JP7259545B2 - 積層型コイル部品 - Google Patents

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Description

本発明は、積層型コイル部品に関する。
コイル部品として、例えば、特許文献1には、積層方向とコイル軸がいずれも実装面と平行なコイル部品が開示されている。
特開2017-212372号公報
特許文献1では、コイル状の導体部を含む素体が、コイルの中心軸に対して平行な方向に順に位置する第1部分、第2部分及び第3部分を含み、第2の部分のガラス含有量が第1部分及び第2部分よりも高く、10GHz程度の高周波帯における特性が良好であるとされている。
しかしながら、近年の電気機器の通信速度の高速化、及び、小型化に応じて、積層型インダクタにはさらなる高周波帯(例えば、60GHz以上のGHz帯)での高周波特性が充分であることが求められている。特許文献1に記載のコイル部品は、60GHz以上の高周波特性が充分ではないという問題があった。
本発明は上記の問題を解決するためになされたものであり、高周波特性に優れる積層型コイル部品を提供することを目的とする。
本発明の積層型コイル部品は、複数の絶縁層が長さ方向に積層されてなり、内部にコイルを内蔵する積層体と、上記コイルに電気的に接続されている第1の外部電極及び第2の外部電極と、を備え、上記コイルは、上記絶縁層とともに上記長さ方向に積層された複数のコイル導体が電気的に接続されてなり、上記積層体は、上記長さ方向において相対する第1の端面及び第2の端面と、上記長さ方向と直交する高さ方向において相対する第1の主面及び第2の主面と、上記長さ方向及び上記高さ方向に直交する幅方向において相対する第1の側面及び第2の側面と、を有し、上記第1の外部電極は、上記第1の端面の一部と上記第1の主面の一部とを延伸して覆い、上記第2の外部電極は、上記第2の端面の一部と上記第1の主面の一部とを延伸して覆い、上記第1の主面は、実装面であり、上記積層体の積層方向と上記コイルのコイル軸方向とは、上記第1の主面と平行であり、上記積層方向における上記コイル導体の配置領域の寸法は、上記積層体の長さ寸法の85%以上、95%以下であり、上記第1の主面に延伸された上記第1の外部電極と対向する上記コイル導体の積層数、及び、上記第1の主面に延伸された上記第2の外部電極と対向する上記コイル導体の積層数の合計は、12以下であることを特徴とする。
本発明によれば、高周波特性に優れる積層型コイル部品を提供することができる。
図1は、本発明の積層型コイル部品の一例を模式的に示す斜視図である。 図2(a)は、図1に示す積層型コイル部品の側面図であり、図2(b)は、図1に示す積層型コイル部品の正面図であり、図2(c)は、図1に示す積層型コイル部品の底面図である。 図3は、本発明の積層型コイル部品の一例を模式的に示す断面図である。 図4(a)は、図3に示す積層型コイル部品の第1の端面11側の拡大断面図であり、図4(b)は、図4(a)における領域Aを構成する絶縁層を模式的に示す分解斜視図である。 図5は、積層体を構成するコイル導体の他の形状の例を模式的に示す平面図である。 図6は、透過係数S21を測定する方法を模式的に示す図である。 図7は、実施例で作製した試料の透過係数S21を示すグラフである。
以下、本発明の積層型コイル部品について説明する。
しかしながら、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を変更しない範囲において適宜変更して適用することができる。なお、以下において記載する個々の望ましい構成を2つ以上組み合わせたものもまた本発明である。
図1は、本発明の積層型コイル部品の一例を模式的に示す斜視図である。
図2(a)は、図1に示す積層型コイル部品の側面図であり、図2(b)は、図1に示す積層型コイル部品の正面図であり、図2(c)は、図1に示す積層型コイル部品の底面図である。
図1、図2(a)、図2(b)及び図2(c)に示す積層型コイル部品1は、積層体10と第1の外部電極21と第2の外部電極22とを備えている。積層体10は、6面を有する略直方体形状である。積層体10の構成については後述するが、複数の絶縁層が長さ方向に積層されてなり、内部にコイルを内蔵している。第1の外部電極21及び第2の外部電極22は、それぞれ、コイルに電気的に接続されている。
本発明の積層型コイル部品及び積層体では、長さ方向、高さ方向、幅方向を、図1におけるx方向、y方向、z方向とする。ここで、長さ方向(x方向)と高さ方向(y方向)と幅方向(z方向)は互いに直交する。
図1、図2(a)、図2(b)及び図2(c)に示すように、積層体10は、長さ方向(x方向)に相対する第1の端面11及び第2の端面12と、長さ方向に直交する高さ方向(y方向)に相対する第1の主面13及び第2の主面14と、長さ方向及び高さ方向に直交する幅方向(z方向)に相対する第1の側面15及び第2の側面16とを有する。
図1には示されていないが、積層体10は、角部及び稜線部に丸みが付けられていることが好ましい。角部は、積層体の3面が交わる部分であり、稜線部は、積層体の2面が交わる部分である。
第1の外部電極21は、図1及び図2(b)に示すように、積層体10の第1の端面11の一部を覆い、かつ、図1及び図2(c)に示すように、第1の端面11から延伸して第1の主面13の一部を覆って配置されている。図2(b)に示すように、第1の外部電極21は、第1の端面11のうち、第1の主面13と交わる稜線部を含む領域を覆っているが、第1の端面11から延伸して第2の主面14を覆っていてもよい。
なお、図2(b)では、積層体10の第1の端面11を覆う部分の第1の外部電極21の高さは一定であるが、積層体10の第1の端面11の一部を覆う限り、第1の外部電極21の形状は特に限定されない。例えば、積層体10の第1の端面11において、第1の外部電極21は、端部から中央部に向かって高くなる山なり形状であってもよい。また、図2(c)では、積層体10の第1の主面13を覆う部分の第1の外部電極21の長さは一定であるが、積層体10の第1の主面13の一部を覆う限り、第1の外部電極21の形状は特に限定されない。例えば、積層体10の第1の主面13において、第1の外部電極21は、端部から中央部に向かって長くなる山なり形状であってもよい。
図1及び図2(a)に示すように、第1の外部電極21は、さらに、第1の端面11及び第1の主面13から延伸して第1の側面15の一部及び第2の側面16の一部を覆って配置されていてもよい。この場合、図2(a)に示すように、第1の側面15及び第2の側面16を覆う部分の第1の外部電極21は、いずれも、第1の端面11と交わる稜線部及び第1の主面13と交わる稜線部に対して斜めに形成されていることが好ましい。なお、第1の外部電極21は、第1の側面15の一部及び第2の側面16の一部を覆って配置されていなくてもよい。
第2の外部電極22は、積層体10の第2の端面12の一部を覆い、かつ、第2の端面12から延伸して第1の主面13の一部を覆って配置されている。第1の外部電極21と同様、第2の外部電極22は、第2の端面12のうち、第1の主面13と交わる稜線部を含む領域を覆っている。
また、第1の外部電極21と同様に、第2の外部電極22は、第2の端面12から延伸して、第2の主面14の一部、第1の側面15の一部及び第2の側面16の一部を覆っていてもよい。
第1の外部電極21と同様、積層体10の第2の端面12の一部を覆う限り、第2の外部電極22の形状は特に限定されない。例えば、積層体10の第2の端面12において、第2の外部電極22は、端部から中央部に向かって高くなる山なり形状であってもよい。また、積層体10の第1の主面13の一部を覆う限り、第2の外部電極22の形状は特に限定されない。例えば、積層体10の第1の主面13において、第2の外部電極22は、端部から中央部に向かって長くなる山なり形状であってもよい。
第1の外部電極21と同様、第2の外部電極22は、さらに、第2の端面12及び第1の主面13から延伸して、第2の主面14の一部、第1の側面15の一部及び第2の側面16の一部を覆って配置されていてもよい。この場合、第1の側面15及び第2の側面16を覆う部分の第2の外部電極22は、いずれも、第2の端面12と交わる稜線部及び第1の主面13と交わる稜線部に対して斜めに形成されていることが好ましい。なお、第2の外部電極22は、第2の主面14の一部、第1の側面15の一部及び第2の側面16の一部を覆って配置されていなくてもよい。
以上のように第1の外部電極21及び第2の外部電極22が配置されているため、積層型コイル部品1を基板上に実装する場合には、積層体10の第1の主面13が実装面となる。
本発明の積層型コイル部品のサイズは特に限定されないが、0603サイズ、0402サイズ又は1005サイズであることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層体の長さ(図2(a)中、両矢印Lで示される長さ)は、0.63mm以下であることが好ましく、0.57mm以上であることが好ましく、0.60mm(600μm)以下、0.56mm(560μm)以上であることがより好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層体の幅(図2(c)中、両矢印Wで示される長さ)は、0.33mm以下であることが好ましく、0.27mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層体の高さ(図2(b)中、両矢印Tで示される長さ)は、0.33mm以下であることが好ましく、0.27mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層型コイル部品の長さ(図2(a)中、両矢印Lで示される長さ)は、0.63mm以下であることが好ましく、0.57mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層型コイル部品の幅(図2(c)中、両矢印Wで示される長さ)は、0.33mm以下であることが好ましく、0.27mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層型コイル部品の高さ(図2(b)中、両矢印Tで示される長さ)は、0.33mm以下であることが好ましく、0.27mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層体の第1の主面を覆う部分の第1の外部電極の長さ(図2(c)中、両矢印Eで示される長さ)は、0.12mm以上、0.22mm以下であることが好ましい。同様に、積層体の第1の主面を覆う部分の第2の外部電極の長さは、0.12mm以上、0.22mm以下であることが好ましい。
なお、積層体の第1の主面を覆う部分の第1の外部電極の長さ、及び、積層体の第1の主面を覆う部分の第2の外部電極の長さが一定でない場合、最も長い部分の長さが上記範囲にあることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0603サイズである場合、積層体の第1の端面を覆う部分の第1の外部電極の高さ(図2(b)中、両矢印Eで示される長さ)は、0.10mm以上、0.20mm以下であることが好ましい。同様に、積層体の第2の端面を覆う部分の第2の外部電極の高さは、0.10mm以上、0.20mm以下であることが好ましい。この場合、外部電極に起因する浮遊容量を低減することができる。
なお、積層体の第1の端面を覆う部分の第1の外部電極の高さ、及び、積層体の第2の端面を覆う部分の第2の外部電極の高さが一定でない場合、最も高い部分の高さが上記範囲にあることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層体の長さは、0.38mm以上、0.42mm以下であることが好ましく、積層体の幅は、0.18mm以上、0.22mm以下であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層体の高さは、0.18mm以上、0.22mm以下であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層型コイル部品の長さは、0.42mm以下であることが好ましく、0.38mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層型コイル部品の幅は、0.22mm以下であることが好ましく、0.18mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層型コイル部品の高さは、0.22mm以下であることが好ましく、0.18mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層体の第1の主面を覆う部分の第1の外部電極の長さは、0.08mm以上、0.15mm以下であることが好ましい。同様に、積層体の第1の主面を覆う部分の第2の外部電極の長さは、0.08mm以上、0.15mm以下であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が0402サイズである場合、積層体の第1の端面を覆う部分の第1の外部電極の高さは、0.06mm以上、0.13mm以下であることが好ましい。同様に、積層体の第2の端面を覆う部分の第2の外部電極の高さは、0.06mm以上、0.13mm以下であることが好ましい。この場合、外部電極に起因する浮遊容量を低減することができる。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層体の長さは、0.95mm以上、1.05mm以下であることが好ましく、積層体の幅は、0.45mm以上、0.55mm以下であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層体の高さは、0.45mm以上、0.55mm以下であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層型コイル部品の長さは、1.05mm以下であることが好ましく、0.95mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層型コイル部品の幅は、0.55mm以下であることが好ましく、0.45mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層型コイル部品の高さは、0.55mm以下であることが好ましく、0.45mm以上であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層体の第1の主面を覆う部分の第1の外部電極の長さは、0.20mm以上、0.38mm以下であることが好ましい。同様に、積層体の第1の主面を覆う部分の第2の外部電極の長さは、0.20mm以上、0.38mm以下であることが好ましい。
本発明の積層型コイル部品が1005サイズである場合、積層体の第1の端面を覆う部分の第1の外部電極の高さは、0.15mm以上、0.33mm以下であることが好ましい。同様に、積層体の第2の端面を覆う部分の第2の外部電極の高さは、0.15mm以上、0.33mm以下であることが好ましい。この場合、外部電極に起因する浮遊容量を低減することができる。
本発明の積層型コイル部品を構成する積層体が内蔵するコイルについて説明する。
コイルは、絶縁層とともに長さ方向に積層された複数のコイル導体が電気的に接続されることにより形成される。
図3は、本発明の積層型コイル部品の一例を模式的に示す断面図であり、図4(a)は、図3に示す積層型コイル部品の第1の端面11側の拡大断面図であり、図4(b)は、図4(a)における領域Aを構成する絶縁層を模式的に示す分解斜視図である。
図4(a)及び図4(b)に示すように、積層体10は、絶縁層31a、31b(31b、31b)及び31c(31c、31c)が長さ方向に積層されて構成されている。
図示していないが、絶縁層31b及び31cは所定の回数(n回)だけ繰り返されており、繰り返し部分の両端には、絶縁層31aが積層される。具体的には、絶縁層31b(31b~31b)と絶縁層13c(31c~31c)とが、交互に積層される(31b及び31cは図示していない)。
なお、積層体を構成する複数の絶縁層が積み重なる方向を積層方向という。
すなわち、本発明の積層型コイル部品において、積層体の長さ方向と、絶縁層の積層方向とは一致する。
絶縁層31b(31b、31b)及び31c(31c、31c)には、それぞれ、コイル導体32b(32b、32b)及び32c(32c、32c)と、ビア導体33b(33b、33b)及び33c(33c、33c)とが設けられている。
コイル導体32b(32b、32b)及び32c(32c、32c)はそれぞれ、ライン部と、ライン部の端部に配置されるランド部とを有している。図4(b)に示すように、ランド部のサイズは、ライン部の線幅よりも若干大きいことが好ましい。
コイル導体32b(32b、32b)及び32c(32c、32c)は、それぞれ、絶縁層31b(31b、31b)及び31c(31c、31c)の主面上に設けられており、絶縁層31a、31b(31b、31b)及び31c(31c、31c)とともに積層される。従って図4(b)では、各コイル導体が1/2ターン形状を有しており、絶縁層31b及び31cを1つの単位(1ターン分)として、繰り返し積層される。
ビア導体33a、33b(33b、33b)及び33c(33c、33c)は、それぞれ、絶縁層31a、31b(31b、31b)、31c(31c、31c)を積層方向(図4(b)ではx方向)に貫通するように設けられている。
従って、絶縁層31a、31b(31b~31b)及び31c(31c~31c)を、図4(b)に示すようにx方向に積層することによって、積層体10内において、x方向に延在するコイル軸Aを有するソレノイド状のコイルが形成される。
また、図3に示すように、両矢印Bで示す領域(領域B)において、第1の主面13に延伸された第1の外部電極21とコイル導体32とが対向し、両矢印Cで示す領域(領域C)において、第1の主面13に延伸された第2の外部電極22とコイル導体32とが対向している。
第1の外部電極21と対向するコイル導体32は、図4(a)及び図4(b)に示すようにコイル導体32bである。一方、第2の外部電極22と対向するコイル導体32は、コイル導体32cである(図示していない)。
図4(a)及び図4(b)に示すように、第1の主面13に延伸された第1の外部電極21と対向するコイル導体の積層数は4である。また図示していないが、領域Bにおいて、第1の主面13に延伸された第2の外部電極22と対向するコイル導体の積層数も4である。
従って、図3に示す積層型コイル部品1において、第1の主面13に延伸された第1の外部電極21と対向するコイル導体の積層数、及び、第1の主面13に延伸された第2の外部電極22と対向するコイル導体の積層数の合計は8である。
一方、絶縁層31cに形成されたビア導体33cは積層体10内で第1の連結導体41及び第2の連結導体42となって、第1の端面11及び第2の端面12に露出する。連結導体は、積層体10内において、第1の外部電極21とこれに対向するコイル導体32bとの間、及び、第2の外部電極22とこれに対向するコイル導体32bとの間を、それぞれ直線的に接続する。
第1の主面に延伸された第1の外部電極と対向するコイル導体の積層数及び第1の主面に延伸された第2の外部電極と対向するコイル導体の積層数の合計は、12以下であればよいが、積層型コイル部品の実装性を確保する観点から、上記積層数の合計は2以上であることが好ましい。
図3に示すように、積層方向におけるコイル導体の配置領域の寸法Lは、積層体10の長さ寸法Lの85%以上、95%以下(図3では90%)となっている。積層方向におけるコイル導体の配置領域の寸法が、積層体の長さ寸法の85%以上、95%以下であると、高いインダクタンスを発揮することができる。
積層方向におけるコイル導体の配置領域の寸法が、積層体の長さ寸法の85%以上、95%以下であり、かつ、第1の主面に延伸された第1の外部電極と対向するコイル導体の積層数及び第1の主面に延伸された第2の外部電極と対向するコイル導体の積層数の合計が12以下であると、積層型コイル部品の60GHzにおける透過係数S21を-3dB以上とすることができる。
積層型コイル部品の60GHzでの透過係数S21が-3dB以上である場合、例えば、光通信回路内のバイアスティー(Bias-Tee)回路等に好適に使用できる。透過係数S21は、入力信号に対する透過信号の電力の比から求められる。周波数毎の透過係数S21は、例えば、ネットワークアナライザを用いて求められる。透過係数S21は、基本的に無次元量であるが、通常、常用対数をとってdB単位で表される。
積層方向から平面視したときに、コイルを構成するコイル導体は互いに重なることが好ましい。また、積層方向から平面視したとき、コイルの形状は円形であることが好ましい。なお、コイルがランド部を含む場合には、ランド部を除いた形状(すなわちライン部の形状)をコイルの形状とする。
また、連結導体を構成するビア導体にランド部が接続されている場合には、ランド部を除いた形状(すなわちビア導体の形状)を連結導体の形状とする。
第1の連結導体41が第1の外部電極21とコイルとの間を直線状に接続するとは、積層方向から平面視したとき、第1の連結導体41を構成するビア導体33a同士が重なっていることを意味し、ビア導体33a同士は厳密に直線状に並んでいなくてもよい。
また、第2の連結導体42が第2の外部電極22とコイルとの間を直線状に接続するとは、積層方向から平面視したとき、第2の連結導体42を構成するビア導体33a同士が重なっていることを意味し、ビア導体33a同士は厳密に直線状に並んでいなくてもよい。
なお、連結導体を構成するビア導体にランド部が接続されている場合には、ランド部を除いた形状(すなわちビア導体の形状)を連結導体の形状とする。
図4(b)に示すコイル導体は、繰り返しパターンが円形となるような形状であるが、繰り返しパターンが四角形等の多角形となるようなコイル導体であってもよい。
図4(b)では、2つのコイル導体が積層方向に接続されることで、コイルの繰り返し単位が1周しているが、コイル導体の形状はこの形状に限定されない。
例えば、コイル導体が繰り返し単位の3/4の形状であるコイル導体を積層方向に接続してもよい。この場合、4つのコイル導体を積層することで、コイルの繰り返し単位が3周する。
積層方向から平面視したとき、コイル導体において、ライン部の線幅は、好ましくは30μm以上、80μm以下であり、より好ましくは30μm以上、60μm以下である。ライン部の線幅が30μmよりも小さい場合、コイルの直流抵抗が大きくなることがある。ライン部の線幅が80μmよりも大きい場合、コイルの静電容量が大きくなるため、積層型コイル部品の高周波特性が低下することがある。
本発明の積層型コイル部品は、積層方向から平面視したときに、ランド部が、ライン部の内周縁よりも内側に位置せず、かつ、ライン部と部分的に重なることが好ましい。
ランド部がライン部の内周縁よりも内側に位置すると、インピーダンスが低下してしまうことがある。
また、積層方向から平面視したときに、ランド部の径は、ライン部の線幅の1.05倍以上、1.3倍以下であることが好ましい。
ランド部の径がライン部の線幅の1.05倍未満であると、ランド部とビア導体との接続が不充分となることがある。一方、ランド部の径がライン部の線幅の1.3倍を超えると、ランド部に起因する浮遊容量が大きくなるため、高周波特性が低下することがある。
積層方向から平面視したときのランド部の形状は、円形状であってもよいし、多角形状であってもよい。ランド部の形状が多角形状である場合、多角形の面積相当円の直径をランド部の径とする。
図5は、積層体を構成するコイル導体の他の形状の例を模式的に示す平面図である。
図5に示す絶縁層51a、51b(51b~51b)、51c(51c~51c)及び51dを、図4(b)に示した絶縁層31bと31cの繰り返し部分の代わりに配置することで、コイル導体の形状を変更することができる。
絶縁層51a、51b(51b~51b)、51c(51c~51c)及び51dには、それぞれコイル導体52a、52b(52b~52b)、52c(52c~52c)及び52dと、ビア導体53a、53b(53b~53b)、53c(53c~53c)及び53dとが設けられている。
コイル導体52a、52b(52b~52b)、52c(52c~52c)及び52dは、それぞれ、絶縁層51a、51b(51b~51b)、51c(51c~51c)及び51dの主面上に設けられている。
図5では、コイル導体52b及び52cがそれぞれ1/2ターン形状を有しており、絶縁層51b及び51cを1つの単位(1ターン分)として、繰り返し積層される。
具体的には、絶縁層51a、51b、51c、・・・51b、51c、51dという順で、両端部に絶縁層51a及び51dを配置し、その間で51b及び51cをn回繰り返して積層することで、ソレノイド状のコイルを形成することができる。
図5に示す絶縁層51a、51b(51b~51b)、51c(51c~51c)及び51dを積層して得られる積層体は、積層方向から平面視したときに、ランド部が、第1の主面とは反対側の上半分の領域(絶縁層51dにおいてビア導体53dが設けられている領域が下半分の領域である)に存在するため、ランド部及びビア導体と外部電極との間で生じる浮遊容量を小さくして、高周波特性をさらに向上させることができる。
コイル導体の厚みは特に限定されないが、3μm以上、6μm以下であることが好ましい。
コイル導体の厚みが3μm未満であると、直流抵抗(Rdc)が大きくなり、通電したときの発熱が大きくなる。一方、コイル導体の厚みが6μmを超える場合、積層方向に隣り合うコイル導体同士の距離が小さくなることによって浮遊容量が増加し、高周波特性が低下することがある。
コイル導体の厚みが3μm以上、6μm以下であると、低抵抗を実現しつつ高周波特性を向上させることができる。
本発明の積層型コイル部品において、積層体を構成するコイル導体の積層数は、40以上、60以下であることが好ましい。
コイル導体の積層数が40未満であると、浮遊容量が大きくなり、透過係数S21が低下する。一方、コイル導体の積層数が60を超えると、直流抵抗(Rdc)が大きくなる。
コイル導体の積層数を40以上、60以下とすることで、60GHzでの透過係数S21を向上させることができる。
本発明の積層型コイル部品において、積層方向に隣り合うコイル導体間の距離は特に限定されないが、3μm以上、10μm以下であることが好ましい。
積層方向に隣り合うコイル導体間の距離が10μmを超える場合、コイル導体同士を接続するためにランド部を大きくする必要が生じ、浮遊容量が大きくなってしまう場合がある。一方、積層方向に隣り合うコイル導体間の距離が3μm未満である場合、コイル導体間で発生する浮遊容量が大きくなり、透過係数S21が低下することがある。
本明細書において、積層方向に隣り合うコイル導体間の距離とは、ビアを介して接続されているコイル導体間の積層方向における最短距離である。従って、積層方向に隣り合うコイル導体間の距離と、浮遊容量を発生させるコイル導体間の距離とは、必ずしも一致しない。
本発明の積層型コイル部品において、第1の主面が実装面となる。
各コイル導体及び各連結導体の好ましい寸法の具体例について、積層型コイル部品1のサイズが、0603サイズ、0402サイズ、又は、1005サイズである場合に分けて以下に説明する。
(1)積層型コイル部品1が0603サイズである場合
・積層方向から平面視したとき、各コイル導体の内径(コイル径)は、好ましくは、50μm以上、100μm以下である。
・各連結導体の長さ寸法は、好ましくは15μm以上、45μm以下であり、より好ましくは15μm以上、30μm以下である。
・各連結導体の幅寸法は、好ましくは、30μm以上、60μm以下である。
(2)積層型コイル部品1が0402サイズである場合
・積層方向から平面視したとき、各コイル導体の内径(コイル径)は、好ましくは、30μm以上、70μm以下である。
・各連結導体の長さ寸法は、好ましくは10μm以上、30μm以下であり、より好ましくは10μm以上、25μm以下である。
・各連結導体の幅寸法は、好ましくは、20μm以上、40μm以下である。
(3)積層型コイル部品1が1005サイズである場合
・積層方向から平面視したとき、各コイル導体の内径(コイル径)は、好ましくは、80μm以上、170μm以下である。
・各連結導体の長さ寸法は、好ましくは25μm以上、75μm以下であり、より好ましくは25μm以上、50μm以下である。
・各連結導体の幅寸法は、好ましくは、40μm以上、100μm以下である。
[積層型コイル部品の製造方法]
本発明の積層型コイル部品の製造方法の一例について説明する。
最初に、後に絶縁層となるセラミックグリーンシートを作製する。例えば、まず、フェライト材料に、ポリビニルブチラール系樹脂等の有機バインダと、エタノール、トルエン等の有機溶剤と、分散剤と、等を加えて混練し、スラリー状にする。その後、ドクターブレード法等の方法によって、厚みが12μm程度のセラミックグリーンシートを作製する。
フェライト材料としては、例えば、下記の方法で作製されるものが挙げられる。まず、鉄、ニッケル、亜鉛、及び、銅の酸化物原料を混合し、800℃で1時間仮焼成する。その後、得られた仮焼成物をボールミルによって粉砕し、乾燥させることによって、平均粒径が約2μmのNi-Zn-Cu系のフェライト材料(酸化物混合粉末)を作製する。
フェライト材料を用いてセラミックグリーンシートを作製する場合、高いインダクタンスを得るためには、フェライト材料の組成が、Fe:40mоl%以上、49.5mоl%以下、ZnO:5mоl%以上、35mоl%以下、CuO:4mоl%以上、12mоl%以下、残部:NiO及び微量添加剤(不可避不純物を含む)、であることが好ましい。
セラミックグリーンシートの材料としては、上述したフェライト材料等の磁性材料以外に、例えば、ガラスセラミック材料等の非磁性材料、磁性材料及び非磁性材料の混合材料、等を用いてもよい。
次に、セラミックグリーンシートに、後にコイル導体及びビア導体となる導体パターンを形成する。例えば、まず、セラミックグリーンシートにレーザー加工を施すことによって、直径20μm以上、30μm以下程度のビアホールを形成する。そして、銀ペースト等の導電性ペーストをビアホールに充填し、ビア導体用導体パターンを形成する。更に、セラミックグリーンシートの主面上に、銀ペースト等の導電性ペーストを用いて、スクリーン印刷等の方法によって、厚みが11μm程度のコイル導体用導体パターンを印刷する。コイル導体用導体パターンとしては、例えば、図4に示すようなコイル導体に相当する導体パターンなどを印刷する。
その後、乾燥させることによって、セラミックグリーンシートにコイル導体用導体パターン及びビア導体用導体パターンが形成された構成を有するコイルシートが得られる。コイルシートにおいては、コイル導体用導体パターン及びビア導体用導体パターンが互いに接続されている。
また、コイルシートとは別に、セラミックグリーンシートにビア導体用導体パターンが形成された構成を有するビアシートを作製する。ビアシートのビア導体用導体パターンは、後に連結導体を構成するビア導体となる導体パターンである。
次に、個片化及び焼成後に実装面と平行なコイル軸を有するコイルが積層体の内部に形成されるように、コイルシートを所定の順序で積層させる。更に、コイルシートの積層体の上下にビアシートを積層させる。
次に、コイルシート及びビアシートの積層体を熱圧着して圧着体を得た後、所定のチップサイズとなるように切断することによって、個片化したチップを得る。個片化したチップに対しては、例えば、バレル研磨を施すことによって、角部及び稜線に丸みを付けてもよい。
次に、個片化したチップに対して、所定の温度及び時間で脱バインダ処理及び焼成を施すことによって、内部にコイルを内蔵する積層体(焼成体)を形成する。この際、コイル導体用導体パターン及びビア導体用導体パターンは、各々、焼成後にコイル導体及びビア導体となる。コイルは、コイル導体同士がビア導体を介して接続されてなる。また、積層体の積層方向とコイルのコイル軸方向とは、実装面と平行になる。
次に、銀ペースト等の導電性ペーストを所定の厚みに引き伸ばした層に、積層体を斜めに浸漬して焼き付けることによって、積層体の4面(主面、端面、及び、両側面)に外部電極の下地電極層を形成する。このような方法では、積層体の主面及び端面の2回に分けて下地電極層を形成する場合と比較して、下地電極層を1回で形成できる。
次に、下地電極層に対して、めっきによって、所定の厚みのニッケル被膜及びスズ被膜を順次形成する。その結果、外部電極が形成される。
以上により、本発明の積層型コイル部品が製造される。
以下、本発明の積層型コイル部品をより具体的に開示した実施例を示す。なお、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。
[試料の作製]
(実施例1)
(1)所定の組成を有するフェライト材料(仮焼粉末)を準備した。
(2)上記仮焼粉末に有機バインダ(ポリビニルブチラール系樹脂)、有機溶剤(エタノール及びトルエン)をPSZボールとともにポットミルに入れ、湿式で充分に混合粉砕し、磁性体スラリーを作製した。
(3)ドクターブレード法により、上記磁性体スラリーをシート状に成形加工し、これを矩形に打ち抜くことにより、厚さ15μmのセラミックグリーンシートを複数枚作製した。
(4)Ag粉末と有機ビヒクルを含む内部導体用の導電性ペーストを準備した。
(5)ビアシートの作製
セラミックグリーンシートの所定箇所にレーザーを照射することにより、ビアホールを形成した。ビアホールに導電性ペーストを充填してビア導体を形成、その周囲に円形に導電性ペーストをスクリーン印刷することにより、ランド部を形成した。
(6)コイルシートの作製
セラミックグリーンシートの所定箇所にビアホールを形成し、導電性ペーストを充填してビア導体を形成した後、ランド部及びライン部からなるコイル導体を印刷し、コイルシートを得た。
(7)これらのシートを図4(b)に示すように、絶縁層31b、31c、31b、31cの順で、絶縁層31bと31cをそれぞれn回ずつ積層し、両端部に絶縁層31aを4枚ずつ積層した後、加熱、加圧し、ダイサーで切断して個片化することにより積層成形体を作製した。
(8)積層成形体を焼成炉に入れて、大気雰囲気下、500℃の温度で脱バインダ処理を行い、その後、900℃の温度で焼成することにより、積層体(焼成済み)を作製した。
得られた積層体30個の寸法をマイクロメーターを用いて測定し平均値を求めたところ、L=0.60mm、W=0.30mm、T=0.30mmであった。
(9)Ag粉末とガラスフリットを含有する外部電極用の導電性ペーストを塗膜形成槽に流し込み、所定厚みの塗膜が形成されるようにした。この塗膜に、積層体の外部電極を形成する箇所を浸漬した。
(10)浸漬後、800℃程度の温度で焼き付けることで、外部電極の下地電極を形成した。
(11)電解めっきで、下地電極の上にNi皮膜及びSn皮膜を順次形成して、外部電極を形成した。
以上により、図3に示すような積層体の内部構造を有する実施例1の試料を作製した。
実施例1の試料では、第1の主面に延伸して形成された第1の外部電極の長さ、及び第2の主面に延伸して形成された第2の外部電極の長さは、いずれも30μmであった。また、第1の端面における第1の外部電極の高さ及び第2の端面における第2の外部電極の高さは、いずれも15μmであった。
第1の主面に延伸された第1の外部電極と対向するコイル導体の積層数と第1の主面に延伸された第2の外部電極と対向するコイル導体の積層数の合計が、2であった。
(透過係数S21の測定)
図6は、透過係数S21を測定する方法を模式的に示す図である。
図6に示すように、信号経路61とグランド導体62を設けた測定用治具60に試料(積層型コイル部品1)をはんだ付けした。積層型コイル部品1の第1の外部電極21が信号経路61に接続され、第2の外部電極22がグランド導体62に接続される。
ネットワークアナライザ63を用いて、試料への入力信号と透過信号の電力を求め、周波数を変化させて透過係数S21を測定した。ネットワークアナライザ63には、信号経路61の一端と他端が接続される。
測定結果を図7に、60GHzにおける透過係数S21を表1に示す。図7は、実施例で作製した試料の透過係数S21を示すグラフである。なお、透過係数S21は、0dBに近いほど損失が少ないことを示す。
(実施例2~4、比較例1~3)
下地電極を形成する工程において、塗膜に積層体を浸漬させる角度及び深さを調整して、第1の主面に延伸される外部電極の合計長さ、及び、外部電極と対向するコイル導体の積層数を表1に示すように変更したほかは、実施例1と同様の手順で、実施例2~4及び比較例1~3に係る積層型コイル部品を作製し、透過係数S21を測定した。結果を図7及び表1に示す。
Figure 0007259545000001
表1の結果より、本発明の積層型コイル部品は、60GHzにおける透過係数S21が-3.0dB以上であり、高周波特性に優れることがわかった。
1 積層型コイル部品
10 積層体
11 第1の端面
12 第2の端面
13 第1の主面
14 第2の主面
15 第1の側面
16 第2の側面
21 第1の外部電極
22 第2の外部電極
31a,31b(31b,31b),31c(31c,31c),51a,51b(51b~51b),51c(51c~51c),51d 絶縁層
32,32b(32b,32b),32c(32c,32c),52a,52b(52b~52b),52c(52c~52c),52d コイル導体
33a,33b(33b,33b),33c(33c,33c),53a,53b(53b~53b),53c(53c~53c),53d ビア導体
41 第1の連結導体
42 第2の連結導体
60 測定用治具
61 信号経路
62 グランド導体
63 ネットワークアナライザ
A コイルの中心軸
第1の主面を覆う部分の第1の外部電極の長さ
第1の端面を覆う部分の第1の外部電極の高さ
積層体の長さ寸法
積層型コイル部品の長さ寸法
積層方向におけるコイル導体の配置領域の寸法
積層体の高さ寸法
積層型コイル部品の高さ寸法
積層体の幅寸法
積層型コイル部品の幅寸法

Claims (4)

  1. 複数の絶縁層が長さ方向に積層されてなり、内部にコイルを内蔵する積層体と、
    前記コイルに電気的に接続されている第1の外部電極及び第2の外部電極と、を備え、
    前記コイルは、前記絶縁層とともに前記長さ方向に積層された複数のコイル導体が電気的に接続されてなり、
    前記積層体は、前記長さ方向において相対する第1の端面及び第2の端面と、前記長さ方向と直交する高さ方向において相対する第1の主面及び第2の主面と、前記長さ方向及び前記高さ方向に直交する幅方向において相対する第1の側面及び第2の側面と、を有し、
    前記第1の外部電極は、前記第1の端面の一部と前記第1の主面の一部とを延伸して覆い、
    前記第2の外部電極は、前記第2の端面の一部と前記第1の主面の一部とを延伸して覆い、
    前記第1の主面は、実装面であり、
    前記積層体の積層方向と前記コイルのコイル軸方向とは、前記第1の主面と平行であり、
    前記コイル軸が、前記積層体の高さ方向の略中央に重なり、
    前記積層方向における前記コイル導体の配置領域の寸法は、前記積層体の長さ寸法の85%以上、95%以下であり、
    前記第1の主面に延伸された前記第1の外部電極と対向する前記コイル導体の積層数、及び、前記第1の主面に延伸された前記第2の外部電極と対向する前記コイル導体の積層数の合計は、4以上、12以下であり、
    60GHz以上の高周波帯で用いられることを特徴とする、積層型コイル部品。
  2. 前記コイル導体の積層数は、40以上、60以下である、請求項1に記載の積層型コイル部品。
  3. 前記コイル導体の厚みが3μm以上、6μm以下である、請求項1又は2に記載の積層型コイル部品。
  4. 前記積層体の長さは、560μm以上、600μm以下である、請求項1~3のいずれか1項に記載の積層型コイル部品。
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