JP2009290121A - 電子部品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】コイル電極が形成された絶縁層の圧着において、コイルの内径が小さくなることを抑制できる電子部品の製造方法を提供する。
【解決手段】複数のセラミックグリーンシート34上に、線幅w1,w2を有するコイル電極16を形成する。複数のコイル電極16において、z軸方向の中央の最も近くに位置するコイル電極16−4,16−5の線幅w2が相対的に小さくなり、z軸方向の端に位置するコイル電極16−1,16−6の線幅w1が相対的に大きくなるように、前記複数のセラミックグリーンシート34を積層及び圧着する。
【選択図】図4

Description

本発明は、電子部品の製造方法に関し、積層体内にコイルを内蔵している電子部品の製造方法に関する。
従来の電子部品の製造方法としては、例えば、特許文献1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法が知られている。積層セラミック電子部品の製造方法では、等しい線幅を持った複数のコイル導体パターンが、複数のセラミックグリーンシートに印刷され、コイル導体パターン及びセラミックグリーンシートが加圧(プレ・プレス)される。その後、複数のセラミックグリーンシートが積層されて、積層セラミック電子部品の積層体が得られる。
前記積層セラミック電子部品の製造方法によれば、コイル導体パターンが形成されたセラミックグリーンシートをプレ・プレスすることにより、コイル導体パターンを含むシート全体が平滑化される。その結果、複数のセラミックグリーンシートを積層する際に、コイル導体パターンに積層ずれが発生しにくくなる。
しかしながら、前記積層セラミック電子部品の製造方法では、以下に図面を参照しながら説明するように、コイルのインダクタンス値が小さくなるという問題がある。図8は、特許文献1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法によって得られる電子部品110の断面構造図である。図8には、積層体112、磁性体層114a〜114j及びコイル電極116a〜116fが記載されている。
電子部品110の製造時には、コイル電極116が形成されたセラミックグリーンシートが積層されて、積層方向の上下から加圧されて圧着される。この際、図8に示すように、コイル電極116は、積層方向に直線に並んでいる。そのため、積層前の状態では、コイル電極116が形成されている領域の積層方向の厚みは、コイル電極116が形成されていない領域の積層方向の厚みよりも大きくなっている。その結果、図8に示すように、加圧時にコイル電極116に集中して圧力が加わり、コイル電極116は、積層方向と垂直な方向に延びてしまう。特に、積層方向の中央近傍に位置しているコイル電極116cは、積層方向の上側と下側の両方にコイル電極116が存在するために、積層方向の上下方向から圧力が集中し、他のコイル電極116に比べて、大きく延びてしまう。
ここで、コイル電極116a〜116fは、等しい線幅に形成されている。そのため、コイル電極116fが大きく延びると、特に、コイル電極116fにおけるコイルLの内径w100が小さくなってしまう。磁束は、コイル電極116を通過することができないので、コイル電極116fにおいてコイルLの内径が小さくなっていると、コイルLのインダクタンス値は低下してしまう。その結果、得られたコイルLのインダクタンス値は、所望の値よりも小さくなってしまう。
特開平6−77074号公報
そこで、本発明の目的は、コイル電極が形成された絶縁層の圧着において、コイルの内径が小さくなることを抑制できる電子部品の製造方法を提供することである。
本発明の一形態に係る電子部品の製造方法は、複数のコイル電極及び複数の絶縁層が積層された積層体からなる電子部品の製造方法において、前記複数の絶縁層上に、複数種類の線幅を有する前記コイル電極を形成する工程と、積層方向に並ぶ前記複数のコイル電極において、積層方向の中央の最も近くに位置する前記コイル電極の線幅が最小となり、積層方向の端に位置する前記コイル電極の線幅が最大となるように、前記複数の絶縁層を積層及び圧着する工程と、を備えること、を特徴とする。
本発明によれば、積層された複数のコイル電極において、積層方向の中央の最も近くに位置するコイル電極の線幅が最小となり、積層方向の端から最も近くに位置するコイル電極の線幅が最大となるように、複数の絶縁層を積層及び圧着しているので、圧着後におけるこれらのコイル電極間の線幅の差を小さくできる。その結果、一部のコイル電極がコイルの内周に突出することが抑制され、コイルの内径が小さくなることを抑制できる。
以下に、本発明の一実施形態に係る電子部品の製造方法について説明する。
(電子部品の構成)
まず、本発明の一実施形態に係る電子部品の製造方法により作製される電子部品について図面を参照しながら説明する。図1は、電子部品10の外観斜視図である。図2は、電子部品10のA−Aにおける断面構造図である。以下、電子部品10の積層方向をz軸方向と定義し、電子部品10の長辺に沿った方向をx軸方向と定義し、電子部品10の短辺に沿った方向をy軸方向と定義する。なお、図2では、各層の境界線が実線により示されているが、実際には、視認できるような境界線が存在しない場合も存在する。
電子部品10は、図1に示すように、内部にコイルLを含む直方体状の積層体12と、x軸方向の両端に位置する積層体12の側面に形成された2つの外部電極13a,13bとを備えている。
積層体12は、以下に説明するように、複数のコイル電極と複数の磁性体層とが積層されて構成されている。積層体12は、図2に示すように、複数の絶縁層(磁性体層14a〜14j)及びコイル電極16a〜16fが積層されることにより構成されている。以下では、個別の磁性体層14a〜14j及びコイル電極16a〜16fを指す場合には、参照符号の後ろのアルファベットを付し、これらを総称する場合には、参照符号の後ろのアルファベットを省略する。
磁性体層14は、強磁性のフェライト(例えば、Ni−Zn−Cuフェライト又はNi−Znフェライト等)からなる長方形状を有する絶縁層である。磁性体層14a〜14jは、図2に示すように、この順に上から積層されている。更に、磁性体層14c〜14gにはそれぞれ、磁性体層14c〜14gをz軸方向に貫通するビアホール導体(図示せず)が形成されている。
また、磁性体層14c〜14hの主面上にはそれぞれ、図2に示すように、コイルLを構成しているコイル電極16a〜16fが形成されている。コイル電極16a〜16fは、Ag,Pd,Au,Pt等を主成分とする貴金属やこれらの合金などの導電性材料により形成されている。
以上のように構成された磁性体層14a〜14jがこの順に積層方向の上側から積層されることにより、コイル電極16a〜16fは、ビアホール導体により互いに隣り合うもの同士で接続されて、コイルLを構成している。
ここで、図2に示すように、電子部品10では、コイル電極16a〜16fは、z軸方向において直線に並んでいると共に、略等しい線幅w0を有している。これにより、コイルLの内径は、コイルLの全長にわたって略等しくなっている。そのため、積層方向の中央近傍において、コイルLの内径が小さくなることにより、コイルLのインダクタンス値が低下することが抑制される。
(電子部品の製造方法)
以下に、図1及び図2に示す電子部品10の製造方法について図面を参照しながら説明する。図3は、電子部品10に用いられるセラミックグリーンシート34−1〜34−6及びコイル電極16−1〜16−6からなるシートtype1〜type6を示した図である。図4は、積層体12の分解図である。以下では、個別のセラミックグリーンシート34−1〜34−6及びコイル電極16−1〜16−6を指す場合には、ハイフンの後ろの数字を付し、これらを総称する場合には、ハイフンの後ろの数字を省略する。
まず、図3に示したシートtype1〜type6について説明する。電子部品10の積層体12は、シートtype1〜type6が積層されることにより作製される(ただし、電子部品10では、シートtype2は使用されない)。シートtype1は、外部電極13aと接続される接続部18−1を有するコイル電極16−1がセラミックグリーンシート34−1の主面上に形成されてなり、z軸方向の最も上側に設けられるシートである。コイル電極16−1の一端には、z軸方向にセラミックグリーンシート34−1を貫通しているビアホール導体b1が接続されている。
シートtype6は、外部電極13bと接続される接続部18−6を有するコイル電極16−6がセラミックグリーンシート34−6の主面上に形成されてなり、z軸方向の最も下側に設けられるシートである。コイル電極16−6の一端には、z軸方向の上側に設けられたコイル電極16との接続箇所である接続部20−6,22−6が設けられている。
シートtype2は、コイル電極16−2がセラミックグリーンシート34−2の主面上に形成されてなり、シートtype1とシートtype6との間に設けられるシートである。コイル電極16−2の一端には、z軸方向にセラミックグリーンシート34−2を貫通しているビアホール導体b2が接続されている。
シートtype3は、コイル電極16−3がセラミックグリーンシート34−3の主面上に形成されてなり、シートtype1とシートtype6との間に設けられるシートである。コイル電極16−3の一端には、z軸方向にセラミックグリーンシート34−3を貫通しているビアホール導体b3が接続されている。
シートtype4は、コイル電極16−4がセラミックグリーンシート34−4の主面上に形成されてなり、シートtype1とシートtype6との間に設けられるシートである。コイル電極16−4の一端には、z軸方向にセラミックグリーンシート34−4を貫通しているビアホール導体b4が接続されている。
シートtype5は、コイル電極16−5がセラミックグリーンシート34−5の主面上に形成されてなり、シートtype1とシートtype6との間に設けられるシートである。コイル電極16−5の一端には、z軸方向にセラミックグリーンシート34−5を貫通しているビアホール導体b5が接続されている。
ここで、コイル電極16−1〜16−5は、線状電極が長方形状に折り曲げられた形状を有しており、略1ターンの長さを有している。また、コイル電極16−6は、線状電極が折り曲げられて形成されており、略1/2ターンの長さを有している。ただし、コイル電極16−1,16−6の一端には接続部18−1,18−6が設けられている。また、コイル電極16−2〜16−5は、環状とはなっておらず、両端が異なる場所に位置する形状を有している。
更に、コイル電極16−1〜16−3,16−6の線幅は、全て線幅w1である。一方、コイル電極16−4,16−5の線幅は、線幅w1よりも狭い線幅w2である。また、コイル電極16−2とコイル電極16−4とは同じ形状を有し、コイル電極16−3とコイル電極16−5とは同じ形状を有している。
電子部品10の作製では、まず、図3に示すシートtype1〜type6が作製される。具体的には、まず、セラミックグリーンシート34を、以下の工程により作製する。酸化第二鉄(Fe23)を45mol%、酸化亜鉛(ZnO)を5mol%、酸化ニッケル(NiO)を40mol%、及び、酸化銅(CuO)を10mol%の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を750℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、フェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して結合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、シート状に形成して乾燥させ、厚み35μmのセラミックグリーンシート34を作製する。
次に、セラミックグリーンシート34−1〜34−5のそれぞれに、ビアホール導体b1〜b5を形成する。具体的には、セラミックグリーンシート34−1〜34−5にレーザビームを照射してビアホールを形成する。次に、このビアホールに対して、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などの導電性ペーストを印刷塗布などの方法により充填する。
次に、セラミックグリーンシート34−1〜34−6上に、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布することにより、コイル電極16−1〜16−6を形成する。コイル電極16−1〜16−6の厚みを、35μmとする。また、コイル電極16−1〜16−3,16−6の線幅w1を300μmとし、コイル電極16−4,16−5の線幅w2を270μmとする。
更に、セラミックグリーンシート34−1〜34−3,34−6の外周からコイル電極16−1〜16−3,16−6の外周までの距離(すなわち、サイドギャップの大きさ)d3,d4を、300μmとする。また、セラミックグリーンシート34−4,34−5の外周からコイル電極16−4,16−5の外周までの距離d5,d6を、315μmとする。なお、コイル電極16−1〜16−5を形成する工程とビアホールに対して導電性ペーストを充填する工程とは、同じ工程において行われてもよい。以上の工程により、シートtype1〜シートtype6が作製される。
次に、シートtype1〜type6を積層する。具体的には、図4に示すように、z軸方向の上からシートtype1、シートtype4、シートtype5、シートtype4、シートtype3、シートtype6の順に積層される。更に、シートtype1のz軸方向の上側には、コイル電極16が形成されていないセラミックグリーンシート34−7が2枚積層され、シートtype6のz軸方向の下側には、セラミックグリーンシート34−7が2枚積層される。
以上のように、シートtype1〜type6が積層されることにより、z軸方向に並ぶコイル電極16において、z軸方向の中央近傍に位置するコイル電極16(図4では、コイル電極16−4,16−5)の線幅w2は、z軸方向の端の近くに位置するコイル電極16(図4では、コイル電極16−1,16−3,16−6)の線幅w1よりも狭くなっている。
ここで、シートtype1〜type6及びセラミックグリーンシート34−7は、z軸方向の下側のものから順に上側へと一枚ずつ積層される。より詳細には、セラミックグリーンシート34−7を配置する。次に、配置したセラミックグリーンシート34−7上に、更なるセラミックグリーンシート34−7の配置及び仮圧着を行う。この後、シートtype6、シートtype3、シートtype4、シートtype5、シートtype4、シートtype1及び2枚のセラミックグリーンシート34−7についても同様にこの順番に積層及び仮圧着して、マザー積層体を得る。
前記積層及び仮圧着により、コイル電極16同士がビアホール導体b1〜b5により接続されて、コイルLが構成される。より具体的には、図3において、コイル電極16−1のビアホール導体b1が設けられている方の端部と、コイル電極16−4のビアホール導体b4が設けられていない方の端部とが、ビアホール導体b1により接続される。また、コイル電極16−4のビアホール導体b4が設けられている方の端部と、コイル電極16−5のビアホール導体b5が設けられていない方の端部とが、ビアホール導体b4により接続される。また、コイル電極16−5のビアホール導体b5が設けられている方の端部と、コイル電極16−4のビアホール導体b4が設けられていない方の端部とが、ビアホール導体b5により接続される。また、コイル電極16−4のビアホール導体b4が設けられている方の端部と、コイル電極16−3のビアホール導体b3が設けられていない方の端部とが、ビアホール導体b4により接続される。また、コイル電極16−3のビアホール導体b3が設けられている方の端部と、コイル電極16−6の接続部20−6とが、ビアホール導体b3により接続される。
以上のようにコイルLが構成されることにより、図2及び図4において、コイル電極16−1とコイル電極16aとが対応し、上側のコイル電極16−4とコイル電極16bとが対応し、コイル電極16−5とコイル電極16cとが対応し、下側のコイル電極16−4とコイル電極16dとが対応し、コイル電極16−3とコイル電極16eとが対応し、コイル電極16−6とコイル電極16fとが対応している。
次に、マザー積層体には、静水圧プレスなどにより本圧着が施される。本圧着では、z軸方向の中央近傍に位置しているコイル電極16−4,16−5は、積層方向の上側と下側の両方にコイル電極16−1,16−3,16−6が存在するために、z軸方向の上下方向から圧力が集中し、コイル電極16−1,16−3,16−6よりもz軸方向と垂直な方向に大きく延びる。ただし、コイル電極16−4,16−5の線幅w2は、コイル電極16−1,16−3,16−6の線幅w1よりも狭いので、本圧着後のコイル電極16の線幅は、図2に示すように、全て線幅w0に揃う。
更に、コイル電極16−4,16−5は、コイル電極16−1,16−3,16−6よりも、z軸方向と垂直な方向に大きく延びるので、図2に示すように、本圧着後において、コイル電極16b,16c,16dの厚みd2は、コイル電極16a,16e,16fの厚みd1よりも薄くなっている。
次に、マザー積層体をギロチンカットにより2.5mm×2.0mmの寸法の積層体12にカットする。これにより未焼成の積層体12が得られる。この未焼成の積層体12には、脱バインダー処理及び焼成がなされる。脱バインダー処理は、例えば、低酸素雰囲気中において500℃で2時間の条件で行う。焼成は、例えば、900℃で2時間の条件で行う。
以上の工程により、焼成された積層体12が得られる。積層体12には、バレル加工が施されて、面取りが行われる。その後、積層体12の表面には、例えば、浸漬法等の方法により主成分が銀である電極ペーストが塗布及び焼き付けされることにより、外部電極13a,13bとなるべき銀電極が形成される。銀電極の乾燥は、120℃で10分間行われ、銀電極の焼き付けは、890℃で60分間行われる。
最後に、銀電極の表面に、Niめっき/Snめっきを施すことにより、外部電極13a,13bを形成する。以上の工程を経て、図1及び図2に示すような電子部品10が完成する。
(効果)
本実施形態に係る電子部品10の製造方法によれば、以下に説明するように、z軸方向に並ぶコイル電極16において、z軸方向の中央近傍に位置しているコイル電極16−4,16−5の線幅w2を相対的に狭くし、z軸方向の端近傍に位置しているコイル電極16−1,16−3,16−6の線幅w1を相対的に広くしたので、電子部品10の完成時において、コイル電極16a〜16f間の線幅の差を小さくすることができた(図2では差をなくすことができた。)。したがって、コイルLの内径が部分的に狭くなることによって、コイルLのインダクタンス値が低下することが抑制される。
より詳細には、図4に示すように、z軸方向に並ぶコイル電極16においてz軸方向の中央近傍に位置しているコイル電極16−4,16−5の線幅w2は、z軸方向に並ぶコイル電極16においてz軸方向の端近傍に位置しているコイル電極16−1,16−3,16−6の線幅w1よりも狭い。z軸方向の中央近傍に位置しているコイル電極16−4,16−5は、z軸方向の上側と下側の両方にコイル電極16−1,16−3,16−6が存在するために、本圧着時に、z軸方向の上下方向から圧力が集中し、コイル電極16−1,16−3,16−6よりもz軸方向と垂直な方向に大きく延びる。
そこで、電子部品10の製造方法では、コイル電極16−4,16−5の線幅w2を、コイル電極16−1,16−3,16−6の線幅w1よりも狭くしている。その結果、電子部品10において、本圧着後のコイル電極16a〜16fの線幅の差を小さくすることができた(図2では、線幅が全て揃っている)。その結果、電子部品10の製造方法では、コイルLの内径が部分的に狭くなることにより、コイルLのインダクタンス値が低下することが抑制される。
また、電子部品10の製造方法によれば、以下に説明するように、積層体12の側面にデラミネーション(層間剥離)が発生することを抑制できる。従来の製造方向により作製された図8の電子部品110では、積層方向の中央近傍に位置するコイル電極116cが、他のコイル電極116よりも積層方向に垂直な方向に大きく延びる。そのため、コイル電極116cの端部は、図8に示すように、積層体112の側面近傍にまで到達している。
このように積層体112の側面近傍にまでコイル電極116cが到達すると、コイル電極116cよりも外側の領域(以下、サイドギャップと称す)における磁性体層114dと磁性体層114eとの密着する面積が狭くなってしまう。その結果、磁性体層114の膨張率とコイル電極116の膨張率との差に起因して積層体112の焼成時に発生する応力により、図8の拡大図に示すように、磁性体層114dと磁性体層114eとの間においてデラミネーションが発生してしまう。
一方、電子部品10の製造方法では、図4に示すように、z軸方向に並ぶコイル電極16において、z軸方向の中央近傍に位置するコイル電極16−4,16−5の線幅w2が、他のコイル電極16の線幅w1よりも狭くなっているので、本圧着後にコイル16b〜16dがz軸方向と垂直な方向に大きく突出することが抑制される。その結果、本圧着後において、サイドギャップが狭くなることが抑制され、磁性体層14間においてデラミネーションが発生することが抑制される。
(実験)
本願発明者は、本実施形態に係る電子部品10の製造方法が奏する効果をより明確なものとするために、以下に説明する実験を行った。より詳細には、コイル電極の枚数を6枚から12枚の間で変化させて、比較例に係る電子部品を作製した。また、同様に、コイル電極16の枚数を6枚から12枚の間で変化させて、実施例に係る電子部品10を作成した。そして、比較例に係る電子部品及び実施例に係る電子部品10のインダクタンス値、直流抵抗値、不良発生率(デラミネーションが発生した確率)を測定した。表1は、比較例に係る電子部品の作製に用いたシートの積層仕様を示した表であり、表2は、実施例に係る電子部品の作製に用いたシートの積層仕様を示した表である。
Figure 2009290121
Figure 2009290121
以下に、作製した比較例に係る電子部品及び実施例に係る電子部品10について説明する。表1に示すように、比較例に係る電子部品には、コイル電極16の線幅が全て等しいシートtype1,type2,type3,type6が用いられている。より詳細には、シートtype1とシートtype6との間に、シートtype2,type3を交互に積層している。そして、シートtype2,type3の枚数を調整することにより、コイル電極16の枚数を調整している。
また、表2に示すように、実施例に係る電子部品10には、シートtype1〜type6が用いられている。シートtype1,type2,type3,type6に形成されているコイル電極16の線幅は、線幅w1であり、シートtype4,type5に形成されているコイル電極の線幅は、線幅w1よりも狭い線幅w2である。シートtype1〜type6では、シートtype1とシートtype6との間に、シートtype2,type3を交互に積層又は、シートtype4,type5を交互に積層している。この際、シートtype4,type5は、z軸方向に並ぶコイル電極16において、z軸方向の中央近傍に位置するように配置されている。そして、シートtype2,type3の枚数を調整することにより、コイル電極16の枚数を調整している。
以上のような比較例に係る電子部品及び実施例に係る電子部品10のインダクタンス値、直流抵抗値及び不良発生率を表3に示す。また、図5は、表3の実験結果をグラフにしたものであり、コイル電極16の総厚みとインダクタンス値との関係を示したグラフである。横軸は、コイル電極の総厚みを示し、縦軸は、インダクタンス値を示す。図6は、表3の実験結果をグラフにしたものであり、コイル電極16の総厚みと直流抵抗値との関係を示したグラフである。なお、コイル電極16の総厚みとは、一枚のコイル電極16の厚み(35μm)とコイル電極16の積層枚数とをかけて得られた値である。
Figure 2009290121
表3及び図5によれば、実施例に係る電子部品10の方が比較例に係る電子部品よりも大きなインダクタンス値を得られることが理解できる。更に、コイル電極16の総厚みが大きくなるにしたがって(特に、コイル電極16の総厚みが315μm以上において)、実施例に係る電子部品10のインダクタンス値と比較例に係る電子部品のインダクタンス値との差が大きくなっていることが理解できる。これは、コイル電極16の総厚みが大きくなると、z軸方向の中央近傍のコイル電極16の延びる量が大きくなり、コイルLの内径がより小さくなるためである。故に、本実施形態に係る電子部品10の製造方法は、コイル電極16の総厚みが大きくなればなるほどに有効であるといえる。
また、実施例に係る電子部品10では、一部のコイル電極16の線幅を狭くしているので、比較例に係る電子部品に比べて、コイルLの直流抵抗値が上昇してしまう。しかしながら、表3及び図6によれば、実施例に係る電子部品10の直流抵抗値と比較例に係る電子部品の直流抵抗値との差が、僅かであることが理解できる。具体的には、コイル電極16の総厚みが315μm以上の領域において、直流抵抗値の上昇率は、5%以下に抑えられている。
また、表3によれば、コイル電極16の総厚みが350μm以上の領域において、比較例に係る電子部品の不良発生率は、0%以上に上昇しているのに対して、実施例に係る電子部品10の不良発生率は、0%のままである。故に、電子部品10の製造方法によれば、電子部品10におけるデラミネーションの発生を抑制できることがわかる。
(その他の実施形態)
なお、電子部品10の製造方法は、前記実施形態に示したものに限らない。したがって、その要旨の範囲内において変形可能である。以下に、図7を参照しながら変形例に係る電子部品10aの製造方法について説明する。図7は、変形例に係る電子部品10aの積層体12aの分解図である。電子部品10aでは、電子部品10において、シートtype3及び上側のシートtype4が、シートtype3'及びシートtype4'に置き換えられている。図7において、シートtype3',type4'のコイル電極16'−3,16'−4の線幅w3は、線幅w2より広くかつ線幅w1より狭い。
図4に示した積層体12では、コイル電極16−1〜16−6の線幅は、2種類のみであった。しかしながら、コイル電極16−1〜16−6の線幅はこれに限らない。コイル電極16−1,16−4〜16−6,16'−3,16'−4の線幅は、複数種類存在してもよく、例えば、図7に示すように3種類の線幅w1〜w3が存在していていもよい。
ただし、複数種類の線幅を有するコイル電極16が存在する場合には、z軸方向に並ぶコイル電極16において、z軸方向の中央の最も近くに位置するコイル電極16の線幅(図7では、コイル電極16−4,16−5の線幅w2)が最小となり、z軸方向の端に位置するコイル電極16の線幅(図7では、コイル電極16−1,16−6の線幅w1)が最大となるように、シートを積層する必要がある。これにより、本圧着後における各コイル電極16a〜16f間の線幅の差の最大値を小さくできる。より詳細には、z軸方向に並ぶコイル電極16において、z軸方向の中央の最も近くに位置するコイル電極16が延ばされる量が、最も大きく、z軸方向の端に位置するコイル電極16が延ばされる量が、最も小さい。故に、最も延ばされる量が大きいコイル電極16の線幅を最小とし、最も延ばされる量が小さいコイル電極16の線幅を最小とすることにより、本圧着後のコイル電極16a〜16f間の差の最大値を小さくすることができる。
更に、図7に示すように、z軸方向に並ぶコイル電極16において、z軸方向の端に位置するコイル電極16からz軸方向の中央の最も近くに位置するコイル電極16に近づくにつれて、コイル電極16の線幅が狭くなっていくように、シートが積層されていることが好ましい。これにより、本圧着後におけるコイル電極16の線幅を均一に近づけることができる。より詳細には、本圧着時において、z軸方向に並ぶコイル電極16において、z軸方向の中央に近づくにつれて、コイル電極16が延ばされる量が大きくなる。故に、コイル電極16の線幅を、延ばされる量に応じた線幅とすることにより、本圧着後のコイル電極16a〜16fの線幅をより均一に近づけることができる。
また、電子部品10,10aの製造方法において、シートtype1〜type6を積層する前に、コイル電極16及びセラミックグリーンシート34に対してz軸方向の上下からプレス処理を施すことが好ましい。より詳細には、ゴムが貼り付けられた金型で、コイル電極16が形成された側の主面を押さえつけることによりプレス処理を施すことが好ましい。これにより、シートtype1〜type6において、コイル電極16とセラミックグリーンシート34とをあわせた厚みが小さくなる。その結果、シートtype1〜type6の積層時において、コイル電極16がz軸方向と垂直な方向にずれることが抑制される。
なお、電子部品10,10aの製造方法では、シートtype1〜type6のコイル電極16の厚みを均一としているが、コイル電極16の厚みは均一でなくてもよい。例えば、線幅が相対的に広いコイル電極16の厚みを相対的に小さくし、線幅が相対的に狭いコイル電極16の厚みを相対的に大きくしてもよい。このように構成された電子部品10,10aでは、コイル電極16の厚みが均一である電子部品10,10aに比べて直流抵抗値の増加を低減できる。
本発明の一実施形態に係る製造方法にて作製される電子部品の外観斜視図である。 図1に示す電子部品のA−Aにおける断面構造図である。 セラミックグリーンシート及びコイル電極からなるシートを示した図である。 積層体の分解図である。 コイル電極の総厚みとインダクタンス値との関係を示したグラフである。 コイル電極の総厚みと直流抵抗値との関係を示したグラフである。 変形例に係る製造方法で製造された電子部品の積層体の分解図である。 特許文献1に記載の積層セラミック電子部品の製造方法によって得られる電子部品の断面構造図である。
符号の説明
type1〜type6,type3',type4' シート
10,10a 電子部品
12,12a 積層体
13a,13b 外部電極
14a〜14j 磁性体層
16a〜16f,16−1〜16−6 コイル電極
34−1〜34−7 セラミックグリーンシート

Claims (4)

  1. 複数のコイル電極及び複数の絶縁層が積層された積層体からなる電子部品の製造方法において、
    前記複数の絶縁層上に、複数種類の線幅を有する前記コイル電極を形成する工程と、
    積層方向に並ぶ前記複数のコイル電極において、積層方向の中央の最も近くに位置する前記コイル電極の線幅が最小となり、積層方向の端に位置する前記コイル電極の線幅が最大となるように、前記複数の絶縁層を積層及び圧着する工程と、
    を備えること、
    を特徴とする電子部品の製造方法。
  2. 前記複数の絶縁層を積層及び圧着する工程では、積層方向の端に位置する前記コイル電極から積層方向の中央の最も近くに位置する前記コイル電極へと近づくに従って、前記複数のコイル電極の線幅が狭くなっていくように、前記複数の絶縁層を積層すること、
    を特徴とする請求項1に記載の電子部品の製造方法。
  3. 前記コイル電極を形成する工程では、前記絶縁層上に印刷法により該コイル電極を形成すること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
  4. 前記絶縁層を積層する前に、前記コイル電極及び該絶縁層に対してプレス処理を施すこと、
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子部品の製造方法。
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