JPH0799116A - 多層セラミック電子部品及びその製造方法 - Google Patents

多層セラミック電子部品及びその製造方法

Info

Publication number
JPH0799116A
JPH0799116A JP24242793A JP24242793A JPH0799116A JP H0799116 A JPH0799116 A JP H0799116A JP 24242793 A JP24242793 A JP 24242793A JP 24242793 A JP24242793 A JP 24242793A JP H0799116 A JPH0799116 A JP H0799116A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
electrode
via hole
green sheet
electronic component
ceramic green
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP24242793A
Other languages
English (en)
Inventor
Keiichi Nakao
恵一 中尾
Noboru Mori
昇 毛利
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority to JP24242793A priority Critical patent/JPH0799116A/ja
Publication of JPH0799116A publication Critical patent/JPH0799116A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Cores, Coils, And Magnets (AREA)
  • Coils Or Transformers For Communication (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 各種電気機器に用いられるインダクタ部品や
その複合部品を小型高性能化した多層セラミック電子部
品において、層間接続部のビア形状をより最適化するこ
とで、より小型化を達成し、高歩留まりを可能にする多
層セラミック電子部品を提供することを目的とする。 【構成】 図1において、15は内部電極であり、外部
電極16と、テーパー13を有したテーパービア12を
介して接続されている。このように本発明の多層セラミ
ック電子部品の場合、テーパー13を形成することで、
焼成時の収縮によるクラック発生を防止でき、内部電極
2と外部電極4をより確実に接続することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はインダクタ部品あるいは
これらの複合部品を小型高性能化した多層セラミック電
子部品及びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、フェライトなどのセラミックを用
いたインダクタ部品は小型化、高性能化のための多層
化、複合化が進み、内部電極と外部電極の接続部分の信
頼性や歩留まり向上が望まれている。従来より、内部電
極と外部電極の接続部分をビアを設けることで接触面積
を広げることが行われてきた。
【0003】図12〜図13を用いて、ビアを用いて内
部電極と外部電極を接続した多層セラミック電子部品の
一例の断面図を示す。図12は全体図であり、セラミッ
ク層1の内部の複数の内部電極2は、層間接続部である
ビア3を介して接続されている。また図13は図12の
部分図であり、セラミック電子部品の内部側より、内部
電極2と外部電極4がビア3によって接続されている様
子を示す。図12及び図13において、外部電極4はビ
ア3と広い面積で接触している。しかし内部電極2とビ
ア3は、内部電極2の断面積でしか接続されない。この
ためセラミック層1、内部電極2、ビア3等の焼結時に
収縮応力がこの位置に発生しやすく、この結果、図12
及び図13に示すクラック5がビア3と内部電極2の接
続部で生じやすくなる。
【0004】次に、従来のセラミック生シートでのビア
の形成時の課題について説明する。通常、セラミック生
シートのビア孔形成には、金型やレーザーによる加工が
行われる。金型加工(1孔〜数千孔用)の場合、多孔化
するほど高精度化も難しく、金型が高くなり、メンテナ
ンス費用も大きくなる。そのため、一つの金型を一定距
離ずらせたり、反転させたりすることが提案されてい
る。しかしビア孔には、一定の割合で不良が含まれてい
る。
【0005】図14を用いて、金型加工した場合のセラ
ミック生シートの孔不良について説明する。図14
(a)において、6はセラミック生シートであり、ベー
スフィルム7の上に形成されている。図14(b)にお
いて、8はビア孔であり金型によって打ち抜かれて形成
されている。この際、バリ10がベースフィルム7に形
成されやすい。バリ10の発生頻度や大きさは、金型精
度や打ち抜かれるベースフィルム7の材質や厚みの影響
を受ける。また打ち抜かれたセラミック生シート6等が
カス9としてビア孔8の中に残ることがある。このカス
9はビア孔8に斜めに残ることが多く、エアーブロー程
度では除去しきれない。バリ10やカス9は、次にビア
埋め工程で不良原因となり、内部電極と外部電極の接続
歩留まりを落としてしまう。これを防止するには、金型
の清掃や金型の精度チェックを繰り返す必要がある。ま
た金型の場合、更に打ち抜きピンの折れ等も発生しやす
く加工速度の上昇に限度がある。
【0006】次にレーザーを用いた場合のセラミック生
シートへのビア孔形成について説明する。レーザーとし
ては、炭酸ガスやYAGが一般的であるが、このビア孔
にも一定の割合で不良が含まれる。
【0007】図15を用いて、レーザーで加工した場合
のセラミック生シートの孔不良について説明する。図1
5(a)において、6はセラミック生シートでありベー
スフィルム7の上に形成されている。図15(b)にお
いて、8はビア孔でありレーザー照射で形成されてい
る。このビア孔8の加工の際、バリ10がベースフィル
ム7側やセラミック生シート6側に形成されやすい。こ
れはレーザー加工と同時にエアー(または窒素)を吹き
付けてビア孔8内部の溶解物を飛ばしてできたものであ
る。このレーザーでのバリ10も金型でのバリ10と同
様に内部電極と外部電極の接続歩留まりを落とす。この
溶解物がセラミック生シート6やベースフィルム7、更
にビア孔8の内部にも再付着しやすく付着物11とな
る。この付着物11は熱的に付着するため特にセラミッ
ク生シート6の表面に対しては、付着が強行であり除去
することは難しい。この付着物11は次の内部電極と外
部電極の接続性を落とし、積層や層間接続の際にも不良
発生の原因となる。こうしたレーザー加工の課題を解決
すべくエキシマ等も提案されているが、セラミック粒子
に対する加工速度が遅く、実用化は難しい。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の多層セラミック電子部品では、内部電極と外部電極
の接続をビアを介して行う場合、セラミック生シートの
ビア孔加工時にレーザーや金型を用いていたためビア接
続部分にクッラクが発生しやすく、さらにビア自体の歩
留まりにも課題があった。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、厚み方向にテーパーもしくは丸みを有したビアを用
いることでクラック発生を防止し、内部電極と外部電極
の接続を安定させ、特性の優れた多層セラミック電子部
品を低コストで提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の多層セラミック電子部品は、複数層の内部電
極が1個以上のビアを介して接続され、2個以上の外部
電極を介して外部に取り出される多層セラミック電子部
品であって、厚み方向にテーパーもしくは丸みを有した
ビアを介して前記内部電極と前記外部電極を接続する構
成としたものである。
【0011】
【作用】この構成によって、内部電極と外部電極の交点
であるビアに応力が集中することがなくなる。更にこの
ビアを従来の高価なレーザー装置や複雑な金型を用いな
くとも安価でバリや付着物のない孔の形成により安価に
製造できる。
【0012】
【実施例】
(実施例1)実施例1として、厚み方向にテーパーまた
は丸みを有したビアを介して内部電極と外部電極が接続
されている多層セラミック電子部品について説明する。
図1は厚み方向にテーパーまたは丸みを有したビアを介
して内部電極と外部電極が接続されている多層セラミッ
ク電子部品の一例の断面図を示す。図1において、12
はテーパービアであり厚み方向にテーパー13を有して
いる。14はフェライトなどからなるセラミック層、1
5は内部電極、16は外部電極、17は一般的なビアを
示す。本実施例の場合、外部電極16と内部電極15の
間にテーパー13を有するテーパービア12が形成され
ているため、焼成時にクラックが発生しにくく接続の安
定性を向上できる。
【0013】図2を用いて、テーパー部分を更に詳しく
説明する。図2は内部電極15と外部電極16の接続部
分を内部電極側から観察したものであり、内部電極15
が厚み方向にテーパー13を有するテーパービア12を
介して接続されている。このように内部電極15と外部
電極16とのテーパービア12の接続部分にテーパー1
3を持たせることで焼成時の収縮率の差を吸収できる。
【0014】(実施例2)実施例2として、複数層の内
部電極が1個以上のビアを介して接続され、2個以上の
外部電極を介して外部に取り出される多層セラミック電
子部品であって、厚み方向にテーパーまたは丸みを有し
た小判型もしくは長丸型のビアを介して前記内部電極と
前記外部電極は接続されている多層セラミック電子部品
の一例について、図3を用いて説明する。図3は内部電
極15と外部電極16の接合位置の部分図を示すもので
あり、外部電極16と、内部電極15は長丸を分断した
形状の異形ビア18を介して接続することでより広い面
積で接続できる。また異形ビア18内部電極15は、テ
ーパー13を有するテーパービア12を介して接続する
ことでその接続性を向上できる。
【0015】(実施例3)以下、実施例3について図4
を用いて説明する。図4は内部電極の局所的に厚く構成
された所定部分で内部電極と外部電極が接続されている
多層セラミック電子部品の一例を説明するものである。
【0016】図4において、19は厚電極部で、内部電
極15の一部が局所的に厚く形成されたものである。こ
のように内部電極15を局所的に厚く形成しておき、こ
の内部電極15の厚電極部19で、内部電極15と外部
電極16を接続することができる。この場合も、焼成時
でのダメージを防止するためテーパーを形成することが
効果的である。あるいは、図2〜図3のビアを無くし、
テーパー13そのものを介して、内部電極15と外部電
極16を接続しても良い。このようなテーパー13は、
以下の実施例で説明するサンドブラスト方法を用いるこ
とで容易に形成することができる。
【0017】(実施例4)実施例4として、セラミック
生シートにマスクを介してサンドブラストでビア孔を形
成し、このビア孔に電極材料を充填し、電極パターンを
印刷し、所定枚数積層し、前記孔位置で所定形状に切断
した後焼成し、前記切断面に露出したビア孔を介して内
部電極と外部電極を接続する多層セラミック電子部品の
一例について図5〜図8を用いて説明する。
【0018】図5でサンドブラスト方法を用いてビア孔
をセラミック生シートに形成する様子を説明する。図5
(a)において20はフェライトペーストなどからなる
セラミック生シートである。次に図5(b)に示すよう
にサンドブラストを用いてセラミック生シート20にビ
ア孔21を形成する。サンドブラストは微細な粒子を高
圧のエアーで被加工物表面に吹き付ける手法のためでき
上がったビア孔21の周辺にはバリが発生せず一定の丸
み22が生じる。次に図5(c)に示すようにビア孔2
1に電極材料を充填することで、穴埋め23を行う。な
お穴埋めの形状は23bのような少ない充填量であって
も、23aのような多い充填量のものでも任意に選んで
行うことができる。またビア孔21の周辺には一定の丸
み22が形成されているため穴埋め23は容易に行え
る。
【0019】このような穴埋め23を形成したセラミッ
ク生シート20に所定電極材料を印刷し、所定枚数積層
後、この穴埋め位置で切断することで内部電極と外部電
極の接続を確実にすることができる。
【0020】次に図6を用いてサンドブラストを更に詳
しく説明する。図6において、24はノズルであり、圧
縮空気25によって粒子26を高速度で吹き出してい
る。27はピンであり、マスク28及びホルダー29、
セラミック生シート20を台30の上にアライメントし
た状態で固定する。ホルダー29はセラミック生シート
20を固定している。31は孔でありマスク28に所定
形状に形成されている。孔31の形状は、丸孔以外に長
丸や小判、楕円形等であってもよい。マスク28への孔
31の形成方法としては、通常のエッチング、レーザ
ー、アディティブメッキ等がある。枠状のホルダー29
に固定されたセラミック生シート20の必要部分がマス
ク28に密着することになる。
【0021】図7を用いてサンドブラストによりセラミ
ック生シートにビア孔の形成される様子を説明する。図
7(a)は、セラミック生シート20の孔が貫通できて
いない状態のものである。図7(a)において、32は
未貫通孔であり、そのマスク28との接触位置において
は、丸み22が形成されている。この丸み22は、マス
ク28の孔31から粒子26がセラミック生シート20
に噴射される際に圧縮空気25がマスク28の裏側に回
り込む現象に起因するものである。この回り込みは、圧
縮性気体が孔31より外に出る際の圧力変化(更にセラ
ミック生シート20との衝突効果)により生じ、同様の
現象は高分子液体をノズルから吐出した際のバラス効果
がある。
【0022】なお、孔31に示すように、マスク28の
被加工物に面する部分に予め面取りを行っておいてもよ
い。この場合、サンドブラストが回り込みやすくより簡
単に丸み22を形成できる。最後に未貫通孔32は、図
7(b)で示すように貫通し、ビア孔21となる。この
貫通の際も圧縮空気25の回り込み現象によって丸み2
2が形成される。こうして、サンドブラストで形成され
たビア孔21の場合、そのビア孔21の形状や大きさに
関係なく、そのビア孔21の両面に丸み22が自動的に
形成されることになりバリも発生しない。これはビア孔
21の内部では圧縮空気25に乗って粒子26が流れて
いるためである。このため、たとえビア孔21の内部に
カスが入ったとしても粒子26によって研磨され無くな
る。こうして本実施例の場合、従来の孔形成方法に比較
して、ビア孔21の内部にカスが残留する確率は極めて
小さい。このため、積層後この孔位置で切断した場合、
内部電極と外部電極の接続がより確実になる。
【0023】(実施例5)次に図8を用いてベースフィ
ルム上に形成されたセラミック生シートにマスクを介し
てサンドブラストでビア孔を形成し、このビア孔に電極
材料を充填し、電極パターンを印刷し、所定枚数積層
し、前記孔位置で所定形状に切断した後焼成し、前記切
断面に露出したビア孔を介して内部電極と外部電極を接
続する多層セラミック電子部品の製造方法の一例につい
て説明する。
【0024】図8により、サンドブラスト方法を用いて
ビア孔をベースフィルムごとセラミック生シートに孔を
形成する様子を説明する。図8(a)において20はセ
ラミック生シートであり、ベースフィルム33の表面に
形成されている。次に図8(b)に示すようにサンドブ
ラスト方法を用いてセラミック生シート20及びベース
フィルム33にビア孔21を形成する。サンドブラスト
方法は微細な粒子を高圧のエアーで被加工物表面に吹き
付ける手法のため、でき上がったビア孔21の周辺には
バリが発生せず、両端に一定の丸み22が生じる。
【0025】ここで図8(b)に示すようにセラミック
生シート20及びベースフィルム33を同時に貫通する
ビア孔21を形成した場合でも、セラミック生シート2
0に形成されたビア孔21の両面には丸み22が形成さ
れる。これは実施例4で説明した現象と同様のものであ
り、柔らかいセラミック生シート20から硬いベースフ
ィルム33へ圧縮空気が当たる際の回り込み現象として
説明できる。最後に図8(c)に示すようにビア孔21
に電極材料を充填することで穴埋め23を行う。なお穴
埋め23は23bのような少ない充填量であっても、2
3aのような多い充填量のものでも任意に選んで行うこ
とができる。またビア孔21の周辺には一定の丸み22
が形成されているため、穴埋め23は容易に行える。
【0026】このような穴埋め23が形成されたセラミ
ック生シート20に所定電極材料を印刷し、所定枚数積
層し、このビア孔の位置でビア孔が分割されるように切
断することで、内部電極と外部電極の接続をより確実に
できる。
【0027】このようにセラミック生シート20をベー
スフィルム33と共にビア孔21を形成することで、ビ
ア孔21の位置精度高精度化、高密度化、微細化のみな
らず、セラミック生シート20の薄膜化にも対応でき
る。また内部電極とビアの接続部分にもテーパーが形成
され接続性が向上する。
【0028】(実施例6)次に実施例6として、ベース
フィルム上に電極を埋め込むように形成されたセラミッ
ク生シートにマスクを介してサンドブラストでビア孔を
形成し、前記ビア孔に電極材料を充填した後、所定枚数
積層し、前記ビア孔位置で所定形状に切断した後、焼成
し、前記切断面に露出したビア孔を介して内部電極と外
部電極を接続する多層セラミック電子部品の製造方法の
一例について図9を用いて説明する。
【0029】図9を用いてサンドブラスト方法を用いて
ビア孔を電極の埋め込まれたセラミック生シートをベー
スフィルムごと孔を形成する様子を説明する。図9
(a)において20はセラミック生シートであり、内部
に電極34を埋め込んだ状態でベースフィルム33の表
面に形成されている。次に図9(b)に示すようにサン
ドブラスト方法を用いてセラミック生シート20及びベ
ースフィルム33にビア孔21を形成する。サンドブラ
スト方法は微細な粒子を高圧のエアーで被加工物表面に
吹き付ける手法のため、でき上がったビア孔21の周辺
にはバリが発生せず、一定の丸み22が生じる。ここで
図9(b)に示すようにセラミック生シート20及びベ
ースフィルム33を同時に貫通するビア孔21を形成し
た場合でも、セラミック生シート20に形成されたビア
孔21の両面(電極34にも)には丸み22が形成され
る。これは実施例5で説明した現象と同様のものであ
り、柔らかいセラミック生シート20から硬いベースフ
ィルム33へ圧縮空気が当たる際の回り込み現象として
説明できる。
【0030】最後に図9(c)に示すようにビア孔21
に電極材料を充填することで、穴埋め23を行う。なお
穴埋めは、23bのような少ない充填量であっても、2
3aのような多い充填量のものでも、任意に選んで行う
ことができる。またビア孔21の周辺には一定の丸み2
2が形成されているため、穴埋め23は容易に行える。
また電極34の一部が削られることになり、その接触面
積が増加するため、電極34と穴埋め23の電極材料の
接続をより確実にすることができる。
【0031】このような穴埋めされたセラミック生シー
ト20に所定電極材料を印刷し、所定枚数積層し、所定
形状に切断、焼成することで多層セラミック電子部品を
製造することができる。
【0032】このようにセラミック生シート20をベー
スフィルム33と共にビア孔21を形成することで、ビ
ア孔21の位置精度高精度化、高密度化、微細化のみな
らず、セラミック生シート20の薄膜化にも対応でき
る。また電極34をセラミック生シート20の内部に埋
め込むことで、多層化した際の内部電極の厚みに起因す
る凹凸発生を防止でき、積層精度を向上できる。
【0033】(実施例7)次に実施例7として、ベース
フィルム上の表面に電極の形成されたセラミック生シー
トにマスクを介してサンドブラストでビア孔を形成し、
前記ビア孔に電極材料を充填した後、所定枚数積層し、
前記孔位置で所定形状に切断した後焼成し、前記切断面
に露出した内部電極と外部電極を接続する多層セラミッ
ク電子部品の製造方法の一例について図10を用いて説
明する。
【0034】図10を用いて、サンドブラスト方法を用
いてビア孔をベースフィルム上の電極の形成されたセラ
ミック生シートに、ベースフィルムごとビア孔を形成す
る様子を説明する。図10(a)において20はセラミ
ック生シートであり、表面に電極34が形成されてい
る。この電極34はセラミック生シート20上にあって
も、表面に食い込んだ状態で埋め込まれていてもよい。
【0035】次に図10(b)に示すようにサンドブラ
スト方法を用いてセラミック生シート20及びベースフ
ィルム33にビア孔21を形成する。サンドブラスト方
法は微細な粒子を高圧のエアーで被加工物表面に吹き付
ける手法のため、でき上がったビア孔21の周辺にはバ
リが発生せず、一定の丸み22が生じる。ここで図10
(b)に示すようにセラミック生シート20及びベース
フィルム33を同時に貫通するビア孔21を形成した場
合でも、セラミック生シート20に形成されたビア孔2
1の両面(電極34にも)には丸み22が形成される。
これは実施例5で説明した現象と同様のものであり、柔
らかいセラミック生シート20から硬いベースフィルム
33へ圧縮空気が当たる際の回り込み現象として説明で
きる。
【0036】最後に図10(c)に示すようにビア孔2
1に電極材料を充填することで穴埋め23を行う。なお
穴埋め23は、23bのような少ない充填量であって
も、23aのような多い充填量のものでも、任意に選ん
で行うことができる。またビア孔21の周辺には一定の
丸み22が形成されているため、穴埋め23は容易に行
える。また電極34の一部が削られることになり、その
接触面積が増加するため、電極34と穴埋め23の電極
材料の接続をより確実にすることができる。
【0037】このような穴埋め23の形成されたセラミ
ック生シート20に所定電極材料を印刷し、所定枚数積
層し、所定形状に切断、焼成することで多層セラミック
電子部品を製造することができる。
【0038】このようにセラミック生シート20をベー
スフィルム33と共にビア孔21を形成することで、ビ
ア孔21の位置精度高精度化、高密度化、微細化のみな
らず、セラミック生シート20の薄膜化にも対応でき
る。また電極34をセラミック生シート20の内部に食
い込ませることで、多層化した際の内部電極の厚みに起
因する凹凸発生を防止でき積層精度を向上できる。
【0039】(実施例8)次に実施例8として、セラミ
ック生シートにビア孔を形成し、ベースフィルムにはビ
ア孔を形成しない多層セラミック電子部品の製造方法の
一例について図11を用いて説明する。
【0040】図11は、ベースフィルムにはビア孔を形
成することなく、ベースフィルム上に形成されたセラミ
ック生シートのみにビア孔を形成する様子を説明するも
のである。図11(a)において、20はセラミック生
シートであり、ベースフィルム33上に形成されてい
る。次に図11(b)に示すようにサンドブラスト方法
を用いてセラミック生シート20のみにビア孔21を形
成する。サンドブラスト方法は微細な粒子を高圧のエア
ーで被加工物表面に吹き付ける手法のため、でき上がっ
たビア孔21の周辺にはバリが発生せず、ビア孔21の
両面(ベースフィルム33側にも)一定の丸み22が生
じる。これは実施例5で説明した現象と同様のものであ
り、柔らかいセラミック生シート20から硬いベースフ
ィルム33へ圧縮空気が当たる際の回り込み現象として
説明できる。最後に図11(c)に示すようにビア孔2
1に電極材料を充填することで、穴埋め23を行う。な
お穴埋めは、23bのような少ない充填量であっても、
23aのような多い充填量のものでも任意に選んで行う
ことができる。またビア孔21の周辺には一定の丸み2
2が形成されているため穴埋め23は容易に行える。
【0041】特に本実施例では、図11(c)に示すよ
うに、穴埋め23の厚みがセラミック生シート20の厚
みで規定される。このためセラミック生シート20を積
層する場合、ビア接続部分の電極充填量を一定に保てる
ため、層間接続の歩留まりを向上できる。
【0042】サンドブラスト時にベースフィルム33の
孔の有無の選択は、サンドブラスト条件(圧力、圧縮空
気の流量、照射時間等)以外に、使用する粒子の材質
(硬さ、脆さ、弾性等)、ベースフィルム自体(材質、
厚み等)を選ぶことができる。
【0043】また図11(a)のセラミック生シート2
0として、図9(a),図10(a)の電極の形成され
たセラミック生シートを用いることができることは言う
までもない。この場合も、予め形成された電極と穴埋め
された電極材料の接続部において、丸み22の効果によ
り優れた接続性を示す。
【0044】(実施例9)実施例9として、サンドブラ
スト時に使用するマスクの表面保護について説明する。
サンドブラスト時に、市販のサンドブラスト用ドライフ
ィルムをマスクとして用いることもできる。しかし、こ
の場合前記ドライフィルムは被加工物(ここではセラミ
ック生シート)に直接張り付けるため使い捨てになりコ
スト的に高いものになる。このためサンドブラスト用マ
スクとしては複数回の使用に耐えるものが望ましい。こ
のようなマスクとしては、金属、セラミック、樹脂の単
独または複合体よりなる孔あき薄板またはフィルムが使
用できるが、マスク表面がサンドブラストで研磨されて
しまうことがある。このため、前記マスク表面に樹脂等
の保護層を塗布しておくことでマスクをサンドブラスト
から保護することができる。また前記保護層を剥離可能
な状態にしておき保護層を取り替えることで同じマスク
を傷つけることなく何回でも使用できる。
【0045】使用する樹脂にゴム系のものを用いること
で、保護層自体の耐久性も長くできる。この保護層は溶
剤等で剥離できる。また保護層にドライフィルムを用い
ることもできる。あるいはマスクにSUS板をエッチン
グして用いる際、前記エッチングに用いたレジスト層を
そのまま保護層として用いることもできる。
【0046】なおマスク自体にも、フッ素系樹脂やセラ
ミック粒子を含むマトリックスメッキ(複合メッキ、あ
るいは分散メッキ)等の処理を行うことでも、その寿命
を長くすることができる。
【0047】(実施例10)実施例10として、マスク
とセラミック生シートの固定方法の一例について説明す
る。サンドブラストを行っている最中には、マスクとセ
ラミック生シートがすれていると孔の位置がずれてしま
う。このため、マスクとセラミック生シートは、粘着
力、磁力、バキューム力、静電気力等を用いて充分密着
させておくことで歩留まりを向上できる。例えば、マス
ク材料にSUS430等の磁石付着性のある材料を用
い、台268に磁石を用いることができる。磁石に電磁
石を用いることで保持強度も調節できる。また磁石の磁
極間隔を最適化することでマスク材料の浮きも防止でき
る。
【0048】(実施例11)実施例11として、マスク
が金属、セラミック、樹脂の単独または複合体よりな
り、セラミック生シートの表面に印刷または転写によっ
て形成する場合について説明する。マスク材料として
は、サンドブラスト用ドライフィルムを転写したり、レ
ジスト材料を直接印刷することができる。このような市
販のマスク材料は、サンドブラスト後簡単に剥離するこ
とができる。この剥離時に、サンドブラスト後に残った
粒子もマスクと同時に除去ができる。
【0049】(実施例12)実施例12として、サンド
ブラストに用いたマスクでビア孔に電極材料を充填する
方法の一例について説明する。まずドライフィルムマス
クを用いセラミック生シートにビア孔を形成した後、前
記ドライフィルムマスクを印刷マスクとしてビア孔に電
極材料を充填印刷することができる。この後前記ドライ
フィルムを剥離することで、通常のセラミック生シート
の積層プロセスを用いて多層化することができる。
【0050】
【発明の効果】以上のように本発明は、複数層の内部電
極が1個以上のビアを介して接続され、2個以上の外部
電極を介して外部に取り出される多層セラミック電子部
品であって、厚み方向にテーパーもしくは丸みを有した
ビアを介して、前記内部電極と前記外部電極は接続する
ことで、内部電極と外部電極の接続をより確実にするこ
とができ、高精度、低コストの多層セラミック電子部品
を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における多層セラミック電子
部品の要部切欠斜視図
【図2】同内部電極と外部電極の接続部分を内部電極側
から観察した斜視図
【図3】同内部電極と外部電極の接合位置の部分図を示
す斜視図
【図4】同内部電極の局所的に厚くされた所定部分で内
部電極と外部電極が接続されている多層セラミック電子
部品の一例を説明する斜視図
【図5】同サンドブラスト方法を用いてビア孔をセラミ
ック生シートに形成する様子を説明する断面図
【図6】同サンドブラスト方法を更に詳しく説明する斜
視図
【図7】同サンドブラストによりセラミック生シートに
孔の形成される様子を説明する断面図
【図8】同ベースフィルム上に形成されたセラミック生
シートにマスクを介してサンドブラストでビア孔を形成
する方法を示す断面図
【図9】同ベースフィルム上に電極を埋め込むように形
成されたセラミック生シートにマスクを介してサンドブ
ラストでビア孔を形成する方法を示す断面図
【図10】同サンドブラスト方法を用いてビア孔をベー
スフィルム上の電極の形成されたセラミック生シートに
ビア孔を形成する様子を説明する断面図
【図11】同ベースフィルムには孔を形成せずセラミッ
ク生シートのみに孔を形成する様子を説明する断面図
【図12】従来のビアを用いて内部電極と外部電極を接
続した多層セラミック電子部品の要部切欠斜視図
【図13】同要部の斜視図
【図14】金型で加工した場合のセラミック生シートの
孔不良について説明する断面図
【図15】レーザーで加工した場合のセラミック生シー
トの孔不良について説明する断面図
【符号の説明】
12 テーパービア 13 テーパー 14 セラミック層 15 内部電極 16 外部電極 17 ビア 18 異形ビア 19 厚電極部 20 セラミック生シート 21 ビア孔 22 丸み 23 穴埋め 24 ノズル 25 圧縮空気 26 粒子 27 ピン 28 マスク 29 ホルダー 30 台 31 孔 33 ベースフィルム 34 電極

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数層の内部電極が1個以上のビアを介
    して接続され、2個以上の外部電極を介して外部に取り
    出され、厚み方向にテーパーまたは丸みを有したビアを
    介して前記内部電極と前記外部電極を接続した多層セラ
    ミック電子部品。
  2. 【請求項2】 複数層の内部電極が1個以上のビアを介
    して接続され、2個以上の外部電極を介して外部に取り
    出され、厚み方向にテーパーまたは丸みを有した小判型
    もしくは長丸型のビアを介して前記内部電極と前記外部
    電極を接続した多層セラミック電子部品。
  3. 【請求項3】 複数層の内部電極が1個以上のビアを介
    して接続され、2個以上の外部電極を介して外部に取り
    出され、前記内部電極の局所的に厚く構成された部分を
    前記外部電極に接続した多層セラミック電子部品。
  4. 【請求項4】 セラミック生シートにマスクを介してサ
    ンドブラストでビア孔を形成し、このビア孔に電極材料
    を充填し、電極パターンを印刷し、所定枚数積層し、前
    記ビア孔位置で所定形状に切断した後焼成し、前記切断
    面に露出したビア孔を介して内部電極と外部電極を接続
    する多層セラミック電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 ベースフィルム上に形成されたセラミッ
    ク生シートにマスクを介してサンドブラストでビア孔を
    形成し、このビア孔に電極材料を充填し、電極パターン
    を印刷し、所定枚数積層し、前記ビア孔位置で所定形状
    に切断した後焼成し、前記切断面に露出したビア孔を介
    して内部電極と外部電極を接続する多層セラミック電子
    部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 ベースフィルム上に電極を埋め込むよう
    に形成されたセラミック生シートにマスクを介してサン
    ドブラストでビア孔を形成し、このビア孔に電極材料を
    充填した後、所定枚数積層し、前記ビア孔位置で所定形
    状に切断した後焼成し、前記切断面に露出したビア孔を
    介して内部電極と外部電極を接続する多層セラミック電
    子部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 ベースフィルム上の表面に電極の形成さ
    れたセラミック生シートにマスクを介してサンドブラス
    トでビア孔を形成し、このビア孔に電極材料を充填した
    後、所定枚数積層し、前記孔位置で所定形状に切断した
    後焼成し、前記切断面に露出した内部電極と外部電極を
    接続する多層セラミック電子部品の製造方法。
  8. 【請求項8】 セラミック生シート部分と接する側のマ
    スクの孔周辺にテーパーをつけておく請求項4記載の多
    層セラミック電子部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 少なくともサンドブラスト最中にマスク
    とセラミック生シートは粘着力、磁力、バキューム力、
    静電気力の単独力または複合力で密着させる請求項4記
    載の多層セラミック電子部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 マスクを用いてサンドブラストした
    後、前記マスクを用いてビア孔に電極材料を印刷、充填
    する請求項4記載の多層セラミック電子部品の製造方
    法。
JP24242793A 1993-09-29 1993-09-29 多層セラミック電子部品及びその製造方法 Pending JPH0799116A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24242793A JPH0799116A (ja) 1993-09-29 1993-09-29 多層セラミック電子部品及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP24242793A JPH0799116A (ja) 1993-09-29 1993-09-29 多層セラミック電子部品及びその製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0799116A true JPH0799116A (ja) 1995-04-11

Family

ID=17088947

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP24242793A Pending JPH0799116A (ja) 1993-09-29 1993-09-29 多層セラミック電子部品及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0799116A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010087220A1 (ja) * 2009-01-30 2010-08-05 株式会社村田製作所 電子部品及びその製造方法
JP2014123643A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Panasonic Corp コモンモードノイズフィルタおよびその製造方法
JP2021108325A (ja) * 2019-12-27 2021-07-29 株式会社村田製作所 積層コイル部品

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010087220A1 (ja) * 2009-01-30 2010-08-05 株式会社村田製作所 電子部品及びその製造方法
JP5703754B2 (ja) * 2009-01-30 2015-04-22 株式会社村田製作所 電子部品及びその製造方法
JP2014123643A (ja) * 2012-12-21 2014-07-03 Panasonic Corp コモンモードノイズフィルタおよびその製造方法
JP2021108325A (ja) * 2019-12-27 2021-07-29 株式会社村田製作所 積層コイル部品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR0127666B1 (ko) 세라믹전자부품 및 그 제조방법
EP1873131B1 (en) Process for producing ceramic substrate
JPH06215982A (ja) セラミック電子部品の製造方法
CN111010813A (zh) 嵌入迹线
US8753462B2 (en) Method of manufacturing non-shrinking multilayer ceramic substrate
JPH0799116A (ja) 多層セラミック電子部品及びその製造方法
JPH0799130A (ja) 多層セラミック電子部品の製造方法
JP2021002554A (ja) プリント配線板の製造方法
JP2007035715A (ja) 積層電子部品の製造方法
KR100366411B1 (ko) 다층 인쇄회로기판 및 그 제조방법
JPH07106174A (ja) 多層セラミック電子部品の製造方法
CN111818740A (zh) 线路高低差软硬结合电路的板制造方法
JP3622594B2 (ja) セラミックス基板の製造方法
JP2000299561A (ja) セラミック多層基板の製造方法
JPH07106173A (ja) セラミック電子部品の製造方法
JP3331884B2 (ja) 積層セラミック電子部品の製造方法
JP4196730B2 (ja) セラミック多層基板の製造方法
JP2004228508A (ja) セラミック電子部品の製造方法
JP7484109B2 (ja) 窒化珪素セラミックス焼結基板の製造方法及び回路基板の製造方法
JP2007180079A (ja) プレスフィット接合用プリント配線板及びその製造方法
JP7490934B2 (ja) 回路基板の製造方法及び回路基板
US6835260B2 (en) Method to produce pedestal features in constrained sintered substrates
JP4061852B2 (ja) セラミックグリーンシートの取扱方法および取扱装置
JP2002314251A (ja) セラミック多層基板の製造方法
JP2008141082A (ja) セラミック多層基板の製造方法