JP3622594B2 - セラミックス基板の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、両面に回路パターンおよびスルーホールを有するセラミックス基板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、薄膜セラミックス基板にスルーホールを形成する方法としては、未焼成セラミックス板であるグリーンシートの段階で穴加工を行い焼成後にパターン形成をする方法と、焼成後のセラミックス板にレーザを照射して穴加工を行い、その後導電性膜を形成してパターン形成する方法とがある。例えば、特開平6−215982号公報には未焼成のセラミックス板にサンドブラストを用いて穴あけを行い、その後導電性膜を形成する方法が記載されている。また、別な方法としては、特開平10−190220号公報にレーザを用いてセラミックス基板の穴あけを行い、スパッタリングによりスルーホール内壁に導電性膜を形成する方法が記載されている。ところで、グリーンシートに穴あけを行った後焼成する方法は、焼成時の収縮のためスルーホールの径や位置の精度が良好でないという問題を有している。一方、焼成後のセラミックス板にレーザで穴あけする方法は、セラミックス板の任意の位置に任意の径のスルーホールをあけることができるので上記欠点は解決できるが、レーザの熱エネルギーで穴あけを行うため、スルーホール内壁の加工面が溶融しガラス状の溶融変質層が形成されてしまうという問題がある。このガラス状溶融変質層には熱ストレスによる無数のクラックが存在するので、この表面に形成される導電性膜の密着力が極めて悪い。図6にレーザ穴あけ加工で形成したスルーホールの問題点を示す。上記問題を解決する手段として、例えば特開平6−334301号公報には、レーザ穴あけで形成されたガラス状溶融変質層をサンドブラスト処理により除去するという方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
サンドブラスト処理は、化学的に安定で薬液処理では除去できないスルーホール内壁のガラス状溶融変質層の除去に対して極めて有効である。しかしながら、サンドブラスト処理はスルーホール内壁のガラス状溶融変質層の除去のみならず、セラミックス基板の表面も荒らしてしまうという問題がある。これを防ぐには耐サンドブラストレジストで表面を保護すればよいが、レジストの開口部の位置をスルーホールの径に高精度に合わせることは難しく、スルーホール径よりも大きな径のレジスト開口部が必要である。このため、このレジスト開口部のセラミックス基板表面の荒れを回避することができなかった。図7にサンドブラスト処理で生じる問題点を示す。このような表面荒れは、形成する導体膜の厚さが薄く、高精度なパターン配線が必要な薄膜セラミックス基板には問題があった。また、レーザ加工には、図6に示すようにレーザ穴加工部の入口がテーパー形状になること、溶融物がセラミックス基板表面に飛散すること、レーザ穴加工部の裏側にガラス状の溶融バリが生じるといった別な問題がある。これらもまた高精度なパターン配線形成の阻害となっていた。
【0004】
本発明は、かかる問題を解決するためになされたもので、サンドブラスト処理によって、基板表面に損傷を与えること無く、レーザ加工によって形成されたスルーホール内壁のガラス状溶融変質層を除去し、信頼性が高くかつ高精度な薄膜セラミックス基板を製造する方法を提供するものである。また、本発明の他の目的は、レーザ加工で生じるテーパー部や溶融物の表面飛散やスルーホール裏側の溶融バリを無くし、高精度な形状のスルーホール加工方法を提供するものである。さらに本発明の他の目的は、表面の損傷をより少なくするために、効率よくスルーホール内壁のガラス状溶融変質層をサンドブラスト処理で除去する方法を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
第1の発明のセラミックス基板の製造方法は、被加工セラミックス基板の表面全体に耐サンドブラスト保護層を形成する工程、所望位置にレーザを照射し耐サンドブラスト保護層と被加工セラミックス基板に同時にスルーホールを形成する工程、スルーホールの内壁部に形成される溶融変質層をサンドブラストで除去する工程、耐サンドブラスト保護層を除去する工程を有するものである。
【0006】
また、第2の発明のセラミックス基板の製造方法は、耐サンドブラスト保護層がポリウレタン系もしくはポリイミド系の有機フィルムもしくは有機インクであり、前記有機フィルムを貼り付ける工程もしくは前記有機インクを塗布する工程により、被加工セラミックス基板の表裏両面に耐サンドブラスト保護層を形成するものである。
【0007】
第3の発明のセラミックス基板の製造方法は、耐サンドブラスト保護層がセラミックス板であり、被加工セラミックス基板の表裏両面に前記セラミックス板を配置する工程と前記セラミックス板と被加工セラミックス基板の側面をテープもしくは機械的に固定する工程を有するものである。
【0008】
また、第4の発明のセラミックス基板の製造方法は、第3の発明において被加工セラミックス基板を2枚以上重ねて同時に加工するものである。
【0009】
第5の発明のセラミックス基板の製造方法は、第4の発明において耐サンドブラスト保護層であるセラミックス板と2枚以上重ねる被加工セラミックス基板の全体の厚さを1mm以下にしたものである。
【0010】
また第6の発明のセラミックス基板の製造方法は、被加工セラミックス基板を傾斜もしくはサンドブラスト噴射ノズルを傾斜させて、スルーホールに対し斜め方向から砥粒が噴射されるように配置すると共に、被加工セラミックス基板を回転させながらサンドブラスト処理を行うものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1に本発明の実施の形態1に係る薄膜セラミックス基板の製造方法の一例を示す。まず、図1(a)および(b)に示すように、99.5%のアルミナからなる0.635mm厚さのセラミックス基板1に耐サンドブラスト保護層2として十条ケミカル製耐サンドブラストインキ3 「CEC−6S」をスクリーン印刷で約30μm塗布し、乾燥させた後、400mJ/cm2の条件で紫外線硬化させた。
【0012】
次に、図1(c)に示すように、レーザ加工により耐サンドブラストインキ3を塗布したセラミックス基板1の所望位置にレーザ4を照射しスルーホール5を形成する。この時点で、スルーホール5の内壁にガラス状溶融変質層6が形成される。レーザ4の条件によっては耐サンドブラストインキ3が焼けて開口部がスルーホール5の外周よりも大きくなってしまうが、レーザ4の条件を適当に制御することによって、セラミックス基板1に開けられたスルーホール5の径と同一径の耐サンドブラストインキ3の開口部を形成することができる。さらに、レーザ4の条件を最適化することによって溶融変質層6の厚さを薄くするほうが後工程での除去を短時間で実施できるので望ましい。ここでは、レーザ4としてCO2レーザを用い、平均出力80W、パルス幅40μs、パルス繰り返し周波数2KHzの条件で、0.3mm直径の穴を1mmピッチで240穴開けた。
【0013】
次に、図1(d)に示すように、サンドブラスト加工をスルーホール5の内壁に施す。被加工セラミック基板1に対し60°の傾斜角に設置したサンドブラスト噴射ノズル7(図5参照)より粒径#600のSiC砥粒8を吹き付け圧力5kgf/cm2で2分間噴射した。このとき、セラミックス基板1は60RPMで回転させ、サンドブラスト噴射ノズル7は1回/分の水平揺動をさせた。図5に本発明のサンドブラスト加工の概要を示す。
【0014】
次に、図1(e)に示すように、セラミックス基板1を60℃に加温した湯の中に揺動しながら10分間浸漬し、耐サンドブラストインキ3の膜を剥離した。その後、シャワー水洗とアセトン溶剤中での超音波洗浄を行い、スルーホール5内に残るSiC砥粒8を除去した。
【0015】
次に、図1(f)に示すように、酸洗浄による表面活性化の後、蒸着およびめっきプロセスにより、クロム0.05μm、銅3μm、ニッケル0.5μm、金1.5μmの導電性膜9をセラミックス基板1の表面およびスルーホール5の内面に形成した。
【0016】
次に、図1(g)に示すように、感光性ドライフィルムレジストをセラミックス基板1の表裏面に真空ラミネート法により張り付け、パターン露光、現像、エッチング、レジスト剥離を行い、スルーホール5で電気的に接続された両面に薄膜回路パターン10を有する薄膜セラミックス基板を作製した。
【0017】
上記の方法で、240穴のスルーホール5を結ぶデイジーチェーン回路を形成し、−55℃〜150℃、1000サイクルの熱サイクル試験を行ったが、デイジーチェーン回路の抵抗値に試験前後の変化は殆ど無かった。また、スルーホール5内の導電性膜9に亀裂や剥れは全く認められなかった。以上の方法によって、接続不良が無く、高い信頼性を有するスルーホール付き薄膜セラミック基板を作製することができた。
【0018】
実施の形態2.
図2に本発明の実施の形態2に係る薄膜セラミックス基板の製造方法を示す。まず、図2(a)および(b)に示すように、99.5%のアルミナからなる0.635mm厚さのセラミックス基板1の表面に耐サンドブラスト保護層2として東京応化製耐サンドブラストドライフィルムレジスト11 「BF410」を圧力2.5kg/cm2の条件でラミネートした後、250mJ/cm2の条件で紫外線硬化させ、カバーフィルムを除去した。次に、同セラミックス基板1の裏面に厚さ0.1mmのポリイミドテープ12を全面に貼り付けた。
【0019】
次に、図2(c)および(d)に示すように、上記実施の形態1と同様の方法で、レーザ加工により耐サンドブラストドライフィルムレジスト11を貼り付けたセラミックス基板1の所望位置にレーザ4を照射しスルーホール5を形成した後、サンドブラスト加工をスルーホール5の内壁に施した。
【0020】
次に、図2(e)に示すように、裏面のポリイミドテープ12を剥離し、セラミックス基板1をアセトン溶剤中に浸漬して耐サンドブラストドライフィルムレジスト11を剥離した。その後、シャワー水洗とアセトン溶剤中での超音波洗浄を行い、スルーホール5内に残るSiC砥粒8を除去した。被加工セラミックス基板1の裏面にポリイミドテープ12などの耐サンドブラスト保護層2を形成しない場合、セラミックス基板1の裏面に付着したSiC砥粒8が洗浄によって完全に除去できず、しみ状の模様が残ることがあった。これらのしみは薄膜セラミックス基板の基本性能としては問題はないが、外観上は望ましくない。本実施の形態の様に基板の表裏両面にサンドブラスト保護層2を設けることによってこのようなサンドブラストのSiC砥粒8の残渣を解消できた。
【0021】
実施の形態3.
図3に本発明の第3の実施例に係る薄膜セラミックス基板の製造方法を示す。まず、図3(a)および(b)に示すように、99.5%のアルミナからなる0.15mm厚さの被加工セラミックス基板1と、上記被加工セラミックス基板1と同材質で同寸法の0.15mm厚さの保護セラミックス板13を被加工セラミックス基板1の上に、同材質で同寸法の0.635mm厚さの保護セラミックス板14を被加工セラミックス基板1の下に重ねた。次にこの3枚のセラミックス基板13、1、14の側面をポリイミドテープ15で固定した。このように各々のセラミックス基板を固定しないと、レーザ穴あけ時やサンドブラストの際に基板が振動し互いに衝突することによってセラミックス基板1が割れる場合がある。
ここではポリイミドテープ15でセラミックス基板を固定したが、機械的な治具を用いて固定しても差し支えない。
【0022】
次に、図3(c)に示すように、レーザ加工によりセラミックス基板1の所望位置にレーザ4を照射しスルーホール5を形成する。ここでは、レーザ4としてCO2レーザを用い、平均出力80W、パルス幅40μs、パルス繰り返し周波数2KHzの条件で、3枚のセラミックス基板13、1、14に同時に0.1mm直径の穴を1mmピッチで240穴開けた。図3(c)はレーザ穴あけ加工後のスルーホール5の状態を示すものである。上部におかれた保護セラミックス板13の上には溶融飛散物16の付着があり、下部におかれた保護セラミックス板14の裏面には溶融バリ17が生じているが、間に挟まれた被加工セラミックス基板1には、これらの溶融副産物は生じない。また、レーザ4の照射部では若干のテーパー部が生じるが、上部に置かれた保護セラミックス板13にテーパー形状のスルーホール5が形成されるので、間に挟まれた被加工セラミックス基板1にはほぼストレートなスルーホール5が形成される。また、セラミックス基板を重ねてレーザ穴あけすると、上下の基板のレーザ溶融物同士が混ざり合うので、各々の基板はこの溶融変質層6で連結されている。
【0023】
次に図3(d)および図5に示すように、サンドブラスト加工は、60RPMで回転する被加工セラミック基板1に対し60°の傾斜角に設置したサンドブラスト噴射ノズル7より粒径#600のSiC砥粒8を吹き付け圧力5kgf/cm2で2分間噴射して行った。この工程によって溶融変質層6は除去されるので、連結したセラミックス基板13、1、14どうしは分離される。また、上部に重ねた保護セラミックス板13はサンドブラストによって表面が荒らされるが、間に挟まれた被加工セラミックス基板1は損傷を受けること無くスルーホール5の内部のみ処理が行われる。
【0024】
次に、図3(e)に示すように、基板側面のポリイミドテープ15を剥離し、上下に重ねた保護セラミックス板13、14を取り除いた。その後、シャワー水洗とアセトン溶剤中での超音波洗浄を行い、スルーホール5内に残るSiC砥粒8を除去した。
【0025】
次に、実施の形態1と同様の方法で薄膜パターン回路を形成し、240穴のスルーホール5を結ぶデイジーチェーン回路について、−55℃〜150℃、1000サイクルの温度サイクル試験を行ったが、デイジーチェーン回路の抵抗値に試験前後の変化は殆ど無く、接続不良の無い高い信頼性を有するスルーホール付き薄膜セラミック基板を作製することができた。
【0026】
実施の形態4.
図4に本発明の第4の実施例に係る薄膜セラミックス基板の製造方法を示す。まず、99.5%のアルミナからなる0.1mm厚さの被加工セラミックス基板1を3枚と、上記被加工セラミックス基板1と同材質で同寸法の0.15mm厚さの保護セラミックス板13を被加工セラミックス基板1の上に、同材質で同寸法の0.51mm厚さの保護セラミックス板18を被加工セラミックス基板1の下に重ねた。次に重ねた保護セラミックス板13、18と被加工セラミックス基板1の側面をポリイミドテープ15で固定した後、レーザ加工によりセラミックス基板1の所望位置にレーザを照射しスルーホール5を形成し、その後サンドブラスト加工によりスルーホール5内の溶融変質層6を除去した。この方法により、セラミックス基板1を3枚同時にスルーホール加工することができた。同時に処理するセラミックス基板1は2枚以上で何枚でも良いが、保護セラミックス板13、18と被加工セラミックス基板1の厚さの総和が1mmを超えないことが望ましい。というのは、目的とするスルーホール5の径は通常0.1mm〜0.6mmであるため、重ねた保護セラミックス板13、18に形成されるスルーホール5のアスペクト比が大きくなるとレーザ穴あけ加工およびサンドブラスト加工が困難になるためである。
【0027】
実施の形態5.
図5に本発明に係る薄膜セラミックス基板のスルーホール5のサンドブラスト処理方法を示す。本発明では、サンドブラスト加工をする際に、被加工セラミック基板1に対し60°の傾斜角に設置したサンドブラスト噴射ノズル7より粒径#600のSiC砥粒8を吹き付け圧力5kgf/cm2で2分間スルーホールに噴射した。また、このとき、セラミックス基板1は60RPMで回転させ、サンドブラスト噴射ノズル7は1回/分の水平揺動をさせながらサンドブラスト処理を行った。比較例として、上記斜め方向から噴射する場合と等しい距離に噴射ノズル7を配置し、静止している被加工セラミックス基板1に対し垂直方向から、粒径#600のSiC砥粒8を吹き付け圧力5kgf/cm2で2分間噴射した。さらに、上記サンドブラスト処理は重力式と呼ばれる加工装置で実施したが、直圧式と呼ばれる重力式よりも2〜4倍高速でSiC砥粒8を吹き付けることができるサンドブラスト処理装置を用い、吹き付け圧5kgf/cm2で垂直方向から5分間と10分間噴射した。また、このときサンドブラスト噴射ノズル7は30回/分の水平揺動をさせた。表1に、上記の処理による0.2mm径のスルーホール3内のガラス状溶融変質層6の除去率を示す。この結果から判るように、斜めから噴射する場合は極めて短時間でスルーホール5内の溶融変質層6を除去できるが、垂直方向から噴射する場合は、同じ噴射条件では全く除去することはできず、より強力なサンドブラスト処理を行っても完全に除去することが困難であることがわかる。さらに、より強力なサンドブラストを実施すれば除去率は向上するが、セラミックス基板1表面の損傷防止用の耐サンドブラストレジストインキ3がサンドブラスト処理に耐えられなくなってセラミックス基板1の表面に損傷が生じてしまう結果となった。
【0028】
【表1】
各種サンドブラスト処理方法によるガラス状溶融変質層の除去率
※ 耐サンドブラストインキ厚さ30μm形成時
【0029】
【発明の効果】
以上説明したように、第1の発明によれは、セラミックス基板表面の全面に耐サンドブラスト保護層を形成した後、所望位置にレーザーを照射し耐サンドブラスト保護層とセラミックス基板に同時にスルーホールを形成するので、スルーホールの穴径と耐サンドブラスト保護層の穴径を同一にすることが出来る。このため、スルーホールと耐サンドブラスト保護層の開口部に位置ずれがないので、後工程のサンドブラスト処理によっても、セラミックス基板表面に損傷を与えること無く、スルーホールの内壁部に形成される溶融変質層をサンドブラストで除去することができる。レーザ加工によって形成されたスルーホール内壁ガラス状溶融変質層が無いので、スルーホール内の導電性皮膜の密着力が大きく、スルーホールの接続信頼性が高く出来るという効果が有る。また、表面の損傷が無いので、基板表面に高精度な回路パターンを形成できるという効果が有る。
【0030】
また、第2の発明では、耐サンドブラスト保護層である有機フィルムもしくは有機インクを被加工セラミックス基板の表裏両面に形成するので、サンドブラストの砥粒の基板裏面への付着などの汚染を防ぐことが出来き、この結果信頼性が高くかつ高精度な薄膜セラミックス基板を製造することができる。
【0031】
また、第3、第4、第5の発明では、耐サンドブラスト保護層としてセラミックス板を用い、被加工セラミックス基板の表裏両面に前記セラミックス板を配置すると共に前記セラミックス板と被加工セラミックス基板の側面をテープ固定するので、レーザ加工で生じるテーパー部や溶融物の表面飛散やスルーホール裏側の溶融バリが前記セラミックス板で生じ、間にはさまれた被加工セラミックス基板には、これら溶融物による障害が無く、さらにテーパーの少ない高精度な形状のスルーホール形状を得ることが出来る。また、この方法では、複数枚のセラミックス基板に同時にスルーホールを形成することができるので、生産性を高く出来るという効果が有る。
【0032】
また、第6の発明では、被加工セラミックス基板を傾斜もしくはサンドブラスト噴射ノズルを傾斜させて、スルーホールに対し斜め方向から砥粒が噴射されるように配置すると共に、セラミックス基板を回転させながらサンドブラスト処理を行うので、垂直方向から砥粒を噴射するのに比べ短時間でガラス状溶融変質層が除去できる。このため、生産性を高くできるという効果を有すると共に、耐サンドブラスト保護層が受ける衝撃を少なくすることができるので、耐サンドブラスト保護層の材料としての選択幅を広げることができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1に係る薄膜セラミックス基板の製造工程をそれぞれ示すセラミックス基板断面の概念図である。
【図2】本発明の実施の形態2に係る薄膜セラミックス基板の製造工程をそれぞれ示すセラミックス基板断面の概念図である。
【図3】本発明の実施の形態3に係る薄膜セラミックス基板の製造工程をそれぞれ示すセラミックス基板断面の概念図である。
【図4】本発明の実施の形態4に係る薄膜セラミックス基板の製造工程をそれぞれ示すセラミックス基板断面の概念図である。
【図5】本発明に係る薄膜セラミックス基板のスルーホールのサンドブラスト処理方法を示す概要図である。
【図6】レーザ穴あけ加工で形成したスルーホールの問題点を示すスルーホール断面の概念図である。
【図7】サンドブラスト処理で生じる問題点を示すスルーホール断面の概念図である。
【符号の説明】
1 セラミックス基板、2 耐サンドブラスト保護層、4 レーザ、5 スルーホール、6 溶融変質層、7 サンドブラスト噴射ノズル、9 導電性膜、10 薄膜回路パターン、13 セラミックス板。
Claims (6)
- セラミックス基板の表面および裏面に回路パターンを有し、前記基板を貫通するスルーホールを有し、前記表面および裏面の回路パターンをスルーホールに形成された導電性膜で電気的に接続したセラミックス基板の製造方法において、被加工セラミックス基板の表面全体に耐サンドブラスト保護層を設置する工程、所望位置にレーザを照射し耐サンドブラスト保護層と被加工セラミックス基板を同時に貫通させてスルーホールを形成する工程、スルーホールの内壁部に形成される溶融変質層をサンドブラストで除去する工程、耐サンドブラスト保護層を除去する工程とを、順に実行することを特徴とするセラミックス基板の製造方法。
- 耐サンドブラスト保護層がポリウレタン系もしくはポリイミド系の有機フィルムもしくは有機インクであり、前記有機フィルムを貼り付ける工程もしくは前記有機インクを塗布する工程により、被加工セラミックス基板の表裏両面に耐サンドブラスト保護層を形成することを特徴とする請求項1記載のセラミックス基板の製造方法。
- 耐サンドブラスト保護層がセラミックス板であり、被加工セラミックス基板の表裏両面に前記セラミックス板を配置する工程と前記セラミックス板と被加工セラミックス基板の側面をテープもしくは機械的に固定する工程を有することを特徴とする請求項1記載のセラミックス基板の製造方法。
- 被加工セラミックス基板を2枚以上重ねて同時に加工することを特徴とする請求項3記載のセラミックス基板の製造方法。
- 耐サンドブラスト保護層であるセラミックス板と2枚以上重ねる被加工セラミックス基板の全体の厚さが1mm以下であることを特徴とする請求項4記載のセラミックス基板の製造方法。
- 被加工セラミックス基板を傾斜もしくはサンドブラスト噴射ノズルを傾斜させて、スルーホール内面に対し斜め方向から砥粒が吹き付けされるように配置すると共に、被加工セラミックス基板を回転させながらサンドブラスト処理を行うことを特徴とする請求項1記載のセラミックス基板の製造方法。
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