JP2010034175A - 電子部品及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】デラミネーションや積層ずれの発生を抑制しつつ、直流抵抗値を抑制できる電子部品及びその製造方法を提供する。
【解決手段】積層体12は、複数の絶縁体層が積層されて構成されている。ビアホール導体Bは、複数の絶縁体層を貫通するように設けられている。また、複数のビアホール導体Bは、z軸方向から平面視したときに、隣接するビアホール導体Bと一部分において重なることにより接続されて、螺旋状のコイルLを構成している。
【選択図】図1
【解決手段】積層体12は、複数の絶縁体層が積層されて構成されている。ビアホール導体Bは、複数の絶縁体層を貫通するように設けられている。また、複数のビアホール導体Bは、z軸方向から平面視したときに、隣接するビアホール導体Bと一部分において重なることにより接続されて、螺旋状のコイルLを構成している。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子部品及びその製造方法に関し、より特定的には、コイルを内蔵している電子部品及びその製造方法に関する。
従来の電子部品としては、例えば、特許文献1に記載の積層インダクタが知られている。該積層インダクタは、絶縁体層、コイル用導体及びスルーホールにより構成されている。絶縁体層は、長方形状のシートである。コイル用導体は、3/4ターンの長さを有する「コ」字型を有する導電膜であり、絶縁体層の表面上に形成されている。スルーホールは、絶縁体層を貫通するように形成されている。そして、絶縁体層が積層されることにより、スルーホールにより隣り合うコイル用導体同士が接続され、螺旋状のコイルが構成されている。
ところで、特許文献1に記載の積層インダクタは、以下に説明するように、デラミネーションや積層ずれの発生を抑制しつつ、直流抵抗値を抑制することが困難であるという問題を有している。より詳細には、前記積層インダクタでは、絶縁体層上に印刷法等によりコイル用導体が形成されている。故に、絶縁体層を積層及び圧着して積層体を作製すると、コイル用導体が形成された部分における積層体の積層方向の厚みは、その他の部分における積層体の積層方向の厚みよりも大きくなってしまう。このように、積層体内において厚みの差が発生すると、絶縁体層同士が剥離するデラミネーションが発生し易くなる。また、コイル用導体が積層方向に重なった状態で絶縁体層が圧着されると、絶縁体層の積層ずれが発生し易くなる。
前記デラミネーションの発生を抑制する方法としては、例えば、コイル用導体の線幅を狭くすることが挙げられる。これにより、絶縁体層同士の接触面積が増加するので、絶縁体層同士の接着力が大きくなり、デラミネーションの発生が抑制される。また、積層ずれを抑制する方法としては、例えば、コイル用導体の厚みを薄くすることが挙げられる。これにより、積層体内における厚みの差が小さくなるので、圧着時に絶縁体層の積層ずれが発生しにくくなる。更に、コイル用導体の厚みを薄くすることにより、デラミネーションの発生も抑制されるようになる。
しかしながら、コイル用導体の線幅を狭くしたり、コイル用導体の厚みを薄くしたりすると、該コイル用導体の断面積が小さくなるので、積層インダクタの直流抵抗値が増加してしまう。よって、特許文献1に記載の積層インダクタでは、デラミネーションや積層ずれの発生を抑制しつつ、直流抵抗値を抑制することは困難であった。
特開2003−37012号公報
そこで、本発明の目的は、デラミネーションや積層ずれの発生を抑制しつつ、直流抵抗値を抑制できる電子部品及びその製造方法を提供することである。
本発明の一形態に係る電子部品は、複数の絶縁体層が積層されて構成されている積層体と、前記複数の絶縁体層の内の所定の前記絶縁体層を貫通するように設けられている複数のビアホール導体と、を備え、前記複数のビアホール導体は、積層方向から平面視したときに、隣接する前記ビアホール導体と一部分において重なることにより接続されて、螺旋状のコイルを構成していること、を特徴とする。
また、本発明のその他の形態に係る電子部品の製造方法は、複数の絶縁体層の内の所定の絶縁体層のそれぞれに、所定の間隔でマトリクス状に並ぶ複数のビアホール導体を形成する工程と、前記複数のビアホール導体が、前記絶縁体層の法線方向から平面視したときに、隣接する前記ビアホール導体と一部分において重なることにより接続されて、螺旋状のコイルを構成するように、前記複数の絶縁体層を積層してマザー積層体を得る工程と、前記マザー積層体を複数の積層体にカットする工程と、を備えること、を特徴とする。
本発明によれば、コイルを内蔵した電子部品において、デラミネーションや積層ずれの発生を抑制しつつ、直流抵抗値を抑制できる。
以下に、本発明の一実施形態に係る電子部品及びその製造方法について図面を参照しながら説明する。
(電子部品の構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る電子部品10の透視図である。図2は、電子部品10の製造過程における分解斜視図である。図1及び図2において、電子部品10の積層方向をz軸方向と定義する。また、z軸方向に垂直な方向であって、電子部品10の辺に沿った方向をx軸方向及びy軸方向と定義する。x軸方向とy軸方向とは直交している。
図1は、本発明の一実施形態に係る電子部品10の透視図である。図2は、電子部品10の製造過程における分解斜視図である。図1及び図2において、電子部品10の積層方向をz軸方向と定義する。また、z軸方向に垂直な方向であって、電子部品10の辺に沿った方向をx軸方向及びy軸方向と定義する。x軸方向とy軸方向とは直交している。
電子部品10は、図1に示すように、積層体12、外部電極14a,14b及びコイルLを備えている。積層体12は、図2に示すように、正方形状の複数の絶縁体層112a,112b,112c・・・(以下、絶縁体層112a,112b,112c・・・を総称して、絶縁体層112と称す)が積層されて構成されている。
外部電極14aは、積層体12のz軸方向の正方向側の面(以下、上面と称す)を覆うように形成されている。また、外部電極14aは、上面から折り返されて、積層体12のz軸方向と平行な面(以下、側面と称す)と上面との稜線も覆っている。また、外部電極14bは、積層体12のz軸方向の負方向側の面(以下、下面と称す)を覆うように形成されている。また、外部電極14bは、下面から折り返されて、積層体12の側面と下面との稜線も覆っている。
コイルLは、ビアホール導体Ba,Bb,Bc・・・(以下、ビアホール導体Ba,Bb,Bc・・・を総称して、ビアホール導体Bと称す)が接続されることにより螺旋状に構成されている。ビアホール導体Bは、図2に示すように、絶縁体層112をz軸方向に貫通するように設けられている。複数のビアホール導体Bは、z軸方向から平面視したときに、z軸方向に隣接するビアホール導体Bと一部分において重なることにより、互いに接続されている。以下に、ビアホール導体Bについてより詳細に説明する。
ビアホール導体Bは、図2に示すように、z軸方向から平面視したときに、隣接するビアホール導体Bに対してx軸方向又はz軸方向に所定の距離Dだけずれて位置している。例えば、ビアホール導体Baは、図2に示すように、z軸方向から平面視したときに、隣接するビアホール導体Bbに対してx軸方向の負方向に所定の距離Dだけずれて位置している。また、ビアホール導体Beは、図2に示すように、z軸方向から平面視したときに、隣接するビアホール導体Bfに対してy軸方向の正方向に所定の距離Dだけずれて位置している。
ここで、前記距離Dは、ビアホール導体Bの直径よりも小さい必要がある。距離Dがビアホール導体Bの直径よりも大きい場合には、隣接するビアホール導体同士が重なることができないからである。そして、ビアホール導体Bは、x軸方向の正方向に距離Dずつずらされた状態で所定数(図1では8個)だけ配置された後に、y軸方向の負方向に距離Dずつずらされた状態で所定数だけ配置される。更に、ビアホール導体Bは、x軸方向の負方向に距離Dずつずらされた状態で所定数だけ配置された後に、y軸方向の正方向に距離Dずつずらされた状態で所定数だけ配置される。これにより、コイルLの1ターン分が構成される。このような構造が繰り返し配置されることにより、図1に示すように、複数ターンのコイルLが構成されている。
また、z軸方向の最も正方向側に位置するビアホール導体B(図1では、ビアホール導体Ba)は、外部電極14aに接続されている。z軸方向の最も負方向側に位置するビアホール導体Bは、外部電極14bに接続されている。
(効果)
以上のように構成された電子部品10によれば、以下に説明するように、デラミネーションや積層ずれの発生を抑制しつつ、直流抵抗値を抑制することができる。より詳細には、電子部品10では、ビアホール導体Bは、絶縁体層112にビアホールが形成され、該ビアホールに導電性材料が埋め込まれることにより作製される。故に、電子部品10において、絶縁体層112上からビアホール導体Bが突出する量は、特許文献1の積層インダクタにおいて絶縁体層上からコイル用導体が突出する量よりも小さくなる。その結果、電子部品10の積層体112における、ビアホール導体Bが形成されている部分における厚みとビアホール導体Bが形成されていない部分における厚みとの差は、特許文献1の積層インダクタの積層体における、コイル用導体が形成されている部分における厚みとコイル用導体が形成されていない部分における厚みとの差よりも小さくなる。よって、電子部品10では、前記積層インダクタに比べて、デラミネーションや積層ずれが発生しにくい。
以上のように構成された電子部品10によれば、以下に説明するように、デラミネーションや積層ずれの発生を抑制しつつ、直流抵抗値を抑制することができる。より詳細には、電子部品10では、ビアホール導体Bは、絶縁体層112にビアホールが形成され、該ビアホールに導電性材料が埋め込まれることにより作製される。故に、電子部品10において、絶縁体層112上からビアホール導体Bが突出する量は、特許文献1の積層インダクタにおいて絶縁体層上からコイル用導体が突出する量よりも小さくなる。その結果、電子部品10の積層体112における、ビアホール導体Bが形成されている部分における厚みとビアホール導体Bが形成されていない部分における厚みとの差は、特許文献1の積層インダクタの積層体における、コイル用導体が形成されている部分における厚みとコイル用導体が形成されていない部分における厚みとの差よりも小さくなる。よって、電子部品10では、前記積層インダクタに比べて、デラミネーションや積層ずれが発生しにくい。
更に、電子部品10では、前記のように、デラミネーションや積層ずれが発生しにくいので、コイルLを構成するビアホール導体Bの直径を任意に設定することができる。よって、電子部品10では、ビアホール導体Bの直径を大きくして、コイルLの直流抵抗値を抑制することができる。以上のように、電子部品10は、デラミネーションや積層ずれを抑制しつつ、コイルLの直流抵抗値を抑制できる。
また、電子部品10では、以下に説明するように、絶縁体層112の厚みを薄くしても、コイルLにおいてショートが発生しにくい。より詳細には、特許文献1に記載の積層インダクタでは、コイル用導体は、3/4ターンの長さを有している。そのため、積層方向に隣り合うコイル用導体同士は、絶縁体層を挟んで対向している。この場合、積層インダクタの小型化を図るために絶縁体層の厚みを薄くすると、絶縁体層にピンホールが発生して、コイル用導体同士が接続されてしまうおそれがある。すなわち、コイルにショートが発生してしまう。
一方、電子部品10では、図1及び図2に示すように、z軸方向から平面視したときに、同じ位置に重なるビアホール導体B同士の間には、複数の絶縁体層112が存在している。故に、絶縁体層112が薄く作製されることによりピンホールが発生し易くなったとしても、他の絶縁体層112においても同じ位置にピンホールが発生しない限り、ビアホール導体B同士が接続されることはない。このように、同じ位置に複数のピンホールが連なって形成される可能性は殆どない。更に、仮に、同じ位置に複数のピンホールが連なって形成されていたとしても、ビアホール導体B間には、複数の絶縁体層112が存在するので、ビアホール導体B同士が接続されてしまうことは殆どない。よって、電子部品10では、絶縁体層112の厚みを薄くしても、コイルLにおいてショートが発生しにくい。
また、電子部品10では、ビアホール導体B同士が重なっている面積を調整することにより、コイルLの直流抵抗値を調整することができる。具体的には、ビアホール導体Bの重なりを小さくすることにより、コイルLの直流抵抗値を大きくすることができ、ビアホール導体Bの重なりを大きくすることにより、コイルLの直流抵抗値を小さくすることができる。
(シミュレーション結果)
本願発明者は、電子部品10が奏する作用効果をより明確なものとするために、以下に説明するコンピュータシミュレーションを行った。本願発明者は、図1に示す本実施形態に係る電子部品10のモデル(第1のモデルと称す)及び図3に示す比較例に係る電子部品310のモデル(第2のモデルと称す)を作製し、これらのインダクタンス値及び直流抵抗値を計算した。
本願発明者は、電子部品10が奏する作用効果をより明確なものとするために、以下に説明するコンピュータシミュレーションを行った。本願発明者は、図1に示す本実施形態に係る電子部品10のモデル(第1のモデルと称す)及び図3に示す比較例に係る電子部品310のモデル(第2のモデルと称す)を作製し、これらのインダクタンス値及び直流抵抗値を計算した。
まず、比較例に係る電子部品310の構成について簡単に説明する。電子部品310は、特許文献1に記載の積層インダクタと同じ基本構成を有している。電子部品10と電子部品310との相違点は、コイルL,L'の構成である。より詳細には、電子部品310では、図3に示すように、3/4ターンの長さを有する複数のコイル電極312がビアホール導体B'により接続されている。これにより、螺旋状のコイルL'が構成されている。
次に、シミュレーション条件について説明する。本シミュレーションでは、第1のモデルのインダクタンス値と第2のモデルのインダクタンス値とが略等しくなるように、第1のモデルの条件及び第2のモデルの条件を定めた。第1のモデルの条件は以下の通りである。
絶縁体層112の厚み:5μm
ビアホール導体Bのz軸方向の長さ:10μm(すなわち、絶縁体層112の表面より5μmはみ出している。)
ビアホール導体Bの半径:60μm
距離D:80μm
絶縁体層112の厚み:5μm
ビアホール導体Bのz軸方向の長さ:10μm(すなわち、絶縁体層112の表面より5μmはみ出している。)
ビアホール導体Bの半径:60μm
距離D:80μm
第2のモデルの条件は以下の通りである。
コイル電極312の線幅:45μm
コイル電極312のz軸方向の厚み:12μm
絶縁体層の厚み:50μm
ビアホール導体B'の半径:30μm
コイル電極312の線幅:45μm
コイル電極312のz軸方向の厚み:12μm
絶縁体層の厚み:50μm
ビアホール導体B'の半径:30μm
表1は、本シミュレーションの結果を示した表である。
表1によれば、第1のモデル及び第2のモデル共に、略等しいインダクタンス値を得ることができている。そして、第1のモデルの直流抵抗値は、第2のモデルの直流抵抗値よりも、10%程度小さくなっていることがわかる。以上より、コイルLをビアホール導体Bにより構成した電子部品10の方が、コイルLをコイル電極312で構成した電子部品310よりも直流抵抗値が低くなることが分かった。
なお、電子部品310では、インダクタンス値の調整幅は、12nH間隔でしか調整できなかった。一方、電子部品10では、距離Dを変化させることにより、インダクタンス値を連続的に変化させることができる。
(電子部品の製造方法)
以下に、電子部品10の製造方法について図1及び図2を参照しながら、説明する。
以下に、電子部品10の製造方法について図1及び図2を参照しながら、説明する。
まず、酸化第二鉄(Fe2O3)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ニッケル(NiO)、及び、酸化銅(CuO)を所定の比率で秤量し、それぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を750℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、強磁性のフェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して、結合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、シート状に形成して乾燥させ、セラミックグリーンシート212を作製する。
次に、複数のセラミックグリーンシート212のそれぞれに、所定の間隔でマトリクス状に並ぶ複数のビアホール導体Bを形成する。具体的には、図2に示すように、複数のビアホール導体Bは、絶縁体層112のx軸方向に延在する辺L1と等しい間隔でx軸方向に並んでいると共に、絶縁体層112のy軸方向に延在する辺L2と等しい間隔でy軸方向に並んでいる。ビアホール導体Bの形成時には、セラミックグリーンシート212に対して、レーザビームを照射する。次に、形成したビアホールに対して、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などの導電性ペーストを印刷塗布などの方法により充填して、ビアホール導体Bを形成する。
次に、複数のビアホール導体Bが、z軸方向(セラミックグリーンシート212の法線方向)から平面視したときに、z軸方向に隣接するビアホール導体Bと一部分において重なることにより接続されて、螺旋状のコイルLを構成するように、複数のセラミックグリーンシート212を積層してマザー積層体を得る。より詳細には、z軸方向に隣り合うビアホール導体Bが距離Dだけずれるように、セラミックグリーンシート212をずらして積層する。例えば、図2に示すように、ビアホール導体Baが、ビアホール導体Bbに対して距離Dだけx軸方向の負方向側にずれるように、セラミックグリーンシート212aを、セラミックグリーンシート212bに対してずらして積層する。同様に、ビアホール導体Beが、ビアホール導体Bfに対して距離Dだけy軸方向の正方向側にずれるように、セラミックグリーンシート212eを、セラミックグリーンシート212fに対してずらして積層する。
次に、セラミックグリーンシート212を積層して得られた未焼成のマザー積層体を、図2の点線の位置でダイサー等により0.5mm×0.5mmの大きさにカットして、未焼成の積層体12を得る。
次に、未焼成の積層体12には、脱バインダー処理及び焼成がなされる。脱バインダー処理は、例えば、低酸素雰囲気中において500℃で2時間の条件で行う。焼成は、例えば、1000℃で2時間の条件で行う。
以上の工程により、焼成された積層体12が得られる。積層体12には、バレル加工を施して、面取りを行う。その後、積層体12の表面には、例えば、浸漬法等の方法により主成分が銀である電極ペーストを塗布及び焼き付けすることにより、外部電極14a,14bとなるべき銀電極を形成する。銀電極の乾燥は、120℃で10分間行われ、銀電極の焼き付けは、890℃で60分間行われる。
次に、銀電極の表面に、Niめっき/Snめっきを施すことにより、外部電極14a,14bを形成する。以上の工程を経て、図1に示すような電子部品10が完成する。
以上のような電子部品10の製造方法によれば、ビアホール導体Bが形成されたセラミックグリーンシート212を1種類だけ作製することで、電子部品10を製造することが可能となる。より詳細には、特許文献1に記載の積層インダクタでは、複数種類のコイル用導体が必要となる。そのため、積層インダクタでは、異なる形状のコイル用導体が形成された複数種類(例えば、5種類)のセラミックグリーンシートを作製する必要があった。そのため、該積層インダクタは、コイル用導体を作製するためのスクリーン版が複数種類必要になる等、積層インダクタの製造コストが高騰するという問題を有していた。
一方、電子部品10では、マトリクス状に配置されたビアホール導体Bが形成されたセラミックグリーンシート212を1種類作製すれば、該セラミックグリーンシート212をずらして配置することにより、電子部品10を作成することができる。故に、電子部品10は、積層インダクタに比べて安価に作製可能である。
(その他の実施形態)
本発明の実施形態に係る電子部品は、前記電子部品10に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。例えば、電子部品10では、全てのビアホール導体Bがずらされて配置されているが、全てのビアホール導体Bが必ずしもずらされて配置される必要はない。例えば、ビアホール導体Bの一部は、互いに隣接するもの同士で、z軸方向から平面視したときに一致して重なっていてもよい。
本発明の実施形態に係る電子部品は、前記電子部品10に限らず、その要旨の範囲内において変更可能である。例えば、電子部品10では、全てのビアホール導体Bがずらされて配置されているが、全てのビアホール導体Bが必ずしもずらされて配置される必要はない。例えば、ビアホール導体Bの一部は、互いに隣接するもの同士で、z軸方向から平面視したときに一致して重なっていてもよい。
また、電子部品10では、外部電極14aと外部電極14bとの間は、全てビアホール導体Bにより接続されているが、必ずしも全てビアホール導体Bで接続されている必要はない。電子部品10では、少なくとも螺旋状のコイルLの部分がビアホール導体Bで構成されていればよい。よって、螺旋状のコイルLの両端と外部電極14a,14bとを接続する引出し部分は、例えば、絶縁体層112上に設けられた導電体層(引出し電極)であってもよい。ただし、この場合は、複数種類のセラミックグリーンシート212を作製する必要がある。
Ba〜Bg ビアホール導体
L コイル
10 電子部品
12 積層体
14a,14b 外部電極
112a〜112g 絶縁体層
212a〜212g セラミックグリーンシート
L コイル
10 電子部品
12 積層体
14a,14b 外部電極
112a〜112g 絶縁体層
212a〜212g セラミックグリーンシート
Claims (2)
- 複数の絶縁体層が積層されて構成されている積層体と、
前記複数の絶縁体層の内の所定の前記絶縁体層を貫通するように設けられている複数のビアホール導体と、
を備え、
前記複数のビアホール導体は、積層方向から平面視したときに、隣接する前記ビアホール導体と一部分において重なることにより接続されて、螺旋状のコイルを構成していること、
を特徴とする電子部品。 - 複数の絶縁体層の内の所定の絶縁体層のそれぞれに、所定の間隔でマトリクス状に並ぶ複数のビアホール導体を形成する工程と、
前記複数のビアホール導体が、前記絶縁体層の法線方向から平面視したときに、隣接する前記ビアホール導体と一部分において重なることにより接続されて、螺旋状のコイルを構成するように、前記複数の絶縁体層を積層してマザー積層体を得る工程と、
前記マザー積層体を複数の積層体にカットする工程と、
を備えること、
を特徴とする電子部品の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2008193038A JP2010034175A (ja) | 2008-07-28 | 2008-07-28 | 電子部品及びその製造方法 |
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Cited By (1)
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CN102810382A (zh) * | 2011-05-31 | 2012-12-05 | 三星电机株式会社 | 片式线圈元件 |
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2008
- 2008-07-28 JP JP2008193038A patent/JP2010034175A/ja active Pending
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