コイル)を、差動入出力側のコイルの間に形成する。
即ち、最上層部から最下層部に向けて、第1の平衡コイル、第1の不平衡コイル、第2の不平衡コイル、第2の平衡コイルの順に、又は、第2の平衡コイル、第2の不平衡コイル、第1の不平衡コイル、第1の平衡コイルの順に積層され、第1の不平衡コイルと第2の不平衡コイルとが電気的に並列接続されるように形成される。
このような構成によってシングル入出力側のインダクタンスは強め合うので差動入出力側のコイルの結合度が高くなる。
以上説明したように本発明により、小型で広帯域のバラントランスを構成することができ、これにより、従来、帯域所望毎にバラントランスを必要としていたが、広帯域化が可能であるため、部品点数を削減できるため、コスト削減に貢献することが可能となり、各種の電子機器を低コストで製作することができる。また、バラントランスを構成する各層を、電子機器を構成する基板(高周波回路等が形成されている。)の内部又は表面に順次形成して、バラントランスを電子機器に内蔵して実装する構成とすることもできる。
なお、バラントランスを構成する各層は、多層配線構造を有する半導体デバイスや部品の製造に従来使用されている各種の技術によって形成することができ、使用される周波数又は周波数帯域に応じて、適切な導電体材料や誘電体材料を使用して、好適な特性を有するバラントランスを製造することができる。
以上、本発明を実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形や改良等が可能である。例えば、バラントランスの誘電体層を構成する絶縁性樹脂はその比誘電率、誘電正接に基づいて、誘電体材料が選択され、使用される周波数又は周波数帯域、目的とする用途に合致するように、その目的を達成できるように必要に応じて任意に適切に設定することができる。バラントランスの各コイルを構成する導体の長さ、幅、厚さについても、同様に、使用される周波数又は周波数帯域、目的とする用途に合致するように、その目的を達成できるように必要に応じて任意に適切に設定することができる。
以上説明したように、本発明によれば、平衡信号と不平衡信号を相互に変換する平衡−不平衡信号変換器や位相変換器として、特に、好適に携帯電話機等の移動体通信機器に使用することができる、小型で広帯域のバラントランス及びバラントランスの実装構造、並びに、この実装構造を内蔵した電子機器を提供することができる。
本発明の実施の形態における、バラントランスの構成例を説明する図であり、(A)は等価回路を示す図、(B)はバラントランスのコイルの構成例を示す斜視図である。 同上、バラントランスの層構成を説明する図であり、各層の配置例を示す斜視図である。 同上、バラントランスの構成例を説明する平面図である。 同上、バラントランスの構成例、バラントランスの実装構造の例を説明する断面図であり、(A)はxz断面図、(B)はyz断面図である。 同上、バラントランスの構成例を説明する図であり、(A)は各層の配置を示す斜視図、(B)はバラントランスのコイルの配置例を示す斜視図である。 同上、バラントランスの構成例を説明する各層の平面図である。 同上、バラントランスの各層のコイルを含む面の構成例を示す平面図である。 同上、バラントランスの構成例、バラントランスの実装構造の例を説明する断面図であり、(A)はxz断面図、(B)はyz断面図である。 同上、フェライトの周波数特性を示す図である。 同上、バラントランスの特性を説明する平面図であり、(A)は平衡出力の位相を示す図、(B)は通過特性を示す図である。 同上、バラントランスの特性の計算条件を説明する図である。 同上、バラントランスの構成の変形例を説明する図であり、(A)は等価回路を示す図、(B)はバラントランスのコイルの構成例を示す斜視図である。 同上、バラントランスの変形例におけるコイルの配置例を示す斜視図である。 同上、バラントランスの実装構造が内蔵された電子機器の例を示し、バラントランスが実装された電子機器の例を説明する図である。 従来技術における、バラントランスの電気価回路を示す図である。 同上、バラントランスの例を示す回路図である。
符号の説明
10…バラントランス、11、11a、11b、11c…第1のコイル、
12、12a、12b、12c…第2のコイル、22、22a…基板配線、
13、13a、13b、13c…第3のコイル、15、15a、15b…第1の端子、
14、14a、14b、14c…第4のコイル、16、16a、16b…第2の端子、
11c−1、12c−1、13c−1、14c−1…外側端、26、26a…共通配線、
11c−2、12c−2、13c−2、14c−2…内側端、
17、17a、17b…第3の端子、24、24a…実装マザー基板、
21a、21b、21c、21d、21e、21f…フェライト、
27a、27b…絶縁性樹脂、25、25a、25b、29…銅ポスト、
31、31a、31b、32、32a、32b、33、33a、34、34a…GND、
36…不平衡信号を出力する回路、38…平衡信号が入力される回路

Claims (14)

  1. 第1層のコイル、第2層のコイル、第3層のコイル及び第4層のコイルが積層されて互いに磁気的に結合し合い、
    前記第1層、第2層、第3層及び第4層の各コイルの一端がそれぞれ接地され、
    前記第2層及び前記第3層のコイルが並列に接続されると共にその共通端子に不平衡信号が入力又は出力され、
    前記第1層のコイルの他端に第1の平衡信号が入力又は出力され、
    前記第4層のコイルの他端に第2の平衡信号が入力又は出力される
    ように構成されたバラントランス。
  2. 前記第1層、第2層及び第3層のコイルは同一方向に巻回され、前記第4層のコイルは前記同一方向と逆方向に巻回されている、請求項1に記載のバラントランス。
  3. 前記各コイルの前記一端が内側の端であり、前記各コイルの前記他端が外側の端である、請求項1に記載のバラントランス。
  4. 前記各コイルが誘電体層又は磁性体層を介して積層されており、前記各コイルの前記一端が前記誘電体層又は前記磁性体層に設けられたビアホールを介して電気的に接続されている、請求項3に記載のバラントランス。
  5. 前記各コイルのうち最外側のコイルに対向又は対接して第1の磁性体層が設けられている、請求項1に記載のバラントランス。
  6. 前記第1の磁性体層と前記最外側のコイルとの間に誘電体又は磁性体層が介在している、請求項5に記載のバラントランス。
  7. 前記各コイルのうち最内側のコイルに対向又は対接して第2の磁性体層が設けられている、請求項1に記載のバラントランス。
  8. 前記第2の磁性体層の少なくとも一部が分離して形成され、この分離箇所を通して前記最内側のコイルの配線が通されている、請求項7に記載のバラントランス。
  9. 前記第2の磁性体層と前記最内側のコイルとの間に誘電体又は磁性体層が介在している、請求項7に記載のバラントランス。
  10. 前記第1層のコイルの外周を取囲むように形成された第1の導体層、前記第2層のコイルの外周を取囲むように形成された第2の導体層、前記第3層のコイルの外周を取囲むように形成された第3の導体層及び前記第4層のコイルの外周を取囲むように形成された第4の導体層を有し、前記第1、第2、第3及び第4の導体層が接地されている、請求項1に記載のバラントランス。
  11. 前記第1層、第2層、第3層及び第4層のコイルを第1及び第2の組のコイルとして有し、第1組のコイルが前記第1層、第2層、第3層、第4層のコイルの順に第1の方向に積層され、第2組のコイルが前記第1層、第2層、第3層、第4層のコイルの順に前記第1の方向と反対の第2の方向に積層され、前記第1の組の前記第1層のコイルと前記第2の組の前記第1層のコイルとが対向して積層された、請求項1に記載のバラントランス。
  12. 請求項1から請求項11に記載の何れか1項に記載のバラントランスが実装基板に実装され、この実装基板に設けられた接地用配線に前記バラントランスの前記各コイルの前記一端が接続されている、バラントランスの実装構造。
  13. 前記バラントランスの各コイルと前記接地用配線との間に絶縁性樹脂が充填されている、請求項12に記載のバラントランスの実装構造。
  14. 請求項12又は13の何れか1項に記載のバラントランスの実装構造を内蔵した電子機器。
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