JP5703754B2 - 電子部品及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品及びその製造方法に関し、絶縁層とコイル電極とが積層されてなる電子部品及びその製造方法に関する。
以下に、コイルを内蔵した従来の電子部品の構造について図面を参照しながら説明する。図10は、従来の電子部品200の透視図である。図11は、従来の電子部品200の積層体202の分解斜視図である。
電子部品200は、図10に示すように、内部にコイルを含む直方体状の積層体202と、積層体202の対向する側面に形成される2つの外部電極212a,212bとを備える。
積層体202は、複数のコイル電極と複数の磁性体層とが積層されて構成されている。具体的には、以下の通りである。積層体202は、図11に示すように、強磁性のフェライト(例えば、Ni−Zn−Cuフェライト又はNi−Znフェライト等)からなる複数の磁性体層204a〜204f,206a〜206dが積層されることにより構成されている。磁性体層204a〜204fには、コイルを構成するコイル電極208a〜208fが形成されている。また、磁性体層204a〜204eには、ビアホール導体B51〜B55が形成されている。ビアホール導体B51〜B55は、例えば、レーザを照射してビアホールを形成し、該ビアホールに対して導体を充填して形成される。そのため、図10に示すように、ビアホール導体B51〜B55は、一端の面積が相対的に大きく、かつ、他端の面積が相対的に小さい形状を有している。
コイル電極208a〜208fは、「コ」字状の形状を有し、3/4ターンの長さを有する電極である。ビアホール導体B1〜B5はそれぞれ、各コイル電極208a〜208eの一端において磁性体層204a〜204eを上下方向に貫通するように設けられている。コイル電極208a〜208fは、ビアホール導体B51〜B55により互いに接続されることにより、螺旋状のコイルを構成する。更に、積層方向において最も上側及び最も下側に形成されたコイル電極208a,208fにはそれぞれ、引き出し電極210a,210bが設けられている。この引き出し電極210a,210bは、コイルと外部電極212a,212bとを接続する役割を果たす。
以上のように構成された従来の電子部品200では、以下に説明するように、コイル電極208fとビアホール導体B55との間において断線が発生し易いという問題がある。
図11に示すように、コイル電極208fの長さは、コイル電極208aの長さよりも長い。そのため、コイルに電流を流した場合には、コイル電極208fにおける発熱量は、コイル電極208aにおける発熱量よりも多くなる。更に、コイル電極208fには、ビアホール導体B55の面積が小さい方の端部が接続されている。そのため、特に、コイル電極208fとビアホール導体B55との接続部分において集中的に発熱する。その結果、コイル電極208fとビアホール導体B55との間において、断線が発生し易い。
なお、特許文献1には、最も上層のコイル導体と最も下層のコイル導体とが同じ形状を有する積層型電子部品が記載されている。しかしながら、特許文献1では、ビア導体とコイル導体との接続部分における断線の問題については言及されていない。
特開2005−167130号公報
そこで、本発明の目的は、ビアホール導体とコイル電極との間の断線を防止できる電子部品及びその製造方法を提供することである。
本発明の一形態に係る電子部品は、
コイルを構成している複数のコイル電極と、
前記複数のコイル電極と共に積層されて積層体を構成している複数の絶縁層と、
前記積層体の表面に設けられている2つの外部電極と
前記コイルと前記2つの外部電極とを接続する2つの接続部と、
前記複数のコイル電極を接続し、かつ、一方の端部の面積が他方の端部の面積よりも大きい形状を有しているビアホール導体と、
を備え、
積層方向の両端に設けられている前記コイル電極の内、接続されている前記ビアホール導体と前記接続部との間の直流抵抗値が相対的に大きい前記コイル電極をスタート電極と定義し、接続されている前記ビアホール導体と前記接続部との間の直流抵抗値が相対的に小さい前記コイル電極をエンド電極と定義し、該スタート電極及び該エンド電極以外の前記コイル電極を、中間電極と定義したときに、
前記スタート電極は、前記中間電極と接続されている前記ビアホール導体と、前記一方の端部を介して接続されており、
前記エンド電極は、前記中間電極と接続されている前記ビアホール導体と、前記他方の端部を介して接続されており、前記ビアホール導体と接続可能な部分が、他の部分よりも太い形状を有していること、
を特徴とする。
前記電子部品において、前記エンド電極は、1ターンから前記中間電極のターン数を引いて得られるターン数以上の長さを有していると共に、前記中間電極と接続されている前記ビアホール導体と、前記他方の端部を介して接続されていてもよい。
前記電子部品において、前記エンド電極は、積層方向から平面視したときに、前記中間電極に接続されている前記ビアホール導体と重なっていてもよい。
前記電子部品において、前記スタート電極と前記中間電極とを接続している前記ビアホール導体は、前記絶縁層において該スタート電極と一体的に形成されていてもよい。
前記電子部品において、前記エンド電極から前記スタート電極に向かう方向を、第1の方向と定義した場合において、前記各ビアホール導体において、前記一方の端部は、前記他方の端部よりも第1の方向側に位置していてもよい。
前記電子部品において、前記エンド電極は、複数個所において前記ビアホール導体と接続可能に構成されていてもよい。
前記電子部品において、前記エンド電極は、前記ビアホール導体と接続可能な部分が、他の部分よりも太い形状を有していてもよい。
前記電子部品において、前記エンド電極と前記中間電極とを接続しているビアホール導体は、該エンド電極の両端以外の部分に接続されていてもよい。
前記電子部品において、前記接続部は、ビアホール導体であってもよい。
前記電子部品において、前記接続部は、前記絶縁層上に設けられ、かつ、前記スタート電極又は前記エンド電極のそれぞれに接続されている引き出し電極であってもよい。
前記電子部品の製造方法は、
前記ビアホール導体を、前記絶縁層に形成する工程と、
前記接続部を前記絶縁層に形成する工程と、
前記スタート電極及び前記中間電極を前記絶縁層に形成する工程と、
前記エンド電極を前記絶縁層に形成する工程と、
前記中間電極が前記スタート電極と前記エンド電極との間に位置するように、該スタート電極が形成された前記絶縁層、該エンド電極が形成された前記絶縁層及び該中間電極が形成された前記絶縁層を積層して、積層体を形成する工程と、
を備えること、
を特徴とする。
前記電子部品の製造方法において、前記ビアホール導体を形成する工程と、前記スタート電極及び前記中間電極を形成する工程とは、同時に行われてもよい。
本発明によれば、ビアホール導体とコイル電極との間の断線を防止できる。
本発明の一実施形態に係る電子部品の外観斜視図である。 図1の電子部品の積層体の分解斜視図である。 コイルのターン数を変化させた場合における電子部品の積層体の分解斜視図である。 図1の電子部品をy軸方向から透視した図である。 従来の電子部品の積層体の分解斜視図である。 従来の電子部品の積層体の分解斜視図である。 従来の電子部品をy軸方向から透視した図である。 実験においてセラミックグリーンシート上に作製したコイル電極を示した図である。 コイル電極の変形例を示した図。 従来の電子部品の透視図。 従来の電子部品の積層体の分解斜視図。
以下に、本発明の一実施形態に係る電子部品及びその製造方法について説明する。該電子部品は、例えば、インダクタ、インピーダ、LCフィルタ、LCフィルタアレイに用いられる。
(電子部品の構成)
まず、本発明の一実施形態に係る電子部品の構成について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電子部品10の外観斜視図である。図2は、図1の電子部品10の積層体12の分解斜視図である。以下では、積層体12の積層方向をz軸方向と定義し、z軸方向に直交する方向をx軸方向及びy軸方向と定義する。x軸方向及びy軸方向は、積層体12の辺に平行である。
電子部品10は、図1に示すように、積層体12及び外部電極14a,14bを備えている。積層体12は、直方体状をなしており、内部にコイルLを含んでいる。外部電極14a,14bは、積層体12のz軸方向の両端に位置する面に設けられ、コイルLに接続されている。
積層体12は、複数のコイル電極と複数の絶縁層とが共に積層されて構成されている。具体的には、以下の通りである。積層体12は、図2に示すように、強磁性のフェライト(例えば、Ni−Zn−Cuフェライト又はNi−Znフェライト等)からなる複数の磁性体層16a〜16lがz軸方向の正方向側から負方向側へとこの順に並ぶように積層されることにより構成されている。複数の磁性体層16a〜16lは、それぞれ略同じ面積及び同じ長方形状を有する絶縁層である。磁性体層16d〜16iの主面上にはそれぞれ、コイルLを構成しているコイル電極18a〜18e,20が設けられている。更に、磁性体層16a〜16lにはそれぞれ、ビアホール導体B1〜B12が設けられている。なお、フェライトからなる磁性体層16a〜16lの代わりに、誘電体や絶縁体が用いられてもよい。以下では、個別の磁性体層16a〜16l及びコイル電極18a〜18eを示す場合には、参照符号の後ろにアルファベットを付し、磁性体層16a〜16l及びコイル電極18a〜18eを総称する場合には、参照符号の後ろのアルファベットを省略するものとする。また、個別のビアホール導体B1〜B12を示す場合には、Bの後ろに数字を付し、ビアホール導体B1〜B12を総称する場合には、Bの後ろの数字を省略するものとする。
各コイル電極18,20は、Agからなる導電性材料からなり、環の一部が切り欠かれた形状を有する。本実施形態では、コイル電極18,20は、コ字型をなしている。これにより、各コイル電極18,20は、3/4ターンの長さを有する電極を構成している。なお、コイル電極18,20は、Pd,Au,Pt等を主成分とする貴金属やこれらの合金などの導電性材料からなっていてもよい。また、コイル電極18,20は、円又は楕円の一部が切り欠かれた形状であってもよい。以下に、コイル電極18a〜18e,20のそれぞれの構成について説明する。
コイル電極18aは、磁性体層16d〜16iの内、z軸方向の最も正方向側に配置された磁性体層16d上に設けられており、スタート電極と呼ばれる。コイル電極18aは、コイル電極18b〜18eと等しいターン数を有している。該コイル電極18aの一端には、コンタクト部C1が設けられており、該コイル電極18aの他端には、コンタクト部C2が設けられている。コンタクト部C1は、ビアホール導体B1〜B3を介して外部電極14aに電気的に接続されている。よって、コンタクト部C1は、z軸方向から平面視したときに、ビアホール導体B1〜B3と重なる位置に設けられている。また、コンタクト部C1は、ビアホール導体B3と接続し易いように、コイル電極18aの他の部分よりも太く形成されている。コンタクト部C2は、ビアホール導体B4と接続し易いように、コイル電極18aの他の部分よりも太く形成されており、ビアホール導体B4と一体的に形成されている。
コイル電極18bは、磁性体層16e上に設けられており、中間電極と呼ばれる。該コイル電極18bの一端には、コンタクト部C3が設けられており、該コイル電極18bの他端には、コンタクト部C4が設けられている。コンタクト部C3は、磁性体層16dと磁性体層16eとが積層されたときに、ビアホール導体B4と接続し易いように、コイル電極18bの他の部分よりも太く形成されている。また、コンタクト部C4は、ビアホール導体B5と接続し易いように、コイル電極18bの他の部分よりも太く形成されており、ビアホール導体B5と一体的に形成されている。
コイル電極18cは、磁性体層16f上に設けられており、中間電極と呼ばれる。該コイル電極18cの一端には、コンタクト部C5が設けられており、該コイル電極18cの他端には、コンタクト部C6が設けられている。コンタクト部C5は、磁性体層16eと磁性体層16fとが積層されたときに、ビアホール導体B5と接続し易いように、コイル電極18cの他の部分よりも太く形成されている。また、コンタクト部C6は、ビアホール導体B6と接続し易いように、コイル電極18cの他の部分よりも太く形成されており、ビアホール導体B6と一体的に形成されている。
コイル電極18dは、磁性体層16g上に設けられており、中間電極と呼ばれる。該コイル電極18dの一端には、コンタクト部C7が設けられており、該コイル電極18dの他端には、コンタクト部C8が設けられている。コンタクト部C7は、磁性体層16fと磁性体層16gとが積層されたときに、ビアホール導体B6と接続し易いように、コイル電極18dの他の部分よりも太く形成されている。また、コンタクト部C8は、ビアホール導体B7と接続し易いように、コイル電極18dの他の部分よりも太く形成されており、ビアホール導体B7と一体的に形成されている。
コイル電極18eは、磁性体層16h上に設けられており、中間電極と呼ばれる。該コイル電極18eの一端には、コンタクト部C9が設けられており、該コイル電極18eの他端には、コンタクト部C10が設けられている。コンタクト部C9は、磁性体層16gと磁性体層16hとが積層されたときに、ビアホール導体B7と接続し易いように、コイル電極18eの他の部分よりも太く形成されている。また、コンタクト部C10は、ビアホール導体B8と接続し易いように、コイル電極18eの他の部分よりも太く形成されており、ビアホール導体B8と一体的に形成されている。
コイル電極20は、磁性体層16d〜16iの内、z軸方向の最も負方向側に配置された磁性体層16i上に設けられており、エンド電極と呼ばれる。コイル電極20は、1ターンから中間電極であるコイル電極18b〜18eのターン数を引いて得られるターン数以上の長さを有している(なお、本実施形態では、コイル電極20のターン数とコイル電極18b〜18eのターン数とは等しい)。コイル電極20の一端には、コンタクト部C11が設けられており、該コイル電極20の他端には、コンタクト部C14が設けられている。更に、コイル電極20は、複数個所においてビアホール導体Bと接続可能とするために、コンタクト部C12,C13を有している。より具体的には、コイル電極18は、コ字型を有しており、その4つの角部においてビアホール導体Bと接続され得る。そのため、この4つの角部に設けられたビアホール導体Bと接続可能なように、コイル電極20は、4つの角部においてコンタクト部C11〜C14を有している。
コンタクト部C13は、磁性体層16hと磁性体層16iとが積層されたときに、ビアホール導体B8と接続し易いように、コイル電極20の他の部分よりも太く形成されている。コンタクト部C14は、ビアホール導体B9〜B12を介して外部電極14bに電気的に接続されている。よって、コンタクト部C14は、z軸方向から平面視したときに、ビアホール導体B9〜B12と重なる位置に設けられている。また、コンタクト部C14は、ビアホール導体B9と接続し易いように、コイル電極20の他の部分よりも太く形成されており、ビアホール導体B9と一体的に形成されている。また、コンタクト部C11,C12は、ビアホール導体Bと接続し易いように、コイル電極20の他の部分よりも太く形成されている。以下では、個別のコンタクト部C1〜C14を示す場合には、Cの後ろに数字を付し、コンタクト部C1〜C14を総称する場合には、Cの後ろの数字を省略するものとする。
以上のように、電子部品10では、z軸方向の正方向側の端に位置しているスタート電極(コイル電極18a)、z軸方向の負方向側の端に位置しているエンド電極(コイル電極20)、及び、スタート電極及びエンド電極以外の4種類の中間電極(コイル電極18b〜18e)によりコイルLが構成されている。そして、コイルLのターン数を調整する場合には、エンド電極であるコイル電極20と中間電極であるコイル電極18eとの間に、中間コイルであるコイル電極18b〜18eの内の適切なコイル電極18を挿入する。具体的には、以下の通りである。図3は、コイルLのターン数を変化させた場合における電子部品10の積層体12の分解斜視図である。
例えば、図2に示した積層体12のコイルLのターン数を1ターンだけ増加させたい場合には、図3に示すように、磁性体層16hと磁性体層16iとの間に、コイル電極18f及びビアホール導体B13が設けられた磁性体層16mを挿入すればよい。磁性体層16m、コイル電極18f及びビアホール導体B13は、磁性体層16e、コイル電極18b及びビアホール導体B5と同じ構造を有している。これにより、コイルのターン数を変化させることができる。
図2のように磁性体層16mが挿入されない場合には、コンタクト部C13が、ビアホール導体B8との接続に用いられる。図3のように磁性体層16mが挿入される場合には、コンタクト部C12が、ビアホール導体B13との接続に用いられる。このように、コイル電極20は、z軸方向から平面視したときに、中間電極であるコイル電極18e,18fと接続されているビアホール導体Bと重なっていることにより、コイル電極18e,18fのいずれとも接続可能な構成を有している。更に、コイル電極20は、z軸方向から平面視したときに、中間電極であるコイル電極18cと接続されているビアホール導体Bと重なっていることにより、コイル電極18cとも接続可能な構成を有している。
次に、ビアホール導体Bについて説明する。図4は、電子部品10をy軸方向から透視した図である。ビアホール導体Bは、図2に示すように、磁性体層16をz軸方向に貫通するように設けられ、図4に示すように、y軸方向から見たときに、一方の端部t1の面積が他方の端部t2の面積よりも大きい形状を有している。より詳細には、z軸方向の正方向側に位置する端部t1の面積は、z軸方向の負方向側に位置する端部t2の面積より大きい。以下に、各ビアホール導体Bの接続関係について説明する。
ビアホール導体B1〜B3は、z軸方向に直線上に並ぶように接続されている。ビアホール導体B3の端部t2は、コイル電極18aに接続されている。ビアホール導体B4の端部t1は、コイル電極18aに接続され、ビアホール導体B4の端部t2は、コイル電極18bに接続されている。ビアホール導体B5の端部t1は、コイル電極18bに接続され、ビアホール導体B5の端部t2は、コイル電極18cに接続されている。ビアホール導体B6の端部t1は、コイル電極18cに接続され、ビアホール導体B6の端部t2は、コイル電極18dに接続されている。ビアホール導体B7の端部t1は、コイル電極18dに接続され、ビアホール導体B7の端部t2は、コイル電極18eに接続されている。ビアホール導体B8の端部t1は、コイル電極18eに接続され、ビアホール導体B8の端部t2は、コイル電極20に接続されている。ビアホール導体B9〜B12は、z軸方向に直線上に並ぶように接続されている。ビアホール導体B9の端部t1は、コイル電極20に接続されている。これにより、全てのビアホール導体B1〜B12において、端部t1は、端部t2よりもz軸方向の正方向側に位置するようになる。
以上のような構成を有する電子部品10では、コイル電極20は、図2及び図3に示すように、中間電極であるコイル電極18e,18fに接続されているビアホール導体B8,B13毎に、異なるコンタクト部C12,C13を介して接続されている。故に、コイルLのターン数が変化すると、コイル電極20に接続されている2つのビアホール導体B間の距離も変化する。より詳細には、図2に示す状態では、コイル電極20に接続されている2つのビアホール導体B8,B9間の距離が相対的に短くなり、図3に示す状態では、コイル電極20に接続されている2つのビアホール導体B9,B13間の距離が相対的に長くなる。そして、コイル電極18aとコイル電極20とは、共に3/4ターンの長さを有しているので、エンド電極であるコイル電極20に接続されている2つのビアホール導体B間の直流抵抗値は、相対的に小さくなっており、スタート電極であるコイル電極18aに接続されている2つのビアホール導体B間の直流抵抗値は、相対的に大きくなっている。
(電子部品の製造方法)
以下に図1及び図2を参照しながら電子部品10の製造方法について説明する。以下に説明する製造方法では、シート積層法により1つの電子部品10を作製するものとする。ただし、該製造方法において、大判のセラミックグリーンシートを用いて、マザー積層体を作製し、個別の積層体12にカットするようにしてもよい。
まず、磁性体層16となるべきセラミックグリーンシートを、以下のようにして作製する。酸化第二鉄(Fe23)を48.0mol%、酸化亜鉛(ZnO)を25.0mol%、酸化ニッケル(NiO)を18.0mol%、酸化銅(CuO)を9.0mol%の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式調合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を750℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕し、フェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して結合剤(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)と可塑剤、湿潤材、分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、シート状に形成して乾燥させ、所望の膜厚(例えば、35μm)のセラミックグリーンシートを作製する。
磁性体層16となるべきセラミックグリーンシートに、ビアホール導体Bを形成する。具体的には、セラミックグリーンシートにレーザビームを用いて貫通孔を形成する。ここで、レーザビームは、減衰しながらセラミックグリーンシート内を通過する。そのため、貫通孔は、レーザビームが照射された側の開口部の面積が大きく、反対側の開口部の面積が小さいテーパ形状を有する。次に、この貫通孔にAg,Pd,Cu,Auやこれらの合金などの導電性ペーストを印刷塗布などの方法により充填する。これにより、図4に示すような、y軸方向から見たときに、一方の端部t1の面積が他方の端部t2の面積よりも大きい形状を有したビアホール導体Bが形成される。
次に、磁性体層16d〜16hとなるべきセラミックグリーンシート上に、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布することにより、スタート電極及び中間電極であるコイル電極18a〜18eを形成する。具体的には、磁性体層16d〜16hとなるべきセラミックグリーンシートにおいて、ビアホール導体Bの端部t1側の主面に、コンタクト部Cとビアホール導体Bとが重なるようにコイル電極18を形成する。なお、コイル電極18及びビアホール導体Bを、同時にセラミックグリーンシートに形成してもよい。
次に、磁性体層16iとなるべきセラミックグリーンシート上に、Ag,Pd,Cu,Auやこれらの合金などを主成分とする導電性ペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布することにより、エンド電極であるコイル電極20を形成する。具体的には、磁性体層16iとなるべきセラミックグリーンシートにおいて、ビアホール導体B9の端部t1側の主面に、コンタクト部C14とビアホール導体B9とが重なるようにコイル電極20を形成する。なお、コイル電極20及びビアホール導体B9を、同時にセラミックグリーンシートに形成してもよい。
次に、各セラミックグリーンシートを積層して、未焼成の積層体12を形成する。この際、コイル電極18b〜18e(中間電極)がコイル電極18a(スタート電極)とコイル電極20(エンド電極)との間に位置すると共に、コイル電極20が、コイル電極18eと接続されているビアホール導体B8と、端部t2を介して接続され、かつ、コイル電極18aに接続されるビアホール導体B3,B4間の直流抵抗値が、コイル電極20に接続されるビアホール導体B8,B9間の直流抵抗値よりも大きくなるように、積層体12を形成する。具体的には、磁性体層16lとなるべきセラミックグリーンシートを配置する。次に、磁性体層16lとなるべきセラミックグリーンシート上に、磁性体層16kとなるべきセラミックグリーンシートの配置及び仮圧着を行う。この後、磁性体層16j,16i,16h,16g,16f,16e,16d,16c,16b,16aとなるべきセラミックグリーンシートについても同様の手順により仮圧着を行う。これにより、未焼成の積層体12が形成される。この未焼成の積層体12には、静水圧プレスなどにより本圧着が施される。
次に、積層体12に、脱バインダー処理及び焼成を行う。焼成温度は、例えば、900℃である。これにより、焼成された積層体12が得られる。積層体12の表面には、例えば、浸漬法等の方法により主成分が銀である電極ペーストを塗布及び焼き付けすることにより、外部電極14a,14bとなる銀電極を形成する。
最後に、外部電極14a,14bとなる銀電極の表面に、Niめっき/Snめっきを施す。以上の工程を経て、図1に示すような電子部品10が完成する。
(効果)
電子部品10によれば、ビアホール導体B4とコイル電極18aとの間の断線を防止できる。具体的には、電子部品10では、コイル電極18aは、コイル電極20よりも長く形成されているので、コイルLに電流を流した際に、コイル電極20に比べて強く発熱する。特に、コイル電極18aとビアホール導体B4との接続部分において集中的に発熱する。
そこで、電子部品10では、図4に示すように、コイル電極18aには、ビアホール導体B4の端部t1が接続されている。この端部t1は、端部t2よりも大きな面積を有する。そのため、電子部品10では、コイル電極18aとビアホール導体B4との接続部分における直流抵抗値が低減され、該接続部分が集中的に発熱することが抑制される。その結果、コイル電極18aとビアホール電極B4との境界部分において断線が発生することが抑制される。
本願発明者は、前記効果をより明確なものとするために、以下に示す静電気放電試験を行って、断線発生率を評価した。試験には、第1の試作品及び第2の試作品を用いた。第1の試作品は、本実施形態に係る電子部品10に相当する。具体的には、図2及び図3に示す電子部品10を用いた。また、第2の試作品は、図2及び図3に示す電子部品10において、ビアホール導体Bのz軸方向の向きを反転させたものを用いた。なお、第1の試作品及び第2の試作品の詳細は以下の通りである。
サイズ:1.00mm×0.50mm×0.50mm
磁性体層の材質:Ni−Cu−Zn系フェライト
外部電極の材質:銀電極上にNi−Snめっき
コイル電極の材質:銀
コイル電極の長さ:3/4ターン
コイルのターン数:10ターン
製造方法:シート積層法
第1の試作品及び第2の試作品をそれぞれ多数個作製し、このうちRdc≧平均+3σの条件(ただし、平均とは多数個のRdcの平均値である)に合致するものをそれぞれ10個抽出し、この100個ずつの第1の試作品及び第2の試作品に対して、正負方向に各30回ずつ0.1秒間隔で30kVの電圧を印加した。これにより得られた結果を表1に示す。
Figure 0005703754
以上のように、第2の試作品では、一部のものに断線が発生したが、第1の試作品では、全く断線が発生しなかった。従って、本実施形態に係る電子部品10では、断線の発生を抑制できていることが理解できる。
また、電子部品10では、スタート電極であるコイル電極18aと中間電極であるコイル電極18bとを接続するビアホール導体B4が、コイル電極18aと製造工程において同時に形成されることにより、一体的に形成されている。そのため、コイル電極18aとビアホール導体B4との接続が強固になり、コイル電極18aとビアホール導体B4との接続部分において断線が発生しにくくなっている。
また、電子部品10及びその製造方法によれば、以下に説明するように、ビアホール導体Bの位置を設計しなおすことなく、コイルLのターン数を変化させることができる。図5及び図6は、従来の電子部品110の積層体112の分解斜視図である。図7は、電子部品110をy軸方向から透視した図である。以下では、積層体112の積層方向をz軸方向と定義し、z軸方向に直交する方向をx軸方向及びy軸方向と定義する。x軸方向及びy軸方向は、積層体112の辺に平行である。
電子部品110は、図1に示すように、内部にコイルを含んでいる直方体状の積層体112と、積層体112のz軸方向の両端に位置する面に設けられている2つの外部電極114a,114bとを備えている。
積層体112は、複数のコイル電極と複数の磁性体層とが積層されて構成されている。具体的には、以下の通りである。積層体112は、図5に示すように、強磁性のフェライト(例えば、Ni−Zn−Cuフェライト又はNi−Znフェライト等)からなる複数の磁性体層116a〜116lがz軸方向の負方向側から正方向側へとこの順に並ぶように積層されることにより構成されている。磁性体層116d〜116iには、コイルを構成するコイル電極118a〜118e,120が設けられている。また、磁性体層116a〜116lには、ビアホール導体b1〜b12が設けられている。
コイル電極118a〜118e,120は、コ字型をなし、3/4ターンの長さを有する線状電極である。ビアホール導体b5〜b8はそれぞれ、各コイル電極118b〜118eの一端において磁性体層116e〜116hをz軸方向に貫通するように設けられている。また、ビアホール導体b9は、コイル電極120の左下に位置している角部において磁性体層116iをz軸方向に貫通するように設けられている。これにより、コイル電極118a〜118e,120は、ビアホール導体b5〜b9により互いに接続されることにより、螺旋状のコイルを構成している。
更に、ビアホール導体b1〜b4はそれぞれ、磁性体層116a〜116dをz軸方向に貫通するように設けられており、コイル電極118aと外部電極114aとを電気的に接続している。また、ビアホール導体b10〜b12はそれぞれ、磁性体層116j〜116lをz軸方向に貫通するように設けられており、コイル電極120と外部電極114bとを電気的に接続している。
以上のように構成された従来の電子部品110では、以下に説明するように、コイルのターン数を変化させることができる。図6は、コイルのターン数を変化させたときにおける積層体112の分解斜視図である。
図5に示した積層体112のコイルのターン数を1ターンだけ増加させたい場合には、図6に示すように、磁性体層116hと磁性体層116iとの間に、コイル電極118f及びビアホール導体b13が設けられた磁性体層116mを挿入すればよい。コイル電極118f及びビアホール導体b13は、コイル電極118b及びビアホール導体b5と同じ構造を有している。これにより、コイルのターン数を変化させることができる。なお、図6の状態から、更に、積層体112のコイルのターン数を1ターンだけ増加させたい場合には、磁性体層116mと磁性体層116iとの間に、磁性体層116fと同じ構造を有する磁性体層116を挿入すればよい。
しかしながら、電子部品110では、図5及び図6に示すように、コイルのターン数を変化させると、コイル電極120のz軸方向の負方向側に位置するコイル電極118の端部の位置が変化する。よって、コイル電極120のz軸方向の負方向側に位置するコイル電極118とコイル電極120とを接続するためには、ビアホール導体b9の位置を変化させなければならない。すなわち、電子部品110では、コイルのターン数を変化させる際に、ビアホール導体b9の位置を設計しなおす必要がある。
これに対して、図2に示した電子部品10では、エンド電極であるコイル電極20は、積層方向の最も下側に設けられている。該コイル電極20の直上に設けられるコイル電極18は、コイルLのターン数により変化する。そのため、コイルLのターン数が変化すると、該コイル電極18の端部の位置が変化する。
ところが、コイル電極18とコイル電極20とは、コイル電極18と一体的に形成されているビアホール導体Bにより接続される。そのため、コイルLのターン数が変化してコイル電極18の端部の位置が変化した場合には、ビアホール導体Bの位置もコイル電極18の端部の位置と一緒に変化する。ただし、コイル電極20の直上に設けられるコイル電極18は、コイル電極18b〜18eと同じ構造を有している。そのため、電子部品10では、コイル電極18の端部の位置及びビアホール導体Bの位置が変化したとしても、ビアホール導体Bの位置を新たに設計しなおす必要はない。なお、ビアホール導体Bがコイル電極18と一体的に形成されているとは、ビアホール導体B8とコイル電極18eとが製造工程において同時に形成されている状態を指す。
更に、電子部品10では、エンド電極であるコイル電極20が、z軸方向から平面視したときに、中間電極であるコイル電極18b〜18eに接続されているビアホール導体Bと重なっている。そのため、コイルLのターン数を変化させることにより、コイル電極20に接続されるビアホール導体Bの位置が変化しても、コイル電極20と該ビアホール導体Bとをコンタクト部C11〜C14のいずれかを用いて接続することができる。その結果、電子部品10では、コイルLのターン数を変化させる際に、コイル電極20を設計しなおす必要がない。すなわち、電子部品10では、エンド電極であるコイル電極20を1種類準備するだけで足りる。
ただし、コイル電極20は、図2に示すように、コイル電極18b〜18eに接続されているビアホール導体Bと重なるだけの長さ(3/4ターン)を有している必要は必ずしもない。コイル電極20は、1ターンから中間電極であるコイル電極18a〜18eのターン数を引いて得られるターン数以上の長さを少なくとも有していればよい。これにより、コイル電極20は、少なくとも2箇所以上にて、ビアホール導体Bと接続することが可能となる。より具体的には、コイル電極20が1/4ターンの長さを有している場合には、コイル電極20は、図2に示すように、ビアホール導体B8,B9と接続可能である。また、コイル電極20が1/2ターンの長さを有している場合には、コイル電極20は、図3に示すように、ビアホール導体B9,B13と接続可能である。ただし、この場合には、コイルLの長さを変化させると、コイル電極20を設計しなおす必要がある。
また、本実施形態に係る電子部品10によれば、以下に説明するように、コイル電極20と接続されているビアホール導体B9の形成不良の発生を抑制できる。より詳細には、図5及び図6に示す従来の電子部品110では、コイル電極120の途中にビアホール導体b9が設けられている。
ところが、図5及び図6に示すようなコイル電極120の途中にビアホール導体b9が形成されたコイル導体120では、ビアホール導体b9の形成不良が発生してしまう可能性がある。具体的には、図5及び図6に示すコイル導体120では、ビアホール導体b9がコイル電極120の途中に形成されているので、ビアホール導体b9から2方向にコイル電極120の配線が延びている。そのため、スクリーン印刷法によりコイル導体120を形成した場合には、導電性ペーストがコイル電極120の配線の形成に使用されてしまい、ビアホール導体b9に十分な導電性ペーストが供給されない。その結果、図5及び図6に示すコイル導体120では、ビアホール導体b9の形成不良が発生するおそれがある。
これに対して、本実施形態に係る電子部品10では、ビアホール導体B9は、図2に示すように、コイル電極20の端部に設けられているので、ビアホール導体B9から1方向にしかコイル電極20の配線が延びていない。そのため、スクリーン印刷法によりコイル電極20を形成した場合に、導電性ペーストがコイル電極20の配線の形成に使用されると共に、ビアホール導体B9の形成にも使用されるようになる。その結果、電子部品10では、ビアホール導体B9の形成不良の問題が発生しにくい。
本願発明者は、前記効果をより明確なものとするために、以下に示す実験を行って、ビアホール導体の形成不良率を評価した。図8は、実験においてセラミックグリーンシート上に作製したコイル電極20を示した図である。
実験では、図8に示すように、ビアホール導体Ba〜Bdの位置にそれぞれ貫通孔を有する90mm×90mmのセラミックグリーンシートに、19044個のコイル電極をスクリーン印刷により形成した。そして、19044個のコイル電極中に1つでもビアホール導体の形成不良が発生した場合には、そのセラミックグリーンシートにビアホール導体の形成不良が発生したものとみなした。このような作業を、200枚のセラミックグリーンシートに対して実行した。表2に実験結果を示す。
Figure 0005703754
表2に示すように、コイル電極20の端部に位置するビアホール導体Ba,Bdの形成不良率は、0%であった。コイル電極20の途中に位置するビアホール導体Bb,Bcの形成不良率は、15%及び17%であった。従って、ビアホール導体がコイル電極の途中に設けられた場合よりも、ビアホール導体がコイル電極の端部に設けられた場合の方が、ビアホール導体の形成不良率を低減できることが理解できる。すなわち、電子部品10では、ビアホール導体B9がコイル電極20の端部に設けられるので、ビアホール導体B9の形成不良が発生しにくいことが理解できる。
(その他の実施形態)
なお、本発明に係る電子部品は前記各実施形態に限定するものではなく、その要旨の範囲内で変更することができる。例えば、図2では、コンタクト部Cは、コイル電極18,20の他の部分よりも太く形成されているが、コンタクト部Cは、必ずしも太く形成される必要はない。例えば、十分にコイル電極18,20の線幅が太い場合には、コンタクト部Cは、コイル電極18,20の他の部分よりも太く形成されなくてもよい。
ここで、図9のコイル電極20が用いられた場合について説明する。図9のコイル電極20は、図2のコイル電極20と異なり、明確なコンタクト部Cを有さない。そのため、コイル電極20が複数個所においてビアホール導体B8と接続可能に構成されていることは、コイル電極20単体を見ただけでは判別が困難である。
しかしながら、コイル電極20のビアホール導体B9が接続されている端部とは反対側の端部以外の部分(例えば、図9の点M,N)にビアホール導体B8が接続されている場合には、ビアホール導体B8が接続されている点からビアホール導体B9が接続されていない方の端部までの間において、ビアホール導体B8が接続可能であると言える。そこで、ビアホール導体B9が接続されていない方の端部を余してビアホール導体B8がコイル電極20に接続されている場合には、コイル電極20が複数個所においてビアホール導体B8と接続可能に構成されていると判断する。
なお、電子部品10では、3/4ターンのコイル電極18が用いられているが、例えば、5/6ターンのコイル電極18や7/8ターンのコイル電極18が用いられてもよい。
なお、電子部品10の製造方法では、シート積層法によって電子部品10を作製したが、該電子部品10の製造方法はこれに限らない。例えば、電子部品10は、印刷法により作製されてもよい。
なお、電子部品10では、図2に示すように、コイル電極18aをコイル電極20よりも長く形成することにより、ビアホール導体B3からビアホール導体B4までの第1の直流抵抗を、ビアホール導体B8からビアホール導体B9までの第2の直流抵抗よりも大きくしている。しかしながら、第1の直流抵抗を第2の直流抵抗よりも大きくする方法はこれに限らない。例えば、コイル電極18aとコイル電極20の線幅や厚さを調整することによって実現してもよい。
また、電子部品10では、コイルLの両端はそれぞれ、ビアホール導体Bにより外部電極14a,14bと接続されている。しかしながら、コイルLのいずれか一方の端部は、磁性体層16上においてコイル導体18と接続された引き出し部により外部電極14a又は外部電極14bと接続されていてもよい。
本発明は、電子部品及びその製造方法に有用であり、特に、ビアホール導体とコイル電極との間の断線を防止できる点において優れている。
B1〜B13 ビアホール導体
C1〜C16 コンタクト部
L コイル
t1,t2 端部
10 電子部品
12 積層体
14a,14b 外部電極
16a〜16m 磁性体層
18a〜18f,20 コイル電極

Claims (11)

  1. コイルを構成している複数のコイル電極と、
    前記複数のコイル電極と共に積層されて積層体を構成している複数の絶縁層と、
    前記積層体の表面に設けられている2つの外部電極と
    前記コイルと前記2つの外部電極とを接続する2つの接続部と、
    前記複数のコイル電極を接続し、かつ、一方の端部の面積が他方の端部の面積よりも大きい形状を有しているビアホール導体と、
    を備え、
    積層方向の両端に設けられている前記コイル電極の内、接続されている前記ビアホール導体と前記接続部との間の直流抵抗値が相対的に大きい前記コイル電極をスタート電極と定義し、接続されている前記ビアホール導体と前記接続部との間の直流抵抗値が相対的に小さい前記コイル電極をエンド電極と定義し、該スタート電極及び該エンド電極以外の前記コイル電極を、中間電極と定義したときに、
    前記スタート電極は、前記中間電極と接続されている前記ビアホール導体と、前記一方の端部を介して接続されており、
    前記エンド電極は、前記中間電極と接続されている前記ビアホール導体と、前記他方の端部を介して接続されており、前記ビアホール導体と接続可能な部分が、他の部分よりも太い形状を有していること、
    を特徴とする電子部品。
  2. 前記エンド電極は、1ターンから前記中間電極のターン数を引いて得られるターン数以上の長さを有していること、
    を特徴とする請求項1に記載の電子部品。
  3. 前記エンド電極は、積層方向から平面視したときに、前記中間電極に接続されている前記ビアホール導体と重なっていること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2のいずれかに記載の電子部品。
  4. 前記スタート電極と前記中間電極とを接続している前記ビアホール導体は、前記絶縁層において該スタート電極と一体的に形成されていること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電子部品。
  5. 前記エンド電極から前記スタート電極に向かう方向を、第1の方向と定義した場合において、前記各ビアホール導体において、前記一方の端部は、前記他方の端部よりも第1の方向側に位置していること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれかに記載の電子部品。
  6. 前記エンド電極は、複数個所において前記ビアホール導体と接続可能に構成されていること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の電子部品。
  7. 前記エンド電極と前記中間電極とを接続しているビアホール導体は、該エンド電極の両端以外の部分に接続されていること、
    を特徴とする請求項6に記載の電子部品。
  8. 前記接続部は、ビアホール導体であること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の電子部品。
  9. 前記接続部は、前記絶縁層上に設けられ、かつ、前記スタート電極又は前記エンド電極のそれぞれに接続されている引き出し電極であること、
    を特徴とする請求項1ないし請求項のいずれかに記載の電子部品。
  10. 請求項1に記載の電子部品の製造方法において、
    前記ビアホール導体を、前記絶縁層に形成する工程と、
    前記接続部を前記絶縁層に形成する工程と、
    前記スタート電極及び前記中間電極を前記絶縁層に形成する工程と、
    前記エンド電極を前記絶縁層に形成する工程と、
    前記中間電極が前記スタート電極と前記エンド電極との間に位置するように、該スタート電極が形成された前記絶縁層、該エンド電極が形成された前記絶縁層及び該中間電極が形成された前記絶縁層を積層して、積層体を形成する工程と、
    を備えること、
    を特徴とする電子部品の製造方法。
  11. 前記ビアホール導体を形成する工程と、前記スタート電極及び前記中間電極を形成する工程とは、同時に行われること、
    を特徴とする請求項1に記載の電子部品の製造方法。
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