WO2014181755A1 - 電子部品 - Google Patents

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WO2014181755A1
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薫 立花
大喜 橋本
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01FMAGNETS; INDUCTANCES; TRANSFORMERS; SELECTION OF MATERIALS FOR THEIR MAGNETIC PROPERTIES
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    • H01F27/2804Printed windings
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    • H01F27/2804Printed windings
    • H01F2027/2809Printed windings on stacked layers

Definitions

  • the coil conductors 18a to 18d configured as described above overlap each other to form a rectangular track R along the outer edges of the insulating layers 16a to 16j when viewed in plan from above, as shown in FIG. is doing.
  • the upstream end of the coil conductors 18a to 18d in the counterclockwise direction is referred to as an upstream end
  • the downstream end is referred to as a downstream end.
  • the ceramic green sheets to be the insulator layers 16a to 16j are arranged in this order and laminated and pressure-bonded.
  • the ceramic green sheets to be the ceramic green sheets to be the insulator layers 16a to 16j are laminated and pressure-bonded one by one and temporarily pressed, and then the unfired mother laminate is pressed by a hydrostatic press or the like. Perform final crimping. Thereby, an unfired mother laminated body is obtained.
  • the conductor widths of the portions corresponding to the left half of the short side on the front side of the track R and the right half of the short side on the back side of the track R in the coil conductors 18a to 18d are as shown in FIG.
  • the coil conductors 18a to 18d and the parallel conductors 20a to 20c are thicker than the conductor width of the remaining portion of the track R.
  • the parallel conductors 20a to 20c may not be connected to the coil conductors 18a to 18c, respectively.
  • the parallel conductors 20a to 20c may not be connected to the coil conductors 18a to 18c.
  • the coil conductor and the parallel conductor are connected in parallel by forming a via-hole conductor that penetrates through each of the insulator layers 16d to 16f.
  • L coil R track v1 to v3, v11 to v13, v21, v22 via-hole conductor 10a to 10c electronic component 12 laminate 16a to 16j insulator layer 18a to 18d coil conductor 20, 20a to 20c parallel conductor

Abstract

 直流抵抗の低減を図りつつ、積層方向の高さを低減できる電子部品を提供することである。 絶縁体層16が積層されてなる積層体12と、絶縁体層16に設けられているコイル導体18が絶縁体層16を積層方向に貫通するビアホール導体v1~v3により接続されてなる螺旋状のコイルLと、コイル導体18が設けられている絶縁体層16に設けられ、かつ、絶縁体層16を積層方向に貫通するビアホール導体v1~v3,v11~v13を介してコイル導体18に並列接続されている並列導体20と、を備え、コイル導体18における並列導体20が並列接続されていない部分の少なくとも一部の導体幅は、コイル導体18における並列導体20が並列接続されている部分であって、かつ、ビアホール導体v1~v3,v11~v13が接続されている部分を除く部分の導体幅よりも太いこと、を特徴とする電子部品10。

Description

電子部品
 本発明は、電子部品に関し、より特定的には、絶縁体層が積層されてなる積層体を備える電子部品に関する。
 従来の電子部品に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の積層チップインダクタが知られている。該積層チップインダクタでは、コイルは、複数のコイル用パターンが接続されることにより螺旋状をなしている。また、同じ形状を有するコイル用パターンが2つずつ設けられ、互いに並列に接続されている。これにより、特許文献1に記載の積層チップインダクタでは、コイルの直流抵抗の低減が図られている。
 ところで、特許文献1に記載の積層チップインダクタでは、同じ形状を有するコイル用パターンが2つずつ並列に接続されている。そのため、コイルの直流抵抗の低減を図ることができるものの、絶縁体層の積層数が多くなり、積層チップインダクタの積層方向の高さが高くなってしまう。
特開2001-358016号公報
 そこで、本発明の目的は、直流抵抗の低減を図りつつ、積層方向の高さを低減できる電子部品を提供することである。
 本発明の一形態に係る電子部品は、複数の絶縁体層が積層されてなる積層体と、前記絶縁体層に設けられている複数のコイル導体、及び、該複数のコイル導体を接続し、かつ、前記絶縁体層を積層方向に貫通する第1のビアホール導体を含む螺旋状のコイルと、前記コイル導体が設けられている前記絶縁体層に設けられている並列導体と、前記コイル導体に対して、該コイル導体が設けられている前記絶縁体層とは異なる絶縁体層に設けられている前記並列導体を並列接続させ、かつ、前記絶縁体層を積層方向に貫通する第2のビアホール導体と、を備えており、前記コイル導体における前記並列導体が並列接続されていない部分の少なくとも一部の導体幅は、該コイル導体における該並列導体が並列接続されている部分であって、かつ、前記第2のビアホール導体が接続されている部分を除く部分の導体幅よりも太いこと、を特徴とする。
 本発明によれば、直流抵抗の低減を図りつつ、積層方向の高さを低減できる。
一実施形態に係る電子部品の外観斜視図である。 電子部品の積層体の分解斜視図である。 コイル導体及び並列導体を重ねて平面視した図である。 比較例に係る電子部品の積層体の分解斜視図である。 第1の変形例に係る電子部品の積層体の分解斜視図である。 コイル導体及び並列導体を重ねて平面視した図である。 第2の変形例に係る電子部品の積層体の分解斜視図である。
 以下に、本発明の実施形態に係る電子部品について説明する。
(電子部品の構成)
 以下に、本発明の一実施形態に係る電子部品の構成について図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態に係る電子部品10aの外観斜視図である。図2は、電子部品10aの積層体12の分解斜視図である。図3は、コイル導体18a~18d及び並列導体20a~20cを重ねて平面視した図である。以下では、電子部品10aの積層方向を上下方向と定義し、上側から電子部品10aを平面視したときに長辺が延在している方向を前後方向と定義し、上側から電子部品10aを平面視したときに短辺が延在している方向を左右方向と定義する。
 電子部品10aは、図1及び図2に示すように、積層体12、外部電極14a,14b、並列導体20a~20c、ビアホール導体v11~v13及びコイルLを備えている。
 積層体12は、直方体状をなしており、絶縁体層16a~16jが上側から下側へとこの順に積層されて構成されている。絶縁体層16a~16jは、図2に示すように、長方形状をなしており、例えば、Ni-Cu-Zn系フェライトからなる磁性体材料により作製されている。以下では、絶縁体層16a~16jの上側の面を表面と呼び、絶縁体層16a~16jの下側の面を裏面と呼ぶ。
 コイルLは、コイル導体18a~18d、引き出し導体22a,22b及びビアホール導体v1~v3を含んでいる。コイル導体18a~18d、引き出し導体22a,22b及びビアホール導体v1~v3は、例えば、Agを主成分とする導電性材料により作製されている。
 コイル導体18aは、絶縁体層16dの表面上に設けられており、反時計回りに周回する線状導体である。コイル導体18aは、1/2周分の長さを有しており、絶縁体層16dの左側の長辺及び前側の短辺の長辺に沿って設けられている。
 コイル導体18bは、絶縁体層16eの表面上に設けられており、反時計回りに周回する線状導体である。コイル導体18bは、1/2周分の長さを有しており、絶縁体層16eの右側の長辺及び後ろ側の短辺に沿って設けられている。
 コイル導体18cは、絶縁体層16fの表面上に設けられており、反時計回りに周回する線状導体である。コイル導体18cは、1/2周分の長さを有しており、絶縁体層16fの左側の長辺及び前側の短辺の長辺に沿って設けられている。
 コイル導体18dは、絶縁体層16gの表面上に設けられており、反時計回りに周回する線状導体である。コイル導体18dは、3/4周分の長さを有しており、絶縁体層16gの右側の長辺、後ろ側の短辺及び左側の長辺に沿って設けられている。
 以上のように構成されたコイル導体18a~18dは、上側から平面視したときに、図3に示すように、互いに重なり合って絶縁体層16a~16jの外縁に沿った長方形状の軌道Rを形成している。以下では、コイル導体18a~18dの反時計回り方向の上流側の端部を上流端と呼び、下流側の端部を下流端と呼ぶ。
 ビアホール導体v1は、絶縁体層16dを上下方向に貫通しており、コイル導体18aの下流端とコイル導体18bの上流端とを接続している。ビアホール導体v2は、絶縁体層16eを上下方向に貫通しており、コイル導体18bの下流端とコイル導体18cの上流端とを接続している。ビアホール導体v3は、絶縁体層16fを上下方向に貫通しており、コイル導体18cの下流端とコイル導体18dの上流端とを接続している。これにより、コイルLは、反時計回りに周回しながら下側に向かって進行する螺旋状をなしている。
 並列導体20aは、コイル導体18aが設けられている絶縁体層16dの表面上に設けられており、絶縁体層16dの右側の長辺に沿って延在する線状導体である。また、並列導体20aは、コイル導体18aの下流端に接続されている。すなわち、同一の絶縁体層16dの表面上に設けられているコイル導体18aと並列導体20aとは接続されている。また、並列導体20aは、上側から平面視したときに、コイル導体18bにおいて絶縁体層16eの右側の長辺に沿って延在している部分と重なっている。
 並列導体20bは、コイル導体18bが設けられている絶縁体層16eの表面上に設けられており、絶縁体層16eの左側の長辺に沿って延在する線状導体である。また、並列導体20bは、コイル導体18bの下流端に接続されている。すなわち、同一の絶縁体層16eの表面上に設けられているコイル導体18bと並列導体20bとは接続されている。並列導体20bは、上側から平面視したときに、コイル導体18cにおいて絶縁体層16fの左側の長辺に沿って延在している部分と重なっている。
 並列導体20cは、コイル導体18cが設けられている絶縁体層16fの表面上に設けられており、絶縁体層16fの右側の長辺に沿って延在する線状導体である。また、並列導体20cは、コイル導体18cの下流端に接続されている。すなわち、同一の絶縁体層16fの表面上に設けられているコイル導体18cと並列導体20cとは接続されている。並列導体20cは、上側から平面視したときに、コイル導体18dにおいて絶縁体層16gの右側の長辺に沿って延在している部分と重なっている。
 ビアホール導体v11は、絶縁体層16dを上下方向に貫通しており、並列導体20aの後ろ側の端部とコイル導体18bの右後ろ側の角とを接続している。これにより、並列導体20aは、並列導体20aが設けられている絶縁体層16dとは異なる絶縁体層16eの表面に設けられているコイル導体18bに対してビアホール導体v1,v11を介して並列接続されている。並列導体20aは、コイル導体18bにおける軌道Rの右側の長辺に相当する部分に並列接続されている。
 ビアホール導体v12は、絶縁体層16eを上下方向に貫通しており、並列導体20bの前側の端部とコイル導体18cの左前側の角とを接続している。これにより、並列導体20bは、並列導体20bが設けられている絶縁体層16eとは異なる絶縁体層16fの表面に設けられているコイル導体18cに対してビアホール導体v2,v12を介して並列接続されている。並列導体20bは、コイル導体18cにおける軌道Rの左側の長辺に相当する部分に並列接続されている。
 ビアホール導体v13は、絶縁体層16fを上下方向に貫通しており、並列導体20cの後ろ側の端部とコイル導体18dの右後ろ側の角とを接続している。これにより、並列導体20cは、並列導体20cが設けられている絶縁体層16fとは異なる絶縁体層16gの表面に設けられているコイル導体18dに対してビアホール導体v3,v13を介して並列接続されている。並列導体20cは、コイル導体18dにおける軌道Rの右側の長辺に相当する部分に並列接続されている。
 また、コイル導体18b~18dにおける並列導体20a~20cが並列接続されていない部分の導体幅W1は、コイル導体18b~18dにおける並列導体20a~20cが並列接続されている部分の導体幅W2よりも太い。より詳細には、並列導体20aは、コイル導体18bにおいて絶縁体層16eの右側の長辺に沿って延在している部分に対して並列接続されている。よって、コイル導体18bにおいて絶縁体層16eの後ろ側の短辺に沿って延在している部分の導体幅W1は、コイル導体18bにおいて絶縁体層16eの右側の長辺に沿って延在している部分の導体幅W2よりも太い。更に、並列導体20aの導体幅W3は、コイル導体18bにおいて絶縁体層16eの後ろ側の短辺に沿って延在している部分の導体幅W1よりも細く、コイル導体18bにおいて絶縁体層16eの右側の長辺に沿って延在している部分の導体幅W2と等しい。
 並列導体20bは、コイル導体18cにおいて絶縁体層16fの左側の長辺に沿って延在している部分に対して並列接続されている。よって、コイル導体18cにおいて絶縁体層16fの前側の短辺に沿って延在している部分の導体幅W1は、コイル導体18cにおいて絶縁体層16fの左側の長辺に沿って延在している部分の導体幅W2よりも太い。更に、並列導体20bの導体幅W3は、コイル導体18cにおいて絶縁体層16fの前側の短辺に沿って延在している部分の導体幅W1よりも細く、コイル導体18cにおいて絶縁体層16fの左側の長辺に沿って延在している部分の導体幅W2と等しい。
 並列導体20cは、コイル導体18dにおいて絶縁体層16gの右側の長辺に沿って延在している部分に対して並列接続されている。よって、コイル導体18dにおいて絶縁体層16gの後ろ側の短辺に沿って延在している部分の導体幅W1は、コイル導体18dにおいて絶縁体層16gの右側の長辺に沿って延在している部分の導体幅W2よりも太い。更に、並列導体20cの導体幅W3は、コイル導体18dにおいて絶縁体層16gの後ろ側の短辺に沿って延在している部分の導体幅W1よりも細く、コイル導体18dにおいて絶縁体層16gの右側の長辺に沿って延在している部分の導体幅W2と等しい。
 また、コイル導体18aにおいて絶縁体層16dの前側の短辺に沿って延在している部分の導体幅は、導体幅W1と等しい。コイル導体18aにおいて絶縁体層16dの左側の短辺に沿って延在している部分の導体幅は、導体幅W2と等しい。これにより、コイル導体18a~18dにおける軌道Rの短辺に相当する部分の導体幅は、図3に示すように、コイル導体18a~18d及び並列導体20a~20cにおける軌道Rの長辺に相当する部分の導体幅よりも太くなっている。
 但し、必ずしも、並列導体20a~20cの導体幅W3は、コイル導体18b~18dにおける並列導体20a~20cが並列接続されている部分の導体幅W2と等しくなくてもよい。
 引き出し導体22aは、絶縁体層16dの表面上に設けられており、コイル導体18aの上流端に接続されている。また、引き出し導体22aは、絶縁体層16dの後ろ側の短辺に引き出されている。引き出し導体22bは、絶縁体層16gの表面上に設けられており、コイル導体18dの下流端に接続されている。また、引き出し導体22bは、絶縁体層16gの前側の短辺に引き出されている。
 外部電極14aは、積層体12の後ろ側の端面を覆っていると共に、該端面に隣接する4つの面に折り返されている。これにより、外部電極14aは、引き出し導体22aと接続されている。
 外部電極14bは、積層体12の前側の端面を覆っていると共に、該端面に隣接する4つの面に折り返されている。これにより、外部電極14bは、引き出し導体22bと接続されている。
(電子部品の製造方法)
 以上のように構成された電子部品10aの製造方法について図面を参照しながら説明する。
 まず、図2に示す絶縁体層16a~16jとなるべきセラミックグリーンシートを形成する。具体的には、酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)及び酸化銅(CuO)及び酸化ニッケル(NiO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、フェライトセラミック粉末を得る。
 このフェライトセラミック粉末に対して結合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、キャリアシート上にシート状に形成して乾燥させ、絶縁体層16a~16jとなるべきセラミックグリーンシートを作製する。
 次に、絶縁体層16d~16fとなるべきセラミックグリーンシートのそれぞれに、ビアホール導体v1~v3,v11~v13を形成する。具体的には、絶縁体層16d~16fとなるべきセラミックグリーンシートにレーザビームを照射してビアホールを形成する。次に、このビアホールに対して、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などの導電性ペーストを印刷塗布などの方法により充填する。
 次に、絶縁体層16d~16gとなるべきセラミックグリーンシート上にコイル導体18a~18d、並列導体20a~20c及び引き出し導体22a,22bを形成する。具体的には、絶縁体層16d~16gとなるべきセラミックグリーンシート上に、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布することにより、コイル導体18a~18d、並列導体20a~20c及び引き出し導体22a,22bを形成する。なお、コイル導体18a~18d、並列導体20a~20c及び引き出し導体22a,22bを形成する工程とビアホールに対して導電性ペーストを充填する工程とは、同じ工程において行われてもよい。
 次に、図2に示すように、絶縁体層16a~16jとなるべきセラミックグリーンシートをこの順に並べて積層・圧着する。絶縁体層16a~16jとなるべきセラミックグリーンシートとなるべきセラミックグリーンシートの積層・圧着は、1枚ずつ積層して仮圧着した後、未焼成のマザー積層体を静水圧プレスなどにより加圧して本圧着を行う。これにより、未焼成のマザー積層体を得る。
 次に、マザー積層体をカット刃により所定寸法の積層体12にカットする。これにより未焼成の積層体12が得られる。この未焼成の積層体12に脱バインダー処理及び焼成を行う。脱バインダー処理は、例えば、低酸素雰囲気中において500℃で2時間の条件で行われる。焼成は、例えば、870℃~900℃で2.5時間の条件で行われる。
 次に、積層体12にバレル加工を施して、面取りを行う。その後、積層体12の表面に、例えば、浸漬法等の方法により主成分が銀である電極ペーストを塗布及び焼き付けすることにより、外部電極14a,14bとなるべき銀電極を形成する。銀電極の焼き付けは、800℃で1時間行われる。
 最後に、銀電極の表面に、Niめっき及びSnめっきを施すことにより、外部電極14a,14bを形成する。以上の工程を経て、図1に示すような電子部品10aが完成する。
(効果)
 本実施形態に係る電子部品10aによれば、電子部品10aの上下方向の高さを低減できる。より詳細には、並列導体20a~20cは、コイル導体18a~18cが設けられている絶縁体層16d~16fに設けられている。そのため、電子部品10aでは、並列導体20a~20cを設けるために新たな絶縁体層を追加する必要がない。その結果、電子部品10aの上下方向の高さが低減される。
 更に、電子部品10aによれば、コイルLの直流抵抗の低減を図ることができる。より詳細には、電子部品10aでは、並列導体20a~20cは、絶縁体層16e~16gを上下方向に貫通するビアホール導体v1~v3,v11~v13を介してコイル導体18b~18dに並列接続されている。これにより、コイル導体18b~18dにおける並列導体20a~20cが並列接続されている部分では、電流経路が2本になるので、かかる部分における直流抵抗が低減される。また、コイル導体18b~18dにおける並列導体20a~20cが並列接続されていない部分の導体幅W1は、コイル導体18b~18dにおける並列導体20a~20cが並列接続されている部分の導体幅W2よりも太い。これにより、コイル導体18b~18dにおける並列導体20a~20cが並列接続されていない部分の直流抵抗が低減される。そのため、コイルLの直流抵抗の低減が図られている。以上のように、電子部品10aでは、コイルLの直流抵抗の低減を図りつつ、電子部品10aの上下方向の高さを低減できる。
 また、電子部品10aでは、コイルLの直流抵抗の低減を図りつつ、コイルLの内径が小さくなることを低減できる。より詳細には、電子部品において、コイルの直流抵抗を低減するためには、例えば、コイル導体の導体幅を太くすればよい。この場合には、コイルの内径が小さくなり、コイルLのインダクタンス値が低下してしまう。
 そこで、電子部品10aでは、コイル導体18a~18dにおいて絶縁体層16a~16dの前後両側の短辺に沿って延在している部分の導体幅を、コイル導体18a~18dにおいて絶縁体層16a~16dの左右両側の長辺に沿って延在している部分の導体幅よりも太くしている。これにより、コイルLの内径が小さくなることが抑制され、コイルLのインダクタンス値の低下が抑制される。
 特に、電子部品10aのようにコイルLのコイル軸が上下方向に並行な場合には、電子部品10aが小型になると、コイルLのインダクタンス値を確保するために、コイル導体18a~18dの左右両側の長辺方向に沿って延在している部分の導体幅を太くすると、コイル導体18a~18dの前後両側の短辺方向に沿って延在している部分を太くするのに比べてコイルLの内径が劇的に小さくなってしまう。したがって、コイル導体18a~18dの導体幅を太くする場合には、コイル導体18a~18dの前後両側の短辺方向に沿って延在している部分の導体幅を太くするのが望ましい。
 更に、電子部品10aでは、コイル導体18a~18dの左右両側の長辺方向に沿って延在している部分の導体幅を太くする代わりに、コイル導体18a~18dの左右両側の長辺方向に沿って延在している部分に対して並列導体20a~20cを並列接続させている。これによりコイルLの内径が小さくなることを抑制しつつ、コイルLの直流抵抗の低減を両立することができる。
(実験結果)
 本願発明者は、電子部品10aが奏する効果をより明確にするために、以下に説明する評価を行った。
 本願発明者は、図4に示す電子部品110の構造を有するサンプル(以下、比較例1のサンプルと言う)を用意した。電子部品110は、並列導体20a~20cが設けられていない点、およびコイル導体の導体幅がW1=W2=30μmと等しい点において電子部品10aと相違する。なお、電子部品110の各構成の参照符号には、電子部品10aの各構成の参照符号に100を足したものを用いた。
 また、本願発明者は、電子部品110において図4のコイル導体118a~118dが2つずつビアホール導体により並列接続された2重らせん構造を有するサンプル(以下、比較例2のサンプルと言う)を用意した。また、電子部品10aと類似の構造であって、コイル導体の導体幅がW1=W2=30μmと等しいサンプル(以下、比較例3のサンプルと言う)を用意した。また、電子部品10aの構造を有するサンプルで、コイル導体の導体幅がW1>W2でW1=37μm、W2=28μmであるサンプル(以下、実施例1のサンプルと言う)を用意した。更に、実施例1と比較してコイル導体の導体幅W1とW2の大小関係が逆で、W1=23μm、W2=32μmであるサンプル(以下、比較例4のサンプルと言う)を用意した。なお、図2及び図4では、コイルLのターン数が2.5ターンであるが、比較例1、比較例3、比較例4と実施例1のサンプルではコイル導体18b、18cの組み(コイル導体118b、118cの組み)を3組増やし、コイルLのターン数を5.5ターンとした。一方で、比較例2のサンプルでは後述するように比較例1、比較例3、比較例4、および実施例1とインダクタンス値(インピーダンス値)を近い値に合わせるためにコイルLのターン数を7.5ターンとした。また、実施例1および比較例4では、比較例1ないし比較例3のインダクタンス値(インピーダンス値)に合うように、コイル導体の導体幅を調整している。
 以下に、比較例1ないし比較例4及び実施例1のサンプルの各部のサイズについて図2及び図3を参照しながら説明する。なお、以下のサイズは、比較例1ないし比較例4及び実施例1のサンプルにおいて共通である。
長さL1:コイルL内部の前後方向の長さ
長さL2:コイルL内部の左右方向の長さ
長さL3:外部電極14a,14bの積層体12,112の前側及び後ろ側の端面からの折り返し長さ
長さL4:コイルLの前後方向の長さ
長さL5:コイルLの左右方向の長さ
長さL6:コイルLの前後方向の長さ及び引き出し導体22a,22bの長さの合計
幅Wa:環状の軌道Rの短辺から積層体12,112の前側及び後ろ側の端面までの距離
幅Wb:環状の軌道Rの長辺から積層体12,112の右側及び左側の側面までの距離
幅Wc:外部電極14a,14bの前側及び後ろ側の端面における厚み
幅Wd:外部電極14a,14bの右側及び左側の側面における厚み
幅W1:コイル導体18a~18dの前後両側の短辺方向に沿って延在している部分の導体幅
幅W2:コイル導体18a~18dの左右両側の長辺方向に沿って延在している部分の導体幅
ターン数T(図示せず):コイルLのターン数
面積S(図示せず):コイルL内部の面積
 表1は、比較例1ないし比較例4及び実施例1のサンプルの各部のサイズを示した表である。なお、長さL1~L6及び幅Wa~Wd,W1,W2の単位はμmである。ターン数Tの単位はターンである。面積Sの単位はμm2である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000001
 また、その他の条件について以下に列挙する。
電子部品のサイズ:前後方向の長さ×左右方向の幅=0.4mm×0.2mm
積層体のサイズ:前後方向の長さ×左右方向の幅=0.37mm×0.18mm
絶縁体層の比透磁率:180
絶縁体層の比誘電率:15
絶縁体層の厚み:3μm
Ag導電率:6.289×107(S/m)
コイル導体及び引き出し導体の厚み:5μm
ビアホール導体の上下方向の長さ:3μm
積層体の外層厚みの合計:25μm
なお、積層体の外層厚みとは、絶縁体層16a~16c(あるいは絶縁体層16g~16j)のトータルの厚みである。
 以上のように構成されたサンプルにおいて、インダクタンス値(μH)、100MHzにおけるインピーダンス値(Ω)、直流抵抗値(Ω)、取得効率、電子部品の上下方向の高さ(μm)を測定及び計算した。表2は、測定結果及び計算結果を示した表である。なお、ここで言う取得効率はインピーダンス値を直流抵抗値で割った値である。なお、比較例1ないし比較例4のサンプルと実施例1のサンプルとを正確に対比するために、それぞれのインダクタンス値及びインピーダンス値とをそれぞれ実質的に等しくしている。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000002
 比較例1のサンプルでは、直流抵抗値が0.364Ωと比較的に大きな値となった。これに対して、コイル導体118a~118dが2つずつビアホール導体により並列接続された構造を有する比較例2のサンプルでは、直流抵抗値が0.248Ωと減少した。しかしながら、比較例2のサンプルでは比較例1のサンプルに比べてコイル導体118a~118dが多く積層されているため、比較例2のサンプルの高さ(274μm)は比較例1のサンプルの高さD(130μm)よりも高くなった。一方、実施例1のサンプルの直流抵抗値(0.254Ω)は、比較例1のサンプルの直流抵抗値(0.364Ω)よりも大幅に小さく、また、比較例2のサンプルの直流抵抗値(0.248Ω)に比較的に近い。更に、実施例1のサンプルの高さ(130μm)は、比較例2のサンプルの高さ(274μm)よりも低く、比較例1のサンプルの高さ(130μm)と等しい。以上より、実施例1のサンプルでは、直流抵抗値の低減を図りつつ、低背化を図ることができる。実施例1のサンプルでは、コイル導体18a~18dの前後両側の短辺方向に沿って延在している部分の導体幅W1が、コイル導体18a~18dの左右両側の長辺方向に沿って延在している部分の導体幅W2よりも大きい。一方比較例3のサンプルでは、コイル導体18a~18dの左右両側の長辺方向に沿って延在している部分の導体幅W2が、コイル導体18a~18dの前後両側の短辺方向に沿って延在している部分の導体幅W1と同じ幅である。また、比較例4のサンプルでは、コイル導体18a~18dの左右両側の長辺方向に沿って延在している部分の導体幅W2が、コイル導体18a~18dの前後両側の短辺方向に沿って延在している部分の導体幅W1よりも大きい。ここで、直流抵抗を比較例3、比較例4、および実施例1で比較すると、比較例3が0.261Ω、比較例4が0.278Ωであるのに対し、実施例1は0.254Ωと高く、その結果取得効率の値も高い。
 また、コイル導体18a~18dの左右両側の長辺方向に沿って延在している部分の導体幅W2が、コイル導体18a~18dの前後両側の短辺方向に沿って延在している部分の導体幅W1は同じ幅(W1=W2=30μm)である比較例3のサンプルに対して、コイル導体18a~18dの前後両側の短辺方向に沿って延在している部分の導体幅W1を30μmから40μmと太くしたサンプル(以下、実施例2のサンプルという)を用意した。さらに、実施例2とは反対に、コイル導体18a~18dの左右両側の長辺方向に沿って延在している部分の導体幅W2を30μmから40μmと太くしたサンプル(以下、比較例5のサンプルという)を用意した。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000003
 これらのサンプルに関しても、同様に、インダクタンス値(μH)、100MHzにおけるインピーダンス値(Ω)、直流抵抗値(Ω)、取得効率、電子部品の上下方向の高さ(μm)を測定及び計算した。表4は、測定結果及び計算結果を示した表である。
Figure JPOXMLDOC01-appb-T000004
 これにより、比較例3の面積Sが16800μm2であるのに対し、実施例2のサンプルの面積Sは15400μm2となり、面積Sの減少率は約8%であるのに対し、比較例5のサンプルの面積Sは12000μm2となり、面積Sの減少率は約28%と大きくなっている。その結果、比較例3を基準とした場合、実施例2のサンプルのインダクタンス値の減少率は、比較例5のサンプルのインダクタンス値の減少率よりも小さくなっていることが分かる。よって、電子部品10aによれば、インダクタンス値の低下を抑制することができる。
(第1の変形例)
 以下に、第1の変形例に係る電子部品10bについて図面を参照しながら説明する。図4は、第1の変形例に係る電子部品10bの積層体12の分解斜視図である。図6は、コイル導体18a~18d及び並列導体20a~20cを重ねて平面視した図である。電子部品10bの外観斜視図については、図1を援用する。
 電子部品10bは、コイル導体18a~18d及び並列導体20a~20cの形状において電子部品10aと相違する。より詳細には、図5に示すように、コイル導体18aは、3/8周分の長さを有している。そして、コイル導体18aにおける絶縁体層16dの前側の短辺の左半分に沿って延在している部分の導体幅は、コイル導体18aの残余の部分の導体幅よりも太い。
 また、コイル導体18b,18cはそれぞれ、1/2周分の長さを有している。コイル導体18bは、絶縁体層16eの前側の短辺の右半分、右側の長辺及び後ろ側の短辺の右半分に沿って設けられている。コイル導体18cは、絶縁体層16eの後ろ側の短辺の左半分、左側の長辺及び前側の短辺の左半分に沿って設けられている。
 また、コイル導体18dは、7/8周分の長さを有している。コイル導体18dは、絶縁体層16eの前側の短辺の右半分、右側の長辺、後ろ側の短辺及び左側の長辺に沿って設けられている。
 また、並列導体20a~20cはそれぞれ、3/8周分の長さを有している。並列導体20aは、絶縁体層16dの前側の短辺の右半分及び右側の長辺に沿って設けられている。並列導体20bは、絶縁体層16eの後ろ側の短辺の左半分及び左側の長辺に沿って設けられている。並列導体20cは、絶縁体層16fの前側の短辺の右半分及び右側の長辺に沿って設けられている。
 電子部品10bのビアホール導体v1~v3,v11~v13は、電子部品10aのビアホール導体v1~v3,v11~v13と同じであるので説明を省略する。
 また、コイル導体18b~18dにおける並列導体20a~20cが並列接続されていない部分の導体幅W1は、コイル導体18b~18dにおける並列導体20a~20cが並列接続されている部分の導体幅W2よりも太い。ただし、電子部品10bにおけるコイル導体18b~18d及び並列導体20a~20cの形状は、電子部品10aにおけるコイル導体18b~18d及び並列導体20a~20cの形状と異なっている。そのため、コイル導体18bにおける絶縁体層16eの後ろ側の短辺の右半分に沿って延在している部分の導体幅は、コイル導体18bの残余の部分の導体幅よりも太い。コイル導体18cにおける絶縁体層16fの前側の短辺の左半分に沿って延在している部分の導体幅は、コイル導体18cの残余の部分の導体幅よりも太い。コイル導体18dにおける絶縁体層16eの後ろ側の短辺の右半分に沿って延在している部分の導体幅は、コイル導体18dの残余の部分の導体幅よりも太い。これにより、コイル導体18a~18dにおける軌道Rの前側の短辺の左半分に相当する部分及び軌道Rの後ろ側の短辺の右半分に相当する部分の導体幅は、図6に示すように、コイル導体18a~18d及び並列導体20a~20cにおける軌道Rの残余の部分の導体幅よりも太くなっている。
 以上のように構成された電子部品10bは、電子部品10aと同様に、コイルLの直流抵抗の低減を図りつつ、電子部品10bの上下方向の高さを低減できる。また、電子部品10bでは、電子部品10aと同様に、コイルLの直流抵抗の低減を図りつつ、コイルLの内径が小さくなることを低減できる。
 また、電子部品10bのコイルLにおいて導体幅が太くなっている部分は、電子部品10aのコイルLにおいて導体幅が太くなっている部分よりも短い。そのため、電子部品10bのコイルLの内径は、電子部品10aのコイルLの内径よりも大きい。よって、電子部品10bのコイルLのインダクタンス値は、電子部品10aのコイルLのインダクタンス値よりも大きくなる。
(第2の変形例)
 以下に、第2の変形例に係る電子部品10cについて図面を参照しながら説明する。図7は、第2の変形例に係る電子部品10cの積層体12の分解斜視図である。電子部品10bの外観斜視図については、図1を援用する。
 電子部品10cは、コイルLの構造において電子部品10aと相違する。より詳細には、電子部品10cのコイルLは、コイル導体18a,18b、引き出し導体22a,22b及びビアホール導体v21を含んでいる。
 コイル導体18aは、絶縁体層16dの表面上に設けられており、反時計回りに周回する線状導体である。コイル導体18aは、1/2周分の長さを有しており、絶縁体層16dの左側の長辺及び前側の短辺に沿って設けられている。
 コイル導体18bは、絶縁体層16eの表面上に設けられており、反時計回りに周回する線状導体である。コイル導体18bは、3/4周分の長さを有しており、絶縁体層16eの右側の長辺、後ろ側の短辺及び左側の長辺に沿って設けられている。
 以上のように構成されたコイル導体18a,18bは、上側から平面視したときに、互いに重なり合って絶縁体層16a~16hの外縁に沿った長方形状の軌道を形成している。コイル導体18a,18bは、例えば、Agを主成分とする導電性材料により作製されている。以下では、コイル導体18a,18bの反時計回り方向の上流側の端部を上流端と呼び、下流側の端部を下流端と呼ぶ。
 ビアホール導体v21は、絶縁体層16dを上下方向に貫通しており、コイル導体18aの下流端とコイル導体18bの上流端とを接続している。これにより、コイルLは、反時計回りに周回しながら下側に向かって進行する螺旋状をなしている。
 並列導体20は、コイル導体18aが設けられている絶縁体層16dの表面上に設けられており、絶縁体層16dの右側の長辺に沿って延在する線状導体である。また、並列導体20は、コイル導体18aの下流端に接続されている。すなわち、同一の絶縁体層16dの表面上に設けられているコイル導体18aと並列導体20とは接続されている。また、並列導体20は、上側から平面視したときに、コイル導体18bにおいて絶縁体層16eの右側の長辺に沿って延在している部分と重なっている。
 ビアホール導体v22は、絶縁体層16dを上下方向に貫通しており、並列導体20の後ろ側の端部とコイル導体18bの右後ろ側の角とを接続している。これにより、並列導体20は、並列導体20が設けられている絶縁体層16dとは異なる絶縁体層16eの表面に設けられているコイル導体18bに対してビアホール導体v21,v22を介して並列接続されている。
 また、コイル導体18bにおける並列導体20が並列接続されていない部分の導体幅W1は、コイル導体18bにおける並列導体20が並列接続されている部分であって、かつ、ビアホール導体v21,v22が接続されている部分を除く部分の導体幅W2よりも太い。より詳細には、並列導体20は、コイル導体18bにおいて絶縁体層16eの右側の長辺に沿って延在している部分に対して並列接続されている。よって、コイル導体18bにおいて絶縁体層16eの後ろ側の短辺に沿って延在している部分の導体幅W1は、コイル導体18bにおいて絶縁体層16eの右側の長辺に沿って延在している部分の導体幅W2よりも太い。
 ただし、コイル導体18bと並列導体20とは、ビアホール導体v21,v22によって接続されている。そこで、ビアホール導体v21,v22とコイル導体18bとをより確実に接続するために、コイル導体18bにおいてビアホール導体v21,v22が接続されている部分の導体幅が太なっている。すなわち、コイル導体18bにおいて絶縁体層16eの右側の長辺に沿って延在している部分の両端の導体幅は、コイル導体18bにおいて絶縁体層16eの右側の長辺に沿って延在している部分の両端以外の部分の導体幅よりも太い。
 以上のように構成された電子部品10cは、電子部品10aと同様に、コイルLの直流抵抗の低減を図りつつ、電子部品10cの上下方向の高さを低減できる。また、電子部品10cでは、電子部品10aと同様に、コイルLの直流抵抗の低減を図りつつ、コイルLの内径が小さくなることを低減できる。
(その他の実施形態)
 本発明に係る電子部品は、前記電子部品10a~10cに限らずその要旨の範囲内において変更可能である。
 なお、電子部品10a,10bにおいて、コイル導体18b~18dにおける並列導体20a~20cが並列接続されていない部分の少なくとも一部の導体幅W1は、コイル導体18b~18dにおける並列導体20a~20cが並列接続されている部分の導体幅W2よりも太くなっていればよい。また、電子部品10cにおいて、コイル導体18bにおける並列導体20が並列接続されていない部分の少なくとも一部の導体幅W1は、コイル導体18bにおける並列導体20が並列接続されている部分であって、かつ、ビアホール導体v21,v22が接続されている部分を除く部分の導体幅W2よりも太くなっていればよい。
 また、電子部品10a,10b,10cでは、外部電極14a,14bは、それぞれ積層体12の後ろ側の端面、前側の端面を覆っていると共に、該端面に隣接する4つの面に折り返されている。外部電極14a,14bは、それぞれ積層体12の上側の端面、下側の端面を覆っていると共に、該端面に隣接する4つの面に折り返されているものであってもよい。この場合、外部電極とコイル導体との接続は、引き出し導体22a、22bに代えて、絶縁体層16a~16c、16h~16jを上下方向に貫通するビアホール導体によって接続するものであってもよい。
 また、電子部品10a,10bにおいて、並列導体20a~20cはそれぞれ、コイル導体18a~18cに対して接続されていなくてもよい。また、電子部品10bにおいて、並列導体20a~20cは、コイル導体18a~18cに対して接続されていなくてもよい。この場合、各絶縁体層16d~16fを貫通するビアホール導体を形成することで、コイル導体と並列導体とが並列接続される。
 なお、軌道Rは、長方形状をなしているとしている。この長方形状とは、角が存在する長方形や、角が丸く面取りされた角丸長方形も含む。また、各丸長方形には、2本の長辺の端部同士が半円により接続されたトラック形状も含まれる。この場合、半円が短辺に相当する。
 以上のように、本発明は、電子部品に有用であり、特に、直流抵抗の低減を図りつつ、積層方向の高さを低減できる点において優れている。
 L コイル
 R 軌道
 v1~v3,v11~v13,v21,v22 ビアホール導体
 10a~10c 電子部品
 12 積層体
 16a~16j 絶縁体層
 18a~18d コイル導体
 20,20a~20c 並列導体

Claims (5)

  1.  複数の絶縁体層が積層されてなる積層体と、
     前記絶縁体層に設けられている複数のコイル導体、及び、該複数のコイル導体を接続し、かつ、前記絶縁体層を積層方向に貫通する第1のビアホール導体を含む螺旋状のコイルと、
     前記コイル導体が設けられている前記絶縁体層に設けられている並列導体と、
     前記コイル導体に対して、該コイル導体が設けられている前記絶縁体層とは異なる絶縁体層に設けられている前記並列導体を並列接続させ、かつ、前記絶縁体層を積層方向に貫通する第2のビアホール導体と、
     を備えており、
     前記コイル導体における前記並列導体が並列接続されていない部分の少なくとも一部の導体幅は、該コイル導体における該並列導体が並列接続されている部分であって、かつ、前記第2のビアホール導体が接続されている部分を除く部分の導体幅よりも太いこと、
     を特徴とする電子部品。
  2.  同一の前記絶縁体層に設けられている前記コイル導体と前記並列導体とは接続されており、
     前記並列導体は、前記第1のビアホール導体及び前記第2のビアホール導体を介して、該並列導体が設けられている前記絶縁体層とは異なる前記絶縁体層に設けられている前記コイル導体に並列接続されていること、
     を特徴とする請求項1に記載の電子部品。
  3.  前記コイル導体における前記並列導体が並列接続されていない部分の導体幅は、該コイル導体における該並列導体が並列接続されている部分であって、かつ、前記第1のビアホール導体及び前記第2のビアホール導体が接続されている部分を除く部分の導体幅よりも太いこと、
     を特徴とする請求項2に記載の電子部品。
  4.  前記絶縁体層は長方形状をなしており、
     前記複数のコイル導体は、積層方向から平面視したときに、互いに重なり合って、前記絶縁体層の外縁に沿った長方形状の軌道を形成しており、
     前記複数のコイル導体における前記軌道の短辺に相当する部分の導体幅は、 該複数のコイル導体における該軌道の長辺に相当する部分の導体幅よりも太いこと、
     を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子部品。
  5.  前記絶縁体層は長方形状をなしており、
     前記複数のコイル導体は、積層方向から平面視したときに、互いに重なり合って、前記絶縁体層の外縁に沿った長方形状の軌道を形成しており、
     前記複数のコイル導体における前記軌道の長辺に相当する部分に、前記並列導体が並列接続されていること、
     を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電子部品。
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