JP2014078650A - 電子部品及びその製造方法 - Google Patents

電子部品及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2014078650A
JP2014078650A JP2012226565A JP2012226565A JP2014078650A JP 2014078650 A JP2014078650 A JP 2014078650A JP 2012226565 A JP2012226565 A JP 2012226565A JP 2012226565 A JP2012226565 A JP 2012226565A JP 2014078650 A JP2014078650 A JP 2014078650A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electronic component
coil conductor
layer
layers
insulator layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012226565A
Other languages
English (en)
Inventor
Yugo Takeoka
勇伍 竹岡
Masaki Nakaniwa
正貴 中庭
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Murata Manufacturing Co Ltd filed Critical Murata Manufacturing Co Ltd
Priority to JP2012226565A priority Critical patent/JP2014078650A/ja
Publication of JP2014078650A publication Critical patent/JP2014078650A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

【課題】直流重畳特性を向上させることができる電子部品及びその製造方法を提供することである。
【解決手段】積層体12aは、磁性体層19a〜19fが積層されて構成されている。コイルLは、磁性体層19a〜19f上に設けられている線状のコイル導体層18a〜18fにより構成されている。コイル導体層18a〜18fが設けられている磁性体層19a〜19fにおいて、z軸方向から平面視したときに、コイル導体層18a〜18fの外縁と接する部分の少なくとも一部に空隙30a〜30fが設けられている。
【選択図】図3

Description

本発明は、電子部品及びその製造方法に関し、より特定的には、コイルを内蔵している電子部品及びその製造方法に関する。
従来の電子部品に関する発明としては、例えば、特許文献1に記載の積層インダクタが知られている。該積層インダクタは、以下の工程によって作製されている。まず、コイル状の導体パターンが形成された複数の磁性体グリーンシートを積層することによって積層体を作製する。次に、積層体を焼成する。最後に、積層体の表面に外部電極を形成する。以上のような積層インダクタでは、積層体内に螺旋状のコイルが内蔵されている。
ところで、特許文献1に記載の積層インダクタでは、積層体は、磁性体材料により構成されている。そのため、コイルに大きな電流が流れると、積層体において磁気飽和が発生し、コイルのインダクタンス値が大幅に減少する。すなわち、特許文献1に記載の積層インダクタは、直流重畳特性が悪いという問題を有している。
特開平6−215947号公報
そこで、本発明の目的は、直流重畳特性を向上させることができる電子部品及びその製造方法を提供することである。
本発明の一形態に係る電子部品は、複数の第1の絶縁体層が積層されて構成されている積層体と、前記第1の絶縁体層上に設けられている線状のコイル導体層により構成されているコイルと、を備えており、前記コイル導体層が設けられている前記第1の絶縁体層において、積層方向から平面視したときに、該コイル導体の外縁と接する部分の少なくとも一部に空隙が設けられていること、を特徴とする。
本発明の一形態に係る電子部品の製造方法は、第1の絶縁体層を形成する工程と、前記第1の絶縁体層上に線状のコイル導体層を形成する工程と、前記第1の絶縁体層上の前記コイル導体層を除く領域に第2の絶縁体層を形成する工程であって、積層方向から平面視したときに、該コイル導体層の外縁の少なくとも一部と該第2の絶縁体層との間に隙間が形成されるように、該第2の絶縁体層を形成する工程と、前記複数の第1の絶縁体層及び前記複数の第2の絶縁体層からなる積層体を焼成する工程と、を備えていること、を特徴とする。
本発明によれば、直流重畳特性を向上させることができる。
実施形態に係る電子部品の斜視図である。 一実施形態に係る電子部品の積層体の分解斜視図である。 図1のA−Aにおける電子部品の断面構造図である。 単位層の分解斜視図である。 電子部品の製造時の工程断面図である。 電子部品の製造時の工程断面図である。 電子部品の製造時の工程断面図である。 図7の工程におけるセラミックグリーンシートを平面視した図である。 未焼成の積層体の断面構造図である。 シミュレーション結果を示したグラフである。 第1の変形例に係る電子部品の断面構造図である。 単位層の分解斜視図である。 単位層の分解斜視図である。 シミュレーション結果を示したグラフである。 第2の変形例に係る電子部品の断面構造図である。 シミュレーション結果を示したグラフである。
以下に、本発明の実施形態に係る電子部品及びその製造方法について説明する。
(電子部品の構成)
以下に、本発明の一実施形態に係る電子部品について図面を参照しながら説明する。図1は、実施形態に係る電子部品10a〜10cの斜視図である。図2は、一実施形態に係る電子部品10aの積層体12aの分解斜視図である。図3は、図1のA−Aにおける電子部品10aの断面構造図である。図4は、単位層17bの分解斜視図である。以下、電子部品10aの積層方向をz軸方向と定義し、電子部品10aの長辺に沿った方向をx軸方向と定義し、電子部品10aの短辺に沿った方向をy軸方向と定義する。x軸、y軸及びz軸は互いに直交している。
電子部品10aは、図1に示すように、積層体12a、外部電極14a,14b及びコイルLを備えている。積層体12aは、直方体状をなしており、コイルLを内蔵している。外部電極14a,14bはそれぞれ、コイルLに電気的に接続されており、x軸方向の両端に位置する2つの側面を覆うように設けられている。
積層体12aは、図2に示すように、磁性体層15a〜15e,16a〜16f,19a〜19fが積層されて構成されている。コイルLは、コイル導体層18a〜18f及びビアホール導体b1〜b5により構成されている。
磁性体層15a〜15eはそれぞれ、長方形状をなしており、Ni−Cu−Zn系フェライトからなる1枚のシート状の磁性体層である。磁性体層15a〜15cは、コイル導体層18a〜18fが設けられている領域よりもz軸方向の正方向側においてこの順に積層され、外層を構成している。また、磁性体層15d,15eは、コイル導体層18a〜18fが設けられている領域よりもz軸方向の負方向側にこの順に積層され、外層を構成している。
磁性体層19a〜19fは、図2に示すように、長方形状をなしており、Ni−Cu−Zn系フェライトからなる磁性体層である。
コイル導体層18a〜18fは、図2に示すように、Agを含む導電性材料からなる線状の導体層であり、1ターンにわずかに満たない長さを有している。具体的には、コイル導体層18a〜18fは、長方形状の環の一部が切り欠かれた形状をなしている。コイル導体層18a〜18fはそれぞれ、磁性体層19a〜19f上に設けられている。また、コイル導体層18aの一端は、磁性体層19a上においてx軸方向の負方向側の辺に引き出されており、引き出し導体を構成している。コイル導体層18aの一端は、図1の外部電極14aに接続されている。コイル導体層18fの一端は、磁性体層19f上においてx軸方向の正方向側の辺に引き出されており、引き出し導体を構成している。コイル導体層18fの一端は、図1の外部電極14bに接続されている。また、コイル導体層18a〜18fは、z軸方向から平面視したときに、互いに重なり合って一つの長方形状の環を形成している。以下では、コイル導体層18a〜18fにおいて、時計回りの上流側の端部を上流端と呼び、時計回りの下流側の端部を下流端と呼ぶ。
ビアホール導体b1〜b5は、図2に示すように、磁性体層19a〜19eをz軸方向に貫通しており、z軸方向に隣り合っているコイル導体層18a〜18fを接続している。具体的には、ビアホール導体b1は、コイル導体層18aの下流端とコイル導体層18bの上流端とを接続している。ビアホール導体b2は、コイル導体層18bの下流端とコイル導体層18cの上流端とを接続している。ビアホール導体b3は、コイル導体層18cの下流端とコイル導体層18dの上流端とを接続している。ビアホール導体b4は、コイル導体層18dの下流端とコイル導体層18eの上流端とを接続している。ビアホール導体b5は、コイル導体層18eの下流端とコイル導体層18fの上流端とを接続している。以上のように、コイルLは、コイル導体層18a〜18fがビアホール導体b1〜b5により接続されることにより構成されており、時計回りに旋回しながらz軸方向の負方向側に進行する螺旋状をなしている。
磁性体層16a〜16fはそれぞれ、図2に示すように、磁性体層19a〜19f上においてコイル導体層18a〜18gを除く領域に設けられている。よって、磁性体層19a〜19fの主面は、磁性体層16a〜16f及びコイル導体層18a〜18fにより覆い隠されている。更に、磁性体層16a〜16f及びコイル導体層18a〜18fの主面はそれぞれ、一つの平面を構成しており、面一となっている。磁性体層16a〜16fは、Ni−Cu−Zn系フェライトからなる磁性体層である。
以上のように構成された磁性体層16a〜16f,19a〜19f及びコイル導体層18a〜18fはそれぞれ、単位層17a〜17fを構成している。そして、単位層17a〜17fは、磁性体層15a〜15cと磁性体層15d,15eとの間においてこの順に並ぶように積層されている。これにより、積層体12aが構成されている。
ここで、磁性体層19a〜19fにはそれぞれ、図3に示すように、空隙30a〜30fが設けられている。空隙30a〜30fはそれぞれ、コイル導体層18a〜18fが設けられている磁性体層19a〜19fにおいて、z軸方向から平面視したときに、コイル導体層18a〜18fの外縁と接する部分の少なくとも一部に設けられている。すなわち、空隙30a〜30fはそれぞれ、コイル導体層18a〜18fが設けられている磁性体層19a〜19fにおいて、コイル導体層18a〜18fの幅方向の端部と接している部分に設けられている。本実施形態では、空隙30a〜30fは、磁性体層19a〜19fにおいて、z軸方向から平面視したときに、コイル導体層18a〜18fの外周側の外縁と接している部分に設けられている。すなわち、本実施形態では、空隙30a〜30fはそれぞれ、磁性体層19a〜19fにおいて、コイルLの外周側に位置するコイル導体層18a〜18fの幅方向の端部と接している部分に設けられている。コイル導体層18a〜18fの幅方向とは、コイル導体層18a〜18fが延在している方向及び積層方向に直交する方向である。以下に、空隙30bを例に挙げて説明する。
前記の通り、空隙30bはそれぞれ、磁性体層19bにおいて、z軸方向から平面視したときに、コイル導体層18bの外周側の外縁と接している部分に形成されている。これにより、空隙30bは、図4に示すように、長方形状の環の一部が切り欠かれた形状をなしている。空隙30bは、z軸方向から平面視したときに、コイル導体層18bの外周側の外縁と略一致している。空隙30a,30c〜30fは、空隙30bと同様の構造を有しているので説明を省略する。
また、空隙30a〜30fはそれぞれ、磁性体層19a〜19fが裂けることによって形成されたひびである。よって、空隙30a〜30fは、磁性体層19a〜19fのz軸方向の正方向側の面からz軸方向の負方向側に行くにしたがって幅が狭くなる逆三角形や線状などの形状をなしている。
また、電子部品10aでは、空隙30a〜30fは、各コイル導体層18a〜18fに対応するように各磁性体層19a〜19fに形成されている。そのため、空隙30a〜30fは、z軸方向に平行な断面において、図3に示すように、z軸方向に一列に並んでいる。
(電子部品の製造方法)
以下に、電子部品10aの製造方法について図面を参照しながら説明する。図5ないし図7は、電子部品10aの製造時の工程断面図である。図8は、図7の工程におけるセラミックグリーンシートを平面視した図である。図9は、未焼成の積層体12aの断面構造図である。なお、以下では、複数の電子部品10aを同時に作成する際の電子部品10aの製造方法について説明する。
まず、図5ないし図9に示す磁性体層19a〜19fとなるべきセラミックグリーンシート119a〜119fを形成する。具体的には、酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)及び酸化銅(CuO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、フェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して結合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、キャリアシート上にシート状に形成して乾燥させ、セラミックグリーンシート119a〜119fを作製する。
次に、図9に示す磁性体層15a〜15eとなるべきセラミックグリーンシート115a〜115eを形成する。具体的には、酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)及び酸化銅(CuO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、フェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して結合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、キャリアシート上にシート状に形成して乾燥させ、セラミックグリーンシート115a〜115eを作製する。
次に、図7ないし図9に示す磁性体層16a〜16fとなるべきセラミックグリーン層116a〜116fのセラミックペーストを作製する。具体的には、酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)及び酸化銅(CuO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、フェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して結合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行って、セラミックグリーン層116a〜116fのセラミックペーストを得る。
次に、セラミックグリーンシート119a〜119eのそれぞれに、ビアホール導体b1〜b5を形成する。具体的には、セラミックグリーンシート119a〜119eにレーザビームを照射してビアホールを形成する。次に、このビアホールに対して、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などの導電性ペーストを印刷塗布などの方法により充填する。
次に、図6及び図9に示すように、セラミックグリーンシート119a〜119f上にコイル導体層18a〜18fを形成する。具体的には、セラミックグリーンシート119a〜119e上に、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布することにより、コイル導体層18a〜18fを形成する。なお、コイル導体層18a〜18fを形成する工程とビアホールに対して導電性ペーストを充填する工程とは、同じ工程において行われてもよい。
次に、図7及び図9に示すように、セラミックグリーンシート119a〜119f上のコイル導体層18a〜18fを除く領域にセラミックグリーン層116a〜116fを形成する。具体的には、セラミックペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布することにより、セラミックグリーン層116a〜116fを形成する。この際、図8及び図9に示すように、z軸方向から平面視したときに、コイル導体層18a〜18fの外縁の少なくとも一部とセラミックグリーン層116a〜116fとの間に隙間Gが形成されるように、セラミックグリーン層116a〜116fを形成する。本実施形態では、コイル導体層18a〜18fの外周側の外縁とセラミックグリーン層116a〜116fとの間に隙間Gを形成する。以上の工程により、図9に示す単位層17a〜17fとなるべきセラミックグリーン層117a〜117fが形成される。
次に、図9に示すように、セラミックグリーンシート115a〜115c、セラミックグリーン層117a〜117f及びセラミックグリーンシート115d,115eをこの順に並ぶように積層・圧着して、未焼成のマザー積層体を得る。セラミックグリーンシート115a〜115c、セラミックグリーン層117a〜117f及びセラミックグリーンシート115d,115eの積層・圧着は、1枚ずつ積層して仮圧着した後、未焼成のマザー積層体を静水圧プレスなどにより加圧して本圧着を行う。
次に、マザー積層体をカット刃により所定寸法(2mm×2.25mm×1.1mm)の積層体12aにカットする。これにより未焼成の積層体12aが得られる。この未焼成の積層体12aには、脱バインダー処理及び焼成がなされる。脱バインダー処理は、例えば、低酸素雰囲気中において500℃で2時間の条件で行われる。焼成は、例えば、870℃〜900℃で2.5時間の条件で行われる。
焼成の際に、磁性体層16a〜16f,19a〜19f及びコイル導体層18a〜18fに収縮が発生する。磁性体層16a〜16f,19a〜19f及びコイル導体層18a〜18fの収縮量の差により、隙間Gが消失する。更に、磁性体層16a〜16f,19a〜19f及びコイル導体層18a〜18fの収縮時に磁性体層19a〜19fに応力がかかって、磁性体層19a〜19fにおける隙間Gが形成されていた位置に対してz軸方向の負方向側(直下)に隣接する部分が裂ける。これにより、磁性体層19a〜19fに空隙30a〜30fが形成される。
以上の工程により、焼成された積層体12aが得られる。積層体12aにバレル加工を施して、面取りを行う。その後、積層体12aの表面に、例えば、浸漬法等の方法により主成分が銀である電極ペーストを塗布及び焼き付けすることにより、外部電極14a,14bとなるべき銀電極を形成する。銀電極の焼き付けは、800℃で60分間行われる。
最後に、銀電極の表面に、Niめっき/Snめっきを施すことにより、外部電極14a,14bを形成する。以上の工程を経て、図1に示すような電子部品10aが完成する。
(効果)
電子部品10a及びその製造方法では、以下に説明するように、コイルLの直流重畳特性を向上させることができる。より詳細には、電子部品10aでは、空隙30a〜30fは、コイル導体層18a〜18fが設けられている磁性体層19a〜19fにおいて、z軸方向から平面視したときに、コイル導体層18a〜18fの外縁と接する部分の少なくとも一部に設けられている。空隙30a〜30fの透磁率は、磁性体層19a〜19fよりも低い。これにより、コイル導体層18a〜18fの周囲を周回する磁束が空隙30a〜30fを避けるように周回するようになり、コイル導体層18a〜18fの周囲を周回する磁束の長さが長くなる。そのため、コイル導体層18a〜18fにおいて磁束が集中し過ぎることによって、磁気飽和が発生することが抑制される。その結果、電子部品10aにおいて、直流重畳特性が向上する。
また、電子部品10a及びその製造方法では、セラミックグリーン層116a〜116fの形成の際に隙間Gを形成することによって、空隙30a〜30fを形成して、直流重畳特性を向上させることができる。よって、電子部品10aでは、積層体12aに非磁性体層を形成する工程等を追加する必要がない。その結果、電子部品10aでは、比較的に簡単な工程によって、直流重畳特性を向上させることが可能である。
本願発明者は、電子部品10aが奏する効果をより明確にするために、以下に説明するコンピュータシミュレーションを行った。より詳細には、図2の電子部品10aのモデルを第1のモデルとして作成した。また、電子部品10aにおいて空隙30a〜30fが設けられていないモデルを第2のモデルとして作成した。そして、第1のモデル及び第2のモデルのコイルLに流す電流とコイルLのインダクタンス値との関係を計算した。図10は、シミュレーション結果を示したグラフである。縦軸はインダクタンス値を示し、横軸は電流を示している。
図10によれば、第2のモデルでは、電流が大きくなるにしたがって、インダクタンス値が急激に減少している。一方、第1のモデルでは、電流が大きくなっても、第2のモデルほどインダクタンス値が急激に減少していない。以上のように、第1のモデルの直流重畳特性は、第2のモデルの直流重畳特性よりも優れていることが分かる。よって、電子部品10a及びその製造方法では、直流重畳特性を向上させることが可能である。
(第1の変形例)
次に、第1の変形例に係る電子部品10bについて図面を参照しながら説明する。図11は、第1の変形例に係る電子部品10bの断面構造図である。図12は、単位層17bの分解斜視図である。図13は、単位層17eの分解斜視図である。
電子部品10bは、空隙30a〜30fの形状において電子部品10aと相違する。より詳細には、図11に示すように、コイルLの中心軸Axを含む断面において、中心軸Axよりもx軸方向の正方向側に設けられている空隙30a〜30cと中心軸Axよりもx軸方向の負方向側に設けられている空隙30d〜30fとは、中心軸Axに関して線対称ではない。
より詳細には、磁性体層19a〜19cでは、中心軸Axよりもx軸方向の正方向側に空隙30a〜30cが設けられている。例えば、磁性体層19bでは、中心軸Axよりもx軸方向の正方向側の領域において、コイル導体層18bの外周側の外縁に沿って空隙30bが設けられている。
一方、磁性体層19d〜19fでは、中心軸Axよりもx軸方向の負方向側に空隙30d〜30fが設けられている。例えば、磁性体層19eでは、中心軸Axよりもx軸方向の負方向側の領域において、コイル導体層18eの外周側の外縁に沿って空隙30eが設けられている。
以上のように構成された電子部品10bにおいても、電子部品10aと同様に直流重畳特性を向上させることができる。
本願発明者は、電子部品10bが奏する効果をより明確にするために、以下に説明するコンピュータシミュレーションを行った。より詳細には、図11の電子部品10bのモデルを第3のモデルとして作成した。そして、第3のモデルのコイルLに流す電流とコイルLのインダクタンス値との関係を計算した。図14は、シミュレーション結果を示したグラフである。縦軸はインダクタンス値を示し、横軸は電流を示している。
図14によれば、電子部品10bの第3のモデルでは、直流重畳特性が階段状をなしていることが分かる。このような電子部品10bは、DC/DCコンバータに適している。DC/DCコンバータには、低出力時に低周波で動作し、高出力時に高周波で動作するタイプのDC/DCコンバータものが存在する。このようなDC/DCコンバータでは、低いSW周波数では高いインダクタンス値が要求され、高いSW周波数では低いインダクタンス値が要求される。よって、図14の様に階段状の直流重畳特性を有する電子部品10bは、上記タイプのDC/DCコンバータに適している。
(第2の変形例)
次に、第2の変形例に係る電子部品10cについて図面を参照しながら説明する。図15は、第2の変形例に係る電子部品10cの断面構造図である。図16は、シミュレーション結果を示したグラフである。縦軸はインダクタンス値を示し、横軸は電流を示している。
電子部品10cは、磁性体層19cの代わりに非磁性体層29cが設けられている点である。非磁性体層29cは、Cu−Zn系フェライトからなる1枚のシート状の磁性体層であり、コイルLをz軸方向に直交する方向(x軸方向及びy軸方向)に横切っている。
以上のように構成された電子部品10cにおいても、電子部品10aと同様に直流重畳特性を向上させることができる。
本願発明者は、電子部品10cが奏する効果をより明確にするために、以下に説明するコンピュータシミュレーションを行った。より詳細には、図15の電子部品10cのモデルを第4のモデルとして作成した。そして、第4のモデルのコイルLに流す電流とコイルLのインダクタンス値との関係を計算した。図16は、シミュレーション結果を示したグラフである。縦軸はインダクタンス値を示し、横軸は電流を示している。
図16によれば、第2のモデルでは、電流が大きくなるにしたがって、インダクタンス値が急激に減少している。一方、第4のモデルでは、電流が大きくなっても、第2のモデルほどインダクタンス値が急激に減少していない。以上のように、第4のモデルの直流重畳特性は、第2のモデルの直流重畳特性よりも優れていることが分かる。よって、電子部品10c及びその製造方法では、直流重畳特性を向上させることが可能である。
(その他の実施形態)
本発明に係る電子部品及びその製造方法は、電子部品10a〜10c及びその製造方法に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。
なお、電子部品10a〜10cは、逐次圧着工法により作製されているが、例えば、印刷工法によって作製されてもよい。
また、電子部品10a〜10cにおいて、磁性体層16a〜16fの代わりに非磁性体層が設けられていてもよい。
また、電子部品10a〜10cにおいて、空隙30a〜30fはそれぞれ、磁性体層19a〜19f及び磁性体層16a〜16fにおいて、z軸方向から平面視したときに、コイル導体層18a〜18fの内周側の外縁と接している部分に設けられていてもよい。また、空隙30a〜30fはそれぞれ、磁性体層19a〜19f及び磁性体層16a〜16fにおいて、z軸方向から平面視したときに、コイル導体層18a〜18fの外周側及び内周側の外縁と接している部分に設けられていてもよい。
また、電子部品10a〜10cにおいて、磁性体層19a〜19f又は磁性体層16a〜16fの一部が非磁性体層に置き換えられていてもよい。
以上のように、本発明は、電子部品及びその製造方法に有用であり、特に、直流重畳特性を向上させることができる点において優れている。
Ax 中心軸
L コイル
10a〜10c 電子部品
12a 積層体
14a,14b 外部電極
15a〜15e,16a〜16f,19a〜19f 磁性体層
17a〜17f 単位層
18a〜18f コイル導体層
29c 非磁性体層
30a〜30f 空隙
115a〜115e,116a〜116f,119a〜119f セラミックグリーンシート

Claims (12)

  1. 複数の第1の絶縁体層が積層されて構成されている積層体と、
    前記第1の絶縁体層上に設けられている線状のコイル導体層により構成されているコイルと、
    を備えており、
    前記コイル導体層が設けられている前記第1の絶縁体層において、積層方向から平面視したときに、該コイル導体層の外縁と接する部分の少なくとも一部に空隙が設けられていること、
    を特徴とする電子部品。
  2. 前記空隙は、前記第1の絶縁体層が裂けることによって形成されたひびであること、
    を特徴とする請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記コイルは、複数の前記コイル導体層が接続されることによって構成され、かつ、旋回しながら積層方向に進行する螺旋状をなしていること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の電子部品。
  4. 前記空隙は、前記第1の絶縁体層において、積層方向から平面視したときに、前記コイル導体層の外周側の外縁と接している部分に設けられていること、
    を特徴とする請求項3に記載の電子部品。
  5. 前記コイルの中心軸を含む断面において、該中心軸よりも一方側に設けられている前記空隙と、該中心軸よりも他方側に設けられている前記空隙とは、該中心軸に関して線対称ではないこと、
    を特徴とする請求項3又は請求項4のいずれかに記載の電子部品。
  6. 前記空隙は、前記各コイル導体層に対応するように設けられることにより、積層方向に一列に並んでいること、
    を特徴とする請求項3又は請求項4のいずれかに記載の電子部品。
  7. 前記積層体は、複数の前記第1の絶縁体層及び複数の第2の絶縁体層が積層されることにより構成されており、
    前記第2の絶縁体層は、前記第1の絶縁体層上において前記コイル導体層を除く領域に設けられていること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれかに記載の電子部品。
  8. 前記第1の絶縁体層は、磁性体層であること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の電子部品。
  9. 第1の絶縁体層を形成する工程と、
    前記第1の絶縁体層上に線状のコイル導体層を形成する工程と、
    前記第1の絶縁体層上の前記コイル導体層を除く領域に第2の絶縁体層を形成する工程であって、積層方向から平面視したときに、該コイル導体層の外縁の少なくとも一部と該第2の絶縁体層との間に隙間が形成されるように、該第2の絶縁体層を形成する工程と、
    前記複数の第1の絶縁体層及び前記複数の第2の絶縁体層からなる積層体を焼成する工程と、
    を備えていること、
    を特徴とする電子部品の製造方法。
  10. 前記第1の絶縁体層は、セラミックグリーンシートであり、
    前記第2の絶縁体層は、セラミックペーストが印刷されて形成されており、
    前記電子部品の製造方法は、
    前記第1の絶縁体層、前記第2の絶縁体層及び前記コイル導体層からなる単位層を複数積層して前記積層体を形成する工程を、
    更に備えていること、
    を特徴とする請求項9に記載の電子部品の製造方法。
  11. 前記コイル導体層は、積層方向から平面視したときに、旋回する形状をなしており、
    前記隙間は、前記コイル導体層の外周側の外縁と前記第2の絶縁体層との間に形成されていること、
    を特徴とする請求項9又は請求項10のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  12. 前記第1の絶縁体層は、磁性体層であること、
    を特徴とする請求項9ないし請求項11のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
JP2012226565A 2012-10-12 2012-10-12 電子部品及びその製造方法 Pending JP2014078650A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012226565A JP2014078650A (ja) 2012-10-12 2012-10-12 電子部品及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012226565A JP2014078650A (ja) 2012-10-12 2012-10-12 電子部品及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014078650A true JP2014078650A (ja) 2014-05-01

Family

ID=50783726

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012226565A Pending JP2014078650A (ja) 2012-10-12 2012-10-12 電子部品及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014078650A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180008287A (ko) * 2016-07-15 2018-01-24 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 적층 코일 부품 및 그 제조 방법
WO2018180176A1 (ja) * 2017-03-29 2018-10-04 株式会社村田製作所 電子部品
CN113053620A (zh) * 2019-12-27 2021-06-29 株式会社村田制作所 层叠线圈部件
JP7352200B2 (ja) 2021-03-29 2023-09-28 株式会社村田製作所 インダクタ部品

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008166385A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Tdk Corp 積層インダクタの製造方法
WO2008133152A1 (ja) * 2007-04-17 2008-11-06 Hitachi Metals, Ltd. 低損失フェライト及びこれを用いた電子部品
JP2009029134A (ja) * 2007-07-27 2009-02-12 Ngk Insulators Ltd セラミック積層成形体、セラミック焼成体、セラミック積層成形体の製造方法及びセラミック焼成体の製造方法
WO2010150602A1 (ja) * 2009-06-24 2010-12-29 株式会社村田製作所 電子部品及びその製造方法

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008166385A (ja) * 2006-12-27 2008-07-17 Tdk Corp 積層インダクタの製造方法
WO2008133152A1 (ja) * 2007-04-17 2008-11-06 Hitachi Metals, Ltd. 低損失フェライト及びこれを用いた電子部品
JP2009029134A (ja) * 2007-07-27 2009-02-12 Ngk Insulators Ltd セラミック積層成形体、セラミック焼成体、セラミック積層成形体の製造方法及びセラミック焼成体の製造方法
WO2010150602A1 (ja) * 2009-06-24 2010-12-29 株式会社村田製作所 電子部品及びその製造方法

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180008287A (ko) * 2016-07-15 2018-01-24 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 적층 코일 부품 및 그 제조 방법
US10153079B2 (en) 2016-07-15 2018-12-11 Murata Manufacturing Co., Ltd. Laminated coil component and method of manufacturing the same
KR101971341B1 (ko) * 2016-07-15 2019-04-22 가부시키가이샤 무라타 세이사쿠쇼 적층 코일 부품 및 그 제조 방법
WO2018180176A1 (ja) * 2017-03-29 2018-10-04 株式会社村田製作所 電子部品
JPWO2018180176A1 (ja) * 2017-03-29 2019-11-07 株式会社村田製作所 電子部品
CN113053620A (zh) * 2019-12-27 2021-06-29 株式会社村田制作所 层叠线圈部件
CN113053620B (zh) * 2019-12-27 2023-12-29 株式会社村田制作所 层叠线圈部件
JP7352200B2 (ja) 2021-03-29 2023-09-28 株式会社村田製作所 インダクタ部品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5333586B2 (ja) 電子部品及びその製造方法
JP5533673B2 (ja) 電子部品
JP5900373B2 (ja) 電子部品
WO2014181755A1 (ja) 電子部品
WO2009150921A1 (ja) 電子部品
US20140253276A1 (en) Laminated inductor
JP2014078650A (ja) 電子部品及びその製造方法
WO2011145517A1 (ja) 電子部品
JP2011014709A (ja) 電子部品
TWI559342B (zh) Electronic Parts
JP5327231B2 (ja) 電子部品
JP5365689B2 (ja) 電子部品及びその製造方法
JP5262813B2 (ja) 電子部品及びその製造方法
WO2010010799A1 (ja) 電子部品及びその製造方法
JP2011192737A (ja) 電子部品及びその製造方法
WO2014181756A1 (ja) 電子部品
JP5104587B2 (ja) 電子部品及びその製造方法
JP2009170446A (ja) 電子部品及びその製造方法
WO2009147899A1 (ja) 電子部品及びその製造方法
JP2011091221A (ja) 電子部品
WO2009147925A1 (ja) 電子部品
JP2010034175A (ja) 電子部品及びその製造方法
JP2014170879A (ja) 電子部品の製造方法
JP2010067758A (ja) 電子部品
WO2010061679A1 (ja) 電子部品

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150803

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20160602

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160615

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160628

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20161220