JP2005142302A - 積層コイル部品およびその製造方法 - Google Patents

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敦子 大森
Takahiro Yamamoto
高弘 山本
Yoichiro Ito
陽一郎 伊藤
Yasushi Saito
康誌 齋藤
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Abstract

【課題】 帯状導体と、帯状導体の所定の端部同士を接続するバイアホールとによって構成され、コイル軸方向が積層方向と直交するコイル導体を内蔵した積層コイル部品において、帯状導体の印刷厚みの不均一化を抑制し、帯状導体同士のショートの発生を抑制し、かつ、数々の設計上の制約の中でも帯状導体が形成されたセラミックシートの積層枚数を増やすことのできる積層コイル部品およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 帯状導体21が印刷されている導体用セラミックシート11を、バイアホールが形成されている導体接続用セラミックシート12よりも薄く形成する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、チップインダクタ、チップインピーダなどの積層コイル部品およびその製造方法に関する。
チップインダクタ、チップインピーダなどの積層コイル部品として、特許文献1に記載されたものがある。図7はこの積層コイル部品の分解斜視図であり、図8は内部を透視した斜視図である。この積層コイル部品は、帯状導体21と、帯状導体21の所定の端部同士を接続するバイアホール23とによって構成されるコイル導体20を、略直方体形状のセラミック積層体10の内部に設けてなるものであり、コイル導体20の軸方向はセラミック積層体10の積層方向Xに直交する方向とされている。コイル導体20の両端部は引き出し導体22によってセラミック積層体10の端面にまで引き出され、外部電極30と導通している。
そして図7に示す分解斜視図から明らかなように、この積層コイル部品は帯状導体21、引き出し導体22およびバイアホール23が形成されている導体用セラミックシート11、バイアホール23のみが形成されている接続用セラミックシート12、バイアホール23も帯状導体21も形成されていない外装用セラミックシート13が所定の順番に積層されてなる。そして帯状導体21が形成されている導体用セラミックシート11は、帯状導体21部分での直流抵抗を低減するために上部、下部それぞれに複数層積層されていて、帯状導体21は複数層構造になっている。
このような積層コイル部品は、フェライト粉末とバインダーなどを混練してドクターブレード法などの方法によってセラミックグリーンシートを作成し、レーザ加工などによってセラミックグリーンシートの所定位置に貫通孔を設け、スクリーン印刷等によって貫通孔に導電ペーストを充填してバイアホール23とし、またスクリーン印刷等によって帯状導体21および引き出し導体22を印刷し、積層、圧着の後に所定温度で焼成して作成される。
帯状導体21とバイアホール23が共に形成されている導体用セラミックシート11の作成にあたっては、スクリーン印刷によって帯状導体21を印刷すると同時にバイアホール23への導電ペーストの充填も行う。
特開2002−252117号公報
上記の従来の積層コイル部品には以下の(1)〜(3)のような問題があった。
(1)帯状導体21とバイアホール23が共に形成されている接続用セラミックシート11では、一回の印刷によってバイアホール23への導電ペーストの充填と帯状導体21の印刷とを同時に行う。このとき、バイアホール23の近傍では導電ペーストがバイアホール23の内部に充填されるため、帯状導体21のバイアホール23近傍部分では、その他の部分に比べて帯状導体21の厚みが不足しがちである。これはバイアホール23の容積が大きいほど、すなわちバイアホール23の径が大きい場合やバイアホール23の深さ(導体用セラミックシート11の厚みに等しい)が深い場合に顕著になる。帯状導体21の厚みが不均一になると導体用セラミックシート11が平坦に積層されなかったり、直流抵抗が大きくなってしまうという問題が発生する。
(2)帯状導体21の印刷とバイアホール23への導電ペースト充填を同時に行う場合、帯状導体21の幅がバイアホール23の開口径よりも広くなるように寸法を設定しなければ、バイアホール23に導電ペーストが十分に充填されない。バイアホール23をレーザ加工で形成した場合、バイアホール23の断面形状は下の開口部が小さく上の開口部が大きいテーパ形状となる。バイアホール23部分での直流抵抗は直径が小さい部分、すなわちセラミックシートの下面側の開口部の径に主として影響を受ける。そのため、下の開口部の直径を一定以上の寸法にするために、上の開口部は比較的大きくなりがちであり、それに合わせて帯状導体21の幅も広くなる。そのため、限られたチップサイズで大きなインダクタンス値を得るためにターン数を多くした場合、隣接する帯状導体21同士の距離が小さくなって、隣接する帯状導体21同士でのショートが発生してしまうことがあった。
(3)帯状導体21部分での直流抵抗を低減するためには、帯状導体21が形成された導体用セラミックシート11をなるべく多く積層した方がよい。その一方で、積層コイル部品の設計においてはいくつかの制約事項がある。すなわち、所定枚数の外装用セラミックシート13が積層されてなる外装部14は帯状導体21が外部と電気的に短絡してしまうことを防ぐために一定以上の厚みが必要とされる。また、高いインダクタンス値を得るためにはコイル内径が大きい方が好ましく、バイアホール23のみが形成された導体接続用セラミックシート12が積層されている導体接続部15の厚みも一定以上に小さくすることは好ましくない。このような制約があり、かつ、チップ全体の厚みもより一層の低背化が市場から要求されている現状を鑑みると、帯状導体21が印刷された導体用セラミックシート11の積層枚数を増やすことは、実際の設計上は困難であった。
よって本発明は、帯状導体の印刷厚みの不均一化を抑制し、帯状導体同士のショートの発生を抑制し、かつ、数々の設計上の制約の中でも帯状導体が形成されたセラミックグリーンシートの積層枚数を増やすことのできる積層コイル部品およびその製造方法を提供することを目的とする。
上記問題点を解決するために本発明の積層コイル部品は、セラミック積層体の内部に、コイル軸が該セラミック積層体の積層方向に直交する方向とされているコイル導体が配設されてなる積層コイル部品であって、略平行に配置された複数の帯状導体が形成された導体用セラミックシートと、所定の位置にバイアホールが形成された導体接続用セラミックシートと、外装用セラミックシートとを備え、前記導体接続用セラミックシートが連続して所定枚数積層されていて、その積層方向の上面および下面にそれぞれ複数枚の前記導体用セラミックシートが配置されていて、前記帯状導体の所定の端部同士が前記バイアホールによって接続されてコイル導体が形成され、該コイル導体が形成されている積層領域の積層方向の上面と下面にそれぞれ前記外装用セラミックシートが配置されていて、前記導体用セラミックシートは、前記導体接続用セラミックシートよりも薄く形成されていることを特徴とする。
また、本発明の積層コイル部品の製造方法は、外装用セラミックシートと、略平行に配置された複数の帯状導体が形成された導体用セラミックシートと、複数のバイアホールが所定の位置に形成された導体接続用セラミックシートとを用意する工程と、前記導体接続用セラミックシートを積層方向に連続して配置し、さらにその積層方向の上面および下面にそれぞれ複数層の前記導体用セラミックシートを配置して、前記帯状導体の所定の端部同士が前記バイアホールによって接続されてコイル導体が構成され、該コイル導体が形成されている積層領域の積層方向の上下面にそれぞれ前記外装用セラミックシートを配置して、セラミック積層体を作成する工程と、前記セラミック積層体を焼成する工程と、を含む積層コイル部品の製造方法であって、前記導体用セラミックシートは、前記導体接続用セラミックシートよりも薄く形成されていることを特徴とする。
さらに本発明の積層コイル部品の製造方法においては、前記バイアホールは、セラミックグリーンシートにレーザ加工によって貫通孔を形成し、該貫通孔に導電ペーストを充填することによって形成されることを特徴とする。
本発明の積層コイル部品およびその製造方法では、導体用セラミックシートを導体接続用セラミックシートよりも薄く形成することにより、製造コストの上昇を抑えつつ、限られたチップサイズにおいて導体用セラミックシートの積層枚数を増やすことができ、直流抵抗を低下させることができる。また、導体用セラミックシートの厚みが薄くなることによって、導体用セラミックシートに形成されているバイアホールの容積が小さくなり、帯状導体の厚みが不均一になることを防止できる。
さらに、バイアホールをレーザ加工で形成する場合には、導体用セラミックシートの厚みを薄くすることによって、セラミックシート上面の開口面積が小さくなり、帯状導体を必要以上に幅広く形成する必要がなく、隣接する帯状導体同士のショートを防止することができる。
以下において本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。図1は本発明に係る積層コイル部品を示す分解斜視図であり、図2は内部を透視した斜視図である。
本発明の積層コイル部品は、セラミック積層体10と、セラミック積層体10に内蔵され軸方向が積層方向Xと直交する方向のコイル導体20と、コイル導体20の端部と導通している外部電極30と、からなる。そして、コイル導体20は、帯状導体21とバイアホール23とからなる。
帯状導体21は、導体用セラミックシート11の主面に沿って、略平行に複数配置されていて、セラミック積層体10の上部に配置されるものと下部に配置されるものとに大別される。上部および下部に配置される帯状導体21はそれぞれ、略同一形状の帯状導体21が印刷された導体用セラミックシート11が積層方向Xに隣接して複数層積層されることによって、複数層構造をとっている。積層方向Xに隣接する個々の帯状導体21同士は、導体用セラミックシート11に形成されたバイアホール23によって接続されている。
上部の帯状導体21と下部の帯状導体21との間には、バイアホール23が形成された導体接続用セラミックシート12が所定枚数積層されている。バイアホール23は積層方向Xに連接している。バイアホール23によって、上部に配置された帯状導体21の所定の端部と、下部に配置された帯状導体21の所定の端部とを接続し、軸心方向が積層方向Xと直交するコイル導体20を構成する。コイル導体20の内径は、帯状導体21の長さと導体接続部15の厚みとによって決まる。一般的にはコイル導体20の内径が大きいほど高いインダクタンス値を得ることができるので、チップ寸法等の条件が許す限り導体接続部15の厚みは厚いほうがよい。また、バイアホール23の端部は導体用セラミックシート11に形成された引き出し導体22に接続している。これによってコイル導体20の両端部は、引き出し導体22を介して、セラミック積層体10の両端面に形成されている外部電極30と電気的に接続している。
コイル導体20が形成されているコイル形成領域16の外側には、所定枚数の外装用セラミックシート13からなる外装部14が設けられている。コイル導体20とチップ外部が確実に絶縁されるように、外装部14は一定以上の厚みが必要とされる。
ここで、導体用セラミックシート11の厚みt1と導体接続用セラミックシート12の厚みt2とを比較すると、本発明の積層コイル部品においてはt1<t2となるようにされている。
すなわち、従来の積層コイル部品では、導体用セラミックシート11と導体接続用セラミックシート12は、同一のセラミックグリーンシートを元にして加工した方が低コストであるため、同一の厚みで形成されていたが、本発明では導体接続用セラミックシート11のほうが薄く形成されている。
上述のように、外装部14は設計上一定の厚み以上に薄くすることは困難であり、導体接続部15もできるだけ厚くする必要がある。よって、直流抵抗低減のためには導体用セラミックシート11をできるだけ多く設けたいのであるが、チップの外形寸法の制約がますます厳しくなるなかでは、導体用セラミックシート11の積層数を増やすことは困難であった。本発明では導体用セラミックシート11を薄くすることによって、導体用セラミックシート11の合計の厚みを増やさずに積層数を多くすることができ、直流抵抗を低減することができる。例えば、導体用セラミックシート11の厚みを従来の1/2にすれば、導体用セラミックシート11の積層数は従来の2倍にすることができる。
なお、導体用セラミックシート11のみならず、全てのセラミックシートの厚みを従来よりも薄くすることも考えられるが、上述したように外装部14と導体接続部15は一定以上の厚みが必要であるので、外装用セラミックシート13と導体接続用セラミックシート12の厚みを薄くした場合には、それだけ積層数が増えて工数が増加し製造コストが高騰することから、全てのセラミックシートの厚みを従来より薄くすることは非現実的である。本発明者らが試算したところによれば、全てのセラミックシートを従来構造の1/2の厚みとして同サイズの積層コイル部品を作成する場合、製造コストはおよそ1.5倍になる。
次に本発明のコイル部品の製造方法について説明する。まず、Fe,Ni,Cu,Znなどの酸化物を所定の割合で混合し、仮焼、粉砕を経て例えばNi−Cu−Zn系のフェライト粉末を作成する。次にこのフェライト粉末に水系バインダー(例えば酢酸ビニルや水溶性アクリル)あるいは有機系バインダー(例えばポリビニルブチラール)を加え、さらに必要に応じて分散剤や消泡剤などを添加した上で混錬し、ドクターブレード法やリバースロールコータを用いてセラミックグリーンシートを作成する。このとき、導体用セラミックシート11の作成に用いるセラミックグリーンシートは、導体接続用セラミックシート12の作成に用いるセラミックグリーンシートよりも薄く作成する。外装用セラミックシート13の厚みは、通常は導体接続用セラミックシート12と等しい厚みに形成されるが、必ずしも等しくなくてもよい。
次に、セラミックグリーンシートのバイアホール23が形成されるべき位置にレーザ光を照射して貫通孔を形成する。この貫通孔にAgペーストなどの導電性のペーストを充填して導体接続用セラミックシート12が作成される。
また、導体用セラミックシート11の作成にあたっては、セラミックグリーンシートにレーザ加工によって貫通孔を形成し、帯状導体21や引き出し導体22を印刷すると同時に貫通孔への導電ペーストの充填が行われる。すなわち、バイアホール23は帯状導体21に電気的に接続するような位置に形成されるから、図3の平面図に示すように、貫通孔24は図に破線で示す帯状導体の印刷領域25内に存在する。そこで、印刷領域25にスクリーン印刷によって導電ペーストを塗布すると、貫通孔24の内部にも導電ペーストが充填されて、一度のスクリーン印刷によって帯状導体21および引き出し導体22の印刷と貫通孔24への導電ペーストの充填とを同時に行うことができる。この方法は一般に広く行われているが、貫通孔24の容積がある程度大きい場合、貫通孔24に多くの導電ペーストが充填されるため、貫通孔24近傍の帯状導体21で印刷厚みが不足することがある。図4(a)は、図3におけるA−A断面に相当する、従来の積層コイル部品の導体用接続シート11を帯状導体21の長手方向に平行に切断した断面図である。導電ペーストが貫通孔24に充填されているため、帯状導体21の端部付近で中心付近よりも厚みが減少して、帯状導体21の厚みが不均一になっている。
本発明では、導体用セラミックシート11を薄く形成することによって貫通孔24の深さが浅くなり貫通孔24の容積が小さくなるから、貫通孔24に充填される導電ペーストの量が少なくなって、帯状導体21の印刷厚みの不足が起こり難くなる。本発明の導体用セラミックシート11を帯状導体21の長手方向に平行に切断した断面図を図4(b)に示す。図4(a)に示した従来構造と比較して、導体用セラミックシート11の厚みを薄くしているため貫通孔24の容積が小さくなり、貫通孔24に充填される導電ペーストの量が減るので、帯状導体21の厚みは端部付近でも減少しにくく、比較的均一な厚みで形成されている。
なお、導体接続用セラミックシート12を作成するときにもスクリーン印刷によって貫通孔に導電ペーストを充填することが一般的であるが、接続用セラミックシート12には帯状導体21などの導体パターンがないので、貫通孔の容積が比較的大きくても問題が発生しないから、導体接続用セラミックシート12を導体用セラミックシート11ほど薄くする必要はない。
また、導体用セラミックシート11を薄くすることによって次のような効果も奏する。
すなわち、貫通孔24をレーザ加工によって形成した場合、貫通孔24の形状は、下部の開口面よりも上部の開口面のほうが径の大きいテーパ状となる。このとき、層間接続を確実にするためには小さい径が一定以上の大きさを持たなければならないので、設計の際には小さいほうの開口を基準にして寸法を設計する。また、本発明のようにバイアホール23が積層方向に連接する場合、バイアホール23部分を流れる電流は主として図5に示すように小さい開口面の範囲で流れると考えられるため、バイアホール23部分での直流抵抗は、小さい開口面の面積に大きく影響されるので、この点からも設計の際には小さい開口面の寸法が重要となる。
貫通孔24の断面形状はテーパ状になっているから、下部の開口面の径を一定とした場合、セラミックシートの厚みが厚いほど上部の開口面の径が大きくなる。例えば本発明者らの実験によれば図6(a)および(b)に模式的に示すように、下部の開口径が35μmとなるように設定すると、導体用セラミックシート11の厚みが50μmのときには上部の開口径は60μmとなり(図6(a))、導体用セラミックシート11の厚みが25μmのときには上部の開口径は45μmとなる(図6(b))。
さてここで、前述のように帯状導体21の印刷と貫通孔24への導電ペーストの充填とを同時に行う場合、貫通孔24に十分導電ペーストが充填されるように、帯状導体21の幅は貫通孔24の開口部の直径よりも広くされていなければならない。よって、貫通孔24の上部の開口部が大きくなるほど帯状導体21の幅を広くしなければならない。しかし、隣接する帯状導体21同士の間隔は、短絡を防ぐために一定以上離れていなければならない。電子部品に対する小型化の要求が強い現状では、限られたチップサイズで高いインダクタンス値を得るためにコイルのターン数を増やすことが求められているが、ターン数を増やした場合には帯状導体21同士の間隔が狭くなりやすく、短絡が発生する虞が増している。本発明よれば導体用セラミックシート11の厚みを薄くすることによって、貫通孔24の下部の開口径を従来と同程度にした場合でも、上部の開口径を従来設計に比して小さくすることができるから、帯状導体21の幅を狭くすることができ、ターン数を増やした場合でも短絡の虞を低減することができる。
なお、帯状導体21の幅を狭くすると、帯状導体21部分での直流抵抗が増大するが、本発明では上述のように導体用セラミックシート11の積層数を従来に比して増やすことができるので、個々の帯状導体21の幅が多少狭くなったとしても、コイル導体としての直流抵抗が増大することはない。
例えば、従来設計で導体用セラミックシート11の厚みが50μmで貫通孔24の下部の開口径を35μmとして設計していた場合、貫通孔24の上部の開口径は60μm程度であるので、帯状導体21の幅を80μm程度にする必要があった。これに対して本発明によって導体用セラミックシートの厚みを25μmにすれば、貫通孔の下部の開口径を従来設計と同様の35μmとしても上部の開口径は45μm程度に収まり、帯状導体21の幅は60μm程度でよい。この場合、導体用セラミックシート11は従来の1/2の厚みなっているから、導体用セラミックシート11の積層数を2倍にすることができるので(すなわち、従来80μmの帯状導体幅に対して、本発明では電気的には60×2=120μmの導体幅を得ていることになる)、帯状導体21の幅を狭くして短絡を防ぎつつ、直流抵抗も従来設計より低減することができる。
導体用セラミックシート11、導体接続用セラミックシート12、外装用セラミックシート13の作成が終わった後には、それぞれのセラミックシートを図1に示すような所定の順に積層し、1.0〜1.2t/cm2の圧力を印加して圧着する。
次に例えば1000℃程度の所定の温度で焼成し、端面にAgペーストを焼き付け、順にNiめっき、Snめっきを施して外部電極30を形成し、積層コイル部品が完成する。
ここで本発明の効果を確認するため、幅1.6mm、長さ3.2mm、厚み1.6mmの積層コイル部品を作成した。導体接続用セラミックシート12および外装用セラミックシート13の厚みt1は50μm、導体用セラミックシート12の厚みt2は25μmとした。ターン数は10ターン、帯状導体21の幅は60μmである。
また、比較例として同サイズの積層コイル部品を、全てのセラミックシートの厚みを50μmとして(すなわちt1=t2=50μmとして)作成した。ターン数は10ターンで帯状導体21の幅は80μmである。このとき、外装部14と導体接続部15の厚みは本発明のコイル部品も比較例も等しくし、導体用セラミックシート11の数は本発明が4枚、比較例が2枚である。
本発明と比較例の積層コイル部品の直流抵抗(Rdc)を測定した結果を表1に示す。
Figure 2005142302
本発明の積層コイル部品では、導体用セラミックシート11の積層数を増やしたことによって帯状導体21の合計の断面積が大きくなり、比較例に対して直流抵抗が低減している。
以上のように本発明の積層コイル部品では、帯状導体21が印刷されている導体用セラミックシート11を、導体接続用セラミックシート12や外装用セラミックシート13よりも薄く形成することによって、帯状導体21のショートや厚みの不均一化を防ぐことができ、また、限られたチップサイズにおいても帯状導体21の積層数を増やすことができ、直流抵抗を低減することができる。
なお、本発明は上記の実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲内で種々の変更を加えることができ、例えば、一つのセラミック積層体に複数のコイル導体を内蔵したコイルアレイなどに適用することもできる。
本発明の積層コイル部品を示す分解斜視図である。 本発明の積層コイル部品を示す斜視図である。 導体用セラミックシートを示す平面図である。 導体用セラミックシートを示す断面図である。 積層方向に連接されたバイアホールの断面図である。 セラミックシートに形成された貫通孔の断面図である。 従来の積層コイル部品を示す分解斜視図である。 従来の積層コイル部品を示す斜視図である。
符号の説明
10 セラミック積層体
11 導体用セラミックシート
12 導体接続用セラミックシート
13 外装用セラミックシート
14 外装部
15 導体接続部
16 コイル形成領域
21 帯状導体
22 引き出し導体
23 バイアホール
24 貫通孔
25 印刷領域

Claims (3)

  1. セラミック積層体の内部に、コイル軸が該セラミック積層体の積層方向に直交する方向とされているコイル導体が配設されてなる積層コイル部品であって、
    略平行に配置された複数の帯状導体が形成された導体用セラミックシートと、所定の位置にバイアホールが形成された導体接続用セラミックシートと、外装用セラミックシートとを備え、
    前記導体接続用セラミックシートが連続して所定枚数積層されていて、その積層方向の上面および下面にそれぞれ複数枚の前記導体用セラミックシートが配置されていて、前記帯状導体の所定の端部同士が前記バイアホールによって接続されてコイル導体が形成され、該コイル導体が形成されている積層領域の積層方向の上面と下面にそれぞれ前記外装用セラミックシートが配置されていて、
    前記導体用セラミックシートは、前記導体接続用セラミックシートよりも薄く形成されていることを特徴とする積層コイル部品。
  2. 外装用セラミックシートと、略平行に配置された複数の帯状導体が形成された導体用セラミックシートと、複数のバイアホールが所定の位置に形成された導体接続用セラミックシートとを用意する工程と、
    前記導体接続用セラミックシートを積層方向に連続して配置し、さらにその積層方向の上面および下面にそれぞれ複数層の前記導体用セラミックシートを配置して、前記帯状導体の所定の端部同士が前記バイアホールによって接続されてコイル導体が構成され、該コイル導体が形成されている積層領域の積層方向の上下面にそれぞれ前記外装用セラミックシートを配置して、セラミック積層体を作成する工程と、
    前記セラミック積層体を焼成する工程と、を含む積層コイル部品の製造方法であって、
    前記導体用セラミックシートは、前記導体接続用セラミックシートよりも薄く形成されていることを特徴とする積層コイル部品の製造方法。
  3. 請求項2に記載の積層コイル部品の製造方法において、
    前記バイアホールは、セラミックグリーンシートにレーザ加工によって貫通孔を形成し、該貫通孔に導電ペーストを充填することによって形成されることを特徴とする積層コイル部品の製造方法。
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